JP2023061299A - インホイールモータの冷却装置 - Google Patents

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Hiroshi Shimizu
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Yoshiro Uko
正孝 望月
Masataka Mochizuki
貞治 田本
Sadaji Tamoto
廣道 河村
Hiromichi Kawamura
徹 石川
Toru Ishikawa
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Abstract

【課題】インホイールモータを制御するインバータを効率よく冷却できる軽量・コンパクトな装置を提供する。【解決手段】インバータ19を収容しかつホイール1の内側にモータ5と共に設けられた気密構造のインバータケース17と、インバータ19の少なくとも一部を浸漬させた量でかつ前記インバータ19から熱を受けて蒸発するインバータケース17に封入された電気絶縁性の冷却媒体23と、冷却媒体23の蒸気から放熱させて蒸気を凝縮させる放熱器18と、冷却媒体23の蒸気をインバータケース17の内部から放熱器18に流動させるようにインバータケース17と放熱器18とを連通させている蒸気管路24と、放熱器18で凝縮した冷却媒体23を放熱器18からインバータケース17に還流させるように放熱器18とインバータケース17とを連通させている液戻り管路25とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両のタイヤホイールの内側に配置したモータによってタイヤホイールを駆動するように構成したインホイールモータに関し、特にそのモータを制御するインバータ(もしくは駆動回路あるいは回路基板)を冷却する冷却装置に関するものである。
電気モータ(以下、単にモータと記す)を駆動力源とした車両は、温室効果ガスの排出量を低減できるなどの利点があり,将来の移動手段あるいは交通手段として有望である。この種の電気自動車の一例として、走行用のモータをタイヤホイール(以下、単にホイールと記す)に内蔵したインホイールモータ車が知られている。インホイールモータ車では、各駆動輪のトルクをそれぞれの駆動輪に設けられたモータで直接制御し、そのモータの制御応答性が優れているから、駆動、制動、旋回などの走行性能に優れる。また、複数の駆動輪を単一のモータで駆動するように構成された電気自動車に比較して、変速機やドライブユニットなどの伝動機構を省略もしくは簡素化できるので、車両の軽量化や伝達される動力の損失低減による走行距離の向上、さらには室内空間の拡大などを図ることができる。
インホイールモータの一例が特許文献1に記載されている。そのモータは、永久磁石を装着してあるロータと、そのロータの内周側にロータと同心円上に配置されたコイルを備えたステータとを有しており、ハブシャフトと同一軸線上に配置されている。ロータは、ロータケースの内部に保持されており、そのロータケースをホイールハブに連結することにより、ロータとホイールハブとが連結されている。また、ハブシャフトの外周側に配置されている軸受支持部材に、ある程度体積の大きい蓄熱部材が取り付けられ、その蓄熱部材の外周側にステータ支持部材が一体化されており、そのステータ支持部材の外周端部にステータが取り付けられ、またステータ支持部材のうち蓄熱部材からステータに向けて伸びているフランジ状の部分にスイッチング素子基板や制御回路基板が取り付けられている。そして、この特許文献1に記載されているインホイールモータでは、各基板に実装されている電子部品から発した熱が蓄熱部材に伝達されるので、基板あるいは電子部品が過度に加熱されることを抑制でき、また蓄熱部材から外部に放熱できるので、基板あるいは電子部品を冷却できる、とされている。
インホイールモータは、ホイール内側の狭い空間にモータや制御回路などを配置することになるので、特許文献1に記載されているように、冷却のための工夫をすることが必要である。その一例として、特許文献2には、ステータの内部に冷却チャネルを形成し、その冷却チャネルに冷却剤を流してステータあるいはモータを冷却する構成が記載されている。
さらに、特許文献3には、ホイールの内部に配置したモータおよび減速歯車などをケースの内部に収容し、そのケースの内部にフルードを密封し、そのフルードをポンプによってショックアブソーバとの間で循環させるように構成した冷却構造が記載されている。そのショックアブソーバには、冷却水を循環させる熱交換器が内蔵されており、モータなどから熱を奪って温度が上昇したフルードを熱交換器で冷却することにより、モータや減速歯車などを冷却するように構成されている。
特開2020-14303号公報 特表2016-530871号公報 特開2020-108993号公報
特許文献1に記載された構成では、基板あるいは電子部品の熱は、先ずは、ステータ支持部材を介して蓄熱部材に伝達しなければならないが、ステータ支持部材を介した熱伝達では熱抵抗が大きいので、冷却効果が必ずしも充分ではない。そのため、モータの出力トルクを大きくするのに従ってモータや基板あるいは電子部品の温度が高くなり、モータの出力が制限されてしまう可能性が高い。また、モータや基板などの内周側に、体積が比較的大きい蓄熱部材を配置することになるので、ホイールの内側空間の有効利用が制限され、また蓄熱部材はホイールの外部に直接露出している訳ではないので、放熱効率が低く、この点でも冷却効果が制約される可能性が大きい。
また、特許文献2に記載された構成では、ステータを積極的に冷却できるが、冷却チャネルに冷却媒体を流すための装置や動力が必要であるから、ホイールの内部という限られた空間に配置する装置としては大きさや冷却効率などの点で改良の余地がある。また、回路基板などの制御系統の冷却をも併せて行うように構成するとすれば、冷却装置が複雑化し、コンパクト化を要求されるインホイールモータでは採用することが困難である。
さらに、特許文献3に記載された構成では、特許文献2に記載されている構成と同様に、流体によって熱を輸送するから、特許文献1に記載されている構成と比較して、熱抵抗を下げることができる。しかしながら、フルードを循環流動させるポンプや、そのポンプを駆動する動力が必要であり、しかもショックアブソーバは、熱交換器を備えた特殊な構造としなくてはならない。結局、特許文献3に記載された構成では、コンパクト化や冷却効率などの点で未だ改良の余地がある。
本発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、発熱する電子素子や回路基板などの発熱部と、その熱を外部に放出する放熱部との間の熱抵抗を小さくし、かつ動力を必要とせず、しかも小型化してホイールへの搭載性を向上させたインホイールモータの冷却装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の目的を達成するために、車体構成部材によって支持されるタイヤホイールの半径方向での内側に、前記車体構成部材に連結されるステータと前記タイヤホイールに連結されるロータとを備えたモータが、前記タイヤホイールと同心円上に配置され、前記モータを制御するインバータがタイヤホイールに隣接して配置されているインホイールモータの冷却装置において、前記インバータを収容した気密構造のインバータケースと、前記インバータケースに封入された、前記インバータの少なくとも一部を浸漬させた量でかつ前記インバータから熱を受けて蒸発する電気的に絶縁性の冷却媒体と、前記冷却媒体の蒸気から放熱させて前記蒸気を凝縮させる放熱器と、前記冷却媒体の蒸気を前記インバータケースの内部から前記放熱器に流動させるように前記インバータケースと前記放熱器とを連通させている蒸気管路と、前記放熱器で凝縮した前記冷却媒体を前記放熱器から前記インバータケースに還流させるように前記放熱器と前記インバータケースとを連通させている液戻り管路とを備えていることを特徴とするものである。
本発明では、前記ステータは、コイルを有するとともに環状に形成され、前記インバータケースは、環状に形成され、かつ前記ステータの内周側に隣接して前記モータと同心円上に配置されていてよい。
あるいは本発明では、前記インバータケースは、環状に形成され、かつ前記モータと同一軸線上で前記モータに隣接して配置されていてよい。
また、本発明では、前記タイヤホイールと一体となって回転するブレーキディスクが、前記タイヤホイールの内側でかつ前記タイヤホイールと同一の軸線上に配置されるとともに、前記ブレーキディスクに摩擦接触して制動力を発生するブレーキキャリパが前記車体構成部材に取り付けられ、前記放熱器は、前記タイヤホイールの内側でかつ前記ブレーキディスクと前記軸線の方向に並んで隣接して配置されかつ前記車体構成部材に固定されていてよい。
さらに、本発明では、前記冷却媒体は、前記インバータの熱によって沸騰蒸発する流体であり、前記インバータケースの内部に、前記冷却媒体が沸騰して生じた気泡を導くとともに前記気泡によって液相の前記冷却媒体を上方向に流動させる流路を備えた気泡ポンプが設けられていてよい。
本発明によれば、インバータが動作して熱を発すると、その熱によって冷却媒体が加熱されて冷却媒体が沸騰蒸発する。すなわちインバータは冷却媒体によって冷却され、その場合、冷却媒体はその蒸発潜熱としてインバータから熱を奪うから、インバータを効率よく冷却することができる。言い換えれば、顕熱の形でインバータから熱を奪う構成に比較して、冷却媒体の容量を少なくでき、また冷却媒体蒸気を凝縮させる放熱器を小型化することができる。したがって冷却装置の全体としての構成をコンパクト化できる。冷却媒体の蒸気は、蒸気管路を通って放熱器に流れ、その放熱器で熱を外部に放散して凝縮する。液化した冷却媒体は、液戻り管路を通ってインバータケースの底部に戻る。すなわち、冷却媒体は、蒸発および凝縮を伴ってインバータケースと放熱器との間で相変化しながら循環流動し、インバータの熱を外部に放出する。したがって、インバータの熱は、主として、冷却媒体の蒸発潜熱の形で放熱器に運ばれるから、少量の冷却媒体の循環量で多量の熱を運び、外部に放散でき、この点でも冷却効率を向上させて冷却装置のコンパクト化を図ることができる。さらに、インバータケースと放熱器との間での冷却媒体の循環流動に重力を利用でき、また冷却媒体の循環流動は冷却媒体の相変化、すなわちインバータの熱エネルギによって生じるから、冷却媒体を循環流動させるための機械式ポンプなどの駆動装置が不要であり、冷却のために特にエネルギを消費しないので、冷却装置あるいはインホイールモータの冷却効率を向上させることができる。
本発明に係る冷却装置を原理的に示す分解模式図である。 本発明の一例を一部省略して示す部分断面側面図である。 ホイールの内部におけるブレーキディスクと放熱器との位置関係を示す正面図である。 インバータを内蔵しているインバータケースおよび放熱器を主体とする密閉循環経路の構成を説明するための模式図である。 インバータの基板上における電子素子の配置の一例を示す正面図である。 その放熱器の一例を模式的に示し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるB-B線矢視図である。 インバータケースを貫通させた給電ケーブルをインバータケースに固定するとともにインバータに接続する構成の一例を説明するための模式図である。 インバータケースを貫通させた給電ケーブルをインバータケースに固定するとともにインバータに接続する他の構成を説明するための模式図である。 信号リード線がインバータケースを貫通している箇所の一例を模式的に示す断面図である。 インバータケースの内部に傾斜板を設けた一例を模式的に示し、(a)はインバータケースの一部の断面側面図、(b)はその傾斜板とインバータとの一部を拡大して示す側面図である。 気泡ポンプを設けた例を模式的に示す断面正面図である。 液面より上側の電子素子を冷却するためのヒートパイプを設けた例を模式的に示し、(a)はインバータケースの断面側面図、(b)はその断面正面図である。 放熱器の他の例を一部省略して示す模式図である。 インバータケースをモータと同一軸線上でモータに隣接して配置した例を示す断面側面図である。 放熱器の更に他の例を模式的に示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は放熱チューブの断面図である。 図2の一部を変更してロータケースの内部に送風用のブレードを設けた例を示す部分断面である。
先ず、本発明に係る冷却装置の原理的な構成を図1を参照して説明する。本発明に係る冷却装置は、車両が走行するための駆動力を発生するモータ100や、モータ100を制御する制御回路(より具体的にはインバータ)101を冷却するように構成されている。そのモータ100は、タイヤホイール(以下、単にホイールと記す)102の内周側に配置されるいわゆるインホイールモータである。図1に示す例では、モータ100は、コイルを備えているステータ103と、複数の永久磁石を備え、ステータ103の外周側にステータ103と同心円上に配置されたロータ104とを有するいわゆるアウターロータ型の同期モータである。
ステータ103は、軸受105を介してハブシャフト106を回転可能に保持している軸支持部材107に取り付けられている。ハブシャフト106の先端部にはフランジ状のホイールハブ108が一体に設けられており、このホイールハブ108にホイール102をボルト109およびナット110によって取り付けるようになっている。ロータ104は、このホイールハブ108にブラケット111によって取り付けられる。一方、軸支持部材107は、図示しないサスペンションなどの所定の車体構成部材に取り付けられる。
モータ100を制御するインバータ101は、IGBTやコンデンサ、電流センサなどの電子素子(電子部品)を基板に実装して、全体として円環状に構成されている。インバータ101は、気密構造のインバータケース112の内部に収容されており、そのインバータケース112の内部には、空気などの非凝縮性ガスを脱気した状態で冷却媒体113が所定量封入されている。冷却媒体113は、電子素子の許容温度範囲内の温度で沸騰蒸発し、放熱して凝縮する凝縮性流体であり、電気的には絶縁性の流体である。このインバータケース112は、全体として円環状に構成されて、上述したステータ103の内周側でステータ103(あるいは軸支持部材107)と同心円上に配置されて軸支持部材107に固定されている。なお、インバータ101とモータ100および図示しない電源とは、インバータケース112を気密状態で貫通させた所定のケーブル(図示せず)によって電気的に接続されている。
冷却媒体113の蒸気から放熱させて凝縮させる放熱器114が設けられている。放熱器114は、車両が走行することによって生じる空気流によって冷却されるように構成されており、上部ヘッダと下部ヘッダとを、フィン付きの複数本のチューブで接続したフィンチューブ式の放熱器など適宜の構成のものを採用できる。この放熱器114は、上述したホイール102の内周側あるいはモータ100に隣接した箇所に配置できるように、全体として、ホイール102あるいはモータ100の中心軸線を中心とした円弧状に構成されている。この放熱器114の上部とインバータケース112の上部(冷却媒体113の蒸気が満たしている箇所)とが蒸気管115によって接続され、また放熱器114の底部とインバータケース112の底部(液相の冷却媒体113が満たしている箇所)とが液戻り管116によって接続されている。したがって、インバータケース112と放熱器114とは、蒸気管115および液戻り管116によって上記のように接続されていることにより、全体として密閉循環路を構成している。
したがって図1に原理的に示す本発明に係る冷却装置においては、モータ100を駆動することに伴ってインバータ101やモータ100で不可避的に熱が発生すると、冷却媒体113が沸騰蒸発する。すなわち、インバータ101やモータ100の熱が冷却媒体113によって奪われて、インバータ101やモータ100が冷却される。沸騰蒸発によって生じた冷却媒体113の蒸気は、蒸気管115を通って放熱器114に流動し、放熱器114において外部の空気流によって冷却されて凝縮する。凝縮した冷却媒体113は重力によって流れ落ち、液戻り管116を介してインバータケース112の底部に還流する。
このように、本発明に係る冷却装置によれば、冷却媒体113の蒸発潜熱としてインバータ101やモータ100などから熱を奪ってインバータ101やモータ100などを冷却するから冷却効率が良好になる。また、冷却熱量が大きいことにより、冷却媒体113の量を少なくすることができ、それに伴って冷却装置の全体としての構成を小型軽量化できる。さらに、冷却媒体113の相変化を伴う循環流動は、インバータ101やモータ100などで不可避的に生じる熱を利用して生じさせるから、冷却のための動力(エネルギ)を必要とせず、そのため冷却効率が良好になる。
上述した図1に示す構成は、本発明に係る冷却装置の原理的な構成であり、より具体的な構成を、以下に本発明の実施形態として説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明は以下の実施形態に限定されないのみならず、種々の変更を施して実施することができ、さらに以下に説明する各種の構成を適宜に組み合わせて実施することができる。
図2および図3は、本発明の一実施例を模式的に示しており、図2は全体的な構成を説明するために一部を断面として示す図であって、図2では、タイヤやロータ、ステータ、インバータケース、放熱器などの内部構造は省略してある。また、図3は、放熱器とディスクブレーキとの相対的な位置関係を説明するための図であって、図2のうちブレーキディスクとホイールハブとの合わせ面の箇所で断面した図である。タイヤホイール(以下、単にホイールと記す)1は、従来知られているホイールと同様の構成であって、ディスク2の外周部にほぼ円筒状のリム3が一体化されており、そのリム3にタイヤ4が嵌め込まれている。本発明に係るインホイールモータ(以下、単にモータと記す)5は、このホイール1を直接、駆動するように構成され、ホイール1の内周側に配置されている。ここで、「内周側に配置されている。」とは、モータ5の全体がホイール1の内周側に完全に入り込んでいる状態に限らず、図2に示すように、モータ5の一部がホイール1の内周側に入り込んでいる状態をも含む。
モータ5は、従来知られている適宜の形式のモータであってよいが、エネルギ効率や耐久性あるいはメインテナンス性などの点で、永久磁石式の同期モータであることが好ましい。図2および図3に示す例では、鉄心にコイルを巻いて構成されている円筒状のステータ6の外周側に、永久磁石を円周方向に複数配列した円筒状のロータ7を、ステータ6と同心円上に配置したいわゆるアウターロータ型の同期モータがモータ5として採用されている。
ステータ6は、軸支持部材8によって保持されている。軸支持部材8はホイール1を回転可能に支持するための部材であって、トレーリングアームやサスペンションアームなどの車体構成部材9に取り付けられている。軸支持部材8は、中心軸線Aを中心とした円筒状の支持部10を有しており、ステータ6はその支持部10の外周側に嵌合させた状態で軸支持部材8に取り付けられている。
軸支持部材8の先端側(図2の右側。車体構成部材9とは反対側)には、中心軸線Aを中心とした軸穴部が開口して形成されており、その軸穴部の内部に軸受11が固定されている。さらに、その軸受11の内周側にハブシャフト12が差し込まれて固定されている。すなわち、ハブシャフト12は、軸受11を介して軸支持部材8によって回転可能に支持されている。ハブシャフト12の先端部には、フランジ状のホイールハブ(以下、単にハブと記す)13が一体に設けられている。このハブ13に前述したホイール1が図示しないハブボルトおよびハブナットによって取り付けられる。
ロータ7は、ロータケース14の内部に保持されている。ロータケース14は、モータ5や軸支持部材8さらにはハブシャフト12などを収容しているケース(もしくはハウジング)であって、ロータ7を保持している箇所からハブ13側に延びているいわゆる段付きの円筒状部分を有しており、その先端部が、ハブ13の側面に突き当てられてハブ13に連結されている。このロータケース14の先端部とこれが突き当てられているハブ13の側面との間には、図示しないシール材が挟み込まれていて、気密状態になっている。また、ロータ7を挟んで上記の段付きの円筒状部分とは反対側にエンドカバーが取り付けられており、このエンドカバーの内周縁部は、上記の軸支持部材8の外周面に図示しないシール材を介在させて気密状態に摺接している。なお、エンドカバーと前記段付きの円筒状部分(もしくはロータ7)の端部との間には、図示しないシール材が挟み込まれて、両者の間が気密構造になっている。すなわち、ロータケース14は、全体として気密構造になっていてモータ5や軸支持部材8などが外部の埃や水などから遮蔽され、保護されている。
図2および図3に示すホイール1の内周側にディスクブレーキが配置されている。ディスクブレーキは従来知られている構成のブレーキであり、ハブ13と同心円上にブレーキディスク15が設けられており、このブレーキディスク15はハブ13と一体となって回転するようにハブ13に連結されている。また、ブレーキディスク15に摩擦接触するようにブレーキディスク15を挟み付けて制動力を発生させるブレーキキャリパ16がブレーキディスク15の外周部の所定箇所に配置されている。このブレーキキャリパ16は、車体に対して回転しないように図示しない適宜のブラケットによって上記の車体構成部材9に連結されている。
モータ5に電力を供給し、またモータ5を制御するインバータは、インバータケース17に収容した状態で、モータ5と共にロータケース14の内部に配置されている。また、インバータで発生した熱を外部に放散させる放熱器18が設けられており、その放熱器18はホイール1の内側でかつロータケース14の外側に配置されている。
インバータケース17およびその内部に収容されているインバータ19の一例を図4および図5に模式的に示してある。インバータ19は、シリコンIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、炭化ケイ素、窒化ガリウムでモールドした多数のスイッチング素子や測温素子などの電子素子20を基板21に実装した従来知られている構成の電子部品であり、図4および図5に示す例では、円環状に構成されている。なお、基板21は窒化アルミなどの熱伝導率が高い素材によって構成されていることが好ましい。また、インバータケース17は、中空の円環状の容器であって、熱伝導性の良好な高圧金属容器であり、前述したロータケース14の内部の所定の固定部分(例えば軸支持部材8)に取り付けられている。インバータ19はそのインバータケース17の内部にインバータケース17と同一軸線上に配置され、基板21を貫通する固定ボルト22をインバータケース17の内部の所定箇所にねじ込むことにより、インバータケース17の内面から離隔した状態で、インバータケース17に固定されている。なお、インバータ19とインバータケース17とは電気的に絶縁されている。
インバータケース17は、気密構造であって、沸騰冷却容器を兼ねている。このインバータケース17の具体的な構造の一例を説明すると、カップ状断面もしくはハット形断面でかつ全体として円環状をなす容器の開口端に蓋となる平板を取り付け、両者の接合面にOリングなどのシール材を介在させて封止した構造である。このインバータケース17の内部には、インバータ19の熱によって加熱されて沸騰する冷却媒体23が所定量封入されており、インバータ19の少なくとも一部(より具体的には冷却を要する電子素子20の少なくとも一つ)がその冷却媒体23に浸漬されている。冷却媒体23は、要は、インバータ19の熱を放熱器18に輸送する熱輸送媒体であり、電気的に絶縁性でかつインバータ19の許容温度範囲の温度で蒸発(もしくは沸騰)する流体で、蒸発潜熱が大きく、粘性係数が小さい冷媒が好ましい。一例を挙げると、フッ素系冷却媒体であるNOVEC(登録商標)7100を冷却媒体23として使用することができる。
ここで、電子素子20の配置についてより具体的に説明すると、インバータ19を構成している電子素子20は、IGBT20aやセラミックコンデンサ20b、電流センサ20cなどであり、その発熱量はここに挙げてある順に多い。これに対して本発明に係る冷却装置は、それらの電子素子20を冷却媒体23で冷却する。したがって、発熱量の多い電子素子20は、液相の冷却媒体23中に確実に浸漬していることが好ましい。図5に示す例では、発熱量の多い電子素子20であるIGBT20aが、インバータケース17の上下方向での中央部より下側に配置され、またIGBT20aについで発熱量の多いセラミックコンデンサ20bの大半が、インバータケース17の上下方向での中央部より下側に配置され、さらに上記の三種類の電子素子20のうち発熱量の少ない電流センサ20cが、インバータケース17の上下方向での中央部より上側に配置されている。
インバータケース17は後述するように冷却のためのケースとしても機能するので、図2に示すようにステータ6の内周側に配置し、ステータ6との間で熱伝達が生じるように構成することが好ましい。具体的にはインバータケース17の外周面を前述した円筒状の支持部10の内周面に接触させ、支持部10を介してステータ6からインバータケース17に熱を伝達するように構成することができる。このような構成の場合、支持部10が本発明における「熱伝導部材」に相当する。なお、本発明においては、支持部10に加えて、あるいは支持部10とは別にサーマルグリースなどの熱伝導率の高い部材を「熱伝導部材」としてインバータケース17とステータ6との間に介在させてもよい。
一方、放熱器18は、冷却媒体23の熱を外部に放散させて冷却媒体23を凝縮させる凝縮器であり、従来知られている各種の形式の放熱器を使用することができる。例えばフィンチューブ型やシェルチューブ型などの熱交換器を放熱器18として使用できる。図3に示す例では、放熱器18は円弧状に湾曲した形状になっていて、前述した軸支持部材8の外周側でかつブレーキディスク15に隣接してブレーキディスク15と並列に配置されている。また、この放熱器18は、ブレーキキャリパ16と同様に、上記の車体構成部材9に図示しない適宜のブラケットを介して固定されている。
放熱器18のより具体的な構成の一例を図6に示してある。ここに示す放熱器18は、蒸気ヘッダ管181と液ヘッダ管182とを、互いに平行に配置した複数本の放熱チューブ183によって接続して構成されている。これらの各ヘッダ管181,182や放熱チューブ183は例えばステンレス製であり、各ヘッダ管181,182は例えば図6の(b)に示すように薄い矩形の中空容器であり、また各放熱チューブ183は外径が3mm程度のステンレス管であって、互いに平行でかつ千鳥配列されている。蒸気ヘッダ管181は図6の(a)に示すように鉛直方向に立てた状態に配置され、これに対して液ヘッダ管182は水平方向に寝かせた状態に配置されており、したがって各放熱チューブ183は1/4円弧状に湾曲している。そして、これらの放熱チューブ183が、車両の走行によって生じる冷却風に曝されて冷却されるようになっている。
この放熱器18の蒸気ヘッダ管181とインバータケース17の上部(冷却媒体23の蒸気が満たしている箇所)とが、蒸気管路24によって連通されており、インバータケース17の内部で生じた冷却媒体23の蒸気をこの蒸気管路24によって放熱器18に流動させるように構成されている。また、放熱器18の液ヘッダ管182とインバータケース17の底部(液相の冷却媒体23が満たしている箇所)とが液戻り管路25によって連通されており、放熱器18で凝縮して生じた液相の冷却媒体23をこの液戻り管路25によってインバータケース17に還流させるように構成されている。なお、冷却媒体23の円滑な流動やスペース上の制約などを充足するために、蒸気管路24と液戻り管路25とは、前者に対して後者が細い管路とされている。また、これらの管路24,25は金属パイプに限らず、フレキシブルチューブなどであってよい。
インバータケース17と放熱器18とは、蒸気管路24と液戻り管路25とによって上記のように連通されて気密状態の閉回路を構成している。その閉回路の内部では、冷却媒体23が蒸発と凝縮とを伴って循環流動するから、そのような相変化を円滑に生じさせるために、インバータケース17や放熱器18などの閉回路の内部は、空気などの非凝縮性の気体を可及的に排除しておくことが必要である。なお、上記の閉回路の内部で非凝縮性ガスが生じる場合には、その非凝縮性ガスを収集するリザーバを設けて非凝縮性ガスを循環路中から排除することが好ましい。その一例は後述する。
インバータ19には、図示しないバッテリなどの電源からの給電ケーブル26やモータ5に電力を供給する給電ケーブル26が接続されており、これらの給電ケーブル26はインバータケース17を貫通している。この貫通部分においても高い気密性が要求されるので、図7に示す構造が採用されている。図7は所定の一本の給電ケーブル26をインバータ19に接続している構造を模式的に示しており、給電ケーブル26の導体の先端部に挿入電極27が取り付けられている。挿入電極27は、銅などの導電性に優れた金属からなる軸状の部材であり、給電ケーブル26の導体に圧着および半田付けなどによって接合されている。この挿入電極27の外周側には、PTFEなどの合成樹脂製の絶縁用スリーブ28が嵌合されており、この絶縁用スリーブ28と挿入電極27との間はOリングなどのシール材29によって気密性が維持されている。なお、挿入電極27にはフランジ状の部分を設けることにより絶縁用スリーブ28からの抜け止めが図られている。また、絶縁用スリーブ28を貫通させる貫通孔30がインバータケース17の所定箇所にあけられており、その貫通孔30の内周部にOリングなどのシール材30aが嵌め込まれ、絶縁用スリーブ28とインバータケース17との間を気密状態にシールしている。なお、この貫通孔30のインバータケース17の内部側の端部には,絶縁用スリーブ28を引っ掛ける突起部が設けられている。さらに、絶縁用スリーブ28の後端側(給電ケーブル26側)には、インバータケース17の外面と対向する大きさの固定用フランジ31が一体化されている。この固定用フランジ31を貫通するボルト32をインバータケース17にねじ込むことにより、絶縁用スリーブ28を貫通孔30の内部に押し込んで固定するように構成されている。この固定用フランジ31が本発明における保持プレートに相当している。
一方、基板21のうち前記貫通孔30に対向する位置に受け端子33が、基板21に形成されている配線に導通した状態で設けられている。この受け端子33は、要は、上記の挿入電極27を電気的に接続するための端子であり、例えば挿入電極27の先端部に雄ネジが形成されている場合には、その雄ネジをねじ込む雌ネジが内部に形成された凹端子として構成することができる。あるいは受け端子33は、図8に模式的に示すように、内部の形成した凹部の一部に、内径が大きくなっている膨大部33aを設け、これに対して挿入電極27に半径方向で外側に弾性的に膨らむ凸部(もしくは爪片)27aを設けておき、その凸部27aを膨大部33aに押し込んで両者を抜け止めした状態に連結する構成であってもよい。これら膨大部33aを設けた受け端子33や凸部27aを設けた挿入電極27が本発明における接続具に相当する。
また、インバータ19には各種の信号リード線が接続されており、それらの信号リード線は、インバータケース17を貫通させて所定のセンサなどに接続することになる。その信号リード線がインバータケース17を貫通する箇所は、上記の給電ケーブル26がインバータケース17を貫通する箇所と同様に、気密状態に封止する必要がある。図9にはその信号リード線34がインバータケース17を貫通する箇所の封止構造の一例を模式的に示してある。ここに示す信号リード線34は、複数本の素線を撚った撚り線であり、インバータケース17を貫通している箇所の外周面には、インバータケース17の内外両側の所定長さの範囲に亘って接着剤あるいはポリイミドを円筒状に盛り付けたシール部35が形成されている。その接着剤もしくはポリイミドは、撚り線を構成している素線同士の間に浸透して素線同士の間の隙間を埋めている。そして、シール部35はその外周部でインバータケース17に張り付いていて両者の間を気密状態に閉じている。したがって、図9に示す構成では、信号リード線34とインバータケース17との間のみならず、信号リード線34の内部の空隙までもがシール部35を構成している接着剤もしくはポリイミドによって気密状態に閉じられている。
モータ5を駆動するためにインバータ19が動作した場合、電子素子20で不可避的に熱が生じる。冷却媒体23に浸漬している電子素子20の表面では、冷却媒体23が熱せられて沸騰し、気泡が生じる。図2や図3に示す構成では、インバータ19が中心軸線Aに対して垂直になっていて電子素子20が上下に並んだ状態になっているから、下側の電子素子20の表面で生じた気泡が上側の電子素子20の表面に沿って上昇すると、当該上側の電子素子20の表面が液相の冷却媒体23に対して気泡によって遮蔽され、その電子素子20と液相の冷却媒体23との間の熱伝達が阻害される可能性がある。図10の(a)および(b)は、このような不都合を解消するために、気泡Bを電子素子20の表面から離隔させる傾斜板36を設けた例を示している。
傾斜板36は、縦方向(上下方向)の長さが、一つの電子素子20の縦方向(上下方向)の長さ程度の薄い板片であり、PTFEなどの合成樹脂製であって、一例としてインバータケース17の内面に固定されている。傾斜板36は各電子素子20毎にその表面側に配置されており、下側が電子素子20の表面に接近し、上側が電子素子20の表面から離れるように傾斜して配置されている。したがって、傾斜板36と電子素子20との間に形成される隙間が、気泡Bや冷却媒体23の流路となり、その流路の幅が上側で次第に広くなるから、気泡Bの上昇に伴って、傾斜板36の表面に沿った冷却媒体23の流れが生じ、その流れに乗って気泡Bが電子素子20の表面から遠ざけられる。すなわち、電子素子20が気泡Bによって液相の冷却媒体23から遮蔽されることを防止もしくは抑制して、電子素子20の冷却を促進することができる。
気泡Bは、上述したように、限られた狭い箇所を上昇することにより、その周囲の液体を押し上げもしくは引き上げる。このような機能を利用したポンプが気泡ポンプであり、本発明の実施例においてはそのような気泡ポンプを用いてもよい。図11はその一例を模式的に示しており、ここに示す例は、冷却媒体23の静置状態での液面より高い位置まで気泡Bによって冷却媒体23を汲み上げるように構成した例である。
図11に示す例では、中空の円環状を成すインバータケース17の内部は、仕切り壁37によって内周部17Aと外周部17Bとに二分されている。その仕切り壁37は、インバータケース17の左右の側壁に挟み付けられた状態で、かつインバータケース17の内周壁と外周壁との間でこれらの周壁から離隔した位置にほぼ全周に亘って設けられている。この仕切り壁37は、インバータケース17の下側であって電子素子20が液相の冷却媒体23に浸かっている部分では、電子素子20より内周側に位置している。すなわち、それらの電子素子20は外周部17Bに配置されている。これに対して冷却媒体23の液面近くから上側の部分では、仕切り壁37はインバータケース17の外周壁に接近していて両者の間隔が狭くなっている。すなわち、インバータケース17の上側の部分においては、外周部17Bは気泡Bを上方向に導くとともにその気泡Bによって気相の冷却媒体23を汲み上げる流路となっており、その流路幅は下側で広く、上側で狭くなっている。これは、気泡Bによる液相の冷却媒体23の押し上げ(引き上げ)効果を向上させるためである。すなわち、各気泡Bが液相の作動流体23に対していわゆる栓となって下側から押し上げるようにするために、仕切り壁37とインバータケース17との間隔を狭くしてある。なお、気泡Bによる液相の作動流体23の流動を円滑かつ均一にするために、その流動方向に向けてガイド溝あるいはガイドフィンなどのガイドを設けることが好ましい。具体的には、仕切り壁37の外周面もしくはインバータケース17の内周面に、流動方向に向けた複数条の溝を形成する。このようにすれば、ガイドによる整流作用が生じるとともに、気泡同士が合体して過度に大きくなることが抑制されることにより、気泡ポンプによる液相冷却媒体23の汲み上げ効果が向上する。
そして、仕切り壁37の最上部もしくはその近傍に落下孔38が形成されており、気泡Bによって押し上げ(引き上げ)られた液相の冷却媒体23がこの落下孔38から内周部17Aに流れ込む。気泡Bによって汲み上げる冷却媒体23の流路は、上述のように、インバータケース17の内面と仕切り壁37との間の部分であるから、気泡Bによって汲み上げられる冷却媒体23はインバータケース17の内面に接触する。したがって、インバータケース17のうち、冷却媒体23の液面より上側の部分であっても冷却媒体23によって冷却される。このようなインバータケース17の上側の部分も、通電によって発熱するコイルを含むステータ6に熱伝達可能に接触しているので、結局、気泡Bによって汲み上げられた冷却媒体23によりコイルもしくはステータ6を冷却することができる。また、気泡Bによって汲み上げられた落下孔38から内周部17Aに流れ込んだ冷却媒体23は冷却媒体23の液面より上側に露出している電子素子20に降りかかるから、インバータケース17の上側に位置している電子素子20を冷却することができる。
図11に示す例では、仕切り壁37を上述したように設けることにより、その仕切り壁37とインバータケース17の外周壁との間の部分が気泡ポンプとなっている。これに対して、本発明では、このような気泡ポンプに替えてヒートパイプを設けることができる。図12の(a)および(b)はその一例を模式的に示しており、冷却媒体23の液面より上側に露出している基板21の背面(電子素子20が実装されている面とは反対側の面)に、ヒートパイプ39が熱伝達可能に接触させられている。そのヒートパイプ39の両端部などの他の部分が、冷却媒体23中に浸漬されている。
ヒートパイプ39は、パイプなどの密閉容器の内部から空気などの非凝縮性の気体を脱気するとともに、水やアルコールなどの凝縮性の流体を作動流体として封入し、さらに毛管圧を生じるウイックを必要に応じて密閉容器の内部に設け、作動流体が加熱されて蒸発するとともに放熱して凝縮することにより熱を輸送する熱伝導素子(熱輸送部材)である。図12に示す例では、ヒートパイプ39はインバータケース17と同様に湾曲しており、上側の端部が冷却媒体23の液面より上に露出した状態で基板21の背面に取り付けられており、また下側の端部が冷却媒体23中に浸漬されている。したがって、冷却媒体23の液面より上側に露出している電子素子20の温度が液相の冷却媒体23の温度より高くなると、ヒートパイプ39の上側の端部において作動流体が加熱されて蒸発し、その作動流体蒸気が温度の低い下側の端部に流れる。これに対してヒートパイプ39の下側の端部は冷却媒体23中に浸漬されて温度が低くなっているから、作動流体蒸気は冷却媒体23に対して放熱して凝縮する。すなわち、冷却媒体23の液面上の露出している電子素子20の熱がヒートパイプ39によって冷却媒体23に運ばれてその電子素子20が冷却される。なお、凝縮した作動流体は、ウイックで生じる毛管圧によって、蒸発の生じる箇所に還流する。
なお、上述したように、インバータ19における基板21に実装されている電子素子20のうち、下側に位置する電子素子20は放熱器18から還流してくる冷却媒体23中に浸漬された状態に維持されるが、上側に位置する電子素子20は温度の上昇した冷却媒体23に浸漬され、あるいは液面の低下によって蒸気層中に露出して冷却され難い。このような冷却の難易を考慮して、電子素子20のうちIGBT20aなどの発熱量の多い電子素子20(高発熱部品)は基板21(インバータケース17)の下側の部分に配置し、電流センサ20cなどの発熱量の少ない電子素子20(低発熱部品)は基板21(インバータケース17)の上側の部分に配置されている。すなわち、高発熱部品は低発熱部品より下側(低発熱部品は高発熱部品より上側)に配置されているので、発熱量に応じた冷却が可能になって冷却効率を向上させ、あるいは部分的な過熱を防止することができる。
以上説明した本発明に係る冷却装置では、インバータ19の熱は冷却媒体23に伝達されて冷却媒体23が蒸発する。液中で蒸発が生じれば、冷却媒体23は沸騰する。すなわち、インバータ19は冷却媒体23によって冷却される。電子素子20の表面で生じた冷却媒体23の気泡Bは、液中を上昇するが、図10を参照して説明した傾斜板36を設けてあれば、気泡Bは傾斜板36によって電子素子20の表面から遠ざけられるから、電子素子20と液相の冷却媒体23との接触が妨げられず、電子素子20の冷却が促進される。また、前述した図11を参照して説明した気泡ポンプを設けてある場合には、液面より上側に露出している電子素子20に対して液相の冷却媒体23が汲み上げられるから、当該露出している電子素子20を液相の冷却媒体23によって積極的に冷却することができる。さらに、図12を参照して説明したように、液面上に露出している電子素子20と液相の冷却媒体23との間にヒートパイプ39を設けてある場合には、当該露出している電子素子20の熱をヒートパイプ39によって液相の冷却媒体23に運んで、その電子素子20を冷却することができる。
冷却媒体23は上述したようにして電子素子20を冷却することにより蒸発し、その蒸気は、インバータケース17の上部に接続されている蒸気管路24を通って放熱器18に流れ、その放熱器18において外部に熱を放散して凝縮する。凝縮して温度の低下した冷却媒体23は、液戻り管路25を通ってインバータケース17に還流する。上述した冷却装置では、このようにインバータ19の熱を冷却媒体23の潜熱として放熱器18に運んで放熱するから、冷却熱量が多くなって効率よくインバータ19を冷却することができる。また、熱の輸送すなわち冷却媒体23の流動は、インバータ19の熱をエネルギとして生じさせるから、熱輸送(冷却)のための動力を必要とすることがなく、そのためにエネルギ効率を向上させることができるのみならず、冷却に必要とする機器を少なくして軽量化やコンパクト化を図ることができる。
また、放熱器18をブレーキディスク15に接近させて並列に配置すれば、ブレーキディスク15を冷却する外気の流れを利用して放熱器18から積極的に放熱させることができるので、冷却効果を向上させることができる。
さらに、インバータケース17の内部に前述した気泡ポンプやヒートパイプ39を設けた場合には、冷却媒体23に浸漬していない電子素子20を液相の冷却媒体23によって冷却できる。そのため、冷却媒体23の量はインバータケース17の内部を充満する量より少なくすることができ、また電子素子20の配置位置の制限を緩和することができる。
本発明に係る冷却装置は、上述した構成以外に種々の構成を採用できるのであり、その一例として放熱器18の他の例を説明する。図13に示す放熱器18は、外径が3mm程度の多数の金属製細管を放熱管として使用したいわゆる細管式放熱器の例である。1本のヘッダ管に接続できる放熱管の数には限りがあるから、図13に示す例では、放熱管を複数の群(ユニット)に分け、それらのユニットが蒸気ヘッダ管218や液ヘッダ管318に接続されていて、放熱管の本数の増大が図られている。先ず、冷却媒体の蒸気が供給される蒸気ヘッダ管218側の蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnについて説明すると、各蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnは、7本程度の所定数の放熱チューブr1,r2・・・rmを1本の細ヘッダ管h1に接続した構成になっている。それらの放熱チューブr1,r2・・・rmは、一定の間隔をあけて互いに平行になるように細ヘッダ管h1に接続されている。このように構成された蒸気ヘッダ管218側の各蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnは最小単位のいわゆる小ユニットとなっている。
これらの小蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnの複数個が、細ヘッダ管h1より幾分太い中ヘッダ管h2に接続されている。図13に示す例では、複数の小蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnをそれらの細ヘッダ管h1がほぼ水平となるように上下方向に所定の間隔をあけて配置し、これに対して中ヘッダ管h2を細ヘッダ管h1側にほぼ鉛直方向に向けて配置し、各細ヘッダ管h1と中ヘッダ管h2とが連通管によって接続されている。このように中ヘッダ管h2に接続された複数の小蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnがいわゆる中ユニットとなっている。
複数の中ユニットがそれぞれの中ヘッダ管h2を上下方向の一直線上に並べて配置され、その状態で各中ヘッダ管h2が蒸気ヘッダ管218に所定の連通管によって接続されている。その蒸気ヘッダ管218には前述した蒸気管路24が接続されている。したがって、図13に示す例では、蒸気ヘッダ管218に流れ込んだ冷却媒体23の蒸気は、各中ユニットに分散して供給され、また各中ユニットではその中ヘッダ管h2から各小蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnの細ヘッダ管h1に供給され、ここから各放熱チューブr1,r2・・・rmに分散させて供給される。
上述した例では、放熱チューブr1,r2・・・rmの全数は、小蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnの数と、各小蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnにおける放熱チューブr1,r2・・・rmの数とを掛け合わせた本数になる。これらの放熱チューブr1,r2・・・rmは、液ヘッダ管318側では、各小蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnにおける放熱チューブr1,r2・・・rmの数と同数の群(ユニット)に分けられている。すなわち、配列方向で最も端部側に位置する放熱チューブr1からなる液ユニットUl1、その放熱チューブr1に隣接する放熱チューブr2からなる液ユニットUl2、以下順に隣接する放熱チューブr3,r4・・・rmからなる液ユニットUl3,Ul4・・・Ulmが形成されている。各液ユニットUl1,Ul2・・・Ulmは、蒸気ヘッダ管218側の小蒸気ユニットUv1,Uv2・・・Uvnから延びている放熱チューブr1,r2・・・rmを液ヘッダ管hl1,hl2・・・hlmに接続した構成であり、各液ユニットUl1,Ul2・・・Ulmは、それぞれの液ヘッダ管hl1,hl2・・・hlm同士が所定の間隔をあけて平行で、かつほぼ水平に配置されている液ヘッダ管318に対して平行になるように配置されており、その液ヘッダ管318と各液ヘッダ管hl1,hl2・・・hlmとが所定の連通管によって接続されている。そして、下部ヘッダ管318に前述した液戻り管路25が接続されている。
冷却媒体23の蒸気は上述したように各放熱チューブr1,r2・・・rmに分散させて供給され、その放熱チューブr1,r2・・・rmの中を流動する間に放熱して凝縮する。凝縮した冷却媒体23は、各液ユニットUl1,Ul2・・・Ulmにおける液ヘッダ管hl1,hl2・・・hlmから液ヘッダ管318に集められ、ここから前述したインバータケース17に還流する。このような冷却媒体23の蒸気からの放熱は、可及的に多数の放熱チューブr1,r2・・・rmに蒸気を分散させて行うから、放熱チューブr1,r2・・・rmが短くても充分に放熱させて凝縮させることができ、その結果、放熱器18を全体としてコンパクト化することができる。
上述した実施形態によって説明したように本発明に係る冷却装置は、相変化を伴って循環流動する冷却媒体によってインバータ19やモータ5などを冷却するように構成されているので、全体としての構成を小型軽量化できる。そのため、上述した実施形態では、インバータ19を収容しているインバータケース17をモータ5の内周側でモータ5と同一軸線上(同心円上)に配置してあるが、本発明では、インバータ19およびこれを収容していわゆる蒸発器として機能するインバータケース17はモータ5に隣接して配置され、さらにはモータ5と一体化されていればよい。したがって、本発明においては、図14に示すように、インバータケース17をモータ5と並列に配置してもよい。
具体的に説明すると、図14において、インバータ19や冷却媒体23を収容しているインバータケース17は、モータ5の外径とほぼ等しい外径の円環状を成しており、その一方側(モータ5側)には、内周側に延びたフランジ部17aが設けられ、そのフランジ部17aによって軸支持部材8の端面に固定されている。すなわち、インバータ19およびインバータケース17は、モータ5と同一軸線上でモータ5に隣接して配列されている。そして、特には図示していないが、図14に示す例においても、前述した実施形態におけるのと同様に、インバータケース17と放熱器18とは、蒸気管路および液戻り管路によって連通されている。また、インバータ19には、給電ケーブルや信号リード線などがインバータケース17を貫通して接続されている。
なお、インバータケース17をモータ5と並列に配置した構成では、インバータケース17とモータ5とが熱的に離隔し、モータ5を冷却媒体23によって積極的には冷却できなくなる。このようなモータ5の冷却の不足を補うために、例えばステータ6とロータ7との間のギャップに向けた空気流を生じさせるブレード(図示せず)をロータケース14の内面に設けることが好ましい。また、ロータケース14の外面には放熱フィン(図示せず)を設けることが好ましい。これらブレードや放熱フィンは、図2に示す実施形態においても設けてもよい。
ところで、冷却媒体23の熱を外気に放散するための放熱器18はホイール1の内側に配置する以外に、車体のいずれかの箇所に搭載することができる。その場合、放熱器18の形状や配置姿勢の制約が少なくなるから、図15に示す構成の放熱器18を用いることができる。その構成を説明すると、図15の(a)および(b)に示すように、蒸気ヘッダ管181と液ヘッダ管182とが互いに平行に配置されており、それらのヘッダ管181,182の間に複数本の放熱チューブ183が互いに平行に配置されている。各ヘッダ管181,182はこれらの放熱チューブ183によって連通されている。これらの放熱チューブ183は、その内部で冷却媒体23の蒸気を凝縮させるためのものであり、内面には図15の(c)に断面を示すように、凝縮液切れ促進用の三角形断面の溝184が軸線方向に沿って、また内周面の全体に亘って形成されている。また各放熱チューブ183には放熱面積を拡大するために多数のフィン185が設けられている。なお、フィン185は従来知られている構成のものであってよく、オフセットフィンやルーバフィンなどを採用することができる。
蒸気ヘッダ管181に前述した蒸気管路24が接続され、液ヘッダ管182に前述した液戻り管路25が接続されている。さらに、液ヘッダ管182には、空気などの非凝縮性ガスを捕捉して貯留するリザーバ186が接続されている。なお、インバータケース17や放熱器18を主体として構成されている密閉循環経路内から空気などの非凝縮性ガスを真空排気し、また冷却媒体23を注入する場合、リザーバ186に接続した排気バルブ187を介して行えばよい。
冷却媒体23の凝縮液は、重力によってインバータケース17に還流させることが好ましく、そのために図15に示す放熱器18はホイール1内に設けられているインバータケース17より高い位置に配置され、また液ヘッダ管182が蒸気ヘッダ管181より低くなるように水平面に対して傾斜して設置されている。その傾斜角度θは、冷却媒体23の蒸気や液を放熱チューブ183の内面に確実に、あるいは所定の時間に亘って接触させるなどのことを考慮して実験もしくはシミュレーションによって決めることができ、例えば5度程度が好ましい。
本発明の実施形態のうち例えば前述した図2に示すように、インバータケース17をロータケース14の内部に配置した構成では、結局は、インバータ19の熱をロータケース14を介して外部に放熱することにより、インバータ19を冷却することになる。そのインバータケース17とロータケース14との間の熱伝達は、内部の空気などの気体を介して行うことになるので、前述したように、ロータケース14の内部に空気などの気体の流動を生じさせて、インバータケース17からロータケース14などに対する熱伝達を促進することが好ましい。また一方、図2に示す構成では、ステータ6とインバーケース17とが接触しているので、ステータ6のコイルで発生した熱がインバータケース17に伝わってその温度が上昇し、インバータケース17の内部に設けられているインバータ19の冷却に支障が生じる可能性が考えられる。そこで、インバータ19の冷却とモータ5(もしくはそのステータ6あるいはそのコイル)の冷却とを両立させるために以下の構成を採用することが好ましい。
図16はその構成の一例を模式的に示す断面図であり、前述した図2に示す構成の一部を変更した例である。すなわち、ロータケース14の内面のうちステータ6の側面に対向する箇所に送風用の複数のブレード40が円周方向に一定の間隔を空けて設けられている。これらのブレード40は、回転方向での前方側に向けて凸となるように湾曲しており、その形状は、例えば渦巻きポンプのブレードと類似した形状になっている。すなわち、ブレード40の湾曲形状は、その半径方向での各点での接線と、当該各点における回転円の接線とのなす角度が、半径方向で外周側ほど小さくなる形状になっている。したがって、ブレード40は回転することにより、回転方向で前方側および半径方向で外側に空気などの気体を加圧し、外周側ほど、半径方向で外側に向けた加圧力が大きくなる。したがって、ブレード40が加圧された空気が、ロータ7とステータ6との間のギャップにほぼ軸線方向(図16の左右方向)に供給される。
一方、前述した軸支持部材8のうち前記ステータ6を外周側に取り付けてある円筒状部分の内周面とインバータケース17の外周面との間に、軸線方向に向けた通気路41が設けられている。この通気路41は、例えば上記の円筒状部分の内周面に円周方向に一定の間隔を空けて形成した複数の凹溝、もしくはインバータケース17の外周面に円周方向に一定の間隔を空けて形成した複数の凹溝であり、図16に矢印で示すように空気などの気体が流通するように構成されている。したがって、ステータ6およびインバーケース17は、蒸気のブレード40から送られて上記のギャップおよび通気路41を流れる空気などの気体によって冷却されるとともに、ステータ6からインバータケース17に伝達される熱量が、通気路41を設けたことによる熱抵抗の増大によって制限され、その結果、インバータケース17やその内部のインバータ19からの放熱(冷却)が特には制約されず、インバータ19の加熱を回避できる。なお、ロータケース14の内部の熱伝達を更に促進するためには、その内部の気体を熱伝達率の高い気体、例えばヘリウムとすることができる。
以上、本発明の実施の形態を図を参照しつつ説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されないのであって、必要に応じて適宜の変更を施して実施することができる。また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明に限らず、以下に列記する発明を組み合わせても良く、あるいは単独で構成しても良い。
インホイールモータの冷却装置において、
前記インバータは、前記冷却媒体の液面より上側に位置する電子素子を有し、
前記冷却媒体の液中に一端部を浸漬しかつ他端部を前記電子素子と熱交換可能な位置に配置したヒートパイプが更に設けられている
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
インホイールモータの冷却装置において、
前記インバータは、高発熱素子と、前記高発熱素子より発熱量の少ない低発熱素子とを有し、
前記インバータは、前記高発熱素子を液相の前記冷却媒体中に浸漬した状態で前記インバータケースの内部に配置されている
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
インホイールモータの冷却装置において、
前記インバータケースを貫通して前記インバータに接続された給電ケーブルと、
前記給電ケーブルを前記インバータケースを貫通させた状態で前記インバータケースに対して固定する保持具とを更に有し、
前記保持具は、前記給電ケーブルを気密状態で貫通させて保持している絶縁スリーブと、前記絶縁スリーブを気密状態で保持しかつ前記インバータケースの外面にシール材を介して取り付けられる保持プレートとを有している
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
インホイールモータの冷却装置において、
前記給電ケーブルの先端部は、前記インバータに対してねじ嵌合して接続されていることを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
上述したいずれかの構成のインホイールモータの冷却装置において、
前記給電ケーブルの先端部は、抜け止め用の凹凸部を有する接続具によって前記インバータに接続されていることを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
インホイールモータの冷却装置において、
前記インバータケースを気密状態で貫通して前記インバータに接続された信号リード線を更に有し、
前記信号リード線の前記インバータケースを貫通している部分は被覆のない撚り線となっており、かつ前記撚り線の前記インバータケースを貫通している部分は、接着剤もしくはポリイミドが含浸させられて前記撚り線内の空隙が埋められている
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
インホイールモータの冷却装置において、
前記モータは、前記ロータが前記ステータの外周側に前記ステータと同心円上に設けられたアウターロータ型モータであり、
前記インバータケースは前記ステータの内周側に配置され、
前記インバータケースの外周面と前記ステータの内周面との間に熱伝導部材が介在している
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
インホイールモータの冷却装置において、
前記インバータは、複数の電子素子を表面側に実装した基板を有し、
前記基板は、前記モータの中心軸線に垂直になる向きに配置され、
少なくともいずれか一つの前記電子素子の表面側に、前記電子素子の表面で発生した前記冷却媒体の気泡を前記電子素子の表面から遠ざける方向にガイドする傾斜板が設けられている
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
インホイールモータの冷却装置において、
前記インバータは、発熱する電子素子を実装した基板を有し、
前記基板は、高熱伝導率の素材によって形成され、
前記電子素子の熱を前記基板を介して冷却媒体に伝達して前記基板から前記冷却媒体を沸騰蒸発させるように構成されている
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
インホイールモータの冷却装置において、
前記タイヤホイールを取り付けるホイールハブに一体化してあるハブシャフトが、前記モータの中心軸線と同一軸線上に配置され、
前記ハブシャフトを回転可能に保持しかつ前記車体構成部材に連結される軸保持部材が前記モータの内周側でかつ前記ハブシャフトと同一軸線上に配置され、
前記インバータケースは前記軸保持部材の内周側に配置され、
前記ステータは前記インバータケースの外周側で前記ハブシャフトと同心円上に配置され、
前記ロータは前記ステータの外周側で前記ステータと同心円上に配置され、
前記ロータの外周側を覆って前記ロータに一体化されているロータケースが設けられ、
前記ロータケースは、軸線方向での一方側で前記ホイールハブに気密状態を維持して連結されるとともに、軸線方向での他方側で前記軸支持部材の外周側に気密状態でかつ回転可能に摺接している
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
上記のインホイールモータの冷却装置において、
前記ロータケースの内面に、前記ロータケースと共に回転することにより半径方向で外側に向けて気体を流動させる送風用のブレードが設けられ、
前記インバータケースの外周面と前記ステータの内周面との間に、前記気体を流通させる通気路が設けられている
ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
上記のインホイールモータの冷却装置において、
前記気体は、ヘリウムであることを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
1,102…タイヤホイール
5,100…モータ
6,103…ステータ
7,104…ロータ
8,107…軸支持部材
9…車体構成部材
10…支持部
11,105…軸受
12,106…ハブシャフト
13,108…ホイールハブ
14…ロータケース
15…ブレーキディスク
16…ブレーキキャリパ
17,112…インバータケース
17A…内周部
17B…外周部
17a…フランジ部
18,114…放熱器
19,101…インバータ
20…電子素子
20a…IGBT
20b…IGBT
20c…電流センサ
21…基板
22…固定ボルト
23,113…冷却媒体
24…蒸気管路
25…液戻り管路
26…給電ケーブル
34…信号リード線
36…傾斜射た
37…仕切り壁
38…落下孔
39…ヒートパイプ
40…ブレード
41…通気路
115…蒸気管
116…液戻り管
181,218…蒸気ヘッダ管
182,318…液ヘッダ管
183…放熱チューブ
B…気泡

Claims (5)

  1. 車体構成部材によって支持されるタイヤホイールの半径方向での内側に、前記車体構成部材に連結されるステータと前記タイヤホイールに連結されるロータとを備えたモータが、前記タイヤホイールと同心円上に配置され、前記モータを制御するインバータが前記モータと共に前記タイヤホイールに隣接して配置されているインホイールモータの冷却装置において、
    前記インバータを収容した気密構造のインバータケースと、
    前記インバータケースに封入された、前記インバータの少なくとも一部を浸漬させた量でかつ前記インバータから熱を受けて蒸発する電気的に絶縁性の冷却媒体と、
    前記冷却媒体の蒸気から放熱させて前記蒸気を凝縮させる放熱器と、
    前記冷却媒体の蒸気を前記インバータケースの内部から前記放熱器に流動させるように前記インバータケースと前記放熱器とを連通させている蒸気管路と、
    前記放熱器で凝縮した前記冷却媒体を前記放熱器から前記インバータケースに還流させるように前記放熱器と前記インバータケースとを連通させている液戻り管路と
    を備えていることを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
  2. 請求項1に記載のインホイールモータの冷却装置において、
    前記ステータは、コイルを有するとともに環状に形成され、
    前記インバータケースは、環状に形成され、かつ前記ステータの内周側に隣接して前記モータと同心円上に配置されている
    ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
  3. 請求項1に記載のインホイールモータの冷却装置において、
    前記インバータケースは、環状に形成され、かつ前記モータと同一軸線上で前記モータに隣接して配置されていることを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
  4. 請求項2または3に記載のインホイールモータの冷却装置において、
    前記タイヤホイールと一体となって回転するブレーキディスクが、前記タイヤホイールの内側でかつ前記タイヤホイールと同一の軸線上に配置されるとともに、
    前記ブレーキディスクに摩擦接触して制動力を発生するブレーキキャリパが前記車体構成部材に取り付けられ、
    前記放熱器は、前記タイヤホイールの内側でかつ前記ブレーキディスクと前記軸線の方向に並んで隣接して配置されかつ前記車体構成部材に固定されている
    ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
  5. 請求項2または3に記載のインホイールモータの冷却装置において、
    前記冷却媒体は、前記インバータの熱によって沸騰蒸発する流体であり、
    前記インバータケースの内部に、液相の前記冷却媒体中で生じた気泡を流動させるとともに、前記気泡によって液相の前記冷却媒体を押し上げる気泡ポンプが設けられている
    ことを特徴とするインホイールモータの冷却装置。
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