JP2022117409A - 気流環境システム - Google Patents

気流環境システム Download PDF

Info

Publication number
JP2022117409A
JP2022117409A JP2021157395A JP2021157395A JP2022117409A JP 2022117409 A JP2022117409 A JP 2022117409A JP 2021157395 A JP2021157395 A JP 2021157395A JP 2021157395 A JP2021157395 A JP 2021157395A JP 2022117409 A JP2022117409 A JP 2022117409A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airflow
air
environment system
nozzle group
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021157395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7627825B2 (ja
Inventor
篤 長田
Atsushi Osada
雄多 脇山
Yuta Wakiyama
和宏 谷口
Kazuhiro Taniguchi
一平 小田
Ippei Oda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JP2022117409A publication Critical patent/JP2022117409A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7627825B2 publication Critical patent/JP7627825B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Duct Arrangements (AREA)
  • Air-Flow Control Members (AREA)

Abstract

Figure 2022117409000001
【課題】屋内空間において、開放された局所空間に気流を形成し、局所空間内の汚染された空気が局所空間外に拡散するのを抑制することが可能な気流環境システムを提供する。
【解決手段】気流環境システム1は、利用者の頭上に天面2aを有する格子状の天面2aを有する枠体2と、枠体2の第一側面2cを閉口する第一側壁3と、天面2a側において隙間を有して並設され、天面2aに沿って第一側壁3から第二側面2dに向かって延在する。複数のノズル4と、枠体2の底面2b側に設けられ、枠体2の内部空間S1の空気を吸い込む吸込口5と、吸込口5から吸い込んだ空気を浄化する空気浄化フィルタ10と、複数のノズル4のそれぞれの下面に設けられ、浄化され空気の一部を底面2bに向けて吹き出す第一吹出口7と、浄化され空気の残りを枠体2の外部空間S2に向けて吹き出す第二吹出口8とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、空間内の空気が空間外に拡散するのを抑制する気流環境システムに関する。
従来の気流環境システムとして、例えば、屋内の比較的広い空間(例えば、部屋全体または屋内の特に限定されたブース)において、空間の上部から垂直下向きの空気の流れを形成し、ウイルスあるいは細菌の拡散、感染の拡大を防止する空調設備が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3226657号公報
しかしながら、従来の気流環境システムは、屋内空間において、壁などで物理的に閉ざされた空間(閉鎖空間)において効果的であるものの、壁などがなく、開放された局所空間に適用した場合には、ウイルスあるいは細菌の拡散、感染の拡大を十分に抑制することができないという課題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、屋内空間において、開放された局所空間に気流を形成し、局所空間内の汚染された空気が局所空間外に拡散するのを抑制することが可能な気流環境システムを提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る気流環境システムは、送風機と、送風機により生成される気流を吸込むための吸込口を有し、吸込口から吸い込んだ気流を吸込口よりも上方へ搬送するためのダクトと、ダクトにより搬送される気流の一方を吸込口の側へ吹き出すための第一吹出口、およびダクトにより搬送される気流の他方を第一吹出口よりも上方へ吹き出すための第二吹出口を有する複数のノズルと、を備える。これにより所記の目的を達成するものである。
本発明によれば、屋内空間において、開放された局所空間に気流を形成し、局所空間内の汚染された空気が局所空間外に拡散するのを抑制することが可能な気流環境システムとすることができる。
図1は、本発明の実施の形態1の気流環境システムの構造を示す外観斜視図である。 図2は、気流環境システムの内部構造を示す概略断面図である。 図3は、気流環境システムにおける気流の流れを示す概略断面図である。 図4は、ノズルから吹き出す気流の流れを示す概略断面図である。 図5は、気流環境システムにおける気流の流れを示す概略断面図である。 図6は、本発明の実施の形態2の気流環境システムの構造を示す外観斜視図である。 図7は、気流環境システムにおける気流の流れを示す概略断面図である。 図8は、本発明の実施の形態3の気流環境システムの構成を示す外観斜視図である。 図9は、図8の気流環境システムの構成および気流環境システムにより生成される気流を模式的に示す側面図である。 図10は、図8のノズルの近傍に発生する気流および負圧領域を模式的に示す側面図である。
気流環境システムは、送風機と、送風機により生成される気流を吸込むための吸込口を有し、吸込口から吸い込んだ気流を吸込口よりも上方へ搬送するためのダクトと、ダクトにより搬送される気流の一方を吸込口の側へ吹き出すための第一吹出口、およびダクトにより搬送される気流の他方を第一吹出口よりも上方へ吹き出すための第二吹出口を有する複数のノズルと、を備える。
このように構成したことで、吸込口から吸い込んだ空気を第二吹出口から外部空間に吹き出すので、内部空間がその周囲の外部空間よりも陰圧となって内部空間の空気中に漂うウイルスなどのエアロゾルが内部空間の外(外部空間)へ拡散するのを抑制することができる。つまり、屋内空間において、開放された局所空間(内部空間)に気流を形成し、局所空間内の汚染された空気を局所空間外に拡散するのを抑制することが可能な気流環境システムとすることができる。
気流環境システム1は、隣り合うノズルは、第一吹出口が設けられる面が同一面となるように設置される。
このように構成したことで、複数のノズルによって生じる気流を、第一吹出口から吹き出す空気による吹出気流と、この吹出気流によって誘引される誘引気流とからなる面気流とすることができる。
気流環境システムは、天面、第一側面、第二側面、第三側面および第四側面を有する枠体と、第一側面を閉口する第一側壁と、をさらに備える。複数のノズルは、第一側面から第二側面に向かって延在する。ダクトは、第一側壁に形成される。
このような構成にしたことで、屋内空間において、開放された局所空間(内部空間)に気流を形成し、局所空間内の汚染された空気を局所空間外に拡散するのを抑制することが可能な気流環境システムとすることができる。
気流環境システムでは、第二吹出口は、ノズルにおいて、第一吹出口が設けられる面と対向した面に設けられる。
このような構成としたことで、第二吹出口から吹き出す空気は、第一吹出口から吹き出される吹出気流に誘引されるように、複数のノズルの上方に向けて吹き出されるようにした。これにより、第二吹出口から吹き出す吹出気流を誘引気流として利用し、負圧領域を小さくすることで、第一吹出口から吹き出される吹出気流による面気流を容易に生成する効果が期待できる。
気流環境システムでは、複数のノズルは、中央側に位置する第一ノズル群と、第一ノズル群の外側に位置する第二ノズル群と、に区分される。第二ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気の吹出速度は、第一ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気の吹出速度よりも大きい。
このような構成としたことで、第二ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気による気流が、第一ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気に対するエアカーテン気流として機能するので、第一ノズル群の第一吹出口から吹き出されて底面側に到達する空気が吸込口から吸い込まれやすくなる。また、枠体の内部空間がその周囲の外部空間よりも陰圧となって第二ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気も枠体の内部空間側に誘引されて流れ込むので、枠体の内部空間の空気が外部空間へ拡散するのを抑制することができる。
気流環境システムは、第三側面を閉口する第二側壁を、さらに備える。複数のノズルは、中央側に位置する第一ノズル群と、第一ノズル群の外側に位置する第二ノズル群と、に区分される。第四側面の側に位置する第二ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気の吹出速度は、第一ノズル群の第一吹出口及び第二側壁の側に位置する第二ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気の吹出速度よりも大きい。
これにより、第二側壁を備えていない第三側面側に位置する第二ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気による吹出気流が、第一ノズル群の第一吹出口から吹き出される空気に対するエアカーテン気流として機能し、第一ノズル群の第一吹出口から吹き出されて底面側に到達する空気が吸込口から吸い込まれやすくなる。また、枠体の内部空間がその周囲の外部空間よりも陰圧となって第四側面に位置する第二ノズル群の第一吹出口ら吹き出される空気も枠体の内部空間側に誘引されて流れ込むので、枠体の内部空間の空気が外部空間へ拡散するのを抑制することができる。
気流環境システムは、吸込口から吸い込まれる空気を浄化する空気浄化フィルタを、さらに備える。
これにより、空気浄化フィルタにより浄化された空気が第一吹出口から吹き出される吹出気流に誘引されて内部空間に導入されるようになるので、枠体の内部空間の清浄度(感染予防効果)を高める効果が期待できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施の形態1)
まず、図1および図2を参照して、本発明の実施の形態1に係る気流環境システム1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る気流環境システム1の外観斜視図である。図2は、気流環境システム1の内部構造を示す概略断面図である。
気流環境システム1は、屋内空間において、開放された局所空間をゾーニングし、局所空間にダウンフローの気流(下降気流)を形成しつつ、局所空間内の汚れた空気が局所空間外に拡散するのを抑制するシステムである。気流環境システム1は、例えば、病院の待合スペースに設置されることが好適であるが、事務所内打合せスペース、休憩スペースなどの少人数コミュニケーションの場として設置されてもよい。
気流環境システム1は、図1に示すように、格子状の天面2aを有する枠体2と、第一側壁3と、複数のノズル4と、吸込口5と、送風部6と、第一吹出口7と、第二吹出口8と、を備える。そして、送風部6は、図2に示すように、空気浄化フィルタ10と、送風機11とを有して構成される。
枠体2は、対象スペースを囲う直方体状の骨組み構造体であり、例えば、4本の支柱と、支柱の上端部を連結する4本の梁(水平材)とによって構成されている。ここで、枠体2に囲まれる空間を「内部空間S1」とし、格子状の天面2aを有する枠体2の外側の空間を「外部空間S2」とする。ここで、枠体2は、気流環境システム1を屋内空間の床面の上に設置した状態で、天面2aと、底面2bと、4つの側面(第一側面2c、第二側面2d、第三側面2e、第四側面2f)とが規定される。
天面2aは、利用者の頭上となる所定の高さの位置にある。天面2aは、天面2aに沿って複数のノズル4が並設される。
底面2bは、利用者の足元となる面に相当し、屋内空間の床面あるいは内部空間S1の床面とも言える。
第一側面2cは、枠体2の4つある側面のうちの一つであり、第一側壁3によって閉口された状態となっている。第一側面2cは、枠体2において、第二側面2dと対向して配置される。
第二側面2dは、第一側面2cと対向する位置にある側面であり、側壁が設けられておらず開放(開口)された状態となっている。第二側面2dは、枠体2において、第一側面2cと対向して配置される。
第三側面2eは、第一側面2cと第二側面2dとを連結する側面であり、側壁が設けられておらず開放(開口)された状態となっている。第三側面2eは、枠体2において、第四側面2fと対向して配置される。
第四側面2fは、第一側面2cと第二側面2dとを連結する側面であり、側壁が設けられておらず開放(開口)された状態となっている。第四側面2fは、枠体2において、第三側面2eと対向して配置される。
第一側壁3は、第一側面2cの全面を閉口する側壁である。そして、第一側壁3の内部空間S1側には、底面2b上に送風部6が設置されている。第一側壁3は、図2に示すように、中空壁となっており、内部に送風部6から送風される空気が流通するダクト12が形成されている。また、第一側壁3の天面2a側となるダクト12の上端部には、分岐部13が形成されている。そして、第一側壁3には、分岐部13の側方において、第一側壁3から天面2aに沿って枠体2の第二側面2dに向かって延在する複数のノズル4のそれぞれが連結されている。さらに、第一側壁3には、分岐部13の上方において、外部空間S2に向けて空気を吹き出す第二吹出口8が形成されている。
複数のノズル4は、天面2a側から底面2bに向かう下降気流として面気流(気流全体で、吹出方向に直線的な気流)を生じさせる部材である。
複数のノズル4は、図1に示すように、天面2a側において所定の間隔(隙間)を有して並設され、天面2aに沿って第一側壁3から枠体2の第二側面2dに向かって延在して形成されている。複数のノズル4は、延在方向の長さがすべて同じである。また、複数のノズル4のそれぞれは、延在方向の垂直断面が縦長であり、空気の吹出方向となる下面側に第一吹出口7を有している。より詳細には、複数のノズル4のそれぞれは、図2に示すように、空気が流通可能な中空構造となっており、その下面に第一吹出口7が形成されている。なお、複数のノズル4は、第一吹出口7が設けられた下面が同一面となるように設置されている。
また、複数のノズル4は、図1に示すように、中央側に位置する第一ノズル群4aと、第一ノズル群4aの外側に位置する第二ノズル群4bと、を有する。本実施の形態では、第一ノズル群4aは4本のノズル4により構成され、第二ノズル群4bのそれぞれは、2本のノズル4により構成されている。なお、本発明の実施の形態において、ノズル4はノズル4、第一ノズル群4aは第一ノズル群4a、第二ノズル群4bは第二ノズル群4b、と読み替えてもよい。
吸込口5は、枠体2の内部空間S1の空気を送風部6の内部に吸い込むための開口である。吸込口5は、送風部6の前面(第二側面2dと対向する面)の底面2b側に配置され、内部空間S1の空気(特に複数のノズル4の第一吹出口7から吹き出されて底面2b側に到達する空気)を吸い込む。また、吸込口5は、第一側面2cの幅全体に亘って形成されている。
送風部6は、内部に取り込んだ空気を清浄化した上で高圧空気にして内部空間S1及び外部空間S2に向けて吹き出す気流を生じさせるユニットである。
具体的には、送風部6は、図2に示すように、空気浄化フィルタ10と、送風機11とを有して構成される。
空気浄化フィルタ10は、既知の除菌フィルタ、集塵フィルタあるいは活性炭などの脱臭フィルタを用いることで、取り入れる空気を、ウイルス、細菌、塵埃、花粉、アレルギー物質などが取り除かれた浄化空気にするための部材である。空気浄化フィルタ10により空気を浄化することで、気流環境システム1において吹き出される空気の清浄度を高めることができる。
送風機11は、空気浄化フィルタ10の下流側に位置する遠心ファンである。送風機11には、送風機11を回転させるためのモータ(図示せず)が接続されており、モータを回転させることで、送風機11が回転して空気の流れを生じさせる。
第一吹出口7は、図1に示すように、複数のノズル4のそれぞれの下面に形成される開口である。第一吹出口7は、ノズル4を介して分岐部13と連通しており、送風部6からの空気(浄化された空気の一部)を底面2bに向けて吹き出す。なお、第一吹出口7は、図2に示すように、第一側面2c側から第二側面2d側に掛けてノズル4の全長から吹き出せるように所定の間隔で複数形成されている。
また、第一吹出口7は、図1に示すように、中央側に位置する第一ノズル群4aに対応する第一吹出口7aと、第一ノズル群4aの外側に位置する第二ノズル群4bに対応する第一吹出口7bとを有する。詳細は後述するが、第二ノズル群4bの第一吹出口7bから吹き出される空気の吹出速度は、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出される空気の吹出速度よりも大きくなるように制御される。
第二吹出口8は、枠体2の天面2a側となる第一側壁3の上面に形成される開口である。第二吹出口8は、分岐部13と連通しており、送風部6からの空気(浄化された空気の残り)を外部空間S2に向けて吹き出す。特に、本実施の形態では、第二吹出口8は、風向変更板によって複数のノズル4の上方の外部空間S2に向けて吹き出すようになっている。このようにすることで、第二吹出口8から吹き出される浄化空気(図3に示す吹出気流24参照)が、後述する複数のノズル4に起因する誘引気流22(図4参照)として内部空間S1に導入されるようになる。なお、第二吹出口8は、第一側壁3の幅全体に亘って形成されている。
ダクト12は、第一側壁3の内部に設けられ、送風部6と分岐部13とを連通する。そして、ダクト12は、送風部6から送風される空気を流通させて分岐部13に導出する。ダクト12は、送風部6から送風される空気の流通風路とも言える。
分岐部13は、第一側壁3の天面2a側となるダクト12の上端部に形成される部材である。分岐部13は、送風部6から送風される空気(浄化された空気)を、第一吹出口7側(複数のノズル4側)と第二吹出口8側とに分岐して流通させる。これにより、第一吹出口7側に浄化された空気の一部が導入され、第二吹出口8側に浄化された空気の残りが導入される。ここで、分岐部13は、全体の80%が浄化された空気の一部として第一吹出口7側(複数のノズル4側)に流通させ、全体の20%が浄化された空気の残りとして第二吹出口8側に流通させるように構成されている。
以上のように、気流環境システム1は、各部材によって構成される。
次に、図3~図5を参照して、気流環境システム1における気流の流れについて説明する。図3は、気流環境システム1における気流の流れを示す概略断面図である。図4は、ノズル4から吹き出す気流の流れを示す概略断面図である。図5は、気流環境システム1における気流の流れを示す概略断面図である。なお、図5は、ノズル4の延在方向の垂直断面である。また、図5では、各気流の流れを示す矢印の長さは、空気の吹出速度の大きさを表している。
気流環境システム1では、図3に示すように、送風部6(送風機11)が送風動作を開始すると、吸込口5から吸い込まれた内部空間S1の空気(汚れた空気など)は、空気浄化フィルタ10を通過して浄化され、浄化された空気の気流20となってダクト12を流通する。そして、分岐部13に導入された気流20は、分岐部13によって、第一吹出口7から吹き出される気流23(正確には図4に示す吹出気流21)と、第二吹出口8から吹き出される吹出気流24とに分流される。つまり、気流環境システム1では、吸込口5から吸い込んだ空気を浄化して、第一吹出口7から内部空間S1に気流23として吹き出すとともに、第二吹出口8から外部空間S2に吹出気流24として吹き出す。
複数のノズル4は、上述した通り、天面2a側において所定の間隔(隙間)を有して並設されている。このため、複数のノズル4では、図4に示すように、第一吹出口7から吹き出される吹出気流21によって、隣接するノズル4との間の隙間に負圧領域S3が生じ、この負圧領域S3に外部空間S2の空気が誘引され、誘引気流22として内部空間S1内に導入される。そして、第一吹出口7から吹き出される吹出気流21と誘引気流22とが合わさって気流23となる。なお、ここでは、気流23についても第一吹出口7から吹き出す気流と見なして説明している。
より詳細には、図5に示すように、第一ノズル群4aでは、第一ノズル群4aのそれぞれのノズル4から吹き出される吹出気流21aによって、隣接するノズル4との間の隙間に外部空間S2の空気が誘引されて誘引気流22aが生じ、これらが合流して気流23aとなる。そして、第一ノズル群4aでは、互いに隣接した複数個所で気流23aが送風されるので、全体として面気流となっている。一方、第二ノズル群4bでは、第二ノズル群4bのそれぞれのノズル4から吹き出される吹出気流21bによって、隣接するノズル4との間の隙間に外部空間S2の空気が誘引されて誘引気流22bが生じ、これらが合流して気流23bとなる。なお、第二ノズル群4bにおいても、互いに隣接した複数個所で気流23bが送風される場合には、全体として面気流となる。
そして、気流環境システム1では、第二ノズル群4bから吹き出される空気(吹出気流21b)の吹出速度は、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出される空気(吹出気流21a)の吹出速度よりも大きくなるように制御している。これにより、第二ノズル群4bから吹き出される空気によって形成される気流23bが、第一ノズル群4aから吹き出される空気によって形成される気流23aに対するエアカーテン気流として機能し、気流23aが外部空間S2へ拡散するのが抑制される。
さらに、気流環境システム1では、図4に示したように、吸込口5から吸い込む内部空間S1の空気の吸込量に対して、吸い込んだ空気の一部(全体の20%)が第二吹出口8から外部空間S2に吹き出されるので、第一吹出口7から内部空間S1に吹き出される空気(気流23)の吹出量は少なくなっている。つまり、気流環境システム1では、送風部6の送風動作中に「吸込口5の吸込量>第一吹出口7の吹出量」となっているので、内部空間S1(特に吸込口5の近傍領域)は常に負圧状態(陰圧)となり、その周囲の空気を誘引する。これにより、枠体2の内部空間S1を下降してきた空気(気流23a、気流23b)を吸込口5から吸い込みやすくなっている。
気流環境システム1では、以上のように気流の流れを形成している。そして、気流環境システム1では、開放された内部空間S1をゾーニングし、内部空間S1に下降気流を形成しつつ、内部空間S1内の汚れた空気が外部空間S2に拡散するのを抑制している。
以上、本実施の形態1に係る気流環境システム1によれば、以下の効果を享受することができる。
(気流環境システム1の一態様の概要および効果)
(1)気流環境システム1は、送風機11と、送風機11により生成される気流を吸込むための吸込口5を有し、吸込口5から吸い込んだ気流を吸込口5よりも上方へ搬送するためのダクト12と、ダクト12により搬送される気流の一方を吸込口5の側へ吹き出すための第一吹出口7、およびダクト12により搬送される気流の他方を第一吹出口7よりも上方へ吹き出すための第二吹出口8を有する複数のノズル4と、を備える。
このように構成したことで、枠体2の天面2aから気流23がダウンフローされるので、枠体2の内部空間S1の空気中に漂うウイルスなどのエアロゾルを下降させて、利用者の呼吸領域から外すことができる。そして、枠体2の内部空間S1を下降してきた気流23を吸込口5から吸い込み、吸込口5から吸い込んだ空気の一方(吹出気流21)を第一吹出口7から枠体2の内部空間S1に吹き出す。また、吸込口5から吸い込んだ空気の他方(吹出気流24)を第二吹出口8から枠体2の外部空間S2に吹き出すので、枠体2の内部空間S1がその周囲の外部空間S2よりも陰圧となって枠体2の内部空間S1の空気中に漂うウイルスなどのエアロゾルが内部空間S1の外(外部空間S2)へ拡散するのを抑制することができる。つまり、屋内空間において、開放された局所空間(内部空間S1)に気流23を形成し、局所空間内の汚染された空気を局所空間外に拡散するのを抑制することが可能な気流環境システム1とすることができる。
(2)気流環境システム1は、隣り合うノズル4は、第一吹出口7が設けられる面が同一面となるように設置される。
このように構成したことで、複数のノズル4によって生じる気流23を、第一吹出口7から吹き出す空気による吹出気流21と、この吹出気流21によって誘引される誘引気流22とからなる面気流とすることができる。このため、第一吹出口7から吹き出す空気を枠体2の天面2aから効率よくダウンフローさせることができる。
(3)気流環境システム1は、天面2a、第一側面2c、第二側面2d、第三側面2eおよび第四側面2fを有する枠体2と、第一側面2cを閉口する第一側壁3と、をさらに備える。複数のノズル4は、第一側面2cから第二側面2dに向かって延在する。ダクト12は、第一側壁3に形成される。
このような構成にしたことで、概要(1)と同様の効果が期待できる。
(4)気流環境システム1では、第二吹出口8は、ノズル4において、第一吹出口7が設けられる面と対向した面に設けられる。
このような構成としたことで、第二吹出口8から吹き出す空気(吹出気流24)は、第一吹出口7から吹き出される吹出気流21に誘引されるように、複数のノズル4の上方に向けて吹き出されるようにした。これにより、第二吹出口8から吹き出す吹出気流24を誘引気流として利用し、負圧領域S3を小さくすることで、第一吹出口7から吹き出される吹出気流21による面気流を容易に生成する効果が期待できる。
(5)気流環境システム1では、複数のノズル4は、中央側に位置する第一ノズル群4aと、第一ノズル群4aの外側に位置する第二ノズル群4bと、に区分される。第二ノズル群4bの第一吹出口7bから吹き出される空気(吹出気流21b)の吹出速度は、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出される空気(吹出気流21a)の吹出速度よりも大きい。
このような構成にしたことで、第二ノズル群4bの第一吹出口7bから吹き出される空気による気流23bが、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出される空気(気流23a)に対するエアカーテン気流として機能するので、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出されて底面2b側に到達する空気(気流23a)が吸込口5から吸い込まれやすくなる。また、枠体2の内部空間S1がその周囲の外部空間S2よりも陰圧となって第二ノズル群4bの第一吹出口7bから吹き出される空気(気流23b)も枠体2の内部空間S1側に誘引されて流れ込むので、枠体2の内部空間S1の空気(特に第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出される空気(気流23a))が外部空間S2へ拡散するのを抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、図6及び図7を参照して、本発明の実施の形態2に係る気流環境システム1aについて説明する。図6は、本発明の実施の形態2に係る気流環境システム1aの構造を示す外観斜視図である。図7は、気流環境システム1aにおける気流の流れを示す概略断面図である。なお、図7は、ノズル4の延在方向の垂直断面である。また、図7では、各気流の流れを示す矢印の長さは、空気の吹出速度の大きさを表している。
本発明の実施の形態2に係る気流環境システム1aは、枠体2の第三側面2eに第二側壁3aを備える。第四側面2fの側に位置する第二ノズル群4bから吹き出される空気の吹出速度を、第一ノズル群4a及び第二側壁3aの側に位置する第二ノズル群4bから吹き出される空気の吹出速度よりも大きくしている点で実施の形態1と異なる。これ以外の気流環境システム1aの構成は、実施の形態1に係る気流環境システム1と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
気流環境システム1aは、例えば、事務所内打合せスペースに設置されることが好適である。このため、気流環境システム1aでは、図6に示すように、内部空間S1内の中央にテーブルチェアセット30が設置され、第一側壁3にディスプレイ31が取り付けられている。
気流環境システム1aでは、枠体2の第三側面2eに第二側壁3aが設けられる。第二側壁3aは、第三側面2eを閉口する。なお、第二側面2dおよび第四側面2fは、開放(開口)された状態となっている。
そして、気流環境システム1aは、図7に示すように、第一ノズル群4aでは、第一ノズル群4aのそれぞれのノズル4から吹き出される吹出気流21aによって、隣接するノズル4との間の隙間に外部空間S2の空気が誘引されて誘引気流22aが生じ、これらが合流して気流23aとなる。一方、第二ノズル群4bでは、第二ノズル群4bのそれぞれのノズル4から吹き出される吹出気流21bによって、隣接するノズル4との間の隙間に外部空間S2の空気が誘引されて誘引気流22bが生じ、これらが合流して気流23bとなる。
そして、気流環境システム1aは、第二ノズル群4bの第四側面2fの側から吹き出される空気(吹出気流21b)の吹出速度を、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出される空気(吹出気流21a)の吹出速度よりも大きくなるように制御している。これにより、第四側面2fの側の第二ノズル群4bから吹き出される空気によって形成される気流23bが、第一ノズル群4aから吹き出される空気によって形成される気流23aに対するエアカーテン気流として機能し、気流23aが外部空間S2へ拡散するのが抑制される。
一方、気流環境システム1aは、第二ノズル群4bの第二側壁3aの側の第二ノズル群4bから吹き出される空気(吹出気流21b)の吹出速度を、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出される空気(吹出気流21a)の吹出速度と同じとなるように制御している。これは、第二側壁3aによって、第二ノズル群4bの第二側壁3aの側から内部空間S1の空気が外部空間S2に拡散することが物理的に防止されているためである。
さらに、気流環境システム1aでは、気流環境システム1と同様、吸込口5から吸い込む内部空間S1の空気の吸込量に対して、吸い込んだ空気の一部(全体の20%)が第二吹出口8から外部空間S2に吹き出されるので、第一吹出口7から吹き出される空気(気流23)の吹出量は少なくなっている。つまり、気流環境システム1aでは、送風部6の送風動作中に「吸込口5の吸込量>第一吹出口7の吹出量」となっているので、内部空間S1(特に吸込口5の近傍領域)は負圧状態(陰圧)となり、その周囲の空気を誘引する。これにより、枠体2の内部空間S1を下降してきた空気(気流23a、気流23b)を吸込口5から吸い込みやすくなっている。
気流環境システム1aでは、以上のように気流の流れを形成している。
以上、実施の形態2に係る気流環境システム1aによれば、実施の形態1に係る気流環境システム1の概要(1)から(3)に記載した効果を享受すると共に、以下の効果を享受することができる。
(気流環境システム1aの一態様の概要および効果)
(6)気流環境システム1aは、第三側面2eを閉口する第二側壁3aを、さらに備える。複数のノズル4は、中央側に位置する第一ノズル群4aと、第一ノズル群4aの外側に位置する第二ノズル群4bと、に区分される。第四側面2fの側に位置する第二ノズル群4bの第一吹出口7bから吹き出される空気の吹出速度は、第一ノズル群4aの第一吹出口7a及び第二側壁3aの側に位置する第二ノズル群4bの第一吹出口7bから吹き出される空気の吹出速度よりも大きい。
これにより、第二側壁3aを備えていない第三側面2e側に位置する第二ノズル群4bの第一吹出口7bから吹き出される空気による吹出気流21bが、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出される空気に対するエアカーテン気流として機能し、第一ノズル群4aの第一吹出口7aから吹き出されて底面2b側に到達する空気が吸込口5から吸い込まれやすくなる。また、枠体2の内部空間S1がその周囲の外部空間S2よりも陰圧となって第四側面2fの側に位置する第二ノズル群4bの第一吹出口7bから吹き出される空気(吹出気流21b)も枠体2の内部空間S1側に誘引されて流れ込むので、枠体2の内部空間S1の空気が外部空間S2へ拡散するのを抑制することができる。
(7)気流環境システム1aは、吸込口5から吸い込まれる空気を浄化する空気浄化フィルタ10を、さらに備える。
これにより、空気浄化フィルタ10により浄化された空気が第一吹出口7から吹き出される吹出気流21に誘引されて内部空間S1に導入されるようになるので、枠体2の内部空間S1の清浄度(感染予防効果)を高める効果が期待できる。なお、空気浄化フィルタ10は、実施の形態1の気流環境システム1に備えてもよく、同様の効果が期待できる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る気流環境システム1cについて説明する。
(気流環境システム1cの構成)
図8および9を参照して、気流環境システム1cの構成を説明する。図8は、気流環境システム1cの構成を示す外観斜視図である。図9は、気流環境システム1cの構成および気流環境システム1cにより生成される気流を模式的に示す側面図である。
気流環境システム1cは、病院の待合室やオフィス空間など屋内空間の床面FLに設置され、気流環境システム1cを循環する気流を生成する送風装置の一種である。気流環境システム1cは、送風機11と、ダクト12と、ノズル4と、枠体140と、を備える。
送風機11は、ダクト12を通過する気流20を生成する。送風機11は、遠心送風機などの公知のターボ機械を採用可能である。
ダクト12は、送風機11により生成される気流20を吸込むための吸込口5を有し、吸込口5から吸い込んだ気流20を吸込口5よりも上方へ搬送するための空気搬送路である。ダクト12は、床面FLの側を基端として、略垂直に起立した方形状の枠体である。ダクト12は、吸込口5をダクト12の基端側に設ける。ダクト12は、送風機11を内包する。
吸込口5は、ダクト12の基端側であって、床面FLの近傍に設けられる。本発明において、床面FLの近傍とは、気流環境システム1cの使用者の頭部よりも床面FL側、好ましくは足元を指す。なお、本発明において吸込口5の開口形状は、その一例として方形状を示しているが、吸込口5から吸い込まれる空気の量が所定の量を確保できれば、これに限定されない。例えば、吸込口5の開口が方形状である場合、その角にR(丸み)を設けてもよい。また、吸込口5の開口を楕円形状としてもよい。また、吸込口5は、円形状の開口と方形状の開口の少なくともいずれか一方を複数含む構成で形成されてもよい。
ノズル4は、ダクトから搬送されてきた気流20を所定の方向へ吹き出すための吹出口を有する空気搬送路である。ノズル4は、ダクト12の起立した先端側を基端として、床面FLと略並行となるように起立し、ノズル状に形成される。ノズル4は、その基端がダクト12の先端側と連通する。ノズル4は、第一吹出口7と、第二吹出口8と、を有する。ノズル4は、並列に複数設けられる。なお、実施の形態3において、ノズル4は、8個を並列に配置するように図示しているが、この限りではなく、2個以上が配置されればよい。
第一吹出口7は、ダクト12により搬送される気流20のうち、一方を吸込口5の側、即ち床面FLの側へ吹出気流21として吹き出すための開口である。第一吹出口7は、方形状に形成される。第一吹出口7は、床面FLと対向してノズル4に設けられる。なお、複数のノズル4において、隣り合う第一吹出口7は、床面FLからの高さが略同一となるように配置することが好ましい。言い換えると、複数のノズル4において、隣り合う第一吹出口7は、略同一平面上に配置することが好ましい。
第二吹出口8は、ダクト12により搬送される気流20のうち、他方を第一吹出口7よりも上方へ吹出気流24として吹き出すため開口である。第二吹出口8は、方形状、または円形状に形成される。第二吹出口8は、ノズル4において、第一吹出口7が設けられる面と対向する面に設けられる。
枠体140は、ノズル4を床面FLから所定の高さに保持するための骨組み構造体である。枠体140は、床面FLの側から起立する2本の支柱と、2本の支柱の起立側の上端部を連結する4本の梁(水平材)と、を有する。枠体140は、床面FLの側から起立する支柱の数が2本である点で、実施の形態1および実施の形態2の枠体2と異なり、その余の点で共通する。枠体140は、天面2aにノズル4を設ける。なお、天面2aとノズル4は、ネジや接着剤などを介して接続しても良いし、公知の勘合技術を採用した勘合部を設けて、互いに勘合してもよい。枠体140は、公知の吊り下げボルトやワイヤーなどを介して、図示しない天井面に支持されてもよい。
以上が、気流環境システム1cの構成である。
(気流環境システム1cの特徴)
図10も参照して、気流環境システム1cの特徴を説明する。図10は、ノズル4の近傍に発生する気流および負圧領域を模式的に示す側面図である。
送風機11の運転が開始されると、気流環境システム1cが設置される屋内空間の空気は、気流20となって吸込口5から吸い込まれる。吸込口5から吸い込まれた空気(気流20)は、ダクト12を通過して、ノズル4へ搬送される。ノズル4へ搬送された空気(気流20)は、第一吹出口7から吹き出す空気(気流21)と、第二吹出口8から吹き出す空気(気流24)と、に分かれる。
気流21が吹出口131から吹き出すと、気流21の周囲の空間の空気が気流21に引き寄せられ、隣り合うノズル4の間の空間に負圧領域S3が生成される。負圧領域S3が生成されると、負圧(陰圧)を解消しようとする力が働き、気流環境システム1cの周囲の空間から負圧領域S3を解消するための空気(誘引気流22)が生成される。誘引気流22は、隣り合う気流21が負圧領域S3に引き寄せられて合流する力を抑制する。そのため、気流環境システム1cは、隣り合う気流21の合流が抑制された気流、即ち気流全体として吹出方向に直線的な気流23(本願では、この気流を「面の気流」または「面気流」と呼ぶ場合がある)の生成が容易となる。気流21が面の気流(気流23)となることで、床面FLと平行な領域における気流21の速度分布に不均一さ(バラつき)が発生することが抑制される。このため、例えば、気流環境システム1cは、気流環境システム1cの使用者に対して、滞在する位置によらず、同様の気流21を提供する効果が期待できる。なお、誘引気流22は、吹出気流24の空気を含んでもよい。
気流21は、床面FLの側へ向かいながら、再び吸込口5へと吸い込まれていく。ここで、気流20の風量をQ1、吹出気流21の風量をQ2、吹出気流24の風量をQ3とすると、Q1=Q2+Q3となる。つまり、Q1とQ2の大小関係はQ1>Q2であり、吹出気流21による空気の流れが発生する内部空間S1を仮定すると、内部空間S1は、周囲の空間(外部空間S2)に対して負圧(陰圧)となるため、内部空間S1の空気が内部空間S1の周囲の空間(外部空間S2)へ広がることが抑制される。このため、例えば、内部空間S1の空気にウイルスなどの病原体が含まれていた場合、気流環境システム1cは、その病原体が内部空間S1の周囲(外部空間S2)へ広がる(拡散する)可能性を抑制する効果、即ち感染対策(感染予防)の効果が期待できる。なお、Q2は、Q1の80%程度の風量、Q3は、Q1の20%程度の風量となることが好ましい。吹出気流21の風量Q2と、吹出気流24の風量Q3の調整は、第一吹出口7の開口面積と、第二吹出口8の開口面積との調整により実現してもよいし、公知技術の風量調整ダンパーを採用してもよい。
また、吸込口5を床面FLの近傍に配置したことにより、ノズル4から床面FLに向けた吹出気流21の流れ、即ち降下気流(ダウンフローとも呼ぶ)の生成が容易となる。このため、例えば、内部空間S1の空気にウイルスなどの病原体が含まれていた場合、気流環境システム1cは、気流環境システム1cの使用者の頭部周辺に病原体が滞留する時間を短縮する。つまり、気流環境システム1cは、使用者の目、鼻、口などから病原体が体内へ侵入する可能性を抑制する効果、即ち感染対策(感染予防)の効果が期待できる。
[変形例]
以下、実施の形態3の変形例について説明する。変形例の説明では、実施の形態3と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施の形態と重複する説明を適宜省略し、実施例と相違する構成について重点的に説明する。
気流環境システム1cは、吸込口5から吸い込まれる空気に含まれる塵埃を捕集するフィルタを、さらに備えてもよい。フィルタは、公知の技術のものを採用可能である。
気流環境システム1cは、吸込口5から吸い込まれる空気に機能性ガスを含ませる機能性ガス発生部を、さらに備えてもよい。機能性ガスは、除菌、消臭、調香を行う成分を含むガスである。
第二吹出口8は、ノズル4に設ける構成としたが、これに限定されない。例えば、ダクト12の起立した先端側に設ける構成としてもよい。第二吹出口8をダクト12に設ける場合、第二吹出口8は、隣り合うノズル4の間(負圧領域S3)に吹出気流24を吹き出すように構成してもよい。これにより、吹出気流24を効率よく負圧領域S3へ搬送することができるため、負圧領域S3を小さくし、吹出気流21による面気流(気流23)を容易に生成する効果が期待できる。
気流環境システム1cは、吹出気流21の吹出方向性制御するための風向調整板を、さらに備えてもよい。これにより、吹出気流21の吹出方向を精度よく制御することが可能となるため、吹出気流21による面気流(気流23)を容易に生成する効果が期待できる。
枠体140は、2本の支柱を有するとしたがこれに限定されない。例えば、支柱に替えて公知の吊り下げボルトやワイヤーなどを介して、図示しない天井面に支持されてもよい。
以上、本発明に関して実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されているところである。
本実施の形態1に係る気流環境システム1では、第二吹出口8から吹き出す空気(吹出気流24)を、第一吹出口7から吹き出される吹出気流21に誘引されるように、複数のノズル4の上方に向けて吹き出されるようにしたが、これに限られない。例えば、気流環境システム1の側方の外部空間S2に吹き出すように構成してもよい。こうした場合には、上述した効果(3)を享受できないものの、送風部6の送風動作中に内部空間S1(特に吸込口5の近傍領域)を負圧状態(陰圧)にできるので、枠体2の内部空間S1を下降してきた空気(気流23a、気流23b)を吸込口5から吸い込みやすくすることができる。
本発明に係る気流環境システムは、屋内空間において、開放された局所空間をゾーニングし、局所空間にダウンフォローの気流を形成しつつ、局所空間内の汚れた空気が局所空間外に拡散するのを抑制できるので有用である。
1 気流環境システム
1a 気流環境システム
1c 気流環境システム
2 枠体
2a 天面
2b 底面
2c 第一側面
2d 第二側面
2e 第三側面
2f 第四側面
3 第一側壁
3a 第二側壁
4 ノズル
4a 第一ノズル群
4b 第二ノズル群
5 吸込口
6 送風部
7 第一吹出口
7a 第一吹出口
7b 第一吹出口
8 第二吹出口
10 空気浄化フィルタ
11 送風機
12 ダクト
13 分岐部
20 気流
21 吹出気流
21a 吹出気流
21b 吹出気流
22 誘引気流
22a 誘引気流
22b 誘引気流
23 気流
23a 気流
23b 気流
24 吹出気流
30 テーブルチェアセット
31 ディスプレイ
S1 内部空間
S2 外部空間
S3 負圧領域
140 枠体
Q1 風量
Q2 風量
Q3 風量
FL 床面

Claims (7)

  1. 送風機と、
    前記送風機により生成される気流を吸込むための吸込口を有し、前記吸込口から吸い込んだ気流を前記吸込口よりも上方へ搬送するためのダクトと、
    前記ダクトにより搬送される気流の一方を前記吸込口の側へ吹き出すための第一吹出口、および前記ダクトにより搬送される気流の他方を前記第一吹出口よりも上方へ吹き出すための第二吹出口を有する複数のノズルと、
    を備える、
    気流環境システム。
  2. 前記ノズルは、前記第一吹出口が設けられる面が同一面となるように設置される、
    請求項1に記載の気流環境システム。
  3. 天面、第一側面、第二側面、第三側面および第四側面を有する枠体と、前記第一側面を閉口する第一側壁と、をさらに備え、
    複数の前記ノズルは、前記第一側面から前記第二側面に向かって延在し、
    前記ダクトは、前記第一側壁に形成される、
    請求項1または2に記載の気流環境システム。
  4. 前記第二吹出口は、前記ノズルにおいて、前記第一吹出口が設けられる面と対向した面に設けられる、
    請求項3に記載の気流環境システム。
  5. 複数の前記ノズルは、中央側に位置する第一ノズル群と、前記第一ノズル群の外側に位置する第二ノズル群と、に区分され、
    前記第二ノズル群の前記第一吹出口から吹き出される空気の吹出速度は、前記第一ノズル群の前記第一吹出口から吹き出される空気の吹出速度よりも大きい、
    請求項4に記載の気流環境システム。
  6. 前記第三側面を閉口する第二側壁を、さらに備え、
    複数の前記ノズルは、中央側に位置する第一ノズル群と、前記第一ノズル群の外側に位置する第二ノズル群と、に区分され、
    前記第四側面の側に位置する前記第二ノズル群の前記第一吹出口から吹き出される空気の吹出速度は、前記第一ノズル群の前記第一吹出口及び前記第二側壁の側に位置する前記第二ノズル群の前記第一吹出口から吹き出される空気の吹出速度よりも大きい、
    請求項4に記載の気流環境システム。
  7. 前記吸込口から吸い込まれる空気を浄化する空気浄化フィルタを、さらに備えた、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の気流環境システム。
JP2021157395A 2021-01-29 2021-09-28 気流環境システム Active JP7627825B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021012566 2021-01-29
JP2021012566 2021-01-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022117409A true JP2022117409A (ja) 2022-08-10
JP7627825B2 JP7627825B2 (ja) 2025-02-07

Family

ID=82749851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021157395A Active JP7627825B2 (ja) 2021-01-29 2021-09-28 気流環境システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7627825B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7475746B1 (ja) 2023-08-17 2024-04-30 株式会社日本医化器械製作所 空気処理システム
WO2024122147A1 (ja) * 2022-12-05 2024-06-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 送風システム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023139606A (ja) * 2022-03-22 2023-10-04 パナソニックIpマネジメント株式会社 空調制御システム

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61139775U (ja) * 1985-02-22 1986-08-29
US5865880A (en) * 1995-09-14 1999-02-02 Tornex, Inc. Air cleaning system having forced negative pressure generating function
JP2013044445A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Takasago Thermal Eng Co Ltd 空調装置
JP2016141932A (ja) * 2015-01-29 2016-08-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 建物
CN107504572A (zh) * 2017-09-01 2017-12-22 惠州市支持网知识产权运营有限公司 一种负离子健康仪
JP2019124395A (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 パナソニックIpマネジメント株式会社 冷却装置
JP3226657U (ja) * 2020-04-21 2020-07-09 和世 神山 空調設備を設けた部屋

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61139775U (ja) * 1985-02-22 1986-08-29
US5865880A (en) * 1995-09-14 1999-02-02 Tornex, Inc. Air cleaning system having forced negative pressure generating function
JP2013044445A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Takasago Thermal Eng Co Ltd 空調装置
JP2016141932A (ja) * 2015-01-29 2016-08-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 建物
CN107504572A (zh) * 2017-09-01 2017-12-22 惠州市支持网知识产权运营有限公司 一种负离子健康仪
JP2019124395A (ja) * 2018-01-16 2019-07-25 パナソニックIpマネジメント株式会社 冷却装置
JP3226657U (ja) * 2020-04-21 2020-07-09 和世 神山 空調設備を設けた部屋

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024122147A1 (ja) * 2022-12-05 2024-06-13 パナソニックIpマネジメント株式会社 送風システム
JP7475746B1 (ja) 2023-08-17 2024-04-30 株式会社日本医化器械製作所 空気処理システム
JP2025027837A (ja) * 2023-08-17 2025-02-28 株式会社日本医化器械製作所 空気処理システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP7627825B2 (ja) 2025-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022117409A (ja) 気流環境システム
EP1146841B1 (en) Method and device for ventilating a so called clean room
US7934981B2 (en) Patient isolation module and use thereof
CN1150231A (zh) 带强制负压功能的空气净化装置
JPH0761300B2 (ja) 空気清浄機能付つい立て
CA2556140C (en) Patient isolation module and use thereof
US20230109493A1 (en) Apparatus, system, and method for preventing spread of air-borne contaminants
JP6908313B1 (ja) 空気清浄機
US11826499B2 (en) System for treating air
KR102329069B1 (ko) 실내 감염 방지 시스템
WO2022114151A1 (ja) 気流制御システム
JP2006317048A (ja) クリーンルーム
JP2000070633A (ja) 空気清浄機
JP2023012981A (ja) 送風装置
US20220333797A1 (en) System for creating a microenvironment within an ambient environment
JPH02150646A (ja) 人工竜巻式フード
JP3231171U (ja) エアシャワー装置
JP7686506B2 (ja) 空気清浄装置及びこれを用いた空気清浄システム
US20220316727A1 (en) Air-circulating conference table
JP7386387B2 (ja) 送風装置
KR200388990Y1 (ko) 실내형 공기정화기
WO2024165892A1 (en) Air purification device
JP2024064112A (ja) 送風システム
KR200337123Y1 (ko) 실내형 공기정화기
WO2022114149A1 (ja) 空気浄化装置及び該空気浄化装置を含む空気浄化システム

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20221021

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240213

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20240918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20241008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20241203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20241217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20241230

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7627825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150