JP2022117553A - 吸音構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低周波数領域での吸音性能を向上させることができる吸音構造体を提供する。【解決手段】内部に柱形状のセルSが複数並設された中空板材からなる吸音構造体1であって、前記中空板材は、厚み方向に延びて前記セルSを区画する側壁部23と、前記側壁部23の両端部において前記セルを閉塞する一対の閉塞壁11、12とを有し、空間を介して隣接するとともに、連通筒14を介して前記セルSの内部空間が連通された複数の前記セルSで構成される連通セル群を有し、前記連通セル群を構成する前記セルSのうちの少なくとも一つには、前記閉塞壁11の一方に前記セルSの内外を連通する貫通孔13が形成されており、前記連通セル群を構成する前記セルSのうちの他のセルSには、前記貫通孔13が形成されていない。【選択図】図1

Description

本発明は、吸音構造体及びその製造方法に関する。
従来から、内部に多角柱形状又は円柱形状をなす複数のセルが並設された中空板状の吸音構造体が知られている。特許文献1には、内部に六角柱形状をなす複数のセルが並設された中空板材からなる吸音構造体に係る発明が記載されている。中空板材は、厚み方向に延びてセルを区画する側壁部と、側壁部の両端部においてセルを閉塞する一対の閉塞壁とを有しており、セルを閉塞する閉塞壁には、セルの内外を連通する貫通孔が形成されている。貫通孔が形成されていることで、各セルがいわゆるヘルムホルツ共鳴器として機能し、貫通孔を介してセルの内部空間に音圧が入ることによって音圧が低減される。
特開2018-66914号公報
一般的に、ヘルムホルツ共鳴器の吸音特性は、開口部の開口面積、外部から容器内部へと音波を導くための管部の長さ、容器の内容積によって左右される。そのため、特許文献1に記載の吸音構造体では、貫通孔の開口縁がセルの内部空間に位置するようにして、ヘルムホルツ共鳴器の「管部の長さ」として機能する部分を長くしている。これにより、吸音性能の高い領域が低周波数領域にシフトし易くなり、比較的に低周波数領域でも高い吸音性能を有することができる。
しかし、特許文献1に記載の吸音構造体は、低周波数領域での吸音性能を向上させる観点からはなお改善の余地があるものである。
上記課題を解決するため、本発明の吸音構造体は、内部に柱形状のセルが複数並設された中空板材からなる吸音構造体であって、前記中空板材は、厚み方向に延びて前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端部において前記セルを閉塞する一対の閉塞壁とを有し、空間を介して隣接するとともに、連通筒を介して前記セルの内部空間が連通された複数の前記セルで構成される連通セル群を有し、前記連通セル群を構成する前記セルのうちの少なくとも一つには、前記閉塞壁の一方に前記セルの内外を連通する貫通孔が形成されており、前記連通セル群を構成する前記セルのうちの他のセルには、前記貫通孔が形成されていない。
上記構成によれば、吸音構造体は、複数のセルの内部空間が連通筒を介して連通された連通セル群を有しており、連通セル群を構成する複数のセルの一部には、セルを閉塞する閉塞壁の一方に、セルの内外を連通する貫通孔が形成されている。そのため、セルに貫通孔は形成されているものの、連通セル群を有していない吸音構造体に比べて、連通している部分の内部空間の内容積を大きくすることができる。ヘルムホルツ共鳴器の吸音特性は、上記のとおり容器の内容積によって左右される。複数のセルが連通セル群を構成していることで、ヘルムホルツ共鳴器の「容器の内容積」として機能する部分が大きくなる。これにより、吸音性能の高い領域が低周波数領域にシフトし易くなり、低周波数領域での吸音性能も向上する。
上記構成において、前記連通筒の等価直径は前記貫通孔の等価直径より大きいことが好ましい。
上記構成によれば、連通筒での空気の流動抵抗が小さく、貫通孔を介してセルの内部空間に入った音圧が、連通孔を介して、貫通孔が形成されていないセルの内部空間に入り易くなる。これにより、連通セル群を構成する複数のセルのすべての内部空間をヘルムホルツ共鳴器の「容器の内容積」として機能させることができる。低周波数領域での高い吸音性能を実現することができる。
上記課題を解決するため、本発明の吸音構造体の製造方法は、厚み方向に延びて柱形状の複数のセルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端部において前記セルを閉塞する一対の閉塞壁とを有する中空板材で構成された吸音構造体の製造方法であって、合成樹脂製の1枚の平坦シート材から所定の凹凸形状を有する凹凸シート材を成形して前記中空板材を形成する中空板材形成工程と、前記閉塞壁の一方に、前記セルの内外を連通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程とを備え、前記中空板材形成工程では、前記凹凸シート材に、前記中空板材において複数の前記セルの内部空間同士を連通する連通筒となる溝を成形し、前記貫通孔形成工程では、前記中空板材において、前記連通筒により連通した複数のセルのうちの少なくとも一つに、前記貫通孔を形成する。
上記構成によれば、中空板材を形成する中空板材形成工程で、凹凸シート材に、中空板材における連通筒となる部分である溝を成形している。そのため、凹凸シート材の成形時に同時に溝を成形することが可能であり、中空板材に後加工として連通筒を形成する必要がない。連通筒を容易に形成することができ、吸音構造体の製造工程を簡略化することができる。
上記構成において、前記中空板材形成工程は、前記凹凸シート材を成形する成形工程と、前記凹凸シート材を折り畳むことにより前記中空板材を形成する折り畳み工程とを備え、前記成形工程では、前記凹凸シート材において前記側壁部となる部分に該側壁部の幅方向に延びる前記溝を成形し、前記折り畳み工程では、前記溝により前記側壁部に前記連通筒を形成することが好ましい。
上記構成によれば、凹凸シート材の成形時に同時に溝を成形し、溝が成形された凹凸シート材を折り畳むことにより中空板材の側壁部に連通筒を形成することができる。連通筒を容易に形成することができるだけでなく、溝の形状、大きさ、数、成形位置等を適宜に調整し易い。これにより、低周波数領域での吸音性能に優れた吸音構造体を製造することができる。
本発明によれば、低い周波数領域での吸音性能を向上させることができる吸音構造体が得られる。
(a)は、本実施形態の吸音構造体を上面側から見た部分斜視図、(b)は、(a)におけるβ-β線断面図、(c)は(a)におけるγ-γ線断面図。 (a)は連通セル群について説明する模式図、(b)は吸音構造体の上面図。 吸音構造体の製造方法について説明する図であり、(a)は凹凸シート材を成形する成形工程について説明する図、(b)、(c)は凹凸シート材を折り畳んで中空板材を形成する折り畳み工程について説明する図、(d)は中空板材に貫通孔を形成する貫通孔形成工程について説明する図。 変更例の吸音構造体の製造方法について説明する図であり、(a)は凹凸シート材を成形する成形工程について説明する図、(b)、(c)は凹凸シート材を折り畳んで中空板材を形成する折り畳み工程について説明する図。 (a)は変更例の吸音構造体の上面図、(b)は(a)におけるσ-σ線断面図、(c)は変更例の吸音構造体について、溝の形成位置を変更した場合について説明する図。
以下、本発明を具体化した吸音構造体の一実施形態を図1、図2に従って説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の吸音構造体1は、内部に六角柱形状のセルSが複数並設された中空板材10からなり、中空板材10の一方の主面(上面10a)に複数の貫通孔13が形成された形状をなしている。
中空板材10は、従来公知の熱可塑性樹脂材料で形成されている。その材料は特に限定されない。その材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリルニトリル‐ブタジエン‐スチレン等を挙げることができる。
まず、中空板材10の構造について説明する。
図1(a)に示すように、中空板材10は、内部に複数のセルSが並設されたコア層20と、コア層20の厚み方向両面に接合されたシート状のスキン層30、40とで構成されている。以下では、図1において、中空板材10の上側に示される主面を上面10aとし、下側に示される主面を下面10bとする。スキン層30は、中空板材10の上面10a側に接合され、スキン層40は、中空板材10の下面10b側に接合されている。
図1(b)及び(c)に示すように、コア層20は、所定形状に成形された1枚の熱可塑性樹脂製のシート材を折り畳んで形成されている。コア層20は、上壁部21と、下壁部22と、上壁部21及び下壁部22の間に立設されてセルSを六角柱形状に区画する側壁部23とで構成されている。
図1(a)に示すように、コア層20の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。
図1(b)に示すように、第1セルS1においては、側壁部23の上部に2層構造の上壁部21が設けられている。この2層構造の上壁部21の各層は互いに接合されている。また、第1セルS1においては、側壁部23の下部に1層構造の下壁部22が設けられている。一方、図1(c)に示すように、第2セルS2においては、側壁部23の上部に1層構造の上壁部21が設けられている。また、第2セルS2においては、側壁部23の下部に2層構造の下壁部22が設けられている。この2層構造の下壁部22の各層は互いに接合されている。また、図1(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の側壁部23によって区画されている。
図1(a)に示すように、第1セルS1はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う二つの第1セルS1が六角形の1辺を共有している。同様に、第2セルS2はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う二つの第2セルS2が六角形の1辺を共有している。第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向に直交するY方向において交互に配列されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層20は、全体としてハニカム構造をなしている。
図1(a)~(c)に示すように、コア層20の上面にスキン層30が接合されていることにより、コア層20における側壁部23の上部は、コア層20の上壁部21及びスキン層30で閉塞されている。すなわち、上壁部21及びスキン層30が、セルSを上側から区画する上部閉塞壁11を構成している。同様に、コア層20の下面にスキン層40が接合されていることにより、コア層20における側壁部23の下部は、コア層20の下壁部22及びスキン層40で閉塞されている。すなわち、下壁部22及びスキン層40が、セルSを下側から区画する下部閉塞壁12を構成している。
中空板材10は、コア層20、スキン層30、40により、内部に複数のセルSが並設された形状とされており、中空板材10の上部閉塞壁11側が中空板材10の上面10aを構成し、下部閉塞壁12側が中空板材10の下面10bを構成している。
図1(b)及び(c)に示すように、吸音構造体1は、中空板材10の上面10aに複数の貫通孔13が貫設されて形成されている。貫通孔13は、中空板材10の上側を閉塞する上部閉塞壁11を貫通するように形成されている。セルSの内部空間と吸音構造体1の外部空間とが貫通孔13を介して連通されている。具体的には、図1(b)に示すように、第1セルS1において貫通孔13は、2層構造の上壁部21及びスキン層30を貫通している。また、図1(c)に示すように、第2セルS2において貫通孔13は、1層構造の上壁部21及びスキン層30を貫通している。これにより、吸音構造体1は、吸音材として機能する。
図1(b)及び(c)に示すように、各貫通孔13の開口縁13aの周辺部は、貫通孔13が形成されていない部分におけるスキン層30の上面に対して窪むような形状をなしている。その結果として、貫通孔13の開口縁13aは、コア層20の上壁部21の内面よりも下側の空間であるセルSの内部空間に位置している。各貫通孔13の開口縁13aにおける直径は、セルSを上面視した場合の六角形の一辺の長さ以下に設定されている。具体的には、X方向に隣り合うセルSの中心同士の各間隔の平均値を「平均ピッチP1」としたとき、各貫通孔13の開口縁13aにおける直径は、平均ピッチP1の数分の1に設定することが好ましい。開口縁13aにおける直径は、0.5~3mm程度であることが好ましく、1.0~1.5mm程度であることがより好ましい。開口縁13aの直径がこの範囲であると、吸音構造体1の吸音率を高めることができる。
図1(a)に示すように、本実施形態の吸音構造体1では、貫通孔13は、第2セルS2においては、すべての第2セルS2に対して上面視中央の位置に1箇所ずつ設けられている。一方、第1セルS1においては、Y方向に並設される第1セルS1の複数の列に対して、貫通孔13が形成される第1セルS1の列と、貫通孔13が形成されない第1セルS1の列とが交互に並設されている。貫通孔13が形成されている第1セルS1では、上面視中央の位置に1箇所ずつ設けられている。
図1(c)、図2(a)及び(b)に示すように、第2セルS2の側壁部23には、Y方向に隣り合う第1セルS1の内部空間を連通する連通筒14がY方向に延びるように形成されている。連通筒14は、X方向に隣り合う第2セルS2の2層構造の側壁部23において、上下方向の略中央部分に形成されている。
図2(a)に示すように、連通筒14は、Y方向両端部において、Y方向に隣り合う第1セルS1の側壁部23に開口しており、これにより、Y方向に隣り合う二つの第1セルS1の内部空間が連通している。連通筒14を介して内部空間が連通している二つの第1セルS1が、請求項で規定する連通セル群を構成している。なお、図2(a)では、連通筒14の形状、形成位置、形成態様が分かり易いように、吸音構造体1を構成するセルSのうち、隣り合う4つの第1セルS1及び第2セルS2を示し、これら第1セルS1及び第2セルS2のコア層20のみを斜視図として示している。
図1(c)、図2(a)及び(b)に示すように、第1セルS1の側壁部23には連通筒14は形成されておらず、いずれの第2セルS2も他の第2セルS2の内部空間と連通していない。つまり、第2セルS2は連通セル群を構成していない。
上記のとおり、第2セルS2では、すべての第2セルS2に対して貫通孔13が1箇所ずつ形成されているのに対して、第1セルS1では、貫通孔13が形成される列と、貫通孔13が形成されない列とが交互に並設されている。そして、Y方向に隣り合う二つの第1セルS1の内部空間は、連通筒14を介して連通された連通セル群を構成している。つまり、連通セル群は、第2セルS2の2倍の内容積の内部空間を形成している。そして、図2(b)に示すように、貫通孔13は、内部空間が連通している部分に対して1つずつ形成されていることになる。
図1(c)に示すように、連通筒14は、側壁部23の上下方向中央部に形成されている。また、本実施形態の連通筒14は、断面円形状に形成されている。連通筒14の直径は、上面視円形状に形成された貫通孔13の直径より大きい。連通筒14の直径が貫通孔13の直径より大きいことで、貫通孔13を介して連通セル群を構成する一方の第1セルS1内に入った音圧が、連通筒14を介して他方の第1セルS1内に入り易くなり、低周波数領域での吸音性能が向上し易くなる。連通筒14の直径は、0.5~3.0mm程度であることが好ましく、1.5~3.0mm程度であることがより好ましい。
次に、吸音構造体1の製造方法について図3に従って説明する。
吸音構造体1の製造方法は、熱可塑性樹脂製の1枚の平坦シート材から所定の凹凸形状を有する凹凸シート材100を成形する成形工程、凹凸シート材100を折り畳んでコア層20を形成する折り畳み工程、コア層20の両主面にスキン層30、40を接合して中空板材10を形成する接合工程、中空板材10に貫通孔13を形成する貫通孔形成工程を備えている。
図3(a)に示すように、成形工程では、1枚の熱可塑性樹脂製の平坦シート材を所定の形状に成形して凹凸シート材100を形成する。凹凸シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120が、凹凸シート材100の長手方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
また、第2膨出部122の上面においてX方向の中央部には、Y方向に延びる溝123を形成されている。溝123は、側面視で断面半円形状であり、第2膨出部122の一部に形成されている。溝123が形成された第2膨出部122と溝123が形成されていない第2膨出部122は、凹凸シート材100のY方向に1列おきに交互に並設されている。また、溝123が形成された第2膨出部122は、凹凸シート材100のX方向に並設されており、溝123が形成されていない第2膨出部122も、凹凸シート材100のX方向に並設されている。溝123が形成された第2膨出部122では、第2膨出部122のX方向の同一の位置に形成されている。
なお、凹凸シート材100は、熱可塑性樹脂製の平坦シート材の塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、凹凸シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚の平坦シート材から成形することができる。
図3(a)及び(b)に示すように、折り畳み工程では、上記のように構成された凹凸シート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層20を形成する。具体的には、凹凸シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図3(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより中空板状のコア層20が形成される。なお、この実施形態では、凹凸シート材100を折り畳むために圧縮する方向が、セルSが並設される方向(X方向)である。
上記のように凹凸シート材100を圧縮するとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層20の上壁部21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層20の下壁部22が形成される。なお、図3(c)に示すように、上壁部21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下壁部22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱形状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱形状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁部23を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁部23を構成する。
そして、膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が第1セルS1の2層構造をなす側壁部23となり、第2膨出部122の上面同士の当接部位が第2セルS2の2層構造をなす側壁部23となる。第2膨出部122の一部には、断面半円形状の溝123が形成されているため、第2膨出部122の上面同士が当接したとき、当接部位に形成された溝123により、第2セルS2の側壁部23に断面円形状の連通筒14が形成される。連通筒14が形成されることにより、溝123が形成された第2膨出部122では、隣り合う第1セルS1が連通筒14を介して連通された状態となる。
図3(c)に示すように、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上部が区画され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下部が区画されている。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、凹凸シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
接合工程では、折り畳み工程で得られたコア層20の上面及び下面に、それぞれ熱可塑性樹脂製のシート材を熱溶着により接合する。コア層20の上面に接合されたシート材はスキン層30となり、コア層20の上壁部21と共に側壁部23の上部を閉塞する上部閉塞壁11を構成する。コア層20の下面に接合されたシート材は、スキン層40となり、コア層20の下壁部22と共に側壁部23の下部を閉塞する下部閉塞壁12を構成する。
なお、シート材(スキン層30、40)をコア層20に熱溶着する際には、第1セルS1における2層構造の上壁部21(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。同様に、第2セルS2における2層構造の下壁部22(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。
接合工程により、X方向に第1セルS1又は第2セルS2がそれぞれ列を成すように多数並設され、Y方向に第1セルS1及び第2セルS2が交互に多数並設された中空板材10が得られる。
貫通孔形成工程では、中空板材10の上部閉塞壁11に多数の貫通孔13を形成する。貫通孔13は、ドリル、針、パンチ等の貫通部材50で中空板材10の上部閉塞壁11を貫通させることにより形成される。図3(d)に示すように、貫通部材50は、隣り合うセルSの中心同士の各間隔と略同一の間隔で複数個が1列に配列された構成となっている。複数の貫通部材50の下方側に、中空板材10のX方向が貫通部材50の配列方向と合致するように配置して固定する。貫通部材50を下降移動させて中空板材10の上部閉塞壁11に貫通孔13を形成する。貫通部材50は、1回下降させるごとに、中空板材10のY方向にセルSの形成ピッチ分ずつ移動させる。また、3回下降させるごとに、中空板材10のY方向にセルSの形成ピッチの2倍分移動させる。このようにして、中空板材10の上部閉塞壁11には、すべての第2セルS2の略中央部分に各1箇所ずつの貫通孔13が形成されるとともに、Y方向に並設される第1セルS1では、交互に並設される第1セルS1の略中央部分に各1箇所ずつの貫通孔13が形成される。
以上の工程を経て、複数の貫通孔13が形成されるとともに、第1セルS1の内部空間が連通筒14で連通された吸音構造体1が製造される。
次に、本実施形態の吸音構造体1の作用をその効果とともに説明する。
(1)本実施形態の吸音構造体1は、連通筒14を介して連通されて連通セル群を構成する二つの第1セルS1のうち、一方の第1セルS1の上部閉塞壁11には貫通孔13が形成されており、他方の第1セルS1の上部閉塞壁11には貫通孔13が形成されていない。また、すべての第2セルS2は、連通筒14を介して連通されておらず、その上部閉塞壁11には貫通孔13が形成されている。
そのため、吸音構造体1は、二つの第1セルS1からなる連通セル群及び第2セルS2が、それぞれヘルムホルツ共鳴器として機能する。ここで、ヘルムホルツ共鳴器の吸音特性は、容器の内容積によって左右されるが、「容器の内容積」が大きいほど、より低周波数領域での吸音性能に優れる。連通セル群は、二つの第1セルS1が連通筒14を介して連通されていることで、第2セルS2の2倍の「容器の内容積」を有しており、第2セルS2より低周波数領域での吸音性能に優れている。これにより、吸音構造体1では、吸音性能の高い領域が低周波数領域にシフトし易くなり、低周波数領域での吸音性能が向上する。
(2)連通筒14は、その直径が貫通孔13の直径より大きく形成されている。
そのため、連通筒14を介して連通セル群に流動する空気の流動抵抗が、貫通孔13を介して連通セル群に入る空気の流動抵抗より小さくなる。これにより、貫通孔13を介して連通セル群を構成する一方の第1セルS1内に入った音圧が、連通筒14を介して他方の第1セルS1内に入り易い。吸音構造体1の低周波数領域での吸音性能を向上させることができる。
(3)貫通孔13の開口縁13aは、コア層20の上壁部21の内面よりも下側の空間であるセルSの内部空間に位置している。
そのため、ヘルムホルツ共鳴器の「管部の長さ」として機能する部分が長くなり、吸音性能の高い領域が低周波数領域にシフトし易くなる。低周波数領域での吸音性能も向上する。
(4)本実施形態の吸音構造体1の製造方法では、平坦シート材から凹凸シート材100を成形する成形工程で、凹凸シート材100の成形と同時に溝123を成形している。そして、折り畳み工程で凹凸シート材100を折り畳むことで、コア層20の側壁部23に連通筒14が形成されるようにしている。
そのため、中空板材10に連通筒14を容易に形成することができる。
ここで、複数のセルSの内部空間を連通させて連通セル群を形成する方法として、コア層20にスキン層30、40を接合して中空板材10を形成した後に、中空板材10の側方から貫通治具を貫通させて、複数のセルSの内部空間を連通させる方法が考えられる。しかし、この方法では、連通筒14の形状が揃わなかったり、狙ったところに連通筒14が形成し難かったり、側壁部23を傷つけたりしてしまうといった事態が生じやすい。この点、本実施形態では、凹凸シート材100の成形時に溝123を成形するため、必要な箇所のみに、狙った形状の溝123を形成することが容易である。低周波数領域での吸音特性に優れた吸音構造体1を容易に製造することができる。
(5)凹凸シート材100の成形時に溝123を成形するため、溝123の形状、大きさ、数、成形位置等を適宜に調整し易い。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。また、上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態の吸音構造体1では、連通筒14が、側壁部23の上下方向中央部に形成されているが、連通筒14の形成位置はこれに限定されない。側壁部23の上下方向の中央部より下部寄りに形成されていてもよく、上部寄りに形成されていてもよい。
・上記実施形態では、連通筒14は、側壁部23の上下方向中央部で、上壁部21及び下壁部22に沿う方向に延びているが、これに限定されない。上壁部21及び下壁部22に対して傾斜するように延びていてもよい。
・上記実施形態では、連通筒14は、側壁部23の上下方向の一部である中央部に形成されているが、側壁部23全体に連通筒14を形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、連通筒14は、側壁部23の上下方向中央部で、上壁部21及び下壁部22に沿う方向に真っすぐに延びているが、その形状はこれに限定されない。連通筒14の途中で屈曲したり湾曲したりしていてもよい。
・連通筒14は、Y方向に隣り合う第1セルS1の一方の側壁部23から他方の側壁部23に亘って、ほぼ同径で形成されているが、その径が途中で変動してもよい。例えば、貫通孔13が形成された第1セルS1側では、連通筒14の開口径を大きくするようにしてもよい。こうすることで、吸音効果をより向上させることができる。
・上記実施形態の吸音構造体1では、連通筒14が、側壁部23の上下方向に1箇所形成されているが、2箇所であっても、それ以上であってもよい。低周波数領域での吸音性能を向上させる観点から言えば、一つの連通筒14の等価直径が、貫通孔13の等価直径より大きいことが好ましい。なお、吸音性能を向上させる観点から言えば、一つの連通筒14の等価直径が、貫通孔13の等価直径より大きく、かつ、連通筒14の形成箇所は少ないほうがよい。
・上記実施形態の吸音構造体1では、連通筒14は断面円形状に形成されているが、これに限定されない。断面半円形状、楕円形状であってもよく、断面三角形状、四角形状等の多角形状であってもよく、不定形状であってもよい。連通セル群での吸音特性を低周波領域に効率的にシフトさせる観点から、断面円形状以外の場合の連通筒14の等価直径は、貫通孔13の直径より大きいことが好ましい。
・上記実施形態の吸音構造体1では、貫通孔13は、第2セルS2においては、すべての第2セルS2に対して上面視中央の位置に1箇所ずつ設けられている。また、第1セルS1においては、連通セル群を構成する一方の第1セルS1に対して上面視中央の位置に1箇所ずつ設けられている。しかし、貫通孔13が形成された第1セルS1及び第2セルS2での貫通孔13の形成位置及び個数はこれに限定されない。貫通孔13が第1セルS1及び第2セルS2の中央からずれた位置に設けられていてもよい。また、一つの第1セルS1或いは第2セルS2に対して複数箇所に形成されていてもよい。
・上記実施形態の中空板材10は、コア層20として、凹凸シート材100を折り畳み成形して、コア層20の内部に六角形状のセルSが区画形成されたハニカム構造体を形成したが、コア層20を形成する凹凸シート材の形状はこれに限定されない。図4に示すような断面台形状の凸部が複数列設された三次元構造体としての凹凸シート材200を順次折り畳んでいくことにより、ハニカム構造体としてのコア層24を形成してもよい。
図4(a)に示すように、凹凸シート材200は、1枚の熱可塑性樹脂製の平坦シート材から成形されており、凹凸シート材200には、帯状をなしX方向に延びる第1膨出部210が形成されている。第1膨出部210がY方向に交互に形成されていることにより、第1膨出部210の間には、第1膨出部210と比べて相対的に凹んだ第2膨出部220がX方向に延びるように形成されている。
第1膨出部210の上面210aにおいて、境界線R、Tで挟まれた領域のX方向の中央部には、Y方向に延びる溝223を形成されている。溝223は、側面視で断面半円形状であり、第1膨出部210の一部に形成されている。溝223が形成された第1膨出部210と溝223が形成されていない第1膨出部210は、凹凸シート材200のY方向に1列おきに交互に並設されている。また、溝223は、第1膨出部210の上面210aにおいて、境界線R、Tで挟まれた領域のX方向の同一の位置に形成されている。
凹凸シート材200は、境界線R、Tに沿って順次折り畳まれることによりコア層24が形成される。具体的には、図4(b)に示すように、凹凸シート材200は、境界線Rに沿って山折りされ、境界線Tに沿って谷折りされる。図4(c)に示すように、一つの第1膨出部210では、X方向の中央部分に設けられた境界線Tで谷折りされて、X方向右側の上面210aとX方向左側の上面210aが立設状態で当接する。折り畳まれた第1膨出部210では、立設状態で当接したX方向右側の上面210aとX方向左側の上面210aにより、コア層24の2層構造の側壁部27が形成され、側面210bにより、コア層24の1層構造の側壁部27が形成される。側壁部27の上端には、隣り合う第1膨出部210の端面210cからなる上壁部25が形成される。また、立設状態で当接したX方向右側の上面210aとX方向左側の上面210aにより、2層構造の側壁部27の上下方向中央部には、二つの溝223の内部空間として形成される連通筒(図示略)が形成される。
また、一つの第2膨出部220では、隣り合う境界線TのX方向中央に設けられた境界線Rで山折りされ、X方向右側の下面220aとX方向左側の下面220aが立設状態で当接する。折り畳まれた第2膨出部220では、立設状態で当接したX方向右側の下面220aとX方向左側の下面220aにより、コア層24の2層構造の側壁部27が形成され、側面220bにより、コア層24の1層構造の側壁部27が形成される。側壁部27の下端には、隣り合う第2膨出部220の端面220cからなる下壁部26が形成される。
このようにして得られたコア層24の上下両面にスキン層30、40が接合されたものを中空板材10として使用してもよい。
・図4(c)に示すコア層24では、凹凸シート材200の成形時に、第1膨出部210の上面210aにY方向に延びる溝223を形成することにより、連通セル群を連通する連通筒を形成している。しかし、連通セル群を連通する構成は、溝223に限らない。例えば、図4(b)に示すように、凹凸シート材200の折り畳み時に、コア層24の側壁部に凹部224が形成されるようにする。折り畳み時には、凹凸シート材200が加熱処理されて軟化させた状態となっているため、境界線Rでの山折り部分に凹みが形成され易く、これが溝状の凹部224となる。図4(c)に示す状態では、凹部224がX方向の隣り合うセル間を連通する連通筒225となる。連通筒225は、2層構造の側壁部を貫通するように形成されており、2層構造の側壁部の厚み分の長さを有する。連通筒225により、X方向に隣り合うセルが連通セル群を構成する。
・上記実施形態の中空板材10では、コア層20の内部に六角柱状のセルSが区画形成されているが、セルSの形状は、特に限定されるものでない。例えば、四角柱状、八角柱状等の多角形状や円柱状としてもよい。また、セルSの形状は、接頭円錐形状であってもよい。その際、異なる形状のセルが混在していてもよい。また、各セルは隣接していなくともよく、セルとセルとの間に隙間(空間)が存在していてもよい。この場合、空間を介して隣接するセルとセルとの間に内部空間同士を連通する連通筒が形成される。このような構成のコア層としては、例えば特開平10-156985号公報に記載のものが挙げられる。また、断面がハーモニカ状のプラスチックダンボール等であってもよい。
特開平10-156985号公報には、円柱形状の複数のセルS´が空間を介して並設された吸音構造体に係る発明が記載されている。これは、図5(b)に示すように、凹凸形状を有する熱可塑性樹脂製の凹凸シート材300に、一対の熱可塑性樹脂シート400、500が接合されて形成された中空板材である。凹凸シート材300は、平坦シート材の一面側の多数の箇所を円柱状に凹ませるように成形することで、一面側に多数の円柱状の凸部301が形成され、凸部301以外の部分が相対的に凹んだ凹部302として形成されている。凹凸シート材300では、凸部301が空間としての凹部302を介して並設された状態となっている。凹凸シート材300がこのような形状のものである場合、図5(a)に示すように、凹凸シート材300の成形時に凸部301の内部空間同士を連通させる溝303を同時に成形すればよい。溝303は、凸部301を繋ぐように凹部302の底面を上方に溝状に突出させるようにして成形することができる。溝303が成形されていることにより、熱可塑性樹脂シート400、500を接合すると、溝303が、セルS´としての凸部301の内部空間を連通する連通筒として機能する。
・上記実施形態の中空板材10は、コア層20の両面にスキン層30、40が接合して形成したが、スキン層30、40の少なくともいずれか一方を省略してもよい。スキン層30を省略した場合、コア層20の上壁部21のみによって上部閉塞壁11が構成される。また、スキン層40を省略した場合、コア層20の下壁部22のみによって下部閉塞壁12が構成される。
・貫通孔13が形成されたセルSでは、各セルSの略中央部分に1箇所貫通孔13を形成したが、貫通孔13の形成箇所及び個数はこれに限定されない。例えば、貫通孔13が各セルSにおいて異なった位置に形成されるようにしてもよい。また、貫通孔13を各セルSに1箇所或いは複数箇所形成してもよい。
・すべての第2セルS2に貫通孔13を形成したが、貫通孔13が形成された第2セルS2と貫通孔13が形成されていない第2セルS2とが混在していてもよい。
・上記実施形態の吸音構造体1では、すべての第1セルS1が連通筒14で二つずつ連通して連通セル群を構成し、すべての第2セルS2は互いに連通していない。これに限定されず、一部の第1セルS1が連通筒14で二つずつ連通して連通セル群を構成し、残りの第1セルS1は互いに連通していなくてもよい。また、第2セルS2が連通セル群を構成しており、第1セルS1は互いに連通していなくてもよい。さらに、第1セルS1の一部、第2セルS2の一部が連通セル群を構成していてもよい。
・上記実施形態の吸音構造体1では、連通セル群は二つの第1セルS1で構成されているが、三つ以上の第1セルS1で構成されていてもよい。また、三つ以上の第2セルS2で構成されていてもよい。連通セル群が三つ以上のセルSで構成される場合、貫通孔13は、連通セル群を構成する三つ以上のセルSのうちの少なくとも一つのセルSに形成されていなければよい。これにより、ヘルムホルツ共鳴器としての「容器の内容積」の大きさを連通していないセルSより大きくすることができ、低周波数領域での吸音性能を向上させることができる。
・連通セル群を構成するセルSが三つ以上で形成されている場合、各セルSが直線状に並設されている場合に限らず、円弧状に並設されていてもよい。例えば、図3(a)に示すように、凹凸シート材100の第2膨出部122の上面に溝123を成形する場合、連通セル群を構成する三つ以上の第1セルS1は、Y方向に直線状に並設されることになる。これに代えて、第2膨出部122の上面に溝123とともに、第2膨出部122の側面を貫通する孔を形成すると、凹凸シート材100を折り畳んだときに、第1セルS1と第2セルS2とを連通する連通孔が形成される。これにより、Y方向に隣り合う第1セルS1が連通筒14を介して連通するとともに、連通セル群を構成する第1セルS1に隣接する第2セルS2も、連通セル群に連通する。こうすることで、図2(a)に示すような隣接する四つのセルSを連通セル群として構成することができる。そして、隣接セル群を構成する複数のセルSが直線状ではなく、円弧状に近い形状に形成されていることで、ヘルムホルツ共鳴器として機能する場合に、吸音性能のロスが抑制されて吸音特性を向上させることができる。
・三つ以上のセルSで構成される連通セル群が円形状に配置されている例として、特開平10-156985号公報に記載のコア層について説明する。図5(c)に示すように、一つのセルS´に貫通孔13が形成されている場合、貫通孔13が形成されたセルS´を中心にして円形に配置されたセルS´との間を溝303で繋ぐ。これにより、吸音性能のロスが抑制されて連通セル群での吸音特性を向上させることができる。
・中空板材10におけるスキン層40側の外面に、他のシート材を接合してもよい。このシート材は、合成樹脂製のものに限らず、例えば、金属シート(金属箔)、鋼板、紙、布などであってもよい。また、スキン層40そのものを、金属シート(金属箔)、紙、布などで構成してもよい。
・中空板材10を構成する熱可塑性樹脂に、機能性を付与する樹脂や添加剤を添加してもよい。例えば、難燃性の樹脂や添加剤を添加したり、消臭剤や芳香剤を添加したりしてもよい。
・上記実施形態の吸音構造体1の製造方法では、凹凸シート材100の第2膨出部122の上面であって、折り畳み工程で当接する部分の両方に溝123を形成したが、当接する部分の一方のみに溝123を形成してもよい。この場合、例えば、当接する部分の一方のみに断面半円形状の溝123を形成すると、連通筒14は断面半円形状になる。折り畳み形成されたコア層20の2層構造の側壁部23の一方のみに連通筒14が形成されていると、吸音構造体1の一方の面側から荷重が掛かった場合に、側壁部23が座屈し難い。吸音構造体1の強度が高くなる。
・上記実施形態の吸音構造体1の製造方法では、凹凸シート材100の第2膨出部122の上面であって、折り畳み工程で当接する部分の両方に同じ形状の溝123を形成したが、互いに異なる形状の溝123を形成してもよい。例えば、当接する一方には、断面半円形状の溝123を形成し、他方には、断面三角形状の溝123を形成してもよい。
・上記実施形態の吸音構造体1の製造方法では、スキン層30、40を熱溶着でコア層20に接合したが、スキン層30、40の接合方法はこれに限定されない。例えば、接着剤等でスキン層30、40をコア層20に貼り付けて接合してもよい。また、コア層20とスキン層30、40との間に例えば熱可塑性樹脂製の接着層を介在させ、この接着層の接着力により、スキン層30、40をコア層20に接合してもよい。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)内部に柱形状のセルが複数並設された中空板材からなる吸音構造体であって、前記中空板材は、厚み方向に延びて前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端部において前記セルを閉塞する一対の閉塞壁とを有し、空間を介して隣接するとともに、連通筒を介して前記セルの内部空間が連通された複数の前記セルで構成される連通セル群を有し、前記連通筒は、断面円形状に形成され、前記連通セル群を構成する前記セルのうちの少なくとも一つには、前記閉塞壁の一方に前記セルの内外を連通する貫通孔が形成されており、前記連通セル群を構成する前記セルのうちの他のセルには、前記貫通孔が形成されていない。
(ロ)内部に柱形状のセルが複数並設された中空板材からなる吸音構造体であって、前記中空板材は、厚み方向に延びて前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端部において前記セルを閉塞する一対の閉塞壁とを有し、空間を介して隣接するとともに、連通筒を介して前記セルの内部空間が連通された複数の前記セルで構成される連通セル群を有し、前記連通セル群を構成する前記セルのうちの少なくとも一つには、前記閉塞壁の一方に前記セルの内外を連通する貫通孔が形成されており、前記連通セル群を構成する前記セルのうちの他のセルには、前記貫通孔が形成されておらず、前記貫通孔の開口縁は、セルの内部空間に位置している。
S…セル
1…吸音構造体
10…中空板材
11…上部閉塞壁
12…下部閉塞壁
13…貫通孔
14…連通筒
23、27…側壁部
100、200、300…凹凸シート材
123、223,303…溝

Claims (4)

  1. 内部に柱形状のセルが複数並設された中空板材からなる吸音構造体であって、
    前記中空板材は、厚み方向に延びて前記セルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端部において前記セルを閉塞する一対の閉塞壁とを有し、
    空間を介して隣接するとともに、連通筒を介して前記セルの内部空間が連通された複数の前記セルで構成される連通セル群を有し、
    前記連通セル群を構成する前記セルのうちの少なくとも一つには、前記閉塞壁の一方に前記セルの内外を連通する貫通孔が形成されており、前記連通セル群を構成する前記セルのうちの他のセルには、前記貫通孔が形成されていないことを特徴とする吸音構造体。
  2. 前記連通筒の等価直径は前記貫通孔の等価直径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
  3. 厚み方向に延びて柱形状の複数のセルを区画する側壁部と、前記側壁部の両端部において前記セルを閉塞する一対の閉塞壁とを有する中空板材で構成された吸音構造体の製造方法であって、
    合成樹脂製の1枚の平坦シート材から所定の凹凸形状を有する凹凸シート材を成形して前記中空板材を形成する中空板材形成工程と、
    前記閉塞壁の一方に、前記セルの内外を連通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と
    を備え、
    前記中空板材形成工程では、前記凹凸シート材に、前記中空板材において複数の前記セルの内部空間同士を連通する連通筒となる溝を成形し、
    前記貫通孔形成工程では、前記中空板材において、前記連通筒により連通した複数のセルのうちの少なくとも一つに、前記貫通孔を形成することを特徴とする吸音構造体の製造方法。
  4. 前記中空板材形成工程は、前記凹凸シート材を成形する成形工程と、前記凹凸シート材を折り畳むことにより前記中空板材を形成する折り畳み工程とを備え、
    前記成形工程では、前記凹凸シート材において前記側壁部となる部分に該側壁部の幅方向に延びる前記溝を成形し、
    前記折り畳み工程では、前記溝により前記側壁部に前記連通筒を形成することを特徴とする請求項3に記載の吸音構造体の製造方法。
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