JP2022119470A - 作業機械 - Google Patents

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Ryota KAMEOKA
修一 廻谷
Shuichi Meguriya
昭広 楢▲崎▼
Akihiro Narasaki
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Abstract

Figure 2022119470000001
【課題】作業機械が揺れてしまった場合であっても安定した作業が可能な作業機械を提供する。
【解決手段】機体と、機体に取り付けられ、ブーム、アーム及び作業具を有する多関節型の作業装置と、機体の位置を検出する位置センサと、作業装置の姿勢を検出する姿勢センサと、機体の傾斜状態を検出する傾斜センサと、目標面を設定し、作業具が目標面に沿って移動するように、作業装置を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、作業具が目標面に沿って移動するように作業装置を制御しているときに、傾斜センサの検出結果に基づいて、機体が揺れているか否かを判定し、機体が揺れていると判定された場合には、作業具の揺れを減衰させるように、作業装置の減衰制御を実行する。
【選択図】図8

Description

本発明は、作業機械に関する。
下部走行体及び上部旋回体からなる車体と、上部旋回体に伏仰可能に設けられ、ブーム、アーム、バケットを有する多関節型のフロント作業装置と、を備えた油圧ショベル等の作業機械が知られている。特許文献1には、目標掘削面に沿って掘削が行われるように、オペレータによるフロント作業装置の操作を補助する機能を備えた作業機械が開示されている。
特開2003-105795号公報
作業現場の地面に凹凸、段差などがあると、作業中に作業機械が揺れてしまい、安定した作業が行えないという問題がある。なお、特許文献1には、油圧ショベルの車体が一方側に浮き上がった状態になった場合に、フロント作業装置を上方側へ予めずらす技術が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、浮き上がった状態から車体が急激に落下するように復帰したときに、バケットが目標掘削面よりも下方へずれて食い込んでしまうことを防止するためのものであり、上記問題を解決できる技術ではなく、状況によっては揺れをさらに大きくしてしまうおそれもある。
本発明は、作業現場の地面に凹凸、段差などがあることに起因して、作業機械が揺れてしまった場合であっても安定した作業が可能な作業機械を提供することを目的とする。
本発明の一態様による作業機械は、機体と、前記機体に取り付けられ、ブーム、アーム及び作業具を有する多関節型の作業装置と、前記機体の位置を検出する位置センサと、前記作業装置の姿勢を検出する姿勢センサと、前記機体の傾斜状態を検出する傾斜センサと、目標面を設定し、前記作業具が前記目標面に沿って移動するように、前記作業装置を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記作業具が前記目標面に沿って移動するように前記作業装置を制御しているときに、前記傾斜センサの検出結果に基づいて、前記機体が揺れているか否かを判定し、前記機体が揺れていると判定された場合には、前記作業具の揺れを減衰させるように、前記作業装置の減衰制御を実行する。
本発明によれば、作業機械が揺れてしまった場合であっても安定した作業が可能な作業機械を提供することができる。
本発明の実施形態に係る油圧ショベルの斜視図。 油圧ショベルに搭載された油圧駆動装置の概略構成図。 油圧制御ユニットの構成図。 コントローラの機能ブロック図。 油圧ショベルにおける座標系(ショベル基準座標系)を示す図。 バケットの爪先が補正後の目標速度ベクトルVcaの通りに制御されたときの、バケットの爪先の軌跡の一例を示す図。 マシンコントロールによる水平掘削動作の例を示す図。 コントローラにより実行される減衰制御フラグの設定処理の内容について示すフローチャート。 仮想ばね、仮想ダンパ及び仮想質点を組み合わせた力学モデルを示す図。 本実施形態の変形例に係るコントローラによって設定される目標面距離について説明する図。
以下、本発明の実施の形態に係る作業機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態に係る油圧ショベルの斜視図である。
図1に示すように、油圧ショベル(作業機械)1は、車体(機体)1Aと、車体1Aに取り付けられる多関節型のフロント作業装置(以下、単に作業装置と記す)1Bと、を備える。車体1Aは、下部走行体11と、下部走行体11の上に旋回可能に取り付けられた上部旋回体12と、を備える。下部走行体11は、走行右モータ(不図示)及び走行左モータ3bによって走行駆動される。上部旋回体12は、旋回油圧モータ4によって旋回駆動される。
作業装置1Bは、回動可能に連結される複数の被駆動部材(8,9,10)及び被駆動部材を駆動する複数の油圧シリンダ(5,6,7)を有する。本実施形態では、3つの被駆動部材としてのブーム8、アーム9及びバケット10が、直列的に連結される。ブーム8は、その基端部が上部旋回体12の前部においてブームピン91(図5参照)によって回動可能に連結される。アーム9は、その基端部がブーム8の先端部においてアームピン92(図5参照)によって回動可能に連結される。作業具であるバケット10は、アーム9の先端部においてバケットピン93(図5参照)によって回動可能に連結される。ブームピン91、アームピン92、バケットピン93は、互いに平行に配置され、各被駆動部材(8,9,10)は同一面内で相対回転可能とされている。
ブーム8は、ブームシリンダ5の伸縮動作によって上下方向に回動する。アーム9は、アームシリンダ6の伸縮動作によって回動する。バケット10は、バケットシリンダ7の伸縮動作によって回動する。ブームシリンダ5は、その一端側がブーム8に接続され他端側が上部旋回体12のフレームに接続されている。アームシリンダ6は、その一端側がアーム9に接続され他端側がブーム8に接続されている。バケットシリンダ7は、その一端側がバケットリンク(リンク部材)を介してバケット10に接続され他端側がアーム9に接続されている。
上部旋回体12の前部左側には、オペレータが搭乗する運転室1Cが設けられている。運転室1Cには、下部走行体11への動作指示を行うための走行右レバー13a及び走行左レバー13bと、ブーム8、アーム9、バケット10及び上部旋回体12への動作指示を行うための操作右レバー14a及び操作左レバー14bとが配置されている。
ブーム8を上部旋回体12に連結するブームピン91には、ブーム8の回動角度を検出するブーム角度センサ21が取り付けられている。アーム9をブーム8に連結するアームピン92には、アーム9の回動角度を検出するアーム角度センサ22が取り付けられている。バケット10をアーム9に連結するバケットピン93には、バケット10の回動角度を検出するバケット角度センサ23が取り付けられている。上部旋回体12には、基準面(例えば水平面)に対する上部旋回体12(車体1A)の前後方向の傾斜角を検出する車体傾斜角度センサ24が取り付けられている。角度センサ21~23及び車体傾斜角度センサ24から出力される角度信号は、後述のコントローラ20(図2参照)に入力される。
図2は、図1に示す油圧ショベル1に搭載された油圧駆動装置100の概略構成図である。なお、説明の簡略化のため、図2では、ブームシリンダ5、アームシリンダ6、バケットシリンダ7及び旋回油圧モータ4の駆動に関わる部分のみを示し、その他の油圧アクチュエータの駆動に関わる部分は省略している。
図2に示すように、油圧駆動装置100は、油圧アクチュエータ(4~7)と、原動機49と、原動機49によって駆動される油圧ポンプ2及びパイロットポンプ48と、油圧ポンプ2から油圧アクチュエータ4~7に供給される作動油(作動流体)の方向及び流量を制御する流量制御弁16a~16dと、流量制御弁16a~16dを操作するための油圧パイロット方式の操作装置15A~15Dと、油圧制御ユニット60と、シャトルブロック46と、油圧ショベル1の各部を制御する制御装置としてのコントローラ20と、を備えている。
原動機49は、油圧ショベル1の動力源であり、例えば、ディーゼルエンジン等の内燃機関により構成される。油圧ポンプ2は、一対の入出力ポートを有する傾転斜板機構(不図示)と、斜板の傾斜角を調整して吐出容量(押しのけ容積)を調整するレギュレータ47と、を備えている。レギュレータ47は、後述のシャトルブロック46から供給されるパイロット圧によって操作される。
パイロットポンプ48は、ロック弁51を介して後述のパイロット圧制御弁52~59及び油圧制御ユニット60に接続されている。ロック弁51は、運転室1Cの入口付近に設けられたゲートロックレバー(不図示)の操作に応じて開閉する。ゲートロックレバーが運転室1Cの入口を制限する位置(押し下げ位置)に操作されたときは、コントローラ20からの指令によってロック弁51が開く。これにより、パイロットポンプ48の吐出圧(以下、パイロット一次圧)がパイロット圧制御弁52~59及び油圧制御ユニット60に供給され、操作装置15A~15Dによる流量制御弁16a~16dの操作が可能となる。一方、ゲートロックレバーが運転室1Cの入口を開放する位置(押し上げ位置)に操作されたときは、コントローラ20からの指令によってロック弁51が閉じる。これにより、パイロットポンプ48からパイロット圧制御弁52~59及び油圧制御ユニット60へのパイロット一次圧の供給が停止し、操作装置15A~15Dによる流量制御弁16a~16dの操作が不能となる。
操作装置15Aは、ブーム8(ブームシリンダ5)を操作する操作装置であって、ブーム用操作レバー15aと、ブーム上げ用パイロット圧制御弁52と、ブーム下げ用パイロット圧制御弁53とを有する。ここで、ブーム用操作レバー15aは、例えば前後方向に操作されるときの操作右レバー14a(図1参照)に相当する。
ブーム上げ用パイロット圧制御弁52は、ロック弁51を介して供給されるパイロット一次圧を減圧し、ブーム用操作レバー15aのブーム上げ方向のレバーストローク(以下、操作量)に応じたパイロット圧(以下、ブーム上げ用パイロット圧)を生成する。ブーム上げ用パイロット圧制御弁52から出力されたブーム上げ用パイロット圧は、油圧制御ユニット60、シャトルブロック46及びパイロット配管529を介してブーム用流量制御弁16aの一方(図示左側)のパイロット受圧部に導かれ、ブーム用流量制御弁16aを図示右方向に駆動する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された作動油がブームシリンダ5のボトム側に供給されると共にロッド側の作動油がタンク50に排出され、ブームシリンダ5が伸長する。
ブーム下げ用パイロット圧制御弁53は、ロック弁51を介して供給されるパイロット一次圧を減圧し、ブーム用操作レバー15aのブーム下げ方向の操作量に応じたパイロット圧(以下、ブーム下げ用パイロット圧)を生成する。ブーム下げ用パイロット圧制御弁53から出力されたブーム下げ用パイロット圧は、油圧制御ユニット60、シャトルブロック46及びパイロット配管539を介してブーム用流量制御弁16aの他方(図示右側)のパイロット受圧部に導かれ、ブーム用流量制御弁16aを図示左方向に駆動する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された作動油がブームシリンダ5のロッド側に供給されると共にボトム側の作動油がタンク50に排出され、ブームシリンダ5が収縮する。
操作装置15Bは、アーム9(アームシリンダ6)を操作する操作装置であって、アーム用操作レバー15bと、アームクラウド用パイロット圧制御弁54と、アームダンプ用パイロット圧制御弁55とを有する。ここで、アーム用操作レバー15bは、例えば左右方向に操作されるときの操作左レバー14b(図1参照)に相当する。
アームクラウド用パイロット圧制御弁54は、ロック弁51を介して供給されるパイロット一次圧を減圧し、アーム用操作レバー15bのアームクラウド方向の操作量に応じたパイロット圧(以下、アームクラウド用パイロット圧)を生成する。アームクラウド用パイロット圧制御弁54から出力されたアームクラウド用パイロット圧は、油圧制御ユニット60、シャトルブロック46及びパイロット配管549を介してアーム用流量制御弁16bの一方(図示左側)のパイロット受圧部に導かれ、アーム用流量制御弁16bを図示右方向に駆動する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された作動油がアームシリンダ6のボトム側に供給されると共にロッド側の作動油がタンク50に排出され、アームシリンダ6が伸長する。
アームダンプ用パイロット圧制御弁55は、ロック弁51を介して供給されるパイロット一次圧を減圧し、アーム用操作レバー15bのアームダンプ方向の操作量に応じたパイロット圧(以下、アームダンプ用パイロット圧)を生成する。アームダンプ用パイロット圧制御弁55から出力されたアームダンプ用パイロット圧は、油圧制御ユニット60、シャトルブロック46及びパイロット配管559を介してアーム用流量制御弁16bの他方(図示右側)のパイロット受圧部に導かれ、アーム用流量制御弁16bを図示左方向に駆動する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された作動油がアームシリンダ6のロッド側に供給されると共にボトム側の作動油がタンク50に排出され、アームシリンダ6が収縮する。
操作装置15Cは、バケット10(バケットシリンダ7)を操作する操作装置であって、バケット用操作レバー15cと、バケットクラウド用パイロット圧制御弁56と、バケットダンプ用パイロット圧制御弁57とを有する。ここで、バケット用操作レバー15cは、例えば左右方向に操作されるときの操作右レバー14a(図1参照)に相当する。
バケットクラウド用パイロット圧制御弁56は、ロック弁51を介して供給されるパイロット一次圧を減圧し、バケット用操作レバー15cのバケットクラウド方向の操作量に応じたパイロット圧(以下、バケットクラウド用パイロット圧)を生成する。バケットクラウド用パイロット圧制御弁56から出力されたバケットクラウド用パイロット圧は、油圧制御ユニット60、シャトルブロック46及びパイロット配管569を介してバケット用流量制御弁16cの一方(図示左側)のパイロット受圧部に導かれ、バケット用流量制御弁16cを図示右方向に駆動する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された作動油がバケットシリンダ7のボトム側に供給されると共にロッド側の作動油がタンク50に排出され、バケットシリンダ7が伸長する。
バケットダンプ用パイロット圧制御弁57は、ロック弁51を介して供給されるパイロット一次圧を減圧し、バケット用操作レバー15cのバケットダンプ方向の操作量に応じたパイロット圧(以下、バケットダンプ用パイロット圧)を生成する。バケットダンプ用パイロット圧制御弁57から出力されたバケットダンプ用パイロット圧は、油圧制御ユニット60、シャトルブロック46及びパイロット配管579を介してバケット用流量制御弁16cの他方(図示右側)のパイロット受圧部に導かれ、バケット用流量制御弁16cを図示左方向に駆動する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された作動油がバケットシリンダ7のロッド側に供給されると共にボトム側の作動油がタンク50に排出され、バケットシリンダ7が収縮する。
操作装置15Dは、旋回用操作レバー15dと、右旋回用パイロット圧制御弁58と、左旋回用パイロット圧制御弁59とを有する。ここで、旋回用操作レバー15dは、例えば前後方向に操作されるときの操作左レバー14b(図1参照)に相当する。
右旋回用パイロット圧制御弁58は、ロック弁51を介して供給されるパイロット一次圧を減圧し、旋回用操作レバー15dの右旋回方向の操作量に応じたパイロット圧(以下、右旋回用パイロット圧)を生成する。右旋回用パイロット圧制御弁58から出力された右旋回用パイロット圧は、油圧制御ユニット60、シャトルブロック46及びパイロット配管589を介して旋回用流量制御弁16dの一方(図示右側)のパイロット受圧部に導かれ、旋回用流量制御弁16dを図示左方向に駆動する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された作動油が旋回油圧モータ4の一方(図示右側)の出入口ポートに流入すると共に他方(図示左側)の出入口ポートから流出した作動油がタンク50に排出され、旋回油圧モータ4が一方向(上部旋回体12を右旋回させる方向)に回転する。
左旋回用パイロット圧制御弁59は、ロック弁51を介して供給されるパイロット一次圧を減圧し、旋回用操作レバー15dの左旋回方向の操作量に応じたパイロット圧(以下、左旋回用パイロット圧)を生成する。左旋回用パイロット圧制御弁59から出力された左旋回用パイロット圧は、油圧制御ユニット60、シャトルブロック46及びパイロット配管599を介して旋回用流量制御弁16dの他方(図示左側)のパイロット受圧部に導かれ、旋回用流量制御弁16dを図示右方向に駆動する。これにより、油圧ポンプ2から吐出された作動油が旋回油圧モータ4の他方(図示左側)の出入口ポートに流入すると共に一方(図示右側)の出入口ポートから流出した作動油がタンク50に排出され、旋回油圧モータ4が他方向(上部旋回体12を左旋回させる方向)に回転する。
油圧制御ユニット60は、マシンコントロール(MC)を実行するための装置であり、パイロット圧制御弁52~57から入力されたパイロット圧をコントローラ20からの指令に応じて補正し、シャトルブロック46に出力する。これにより、オペレータのレバー操作に関わらず、作業装置1Bに所望の動作をさせることが可能となる。
シャトルブロック46は、油圧制御ユニット60から入力されたパイロット圧をパイロット配管529,539,549,559,569,579に出力する。また、シャトルブロック46は、入力されたパイロット圧のうちの最大のパイロット圧を選択し、油圧ポンプ2のレギュレータ47に出力する。これにより、操作レバー15a~15dの操作量に応じて油圧ポンプ2の吐出流量を制御することが可能となる。
図3は、図2に示す油圧制御ユニット60の構成図である。
図3に示すように、油圧制御ユニット60は、電磁遮断弁61と、シャトル弁522,534,564,574と、電磁比例弁525,532,537,542,552,562,567,572,577と、を備えている。
電磁遮断弁61の入口ポートは、ロック弁51(図2参照)の出口ポートに接続されている。電磁遮断弁61の出口ポートは、電磁比例弁525,537,567,577の入口ポートに接続されている。電磁遮断弁61は、非通電時は開度をゼロとし、コントローラ20からの電流供給により開度を最大とする。マシンコントロールを有効にする場合は、電磁遮断弁61の開度を最大とし、電磁比例弁525,537,567,577へのパイロット一次圧の供給を開始する。一方、マシンコントロールを無効にする場合は、電磁遮断弁61の開度をゼロとし、電磁比例弁525,537,567,577へのパイロット一次圧の供給を停止する。
マシンコントロールの有効と無効の切り替えは、運転室1C内に設けられるMCスイッチ26(図2参照)からの操作信号に基づいて行われる。MCスイッチ26は、例えば、操作右レバー14aあるいは操作左レバー14bに設けられるオルタネイト動作型のスイッチである。コントローラ20は、MCスイッチ26からマシンコントロールを有効とする操作信号が入力されると、電磁遮断弁61のソレノイドへ制御電流を供給し、電磁遮断弁61の開度を最大にする。コントローラ20は、MCスイッチ26からマシンコントロールを無効とする操作信号が入力されると、電磁遮断弁61のソレノイドへの制御電流の供給を停止し、電磁遮断弁61の開度をゼロにする。
シャトル弁522は、2つの入口ポートと1つの出口ポートを有しており、2つの入口ポートから入力された圧力のうち高圧側を出口ポートから出力する。シャトル弁522の一方の入口ポートは、パイロット配管521を介してブーム上げ用パイロット圧制御弁52に接続されている。シャトル弁522の他方の入口ポートは、パイロット配管524を介して電磁比例弁525の出口ポートに接続されている。シャトル弁522の出口ポートは、パイロット配管523を介してシャトルブロック46に接続されている。
電磁比例弁525の入口ポートは、電磁遮断弁61の出口ポートに接続されている。電磁比例弁525の出口ポートは、パイロット配管524を介してシャトル弁522の他方の入口ポートに接続されている。電磁比例弁525は、非通電時は開度をゼロとし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を増大させる。電磁比例弁525は、電磁遮断弁61を介して供給されたパイロット一次圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管524に出力する。これにより、ブーム上げ用パイロット圧制御弁52からパイロット配管521にブーム上げパイロット圧が供給されていない場合でも、パイロット配管523にブーム上げパイロット圧を供給することが可能となる。なお、ブーム上げ動作に対するマシンコントロールを実行しない場合は、電磁比例弁525は非通電状態とされ、電磁比例弁525の開度はゼロとなる。このとき、ブーム上げ用パイロット圧制御弁52から供給されたブーム上げ用パイロット圧がブーム用流量制御弁16aの一方のパイロット受圧部に導かれるため、オペレータのレバー操作に応じたブーム上げ動作が可能となる。
シャトル弁534は、2つの入口ポートと1つの出口ポートを有しており、2つの入口ポートから入力された圧力のうち高圧側を出口ポートから出力する。シャトル弁534の一方の入口ポートは、パイロット配管533を介して電磁比例弁532の出口ポートに接続されている。シャトル弁534の他方の入口ポートはパイロット配管536を介して電磁比例弁537の出口ポートに接続されている。シャトル弁534の出口ポートは、パイロット配管535を介してシャトルブロック46に接続されている。
電磁比例弁532の入口ポートは、パイロット配管531を介してブーム下げ用パイロット圧制御弁53に接続されている。電磁比例弁532の出口ポートは、パイロット配管533を介してシャトル弁534の一方の入口ポートに接続されている。電磁比例弁532は、非通電時は開度を最大とし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を最大からゼロまで減少させる。電磁比例弁532は、パイロット配管531を介して入力されたブーム下げ用パイロット圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管533に出力する。これにより、オペレータのレバー操作によるブーム下げ用パイロット圧を減圧したり、ゼロにしたりすることが可能となる。
電磁比例弁537の入口ポートは、電磁遮断弁61の出口ポートに接続されており、電磁比例弁537の出口ポートは、パイロット配管536を介してシャトル弁534の他方の入口ポートに接続されている。電磁比例弁537は、非通電時は開度をゼロとし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を増大させる。電磁比例弁537は、電磁遮断弁61を介して供給されたパイロット一次圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管536に出力する。これにより、ブーム下げ用パイロット圧制御弁53からパイロット配管531にブーム下げ用パイロット圧が供給されていない場合でも、パイロット配管535にブーム下げ用パイロット圧を供給することが可能となる。なお、ブーム下げ動作に対するマシンコントロールを実行しない場合は、電磁比例弁532,537は非通電状態とされ、電磁比例弁532の開度は全開となり、電磁比例弁537の開度はゼロとなる。このとき、ブーム下げ用パイロット圧制御弁53から供給されたブーム下げ用パイロット圧がブーム用流量制御弁16aの他方のパイロット受圧部に導かれるため、オペレータのレバー操作に応じたブーム下げ動作が可能となる。
電磁比例弁542の入口ポートは、パイロット配管541を介してアームクラウド用パイロット圧制御弁54に接続されている。電磁比例弁542の出口ポートは、パイロット配管543を介してシャトルブロック46に接続されている。電磁比例弁542は、非通電時は開度を最大とし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を最大からゼロまで減少させる。電磁比例弁542は、パイロット配管541を介して入力されたアームクラウド用パイロット圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管543に出力する。これにより、オペレータのレバー操作によるアームクラウド用パイロット圧を減圧したり、ゼロにしたりすることが可能となる。なお、アームクラウド動作に対するマシンコントロールを実行しない場合は、電磁比例弁542は非通電状態とされ、電磁比例弁542の開度は全開となる。このとき、アームクラウド用パイロット圧制御弁54から供給されたアームクラウド用パイロット圧がアーム用流量制御弁16bの一方のパイロット受圧部に導かれるため、オペレータのレバー操作に応じたアームクラウド動作が可能となる。
電磁比例弁552の入口ポートは、パイロット配管551を介してアームダンプ用パイロット圧制御弁55に接続されている。電磁比例弁552の出口ポートは、パイロット配管553を介してシャトルブロック46に接続されている。電磁比例弁552は、非通電時は開度を最大とし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を最大からゼロまで減少させる。電磁比例弁552は、パイロット配管551を介して入力されたアームダンプ用パイロット圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管553に出力する。これにより、オペレータのレバー操作によるアームダンプ用パイロット圧を減圧したり、ゼロにしたりすることが可能となる。なお、アームダンプ動作に対するマシンコントロールを実行しない場合は、電磁比例弁552は非通電状態とされ、電磁比例弁552の開度は全開となる。このとき、アームダンプ用パイロット圧制御弁55から供給されたアームダンプ用パイロット圧がアーム用流量制御弁16bの他方のパイロット受圧部に導かれるため、オペレータのレバー操作に応じたアームダンプ動作が可能となる。
シャトル弁564は、2つの入口ポートと1つの出口ポートを有しており、2つの入口ポートから入力された圧力のうち高圧側を出口ポートから出力する。シャトル弁564の一方の入口ポートは、パイロット配管563を介して電磁比例弁562の出口ポートに接続されている。シャトル弁564の他方の入口ポートはパイロット配管566を介して電磁比例弁567の出口ポートに接続されている。シャトル弁564の出口ポートは、パイロット配管565を介してシャトルブロック46に接続されている。
電磁比例弁562の入口ポートは、パイロット配管561を介してバケットクラウド用パイロット圧制御弁56に接続されている。電磁比例弁562の出口ポートは、パイロット配管563を介してシャトル弁564の一方の入口ポートに接続されている。電磁比例弁562は、非通電時は開度を最大とし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を最大からゼロまで減少させる。電磁比例弁562は、パイロット配管561を介して入力されたバケットクラウド用パイロット圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管563に出力する。これにより、オペレータのレバー操作によるバケットクラウド用パイロット圧を減圧したり、ゼロにしたりすることが可能となる。
電磁比例弁567の入口ポートは、電磁遮断弁61の出口ポートに接続されており、電磁比例弁567の出口ポートは、パイロット配管566を介してシャトル弁564の他方の入口ポートに接続されている。電磁比例弁567は、非通電時は開度をゼロとし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を増大させる。電磁比例弁567は、電磁遮断弁61を介して供給されたパイロット一次圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管566に出力する。これにより、バケットクラウド用パイロット圧制御弁56からパイロット配管561にバケットクラウド用パイロット圧が供給されていない場合でも、パイロット配管565にバケットクラウド用パイロット圧を供給することが可能となる。なお、バケットクラウド動作に対するマシンコントロールを実行しない場合は、電磁比例弁562,567は非通電状態とされ、電磁比例弁562の開度は全開となり、電磁比例弁567の開度はゼロとなる。このとき、バケットクラウド用パイロット圧制御弁56から供給されたバケットクラウド用パイロット圧がバケット用流量制御弁16cの一方のパイロット受圧部に導かれるため、オペレータのレバー操作に応じたバケットクラウド動作が可能となる。
シャトル弁574は、2つの入口ポートと1つの出口ポートを有しており、2つの入口ポートから入力された圧力のうち高圧側を出口ポートから出力する。シャトル弁574の一方の入口ポートはパイロット配管573を介して電磁比例弁572の出口ポートに接続されている。シャトル弁574の他方の入口ポートは、パイロット配管576を介して電磁比例弁577の出口ポートに接続されている。シャトル弁574の出口ポートは、パイロット配管575を介してシャトルブロック46に接続されている。
電磁比例弁572の入口ポートは、パイロット配管571を介してバケットダンプ用パイロット圧制御弁57に接続されている。電磁比例弁572の出口ポートは、パイロット配管573を介してシャトル弁574の一方の入口ポートに接続されている。電磁比例弁572は、非通電時は開度を最大とし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を最大からゼロまで減少させる。電磁比例弁572は、パイロット配管571を介して入力されたバケットダンプ用パイロット圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管573に供給する。これにより、オペレータのレバー操作によるバケットダンプ用パイロット圧を減圧したり、ゼロにしたりすることが可能となる。
電磁比例弁577の入口ポートは、電磁遮断弁61の出口ポートに接続されている。電磁比例弁577の出口ポートは、パイロット配管576を介してシャトル弁574の他方の入口ポートに接続されている。電磁比例弁577は、非通電時は開度をゼロとし、コントローラ20から供給される電流に応じて開度を増大させる。電磁比例弁577は、電磁遮断弁61を介して供給されたパイロット一次圧をその開度に応じて減圧し、パイロット配管576に供給する。これにより、バケットダンプ用パイロット圧制御弁57からパイロット配管571にバケットダンプ用パイロット圧が供給されていない場合でも、パイロット配管575にバケットダンプ用パイロット圧を供給することが可能となる。なお、バケットダンプ操作に対するマシンコントロールを実行しない場合は、電磁比例弁572,577は非通電状態とされ、電磁比例弁572の開度は全開となり、電磁比例弁577の開度はゼロとなる。このとき、バケットダンプ用パイロット圧制御弁57から供給されたバケットダンプ用パイロット圧がバケット用流量制御弁16cの他方のパイロット受圧部に導かれるため、オペレータのレバー操作に応じたバケットダンプ動作が可能となる。
パイロット配管521には、ブーム上げ用パイロット圧制御弁52から供給されたブーム上げ用パイロット圧を検出する圧力センサ526が設けられている。パイロット配管531には、ブーム下げ用パイロット圧制御弁53から供給されたブーム下げパイロット圧を検出する圧力センサ538が設けられている。パイロット配管541には、アームクラウド用パイロット圧制御弁54から供給されたアームクラウド用パイロット圧を検出する圧力センサ544が設けられている。パイロット配管551には、アームダンプ用パイロット圧制御弁55から供給されたアームダンプ用パイロット圧を検出する圧力センサ554が設けられている。パイロット配管561には、バケットクラウド用パイロット圧制御弁56から供給されたバケットクラウドパイロット圧を検出する圧力センサ568が設けられている。パイロット配管571には、バケットダンプ用パイロット圧制御弁57から供給されたバケットダンプ用パイロット圧を検出する圧力センサ578が設けられている。圧力センサ526,538,544,554,568,578で検出されたパイロット圧は、操作装置15A~15Cの操作方向及び操作量を表す操作信号としてコントローラ20に入力される。
図2に示すように、コントローラ20は、動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)20a、記憶装置としてのROM(Read Only Memory)20b、記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)20c、入力インタフェース20d及び出力インタフェース20e、その他の周辺回路を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ20は、1つのマイクロコンピュータで構成してもよいし、複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
ROM20bは、EEPROM等の不揮発性メモリであり、各種演算が実行可能なプログラムが格納されている。すなわち、ROM20bは、本実施形態の機能を実現するプログラムを読み取り可能な記憶媒体である。RAM20cは揮発性メモリであり、CPU20aとの間で直接的にデータの入出力を行うワークメモリである。RAM20cは、CPU20aがプログラムを演算実行している間、必要なデータを一時的に記憶する。なお、コントローラ20は、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の記憶装置をさらに備えていてもよい。
CPU20は、ROM20bに記憶されたプログラムをRAM20cに展開して演算実行する処理装置であって、プログラムに従って入力インタフェース20d及びROM20b,RAM20cから取り入れた信号に対して所定の演算処理を行う。入力インタフェース20dには、MCスイッチ26、姿勢検出装置34、目標面設定装置35、操作検出装置36、GNSSアンテナ27等からの信号が入力される。
なお、姿勢検出装置34は、作業装置1Bの姿勢を検出する姿勢センサとしてのブーム角度センサ21(図1参照)、アーム角度センサ22(図1参照)及びバケット角度センサ23(図1参照)と、車体1Aの傾斜状態を検出する傾斜センサとしての車体傾斜角度センサ24(図1参照)と、を有する。操作検出装置36は、圧力センサ526,538,544,554,568,578(図3参照)を有する。
入力インタフェース20dは、入力された信号をCPU20aで演算可能なように変換する。また、出力インタフェース20eは、CPU20aでの演算結果に応じた出力用の信号を生成し、その信号を電磁比例弁525,532,537,542,552,562,567,572,577及び電磁遮断弁61等に出力する。
コントローラ20は、操作装置15A,15B,15Cのいずれかが操作されたときに(例えば、アーム操作がなされたときに)、予め定めた条件が満たされるとマシンコントロールを実行する。マシンコントロールでは、コントローラ20が該当する流量制御弁16a,16b,16cを駆動させるための制御信号を油圧制御ユニット60に出力する。例えば、コントローラ20は、流量制御弁16aを動作させるための制御信号を電磁比例弁525(図3参照)に出力することにより、ブームシリンダ5を伸ばして、強制的にブーム上げ動作を行わせる。マシンコントロールとしては、例えば、操作装置15Bによってアーム操作がなされた場合に実行される領域制限制御(整地制御)と、アーム操作がなされずに操作装置15Aによってブーム下げ操作がなされた場合に実行される停止制御と、が含まれる。
コントローラ20は、図7に示すように、所定の目標面Stまたはその上方にバケット10の先端部(例えば爪先)が位置するように油圧アクチュエータ(5,6,7)のうち少なくとも1つを制御する。領域制限制御では、アーム操作によってバケット10の先端部が目標面Stに沿って移動するように、作業装置1Bの動作が制御される。具体的には、コントローラ20は、アーム操作がなされているときに、目標面Stに垂直な方向のバケット10の爪先の速度ベクトルがゼロになるようにブーム上げまたはブーム下げの指令を行う。領域制限制御は、MCスイッチ26によってマシンコントロールが有効とされている状態で、バケット10の爪先と目標面Stとの間の距離が予め定められた所定の距離Ya1(図6参照)よりも小さくなったときに行われる。
なお、本実施形態では、マシンコントロールで用いられる作業装置1Bの制御点を、油圧ショベル1のバケット10の爪先に設定しているが、制御点は作業装置1Bの先端部分の点であればバケット10の爪先以外にも変更可能である。例えば、バケット10の底面、またはバケットリンクの最外部を制御点として設定してもよい。目標面Stから最も距離の近いバケット10の外表面の点を適宜制御点とする構成を採用してもよい。マシンコントロールでは、操作装置15A,15B,15Cの非操作時に作業装置1Bの動作をコントローラ20により制御する「自動制御」と、操作装置15A,15B,15Cの操作時にのみ作業装置1Bの動作をコントローラ20により制御する「半自動制御」と、がある。なお、半自動制御は、オペレータによる操作にコントローラ20による制御が介入するため「介入制御」とも呼ばれる。
図4は、図2に示すコントローラ20の機能ブロック図である。
図4に示すように、コントローラ20は、ROM20bに記憶されているプログラムを実行することにより、姿勢演算部30、目標面設定部31、目標動作演算部32、電磁弁制御部33、減衰制御フラグ設定部71、及び減衰用目標速度演算部72として機能する。図4に示す電磁比例弁500は、電磁比例弁525,532,537,542,552,562,567,572,577(図3参照)を代表したものである。
姿勢演算部30は、姿勢検出装置34からの姿勢情報に基づき、作業装置1Bの姿勢を演算する。姿勢演算部30は、姿勢検出装置34からの姿勢情報及びROM20bに記憶されている作業装置1Bの幾何学情報(例えば、図5に示す被駆動部材の長さL1,L2,L3)に基づき、ローカル座標系(ショベル基準座標)におけるバケット10の爪先の位置(以下、爪先位置とも記す)Pbを演算する。
作業装置1Bの姿勢は、図5のショベル基準座標系に基づいて定義できる。図5は、油圧ショベル1における座標系(ショベル基準座標系)を示す図である。図5のショベル基準座標系は、上部旋回体12に対して設定される座標系であり、ブームピン91の中心軸を原点とし、上部旋回体12の旋回中心軸に平行な軸がY軸として設定され、Y軸及びブームピン91に直交する軸がX軸として設定される。X軸に対するブーム8の傾斜角をブーム角α、ブーム8に対するアーム9の傾斜角をアーム角β、アーム9に対するバケット10の傾斜角をバケット角γとする。水平面(基準面)に対する車体1A(上部旋回体12)の傾斜角、すなわち水平面(基準面)とX軸とのなす角を車体傾斜角θとする。ブーム角αはブーム角度センサ21により、アーム角βはアーム角度センサ22により、バケット角γはバケット角度センサ23により、車体傾斜角θは車体傾斜角度センサ24により検出される。
ブームピン91の中心位置からアームピン92の中心位置までの長さをL1、アームピン92の中心位置からバケットピン93の中心位置までの長さをL2、バケットピン93の中心位置からバケット10の爪先(先端部)までの長さをL3とすると、ショベル基準座標におけるバケット10の爪先位置Pbは、XbkをX方向位置、YbkをY方向位置として、以下の式(1),(2)で表すことができる。
Figure 2022119470000002
Figure 2022119470000003
油圧ショベル1は、上部旋回体12に一対のGNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナ27(27A,27B)を備えている。GNSSアンテナ27は、車体1Aの位置を検出する位置センサとして機能する。コントローラ20は、GNSSアンテナ27からの情報に基づき、グローバル座標系における上部旋回体12の位置及び方位を演算する。コントローラ20は、車体傾斜角度センサ24で検出された車体傾斜角θ、グローバル座標系における上部旋回体12の位置及び方位、並びに、ローカル座標系におけるバケット10の爪先位置Pbに基づいて、グローバル座標系におけるバケット10の爪先位置Pbを算出する。
また、姿勢演算部30は、爪先位置Pbの他、作業装置1Bの姿勢を表すブームピン91、アームピン92及びバケットピン93のグローバル座標系における位置等についても算出し、これらの情報を油圧ショベル1の姿勢情報として、各部(31,32,71,72)へ出力する。なお、姿勢演算部30は、演算結果の他、姿勢検出装置34で検出された角度(α,β,γ,θ)を姿勢情報として、各部(31,32,71,72)へ出力する。
目標面設定部31は、目標面設定装置35からの情報(3次元データ)及び姿勢演算部30からの姿勢情報に基づき、目標面Stを設定する。ここで、目標面設定装置35は、グローバル座標系(絶対座標系)上に規定された目標面の3次元データを格納した外部端末(図示せず)と接続されている。なお、目標面設定装置35を介した目標面の入力は、オペレータが手動で行ってもよい。目標面設定部31は、姿勢演算部30からの姿勢情報(グローバル座標系における作業装置1Bの姿勢)に基づいて、3次元の目標面を作業装置1Bが移動する平面(作業装置の動作平面(X-Y平面))で切断した断面形状を目標面St(2次元の目標面)として設定する。
目標動作演算部32は、姿勢演算部30、目標面設定部31及び操作検出装置36からの情報に基づき、バケット10が目標面Stに侵入することなく移動するよう作業装置1Bの目標動作を演算する。
具体的には、目標動作演算部32は、目標面設定部31で設定された目標面St、姿勢演算部30の演算結果(姿勢情報)及び操作検出装置36の検出結果(操作情報)に基づいて、各油圧シリンダ(5,6,7)の目標速度を演算する。目標動作演算部32は、領域制限制御において、作業装置1Bによって目標面Stの下側を掘削してしまわないように、各油圧シリンダ(5,6,7)の目標速度を演算する。以下、図6を参照して、詳しく説明する。図6は、バケット10の爪先が補正後の目標速度ベクトルVcaの通りに制御されたときの、バケット10の爪先の軌跡の一例を示す図である。ここでの説明では、図6に示すように、Xt軸及びYt軸を設定する。Xt軸は、目標面Stに平行な軸であり、Yt軸は、目標面Stに直交する軸である。
目標動作演算部32は、操作装置15A,15B,15Cの操作量に基づいて、各油圧シリンダ(5,6,7)の目標速度(一次目標速度)を演算する。次に、目標動作演算部32は、各油圧シリンダ(5,6,7)の目標速度(一次目標速度)と、姿勢演算部30で演算されたバケット10の爪先位置Pbと、作業装置1Bの姿勢情報(α,β,γ)と、ROM20bに記憶してある作業装置1Bの各部寸法(L1,L2,L3等)とに基づいて、バケット10の爪先(先端部)の目標速度ベクトルVca0を演算する。また、目標動作演算部32は、姿勢演算部30で演算されたバケット10の爪先位置Pbと目標面設定部31で設定された目標面Stとの間のYt軸方向の距離(目標面距離とも記す)を演算する。
目標動作演算部32は、目標面距離が0(ゼロ)に近づくにつれて、バケット10の先端部の目標速度ベクトルVca0における目標面Stに垂直な成分Vcay(Yt軸方向の速度成分)が0(ゼロ)に近づくように油圧シリンダ(5,6,7)のうち必要な油圧シリンダの一次目標速度を補正して、二次目標速度を演算することにより、バケット10の爪先の速度ベクトルをVcaに変換する制御(方向変換制御)を行う。目標面距離が0(ゼロ)のときの目標速度ベクトルVcaは目標面Stに平行な成分Vcax(Xt軸方向の速度成分)のみになる。これにより目標面Stまたはその上方にバケット10の先端部(制御点)が位置するように保持される。
目標動作演算部32は、例えば、アームクラウドの操作が単独で行われ、目標面距離が所定の距離Ya1以下になると(すなわち、目標面Stと目標面StからYt軸方向にYa1だけ離れた面によって形成される設定領域にバケット10の爪先が侵入すると)、アームシリンダ6を伸長させるとともに、ブームシリンダ5を伸長させることにより、速度ベクトルVca0をVcaに変換する方向変換制御を実行する。
なお、方向変換制御は、ブーム上げまたはブーム下げとアームクラウドとの組み合わせにより実行される場合、及び、ブーム上げまたはブーム下げとアームダンプとの組み合わせにより実行される場合もある。いずれの場合においても、バケット10の爪先が目標面Stの上方に位置している状態において、目標速度ベクトルVcaが目標面Stに接近する下向き成分(Vcay<0)を含むとき、目標動作演算部32は、その下向き成分を打ち消すブーム上げ方向のブームシリンダ5の目標速度を演算する。反対に目標速度ベクトルVcaが目標面Stから離れる上向き成分(Vcay>0)を含むとき、目標動作演算部32は、その上向き成分を打ち消すブーム下げ方向のブームシリンダ5の目標速度を演算する。また、バケット10の爪先が目標面Stの下方に位置している状態において、目標速度ベクトルVcaが目標面Stに接近する上向き成分(Vcay>0)を含むとき、目標動作演算部32は、その上向き成分を打ち消すブーム下げ方向のブームシリンダ5の目標速度を演算する。反対に目標速度ベクトルVcaが目標面Stから離れる上向き成分(Vcay<0)を含むとき、目標動作演算部32は、その下向き成分を打ち消すブーム上げ方向のブームシリンダ5の目標速度を演算する。
電磁弁制御部33は、目標動作演算部32の演算結果(各油圧シリンダの目標速度)に基づき、電磁遮断弁61及び電磁比例弁500に対して指令を出力する。
図7を参照して、マシンコントロールが実行されたときの、油圧ショベル1の動作の一例について説明する。図7は、マシンコントロールによる水平掘削動作の例を示す図である。
掘削作業開始時、バケット10を所定位置(掘削開始地点)に配置させるために、オペレータが操作装置15Aによるブーム下げ単独操作を行うと、コントローラ20によって停止制御が実行される。コントローラ20は、バケット10が目標面Stに近づくと、バケット10が目標面Stよりも下方に侵入しないように、電磁比例弁532(図3参照)を制御して、ブーム8の速度を減速させる。コントローラ20は、バケット10が目標面Stに到達した状態では、ブーム8の速度がゼロとなるように電磁比例弁532(図3参照)を制御する。
オペレータが操作装置15Bを操作して、アーム9の矢印A方向への引き動作(クラウド動作)によって水平掘削を行うと、コントローラ20は、領域制限制御を実行する。コントローラ20は、バケット10の爪先が目標面Stよりも下方に侵入しないように、電磁比例弁525(図3参照)を制御して、ブーム8の上げ動作を自動的に行う。このとき、掘削精度向上のため、電磁比例弁542(図3参照)を制御して、アーム9の速度を必要に応じて減速させてもよい。なお、バケット10の目標面Stに対する角度Bが一定値となり、均し作業が容易となるように、コントローラ20は、電磁比例弁577(図3参照)を制御してバケット10が自動で矢印C方向に回動するようにしてもよい。
アーム9の矢印A方向への引き動作によって水平掘削を行う際に、バケット10が目標面Stよりも下方に侵入した場合には、コントローラ20は、バケット10が目標面St上に復帰するように、電磁比例弁525(図3参照)を制御して、ブーム8の上げ動作を自動的に行う。
このように、コントローラ20は、バケット10の爪先(先端部)が目標面Stに沿って移動するように、作業装置1Bを制御する。
ところで、油圧ショベル1の車体1Aの接地面に凹凸、段差などがあると、作業中に車体1Aが前後に繰り返し揺れてしまうことがある。例えば、水平掘削動作を行っているときに、車体1Aが前後に繰り返し揺れると、バケット10の爪先(先端部)が波打つように動作してしまうおそれがある。このため、本実施形態に係るコントローラ20は、バケット10が目標面Stに沿って移動するように作業装置1Bを制御しているときに、車体1Aが揺れているか否かを判定し、車体1Aが揺れていると判定された場合には、バケット10の揺れを減衰させるように、作業装置1Bの減衰制御を実行する。
以下、図4、図8及び図9を参照して、減衰制御の内容について詳しく説明する。図4に示す減衰制御フラグ設定部71は、車体傾斜角度センサ24で検出された車体傾斜角θ、目標面設定部31で設定された目標面St及び姿勢演算部30で演算されたバケット10の爪先位置Pbに基づいて、減衰制御フラグの設定を行う。減衰制御フラグは、減衰制御を実行するか否かを決定するためのフラグであり、オンに設定されている場合には減衰制御が実行され、オフに設定されている場合には減衰制御は実行されない。
図8のフローチャート及び図9のモデル図を参照して、減衰制御フラグ設定部71によって行われる減衰制御フラグの設定処理の内容について説明する。なお、図9に示すように、目標面Stと垂直な方向をz方向として説明する。図8は、コントローラ20により実行される減衰制御フラグの設定処理の内容について示すフローチャートである。図8に示すフローチャートの処理は、MCスイッチ26により、マシンコントロールが有効に設定されることにより開始され、図示しない初期設定が行われた後、所定の制御周期で繰り返し実行される。なお、初期設定では、減衰制御フラグはオフに設定される。
図8に示すように、ステップS110において、減衰制御フラグ設定部71は、車体傾斜角度センサ24で検出された車体傾斜角θ、姿勢演算部30で演算されたバケット10の爪先位置Pb及び目標面設定部31で設定された目標面Stを取得し、ステップS120へ進む。
ステップS120において、減衰制御フラグ設定部71は、ステップS110で取得した情報(θ,Pb,St,)に基づいて、バケット10の爪先位置Pbと目標面Stとの間のz方向の距離(目標面距離)Zを演算し、ステップS125へ進む。図9に示すように、目標面距離Zは、目標面Stを基準としたバケット10の爪先(先端部)の相対的な距離である。減衰制御フラグ設定部71は、バケット10の爪先位置Pbのz方向座標から、爪先位置Pbにz方向で対向する目標面Stのz方向座標を減算することにより算出される。このため、目標面距離Zは、バケット10の爪先が目標面Stよりも上方に位置しているときには正の値となり、バケット10の爪先が目標面Stよりも下方に位置しているときには負の値となる。
図8に示すように、ステップS125において、減衰制御フラグ設定部71は、ステップS120で演算した目標面距離Zに基づいて、目標面Stを基準としたバケット10の爪先(先端部)のz方向の相対速度(以下、爪先速度とも記す)Vzを演算し、ステップS130へ進む。減衰制御フラグ設定部71は、所定の制御周期で繰り返し演算される目標面距離Zの前回値(例えば、一つ前の演算サイクルのステップS120で演算された値)Zaと今回値Zbとの差(Zb-Za)を前回値Zaを取得した時刻taから今回値Zbを取得した時刻tbまでの時間Δt(=tb-ta)で除することにより、目標面距離Zの時間変化率である爪先速度Vz(=(Zb-Za)/(tb-ta))を算出する。なお、時間は、コントローラ20のタイマ機能により計測される。
ステップS130において、減衰制御フラグ設定部71は、傾斜角速度ωを演算し、ステップS140へ進む。減衰制御フラグ設定部71は、所定の制御周期で繰り返し取得される車体傾斜角θの前回値(例えば、一つ前の演算サイクルのステップS110で取得した値)θaと今回値θbとの差(θb-θa)を前回値θaを取得した時刻taから今回値θbを取得した時刻tbまでの時間Δt(=tb-ta)で除することにより、車体傾斜角θの時間変化率である傾斜角速度ω(=(θb-θa)/(tb-ta))を算出する。
ステップS140において、減衰制御フラグ設定部71は、ステップS130で演算した傾斜角速度ωの大きさ(すなわち絶対値|ω|)が所定値ω0以上であるか否かを判定する。ステップS140において、傾斜角速度ωの絶対値|ω|が所定値ω0以上であると判定されると、ステップS150へ進む。ステップS140において、傾斜角速度ωの絶対値|ω|が所定値ω0未満であると判定されると、ステップS160へ進む。
所定値ω0(>0)は、車体1Aに揺れが発生したか否かを判定するための閾値であり、予めROM102に記憶されている。つまり、ステップS140の処理は、車体傾斜角度センサ24の検出結果から演算される傾斜角速度ωに基づいて、車体1Aが揺れているか否かが判定される判定処理といえる。ステップS140において、減衰制御フラグ設定部71は、傾斜角速度ωの絶対値|ω|が所定値ω0以上である場合には、車体1Aが揺れていると判定し、ステップS150へ進む。ステップS140において、減衰制御フラグ設定部71は、傾斜角速度ωの絶対値|ω|が所定値ω0未満である場合には、車体1Aは揺れていないと判定し、ステップS160へ進む。
ステップS150において、減衰制御フラグ設定部71は、減衰制御フラグをオンに設定し、図8のフローチャートに示す処理を終了する。
ステップS160において、減衰制御フラグ設定部71は、ステップS120で演算した目標面距離Zの絶対値|Z|が、所定距離Z0未満であるか否かを判定する。ステップS160において、目標面距離Zの絶対値|Z|が所定距離Z0未満であると判定されると、ステップS170へ進む。ステップS160において、目標面距離Zの絶対値|Z|が所定距離Z0以上であると判定されると、図8のフローチャートに示す処理を終了する。
所定距離Z0(>0)は、バケット10の爪先が領域制限制御を行う設定領域から逸脱してしまっているか否かを判定するための閾値である。所定距離Z0は、例えば、領域制限制御が実行される設定領域における目標面Stを基準とした幅Ya1(図6参照)と同じ値が予め設定される。つまり、ステップS160の処理は、目標面Stに対するバケット10の爪先の相対位置(相対距離)に基づいて、バケット10の爪先が領域制限制御を行う設定領域から逸脱してしまっているか否かが判定される判定処理といえる。
ステップS160において、減衰制御フラグ設定部71は、目標面距離Zの絶対値|Z|が所定距離Z0以上である場合には、バケット10の爪先が設定領域から逸脱してしまっていると判定し、図8のフローチャートに示す処理を終了する。ステップS160において、減衰制御フラグ設定部71は、目標面距離Zの絶対値|Z|が所定距離Z0未満である場合には、バケット10の爪先は設定領域から逸脱していないと判定し、ステップS170へ進む。
ステップS170において、減衰制御フラグ設定部71は、ステップS125で演算された爪先速度Vzの大きさ(すなわち絶対値|Vz|)が所定速度V0未満であるか否かを判定する。ステップS170において、爪先速度Vzの絶対値|Vz|が所定速度V0未満であると判定されると、ステップS180へ進む。ステップS170において、爪先速度Vzの絶対値|Vz|が所定速度V0以上であると判定されると、図8のフローチャートに示す処理を終了する。
所定速度V0(>0)は、バケット10の爪先が領域制限制御を行う設定領域から逸脱してしまうおそれがあるか否かを判定するための閾値として設定される。所定速度V0は、実験等により予め定められ、ROM102に記憶される。
つまり、ステップS170の処理は、目標面Stに対するバケット10の相対速度に基づいて、バケット10の爪先が領域制限制御を行う設定領域から逸脱するおそれがあるか否かが判定される判定処理といえる。
ステップS170において、減衰制御フラグ設定部71は、爪先速度Vzの絶対値|Vz|が所定速度V0以上である場合には、バケット10の爪先が設定領域から逸脱してしまうおそれがあると判定し、図8のフローチャートに示す処理を終了する。ステップS170において、減衰制御フラグ設定部71は、爪先速度Vzの絶対値|Vz|が所定速度V0未満である場合には、バケット10の爪先は設定領域から逸脱するおそれはないと判定し、ステップS180へ進む。
ステップS180において、減衰制御フラグ設定部71は、減衰制御フラグをオフに設定し、図8のフローチャートに示す処理を終了する。
次に、図9を参照して、減衰用目標速度演算部72(図4参照)によって行われるバケット目標速度の演算処理の内容について説明する。図9は、仮想ばね81、仮想ダンパ82及び仮想質点83を組み合わせた力学モデルを示す図である。減衰用目標速度演算部72は、仮想ばね81、仮想ダンパ82及び仮想質点83を組み合わせた力学モデル(仮想モデル)により、バケット10のz方向(図示上下方向)の速度である爪先速度Vzを減衰させるためのバケット目標速度(作業具目標速度)を演算し、バケット目標速度に基づいてブーム目標速度を演算する。以下、詳しく説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る仮想モデルでは、バケット10の爪先に仮想的な質点である仮想質点83が設けられ、z方向に沿って設けられる仮想的なばねである仮想ばね81及び仮想的なダンパである仮想ダンパ82によって仮想質点83が支持される力学モデルである。
このような力学モデルの運動方程式は、仮想質点83の質量をM、仮想ダンパ82の減衰係数をD、仮想ばね82のばね定数をKとすると、以下の式(3)で表される。
Figure 2022119470000004
ここで、目標面距離Zは、上述したように目標面Stからのz方向の距離であり、仮想質点83の位置を表している。目標面距離Zは、時間tに応じて変化する時間の関数Z(t)である。Z′は、z方向の仮想質点83の速度であり、目標面距離Zの時間一階微分で表される。Z″は、z方向の仮想質点83の加速度であり、目標面距離Zの時間二階微分で表される。
式(3)を変形し、積分することにより、仮想質点83のz方向の速度Z′は、次式(4)で表される。
Figure 2022119470000005
仮想質点83の質量M、仮想ばね81のばね定数K及び仮想ダンパ82の減衰係数Dは、予め実験等により定められ、ROM102に記憶されている。質量M、ばね定数K、減衰係数Dは、減衰比ζが1以上となるようを設定されることが好ましい。なお、減衰比ζは、次式(5)で表される。
Figure 2022119470000006
これにより、後述するブーム8の減衰動作によって、バケット10の爪先が目標面Stに近づく際に、バケット10の爪先が目標面Stに対してオーバーシュートすることを防止できる。その結果、ブーム8の減衰動作の反動によって、揺れが誘発されることを防止することができ、バケット10の爪先を目標面Stに収束させることができる。
減衰用目標速度演算部72は、図8のステップS120で演算された目標面距離Zを式(4)の右辺においてばね定数Kに乗算されるZとして取得し、図8のステップS125で演算された爪先速度Vzを式(4)の右辺において減衰係数Dが乗算されるZ′として取得する。減衰用目標速度演算部72は、取得したZ,Z′及びROM102に記憶されている定数(質量M、ばね定数K及び減衰係数D)に基づき、式(4)の左辺を構成する仮想質点83のz方向の速度Z′をバケット目標速度Vztとして演算する。つまり、本実施形態に係るコントローラ20は、バケット10を仮想ばね81及び仮想ダンパ82で支持する力学モデルに基づいて、バケット10の爪先速度Vzを減衰させるためのバケット目標速度Vztを演算する。
具体的には、減衰用目標速度演算部72は、減衰制御フラグがオフからオンに切り替えられたときの演算サイクルにおけるステップS120で演算された目標面距離Z(t)を初期値Z(0)として取得する。減衰用目標速度演算部72は、減衰制御フラグがオフからオンに切り替えられたときの演算サイクルにおけるステップS125で演算された爪先速度Vz(=Z(t)′)を初期値Z(0)′として取得する。減衰用目標速度演算部72は、初期値Z(0)及び初期値Z(0)′に基づいて、式(3)を用いて、加速度Z(t)″の初期値Z″(0)を演算する。
減衰用目標速度演算部72は、式(3)を用いて、所定の制御周期で加速度Z(t)″を繰り返し演算し、今回値に前回値(一つ前の演算サイクルにおいて演算された加速度Z(t)″)を加算することにより、速度Z(t)′を演算する。例えば、加速度Z″の初期値を演算した後、次の演算サイクルにおいて演算された加速度Z″に前回値としての初期値を加算することにより、その演算サイクルにおける速度Z′が演算される。
減衰用目標速度演算部72は、減衰制御フラグがオフに設定されるまで、仮想質点83のz方向の速度Z′を演算し、減衰制御フラグがオフに設定されると速度Z′を0(ゼロ)とする初期化処理を行う。減衰用目標速度演算部72は、演算された速度Z′をバケット10のz方向のバケット目標速度Vztとする。
減衰用目標速度演算部72は、バケット10の爪先速度Vzがバケット目標速度Vztに近づくように、ブーム8の目標速度(目標角速度)を演算する。ブーム8の目標角速度は、バケット目標速度Vzt、作業装置1Bの姿勢情報及び作業装置1Bの寸法データに基づき、逆運動学を用いて算出することができる。
減衰用目標速度演算部72は、ブーム8の目標角速度、姿勢検出装置34で検出されるブーム角α及びROM102に記憶されているブーム8とブームシリンダ5との関係を表す寸法データに基づいて、ブームシリンダ5の目標速度を演算する。
目標動作演算部32は、減衰制御フラグ設定部71で減衰制御フラグがオンに設定されると、上述したブームシリンダ5の二次目標速度に減衰用目標速度演算部72で演算されたブームシリンダ5の目標速度を加算することにより、ブームシリンダ5の二次目標速度を補正する。目標動作演算部32は、補正後の二次目標速度を電磁弁制御部33に出力する。電磁弁制御部33は、補正後の二次目標速度でブームシリンダ5が動作するように、電磁比例弁525または電磁比例弁537を制御する。これにより、バケット10の爪先速度Vzがバケット目標速度Vztに近づくようにブームシリンダ5が制御され、バケット10の揺れを減衰させるためのブーム8の減衰動作が行われることになる。
目標動作演算部32は、減衰制御フラグがオンからオフに切り替えられると、ブームシリンダ5の二次目標速度の補正を行わない。減衰制御フラグがオンからオフに切り替えられたときに、目標面距離が所定の距離Ya1以下である場合には、通常の領域制限制御を実行する。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)油圧ショベル(作業機械)1は、車体(機体)1Aと、車体1Aに取り付けられ、ブーム8、アーム9及びバケット(作業具)10を有する多関節型の作業装置1Bと、車体1Aの位置を検出するGNSSアンテナ(位置センサ)27と、作業装置1Bの姿勢を検出する姿勢センサ(ブーム角度センサ21、アーム角度センサ22及びバケット角度センサ23)と、車体1Aの傾斜状態を表す車体傾斜角θを検出する車体傾斜角度センサ(傾斜センサ)24と、目標面Stを設定し、バケット10が目標面Stに沿って移動するように、作業装置1Bを制御するコントローラ(制御装置)20と、を備えている。コントローラ20は、バケット10が目標面Stに沿って移動するように作業装置1Bを制御しているときに、車体傾斜角度センサ24の検出結果に基づいて、車体1Aが揺れているか否かを判定し、車体1Aが揺れていると判定された場合には、バケット10の揺れを減衰させるように、作業装置1Bの減衰制御を実行する。
これにより、バケット10が目標面Stに沿って移動しているときに(マシンコントロールが実行されているときに)、車体1Aの接地面に凹凸、段差等があることに起因して、車体1Aに揺れが発生した場合であっても、バケット10の爪先(先端部)の揺れを抑制することができる。つまり、本実施形態によれば、油圧ショベル1が揺れてしまった場合であっても安定した作業が可能な油圧ショベル1を提供することができる。また、車体1Aに揺れが発生した場合に、自動でバケット10の爪先の揺れが抑制されるので、高度の操作技術も不要である。このため、経験の浅いオペレータであっても容易に精度の高い作業を行うことができる。
(2)コントローラ20は、GNSSアンテナ27の検出結果、姿勢センサ(角度センサ21~23)の検出結果及び車体傾斜角度センサ24の検出結果に基づいて、目標面Stを基準としたバケット10の爪先位置Pb及び爪先速度Vzを演算する。コントローラ20は、バケット10の爪先速度Vzを減衰させるためのバケット目標速度Vztを演算する。コントローラ20は、バケット10の爪先速度Vzがバケット目標速度Vztに近づくように、ブーム8を駆動させるブームシリンダ(アクチュエータ)5を制御する。
本実施形態によれば、ブーム8を駆動させてバケット10の揺れを減衰させることができる。したがって、本実施形態によれば、アーム9を駆動させてバケット10の揺れを減衰させる場合に対して、被駆動部材の減衰動作に起因するバケット10の角度の変化を小さくできるので、より安定した作業が可能となる。
(3)コントローラ20は、バケット(作業具)10を仮想ばね81及び仮想ダンパ82で支持する力学モデルに基づいて、バケット目標速度(作業具目標速度)Vztを演算する。これにより、バケット10の揺れを適切に抑えることができる。また、仮想質点81の質量M、仮想ばね81のばね定数K及び仮想ダンパ82の減衰係数Dを調整することにより、減衰度合いを調整することができる。
(4)コントローラ20は、車体傾斜角度センサ24の検出結果に基づいて、車体1Aの傾斜角速度ωを演算し(図8のステップS130)、車体1Aの傾斜角速度ωが所定値ω0よりも大きい場合(ステップS140でY)、車体1Aが揺れていると判定して減衰制御を実行する(ステップS150)。コントローラ20は、減衰制御を実行した後、車体1Aの傾斜角速度ωが所定値ω0よりも小さい場合(ステップS140でN)であっても、バケット10と目標面Stとの距離(目標面距離)Zが所定距離Z0以上である場合には(ステップS160でN)、減衰制御を継続する。
これにより、車体1Aの揺れがおさまっている場合であっても、バケット10の爪先が目標面Stから離れている場合には、減衰制御を継続したまま、バケット10の爪先を目標面Stに近づけることができる。したがって、例えば、バケット10の爪先が目標面Stから上方に所定距離Z0以上離れている場合、ブーム8の減衰動作を継続してバケット10の爪先を設定領域内に移動させることにより、通常の領域制限制御にスムーズに復帰させることができる。
(5)また、コントローラ20は、減衰制御を実行した後、車体1Aの傾斜角速度ωが所定値ω0よりも小さい場合(ステップS140でN)であっても、バケット10の爪先速度Vzが所定速度V0以上である場合には(ステップS170でN)、減衰制御を継続する。
これにより、車体1Aの揺れがおさまっている場合であっても、バケット10の爪先速度Vzが大きい場合に、バケット10の爪先が目標面Stから所定距離Z0以上離れてしまうことを抑制することができる。その結果、バケット10の爪先が目標面Stから大きく離れてしまったり、目標面Stに大きく食い込んでしまったりすること防止できる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、車体1Aの傾斜状態を検出する傾斜センサとして車体傾斜角度センサ24を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。車体傾斜角度センサ24に代えて、車体1Aの傾斜状態として傾斜角速度ω、傾斜角加速度ω′を検出するセンサを設けてもよい。例えば、傾斜センサとして、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)を採用することができる。IMUは、取り付けられる部材の直交3軸の角速度及び加速度を検出し、検出結果をコントローラに出力する。この場合、コントローラは、IMUの検出結果に基づいて、車体傾斜角θを演算する。
<変形例2>
上記実施形態では、作業装置1Bの姿勢を検出する姿勢センサとして、ブーム角度センサ21、アーム角度センサ22及びバケット角度センサ23を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。姿勢センサとして、変形例1と同様にIMUを設け、コントローラが、IMUの検出結果に基づいて、ブーム角α、アーム角β及びバケット角γを演算するようにしてもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、所定距離Z0が、設定領域の幅Ya1と同じ値である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、所定距離Z0は、設定領域の幅Ya1未満の値としてもよい。この場合、所定距離Z0は、バケット10の爪先が領域制限制御を行う設定領域から逸脱してしまうおそれがあるか否かを判定するための閾値として設定される。所定距離Z0は、実験等により予め定められ、ROM102に記憶される。
つまり、本変形例において、図8のステップS160の処理は、目標面Stに対するバケット10の爪先の位置に基づいて、バケット10の爪先が領域制限制御を行う設定領域から逸脱するおそれがあるか否かが判定される判定処理といえる。
ステップS160において、減衰制御フラグ設定部71は、目標面距離Zの絶対値|Z|が所定距離Z0以上である場合には、バケット10の爪先が設定領域から逸脱してしまうおそれがあると判定し、図8のフローチャートに示す処理を終了する。ステップS160において、減衰制御フラグ設定部71は、目標面距離Zの絶対値|Z|が所定距離Z0未満である場合には、バケット10の爪先は設定領域から逸脱するおそれはないと判定し、ステップS170へ進む。
<変形例4>
上記実施形態では、目標面Stから上方の設定領域の高さ(幅)Ya1と、目標面Stから下方の設定領域の深さ(幅)Ya1とが同じ値である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。目標面Stから上方の設定領域の高さと、目標面Stから下方の設定領域の深さとは、異なる値としてもよい。この場合、バケット10の爪先が領域制限制御を行う設定領域から逸脱してしまっているか否かを判定するための閾値Z0としては、上側閾値Z0aと下側閾値Z0bとを、その絶対値が異なるように個別に設定することが好ましい。上側閾値Z0a(>0)は、バケット10の爪先位置Pbが目標面Stよりも上方に位置する場合に用いられる閾値であり、下側閾値Z0bは、バケット10の爪先位置Pbが目標面Stよりも下方に位置する場合に用いられる閾値である。
この場合、図8のステップS160において、コントローラ20は、目標面距離Zが下側閾値Z0bよりも大きく、かつ、上側閾値Z0a未満であるか否かを判定する。ステップS160において目標面距離Zが下側閾値Z0bよりも大きく、かつ、上側閾値Z0a未満であると判定された場合には、ステップS170へ進む。ステップS160において、目標面距離Zが下側閾値Z0b以下であると判定された場合、あるいは、目標面距離Zが上側閾値Z0a以上であると判定された場合には、図8のフローチャートに示す処理を終了する。
<変形例5>
上記実施形態では、図8のステップS170において、コントローラ20が、爪先速度Vzの絶対値|Vz|が所定速度V0未満であるか否かを判定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。爪先速度Vzのベクトルの向きが上方の場合に用いられる第1速度閾値V0a(>0)と、爪先速度Vzのベクトルの向きが下方の場合に用いられる第2速度閾値V0b(<0)とを異なる値としてもよい。
この場合、ステップS170において、コントローラ20は、爪先速度Vzが第2速度閾値V0bよりも大きく、かつ、第1速度閾値V0a未満であるか否かを判定する。ステップS170において、爪先速度Vzが第2速度閾値V0bよりも大きく、かつ、第1速度閾値V0a未満であると判定された場合には、ステップS180へ進む。ステップS170において、爪先速度Vzが第2速度閾値V0b以下であると判定された場合は、あるいは、爪先速度Vzが第1速度閾値V0a以上であると判定された場合には、図8のフローチャートに示す処理を終了する。
<変形例6>
上記実施形態で説明した図8のステップS160及びステップS170の処理は省略してもよい。この場合、ステップS140において、傾斜角速度ωの絶対値|ω|が所定値ω0未満であると判定されると、ステップS180へ進んで減衰制御フラグがオフに設定され、減衰制御が終了する。
<変形例7>
上記実施形態では、仮想質点81の質量M、仮想ばね81のばね定数K及び仮想ダンパ82の減衰係数Dが予めROM102に記憶されている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。質量M、ばね定数K及び減衰係数Dは、オペレータがコントローラ20に接続される入力装置(タッチパネル等)を操作することにより、任意の値に変更できるようにしてもよい。
<変形例8>
上記実施形態では、目標面Stに垂直な方向をz方向として、バケット10の爪先位置Pbと目標面Stとの間のz方向距離を目標面距離Zとする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図10に示すように、目標面Stが基準面(水平面)に対して傾斜している場合において、鉛直方向(重力の方向)をz方向として、バケット10の爪先位置Pbと目標面Stとの間のz方向距離を目標面距離Zとして、バケット目標速度Vztを演算するようにしてもよい。
<変形例9>
上記実施形態では、コントローラ20は、車体1Aが揺れていると判定された場合に、バケット10の揺れを減衰させるように、ブーム8を動作させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。コントローラ20は、車体1Aが揺れていると判定された場合に、バケット10の揺れを減衰させるように、アーム9を動作させるようにしてもよい。
<変形例10>
上記実施形態では、作業機械がクローラ式の油圧ショベル1である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。ホイール式の油圧ショベル、バックホウ船等、複数の被駆動部材をアクチュエータで駆動する種々の作業機械に本発明を適用することができる。
<変形例11>
上記実施形態では、操作装置15A~15Dが油圧パイロット式の操作装置である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。電気式の操作装置を備え、操作装置からの電気信号に基づいて、コントローラが電磁比例弁を制御することにより、流量制御弁16a~16dを駆動させるようにしてもよい。
<変形例12>
上記実施形態では、ブーム8、アーム9及びバケット10を駆動するアクチュエータが油圧シリンダである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ブーム8、アーム9及びバケット10を駆動するアクチュエータは、電動シリンダであってもよい。
<変形例13>
上記実施形態で説明した制御装置(コントローラ20)の機能は、それらの一部または全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1…油圧ショベル(作業機械)、1A…車体(機体)、1B…作業装置、5…ブームシリンダ(アクチュエータ)、8…ブーム、9…アーム、10…バケット(作業具)、15A,15B,15C…操作装置、20…コントローラ(制御装置)、24…車体傾斜角度センサ(傾斜センサ)、27…GNSSアンテナ(位置センサ)、81…仮想質点、82…仮想ダンパ、83…仮想質点、D…減衰係数、K…ばね定数、M…質量、Pb…爪先位置、St…目標面、V0…所定速度、Vz…爪先速度(相対速度)、Vzt…バケット目標速度(作業具目標速度)、Z…目標面距離(距離)、Z0…所定距離、θ…車体傾斜角(傾斜状態)、ω…傾斜角速度(傾斜状態)、ω′…傾斜角加速度(傾斜状態)、ω0…所定値

Claims (5)

  1. 機体と、前記機体に取り付けられ、ブーム、アーム及び作業具を有する多関節型の作業装置と、前記機体の位置を検出する位置センサと、前記作業装置の姿勢を検出する姿勢センサと、前記機体の傾斜状態を検出する傾斜センサと、目標面を設定し、前記作業具が前記目標面に沿って移動するように、前記作業装置を制御する制御装置と、を備えた作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記作業具が前記目標面に沿って移動するように前記作業装置を制御しているときに、
    前記傾斜センサの検出結果に基づいて、前記機体が揺れているか否かを判定し、
    前記機体が揺れていると判定された場合には、前記作業具の揺れを減衰させるように、前記作業装置の減衰制御を実行する、
    ことを特徴とする作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記位置センサの検出結果、前記姿勢センサの検出結果及び前記傾斜センサの検出結果に基づいて、前記目標面を基準とした前記作業具の位置及び速度を演算し、
    前記作業具の前記速度を減衰させるための作業具目標速度を演算し、
    前記作業具の前記速度が前記作業具目標速度に近づくように、前記ブームを駆動させるアクチュエータを制御する、
    ことを特徴とする作業機械。
  3. 請求項2に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記作業具を仮想ばね及び仮想ダンパで支持する力学モデルに基づいて、前記作業具目標速度を演算する、
    ことを特徴とする作業機械。
  4. 請求項2に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記傾斜センサの検出結果に基づいて、前記機体の傾斜角速度を演算し、
    前記機体の傾斜角速度が所定値よりも大きい場合、前記機体が揺れていると判定して前記減衰制御を実行し、
    前記減衰制御を実行した後、前記機体の傾斜角速度が前記所定値よりも小さい場合であっても、前記作業具と前記目標面との距離が所定距離以上である場合には、前記減衰制御を継続する、
    ことを特徴とする作業機械。
  5. 請求項2に記載の作業機械において、
    前記制御装置は、
    前記傾斜センサの検出結果に基づいて、前記機体の傾斜角速度を演算し、
    前記機体の傾斜角速度が所定値よりも大きい場合、前記機体が揺れていると判定して前記減衰制御を実行し、
    前記減衰制御を実行した後、前記機体の傾斜角速度が前記所定値よりも小さい場合であっても、前記作業具の前記速度が所定速度以上である場合には、前記減衰制御を継続する、
    ことを特徴とする作業機械。
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