JP2022108856A - 離型フィルム - Google Patents

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潤 岡田
Jun Okada
基 佐藤
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Abstract

【課題】外観が良好な成形体が得られる離型フィルムを提供する。【解決手段】本発明の離型フィルムは、熱機械分析(TMA)測定において昇温速度2℃/分、荷重500mNの条件で離型フィルムをTD方向に引張り測定された温度と当該離型フィルムの長さの寸法変化量との関係より得られるTMA曲線において、以下の(a)を満たす。(a)170℃における寸法変化量をX1(%)とし、190℃における寸法変化量をX2(%)とし、(X2-X1)/(190-170)をα1としたとき、α1が0.1~1.0である。【選択図】図1

Description

本発明は、離型フィルムに関する。
従来、離型フィルムの分野では様々な技術が開発されている。例えば、半導体装置の製造プロセスの分野においては、金型と、成形対象物との間に離型フィルムを配置し、トランスファーモールド成形法やコンプレッションモールド成形法などの成形手法により、半導体素子などの電子部材が搭載された成形対象物を樹脂封止することにより、成形体を製造することが知られている(例えば、特許文献1、2)。離型フィルムが、金型と、成形対象物との間に配置されることにより、樹脂封止後、金型から成形体を容易にはずすことができる。また、このような金型を用いて樹脂成形する際に用いられる離型フィルムは、一般に、モールド成形用離型フィルムとも呼ばれる。
特開2020-151949号公報 特開2020-19264号公報
しかしながら、従来の離型フィルムを用いて得られた成形体の表面には、離型フィルムに生じたシワやゆがみが転写される場合があり、より高水準で外観が良好な成形体を得る点で改善の余地があった。
本発明者らは、離型フィルムに生じるシワやゆがみの要因について鋭意検討を進めたところ、次のような課題があることを判明した。
通常、下金型のキャビティ凹部の周辺には、離型フィルムをキャビティ凹部の内面に真空密着させるため、真空排気用の吸引口が設けられている。当該キャビティ凹部とその周囲の吸引口をともに覆うように離型フィルムを配置したのち、離型フィルムとキャビティ凹部との間の空気を吸引口から吸引し、真空排気することによって、離型フィルムをキャビティ凹部の内面に真空密着させることができる。この真空排気の際、吸引口に離型フィルムもある程度引き込まれることになるが、離型フィルムの変形量が十分でないと、離型フィルムの一部が吸引口に引き込まれることにより吸引口の近傍の離型フィルムの端部が立ちあがってしまう場合がある。その結果、立ち上がった離型フィルムの端部と下型との間にわずかな隙間が生じ、吸引が十分に行われなくなるために、離型フィルムのキャビティ凹部への密着性が低下して、離型フィルムにシワなどが発生しやすくなることが明らかになった。
また、上金型には、半導体素子などの電子部材が搭載された成形対象物が保持されている。そして、キャビティ凹部内に封止用の樹脂材料が充填された下金型と、成形対象物が固定された上金型とで、成形対象物を上下方向からクランプして圧縮成形することで、樹脂モールドする。この際、下金型の台座が上昇する事で封止用樹脂材料を圧縮する様に圧力が掛かる。この時、キャビティの深さが浅くなるため、離型フィルムとキャビティ凹部の内面との間にわずかな隙間が生じるようになる。そのため、離型フィルムに変形が生じ、ゆがみやシワの要因となることが明らかになった。
そこで、本件発明者らは、かかる課題を解決する観点からさらに鋭意検討を行ったところ、離型フィルムの特性をコントロールするための指標として、所定条件の熱機械分析(TMA)曲線に着目し、所定の温度における寸法変化量の差分に関する2つの指標を新たに考案した。そして、これら指標をそれぞれ制御することで、金型嵌合時の応力に対して十分な伸び(変形)を得つつ、伸びに対して元の形状に戻る(弾性回復)ことで離型フィルムのシワの発生を抑制できることを知見し、本発明を完成させた。また、かかる新たな指標を制御することで、上記のような製法での用途に限られず、離型フィルムのシワやゆがみの発生を効果的に抑制できることが見出された。
本発明によれば、
熱機械分析(TMA)測定において昇温速度2℃/分、荷重500mNの条件で離型フィルムを引張り測定された温度と当該離型フィルムの長さの寸法変化量との関係より得られるTMA曲線において、以下の(a)を満たす、離型フィルムが提供される。
(a)170℃における寸法変化量をX1(%)とし、190℃における寸法変化量をX2(%)とし、(X2-X1)/(190-170)をα1としたとき、
α1が0.1~1.0である。
また、本発明によれば、
熱機械分析(TMA)測定において昇温速度2℃/分、荷重500mNの条件で離型フィルムを引張り測定された温度と当該離型フィルムの長さの寸法変化量との関係より得られるTMA曲線において、以下の(b)を満たす、離型フィルムが提供される。
(b)170℃における寸法変化量をX1(%)とし、190℃における寸法変化量をX2(%)とし、(X2-X1)/(190-170)をα1とし、
25℃における寸法変化量をX3(%)とし、100℃における寸法変化量をX4(%)とし、(X4-X3)/(100-25)をα2としたとき、
α1/α2が6~35である。
本発明によれば、離型フィルムのシワやゆがみの発生を抑制し、外観が良好な成形体が得られる離型フィルムが提供される。
本実施形態の離型フィルムの断面を模式的に示す断面図である
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
また、本明細書中、MD方向とはMachine Directionを表し、樹脂の流れ方向を意図し、TD方向とは、Transverse Directionを表し、垂直方向を意図する。
<離型フィルム>
本実施形態の離型フィルムは、単層構造であってもよく、離型フィルムの少なくとも一方の面、すなわち離型面となる離型層と、当該離型層とは異なる材料からなる基材層と、を含む多層構造であってもよい。十分な伸びと、伸びに対する弾性回復とをより高水準で両立する観点から、多層構造であることが好ましい。以下、離型フィルムが多層構造である場合を一例として、詳細を説明する。
図1は、本実施形態の離型フィルムの断面を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の離型フィルム11は、基材層2と、基材層2の上に積層された離型層1を備える。
本実施形態の離型フィル11は、熱機械分析(TMA)測定において昇温速度2℃/分、荷重500mNの条件で離型フィルムを引張り測定された温度と当該離型フィルムの長さの寸法変化量との関係より得られるTMA曲線において、以下の(a)を満たす。
(a)170℃における寸法変化量をX1(%)とし、190℃における寸法変化量をX2(%)とし、(X2-X1)/(190-170)をα1としたとき、
α1が0.1~1.0である。
または、本実施形態の離型フィル11は、熱機械分析(TMA)測定において昇温速度2℃/分、荷重500mNの条件で離型フィルムを引張り測定された温度と当該離型フィルムの長さの寸法変化量との関係より得られるTMA曲線において、以下の(b)を満たす。
(b)170℃における寸法変化量をX1(%)とし、190℃における寸法変化量をX2(%)とし、(X2-X1)/(190-170)をα1とし、
25℃における寸法変化量をX3(%)とし、100℃における寸法変化量をX4(%)とし、(X4-X3)/(100-25)をα2としたとき、
α1/α2が6~35である。
これにより、十分な伸びを得つつ、伸びに対する形状回復性が同時に得られ、離型フィルム11へのシワやゆがみの発生を効果的に抑制できる。かかる理由の詳細は明らかではないが、次のように推測される。
(a)の指標により、金型の加熱時における離型フィルム11の急激な寸法変化量を抑制し、これにより適度な強度が保持され、寸法安定性・形状回復性が得られるため、離型フィルム11にシワやゆがみが生じにくくなると推測される。
また、(b)の指標により、離型フィルム11の使用前の室温状態から、金型に配置され加熱される過程における離型フィルム11の寸法変化量と、金型加熱時における離型フィルム11の寸法変化量とのバランスを制御することで、十分な伸びと伸びに対する回復性とのバランスを高水準で実現することができ、その結果、離型フィルムの使用時に発生し得るシワやゆがみを効果的に抑制できると考えられる。
上記(a)において、α1が0.1~1.0であり、好ましくは0.2~0.9、更に好ましくは0.3~0.7である。
上記(b)において、α1/α2が6~35であり、好ましくは8~30、更に好ましくは10~28である。
本実施形態において、熱機械分析(TMA)測定は、市販の熱機械分析装置(例えば、TMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)等)を用い、以下の測定条件で測定することができる。
(測定条件)
・温度範囲:0~250℃
・昇温速度:2℃/min
・荷重:500mN
・試験片:4mm幅x10mm
・試験モード:圧縮
本実施形態の離型フィルム11は、さらに、80℃における破断伸度が100%以上850%以下であること好ましく、100~300%であることがより好ましい。
当該破断伸度を上記下限値以上とすることにより、張力に対して柔軟に伸びることができ、当該破断伸度を上記上限値以下とすることにより、伸びに対する形状回復性が得られる。
上記の(a)~(b)の指標、及び破断伸度は、たとえば、離型層1の原材料の種類や配合量、原材料の調製方法、離型フィルム11の製造方法など、公知の方法を適切に選択し組み合わせ、従来法とは異なる手法を用いることで実現することができる。
これらの中でも、たとえば、離型層1の原材料として、シリコーン樹脂を選択した場合は、シリコーン樹脂の種類や配合比率、樹脂の架橋密度や架橋構造等を適切に制御したり、無機充填材の配合比率や無機充填材の分散性を向上させること等が、上記指標を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
また、離型層1を得るための硬化条件、温度、時間を調整することにより、樹脂の架橋密度や架橋構造等を適切に制御でき、上記指標を所望の数値範囲とすることができる。また、たとえば離型フィルムの製造工程において、基材で挟み込んで作製する場合に、その表面状態により表面粗さを変更することも可能である。そのほか、離型層1と基材層2の材料の組み合わせを制御することが有効である。
離型フィルム11の厚みは、5μm以上150μm以下であることが好ましく、10μm以上100μm以下であることがより好ましく、15μm以上80μm以下であることがさらに好ましい。
以下、本実施形態の離型フィルム11が備える各層について説明する。
[離型層]
離型層1は、離型フィルム11の一方の面を形成し、離型面3を有する。
離型層1の厚みは、1μm以上150μm以下であることが好ましく、2μm以上100μm以下であることがより好ましく、5μm以上50μm以下であることがさらに好ましく、30μm以下であることがことさらに好ましい。
離型層1の厚みを上記下限値以上とすることにより、離型フィルム11の剛性を高め、過度に変形し、シワが発生することを抑制しやすくなる。その結果、型追従性、寸法安定性が得られるようになる。一方、離型層1の厚みを上記上限値以下とすることで、離型フィルム11の剛性を制御し、型追従性と離型性のバランスを良好にできる。
離型層1の離型面3は、離型フィルム11の使用時において後述する封止樹脂と接する面となる。離型面3の表面粗さRzは、好ましくは0.05~10μmであり、より好ましくは0.08~7μmである。
離型面3の表面粗さRzを上記下限値以上とすることにより、成形時の離型性と型追従性のバランスを良好にできる。一方、離型面3の表面粗さRzを上記上限値以下とすることにより、型追従性、寸法安定性を保持しつつ、離型性を良好にできる。
離型面3の表面粗さの制御方法は、離型フィルムの製造工程においてエンボス加工が施されたロールを用いてフィルムにエンボス模様を転写したり、離型層の材料に粒子を配合する等、公知の方法で調整することができる。
離型層1の表面粗さRzは、JIS B0601:2013に準拠して測定される。
離型層1は、樹脂を含む第1樹脂組成物から構成される。
第1樹脂組成物に含まれる樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、およびポリアミド樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含むことが好ましく、離型性が良好な離型面3を得る観点から、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂及びポリオレフィン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含むことがより好ましい。中でも、変形と回復を両立する観点から、シリコーン樹脂がより好ましい。
(シリコーン樹脂)
シリコーン樹脂としては特に限定されない。例えば、公知または市販の各種シロキサン系ポリマーなど、2以上のシロキサン結合(-Si-O-)を含む化合物を用いることができる。
シリコーン樹脂としては、例えば、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の中から選ばれる1種または2種を含むことが好ましい。これにより、シリコーンの弾性、圧縮性などといったゴム様の特性が得られ、離型フィルムの十分な伸びと、伸びに対する形状回復性をより得やすくなる。
<<ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)>>
上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、直鎖構造を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を含むことができる。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、例えば、分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ15モル%以下であるのが好ましい。これにより、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中におけるビニル基の量が最適化され、後述する各成分とのネットワークの形成を確実に行うことができる。
なお、本明細書中において、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の重合度は、特に限定されないが、例えば、好ましくは1000~10000程度、より好ましくは2000~5000程度の範囲内である。なお、重合度は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
さらに、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の比重は、特に限定されないが、0.9~1.1程度の範囲であるのが好ましい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、上記のような範囲内の重合度および比重を有するものを用いることにより、得られるシリコーンゴムの耐熱性、難燃性、化学的安定性等の向上を図ることができる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、以下の式(1)で表される構造を有するものであるが好ましい。
Figure 2022108856000002
式(1)中、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
さらに、式(1)中のRおよびRの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(1)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。さらに、R、およびRについても同様である。
さらに、m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0~2000の整数、nは1000~10000の整数である。mは、好ましくは0~1000であり、nは、好ましくは2000~5000である。
また、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の具体的構造としては、例えば以下の式(1-1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2022108856000003
式(1-1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ0.4モル%以下である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)を含んでもよい。第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)のビニル基量は、0.1モル%以下でもよい。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)とビニル基含有量が0.5~15モル%である第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを含有してもよい。
シリコーンゴムの原料である生ゴムとして、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、ビニル基含有量が高い第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを組み合わせることで、ビニル基を偏在化させることができ、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に、より効果的に架橋密度の疎密を形成することができる。その結果、より効果的に離型フィルムの引裂強度を高めるとともに、寸法安定性、転写性を制御しやすくなる。
具体的には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、例えば、上記式(1-1)において、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、分子内に2個以上有し、かつ0.4モル%以下を含む第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と、Rがビニル基である単位および/またはRがビニル基である単位を、0.5~15モル%含む第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを用いるのが好ましい。
また、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)は、ビニル基含有量が0.01~0.2モル%であるのが好ましい。また、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)は、ビニル基含有量が、0.8~12モル%であるのが好ましい。
さらに、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)と第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)とを組み合わせて配合する場合、(A1-1)と(A1-2)の比率は特に限定されないが、例えば、重量比で(A1-1):(A1-2)が50:50~95:5であるのが好ましく、80:20~90:10であるのがより好ましい。
なお、第1および第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)および(A1-2)は、それぞれ1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、分岐構造を有するビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(A2)を含んでもよい。
<<オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)>>
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖構造を有し、かつ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si-H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、離型層1の原材料に含まれる成分が有するビニル基とヒドロシリル化反応し、これらの成分を架橋する重合体である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子量は特に限定されないが、例えば、重量平均分子量が20000以下であるのが好ましく、1000以上、10000以下であることがより好ましい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の重量平均分子量は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算により測定することができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
以上のような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)としては、例えば、以下の式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2022108856000004
式(2)中、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
なお、式(2)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。Rについても同様である。ただし、複数のRおよびRのうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
なお、式(2)中のR,R,Rの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
さらに、m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは2~150整数、nは2~150の整数である。好ましくは、mは2~100の整数、nは2~100の整数である。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、上記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)同様、Siに水素が直接結合した構造(≡Si-H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、離型層1に原材料に含まれる成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋する重合体である。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の比重は、0.9~0.95の範囲である。
さらに、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)としては、以下の平均組成式(c)で示されるものが好ましい。
平均組成式(c)
(H(R3-aSiO1/2(SiO4/2
(式(c)において、Rは一価の有機基、aは1~3の範囲の整数、mはH(R3-aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
式(c)において、Rは一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1~10の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(c)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1~3の範囲の整数、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはH(R3-aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は分岐状構造を有する。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、その構造が直鎖状か分岐状かという点で異なり、Siの数を1とした時のSiに結合するアルキル基Rの数(R/Si)が、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)では1.8~2.1、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)では0.8~1.7の範囲となる。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有しているため、例えば、窒素雰囲気下、1000℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の残渣量が5%以上となる。これに対して、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖状であるため、上記条件で加熱した後の残渣量はほぼゼロとなる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の具体例としては、以下の式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 2022108856000005
式(3)中、Rは炭素数1~8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基、もしくは水素原子である。炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1~8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(3)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(3)中、「-O-Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は、それぞれ、特に限定されない。
ただし、離型層1において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の合計のヒドリド基量が、0.5~5モルとなる量が好ましく、1~3.5モルとなる量がより好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)および分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)との間で、架橋ネットワークを確実に形成させることができる。
(フッ素樹脂)
上記のフッ素系樹脂としては、具体的には、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ペルフルオロアルキルビニルエーテルなどのモノマーの重合体、または、2種以上のモノマーの共重合体などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ポリオレフィン樹脂)
上記のポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン、ブテン等のα-オレフィンに由来する構造単位を有する樹脂であり、公知のものを用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線上低密度ポリエチレン(mLLPE)などのポリエチレン(PE);ポリプロピレン(PP);ポリビニルアルコール(PVA);エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA);エチレン-アクリル酸共重合体(EAA);エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA);エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA);エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA);アイオノマー樹脂;エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、環状オレフィン樹脂(COP)などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ポリエステル樹脂)
上記のポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂(PHT)および、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(エポキシ樹脂)
上記のエポキシ樹脂としては、その分子量、分子構造に関係なく、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を使用することが可能である。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'-(1,4-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂;N,N,N',N'-テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N-ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン類や、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物から選択される一種または二種以上を含むことができる。
(ポリアミド樹脂)
上記のポリアミド樹脂としては、例えば、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド等が挙げられる。脂肪族ポリアミドの具体例としては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6-6,6共重合体、ポリアミド11、ポリアミド12などが挙げられる。芳香族ポリアミドの具体例としては、ポリアミド61、ポリアミド66/6T、ポリアミド6T/6、ポリアミド12/6Tなどが挙げられる。
(メラミン樹脂)
上記のメラミン樹脂は、たとえば、メラミン化合物とホルムアルデヒドを中性または弱アルカリ下において重縮合させて得られる。具体的には、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂等のアルキル化メラミン樹脂、メチロール化メラミン樹脂、アルキルエーテル化メラミン等が挙げられる。
[その他]
第1樹脂組成物は、上述した樹脂の他に、離型フィルム11の特性を損なわない範囲でその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては限定されないが、溶媒、無機充填材、カップリング剤、帯電防止剤、レベリング剤、分散剤、顔料、染料、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。以下、代表成分について説明する。
(溶媒)
第1樹脂組成物)は、離型層1の製造方法に応じて、例えば、溶媒を含んでもよい。溶媒を含む場合、第1樹脂組成物を溶媒に溶解し、塗工することで離型層1を作製することができる。
溶媒としては限定されず、具体的には、水、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、トリフルオロメチルベンゼン、ベンゾトリフルオリドなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタンなどのハロアルカン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド類;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド類などを例示することができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(無機充填材)
本実施形態において、第1樹脂組成物は無機充填材を含んでもよい。これにより、離型層1の表面に微細な凹凸を形成し、離型性を向上できる。
無機充填材としては、特に限定されないが、珪藻土、酸化鉄、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シリカ、溶融シリカ、およびゼオライトからなる群から得られる1種または2種以上を用いてなる粒子が挙げられる。なかでも、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シリカ、溶融シリカ、およびゼオライトからなる群から得られる1種または2種以上が好ましい。
また、シリカの合成方法の違いにより、ヒュームドシリカ(火炎法シリカ)、焼成シリカ、沈降シリカ等が用いられてもよい。
無機充填材は、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填材は、例えば、BET法による比表面積が例えば50~400m/gであることが好ましく、100~400m/gであることがより好ましい。
また、無機充填材の平均一次粒径は、例えば1~100nmであることが好ましく、5~20nm程度であることがより好ましい。
無機充填材として、かかる比表面積および平均粒径の範囲内であるものを用いることにより、形成される離型層1の硬さや機械的強度を向上し、離型性、型追従性、寸法安定性のバランスを向上しやすくなる。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基が無機充填材の表面の水酸基と脱水縮合反応することで、無機充填材の表面改質を行うことができる。
また、シランカップリング剤は、疎水性基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、無機充填材の表面にこの疎水性基が付与されるため、第1樹脂組成物中ひいては離型層1中において、無機充填材の凝集力が低下(シリカ粒子の場合、シラノール基による水素結合による凝集が少なくなる)し、その結果、離型層1中の無機充填材の分散性が向上すると推測される。これにより、無機充填材とゴムマトリックスとの界面が増加し、無機充填材の補強効果が増大する。さらに、ゴムのマトリックス変形の際、マトリックス内での無機充填材の滑り性が向上すると推測される。そして、無機充填材の分散性の向上及び滑り性の向上によって、無機充填材による離型層1の機械的強度(例えば、型追従性、寸法安定性など)が向上する。
さらに、シランカップリング剤は、ビニル基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、無機充填材の表面にビニル基が導入される。そのため、離型層1の硬化の際、すなわち、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)が有するビニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とがヒドロシリル化反応して、これらによるネットワーク(架橋構造)が形成される際に、無機充填材(シリカ粒子の場合)が有するビニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)が有するヒドリド基とのヒドロシリル化反応に関与するため、ネットワーク中に無機充填材も取り込まれるようになる。これにより、形成される離型層1の低硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
シランカップリング剤としては、疎水性基を有するシランカップリング剤およびビニル基を有するシランカップリング剤を併用することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、以下の式(4)で表わされるものが挙げられる。
-Si-(X)4-n (4)
上記式(4)中、nは1~3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
疎水性基は、炭素数1~6のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。
また、親水性基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基またはカルボニル基等が挙げられ、中でも、水酸基が好ましい。なお、親水性基は、官能基として含まれていてもよいが、シランカップリング剤に疎水性を付与するという観点からは含まれていないのが好ましい。
さらに、加水分解性基は、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、クロロ基またはシラザン基等が挙げられ、中でも、無機充填材(シリカ粒子の場合)との反応性が高いことから、シラザン基が好ましい。なお、加水分解性基としてシラザン基を有するものは、その構造上の特性から、上記式(4)中の(Y-Si-)の構造を2つ有するものとなる。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤の具体例は、例えば、官能基として疎水性基を有するものとして、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられ、官能基としてビニル基を有するものとして、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられるが、中でも、上記記載を考慮すると、特に、疎水性基を有するものとしてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するものとしてはジビニルテトラメチルジシラザンであるのが好ましい。
(触媒)
第1樹脂組成物は、離型層1を硬化反応により形成する場合、触媒を含んでもよい。触媒としては、白金または白金化合物が挙げられる。白金または白金化合物としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。白金または白金化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本実施形態において、第1樹脂組成物の各成分の含有割合は特に限定されないが、例えば、以下のように設定される。
本実施形態において、無機充填材の含有量の上限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対し、例えば、60重量部以下でもよく、好ましくは50重量部以下でもよく、さらに好ましくは40重量部以下でもよい。これにより、離型フィルム11の硬さや引裂強度等の機械的強度を良好にし、離型性、型追従性、寸法安定性のバランスを向上できる。また、無機充填材の含有量の下限値は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対し、特に限定されないが、例えば、10重量部以上でもよい。
シランカップリング剤は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、例えば、シランカップリング剤が5重量部以上100重量部以下の割合で含有するのが好ましく、5重量部以上40重量部以下の割合で含有するのがより好ましい。これにより、無機充填材の離型層1中における分散性を確実に向上させることができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の含有量は、具体的にビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)及び無機充填材の及びシランカップリング剤の合計量100重量部に対して、例えば、0.5重量部以上20重量部以下の割合で含有することが好ましく、0.8重量部以上15重量部以下の割合で含有するのがより好ましい。(B)の含有量が上記範囲内であることで、より効果的な硬化反応ができる可能性がある。
[離型層の製造方法]
次に、本実施形態の離型層1の製造方法について説明する。
本実施形態の離型層1の製造方法としては、上記の第1樹脂組成物を調製し、第1樹脂組成物をフィルム状にし、硬化させることにより離型層1を得ることができる。
以下、詳述する。
まず、第1樹脂組成物の各成分を、任意の混練装置により、均一に混合して第1樹脂組成物を調製する。
以下、樹脂としてシリコーン樹脂を用いた例を挙げて、詳細を説明する。
[1]たとえば、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、無機充填材と、シランカップリング剤とを所定量秤量し、その後、任意の混練装置により、混練し、混練物を得る。
また、この混練物を得る際には、必要に応じて水を添加してもよい。これにより、シランカップリング剤と無機充填材との反応をより確実に進行させることができる。
さらに、上記の混練は、第1温度で加熱する第1ステップと、第2温度で加熱する第2ステップとを経るようにするのが好ましい。これにより、第1ステップにおいて、無機充填材の表面をカップリング剤で表面処理することができるとともに、第2ステップにおいて、無機充填材とカップリング剤との反応で生成した副生成物を混練物中から確実に除去することができる。その後、必要に応じて、得られた混練物に対して、成分(A)を添加し、更に混練してもよい。これにより、混練物の成分のなじみを向上させることができる。
第1温度は、例えば、40~120℃程度であるのが好ましく、例えば、60~90℃程度であるのがより好ましい。第2温度は、例えば、130~210℃程度であるのが好ましく、例えば、160~180℃程度であるのがより好ましい。
また、第1ステップにおける雰囲気は、窒素雰囲気下のような不活性雰囲気下であるのが好ましく、第2ステップにおける雰囲気は、減圧雰囲気下であるのが好ましい。
さらに、第1ステップの時間は、例えば、0.3~1.5時間程度であるのが好ましく、0.5~1.2時間程度であるのがより好ましい。第2ステップの時間は、例えば、0.7~3.0時間程度であるのが好ましく、1.0~2.0時間程度であるのがより好ましい。
第1ステップおよび第2ステップを、上記のような条件とすることで、前記効果をより顕著に得ることができる。
[2]次に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、触媒とを所定量秤量し、その後、任意の混練装置を用いて、上記工程[1]で調製した混練物に、各成分を混練することで、第1樹脂組成物を得る。得られた第1樹脂組成物は溶剤を含むペーストであってもよい。
なお、この各成分(B)、触媒の混練の際には、予め上記工程[1]で調製した混練物とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)とを、上記工程[1]で調製した混練物と触媒とを混練し、その後、それぞれの混練物を混練するのが好ましい。これにより、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応を進行させることなく、各成分を第1樹脂組成物中に確実に分散させることができる。
各成分(B)、触媒を混練する際の温度は、ロール設定温度として、例えば、10~70℃程度であるのが好ましく、25~30℃程度であるのがより好ましい。
さらに、混練する時間は、例えば、5分~1時間程度であるのが好ましく、10~40分程度であるのがより好ましい。
上記工程[1]および上記工程[2]において、温度を上記範囲内とすることにより、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応の進行をより的確に防止または抑制することができる。また、上記工程[1]および上記工程[2]において、混練時間を上記範囲内とすることにより、各成分を第1樹脂組成物中により確実に分散させることができる。
なお、各工程[1]、[2]において使用される混練装置としては、特に限定されないが、例えば、ニーダー、2本ロール、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、加圧ニーダー等を用いることができる。
また、本工程[2]において、混練物中に1-エチニルシクロヘキサノールのような反応抑制剤を添加するようにしてもよい。これにより、混練物の温度が比較的高い温度に設定されたとしても、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応の進行をより的確に防止または抑制することができる。
[3]次に、工程[2]で得られた第1樹脂組成物を、溶剤に溶解させることにより、ペースト化してもよい。
[4]次に、第1樹脂組成物を、フィルム状に加工し、硬化させることにより離型層1を形成する。
具体的には、第1樹脂組成物を押出成形法またはカレンダー成形法、プレス成型法、コーティング等によりフィルム状に成形する。なお、フィルム製膜時にロール等の表面形状を転写・エンボス加工を施してもよい。
本実施形態において、第1樹脂組成物の硬化工程は、例えば、100~250℃で1~30分間加熱(1次硬化)した後、100~250℃で1~4時間ポストベーク(2次硬化)することによって行われる。
以上のような工程を経ることで、本実施形態の第1樹脂組成物を用いた離型層1、すなわち離型フィルム11が得られる。
[基材層2]
本実施形態の離型フィルム11において、基材層2は、離型フィルム11の形状安定性、製造安定性、及び離型層の離型機能等を発揮させるため、適度な剛性を付与する観点から用いられる。
基材層2の厚みは、5μm以上50μm以下であることが好ましく、9μm以上35μm以下であることがより好ましく、12μm以上25μm以下であることがさらに好ましい。
基材層2の厚みを上記前記下限値以上とすることにより、離型フィルム11の剛性を高め、過度に変形し、シワが発生することを抑制しやすくなる。その結果、型追従性、寸法安定性が得られるようになる。一方、基材層2の厚みを上記上限値以下とすることで、離型フィルム11の剛性を制御し、型追従性と離型性のバランスを良好にできる。
基材層2の材料としては、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリオレフィン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
上記ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂としては、上記離型層1で説明したのと同様ものが挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂が好適に挙げられる。
また、基材層2として、延伸フィルムを使用してもよく、延伸は逐次二軸延伸、同時二軸延伸、およびチューブラー延伸等の公知の方法を用いて製造することが出来る。
[離型フィルムの製造方法]
離型フィルム11の形成方法としては、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、インフレーション法等公知の方法を用いて製造することができる。基材層2の表面に、ペースト状に調製した第1樹脂組成物を塗工することで、基材層2の上に離型層1を形成してもよい。
離型フィルム11においては、例えば、離型層1と基材層2とを、別々に製造してからラミネーター等により接合してもよい。また、離型層1と基材層2をそのまま接合してもよいし、接着層を介して接合してもよい。
基材層2を製造する方法としては限定されず、具体的には、インフレーション押出法、Tダイ押出法などが挙げられる。
[離型フィルムの用途・使用方法]
本実施形態の離型フィルム11は、半導体装置の樹脂封止工程において、封止樹脂が供給される型と樹脂封止される半導体装置との間に配置される用途に供される。すなわち、いわゆる、モールド成形用離型フィルムであってもよく、他の用途であってもよい。他の用途としては、例えば、回路が露出したフレキシブルフィルム(以下「回路露出フィルム」とも称する)に接着剤を介してカバーレイフィルム(以下「CLフィルム」とも称する)を加熱プレスにより接着してフレキシブルプリント回路基板(以下「FPC」とも称する)を作製する際に、カバーフィルムと金型との間に配置される用途が挙げられる。また、例えば、CFRP等の熱硬化性樹脂のプリプレグを硬化させる時の離型フィルム、熱硬化性樹脂の成形用離型フィルム、立体形状を有する製品へ印刷等を施す加飾用転写離型フィルム等としても使用できる。
以下、離型フィルム11を用いた樹脂封止半導体装置の製造方法の一例について説明する。
樹脂封止半導体装置の製造方法は、以下の工程を含む。
(工程1)半導体装置の準備工程
(工程2)離型フィルムの設置工程
(工程3)封止樹脂の供給工程
(工程4)硬化工程
(工程5)成形体の脱型工程
以下各工程についての詳細を説明する。
(工程1)半導体装置の準備工程
半導体装置は、支持体に設けられた回路配線上の電極パッドと、半導体素子に設けられた電極と、を電気的に接続したものである。
半導体素子としては、発光素子や受光素子などの光素子が例示される。発光素子としては、LEDチップ(発光ダイオード)が例示され、受光素子としては、イメージセンサが例示される。
また、支持体は、円形状或いは多角形状等の任意の形状で形成された基板である。支持体としては、セラミックス基板、シリコーン基板、金属基板、エポキシ樹脂及びBTレジン等のリジット基板、又は、ポリイミド樹脂及びポリエチレン基板等のフレキシブル基板が例示される。
(工程2)離型フィルムの設置工程
離型フィルム11を、封止樹脂が供給されるためのキャビティ凹部を有する下金型に配置する。このとき離型フィルム11の離型面3が表側、すなわち後に供給される封止樹脂と接するように配置する。
また、離型フィルム11は、下金型のキャビティ凹部内およびキャビティ凹部を囲む平面部の表面に沿って配設される。このとき、キャビティ凹部を囲む平面部には、離型フィルム11が下金型のキャビティ凹部の形状に追従させるための吸引口が設けられている。かかる吸引口から、吸引装置などを用いて離型フィルム11と型との間の空間にある空気・水分・ガス等を吸引排出して、真空吸着する。さらに、離型フィルム11を型にしっかりと固定するために、封止樹脂注入領域の外周部、離型フィルム11全体の外周部、又は、型全体の外周部に対応する位置に配されたチャック機構によって、離型フィルム11を挟持してもよい。
型としては、公知の金型及び樹脂性金型が例示される。
(工程3)封止樹脂の供給工程
次に、型の凹部であって、離型フィルム11が配置された領域に封止樹脂を供給する。供給方法は公知の方法を用いることができる。また、封止樹脂は、公知の樹脂を用いることができるが、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン変形エポキシ系樹脂等の1種またはこれらの混合物、ならびにこれらの前駆体などが挙げられる。
本実施形態において、離型フィルム11をコンプレッションモールド成形法(圧縮成形法)に適用する場合、封止樹脂の形状は、タブレット状、顆粒状、封粒状またはシート状に加工されたものであることが好ましい。
型内において、封止樹脂は所定温度に加熱され、流動状態となっている。
(工程4)硬化工程
次に、成形対象物が落下しないよう、当該成形対象物の外縁を保持するための突起状の固定具が設けられた上金型に、成形対象物となる半導体装置を取り付け、半導体装置の半導体素子が設けられた面を下金型に対向させ、封止樹脂が凹部に供給された型に対して、圧接する。このとき、上金型の固定具は、下金型の溝部に嵌合し、半導体素子が封止樹脂によって覆われる。続けて封止樹脂を、加熱加圧することによって、硬化し、成形体を得る。
なお、封止樹脂が硬化性樹脂の前駆体である場合は、加熱及び活性エネルギー線照射によって硬化してもよい。上記の活性エネルギー線としては、放射線、紫外線、可視光線及び電子線が例示される。
(工程5)成形体の脱型工程
その後、成形体を型から外す。成形体の脱型工程は、離型フィルム11と型との間に空気・水分・ガス等を供給することにより、離型フィルム11が型から剥がされると共に、成形体が脱型される。これと同時またはのちに、離型フィルム11は成形体から離型する。
支持体に設けられた半導体素子が1つの場合、この成形体が樹脂封止半導体装置となる。
これにより、外観が良好な半導体装置が得られる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(1)原料
表1に示す実施例および比較例で用いた原料成分を以下に示す。
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A))
・低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1):合成スキーム1により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1-1)で表わされる構造でR(末端)のみがビニル基である構造)
・高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2):合成スキーム2により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1-1)で表わされる構造でRおよびRがビニル基である構造)
(オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B))
・モメンティブ社製:「TC-25D」
(無機充填材)
・無機充填材(C):シリカ微粒子(粒径7nm、比表面積300m/g)、日本アエロジル社製、「AEROSIL300」
(シランカップリング剤)
・シランカップリング剤(D-1):ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、Gelest社製、「HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)」
・シランカップリング剤(D-2):ジビニルテトラメチルジシラザン、Gelest社製、「1,3-DIVINYLTETRAMETHYLDISILAZANE(SID4612.0)」
(白金または白金化合物(E))
・モメンティブ社製:「TC-25A」
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合成)
[合成スキーム1:低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)の合成]
以下の式(5)にしたがって、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)を合成した。
すなわち、Arガス置換した、冷却管および攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)、カリウムシリコネート0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。なお、この際、粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。そして、3時間後、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
さらに、4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-1)を得た(Mn=2.2×10、Mw=4.8×10)。また、H-NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.04モル%であった。
Figure 2022108856000006
[合成スキーム2:高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)の合成]
上記(A1-1)の合成工程において、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)に加えて2,4,6,8-テトラメチル2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン0.86g(2.5mmol)を用いたこと以外は、(A1-1)の合成工程と同様にすることで、以下の式(6)のように、高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1-2)を合成した。(Mn=2.3×10、Mw=5.0×10)。また、H-NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.93モル%であった。
Figure 2022108856000007
(2)第1樹脂組成物の調製(離型層の準備)
次のようにして各第1樹脂組成物を調製した。
まず、以下の表1に示す割合で、90%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤および水(F)の混合物を予め混練し、その後、混合物に無機充填材を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、無機充填材添加後の混練は、カップリング反応のために窒素雰囲気下、60~90℃の条件下で1時間混練する第1ステップと、副生成物(アンモニア)の除去のために減圧雰囲気下、160~180℃の条件下で2時間混練する第2ステップとを経ることで行い、その後、冷却し、残り10%のビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を2回に分けて添加し、20分間混練した。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、以下の表1に示す割合で、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)(TC-25D)および白金または白金化合物(E)(TC-25A)を加えて、ロールで混練し、各第1樹脂組成物を得た。
Figure 2022108856000008
(3)基材層を備える離型フィルムの作成
<実施例1>
表2に示すように、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(OPBT1:東洋紡社製、東洋紡エステル(登録商標)フィルム、DE048)15μm厚を基材層とし、基材層上に上記(2)で調製した第1樹脂組成物からなるペースト(固形分量25質量%、溶剤デカン)を、バーコーターを用いて塗工し、180℃、120分で硬化させ、基材層上に離型層を備える離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの離型層の厚みは35μm、離型層の離型面の表面粗さRzは0.1μmであった。
<実施例2>
表2に示すように、第1樹脂組成物からなるペーストを用いた製膜工程においてマットフィルムを挟み込むことにより、離型層の表面に凹凸加工を行った以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<実施例3>
表2に示すように、離型層の厚みを10μmに変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<実施例4>
表2に示すように、離型層の厚みを70μmに変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<実施例5>
表2に示すように、離型層の形成に用いられた第1樹脂組成物を表2に示す組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<実施例6>
表2に示すように、基材層を二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(OPET2:興人フィルム&ケミカルズ社製、ボブレット ST20)20μm厚、離型層の厚みを30μmに変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<実施例7>
表2に示すように、基材層を二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET1:東洋紡社製、東洋紡エステル(登録商標)フィルム)9μm厚、離型層の厚みを41μmに変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<実施例8>
表2に示すように、基材層を二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東洋紡社製、東洋紡エステル(登録商標)フィルム、)12μm厚、離型層の厚みを38μmに変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<実施例9>
表2に示すように、基材層を二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET2:東洋紡フィルムソリューション社製、テフレックス(登録商標)フィルム FW2)13μm厚、離型層の厚みを37μmに変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<比較例1>
表2に示すように、離型層の形成に用いられた第1樹脂組成物を表2に示す組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<比較例2>
表2に示すように、基材層を二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET1:東洋紡社製、東洋紡エステル(登録商標)フィルム)19μm厚、離型層の厚みを31μmに変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<比較例3>
表2に示すように、基材層をポリ4-メチル1-ペンテン樹脂(三井化学社製、TPX RT31)を用いて作製したフィルム(35μm厚み)に変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
<比較例4>
表2に示すように、基材層をポリブチレンテレフタレートエラストマー樹脂(東レ・デュポン製、ハイトレル 6347)を用いて作製したフィルム(25μm厚み)、離型層の厚みを25μmに変更した以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを作成した。
(4)測定・評価
得られた離型フィルムを用いて、以下の測定・評価を行った。結果を表2に示す。
(a)~(b);熱機械分析(TMA)測定において昇温速度2℃/分、荷重500mNの条件でTMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)測定した。TMA曲線から、170℃における寸法変化量X1(%)、190℃における寸法変化量X2(%)、25℃における寸法変化量X3(%)、100℃における寸法変化量X4(%)を求め、以下の式に当てはめ、α1、α1/α2をそれぞれ算出した。
(X2-X1)/(190-170)=α1
(X4-X3)/(100-25)=α2
熱機械分析(TMA)測定は、熱機械分析装置(TMA7100(日立ハイテクサイエンス社製))を用い、以下の測定条件を用いて測定した。
(測定条件)
・温度範囲:0~250℃
・昇温速度:2℃/min
・荷重:500mN
・試験片:4mm幅x10mm
・試験モード:圧縮
(c)破断伸度;離型フィルム11の180℃における破断伸度を、JIS-K7127に準拠して測定した。
(i)離型フィルムの離型面の表面粗さRzの測定
JIS B0601:2013に準拠して測定した。
(ii)成形体の外観の評価
まず、封止用の樹脂として、以下の顆粒状の熱硬化性樹脂組成物のタブレットを作製した。
(原料)
・エポキシ樹脂1:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC-3000)
・エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YL6677)
・硬化剤1:ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂(日本化薬社製、GPH-65)
・硬化剤2:ホルムアルデヒドで変性したトリフェニルメタン型フェノール樹脂(エア・ウォーター社製、HE910-20)
・硬化促進剤:トリフェニルホスフィン(北興化学工業社製、TPP)
・無機充填材:溶融球状シリカ(電気化学工業社製、FB-950FC)
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学社製、MA-600)
・カップリング剤:N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、KBM-573)
・離型剤:カルナバワックス(日興ファイン社製、ニッコウカルナバ)
(手順)
上述したエポキシ樹脂1を4.5質量部、エポキシ樹脂2を4.5質量部、硬化剤1を2.8質量部、硬化剤2を2.8質量部、硬化促進剤を0.4質量部、無機充填材を84.2質量部、着色剤を0.2質量部、カップリング剤を0.4質量部、離型剤を0.2質量部準備した。次いで、各原料成分を常温でミキサーを用いて混合した後、45℃及び90℃の2本ロールで加熱しながらロール混練し、混練物を得た。次いで、前記混練物を冷却した後、これを粉砕し、顆粒状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
次に、各離型フィルムを用いて、以下のような手順で熱硬化性樹脂組成物の硬化(樹脂封止)を行った。
まず、厚み0.4mm、幅65mm、長さ190mmの有機基板上に、厚み0.3mm、7.5mm角の半導体素子を5個銀ペーストにて接着し、径18μm、長さ7mmの金線ワイヤをピッチ間隔60μmでボンディングした。次いで、圧縮成形機(TOWA(株)製、PMC1040)の金型温度を予め175℃とした。次いで、有機基板を、半導体素子を搭載した面が下金型へ対向するよう、上金型に固定した。次いで、下金型上に各実施例及び比較例で作成した離型フィルムを配置した後、金型内部空間を真空引きすることにより、該離型フィルムを金型に追従させた。その後、当該離型フィルム上に用意した顆粒状の熱硬化性樹脂組成物(封止用樹脂組成物)を均一に供給した。次いで、封止用樹脂組成物を供給した直後に、有機基板と離型フィルムの間隔が4mmとなるところまで金型を型締めすると同時に下金型と上金型により形成されるキャビティ内を4秒で減圧度0.8Torrに減圧した後、減圧を継続しながら12秒で金型を完全に型締めして、成形圧力3.9MPa、硬化時間90秒の条件で封止成形を行った。
(iii)離型フィルムの評価
[型追従性]
上記手順において、離型フィルムを真空引きによって金型に追従させたときの金型と離型フィルムとの間の空気だまりの程度について以下の基準で評価した。
◎;空気溜まりが不発生
〇;微小な空気溜まりはあるが、実用上問題なし
△;微小な空気溜まりがあり、フィルム吸着の真空度が低下していた
×;空気溜まりが大きく追従不良が発生(又は評価不能)
[寸法安定性]
上記手順において、成形後の離型フィルムから硬化物を離型した後の硬化物の外観状態(シワなど)について以下の基準で評価した。
〇;シワ、変形が無く問題無し
△;若干のシワがあるが、実用上問題なし
×;大きなシワ、成形不良が発生していた
[離型性]
上記手順において、成形後の離型フィルムから硬化物を離型した時の離型挙動、及び硬化物の状態(ズレ、撓みなど)から以下の基準で評価した。
〇;離型、成形品共に問題無し
△;離型時に成形品のズレや撓みがあるが、実用上問題なし
×;離型不能、又は成形品に大きなズレや撓みが発生していた
[層間強度]
上記手順において、成形後の離型フィルムから硬化物を離型した時の離型層の状態から以下の基準で評価した。
〇;離型層の剥離無く問題無し
△;基材層から一部離型層の浮きが有るが、実用上問題なし
×;離型層が基材層から大きく剥離した
Figure 2022108856000009
1 離型層
2 基材層
3 離型面
11 離型フィルム

Claims (5)

  1. 熱機械分析(TMA)測定において昇温速度2℃/分、荷重500mNの条件で離型フィルムを引張り測定された温度と当該離型フィルムの長さの寸法変化量との関係より得られるTMA曲線において、以下の(a)を満たす、離型フィルム。
    (a)170℃における寸法変化量をX1(%)とし、190℃における寸法変化量をX2(%)とし、(X2-X1)/(190-170)をα1としたとき、
    α1が0.1~1.0である。
  2. 熱機械分析(TMA)測定において昇温速度2℃/分、荷重500mNの条件で離型フィルムを引張り測定された温度と当該離型フィルムの長さの寸法変化量との関係より得られるTMA曲線において、以下の(b)を満たす、離型フィルム。
    (b)170℃における寸法変化量をX1(%)とし、190℃における寸法変化量をX2(%)とし、(X2-X1)/(190-170)をα1とし、
    25℃における寸法変化量をX3(%)とし、100℃における寸法変化量をX4(%)とし、(X4-X3)/(100-25)をα2としたとき、
    α1/α2が6~35である。
  3. 180℃における破断伸度が100%以上850%以下である、請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 前記離型フィルムは、当該離型フィルムの少なくとも一方の面となる離型層と、当該離型層とは異なる材料からなる基材層と、を含む多層構造である、請求項1乃至3いずれか一項に記載の離型フィルム。
  5. 前記離型フィルムは、半導体装置を樹脂封止する樹脂封止半導体装置の封止樹脂成形プロセスにおいて、型と前記半導体装置との間に配する用途に供される、請求項1乃至4いずれか一項に記載の離型フィルム。
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