説明の便宜上、開示する概念の実施形態を、カップに用いられるものとして説明することとするが、当該実施形態はまた、既知の又は適切な缶ボディ又は容器(例えば、限定されないが、飲料缶/ビール缶;食品缶)の端部パネル又は底部分を適切に引き伸ばすのに使用され得ることが明らかであろう。
本明細書で図において示され、そして以下の明細書に記載される特定の要素は、開示する概念の単に例示的な実施形態であり、単に説明のための非限定的な例として提供されるものであることが理解されよう。従って、本明細書で開示される実施形態に関する具体的な寸法、向き、アセンブリ、用いられる構成要素の数、実施形態の構成、及び他の物理的特性は、開示する概念の範囲の限定とみなされるべきでない。
本明細書で用いられる方向の語句、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上向き、下向き、及びそれらの派生語は、図面に示す要素の向きに関しており、特許請求の範囲中で明示的に詳述されない限り、特許請求の範囲を限定しない。
本明細書で使用する単数形「1つ」及び「その」は、前後関係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。
本明細書では、2つ以上の部分又は構成要素が「連結されている」という記述は、部品同士が、リンクがある限り、直接的又は間接的(即ち、1つ以上の中間部品又は中間構成要素を介して)に、結合され、又は一緒に作動することを意味するものとする。本明細書で使用する「直接的に連結されている」は、2つの要素が互いと直接的に接触していることを意味する。なお、可動部品同士、例えば、以下に限定されないが、回路ブレーカ接点同士が、ある位置、例えば、閉じた第2の位置にあるとき、「直接的に連結」されているが、開いた第1の位置にあるとき、「直接的に連結」されていない。本明細書で使用する「固定して連結されている」又は「固定されている」は、2つの構成要素が、1つとして移動しながら、互いに対して一定の向きを維持するように連結されていることを意味する。従って、2つの要素が連結されているとき、これらの要素の部分は全て連結されている。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に連結されている、例えば車軸の第1の端部が第1のホイールに連結されているという記載は、第1の要素の特定の部分が、第2の要素に、その他の部分よりも近くに配置されていることを意味する。
本明細書で使用する言い回し「取外し可能に連結されている」は、1つの構成要素が別の構成要素に、本質的に一時的に連結されていることを意味する。即ち、2つの構成要素は、構成要素同士の結合又は分離が簡単であり、且つ構成要素を傷めることとならないように連結されている。例えば、限られた数の容易にアクセス可能なファスナで互いに固定されている2つの部品は、「取り外し可能に連結」されているが、一緒に溶接されている、又はアクセスするのが困難なファスナによって結合されている2つの構成要素は、「取外し可能に連結」されていない。「アクセスするのが困難なファスナ」は、ファスナにアクセスする前に1つ以上の他の構成要素の取外しを必要とするものであり、「他の構成要素」は、アクセスデバイス、例えば、ドアでないが、これに限定されない。
本明細書で使用する「動作可能に連結されている」は、それぞれが第1の位置と第2の位置との間、又は第1の構成と第2の構成との間で移動可能である幾つかの要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/構成から他方の位置/構成に移動するにつれ、第2の要素が同様に位置/構成間を移動するように連結されていることを意味する。なお、第1の要素は、別の要素に「動作可能に連結」されており、逆は真でなくともよい。
本明細書で使用する「連結アセンブリ」は、2つ以上のカップリング又は2つ以上の連結構成要素を含む。カップリング又は連結アセンブリの構成要素同士は、一般に、同じ要素の部品でも他の構成要素の部品でもない。従って、「連結アセンブリ」の構成要素同士が、以下の説明において、同時に説明されない場合がある。
本明細書で使用する「カップリング」又は「連結構成要素」は、連結アセンブリの1つ以上の構成要素である。即ち、連結アセンブリは、一緒に連結されるように構成されている少なくとも2つの構成要素を含む。連結アセンブリの構成要素同士は、互いに適合することが理解される。例えば、連結アセンブリにおいて、一方の連結構成要素がスナップ式のソケットであれば、他方の連結構成要素はスナップ式のプラグであり、又は一方の連結構成要素がボルトであれば、他方の連結構成要素はナットである。
本明細書で使用する「対応する」は、2つの構造構成要素が、互いと類似するようにサイズ設定且つ成形されており、且つ摩擦量が最小となるように連結され得ることを示す。故に、部材に「対応する」開口は、部材よりも僅かに大きくサイズ設定されて、部材が開口を、最小の摩擦量で通過し得る。この定義は、2つの構成要素が一緒に「ぴったりと」嵌まるべきであるのならば、改められる。その状況において、構成要素のサイズ間の差異は、ずっと小さく、それによって摩擦量は増大する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能な材料又は圧縮可能な材料から製造されているならば、開口は、開口に挿入されることとなる構成要素よりも僅かに小さくなり得る。表面、形状、及びラインに関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、又はラインは、略同じサイズ、形状、及び輪郭を有する。
本明細書では、言い回し「[x]は、[y]の第1の位置及び第2の位置に対応する第1の位置と第2の位置との間を移動する」(「[x]」及び「[y]」は、要素又はアセンブリである)における文言「対応する」は、要素[x]が第1の位置にあると、要素[y]が第1の位置にあることを、そして要素[x]が第2の位置にあると、要素[y]が第2の位置にあることを意味する。なお、「対応する」は、最終の位置に関するものであり、要素が同じ速度で、又は同時に移動しなければならないことを意味しない。即ち、例えば、ホイールキャップと、これが取り付けられているホイールは、対応して回転する。逆に、バネで付勢されているラッチ係合部材とラッチリリースは、異なる速度にて移動する。故に、上記のように、「対応する」位置は、要素同士が、特定された第1の位置に同時にあること、そして特定された第2の位置に同時にあることを意味する。
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が互いと「係合する」という記述は、要素が、互いに対して、直接的に、又は1つ以上の中間要素若しくは中間構成要素を介して、力又はバイアスを及ぼすことを意味するものとする。更に、本明細書で使用する可動部品に関して、可動部品は、ある位置から別の位置への移動の間に、別の要素と「係合し」得、且つ/又は記載された位置において別の要素と一度「係合し」得る。故に、記述「要素Aが要素Aの第1の位置に移動すると、要素Aは要素Bと係合する」と、「要素Aが要素Aの第1の位置にあるとき、要素Aは要素Bと係合している」とは、等しい記述であり、要素Aは、要素Aの第1の位置に移動しながら、要素Bと係合し、且つ/又は要素Aは、要素Aの第1の位置にありながら、要素Bと係合していることを意味すると理解される。
本明細書で使用する「作動的に係合する」は、「係合して移動する」ことを意味する。即ち、移動可能又は回転可能な第2の構成要素を移動させるように構成されている第1の構成要素に関して用いられる場合の「作動的に係合する」は、第1の構成要素が、第2の構成要素を移動させるのに十分な力を加えることを意味する。例えば、ネジ回しが、ネジと接触するように配置されてよい。ネジ回しに力が加えられないと、ネジ回しは単にネジに「連結」されているだけである。軸方向の力がネジ回しに加えられれば、ネジ回しはネジに対して押し付けられて、ネジと「係合」する。しかしながら、回転力がネジ回しに加わると、ネジ回しはネジと「作動的に係合」して、ネジを回転させる。
本明細書で使用する単語「一体成形」は、単一のピース又は単位として作製されている構成要素を意味する。即ち、別々に作製されてから、単位として一緒に連結されたピースを含む構成要素は、「一体成形」構成要素でも「一体成形」体でもない。
本明細書で使用する「[動詞]ように構成されている」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように成形され、サイズ設定され、配置され、連結され、且つ/又は構成されている構造体を有することを意味する。例えば、「移動するように構成されている」部材は、別の要素に移動可能に連結されており、且つ部材を移動させる要素を備えており、又は部材は、別の方法で、他の要素若しくはアセンブリに応じて移動するように構成されている。従って、本明細書で使用する「[動詞]ように構成されている」は、機能でなくて構造を詳述している。更に、本明細書で使用する「[動詞]ように構成されている」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行することが意図され、且つそうするように設計されていることを意味する。故に、特定された動詞を単に実行することができるだけで、特定された動詞を実行することが意図されておらず、且つそうするように設計されていない要素は、「[動詞]ように構成」されていない。
本明細書で使用する「関連する」は、要素が、同じアセンブリの一部であり、且つ/又は一緒に作動し、若しくは互いに/互いとある程度作用することを意味する。例えば、自動車は、4つのタイヤ及び4つのホイールキャップを有する。全ての要素が自動車の一部として連結されている一方、各ホイールキャップが特定のタイヤと「関連する」ことが理解される。
本明細書で用いられる、言い回し「[x]は、その第1の位置と第2の位置との間を移動する」、又は「[y]は、[x]をその第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成されている」において、「[x]」は、要素又はアセンブリの名前である。更に、[x]が、幾つかの位置の間を移動する要素又はアセンブリである場合、代名詞「その」は、「[x]」を、即ち、代名詞「その」に先行する、命名されている要素又はアセンブリを意味する。
本明細書では、互いに略対向して配置される要素による同時係合は、「クランプ留め」と特定される。即ち、本明細書で使用する「クランプ留め」は、材料を、実質的に一定の位置に固定して、材料が少なくとも1つの方向に移動(例えばスライド)する、又は流れることを不可能にすることを意味する。故に、本明細書では、「クランプ留め」されている材料は、実質的に一定の位置に固定されて、材料が少なくとも1つの方向に移動(例えばスライド)すること、又は流れることが不可能であり、例えば、クランプ留めされた材料は、カップの底部分に移動すること/流れることができない。
本明細書で使用する「引伸し」は、形成されることとなる材料に実質的に移動する/流れ込む追加の材料もなしに、長さ又は面積が増大することをこと意味する。故に、本明細書で使用する「引伸し」は、材料を「しごき」も「絞り」もしない。何故ならば、本明細書で用いられるように、これらのプロセスにより、追加の材料が、形成されることとなる材料に移動し得/流れ込み得るからである。故に、本明細書では、「引き伸ばされる」材料は、材料のある寸法(例えば長さ/面積)が増大し、そして材料の別の寸法(例えば厚さ)が減少している。
本明細書では、互いに略対向して配置された要素による、係合力が強い同時係合は、「漸進的クランプ留め」として特定される。即ち、本明細書で使用する「漸進的クランプ留め」は、材料を、実質的に一定の位置に固定しながら、最初に材料を、「漸進的にクランプ留め」される領域を通る少なくとも1つの方向に移動(例えばスライド)させ得、又は流し得ることを意味する。係合力が強くなるにつれ、「漸進的にクランプ留め」される領域を通って移動する/流れる材料の量が、極めて僅かな量になるまで減少する。故に、本明細書では、「漸進的にクランプ留め」される材料は、実質的に一定の位置に固定されながら、一部の材料を、最初に「漸進的にクランプ留め」された後に流れさせ得、そして係合力が強くなると、極めて僅かな材料量しか、「漸進的にクランプ留め」された領域を通って移動し得ない/流れ得ない。
本明細書で使用する「漸進的引伸し」は、長さ又は面積が、形成されることとなる材料の、材料への最初の流れで増大することを意味し、形成されることとなる材料の、材料中への最初の流れは、極めて僅かな材料の量にまで低減されて、「漸進的に引き伸ばす」プロセスの終了時に、追加の材料が、形成されることとなる材料にほとんど移動することはない/流れ込むことはない。故に、本明細書で使用する「漸進的に引き伸ばす」は、材料を「しごき」も「絞り」もしない。何故ならば、本明細書で用いられるように、これらのプロセスにより、追加の材料が、形成されることとなる材料に移動し得/流れ込み得るからである。故に、本明細書で使用する「漸進的に引き伸ばす」プロセスの終了時の材料は、材料のある寸法(長さ/面積)が増大し、そして材料の別の寸法(厚さ)が減少している。
本明細書で使用する用語「缶」及び「容器」は、知られている、又は適切な容器を指すのに実質的に互換的に用いられており、当該容器は、物質(例えば、限定されないが、液体;食品;他の適切な物質)を含有するように構成されており、そして明示的に、以下に限定されないが、飲料缶、例えばビール缶及びソーダ缶、並びに食品缶が挙げられる。
本明細書で使用する用語「ツーリング」、「ツーリングアセンブリ」、及び「ツールアセンブリ」は、開示する概念に従ってシェルを形成する(例えば、限定されないが、引き伸ばす)のに用いられる既知の、又は適切なツール又は構成要素を指すのに実質的に互換的に用いられる。
本明細書で使用する用語「ファスナ」は、適切な連結機構又は締付機構を指し、明示的に、以下に限定されないが、ネジ、ボルト、並びにボルト及びナットの組合せ(例えば、限定されないが、ロックナット)、並びにボルト、ワッシャー、及びナットの組合せが挙げられる。
本明細書で用いられる用語「数」は、1又は1よりも大きな整数(即ち複数)を意味するものとする。
本明細書で使用する用語「ビード」は、形成される材料に関して用いられる場合、材料の少なくとも1つの表面に対する突出部を意味する。更に、本明細書で使用する用語「ビード」は、ツーリングに関して用いられる場合、材料にビードを形成するツーリングの要素を意味する。ビードを形成するツーリングの要素、即ちツーリングの「ビード」要素は、上側ツーリング及び/又は下側ツーリングの1つ又は双方にある。
図2は、材料のブランク20及び飲料缶22、即ち「缶ボディ」を示しており、これは、開示する概念に従う非限定的な一例に従って選択的に形成された底プロファイル24を有している。具体的には、以下に詳細に記載するように、缶底プロファイル24の材料、特に、そのドーム形状の部分26が引き伸ばされることによって、それが薄くなっている。図2の例は飲料缶を示すが、開示する概念は、既知の、又は適切な代替タイプの容器(例えば、限定されないが、食品缶(不図示))、又は、後にそのような容器に更に成形されるカップ(例えば、図9A~図9D及び図11A~図11Dのカップ122、並びに図10A~図10Cのカップ222参照)の底部分を引き伸ばして薄くするのに使用され得ることが理解されよう。
また、図2(及び本明細書で提供される全図)に示す特定の寸法は、単に説明のために提供されているだけであり、開示する概念の範囲を限定していないことが理解されよう。即ち、ベースゲージの既知の、又は代替の薄肉化が、開示する概念の範囲を逸脱しない範囲で、既知の、又は適切な容器、端部パネル、又はカップについて実行され得る。図2の非限定的な例において、缶ボディ22は、壁厚が0.0040インチであり、缶底プロファイル24及びドーム形状の部分26の実質的に均一な厚さが0.0098インチである。故に、缶底プロファイル24の材料は、0.0108インチの材料のブランク20のベースゲージから、約0.0010インチ薄くなっている。これは実質的な低減であり、従来の缶(例えば、缶底プロファイル8の厚さが0.0108インチである図1の缶ボディ2参照)に勝る顕著な重量の低減及びコストの節約をもたらすことが理解されよう。加えて、幾つかある利点の中で特に、これによってより小さい材料のブランクを用いて、同じ缶ボディを形成することができる。例えば、限定されないが、図2の非限定的な例における材料のブランク20は、直径が約5.325インチであるが、図1の材料14のブランクは、直径が約5.400インチである。これにより今度は、より短いコイル幅(不図示)の材料を使用(即ち、ツーリングに供給)することができ、結果として、出荷コストをより低くすることができる。
更に、開示する概念は、材料の薄肉化と、材料の全量及び全重量における関連する低減とを、最終製品を形成するのに供給されるストック材料に関連する材料加工費用の増大を招くことなく、達成する。例えば、限定されないが、材料のベースゲージ(即ち厚さ)を低減するためのストック材料の加工(例えば圧延)を増やすと、材料の初期コストが比較的実質的に増大し得るので、望ましくない。開示する概念は、所望の薄肉化及び低減を達成して更に、より一般的で、従って比較的廉価であるベースゲージのストック材料を用いる。
図2を続けて参照すると、開示する概念は、予め成形された材料のブランク20’を使用し得、又はこれを使用するように実行され得ることが理解されよう。例えば、限定されないが、ドーム部分26’が予め形成されている、予め成形された材料のブランク20’が、図2において、仮想線で示されている。そのような予め成形されたブランク20’は、ツーリング300(図3)、300’(図4~図8)に供給されて、その後更に、所望のカップ122(図9A~図9D及び図11A~図11D)、222(図10A~図10C)、又は容器22(図1)に形成され得る。そのような予め成形された材料のブランク20’の一つの利点は、そのようなブランク20’を運搬して出荷する目的で、複数のブランク20’が、互いの内部に入れ子になる能力である。予め成形されたドーム部分26’はまた、所望の場合には、ブランク20’を掴んで、ツーリング300(図3)、300’(図4~図8)の内部で向きを定める機構を提供する。更に、ブランク20’の幅をより一層狭めることも可能である。例えば、限定されないが、図2の非限定的な例において、予め成形されたブランク20’は、直径が5.300インチに狭められている。
図3~図8は、開示する概念に従って、容器材料(例えば、限定されないが、ブランク;カップ;缶ボディ)を引き伸ばして薄くする種々のツーリング300(図3)、300’(図4~図8)を示す。具体的には、選択的な成形(例えば引伸し)は、ツーリングの正確な幾何学的配置によって達成される。非限定的なある実施形態に従えば、プロセスは、材料のブランク(例えば、限定されないが、ブランク20)を、ツーリングアセンブリ300(図3)、300’(図4~図8)の構成要素間に導入して、ベース金属の厚さ又はゲージが標準的な、平坦な底カップ122(例えば、図9A及び図10A参照)を形成することから始まる。
図3及び図4に示すように、ツーリング300は、好ましくは、成形パンチ304(図3)、304’(図4)を有する上側ツールアセンブリ302、302’(図4)、及び下側ツールアセンブリ306(図3)、306’(図4)を備える。知られているように、上側ツールアセンブリ302、302’は、第1の位置(上側ツールアセンブリ302、302’が、下側ツールアセンブリ306、306’から間隔を空けられている)と、第2の位置(上側ツールアセンブリ302、302’が、下側ツールアセンブリ306、306’と直ぐ隣接しており、且つそれから最小限にしか間隔を空けられていない)との間を移動する。即ち、上側ツールアセンブリ302、302’が、第1の位置から第2の位置に向けて移動するにつれ、成形パンチ304、304’は、缶22又はカップ122、222と係合して、これらを変形させる。
カップ122、222を形成した後、成形パンチ304、304’は、下向きに移動し続けて、カップ122、222を下方に、カップ122、222が下側のパッド308、308’と接触するまで押し続ける。本明細書に示され、且つ記載される非限定的な実施形態において、成形パンチ304、304’及び下側のパッド308、308’は、丸みを帯びたステップビード310(下側パッド308’のステップビード310’として、図8の拡大図において最も良く示されている)を有するが、そのようなステップビードは必須でないことが理解されよう。即ち、図8及び図14に示すように、成形パンチ304、304’の下端部及び下側のパッド308、308’の上端部はそれぞれ、略平らな内側部分140、142を有する。図3及び図4に示す成形パンチ304、304’は更に、曲線形の外側部分150を備える。下側のパッド308、308’は、略平らな外側部分152を有する。丸みを帯びたステップビード310、310’は、例えば、図8に示すように、以下に記載するカップ側壁124の少し中央寄りにて材料をクリンプしてロックすることによって、材料の実質的に静止した保持を促進する。即ち、成形パンチの内側部分140及び下側のパッドの内側部分142は、カップ側壁124をクランプ留めするように構成されている。このように、側壁124の材料はしっかりと保持されて、材料がカップ122の底部分128にスライドしたり流れ込んだりするのを妨げている。
従って、開示する概念が、従来の容器底形成(例えば、限定されないが、ドーミング)方法及び装置と実質的に異なることが理解されよう。即ち、従来の形成プロセスにおいて、カップ又は容器の側部分がクランプ留めされ得る一方、比較的小さな圧力しか加わらないので、カップ又は容器の底部分への材料の移動(例えば、スライド;流れ込み)が促進される。言い換えると、伝統的に、容器の底部分における材料のクランプ留め及び引伸しが、明白に回避されて、底部分において材料の厚さが維持される。
上述のステップビード310、310’は、開示する概念の必須の態様でないことが理解されよう。例えば、図9A~図9Dは、開示する概念の実施形態に従う、非限定的な例のカップ122を形成する連続したステップ又はステージを示しており、ツーリング300、300’は、ステップビード310、310’を備えているが、図10A~図10Cは、開示する概念の別の実施形態に従う、カップ222の連続した形成ステージを示しており、ツーリングは、いかなるステップビードも備えていない。即ち、この実施形態において、成形パンチ304、304’、及び下側のパッド308、308’はそれぞれ、略平らな内側部分140、142を有する。成形パンチ304、304’は更に、曲線形の外側部分150を備える。下側パッド308、308’は、略平らな外側部分152を有する。故に、この実施形態において、傾斜部分144、146は、成形パンチ304、304’、304A上にも、下側のパッド308、308’上にもない。
4つの形成ステージが図9A~図9Dに示されており、そして3つの形成ステージが図10A~図10Cの例において示されているが、形成ステージの既知の、又は適切な代替数及び/又は代替順序が、開示する概念に従って、材料を適切に引き伸ばして薄くするように実行され得ることが理解されよう。更に、底部分128(例えば、丸みを帯びた形状又はドーム130)への材料の移動(例えばスライド)又は流れ込みに抵抗するように材料を十分に固定する既知の、又は適切な任意の機構が、開示する概念の範囲を逸脱しない範囲で使用され得ることが理解されよう。例えば、限定されないが、カップ122若しくは容器本体22(図2)の側壁124、126、又はその直ぐ近くの位置を固定する圧力は、図3に概ね示すように、空圧的に、又は図4~図7に示すように、所定の数の付勢要素(例えば、限定されないが、バネ312、314)によって、又は他の既知の、若しくは適切な保持手段(例えば、限定されないが、動水力)若しくは保持機構(不図示)によって提供され得る。
開示する概念の非限定的な一実施形態に従えば、材料は、移動(例えばスライド)したり流れたりしないように、そしてそれよりも、その後の形成ステップにおいて引き伸ばされ得るようにクランプ留めされる(例えば、実質的に一定の位置に固定される)が、そのようなクランピング作用を利用するのに必須の力(例えば圧力)の量は、好ましくは、最小にされることが理解されよう。このように、開示する引伸し及び薄肉化を促進するのに必須のクランピング力を、異なるプレス(例えば、限定されないが、より大きな能力を有するプレス)(不図示)を必要とすることなく、提供することが可能である。従って、開示する概念は、有利には、既存のプレスを比較的迅速に、且つ容易に再編成することによって、分野において使用中の既存の装置に容易に使用され得る。
表1は、開示する概念の幾つかの非限定的な例の実施形態に従うクランピング力を用いるために、様々な数(例えば、5;10;20)のバネ(例えば、限定されないが、バネ312、314)の使用に由来するクランピング力及び撓みを定量化している。
別の例示的な実施形態において、表2は、デュアルアクションプレス(dual action press)でアルミニウム又は鋼のシェルを形成し、且つデュアルアクションプレスでシェルを形成するシステムのためのクランピング力及び撓みを定量化している。なお、アルミニウムの形成と関連するバネの撓みは、0.410インチであり、鋼の成形と関連するバネの撓みは、0.810インチである。更に、この例において、アルミニウムの成形と関連する15個のツーリングステーション、及び鋼の成形と関連する9つのツーリングステーションが存在する。更に、この例において、プレスは、150トンのプレスであり、内側スライド(以下、パンチ404Aとしても特定される)及び外側スライドのそれぞれについて、75トン(150,000lbf)の能力を有する。
なお、バネの撓みは、最大ドーム薄肉化に概ね対応する。即ち、150トンのプレスについて、内側スライド及び外側スライドは、75トン(150,000lbf)を支持することができる。従って、15出力構成(15-out configuration)でアルミニウムを成形する単一のバネに関して、15個の「ポケット」の各々について150,000lbfがかかると、ツーリングポケットあたり約10,000lbfの力制限となる。更に、この例において、各ポケットは、8つのバネを有する。故に、10,000lbf/バネ8つは、1,250lbfが各バネに作用することを意味する。各バネの硬さが3049lbf/inであり、1,250lbfが作用する場合、各バネは0.410インチ撓むこととなる。これは、アルミニウムドームの最大薄肉化、即ち約10%に対応する。故に、変数、例えばバネの数、硬さ、その他が、プレス及び所望のバネ撓みの最大限度(ドームの薄肉化に対応する)に関係すると理解される。総荷重がプレスの限度未満となるようにツーリング300を構成することで、以下で考察されるように、上述の問題が解決される。
周辺の材料が適切にクランプ留めされる(例えば、例えば限定されないが図8に示す位置に、実質的に固定される)と、パンチ304’は、下向きに移動し続けて、カップ底部分128の材料を、ツール300’のコンター(contour)316(図6~図8)に押し込んで、材料を、丸みを帯びた形状130(「ドーム」としても特定され、図9D、図10C、図11A~図11D、図12、及び図13に示す)に引き伸ばすことによって、材料を薄くする。このプロセスに従って形成されたカップ122の非限定的な例が、図9A~図9Dに示されている(ツーリング300’は、ステップビード310’を備える)。別の例のカップ222が、図10A~図10Cに示されている(ツーリングは、ステップビードを備えない)。例えば、図9Dを参照して、丸みを帯びた形状又はドーム130(図9D及び図11D)、230(図10C)内の材料は、引き伸ばされるので、最大約0.001インチ以上薄くされ得ることが理解されよう。また、本明細書に示され、且つ記載される例における丸みを帯びた形状は、ドーム130、230であるが、既知の、又は適切な他の任意の代替形状が、開示する概念の範囲を逸脱しない範囲で形成され得ることが理解されよう。
図9C、図9D、図11A~図11D、図12、及び図13を参照して、ドーム130の引き伸ばされた材料はまた、厚さが実質的に均一であることが有利であることは理解されよう。より詳細には、材料は、図9C(部分的に形成されたカップドーム130’)及び図9D(完全に形成されたカップドーム130)に示すような、ドーム130の幅又は直径に沿う種々の位置(例えば、図12及び図13の測定位置A~I参照)についてだけでなく、種々の方向にも、例えば図11A及び図13に示すグレインに沿って、図11B及び図13に示すグレインに反して、図11C及び図13に示すグレインに対して45度にて、そして図11D及び図13に示すグレインに対して135度にて、厚さが均一である。図12及び図13のグラフは更に、これらの発見を確かにする。図13は、一つのグラフにおいて、グレインに対する上述の各方向とグレイン横断方向での位置A~Iにおける金属の厚さのプロットを示す。
従って、開示する概念は、容器22(図2)又はカップ122(図9A~図9D及び図11A~図11D)、222(図10A~図10C)の底プロファイル24(図2)、底部分128(図9A~図9D及び図11A~図11D)、及び底プロファイル228(図10A~図10C)、例えばドーム形状部分26(図2)、ドーム130(図9D及び図11A~図11D)、及びドーム230(図10C)を選択的に引き伸ばして薄くすることによって、材料及びコストの節約を比較的実質的に実現する、ツーリング300(図3)、300’(図4~図8)及び方法を提供することが理解されよう。
別の例示的な実施形態において、開示する概念は、(ツーリング)クランプビード410(以下で議論される)を利用することによって、ドーム形状部分330を含む容器22又はカップ122の底プロファイル24を選択的に引き伸ばして薄くするツーリング400及び方法を提供する。ツーリング400を参照して先に述べたように、クランプビードの利用は、ツーリング400、即ち上側ツールアセンブリ402及び下側ツールアセンブリ406が、「クランプビード」を形成するように構成された構造を含むことを意味する。即ち、本明細書で用いられる「上側ツールアセンブリ及び下側ツールアセンブリが、幾つかのクランプビードを備える」なる記載は、ツーリング400、即ち、上側ツールアセンブリ402及び下側ツールアセンブリ406が、先で定義されたように、「クランプビード」を形成するように構成された構造を備えることを意味する。この例示的な実施形態において、図16A~図16Bに示す材料は、側壁424、426、及び底部分428を備えるカップ422を形成する。
この実施形態において、図14~図18に示すように、ツーリング400は好ましくは、成形パンチ404を有する上側ツールアセンブリ402と、下側ツールアセンブリ406とを備える。参照番号「400」によって特定されるツーリング400はまた、参照番号「300、300’」によって特定され、以下で述べる差異があるツーリングの他の要素を備えることが理解される。先で述べたように、上側ツールアセンブリ402もまた、第1の位置(上側ツールアセンブリ402が、下側ツールアセンブリ406から間隔を空けられている)と第2の位置(上側ツールアセンブリ402が、下側ツールアセンブリ406と直ぐ隣接しており、且つそれから最小限にしか間隔を空けられていない)との間を移動する。即ち、上側ツールアセンブリ402が、第1の位置から第2の位置に向けて移動するにつれ、成形パンチ404は、缶22又はカップ122と係合して、これらを変形させる。
カップ122を形成する実施形態では、カップ122を形成した後、成形パンチ404は、下向きに移動し続けて、カップ122を下方に、カップ122が下側のパッド408と接触するまで押し続ける。本明細書に示され、且つ記載される非限定的な実施形態においては、成形パンチ404及び下側のパッド408は、「クランプビード」410を形成する要素を有する。即ち、本明細書で用いられる、材料にクランプビードを形成するツーリング400の協働的要素は、参照番号410によってまとめて特定される。図14及び図15に示すように、成形パンチ404の下端部及び下側のパッド408の上端部はそれぞれ、略平らな内側部分440、442を、そして略平らな外側部分450、452を有する。成形パンチ404の最も外部の部分は、例示的な実施形態において、曲線形である。更に、クランプビード410は、成形パンチ404の下端部に、即ち上側ツールアセンブリ402に、幾つかの凹部412(以降、「クランプビード凹部」412)を備えており、下側のパッド408の上端部に、即ち下側ツールアセンブリ406に、幾つかの上向きに延びる突出部414(以降、「クランプビード突出部」414)を備える。各クランプビード凹部412は、関連するクランプビード突出部414の形状、サイズ、及び輪郭に実質的に対応する形状、サイズ、及び輪郭を有する。即ち、各クランプビード凹部412は、成形パンチの内側部分440と成形パンチの外側部分450との間に配置されている。同様に、各クランプビード突出部414は、下側のパッドの内側部分442と下側のパッドの外側部分452との間に配置されている。更に、各クランプビード凹部412は、関連するクランプビード突出部414と揃えられているので、上側ツールアセンブリ402が第2の位置にあると、各クランプビード突出部414は、関連するクランプビード凹部412の実質的に内部に配置される。例示的な一実施形態において、単一のクランプビード410が、図14に示すように存在する。別の例示的な実施形態において、2つのクランプビード410が、図15に示すように存在する。これらの例は非限定的であり、そして任意の数のクランプビード410があってよい。クランプビード410が、例えば、先に示したように、カップ側壁124の少し中央寄りにて材料をクリンプしてロックすることによって、実質的に静止した材料の保持を促進する。
従って、開示する概念が実質的に、従来の容器底部形成(例えば、限定されないが、ドーミング)方法及び装置と異なることが理解されよう。即ち、従来の形成プロセスにおけるカップ又は容器の側部分がクランプ留めされ得る一方、比較的小さな圧力しか加わらないので、カップ又は容器の底部分への材料の移動(例えば、スライド;流れ込み)が促される。言い換えると、容器の底部分における材料の従来のクランプ留め及び引伸しが、明白に回避されて、底部分において材料の厚さが維持される。
周辺の材料が適切にクランプ留めされる(例えば、実質的に一定の位置に固定される)と、成形パンチ404は、下向きに移動し続けて、カップ底部分128の材料を、ツーリング400のコンター316に(図6~図7に示すのと同様にして)押し込んで、材料に、クランプビード420(参照番号420は、材料又はカップ中の「クランプビード」を特定する)を形成させ、且つ材料を、丸みを帯びた形状430(以降、「ドーム」430)に引き伸ばすことによって、材料を薄くする。即ち、クランプビード420を含むプロセスに従って形成されたカップ422の非限定的な例が、図16A~図16Dに示されている。例えば、図16Dを参照して、ドーム430内の材料は引き伸ばされるので、最大約0.001インチ以上薄くされ得ることが理解されよう。また、本明細書に示され、且つ記載される例の丸みを帯びた形状は、ドーム430であるが、既知の、又は適切な他の任意の代替形状が、開示する概念の範囲を逸脱しない範囲で形成され得ることが理解されよう。既に述べたように、ドーム430の引き伸ばされた材料はまた、先で述べたように、厚さが種々の位置にて、そしてグレインに対して種々の方向に、実質的に均一であるのが有利である。
上記したように、材料は、材料が移動(例えばスライド)又は流れないように、そしてそれよりも、その後の形成ステップにおいて引き伸ばされ得るようにクランプ留めされる(例えば、実質的に一定の位置に固定される);そのようなクランピング作用を利用するのに必須の力(例えば圧力)の量は、好ましくは、最小にされ、そしてカップ122若しくは容器本体22(図2)の側壁124、126、又はその直ぐ近くの位置を固定する圧力は、図3に概して示すように空圧的に、又は、図4~図7に示すように、所定の数の付勢要素(例えば、限定されないが、バネ312、314)によって、又は他の既知の、若しくは適切な保持手段(例えば、限定されないが、油圧)若しくは保持機構(不図示)によって提供され得る。図17及び図17Aに示すように、別の例示的な実施形態において、ツーリング400Aは、図17に示すハイブリッドバイアス発生アセンブリ500、及び図17Aに示す漸進的クランプビード600を介して、カップ122(422)又は容器本体22の側壁124、126(424、426)を漸進的にクランプ留めするように構成されている形状部分、構造、及びアセンブリを備える。
即ち、要素が上述のツーリング400と実質的に類似する別の実施形態では、ツーリング400は、材料を漸進的にクランプ留めしながら、材料を、丸みを帯びた形状430に漸進的に引き伸ばすように構成されている。この具体例において、ツーリング400Aは、先で定義されたように、漸進的クランプビード620を材料にもたらす。例示的な実施形態において、材料を漸進的にクランプ留めするように構成されているツーリング400Aは、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500を利用する。即ち、この実施形態において、カップ122(422)又は容器本体22(図2)の側壁124、126(424、426)、又はその直ぐ近くの位置を固定する圧力は、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500によって提供される。一実施形態において、空圧要素及びバネ312、314(図3及び図4に示す)が、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500に組み込まれる。本明細書で使用する「ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」は、少なくとも2つの異なる方法でバイアスを発生させるアセンブリであり、バイアスは同じ構成要素に加わる。即ち、本明細書で使用する「ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」として、同じ構成要素にバイアスを加える少なくとも2つのバイアス発生アセンブリが挙げられる。また、「ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」として、幾つかのハイブリッド構成要素が挙げられる。故に、アセンブリ、例えば、以下に限定されないが、本明細書に記載するハイブリッドバイアス発生アセンブリ500(圧縮流体を介してバイアス(圧力バイアス)を、そしてバネを介してバイアス(機械的バイアス)を発生させる)は、アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリであることの第1の要件を満たす。逆に、高圧コンプレッサ及び低圧コンプレッサ(双方とも圧力バイアスを生じさせる)を有する装置は、「ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」でない。何故ならば、バイアスを生じさせる方法が同じであるからである。更に、あるタイプのバイアスが、ある構成要素に加わり、そして別のタイプのバイアスが、異なる構成要素に加わるアセンブリもまた、「ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」でない。何故ならば、バイアスが、同じ構成要素に加わらないからである。
更に、本明細書で使用する「アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ」は、バイアスを同じ構成要素に同時に加える少なくとも2つのバイアス発生アセンブリを備えるアセンブリである。更に、本明細書で使用する「選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」は、少なくとも2つのバイアス発生アセンブリを備えるアセンブリであり、バイアスは、同じ構成要素に選択的に加えられる。即ち、「選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」は、少なくとも2つの異なる方法でバイアスを加える能力を有し、そして使用者は、どのバイアス発生アセンブリが構成要素にバイアスを加えるのか、又は双方が加えるのかを決定する。故に、使用者が2つのバイアス印加方法を選択する場合には、「選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」は、「アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ」として作動する。言い換えると、「アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ」は、「選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」の一種であるが、逆は必ずしも真でない。即ち、全ての「選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」が、「アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ」であるわけではない。幾つかの利用可能な方法のうちのたった1つの方法だけでバイアスを加える「選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」は、「選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ」であるが、「アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ」ではない。例示的な実施形態において、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ502又は選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ504の1つである。概略的に示すように、アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ502の要素を備える一方、選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ504は、圧力発生アセンブリ510用の追加の制御装置と関連する(以下に説明する)。
ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、圧力発生アセンブリ510(概略的に示す)と、機械的バイアスアセンブリ550と、幾つかのハイブリッド構成要素570とを備える。本明細書で使用する「ハイブリッド構成要素」570は、双方のバイアス発生アセンブリ(例示的な実施形態においては、圧力発生アセンブリ510及び機械的バイアスアセンブリ550)によって利用されるように構成されている構成要素である。圧力発生アセンブリ510は、下側ツールアセンブリ406Aの一部であり、圧力発生装置512(概略的に示す)、圧力伝達アセンブリ514(概略的に示す)、圧力チャンバ516、及びライザ(riser)アセンブリ515を備える。圧力発生装置512は、高い圧力にて流体を圧縮し、又は圧縮流体を格納するように構成されている既知の任意の装置であって、例えば、以下に限定されないが、流体ポンプ又はコンプレッサがある。圧力伝達アセンブリ514は、加圧流体を伝達することができる任意の数のホース、導管、通路、又は他の任意の構造を備える。圧力伝達アセンブリ514はまた、加圧流体の伝達を制御するのに必要とされるシール、弁、又は他の任意の構造を備えることが理解される。
例示的な実施形態において、下側ツールアセンブリ406は、圧力チャンバ516及びライザアセンブリ515を備える。即ち、下側ツールアセンブリ406は、圧力チャンバ516を画定する。ライザアセンブリ515は、圧力チャンバ516内に移動可能に、且つシールされて配置されている。ライザアセンブリ515は更に、下側のパッド408と、及び/又はツールコンター316を画定するドーム支持アセンブリ517(ドーム形状の部材519を備える)とに対してシールされており、これらに連結されており、及び/又は動作可能に連結されている。この構成において、下側のパッド408及びライザアセンブリ515が、上側の第1の位置と下側の第2の位置との間を移動する。更に、下側のパッド308、308’は、圧力チャンバ516内の加圧流体によって、少なくとも部分的に、第1の位置に維持される。即ち、圧力チャンバ516が加圧されると、下側のパッド408及びライザアセンブリ515が、上側の第1の位置に向けて移動する。第2の位置に向けて移動するために、パンチ304は、圧力チャンバ516内の加圧流体によって生じるバイアスを克服しなければならない。
即ち、例示的な実施形態において、ライザアセンブリ515は、下側ツールアセンブリ306によって画定される圧力チャンバ516の内部表面に、シールされて、且つ移動可能に連結されて、直接的に連結されている。圧力チャンバ516は、流体が逃げるのを防ぐのに必要とされる幾つかのシール(特定せず)を備えることが理解される。
ライザアセンブリ515は、以下で説明するように、トーラス形状の本体520を、そして例示的な実施形態においては、バネ座554を備える。別の実施形態において、ライザアセンブリ515及びバネ座554は、一体成形体である。ライザアセンブリ515が圧力チャンバ516内に配置されているならば、バネ座554もまた圧力面521であることが理解される(以下で説明する)。故に、ライザアセンブリ515の径方向外側の表面、及び、含まれるならばバネ座554は、圧力チャンバ516の内部表面にシールされて連結されている。
圧力発生装置512は、圧力伝達アセンブリ514を介して、圧力チャンバ516と流体連通している。流体、故に、それと関連する圧力は、ライザアセンブリ515(図示)の下側(以降、「圧力面」521と特定する)に伝達される。バネ座554を有する実施形態において、圧力面521がバネ座554の下側表面であってよいことは理解される。更に、バネ560と接触する圧力面521(以下で説明する)のいかなる領域も、そこに作用する圧力がないことは理解される。故に、圧力発生装置512は、圧力チャンバ516内のライザアセンブリ515の位置を制御するように構成されており、且つ圧力チャンバ516内でライザアセンブリ515を移動させるように構成されている。
この構成において、下側のパッド408は、本明細書で定義された「ハイブリッド構成要素」570である。即ち、下側のパッド408は、圧力発生アセンブリ510及び機械的バイアスアセンブリ550の双方によって利用されるように構成されている。なお、圧力発生アセンブリ510だけと、又は機械的バイアスアセンブリ550だけと関連する下側のパッド408は、本明細書で定義された「ハイブリッド構成要素」であり得ない。即ち、定義上、圧力発生アセンブリ510と排他的に関連する下側のパッド408は、双方のバイアス発生アセンブリによって利用される「ように構成され」ない。同様に、定義上、機械的バイアスアセンブリ550だけと関連する下側のパッド408は、双方のバイアス発生アセンブリによって利用される「ように構成され」ない。従って、圧力発生アセンブリ510だけと、又は機械的バイアスアセンブリ550だけと関連する下側のパッド408は、本明細書で使用する「ハイブリッド構成要素」でない。
例示的な実施形態において、機械的バイアスアセンブリ550は、幾つかのバネアセンブリ552(バネ312、314を含む)及び幾つかのバネ座554を備える。バネアセンブリ552は、各バネ座554と関連する幾つかのバネ560を含む。一実施形態において、各バネアセンブリ552は、単一の、線形ばね定数の圧縮バネ560を備える。この実施形態において、機械的バイアスアセンブリ550は、バネアセンブリ552の圧縮に、略線形なレートにてバイアスを加えるように構成されており、且つそのようにバイアスを加える。
別の例示的な実施形態において、各バネアセンブリ552は、ばね定数が可変的な幾つかのバネ560を含む(参照番号560は、特定のタイプのバネではなく、「バネ」を表すことが理解される)。可変ばね定数は、漸進的ばね定数、累減的ばね定数、又はデュアルレート(時には「プログレッシブ・ウィズ・ニー(progressive with knee)」と特定される)ばね定数の何れかであってよい。本明細書で使用する「漸進的ばね定数」は、圧縮が非線形に増大するばね定数である。本明細書で使用する「累減的ばね定数」は、圧縮が非線形に減少するばね定数である。本明細書で使用する「デュアルレート」ばね定数は、選択した圧縮が達成されるまで、第1の線形、又は略線形ばね定数にて増大するばね定数であり、その後、ばね定数は、異なる第2の線形、又は略線形ばね定数にて増大する。即ち、第1のばね定数及び第2のばね定数は、互いに実質的に異なる。可変定数ばねとしては、以下に限定されないが、可変ピッチレートの円筒バネ、円錐バネ、及びミニブロックバネが挙げられる。
例示的な一実施形態では、バネアセンブリ552は全て、実質的に同じタイプのバネ560を含む。即ち、例えば、各バネアセンブリ552は、幾つかの実質的に類似した線形ばね定数の圧縮バネ560、又は幾つかの実質的に類似したデュアルレートの圧縮バネ560を含む。別の例示的な実施形態において、バネアセンブリ552は、様々なタイプのバネを含む。例えば、機械的バイアスアセンブリ550内で、1セットのバネアセンブリ552は、実質的に類似する幾つかの線形ばね定数の圧縮バネ560を含み、そして第2のセットは、実質的に類似する幾つかのデュアルレートの圧縮バネ560を含む。別の例示的な実施形態において、可変レートのバネアセンブリ552は、幾つかのデュアルレートのバネ、圧縮率が異なる複数のバネ、幾つかの漸進的バネ、幾つかの累減的バネ、又はこれらの任意の組合せを任意に含んでよい。
例示的な実施形態において、圧縮バネ560は、圧力チャンバ516内に配置されている。この実施形態において、少なくとも上側のバネ座554は、圧力チャンバ516及びドーム支持アセンブリ517に対応するトーラス形状の本体562である。上側のバネ座554は、ライザアセンブリ515の上側と連結され、直接的に連結され、固定され、又は一体成形されている。圧縮バネ560は、圧力チャンバ516内に配置されている場合、圧縮状態にあるように大きさを設定されている。この構成の場合、機械的バイアスアセンブリ550は、下側のパッド308、308’を付勢する、即ちこれらと作動的に係合する。即ち、下側のパッド308、308’は、機械的バイアスアセンブリ550によって、その第1の位置に付勢される。
ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500によって発生する総バイアス/力はまた、「総バイアス圧力」と表され得る。本明細書で使用する「総バイアス圧力」は、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500によって発生する総バイアス/圧力を意味する。更に、機械的バイアスアセンブリ550は、本明細書では、圧力面521の全体にわたって均一に分配されると考えられる力をもたらす。即ち、機械力が、構成要素に作用する力及び圧力を計算するための圧力として扱われ得る。例示的な実施形態において、機械的バイアスアセンブリ550は、総バイアス圧力の約70%~80%、又は約75%を発生させる。逆に、圧力発生アセンブリ510は、総バイアス圧力の約20%~30%、又は約25%を発生させる。圧力発生装置512によって発生する力/圧力は、圧力面521に作用する。更に、例示的な実施形態において、圧力発生アセンブリ510は、略一定の圧力にて圧力チャンバ516に加圧するように構成されている。別の例示的な実施形態において、機械的バイアスアセンブリ550は、総バイアス圧力の約70%~80%、又は約75%を発生させる。逆に、圧力発生アセンブリ510は、総バイアス圧力の約20%~30%、又は約25%を発生させる。
代替的な例示的な実施形態では、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、機械的バイアスアセンブリ550によって発生する総バイアス圧力の実質的に全て、又は全てを、略一定の、しかし略最小の圧力を発生させる圧力発生アセンブリ510と共に有するように構成されている。即ち、この実施形態において、機械的バイアスアセンブリ550は、総バイアス圧力の約90%~99%、又は約95%を発生させる。逆に、圧力発生アセンブリ510は、総バイアス圧力の約1%~10%、又は約5%を発生させる。更に、圧力発生アセンブリ510は、略一定の圧力にて圧力チャンバ516を加圧するように構成されている。この実施形態において、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ502である。
更に、この実施形態において、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、機械的バイアスアセンブリ550及び圧力発生アセンブリ510によって発生する力の比率を変えるように構成されている。即ち、例えば、最初のクランプ工程中に、総バイアス圧力は、機械的バイアスアセンブリ550によって実質的に発生される。即ち、機械的バイアスアセンブリ550は、総バイアス圧力の約90%~100%、又は約99%を発生し、そして圧力発生アセンブリ510は、総バイアス圧力の約0%~10%、又は約5%を発生する。最初のクランプ工程の後、即ち、第2のクランプ工程中に、機械的バイアスアセンブリ550によって発生する総バイアス圧力は、総バイアス圧力の75%以上になるまで低減される一方、圧力発生アセンブリ510は、総バイアス圧力の最大25%を発生させる。
代替的な実施形態において、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ504であり、そこで使用者は、圧力を発生させる源、即ち機械的バイアスアセンブリ550又は圧力発生アセンブリ510を選択する。例えば、選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ504において、圧力制御アセンブリ530(以下で説明する)は、選択可能な圧力を提供して、以下で説明する機械的バイアスの、圧力バイアスに対する比率を満たすように構成されている。この実施形態において、機械的バイアスアセンブリ550は、総バイアス圧力の約99%~100%、又は実質的に全てを発生させる。逆に、圧力発生アセンブリ510は、総バイアス圧力の約0%~1%、又は極めて僅かな割合を発生させる。即ち、例えば、圧力発生アセンブリ510は、総バイアス圧力の極めて僅かな割合を発生させる一方、アップストローク中に、下側ツールアセンブリ306の要素を上向きに付勢するのに十分な圧力を発生させる。既に述べたように、圧力発生アセンブリ510は、例示的な実施形態において、略一定の圧力にて圧力チャンバ516に加圧するように構成されている。
別の実施形態(不図示)において、圧力発生アセンブリ510は、縦に並んだ幾つかのピストン(図3で示すものと類似)と、選択可能な圧力制御アセンブリとを備える。選択可能な圧力制御アセンブリは、選択した圧力プロファイルを発生させるように構成されている。選択した圧力プロファイルは、例示的な実施形態において、先で記載した漸進的ばね定数と類似して圧力が増大するプロファイルである。
別の実施形態において、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500はここでも、選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ504であり、使用者は、圧力を発生させる源、即ち機械的バイアスアセンブリ550又は圧力発生アセンブリ510を選択する。しかしながら、この実施形態では、圧力発生アセンブリ510は、総バイアス圧力の約99%~100%、又は実質的に全てを発生させる。逆に、機械的バイアスアセンブリ550は、総バイアス圧力の約0%~1%、又は極めて僅かな割合を発生させる。即ち、例えば、機械的バイアスアセンブリ550は、総バイアス圧力の極めて僅かな割合を発生させる一方、アップストローク中に、下側ツールアセンブリ306の要素を上向きに付勢するのに十分な圧力を発生させる。既に述べたように、圧力発生アセンブリ510は、例示的な実施形態において、略一定の圧力にて圧力チャンバ516に加圧するように構成されている。
この実施形態において、圧力発生アセンブリ510は、可変圧力を印加するように構成されている。即ち、圧力発生アセンブリ510は、圧力制御アセンブリ530(概略的に示す)を備え、これは、圧力チャンバ516内の圧力を変えるように構成されている。圧力制御アセンブリ530は、例示的な実施形態において、圧力チャンバ516内に幾つかの圧力センサ(不図示)を、そしてライザアセンブリ515の位置を判定するように構成されている位置センサ(不図示)を備える。圧力制御アセンブリ530は、圧力チャンバ516内の圧力を、圧力プロファイルに従って変えるように構成されている。即ち、圧力制御アセンブリ530は、圧力チャンバ516内の圧力を、ライザアセンブリ515の位置に応じて増減させるように構成されている。例示的な実施形態において、圧力制御アセンブリ530は、プログラム可能論理回路(PLC)(不図示)と幾つかの電子圧力レギュレータとを備える。センサ及び電子圧力レギュレータは、PLCに連結され、且つこれと電子通信している。PLCは更に、電子圧力レギュレータを操作する命令、及び圧力プロファイルを表すデータを含む。
例示的な実施形態において、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、取外し可能なバネアセンブリ552によって、アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ502若しくは選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ504間をスイッチで切替え可能であるように構成されており、又は、アクティブハイブリッドバイアス発生アセンブリ502若しくは選択可能ハイブリッドバイアス発生アセンブリ504の異なる構成間をスイッチで切替え可能であるように構成されている。即ち、バネアセンブリ552は、圧力チャンバ516内でバネ座554に取外し可能に連結されている。
なお、別の実施形態では、上側ツールアセンブリ302は、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500を備えていないが、機械的バイアスアセンブリ550又は圧力発生アセンブリ510の1つを備えており、そこで選択したアセンブリは、総バイアス圧力の100%を供給する。機械的バイアスアセンブリ550又は圧力発生アセンブリ510は、以下で説明するように、「漸進的クランプビード」600に連結される。即ち、機械的バイアスアセンブリ550又は圧力発生アセンブリ510は、本明細書に記載する他の要素に連結されている。
即ち、先に記載したツーリング400は、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500と組み合わされると、材料又はカップ122、422に漸進的クランプビード620をもたらすように構成されている。故に、本明細書で用いられるように、クランプビード410を画定するツーリング400の要素は、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500と組み合わされると、ツーリング400Aで「漸進的クランプビード」600の要素となる。以下で説明する要素以外で、ツーリング400Aは、先に説明したツーリング400と実質的に類似しており、同様の要素は、同様の参照番号に続いて文字「A」を用いることとする。即ち、以下の記載は、幾つかのビードを含む実施形態に関しており、幾つかのビードは、以下で説明するように、ツーリング400Aにおける「漸進的クランプビード」600であり、材料又はカップ122、422に「漸進的クランプビード」620を形成するように構成されている。即ち、参照番号620は、材料の漸進的クランプビードを特定する。また、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500及び漸進的クランプビード600は、ステップビード310を含む実施形態において用いられてよく、又はハイブリッドバイアス発生アセンブリは、ビードの全くない実施形態において用いられてよいことが理解される。先で説明したように、例示的な実施形態において、パンチ404A(又は「成形パンチ」404A)は、下側のパッド408Aと対向する。故に、上側ツーリングアセンブリ402Aが第2の位置へ移動すると、パンチ404Aは、下側のパッド408Aと直ぐ隣接して配置される。この構成において、成形パンチ404A及び下側のパッド408Aは、カップ122と係合し、即ちカップ122を漸進的にクランプ留めする。
これらの実施形態の何れかの例示的な構成において、上側ツーリング402A及び/又は下側ツールアセンブリ406Aは、漸進的クランプビード600を画定する。即ち、先の実施形態と似たように、漸進的クランプビード600は、パンチ404Aに漸進的クランプビード凹部612を、そして下側のパッド408Aに漸進的クランプビード突出部614を備える。これらの要素は、漸進的クランプビード600に漸進的な力を加えることによって、材料に漸進的クランプビードをもたらす。
即ち、例示的な実施形態において、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500、より詳細には機械的バイアスアセンブリ550は、最初に、バネプリロード(preload)力を材料14のブランクに加える。最初のバネプリロード力は、漸進的クランプビード600を通る材料の流れを実質的に妨げるのに十分でない。しかしながら、ドーム430はまだ形成し始めていないので、本質的に、材料は、漸進的クランプビード600を通って流れていない。即ち、漸進的クランプビード600を通って材料14を流させることとなる力はない。実際、最初のバネプリロード力は、材料14に漸進的クランプビード620を形成するのに十分でない。
最初のバネプリロード力を加えた後に、ハイブリッドバイアス発生アセンブリ500、より詳細には圧力発生アセンブリ510は、材料14に及ぶ力を増大させて、漸進的クランプビード600を材料14に配置、即ち形成する。力が増大したので、漸進的クランプビード600を通って流れることができる材料14の量は、最初のバネプリロード力の間に流れる量に対して、減少する。しかしながら、既に述べたように、ドーム430は、まだ形成を始めておらず、そして、基本的には、漸進的クランプビード600を通って流れる材料はない。
パンチ404が下向きに移動し続けると、カップの底部分128内の材料は、ツール400Aのコンター316に押し込まれて、材料14は、丸みを帯びた形状430に引き伸ばされる。形成プロセス中のこの時に、材料に及ぶ力が、機械的バイアスアセンブリ550によって発生する力に起因して、漸進的に増大し続ける。即ち、例示的な実施形態において、バネ560は、漸進的ばね定数である可変ばね定数を有する。材料に及ぶ力が漸進的に増大し続けるにつれ、漸進的クランプビード600を通って流れる材料の量は、極めて僅かな量にまで低減される。
なお、クランプビード410も漸進的クランプビード600も用いずに、図12に関して説明したようにドームを有するカップを形成するために、従来のプレスは、ポケットあたり約23,000lbfから25,000lbfの圧力を加える必要があろう。故に、ポケットの数は、約6個に限られることとなり、さもないと、より多くのポケットが用いられれば、プレスに作用する過剰な対向力が存在することとなろう。更に、実験は、そのようなツーリングで製造したカップドームが、容認できないほど不均一となることを示した。クランプビード410又は漸進的クランプビード600の使用により、ツーリング400、400Aは、「低減した力」で作動し得る。即ち、本明細書では、ツーリング400Aに作用する「低減した力」は、引伸し、又は漸進的引伸しによって材料を形成するのに必要とされるツーリング400Aに作用する力が、カップ(又は一般的なビードを有するツーリングを用いて、ビードを有するカップ)に材料を形成するのに必要とされる力と比較した場合、約10%から50%低減されていることを意味する。更に、例示的な実施形態において、「低減した力」は、カップ(又は、一般的なビードを有するツーリングを用いた、ビードを有するカップ)に材料を形成するのに必要とされる力と比較した場合、鋼カップについて約46%、又はアルミニウムについて約53%である。更に、本明細書で用いられる「低減した力」で作動するために、ツーリングは、本明細書で定義する、クランプビード410又は漸進的クランプビード600を備えなければならない。更に、本明細書で用いられるように、「低減した力」で作動するために、ツーリングは、カップ(又は、一般的なビードを有するツーリングを用いた、ビードを有するカップ)に材料を形成するのに必要とされる力の約10%から50%、又は約30%の力で作動すると具体的に記載され、且つ/又は示されなければならない。故に、表面的には、類似の形状に材料を形成するのに必要とされる力の約10%から50%、又は約30%の力で作動する「ことができる」一般的なビードを有するツーリングは、本明細書で定義する「低減した力」で作動しない。更に、用語「低減した力」は、用語「適度に」によって修飾されてよく、これは、引伸し、又は漸進的引伸しによって材料を形成するのに必要とされるツーリング400Aに作用する力が、カップ(又は、一般的なビードを有するツーリングを用いた、ビードを有するカップ)に材料を形成するのに必要とされる力と比較した場合、約1%から65%低減されることを意味する。
即ち、シェル又はカップを形成するのに必要とされる荷重は、一度に形成される構造の数を制限する。知られているように、ツーリング400、400Aは、プレス(不図示)に連結され、そしてこれによって駆動される。以下の例は、クランプビード410又は漸進的クランプビード600の使用を実証しており、これらによりツーリング400、400Aは、「低減した力」又は「適度に低減した力」で作動し得る。即ち、従来のツーリングの力を、クランプビード410又は漸進的クランプビード600を備えるツーリング400、400Aと比較して、図19A及び図19Bに示す。図19Aでは、ストロークの位置(以下で定義)に対して、鋼の成形に関する荷重及びツーリング位置を開示している。線700は、先行技術に関するツーリングの荷重を表し、線702は、ツーリング400A(及び漸進的クランプビード)に関する低減した力を表し、線704は、外側スライドの位置を表し、低減した力の線706は、パンチ404Aの位置を表す。外側スライド及びパンチ404Aの位置は、ツーリング400、400Aの任意の位置に対して測定され、この例において、最も低い位置はゼロインチと特定される。図19Bは、アルミニウムの成形に関しており、同様な線710(先行技術の荷重)、712(低減した力)、714(外側スライド位置)、及び716(パンチ404Aの位置)を含む。
図20はまた、外側スライド及びパンチ404Aの位置を示しており(線724、726はそれぞれ、ツーリング400、400Aの任意の位置に対するものである)、この例において、最も低い位置は、-3.5インチと特定される。更に、例示的な実施形態において、ストロークの位置に対する荷重及び低減した力を、以下の表に示す。
この例示的な実施形態では、プレスは、上側ツーリング及び下側ツーリングのそれぞれについて75トン(150,000lbf)の容量を有しており、鋼を成形する15個のポケットがある150トンのデュアルアクションプレスであると仮定されていることが理解される。即ち、示した荷重は、各ポケットについての荷重である。更に、215°と240°とのストロークの位置間で(カップの絞りとドーム形成との間で)、内側の荷重及び外側の荷重は、0.0lbfであることが理解される。
更に、先行技術のプレスは、鋼カップを形成しているが、より高い力(15,940lbf)が原因で、一度に8つのカップに限られる。即ち、形成される各製品は、プレスアセンブリの、本明細書で用いられる「ポケット」内に形成される。即ち、そのような各形成構成は、プレスの「ポケット」として特定される。故に、例えば、先に記載したように、シェルを形成するのに必要とされる最大の力が1万8000lbfであれば、150トンプレスは、8つのポケットを備えることができる。知られているように、鋼シェルを形成するように構成されているプレスは典型的に、シェルの特徴に応じて、8~9つのポケットを備える。即ち、一部のシェルは、形成するのに、例示的な1万8000lbf未満が必要となる。更に、以下で説明する実施形態において、アルミニウムシェルを形成するように構成されている150トンプレスは典型的に、14~15個のポケットを備える。故に、既存のツーリングは、既存のプレスによって形成される構成の数に限られる。これは不利である。というのも、プレス及び関連するツーリングは、限られた数のシェル/カップしか一度に形成されないという点で、効率が限られるからである。
更に、以下の議論が、ドーム430の形成に関係することが理解される。図19A及び図19Bはまた、米国特許出願第14/722,187号(2015年5月27日出願)、米国特許出願公開第2015/025137(2015年9月10日)(表題CONTAINER,AND SELECTIVELY FORMED SHELL,AND TOOLING AND,ASSOCIATED METHOD FOR PROVIDING SAME)に開示されているように、低減した力(及び適度に低減した力)が、外側スライドの移動に関係し、そして圧力集中成形面と関連することを示している。外側スライドに関係する低減した力は、180°の「ストロークの位置」の左側に示されている。シェル/カップの形成に関係する低減した力は、本明細書では詳細に考察されない。
例示的な実施形態について説明する前に、以下の式及び仮定に着目する。最初に、プレスが振動及び他の物理的作用に曝されるので、プレスにおいて発生する力は通常、線形でない点に注目する。力の変化を表す線が、図19及び図20に、実質的な直線として、又は滑らかな曲線として示されている。これが当該技術において一般的であるからである。更に、計算される力及び結果として生じる数字は、当該技術において知られており、且つ受け入れられている式に基づいており、そして実験によって決定される係数及び他の因子を含んでいる。例えば、約145°のストロークの位置での、材料の打抜きと関連するほぼ瞬間的な力は、実験により決定される「衝撃絞り力(Impact Draw Force)」を含み、本例において、鋼について約5,250lbsであり、アルミニウムについて約3,750lbsである。更に、打抜き力(Blank Force)は、以下の式によって決定される:
式中、
L:PI*D(打抜き周囲長さ)
t:ブランクのゲージ
K:打抜き係数(せん断強度が利用されない場合のUTSの%として用いられる)
UTS:最終的な引張り強度
シートメタル及び周辺に沿ってせん断される総面積。
最大パンチ力Fを、以下の式から推定することができる。
F=0.7TL(UTS)
即ち、打抜き力は、パンチ力(Punch Force)及び衝撃絞り力の組合せである。
更に、絞り力は、以下の式によって決定される
式中、
d:カップ直径
D:打抜きの直径
t:ブランクのゲージ
Ys:降伏強度
C:曲げ加工についての摩擦定数
鋼及びアルミニウムについて、摩擦及び曲げ加工についての定数は、0.6から0.7である。絞り定数(D/d-C)は、実験によって決定される。
しかしながら、上記したように、ドーミングプロセス以前に生じる力は、本特許請求の範囲と関連しない。ドーミングプロセスと関連する力は、以下の式によって決定される:
即ち、ライザアセンブリのトーラス形状の本体520は、上側のバネ座554として作用して、圧力チャンバ516に対応する。トーラス形状の本体520の面積は、内側面積(図17における直径「A」で決定される)を、外側面積(図17における「B」で決定される)から減算することによって決定される。更に、圧力は、8つのバネ560によって係合されない、ライザアセンブリのトーラス形状の本体520の面積に作用する。しかしながら、バネ560はまた、先に説明した機械力を与える。この例において、ばね定数は約1360であり、ΔXは、ストロークの各位置でのバネ560の圧縮である。
例示的な一実施形態において、図16A~図16Dに示す鋼カップ422の形成と関連し、先に記載したドーム430と関連した最大力は、約15,940lbfであるが、クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を用いた場合の「低減した力」は、約9,034lbfである。図19Aに示す力を支持するデータを、別表Aに示す。図19Aについて、最大力は、約280°のストロークの位置にて示される。この例では、例示的なハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、総面積が約28.11in2である圧力面521(即ち、トーラスの内径が約3.125inであり、外径が約6.75inである)と、8つのバネ560とを有すると仮定する。バネ560は、約6,735lbsの最大組合せ力を発生させる。更に、バネ座554はまた、先に記載したように、圧力面521でもある。故に、圧力が作用する圧力面521の面積(即ち、バネ560と接触しない表面積)は、約17.5in2である。この構成、そしてクランプビード410も漸進的クランプビード600も備えていない従来のツーリングにおいて、カップ422を形成するには、知られているように、圧力発生装置は、約400psiの圧力を与えて約9,205lbsの力を発生させなければならない。上記したように、機械的バイアスアセンブリ550、即ちバネ560は、約6,735lbsの力を発生させる。故に、材料14に作用する最大総力は、約15,940lbsである。この力は、ツーリングに作用する反力をもたらし、この弱まらない力は、不利である。
別の例示的な実施形態において、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400Aは、機械的バイアスアセンブリ550、即ちバネ560を主に利用しながら、先に記載したプロファイルを有するカップ422を形成することができる。即ち、例示的な実施形態において、圧力発生装置512は、約100psiの圧力を与えて、約2,299lbsの力を発生させる。既に述べたように、機械的バイアスアセンブリ550、即ちバネ560は、約6,735lbsの力を発生させる。故に、圧力発生装置512は、総力の約25%を与え、そして機械的バイアスアセンブリ550は、総力の約75%を与える。更に、最大総力は、約9,034lbsの力であり、これは、上述の先行技術の実施形態と関連して必要とされる15,940lbsの力の約56%である。従って、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400Aは、上述の実施形態と比較して「低減した力」で作動する。
圧力発生アセンブリ510によって与えられる圧力は変えられてよいことが理解される。以下の表は、選択した圧力での圧力バイアスと機械的バイアスとの比較を記載している。この例について、そして比較の目的で、先行技術のシステムは、約432psiの圧力にて作動し、これは、総荷重を、ポケットあたり16,667lbfの最大許容荷重に至らせる。なお、空気圧が290psi、195psi、及び100psiの1つである場合に、とりわけ所望される結果が観察された。
図19Bは、アルミニウムを成形した場合の同様な力の低下を開示している。即ち、先行技術のツーリングで、そして約365psiの圧力でアルミニウムを成形した場合、ドームを形成したときの最大荷重は、図19Bに示すように、そして別表Aで詳述するように、(280°のストロークの位置にて)ポケットあたり約9,916lbfであった。この構成において、上側ツーリング及び下側ツーリングのそれぞれについて75トン(150,000lbf)の容量を有する150トンのデュアルアクションプレスが、15個のポケットを有した。先に記載した、圧力が約70psiのツーリング400Aを用いて、最大荷重は、約4,750lbfに低減される。この具体例において、ここでも、例示的なハイブリッドバイアス発生アセンブリ500は、総面積が約28.11in2である圧力面521(即ち、トーラスの内径が約3.125inであり、外径が約6.75inである)と、8つのバネ560とを有すると仮定する。この例において、バネ560は、約3,526lbsの最大組合せ力を発生させる。故に、この例において、圧力発生アセンブリ510は、約1,224lbfの力を発生させ、そして機械的バイアスアセンブリ550は、約3,526lbfの力を発生させる。
既に述べたように、圧力発生アセンブリ510によって発生する圧力は、変えられてよい。以下の表は、選択した圧力での圧力バイアスと機械的バイアスとの比較を記載している。この例について、そして比較の目的で、ポケットあたりの最大許容荷重である総荷重は、ポケットあたり10,000lbfであると判定した。なお、空気圧が200psi、135psi、及び68psiの1つである場合に、とりわけ所望される結果が観察された。
更に、上記のように、一実施形態において、圧力発生アセンブリ510は用いられず、そして機械的バイアスアセンブリ550は、約3,526lbfの総力を発生させる。
従って、図18に示すように、先に記載したツーリング400、400Aの使用は、ツーリング400、400A間に材料、即ち缶ボディ2又はカップ22、122、422を導入する工程1000と、ツーリング400、400A内で総バイアス力を発生させる工程1002と、上側ツールアセンブリ402、402Aと下側ツールアセンブリ406、406Aとの間で材料をクランプ留めする工程であって、側壁4、6及び底プロファイル8を備えるように材料を成形する工程1006であって、例示的な実施形態において、底プロファイル8は、ドーム部分12及び環状リッジ10を含む、工程1006と、缶ボディ2又はカップ22、122、422の少なくとも1つの所定の部分を、缶ボディ2又はカップ22、122、422の少なくとも1つの他の部分に対して選択的に引き伸ばして、シェルの対応する薄肉部を設ける工程1008とを含む。更に、上側ツールアセンブリ402、402Aと下側ツールアセンブリ406、406Aとの間に材料をクランプ留めする工程1004は、クランプビード410にて材料をクランプ留めする工程1020、及び/又は、漸進的クランプビード600にて材料をクランプ留めする工程1022を含む。
図19Aに戻って、例示的な実施形態では、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400Aは、示されたように力を低減する。これは更に、カウンター荷重を低減して、上述の問題を解決する。例示的な実施形態では、ドーム430付きのカップ、この例においては、標準的な0211×413鋼製カップ(標準的な12.0ozの飲料缶用であって、3.5インチ~3.625インチ径のカップ)を、クランプビード600なしで形成するには、(カップあたり)約15,940lbsの力を必要とし、これは、空気圧によって発生する9,205lbsの力と6,735lbsのバネ力とを含む。ツーリング400Aが漸進的クランプビード600を備える例示的な実施形態では、引き延ばされたドーム430を伴う鋼製のカップを形成するには、(カップあたり)約9,034lbsの力を必要とし、これは、空気圧によって発生する2,299lbsの力と6,735lbsのバネ力と含む。別の例示的な実施形態において、鋼製のカップを形成するには、(カップあたり)約6,735lbsの力を必要とし、これは、0lbsの空気圧と6,735lbsのバネ力とを含む。
図19Bに戻ると、例示的な実施形態では、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400Aは、示されたように、力を低減する。これは更に、カウンター荷重を低減して、上述の問題を解決する。例示的な実施形態において、ドーム430付きのカップ、この例においては、標準的な0211×413アルミニウム製カップ(標準的な12.0ozの飲料缶用であって、3.5インチ~3.625インチ径のカップ)を、クランプビード600なしで形成するには、(カップあたり)約9,916lbsの力を必要とし、これは、空気圧によって発生する6,390lbsの力と、3,526lbsのバネ力とを含む。ツーリング400Aが漸進的クランプビード600を備える例示的な実施形態において、ドーム430が引き伸ばされた、アルミニウム製のカップを形成するには、(カップあたり)約4,750lbsの力を必要とし、これは、空気圧によって発生する1,224lbsの力と、3,526lbsのバネ力とを含む。別の例示的な実施形態において、アルミニウム製のカップを形成するには、(カップあたり)約3,526lbsの力を必要とし、これは、0lbsの空気圧と、3,526lbsのバネ力とを含む。
故に、鋼カップ422を形成する方法2011は、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400Aを提供する工程1100と、漸進的クランプビード600を備えないツーリングによって必要とされる圧力未満である、約4%乃至60%の総圧力を印加する工程とを含む。更に、アルミニウムカップ422を形成する方法2011は、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400Aを提供する工程1100と、漸進的クランプビード600を備えないツーリングによって必要とされる圧力未満である、約1%か乃至65%の総圧力を印加する工程とを含む。なお、ここでも、形成圧力の低減が、上述の問題を解決する。
言い換えると、クランプビード420又は漸進的クランプビード600を含むカップ422を形成する方法は、以下を含む。まず、回転クランクに連結されている往復運動アーム、ラム、又は類似の構造を有する駆動アセンブリ(いずれも不図示)によって、ツーリング400、400Aが駆動されることが注目される。回転クランクは、サイクル中、360度移動する。故に、荷重の印加とツーリング400、400Aの要素の移動は、クランクの角度位置と関係する。本開示の目的上、以下に記載するように、特定された角度は、回転中のクランクに対するラム又は類似の構造の角度を表すと理解される。本明細書では、この角度は、「ストロークの位置」である。更に、この位置は、外側スライドの位置と関連する。即ち、本明細書では、「ストロークの位置」は、クランクの径方向の位置であり、本明細書で角度によって測定され、ゼロ度は、デュアルアクションプレスのパンチ404Aの下死点を表す。更に、角度は相対的であると理解される。即ち、例えば、駆動アセンブリ及び/又はツーリング400、400Aの構成を変更することによって、特定されたステップが、類似の相対角度にて起こってよく、例えば、荷重の開始、変化、期間、及び低減は、以下で特定される角度よりも10度早く起こってよい。関連する開示は、特定の荷重の値、変化、及び期間のものであり、特定の荷重の値、変化、及び期間が起こる特定の角度ではない。更に、カム又は類似の構造(不図示)の使用を介して、パンチ404Aは、外側スライドと異なる時点にて移動する。「ストロークの位置」は、外側スライドに対して特定される。
上記したように、図19A及び図19Bは、カップの形成に関連する力を示しており、ここで、ツーリングは、漸進的クランプビード600を備えていない。線700は、クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600のない先行技術のツーリングのクランク角度の全体にわたる荷重を表す。線702は、漸進的クランプビード600と米国特許出願第14/722,187号に開示されているような圧力集中成形面(不図示)を有する外側スライドとを有するツーリング400Aの経時的な荷重を表している。水平軸は、先に説明したクランク角を示す。右の垂直軸は、先で定義した各「ポケット」についての荷重を表す。具体的な荷重は、例示的なものであり、8出力(8つのカップが一度に形成される)プレスにおけるDAC-150カップの形成を表す。これらの具体的な荷重は、例示的なものである。様々なモデルカップの具体的な荷重は様々であることは理解される。荷重の相対的な低減、即ち割合低減は、上述の問題を解決する。
まず、ストロークの位置が約145°から約150°の間にある場合、外側スライドについて内側ストロークフェーズ(ここで材料は打ち抜かれる)の底が存在する。鋼カップでは、図19Aに示すように、先行技術ツーリングでは、打抜き中の力は、12,000lbf超にて、又は約12,367lbfにてピークに達するのに対して(別表A参照)、ツーリング400A、例えば圧力集中成形面(不図示)を有する外側スライドでは、ピーク打抜き力は、約10,000lbf、又は約9,589lbfとなる。内側ストロークフェーズの底の終わりまでに、先行技術のツーリングは、力を5,000lbf~6,000lbfに、例示的な実施形態では、約5,250lbfに減じた。故に、ツーリング400Aを、圧力集中成形面を有する外側スライドに利用すると、力は低減される。即ち、力は、2,000lbf~3,000lbfにまで、又は約2,625lbfにまで小さくなる。本明細書で用いられる「低減した衝撃力を加える」は、圧力集中成形面を有する外側スライドを備えるツーリングが、衝撃フェーズ中に、先行技術のツーリングと比較して低減した力又は適度に低減した力を加えることを意味する。更に、「低減した衝撃力を加える」は、「低減したクランプビード衝撃力を加える」を含み、これは、本明細書では、クランプビード410を備えるツーリング400と関連する低減した力である。更に、「低減した衝撃力を加える」は、「低減した漸進的クランプビード衝撃力を加える」を含み、これは、本明細書では、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400と関連する低減した力である。更に、「低減した衝撃力を加える」、「低減したクランプビード衝撃力を加える」、又は「低減した漸進的クランプビード衝撃力を加える」ことが、上述の問題を解決する。
内側ストロークフェーズの底の後、ストロークの位置が約150°から約180°の間にある場合、絞りパッドバイアスフェーズが起こる。絞りパッドバイアスフェーズ中に、上側ツールアセンブリ402Aの外側の要素は材料と係合する。絞りパッドバイアスフェーズの間、力(以降、「絞りパッドバイアス力」)は、実質的に一定のままである。先行技術のツーリングでは、絞りパッドバイアス力は、約5,250lbfであった。これと比較して、圧力集中成形面を有する外側スライドを備えるツーリング400Aの絞りパッドバイアス力は、約2,625lbfであった。本明細書では、「低減した絞りパッドバイアス力を加える」は、圧力集中成形面を有する外側スライドを備えるツーリングが、先行技術のツーリングと比較して低減した力、又は適度に低減した力を、絞りパッドバイアスフェーズの間に加えることを意味する。更に、「低減した絞りパッドバイアス力を加える」は、本明細書では、クランプビード410を備えるツーリング400と関連する低減した力である「低減したクランプビード絞りパッドバイアス力を加える」を含む。更に、「低減した絞りパッドバイアス力を加える」は、本明細書では、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400と関連する低減した力である「低減した漸進的クランプビード絞りパッドバイアス力を加える」を含む。更に、「低減した絞りパッドバイアス力を加える」、「低減したクランプビード絞りパッドバイアス力を加える」、又は「低減した漸進的クランプビード絞りパッドバイアス力を加える」ことが、上述の問題を解決する。
絞りパッドバイアスフェーズの後、ストロークの位置が約180°から約200°の間にある場合に、絞りフェーズが起こる。絞りフェーズの間に、上側ツールアセンブリ402Aの内側要素は、先に述べたように材料と係合して、カップを形成する。更に、絞りフェーズの間、力(以降、「絞り力」)は、最初に増大してから、実質的に一定のままである。先行技術のツーリングでは、絞り力は、約5,250lbfから約6252lbfにまで増大した。クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を有するツーリング400Aについて、絞り力は、実質的に同じであって、即ち、約6252lbfであることが注目される。本明細書では、「絞り力を加える」は、クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を備えるツーリングが、絞りフェーズの間に、先行技術のツーリングと同じような力を加えることを意味する。
絞りフェーズの後、ストロークの位置が約200°から約245°の間にある場合に、移動フェーズが起こる。移動フェーズ中に、部分的に形成されたカップは、コンター316に向けて移動する。移動フェーズ中に、先行技術のツーリングに及ぶ力と、クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を有するツーリング400、400Aに及ぶ力とは、実質的に同じであって、そしてカップが移動するにつれて、本質的にゼロにまで低減される。
移動フェーズの後、ストロークの位置が約245°から約250°の間にある場合に、プレドーミングフェーズが起こる。プレドーミングフェーズ中、力(以降、「プレドーミング力」)が急速に増大する。即ち、プレドーミングフェーズは第2の衝撃であり、ここでカップがコンター316と係合する。先行技術のツーリングでは、プレドーミング力は、約0(ゼロ)から約10,242lbfにまで増大した。これと比較して、クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を備えるツーリング400Aでは、プレドーミング力は、約0(ゼロ)から約3,336lbfにまで増大する。本明細書では、「低減したいプレドーミング力を加える」は、クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を備えるツーリングが、先行技術のツーリングと比較して低減した力又は適度に低減した力を、プレドーミングフェーズの間に加えることを意味する。更に、「低減したいプレドーミング力を加える」は、本明細書では、クランプビード410を備えるツーリング400と関連する低減した力又は適度に低減した力である「低減したクランプビードプレドーミング力を加える」又は「適度に低減したクランプビードプレドーミング力を加える」を含む。更に、「低減したいプレドーミング力を加える」又は「適度に低減したいプレドーミング力を加える」は、本明細書では、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400と関連する低減した力又は適度に低減した力である「低減した漸進的クランプビードプレドーミング力を加える」を含む。更に、「低減したいプレドーミング力を加える」、「低減したクランプビードプレドーミング力を加える」、又は「低減した漸進的クランプビードプレドーミング力を加える」ことが、上述の問題を解決する。
プレドーミングフェーズの後、ストロークの位置が約250°から約280°の間にある場合に、ドーミングフェーズが起こる。ドーミングフェーズの間に、先で記載したようにドームが形成される。更に、ドーミングフェーズの間に、力(以降、「ドーミング力」)が増大する一方、ドーミング力の上昇レートは低下する。ストロークの位置が約280°である場合に、力の上昇レートは、以下で説明するように横ばいになって、リリースフェーズにおいて低下し始める。ストロークの位置が約245°から約265°の間にあって、力が約667lbfから7,572lbfの間にある場合、材料は、先で定義したように、「漸進的にクランプ留めされる」ことが注目される。即ち、ストロークの位置の特定された範囲及び力の特定された範囲において、ツーリング400が漸進的クランプビード600を備える場合には、材料は最初に、「漸進的にクランプ留めされる」領域を通って流れる。ストロークの位置266あたりで、約7,760lbfの力にて漸進的にクランプ留めされる領域を通って移動する/流れる材料の量は、極めて僅かになるまで減少する。
先行技術のツーリングでは、ドーミング力は、約8,194lbfから約15,940lbfにまで(先で示したように)増大した。クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を有するツーリング400、400Aは、低減した力を用いてドーム430を形成し、ここでドーミング力は、約2,669lbfから約9,034lbfにまで(先で示したように)増大する。本明細書では、「低減したドーミング力を加える」は、クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を備えるツーリングが、先行技術のツーリングと比較して低減した力を、ドーミングフェーズの間に加えることを意味する。更に、「低減したドーミング力を加える」は、本明細書では、クランプビード410を備えるツーリング400と関連する低減した力である「低減したクランプビードドーミング力を加える」を含む。更に、「低減したドーミング力を加える」は、本明細書では、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400と関連する低減した力である「低減した漸進的クランプビードドーミング力を加える」を含む。更に、「低減したドーミング力を加える」、「低減したクランプビードドーミング力を加える」、又は「低減した漸進的クランプビードドーミング力を加える」ことが、上述の問題を解決する。
更に、本明細書では、「適度に低減したドーミング力を加える」は、クランプビード410及び/又は漸進的クランプビード600を備えるツーリングが、先行技術のツーリングと比較して適度に低減した力を、ドーミングフェーズの間に加えることを意味する。更に、「適度に低減したドーミング力を加える」は、本明細書では、クランプビード410を備えるツーリング400と関連する適度に低減した力である「適度に低減したクランプビードドーミング力を加える」を含む。更に、「適度に低減したドーミング力を加える」は、本明細書では、漸進的クランプビード600を備えるツーリング400と関連する適度に低減した力である「適度に低減した漸進的クランプビードドーミング力を加える」を含む。更に、「適度に低減したドーミング力を加える」、「適度に低減したクランプビードドーミング力を加える」、又は「適度に低減した漸進的クランプビードドーミング力を加える」ことが、上述の問題を解決する。
ドーミングフェーズの後、ストロークの位置が約280°から約310°の間にある場合に、リリースフェーズが起こる。リリースの間、力は、ドーミングフェーズ及びプレドーミングフェーズの間に力が上昇したレートと実質的に反対に低下する。即ち、下降レートが増大する間に力は低下する。上側ツールアセンブリ402、402Aと下側ツールアセンブリ406、406Aとが分離すると、力は迅速にゼロに低減される。
故に、本方法は、先で詳述したように、ツーリングの間に材料を導入する工程1000と、低減した衝撃力を加える工程2002と、低減した絞りパッドバイアス力を加える工程2004と、絞り力を加える工程2006と、移動フェーズ中に力を弱める工程2007と、低減したいプレドーミング力を加える工程2008と、低減したドーミング力を加える工程2010とを含む。更に、上記したように、低減した衝撃力を加える工程2002は、低減したクランプビード衝撃力を加える工程2022、又は低減した漸進的クランプビード衝撃力を加える工程2032の1つを含む。同様に、低減した絞りパッドバイアス力を加える工程2004は、低減したクランプビード絞りパッドバイアス力を加える工程2024、又は低減した漸進的クランプビード絞りパッドバイアス力を加える工程2034の1つを含む。同様に、低減したいプレドーミング力を加える工程2008は、低減したクランプビードプレドーミング力を加える工程2028、又は低減した漸進的クランプビードプレドーミング力を加える工程2038の1つを含む。同様に、低減したドーミング力を加える工程2010は、低減したクランプビードドーミング力を加える工程2040、又は低減した漸進的クランプビードドーミング力を加える工程2050の1つを含む。更に、開示する方法は、適度に低減したドーミング力を加える工程2011を含む。適度に低減したドーミング力を加える工程2011は、適度に低減したクランプビードドーミング力を加える工程2041、又は適度に低減した漸進的クランプビードドーミング力を加える工程2051の1つを含む。
開示する概念の具体的な実施形態が詳細に記載されたが、当業者であれば、これらの詳細に対する種々の変更及び代替が、本開示の全体的な教示を考慮してなされてよいことが理解されよう。従って、開示する特定の配置は、説明のためだけにあることを意味しており、添付の特許請求の範囲、及びその任意の、そして全ての均等物の完全な広がりとして与えられることとなる開示する概念の範囲に関しての限定ではない。