JP2022106243A - 眼科撮影装置 - Google Patents

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宏明 加藤
Hiroaki Kato
祐二 村瀬
Yuji Murase
晃一 伊藤
Koichi Ito
昌平 伊藤
Shohei Ito
直樹 竹野
Naoki Takeno
真也 岩田
Shinya Iwata
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Abstract

【課題】撮影時の作業性が改善された眼科撮影装置を提供する。【解決手段】眼底撮影装置は、SLO光学系/OCT光学系と、制御部と、を有する。撮影装置では、対物光学系を、検者の操作に基づいて切換えることにより、SLO光学系/OCT光学系の画角が第1画角と第2画角との間で少なくとも変更される。制御部は、複数の撮影動作の中から何れかを選択し、SLO光学系/OCT光学系の画角を変更するための操作を誘導する誘導情報を、選択される撮影動作に応じて検者に対して出力する。【選択図】図4

Description

本開示は、被検眼を撮影する眼科撮影装置に関する。
眼科の装置分野全体では、装置の動作の自動化が進められている。しかし、その一方で、専門性の高い眼科施設向けの装置分野では、検査結果の正確性が重視されるため、高い専門性を持つ検者による操作を前提とした装置が、根強く支持を受けている。
例えば、近年では、広角での眼底撮影が注目されているが、広角での眼底撮影用の装置として、例えば、特許文献1のように、装置本体の撮影光学系と被検眼との間でレンズアタッチメントが手動で着脱されることで、撮影光学系における画角が切替わる装置が開示されている。
また、特許文献1に開示された装置では、眼底正面画像の撮影動作だけでも、カラー撮影、蛍光造影撮影、および、自発蛍光撮影等の複数の撮影動作の中からいずれかを選択して撮影でき、更には、断層画像(OCT画像)も撮影も可能である。
特開2019-150424号公報
1つの装置で多様な撮影動作が可能であることで、撮影動作に応じた操作を検者がスムースに行い難くなることが考えられる。
特に、特許文献1のように画角を切換可能な装置では、画角を切換えるための操作が少なくとも必要となるし、画角設定毎にアライメント状態、および、固視状態、等を調整する必要が生じる場合が考えられる。本願発明者は、このような、画角を切換可能な装置における、作業性の改善余地を検討した。
本開示は、従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、撮影時の作業性が改善された眼科撮影装置を提供すること、を技術課題とする。
本開示の第1態様に係る眼科撮影装置は、対物光学系を介して被検眼の眼科画像を撮影する撮影光学系と、前記対物光学系を検者の操作に基づいて切換えることにより、前記撮影光学系の画角を第1画角と前記第1画角よりも大きな第2画角との間で少なくとも変更する画角変更手段と、複数の撮影動作の中から何れかを選択する選択手段と、前記撮影光学系の画角を変更するための前記操作を誘導する誘導情報を、前記選択手段によって選択される撮影動作に応じて検者に対して出力する誘導手段と、を備える。
実施例に係る眼科撮影装置の外観図である。 第1実施例に係るSLO光学系を示した図である。 図2に示したSLO光学系に対し、アタッチメント光学系が装着された状態を示している。 第1実施例の装置の動作を示したフローチャートである。 第1実施例における撮影範囲の設定操作を説明するための図である。 第2実施例に係るOCT光学系を示した図である。 第2実施例における撮影範囲の設定操作を説明するための図である。
<概要>
本開示に係る眼科撮影装置の実施形態を説明する。以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用されうる。
本実施形態の眼科撮影装置は、被検眼を撮影する。例えば、眼科撮影装置は、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)の構成を備えたOCT装置(例えば、OCT装置)、走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)の構成を備えたSLO装置、眼底カメラ、等のいずれかであってもよい。もちろん、これらの2つ以上が複合された装置であってもよい。
本実施形態の眼科撮影装置は、撮影光学系と、画角変更部(例えば、画角変更機構)と、選択部と、誘導部と、を少なくとも備える。このうち、選択部および誘導部は、装置の制御部によって兼用されてもよい。
<撮影光学系>
眼科画像は、撮影光学系によって、対物光学系を介して撮影される。撮影光学系は、例えば、モダリティ毎に設けられた複数の光学系を備えていてもよい。例えば、撮影光学系は、正面画像撮影光学系(例えば、SLO光学系および眼底カメラ光学系のいずれか等)と、OCT光学系との組合せであってもよい。
眼科画像は、被検眼の組織の撮影画像である。眼科画像は、前眼部の画像であってもよいし、眼底の画像であってもよい。また、正面画像であってもよいし、断層画像(断面画像)であってもよい。また、眼科画像は、蛍光造影画像であってもよい。
<画角変更部>
画角変更部は、対物光学系を検者の操作に基づいて切換えることにより、撮影光学系の画角を第1画角と第2画角との間で少なくとも変更する。なお、本実施形態における「撮影光学系の画角」とは、対物光学系によって少なくとも規定される眼科画像の最大撮影範囲を示す。なお、第2画角は、第1画角よりも大きいものとする。例えば、対物光学系に対する光学素子の挿脱または交換、光学素子の配置の切換、等が検者の操作に基づいて行われ、これにより、第1画角と第2画角との間で画角が変更されてもよい。
<選択部>
選択部は、複数の撮影動作の中から何れかを選択するために利用される。選択可能な複数の撮影動作の間では、例えば、モダリティ、撮影位置(撮影パターン)、および、撮影光学系の画角のうちいずれかが異なっていてもよい。
<誘導部>
誘導部は、誘導情報を、選択部によって選択される撮影動作に応じて検者に対して出力する。誘導情報には、撮影光学系の画角を変更するための操作を誘導する内容が含まれている。これにより、誘導情報によって画角を変更するための操作が撮影動作に応じて促されるので、撮影動作に応じた画角の変更操作が、スムースに行われやすい。
なお、誘導情報は、単に画角の切換え操作が必要であることを示すものであってもよいし、設定操作の内容を具体的に説明するものであってもよい。誘導情報は、音声アナウンスの形式で出力されてもよいし、画像、又は、テキストの形式でモニタを介して出力されてもよい。
<コンビネーション撮影>
上記の選択部においては、モダリティ、撮影位置(撮影パターン)、および、撮影光学系の画角のうち少なくともいずれかが互いに異なる複数の撮影動作を連続的に実行するコンビネーション撮影が、選択可能であってもよい。
コンビネーション撮影が選択された場合、誘導部は、少なくとも第1画角での撮影動作と第2画角での撮影動作との間のタイミングで、誘導情報を検者に対して出力してもよい。第1画角での撮影動作と第2画角での撮影動作とが連続的に行われるコンビネーション撮影において、撮影動作の間の適切なタイミングで、誘導情報によって画角を変更するための操作が促される。よって、コンビネーション撮影がスムースに行われやすい。
また、コンビネーション撮影では、被検眼の蛍光造影画像が第1画角と第2画角とのそれぞれで撮影されてもよい。蛍光造影撮影では、蛍光造影剤の循環によって明暗が生じる箇所が時間と共に変化する。つまり、時相が時間経過と共に変化する。蛍光造影撮影では造影剤および散瞳剤が被検者に投与されることから被検者への負担が大きいため、安易に再撮影を行うことはできない。第1の画角と第2の画角とのそれぞれを続けて撮影する場合には、画角を切換るための操作に時間がかかると、所望の造影状態を撮影する貴重な機会を逃してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、蛍光造影画像が第1画角と第2画角とのそれぞれで撮影される間に、検者に対して誘導情報が出力されることで、第1画角と第2画角とのそれぞれで、所望の造影状態での蛍光造影画像が適切に撮影されやすくなる。
<第2の誘導情報の出力>
装置のアライメント許容範囲、および、固視標の呈示位置等は、撮影光学系の画角が変更される前後で、維持できない場合が考え、画角毎に異なる調整を行うための調整操作が要求される場合があり得る。
これに対し、また、本実施形態において、誘導部は、更に、第2の誘導情報を検者に対して出力してもよい。第2の誘導情報には、被検眼と撮影光学系との位置関係を調整するための調整操作を誘導する内容が含まれる。第2の誘導情報において初期する位置関係に調整されたことが検出された段階で、誘導情報の出力は終了してもよい。
第2の誘導情報によって、少なくとも作動距離方向のアライメント調整が誘導されてもよいし、撮影光学系のスイングおよびチルティングが誘導されてもよい。例えば、第2の誘導情報によって、アライメント目標位置に到達するための操作入力の方向、または、装置の移動方向が、方向を示す矢印や、目標位置を示すマーク等を適宜用いて、グラフィカルに示されてもよい。また、例えば、第2の誘導情報によって、固視灯の呈示位置の変更が誘導されてもよい。
例えば、第2の誘導情報は、観察画像と共に表示されてもよい。この状態において、第2誘導情報に基づいて実際に位置関係が調整されているか否かに関わらず、撮影が撮影開始の操作入力に基づいて実行されてもよい。すなわち、観察画像に基づいて適切な画像が得られると検者が判断した段階で、眼底画像が撮影可能であってもよい。
なお、第2の誘導情報が観察画像と共に表示される場合は、例えば、第2の誘導情報は、観察画像上に重畳されてもよい。
第2の誘導情報は、例えば、第1画角での撮影動作と第2画角での撮影動作とが連続的に行われるコンビネーション撮影において、少なくとも第1画角での撮影動作と第2画角での撮影動作との間のタイミングで、検者に対して更に出力してもよい。対物光学系の切替に伴って被検眼と撮影光学系との位置関係の調整が改めて必要となっても、第2の誘導情報に基づいて位置関係の調整操作を検者に対して適切に促すことができる。第2の誘導情報は、例えば、画角を変更するための操作の完了が確認された段階で出力されてもよい。これにより、不慣れな検者であっても、画角の切換えと被検眼と撮影光学系との位置関係を調整との設定操作を、適切な順序で行うことができる。
<撮影範囲の入力操作に応じて誘導情報の内容を変更>
本実施形態の眼科撮影装置は、更に、受付部を有してもよい。受付部は、検者が所望する撮影範囲の入力操作を、GUIを介して受け付ける。受付部は、撮影範囲が入力可能なGUIを備えていてもよい。GUIには、撮影光学系の撮影対象となる撮影部位を少なくとも表したグラフィックが表示され、グラフィック上で撮影範囲が入力可能であってもよい。ここで、撮影部位を少なくとも表したグラフィックは、事前に撮影された被検眼の眼科画像そのものであってもよいし、撮影部位を含む被検眼を模式的に示した被検眼の模式図であってもよい。模式図は、眼底画像の模式図であってもよいし、眼球の構造を表した眼球モデル等が挙げられる。
ここで、撮影光学系は、走査型撮影光学系であってもよい。走査型撮影光学系は、光スキャナで光を走査することによって、被検眼を撮影する。このような撮影光学系を備えた装置は、対物光学系によって規定される撮影光学系の画角が光スキャナによる走査範囲の最大値(つまり、最大走査範囲)となる。この場合、光スキャナの走査範囲が最大走査範囲の一部に制限されることで、部分的な眼科画像が撮影され得る。
例えば、撮影光学系が第2画角に設定された状態であっても、撮影光学系の画角を切換える操作を要することなく、第2画角に対して狭い撮影範囲で眼科画像を撮影できる。眼科画像の画質(例えば、明るさ、および、分解能等)と撮影光学系の画角とはトレードオフの関係にあるが、それほど画質が要求されない場面では、第2画角のままで部分的な眼科画像が撮影されても検査における作業性の観点からは、一定の意義があると考えられる。但し、その一方で、例えば、撮影光学系が第2画角に設定された状態で得られた部分的な眼科画像は、局所的な領域の詳細観察には適していない。
これに対し、本実施形態において、誘導部は、撮影範囲の入力操作に基づいて、対物光学系を検者の操作に基づいて切換えるべきか否かを判定し、判定結果に応じた内容で誘導情報を出力してもよい。例えば、撮影光学系が第2画角に設定された状態で、受付部を介して入力される撮影範囲の大きさが閾値よりも小さい場合には、第1画角への変更操作を誘導する誘導情報を出力してもよい。また、受付部を介して入力される撮影範囲の大きさが閾値よりも大きい場合には、誘導情報を出力することなく、第2画角に対する部分的な眼底画像の撮影を実行してもよい。このとき、閾値は、第1画角に対して小さな値であってもよい。
また、入力操作にて特定された撮影範囲に応じて、被検眼と撮影光学系との位置関係が、調整または誘導されてもよい。装置の制御部によって、位置関係が調整または誘導されてもよい。位置関係の調整または誘導は、第1画角と第2画角との間で画角が切換えられた後に実行されてもよい。
撮影範囲に応じて位置関係が調整される場合、アライメント調整用のアクチュエーターが駆動制御されてもよい。また、固視灯の呈示位置が撮影範囲に応じて自動的に設定されてもよい。撮影範囲に応じて位置関係が誘導される場合、前述の第2の誘導情報と同様の情報が、検者に対して出力されてもよい。
なお、誘導部は、対物光学系を検者の操作に基づいて切換えるべきか否かを判定し、判定結果に応じた内容で誘導情報を出力するものとしたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。誘導情報に変えて、現状の装置の画角設定が適切でないことについて、警告を出力してもよい。
また、誘導情報または警告が出力された後に、画角設定が変更されないままで、検者からの撮影開始の操作入力に基づいて撮影が可能であってもよい。この場合、予め定められた撮影範囲の中で、撮影が許容されてもよい。
なお、本実施形態では、撮影光学系の画角を切換えるうえで、検者の操作が要求されたが、必ずしもこれに限られるものでは無く、自動的に画角が切換えられてもよい。また、本実施形態では、画角が切換えられたときに、その旨を知らせる情報が、検者に対して出力されてもよい。
また、本実施形態よれば、走査範囲が制限されることで部分的な眼科画像が撮影できることで、撮影光学系の画角設定が第1画角であるときと第2画角であるときと、の間で、同一の撮影範囲で撮影が行われる場合が考えられる。同一の撮影範囲で撮影された画像同士であっても、撮影光学系の画角設定に応じて画質が互いに異なることから、眼科画像を表示する際には、装置の画角設定を示した識別情報が眼科画像と対応付けられ、画像の表示や処理において区別されてもよい。
「実施例」
本実施形態における眼科撮影装置を、眼底撮影装置の実施例に基づいて説明する。
<第1実施例>
第1実施例に係る眼底撮影装置1(以下、撮影装置1と称する)は、眼底の正面画像を撮影する正面撮影光学系200(図2,3参照)と、演算制御器(制御部)70と、を少なくとも有する。また、眼底撮影装置1は、操作部を備える。
第1実施例における正面撮影光学系は、SLO(Scanning Laser Opthalmoscope:SLO)光学系である。また、本実施例では、SLO光学系200が固視光学系を兼用している。その他、眼底撮影装置1は、メモリ72、モニター75、操作部80等が設けられてもよい(図4参照)。SLO光学系200は、眼底Er上で光を2次元的に走査し、眼底Erからの戻り光を受光することによって、眼底Erの正面画像を取得する。
図1は、撮影装置1の概略構成を示している。撮影装置1は、撮影装置1は、基台5、ジョイスティック6、操作部103、アライメント調整部7,8、顔支持ユニット9、等を備える。また、撮影装置1は、制御部70、記憶部71、操作部75、および、モニタ80を有する。
撮影部4に、正面撮影光学系が収容される。本実施例では、アライメント調整部7,8が駆動することにより、撮影部4は、基台5上でXYZの各方向に移動可能である。アライメント調整部7,8は、自動的に、或いは、操作部に対する検者の操作に応じて、駆動される。本実施例において、アライメント調整部7,8は、XYZ駆動部7と、スイング・チルト部8と、を有する。
XYZ駆動部7は、被検眼に対して撮影部4を、前後、上下、左右の各方向に3次元的に移動させる。スイング・チルト部8は、被検眼の位置を略中心として撮影部4を、スイング・チルトさせる。
ジョイスティック6は、操作部の1つである。手動で撮影部4の位置を調整する際に操作される。また、レリーズボタンを備えていてもよい。
顔支持ユニット9は、被検者の顔を支持する。
<SLO光学系>
次に、図2,3を参照して、SLO光学系200を説明する。SLO光学系200は、照射光学系210と、受光光学系220と、を含む。本実施例のSLO光学系200は、アタッチメント光学系330(図3参照)が装着されることによって、画角が、第1画角から第2画角へと増大される(図2⇒図3)。本実施例における第1画角は、約60°であり、第2画角は、約100°であるものとする。
まず、図2を参照して、第1画角である場合の光学系を説明する。本実施例では、アタッチメント光学系330(図3参照)が未装着の場合に、第1画角に設定される。
照射光学系210は、走査部216と、対物光学系300と、を含む。対物光学系300は、少なくとも1つのレンズを含む。また、図2に示すように、照射光学系210は、更に、レーザー光源211、穴開きミラー213、レンズ214(本実施形態において、視度補正部240の一部)、および、レンズ215を有する。
レーザー光源211は、照射光学系210の光源である。本実施形態では、レーザー光源211からのレーザー光が、撮影光として利用される。本実施形態のレーザー光源211は、複数色の光を、同時に、又は選択的に出射可能である。一例として、本実施形態では、レーザー光源211は、青,緑,赤の可視域の3色と、赤外域の1色と、の計4色の光を出射する。各色の光は、任意の組合せで同時に出射可能であってもよい。本実施例において、レーザー光源211から出射される各色の光は、眼底の撮影に利用される。なお、眼底反射光に基づいて撮影される眼底画像を反射画像、眼底Erに存在する蛍光物質からの蛍光に基づいて撮影される眼底画像を、蛍光画像と称する場合がある。
反射画像として、赤外画像、カラー画像、レッドフリー画像、および、単色可視画像等のいずれか、または全てが撮影されてもよい。また、蛍光画像として、造影蛍光画像、および、自発蛍光画像のいずれかまたは全てが撮影されてもよい。造影蛍光画像は、眼底Erに静注された造影剤の蛍光発光による画像であってもよく、例えば、FA画像(フルオレセイン造影撮影画像)であってもよいし、ICGA画像(インドシアニングリーン造影撮影画像)であってもよい。また、自発蛍光画像は、眼底Erに蓄積された蛍光物質の蛍光発光による画像であってもよく、例えば、リポフスチンの蛍光発光による画像であってもよい。
本実施形態において、レーザー光源211からのレーザー光は、穴開きミラー213に形成された開口部を通り、レンズ214およびレンズ215を介した後、走査部216に向かう。走査部216によって反射されたレーザー光は、ダイクロイックミラー310を通過し、対物光学系300を通過した後、被検眼Eの眼底Erに照射される。その結果、レーザー光は、眼底Erで反射・散乱される、或いは、眼底Erに存在する蛍光物質を励起させ、眼底からの蛍光を生じさせる。これらの光(つまり、反射・散乱光および蛍光等)が、レーザー光の照射に伴う被検眼からの光(戻り光)として、瞳孔から出射される。
走査部216(「光スキャナ」ともいう)は、レーザー光源211から発せられたレーザー光を、眼底Er上で走査するためのユニットである。以下の説明では、特に断りが無い限り、走査部216は、レーザー光の走査方向が互いに異なる2つの光スキャナを含むものとする。即ち、主走査用(例えば、X方向への走査用)の光スキャナ216aと、副走査用(例えば、Y方向への走査用)の光スキャナ216bと、を含む。
対物光学系300は、眼底撮影装置1の対物光学系である。対物光学系300は、走査部216によって走査されるレーザー光を、被検眼Eに照射させ、眼底Erに導くために利用される。そのために、対物光学系300は、走査部216を経たレーザー光が旋回される旋回点Pを形成する。旋回点Pは、照射光学系210の基準光軸L1上であって、対物光学系300に関して走査部216と光学的に共役な位置に形成される。なお、本開示において「共役」とは、必ずしも完全な共役関係に限定されるものではなく、「略共役」を含むものとする。即ち、眼底画像の利用目的(例えば、観察、解析等)との関係で許容される範囲で、完全な共役位置からずれて配置される場合も、本開示における「共役」に含まれる。本実施例では、眼底撮影装置1の対物光学系300がレンズだけで実現されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、レンズとミラーの組合せによって実現されてもよい。
走査部216を経たレーザー光は、対物光学系300を通過することによって、旋回点Pを経て、眼底Erに照射される。このため、対物光学系300を通過したレーザー光は、走査部216の動作に伴って旋回点Pを中心に旋回される。その結果として、本実施形態では、眼底Er上でレーザー光が2次元的に走査される。眼底Erに照射されたレーザー光は、集光位置(例えば、網膜表面)にて集光される。
次に、受光光学系220について説明する。受光光学系220は、1つ又は複数の受光素子を持つ。例えば、図2に示すように、受光光学系220は、複数の受光素子225,227,229を有してもよい。この場合、照射光学系210によって照射されたレーザー光による眼底Erからの光は、受光素子225,227,229の少なくともいずれかによって受光される。
図2に示すように、本実施形態における受光光学系220は、対物光学系300から穴開きミラー213までに配置された各部材を、照射光学系210と共用してもよい。この場合、眼底Erからの光は、照射光学系210の光路を遡って、穴開きミラー213まで導かれる。穴開きミラー213は、被検眼Eの角膜,および,装置内部の光学系(例えば対物レンズ系のレンズ面等)での反射によるノイズ光の少なくとも一部を取り除きつつ、眼底Erからの光を、受光光学系220の独立光路へ導く。
なお、照射光学系210と受光光学系220とを分岐させる光路分岐部材は、穴開きミラー213に限られるものではなく、その他の光学部材(例えばハーフミラー等)が利用されてもよい。
本実施形態の受光光学系220は、穴開きミラー213の反射光路に、レンズ221、ピンホール板223、および、光分離部(光分離ユニット)230を有する。
ピンホール板223は、眼底共役面に配置されており、眼底撮影装置1における共焦点絞りとして機能する。すなわち、視度補正部240によって視度が適正に補正される場合において、レンズ221を通過した眼底Erからの光は、ピンホール板223の開口において焦点を結ぶ。ピンホール板223によって、眼底Erの集光点(あるいは、焦点面)以外の位置からの光が取り除かれ、残り(集光点からの光)が受光素子225,227,229の少なくともいずれかへ導かれる。
光分離部230は、眼底Erからの光を分離させる。本実施形態では、光分離部230によって、眼底Erからの光が波長選択的に光分離される。また、光分離部230は、受光光学系220の光路を分岐させる光分岐部を兼用していてもよい。例えば、図2に示すように、光分離部230は、光分離特性(波長分離特性)が互いに異なる2つのダイクロイックミラー(ダイクロイックフィルター)231,232を含んでいてもよい。受光光学系220の光路は、2つのダイクロイックミラー231,232によって、3つに分岐される。また、それぞれの分岐光路の先には、受光素子225,227,229の1つがそれぞれ配置される。
例えば、光分離部230は、眼底Erからの光の波長を分離させ、3つの受光素子225,227,229に、互いに異なる波長域の光を受光させる。例えば、青,緑,赤の3色の光を、受光素子225,227,229に1色ずつ受光させてもよい。この場合、各受光素子225,227,229の受光結果から、カラー画像を取得してもよい。
また、光分離部230は、眼底自発蛍光と、観察光の眼底反射光である赤外光とを、互いに異なる受光素子に受光させてもよい。これにより、蛍光画像と同時に、赤外画像を撮影可能であってもよい。本実施形態では、レーザー光源211から照射される青色の光が、自発蛍光の励起光として利用される。
制御部70は、例えば、受光素子225,227,229から出力される受光信号を基に眼底画像を形成する。より詳細には、制御部70は、走査部216による光走査と同期して眼底画像を形成する。例えば、制御部70は、副走査用の光スキャナ216bがn回(nは、1以上の整数)往復する度に、少なくとも1フレーム(換言すれば、1枚)の眼底画像を、(受光素子毎に)形成する。なお、以下では、特段の断りが無い限り、便宜上、副走査用の光スキャナ216bの1往復につき、その1往復に基づく1フレームの眼底画像が形成されるものとする。本実施形態では、3つの受光素子225,227,229が設けられているので、制御部70は、それぞれの受光素子225,227,229からの信号に基づく最大3種類の画像を、副走査用の光スキャナ216bが1往復する度に生成する。
<アタッチメント光学系>
アタッチメント光学系330は、装置本体の対物光学系300と、被検眼Eとの間において挿脱される。本実施例では、アタッチメント光学系330を含むレンズアタッチメントを、装置の前面に対して検者が着脱するとにより、アタッチメント光学系330が挿脱される。アタッチメント光学系330は複数のレンズ331,332を含んでいてもよい。第1旋回点P1を通過した測定光を少なくともレンズ164が光軸Lに向けて折り曲げることで、アタッチメント光学系330および対物光学系158に関して光スキャナ134と共役な位置に第2旋回点P2が形成される。つまり、アタッチメント光学系330は、旋回点P1を旋回点P2へリレーする光学系である。
アタッチメント光学系330の非装着状態ではSLO光学系200では、60°程度の画角で眼底正面画像を撮影可能であり、装着状態では100°程度の画角で眼底正面画像を撮影可能となる。
アタッチメント光学系330が装着されているか否かは、筐体に設けられた図示なきセンサによって検出され、制御部70に入力される。これにより、SLO光学系200における画角設定が、制御部70によって取得される。
制御部70は、上記のような装置の動作に基づいて逐次形成される複数フレームの眼底画像を、観察画像として時系列にモニタ75へ表示させてもよい。観察画像は、略リアルタイムに取得された眼底画像からなる動画像である。また、制御部70は、逐次形成される複数の眼底画像のうち一部を、撮影画像(キャプチャ画像)として取り込む(キャプチャする)。その際、撮影画像は記憶媒体に記憶される。撮影画像が記憶される記憶媒体は、不揮発性の記憶媒体(例えば、ハードディスク,フラッシュメモリ等)であってもよい。本実施形態では、例えば、トリガ信号(例えば、レリーズ操作信号等)の出力後、所定のタイミング(又は,期間)に形成される眼底画像がキャプチャされる。
<第1実施例の動作説明>
次に、以上のような構成を持つ装置の撮影動作を、図4,5に基づいて説明する。
<撮影動作の基本フロー>
撮影動作の流れを概略的に示したフローチャートを、図4に示している。
初めに、制御部70によって、これから実行される撮影動作が選択される(S1)。第1画角での撮影動作と、第2画角での撮影動作と、を含む複数の撮影動作の中から、いずれかが選択される。新たな撮影動作の都度、検者からの指示に基づいて、撮影動作は選択されてもよい。また、例えば、コンビネーション撮影が行われる場合等、複数の撮影動作の実行順序が予め定められている場合は、コンビネーション撮影に含まれる複数の撮影動作の中からいずれかが、実行順序に従って自動的に選択されてもよい。この場合は、撮影動作と撮影動作との間で以降の処理が実行される。
次に、選択された撮影動作における画角設定と、その時点のSLO光学系200の画角設定とが一致しているか否かが、制御部70によって判定される(S2)。
両者の画角設定が一致していれば(S2:Yes)、各種調整が必要に応じて行われたうえで(S3)、選択された撮影動作が実行される(S4)。なお、S3のステップでは、アライメント調整、視度補正、固視灯呈示位置の調整、光量、ゲイン、又は露光時間の調整、のうち少なくともいずれかが実施されてもよい。
S2のステップにおいて、両者の画角設定が不一致であれば(S2:No)、誘導情報が検者に対して出力される(S5)。本実施例では、モニタ80を介して誘導情報が表示される。誘導情報には、アタッチメント光学系330の装着操作/退避操作を誘導する内容が含まれている。これにより、誘導情報によって画角を変更するための操作が撮影動作に応じて促されるので、不慣れな検者であっても、撮影動作に応じた画角の設定操作を適切に行うことができる。
本実施例では、誘導情報が出力された後に、撮影動作における画角設定にあわせて、SLO光学系200の画角設定が変更されると(S6:Yes)、画角設定以外の各種調整が行われる(S3)。その後、選択された撮影動作が実行される(S4)。この場合、アタッチメント光学系330の着脱に伴って、適正作動距離が変更される。更には、アタッチメント光学系330の着脱の際には、一時的に、検者の顔を顔支持ユニット9から退避させる場合もあり得るので、上下左右方向に関しても、アライメント状態を調整する必要が生じ得る。このため、制御部70は、アタッチメント光学系330の着脱後のアライメント目標位置へ、被検眼とSLO光学系200との位置関係を調整または誘導してもよい。また、視度補正量や、固視灯の呈示位置などのアタッチメント光学系330の着脱後に再度調整が必要であれば、制御部70は、それらについても適宜調整または誘導してもよい。
以上の通り、本実施例では、選択された撮影動作における画角設定と、その時点のSLO光学系200の画角設定が不一致であれば(S2:No)、アタッチメント光学系330の装着操作/退避操作を誘導する内容で、誘導情報が検者に対して出力されるので、不慣れな検者であっても、撮影動作に応じた画角の設定操作を適切に行うことができる。
また、第1画角での撮影動作と第2画角での撮影動作とが連続的に行われるようなコンビネーション撮影が行われたときにも、撮影動作の間の適切なタイミングで、誘導情報によって画角を変更するための操作が促されるので、より確実に適切な画角で撮影を行うことができる。コンビネーション撮影では、被検眼の蛍光造影画像が第1画角と第2画角とのそれぞれで続けて撮影されてもよく、この場合は、画角を切換るための操作が、誘導情報に基づいてスムースに行われることで、所望の造影状態の撮り逃しを抑制できる。
なお、図4のフローチャートによれば、撮影動作における画角設定にあわせて、SLO光学系200の画角設定が変更されなければ(S6:No)、撮影に進むことができない。但し、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、誘導情報が出力された後で、画角設定が変更されること無く、例えば、撮影を実行する指示が検者の操作に基づいて入力されたときには、非推奨の設定のまま撮影を行うか否かを確認する確認情報が、検者に対して出力されてもよい。確認情報の出力後に、改めて、撮影を実行する指示が入力された場合は、装置の画角設定を変更することなく、撮影が実行されてもよい。或いは、誘導情報に対する画角の変更に応じない場合は、もしも、画角の変更が要求されない未実施の他の撮影動作があれば、そちらが行われ、その後、改めて、誘導情報が出力されてもよい。
<撮影範囲の入力操作受付用のGUI>
また、本実施例では、図4における撮影動作を選択するステップ(S1)に先立って、撮影範囲の入力操作を検者から受け付けてもよい。このとき受け付けた入力操作に基づいて、S1のステップで撮影動作が選択されてもよい。
この場合、図5に示すように、本実施例では、撮影範囲の入力操作を受け付けるためのGUI500が、モニタ上に表示される。本実施例においてGUI500には、撮影部位である眼底に対する撮影範囲の入力領域501を備える。領域501には、事前に第2画角で撮影された被検眼の眼底画像503が配置される。例えば、本実施例では、領域501上で、第1画角の眼底画像の撮影位置を検者が指定できる。例えば、領域501上で、第1画角の眼底画像の中心位置を、ポインタ505で撮影位置として指定可能であってもよい。
これにより、誘導情報に基づいてアタッチメント光学系330が退避された後に、被検眼に対して呈示される固視灯の呈示位置が、ポインタ505で指定された撮影位置に応じて調整または誘導される。よって、第2の画角から第1の画角へとSLO光学系200の画角を切換えた後で、スムースに所望の撮影位置で撮影を行いやすい。
なお、本実施例では、領域501上の任意の位置を指定することにより、第1画角の眼底画像の中心位置を任意に設定できる。但し、必ずしもこれに限られるものでは無く、領域501上で指定可能な撮影位置は、予め定められていてもよい。
<第2実施例>
次に、第2実施例を説明する。第2実施例に係る眼底撮影装置1は、第1実施例の構成に加えて、更に、図6に示すOCT光学系100を有する。OCT光学系100によって、眼底のOCTデータが取得される。
<OCT光学系>
OCT光学系100は、導光光学系130によって測定光を眼Eに導く。OCT光学系100は、参照光学系140に参照光を導く。OCT光学系100は、眼Eによって反射された測定光と参照光との干渉、によって取得される干渉信号光を検出器(受光素子)120に受光させる。
OCT光学系100には、SD-OCT方式が用いられる。OCT光源102としては低コヒーレント長の光束を出射するものが用いられ、検出器120として、スペクトル干渉信号を波長成分ごとに分光して検出する分光検出器が用いられる。
カップラ(スプリッタ)104は、第1の光分割器として用いられ、OCT光源102から出射された光を測定光路と参照光路に分割する。カップラ110は、例えば、OCT光源102からの光を測定光路側の光ファイバー112に導光すると共に、参照光路側の参照光学系140に導光する。
<導光光学系>
導光光学系130は、測定光を眼Eに導くために設けられる。導光光学系130には、例えば、光ファイバー112、コリメータレンズ131、可変ビームエキスパンダ132、光スキャナ134、及び、対物レンズ320が順次設けられてもよい。この場合、測定光は、光ファイバー112の出射端から出射され、コリメータレンズ131によって平行ビームとなる。その後、可変ビームエキスパンダ132によって所望の光束径となった状態で、フォーカシングレンズ133を介して光スキャナ134に向かう。光スキャナ134を通過した光は、対物レンズ320を介して、眼Eに照射される。対物レンズ320に関して光スキャナ134と共役な位置に、第1の旋回点P1が形成される。この旋回点P1に前眼部が位置することで、測定光はケラレずに眼底に到達する。また、光スキャナ134の動作に応じて測定光が眼底上で走査される。このとき、測定光は、眼底の組織によって散乱・反射される。
光スキャナ134は、眼E上でXY方向(横断方向)に測定光を走査させてもよい。光スキャナ134は、例えば、2つのガルバノミラーであり、その反射角度が駆動機構によって任意に調整される。OCT光源102から出射された光束は、その反射(進行)方向が変化され、眼底上で任意の方向に走査される。光スキャナ134としては、例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられてもよい。
測定光による眼Eからの散乱光(反射光)は、投光時の経路を遡って、光ファイバー112へ入射され、カップラ110に達する。カップラ110は、光ファイバー112からの光を、検出器120に向かう光路へと導く。
<アタッチメント光学系>
実施例のOCT装置においてアタッチメント光学系330は、導光光学系130における対物レンズ320と、被検眼Eとの間において挿脱される。アタッチメント光学系330を含むレンズアタッチメントが、図示無き筐体面に対して着脱(挿脱)されることで、装置本体側の対物レンズ320と被検眼Eとの間において、アタッチメント光学系330の挿脱が行われる。アタッチメント光学系330の退避状態において60°程度の範囲において走査可能であり、挿入状態では、100°程度の範囲において走査可能となる。
<参照光学系>
参照光学系140は、測定光の眼底反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系140を経由した参照光は、カップラ149にて測定光路からの光と合波されて干渉する。参照光学系140は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであってもよい。
図6に示す参照光学系140は、透過光学系によって形成されている。この場合、参照光学系140は、カップラ110からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導く。これに限らず、参照光学系140は、例えば、反射光学系によって形成され、カップラ110からの光を反射光学系により反射することにより検出器120に導いてもよい。
本実施例において、参照光学系140は、複数の参照光路が設けられてもよい。例えば、図6では、カップラ141によって参照光路が、ファイバ142を通過する光路(本実施例における第1分岐光路)と、ファイバ143を通過する光路(本実施例における第2分岐光路)と、に分岐される。ファイバ142とファイバ143は、カップラ145に接続されており、これにより、2つの分岐光路は結合され、参照光路調整部147、偏波調整部148、を介してカップラ149へ入射される。
本実施例において、カップラ110からの参照光は、カップラ141によってファイバ142とファイバ143との同時に導かれる。ファイバ142とファイバ143のいずれを経由した光も、カップラ149において測定光(眼底反射光)と合波される。
ファイバ142とファイバ143との間における光路長差、つまり、第1分岐光路と第2分岐光路との間の光路長差は、固定値であってもよい。本実施例では、アタッチメント光学系330の光路長と略同一となるような光路長差を有する。これにより、アタッチメント光学系330の挿脱の前後で、光路長差を大きく調整する必要が無くなる。
但し、測定光路と参照光路の少なくともいずれかには、測定光と参照光との光路長差を調整するための参照光路調整部147が設けられていてもよい。参照光路調整部147における光路長の調整範囲は、ファイバ142とファイバ143との光路長差(換言すれば、第1分岐光路と第2分岐光路との間における光路長差)に対して十分短く設定されることが好ましい。
<光検出器>
検出器120は、測定光路からの光と参照光路からの光による干渉を検出するために設けられている。本実施例において、検出器120は、分光検出器であって、例えば、分光器と、ラインセンサとを含み、カップラ149によって合波された測定光と参照光とが、分光器で分光され、波長毎にラインセンサの異なる領域(画素)に受光される。これによって画素毎の出力が、スペクトル干渉信号として取得される。
<深さ情報の取得>
制御部70は、検出器120によって検出されたスペクトル信号を処理(フーリエ解析)し、被検眼のOCTデータを得る。
スペクトル信号(スペクトルデータ)は、波長λの関数として書き換えられ、波数k(=2π/λ)に関して等間隔な関数I(k)に変換されてもよい。あるいは、初めから波数kに関して等間隔な関数I(k)として取得されてもよい(K―CLOCK技術)。演算制御器は、波数k空間でのスペクトル信号をフーリエ変換することにより深さ(Z)領域におけるOCTデータを得てもよい。
さらに、フーリエ変換後の情報は、Z空間での実数成分と虚数成分を含む信号として表されてもよい。制御部70は、Z空間での信号における実数成分と虚数成分の絶対値を求めることによりOCTデータを得てもよい。
ここで、カップラ149には、第1分岐光路を経由した参照光と、第2分岐光路を経由した参照光との両方が導かれ、各々が測定光と合波される。第1分岐光路を経由した参照光と、第2分岐光路を経由した参照光と、を選択的に測定光に干渉させるために、図示無き光路切換部(例えば、光スイッチ)が、参照光学系上に配置されていてもよい。
<第2実施例の動作説明>
第2実施例の眼底撮影装置1は、OCT撮影において、光スキャナ134の走査範囲を制御することで、撮影範囲を変更できる。このとき、装置の対物光学系によって規定される画角が、変更可能な撮影範囲の最大値となる。つまり、アタッチメント光学系330の退避状態では60°を最大値として、それ以下の範囲でOCTデータの撮影範囲を変更でき、アタッチメント光学系330の挿入状態では、100°を最大値として、それ以下の範囲でOCTデータの撮影範囲を変更できる。
図7に示すように、撮影範囲の指定は、第1実施例と同様に、GUI500を介して行われる。GUI500が備える眼底正面画像502が表示される領域501上で、撮影範囲は指定される。
本実施例において、領域501に示される眼底正面画像は、正面撮影光学系200を介して取得される。
まず、事前に第2画角(約100°)で撮影された眼底画像502が、領域501に表示されている場合について説明する。但し、必ずしもこれに限られるものではなく、眼底正面画像は、正面撮影光学系200によって、随時取得される観察画像であってもよい。
第2実施例では、予め定められた複数のスキャンパターンの中から何れかを選択したうえで、選択したスキャンパターンで走査される位置と範囲とが、領域501上で指定される。スキャンパターンとしては、例えば、マップ、マルチ、クロス、ラジアル、ライン等が知られている。
一例として、図7では、一本の直線状のパターン(ラインパターン)がスキャンパターンとして選択された場合を示している。スキャンライン506が領域501上の任意の位置および長さで検者が設定されることによって、OCTデータの撮影位置および範囲が設定される。例えば、領域501上で、スキャンライン506の始点と終点とが指定されることで、スキャンライン506が設定されてもよい。
但し、必ずしもこれに限られるものでは無く、スキャンライン506の長さは、数値入力によって設定されてもよい。
本実施例では、装置の画角設定と、領域501上で選択された撮影範囲の大きさおよび位置と、に応じて、アタッチメント光学系330の装着操作/退避操作を誘導する誘導情報を出力するか否かが、制御部70によって判定される。
例えば、OCT光学系100にアタッチメント光学系330が装着されておらず、第1画角に設定されている場合に、第1画角よりも狭い範囲でスキャンライン506が設定されている場合は、誘導情報が出力されることなく、撮影が行われる。このとき、撮影位置に応じて、固視灯の位置制御が行われてもよい。
また、OCT光学系100が第1画角に設定されている場合に、第1画角よりも広い範囲でスキャンライン506が設定されている場合は、アタッチメント光学系330の装着を誘導する誘導情報が出力され、アタッチメント光学系330が装着されてから、撮影が行われる。
また、例えば、OCT光学系100に予めアタッチメント光学系330が装着され第2画角に設定されている場合に、第2画角から第1画角の範囲でスキャンライン506が設定されている場合は、誘導情報が出力されることなく、走査範囲をスキャンライン506に応じて調整して撮影が行われる。
また、OCT光学系100が第2画角に設定されている場合に、第1画角よりも狭い範囲でスキャンライン506が設定されている場合は、アタッチメント光学系330の退避を誘導する誘導情報が出力される。その後に、アタッチメント光学系330が退避されてから、撮影が行われる。このとき、第2画角に設定されている場合であっても、第1画角よりも狭い範囲で光スキャナ134の走査範囲を制限して撮影することも可能であるが、その場合、OCT光学系100を第1画角に設定したときと比べて、良好な画質で撮影することができない。そこで、本実施例では、OCT光学系100が第1画角に設定された状態で撮影が行われるように誘導することで、より適正な画質で眼底画像が撮影される。
このとき、スキャンライン506の長さの閾値であって誘導情報が出力されるか否かの閾値は、第1画角に相当する値であるが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1画角よりも小さな範囲で適宜定めることができる。
ここでは、第2画角(約100°)で撮影された眼底の正面画像が、領域501に表示されているものとしたが、第1画角(約60°)で撮影された眼底の正面画像が、領域501に表示されている場合にも、同様の動作が行われてもよい。この場合、領域501内における、眼底画像の領域の内側だけでなく外側を含んだ領域の全体に対して、スキャンライン506が設定可能であってもよい。
第2実施例では、装置の画角設定と、領域501上で選択された撮影範囲の大きさおよび位置と、に応じて、アタッチメント光学系330の装着操作/退避操作を誘導する誘導情報を出力するか否かが判定されたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。
例えば、アタッチメント光学系330の装着操作/退避操作を行うべき撮影範囲でも撮影範囲の設定操作の入力を受け付けないように、入力可能な撮影範囲の大きさが、装置の画角設定毎に予め制限されていてもよい。
また、誘導情報の出力に変えて撮影範囲の設定が不適切である旨の警告を、検者に対して出力してもよい。警告の出力後にも、画角設定が変更されることなく撮影指示の操作入力を受付た場合に、撮影可能な画角の範囲内で撮影を実行してもよい。
<変形例>
以上、実施形態および実施例に基づいて本開示を説明したが、本開示は必ずしも上記実施形態および実施例に限られるものでは無く、種々の変形が可能である。
例えば、蛍光造影撮影が行われる場合は、造影撮影における時相(時間帯)毎に撮影動作が設定されていてもよい。それぞれの時相は、例えば、造影タイマの計測時間によって区切られていてもよい。
1つの具体例として、
第1の時間帯:00'00"~01'00"
第2の時間帯:01'00"~05'00"
第3の時間帯:05'00"~10'00"



のように、時相が区切られ、それぞれの時相の中で実行される1つ以上の撮影動作が、時相毎に設定されてもよい。
この場合、それぞれの時相において、第1画角と第2画角とによる撮影が1回ずつ実施されるように、撮影動作が設定されてもよい。この場合、蛍光造影画像だけでなく、カラー画像、および、OCT画像等が撮影されるように設定されてもよい。また、造影初期の大きな変化を確実に撮影するため、第1画角と第2画角とのいずれか一方の画角に固定して撮影が実施されるように設定され、相対的に変化が小さな造影中期以降において、第1画角と第2画角とによる複数の撮影動作が設定されてもよい。
この場合においても、前後の撮影動作において画角の変更が必要となる度に、アタッチメント光学系330の装着操作/退避操作誘導情報が検者に対して出力されてもよい。
1 眼底撮影装置
70 制御部
100 OCT光学系
200 SLO光学系
300 対物光学系
330 アタッチメント光学系

Claims (8)

  1. 対物光学系を介して被検眼の眼科画像を撮影する撮影光学系と、
    前記対物光学系を検者の操作に基づいて切換えることにより、前記撮影光学系の画角を第1画角と前記第1画角よりも大きな第2画角との間で少なくとも変更する画角変更手段と、
    複数の撮影動作の中から何れかを選択する選択手段と、
    前記撮影光学系の画角を変更するための前記操作を誘導する誘導情報を、前記選択手段によって選択される撮影動作に応じて検者に対して出力する誘導手段と、
    を備える眼科撮影装置。
  2. 前記撮影動作として、前記第1画角での撮影動作と、前記第2画角での撮影動作と、が連続的に行われるコンビネーション撮影が選択可能であり、
    前記誘導手段は、前記コンビネーション撮影が選択された場合において、少なくとも前記第1画角での撮影動作と前記第2画角での撮影動作との間のタイミングで、前記誘導情報を検者に対して出力する請求項1記載の眼科撮影装置。
  3. 前記コンビネーション撮影では、被検眼の蛍光造影画像が前記第1画角と前記第2画角とのそれぞれで撮影される、請求項2記載の眼科撮影装置。
  4. 前記被検眼と前記撮影光学系との位置関係の調整操作を誘導するための第2の誘導情報を、少なくとも前記第1画角での撮影動作と前記第2画角での撮影動作との間のタイミングで、検者に対して更に出力する請求項2又は3記載の眼科撮影装置。
  5. 検者が所望する撮影範囲の入力操作を、GUIを介して受け付ける受付手段を備える請求項1から4の何れかに記載の眼科撮影装置。
  6. 前記GUIは、前記撮影光学系の撮影対象となる撮影部位を少なくとも表したグラフィックを含み、前記グラフィック上で前記撮影範囲が入力される、請求項5又は6記載の眼科撮影装置。
  7. 前記撮影光学系は、光スキャナで光を走査することで被検眼を撮影する走査型撮影光学系であり、前記対物光学系によって規定される前記撮影光学系の画角を最大走査範囲として、前記光スキャナの走査範囲を前記最大走査範囲の一部に制限することで部分的な眼科画像を撮影可能であり、
    前記誘導手段は、前記撮影範囲の入力操作に基づいて、前記対物光学系を検者の操作に基づいて切換えるべきか否かを判定し、判定結果に応じた内容で前記誘導情報を出力する請求項5又は6記載の眼科撮影装置。
  8. 前記被検眼と前記撮影光学系との位置関係を、前記入力操作に基づいて受け付けた前記撮影範囲に応じて調整または誘導する制御部を、更に備える請求項5から7の何れかに記載の眼科撮影装置。
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