JP2022117672A - 接合装置 - Google Patents

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祐樹 松永
Yuki Matsunaga
岳史 北岡
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Abstract

【課題】電流の供給源から目的部位までの通電距離による電流の偏りを低減させ、接合部分の強度を向上させる接合装置を提供する。【解決手段】接合装置は、被接合部に印加する電流を発生させる電源部20と、電源部20に接続され、第1のワークW1に接触する第1の電極11と、電源部20に接続され、第2のワークW2に接触する第2の電極12と、を有し、例えば、通電距離に準じて第1の電極11と第2の電極12とワークW1、W2との接触面の表面粗さを調整することにより、第1の電極11及び第2の電極12は、それぞれ、電源部20と接触するワークW1、W2との距離によらずにワークW1、W2内で流れる電流の偏りを、低減させる構成を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、接合装置に関し、特に金属部材同士を接合する接合装置に関する。
金属材料からなる被接合材同士を電極で挟み込み、被接合部に加圧力を加えながらパルス状の接合用電流を流して抵抗溶接する接合装置が知られている。このような接合装置を用いて被接合材同士の接合を行うにあたり、被接合材の少なくとも一方が高炭素鋼や浸炭処理を施した鋼等の焼きが入り得る金属材料である場合、接合用電流の通電により接合された接合部は焼き入れされた状態になる。そのため、接合品においては、焼入れされた接合部を含むその近傍の靭性が低下する。これにより、靭性が低下した部分には、クラック等の不具合が生じやすい。そのため、接合部の靭性を向上させるために、接合部に焼戻し用電流を流して、焼戻し処理を行う場合がある。
特許文献1には、焼きが入り得る金属材料で形成された第1の部材と、金属材料で形成された第2の部材とを接合した接合部材を製造する方法であって、第1の部材の接合対象部分と第2の部材の接合対象部分とを接触させて第1の部材及び第2の部材を配置する接触配置工程と、第1の部材及び第2の部材の接合対象部分に接合用のパルス状溶接電流を流し第1の部材と第2の部材を接合する接合工程と、第1の部材と第2の部材とが接合された接合部分に、第一の焼き戻し電流を流して焼戻しを行う第一の焼き戻し工程と、接合部分に、第一の焼き戻し電流よりも小さい第二の焼き戻し電流を流して焼戻しを行う第二の焼き戻し工程とを備える接合部材の製造方法が開示されている。
特開2018-34160号公報
上記の接合工程や各焼き戻し工程では、被接合材に対して電流を通電するが、電流は、電流の供給源からの通電距離に応じて流れやすさが変化する特徴を有する。すなわち、電流の供給源から目的部位までの通電距離が長い程、電流が流れにくくなる。したがって、特許文献1に記載の接合部材の製造方法において、焼戻し電流を通電した際に、接合部分のうち電流の通電距離が長い領域では、十分に焼戻しされない虞がある。しかしながら、特許文献1には、この点について開示されておらず、改善の余地がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、接合部分の強度を向上させる接合装置を提供することを目的とするものである。
一実施の形態にかかる接合装置は、被接合部に印加する電流を発生させる電源部と、電源部に接続され、第1のワークに接触する第1の電極と、電源部に接続され、第2のワークに接触する第2の電極と、を有し、第1の電極及び第2の電極は、それぞれ、電源部と接触するワークとの距離によらずにワーク内で流れる電流の偏りを低減させる構成を有する。
本発明により、接合部分の強度を向上させる接合装置を提供することができる。
実施の形態1にかかる接合装置の概要を示す図である。 図1に示した接合装置の電極を示す斜視図である。 実施の形態1にかかる接合装置により接合されるワークの一例を示す図である。 図1に示した接合装置における電流経路を説明する斜視図である。 比較例の接合装置の電極を示す斜視図である。 接合部に流れる電流密度を示したグラフである。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
本実施形態にかかる接合装置は、被接合部に印加する電流を発生させる電源部20と、電源部20に接続され、第1のワークW1に接触する第1の電極11と、電源部20に接続され、第2のワークW2に接触する第2の電極12と、を有し、第1の電極11及び第2の電極12は、それぞれ、電源部20と接触するワークW1、W2との距離によらずにワークW1、W2内で流れる電流の偏りを低減させる構成を有するものである。
まず、図1を参照して、上記構成を有する接合装置の一例について説明する。図1は、実施の形態1にかかる接合装置の概要を示す図である。なお、図1において、被接合材であるワークW1、W2はその断面を示している。
図2に示すように、接合装置1は、電極11及び電極12からなる一対の電極10と、電源部20と、制御装置30と、を有する。本実施形態では、接合装置1を用いて、第1のワークとしてのワークW1と、第2のワークとしてのワークW2と、を抵抗溶接により接合する例を説明する。例えば、接合装置1は、筒状部材同士を接合し、環状の接合部を形成するリングマッシュ(商標登録)接合を行うことができる装置である。
ワークW1、W2は、任意の同種の金属材料、又は異種の金属材料からなる。例えば、ワークW1、W2は、炭素鋼、表面を浸炭処理した鋼、鋳物等の鉄系材料、アルミニウム、アルミニウム合金等により構成される。これらのうち、ワークW1、W2の少なくとも一方は、予め焼入れが行われた金属材料(例えば、表面を浸炭処理した鋼)、又は、溶接時の通電により焼入れが行われる金属材料(例えば、焼入れが行われ得る程度の炭素を含有する高炭素鋼)により構成される。
本実施形態において、ワークW1及びワークW2は、ともに筒形状を有し、詳細には、略円筒形状の中空部材である。ワークW1、W2は、中心軸方向に存在するワークW1の一方の端部Wa及びワークW2の一方の端部Wcにおける径方向の幅がともに全周に渡り先端に向かって先細る形状を有する。接合時には、ワークW1及びワークW2は、互いに先細った一方の端部Wa、Wc側が上下に対向するように配置されるとともに、ワークW1、W2は同軸的に重ね合わされる。つまり、ワークW1、W2の中心軸方向に切る断面積は、ワークW1とワークW2とが所要の重ね合わせ代を有して重ね合わされた状態において、互いに向かい合う方向に向かって漸次減少している。
例えば、ワークW1の外周端(外形部)と、ワークW2の内周端(ワークW2の中空部分の周縁部)と、がそれぞれ被接合部である場合、ワークW2の中空部分に対し、加圧力を伴ってワークW1を押し込みながら両者の接合が行われ、互いに接合部を形成する。この場合、ワークW1の被接合部に対応する外径は、ワークW2の被接合部に対応する中空部分の直径よりも僅かに大きく形成されることが望ましい。また、接合部は、ワークW1における外周端とワークW2の内周端との間で全周に渡って形成されてもよく、一部が接合されずに断続的に形成されてもよい。
上記のワークW1、W2同士を接合する接合装置1は、一対の電極10を用いて抵抗溶接を行うことができるように構成されている。電極10は、第1の電極としての電極11と、第2の電極としての電極12と、からなる。なお、以下の説明において、電極11と電極12とを区別する必要のない場合に、電極11及び電極12をまとめて電極10と表記することもある。
電極11及び電極12は、クロム銅、ベリリウム銅等の導電材料により形成され、ともに電源部20に電気的に接続されている。また、各電極11、12は、それぞれ全体として略円柱状を呈している。各電極11、12は、ワークW1、W2への通電を行うにあたり、電極11、12とワークW1、W2との各接触面積を十分に確保することが可能であれば、略円環状に形成されていてもよい。電極11、12は、ワークW1、W2を上下から挟み込むように配置される。
電極11は、ワークW1、W2の上方に配置される。電極11は、ワークW1の中心軸方向の上側に存在する端面Wbに接触するものであり、電極11の下端面は、ワークW1と接触する第1接触面11sとして形成されている。電極11は、第1接触面11sが水平方向に沿うように配置され、接合装置1が備える支持部材40aに支持されている。
電極12は、ワークW1、W2の下方に配置される。電極12は、ワークW2の中心軸方向の下側に存在する端面Wdと接触するものであり、電極12の上端面は、ワークW2と接触する第2接触面12sとして形成されている。電極12は、第2接触面12sが水平方向に沿うように配置され、接合装置1が備える基台40bに固定されている。
また、接合装置1は、電極11及び電極12を互いに接近又は離間する方向に移動させるとともに、電極11と電極12との間に加圧力を加える加圧装置を備える。加圧装置は、例えば、上下方向に昇降可能なピストンロッドが設けられたシリンダである。シリンダには、エアシリンダや油圧シリンダ等を用いることができる。このような加圧装置は、電極11と電極12とのうち、少なくとも一方を駆動するように設けられればよい。
例えば、電極11に対して、支持部材40aを介して加圧装置が設けられる。これにより、電極11は、上下方向に移動可能に構成される。接合に際しては、被接合部側を上向きにした状態でワークW2が電極12の第2接触面12s上に載置される。ワークW1は、被接合部側を下向きにした状態で、所定の重ね合わせ代を有してワークW2の上に重ね合わされる。このように、電極12上にワークW1、W2がセットされる。
電極11は、加圧装置により押圧されて下降し、電極11の第1接触面11sがワークW1の端面Wbに接触する。そして、電極11は、ワークW1、W2に上側から加圧力を加えることができる。
電極12は、基台40bに固定された状態で、電極12の第2接触面12s上にワークW1、W2を載置して支持する。この時、電極12の第2接触面12sは、ワークW2の端面Wdに接触している。電極12は、電極11から加圧力を受けた場合に、当該加圧力の反力によりワークW1、W2に下側から加圧力を加えることができる。
電源部20は、ワークW1、W2の各被接合部に印加する電流を発生させる電源である。電源部20は、電極10に対してパルス状電流を供給するものである。電源部20は、交流電源、整流回路、直流電源回路、コンデンサ、インバータ回路、トランス、スイッチ部品等を備え、短時間で大電流を通電可能に構成される。
制御装置30は、接合装置1の動作を制御するものである。制御装置30は、加圧装置と電気的に接続され、加圧装置を駆動制御する。また、制御装置30は、電源部20と電気的に接続され、電極10に対する電流の供給の有無、及び供給する電流の大きさを制御することができる。
ここで、図2を参照して、電極10のより詳細な構成について説明する。図2は、図1に示した接合装置の電極を示す斜視図である。本実施形態では、ワークW1、W2内で流れる電流の偏りを低減させる1つの方法として、電極10とワークW1、W2との接触面積を調整する例を説明する。
電極11及び電極12は、同様の形状及び構造を有するものを対向配置して用いることができるため、図2では、電極12を示して電極10の詳細について説明する。図2には、電極12の第2接触面12sを示して説明するが、電極11の第1接触面11sも第2接触面12sと同様の構成を有するものとする。
なお、以下の説明では、電極10の電源部20に最も近い側を電源部側とし、電極10の電源部20から最も離れた側を反電源部側として説明する。さらに、電極10の中心軸を中心として、第1接触面11s及び第2接触面12sにおける周方向の角度θについて、電源部側をθ=0°とし、反電源部側をθ=180°として定義する。図2には、電極12を中心軸に沿って切断し、0°~180°の範囲を含んだ電極12の一部を示している。
図2に示すように、電極12は、第2接触面12sの表面粗さが電源部20から離れるにしたがって段階的に減少するように構成されている。例えば、第2接触面12sは、中心を起点として外周方向に延びる複数の放射状の直線によって、略扇形状を有する複数の領域に区画される。本実施形態では、第2接触面12sの中心を通る直径を用いて、第2接触面12sを6つの領域に区画した例を示している。
当該6つの領域について、電源部側から順に領域12a、2つの領域12b、2つの領域12c、領域12dとして説明する。図2に部分的に図示した電極12では、区画された6つの領域のうち、4つの領域が示されている。当該4つの領域は、電源部側から順に領域12a、領域12b、領域12c、領域12dである。
領域12aは、電極12のうち電源部20に最も近い領域である。領域12aは、第2接触面12sの中心を通って電源部20から反電源部側に向かう方向(X方向)を対称軸として対称性を有する形状に形成される。領域12aは、領域12a~12dの中で表面粗さが最大に構成され、最も粗い表面形状を有する。領域12dは、電極12のうち電源部20から最も離れた領域であり、X方向に沿って領域12aと対称的に位置する領域である。領域12dは、領域12a~12dの中で表面粗さが最小に構成され、最も細かい表面形状を有する。
領域12b、12cは、領域12aと領域12dとの間に挟まれた領域である。領域12bは、領域12aより反電源部側に位置するとともに、領域12cより電源部側に位置する領域である。また、領域12bの表面粗さは、領域12aより小さく、領域12c、12dより大きく構成される。領域12cは、領域12bより反電源部側に位置するとともに、領域12dより電源部側に位置する領域である。領域12cの表面粗さは、領域12a、12bより小さく、領域12dより大きく構成される。なお、領域12c、12dは、X方向を対称軸として線対称に他方の領域12c、12dが形成される。
すなわち、領域12a~12dの表面粗さの大きさは、領域12a>領域12b>領域12c>領域12dである。また、このように構成される電極12と端面Wdが平坦なワークW2とが接触した場合に、両者の接触面積の大きさを第2接触面12sの各領域12a~12dに対応させて比べると、領域12a>領域12b>領域12c>領域12dとなるように構成される。
ここで、電極11、12とワークW1、W2との接触面積を調整する他の例としては、電極11、12と接触するワークW1、W2の各端面Wb、Wdの表面粗さを電源部20から離れるにしたがって小さくなるように構成する方法がある。図3は、実施の形態1にかかる接合装置により接合されるワークの一例を示す図である。
なお、以下の説明では、上記と同様に、ワークW1、W2の電源部20に最も近い側を電源部側とし、ワークW1、W2の電源部20から最も離れた側を反電源部側として説明する。さらに、ワークW1、W2の中心軸を中心として、端面Wb、Wdにおける周方向の角度θについて、電源部側をθ=0°とし、反電源部側をθ=180°として定義する。また、図3には、ワークW1の端面Wbを示して説明するが、ワークW2の端面Wdも端面Wbと同様の構成を有するものとする。
図3に示すように、ワークW1は、端面Wbの表面粗さが電源部20から離れるにしたがって段階的に減少するように構成されている。図3は、端面Wbの中心を通る直径を用いて、端面Wbを6つの領域に区画した例を示しており、図2で説明した電極12の第2接触面12sと同様の構成である。当該6つの領域について、電源部側から順に領域Fa、2つの領域Fb、2つの領域Fc、領域Fdとして説明する。
領域Faは、端面Wbのうち電源部20に最も近い領域である。領域Faは、端面Wbの中心を通って電源部20から反電源部側に向かう方向(X方向)を対称軸として対称性を有する形状に形成される。領域Faは、領域Fa~Fdの中で表面粗さが最大に構成され、最も粗い表面形状を有する。領域Fdは、端面Wbのうち電源部20から最も離れた領域であり、X方向に沿って領域Faと対称的に位置する領域である。領域Fdは、領域Fa~Fdの中で表面粗さが最小に構成され、最も細かい表面形状を有する。
2つ領域Fb及び2つの領域Fcは、領域Faと領域Fdとの間に挟まれた領域である。領域Fb、Fcは、周方向に隣り合う1組の領域Fb及び領域Fcに対し、端面Wbの中心を通るX方向を対称軸として残り1組の領域Fb及び領域Fcが対称的に形成される。
領域Fbは、領域Faより反電源部側に位置するとともに、各領域Fcより電源部側に位置する領域である。また、領域Fbの表面粗さは、領域Faより小さく、領域Fc、Fdより大きく構成される。領域Fcは、領域Fbより反電源部側に位置するとともに、領域Fdより電源部側に位置する領域である。領域Fcの表面粗さは、領域Fa、Fbより小さく、領域Fdより大きく構成される。
すなわち、領域Fa~Fdの表面粗さの大きさは、領域Fa>領域Fb>領域Fc>領域Fdである。また、このように構成されるワークW1と第1接触面11sが平坦な電極11とが接触した場合に、両者の接触面積を端面Wbの各領域Fa~Fdに対応させて比べると、領域Fa>領域Fb>領域Fc>領域Fdとなるように構成される。
このように、電極11、12の接触面11s、12sやワークW1、W2の端面Wb、Wdの表面形状を凹凸状に形成する方法の一例として、電極11、12の接触面11s、12sやワークW1、W2の端面Wb、Wdに対して公知のショットブラスト加工を施す方法が挙げられる。
ショットブラスト加工は、鋳鉄や鋳鋼等の球形粒子やアルミナ(Al)や炭化珪素(SiC)等の球形粒子や微粉末からなる多数の投射材を被加工面に投射する方法であり、これにより、被加工面を所定の表面粗さに加工するものである。
例えば、電極11、12の接触面11s、12sやワークW1、W2の端面Wb、Wdに対してショットブラスト加工を施す際に、上記した領域毎に衝突させる粒子の粒子径を変えることにより、各領域をそれぞれ所望の異なる表面形状とすることができる。
具体的には、表面形状を粗くしたい領域には、より大きな粒子径の粒子を衝突させる。また、表面形状を細かくしたい領域には、より小さな粒子径の粒子を衝突させる。このようなショットブラスト加工の代わりに、バレル加工を行ってもよい。
凹凸状の表面形状を形成した後の各領域の表面粗さの度合いは、例えば算術平均粗さRaを指標として評価すればよい。算術平均粗さRaは、画像解析等による測定を行うことにより算出可能である。また、各領域の表面粗さは、ショットブラスト加工で使用する投射材の粒子径に基づいて判断してもよい。
このように、電極11、12の接触面11s、12s、又はワークW1、W2の端面Wb、Wdにおける表面粗さを減少させて凹凸形状を細かく形成すると、電極11、12と電極11、12がそれぞれ接触するワークW1、W2との各接触面積が増加する。そのため、ワークW1、W2を電極10により加圧しながら通電する際には、当該接触面積が小さい場合と比較して、電極10とワークW1、W2との間の接触抵抗を低減することができる。
次に、接合装置1を用いてワークW1、W2を接合する方法について説明する。まず、電極12上にワークW2をセットする。さらに、ワークW2の上にワークW1をセットする。この時、ワークW1は、ワークW2に対して所定の重ね合わせ代を有して位置合わせされる。
続いて、シリンダを駆動することにより電極11を下降させる。下降した電極11は、ワークW1の端面Wbに当接し、ワークW1、W2を一対の電極10で挟み込んだ状態で加圧することにより、ワークW1、W2に上側及び下側から加圧力を加える。
そして、ワークW1、W2に加圧力を加えながら、電源部20からワークW1、W2同士を接合するための接合用電流を供給する。接合用電流は、ワークW1、W2の各被接合部を流れ、被接合部同士の接触抵抗によって発熱し、各被接合部は塑性流動する。各被接合部における塑性流動の進行に伴って、ワークW1がワークW2の中空部分に押し込まれて、ワークW1の外周端とワークW2の内周端との間で接合部を形成する。接合用電流の通電後、電極11に対する通電が解除され、ワークW1、W2は冷却される。
上記の接合方法によると、ワークW1、W2を、僅かな重ね合わせ代を有して配置し、これらを一対の電極10間に挟んで加圧しながら大電流を流し、母材の融点以下の温度において瞬時に固相接合することができる。そのため、上記の接合方法によれば、熱ひずみが小さく、短時間で溶接を行うことができる。
本実施形態において、ワークW1、W2のうち少なくとも一方は、予め焼入れが行われた金属材料、又は、溶接時の通電により焼入れが行われる金属材料により構成される。そのため、接合部は焼入れされた状態である。
そこで、接合部の靭性を向上させるために、接合部の焼戻しを行う。上記した接合部の形成に続いて、ワークW1、W2に加圧力を加えながら、電源部20から焼戻し用電流を供給すると、焼戻し用電流が接合部に流れる。これにより、接合部の焼戻しが行われる。接合部の焼戻しが完了すると、電極11に対する加圧及び通電が解除され、電極11は上昇して初期位置に戻る。そして、互いに接合されたワークW1、W2は、接合装置1から取り出される。
接合装置1では、電極10に対する電流の供給の有無、及び供給する電流の大きさを制御することができるため、焼戻しを行う際に別の電極を用意する等、焼戻し専用の設備を必要としないことから、生産性が向上する。
次に、接合装置1における通電時の電流経路について、ワークW1、W2の接合部への通電を例として、図4を参照しつつ説明する。図4は、図1に示した接合装置における電流経路を説明する斜視図である。なお、通電時には、電極11、12、及びワークW1、W2は同軸的に配置されている。また、図4には、電極11、12、及びワークW1、W2の断面を含んだ斜視図を示しており、電流経路P1、P2は黒矢印で示している。
電流経路P1は、電流が接合部に流れる経路のうち、電源部20から接合部を通って電源部20に戻るまでの通電距離が最短の経路である。電流経路P2は、電流が接合部に流れる経路のうち、電源部20から接合部を通って電源部20に戻るまでの通電距離が最長の経路である。
電流経路P1は、接合部において電源部20に最も近接した部分を通過する経路である。詳細には、まず、電源部20から電極11に電流が供給されると、供給された電流は、電極11とワークW1との接触面に向かって、電極11内の電源部側を流れる。電流は、電極11とワークW1との接触面を介してワークW1に流れて下方向に進み、ワークW1とワークW2とが接合された接合部を流れる。接合部を流れた電流は、接合部を介してワークW2に流れてそのまま下方向へ進み、ワークW2と電極12との接触面を介して電極12内に流れる。続いて、電流は、電極12の電源部側から電源部20に向かって進み、電源部20に到達する。
電流経路P2は、電源部20から供給された電流が接合部において最も電源部20から離れた部分を通過する経路である。詳細には、まず、電源部20から電極11に電流が供給されると、供給された電流は、電源部20から反電源部側に向かうとともに、電極11とワークW1との接触面に向かって電極11内を流れる。電流は、電極11とワークW1との接触面を介してワークW1に流れて下方向に進み、ワークW1とワークW2とが接合された接合部を流れる。接合部を流れた電流は、接合部を介してワークW2に流れて下方向に進み、ワークW2と電極12との接触面を介して電極12内に流れる。続いて、電流は、電極12の反電源部側から電源部20に向かって進み、電源部20に到達する。
接合装置1において、電極10とワークW1、W2との各接触面積は、電源部20から離れるにしたがって大きくなるように構成される。したがって、ワークW1、W2を電極10により加圧しながら通電する際に、電源部20からの通電距離が長い領域ほど電極10とワークW1、W2との間の接触面積を大きくすることにより、電極10とワークW1、W2との間の当該領域における電気抵抗を小さくして電流を流れやすくしている。
一方、比較例の接合装置について説明する。図5は、比較例の接合装置の電極を示す斜視図である。比較例の接合装置は接合装置1と比較してワークW1、W2と接触する電極の接触面の構成が異なるものである。図5には比較例の接合装置が備える一対の電極のうちの一方を図示して説明する。
図5に示す電極110は、ワークW1又はワークW2と接触する接触面110sの全体が一定の表面粗さを有するものである。この場合、比較例の接合装置を用いて接合されるワークW1、W2は、電極110が接触する端面Wb、Wdの全体が一定の表面粗さに形成されたものとする。例えば、接触面110s及び端面Wb、Wdの表面形状が平坦面として構成される場合、接触面110s及び端面Wb、Wdは一定の表面粗さを有する。
電流は、供給源からの通電距離が長くなるほど電気抵抗が大きくなり、流れにくいものである。したがって、接触面積が何ら調整されていない比較例の接合装置では、主に電流経路P2に従った経路により電流が流れやすい。この場合、電流の供給源である電源部20からの通電距離が短いワークW1、W2の電源部側の領域に電流が流れやすく、電源部20からの通電距離が長いワークW1、W2の電源部20から離れた反電源部側の領域には電流が流れにくい。
このように、接触面積が調整されない場合、電源部20からの通電距離に応じて、ワークW1、W2に対して電流は電源部側に偏って流れる。すなわち、比較例の接合装置を用いてワークW1、W2の接合部に焼戻し用電流を流した際には、接合部のうち電源部20に近い領域で局所的に焼入れが行われる。一方、接合部のうち電源部20から離れた反電源部側の領域では、焼戻しが十分に行われないため、当該領域における靭性は低いままであり、依然としてクラック等の不具合が発生しやすい。したがって、比較例の接合装置を用いた場合、接合部に流れる電流に偏りが生じ、焼戻しが行われた接合部の強度が不均一な状態になるという問題がある。
次に、接合装置1と比較例の接合装置とをそれぞれ用いてワークW1、W2の接合部に焼戻し用電流を通電した際の接合部に流れる電流密度を調査した結果を説明する。図6は、接合部に流れる電流密度を示したグラフである。なお、図6では、接合装置1を用いた場合において接合部に流れる電流密度の値を実施例として実線で示し、比較例の接合装置を用いた場合において接合部に流れる電流密度の値を比較例として破線で示している。
図6に示すように、比較例では、電源部側(θ=0°)における電流密度は60.5~61.0A/mmの間にあり、反電源部側(θ=180°)における電流密度は58.0~58.5A/mmの間にある。両者の差は2.0A/mm以上であり、電源部側から反電源部側に向かうにつれて電流密度は徐々に減少しており、実施例と比べてグラフの変動が大きい。
比較例の場合、接合部に流れる電流密度は、接合部の周方向に沿って電源部20から離れるにしたがって減少し、その減少幅が大きいことがわかった。よって、比較例においては、接合部に流れる電流が、電流の供給源から目的部位までの通電距離が短い電源部側の領域に偏って流れるため、接合部における温度上昇の度合いが領域毎に異なり不均一になる。その結果、焼戻しが行われた接合部の強度が不均一な状態になる。
一方、実施例では、電源部側(θ=0°)における電流密度は59.5~60.0A/mmの間にあり、反電源部側(θ=180°)における電流密度は59.0~59.5A/mmの間にある。両者の差は1.0A/mm未満であり、電源部側から反電源部側に向かうにつれて電流密度は僅かに減少しているが、比較例と比べて緩やかに減少している。
実施例の場合、接合部に流れる電流密度は、接合部の周方向に沿って電源部20から離れるにしたがって僅かに減少するが、その減少幅が小さいことがわかった。よって、電極10とワークW1、W2との接触面積を適切に調整された実施例では、電流は電流の供給源から目的部位までの通電距離によらず、接合部の全体に均一な電流密度で流れる。これにより、接合部に焼戻し電流を流す通電時には、接合部の全周に渡って均一に温度上昇するため、接合部が全体的に十分に焼戻しされる。その結果、接合装置1を用いて接合及び焼戻しが行われた接合部では、全体的に靭性が向上するため、良好で均一な強度が得られる。
以上、説明したように、実施の形態1にかかる接合装置は、一対の電極10とワークW1、W2とがそれぞれ接触する各接触面積について、電源部に近接する電源部側の領域では接触面積が大きく、電源部20から離れた反電源部側の領域では接触面積が小さく構成される。
本実施形態にかかる接合装置によれば、電源部20からの通電距離に応じて電極10とワークW1、W2との接触面積を適切に調整することにより、接合部に流れる電流密度を接合部の全周に渡って均一化することができる。これにより、通電距離に応じた電流の偏りが低減され、接合部の焼入れ時には、接合部を全体的に焼戻しされた状態にすることができる。したがって、接合部の全体が良好な硬度を有することにより、接合部の強度を向上させることができる。
また、本実施形態にかかる接合装置によれば、例えば、特許文献1のように、複雑な電流値の制御と複数回の焼戻しとを行うことなく、接合部を全体的に均一な硬度とすることができる。
他の実施の形態
以上で説明した実施の形態1では、一対の電極10とワークW1、W2との各接触面積を電源部20からの通電距離に応じて調整することにより、接合部に流れる電流密度を全周に渡って均一化するものである。しかしながら、電源部20とワークW1、W2との距離によらずにワークW1、W2内で流れる電流の偏りを低減できれば、他の構成により電流密度の均一化を行ってもよい。
例えば、実施の形態1で説明した電極10の各領域12a~12dをそれぞれに含む電極10の各部分毎に、電気抵抗の大きさを変えることが考えられる。この場合、電極10の各部分は、電源部20から離れるにしたがって電気抵抗が小さくなるように、電極10を形成する導電材料の種類や成分組成を変える等すればよい。電源部20から離れた領域ほど電気抵抗を小さくすることにより、通電距離が長い領域にも電流が流れやすくなる。
その他の例として、電極10を複数の電源部20に接続することが考えられる。この場合、複数の電源部20は、電極10の周方向に沿って電極10の周囲に等間隔で配置し、各電源部20から接合部に至るまでの通電距離を等しく構成するとともに、接合部を通過して各電源部20に戻る通電距離を等しく構成すればよい。電流経路が均等に形成されることにより、電流は接合部の全周に渡って均等に流れることができる。
これらの構成によれば、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。これらの構成を有する接合装置によれば、電流の通電距離に起因して接合部に流れる電流の偏りを低減することができる。接合部に流れる電流の偏りを低減することにより、通電時には、接合部の全周に渡って均一に温度上昇するため、接合部が全体的に十分に焼戻しされる。その結果、接合及び焼戻しが行われた接合部では、全体的に靭性が向上するため、良好で均一な強度が得られる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
1 接合装置
10、11、12 電極
11s 第1接触面
12a、12b、12c、12d、Fa、Fb、Fc、Fd 領域
12s 第2接触面
20 電源部
30 制御装置
40a 支持部材
40b 基台
110 電極
110s 接触面
P1、P2 電流経路
W1、W2 ワーク
Wa、Wc 端部
Wb、Wd 端面
θ 角度

Claims (1)

  1. 被接合部に印加する電流を発生させる電源部と、
    前記電源部に接続され、第1のワークに接触する第1の電極と、
    前記電源部に接続され、第2のワークに接触する第2の電極と、
    を有し、
    前記第1の電極及び前記第2の電極は、それぞれ、前記電源部と接触する前記ワークとの距離によらずに前記ワーク内で流れる電流の偏りを低減させる構成を有する接合装置。
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