JP2022107386A - X線検査システム、x線検査装置、x線検査方法 - Google Patents

X線検査システム、x線検査装置、x線検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不良と判断された物品を排除するX線検査システムにおいて、排除される良品の数を抑制する。【解決手段】X線検査システム100は、被検査物を連続的にランダムな位置で搬送する搬送部10、搬送部にX線を照射するX線照射器22、被検査物を透過したX線を検出するラインセンサ24、ラインセンサの検出結果に基づき透過X線画像を生成する画像生成部28b、透過X線画像に基づき被検査物の不良を検査する検査部28c、不良と判定された被検査物の搬送部上の位置に関する位置情報Eを生成する位置情報生成部28e、吸引エジェクタで被検査物Pを搬送部から取り除くロボット30、及びロボットの動作を制御するロボット制御部40を備える。ロボット制御部は、搬送部が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号Sと位置情報とに基づき、吸引エジェクタが不良と判定された被検査物に近づき取り除くようにロボットの動作を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、X線検査システムに関し、より具体的には、搬送部により連続的に搬送される多数個の物品に対してX線検査を行い、X線検査の結果、不良と判断された物品を搬送部から排除するX線検査システムに関する。また、X線検査システムに用いられるX線検査装置及びX線検査方法に関する。
従来、搬送部により連続的にランダムな位置で搬送される多数個の物品に対してX線検査を行い、不良と判断された物品(以後、不良品と呼ぶ)を、例えばアーム式の排除装置により搬送部から排除するX線検査システムが知られている。このようなX線検査システムでは、例えば不良品が1つであっても、排除装置により、搬送部上の、不良品の周囲の不良と判断されていない物品(以後、良品と呼ぶ)も大量に排除されるおそれがある。
これに対し、特許文献1(特開2004-279059号公報)のX線検査システムでは、排除される良品を減らすため、搬送部の搬送方向に直交する方向に複数の検査領域を設定し、検査領域のそれぞれに対して個別にアーム式の排除装置を設け、不良品が存在する検査領域に対応する排除装置だけを動作させている。
特許文献1(特開2004-279059号公報)のX線検査システムでは、全検査領域に対して単一のアーム式の排除装置が設ける場合に比べれば、搬送部から排除される良品の数を抑制できる。
しかし、特許文献1(特開2004-279059号公報)のX線検査システムでも、已然としてかなりの数の良品が排除されるおそれがある。
本発明の課題は、搬送部により連続的に搬送される多数個の物品に対してX線検査を行い、X線検査の結果、不良と判断された物品を搬送部から排除するX線検査システムであって、排除される良品の数を抑制可能なX線検査システムを提供することにある。
また、本発明の課題は、このようなX線検査システムに用いられるX線検査装置及びX線検査方法を提供することにある。
本発明の第1観点に係るX線検査システムは、搬送部と、X線照射部と、透過X線検出部と、画像生成部と、検査部と、位置情報生成部と、ロボットと、第1制御部と、を備える。搬送部は、多数個の物品を、連続的に、ランダムな位置で搬送する。X線照射部は、搬送部上の物品にX線を照射する。透過X線検出部は、物品を透過したX線を検出する。画像生成部は、透過X線検出部の検出結果に基づいて、透過X線画像を生成する。検査部は、透過X線画像に基づき、物品の不良を検査する。位置情報生成部は、検査部の検査結果に基づき、不良と判定された物品の搬送部上の位置に関する位置情報を生成する。ロボットは、物品の除去機構を有する。ロボットは、除去機構を少なくとも搬送部の搬送方向と直交する第1方向に移動させることが可能である。ロボットは、検査部により不良と判定された物品を除去機構により搬送部から取り除く。第1制御部は、搬送部が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号と、位置情報と、に少なくとも基づき、除去機構が検査部により不良と判定された物品に近づいて取り除くようにロボットの動作を制御する。
第1観点に係るX線検査システムでは、搬送部上の不良品の位置に関する位置情報に基づいてロボットの動作を制御して搬送部から不良品を取り除くため、不良品と共に取り除かれる良品の量を抑制できる。
なお、透過X線画像に基づき物品の不良を検査して位置情報を生成する工程には、ある程度の演算・処理時間を要し、なおかつ、演算・処理時間は毎回同一ではない。そのため、位置情報の生成タイミングに合わせてロボットを制御すると、ロボットが物品を取りに行く位置と、実際に不良品の存在する位置との位置ずれが発生するおそれがある。
これに対し、第1観点に係るX線検査システムでは、第1制御部が、搬送部が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号に基づいてロボットを制御する。そのため、透過X線画像に基づき物品の不良を検査して位置情報を生成するのに要する演算・処理時間が変動しても、ロボットが物品を取りに行く位置と実際に不良品の存在する位置との位置ずれを抑制できる。
本発明の第2観点に係るX線検査システムは、第1観点に係るX線検査システムであって、ロボットは、除去機構を搬送部の搬送方向と平行な方向にも移動させることが可能である。
第2観点に係るX線検査システムでは、除去機構が搬送方向に直交する第1方向だけではなく、搬送方向に平行な方向にも移動可能である。そのため、搬送部に、複数の不良品が、搬送方向において概ね同じ位置に、かつ、第1方向には異なる位置に存在する場合でも、搬送部による搬送を停止することなく、複数の不良品を搬送部から除去できる。
本発明の第3観点に係るX線検査システムは、第1観点又は第2観点に係るX線検査システムであって、計数部を更に備える。計数部は、検査部の検査の結果に基づいて、搬送部の第1所定領域に存在する、不良と判定された物品の個数を計数する。
第3観点に係るX線検査システムでは、搬送部の第1所定領域に存在する不良と判定された物品の個数が計数されるので、例えば、現在の搬送部の搬送速度で、ロボットが全ての不良品を取り除くことが可能か等の判断を行うことができる。
本発明の第4観点に係るX線検査システムは、第3観点に係るX線検査システムであって、速度制御部を更に備える。速度制御部は、搬送部の搬送速度を変更する。速度制御部は、計数部の計数結果に基づいて搬送部の搬送速度を制御する。
第4観点のX線検査システムでは、搬送部の所定領域に存在する不良品の個数に基づいて搬送部の搬送速度を変更するので、例えば第1所定領域に存在する不良品の数が多く、現在の搬送速度ではロボットが処理しきれない場合に、搬送速度を減速することができる。また、所定領域に存在する不良品の数が少なく、ロボットの処理能力に余裕がある場合には、搬送速度を増速することができる。そのため、不良品の除去漏れがない信頼度の高いX線検査システムを実現しつつ、所定領域に存在する不良品の数が少ない場合には搬送速度を増速してX線検査システムの処理能力を向上させることができる。
本発明の第5観点に係るX線検査システムは、第4観点に係るX線検査システムであって、画像生成部は、搬送部の搬送速度に応じて透過X線画像を補正する。
ここで、搬送部の搬送速度が、ある所定速度(基準速度と呼ぶ)である場合に、透過X線検出部の所定時間間隔の検出結果に基づき画像生成部が生成する透過X線画像を、仮に基準透過X線画像と呼ぶものとする。これに対して、搬送部上の物品の分布は変化させずに、搬送部の搬送速度だけを基準速度に対して増減させて透過X線検出部により所定時間間隔で透過X線を検出し、この検出結果に基づき画像生成部が透過X線画像(第1透過X線画像と呼ぶ)を生成したとする。この場合、第1透過X線画像は、基準透過X線画像を搬送部の搬送方向に伸ばした又は縮めた画像となる。そのため、仮に、位置情報生成部が、第1透過X線画像に基づいて位置情報を生成したとすると、搬送部上の物品の分布は変化していないのに、得られる位置情報は、基準透過X線画像に基づいて生成される位置情報とは異なることとなる。
これに対し、第5観点のX線検査システムでは、画像生成部が、搬送部の搬送速度に応じて透過X線画像を補正し、位置情報生成部は補正後の透過X線画像に基づいて位置情報を生成する。そのため、第5観点のX線検査システムでは、第1制御部は、搬送部の搬送速度によらず、ロボットを適切なタイミングで動作させ、不良品を精度よく搬送部から取り除くことができる。
本発明の第6観点に係るX線検査システムは、第3観点から第5観点のいずれかに係るX線検査システムであって、物品除去装置と、第2制御部と、を更に備える。物品除去装置は、搬送部上の、搬送方向における第2所定領域に存在する物品をまとめて取り除く。第2制御部は、物品除去装置の動作を制御する。第2制御部は、計数部により計数された第1所定領域に存在する不良と判定された物品の個数が所定値を超える場合に、物品除去装置を動作させる。
第6観点のX線検査システムでは、搬送部の所定領域に存在する不良品の個数が比較的多く、ロボットが処理しきれない場合には、物品除去装置で不良品をまとめて除去できる。そのため、X線検査システムを一時停止させることなく(X線検査システムの運転停止/運転再開に必要な時間を要することなく)、不良品の除去処理の漏れがない信頼度の高いX線検査システムを実現できる。
本発明の第7観点に係るX線検査システムは、第1観点から第6観点のいずれかに係るX線検査システムであって、第1制御部は、搬送部の所定領域に、不良と判定された物品が3つ以上存在する場合に、不良と判定された物品を取り除く除去機構の移動距離が最短になるように、ロボットの動作を制御する。
第7観点のX線検査システムでは、除去機構が最短距離を移動するように制御されるので、除去機構の移動距離を考慮しない場合に比べ、同一の処理時間で、より多くの不良品を搬送部から取り除くことができる。
本発明の第8観点に係るX線検査システムは、第1観点から第7観点のいずれかに係るX線検査システムであって、同一時点において、X線照射部がX線を照射する領域における搬送部の搬送速度と、ロボットが物品を取り除く領域における搬送部の搬送速度と、は同一である。
本発明の第9観点に係るX線検査システムは、第1観点から第8観点のいずれかに係るX線検査システムであって、除去機構は、不良と判定された物品を吸引除去する。
第9観点のX線検査システムでは、不良品を搬送部から素早く除去できる。
本発明の第10観点に係るX線検査装置は、搬送部と、X線照射部と、透過X線検出部と、画像生成部と、検査部と、位置情報生成部と、第1送信部と、第2送信部と、を備える。搬送部は、多数個の物品を、連続的に、ランダムな位置で搬送する。X線照射部は、搬送部上の物品にX線を照射する。透過X線検出部は、物品を透過したX線を検出する。画像生成部は、透過X線検出部の検出結果に基づいて、透過X線画像を生成する。検査部は、透過X線画像に基づき、物品の不良を検査する。位置情報生成部は、検査部の検査結果に基づき、不良と判定された物品の搬送部上の位置に関する位置情報を生成する。第1送信部は、ロボットの動作を制御する制御部に、搬送部が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号を送信する。第2送信部は、制御部に、位置情報を送信する。ロボットは、物品の除去機構を有する。ロボットは、除去機構を少なくとも搬送部の搬送方向と直交する第1方向に移動させることが可能で、検査部により不良と判定された物品を除去機構により搬送部から取り除く。制御部は、除去機構が検査部により不良と判定された物品に近づき取り除くようにロボットの動作を制御する。
本発明の第11観点に係るX線検査方法は、X線照射ステップと、透過X線検出ステップと、画像生成ステップと、検査ステップと、位置情報生成ステップと、送信ステップと、制御ステップと、を備える。X線照射ステップでは、多数個の物品を、連続的に、ランダムな位置で搬送する搬送部に対しX線が照射される。透過X線検出ステップでは、物品を透過した透過X線が検出される。画像生成ステップでは、透過X線の検出結果に基づいて、透過X線画像が生成される。検査ステップでは、透過X線画像に基づき、物品の不良が検査される。位置情報生成ステップでは、検査ステップの検査結果に基づき、不良と判定された物品の、搬送部上の位置に関する位置情報が生成される。送信ステップでは、ロボットの動作を制御する制御部に、搬送部が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号と、位置情報と、が送信される。ロボットは、物品の除去機構を有する。ロボットは、物品の除去機構を少なくとも搬送部の搬送方向と直交する第1方向に移動させることが可能で、検査ステップで不良と判定された物品を除去機構により搬送部から取り除く。制御ステップでは、制御部は、基準信号と位置情報とに少なくとも基づき、除去機構が検査ステップで不良と判定された物品に近づき取り除くようにロボットの動作を制御する。
本発明に係るX線検査システムでは、搬送部上の不良品の位置に関する位置情報に基づきロボットで搬送部から不良品を取り除くため、不良品と共に取り除かれる良品の量を抑制できる。
本発明の一実施形態に係るX線検査システムの概略平面図である。 図1のX線検査システムのブロック図である。 図1のX線検査システムの概略正面図である。 図1のX線検査システムに含まれるX線検査装置のX線検査部のシールドボックスの外観斜視図である。 図4のシールドボックス内部の簡易構成図である。 図4のX線検査装置のX線検査部のラインセンサによって検出される透過X線量を示すグラフの一例である。 図4のX線検査装置のX線検査部が生成する透過X線画像の図である。 図1のX線検査システムに含まれるX線検査装置の位置情報の生成処理について説明すると共に、図1のX線検査システムに含まれるロボットが不良品を除去する順序について説明するための図である。 図1のX線検査システムの実行する不良品検査のフローチャートである。 図9の不良品検査中の不良品排除処理のフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係るX線検査システムの実施形態を説明する。
なお、以下の実施形態は、具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、以下の実施形態に多様な変更が可能であることが理解されるであろう。
以下の説明では、説明の便宜上、方向等を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。特記無き場合、これらの表現の示す向きは、図面に付された矢印の向きに従う。
(1)全体構成
本発明の一実施形態に係るX線検査システム100について、図1~図3を参照しながら説明する。図1は、X線検査システム100の概略平面図である。図2は、X線検査システム100のブロック図である。図3は、X線検査システム100の概略正面図である。
X線検査システム100は、連続的にランダムな位置で搬送される多数個の被検査物P(物品)のX線検査を行って不良品を検出し、不良品と判定された被検査物Pを排除し、良品と判定された被検査物Pを次の工程へと搬送するシステムである。
ここで、連続的に被検査物Pが搬送されるとは、被検査物Pが、1つずつ所定の間隔を空けて間欠的に搬送されるのではなく、(意図して間隔が空けられることなく)連続的に搬送されることを意味する。
また、ランダムな位置で被検査物Pが搬送されるとは、被検査物Pが、平面視において、被検査物Pの搬送方向D2と、搬送方向と直交する方向(第1方向D1と呼ぶ)とに広がる平面上でランダムな位置に分布した状態で搬送されることを意味する(図1参照)。要するに、被検査物Pは、第1方向D1において、同じ位置を搬送されるのではなく、所定の幅(後述する搬送部10のコンベアベルト13aの前後方向の幅)の範囲で任意の位置で搬送される。また、被検査物P同士は、搬送方向D2において、決められた距離だけ離して搬送されるのではなく、任意の位置関係で搬送される。例えば、2つ以上の被検査物Pは、搬送方向D2において同じ位置を(言い換えれば同一のタイミングで)搬送される場合がある。
本実施形態での被検査物Pは、鶏肉である。ただし、被検査物Pの種類は、鶏肉に限定されず、鶏肉以外の食品であってもよいし、食品以外の物品であってもよい。
本実施形態でのX線検査は、被検査物P中の異物(例えば、本実施形態であれば骨片等)を検知し、異物を含む被検査物Pを不良品と判定する検査(異物検査)である。異物検査の結果、異物を含まないと判定された被検査物Pは、良品と判定される。なお、以下では、説明が煩雑になるのを避けるため、異物検査の結果、不良品と判定された被検査物Pを単に“不良品”と呼び、良品と判定された(不良品と判定されなかった)被検査物Pを単に“良品”と呼ぶ場合がある。
ただし、異物検査は、X線検査の一例に過ぎず、X線検査は異物検査以外の検査であってもよい。例えば、X線検査は、大きさ(透過X線画像中の被検査物Pの面積)が所定範囲に入る被検査物Pを良品、所定範囲から外れる被検査物Pを不良品、と判定する寸法検査であってもよい。また、例えば、X線検査は、推定重量(透過X線画像に基づいて推定される被検査物Pの重量)が所定範囲に入る被検査物Pを良品、所定範囲から外れる被検査物Pを不良品、と判定する重量検査であってもよい。また、例えば、X線検査は、欠けや割れ等の形状異常が無い被検査物Pを良品、形状異常がある被検査物Pを不良品と判定する形状検査であってもよい。
X線検査システム100は、X線検査装置200と、ロボット30と、ロボット制御部40と、を主に備える(図2参照)。X線検査装置200は、搬送部10と、X線検査部20と、を主に有する。
X線検査装置200は、上流搬送装置60が搬送してくる被検査物Pを受け取り、受け取った被検査物Pを搬送部10で搬送方向D2に搬送する(図3参照)。X線検査装置200のX線検査部20は、搬送部10が搬送する被検査物PのX線検査を行う。搬送部10は、X線検査部20の検査後の被検査物Pを搬送方向D2に更に搬送し、下流搬送装置70に被検査物Pを受け渡す(図3参照)。
ロボット30は、X線検査装置200による検査の結果、不良品と判定された被検査物Pを、搬送部10から取り除く。ロボット30は、被検査物Pを取り除く除去機構(本実施形態では後述する吸引エジェクタ34a)を有する。ロボット30は、除去機構を不良品と判定された被検査物Pに近づけて、除去機構を用いて不良品と判定された被検査物Pを搬送部10から取り除く。
ロボット制御部40は、X線検査装置200が送信する後述する位置情報E及び基準信号Sに少なくとも基づいて、ロボット30の動作を制御する。特に本実施形態では、ロボット制御部40は、X線検査装置200が送信する後述する位置情報E、基準信号S及び速度情報Vに基づいて、ロボット30の動作を制御する。
(2)詳細構成
X線検査装置200、ロボット30及びロボット制御部40について詳細を説明する。
(2-1)X線検査装置
X線検査装置200について、図1~図3に加え、図4~図7を更に参照しながら説明する。図4は、X線検査装置200のX線検査部20のシールドボックス21の外観斜視図である。図5は、シールドボックス21の内部の簡易構成図である。図6は、図4のX線検査装置200のX線検査部20のラインセンサ24によって検出される透過X線量を示すグラフの一例である。図7は、X線検査装置200のX線検査部20が生成する透過X線画像の図である。
(2-1-1)搬送部
搬送部10は、物品の一例である被検査物Pを搬送する搬送部の一例である。搬送部10は、多数個の被検査物Pを、連続的に、ランダムな位置で搬送する。
搬送部10は、上流搬送装置60が搬送してくる被検査物Pを受け取り、被検査物PがX線検査装置200のシールドボックス21内を通過するように搬送する。また、搬送部10は、シールドボックス21内を通過した被検査物Pを、X線検査装置200の下流に搬送する。搬送部10は、シールドボックス21内を通過した被検査物Pを、ロボット30の近傍を通過するよう搬送する。さらに、搬送部10は、ロボット30又は物品除去装置(本実施形態では後述する伸縮駆動部18)により除去されなかった被検査物P、言い換えればX線検査により良品と判定された被検査物Pを、搬送部10の下流に配置される下流搬送装置70に受け渡す。
搬送部10の搬送装置の種類を限定するものではないが、本実施形態では、搬送部10はベルトコンベア12を有する。本実施形態では、搬送部10は、ベルトコンベア12を1つだけ有しているが、これに限定されるものではない。例えば、搬送部10は、搬送方向D2に沿って直列配置された、互いに連動する複数のベルトコンベア12を有していてもよい。また、搬送部10は、搬送方向D2に沿って直列配置された、互いに連動する複数種類の搬送装置を有していてもよい。なお、搬送部10では、同一時点において、X線照射器22がX線を照射する領域における搬送部10の搬送速度と、後程詳述するロボット30が被検査物Pを取り除く領域における搬送部10の搬送速度と、は同一である。
ベルトコンベア12は、無端状のコンベアベルト13aと、コンベアベルト13aの巻き掛けられているローラ13bと、コンベアモータ14と、を有している(図2及び図3参照)。
コンベアベルト13aの巻き掛けられているローラ13bの少なくとも1つは、コンベアモータ14により駆動される。コンベアモータ14によりローラ13bが駆動されると、コンベアベルト13aが回転し、コンベアベルト13a上に戴置される被検査物Pが搬送方向D2に搬送される。本実施形態では、搬送方向D2は右方向である。
コンベアモータ14は、インバーターにより回転速度が制御可能なモータである。コンベアモータ14は、後述するX線検査装置200の制御装置28の指令で回転速度が制御される。コンベアモータ14の回転速度が変更される結果、コンベアベルト13a上に戴置される被検査物Pの搬送速度が変更される。
コンベアモータ14には、エンコーダ16が装着されている(図2参照)。エンコーダ16は、搬送部10の進行距離(言い換えれば搬送部10が搬送する被検査物Pの移動距離)や、搬送部10の進行速度(言い換えれば搬送部10が搬送する被検査物Pの移動速度)を検出する。エンコーダ16は、検出した搬送部10の進行距離や進行速度を、X線検査装置200の制御装置28に送信する。
本実施形態のベルトコンベア12は、長さの変更が可能なシャトルコンベアである。具体的には、ベルトコンベア12は、ベルトコンベア12の下流端12a(下流搬送装置70側の端部)に配置されるローラ13bを搬送方向D2に平行な方向に沿って動かす伸縮駆動部18を有する。伸縮駆動部18は、物品除去装置の一例である。
伸縮駆動部18は、ベルトコンベア12の下流端12aに配置されるローラ13bを搬送方向D2に平行な方向に沿って動かすことで、ベルトコンベア12の状態を、第1状態と、第2状態との間で切り換える。ベルトコンベア12が第1状態にある時、ベルトコンベア12の下流端12aは、下流搬送装置70に隣接している(図3の実線参照)。ベルトコンベア12が第2状態にある時、ベルトコンベア12の下流端12aは、下流搬送装置70と離れている(図3の破線参照)。
ベルトコンベア12が第1状態にある時、ベルトコンベア12により下流端12aまで搬送された被検査物Pは、下流搬送装置70に受け渡される。
一方、ベルトコンベア12が第2状態にある時には、ベルトコンベア12の下流端12aまで搬送された被検査物Pは、下流搬送装置70には受け渡されず、ベルトコンベア12の下方に配置される回収箱50に落下する(図3参照)。ベルトコンベア12を第2状態にすることで、搬送部10上の(コンベアベルト13a上の)、搬送方向D2における第2所定領域に存在する被検査物Pを、まとめて搬送部10から取り除くことができる。ここで、第2所定領域とは、ベルトコンベア12が第2状態にある期間にベルトコンベア12の下流端12aに到達する被検査物Pが載置されている搬送部10上の領域を意味する。
(2-1-2)X線検査部
X線検査部20は、搬送部10により搬送される被検査物Pに対してX線を照射し、被検査物Pを透過したX線の検出結果に基づいて透過X線画像を生成し、透過X線画像に基づき被検査物Pの不良を検査する。
X線検査部20は、主に、シールドボックス21(図4参照)と、X線照射器22(図5参照)と、ラインセンサ24(図5参照)と、タッチパネル機能付きのモニタ26(図4参照)と、制御装置28(図2参照)と、を有する。
(2-1-2-1)シールドボックス
シールドボックス21は、内部にX線照射器22、ラインセンサ24、制御装置28等を収容する筐体である。また、シールドボックス21の正面上部には、モニタ26の他、キーの差込口及び電源スイッチ等が配置されている(図4参照)。シールドボックス21の左右の側面には、開口21aが形成されている(図4参照)。
シールドボックス21の内部には、搬送部10のコンベアベルト13aが配置されている(図3参照)。具体的には、コンベアベルト13aは、シールドボックス21の両側面に形成された開口21aを貫通するように配置されている。搬送部10の搬送方向D2の上流側の開口21aは、コンベアベルト13aで搬送される被検査物Pのシールドボックス21への搬入口として機能する。搬送部10の搬送方向D2の下流側の開口21aは、コンベアベルト13aで搬送される被検査物Pのシールドボックス21からの搬出口として機能する。なお、開口21aは、シールドボックス21の外部へのX線漏洩を防止するために、遮蔽ノレン25によって塞がれている(図4参照)。遮蔽ノレン25は、鉛やタングステン等を含むゴム製である。遮蔽ノレン25は、開口21aを通過して被検査物Pが搬出入されるときに、被検査物Pによって押しのけられる。
(2-1-2-2)X線照射器
X線照射器22は、搬送部10上の被検査物PにX線を照射するX線照射部の一例である。X線照射器22は、シールドボックス21内の、コンベアベルト13aの上方に配置されている(図5参照)。X線照射器22は、コンベアベルト13aの搬送面の下方に配置されるラインセンサ24に向かって、扇形状の照射範囲IrにX線を照射する(図5のハッチング部参照)。X線照射器22のX線の照射範囲Irは、コンベアベルト13aの被検査物Pの搬送面に対して直交するように延びる。また、照射範囲Irは、コンベアベルト13aの搬送方向D2に対して交差する第1方向D1に扇形状に広がる。言い換えれば、X線照射器22から照射されるX線は、コンベアベルト13aの幅方向に広がる。
(2-1-2-3)ラインセンサ
ラインセンサ24は、被検査物Pを透過したX線を検出する透過X線検出部の一例である。
ラインセンサ24は、コンベアベルト13aの搬送面の下方に配置されており、被検査物Pやコンベアベルト13aを透過してくるX線を検出する。ラインセンサ24は、主に多数のX線検出素子24aを有する。X線検出素子24aは、コンベアベルト13aの搬送方向D2に直交する第1方向D1に、言い換えればコンベアベルト13aの幅方向に沿って水平配置されている(図5参照)。
図6は、ラインセンサ24のX線検出素子24aによって検出される透過X線量の例を示すグラフである。グラフの横軸は、各X線検出素子24aの位置に対応する。また、グラフの横軸は、搬送部10の搬送方向D2に直交する第1方向D1の位置に対応する。グラフの縦軸は、X線検出素子24aで検出された透過X線量を示す。ラインセンサ24の検出結果に基づき制御装置28が生成する透過X線画像では、透過X線量の多いところが明るく(淡く)表示され、透過X線量が少ないところが暗く(濃く)表示される。すなわち、透過X線画像の明暗(濃淡)は、透過X線の検出量に対応する。図6に示されるように、被検査物P内に異物が存在する場合には、異物に対応する位置で、その周囲に比べて透過X線量が減少する。
各X線検出素子24aは、被検査物Pやコンベアベルト13aを透過したX線を検出し、検出したX線透過量(X線の強度)に応じた電圧を示すX線透過信号を出力する。X線透過信号は、制御装置28に送信され、被検査物Pの透過X線画像を作成するために用いられる。制御装置28は、X線透過信号に基づいて生成する、言い換えればラインセンサ24の検出結果に基づいて生成する透過X線画像に基づいて、被検査物Pの不良(本実施形態では異物混入)を検査する。
(2-1-2-4)モニタ
モニタ26は、液晶ディスプレイである。モニタ26は、被検査物Pの透過X線画像や、被検査物Pの検査結果等を表示する。モニタ26は、タッチパネル機能も有しており、オペレータによる操作や検査パラメータ等の入力を受け付ける。
(2-1-2-5)制御装置
制御装置28は、X線検査に関する演算や処理を実行すると共に、X線検査装置200の各部の動作を制御するコンピュータである。ここでは、制御装置28は、シールドボックス21の内部に収容されている。ただし、これに限定されるものではなく、制御装置28は、シールドボックス21とは独立して設置される装置であってもよい。
制御装置28は、図示は省略するが、演算や制御を行うCPU(Central Processing Unit)や、プログラムや情報を記憶するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。また、制御装置28は、図示しない表示制御回路、キー入力回路及び通信ポート等を備えている。表示制御回路は、モニタ26の表示を制御する回路である。キー入力回路は、モニタ26のタッチパネルを介してオペレータにより入力されたキー入力データを取り込む回路である。通信ポートは、外部機器との通信を可能にするポートである。
制御装置28は、搬送部10のコンベアモータ14、エンコーダ16、伸縮駆動部18と電気的に接続されている。また、制御装置28は、X線検査部20のX線照射器22、ラインセンサ24、モニタ26と電気的に接続されている。
また、制御装置28は、後述するロボット制御部40と通信可能に接続されている。制御装置28は、ロボット制御部40に対し、後述する、位置情報E、基準信号S、速度情報V等を送信する。
制御装置28は、X線検査に用いられるパラメータや、生成したX線透過画像やX線検査の検査結果等を記憶する記憶部28iを有する。また、制御装置28は、CPUがROMやハードディスク等に記憶されているプログラムを実行することで、搬送部制御部28a、画像生成部28b、検査部28c、計数部28d、位置情報生成部28e、位置情報送信部28f、基準信号送信部28g、速度情報送信部28hとして機能する。
(a)搬送部制御部
搬送部制御部28aは、搬送部10の動作を制御する。
例えば、搬送部制御部28aは、搬送部10のコンベアモータ14の回転速度を制御することで、搬送部10の搬送速度を制御する。例えば、搬送部制御部28aは、通常(第1条件が成立していない時)、搬送部10の搬送速度を第1搬送速度Z1[m/秒]に制御する。言い換えれば、搬送部制御部28aは、通常は、搬送部10が、第1搬送速度Z1[m/秒]で被検査物Pを搬送するように、コンベアモータ14の回転速度を制御する。
また、搬送部制御部28aは、第1条件が成立した時に、搬送部10の搬送速度(被検査物Pを搬送する速度)を第2搬送速度Z2[m/秒]に制御する。言い換えれば、搬送部制御部28aは、第1条件が成立した時に、搬送部10が第2搬送速度Z2[m/秒]で被検査物Pを搬送するように、コンベアモータ14の回転速度を制御する。第2搬送速度Z2[m/秒]は、第1搬送速度Z1[m/秒]より遅い速度である。第2搬送速度Z2[m/秒]は、限定するものではないが、例えば第1搬送速度Z1[m/秒]の1/2の速度である。
また、通常(第2条件が成立していない時)、ベルトコンベア12の状態は、下流端12aが下流搬送装置70に隣接する第1状態にある。しかし、第2条件が成立した時には、搬送部制御部28aは、搬送部10の伸縮駆動部18を制御して、ベルトコンベア12の状態を下流端12aが下流搬送装置70と離れている第2状態に切り換える。
第1条件及び第2条件については、後述するX線検査システム100の動作の説明の中で合わせて説明する。
(b)画像生成部
画像生成部28bは、ラインセンサ24の検出結果に基づいて、より具体的には、ラインセンサ24によって検出された透過X線量(被検査物Pを透過したX線量)に基づいて透過X線画像を生成する。
具体的には、画像生成部28bは、ラインセンサ24の各X線検出素子24aから出力される、透過X線の強度に関するデータ(X線透過信号)を細かい時間間隔(t[ミリ秒]間隔)で取得し、所定数のデータをマトリクス状に時系列につなぎ合わせて透過X線画像を生成する。例えば、画像生成部28bは、搬送部10が所定の距離L(図5参照)だけ進行する間にラインセンサ24の各X線検出素子24aが出力した透過X線の強度に関するデータをマトリクス状に時系列につなぎ合わせて、被検査物Pの透過X線画像を生成する。記憶部28iは、画像生成部28bが生成する透過X線画像を記憶する。
なお、画像生成部28bは、搬送部10の搬送速度に応じて透過X線画像を補正する。具体的に説明する。
搬送部10の搬送速度が、第1搬送速度Z1[m/秒]である場合、ラインセンサ24の各X線検出素子24aから出力されるX線透過信号は、第1搬送速度Z1[m/秒]×t[ミリ秒]だけの搬送部10の搬送距離に対応する信号である。一方、搬送部10の搬送速度が、第2搬送速度Z2[m/秒]である場合には、ラインセンサ24の各X線検出素子24aから出力されるX線透過信号は、第2搬送速度Z2[m/秒]×t[ミリ秒]だけの搬送部10の搬送距離に対応する信号である(例えば、ここでは、第2搬送速度Z2[m/秒]=0.5×第1搬送速度Z1[m/秒])。したがって、同じ時間(例えばt[ミリ秒]×M(Mは整数))に取得されたデータをつなぎ合わせて被検査物Pの透過X線画像を生成すると、搬送部10の搬送速度が第2搬送速度Z2[m/秒]である場合の透過X線画像は、搬送部10の搬送速度が第1搬送速度Z1[m/秒]である場合の透過X線画像に対し、搬送部10の搬送方向D2において引き伸ばされた画像となる。逆に、同じ時間(例えばt[ミリ秒]×M(Mは整数))に取得されたデータをつなぎ合わせて被検査物Pの透過X線画像を生成すると、搬送部10の搬送速度が第1搬送速度Z1[m/秒]である場合の透過X線画像は、搬送部10の搬送速度が第2搬送速度Z2[m/秒]である場合の透過X線画像に対し、搬送部10の搬送方向D2において圧縮された画像となる。そこで、画像生成部28bは、X線透過信号取得時の、搬送部10の搬送速度が変化しても、透過X線画像が搬送部10の搬送方向に伸縮されないよう、エンコーダ16が送信する搬送部10の搬送速度の情報に基づいて、透過X線画像を補正する。
(c)検査部
検査部28cは、画像生成部28bにより生成された被検査物Pの透過X線画像に基づいて、その透過X線画像に対応する被検査物P(透過X線画像に写っている被検査物P)の不良を検査する。
例えば、検査部28cは、2値化検出方式を用いて異物を判定する。具体的には、検査部28cは、画像生成部28bにより生成された透過X線画像に、予め設定される透過X線画像の明るさに関する所定の基準レベルよりも暗い画素群(密集した画素の集まり)が存在する場合、その画素群の図心に対応する位置に異物を含む被検査物Pを表す画像が存在すると判定する。例えば、画像生成部28bにより生成された透過X線画像が図7のような画像であり、基準レベルよりも暗い画素群が、A,B,Cの符号が付された黒丸の位置に検知された場合には、透過X線画像の画素群A,B,Cの図心の位置に、異物を含む被検査物Pを表す画像が存在すると判定する。記憶部28iは、検査部28cの検査結果を記憶する。
なお、異物の判定方法は、上記の2値化検出方式に限定されるものではなく、検査部28cは、これ以外の既知の方法(例えば、トレース検出方式)を用いて、異物の存在を判定してもよい。
また、ここでは、検査部28cは、異物の存在を示す透過X線画像の画素群に対応する位置に、異物を含む被検査物Pを表す画像が存在すると判定するが、このような態様に限定されるものではない。例えば、検査部28cは、異物の検知に加え、透過X線画像において異物の存在する(異物を囲む)被検査物Pの輪郭を特定し(図7の例であれば、輪郭Oa,Ob,Ocを特定し)、その輪郭により特定される被検査物Pの図心の位置(図7の例であれば、図心Ga,Gb,Gc)に異物を含む被検査物Pを表す画像が存在すると判定してもよい。
(d)計数部
計数部28dは、検査部28cの透過X線画像の検査結果に基づいて、その透過X線画像に写っている搬送部10のコンベアベルト13a上の単位検査領域(第1所定領域の一例、ここでは搬送方向D2において距離Lの領域)に存在する不良と判定された被検査物Pの個数を計数する。具体的には、計数部28dは、検査部28cの検査の結果、基準レベルよりも暗い画素群の数を、搬送部10の単位検査領域に存在する不良と判定された被検査物Pの個数として計数する。
なお、計数部28dの計数結果は、例えば、搬送部制御部28aによる、搬送部10の搬送速度の制御や伸縮駆動部18の動作の制御に用いられる。詳細については後述する。
(e)位置情報生成部
位置情報生成部28eは、検査部28cの検査結果に基づき、不良と判定された被検査物Pの搬送部10上(コンベアベルト13a上)の位置に関する位置情報Eを生成する。記憶部28iは、位置情報生成部28eが生成する位置情報Eを記憶する。
具体的には、位置情報生成部28eは、透過X線画像中の異物の位置を、コンベアベルト13a上の座標に読み替える。図7及び図8を参照しながら、位置情報生成部28eの実行する処理の具体例を説明する。
例えば、図7の透過X線画像は、コンベアベルト13a上のある領域R1(図8参照)を写した透過X線画像であるとする。領域R1は、ある時間に、X線照射器22のX線の照射範囲Irの下方を通過するコンベアベルト13aの搬送面である。ここでは、領域R1は、搬送部10の搬送方向D2において、長さが距離Lのコンベアベルト13aの領域である。
透過X線画像において、図7のような透過X線画像の右下隅を原点とするXY座標系を設定する。また、ベルトコンベア12上のある領域R1において、図8のようなベルトコンベア12上の領域R1の右前端を原点とするxy座標系を設定する。x軸の正方向は被検査物Pの搬送方向D2とは逆の向き(左方向)に対応し、y軸の正方向は後方向に対応する。図7に示す座標系のX軸及びY軸は、図8に示す座標系のx軸及びy軸にそれぞれ対応する。なお、原点や座標系の設定は任意であり、透過X線画像及び領域R1において、他の態様で原点と座標系とが設定されてもよい。
図7の例では、検査部28cは、XY座標系において画素群Aの図心の位置(Xa,Ya)、画素群Bの図心の位置(Xb,Yb)、画素群Cの図心の位置(Xc,Yc)を、異物を含む被検査物Pを表す画像が存在する位置と判定している。位置情報生成部28eは、XY座標系の座標(Xa,Ya)、(Xb,Yb)、(Xc,Yc)に対応する、xy座標系の座標(xa,ya)、(xb,yb)、(xc,yc)を特定する。そして、位置情報生成部28eは、この座標(xa,ya)、(xb,yb)、(xc,yc)の情報を、コンベアベルト13a上のある領域R1についての、検査部28cにより不良と判定された被検査物Pの搬送部10上の位置に関する位置情報Eとする。言い換えれば、位置情報生成部28eは、コンベアベルト13a上のある領域R1について、検査部28cにより不良と判定された被検査物Pの搬送部10上の位置の座標(xa,ya)、(xb,yb)、(xc,yc)の情報を含む位置情報Eを生成する。
なお、例えば、検査部28cが、異物の存在する被検査物Pの輪郭を特定し(図7の例であれば、輪郭Oa,Ob,Ocを特定し)、その輪郭により特定される被検査物Pの図心の位置(図7の例であれば、図心Ga,Gb,Gcの位置)を被検査物Pが存在する位置と判定している場合には、位置情報生成部28eは、XY座標系における図心Ga,Gb,Gcの座標に対応するxy座標系の座標を特定し、この座標の情報を、コンベアベルト13a上のある領域R1についての、検査部28cにより不良と判定された被検査物Pの搬送部10上の位置に関する位置情報Eとしてもよい。
(f)位置情報送信部
位置情報送信部28fは、位置情報生成部28eの生成した位置情報E(記憶部28iに記憶された位置情報E)を、ロボット制御部40に送信する。
(g)基準信号送信部
基準信号送信部28gは、搬送部10が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号Sを送信する。具体的には、基準信号送信部28gは、エンコーダ16の出力する搬送部10の進行距離に関する情報に基づいて、搬送部10が距離2Lだけ進行する毎に(搬送部10が搬送する被検査物Pの移動距離が距離2Lになる毎に)基準信号Sを、ロボット制御部40に対して発信する。基準信号送信部28gによる基準信号Sの発信は、X線検査の処理とは独立して行われる。
基準信号送信部28gは、制御装置28がエンコーダ16から取得するデータに基づき、搬送部10が距離L(例えば、搬送部10の搬送速度が第1搬送速度Z1[m/秒]である時の、ラインセンサ24の1回の撮像幅uのJ列分の距離)だけ進行する毎に基準信号Sのオン/オフを切り替える。具体的には、基準信号送信部28gは、搬送部10が駆動を開始して距離Lだけコンベアベルト13aを移動させると、その時点から搬送部10が更に距離Lだけコンベアベルト13aを移動させる間は基準信号Sを発信する。その後、搬送部10が更に距離Lだけコンベアベルト13aを移動させる間は基準信号Sの発信を中止して待機し、搬送部10が距離Lだけコンベアベルト13aを移動し終わると基準信号Sの発信を再度開始する。基準信号送信部28gは、この動作を繰り返し行う。つまり、基準信号Sは、搬送部10がコンベアベルト13aを距離Lの2倍の距離(距離2L)だけ搬送する毎に、搬送部10がコンベアベルト13aを距離Lだけ搬送する間発信される信号である。言い換えれば、基準信号Sは、搬送部10の搬送距離が距離Lとなる毎に、信号のオン/オフが切り替えられる信号である。
(h)速度情報送信部
速度情報送信部28hは、エンコーダ16の出力する搬送部10の搬送速度に関する情報に基づいて、現在の搬送部10の搬送速度の情報(速度情報V)をロボット制御部40に対して発信する。なお、速度情報Vは、搬送部10の搬送速度そのものでなくてもよく、搬送部10の搬送速度と相関のある情報であってもよい。例えば、速度情報Vは、搬送部10の搬送速度と相関のある搬送速度のレベルや、搬送部10を駆動するコンベアモータ14の回転数等の、搬送部10の搬送速度と相関のある、搬送部10の搬送状況に関する情報であってもよい。
なお、ここでは、制御装置28の速度情報送信部28hが、エンコーダ16の出力する搬送部10の搬送速度に関する情報に基づいて速度情報Vを送信するが、これに限定されるものではない。例えば、速度情報送信部28hではなく、エンコーダ16が、ロボット制御部40に対して、現在の搬送部10の搬送状況に関する情報を、速度情報Vとして直接送信してもよい。
(2-2)ロボット
ロボット30は、アーム32と、アーム駆動部33と、吸引部34と、を主に備える。
吸引部34は、主に、除去機構の一例としての吸引エジェクタ34aと、ホース34bと、吸引駆動部34cと、を備える。吸引駆動部34cは、吸引エジェクタ34aに圧縮空気を供給することで吸引エジェクタ34aに負圧を発生させる。吸引駆動部34cは、例えば、吸引エジェクタ34aに圧縮空気を供給するチューブに設けられた電磁弁である。吸引エジェクタ34aは、この負圧を利用して、搬送部10により搬送される被検査物Pを、吸引エジェクタ34aの下方側(コンベアベルト13aに対向する側)に配置された図示しない吸入口から吸引して除去する(被検査物Pを搬送部10から取り除く)。なお、吸引エジェクタ34aの吸入口のサイズは、過大とならない範囲で(多数の被検査物Pが一度に吸い込まれることは避けつつ)想定される最大サイズの被検査物Pであっても吸入口から吸込み可能に設計されている。吸引エジェクタ34aの吸込口から吸い込まれた被検査物P及び空気と、吸引駆動部34cが供給する圧縮空気とは、ホース34bに流入する。ホース34bに流入した被検査物Pは、図示しない回収容器に回収される。
吸引エジェクタ34aは、ロボット30のアーム32の先端に取り付けられている。本実施形態のロボット30のアーム32は、ジョイントにより連結された複数のリンクを有し、リンクが直列に接続されているシリアルリンクのロボットである。限定されるものではないが、本実施形態のロボット30は、アーム駆動部33としてのモータを駆動源として、水平方向にアーム32を動作させる4軸の自由度を有するシリアルリンクのロボットである。ロボット30は、アーム32を動作させることで、除去機構の一例としての吸引エジェクタ34aを、搬送部10の搬送方向D2と平行な方向(本実施形態では左右方向)及び搬送方向D2と直交する第1方向D1(本実施形態では前後方向)に移動させることが可能である。ロボット30は、吸引エジェクタ34aを検査部28cにより不良と判定された被検査物Pに近づけることで(より具体的には、吸引エジェクタ34aの吸込み口を不良品と判定された被検査物Pに近づけることで)、不良品と判定された被検査物Pを吸引エジェクタ34aにより搬送部10から取り除く。
なお、ロボット30は、シリアルリンクのロボットに限定されるものではない。例えば、ロボット30は、パラレルリンクのロボットであって、パラレルリンクの先端に吸引エジェクタ34aが取り付けられてもよい。また、ロボット30は、単軸の動作をするユニット(一方向にのみ吸引エジェクタ34aを移動可能なユニット)を組み合わせて、吸引エジェクタ34aを、搬送部10の搬送方向D2と平行な方向及び搬送方向D2と直交する第1方向D1に移動させることが可能に構成されてもよい。
ロボット30は、平面視において吸引エジェクタ34aを所定の移動領域内で移動させる。吸引エジェクタ34aの移動領域は、例えば、X線照射器22のX線の照射位置から搬送部10の搬送方向D2に、前述の距離L×K(Kは整数、例えば5)だけ離して配置される。後述するように、ロボット30の動作は、距離Lのコンベアベルト13aを写した透過X線画像に基づいて生成された位置情報Eに基づき生成される指令を、搬送部10が距離Lだけ進行する毎にオン/オフが切り替えられる基準信号Sに基づいて決定されるタイミングで開始するように制御される。具体的には、ロボット30の動作は、搬送部10の搬送方向D2に距離Lのコンベアベルト13aを写した透過X線画像に基づいて生成された位置情報Eに基づき生成される指令を、基準信号Sの立ち下がり又は立ち上がりのタイミングで開始するように制御される。そのため、ロボット30は、ある透過X線画像に基づいて生成された位置情報Eに基づく指令を、その透過X線画像を生成するための最後のデータ(X線透過信号)を取得した後の、(K-1)回後の基準信号Sの立ち下がり又は立ち上がりのタイミングで開始することで、ロボット30が異物を含む被検査物Pを遅滞なくかつ精度よく取り除くことができる。要するに、ここでは、ロボット30は、平面視において、ある透過X線画像に対応するコンベアベルト13a上の領域が、吸引エジェクタ34aの所定の移動領域まで到達した瞬間から、ロボット30による異物を含む被検査物Pの除去処理を開始するので、ロボット30は、遅滞なく、異物を含む被検査物Pを精度よく取り除くことができる。
なお、理論的には、吸引エジェクタ34aの移動領域は、X線照射器22のX線の照射位置から距離L×Kだけ離して配置されればよいが、実際には、ロボット30が指令を受信してから実際に動作するまでにはタイムラグが存在する。そのためタイムラグを考慮して、吸引エジェクタ34aの移動領域は、X線照射器22のX線の照射位置から距離L×M+α(タイムラグを考慮した距離)だけ離して配置されることが好ましい。なお、以下では、説明が煩雑になるのを避けるため、ロボット30が指令を受信してから実際に動作するまでにはタイムラグは存在しない理想的な状態を仮定して説明を行う。
(2-3)ロボット制御部
ロボット制御部40は、例えばロボット30の動作を制御するコンピュータである。ただし、ロボット制御部40の機能は、ソフトウェアで実現されるものに限定されるものではなく、ハードウェアで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとが協働することで実現されてもよい。
図2では、ロボット制御部40は、X線検査装置200とも、ロボット30とも独立した位置に描画されているが、これに限定されるものではない。例えば、X線検査装置200の制御装置28が、ロボット制御部40として機能してもよい。また例えば、ロボット制御部40は、ロボット30に搭載されてもよい。また、ロボット制御部40は、X線検査装置200とも、ロボット30とも独立した装置であってもよい。また、ロボット制御部40の機能の一部はX線検査装置200の制御装置28により実現され、ロボット制御部40の機能の他の機能は、ロボット30に搭載されるコンピュータにより実現されてもよい。本実施形態では、ロボット制御部40は、X線検査装置200とも、ロボット30とも独立した装置であるとして以下の説明を行う。
ロボット制御部40は、図示は省略するが、演算や制御を行うCPU(Central Processing Unit)や、プログラムや情報を記憶するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。また、ロボット制御部40は、図示しない通信ポート等を備えている。通信ポートは、ロボット制御部40の外部機器との通信を可能にするポートである。
ロボット制御部40は、ロボット30のアーム駆動部33と吸引駆動部34cと電気的に接続されている。また、ロボット制御部40は、制御装置28と通信可能に接続されている。ロボット制御部40は、例えば、制御装置28から位置情報E、基準信号S及び速度情報Vを受信する。
ロボット制御部40は、CPUがROMやハードディスク等に記憶されているプログラムを実行することで、指令生成部42と、指令補正部44と、指令送信部46と、して機能する。また、指令記憶部48は、指令生成部42の生成した指令を記憶する。各機能部について説明する。
(a)指令生成部
指令生成部42は、制御装置28の位置情報送信部28fが送信してくる位置情報Eに基づいてロボット30の動作を制御するための指令を生成する。
具体的には、指令生成部42は、位置情報Eに対応するコンベアベルト13aの領域が、吸引エジェクタ34aの移動領域内に移動してきた時に、吸引エジェクタ34aをどのように移動させるかを決定する。なお、指令生成部42は、平面視において、吸引エジェクタ34aの図示しない吸引口が、位置情報Eに対応するコンベアベルト13aの領域において、位置情報Eにより特定される座標に重なるように、吸引エジェクタ34aをどのように移動させるかを決定する。そして、指令生成部42は、吸引エジェクタ34aを決定したように移動させるため、アーム駆動部33に対する指令を生成する。
なお、好ましくは、指令生成部42は、位置情報Eに対応するコンベアベルト13aの領域(単位検査領域)から不良と判定された被検査物Pを取り除く吸引エジェクタ34a移動距離が最短となるようにロボット30の動作(具体的には、アーム駆動部33の動作)を制御する。
例えば、具体的には、指令生成部42は、以下のようにして吸引エジェクタ34aの移動経路を決定する。なお、前提として、位置情報Eに対応するコンベアベルト13aの単位検査領域に(搬送方向D2における長さが距離Lの領域に)、不良と判定された被検査物Pが3つ以上存在しているものとする。例えば、位置情報Eに対応するコンベアベルト13aの領域では、図8に示す(xa,ya)、(xb,yb)、(xc,yc)の位置に不良と判定された被検査物Pが存在していると位置情報Eにより特定されていたと仮定する。この場合、指令生成部42は、例えば、吸引エジェクタ34aの図示しない吸引口を、搬送方向D2における最下流に配置される(xa,ya)に移動させることを決定する。次に、指令生成部42は、例えば、吸引エジェクタ34aの移動距離が最短になるように、吸引エジェクタ34aの図示しない吸引口を、(xc,yc)、(xb,yb)の順に移動させることを決定する。
ただし、指令生成部42の吸引エジェクタ34aの移動経路の決め方は、以上の方法に限定されるものではない。例えば、指令生成部42は、吸引エジェクタ34aの移動経路を、吸引エジェクタ34aの図示しない吸引口が、搬送方向D2における下流側の座標から上流側の座標に向かって移動するよう(例えば、図8の例であれば、吸引エジェクタ34aの図示しない吸引口が、(xa,ya)、(xb,yb)、(xc,yc)の順に移動するよう)に決定してもよい。
また、指令生成部42は、少なくとも、吸引エジェクタ34aの図示しない吸引口が、位置情報Eに対応するコンベアベルト13aの領域において、位置情報Eにより特定される座標に重なるタイミングで、吸引エジェクタ34aが吸引を行うように、吸引駆動部34cの動作タイミング(圧縮空気の吹込みタイミング)を決定する。そして、指令生成部42は、吸引駆動部34cを決定した動作タイミングで駆動させるための吸引駆動部34cに対する指令を生成する。
なお、指令生成部42は、搬送部10の搬送速度が第1搬送速度Z1[m/秒]であるという前提のもと、アーム駆動部33及び吸引駆動部34cに対する指令を生成する。
(b)指令補正部
指令補正部44は、指令生成部42が生成し、指令記憶部48に記憶された指令の内容を、速度情報Vに基づいて補正する。
具体的には、指令生成部42は、前述のように搬送部10の搬送速度が第1搬送速度Z1[m/秒]であるという前提のもと、アーム駆動部33や吸引駆動部34cに対する指令を生成している。しかし、搬送部制御部28aは、後述する第1条件の成立時に搬送部10の搬送速度を第2搬送速度Z2[m/秒]に変更する場合がある。また、第1搬送速度Z1[m/秒]から第2搬送速度Z2[m/秒]へと、又は、第2搬送速度Z2[m/秒]から第1搬送速度Z1[m/秒]へと、搬送部10の搬送速度を変更する際には、搬送部10の搬送速度は、一時的に第1搬送速度Z1[m/秒]と第2搬送速度Z2[m/秒]との間の速度を取ることになる。このような場合に、搬送部10の搬送速度が第1搬送速度Z1[m/秒]であるという前提のもと生成された指令でアーム駆動部33を動作させると、異物を含む被検査物Pを正しく除去することができない可能性がある。そこで、指令補正部44は、搬送部10の速度情報Vに合わせるように、指令記憶部48に記憶されている指令の内容を補正する。
(c)指令送信部
指令送信部46は、ロボット30に対して指令を送信する機能部である。なお、指令送信部46は、指令生成部42が生成し、指令記憶部48に記憶された指令の内容でのロボット30の制御を、基準信号Sに基づいて決定されるタイミングで開始する。
例えば、前述のように、吸引エジェクタ34aの移動領域が、X線照射器22のX線の照射位置から搬送方向D2に距離L×Kだけ離して配置されていたとすると、指令送信部46は、ある透過X線画像に基づいて生成された位置情報Eに基づく指令を、その透過X線画像を生成するための最後のデータ(X線透過信号)を取得した時から(言い換えれば透過X線画像を生成するための最後のデータを取得した際の基準信号Sの立ち上がり又は立ち下がりを検知してから)、(K-1)回後の基準信号Sの立ち下がり又は立ち上がりのタイミングで開始する。
なお、指令の送信時点で、搬送部10の搬送速度が第1搬送速度Z1から変更されている場合には、指令送信部46は、指令記憶部48に記憶された指令をそのままロボット30のアーム駆動部33及び吸引駆動部34cに送信するのではなく、指令補正部44により補正された指令を、ロボット30に対して送信する。
(3)X線検査システムの動作
次に、X線検査システム100の実行する不良品検査(ここでは異物検査)の処理について、図9及び図10のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ここでの不良品検査は、X線検査工程だけではなく、X線検査の後に、不良と判断された被検査物Pを搬送部10から排除する工程を含む。図9は、X線検査システム100の実行する不良品検査のフローチャートである。図10は、不良品検査の中の不良品排除処理のフローチャートである。
なお、図9及び図10のフローチャートは、不良品検査の処理の一例に過ぎず、適宜変更されてもよい。例えば、処理の実行される順番は、矛盾の無い範囲で変更されてもよい。また、矛盾の無い範囲で、複数の処理が同時に実行されてもよい。
なお、前提として、図9及び図10のフローチャートには記載は無いが、ロボット制御部40は、基準信号送信部28gの送信する基準信号Sと、速度情報送信部28hの送信する速度情報Vと、をX線検査とは独立して受信しているものとする。
X線検査システム100が駆動されると、X線照射器22は、多数個の被検査物Pを、連続的に、ランダムな位置で搬送する搬送部10(搬送部10のコンベアベルト13a)に対して(言い換えればコンベアベルト13aに載置される被検査物Pに対して)X線を照射する。ラインセンサ24の各X線検出素子24aは、被検査物Pを透過したX線を検出する。そして、各X線検出素子24aは、所定の単位時間(t[ミリ秒])に得られる、透過X線の強度に関するデータ(X線透過信号)を制御装置28に対して送信する。制御装置28の記憶部28iは、受信した透過X線の強度に関するデータを記憶する(ステップS1)。
そして、搬送方向D2における距離L分(単位検査領域分)の透過X線の強度に関するデータが収集されると(ステップS2でYes)、画像生成部28bが、記憶部28iに記憶されている単位検査領域分の透過X線の強度に関するデータを用いて透過X線画像を生成する(ステップS3)。
次に、ステップS4では、検査部28cが、透過X線画像に基づき、被検査物Pの不良(ここでは被検査物Pに対する異物の混入)を検査する。
ステップS5では、計数部28dが、単位検査領域内に不良と判定される被検査物Pが存在するかを判定し(異物と判定される画素群が透過X線画像に存在するかを判定し)、単位検査領域内に不良と判定される被検査物Pが存在する場合(ステップS5でYesの場合)には、処理はステップS10へと進み、同時にステップS6の処理も実行される。ステップS10では、不良と判定された被検査物Pの搬送部10からの排除処理が行われる。被検査物Pの搬送部10からの排除処理については後述する。
なお、ステップS10の処理と、ステップS6の処理とが並列的に実行されるのは、X線検査部20と、被検査物Pを搬送部10から除去する処理が行われる場所とは所定距離だけ行われているため、X線検査を実行するタイミングと、そのX線検査で不良と判定された被検査物Pの搬送部10からの排除処理のタイミングとは、ずれがあるためである。
計数部28dが、単位検査領域内に不良と判定される被検査物Pが存在しないと判定した際には(ステップS5でNoの場合には)、ステップS10の処理は実行されず、処理はステップS6に進む。
ステップS6では、ステップS3で透過X線画像の生成に用いられた記憶部28iのX線透過信号のデータが消去される。ステップS6の実行後、処理はステップS1へと戻る。
<不良品排除処理>
図9のフローチャートにおいて、処理がステップS10に進んだ場合に実行される処理について説明する。
ステップS10に処理が進んだ場合、計数部28dが、検査部28cの検査の結果に基づいて、搬送部10の単位検査領域(ステップS3で生成された透過X線画像に対応する、搬送方向D2の長さが距離Lの搬送部10のコンベアベルト13a上の領域)に存在する、不良と判定された被検査物Pの個数を計数する。
そして、計数された被検査物Pの個数が第1の閾値N1(例えば10)以上である場合には(ステップS11でYes)、搬送部制御部28aは、その単位検査領域の被検査物Pが、全て回収箱50に落下するように、搬送部の伸縮駆動部18を制御する(ステップS20)。言い換えれば、搬送部制御部28aは、搬送部10の単位検査領域(ステップS3で生成された透過X線画像に対応する、搬送方向D2の長さが距離Lの搬送部10のコンベアベルト13a上の領域)に存在する、不良と判定された被検査物Pの個数が第1の閾値N1以上であり、その搬送部10の単位検査領域が回収箱50の上方を通過するタイミングになると、前述した第2条件が成立したと判断する。そして、搬送部制御部28aは、伸縮駆動部18を制御して、搬送部10の単位検査領域の被検査物Pが全て回収箱50に落下するように、ベルトコンベア12の状態を、第1状態から、下流端12aが下流搬送装置70と離れている第2状態に切り換える。
なお、搬送部10の単位検査領域の被検査物Pを全て回収箱50に落下させた後は、搬送部制御部28aは、伸縮駆動部18を制御して、ベルトコンベア12の状態を、第2状態から、下流端12aが下流搬送装置70と隣接する第1状態に切り換える。この制御が実行されると、不良と判定された被検査物Pの個数が第1の閾値N1(例えば10)以上である場合の不良品排除処理は終了となる。
なお、このような処理が行われるのは、搬送部10の単位検査領域(搬送方向D2の長さが距離Lの領域)に存在する不良と判定された被検査物Pの個数が第1の閾値N1以上である場合には、これら全てを、搬送部10で被検査物Pを搬送しながらロボット30で除去するのは、ロボット30の能力上困難であるためである。なお、第1の閾値N1は適宜決定されればよい。
計数部28dが計数した被検査物Pの個数が第1の閾値N1よりは少なく、第1の閾値N1よりは小さな第2の閾値N2(例えば5)以上である場合には(ステップS11でNo、ステップS12でYes)、搬送部制御部28aは、その単位検査領域(ステップS3で生成された透過X線画像に対応する、搬送方向D2の長さが距離Lの搬送部10のコンベアベルト13a上の領域)の被検査物Pが、吸引エジェクタ34aの移動領域(言い換えれば、ロボット30により被検査物Pの排除が行われる領域)を通過する際の搬送部10の搬送速度が第1搬送速度Z1[m/秒]より遅い第2搬送速度Z2[m/秒]になるようにコンベアモータ14の動作を制御する。なお、搬送部制御部28aは、コンベアモータ14の回転速度の制御のタイミングを、基準信号送信部28gの送信する基準信号Sや、エンコーダ16の送信する搬送部10の移動距離の情報に基づいて決定すればよい。ここでは、言い換えれば、搬送部制御部28aは、搬送部10の単位検査領域(ステップS3で生成された透過X線画像に対応する、搬送方向D2の長さが距離Lの搬送部10のコンベアベルト13a上の領域)に存在する、不良と判定された被検査物Pの個数が第2の閾値N2以上第1の閾値N1未満であり、その搬送部10の単位検査領域が吸引エジェクタ34aの移動領域を通過するタイミングになると、前述した第1条件が成立したと判断する。そして、搬送部制御部28aは、搬送部10の搬送速度が第2搬送速度Z2[m/秒]になるようにコンベアモータ14の回転速度を制御する。なお、搬送部制御部28aは、計数部28dが計数した被検査物Pの個数が第2の閾値N2以上第1の閾値N1未満である単位検査領域が吸引エジェクタ34aの移動領域を通過すると、搬送部10の搬送速度を第1搬送速度Z1[m/秒]に戻す。
このような処理が行われるのは、搬送部10の単位検査領域(搬送方向D2の長さが距離Lの領域)に存在する不良と判定された被検査物Pの個数が第2の閾値N2以上である場合には、これら全てを、搬送部10で被検査物Pを第1搬送速度Z1[m/秒]で搬送しながらロボット30で除去するのは、ロボット30の能力上困難であるためである。なお、第2の閾値N2は適宜決定されればよい。
ステップS13に進んだ場合、次にステップS14に進む。
また、計数部28dが計数した被検査物Pの個数が第2の閾値N2より少ない場合にも(ステップS11でNo、ステップS12でNo)、ステップS14に進む。
ステップS14では、位置情報生成部28eが、上述したように位置情報Eを生成する。
次に、ステップS15では、位置情報生成部28eが生成した位置情報Eを、位置情報送信部28fがロボット制御部40に送信する。
ステップS16では、ロボット制御部40が、ステップS14で送信されてくる位置情報Eと、X線検査とは独立して送信されてくる基準信号Sと速度情報Vとに基づき、ロボット30の動作を制御する。ロボット制御部40が、指令生成部42、指令補正部44、指令送信部46、指令記憶部48を利用してどのようにロボット30の動作を制御するかは既に説明したため、ここでは説明を省略する。
(4)特徴
(4-1)
本実施形態のX線検査システム100は、搬送部10と、X線照射部の一例としてのX線照射器22と、透過X線検出部の一例としてのラインセンサ24と、画像生成部28bと、検査部28cと、位置情報生成部28eと、ロボット30と、第1制御部の一例としてのロボット制御部40と、を備える。搬送部10は、多数個の被検査物Pを、連続的に、ランダムな位置で搬送する。X線照射器22は、搬送部10上の被検査物PにX線を照射する。ラインセンサ24は、被検査物Pを透過したX線を検出する。画像生成部28bはラインセンサ24の検出結果に基づいて、透過X線画像を生成する。検査部28cは、透過X線画像に基づき、被検査物Pの不良を検査する。位置情報生成部28eは、検査部28cの検査結果に基づき、不良と判定された被検査物Pの搬送部10上の位置に関する位置情報Eを生成する。ロボット30は、被検査物Pの除去機構としての吸引エジェクタ34aを有する。ロボット30は、吸引エジェクタ34aを少なくとも搬送部10の搬送方向D2と直交する第1方向D1に移動させることが可能である。ロボット30は、検査部28cにより不良と判定された被検査物Pを吸引エジェクタ34aにより搬送部10から取り除く。ロボット制御部40は、搬送部10が距離2Lを進行する毎に発信される定間隔の基準信号Sと、位置情報Eと、に少なくとも基づき、吸引エジェクタ34aが検査部28cにより不良と判定された被検査物Pに近づいて取り除くようにロボット30の動作を制御する。
本実施形態のX線検査システム100では、搬送部10上の不良品の位置に関する位置情報に基づいてロボット30の動作を制御して搬送部10から不良品を取り除くため、不良品と共に取り除かれる良品の量を抑制できる。
なお、透過X線画像に基づき被検査物Pの不良を検査して位置情報Eを生成する工程には、ある程度の演算・処理時間を要し、なおかつ、演算・処理時間は毎回同一ではない。そのため、位置情報Eの生成タイミングに合わせてロボット30を制御すると、ロボット30が被検査物Pを取りに行く位置と、実際に不良品の存在する位置との位置ずれが発生するおそれがある。
これに対し、本実施形態のX線検査システム100では、ロボット制御部40が、搬送部10が距離2Lを進行する毎に発信される定間隔の基準信号Sに基づいてロボット30を制御する。そのため、透過X線画像に基づき被検査物Pの不良を検査して位置情報Eを生成するのに要する演算・処理時間が変動しても、ロボット30が被検査物Pを取りに行く位置と実際に不良品の存在する位置との位置ずれを抑制できる。
(4-2)
本実施形態のX線検査システム100では、ロボット30は、吸引エジェクタ34aを搬送部10の搬送方向D2と平行な方向にも移動させることが可能である。
本実施形態のX線検査システム100では、吸引エジェクタ34aが搬送方向D2に直交する第1方向D1だけではなく、搬送方向D2に平行な方向にも移動可能である。そのため、搬送部10に、複数の不良品が、搬送方向D2において概ね同じ位置に、かつ、第1方向D1には異なる位置に存在する場合でも、搬送部10による搬送を停止することなく、複数の不良品を搬送部10から除去できる。
(4-3)
本実施形態のX線検査システム100は、計数部28dを備える。計数部28dは、検査部28cの検査の結果に基づいて、搬送部10の第1所定領域(1の透過X線画像に対応する搬送方向D2における距離がLのコンベアベルト13a上の領域)に存在する、不良と判定された被検査物Pの個数を計数する。
本実施形態のX線検査システム100では、搬送部10の第1所定領域に存在する不良と判定された被検査物Pの個数が計数されるので、例えば、現在の搬送部10の搬送速度で、ロボット30が全ての不良品を取り除くことが可能か等の判断を行うことができる。
(4-4)
本実施形態のX線検査システム100は、速度制御部の一例としての搬送部制御部28aを備える。搬送部制御部28aは、搬送部10の搬送速度を変更する。搬送部制御部28aは、計数部28dの計数結果に基づいて搬送速度を制御する。
本実施形態のX線検査システム100では、搬送部10の第1所定領域に存在する不良品の個数に基づいて搬送部10の搬送速度を変更するので、例えば第1所定領域に存在する不良品の数が多く、現在の搬送速度ではロボット30が処理しきれない場合に、搬送速度を減速することができる。また、所定領域に存在する不良品の数が少なく、ロボット30の処理能力に余裕がある場合には、搬送速度を増速することができる。そのため、不良品の除去漏れがない信頼度の高いX線検査システム100を実現しつつ、所定領域に存在する不良品の数が少ない場合には搬送速度を増速してX線検査システム100の処理能力を向上させることができる。
(4-5)
本実施形態のX線検査システム100では、画像生成部28bは、搬送部10の搬送速度に応じて透過X線画像を補正する。
本実施形態のX線検査システム100では、ロボット制御部40は、搬送部10の搬送速度によらず、ロボット30を適切なタイミングで動作させ、不良品を精度よく搬送部10から取り除くことができる。
(4-6)
本実施形態のX線検査システム100は、物品除去装置としての伸縮駆動部18と、第2制御部の一例としての搬送部制御部28aと、を備える。伸縮駆動部18は、搬送部10上の、搬送方向D2における第2所定領域に存在する被検査物P(ベルトコンベア12の状態を第2状態にしている状態でベルトコンベア12の下流端12aに到達する被検査物Pの存在する領域に存在する被検査物P)をまとめて取り除く。搬送部制御部28aは、伸縮駆動部18の動作を制御する。搬送部制御部28aは、計数部28dにより計数された第1所定領域に存在する不良と判定された被検査物Pの個数が第1の閾値N1を超える場合に、伸縮駆動部18を動作させる。
本実施形態のX線検査システム100では、搬送部10の所定領域に存在する不良品の個数が比較的多く、ロボット30が処理しきれない場合には、伸縮駆動部18で不良品をまとめて除去できる。そのため、X線検査システム100を一時停止させることなく(X線検査システム100の運転停止/運転再開に必要な時間を要することなく)、不良品の除去処理の漏れがない信頼度の高いX線検査システム100を実現できる。
(4-7)
本実施形態のX線検査システム100では、ロボット制御部40は、搬送部10の所定領域(搬送方向D2における長さが距離Lの単位検査領域)に、不良と判定された被検査物Pが3つ以上存在する場合に、不良と判定された被検査物Pを取り除く吸引エジェクタ34aの移動距離が最短になるように、ロボット30の動作を制御する。
本実施形態のX線検査システム100では、吸引エジェクタ34aが最短距離を移動するように制御されるので、吸引エジェクタ34aの移動距離を考慮しない場合に比べ、同一の処理時間で、より多くの不良品を搬送部10から取り除くことができる。
(4-8)
本実施形態のX線検査システム100では、同一時点において、X線照射器22がX線を照射する領域における搬送部10の搬送速度と、ロボット30が被検査物Pを取り除く領域(吸引エジェクタ34aの移動領域)における搬送部10の搬送速度と、は同一である。
(4-9)
本実施形態のX線検査システム100では、吸引エジェクタ34aは、不良と判定された被検査物Pを吸引除去する。
本実施形態のX線検査システム100では、不良と判定された被検査物Pを搬送部10から素早く除去できる。
(4-10)
本実施形態のX線検査装置200は、搬送部10と、X線照射部の一例としてのX線照射器22と、透過X線検出部の一例としてのラインセンサ24と、画像生成部28bと、検査部28cと、位置情報生成部28eと、第1送信部の一例としての基準信号送信部28gと、第2送信部の一例としての位置情報送信部28fと、を備える。搬送部10は、多数個の被検査物Pを、連続的に、ランダムな位置で搬送する。X線照射器22は、搬送部10上の被検査物PにX線を照射する。ラインセンサ24は、被検査物Pを透過したX線を検出する。画像生成部28bは、ラインセンサ24の検出結果に基づいて、透過X線画像を生成する。検査部28cは、透過X線画像に基づき、被検査物Pの不良を検査する。位置情報生成部28eは、検査部28cの検査結果に基づき、不良と判定された被検査物Pの搬送部10上の位置に関する位置情報Eを生成する。基準信号送信部28gは、ロボット30の動作を制御するロボット制御部40に、搬送部10が距離2Lを進行する毎に発信される定間隔の基準信号Sを送信する。位置情報送信部28fは、ロボット制御部40に、位置情報Eを送信する。ロボット30は、被検査物Pの除去機構として吸引エジェクタ34aを有する。ロボット30は、吸引エジェクタ34aを少なくとも搬送部10の搬送方向D2と直交する第1方向D1に移動させることが可能で、検査部28cにより不良と判定された被検査物Pを吸引エジェクタ34aにより搬送部10から取り除く。ロボット制御部40は、吸引エジェクタ34aが検査部28cにより不良と判定された被検査物Pに近づき取り除くようにロボット30の動作を制御する。
(4-11)
本実施形態のX線検査方法は、X線照射ステップと、透過X線検出ステップと、画像生成ステップと、検査ステップと、位置情報生成ステップと、送信ステップと、制御ステップと、を備える。X線照射ステップでは、多数個の被検査物Pを、連続的に、ランダムな位置で搬送する搬送部10に対しX線が照射される。透過X線検出ステップでは、被検査物Pを透過した透過X線が検出される。画像生成ステップでは、透過X線の検出結果に基づいて、透過X線画像が生成される。検査ステップでは、透過X線画像に基づき、被検査物Pの不良が検査される。位置情報生成ステップでは、検査ステップの検査結果に基づき、不良と判定された被検査物Pの、搬送部10上の位置に関する位置情報Eが生成される。送信ステップでは、ロボット30の動作を制御するロボット制御部40に、搬送部10が距離2Lを進行する毎に発信される定間隔の基準信号Sと、位置情報Eと、が送信される。ロボット30は、被検査物Pの除去機構として吸引エジェクタ34aを有する。ロボット30は、吸引エジェクタ34aを少なくとも搬送部10の搬送方向D2と直交する第1方向D1に移動させることが可能で、検査ステップで不良と判定された被検査物Pを吸引エジェクタ34aにより搬送部10から取り除く。制御ステップでは、ロボット制御部40は、基準信号Sと位置情報Eとに少なくとも基づき、吸引エジェクタ34aが検査ステップで不良と判定された被検査物Pに近づき取り除くようにロボット30の動作を制御する。
(5)変形例
以下に本実施形態の変形例を示す。各変形例の一部又は全部は、互いに矛盾の無い範囲で他の変形例を適宜組み合わせられてもよい。
(5-1)変形例A
上記実施形態では、ロボット30は一台であるが、これに限定されるものではなく、X線検査システム100は、ロボット30を複数有していてもよい。例えば、各ロボット30は、第1方向D1においてそれぞれ異なる領域の被検査物Pを取り除くよう制御されてもよい。
(5-2)変形例B
上記実施形態では、ロボット30は吸引部34により被検査物Pを吸引除去するが、ロボット30は吸引以外の手段で被検査物Pを搬送部10から取り除いてもよい。例えば、ロボット30は、被検査物Pを把持する把持器や、被検査物Pを吸着保持する吸盤を有し、搬送部10上の不良の被検査物Pを把持して、搬送部10から取り除いてもよい。ただし、搬送部10上の不良の被検査物Pを把持する場合には、被検査物Pを把持して、被検査物Pを移動させて、被検査物Pの把持を解除するという一連の動作を要するため、一般的には、被検査物Pを吸引除去する方が効率がよい。
(5-3)変形例C
上記実施形態では、コンベアモータ14の回転速度(搬送部10の搬送速度)が可変である場合について説明したが、回転速度は一定であってもよい。この場合には、搬送部制御部28aは、コンベアモータ14の回転速度の制御は行わず、被検査物Pは一定速度で搬送される。また、被検査物Pが常に一定速度で搬送される場合には、画像生成部28bの搬送部10の搬送速度に応じた透過X線画像の補正や、指令補正部44による指令の補正処理も特に不要である。
(5-4)変形例D
上記実施形態では、コンベアモータ14の回転速度(搬送部10の搬送速度)が2段階で変更される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、コンベアモータ14の回転速度はより多段階に変更されてもよい。例えば、計数部28dの計数結果に基づいて、コンベアモータ14の回転速度は3段階以上で変更されてもよい。
(5-5)変形例E
上記実施形態では、伸縮駆動部18によりベルトコンベア12の長さを可変させる機構を物品除去装置として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、物品除去装置として、コンベアを下方に傾斜させて被検査物Pを下方に落とすコンベア等、他の種類の物品除去装置が用いられてもよい。
また、上記実施形態では、物品除去装置を設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、物品除去装置の設置は省略されてもよい。この場合、例えば、不良と判定された被検査物Pの数量が第1の閾値N1を超える場合には、X線検査システム100は、作業員等が被検査物Pを除去できるよう、一旦搬送部10による被検査物Pの搬送を停止してもよい。
(5-6)変形例F
上記実施形態では、ロボット30は、搬送方向D2に直交する第1方向D1に加えて、搬送方向D2に平行な方向にも除去機構としての吸引エジェクタ34aを移動させるが、これに限定されるものではない。例えば、ロボット30は、吸引エジェクタ34aを第1方向D1にのみ移動可能なものであってもよい。
ただし、不良と判定された被検査物Pの取り残しを抑制するという観点からは、吸引エジェクタ34aは、第1方向D1だけではなく、搬送方向D2に平行な方向にも移動可能であることが好ましい。
本発明は、搬送部により連続的に搬送される多数個の物品に対してX線検査を行い、X線検査の結果、不良と判断された物品を搬送部から排除するX線検査システムに広く適用でき有用である。
10 搬送部
18 伸縮駆動部(物品除去装置)
22 X線照射器(X線照射部)
24 ラインセンサ(透過X線検出部)
28a 搬送部制御部(速度制御部、第2制御部)
28b 画像生成部
28c 検査部
28d 計数部
28e 位置情報生成部
28f 位置情報送信部(第2送信部)
30 ロボット
34a 吸引エジェクタ(除去機構)
40 ロボット制御部(第1制御部、制御部)
100 X線検査システム
200 X線検査装置
D1 第1方向
D2 搬送方向
E 位置情報
P 被検査物(物品)
S 基準信号
特開2004-279059号公報

Claims (11)

  1. 多数個の物品を、連続的に、ランダムな位置で搬送する搬送部と、
    前記搬送部上の前記物品にX線を照射するX線照射部と、
    前記物品を透過したX線を検出する透過X線検出部と、
    前記透過X線検出部の検出結果に基づいて、透過X線画像を生成する画像生成部と、
    前記透過X線画像に基づき、前記物品の不良を検査する検査部と、
    前記検査部の検査結果に基づき、不良と判定された前記物品の前記搬送部上の位置に関する位置情報を生成する位置情報生成部と、
    前記物品の除去機構を有し、前記除去機構を少なくとも前記搬送部の搬送方向と直交する第1方向に移動させることが可能で、前記検査部により不良と判定された前記物品を前記除去機構により前記搬送部から取り除くロボットと、
    前記搬送部が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号と、前記位置情報と、に少なくとも基づき、前記除去機構が前記検査部により不良と判定された前記物品に近づいて取り除くように前記ロボットの動作を制御する第1制御部と、
    を備えたX線検査システム。
  2. 前記ロボットは、前記除去機構を前記搬送部の前記搬送方向と平行な方向にも移動させることが可能である、
    請求項1に記載のX線検査システム。
  3. 前記検査部の検査の結果に基づいて、前記搬送部の第1所定領域に存在する、不良と判定された前記物品の個数を計数する計数部、を更に備える、
    請求項1又は2に記載のX線検査システム。
  4. 前記搬送部の搬送速度を変更する速度制御部、を更に備え、
    前記速度制御部は、前記計数部の計数結果に基づいて前記搬送速度を制御する、
    請求項3に記載のX線検査システム。
  5. 前記画像生成部は、前記搬送部の搬送速度に応じて前記透過X線画像を補正する、
    請求項4に記載のX線検査システム。
  6. 前記搬送部上の、前記搬送方向における第2所定領域に存在する前記物品をまとめて取り除く物品除去装置と、
    前記物品除去装置の動作を制御する第2制御部と、
    を更に備え、
    前記第2制御部は、前記計数部により計数された前記第1所定領域に存在する不良と判定された前記物品の個数が所定値を超える場合に、前記物品除去装置を動作させる、
    請求項3から5のいずれか1項に記載のX線検査システム。
  7. 前記第1制御部は、前記搬送部の所定領域に、不良と判定された前記物品が3つ以上存在する場合に、不良と判定された前記物品を取り除く前記除去機構の移動距離が最短になるように、前記ロボットの動作を制御する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のX線検査システム。
  8. 同一時点において、前記X線照射部がX線を照射する領域における前記搬送部の搬送速度と、前記ロボットが前記物品を取り除く領域における前記搬送部の搬送速度と、は同一である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のX線検査システム。
  9. 前記除去機構は、不良と判定された前記物品を吸引除去する、
    請求項1から8のいずれか1項に記載のX線検査システム。
  10. 多数個の物品を、連続的に、ランダムな位置で搬送する搬送部と、
    前記搬送部上の前記物品にX線を照射するX線照射部と、
    前記物品を透過したX線を検出する透過X線検出部と、
    前記透過X線検出部の検出結果に基づいて、透過X線画像を生成する画像生成部と、
    前記透過X線画像に基づき、前記物品の不良を検査する検査部と、
    前記検査部の検査結果に基づき、不良と判定された前記物品の前記搬送部上の位置に関する位置情報を生成する位置情報生成部と、
    前記物品の除去機構を有し、前記除去機構を少なくとも前記搬送部の搬送方向と直交する第1方向に移動させることが可能で、前記検査部により不良と判定された前記物品を前記除去機構により前記搬送部から取り除くロボットの動作を、前記除去機構が前記検査部により不良と判定された前記物品に近づいて取り除くように制御する制御部に、前記搬送部が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号を送信する第1送信部と、
    前記制御部に、前記位置情報を送信する第2送信部と、
    を備えたX線検査装置。
  11. 多数個の物品を、連続的に、ランダムな位置で搬送する搬送部に対しX線を照射するX線照射ステップと、
    前記物品を透過した透過X線を検出する透過X線検出ステップと、
    前記透過X線の検出結果に基づいて、透過X線画像を生成する画像生成ステップと、
    前記透過X線画像に基づき、前記物品の不良を検査する検査ステップと、
    前記検査ステップの検査結果に基づき、不良と判定された前記物品の、前記搬送部上の位置に関する位置情報を生成する位置情報生成ステップと、
    前記物品の除去機構を有し、前記除去機構を少なくとも前記搬送部の搬送方向と直交する第1方向に移動させることが可能で、前記検査ステップで不良と判定された前記物品を前記除去機構により前記搬送部から取り除くロボットの動作を制御する制御部に、前記搬送部が第1距離を進行する毎に発信される定間隔の基準信号と、前記位置情報と、を送信する送信ステップと、
    前記制御部が、前記基準信号と前記位置情報とに少なくとも基づき、前記除去機構が前記検査ステップで不良と判定された前記物品に近づき取り除くように前記ロボットの動作を制御する制御ステップと、
    を備えたX線検査方法。
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