JP2022111894A - 電磁波吸収シート - Google Patents

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【課題】高周波数領域の電磁波を吸収できるとともに、取り扱い性に優れる電磁波吸収シートを提供する。【解決手段】電磁波吸収シート1は、バインダー材料と電磁波吸収材料とを含み、バインダー材料がエチレン-ブテン-非共役ジエン共重合体またはエチレン-プロピレン-ジエン共重合体であり、電磁波吸収材料は、表面がマグネタイトで被覆された鉄系粉末であり、電磁波吸収シート1全体に対して50質量%以上含まれ、シート厚さが1mm未満であり、20GHz以上の周波数領域に中心周波数を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波を吸収できる電磁波吸収シートに関し、特に20GHz以上の高周波数領域で使用される電磁波吸収シートに関する。
電磁波吸収材料(酸化鉄、鉄系合金、炭素材料など)を基材中に含む電磁波吸収部材は、例えば、通信における混信を防いだり、電子機器からのノイズの発生を防止したり、他の電子機器から来る電磁波の影響を受けないようにするために用いられている。
例えば、特許文献1では、有料道路のETC(料金自動収受システム)で用いられる5.8GHzの周波数に合わせて、この付近の周波数領域の電磁波を吸収できる電磁波吸収シートが提案されている。このような電磁波吸収シートをETCのゲートの周囲に施工することで、料金所と車載器との間で通信する際の混信を防止することができる。また、特許文献2では、1GHz~20GHzという広い周波数領域において電磁波吸収能を発揮するべく、樹脂とナノサイズ炭素材料とを含む電磁波吸収シートが提案されている。
特開2011-233834号公報 特開2003-158395号公報
近年、これまで移動通信で使われてきた周波数よりも高い周波数(例えば、20GHz以上)の電磁波が用いられてきており、そのような高周波数領域の電磁波を好適に吸収できる電磁波吸収シートの需要が高まっている。また、電磁波吸収シートの適用範囲の拡大に伴う、シートの取り扱い性も重要になる。
例えば、上記特許文献1の電磁波吸収シートは、5.8GHz付近の電磁波を好適に吸収できるように設計されており、それよりも高周波数領域の電磁波を吸収することは想定されていない。また、特許文献2では、1GHz~20GHzという範囲こそ記載されているが、実際に測定されているシートの吸収ピーク(中心周波数)は10GHz未満になっている。このような電磁波吸収シートにおいて、より高周波数領域の電磁波を吸収するためには、電磁波吸収材料の含有率を高くすることなどが考えられるが、シートの成形が困難になることや、シートの柔軟性が損なわれるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高周波数領域の電磁波を吸収できるとともに、取り扱い性に優れる電磁波吸収シートを提供することを目的とする。
本発明の電磁波吸収シートは、バインダー材料と電磁波吸収材料とを含む電磁波吸収シートであって、上記バインダー材料がエチレン-ブテン-非共役ジエン共重合体(以下、EBTと称する)またはエチレン-プロピレン-ジエン共重合体(以下、EPDMと称する)であり、上記電磁波吸収材料は、表面がマグネタイトで被覆された鉄系粉末であり、上記電磁波吸収シート全体に対して50質量%以上含まれることを特徴とする。
上記電磁波吸収シートのシート厚さが1mm未満であることを特徴とする。
上記電磁波吸収材料は、上記電磁波吸収シート全体に対して65質量%~82質量%含まれることを特徴とする。
上記マグネタイトで被覆された上記鉄系粉末のメジアン径が1μm~25μmであることを特徴とする。
上記電磁波吸収シートは、20GHz以上の周波数領域に中心周波数を有することを特徴とする。
本発明の電磁波吸収シートは、バインダー材料としてEBTまたはEPDMを用いているので、電磁波吸収材料の含有率が50質量%以上の高含量であっても、電磁波吸収材料をシート中に保持でき、また、柔軟性にも優れる。さらに、電磁波吸収材料は、表面がマグネタイトで被覆された鉄系粉末であるので、多用されている純鉄粉に比べて、酸化による電磁波吸収性能の劣化が起こりにくく、かつ、比重が小さい。これにより、本発明の電磁波吸収シートは、高周波数領域の電磁波を吸収できるとともに、形状の自由度が高く軽量化を図れるため、取り扱い性に優れる。
また、本発明の電磁波吸収シートは薄型化が可能であり、具体的にはシート厚さが1mm未満であるので、より高周波数領域の電磁波を吸収することができ、かつ、シートの適用範囲も拡がる。
本発明の電磁波吸収シートの斜視図である。
バインダー材料と電磁波吸収材料とを含む電磁波吸収シートにおいて、より高周波数領域の電磁波を吸収できるようにするためには、例えば、電磁波吸収材料の配合量を多くすることや、シート厚さを薄くすることなどが考えられる。しかし、そのような場合、シートの成形が困難になるばかりか、シートの取り扱い性を損なうおそれがある。本発明者らは、成形性を確保できるとともに、十分な柔軟性を有し、かつ高周波数領域(例えば、20GHz以上)にも適用できる電磁波吸収シートを得るべく、鋭意検討した。その結果、EBTまたはEPDMと、表面がマグネタイトで被覆された鉄系粒子とを組み合わせることで、電磁波吸収材料を高含量としつつも、取り扱い性に優れることを見出した。本発明は、このような知見に基づくものである。
図1は、本発明の電磁波吸収シートの一例を示す斜視図である。電磁波吸収シート1は、バインダー材料に電磁波吸収材料を分散させたシートである。以下、各材料について説明する。
本発明ではバインダー材料として、EBTまたはEPDMを用いる。EBTは、エチレン、ブテン、および非共役ジエンを重合させたポリマーであり、各原料に由来する構造単位を有する。
ブテンとしては、主に1-ブテンが用いられる。非共役ジエンとしては、1,4-ヘキサジエンなどの鎖状の非共役ジエンや、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、ジシクロペンタジエンなどの環状の非共役ジエンが用いられる。非共役ジエンとして、これらの化合物を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記化合物の中でも、非共役ジエンとして、ENBまたはVNBを用いることが好ましい。
EBTの各原料に由来する構造単位のモル比としては、例えば、エチレンに由来する構造単位が50~95モル%、ブテンに由来する構造単位が4.9~49.9モル%、非共役ジエンに由来する構造単位が0.1~5モル%である。ただしこの場合、エチレンに由来する構造単位、ブテンに由来する構造単位、および非共役ジエンに由来する構造単位の合計は100モル%である。上記のモル比は、エチレンに由来する構造単位が70~95モル%、ブテンに由来する構造単位が4.9~29.9モル%、非共役ジエンに由来する構造単位が0.1~3モル%であることが好ましい。
EBTは、例えば、メタロセン系化合物などの触媒存在下で、エチレン、ブテン、および非共役ジエンを重合させて調整してもよく、また、市販品を用いてもよい。EBTの市販品としては、例えば、三井化学社製EBT K-9330などが挙げられる。
また、EPDMは、エチレンとプロピレンとの共重合体であるエチレン-プロピレンゴムに、少量の第3成分を導入し、主鎖中に二重結合をもたせたゴムである。第3成分の例としては、ENB、VNB、5-メチレン-2-ノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジシクロオクタジエンなどのジエン類が挙げられる。EPDMの市販品としては、例えば、三井化学社製:三井EPT系、住友化学社製:エスプレン系、JSR社製:JSR EP系、LANXESS社製の商品名:ケルタン系などが挙げられる。
また、本発明では電磁波吸収材料として、表面がマグネタイトで被覆された鉄系粉末(以下、被覆鉄系粉末ともいう)を用いる。ここで、「鉄系」とは、純鉄、または鉄を主成分とする鉄合金のことを指す。
鉄系粉末として、具体的には、純鉄粉や、鉄-シリコン系合金、鉄-窒素系合金、鉄-ニッケル系合金、鉄-炭素系合金、鉄-ホウ素系合金、鉄-コバルト系合金、鉄-リン系合金、鉄-ニッケル-コバルト系合金、鉄-アルミニウム-シリコン系合金(センダスト合金)などの鉄合金粉末を用いることができる。鉄系粉末の中でも純鉄粉が好ましく、例えば、水アトマイズ鉄粉、還元鉄粉、ガスアトマイズ鉄粉、カルボニル鉄粉などが利用できる。
鉄系粉末の表面を被覆するマグネタイトは、主にFeからなる鉄酸化物である。マグネタイトの被膜は絶縁性膜であり、その被膜の厚さは、例えば0.2μm~2μmである。マグネタイトは、化学的に安定であり、緻密な構造を有するため、内部の鉄系粉末の酸化を効果的に防ぐことができる。
電磁波吸収材料としての被覆鉄系粉末の平均粒子径は、例えば1μm~50μmである。この範囲内にすることで、バインダー材料への分散性に優れ、電磁波吸収性能を効果的に発揮できる。該平均粒子径は、1μm~25μmが好ましく、10μm~25μmがより好ましい。粒径を小さくすることで、間隙が小さくなり、誘電性などが向上する結果、電磁波吸収性能がより向上すると考えられる。上記平均粒子径は、レーザ回折式の粒度分布測定法により測定した体積粒度分布における累積体積が50%となる粒径(メジアン径;D50)である。また、被覆鉄系粉末のアスペクト比は1.0~3.0であることが好ましく、1.5~3.0であることがより好ましい。
また、被覆鉄系粉末の真比重は、6.0g/cm以下であることが好ましい。これにより、純鉄粉(真比重7.87g/cm)を用いる場合に比べて、シートの軽量化を図ることができる。被覆鉄系粉末の真比重は4.5g/cm~5.0g/cmがより好ましい。該真比重はピクノメーター法により測定される。
本発明で用いる被覆鉄系粉末の市販品としては、例えば、コードー社製DSK20、DSK63などが挙げられる。
本発明では、電磁波吸収材料として、表面がマグネタイトで被覆された鉄系粉末を用いることで、従来多用されている鉄系粉末(被覆なし)を用いる場合に比べて、酸化による電磁波吸収性能の低下を防止でき、またシートの軽量化を図ることができる。一方、被覆鉄系粉末の透磁率は、マグネタイトの透磁率よりも高いことから、電磁波吸収材料としてマグネタイト自体を用いた場合に比べて、電磁波吸収性能に優れる。
被覆鉄系粉末は、電磁波吸収シート全体に対して50質量%以上含まれる。被覆鉄系粉末の含有率を50質量%以上にすることで、高周波数領域の電磁波を吸収することができる。特に、シート成形性と電磁波吸収性能を両立させる観点から、被覆鉄系粉末の含有率は65質量%~82質量%が好ましい。
本発明の電磁波吸収シートにおいて、バインダー材料であるEBTまたはEPDMは架橋されていることが好ましい。これらの架橋は、例えば、硫黄系化合物や有機過酸化物などの加硫剤を用いて行われる。有機過酸化物としては、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス-(t-ブチルペルオキシ-イソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイドなどを用いることができる。加硫剤の配合量は、EBTまたはEPDM100質量部に対して2質量部~5質量部が好ましい。
本発明の電磁波吸収シートは、例えば、2本ロールを用いた練り工程、およびプレス工程を経て製造される。
練り工程では、ロールにバインダー部材を絡ませた後、そのバインダー部材にステアリン酸ナトリウムなどを添加する。ステアリン酸ナトリウムを添加することで、混錬物のロールからの剥離性を高めることができる。また、ステアリン酸ナトリウムを分散させやすくなるため、ステアリン酸ナトリウムは初めに添加することが好ましい。添加が最後の方になると、分散までに時間がかかり、ロールからの剥離性が低下するおそれがある。
その後、バインダー部材に対して被覆鉄系粉末を加えていき、最後に加硫剤を添加する。ロールの温度が上がると、EBTなどが張り付いて作業性が低下するため、手早く練り作業を行う。また、冷却水を使用して温度が高くなり過ぎないようにしてもよい。また、練り工程では、被覆鉄系粉末が破壊されない程度に、薄通しを複数回行ってもよい。
プレス工程では、シート状に成形した成形体を加硫する。加硫条件は、特に限定されないが、好ましくは120℃~200℃で、1分~30分間行われる。必要に応じて、120℃~250℃で、30分~12時間、2次加硫してもよい。具体的な条件として、例えば、160℃で15分間加硫した後、140℃で4時間2次加硫を行う。また、プレス工程では、200角以上のサイズの大きいシートを作製する際は、シート厚さを事前に必要な厚さに近いものにしてコンパウンドの部出しが必要になる。また、エアが抜けにくくなるため、エア抜きも行う。
なお、シート状への成形は、押出成形や、分出し成形、金型成形などの既知の方法を用いることができる。
本発明の電磁波吸収シートには、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記のバインダー材料、被覆鉄系粉末、加硫剤以外に、その他の添加剤を配合することができる。例えば、酸化防止剤、架橋助剤、シリカなどの硬度調整剤、着色剤などを配合することができる。
本発明の電磁波吸収シートは、例えば、電磁波吸収シートの片面にアルミニウムや銅などの金属板や金属箔を貼り合わせたり、金属塗料を塗布したりして、金属層が配置されるとともに、他方の面に抵抗皮膜(例えばITO膜など)が配置される形態で用いられる。この形態はλ/4型吸収体とも呼ばれ、この吸収体において金属層と抵抗皮膜の間の電磁波吸収シートはスペーサとみなすことができる。この場合、EBTやEPDMのゴムに関しては、λ/4の理論によって電磁波が吸収される。例えば、シート厚さdを、入射した電磁波の波長の1/4とする(d=λ/4)ことで、入射波の位相と反射波の位相とが打ち消し合ってシート材に入射した電磁波が吸収される。この理論によれば、誘電率が高くなるほど、薄いシート厚さで電磁波を吸収することができ、また、電磁波の周波数が高くなるほど、薄いシート厚さで電磁波を吸収できる。
特に、高周波数領域の電磁波の吸収を目的とした場合、シート厚さは薄いことが好ましい。本発明の電磁波吸収シートのシート厚さは5mm未満が好ましく、3mm未満がより好ましく、1mm未満がさらに好ましい。本発明では、EBTまたはEPDMと、被覆鉄系粉末とを組み合わせることで、1mm未満といった薄型にしてもシート自体の形状を保持できる。なお、シート厚さの下限は、製造上の観点から、例えば0.3mm以上である。さらに、本発明の電磁波吸収シートには、被覆鉄系粉末が多く含まれることから、磁気共鳴による電磁波吸収の効果も発揮される。
また、本発明の電磁波吸収シートの硬度は特に限定されないが、デュロメータA硬度(JIS K 6253-3)が90以下であることが好ましい。これにより、良好な柔軟性を付与でき、シートの薄型化と相俟って、狭小スペースや曲面などの複雑な形状にもフィットさせることができ、幅広い用途に適用できる。上記のデュロメータA硬度の数値範囲としては30~90が好ましく、50~90がより好ましく、70~80がさらに好ましい。
本発明の電磁波吸収シートは、電磁波吸収材料を多く含むとともに、薄型化が可能であるため、高周波数領域の周波数を効果的に吸収できる。具体的には、10GHz以上、好ましくは20GHz以上の高周波数領域で使用できることから、本発明の電磁波吸収シートは、例えば、車載センサのミリ波レーダに用いられる24GHzや40GHzといった特定の周波数帯の電磁波を吸収する電磁波吸収シートとして好適に使用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら制限されるものではない。
実施例1
EBT100質量部、マグネタイトで被覆された鉄系粉末250質量部、および加硫剤3質量部を混錬して、混錬物をロールなどを用いてシート状に成形した。得られた成形体を180℃で10分間加硫した後、140℃で4時間加硫(2次加硫)して、110mm×120mm×厚さ2mmのシートを得た。なお、シート全体における被覆鉄系粉末の含有率は71質量%である。
実施例2
EBT100質量部、マグネタイトで被覆された鉄系粉末300質量部、および加硫剤3質量部を混錬して、混錬物をロールなどを用いてシート状に成形した。得られた成形体を165℃で10分間加硫した後、200℃で4時間加硫(2次加硫)して、110mm×120mm×厚さ2mmのシートを得た。なお、シート全体における被覆鉄系粉末の含有率は74質量%である。
実施例3
EBT100質量部、マグネタイトで被覆された鉄系粉末450質量部、および加硫剤3質量部を混錬して、混錬物をロールなどを用いてシート状に成形した。得られた成形体を180℃で10分間加硫して、110mm×120mm×厚さ2mmのシートを得た。なお、シート全体における被覆鉄系粉末の含有率は81質量%である。
比較例1
シリコーンゴム100質量部、マグネタイトで被覆された鉄系粉末150質量部、および加硫剤0.6質量部を混錬して、混錬物をロールなどを用いてシート状に成形した。得られた成形体を165℃で10分間加硫した後、200℃で4時間加硫(2次加硫)して、110mm×120mm×厚さ2mmのシートを得た。なお、シート全体における被覆鉄系粉末の含有率は60質量%である。
比較例2
フッ素ゴム100質量部、マグネタイトで被覆された鉄系粉末150質量部、および加硫剤0.6質量部を混錬して、混錬物をロールなどを用いてシート状に成形した。得られた成形体を165℃で10分間加硫した後、200℃で4時間加硫(2次加硫)して、110mm×120mm×厚さ2mmのシートを得た。なお、シート全体における被覆鉄系粉末の含有率は60質量%である。
(成形性評価)
各シートの成形性について評価した。具体的には、シート成形時において作業性が悪いものを×、支障がないものを○とした。結果を表1に示す。
(電磁波吸収性評価)
実施例1~3の各シートを用いて電磁波吸収性について評価した。電磁波吸収性は、所定周波数(例えば1GHz~20GHz)の電磁波を入射し、その反射減衰量(単位:dB)を測定することなどで評価した。結果を表1に示す。
Figure 2022111894000002
表1に示すように、バインダー材料としてEBTを用いた実施例1~3は、成形性に優れていた。これに対して、シリコーンゴムを用いた比較例1は、成形時に混錬物がローラに付着してしまい、シート成形が困難であった。また、フッ素ゴムを用いた比較例2は、ゴム基材(フッ素ゴム)から被覆鉄系粉末が脱落してしまい、所望のシートが得られなかった。
電磁波吸収性については、シート全体に対する被覆鉄系粉末の含有率が約70質量%である実施例1が、特に優れた電磁波吸収性を示した。含有率が大きくなると反射率が高くなり、電磁波吸収性能は低下する傾向があった。
上記実施例1の組成を用いてシート厚さが異なるシートを作製し、電磁波吸収性を確認したところ、シート厚さによってある程度相関するデータを取得することができた。また、シート厚さ1mm未満のシートも作製できた。この場合、シート厚さが更に薄くなることで、20GHz以上の高周波数領域でも電磁波吸収性能を発揮できることが示唆された。また、上記実施例1~3では、バインダー部材としてEBTを用いたが、EPDMを用いた場合でも、同様に、シートの成形性および電磁波吸収性能が確認された。
本発明の電磁波吸収シートは、高周波数領域の電磁波を吸収できるとともに、取り扱い性に優れるので、例えば、特定の数十GHzの周波数の通信における混信防止や、電子機器からのノイズの発生の防止など、幅広い用途に用いることができる。
1 電磁波吸収シート

Claims (5)

  1. バインダー材料と電磁波吸収材料とを含む電磁波吸収シートであって、
    前記バインダー材料がエチレン-ブテン-非共役ジエン共重合体またはエチレン-プロピレン-ジエン共重合体であり、
    前記電磁波吸収材料は、表面がマグネタイトで被覆された鉄系粉末であり、前記電磁波吸収シート全体に対して50質量%以上含まれることを特徴とする電磁波吸収シート。
  2. 前記電磁波吸収シートのシート厚さが1mm未満であることを特徴とする請求項1記載の電磁波吸収シート。
  3. 前記電磁波吸収材料は、前記電磁波吸収シート全体に対して65質量%~82質量%含まれることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁波吸収シート。
  4. 前記マグネタイトで被覆された前記鉄系粉末のメジアン径が1μm~25μmであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の電磁波吸収シート。
  5. 前記電磁波吸収シートは、20GHz以上の周波数領域に中心周波数を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の電磁波吸収シート。
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