JP2022119539A - 熱交換器及び改質器 - Google Patents

熱交換器及び改質器 Download PDF

Info

Publication number
JP2022119539A
JP2022119539A JP2021016746A JP2021016746A JP2022119539A JP 2022119539 A JP2022119539 A JP 2022119539A JP 2021016746 A JP2021016746 A JP 2021016746A JP 2021016746 A JP2021016746 A JP 2021016746A JP 2022119539 A JP2022119539 A JP 2022119539A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honeycomb structure
heat exchanger
honeycomb
thermal expansion
adhesive layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021016746A
Other languages
English (en)
Inventor
祥啓 古賀
Yoshihiro Koga
早紀 杉本
Saki SUGIMOTO
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2021016746A priority Critical patent/JP2022119539A/ja
Publication of JP2022119539A publication Critical patent/JP2022119539A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

【課題】第1の流通路が隔壁を隔てて長手方向に並設された第1のハニカム構造体と、第2の流通路が隔壁を隔てて長手方向に並設された第2のハニカム構造体とが、接着層を介して上記第1流通路と上記第2流通路とが交差するように組み合わされ、外周面にコート層が形成された熱交換器において、上記接着層及び上記コート層が高温においても破損しにくい熱交換器を提供する。【解決手段】接着層を介して第1流通路と第2流通路とが直交するように組み合わされてなる柱状の熱交換器であって、熱交換器は両端面に第1流通路が開口し、外周面に第2流通路が開口し、外周面に形成された第2のハニカム構造体の開口部を除き、他の部分はコート層で被覆されており、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数をC1、接着層の熱膨張係数をC2、前記コート層の熱膨張係数をC3とした際、C1<C2≦C3を満たすことを特徴とする熱交換器。【選択図】図1A

Description

本発明は、熱交換器及び改質器に関する。
内燃機関の燃料を改質して燃費を改善する技術として、特許文献1には、以下のような技術が開示されている。すなわち、内燃機関の排気通路から排ガスの一部をEGR(排ガス再循環)ガスとして吸気通路へ還流させ、このEGR通路の途中に、改質用燃料を噴射する改質用燃料噴射弁と改質用燃料を改質する燃料改質触媒とを配置する。そして、改質用燃料噴射弁により噴射された改質用燃料とEGRガス中の水分(水蒸気)等を燃料改質触媒で改質反応させて水素(H)や一酸化炭素(CO)を生成させることで、改質用燃料を改質して燃焼性の高い改質ガスを生成させ、その改質ガスを内燃機関の吸気通路に供給している。また、燃料改質触媒の温度と改質ガス量とに基づいて設定された制御領域内となるように改質用燃料の噴射量を制御することで、燃料改質触媒の劣化を抑制して改質性能の向上を図っている。
上記燃料改質触媒では、水蒸気と炭化水素とが改質器で反応する際に、排ガスの熱を奪うため、燃料改質触媒を、排気管を流れる排ガスと熱交換することができる構成とし、排ガスから熱を供給し、改質反応を促進させている。
特許文献1には、上記燃料改質触媒の具体的な材料や構成等は記載されていないが、改質器での反応を促進させるためには、600℃以上の温度が必要となり、燃料改質触媒を構成する材料として600℃以上の温度に耐え、かつ、熱交換機能を有する改質触媒が必要となると考えられる。
一方、特許文献2には、流路を有する第1の層と第2の層とを互いに交差する方向に積み重ね、焼成したモノリシックセラミック構造を有する熱交換器が開示されている。
特開2015-166591号公報 特開平7-151478号公報
特許文献1に開示された燃料改質触媒用の触媒を担持した熱交換器として、文献2に開示されたような熱交換器を用いることが想定される。このような構成の熱交換器では、各層間は接着層を介して接着され、外周面にはコート層が形成されている。熱交換器は、通常、金属ケース内で保持マットを介して保持されて用いられるが、使用環境下において、金属ケースが熱によって伸び、それによって保持力が低下するため、保持マットを介してあらかじめ高い圧力をかけて熱交換器を保持しておく必要があった。
しかしながら、第1流通路と第2流通路をそれぞれ流通する流体に温度差があると、熱交換器に局所的な膨張差が生じ、それに起因して接着層及びコート層にクラックが入り易いという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、第1の流通路が隔壁を隔てて長手方向に並設された第1のハニカム構造体と、第2の流通路が隔壁を隔てて長手方向に並設された第2のハニカム構造体とが、接着層を介して上記第1流通路と上記第2流通路とが交差するように組み合わされ、外周面にコート層が形成された熱交換器において、上記接着層及び上記コート層が高温においても破損しにくい熱交換器及び該熱交換器を備えた改質器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の熱交換器は、流体の第1流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第1のハニカム構造体と、流体の第2流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第2のハニカム構造体とが、接着層を介して上記第1流通路と上記第2流通路とが直交するように組み合わされてなる柱状の熱交換器であって、
上記熱交換器は、両端面に上記第1流通路が開口し、外周面に上記第2流通路が開口し、
上記外周面に形成された上記第2のハニカム構造体の開口部を除き、他の部分はコート層で被覆されており、
第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数をC1、上記接着層の熱膨張係数をC2、上記コート層の熱膨張係数をC3とした際、C1<C2≦C3を満たすように熱膨張係数が設定されていることを特徴とする。
本発明の熱交換器によれば、上記第1のハニカム構造体及び上記第2のハニカム構造体の熱膨張係数をC1、上記接着層の熱膨張係数をC2、上記コート層の熱膨張係数をC3とした際、C1<C2≦C3を満たすように熱膨張係数が設定されているので、第2のハニカム構造体と第1のハニカム構造体の間に温度差が生じて、熱交換器が部分的に膨張しても、接着層やコート層がより膨張しやすいため、接着層及びコート層にクラックが発生しにくい。
また、熱交換器が保持マットを介して改質器等の金属容器に収納されている場合、保持マットによる保持力の変化が少ないので、熱交換器が金属製容器から脱落するのを、確実に防止することができる。
本発明の熱交換器では、上記熱膨張係数C1は、2.80~4.50×10-6W/m・K、上記熱膨張係数C2及び上記熱膨張係数C3は、3.05~4.75×10-6W/m・Kであることが望ましい。
本発明の熱交換器において、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1、上記接着層の熱膨張係数C2、及び、上記コート層の熱膨張係数C3が上記の値であると、接着層及びコート層にクラックがより発生しにくい。
本発明の熱交換器では、上記熱膨張係数C3と上記熱膨張係数C1との差が下記の不等式(1)で表示されることが望ましい。
C2-C1≧0.05×10-6・・・(1)
本発明の熱交換器において、上記熱膨張係数C3と上記熱膨張係数C1との差が上記の不等式(1)で表示される値であると、接着層及びコート層にクラックがより発生しにくい。
本発明の熱交換器では、上記熱交換器は、3個の上記第1のハニカム構造体と4個の上記第2のハニカム構造体とが、接着層を介してそれぞれ交互に配置されていることが望ましい。
本発明の熱交換器において、3個の上記第1のハニカム構造体と4個の上記第2のハニカム構造体とが、接着層を介してそれぞれ交互に配置されていると、第2のハニカム構造体と第1のハニカム構造体との接触面積が大きく、効率よく熱交換を行うことができる。
本発明の熱交換器では、上記第1のハニカム構造体を構成するセルの隔壁に触媒が担持されていることが望ましい。
本発明の熱交換器において、上記第1のハニカム構造体を構成するセルの隔壁に触媒が担持されていると、上記第1のハニカム構造体の内部で改質反応を行うことができ、上記第2のハニカム構造体に流入した排ガスから熱の供給を受けることにより、改質触媒としての機能を充分に発揮させることができる。
本発明の熱交換器では、上記第1のハニカム構造体及び上記第2のハニカム構造体は、炭化ケイ素とシリコンとからなることが望ましい。
本発明の熱交換器において、上記第1のハニカム構造体及び上記第2のハニカム構造体が、炭化ケイ素とシリコンとからなると、熱伝導性、耐熱性に優れるため、良好な熱交換機能を有し、大きな温度差が発生した場合であっても、破壊等がさらに発生しにくい。
本発明の熱交換器では、上記接着層は、炭化ケイ素とシリコンとからなることが望ましい。
本発明の熱交換器において、接着層が炭化ケイ素とシリコンとからなると、熱伝導性に優れ、第1のハニカム構造体と第2のハニカム構造体との間の熱交換性能をさらに向上させることができる。
本発明の改質器は、上記構成の熱交換器を備えた改質器であって、
上記第2のハニカム構造体には、内燃機関より排出され、主排気管を流通する排ガスが通過するように構成され、上記第1のハニカム構造体には、隔壁に改質用の触媒が担持され、上記主排気管より分岐した排ガス再循環配管に流入した排ガスが通過するように構成されていることを特徴とする。
本発明の改質器が上記のように構成されていると、第2のハニカム構造体から第1のハニカム構造体に排ガスの熱を良好に供給することができ、内燃機関の燃料を改質して燃費を改善する改質器としての性能を良好に発揮させることができる。さらに、熱交換器が炭化ケイ素とシリコンからなる場合、改質されたガスに含まれる水素に対して腐食されにくい。
本発明の改質器では、上記熱交換器は、上記主排気管及び上記排ガス再循環配管に接続された金属製容器内に保持マットを介して収納されていることが望ましい。
本発明の改質器において、上記熱交換器は、金属製容器内に保持マットを介して収納されている場合、上記熱交換器が高温になっても、接着層にクラックが発生しにくい。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る熱交換器を模式的に示す斜視図である。 図1Bは、図1Aに示した熱交換器のA-A線断面図である。 図2Aは、上記構成の熱交換器を改質器に収納する際に用いられる保持マットを模式的に示した斜視図である。 図2Bは、この保持マットを熱交換器に巻き付ける巻き付け方法を模式的に示す説明図である。 図3Aは、本発明の第2の実施形態に係る熱交換器を模式的に示す斜視図である。 図3Bは、図3Aに示した熱交換器のB-B線断面図である。 図4は、本発明の改質器を備えた燃料改質ガソリンエンジンシステムを模式的に示す説明図である。
(発明の詳細な説明)
本発明の熱交換器について説明する。
本発明の熱交換器は、流体の第1流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第1のハニカム構造体と、流体の第2流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第2のハニカム構造体とが、接着層を介して上記第1流通路と上記第2流通路とが直交するように組み合わされてなる柱状の熱交換器であって、
上記熱交換器は、両端面に上記第1流通路が開口し、外周面に上記第2流通路が開口し、上記外周面に形成された上記第2のハニカム構造体の開口部を除き、他の部分はコート層で被覆されており、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数をC1、上記接着層の熱膨張係数をC2、上記コート層の熱膨張係数をC3とした際、C1<C2≦C3を満たすように熱膨張係数が設定されていることを特徴とする。
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る熱交換器を模式的に示す斜視図であり、図1Bは、図1Aに示した熱交換器のA-A線断面図である。
図1A及び図1Bに示すように、本発明の熱交換器100は、流体の第1流通路となる多数のセル13が隔壁12を隔てて長手方向に並設された第1のハニカム構造体10と、流体の第2流通路となる多数のセル23が隔壁22を隔てて長手方向に並設された第2のハニカム構造体20とが、第1流通路(セル13)と第2流通路(セル23)とが直交するように組み合わされて構成されてなる柱状の熱交換器100である。
図1A及び図1Bに示す熱交換器100では、3個の第1のハニカム構造体10と4個の第2のハニカム構造体20とが、接着層18を介してそれぞれ交互に配置されている。なお、図1A及び図1Bに示す熱交換器100では、第1のハニカム構造体10は、1個のハニカムセグメント11により第1のハニカム構造体10を構成しているが、第1のハニカム構造体10は、2個以上のハニカムセグメント11が接着層18を介して接着されることにより1個のハニカム構造体10を構成していてもよい。従って、本発明では、第2のハニカム構造体20に挟まれた1個又は2個以上のハニカムセグメント11の集合体を第1のハニカム構造体10ということとする。なお、ハニカムセグメントは、ハニカム構造体と同じ構造を有する部材である。
第2のハニカム構造体20は、2個のハニカムセグメント21が接着層で接着されることで、ハニカム構造体20を構成しているが、1個のハニカム構造体20により構成されていてもよく、3個以上のハニカムセグメント21が接着層18を介して接着されることにより1個のハニカム構造体20を構成していてもよい。従って、本発明では、第1のハニカム構造体10に挟まれた1個又は2個以上のハニカムセグメント21の集合体を第2のハニカム構造体20ということとする。ただし、第2のハニカム構造体20は、最も外側に位置する場合もあり、その場合は、最も外側の1個又は2個のハニカムセグメント21の集合体も第2のハニカム構造体20である。
図1A及び図1Bにおいて、第1のハニカム構造体10を構成するセル13の延びる方向は、上下方向であり、第2のハニカム構造体20を構成するセル23の伸びる方向は、水平方向であり、お互いの流路は、直交しているので、2種類の流体(ガス)を流通させ易く、熱交換を効率的に行うことができる。
図1A及び図1Bに示す熱交換器100では、両端面に第1のハニカム構造体10の第1流通路となるセル13が開口し、外周面に第2のハニカム構造体20の第2流通路となるセル23が開口し、外周面を構成する第1のハニカム構造体10の表面の全部は、コート層32で被覆され、外周面を構成する第2のハニカム構造体20の表面は、角部34aが面取りされた四角形状の開口部34を除いてコート層31a、31bで被覆されている。
開口部34の角部34aには、直線状のC面取りが施されていてもよいが、図1Aに示すように、曲率半径が1~15mmのR面取りが施されていることが望ましい。
また、熱交換効率を高くするためには、開口部34とコート層31a、31b、32の面積の合計に対する開口部34の面積の割合(開口部/開口部+コート層)の百分率が72~93%であることが望ましく、75~85%がより望ましい。コート層31a、31b、32の厚さは、0.1~0.5mmであることが望ましく、0.2~0.3mmがより望ましい。
本発明の熱交換器においては、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数をC1、上記接着層の熱膨張係数をC2、上記コート層の熱膨張係数をC3とした際、C1<C2≦C3を満たすように熱膨張係数が設定されている。
すなわち、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1より接着層の熱膨張係数C2の方が大きい。また、接着層の熱膨張係数C2とコート層の熱膨張係数C3とは、同じであるか、コート層の熱膨張係数C3の方が接着層の熱膨張係数C2よりも大きいことが望ましい。なお、本明細書において、「本発明の熱交換器」と記載している場合は、上記している第1の実施形態に係る熱交換器、後述する第2の実施形態に係る熱交換器等、本発明の全ての実施形態に係る熱交換器を構成する部材、上記熱交換器に関連する部材等に共通する特性、条件等を記載しているものとする。
本発明の熱交換器において、上記第1のハニカム構造体、上記第2のハニカム構造体、上記接着層及び上記コート層の熱膨張係数が上記のように設定されていると、第2のハニカム構造体と第1のハニカム構造体の間に温度差が生じて、熱交換器が部分的に膨張しても、接着層やコート層がより膨張しやすいため、接着層及びコート層にクラックが発生しにくい。
また、熱交換器が保持マットを介して改質器等の金属容器に収納されている場合、金属容器の温度が上昇することにより熱膨張しても、接着層やコート層も金属容器と同様に膨張するため、保持マットによる保持力の変化が少なく、熱交換器が金属製容器から脱落するのを、確実に防止することができる。
本発明の熱交換器では、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1、接着層の熱膨張係数C2、及び、コート層の熱膨張係数C3が、C1<C2≦C3を満たすように設定されており、さらに、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1は、2.80~4.50×10-6W/m・K、上記接着層の熱膨張係数C2及び上記コート層の熱膨張係数C3は、3.05~4.75×10-6W/m・Kであることが望ましい。
本発明の熱交換器において、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1、上記接着層の熱膨張係数C2、及び、上記コート層の熱膨張係数C3が上記の値であると、接着層及びコート層にクラックがより発生しにくい。
また、本発明の熱交換器では、上記熱膨張係数C3と上記熱膨張係数C1との差が下記の不等式(1)で表示されることが望ましい。
C2-C1≧0.05×10-6・・・(1)
すなわち、接着層の熱膨張係数C2やコート層の熱膨張係数C3は、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1よりも0.05×10-6以上、熱膨張係数が大きいことが望ましい。
第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1、接着層の熱膨張係数C2及びコート層の熱膨張係数C3が上記のように設定されていると、接着層及びコート層にクラックがさらに発生しにくい。コート層の熱膨張係数C3は、接着層の熱膨張係数C2より大きくてもよい。
第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1、接着層の熱膨張係数C2及びコート層の熱膨張係数C3を、上述のように設定するためには、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体と接着層とコート層の組成を変える必要がある。
すなわち、上記の各部材がSiCとシリコンとから構成されている場合、SiCの方が、熱膨張率が高いので、SiCの含有割合を増加させることにより、熱膨張率をより高くすることができる。
本発明の熱交換器において、熱交換の対象となる流体は、水、エチレングリコール等の有機溶剤、液化ガス等の液体であっても、気体(ガス)であってもよいが、ガスが望ましく、排気ガスがより望ましい。
本発明の第1の実施形態に係る熱交換器の体積は、1.2~3.2リットルであることが望ましい。
本発明の熱交換器において、上記熱交換器の体積が、1.2~3.2リットルであると、熱交換器が適切な体積を有しているので、車両等に搭載し易く、熱交換器としての効果を十分に発揮することができる。
上記熱交換器の体積が、1.2リットル未満であると、熱交換器の体積が小さすぎ、充分な量の触媒を担持することが難しくなり、一方、熱交換器の体積が、3.2リットルを超えると、改質器の容量が大きくなるため、車両に搭載することが難しくなる。
本発明の熱交換器において、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体又はこれらの構成部材であるハニカムセグメントの材料は、特に限定されるものではなく、例えば、コージェライト、アルミナ、シリカ、ムライト等の酸化物系セラミック、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物系セラミック、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物系セラミック等や、これらのセラミックと金属との複合材料等が挙げられる。これらのなかでは、炭化ケイ素の複合材料が好ましく、シリコンと炭化ケイ素とからなる複合材料が特に望ましい。
シリコンと炭化ケイ素とからなる複合材料の具体的な構成は特に限定されるものではないが、炭化ケイ素粒子の隙間にシリコンが入り込み、独立した炭化ケイ素粒子が周囲に存在するシリコンにより接着された態様のシリコンと炭化ケイ素の複合材料が望ましい。
このような態様のシリコンと炭化ケイ素とからなる複合材料は、後述するように、ハニカム成形体の脱脂体に溶融状態のシリコンを接触させることにより製造することができる。
開気孔を有する多孔質の炭化ケイ素焼結体の開気孔にシリコンが充填されたものであってもよい。
溶融状態のシリコンと炭化ケイ素とを接触させる際、複数のハニカム成形体の脱脂体が炭化ケイ素を含む接着層となる層を介してお互いに密着した状態で溶融シリコンと接触させることにより、炭化ケイ素とシリコンとからなる接着層も形成され、複数のハニカム構造体(又はハニカムセグメント)が炭化ケイ素とシリコンとからなる接着層で結合された熱交換器とすることができる。
本発明の熱交換器において、ハニカム構造体(又はハニカムセグメント)同士を結合させる接着層は、特に限定されるものではないが、ハニカム構造体(又はハニカムセグメント)と同様、炭化ケイ素粒子の隙間にシリコンが入り込んだ状態の複合材料が望ましい。このような複合材料は、後述するように、炭化ケイ素の含有割合が原料ペーストに比べて高い接着層用ペーストを、ハニカム成形体同士を接着させるために側壁に塗布し、ハニカム成形体同士を接着させた後乾燥させ、これらを溶融状態のシリコンと接触させることにより作製することができる。
本発明の熱交換器において、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の隔壁の厚さは、均一であることが望ましい。具体的には、触媒を担持する第1のハニカム構造体の隔壁の厚さは、0.08~0.30mmであることが望ましく、0.10~0.20mmであることがより望ましい。第1のハニカム構造体の隔壁の厚さが薄いので、表面積が大きくなり、より多量の触媒を担持することが可能となる。
第2のハニカム構造体の隔壁の厚さは、0.10~0.40mmであることが望ましく、0.15~0.30mmであることがより望ましい。第2のハニカム構造体の隔壁の厚さが厚いので、熱容量が大きくなり、多量の熱を第1のハニカム構造体に供給することができる。
第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の隔壁の厚さが上記のように設定されていると、より多量に触媒が担持可能となり、改質効率が高くなるとともに、第2のハニカム構造体から第1のハニカム構造体により多量の熱を供給することができるため、触媒の活性をより高くすることができる。
本発明の熱交換器において、ハニカム構造体を構成するセルの形状としては、例えば、端面が矩形状であり、全体が四角柱状であることが望ましいが、三角柱状や六角柱状であってもよい。
セルの形状はそれぞれ異なっていてもよいが、全て同じであることが望ましい。すなわち、ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面において、隔壁に囲まれたセルのサイズが同じであることが望ましい。容易に製造することができるからである。
本発明の熱交換器において、第1のハニカム構造体のセルの長手方向に垂直な断面におけるセル密度は、46~124個/cm(300~800個/inch)であることが望ましく、62~93個/cm(400~600個/inch)がより望ましい。表面積が大きくなり、多量の触媒を担持することができるからである。
また、第2のハニカム構造体のセルの長手方向に垂直な断面におけるセル密度は、16~78個/cm(100~500個/inch)であることが望ましく、31~62個/cm(200~400個/inch)であることがより望ましい。熱容量がおおきくなり、多量の熱を第1のハニカム構造体に供給することができる。
本発明の熱交換器において、第1のハニカム構造体を構成するセルには、触媒が担持されていることが望ましく、燃料改質触媒が担持されていることがより望ましい。
触媒としては、Co、Ni、Rh、Pt、Pdが望ましく、Rhがより望ましい。担体に担持された触媒としては、Rh/ZrO、Rh/CoOが望ましい。担体は、シリカ、アルミナ等の他のセラミックであってもよい。
[熱交換器の製造方法]
次に、本発明の熱交換器を製造する方法について説明する。
本発明の熱交換器を製造する際には、以下に示す工程を経て、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体を含んで構成される熱交換器を製造する。以下では、上記ハニカム構造体を構成する材料として、炭化ケイ素及びシリコンを使用した場合について説明するが、ハニカム構造体を構成する材料は、上記材料に限られない。
本発明の熱交換器は、例えば、炭化ケイ素粉末、有機バインダ等を含む原料ペーストを成形することにより、複数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を作製する成形工程と、上記成形工程により成形されたハニカム成形体を乾燥する乾燥工程と、上記乾燥工程により乾燥された第1のハニカム構造体となるハニカム成形体と第2のハニカム構造体となるハニカム成形体同士を、接着層となる接着層用ペーストを介して接着させ、ハニカム成形体の集合体(ハニカム集合体)を作製するハニカム集合体作製工程と、上記ハニカム集合体を円柱形状に加工する柱状体作製工程と、円周形状に加工された柱状体の外周部分にコート層となるコート層用ペーストを塗布し、コート層用ペースト層を形成するコート層用ペースト塗布工程と、コート層用ペーストが塗布された柱状体を脱脂し、さらに高温に加熱し、脱脂体に溶融シリコンを含浸させることにより、炭化ケイ素とシリコンの複合材料からなるハニカム構造体と接着層とコート層とから構成される熱交換器を製造する脱脂・含浸・接着工程とを行うことにより製造することができる。
(成形工程)
成形工程では、まず、炭化ケイ素粉末、有機バインダ等を混合して原料ペーストを調製する。
原料ペーストには、さらに造孔剤、成形助剤、水等の分散媒等が含まれていてもよい。
有機バインダとしては、特に限定されないが、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
造孔剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、コークス、デンプン等が挙げられる。造孔剤とは、ハニカム構造体(又はハニカムセグメント)を製造する際、ハニカム構造体(又はハニカムセグメント)の内部に気孔を導入するために用いられるものをいう。
成形助剤としては、特に限定されないが、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
分散媒としては、特に限定されないが、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
原料ペーストを調製する際には、混合混練することが望ましく、ミキサー、アトライタ等を用いて混合してもよく、ニーダー等を用いて混練してもよい。
成形工程では、上記原料ペーストを押出成形することにより、複数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を得る。
ハニカム成形体の形状は特に限定されるものではないが、角柱形状が望ましく、四角柱形状がさらに望ましい。また、第1のハニカム構造体(又はハニカムセグメント)となるハニカム成形体と第2のハニカム構造体(又はハニカムセグメント)となるハニカム成形体とは、隔壁の厚さやセル密度が異なることが望ましいので、それに合致するような形状のハニカム成形体をそれぞれ作製する必要がある。
ハニカム成形体の端面が矩形からなる場合、長い方の辺の長さが20~50mmであることが望ましい。上記ハニカム成形体の端面が矩形からなり、長い方の辺の長さが20~50mmであると、製造されるハニカム構造体(又はハニカムセグメント)の形状が充分に小さいので、熱交換器全体に大きな温度差が発生した場合であっても、破壊等が発生しにくいからである。
(乾燥工程)
続いて、ハニカム成形体を乾燥してハニカム乾燥体を得る乾燥工程を行う。
乾燥工程では、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等の乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥してハニカム乾燥体を作製する。
この工程により、第1のハニカム構造体(又はハニカムセグメント)用のハニカム乾燥体と第2のハニカム構造体(又はハニカムセグメント)用のハニカム乾燥体が作製される。
(ハニカム集合体作製工程)
この工程では、原料ペーストとほぼ同じ組成であるが、原料ペーストよりもSiCの含有割合が高い接着層用ペーストを用い、ハニカム乾燥体を、接着層用ペーストを介して接着させ、ハニカム乾燥体の集合体(ハニカム集合体)を作製する。
この際、脱脂・含浸・接着工程を経ることにより、本発明の熱交換器の構成となるように上記した形状の異なる2種類のハニカム乾燥体、すなわち、第1のハニカム構造体(又はハニカムセグメント)用のハニカム乾燥体と第2のハニカム構造体(又はハニカムセグメント)用のハニカム乾燥体同士を組み合わせて接着する。
(柱状体作製工程)
この工程では、角柱形状の上記ハニカム集合体に対し、ダイヤモンドカッター等の切削工具を用いて切削加工を施し、円柱形状に加工する。
(コート層用ペースト塗布工程)
次に、図1A及び図1Bや図3A及び図3Bに示したコート層を形成する箇所にコート層用ペーストを塗布し、乾燥固化することによりコート層となる層を形成することができる。
コート層用ペーストとしては、原料ペーストとほぼ同じ組成のものであるが、SiCの含有割合が原料ペーストよりも高いものが挙げられる。
なお、下記する脱脂・含浸・接着工程の後に、コート層用ペースト塗布工程を行い、コート層用ペーストを乾燥固化することによりコート層を形成してもよい。
(脱脂・含浸・接着工程)
この工程では、円柱形状に加工され、コート層となる層が形成されたハニカム集合体に対し、脱脂工程を行った後、引き続き、含浸・接着工程を行う。
従って、この工程においては、上面が開口しているセラミック製の容器の底面にシリコン(金属ケイ素)を配置し、容器の内部に多孔質のセラミックからなる支持具を介してハニカム集合体を配置し、脱脂工程を行った後、含浸・接着工程を行う。
脱脂工程では、乾燥工程により乾燥されたハニカム乾燥体の集合体を400~1400℃の温度で加熱し、ハニカム乾燥体に含まれる有機分を焼失させる。脱脂温度は、400~600℃がより望ましい。雰囲気は、酸素を含む雰囲気が望ましい。
続いて、含浸・接着工程を行う。すなわち、脱脂工程を終了した脱脂体を1420~2000℃の温度で加熱し、炭化ケイ素とシリコンの複合材料とする。加熱温度は、1420~1600℃がより望ましい。雰囲気は、不活性ガス雰囲気が望ましい。
上記温度で加熱することにより溶融したシリコン(金属ケイ素)が毛細管現象により多孔質の支持具を通じて脱脂体の隔壁を構成する炭化ケイ素の粒子の隙間に入り込み、その隙間にシリコンが含浸される。
また、溶融したシリコンは、接着層用ペーストの脱脂体やコート層用ペーストの脱脂体の間にも入り込み、脱脂体に含まれる炭化ケイ素と複合材を形成し、接着層となってハニカム構造体(又はハニカムセグメント)同士をしっかりと接着するとともに、外周部分を被覆するコート層が形成される。
上記の温度範囲であると、得られる熱交換器は、その構成成分である炭化ケイ素の殆どが焼結されず、炭化ケイ素粒子とシリコンとがそれぞれ独立して存在する未焼結のハニカム構造体となる。すなわち、ハニカム構造体(又はハニカムセグメント)を構成する隔壁は、独立した炭化ケイ素粒子が周囲に存在するシリコンにより接着された状態のシリコンと炭化ケイ素との複合材料から構成されている。この未焼結のハニカム構造体は、ヤング率が高く、変形し難い特性を有しており、熱交換器として有用である。
また、上記工程を経ることにより、流体の第1流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第1のハニカム構造体と、流体の第2流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第2のハニカム構造体とが、前記第1流通路と前記第2流通路とが直交するように組み合わされてなる熱交換器を作製することができる。
本発明の熱交換器の製造方法では、それぞれのハニカム乾燥体を脱脂する脱脂工程を行った後、通常の焼成工程を行って多孔質の炭化ケイ素の焼結体からなるハニカム焼成体を製造し、その後、ハニカム焼成体同士を接着させる接着工程、円周形状に加工する加工工程、シリコンを含浸させる含浸・接着工程、コート層を形成する工程等を行ってもよい。
(触媒担持工程)
本発明では、本発明の熱交換器に燃料改質触媒等の触媒を担持することにより、燃料改質触媒として使用することができる。
上記熱交換器にロジウム等の貴金属からなる燃料改質触媒等の触媒を担持する方法としては、例えば、貴金属粒子もしくは錯体を含む溶液にハニカム構造体を浸漬した後、引き上げて加熱する方法等が挙げられる。
図2Aは、上記構成の熱交換器を改質器に収納する際に用いられる保持マットを模式的に示した斜視図であり、図2Bは、この保持マットを熱交換器に巻き付ける巻き付け方法を模式的に示す説明図である。
保持マット50は、マット51の両端部に凸部51a及び凹部51bを有するとともに、熱交換器100に巻き付けた際に流体入り口及び流体出口であるセル23が露出するように、マット開口部51c、51d、51e、51f、51g、51hが形成されており、図2Bに示すように、熱交換器100に巻き付けると、マット開口部51c、51d、51e、51f、51g、51hを介して流体入り口及び流体出口であるがセル23が露出し、保持マット50を介して改質器を構成する金属容器に押し込んで、固定することにより、流体入り口及び流体出口であるがセル23が露出した状態で改質器にしっかりと収納される。
図3Aは、本発明の第2の実施形態に係る熱交換器を模式的に示す斜視図であり、図3Bは、図3Aに示した熱交換器のB-B線断面図である。
図3A及び図3Bに示すように、本発明の第2の実施形態に係る熱交換器200は、流体の第1流通路となる多数のセル113が隔壁112を隔てて長手方向に並設されたセラミック製の第1のハニカム構造体110と、流体の第2流通路となる多数のセル123が隔壁122を隔てて長手方向に並設されたセラミック製の第2のハニカム構造体120とが、第1流通路(セル113)と第2流通路(セル123)とが直交するように組み合わされて構成されてなる柱状の熱交換器200である。
第2の実施形態に係る熱交換器200では、第1のハニカム構造体110の両側に接着層118を介して第2のハニカム構造体120が配置されている。第1の実施形態の場合と同様に、第1のハニカム構造体110及び第2のハニカム構造体120は、図3A及び図3Bに示すように、1個のハニカムセグメントから構成されていてもよく、3個以上のハニカムセグメントが接着層を介して接着されることにより1個の第1のハニカム構造体110を構成していてもよく、第2のハニカム構造体120を構成していてもよい。
図3A及び図3Bにおいて、第1のハニカム構造体110を構成するセル113の延びる方向は、上下方向であり、第2のハニカム構造体120を構成するセル123の伸びる方向は、水平方向であり、お互いの流路は、直交しているので、2種類の流体(ガス)を流通させ易く、熱交換を効率的に行うことができる。
図3A及び図3Bに示す熱交換器200では、両端面に第1のハニカム構造体110の第1流通路となるセル113が開口し、外周面に第2のハニカム構造体120の第2流通路となるセル123が開口し、外周面を構成する第1のハニカム構造体110の表面の全部は、コート層132で被覆されており、外周面を構成する第2のハニカム構造体120の表面は、角部134aが面取りされた四角形状の開口部134を除いてコート層131a、131bで被覆されている。
従って、大きな熱応力が作用した場合であっても、開口部134の角部134aに熱応力が集中せず、周囲のコート層131a、131b、132に破損等が発生しにくい。
開口部134の角部134aには、直線状のC面取りが施されていてもよいが、曲率半径が1~15mmのR面取りが施されていることが望ましい。
また、熱交換効率を高くするためには、開口部134とコート層131a、131b、132の面積の合計に対する開口部134の面積の割合(開口部/開口部+コート層)の百分率が72~93%であることが望ましく、75~85%がより望ましい。コート層131a、131b、132の厚さは、0.1~0.5mmであることが望ましく、0.2~0.3mmがより望ましい。
本発明の第2の実施形態に係る熱交換器の体積は、1.2~3.2リットルであることが望ましい。
本発明の熱交換器においては、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数をC1、上記接着層の熱膨張係数をC2、上記コート層の熱膨張係数をC3とした際、C1<C2≦C3を満たすように熱膨張係数が設定されている。
すなわち、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1より接着層の熱膨張係数C2の方が大きい。また、接着層の熱膨張係数C2とコート層の熱膨張係数C3とは、同じであるか、コート層の熱膨張係数C3の方が接着層の熱膨張係数C2よりも大きいことが望ましい。
本発明の熱交換器において、上記第1のハニカム構造体、上記第2のハニカム構造体、上記接着層及び上記コート層の熱膨張係数が上記のように設定されていると、第2のハニカム構造体と第1のハニカム構造体の間に温度差が生じて、熱交換器が部分的に膨張しても、接着層やコート層がより膨張しやすいため、接着層及びコート層にクラックが発生しにくい。
また、熱交換器が保持マットを介して改質器等の金属容器に収納されている場合、金属容器の温度が上昇することにより熱膨張しても、接着層やコート層も金属容器と同様に膨張するため、保持マットによる保持力の変化が少なく、熱交換器が金属製容器から脱落するのを、確実に防止することができる。
本発明の熱交換器では、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1、接着層の熱膨張係数C2、及び、コート層の熱膨張係数C3が、C1<C2≦C3を満たすように設定されており、さらに、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1は、2.80~4.50×10-6W/m・K、上記接着層の熱膨張係数C2及び上記コート層の熱膨張係数C3は、3.05~4.75×10-6W/m・Kであることが望ましい。
また、本発明の熱交換器では、上記熱膨張係数C3と上記熱膨張係数C1との差が下記の不等式(1)で表示されることが望ましい。
C2-C1≧0.05×10-6・・・(1)
すなわち、接着層の熱膨張係数C2やコート層の熱膨張係数C3は、第1のハニカム構造体及び第2のハニカム構造体の熱膨張係数C1よりも0.05×10-6以上、熱膨張係数が大きいことが望ましい。
また、第1の実施形態に係る熱交換器では、3個の上記第1のハニカム構造体と4個の上記第2のハニカム構造体とが、それぞれ交互に配置されており、第2の実施形態に係る熱交換器では、第1のハニカム構造体の両側に第2のハニカム構造体が配置されているが、本発明の熱交換器では、これらの実施形態に限定されるものではなく、流体の第1流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第1のハニカム構造体と、流体の第2流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第2のハニカム構造体とが、上記第1流通路と上記第2流通路とが直交するように組み合わされておれば、組み合わせの数は限定されないが、第1のハニカム構造体と第2のハニカム構造体とがそれぞれ交互に配置されていることが望ましい。
本発明の改質器は、上述の熱交換器を備えた改質器であって、
上記第2のハニカム構造体には、内燃機関より排出され、主排気管を流通する排ガスが通過するように構成され、上記第1のハニカム構造体には、隔壁に改質用の触媒が担持され、上記主排気管より分岐した排ガス再循環配管に流入した排ガスが通過するように構成されていることを特徴とする。
図4は、本発明の改質器を備えた燃料改質ガソリンエンジンシステムを模式的に示す説明図である。
この燃料改質ガソリンエンジンシステム300では、ガソリンエンジン41から排出される排気ガスを通過させる排気管42の途中で排気管が主排気管43と排ガス再循環配管44(以下、EGR管という)とに分岐し、EGR管44の途中に燃料改質触媒として機能する熱交換器100及び保持マット50を収納した改質器60が配置されている。図4に示すように、この改質器60には、主排気管43も接続されており、主排気管43を流れるガスは、保持マット50のマット開口部51c、51d、51e、51f、51g、51h及び熱交換器100の流体入り口及び流体出口であるマット開口部を介して第2のハニカム構造体のセルに導入、排出され、一方、EGR管44を流れるガスは、熱交換器100を構成する第1のハニカム構造体のセルを通過し、熱交換がなされる。なお、図中、45は、自動弁であり、状況に応じて適宜、開閉する。
EGR管44における改質器60の入り口には、改質用燃料噴射装置46が配置されており、この改質用燃料噴射装置46より改質用燃料が噴射される。一方、ガソリンエンジン41の吸入用配管49には、ポート式燃料噴射装置48が配置されており、吸入時にエンジン用の燃料が噴射される。
改質器60では、改質用燃料噴射装置46より噴射された燃料は、排ガス中の水蒸気とガソリン燃料の主成分である炭化水素とが熱交換器100に担持された燃料改質触媒により活性化されて反応し、水素と一酸化炭素とメタンに変わる。このような組成の水素を含む気体は、エンジンの吸入空気と混ざるとともに、ポート式燃料噴射装置48より噴射された燃料とも混ざり、混合気となってガソリンエンジン41の内部に入り、ガソリンエンジン41の内部で燃焼される。混合気に混じった水素は、燃焼速度を速めることができ、ガソリンエンジン41の燃焼効率を高めることができる。
改質器60内の第1のハニカム構造体では、上記した燃料改質触媒の存在下での吸熱反応により熱を奪われるが、本発明の熱交換器では、第2のハニカム構造体から第1のハニカム構造体に排ガスの熱を良好に供給することができ、温度低下が抑制され、内燃機関(ガソリンエンジン)の燃料を改質して燃費を改善する改質触媒としての性能を良好に発揮させることができる。さらに、熱交換器が炭化ケイ素とシリコンからなる場合、改質されたガスに含まれる水素に対して腐食されにくい。
また、熱交換器を構成するハニカム構造体、接着層及びコート層の熱膨張率が適切に設定されているので、接着層及びコート層にクラックが発生しにくい。
(実施例)
以下、本発明の実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末56.3重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末24.1重量%とを混合し、得られた混合物に対して、有機バインダ(メチルセルロース)4.4重量%、潤滑剤(日油社製 ユニルーブ)0.8重量%、グリセリン0.8重量%、オレイン酸2.2重量%、および、水11.4重量%を加えて混練して原料ペーストを得た。
この後、第1のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントを製造するための金型、及び、第2のハニカム構造体を構成するハニカム成形体を製造するための金型を用い、原料ペーストの押出成形を行い、ハニカム成形体を作製した。
上記工程により作製された第1のハニカム構造体を構成するハニカムセグメント用のハニカム成形体は、端面の形状に関し、14.6mm×105.4mmの長方形で、その長さは、140mm、セル密度は、47個/cm(300個/inch)、隔壁の厚さは、0.25mmであり、第2のハニカム構造体を構成するハニカムセグメント用のハニカム成形体は、端面の形状に関し、14.6mm×70mmの長方形で、その長さは、105mm、セル密度は、47個/cm(300個/inch)、隔壁の厚さは、0.25mmであった。
次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させることにより、ハニカム成形体の乾燥体を作製した。
次に、平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末53.5重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.9重量%とを混合し、得られた混合物に対して、有機バインダ(メチルセルロース)4.4重量%、潤滑剤(日油社製 ユニルーブ)0.8重量%、グリセリン0.8重量%、オレイン酸2.2重量%、および、水15.4重量%を加えて混練して接着層用ペーストを得た。
得られた第1のハニカム構造体を構成するハニカムセグメント用のハニカム乾燥体と第2のハニカム構造体を構成するハニカムセグメント用のハニカム乾燥体とを用い、接着層用ペーストを接着材として、製造工程を終えたハニカム乾燥体の集合体(ハニカム集合体)が図1A及び図1Bに示す熱交換器100の構成となるようにハニカム乾燥体を組み合わせ、乾燥させた。なお、接着層の厚みがそれぞれ1mmとなるように接着層用ペーストを塗布した。
得られたハニカム乾燥体の集合体をその両端面が第1のハニカム構造体の端面になるように、直径が105mm、長さが140mmの円柱状に外形加工した。さらに、円柱状のハニカム集合体の外周面を構成する第2のハニカム構造体に、角部に曲率半径10mmのR面取りが施された縦120mm×横14.6mmの長方形の開口部が形成されるように、外周のその他の部分にコート層の厚さが0.3mmとなるように、コート層用ペーストを塗布した。コート層用ペーストには上記接着層用ペーストと同じものを用いた。なお、開口長さは外周の曲面に沿って測定したものである。
底面に金属ケイ素(シリコン)を載置したセラミック製の容器に、支持具を介してコート層が形成されたハニカム乾燥体の集合体を載置し、加熱炉に搬入し、大気雰囲気下、400℃で脱脂する脱脂工程を行った後、加熱炉内をアルゴンガスで置換し、1450℃、1時間の加熱条件下、含浸接着工程を行った。
得られた図1に示す構成の熱交換器において、外形は直径105mm、長さ140mmであり、第1及び第2のハニカム構造体を構成するハニカムセグメント11のセル密度は、47個/cm(300個/inch)、隔壁の厚さは、0.25mmである。
第1のハニカム構造体は、1個のハニカムセグメントで、第2のハニカム構造体は2個のハニカムセグメントが接着層で接着されることで、1個の第1及び第2のハニカム構造体を構成しており、3個の第1のハニカム構造体10と4個の第2のハニカム構造体20とが、接着層18を介してそれぞれ交互に配置されていた。また、第2のハニカム構造体20を構成するハニカムセグメント21の流路と第1のハニカム構造体10を構成するハニカムセグメント11の流路とがお互いに直交するように配置されていた。
(比較例1)
接着層用ペースト及びコート層用ペーストとして、原料ペーストと同じ組成のものを用いた他は、実施例1と同様にして、熱交換器を製造した。
(評価)
[キャニング]
製造された実施例1及び比較例1に係る熱交換器を図2A及び図2Bに示すように保持マットを巻いて、円筒状の金属ケースに収容したところ、保持マットに破損なく熱交換器の外周からのガス漏れがないことが確認できた。
[耐久性及び熱交換効率試験]
改質器と同様の構造の金属ケースに収容された実施例1及び比較例1に係る熱交換器の第2のハニカム構造体を構成するセルに900℃のガスを流量50g/秒で流し、第1のハニカム構造体を構成するセルに500℃のガスを流量15g/秒で1分間流し、その後、熱交換器の接着層やコート層にクラック等が発生されているか否かを観察した。
その結果、実施例1に係る熱交換器の接着層やコート層にクラックは発生しておらず、良好に熱交換器が機能することが明らかになった。また、第1のハニカム構造体から流出するガスが、710℃に温められており、熱交換器が良好な熱交換性能を示すことが証明された。
一方、比較例1に係る熱交換器の接着層にはクラックが発生しており、ハニカム構造体と接着層とが同じ熱膨張率であると、接着層にクラックが発生し易いことが判明した。
10、110 第1のハニカム構造体
11、21 ハニカムセグメント
12、22、112、122 隔壁
13、23、113、123 セル
18、118 接着層
20、120 第2のハニカム構造体
31a、31b、32、131a、131b、132 コート層
34、134 開口部
34a、134a 角部
41 ガソリンエンジン
42 排気管
43 主排気管
44 排ガス再循環配管(EGR管)
45 自動弁
46 改質用燃料噴射装置
48 ポート式燃料噴射装置
49 吸入用配管
50 保持マット
51 マット
51a 凸部
51b 凹部
51c、51d、51e、51f、51g、51h マット開口部
60 改質器
100、200 熱交換器
300 ガソリンエンジンシステム

Claims (9)

  1. 流体の第1流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第1のハニカム構造体と、流体の第2流通路となる多数のセルが隔壁を隔てて長手方向に並設された第2のハニカム構造体とが、接着層を介して前記第1流通路と前記第2流通路とが直交するように組み合わされてなる柱状の熱交換器であって、
    前記熱交換器は、両端面に前記第1流通路が開口し、外周面に前記第2流通路が開口し、
    前記外周面に形成された前記第2のハニカム構造体の開口部を除き、他の部分はコート層で被覆されており、
    前記第1のハニカム構造体及び前記第2のハニカム構造体の熱膨張係数をC1、前記接着層の熱膨張係数をC2、前記コート層の熱膨張係数をC3とした際、C1<C2≦C3を満たすことを特徴とする熱交換器。
  2. 前記熱膨張係数C1は、2.80~4.50×10-6W/m・K、前記熱膨張係数C2及び前記熱膨張係数C3は、3.05~4.75×10-6W/m・Kである請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記熱膨張係数C3と前記熱膨張係数C1との差が下記の不等式(1)で表示される請求項1又は2に記載の熱交換器。
    C2-C1≧0.05×10-6・・・(1)
  4. 前記熱交換器は、3個の前記第1のハニカム構造体と4個の前記第2のハニカム構造体とが、接着層を介してそれぞれ交互に配置されてなる請求項1~3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記第1のハニカム構造体を構成するセルの隔壁に触媒が担持されている請求項1~4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記第1のハニカム構造体及び前記第2のハニカム構造体は、炭化ケイ素とシリコンとからなる請求項1~5のいずれか1項に記載の熱交換器。
  7. 前記接着層及び前記コート層は、炭化ケイ素とシリコンとからなる請求項1~6のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の熱交換器を備えた改質器であって、
    前記第2のハニカム構造体には、内燃機関より排出され、主排気管を流通する排ガスが通過するように構成され、前記第1のハニカム構造体には、隔壁に改質用の触媒が担持され、前記主排気管より分岐した排ガス再循環配管に流入した排ガスが通過するように構成されていることを特徴とする改質器。
  9. 前記熱交換器は、前記主排気管及び前記排ガス再循環配管に接続された金属製容器内に保持マットを介して収納されている請求項8に記載の改質器。
JP2021016746A 2021-02-04 2021-02-04 熱交換器及び改質器 Pending JP2022119539A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021016746A JP2022119539A (ja) 2021-02-04 2021-02-04 熱交換器及び改質器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021016746A JP2022119539A (ja) 2021-02-04 2021-02-04 熱交換器及び改質器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022119539A true JP2022119539A (ja) 2022-08-17

Family

ID=82848326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021016746A Pending JP2022119539A (ja) 2021-02-04 2021-02-04 熱交換器及び改質器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022119539A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7041359B2 (en) Honeycomb structure and assembly thereof
US7534482B2 (en) Honeycomb structural body
JP5077659B2 (ja) 触媒コンバーター及び触媒コンバーター用保持材
US8277921B2 (en) Honeycomb structure and method for manufacturing the same
JP5261256B2 (ja) 通電発熱用ハニカム体及びその製造方法
KR100680078B1 (ko) 벌집형 구조체
KR100632161B1 (ko) 세라믹 하니컴 구조체
US20120186211A1 (en) Honeycomb filter for purifying exhaust gases, adhesive, coating material, and manufacturing method of honeycomb filter for purifying exhaust gases
WO2006070540A1 (ja) セラミックハニカム構造体
JPWO2008120386A1 (ja) ハニカム構造体
JPWO2006013651A1 (ja) 焼成炉及びこれを用いた多孔質セラミック部材の製造方法
JP5599208B2 (ja) ハニカム触媒体及び排ガス浄化装置
JPWO2008078799A1 (ja) ハニカム構造体及びその製造方法
WO2006016430A1 (ja) 焼成炉及び該焼成炉を用いたセラミック部材の製造方法
WO2005063653A9 (ja) ハニカム構造体
JPWO2005079165A1 (ja) ハニカム構造体及び排気ガス浄化装置
JP4001800B2 (ja) ハニカム触媒担体の製造方法
WO2004033070A1 (ja) ハニカム構造体
JPWO2007086182A1 (ja) ハニカム構造体、ハニカム構造体の製造方法及び排ガス浄化装置
JP2022119539A (ja) 熱交換器及び改質器
JP2022119536A (ja) 熱交換器及び改質器
JP5486973B2 (ja) ハニカム触媒体及び排ガス浄化装置
JP2022119537A (ja) 熱交換器及び改質器
JP2022119538A (ja) 熱交換装置及び改質器
JP2021156229A (ja) 熱交換器及び改質器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240122