JP2022112554A - 内燃機関システム - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの冷却液の交換タイミングをより正確に判定することができる内燃機関システムを提供する。【解決手段】内燃機関システム1は、エンジン10と、エチレングリコールを含む冷却液を冷却しながら、エンジン10へ循環させる冷却循環機構20と、エンジン10を通過した冷却液の温度を測定する温度センサ31と、制御装置40と、を備える。制御装置40は、温度センサ31が測定した前記冷却液の温度が、規定の温度範囲内にあるかを判定する温度判定部41と、温度判定部41により、冷却水の温度が規定範囲にあると判定した際に、pHセンサ32が測定した冷却液のpHを検出するpH検出部42と、検出したpHが規定のpH範囲から外れたときに、冷却液を交換すべきと判定する交換判定部43とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンを備えた内燃機関システムに関する。
従来から、動力源としてエンジンとエンジンを制御する制御装置を備えた内燃機関システムが提案されている。エンジンの稼働時には、エンジンは、燃料と空気との混合気の燃焼により、高温に発熱する。そこで、エンジンには、冷却液が通水され、冷却循環機構により、冷却液を循環して、冷却液がエンジンに送られる。
ところで、このような冷却液には、不凍性を目的として、エチレングリコールを含むものが使用されることがある。しかしながら、エチレングリコールは、80℃を超える温度環境下では、酸化劣化することがある。これにより、冷却液にギ酸や酢酸などの有機酸が生成され、冷却液を流れる通路が腐食するおそれがある。
たとえば、このような冷却液を管理するシステムとして、冷却液の温度が一定温度以上である時間を積算し、この積算時間が規定時間に達すると、冷却液が劣化したと判定するシステムが開示されている。
しかしながら、特許文献1に示すシステムでは、高温時における冷却液(エチレングリコール)の酸化劣化を測定しようとして、冷却液が一定温度以上である時間を積算しているが、この積算時間に、冷却液の劣化が依存しないことがある。したがって、適切な時期に、冷却液を交換することができないことがある。
また、不適切な冷却液を誤投入した場合には、冷却液の添加剤によっては、冷却液の流路に、その一部の成分が吸着し変質する場合もある。このような場合、特許文献1に示す積算時間を測定したとしても、冷却液の変質を特定することができず、適切な時期に冷却液を交換することができないことがある。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、本発明として、エンジンの冷却液の交換、および不適切な冷却液が誤投入された場合の冷却液の交換を、より適切なタイミングで判定することができる内燃機関システムを提供する。
発明者は、前記課題を鑑みて、鋭意検討を重ねた結果、高温時に冷却液に含まれるエチレングリコールは酸化劣化するが、この酸化劣化は、冷却液中の溶存酸素量と相関があることがわかった。すなわち、連続して長時間使用した冷却液中の溶存酸素量は少なく、このような場合、高温時においても、エチレングリコールが酸化劣化し難いとの新たな知見を得た。
これに加えて、たとえば、不適切な冷却液を誤注入した場合には、冷却液の添加剤によっては、冷却液の流路に吸着し変質する場合もあり、このような場合、冷却液の液性が、酸性またはアルカリ性に大きく変化するとの新たな知見を得た。
したがって、発明者のこのように得られた知見から、冷却液の液性を特定し、この液性から、冷却液の酸化劣化または誤注入を判断し、適切なタイミングで、冷却液の交換タイミングを判定できると考えた。
本発明は、このような考えに基づくものであり、本発明に係る内燃機関システムは、エンジンと、前記エンジンを冷却する冷却液として、エチレングリコールを含む冷却液を冷却しながら、前記エンジンへ循環させる冷却循環機構と、前記エンジンを通過した前記冷却液の温度を測定する温度センサと、前記冷却液のpHを測定するpHセンサと、を備えた内燃機関システムであって、前記内燃機関システムは、制御装置をさらに備えており、前記制御装置は、前記温度センサが測定した前記冷却液の温度が、規定の温度範囲内にあるかを判定する温度判定部と、前記温度判定部により、冷却水の温度が規定の温度範囲にあると判定した際に、前記pHセンサが測定した前記冷却液のpHを検出するpH検出部と、検出したpHが規定のpH範囲から外れたときに、前記冷却液を交換すべきと判定する交換判定部と、を備える。
本発明によれば、温度センサが測定した冷却液の温度が、規定の温度範囲内にあると、温度判定部が判定した際に、pH検出部が、pHセンサが測定した冷却液のpHを検出する。したがって、温度変化の影響が少ない冷却液のpHを取得することができる。
このようにして検出した冷却液のpHが、規定のpH範囲から外れたときに、冷却液が酸化劣化した、または、冷却液が変質したと判断できるため、交換判定部は、冷却液を交換すべきと判定する。このようにして、冷却液の液性に基づいて、交換タイミングをより正確に把握することができる。
以下に、図1~図5を参照しながら本発明に係る実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る内燃機関システムの模式的概念図である。
図1に示すように、本実施形態に係る内燃機関システム1は、車両に搭載されるものである。内燃機関システム1は、エンジン10と、冷却循環機構20と、制御装置40とを備えている。内燃機関システム1は、温度センサ31、pHセンサ32、スタータ50、および警告灯60をさらに備えている。
図1に示すように、本実施形態に係る内燃機関システム1は、車両に搭載されるものである。内燃機関システム1は、エンジン10と、冷却循環機構20と、制御装置40とを備えている。内燃機関システム1は、温度センサ31、pHセンサ32、スタータ50、および警告灯60をさらに備えている。
エンジン10は、車両の動力源となる装置である。以下、エンジン10の詳細は図示しないが、エンジン10は、シリンダブロックに、ピストンが摺動自在に配置されており、シリンダヘッドには吸気弁および排気弁が設けられている。エンジン10の燃焼室では、燃料と吸入空気を混合した混合気を着火して燃焼し、これによりエンジン10を駆動させる。この燃焼により、エンジン10が加熱されることから、本実施形態では、エンジン10のシリンダブロックには、エンジンを冷却する冷却液が流れる流路が形成されている。
本実施形態では、冷却液は、水にエチレングリコール等を含む添加剤が添加された液体である。本実施形態では、冷却液に、エチレングリコールを25~80質量%含有していてもよい。冷却液にエチレングリコールを添加することにより、冷却液の凍結を防止することができる。
エンジン10を冷却する冷却液は、一般的に知られた冷却循環機構20により、エンジン10へ循環される。冷却循環機構20は、ポンプ21、ヒータコア22、ラジエータ23、およびリザーブタンク24を備えており、これらは配管を介して接続されている。
ポンプ21は、エンジン10よりも上流側に配置されており、エンジン10に冷却液を圧送する。エンジン10の稼働時には、エンジン10が加熱されるため、ポンプ21の圧送により、ポンプ21は冷却される。
ポンプ21の下流には、上述した温度センサ(水温センサ)31およびpHセンサ32がこれらの順に設けられている。温度センサ31により、エンジン10を通過した冷却液の温度を測定することができる。pHセンサ32により、エンジン10を通過した冷却液のpH(水素イオン指数)を測定することができる。さらに、温度センサ31の下流には、ヒータコア22が設けられている。ヒータコア22は、車両の室内の温度を昇温する際に、冷却液の熱を熱交換により吸熱するものである。なお、本実施形態では、温度センサ31の下流にpHセンサ32を設けたが、これに限定されるものではなく、冷却水が流れる流路29に設けられていてもよく、リザーブタンク24に設けられていてもよい。
ヒータコア22の下流には、ラジエータ23が設けられており、ヒータコア22を通過した冷却液を冷却することができる。さらに、ラジエータ23とポンプ21との間には、冷却液を貯蔵するリザーブタンク24が設けられており、ポンプ21に供給される冷却液の不足時には、リザーブタンク24から冷却液が供給される。本実施形態では、リザーブタンク24は、ラジエータ23とポンプ21との間に設けたが、たとえば、ラジエータ23に設けられていてもよい。
制御装置40は、スタータ50からの始動信号に基づいて、エンジン10の始動制御を行い、継続してエンジン10の燃焼制御を行う。制御装置40によるエンジン10の制御は、エンジン10の空燃比制御等、エンジン10を稼働させる一般的な制御であり、その詳細な説明を省略する。
制御装置40は、冷却液の劣化または冷却液の不適正を判断し、このように判断した際には、冷却液の交換を促す警告灯60を点灯させる制御を行う。制御装置40は、温度センサ31およびpHセンサ32に電気的に接続されており、温度センサ31からの冷却液の温度の計測信号を受信し、pHセンサ32から冷却液のpHの計測信号を受信する。制御装置40は、CPU等の演算装置(図示せず)、および、RAM、ROMなどの記憶装置(図示せず)をハードウエアとして備えている。
以下に、本実施形態に係る制御装置40の詳細について説明する。本実施形態では、制御装置40は、ソフトウエアとして、図2に示すように、温度判定部41、pH検出部42、および交換判定部43とを備えている。なお、以下では、ソフトウエアとして、エンジン10を制御するための詳細な説明は、一般的に知られた制御であるため、詳細な説明を省略する。
温度判定部41は、温度センサ31が測定した冷却液の温度が、規定の温度範囲内にあるかを判定する。温度判定部41は、冷却液の温度が、規定の温度範囲(たとえば、常温5℃~35℃)にあると判定した際に、この結果をpH検出部42に送信する。
pH検出部42は、温度判定部41により、冷却水の温度が上述した規定の温度範囲内にあると判定した際に、pHセンサ32が測定した冷却液のpHを検出する。このような規定の温度範囲内において、冷却水のpHを検出するので、温度変化の影響が少ない冷却液のpHを取得することができる。
交換判定部43は、検出したpHが規定のpH範囲から外れたときに、冷却液を交換すべきと判定する。規定のpH範囲は、たとえば、未使用の冷却液の標準pHに対して、アルカリ性および酸性側に所定の幅を持って設定された範囲である。たとえば、規定のpH範囲は、pH6~9の範囲に設定されており、冷却水のpHがこの範囲から外れたときに、冷却液を交換すべきと判定する。この判定結果に基づいて、交換判定部43は、冷却液の交換を促すための警告信号を、警告灯60に送信する。
ところで、冷却水に含まれるエチレングリコールからは、有機酸が生成されるが、この有機酸は、冷却水に溶存する溶存酸素量に依存することが、発明者の実験により分かった。具体的には、図3に示すように、溶存酸素量が少ない場合には、有機酸の発生量は少なく、溶存酸素量が多くなると、有機酸の発生量も、多くなることがわかった。
したがって、たとえば、連続してエンジンを長時間駆動しているときには、冷却水の高温状態が持続されるため、冷却水の溶存酸素量は少なくなり、有機酸は生成され難い。このようなことから、これまでのように、冷却水が高温状態となる時間を積算したとしても、この積算時間が、有機酸の生成量に依存しないことがある。さらに、適正な冷却水を投入しない場合(誤投入した場合)や、冷却水の添加剤が錆等と反応した場合、冷却水の液性がアルカリ性に変化してしまうことがあり、冷却水が所望の効果を得られないことがある。
しかしながら、本実施形態によれば、pH検出部42は、たとえば、冷却水の液性がアルカリ性の閾値を超えて変化した場合(たとえば図4のプロフィール(A)の場合)、冷却水の交換が必要であると判定する。さらに、pH検出部42は、たとえば、冷却水の液性が酸性の閾値を超えて変化した場合(たとえば図4のプロフィール(B)、(C)の場合)、冷却水の交換が必要であると判定する。また、pH検出部42は、たとえば、冷却水のpHが規定のpH範囲内である場合(たとえば図4のプロフィール(D)の場合)、冷却水の交換が不要であると判定する。
本実施形態によれば、温度センサが測定した冷却液の温度が、規定の温度範囲内にあると、温度判定部が判定した際に、pH検出部が、pHセンサが測定した冷却液のpHを検出する。したがって、温度変化の影響が少ない冷却液のpHを取得することができる。
このようにして検出した冷却液のpHが、規定のpH範囲から外れたときに、冷却液が酸化劣化した、または、冷却液が変質したと判断できるため、交換判定部43は、冷却液を交換すべきと判定する。このようにして、冷却液の液性に基づいて、交換タイミングをより正確に把握することができる。
図5を参照して、本実施形態の内燃機関システムにおける制御フローを説明する。まず、ステップS1では、エンジン10を始動させてから、温度センサ31で、冷却液の温度を測定し、pHセンサ32で、冷却水のpHを測定し、ステップS2に進む。ステップS2では、温度判定部41で、冷却液の温度が規定の温度範囲内にあるかを判定する。冷却水の温度が規定の温度範囲内にあるときには、ステップS3に進み、そうでない場合には、ステップS1に戻る。
ここで、ステップS3では、pH検出部42で、pHセンサ32で測定したpHの結果から、冷却水のpHを検出し、ステップS4に進む。ステップS4では、交換判定部43で、pH検出部42で検出した冷却水のpHが、規定のpH範囲から外れたかを判定し、規定のpH範囲から外れた場合には、ステップS5に進み、規定のpH範囲内である場合には、ステップS1に戻る。ステップS5では、交換判定部43から警告灯60に警告信号を送信し、警告灯60を点灯させる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
第1実施形態では、エンジンの制御を行う制御装置と、冷却液の交換を判定し、警告灯の点灯制御を行う制御装置を、1つの制御装置として車両に搭載する例を示した。しかしながら、たとえば、図2に示す警告灯の点灯制御をする制御装置を、車両の外部の管理システムに設け、管理システムを介した通信により、警告灯の点灯制御を行ってもよい。
1:内燃機関システム、10:エンジン、20:冷却循環機構、31:温度センサ、32:pHセンサ、40:制御装置、41:温度判定部、42:pH検出部、43:交換判定部
Claims (1)
- エンジンと、
前記エンジンを冷却する冷却液として、エチレングリコールを含む冷却液を冷却しながら、前記エンジンへ循環させる冷却循環機構と、
前記エンジンを通過した前記冷却液の温度を測定する温度センサと、
前記冷却液のpHを測定するpHセンサと、
を備えた内燃機関システムであって、
前記内燃機関システムは、制御装置をさらに備えており、
前記制御装置は、前記温度センサが測定した前記冷却液の温度が、規定の温度範囲内にあるかを判定する温度判定部と、
前記温度判定部により、冷却水の温度が規定の温度範囲にあると判定した際に、前記pHセンサが測定した前記冷却液のpHを検出するpH検出部と、
検出したpHが規定のpH範囲から外れたときに、前記冷却液を交換すべきと判定する交換判定部と、を備えることを特徴とする内燃機関システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021008378A JP2022112554A (ja) | 2021-01-22 | 2021-01-22 | 内燃機関システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021008378A JP2022112554A (ja) | 2021-01-22 | 2021-01-22 | 内燃機関システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022112554A true JP2022112554A (ja) | 2022-08-03 |
Family
ID=82657161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021008378A Pending JP2022112554A (ja) | 2021-01-22 | 2021-01-22 | 内燃機関システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022112554A (ja) |
-
2021
- 2021-01-22 JP JP2021008378A patent/JP2022112554A/ja active Pending
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