JP2022111661A - 逆接続保護回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されたときに必要な負耐圧を低減する逆接続保護回路を提供する。【解決手段】逆接続保護回路501の昇圧回路53は、バッテリ電圧を昇圧した昇圧電圧Vboostを生成し、NチャネルMOSFETで構成された逆接続保護素子51のドレイン端子51d及びゲート端子51gに電圧を供給する。負サージ電圧が発生したとき低電位側から高電位側に向かって逆接続保護素子51のドレイン端子51dに至る負サージ電流経路が、インバータ32の寄生ダイオード34、36により形成される。ゲート電圧調整回路60は、逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されていないとき、ゲートソース間電圧がオン閾値未満となり、逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、ソース電圧の低下によりゲートソース間電圧がオン閾値以上となるように、逆接続保護素子51のゲート電圧を調整する。【選択図】図1
Description
本発明は、逆接続保護回路に関する。
従来、負荷側回路に対して電源が逆接続された場合に負荷側回路に電流が流れることを防ぐ逆接続保護素子を備えた逆接続保護回路が知られている。例えば特許文献1には、逆接続保護素子と直列に電路開閉素子が設けられていない構成において、逆接続保護素子の負荷側端子に昇圧電圧を供給し、負荷側端子の電圧に基づいて逆接続保護素子の故障を検出する技術が開示されている。
また特許文献2には、逆接続保護素子と直列に電路開閉素子が設けられた構成において、チャージ手段により回路に電圧をチャージしたときの電路開閉素子と逆接続保護素子との間の電圧に基づいて逆接続保護素子の故障を検出する技術が開示されている。
特許文献1の逆接続保護素子がNチャネルMOSFETである構成において、故障検出のため逆接続保護素子をオフしている時に外乱等による負サージ電圧が発生する状況を想定する。このとき、負サージ電圧によって回路が破壊しないために-60V程度の負耐圧が必要になる。特許文献2の逆接続保護素子がNチャネルMOSFETである構成においても同様の問題がある。
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されたときに必要な負耐圧を低減する逆接続保護回路を提供することにある。
本発明は、電気負荷(31)と、電気負荷を駆動する負荷駆動回路(32)とを含む負荷側回路(3)に対して、電源(2)が逆接続された場合に負荷側回路を保護するように構成された逆接続保護回路である。
本発明の第1の態様の逆接続保護回路(501、502、503)は、逆接続保護素子(51)と、昇圧回路(53)と、ゲート電圧調整回路(60)とを備える。
逆接続保護素子は、NチャネルFETで構成され、ソース端子(51s)が電源に接続され、ドレイン端子(51d)が負荷駆動回路に接続され、ソース端子側からドレイン端子側への電流を導通する寄生ダイオード(52)を有する。逆接続保護素子は、ゲート端子(51g)とソース端子との間の電圧であるゲートソース間電圧がオン閾値(Vth)以上になったときオンする。
昇圧回路は、電源の電圧を昇圧した昇圧電圧(Vboost)を生成し、逆接続保護素子のドレイン端子及びゲート端子に電圧を供給する。ゲート電圧調整回路は、昇圧回路と逆接続保護素子のゲート端子との間に設けられ、逆接続保護素子のゲート端子に入力されるゲート電圧を調整する。
負サージ電圧が発生したとき低電位側から高電位側に向かって逆接続保護素子のドレイン端子に至る負サージ電流経路が、負荷駆動回路又は他の回路の導通素子(34、36、59)により形成される。
ゲート電圧調整回路は、逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されていないとき、ゲートソース間電圧がオン閾値未満となり、逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、ソース電圧の低下によりゲートソース間電圧がオン閾値以上となるように、逆接続保護素子のゲート電圧を調整する。
本発明の第2の態様の逆接続保護回路(504)は、逆接続保護素子(51)と、電路開閉素子(41)と、昇圧回路(53)と、ゲート電圧調整回路(60)と、ソース電圧検出部(58)と、ソース電圧調整回路(40)とを備える。
逆接続保護素子は、NチャネルFETで構成され、ドレイン端子(51d)が負荷駆動回路に接続され、ソース端子(51s)側からドレイン端子側への電流を導通する寄生ダイオード(52)を有し、ゲート端子(51g)とソース端子との間の電圧であるゲートソース間電圧がオン閾値以上になったときオンする。
電路開閉素子は、NチャネルFETで構成され、ドレイン端子(41d)が電源に接続され、ソース端子(41s)が逆接続保護素子のソース端子に接続され、ソース端子側からドレイン端子側への電流を導通する寄生ダイオード(42)を有し、ゲート端子(41g)とソース端子との間の電圧であるゲートソース間電圧がオン閾値以上になったときオンする。
昇圧回路は、電源の電圧を昇圧した昇圧電圧(Vboost)を生成し、逆接続保護素子のゲート端子及び電路開閉素子のゲート端子に電圧を供給する。ゲート電圧調整回路は、昇圧回路と逆接続保護素子のゲート端子との間に設けられ、逆接続保護素子のゲート端子に入力されるゲート電圧を調整する。ソース電圧検出部は、逆接続保護素子のソース端子と電路開閉素子のソース端子との間において逆接続保護素子のソース電圧を検出する。ソース電圧調整回路は、逆接続保護素子のソース電圧を調整する。
負サージ電圧が発生したとき低電位側から高電位側に向かって逆接続保護素子のドレイン端子に至る負サージ電流経路が、負荷駆動回路又は他の回路の導通素子(34、36、59)により形成される。
ゲート電圧調整回路及びソース電圧調整回路は、電路開閉素子及び逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されていないとき、ゲートソース間電圧がオン閾値未満となり、電路開閉素子及び逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、ソース電圧の低下によりゲートソース間電圧がオン閾値以上となるように、逆接続保護素子のゲート電圧及びソース電圧を調整する。
本発明の逆接続保護回路は、故障検出のため逆接続保護素子をオフしている時に負サージ電圧が発生しても、自動的に逆接続保護素子がオンするように構成されている。したがって、負サージ電流経路形成部を経由して低電位側から高電位側へ負サージ電流が抜け、回路には大きな負電圧が印加されない。例えば負荷駆動回路を構成する上下アームスイッチング素子の寄生ダイオード又は還流ダイオードが負サージ電流経路形成部として機能する場合、負サージ電圧に耐えるための負耐圧は-2V程度となる。よって、負サージ電圧に対して必要な負耐圧を低減することができる。
以下、本発明の逆接続保護回路の複数の実施形態を、図面に基づいて説明する。各実施形態の逆接続保護回路は、「電気負荷」としてのモータと、モータを駆動する「負荷駆動回路」としてのインバータを含む負荷側回路に対して、「電源」としてのバッテリが逆接続された場合にインバータを保護するように構成されている。また、各実施形態の逆接続保護回路は、少なくとも逆接続保護素子をオフした状態で逆接続保護素子の故障を検出する。
本発明の第1の態様に対応する第1~第3実施形態では、特許文献1(特開2019-54500号公報)の回路構成と同様に、逆接続保護素子の他に電路開閉素子が設けられていない。一方、本発明の第2の態様に対応する第4実施形態では、特許文献2(特開2012-139021号公報)の回路構成と同様に、逆接続保護素子の電源側に電路開閉素子が直列接続されている。逆接続保護素子及び電路開閉素子は、NチャネルMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)で構成されている。
(第1実施形態)
図1に~図3を参照し、第1実施形態の逆接続保護回路501について、比較例と対比しつつ説明する。第1~第4実施形態の逆接続保護回路の符号は、「50」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。図1に第1実施形態の回路構成を示し、図2に、特許文献1の図1に基づく比較例の逆接続保護回路5の回路構成を示す。図2では一部の符号を除き、特許文献1の符号を援用する。第1実施形態の構成要素のうち比較例の構成要素と実質的に同一又は類似するものについては基本的に同じ符号を用い、比較例が有していない構成要素に新たな符号を追加する。電圧に関する記号Vg、Vs、Vth、Vb等は図3に記載される。
図1に~図3を参照し、第1実施形態の逆接続保護回路501について、比較例と対比しつつ説明する。第1~第4実施形態の逆接続保護回路の符号は、「50」に続く3桁目に実施形態の番号を付す。図1に第1実施形態の回路構成を示し、図2に、特許文献1の図1に基づく比較例の逆接続保護回路5の回路構成を示す。図2では一部の符号を除き、特許文献1の符号を援用する。第1実施形態の構成要素のうち比較例の構成要素と実質的に同一又は類似するものについては基本的に同じ符号を用い、比較例が有していない構成要素に新たな符号を追加する。電圧に関する記号Vg、Vs、Vth、Vb等は図3に記載される。
特許文献1では「逆接続保護素子51」と「寄生ダイオード52」とを独立した二つの要素として扱っているが、本明細書ではMOSFETの構造を考慮し、「逆接続保護素子51」が「寄生ダイオード52」を一体不可分に含むものとして扱う。また、逆接続保護素子51のソース端子、ドレイン端子、ゲート端子の符号について、特許文献1における符号51a、51b、51cを、それぞれ、51s、51d、51gに変更する。
図1に示す負荷システムにおいて、逆接続保護回路501は、「電源」としてのバッテリ2と負荷側回路3との間に設けられている。負荷側回路3は、「電気負荷」としてのモータ31と、「電気負荷を駆動する負荷駆動回路」としてのインバータ32とを含む。特許文献1の従来技術に準じ、本実施形態の負荷システムは、車両の電動パーキングブレーキ用のモータ31を駆動するシステムである。モータ31は、簡易的に一相の巻線のみを破線で図示する。
バッテリ2は、例えば12V程度の電圧を有する車載用バッテリである。バッテリ2が順接続、すなわち正規の向きに接続されたとき、正極は逆接続保護回路501を介して負荷側回路3に接続され、負極は接地される。図中、バッテリ2の正極と逆接続保護回路501との間の配線、及び、バッテリ2の負極とグランドとの間の配線上に、バッテリ抵抗Rbt及び配線抵抗Rwを等価的に図示する。なお、図2のバッテリ2及び配線の図示に関し、図1の記載を流用する。
インバータ32は、直列接続された上アームスイッチング素子33及び下アームスイッチング素子35からなる一対以上の素子対を含む。図1以下の回路構成図には一対の素子対33、35のみを示し、他の素子対の図示を省略する。例えばモータ31が三相モータの場合、三対の素子対が並列接続される。なお、特許文献1で言及されているインバータの制御回路は自明であるため省略する。また、図2の負荷側回路3の図示に関し、図1の記載を流用する。
図1に示す上アームスイッチング素子33及び下アームスイッチング素子35はMOSFETで構成されており、それぞれ、低電位側から高電位側への電流を導通する寄生ダイオード34、36を有している。インバータ32の導通素子である寄生ダイオード34、36は、後述のように、負サージ電圧が発生したとき負サージ電流経路を形成する。ここで、低電位側から高電位側へ負電圧が印加されたときの寄生ダイオード一つ当たりの電圧降下をVfと記す。寄生ダイオード一つ当たりの電圧降下Vfは、例えば約1Vである。
図1の構成例では、下アームスイッチング素子35のグランド側に電流を検出するシャント抵抗37が設けられている。ただし、シャント抵抗37は上アームスイッチング素子33の高電位側やモータ31の各相電流経路に設けられてもよい。また、インバータ32のバッテリ2側にコンデンサ38が設けられている。コンデンサ38は、例えばバッテリ2の電源ノイズやインバータ32のスイッチングノイズを平滑化する。
続いて第1実施形態の逆接続保護回路501の構成を説明する。逆接続保護回路501は、逆接続保護素子51、昇圧回路53、ドレイン電圧検出部56、及びゲート電圧調整回路60等を備える。その他、破線で示す判定部57、ソース電圧検出部58、負サージ電流経路形成用ダイオード59は、参考的に図示された要素、又はオプション要素に相当する。
逆接続保護素子51はNチャネルMOSFETで構成されている。逆接続保護素子51のソース端子51sはバッテリ2に接続され、ドレイン端子51dはインバータ32の上アームスイッチング素子33に接続されている。逆接続保護素子51の寄生ダイオード52は、ソース端子51側からドレイン端子51d側への電流を導通する。図1の回路構成では、寄生ダイオード52は、インバータ32側からバッテリ2側への導通を遮断する。したがって、バッテリ2が逆接続されたとき、逆接続保護素子51がオフしていればインバータ32に電流が流れず、インバータ32が保護される。
逆接続保護素子51のゲート端子51gには、昇圧回路53から抵抗R0を介して電圧が供給される。逆接続保護素子51は、ゲート端子51gとソース端子51sとの間の電圧であるゲートソース間電圧がオン閾値Vth以上になったときオンする。オン閾値Vthは正の電圧であり、ソース電圧Vsがバッテリ電圧Vbと同等である場合、ゲート電圧Vgはバッテリ電圧Vbとオン閾値Vthとの和以上である(Vg≧Vb+Vth)ことが必要である。よって、NチャネルMOSFETの逆接続保護素子51を駆動するためにバッテリ電圧Vbを昇圧する必要がある。
昇圧回路53は、チャージポンプ回路やブートストラップ回路等により構成され、バッテリ電圧Vbを昇圧した昇圧電圧Vboostを生成する。バッテリ2の正極と昇圧回路53との間に設けられたダイオード21は、昇圧回路53からバッテリ2側への電流の逆流を防ぐ。また、昇圧回路53のグランド側には、グランドから昇圧回路53への電圧入力を遮断するダイオード23が設けられている。これにより、バッテリ2の逆接続時には昇圧回路53が動作せず、よって後述の通り、逆接続保護素子51がオンしない。
さらに昇圧回路53の入力側には外付コンデンサ22が接続されている。ここで、チャージポンプ回路やブートストラップ回路では昇圧回路53の内部にコンデンサを有している。その内部コンデンサとの区別のため、昇圧回路53の入力側に接続されたコンデンサを外付コンデンサ22と称する。なお、特許文献1に依拠する図2には、ダイオード21、23や外付コンデンサ22は明示されていない。
昇圧回路53の出力側は、抵抗素子54を介して逆接続保護素子51のドレイン端子51dに接続されている。したがって、昇圧回路53は、逆接続保護素子51のドレイン端子51dに電圧を供給する。ドレイン電圧検出部(図中「Vd検出部」)56は、ADモニタ回路で構成され、ドレイン電圧を検出する。この構成により、逆接続保護素子51のオン時とオフ時とにおけるドレイン電圧の差が大きくなるため、逆接続保護素子51のオープン故障及びショート故障の故障検出に有利となる。この点は、図2の比較例と同様である。
比較例ではさらに、ドレイン電圧検出部56が検出したドレイン電圧に基づいて故障の有無を判定する判定部57が明示されている。本実施形態では故障検出の判定部が存在することは自明であるとみなし、参考として判定部57を破線で図示する。また、特許文献1の図3に示されるように、逆接続保護素子51のソース電圧Vsを検出するソース電圧検出部(図中「Vs検出部」)58が、例えばモニタ回路により設けられてもよい。ソース電圧検出部58については第1実施形態の効果や第2実施形態の説明で後述する。
また比較例では、昇圧回路53が出力した昇圧電圧Vboostが駆動回路55を介して逆接続保護素子51のゲート端子51gに入力される。比較例の駆動回路55は逆接続保護素子51をオンさせるための回路であり、逆接続保護素子51をオンさせる時にゲートソース間電圧がオン閾値Vth以上となりさえすればよい。つまり、比較例の逆接続保護回路5はゲート電圧Vgを調整する機能を持たない。
それに対し第1実施形態の逆接続保護回路501では、昇圧回路53と逆接続保護素子51のゲート端子51gとの間にゲート電圧調整回路60が設けられている。ゲート電圧調整回路60は、抵抗R0、R1、ゲート電圧調整スイッチTr1及び調整スイッチ駆動回路65を含む。抵抗R0、R1は、抵抗素子の符号であるとともに、抵抗素子の抵抗値を表す。ゲート電圧調整回路60は、逆接続保護素子51のゲート端子51gに入力されるゲート電圧Vgを調整する。
昇圧回路53の出力端子53oは、逆接続保護素子51のドレイン端子51dに接続されている他に、抵抗R0を介して逆接続保護素子51のゲート端子51gにも接続されている。つまり、昇圧回路53は、逆接続保護素子51のゲート端子51gにも電圧を供給する。また、抵抗R0のゲート端子51g側端部とグランドとの間に、抵抗R1及びゲート電圧調整スイッチTr1が直列接続されている。言い換えれば、ゲート端子51gは、昇圧回路53の出力端子53oとグランドとの間に接続された二つの抵抗R0、R1間の分圧点N1に接続されている。
ゲート電圧調整スイッチTr1は、例えばNPN型のトランジスタで構成されており、コレクタ端子(C)が抵抗R1に接続され、エミッタ端子(E)が接地されている。ゲート電圧調整スイッチTr1は、逆接続保護素子51をオンするとき分圧点N1とグランドとの間の経路を遮断し、逆接続保護素子51をオフするとき分圧点N1とグランドとの間の経路を接続する。調整スイッチ駆動回路65は、ゲート電圧調整スイッチTr1のベース端子(B)の電圧を操作してゲート電圧調整スイッチTr1のオンオフを切り替える。
ゲート電圧調整スイッチTr1がオフの時、昇圧回路53が生成した昇圧電圧Vboostは、抵抗R0を介してゲート端子51gに供給される。この時、ゲート端子51gに流れる電流をIgとすると、ゲート電圧Vgは、式(1)で表される。この時、ゲートソース間電圧はオン閾値Vthを上回り、逆接続保護素子51がオンする。逆接続保護素子51のオン状態で、例えば逆接続保護素子51のオープン故障検出が実施される。
Vg=Vboost-R0×Ig ・・・(1)
Vg=Vboost-R0×Ig ・・・(1)
ゲート電圧調整スイッチTr1がオンの時、ゲート電圧Vgは、式(2)で表される。このゲート電圧Vgがバッテリ電圧Vb以下(すなわち、Vg≦Vb)となるように抵抗値R0、R1が設定されている。要するに、昇圧回路53がバッテリ電圧btから昇圧した電圧Vboostが再びバッテリ電圧bt以下に降圧される。
Vg={R1/(R0+R1)}×Vboost ・・・(2)
Vg={R1/(R0+R1)}×Vboost ・・・(2)
ソース電圧Vsがバッテリ電圧Vtに等しいとき、ゲートソース間電圧(Vg-Vs)は0以下であり、正の値であるオン閾値Vthよりも小さい。したがって、ゲート電圧調整スイッチTr1がオンの時、逆接続保護素子51はオフする。逆接続保護素子51のオフ状態で、例えば逆接続保護素子51のショート故障検出が実施される。
ところで、故障検出のため逆接続保護素子51をオフしている時に外乱等による負サージ電圧が発生する状況を想定する。特許文献1の従来技術に依拠する比較例では、逆接続保護素子51はオフしたままである。そのため、負サージ電圧によって回路が破壊しないために-60V程度の負耐圧が必要になる。この課題に対し本実施形態では、負サージ電圧が発生したとき、負サージ電流が低電位側から高電位側へ抜ける構成とすることで、負耐圧の低減を図る。
本実施形態では、まず、負サージ電圧が発生したとき低電位側から高電位側に向かって逆接続保護素子51のドレイン端子51dに至る負サージ電流経路が、負荷駆動回路32又は他の回路の導通素子により形成される。図1の構成例では、インバータ32の上下アームスイッチング素子33、35の寄生ダイオード34、36により負サージ電流経路が形成される。また、負荷駆動回路3に負サージ電流経路を形成する導通素子が無い場合、「他の回路の導通素子」として、破線で示すダイオード59が設けられてもよい。ダイオード59のアノードは接地され、カソードは逆接続保護素子51のドレイン端子51dに接続されている。
その前提の上で、ゲート電圧調整回路60は、逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されていないとき、ゲートソース間電圧がオン閾値Vth未満となり、逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、ソース電圧Vsの低下によりゲートソース間電圧がオン閾値Vth以上となるように、逆接続保護素子51のゲート電圧Vgを調整する。
次に図3のタイムチャートを参照し、第1実施形態の逆接続保護回路5の動作について説明する。タイムチャートの縦軸には上から順に、逆接続保護回路5に印加される電源電圧、逆接続保護素子51のソース電圧Vs、昇圧電圧Vboost、逆接続保護素子51のゲート電圧Vg、ゲートソース間電圧(Vg-Vs)、及び逆接続保護素子51の状態を示す。電源電圧は、逆接続保護素子51のソース端子51sに印加されるとともに昇圧回路53に入力される。ソース電圧Vsは、電源電圧と同じ値となる。
バッテリ2が順接続されており、負サージ電圧が印加されていない時を正常時という。初期t0には逆接続保護素子51の故障検出のため、正常時に逆接続保護素子51がオフされている。つまり、初期t0には電源電圧としてバッテリ電圧Vbが印加され、昇圧回路53が動作している。
この時、昇圧電圧Vboostはバッテリ電圧Vbより高い。しかし、ゲート電圧調整スイッチTr1がオンしているため、逆接続保護素子51のゲート端子51gに供給されるゲート電圧Vgはバッテリ電圧Vbより低くなる。そして、ゲートソース間電圧がオン閾値Vthより小さいため、逆接続保護素子51はオフしている。言い換えれば、ゲートソース間電圧がオン閾値Vthより小さくなるようにゲート電圧調整回路60の抵抗値R0、R1が設定されている。
続いて時刻t1に負サージ電圧が発生し、時刻t2に負サージ電圧が収束する。電源電圧は、時刻t1からt2までの間、グランド電圧(図中及び以下、「GND電圧」)を下回り、時刻t2以後、GND電圧になる。時刻t1に電源電圧と共にソース電圧Vsが低下することにより、ゲートソース間電圧がオン閾値Vthを上回り、逆接続保護素子51がオンする。
すると、インバータ32の下アームスイッチング素子35の寄生ダイオード36、上アームスイッチング素子33の寄生ダイオード34、ドレイン端子51dを通って、負サージ電流がソース端子51sに流れる。このときソース電圧Vsは、二つの寄生ダイオード34、36の電圧降下に相当する「-2Vf」になる。つまり、逆接続保護素子51がオンしている間、ソース電圧Vsは-2Vfにクランプされる。この「-2Vf」をクランプ電圧と記す。
また、時刻t1に電源電圧が低下すると、昇圧回路53の入力側に接続された外付コンデンサ22や昇圧回路53の内部のコンデンサに蓄えられた電荷が放電されるため、昇圧電圧Vboostは徐々に低下する。それに比例してゲート電圧Vgが徐々に低下する。実際には一次遅れ曲線に従って低下すると考えられるが、図では簡易的に低下を直線で表す。また、ゲート電圧Vgの低下に伴ってゲートソース間電圧が低下し、オン閾値Vthに対する余裕が次第に小さくなる。
ただし、少なくとも負サージ電圧が収束する時刻t2まで、ゲートソース間電圧がオン閾値Vth以上である状態が維持される。言い換えれば、負サージ電圧が印加されている期間中のゲートソース間電圧がオン閾値Vth以上の状態を維持するように、外付コンデンサ22や昇圧回路53の内部のコンデンサの時定数が設定されている。負サージ電圧収束後の時刻t3にゲートソース間電圧がオン閾値Vthを下回ると、逆接続保護素子51はオフする。その後、時刻t4にゲート電圧Vg及びゲートソース間電圧はGND電圧まで低下する。
図3に示される第1実施形態のポイントを整理する。図中、各ポイントに関連する箇所に対応する番号<1>~<3>を記す。
<1>故障検出のため逆接続保護素子51をオフしている時、正常時には逆接続保護素子51がオフし、負サージ電圧印加時には逆接続保護素子51がオンするように、ゲートソース間電圧が調整される。
なお、例えばエンジン車両においてイグニッションスイッチがオフのとき、昇圧回路53及びゲート電圧調整回路60が動作しないため、バッテリ電圧Vbがそのままゲート端子51gに入力される。ゲート電圧Vg=Vbであるため、負サージ電圧印加時のゲートソース間電圧は(Vb+2Vf)になる。したがって、(Vb+2Vf)がオン閾値Vth以上のとき、逆接続保護素子51をオンさせることができる。
<2>負サージ電圧が印加されている期間中のゲートソース間電圧がオン閾値Vth以上の状態を維持するように、コンデンサの時定数が設定されている。つまり、ゲートソース間電圧がオン閾値Vthを下回るまでのコンデンサの放電時間が、想定される負サージ電圧の最大継続時間よりも長くなるように、コンデンサの時定数が設定されている。
<3>負サージ電圧が印加されて逆接続保護素子51がオンしたとき、逆接続保護素子51のソース電圧Vは、インバータ32の上下アームスイッチング素子33、35の寄生ダイオード34、36の電圧降下に応じた一定の値(-2Vf)にクランプされる。
第1実施形態の効果について説明する。逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、逆接続保護素子51がオンする。そのため、図1に破線で示すようにソース電圧検出部58を設けた場合、モニタされるソース電圧Vsは、上述の通り-2Vfになる。つまり、寄生ダイオード一つ当たりの電圧降下Vfが約1Vとすると、負サージ電圧に耐えるための負耐圧は-2V程度である。
特許文献1の従来技術では、負サージ電圧が印加されても逆接続保護素子51がオフのままであるため-60V程度の負耐圧が必要である。この耐圧値は、一般的なMOSFETのアバランシェ電圧である-50V程度を超えている。第1実施形態では負サージ電圧に対する負耐圧を低減することができるため、回路の信頼性を向上させることができる。
(第2実施形態)
図4に示す第2実施形態の逆接続保護回路502は、第1実施形態の標準構成に加え、逆接続保護素子51のソース電圧Vsを検出するソース電圧検出部58を備える。また第2実施形態のゲート電圧調整回路60には、共通の抵抗R0とグランドとの間に、抵抗値の異なる二つの抵抗R1、R2と、各抵抗R1、R2に直列接続されたゲート電圧調整スイッチTr1、Tr2とが並列に設けられている。ゲート端子51gは、抵抗R0と抵抗R1との間の分圧点N1、及び、抵抗R0と抵抗R2との間の分圧点N2に接続されている。ゲート電圧調整スイッチTr1、Tr2は、調整スイッチ駆動回路65からの信号に応じて個別に動作する。
図4に示す第2実施形態の逆接続保護回路502は、第1実施形態の標準構成に加え、逆接続保護素子51のソース電圧Vsを検出するソース電圧検出部58を備える。また第2実施形態のゲート電圧調整回路60には、共通の抵抗R0とグランドとの間に、抵抗値の異なる二つの抵抗R1、R2と、各抵抗R1、R2に直列接続されたゲート電圧調整スイッチTr1、Tr2とが並列に設けられている。ゲート端子51gは、抵抗R0と抵抗R1との間の分圧点N1、及び、抵抗R0と抵抗R2との間の分圧点N2に接続されている。ゲート電圧調整スイッチTr1、Tr2は、調整スイッチ駆動回路65からの信号に応じて個別に動作する。
ゲート電圧調整回路60の調整スイッチ駆動回路65は、ソース電圧検出部58によりモニタされたソース電圧Vsに応じて、逆接続保護素子51のオフ時におけるゲート電圧Vgを二段階以上に調整可能である。具体的に調整スイッチ駆動回路65は、ソース電圧Vsに応じて以下の三パターンの操作を切り替え可能である。なお、三パターンのうち、いずれか二パターンのみを切り替えてもよい。
第1のパターンでは、調整スイッチ駆動回路65は、第1スイッチTr1をオンし、第2スイッチTr2をオフする。このとき、ゲート電圧Vgは、式(3.1)の値となる。
Vg={R1/(R0+R1)}×Vboost ・・・(3.1)
Vg={R1/(R0+R1)}×Vboost ・・・(3.1)
第2のパターンでは、調整スイッチ駆動回路65は、第1スイッチTr1をオフし、第2スイッチTr2をオンする。このとき、ゲート電圧Vgは、式(3.2)の値となる。
Vg={R2/(R0+R2)}×Vboost ・・・(3.2)
Vg={R2/(R0+R2)}×Vboost ・・・(3.2)
第3のパターンでは、調整スイッチ駆動回路65は、第1スイッチTr1及び第2スイッチTr2をいずれもオンする。このとき、ゲート電圧Vgは、並列合成抵抗Rsを用いた式(3.3)の値となる。
Vg={Rs/(R0+Rs)}×Vboost ・・・(3.3)
Rs=R1×R2/(R1+R2)
Vg={Rs/(R0+Rs)}×Vboost ・・・(3.3)
Rs=R1×R2/(R1+R2)
第2実施形態では、逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されたときに、逆接続保護素子51が確実にオンするように、ソース電圧Vsに応じてゲート電圧Vgを調整することができる。第2実施形態の変形例では、抵抗値の異なる三つ以上の抵抗と、各抵抗に直列接続されたゲート電圧調整スイッチとが並列に設けられてもよい。また、抵抗ではなく電流源を切り替えることで、ゲート電圧Vgを二段階以上に調整可能な構成としてもよい。
(第3実施形態)
図5に示す第3実施形態の逆接続保護回路503は、バッテリ2が逆接続された時に逆接続保護素子51がオンする回路を想定したものである。昇圧回路53のグランド側には、図1、図4に示されたダイオード23が設けられていない。そのため、バッテリ2が逆接続された時でも、矢印で示すようにグランド側から入力された電圧によって昇圧回路53が動作し、昇圧電圧Vboostを出力する。これにより、バッテリ2が逆接続された時に逆接続保護素子51がオンする。
図5に示す第3実施形態の逆接続保護回路503は、バッテリ2が逆接続された時に逆接続保護素子51がオンする回路を想定したものである。昇圧回路53のグランド側には、図1、図4に示されたダイオード23が設けられていない。そのため、バッテリ2が逆接続された時でも、矢印で示すようにグランド側から入力された電圧によって昇圧回路53が動作し、昇圧電圧Vboostを出力する。これにより、バッテリ2が逆接続された時に逆接続保護素子51がオンする。
このような回路において第3実施形態では、第1実施形態と同様のゲート電圧調整回路60に加え、逆接続保護素子51のソース端子51sとゲート端子51gとの間にNPN型のトランジスタTr3が設けられている。トランジスタTr3は、エミッタ端子が逆接続保護素子51のソース端子51sに接続され、コレクタ端子が逆接続保護素子51のゲート端子51gに接続され、ベース端子が接地されている。エミッタベース間電圧がオン閾値を超えるとトランジスタTr3はオンする。
バッテリ2が逆接続されて逆接続保護素子51がオンしている状態で負サージ電圧が印加されると、逆接続保護素子51のソース電圧Vs、すなわちトランジスタTr3のエミッタ電圧がベース電圧に対して負となる。この時、エミッタベース間電圧がオン閾値を超えると、トランジスタTr3がオンし、逆接続保護素子51のゲート電圧Vgが降下するため、逆接続保護素子51はオフされる。これにより、負荷側回路3が負サージ電圧から保護される。このようにトランジスタTr3は、「逆接続保護素子51がオンしている状態で負サージ電圧が印加された時、逆接続保護素子51のゲート端子51gとソース端子51sとの間を接続し、逆接続保護素子51をオフするスイッチ」として機能する。
また、バッテリ2が順接続された状態で故障検出のために逆接続保護素子51をオフする時には、第1実施形態と同様にゲート電圧調整回路60のゲート電圧調整スイッチTr1がオンされる。そして、故障検出のための逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加された場合、逆接続保護素子51をオンさせる必要があるが、この時にトランジスタTr3がオンしてしまうと、逆接続保護素子51のオンが妨げられる。
そこで、故障検出中の負サージ電圧印加時にトランジスタTr3のエミッタベース間電圧がオン閾値を超えないように、インバータ32の下アームスイッチング素子35をオンする。これにより、負サージ電圧印加時の逆接続保護素子51のソース電圧Vsが-2Vfから-1Vfになり、トランジスタTr3のエミッタベース間電圧が2Vfから1Vfに低下する。したがって、オン閾値を1Vfより大きく設定することで、故障検出中の負サージ電圧印加時に逆接続保護素子51をオンさせることができる。
以上のように第3実施形態では、バッテリ2が逆接続された時に逆接続保護素子51がオンする回路において、バッテリ逆接続時に負サージ電圧が印加された場合、及び、故障検出中における逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加された場合の両方で、逆接続保護素子51を適切に動作させることができる。
(第4実施形態)
図6を参照し、第4実施形態の逆接続保護回路504について説明する。第4実施形態の逆接続保護回路504は、第1実施形態と同様の逆接続保護素子51、昇圧回路53、及びゲート電圧調整回路60の他に、電路開閉素子41、ソース電圧検出部58、及びソース電圧調整回路(図中「Vs調整回路」))40を備える。
図6を参照し、第4実施形態の逆接続保護回路504について説明する。第4実施形態の逆接続保護回路504は、第1実施形態と同様の逆接続保護素子51、昇圧回路53、及びゲート電圧調整回路60の他に、電路開閉素子41、ソース電圧検出部58、及びソース電圧調整回路(図中「Vs調整回路」))40を備える。
電路開閉素子41は、バッテリ2が順接続された時、バッテリ2から負荷側回路3への通電を遮断可能である。例えば回路内の短絡により過電流が流れた時、電路開閉素子41が遮断されることで負荷側回路3が保護される。一般に電路開閉素子41は、「電源リレー」や「フェールセーフリレー」とも呼ばれる。電路開閉素子41は、逆接続保護素子51と同様にNチャネルMOSFETで構成され、逆接続保護素子51のバッテリ2側に直列接続されている。
詳しくは、電路開閉素子41のドレイン端子41dはバッテリ2に接続され、ソース端子41sは逆接続保護素子51のソース端子51sに接続されている。電路開閉素子41の寄生ダイオード42は、ソース端子41s側からドレイン端子41d側への電流を導通する。電路開閉素子41のゲート端子41gは昇圧回路53に接続されている。昇圧回路53は、逆接続保護素子51のゲート端子51g及び電路開閉素子41のゲート端子41gに電圧を供給する。電路開閉素子41は、ゲート端子41gとソース端子41sとの間の電圧であるゲートソース間電圧がオン閾値以上になったときオンする。
ソース電圧検出部58は、逆接続保護素子51のソース端子51sと電路開閉素子41のソース端子41sとの間の電圧を検出する。この電圧は、逆接続保護素子51及び電路開閉素子41の共通のソース電圧であるが、便宜上、「逆接続保護素子51のソース電圧Vs」として記載する。特許文献2に参照されるように、第4実施形態では逆接続保護素子51のソース電圧Vsに基づいて、逆接続保護素子51のオープン故障やショート故障を検出可能である。故障検出時には電路開閉素子41及び逆接続保護素子51がいずれもオフされる。
ソース電圧調整回路40は、逆接続保護素子51のソース電圧Vsを調整する。例えばバッテリ電圧が12Vのとき、ソース電圧調整回路40は、逆接続保護素子51のソース電圧Vsを12Vと0Vとの中間の電圧値(例えば5V)に調整可能である。
第4実施形態において電路開閉素子41及び逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加された場合の課題は、第1~第3実施形態と同様である。第4実施形態でも第1実施形態と同様に、負サージ電圧が発生したとき、インバータ32の上下アームスイッチング素子33、35の寄生ダイオード34、36、又は、「他の回路の導通素子」であるダイオード59が負サージ電流経路を形成する。
ゲート電圧調整回路60及びソース電圧調整回路40は、電路開閉素子41及び逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されていないとき、ゲートソース間電圧がオン閾値Vth未満となり、電路開閉素子及び逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、ソース電圧Vsの低下によりゲートソース間電圧がオン閾値Vth以上となるように、逆接続保護素子51のゲート電圧Vg及びソース電圧Vsを調整する。
要するに第4実施形態では、逆接続保護素子51のゲート電圧Vgだけでなくソース電圧Vsも調整する。これにより、電路開閉素子41及び逆接続保護素子51が直列接続された回路において、電路開閉素子及び逆接続保護素子51のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、逆接続保護素子51を確実にオンさせることができる。よって、第1実施形態と同様に、負サージ電圧に対して必要な負耐圧を低減することができる。
(その他の実施形態)
(a)電源2はバッテリに限らず、交流を直流に変換する回路で構成されてもよい。負荷側回路3における電気負荷31はモータに限らず、どのような電気負荷でもよい。負荷駆動回路32はインバータ回路に限らず、Hブリッジ回路等でもよい。
(a)電源2はバッテリに限らず、交流を直流に変換する回路で構成されてもよい。負荷側回路3における電気負荷31はモータに限らず、どのような電気負荷でもよい。負荷駆動回路32はインバータ回路に限らず、Hブリッジ回路等でもよい。
(b)負荷駆動回路32が「直列接続された上アームスイッチング素子及び下アームスイッチング素子からなる一対以上の素子対」を含む構成において、上アームスイッチング素子33及び下アームスイッチング素子35は、IGBT等のバイポーラトランジスタで構成されてもよい。その場合、低電位側から高電位側への電流を導通する還流ダイオード34、36が並列接続される。還流ダイオード34、36は、MOSFETの寄生ダイオードに代わり、負サージ電流経路を形成する。
(c)逆接続保護素子51及び電路開閉素子41は、NチャネルMOSFETに限らず、MOSFET以外のNチャネルFETで構成されてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
2 ・・・バッテリ(電源)、
3 ・・・負荷側回路、
31・・・モータ(電気負荷)、
32・・・インバータ(負荷駆動回路)、
34、36・・・寄生ダイオード(還流ダイオード、負荷駆動回路の導通素子)、
40・・・ソース電圧調整回路、
41・・・電路開閉素子、
41s・・・ソース端子、 41d・・・ドレイン端子、 41g・・・ゲート端子、
42・・・寄生ダイオード、
501-504・・・逆接続保護回路、
51・・・逆接続保護素子、
51s・・・ソース端子、 51d・・・ドレイン端子、 51g・・・ゲート端子、
52・・・寄生ダイオード、
53・・・昇圧回路、
58・・・ソース電圧検出部、
59・・・ダイオード(他の回路の導通素子)、
60・・・ゲート電圧調整回路。
3 ・・・負荷側回路、
31・・・モータ(電気負荷)、
32・・・インバータ(負荷駆動回路)、
34、36・・・寄生ダイオード(還流ダイオード、負荷駆動回路の導通素子)、
40・・・ソース電圧調整回路、
41・・・電路開閉素子、
41s・・・ソース端子、 41d・・・ドレイン端子、 41g・・・ゲート端子、
42・・・寄生ダイオード、
501-504・・・逆接続保護回路、
51・・・逆接続保護素子、
51s・・・ソース端子、 51d・・・ドレイン端子、 51g・・・ゲート端子、
52・・・寄生ダイオード、
53・・・昇圧回路、
58・・・ソース電圧検出部、
59・・・ダイオード(他の回路の導通素子)、
60・・・ゲート電圧調整回路。
Claims (8)
- 電気負荷(31)と、前記電気負荷を駆動する負荷駆動回路(32)とを含む負荷側回路(3)に対して、電源(2)が逆接続された場合に前記負荷側回路を保護するように構成された逆接続保護回路(501、502、503)であって、
NチャネルFETで構成され、ソース端子(51s)が前記電源に接続され、ドレイン端子(51d)が前記負荷駆動回路に接続され、ソース端子側からドレイン端子側への電流を導通する寄生ダイオード(52)を有し、ゲート端子(51g)とソース端子との間の電圧であるゲートソース間電圧がオン閾値(Vth)以上になったときオンする逆接続保護素子(51)と、
前記電源の電圧を昇圧した昇圧電圧(Vboost)を生成し、前記逆接続保護素子のドレイン端子及びゲート端子に電圧を供給する昇圧回路(53)と、
前記昇圧回路と前記逆接続保護素子のゲート端子との間に設けられ、前記逆接続保護素子のゲート端子に入力されるゲート電圧を調整するゲート電圧調整回路(60)と、
を備え、
負サージ電圧が発生したとき低電位側から高電位側に向かって前記逆接続保護素子のドレイン端子に至る負サージ電流電流経路が、前記負荷駆動回路又は他の回路の導通素子(34、36、59)により形成され、
前記ゲート電圧調整回路は、
前記逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されていないとき、ゲートソース間電圧が前記オン閾値未満となり、前記逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、ソース電圧の低下によりゲートソース間電圧が前記オン閾値以上となるように、前記逆接続保護素子のゲート電圧を調整する逆接続保護回路。 - 電気負荷(31)と前記電気負荷を駆動する負荷駆動回路(32)とを含む負荷側回路(3)に対して、電源(2)が逆接続された場合に前記負荷側回路を保護するように構成された逆接続保護回路(504)であって、
NチャネルFETで構成され、ドレイン端子(51d)が前記負荷駆動回路に接続され、ソース端子(51s)側からドレイン端子側への電流を導通する寄生ダイオード(52)を有し、ゲート端子(51g)とソース端子との間の電圧であるゲートソース間電圧がオン閾値以上になったときオンする逆接続保護素子(51)と、
NチャネルFETで構成され、ドレイン端子(41d)が前記電源に接続され、ソース端子(41s)が前記逆接続保護素子のソース端子に接続され、ソース端子側からドレイン端子側への電流を導通する寄生ダイオード(42)を有し、ゲート端子(41g)とソース端子との間の電圧であるゲートソース間電圧がオン閾値以上になったときオンする電路開閉素子(41)と、
前記電源の電圧を昇圧した昇圧電圧(Vboost)を生成し、前記逆接続保護素子のゲート端子及び前記電路開閉素子のゲート端子に電圧を供給する昇圧回路(53)と、
前記昇圧回路と前記逆接続保護素子のゲート端子との間に設けられ、前記逆接続保護素子のゲート端子に入力されるゲート電圧を調整するゲート電圧調整回路(60)と、
前記逆接続保護素子のソース端子と前記電路開閉素子のソース端子との間において前記逆接続保護素子のソース電圧を検出するソース電圧検出部(58)と、
前記逆接続保護素子のソース電圧を調整するソース電圧調整回路(40)と、
を備え、
負サージ電圧が発生したとき低電位側から高電位側に向かって前記逆接続保護素子のドレイン端子に至る負サージ電流電流経路が、前記負荷駆動回路又は他の回路の導通素子(34、36、59)により形成され、
前記ゲート電圧調整回路及び前記ソース電圧調整回路は、
前記電路開閉素子及び前記逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されていないとき、ゲートソース間電圧が前記オン閾値未満となり、前記電路開閉素子及び前記逆接続保護素子のオフ時に負サージ電圧が印加されたとき、ソース電圧の低下によりゲートソース間電圧が前記オン閾値以上となるように、前記逆接続保護素子のゲート電圧及びソース電圧を調整する逆接続保護回路。 - 前記負荷駆動回路は、直列接続された上アームスイッチング素子(33)及び下アームスイッチング素子(35)からなる一対以上の素子対を含み、
前記上アームスイッチング素子及び前記下アームスイッチング素子は、低電位側から高電位側への電流を導通する寄生ダイオード(34、36)を有するMOSFET、又は、低電位側から高電位側への電流を導通する還流ダイオードが並列接続されたトランジスタで構成されており、
負サージ電圧が発生したとき、前記上アームスイッチング素子及び前記下アームスイッチング素子の寄生ダイオード又は還流ダイオードが前記負サージ電流経路を形成する請求項1または2に記載の逆接続保護回路。 - 負サージ電圧が印加されて前記逆接続保護素子がオンしたとき、前記逆接続保護素子のソース電圧は、前記上アームスイッチング素子及び前記下アームスイッチング素子の寄生ダイオード又は還流ダイオードの電圧降下(Vf)に応じた一定の値にクランプされる請求項3に記載の逆接続保護回路。
- 前記昇圧回路の内部にコンデンサを有しているか、又は、前記昇圧回路にコンデンサ(22)が接続されており、
負サージ電圧が印加されている期間中の前記逆接続保護素子のゲートソース間電圧が前記オン閾値以上の状態を維持するように、前記コンデンサの時定数が設定されている請求項1~4のいずれか一項に記載の逆接続保護回路。 - 前記逆接続保護素子のゲート端子は、前記昇圧回路の出力端子(53o)とグランドとの間に接続された複数の抵抗(R0、R1、R2)間の分圧点(N1、N2)に接続されており、
前記ゲート電圧調整回路は、
前記逆接続保護素子をオンするとき前記分圧点とグランドとの間の経路を遮断し、前記逆接続保護素子をオフするとき前記分圧点とグランドとの間の経路を接続する一つ以上のゲート電圧調整スイッチ(Tr1、Tr2)が設けられている請求項1~5のいずれか一項に記載の逆接続保護回路。 - 前記逆接続保護素子のソース電圧を検出するソース電圧検出部(58)を備え、
前記ゲート電圧調整回路は、
前記ソース電圧に応じて、前記逆接続保護素子のオフ時におけるゲート電圧を二段階以上に調整可能である請求項1~6のいずれか一項に記載の逆接続保護回路。 - 前記電源が逆接続された時、前記逆接続保護素子がオンする回路において、
前記逆接続保護素子がオンしている状態で負サージ電圧が印加された時、前記逆接続保護素子のソース端子とゲート端子との間を接続し、前記逆接続保護素子をオフするスイッチ(Tr3)が設けられている請求項1~7のいずれか一項に記載の逆接続保護回路。
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CN116388136A (zh) * | 2023-06-01 | 2023-07-04 | 盈力半导体(上海)有限公司 | 一种浪涌电流限制电路及芯片 |
-
2021
- 2021-01-20 JP JP2021007230A patent/JP2022111661A/ja active Pending
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CN116388136A (zh) * | 2023-06-01 | 2023-07-04 | 盈力半导体(上海)有限公司 | 一种浪涌电流限制电路及芯片 |
CN116388136B (zh) * | 2023-06-01 | 2023-07-28 | 盈力半导体(上海)有限公司 | 一种浪涌电流限制电路及芯片 |
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