JP2022108215A - 画像記録装置 - Google Patents

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吉正 岡部
Yoshimasa Okabe
裕也 濱井
Yuya Hamai
将由 道口
Masayoshi Michiguchi
裕大 石橋
Yuudai Ishibashi
隆 大河平
Takashi Ogahira
潤 中井
Jun Nakai
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Abstract

【課題】防犯度に応じた適切な録画と、バッテリーの残電力量の保証とを両立する省電力制御を備えた画像記録装置を提供すること。【解決手段】本開示にかかる画像記録装置は、記録部と、分析部と、省電力制御部とを備える。前記記録部は、車両に搭載されたカメラが撮影した画像を記録する。前記分析部は、前記車両がおかれた状況を分析することで電力制御要件を決定する。前記省電力制御部は、前記分析部によって決定された前記電力制御要件に応じて前記記録部による前記画像の記録頻度を制御する。前記電力制御要件は、少なくとも前記車両が駐車された駐車場所の防犯度と、前記車両の予測駐車時間と、前記車両のバッテリーの充電状況とを含むことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本開示は、画像記録装置に関する。
従来、駐車中の車両が周辺を撮影した画像を録画し、駐車中の車両が被害を受けた時は、録画画像を加害者の特定に役立てることができる画像記録装置がある。しかし、駐車中に録画を長時間行うとバッテリーの電圧が低下してエンジンが起動できない不具合が起きる事があるので、駐車場所の危険度に応じて画像録画の頻度を決める事により、不必要に残電力量を減らさない省電力制御を加えるものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、長期駐車の場合に不具合が起きる事に着目して、駐車時間を駐車場に紐づけて記憶しておき、駐車した駐車場と記憶を照合して駐車時間を推定し、推定した駐車時間に応じて省電力制御を行う方法の提案もある(例えば、特許文献2参照)。
特開2019-22063号公報 特開2020-80513号公報
しかしながら、従来の画像記録装置は、省電力制御が不十分であるために、録画をしていない時に被害に逢ったり、長期間の録画でバッテリーの電圧が低下したりする恐れがある。例えば、特許文献1は、車輪止め、フェンス、および壁のうち少なくとも何れか一つの有無に基づいて危険度を判定する、としているが、街角の小規模駐車場は車輪止めやフェンスがあっても、誰でも侵入が可能なので危険度が低いとは言えない。つまり、特許文献1が言う危険度は尺度として不的確であり、防犯とは関係性が低い要素により評価しているので、録画が適切に行われるとは限らない。特許文献2が提案する技術は、利用した駐車場での駐車時間を記憶している場合に機能するので、初めて利用する駐車場の場合には機能しない。あるいは、毎日、通勤で利用する駐車場に車を停めて出社し、予定外の出張の為に、会社から直接、地方に新幹線で行き、出先で宿泊する事になったような場合には、長時間の駐車に対応した省電力制御が行われない。
本開示は、防犯度に応じた適切な録画と、バッテリーの残電力量の保証とを両立する省電力制御を備えた画像記録装置を提供することを目的とする。
本開示にかかる画像記録装置は、記録部と、分析部と、省電力制御部とを備える。前記記録部は、車両に搭載されたカメラが撮影した画像を記録する。前記分析部は、前記車両がおかれた状況を分析することで電力制御要件を決定する。前記省電力制御部は、前記分析部によって決定された前記電力制御要件に応じて前記記録部による前記画像の記録頻度を制御する。前記電力制御要件は、少なくとも前記車両が駐車された駐車場所の防犯度と、前記車両の予測駐車時間と、前記車両のバッテリーの充電状況とを含むことを特徴とする。
本開示によれば、防犯度に応じた適切な録画と、バッテリーの残電力量の保証とを両立する省電力制御を実行することができる。
図1は、第1実施形態における画像記録システムの概略構成の一例を示す図である。 図2は、第1実施形態における車両システムのハードウェア構成の一例を示す図である。 図3は、第1実施形態における画像記録装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 図4は、第1実施形態における画像記録装置の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、第1実施形態にかかる画像記録システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図6は、監視カメラの外観の一例を示す図である。 図7は、監視カメラの光軸に対する偏角と被監視度の対応を示す図である。 図8は、第1実施形態にかかる省電力モードの種別の一例を示す図である。 図9は、第1実施形態にかかる防犯度と省電力モードとの対応関係の一例を示す図である。 図10は、第1実施形態にかかる各省電力モードの一日当たりの消費電力の一例を示す図である。 図11は、第1実施形態にかかる省電力モードに設定した場合の消費電力と残電力量との推移の一例を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における画像記録システム1の概略構成の一例を示す図である。画像記録システム1は、車両システム10と、携帯端末20とを備える。車両システム10と、携帯端末20とは、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)などの近距離通信30を介して通信を実行する。さらに、車両システム10と、携帯端末20とは、電話回線や移動体通信などの公衆回線40を介して通信を実行する。
車両システム10は、画像記録装置16(図2参照)が搭載された車両17のシステムである。車両システム10では、全周囲の画像を撮影する画像センサ12(図2参照)、音声を取得する音声センサ13(図2参照)等により、車両17の外界を監視する画像記録装置16が主体となる。
携帯端末20は、車両システム10の使用者等が所持する端末である。例えば、携帯端末20は、スマートフォンや、近距離にあることで開錠させるスマートキー等の携帯可能な端末である。
次に、車両システム10について説明する。図2は、第1実施形態における車両システム10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示す例では、車両システム10は、通信装置11、画像センサ12、音声センサ13、衝撃センサ14、航法装置15、画像記録装置16、車両17、及びHMI(Human Machine Interface)18を備える。通信装置11、画像センサ12、音声センサ13、衝撃センサ14、航法装置15、画像記録装置16、車両17、及びHMI18は、車内LAN19により接続されている。そして、各種命令や、情報や、画像は、車内LAN19を介して送受信される。
通信装置11は、携帯端末20との通信を実行する。更に詳しくは、通信装置11は、近距離通信30により携帯端末20との通信を実行する。また、通信装置11は、公衆回線40により携帯端末20との通信を実行する。
画像センサ12は、車両17の周囲を撮影するカメラである。
音声センサ13は、車両17の周囲の音声を集音するマイクである。
衝撃センサ14は、車両17が受ける衝撃を検知するセンサである。
航法装置15は、カーナビケーションである。航法装置15は、地図情報、車両17の現在位置を示す位置情報、車両17の姿勢を示す姿勢情報、車両17の加速度を示す加速度情報を取得する。
画像記録装置16は、例えば、ドライブレコーダーなどの車両17の周囲の画像を記録する装置である。また、画像記録装置16は、防犯度に応じた適切な録画と、バッテリーの残電力量の保証とを実行する。なお、図2に示す画像記録装置16は、航法装置15と別途の装置として記載されているが、画像記録装置16は、航法装置15と一体の装置であってもよい。
車両17は、自動車などの移動体である。また、車両17は、駆動装置や、制動装置や、バッテリー等を含んでいる。そして、車両17は、車内LAN19を介して、駆動装置や、制動装置や、バッテリー等の各部の状態を示す情報を画像記録装置16等に送信する。
HMI18は、ユーザインタフェースである。例えば、HMI18は、各種画像を表示させるディスプレイや、各種音声を出力するスピーカーや、各種操作を受け付ける操作部や、これらの組み合わせなどである。
次に、画像記録装置16について説明する。図3は、第1実施形態における画像記録装置16のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示す例では、画像記録装置16は、CPU(Central Processing Unit)161、RAM(Random Access Memory)162、ROM(Read Only Memory)163、記憶装置164、入出力インタフェース165、及び処理回路166を備える。そして、各ハードウェアは、バス167を介して接続され、相互に連携して動作する。
CPU161は、コンピュータプログラムを実行可能なプロセッサである。なお、画像記録装置16が備えるプロセッサの種類はCPU161に限らず、他のハードウェアであってもよい。また、画像記録装置16は、複数のプロセッサを備えていてもよい。
RAM162は、キャッシュまたはバッファなどとして使用される揮発性メモリである。なお、画像記録装置16が備える揮発性メモリの種類はRAM162に限定されない。画像記録装置16は、RAM162に代えてレジスタを備え得る。また、画像記録装置16は、複数の揮発性メモリを備えていてもよい。
ROM163は、コンピュータプログラムを含む各種情報を記憶する不揮発性メモリである。CPU161は、特定のコンピュータプログラムをROM163から読み出して実行することによって、画像記録装置16の機能を実現する。画像記録装置16の機能については後述する。なお、画像記録装置16が備える不揮発性メモリの種類はROM163に限定されない。例えば、画像記録装置16は、ROM163に代えてフラッシュメモリを備え得る。また、画像記録装置16は、複数の不揮発性メモリを備えていてもよい。
記憶装置164は、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)などの装置であってもよいし、SD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのリムーバブルな記録媒体を読み書きする装置であってもよい。
入出力インタフェース165は、車内LAN19との入出力を制御するインタフェースである。例えば、入出力インタフェース165は、LANトランシーバーであり、各種の情報や命令を送受信したり、画像データを受信したりする。
処理回路166は、画像処理や音声処理を実行する回路である。例えば、処理回路166は、LSI(Large Scale Integration)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などにより実現される。
このように、画像記録装置16は、コンピュータプログラムが格納されたメモリと当該コンピュータプログラムを実行可能なプロセッサとを備える。つまり、画像記録装置16は、コンピュータと見なされ得る。なお、画像記録装置16としての機能を実現するために要するコンピュータの数は1に限定されない。画像記録装置16としての機能は、2以上のコンピュータの協働によって実現されてもよい。
図4は、第1実施形態における画像記録装置16の構成の一例を示すブロック図である。例えば、CPU161が、ROM163等に格納されたプログラムをRAM162に展開して実行することで、図4に示す各種機能を実現する。なお、図4に示す各種機能の全部又は一部は、処理回路166などのハードウェアにより実現されてもよい。画像記録装置16は、分析部1001、入出力部1002、HMI制御部1003、記録制御部1004、及び記録部1005を備える。また、分析部1001は、状況判定部1006、通信制御部1007、画像分析部1008、及び音声分析部1009を備える。そして、各ブロックは、内部バス1010を介して接続され、相互に連携して動作する。
分析部1001は、車両17がおかれた状況を分析することで電力制御要件を決定する。更に詳しくは、分析部1001は、通信制御部1007、画像分析部1008、及び音声分析部1009により車両17がおかれた状況を分析することで、画像センサ12が撮影した画像の記録頻度を決定するための電力制御要件を決定する。分析部1001が分析する車両17がおかれた状況は、車両17が駐車された駐車場所に限られず、車両17のバッテリーの充電状況や、車両17の駐車が継続する時間も、分析の対象となる。
なお、電力制御要件には、任意の要件を採用することができる。例えば、電力制御要件は、車両17が駐車された駐車場所の防犯度と、車両17のバッテリーの充電状況とを含んでいてもよい。または、電力制御要件は、車両17の使用者と車両17との間の距離に応じた、車両17の予測駐車時間とを含んでいてもよい。または、電力制御要件は、車両17が駐車された駐車場所の遮蔽度や、駐車場所の被監視度に応じた防犯度を含んでいてもよい。但し、最適な電力制御の為には電力制御要件として、少なくとも車両17が駐車された駐車場所の遮蔽度および被監視度に応じた防犯度と、車両17の予測駐車時間と、車両17のバッテリーの充電状況とを含む事が望ましいので、本実施例では前記の最適な電力制御要件を説明する。
入出力部1002は、車内LAN19を介した情報の入出力を制御する。
通信制御部1007は、通信装置11を介して、携帯端末20との通信を実行する。例えば、通信制御部1007は、携帯端末20から、携帯端末20の位置を示す位置情報を取得する。そして、通信制御部1007は、取得した位置情報を状況判定部1006に通知する。例えば、位置情報は、自車と携帯端末20との間の距離の算出に用いられる。
HMI制御部1003は、HMI18を制御して、各種画像を表示させる。また、HMI制御部1003は、HMI18を制御して、各種指示を受け付ける。
画像分析部1008は、画像センサ12が撮影した画像を分析する。そして、画像分析部1008は、画像の分析結果を状況判定部1006に通知する。
音声分析部1009は、音声センサ13が取得した音声を分析する。そして、音声分析部1009は、音声の分析結果を状況判定部1006に通知する。
状況判定部1006は、分析部1001の中の画像分析部1008や音声分析部1009から得た分析結果や、通信制御部1007から得た携帯端末20との間の距離の情報や、内部バス1010を介して得た、車両17の位置や、その他の情報を総合して判断し、電力制御要件を決定して記録制御部1004に通知する。状況判定部1006は、分析部1001に属するので、状況判定部1006が電力制御要件を決定する、という事は、分析部1001が電力制御要件を決定する、という事と同じである。具体的には、状況判定部1006は、画像記録装置16が画像を記録する必要性の尺度である駐車場所の防犯度を数値的に算出する。防犯度は、加害者が駐車中の車両17に接近して加害行為を行う事の困難さの尺度である。言い換えると、防犯度は、駐車中の継続的な録画の必要性を示す尺度であり、防犯度が100点であれば録画は必要なく、0点であれば最大限に録画する必要がある。ここで、継続的な録画と特定した理由は、車両17の画像記録装置16は、一般的な録画機能の一つとして、車両17が衝撃を受けた時に自動的に録画を行うイベントトリガ式の録画機能を備えており、このイベントトリガ式の継続的でない録画と区別する為である。
例えば、特許文献1が言う様に、駐車場に車止めが無かったり、夜間で照明が暗かったりすると、駐車場を利用する他の車が自車両に接触する接触事故が起きる危険性が大きくなる。特許文献1に記載された危険度は、このような接触事故の危険性を含めているが、本願の防犯度は、消費電力制御において考慮すべき要件(電力制御要件)として、接触事故の危険性を含めない。その理由は、車両17が傷つく様な接触事故が起きれば、イベントトリガ式の録画機能が作動するので、駐車中に継続的な録画をしていなくても事故直後の画像を録画可能である事と、イベントトリガ式の録画機能は待機状態での消費電力が小さく、衝撃を受けた時しか働かないので、消費電力制御を考慮する必要性が低いからである。
駐車中の継続的な録画の必要性を示す尺度として防犯度を用いるのは、悪戯や嫌がらせ目的で車体を傷つける加害行為が行われる可能性を的確に評価して録画を行い、加害行為が行われた時には録画した画像から加害者を特定して損害賠償を求めるとともに、それ以上の加害を抑止する事を目的としているからであり、イベントトリガ式の装置では、その目的を達しないからである。衝撃を検知すると録画機能や警報器が作動するイベントトリガ式の装置が古くから使用されていて、その作動条件が広く知られている。そのため、意図的に加害する側は、イベントトリガ式の装置が作動しない様な手段を選ぶことができる。例えば、車両17の表面に金属片でキズを付けたり、タイヤに穴を空けたり、ペイントスプレーを吹きかけたりする加害行為が行われても、車体の受ける衝撃が小さかったり、全く衝撃を受けなかったりするので、イベントトリガ式の録画機能は働かない事が多い。このような加害行為を記録するためには、継続的に録画している必要があるが、バッテリーの電力量には限りがあるので、撮像間隔を広げるなどして省電力化する必要がある。つまり、消費電力制御が必要なのは継続的な録画をする場合であり、継続的な録画が必要なのは目的が犯罪の防止である場合である。防犯度を継続的な録画の必要性を示す尺度の呼称とし、消費電力制御の要件とするのは、この意味からである。状況判定部1006は、継続的な録画の必要性を示す消費電力制御の要件として駐車場所の防犯度を評価し、防犯度が低い時には電力要因の許す範囲内で最大限に録画し、防犯度が低い時には撮像の頻度を下げて無駄に電力を消費しない様にする。
更に詳しくは、状況判定部1006は、画像分析部1008と音声分析部1009とから通知された分析結果を含む、車両17を駐車した場所の状況から遮蔽度と被監視度とを評価する。そして、状況判定部1006は、遮蔽度と被監視度とに基づいて、防犯度を算出する。
遮蔽度は、公道から駐車位置までの侵入を妨げる物理的な障害の有無や程度で評価した尺度である。例えば、状況判定部1006は、駐車場所までの経路が長い傾斜路である場合や、駐車場所が屋内や地下である場合には、公道からの進入が困難なので遮蔽度が高いと評価する。また、遮蔽度は、隔離度と言い換えても良い。一方、被監視度は、駐車位置、および、駐車位置までの経路が監視される程度で評価した尺度である。例えば、状況判定部1006は、駐車位置や入口ゲート付近に監視カメラ2(図6参照)があれば被監視度が高いと評価する。
遮蔽度が物理的な障壁であって確実に作用するのに対し、被監視度は心理的な障壁でしかなく確実性が低いので、状況判定部1006は、遮蔽度を防犯度の基礎的な部分とし、被監視度は上乗せ部分として評価する。例えば、状況判定部1006は、駐車場所がタワー式駐車場であって、その遮蔽度が満点の場合、加害行為は確実に阻止されるので駐車場所に監視カメラ2が無くても防犯度は満点と評価する。一方、状況判定部1006は、駐車場所が路上であって、その遮蔽度が零点の場合、監視カメラ2の視界内に車両17があり被監視度が満点でも、防犯度を低く評価する。被監視度は、心理的な障壁でしかなく確実性が低いので、加害者が監視カメラ2を見落としたり、監視される可能性を気にしなかったりした場合には、心理的な障壁は機能せず、加害行為に及ぶ事が妨げられないためである。
また、状況判定部1006は、遮蔽度と被監視度とに、車両17のバッテリーから得た充電状況を加えて、電力制御要件として記録制御部1004に通知する。
記録制御部1004は、画像記録装置16の内部の各ブロックと、画像センサ12や通信装置11等の外部のハードウェアへの電力供給を制御する機能を備える。また、記録制御部1004は、駐車中でも各種センサや処理回路を起動して、車外の状況を分析させる事が出来る。すなわち、記録制御部1004は、分析部1001によって決定された電力制御要件に応じて記録部1005による画像の記録頻度を制御する。なお、記録制御部1004は、省電力制御部の一例である。
記録部1005は、駐車中は記録制御部1004により電力が供給された場合に、コマ単位で画像を記録する。すなわち、記録部1005は、車両17に搭載された画像センサ12が撮影した画像を記録する。
発明者は、駐車場所が加害者による加害行為を防ぐ度合い(防犯度)は、駐車場所の遮蔽度と被監視度によると分析した。この分析に従い、状況判定部1006は、防犯度を遮蔽度と被監視度に分けて評価し、その上で、遮蔽度と被監視度を総合評価して防犯度を評価する。遮蔽度は、加害者が駐車された車両17に接近する事の困難さの尺度であり、被監視度は加害行為を見られる事を恐れさせる度合いの尺度である。遮蔽度は、隔離度と言い換えても良いが、やや意味合いが違う点もある。例えば、広い駐車場の公道から遠い位置に駐車している場合は、狭い駐車場の公道に近い位置に駐車している場合よりも加害行為を受けにくいので、防犯度が高いと言える。この状態は、遮蔽度が高いと言っても良いし、隔離度が高いと言っても良い。
しかし、シャッターが閉じられた自宅車庫に駐車している場合、車庫が公道に接していても、シャッターで遮蔽されている事により、防犯度が高いと言えるので、この場合は隔離度という表現は適切ではないとも言える。但し、シャッターで公道から隔離されているので防犯度が高い、という事も出来るので、隔離度という表現も間違いとは言い難い。また、遮蔽度は、公道上の人の視線に対する遮蔽として評価しても良い。例えば、駐車場所が地下駐車場であれば、外から車両17が見えないので遮蔽度が高い、と評価して良い。加害者が不明の理由から加害を意図していても、加害者から車両17が物理的・光学的に遮蔽されていて見えなければ、加害行為のために地下駐車場に侵入しようとしないからである。このように遮蔽度は、駐車場の構造に依って変わるので、分析部1001は駐車場の構造を分析する。
無論、機能ブロックの区分けは任意であるので、図4に示すように分析部1001の中に、サブブロックとして状況判定部1006と通信制御部1007と画像分析部1008と音声分析部1009とが含まれる様なブロック分けにしても良いし、サブブロックとして定義しなくてもよい。すなわち、状況判定部1006と、通信制御部1007と、画像分析部1008と、音声分析部1009との機能を有する分析部1001を定義してもよい。また、実施の形態として画像分析のソフトウエアと音声分析のソフトウエアと通信制御のソフトウエアと状況判定のソフトウエアを、一つのCPUが時分割で実行する様な形態であってもよい。
次に、遮蔽度の評価方法について詳細に説明する。
まず、駐車場所が屋内又は屋外である場合の遮蔽度の評価方法について説明する。屋内駐車場と屋外駐車場との何れであるかは画像分析部1008が判定する。そして、状況判定部1006は、画像分析部1008の判定結果に基づいて、遮蔽度を評価する。
例えば、画像分析部1008は、画像センサ12の画像と、現在の時刻を示す時刻情報とに基づいて、屋内駐車場と屋外駐車場との何れに駐車されたのかを判定する。また、画像分析部1008は、時刻情報が昼間の時刻を示している場合に、照度が高く、且つ上方に広い高輝度の領域があれば屋外駐車場に駐車されたと判定する。また、画像分析部1008は、時刻情報が昼間の時刻を示している場合に、照度が低く、且つ上方に狭い高輝度が点在していたら屋内駐車場に駐車されたと判定する。
また、画像分析部1008は、時刻情報が夜間の時刻を示している場合に、上方や周囲に構造物が無ければ屋外駐車場に駐車されたと判定する。また、画像分析部1008は、時刻情報が夜間の時刻を示している場合に、上方や周囲に構造物があれば屋内駐車場に駐車されたと判定する。ここで、構造物とは、例えば、柱や天井などの屋内駐車場を形成する物体である。また、柱や天井などの構造物は、水平方向又は垂直歩行に対して略直線となる輪郭線を有している。一方、雲や草木などの自然物は、曲線となる輪郭線を有している。そこで、画像分析部1008は、画像センサ12の画像から水平方向又は垂直方向に対して略直線となる輪郭線を数多く検出した場合に、構造物があると判定する。上方に構造物があり、上方の輝度が平均的に低ければ、屋内駐車場であると判定して良い。
状況判定部1006は、屋内駐車場であると判定された場合に、遮蔽度は比較的に高いと判定する。一方、状況判定部1006は、屋外駐車場であると判定された場合に、遮蔽度は比較的に低いと判定する。
例えば、立体駐車場やスーパーマーケットの屋上に設けられた屋上駐車場を、上記した判定基準で判定した場合、画像分析部1008は、屋外駐車場に駐車されたと判定する。しかし、地面に設けられた平面駐車場と、屋上に設けられた屋上駐車場とでは、公道からの高低差により侵入の難易度が異なり、公道からの視認の容易さも異なっているため、遮蔽度も異なっていると評価するべきである。そこで、状況判定部1006は、平面駐車場と、屋上駐車場との何れに該当するかを判定する。
屋上駐車場の場合、車両17は、屋上まで登るために傾斜路を通過する。状況判定部1006は、傾斜路の高低差と、画像分析部1008の判定結果とに基づいて、平面駐車場と、屋上駐車場との何れに駐車されたかを判定する。更に詳しくは、状況判定部1006は、地図情報と自車の位置を示す位置情報とに基づいて、自車が公道を走行しているか否かを判定するし、状況判定部1006は、公道から外れた場合に傾斜路を通行しているか否かの評価を開始する。つまり、状況判定部1006は、公道走行中は遮蔽度の評価を行わないので、高速道路のランプ等の構造物は評価の対象外となり、公道を外れてから通過した傾斜路、すなわち、駐車場に属する傾斜路だけを遮蔽度の評価対象とするのである。
状況判定部1006は、公道から外れた場合に、車両17の前後方向の傾きを示すピッチ角情報に基づいて、傾斜路を通過中であるか否かを判定する。状況判定部1006は、ピッチ角情報が示す車両17のピッチ角が閾値以上である場合に、傾斜路を通過中であると判定する。また、状況判定部1006は、任意の方法によりピッチ角情報を取得する。例えば、ピッチ角情報は、車両17や航法装置15に設けられた加速度センサが示す重力方向に基づいて生成される。状況判定部1006は、車両17からピッチ角情報を取得してもよいし、航法装置15からピッチ角情報を取得してもよいし、他の方法により取得してもよい。また、傾斜路と判定するピッチ角の閾値は、例えば5パーセントとしても良いし、任意に設定してもよい。
状況判定部1006は、駐車した時点で、駐車場所が屋内と屋外との何れであるかを判定する。すなわち、状況判定部1006は、画像センサ12の画像と、現在の時刻を示す時刻情報とに基づいた画像分析部1008の判定結果により、駐車場所が屋内と屋外との何れであるかを判定する。状況判定部1006は、駐車場所が屋内であると判定した場合に、屋内駐車場に駐車されたと判定する。
状況判定部1006は、公道を離れてから駐車するまでの間に傾斜路の通過があり、傾斜路を通過中に車両17の上方に構造物があり、駐車した時点で上方に構造物が無い場合に、屋上駐車場に駐車されたと判定する。また、状況判定部1006は、傾斜路を通過中に車両17の上方に構造物が無く、かつ、傾斜路の通過で得た高低差が閾値未満の場合に、平面駐車場に駐車されたと判定する。また、状況判定部1006は、公道を離れてから駐車するまでの間に傾斜路の通過が無く、駐車した時点で上方に構造物が無い時も、平面駐車場に駐車されたと判定する。また、状況判定部1006は、傾斜路を通過中に車両17の上方に構造物が無くても、傾斜路の通過で得た高低差が閾値以上の場合には、屋上駐車場に駐車されたと判定する。
状況判定部1006は、ピッチ角情報が示す傾斜路のピッチ角に対して、距離情報が示す傾斜路の走行距離を乗算することで傾斜路の高低差を算出する。高低差の算出では、航法装置15から駐車した位置での車両17の高度と公道の高度の情報を得て、その差により公道からの高低差を求めても良い。また、高低差の閾値は、任意であるが、例えば4メートルである。駐車場が公道から4メートル以上、高い位置にあれば、公道から駐車した車両17までの視線は阻まれる事が多く、侵入に対し一定以上の障害があると言えるので、遮蔽度が高いと評価して良い。
また、地下駐車場は、立体駐車場よりも侵入することが困難であり、公道からの視認を阻む効果も、立体駐車場より高い。そこで、状況判定部1006は、地下駐車場の遮蔽度を高く評価してもよい。地下駐車場は、傾斜路を下ることにより進入する場合が一般的であるが、傾斜地に建てられた施設の地下駐車場に傾斜路を下ることなく進入する場合もある。また、公道を外れてから通過した傾斜路を駐車場に属する傾斜路と評価するが、地下駐車場は、公道の地下に設けられることもある。
状況判定部1006は、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムから電波を受信できるか否かにより地下駐車場に進入したか否かを判定する。そして、状況判定部1006は、地下駐車場に進入したと判定した場合に、遮蔽度の評価を開始する。または、状況判定部1006は、駐車した時点で、衛星測位システムから電波を受信できない場合に、地下駐車場に駐車したと判定してもよい。
また、状況判定部1006は、駐車するまでに下りの傾斜路を走行している場合も、地下駐車場であると判定しても良い。例えば、状況判定部1006は、ピッチ角情報が示す傾斜路のピッチ角に対して、距離情報が示す傾斜路の走行距離を乗算することで傾斜路の高低差を算出する。そして、状況判定部1006は、閾値以上傾斜路を下がった場合に、地下駐車場であると判定しても良い。
また、地下駐車場は、コンクリート壁で囲まれ、密閉されているので、車両17の走行音などの残響時間が長くなる。一方、立体駐車場は、鋼板で構成される事が多く、ガスが滞留しないように広い開口部を持つように設計される。よって、立体駐車場では、残響時間が短くなる場合が多い。そこで、状況判定部1006は、車両17の周囲の音声の残響時間に基づいて、地下駐車場と立体駐車場との何れに駐車されたのかを判定しても良い。
音声分析部1009は、車両17の周囲の音声を分析することで残響時間を数値化する。そして、状況判定部1006は、音声分析部1009が数値化した分析結果に基づいて、地下駐車場と立体駐車場との何れに駐車されたのかを判定する。状況判定部1006は、音声分析部1009が数値化した分析結果に基づいて、残響時間が短い場合に、地下駐車場に駐車されたと判定する。一方、状況判定部1006は、音声分析部1009が数値化した分析結果に基づいて、残響時間が長い場合に、立体駐車場に駐車されたと判定する。
また、立体駐車場には、パレットに載置された車両17を、機械により移動させる機械式駐車場がある。機械式駐車場は、開閉や操作に鍵が必要であったり、事故防止の為に監視装置や防護柵が設けてあったりする事が多いので、地下駐車場よりも更に遮蔽度が高いと評価して良い。また、機械式駐車場には、屋外に駐車場が設けられたものと、屋内に駐車場が設けられた所謂タワー式駐車場とがある。タワー式駐車場の場合は車両17へ接近することも外部から車両17を視認することも困難であるため、遮蔽度が最高であると評価して良い。そこで、状況判定部1006は、機械式駐車場に駐車されたか否かの判定と、屋内と屋外との何れの機械式駐車場であるかの判定とを実行する。
状況判定部1006は、車両17が駐車後に、機械式駐車場の機械による車両17の垂直方向への移動である上下動が検知された場合に、機械式駐車場であると判定する。状況判定部1006は、任意の方法により車両17の上下動を検知する。例えば、状況判定部1006は、車両17に設けられたセンサにより上下動を検知してもよいし、航法装置15から出力された情報により上下動を検知してもよい。
また、状況判定部1006は、機械式駐車場であると判定した場合に、駐車場所が屋内と屋外との何れであるかを判定する。すなわち、状況判定部1006は、画像センサ12の画像と、現在の時刻を示す時刻情報とに基づいた画像分析部1008の判定結果により、駐車場所が屋内と屋外との何れであるかを判定する。そして、状況判定部1006は、駐車場所が屋内であると判定した場合に、タワー式駐車場であると判定する。状況判定部1006は、駐車場所が屋外であると判定した場合に、屋外の機械式駐車場であると判定する。屋外の機械式駐車場は屋内の機械式駐車場の駐車場よりも、公道から視認される可能性が高く、投石など駐車場所への侵入を伴わない手段で加害を受ける可能性もあるので、タワー式駐車場の様な屋内の機械式駐車場よりも遮蔽度を低く評価する。
また、タワー式駐車場は、地下駐車場と同様に、四方を壁で囲まれ、密閉されているので、車両17の走行音などの残響時間が長くなる。そこで、状況判定部1006は、車両17の周囲の音声の残響時間に対する音声分析部1009の分析結果に基づいて、タワー式駐車場であるか否かを判定しても良い。
また、地面に設けられた平面駐車場は、同じ駐車場内であっても場所に応じて、遮蔽度が異なる。状況判定部1006は、公道から駐車場所までの距離と、駐車場の出入り口を開閉するゲートや駐車場を囲うフェンスなどの障害物の有無とに基づいて、遮蔽度を評価する。更に詳しくは、状況判定部1006は、車両17が駐車した場合に、地図情報と、車両17の現在位置を示す位置情報とに基づいて、公道から駐車場所までの距離を評価する。また、状況判定部1006は、画像分析部1008による分析結果に基づいて、ゲートやフェンスなどの障害物が設置された平面駐車場であるかを評価する。例えば、状況判定部1006は、公道までの距離が短く、ゲートやフェンスなどの障害物が無い平面駐車場の場合に、路上駐車と同様に、遮蔽度を低く評価しても良い。車両17が公道の間際に駐車されていれば、公道からの視線の遮蔽も無く、公道から加害行為を行う事も可能だからである。
次に、第1実施形態にかかる画像記録システム1において、遮蔽度を評価する遮蔽度評価処理について説明する。図5は、第1実施形態にかかる画像記録システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
画像記録システム1は、車両17の駐車後の移動の有無は駐車した時点では不明であるため、駐車場の構造の判定を駐車時点で確定とせず、駐車中も構造の評価の更新を繰り返し実行する。そして、画像記録システム1は、更新時に構造の判定に変化があった場合には、遮蔽度の評価を変更する。例えば、画像記録システム1は、駐車後に上下動を検知した場合には、検知した時から駐車場の構造の判定結果を機械式駐車場に変更し、それに応じて遮蔽度の評価を更新する。
状況判定部1006は、駐車後に車両17の移動を検出したか否かを判定する(ステップS1)。
車両17の移動を検出した場合に(ステップS1;Yes)、状況判定部1006は、音声分析部1009による分析結果が示す残響時間が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
残響時間が閾値以上である場合に(ステップS2;Yes)、状況判定部1006は、駐車場の構造はタワー式駐車場であると判定する(ステップS3)。同時に、駐車場の構造に対応する遮蔽度として、状況判定部1006は、例えば遮蔽度が90であると判定する。
残響時間が閾値未満である場合に(ステップS2;No)、状況判定部1006は、駐車場の構造は機械式駐車場であると判定する(ステップS4)。同時に、駐車場の構造に対応する遮蔽度として、状況判定部1006は、例えば遮蔽度が80であると判定する。
車両17の移動を検出していない場合に(ステップS1;No)、状況判定部1006は、GPSなどの衛星測位システムから電波を受信できなかったか否かを判定する(ステップS5)。
GPSなどの衛星測位システムから電波を受信できなかった場合に(ステップS5;Yes)、状況判定部1006は、駐車場の構造は地下駐車場であると判定する(ステップS6)。同時に、駐車場の構造に対応する遮蔽度として、状況判定部1006は、例えば遮蔽度が70であると判定する。
GPSなどの衛星測位システムから電波を受信できた場合に(ステップS5;No)、状況判定部1006は、傾斜路の高低差が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
傾斜路の高低差が閾値以上である場合に(ステップS7;Yes)、状況判定部1006は、駐車場の構造は立体駐車場であると判定する(ステップS8)。同時に、駐車場の構造に対応する遮蔽度として、状況判定部1006は、例えば遮蔽度が60であると判定する。
傾斜路の高低差が閾値未満である場合に(ステップS7;No)、状況判定部1006は、公道から駐車場所までの距離が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS9)。
公道から駐車場所までの距離が閾値以上である場合に(ステップS9;Yes)、状況判定部1006は、駐車場の構造は平面駐車場であると判定する(ステップS10)。平面駐車場に対応する遮蔽度の基礎点は10なので、状況判定部1006は、公道から駐車場所までの距離や、ゲートやフェンスなどの障害物が設置された駐車場所であるか等の要因に応じて遮蔽度を加点して評価する。その結果、状況判定部1006は、例えば遮蔽度が10から40であると判定する。
公道から駐車場所までの距離が閾値未満である場合に(ステップS9;No)、状況判定部1006は、駐車が路上駐車であると判定する(ステップS11)。路上駐車は駐車場の構造による遮蔽が全く無い状態であるので、状況判定部1006は、例えば遮蔽度が0であると判定する。
以上により、画像記録システム1は、遮蔽度評価処理を終了する。なお、前述のように、画像記録システム1は、駐車後も評価の更新を繰り返し実行する。
次に、被監視度について説明する。
状況判定部1006は、画像センサ12により撮影された画像から、監視カメラ2(図6参照)の像が検出された場合に、監視カメラ2が画像センサ12の方向を向いていたら、被監視度が高いと評価する。
ここで、被監視度とは、車両17の周囲にいる人が監視されていると感じる度合いである。車両17の周囲で犯行に及ぼうとした時に監視カメラ2がある事に気付くと、監視されていると感じる事で心理的な障壁が生じて加害行為を躊躇わせるので、車両17から見て、監視カメラ2の監視範囲内に入っている様に見える程度を被監視度として評価する。監視カメラ2は、視野角が180度(偏角90度)の広角レンズを備えている場合もある。しかしながら、周囲にいる人は、監視カメラ2の視野角を判別することができないので、監視されていると感じる度合いには監視カメラ2の視野角は影響しない。そのため、状況判定部1006は、監視カメラ2の実際の視野角に関わらず、監視カメラ2の光軸からの偏角に基づいて、被監視度を評価する。具体的には、画像分析部1008は、画像センサ12が撮影した画像から、監視カメラ2のレンズ22の像を検出する。そして、画像分析部1008は、監視カメラ2のレンズ22の像の楕円率を算出する。状況判定部1006は、監視カメラ2のレンズ22の像の楕円率に基づいて、被監視度を評価する。
図6は、監視カメラ2の外観の一例を示す図である。図6に示すように、監視カメラ2は、作動インジケータ21と、レンズ22と備えている。作動インジケータ21は、監視カメラ2が作動中に点灯する。例えば、作動インジケータ21は、赤色LED(Light Emitting Diode)である。レンズ22は、監視カメラ2の鏡筒に設けられたレンズである。そして、作動インジケータ21と、レンズ22とは近接した位置に配置されている。
画像分析部1008は、画像センサ12が撮影した画像から、監視カメラ2の像を検出するために、作動インジケータ21の像を探索する。作動インジケータ21の像は赤色で輝度が高い点として現れるので、画像から検出し易い。また、画像分析部1008は、作動インジケータ21の像を検出した場合に、作動インジケータ21の像の周辺から円形の像を探索する。作動インジケータ21の像の近くに円形の像があれば、画像分析部1008は、監視カメラ2を検出したと判定し、作動インジケータ21の像の周辺から検出した円形の像を、監視カメラ2のレンズ22の像であると判定する。
画像分析部1008は、レンズ22の像を検出した場合に、レンズ22の像の楕円率を算出する。楕円率とは、レンズ22の像の短軸と長軸の比である。すなわち、楕円率は、数式1により算出され、円が真円であれば1である。
楕円率=レンズ22の像の短径÷レンズ22の像の長径・・・(数式1)
具体的には、画像分析部1008は、検出したレンズ22の像の長径と短径とを画像上で測定する。そして、画像分析部1008は、数式1により楕円率を算出する。
また、画像分析部1008は、画像上におけるレンズ22の像のつぶれた度合いである扁平度を算出する。扁平度は、数式2により算出され、円が真円であれば0である。
扁平度=1-楕円率・・・(数式2)
そして、状況判定部1006は、扁平度が小さくなるに従い、被監視度が高くなると評価する。
図7は、監視カメラ2の光軸に対する偏角と被監視度の対応を示す図である。この偏角は、車両17のカメラ(画像センサ12)が監視カメラ2の像を捉えた時、監視カメラ2の光軸方向と、監視カメラ2を起点とする車両17のカメラの方向が成す角度の事であり、車両17のカメラの方向は、車両17や車両17に接近している人物の方向と、略同一とすることが出来る。以後、表現を簡単化するため、監視カメラ2の光軸方向と車両17のカメラの方向が成す角を、監視カメラ2の光軸からの偏角と呼ぶ事にする。ところで、監視カメラ2の光軸からの偏角をθと定義した場合、車両17のカメラが捉えたレンズ22の像の楕円率について下記数式3が成立する。
楕円率=短径÷長径=cosθ・・・(数式3)
数式3に示すように、監視カメラ2の光軸からの偏角は、楕円率に基づいて算出することができる。この楕円率は、車両17の付近にいる人が目で見たレンズ22の像の楕円率と同等であり、見た目の楕円率が小さく、像が扁平に見えれば、監視カメラ2の光軸からの偏角が大きい様に感じる。監視カメラ2は、視野角が180度(偏角90度)の広角レンズを備えている場合もあり、監視カメラ2に映るか否かは視野角にも依存する。しかしながら、車両17の周囲にいる人は、監視カメラ2の視野角を判別することができないので、監視されていると感じる度合いは視野角とは関係なく、監視を受ける人がカメラを見た時の見た目で決まる。そこで、画像分析部1008は、車両17の周囲にいる人が、監視されていると感じる度合いを示す被監視度を楕円率、つまり扁平度だけにより評価する。
例えば、監視カメラ2の光軸からの偏角が30度だと、楕円率=cos30度=0.87となり、レンズ22が真円に近く見えるので、監視カメラ2の存在に気付けば、多くの人は「ここは監視されている」と感じる。
監視カメラ2の光軸からの偏角が60度だと、楕円率=cos60度=0.5となり、レンズ22が扁平に見えるので、監視カメラ2の存在に気付いても、人によっては「ここは監視されてない」と感じる事もあるが、「ここも監視されているかもしれない」と感じる事もある。
監視カメラ2の光軸からの偏角が90度だと、楕円率=cos0度=0となり、レンズ22がほぼ見えず、監視カメラ2の存在に気付いても、多くの人は「ここは監視されてない」と感じる。
被監視度は、防犯度を評価する尺度の一つなので、防犯の役に立たない場合には評価しなくてもよい。つまり、被監視度は、視野角(監視カメラ2に映る範囲)に依らず、監視カメラ2の見た目の向きだけで評価しても良い。また、監視カメラ2の像が小さい場合は、車両17の周囲にいる人が存在に気付かない確率が大きいので、監視カメラ2の像が小さい場合は被監視度の評価から除外したり、被監視度の評価値を割り引いたりしても良い。
また、状況判定部1006は、扁平度に対応した、監視カメラ2の光軸からの偏角により被監視度を評価してもよい。楕円率と扁平度と偏角は数式で相互に変換可能な尺度なので、どれを尺度として選択しても良い。すなわち、状況判定部1006は、画像センサ12により撮影された画像より監視カメラ2のレンズ22の像を画像分析部1008が検出し、レンズ22の像の扁平度に応じて被監視度を評価してもよい。車両17が駐車した位置に向いた監視カメラ2の有無は、被監視度を直接的に左右する。例えば、状況判定部1006は、光軸からの偏角が30度以内の監視カメラ2があれば、被監視度が30点(満点)であると評価する。また、状況判定部1006は、偏角が30度~45度の範囲内に監視カメラ2があれば被監視度が20点あると評価する。また、状況判定部1006は、偏角が45度~60度の範囲内に監視カメラ2があれば被監視度が10点であると評価する。このように、状況判定部1006は、偏角に応じて被監視度を評価してもよい。
また、状況判定部1006は、複数台の監視カメラ2の被監視度を合計しても良い。例えば、偏角が30度~45度の監視カメラ2が2台ある場合、合計値は40点となる。しかし、被監視度は30点満点としているので、状況判定部1006は、合計が30点以上になった場合に30点に補正する。また、この時に監視カメラ2の像の大きさを加味して評価し、遠方にあって小さく見える監視カメラ2については、被監視度を割り引いて加算する様にしても良い。
更に、状況判定部1006は、車両17が公道を外れてから駐車する迄の経路で検知した監視カメラ2を、被監視度の評価に加えても良い。車両17が駐車した位置に向いた監視カメラ2が無くても、公道から駐車した位置まで侵入する経路上に、監視カメラ2があれば、加害行為を躊躇わせる防犯効果が期待できる。但し、車両17が駐車した位置に向いた監視カメラ2程の防犯効果は期待できない。そこで、状況判定部1006は、経路上で検知した監視カメラ2による被監視度は、例えば15点を上限として加算する様にしても良い。
具体的には、状況判定部1006は、駐車場の入口に向けた監視カメラ2を検知した場合、被監視度として15点計上し、その後、駐車場の通路に向けた監視カメラ2を検知しても、被監視度は上限の15点から変更しない。そして、状況判定部1006は、車両17が駐車した位置で、偏角が45度~60度の監視カメラ2を検知したら10点を加算して25点を被監視度としても良い。
ところで、駐車した場所の遮蔽度が低く、監視カメラ2等が無い場合、例えば路上駐車などの場合は、加害行為を躊躇わせる防犯要因は、車両17の近くを通行する通行人の「人目」だけになる。しかし、人目がある場所でも、車両17の横を通り過ぎる際に、車両17を傷つける加害行為が行われる事があるので、被監視度として、人目を高く評価することはできない。例えば、状況判定部1006は、人目による被監視度の上限を15点として評価し、監視カメラ2による被監視度とは加算せず、人目による被監視度と監視カメラ2による被監視度とのうち、大きい方の被監視度を採用してもよい。
画像分析部1008は、画像センサ12の画像から、顔画像を検出する。状況判定部1006は、画像分析部1008による顔画像の検出結果に基づいて、人目による被監視度を評価する。更に詳しくは、状況判定部1006は、画像分析部1008が顔画像を検出する頻度が高い場所であれば、人通りが多い場所であるので、被監視度が高い(15点を満点として、頻度に応じて点数化)と評価する。
また、状況判定部1006は、画像分析部1008による顔画像の検出結果に限らず、音声分析部1009による音声の分析結果に基づいて、人目による被監視度を評価しても良い。状況判定部1006は、音声分析部1009が人声や車の走行音を検出する頻度が高い場所であれば、交通量(人通り)が多い場所と推定されるので、被監視度が高いと評価しても良い。一般に、画像の撮影や分析は、音声の収録や分析よりも多くの電力を必要とする。そのため、状況判定部1006は、充電状況が良い場合は画像の撮影と分析によって人目を評価し、充電状況が悪化したら音声の収録と分析で人目を評価する様にしても良い。
ところで、遮蔽度は、自由に移動可能な公道から、車両17を視認する事や、駐車場所まで移動する事の、物理的な困難さの尺度であるのに対し、被監視度は、駐車場所が見られている度合い、又は加害行為が目撃される可能性を感じる度合いであり、心理的な尺度とも言える。
遮蔽度が高い場合、加害者は、物理的な理由により加害行為を行えない。一方、被監視度が高くても、加害者は、フルフェイスのマスクを着用する等により捜査対策を行うことで、加害行為を行うことができる。つまり、遮蔽度は、防犯度を評価する上で、主たる要件であるのに対し、被監視度は、補助的要因であると言える。例えば、遮蔽度が最高であるタワー式駐車場であれば、加害者は内部に侵入できないので、加害行為を行うことができない。そのため、状況判定部1006は、監視カメラ2が無くても防犯度は高いと評価とする。逆に、監視カメラ2があっても、遮蔽度が最低の路上駐車であれば、加害者は投石による加害行為を行うことができる。そのため、状況判定部1006は、防犯度は低いと評価とする。
遮蔽度と被監視度の防犯における作用の違いから、状況判定部1006は、遮蔽度と被監視度とに対して重み付けを行ってもよい。例えば、状況判定部1006は、防犯度[100~0]=MIN(100,(遮蔽度[100~0]+被監視度[30~0]))、(但し、MIN(A,B)はAとBの小さい方の値を取る関数)の様に、被監視度の配点を遮蔽度の3割とし、状況判定部1006は、防犯度を100点満点とし、100点以上は100点と見做す様にしてもよい。この様に、状況判定部1006は、遮蔽度及び被監視度に応じた防犯度を含む電力制御要件を決定し、防犯度に対する遮蔽度の寄与の上限は、防犯度に対する被監視度の寄与の上限よりも大きくしてもよい。
また、防犯度は、場所に紐づけて記憶して、使用者が防犯度を場所毎に設定できる様にしても良い。例えば、自宅ガレージの防犯設備が十分なら、自宅ガレージの防犯度を満点の100点に設定し、監視機能の消費電力が小さくなる様にしても良い。或いは、例えば機械式駐車場である事を駐車中の移動により検知した時は、防犯度を場所に紐づけて記憶する。そして、次に同じ場所に駐車した時は、記憶してある防犯度を適用する様にしても良い。機械式駐車場である事を加速度の検知で判定している場合、駐車した時点では機械式駐車場である事が判らず、必要以上に監視密度が高い省電力モードで録画動作を開始してしまう事があるが、記憶してある防犯度を適用できる場合は、最初から最適な省電力モードを選択できる。
具体的には、記憶装置164は、防犯度を設定する場所を示す位置情報と、設定した防犯度とを紐づけた位置別防犯度情報を記憶する。車両17が駐車した場合に、状況判定部1006は、駐車した位置を示す位置情報と、位置別防犯度情報とを照合することで、駐車した位置に防犯度が紐づけられているか否かを判定する。状況判定部1006は、駐車した位置に防犯度が紐づけられている場合に、紐づけられている防犯度を駐車した場所の防犯度として適用する。また、駐車した位置に防犯度が紐づけられていない場合に、自動的に位置別防犯度情報を記憶する様にしても良い。その際に、防犯度が高い駐車場所は優先的に記憶し、防犯度が低い駐車場所は記憶しない様にする選別を加えても良い。これらの処理により、状況判定部1006は、場所に紐づけられた防犯度を適用する。また、HMI制御部1003は、防犯度の評価を使用者に通知し、使用者が状況判定部1006の評価に不同意の場合は、位置別防犯度情報の防犯度を変更する操作を受け付ける。これにより、使用者は任意の防犯度に設定することができる。
次に、防犯度を評価する過程と、防犯度に応じた省電力モードの選択について、例を挙げて説明する。
先ず、画像記録装置16は、車両17が公道を走行している時に、交差点でない位置で左折して公道を離れた場合、駐車する事を予測して防犯度の評価を開始する。防犯度を評価する過程は、公道を離れてから駐車するまで継続する。例えば、画像記録装置16は、駐車した事をパーキングブレーキの作動により検出しても良いし、イグニッションがOFFされた時点や、ドアが外部から施錠された時に駐車したと判定しても良い。
防犯度を評価する過程で、画像記録装置16は画像センサ12が取得した画像を画像分析部1008で分析する事により、通過する経路に設けられた監視カメラ2を検出する。画像分析部1008は、画像センサ12が撮影した画像から監視カメラ2の像を検出した場合、レンズ22の像の扁平度から光軸に対する角度を計算する。状況判定部1006は、車両17の走行に従って、光軸に対する角度が変わるので、角度の最小値で被監視度を計算する。また、状況判定部1006は、車両17が傾斜路を下っている場合は、地下駐車場と推定する。逆に、状況判定部1006は、車両17が傾斜路を登った場合は、傾斜路の斜度と走行距離とから登った高さを算出し、高さが閾値以上なら立体駐車場と判定する。
状況判定部1006は、立体駐車場に駐車後、衛星測位システムの電波が受信できれば屋上駐車場に駐車されたと判定し、受信できなければ屋内駐車場に駐車されたと判定する。一方、状況判定部1006は、入場後に登りが無く、駐車後に衛星測位システムの電波が受信できなければ地下駐車場に駐車されたと判定する。さらに、状況判定部1006は、駐車した位置で撮影された画像からも監視カメラ2の像を探索し、監視カメラ2が検出した場合に監視カメラ2の光軸からの角度に応じて被監視度を計算する。
防犯度に応じた省電力モードの選択は駐車後に行う。例えば、画像記録装置16は、施錠された時に、防犯度の算出と省電力モードの設定を行う。防犯度の算出では、駐車するまでの走行中と駐車後に得た被監視度の評価値と、駐車した時点で判定した遮蔽度の評価値を総合して防犯度を決定する。次に、防犯度から求められる省電力モードを決定する。省電力モードとは、消費電力の節約のために、画像センサ12が撮影した画像の記録頻度を走行中より少なくする省電力化のための設定である。
記録制御部1004は、防犯度と、予測駐車時間と、充電状況とを電力制御要件として評価し、電力制御要件に応じて省電力モードを選択する。更に詳しくは、状況判定部1006は、駐車位置に紐づけられた駐車時間が記憶されている場合は、その駐車時間を予測駐車時間にする。予測駐車時間とは、駐車位置に駐車されるであると推定される時間である。記録制御部1004は、予測駐車時間の2倍の時間、監視を続けても閾値以上の電力が残る第1の省電力モードを求める。また、記録制御部1004は、防犯度から求められる第2の省電力モードを求める。そして、記録制御部1004は、第1の省電力モードと、第2の省電力モードとの二つのうち、消費電力が小さい方を選択して実行する。すなわち、記録制御部1004は、防犯度に応じた省電力設定と、充電状況及び予測駐車時間に応じた省電力設定とのうち、消費電力が小さくなる方の省電力設定に従って記録部1005を制御する。
または、記録制御部1004は、例えば駐車されてから5分間は走行中と同じ記録動作を行い、5分後に状況判定部1006が使用者の位置から駐車時間を推定し直して、その時点で記録制御部1004が省電力モードを更新してもよい。あるいは、記録制御部1004は駐車した時点で状況判定部1006が評価した電力制御要件に従って省電力モードを決定し、例えば駐車した場所がタワー式駐車場であって駐車後に車両17の移動があった時は、状況判定部1006が防犯度を再評価して、更新された電力制御要件に従って記録制御部1004が省電力モードを決定し直しても良い。
電力制御要件の一つである車両17のバッテリーの充電状況は、具体的には許容電力量として数値化する。ここで、許容電力量は、車両17の持つ残電力量のうち、駐車中の録画に割当てる事が可能な電力量である。記録制御部1004は、単位時間当たりの消費電力に予測駐車時間を乗算した予測消費電力が、許容電力量を越えない様に、画像記録装置16の消費電力の目標値を決める必要がある。インテリジェント化された車両17は、駐車中に航法装置15のデータの更新や使用者への通知情報の受信などの処理を、録画以外にも実行しているので、全体として電力量が不足しない様に、画像記録装置16を除く、車両システム10全体の消費電力も勘案して許容電力量を計算する必要がある。
ここで、車両17の残電力量は、通常はバッテリーの残電力量となるが、バッテリーが外部から充電されている場合は、残電力量を無限大と評価することができる。よって、状況判定部1006は、外部から充電されている場合は、許容電力量を無限大として評価しても良い。
状況判定部1006は、バッテリーが外部から充電されている場合を除き、バッテリーの残電力量を定期的に監視して、許容電力量の再評価を繰り返す必要がある。例えば、車室灯の消し忘れがあった場合に、消費電力は増加する。そのため、状況判定部1006は、充電状況の悪化を検知して許容電力量を引き下げる必要がある。この時、状況判定部1006は、バッテリーの残電力量の単位時間当たりの低下幅から、車両システム10全体の単位時間当たりの消費電力を算出する。そして、状況判定部1006は、車両システム10全体の単位時間当たりの消費電力をもとに、画像記録装置16の消費電力の目標値(許容電力量)を算出してもよい。
ここで、図8は、第1実施形態にかかる省電力モードの種別の一例を示す図である。図8に示すように、省電力モードには、Mode0、Mode1、Mode2、Mode3、及びMode4がある。Mode0、Mode1、Mode2、Mode3、及びMode4は、それぞれ記録部1005が画像を記録する頻度が異なっている。また、モードにより動作するセンサや処理回路が異なっており、例えば、Mode3以上では画像分析部1008を作動させ、Mode2では画像分析部1008への電源供給を止めて、消費電力が小さい音声センサ13と音声分析部1009とを動作させる、という様に省電力モードに応じてセンサや処理回路を使い分けている。そして、記録制御部1004は、駐車中における各種センサへの電力供給を省電力モードに応じて制御する。電力供給には、連続通電と、間欠通電と、通電停止とに大別され、間欠通電の間隔も記録制御部1004が制御する。
各センサの消費電力は、画像センサ12、音声センサ13、衝撃センサ14の順で少なくなる。衝撃センサ14は衝撃を検知した時だけ電流が流れ、衝撃を検知しない時は電力を消費しないので、継続的な録画としては画像を全く記録しないMode0でも常時通電していて良い。Mode1では、画像分析部1008や音声分析部1009を作動させず、低頻度である固定の時間間隔で画像センサ12を起動し、起動毎に画像を1コマ記録する。また、Mode0を含む全てのモードでは、イベントトリガ式の録画機能として、衝撃センサ14が衝撃を検知した事をトリガ条件として動画を3分程度記録する。Mode0は継続的な録画を行わず、イベントトリガ式の録画機能だけを残したモードである。Mode0では電力を消費させないために、衝撃センサ14が衝撃を検知するまでは、他の全ての回路に通電せず、画像の記録も一切しない。つまり、継続的な録画として画像を記録する頻度はゼロであり、実質的な消費電力もゼロである。以後、Mode0は画像を記録せず、電力を消費しないモードとして説明する。
Mode2では、音声センサ13と音声分析部1009とを常時通電する。そして、記録制御部1004は、音声を検知したら動画記録を行う。Mode0では、衝撃センサ14が衝撃を検知した後、つまり加害の後の動画しか撮れないのに対し、Mode2では、加害行為の前からの動画記録を期待できる。Mode2では、音声センサ13が音声を検知しない場合も定期的に静止画を撮影して記録する。Mode1でも、定期的に静止画撮影するが、消費電力を抑える為に、Mode1の撮影間隔はMode2の撮影間隔より長く設定される。加害行為を行っている場面を偶然に撮影できる確率は撮影間隔に依存するので、Mode1の方が犯行を捉えられる確率が低くなる。この定期的な静止画の画像記録は、動画の録画とはモードが異なる録画と見做しても良いし、フレームレートが低い動画の録画と見做しても良く、記録フォーマットはJPEG、Motion-JPEG、MPEG等のいずれを用いても良い。これらの記録フォーマットは相互に変換可能なので、動画から静止画を切出したり、静止画をまとめて動画にしたりする事が可能である。
Mode3では、画像センサ12を常時通電し、毎秒1コマの頻度で静止画撮影して、画像分析部1008が接近する物体を検知する。そして、記録制御部1004は、接近する物体を検知した時点から動画の記録を開始し、検知が無い時は毎秒1コマの静止画を記録する。よってMode3では、加害者が音を立てずに接近した場合も、加害行為の前からの動画記録が出来るし、画像分析部1008が接近する物体を検知しなかった場合も、加害行為を行っている場面を高確率で静止画記録することが出来る。
Mode4は、省電力を行わない省電力モードである。Mode4では、画像センサ12は動画撮影を常時行う。そして、記録制御部1004は、全ての動画を記録しても良いし、接近する物体の検知や音の検知や衝撃の検知があれば、その前後の期間の動画を上書きしない様に保護する記録制御を加えても良い。
多くのセンサが常時動作して動画記録を積極的に行うMode4やMode3は、防犯の観点から監視密度が高い省電力モードに該当する。作動するセンサが少ないMode2や、センサを作動させずに間欠的な静止画記録だけを行うMode1は、監視密度が低い省電力モードに該当する。そして、Mode0は監視密度がゼロの省電力モードに該当する。
画像記録装置16が消費する電力は、短期的にはバッテリーから供給され、バッテリーの電力量は燃料を消費する事に依って補充される。省電力化の観点から、Mode0やMode1は、省電力の度合いを示す省電力度が高いと言える。また、Mode3やMode4は、省電力度が低いと言える。つまり、省電力度と監視密度とは、背反するので調停が必要である。具体的には、記録制御部1004は、バッテリーの残電力量と予測駐車時間に対応した予測消費電力が、防犯度が求める省電力モードの消費電力より低い場合、許容される消費電力に応じて省電力モードを決める。
ここで、図9は、第1実施形態にかかる防犯度と省電力モードとの対応関係の一例を示す図である。防犯度は、駐車場所により決まる遮蔽度を基礎点として、被監視度を上積みした尺度と考えて良い。そこで、記録制御部1004は、防犯度が高くなるに従い、省電力度が高い省電力モードを選択する。例えば、タワー式駐車場であれば車両17に接近することはほぼ不可能なので、録画を行わないMode0であっても良い。逆に、路上駐車であれば最大限の監視密度が求められる。
状況判定部1006は、駐車位置に紐づけられた駐車時間が記憶されていない場合は、自車から携帯端末20までの距離に応じて予測駐車時間を推定してもよい。更に詳しくは、通信制御部1007は、携帯端末20のアプリケーションと通信して、携帯端末20の位置を示す位置情報を取得する。また、入出力部1002は、航法装置15から自車の位置を示す位置情報を取得する。状況判定部1006は、携帯端末20の位置を示す位置情報と、自車の位置を示す位置情報との差から、自車から携帯端末20までの距離を算出する。すなわち、分析部1001は、使用者が保持する携帯端末20と通信を行う事により、使用者と車両17との距離を分析する。そして、状況判定部1006は、算出した距離に基づいて、予測駐車時間を推定する。
例えば、状況判定部1006は、距離が1000キロメートル以上の場合に予測駐車時間は10日と判定し、距離が100キロメートル以上の場合に予測駐車時間は3日と判定し、距離が10キロメートル以上の場合に予測駐車時間は1日と判定し、距離が1キロメートル以上の場合に予測駐車時間は6時間と判定する。
車両17の通信装置11は、使用者が乗車している間は携帯端末20と近距離通信30を実行する。また、通信装置11は、駐車された後も携帯端末20と近距離通信30を試みる。通信装置11と携帯端末20とが近距離通信30を実行可能な場合、状況判定部1006は、車両17の付近にいると推定されるため、駐車場所が自宅などの特定の場所である場合を除き、予測駐車時間を1時間と判定する。また、通信装置11は、公衆回線40を介して携帯端末20のアプリケーションから、携帯端末20の位置を示す位置情報を取得するのは、近距離通信30による通信が実行できなくなってから1時間経過後からでもよい。
状況判定部1006は、駐車場所から予測駐車時間を推定してもよい。例えば、航法装置15は、位置情報に紐づけて予測駐車時間を記憶する。分析部1001は、駐車場所を示す位置情報に紐づけられた予測駐車時間を航法装置15から取得することで、予測駐車時間を推定してもよい。すなわち、分析部1001は、車両17の駐車場所に紐づけて記憶された駐車時間情報がある場合は、記憶された駐車時間情報に応じて予測駐車時間を決定してもよい。また、駐車場所の近くにある施設から予測駐車時間を決定してもよい。例えば、状況判定部1006は、駐車場所がコンビニエンスストアの場合に1時間と推定し、駅付近なら1日と推定し、空港付近なら2日と推定しても良い。
通信装置11は、携帯端末20から位置情報を取得するのは、予測駐車時間を超えた時でもよい。例えば、通信装置11は、駅に駐車されて1日後に位置情報を取得する。そして、状況判定部1006は、携帯端末20が1000キロメートル以上遠方にある場合、又は通信圏外にある場合に予測駐車時間を4日としても良い。
以下に、記録制御部1004が予測駐車時間と残電力量から省電力モードを選択する方法と、その選択の更新方法の一例を示す。記録制御部1004は、先ず防犯度が求める省電力モードを選択する。例えば、駐車場所がコンビニエンスストアで防犯度が10の場合、防犯度が求める省電力モードは、図9の表から最も監視密度が高いMode4となる。次に、時間当たり消費電力と予測駐車時間との積(電力量)を求め、その電力量を監視に使用可能な許容電力量の半分と比較し、許容電力量の半分を越えなければ防犯度が求める省電力モードを実行する省電力モードとして選択する。許容電力量は、前述の通り、電力制御要件である車両17のバッテリーの充電状況を表すパラメータであり、車両17の持つ残電力量のうち、駐車中の録画に割当てる事が可能な電力量である。なお、車両17のバッテリーが外部から充電されている場合は、残電力量を無限大と評価することができるので、予測駐車時間などは考慮せず、防犯度が求める省電力モードを直ちに実行する省電力モードとして決定しても良い。
駐車場所がコンビニエンスストアの場合、予測駐車時間は1時間なので、普通の充電状況であれば防犯度が求める省電力モードを変更せず実行する。逆に、許容電力量の半分を越えている場合は、省電力モードを1段、消費電力が小さいモードに変更し、その消費電力と予測駐車時間との積(電力量)を監視に使用可能な許容電力量の半分と比較する。これを、消費する電力量が許容電力量の半分以下になるまで繰り返すと、駐車時間が予測駐車時間の2倍になっても、車両17の動作に支障が無い程度の残電力量が残る省電力モードの中で、最も監視密度が高い省電力モードが選択される。
このプロセスの結果は、予測駐車時間の2倍の時間、監視を続けても支障が無い電力量が残る事を条件として、充電状況及び予測駐車時間に応じた第1の省電力モードを求め、これとは別に、防犯度に応じた第2の省電力モードを求め、第1の省電力モードと、第2の省電力モードとの二つのうち、消費電力が小さい方を選択した場合と同じであり、どちらのプロセスを用いても問題ない。また、記録制御部1004は省電力モードを固定せず、防犯度が変化した時点、または駐車時間が予測駐車時間を超えた時点で、その時の残電力量に合わせて、同じルールで省電力モードを選択し直す。
駐車時間が予測駐車時間を超えた時点で省電力モードを選択し直す時、記録制御部1004は、車両17が電力を供給されていない場合、駐車中に残電力量が減っているので、画像の記録を続けても車両17の動作に支障が無い残電力量が残る様に、より消費電力が少ない省電力モードに変更して録画を続ける。一方、車両17が電力を供給されている場合、残電力量は減少しないので、省電力モードは最初のままで良い。
通信装置11は、駐車時間が予測駐車時間を超えた時点で携帯端末20のアプリケーションと通信して、携帯端末20の位置情報を取得する。そして、状況判定部1006は、当初より遠方に携帯端末20がある場合は、電力制御要件である予測駐車時間を変更しても良い。
記録制御部1004は、予測駐車時間毎の省電力モードの再設定を繰り返し、画像の記録を続けても車両17の動作に支障が無い程度の残電力量が残る様に、より消費電力が少ない省電力モードに切り替えるが、最終的には録画をしないMode0に切換え、車両17の動作に支障が無い電力量が残った状態で、録画を終了する。すなわち、記録制御部1004は、車両17の動作に支障が無い電力量を残すために画像の記録を終了する。なお、前述の通り、Mode0では継続的な録画は行わないが、衝撃の検知をトリガとするイベントトリガ式の録画機能はMode0でも働くので、全く録画をしない訳では無い。
また、記録制御部1004は、防犯度に変化があった時に省電力モードの再設定を行っても良い。例えば、状況判定部1006は、駐車後に車両17の移動を検知し、平面駐車場ではなく機械式駐車場であると判定を変えた時は、防犯度を更新する。そして、記録制御部1004は、更新後の防犯度に応じた省電力モードを選択する。或いは、記録制御部1004は、人声や車の走行音が減って被監視度の評価値が下がり、防犯度が下がった時は、残電力量が許容する範囲内で、より監視密度が高い省電力モードに変更しても良い。
ここで、図10は、第1実施形態にかかる各省電力モードの一日当たりの消費電力の一例を示す図である。図11は、省電力モードに設定した場合の消費電力と残電力量との推移の一例を示す図である。
画像記録装置16が録画に使用する消費電力(1日当たりの電力量)は、例えば、図10に示すように、Mode4の消費電力は4Ah/日であり、Mode3の消費電力は2Ah/日であり、Mode2の消費電力は1Ah/日であり、Mode1の消費電力は0.5Ah/日であり、Mode0の消費電力は0Ah/日であったと仮定する。この、画像記録装置16が録画に使用する消費電力は、各モードでの録画に伴って作動する各種のセンサや分析部および制御部の消費電力を含んでいる。また、例えば、車両17のバッテリーの残電力量が30Ahの時、車両17の動作に支障が無い残電力量が20Ahであり、画像記録装置16以外の部分などで消費される事に備えた電力量のマージンが2Ahであったとする。そして、残電力量が30Ahのうち、車両17の動作に支障が無い残電力量である20Ahと、画像記録装置16以外の部分などで消費される事に備えた電力量マージンである2Ahとを加算した22Ahを残すものとすると、画像記録装置16が録画に使用可能な許容電力量は8Ahになる。
このような仮定において、記録制御部1004は、駐車場所の防犯度が0の場合、最大限の監視が求められるため、Mode4を選択可能であるか否かを判定する。Mode4の消費電力は1日あたり4Ahであり、予測駐車時間が1日の場合、予測駐車時間の2倍に当たる2日間、Mode4で監視した時に消費される電力量が8Ahとなり、監視に使用可能な許容電力量8Ahを越えないので、Mode4を選択可能であると判定し、記録制御部1004は、Mode4を選択する。このように、記録制御部1004は、画像記録装置16が消費する電力量を、予め定めた録画に使用可能な許容電力量の範囲内で選択する事により、車両17の動作に支障が無い残電力量である20Ahを残すことができる。以後、画像記録装置16は、選択したMode4により車両17の周囲を監視する。
予測駐車時間である1日経過すると、4Ahの電力が使用されたことにより、残電力量は26Ahになる。すなわち、監視に使用可能な許容電力量は、4Ahとなる。そこで、記録制御部1004は、許容電力量に合わせて省電力モードを再選択する。記録制御部1004は、あと2日間Mode4で監視した場合、消費する電力量が8Ahとなり、許容電力量である4Ahを超えてしまう。そこで、記録制御部1004は、消費電力が1段低いMode3であれば、許容電力量である4Ahに収まるか否かを判定する。Mode3の消費電力は1日あたり2Ahであるため、2日間監視しても、消費電力量が4Ahを超えることはない。そこで、記録制御部1004は、Mode3を選択する。これにより、画像記録装置16は、Mode4により車両17の周囲を監視する。
このような処理を繰り返し実行することで、図11に示すように、記録制御部1004は、より省電力な省電力モードに変更し、最終的には電力を消費しないMode0を選択する。Mode0になった以後は電力を消費しないので、車両17の動作に支障が無い残電力量である20Ahを超える22.5Ahの電力量をバッテリーに残すことができ、更に2Ahが自然放電などで消費されても、車両17の動作に支障がない。このように、分析部1001は、電力制御要件を駐車中に反復して更新し、記録制御部1004は、電力制御要件が更新された場合に、省電力設定を更新する。
ここで、図11に示すように、画像記録装置16は、最初は、駐車場所の防犯度に合わせた監視密度で録画しようとするが、予測駐車時間が経過した後は、より監視密度を低くして、最終的には録画による監視をしなくなる。つまり、録画が不足している時に車両17が損害を受けて加害者を特定できず、その為に弁済(損害賠償)が受けられない事により、車両17の使用者に損失(遺失利益)が発生する可能性がある。しかし、録画が役に立つ確率、つまり車両17が被害に逢う確率は非常に低いので、監視が不足したために発生する損失の期待値は、比較的に小さい。一方、車両17の動作に支障が出る恐れがあるにもかかわらず録画を続けた場合、結果としてバッテリーが消耗し、エンジンが起動しなくなる等の支障が出る確率は非常に大であり、車両17の支障により、使用者が被る損失は大きいので、車両17の動作に支障が出る恐れがある時に監視を続けた場合に発生する損失の期待値は、比較的に大きい。つまり、画像記録装置16は、バッテリーに必要な電力量を残しておく事を、録画よりも優先した方が、損失の期待値が小さくなるので、より経済的である。よって、バッテリーの残電力量の減少に合わせて省電力モードを更新する事は、合理的な制御であると言える。
ここでは、説明を容易にするために、消費電力が指数関数的に小さくなるように、省電力モード毎の消費電力を5段階で設定し、予測駐車時間が経過する毎に省電力モードを更新する様にした。しかしながら、省電力モードの数を増減させたり、無段階にしたり、省電力モードを見直す間隔を予測駐車時間より短くしたり、予測駐車時間とは無関係にしたりする事も任意である。例えば、省電力モードを設定する際に、次に省電力モードを再設定するバッテリーの残電力量の閾値を決めておき、残電力量が決めた閾値に達したら、省電力モードとバッテリーの残電力量の閾値とを更新する様にしても良い。その様にすれば、例えば、車内灯の消し忘れによりバッテリーの残電力量の減少が予想以上に早い場合に、バッテリーの残電力量の監視により省電力モードを更新するタイミングを早める事ができる。
以上のように、第1実施形態にかかる画像記録装置16は、車両17に搭載された画像センサ12が撮影した画像を記録する記録部1005を備えている。また、画像記録装置16は、加害者が駐車中の車両17に接近して加害行為を行う事の困難さを数値化した防犯度と、車両17の予測駐車時間と、車両17のバッテリーの充電状況とを分析することで、画像センサ12が撮影した画像の記録頻度を決定するための電力制御要件を決定する。そして、画像記録装置16は、電力制御要件に応じて記録部1005による画像の記録頻度を制御する。よって、画像記録装置16は、防犯度に応じた適切な録画と、バッテリーの残電力量の保証とを両立する省電力制御を実行することができる。
(変形例1)
第1実施形態の変形例1について説明する。
第1実施形態では、画像記録装置16は、電力制御要件として防犯度と、予測駐車時間と、残電力量とを評価し、電力制御要件に応じて、最適な省電力モードを選択する構成を説明した。しかしながら、画像記録装置16は、防犯度に応じて省電力モードを決定し、バッテリーの残電力量が閾値を下回ったら録画を停止する様な制御であってもよい。例えば、駐車場所が立体駐車場で防犯度が60の場合、防犯度が求める省電力モードとして、図9の表から監視密度が中程度であるMode2を選択し、バッテリーの電圧低下を監視する装置からの警告信号を受けるまではMode2のままで監視を実行し、電圧低下の警告信号を受けた時点で監視を停止する様にしても良い。駐車場所の防犯度が求める監視を、出来るだけ続ける動作となるので、これも合理的な制御方法の一つであると言える。
または、画像記録装置16は、駐車時間を予測せず、防犯度と残電力量に応じて、所定の時間だけ録画が出来る様に省電力モードを決定する様にしても良い。例えば、駐車時間の予測によらずに、固定の省電力モード見直し間隔を設定し、防犯度が求める省電力モードを最初に実行する省電力モードとして選択し、駐車が継続して省電力モード見直し間隔が経過する毎に、バッテリーの残電力量に応じた省電力モードを選択する様にしても良い。この制御方法ではバッテリーの残電力量の減少に応じて省電力度を増す事により、省電力モードを固定する方法より長く監視を続ける事が可能であり、駐車時間を予測しない分だけ、より簡易に実施できると言える。
または、画像記録装置16は、防犯度を評価せず、予測駐車時間と、残電力量とに応じて、省電力モードを選択する様にしても良い。例えば、航法装置15から得た地図情報により、駐車場所の種類を特定し、駐車場所に応じて予測駐車時間を求め、予測駐車時間の2倍の時間、監視を続けても支障が無い電力が残る省電力モードのうち、最も監視密度が高い省電力モードを選択する様にしても良い。駐車場所の防犯度によらず、予測駐車時間と残電力量の制約の範囲内で、出来るだけ監視密度を高くしている点で合理的であり、防犯度を評価しない分だけ、より簡易に実施できると言える。
また、防犯度を遮蔽度と被監視度との両方を評価して算出するのではなく、一方だけの評価から算出する様に簡略化しても良い。遮蔽度は防犯度の主たる部分なので、被監視度の評価を省いても評価の的確さの低下は小さいと言える。被監視度は画像記録装置16が常時取得している画像からレンズ22の像を検出する事で評価できるので、防犯度を被監視度だけで評価する様にすれば、簡易に実施可能になると言える。この様に、第1実施形態で示した、遮蔽度と被監視度から算出した防犯度と、予測駐車時間と、残電力量と、を電力制御要件として評価し、電力制御要件に応じた最適な省電力モードを選択する構成だけでなく、電力制御要件の一部の評価を簡略化したり、評価をしないで所定の固定値を電力制御要件として用いたり、電力制御要件の一部を省いたりする事により簡略化した構成でも、それなりに合理的で効果的な電力制御を行う事が可能である。
第1実施形態、及び、これらの変形例1では、画像記録装置16の機能は、CPU161が特定のコンピュータプログラムを実行することによって実現されるとして説明した。画像記録装置16の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、ROM163に予め格納されて提供され得る。画像記録装置16の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disc)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カードなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに画像記録装置16の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、画像記録装置16の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムをインターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また画像記録装置16の機能のうちの一部または全部は、論理回路によって実現されてもよい。画像記録装置16の機能のうちの一部または全部は、アナログ回路によって実現されてもよい。画像記録装置16の機能のうちの一部または全部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって実現されてもよい。
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 画像記録システム
2 監視カメラ
10 車両システム
11 通信装置
12 画像センサ
13 音声センサ
14 衝撃センサ
15 航法装置
16 画像記録装置
17 車両
18 HMI(Human Machine Interface)
19 車内LAN
20 携帯端末
21 作動インジケータ
22 レンズ
30 近距離通信
40 公衆回線
161 CPU(Central Processing Unit)
162 RAM(Random Access Memory)
163 ROM(Read Only Memory)
164 記憶装置
165 入出力インタフェース
166 処理回路
167 バス
1001 分析部
1002 入出力部
1003 HMI制御部
1004 記録制御部
1005 記録部
1006 状況判定部
1007 通信制御部
1008 画像分析部
1009 音声分析部
1010 内部バス

Claims (9)

  1. 車両に搭載されたカメラが撮影した画像を記録する記録部と、
    前記車両がおかれた状況を分析することで電力制御要件を決定する分析部と、
    前記分析部によって決定された前記電力制御要件に応じて前記記録部による前記画像の記録頻度を制御する省電力制御部と、
    を備え、
    前記電力制御要件は、少なくとも前記車両が駐車された駐車場所の防犯度と、前記車両の予測駐車時間と、前記車両のバッテリーの充電状況とを含むことを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記省電力制御部は、前記防犯度に応じた省電力設定と、前記充電状況及び前記予測駐車時間に応じた省電力設定とのうち、消費電力が小さくなる方の省電力設定に従って前記記録部を制御する、
    請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記分析部は、前記電力制御要件を駐車中に反復して更新し、
    前記省電力制御部は、前記電力制御要件が更新された場合に、前記省電力設定を更新する、
    請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 車両に搭載されたカメラが撮影した画像を記録する記録部と、
    前記車両がおかれた状況を分析することで電力制御要件を決定する分析部と、
    前記分析部によって決定された前記電力制御要件に応じて前記記録部による前記画像の記録頻度を制御する省電力制御部と、
    を備え、
    前記電力制御要件は、前記車両の使用者と前記車両との間の距離に応じた、前記車両の予測駐車時間を含むことを特徴とする画像記録装置。
  5. 前記分析部は、車両の駐車場所に紐づけて記憶された駐車時間情報がある場合は、前記駐車時間情報に応じて前記予測駐車時間を決定する、
    請求項4に記載の画像記録装置。
  6. 前記分析部は、前記使用者が保持する携帯端末と通信を行う事により、前記使用者と前記車両との距離を分析する、
    請求項4または請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 車両に搭載されたカメラが撮影した画像を記録する記録部と、
    前記車両がおかれた状況を分析することで電力制御要件を決定する分析部と、
    前記分析部によって決定された前記電力制御要件に応じて前記記録部による前記画像の記録頻度を制御する省電力制御部と、
    を備え、
    前記電力制御要件は、前記車両が駐車された駐車場所の遮蔽度、または前記駐車場所の被監視度に応じた防犯度を含むことを特徴とする画像記録装置。
  8. 前記分析部は、前記遮蔽度及び前記被監視度に応じた前記防犯度を含む前記電力制御要件を決定し、前記防犯度に対する前記遮蔽度の寄与の上限は、前記防犯度に対する前記被監視度の寄与の上限よりも大きい、
    請求項7に記載の画像記録装置。
  9. 前記分析部は、前記画像より監視カメラのレンズの像を検出し、前記レンズの像の扁平度に応じて前記被監視度を評価する、
    請求項7又は請求項8に記載の画像記録装置。
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