JP2022106201A - 記録素子基板および液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022106201000001
【課題】液体吐出ヘッドからの液体の吐出態様についての評価を高精度化する。
【解決手段】所定方向に配列された複数の発熱抵抗素子と、前記複数の発熱抵抗素子の温度をそれぞれ検出するための複数の温度検出素子と、を備える記録素子基板であって、前記複数の温度検出素子は、平面視において前記複数の発熱抵抗素子とそれぞれ重なるように配列されており、前記記録素子基板は、個々の温度検出素子の一端部に接続された第1電極と、個々の温度検出素子の他端部に接続された第2電極と、個々の温度検出素子において前記第1電極と前記第2電極と間の電気経路に接続された第3電極と、前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極の電位差に基づく信号を出力する出力回路部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、主に記録素子基板に関する。
インクジェットプリンタ等に代表される液体吐出装置の液体吐出ヘッドには、例えば、電気熱変換方式、ピエゾ方式等の構成が採用されうる。電気熱変換方式の液体吐出ヘッドには、複数の発熱抵抗素子(或いは電気熱変換素子等とも称される。)を備える記録素子基板が設けられ、個々の発熱抵抗素子が駆動されて発生する熱エネルギーに基づいて、対応のノズルから液体が吐出される。
特開2019-72999号公報 特開2012-250511号公報
液体吐出装置のなかには、温度検知素子(温度センサ)が記録素子基板に設けられ、該温度検知素子の検知結果に基づいて液体の吐出態様の評価を行うものがある(特許文献1~2参照)。この評価の高精度化のため、一層の工夫が求められうる。
本発明は、液体吐出ヘッドからの液体の吐出態様についての評価を高精度化することを例示的目的とする。
本発明の一つの側面は記録素子基板にかかり、前記記録素子基板は、
所定方向に配列された複数の発熱抵抗素子と、前記複数の発熱抵抗素子の温度をそれぞれ検出するための複数の温度検出素子と、を備える記録素子基板であって、
前記複数の温度検出素子は、平面視において前記複数の発熱抵抗素子とそれぞれ重なるように配列されており、
前記記録素子基板は、
個々の温度検出素子の一端部に接続された第1電極と、
個々の温度検出素子の他端部に接続された第2電極と、
個々の温度検出素子において前記第1電極と前記第2電極と間の電気経路に接続された第3電極と、
前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極の電位差に基づく信号を出力する出力回路部と、
を備える
ことを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッドからの液体の吐出態様についての評価を高精度化することができる。
記録素子基板の一部についての平面模式図。 液体吐出ヘッドのノズル周辺部についての断面模式図。 液体の吐出態様についての評価の結果を示す図(参考例)。 出力回路部の構成例を示す図。 液体の吐出態様についての評価の結果を示す図。 記録素子基板の一部についての平面模式図。 記録素子基板の一部についての平面模式図。 記録素子基板の一部についての平面模式図。 記録素子基板の一部についての平面模式図。 記録素子基板の一部についての平面模式図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る液体吐出ヘッド9に設けられる記録素子基板1の平面模式図である。図2(a)及び図2(b)は、図1に示される切断線X1-X1についての液体吐出ヘッド9の断面模式図である。詳細については後述とするが、図2(a)は、液体吐出ヘッド9により液体が適切に吐出された場合の様子を示し、図2(b)は、該液体が適切に吐出されなかった場合の様子を示す。
記録素子基板1は、基板100、絶縁部材101、発熱抵抗素子105、温度検出素子102、耐キャビテーション膜107、複数の電極104A、104B及び104C、保護膜106、並びに、コンタクトプラグ103及び108を備える。
基板100には、例えば単結晶シリコン等で構成された半導体基板が用いられうる。ここでは不図示とするが、基板100上には、後述の回路部を構成する個々の素子が形成される。素子の例としては、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、バイポーラトランジスタ等のスイッチ素子が挙げられる。
絶縁部材101は、基板上に形成される。絶縁部材101には、例えば酸化珪素等の無機質材料が用いられ、絶縁部材101は、後述の回路部を構成する個々の素子を電気的に分離する。
発熱抵抗素子105、温度検出素子102および耐キャビテーション膜107は、図1においては1つずつ図示されるが、これらの其々は複数設けられる。即ち、記録素子基板1は、複数の発熱抵抗素子105、複数の温度検出素子102および複数の耐キャビテーション膜107を備える。複数の発熱抵抗素子105は、平面視(記録素子基板1或いは基板100の主面に対して垂直な方向の視点)において所定方向に配列され、例えば1以上の列を形成するように配列される。複数の温度検出素子102は、複数の発熱抵抗素子105にそれぞれ対応するように設けられ、平面視において複数の発熱抵抗素子105とそれぞれ重なるように配列される。同様に、複数の耐キャビテーション膜107は、複数の発熱抵抗素子105にそれぞれ対応するように設けられ、平面視において複数の発熱抵抗素子105とそれぞれ重なるように配列される。
発熱抵抗素子105は、本実施形態では絶縁部材101上面に設けられる。発熱抵抗素子105は、駆動(通電)されることにより熱を発生し、詳細については後述とするが、該発生した熱に基づいて液体吐出ヘッド9による液体の吐出を実現可能とする。発熱抵抗素子105は、電気熱変換素子あるいは単にヒータ等とも称されてもよい。発熱抵抗素子105には、例えば窒化タンタルシリコン、窒化タングステンシリコン等、電気抵抗値の比較的大きい材料が用いられうる。
発熱抵抗素子105は、コンタクトプラグ108を介して、発熱抵抗素子105を駆動するための回路部(回路部を構成する基板100上の素子)に電気的に接続される。コンタクトプラグ108には、例えばタングステンや銅などの金属材料が用いられうる。
温度検出素子102は、絶縁部材101に包含されて設けられる。温度検出素子102は金属膜で構成され、この金属膜は、単層で形成されてもよいし、積層で形成されてもよい。詳細については後述とするが、温度検出素子102の電気抵抗値は温度変化に伴って変動するため、温度検出素子102は、所定量の電流を受けた際に発生する電圧に基づいて、温度を検出可能となっている。温度検出素子102の材料には、抵抗温度係数の大きい金属材料や合金、例えばイリジウム、タンタル、チタン、タングステン、シリコン、窒化チタン、窒化タンタルシリコンおよび窒化タングステンシリコンの少なくとも1つ、が用いられうる。
温度検出素子102は、絶縁部材101内において、コンタクトプラグ103を介して電極104A、104B及び104Cの其々に接続される。電極104Aは、コンタクトプラグ103を介して温度検出素子102の一端部に接続される。電極104Bは、コンタクトプラグ103を介して温度検出素子102の他端部に接続される。電極104Cは、電極104A及び104B間の電気経路に接続され、本実施形態では、温度検出素子102の中央部に接続される。即ち、電極104Cは、電極104Aから電極104Cまでのインピーダンスと、電極104Bから電極104Cまでのインピーダンスとが互いに等しくなるように設けられている。
尚、発熱抵抗素子105および温度検出素子102は、電気回路においては何れも抵抗素子として表される。そのため、これらは、例えば第1の抵抗素子および第2の抵抗素子と表現されてもよい。
電極104A、104B及び104Cの其々は、配線部ないし配線パターンの一部であってもよく、温度検出素子102の温度検出結果を示す信号を出力するための回路部(回路部を構成する基板100上の素子。後述の出力回路部4。)に電気的に接続される。コンタクトプラグ103には、例えばタングステンや銅などの金属材料が用いられうる。電極104A、104B及び104Cには、例えばアルミニウムや銅などの金属材料が用いられうる。尚、本実施形態では、電極104A、104B及び104Cの其々に接続されるコンタクトプラグ103は複数(図1の例では2つ)設けられるものとする。
耐キャビテーション膜107は、発熱抵抗素子105を覆うように、絶縁部材101上に保護膜106を介して設けられる。発熱抵抗素子105の駆動により液体が吐出される際、後述の発泡室112において気泡が発生し消滅しうるが、耐キャビテーション膜107は、その際に発生する圧力波の衝撃を緩和し、また、液体による電気化学的腐食を防止する。保護膜106には、例えば窒化シリコン等の無機質材料が用いられうる。耐キャビテーション膜107には、タンタルやイリジウム等の金属材料が用いられうる。
液体吐出ヘッド9は、上述の記録素子基板1を備える他、記録素子基板1上に配されたプレート部材110を更に備える。プレート部材110は、液体を吐出するための吐出口(ノズル)111が記録素子基板1側とは反対側に形成されるように、かつ、記録素子基板1との間の空間に発泡室112が形成されるように、設けられる。発泡室112は液体の流路と流体連結しており、発泡室112には液体が供給される。発泡室112は、液体113の吐出に寄与する領域であり、平面視で、発泡室112の外縁は発熱抵抗素子105の外縁よりも外側に位置する。プレート部材110は、ノズル部材、ノズルプレート等とも称されうる。
図2(a)は、液体吐出ヘッド9により液体が適切に(或いは正常に)吐出された場合の様子を示し、図2(b)は、該液体が適切に吐出されなかった場合の様子を示す。尚、適切な吐出とは、液体が所定方向に吐出されたこと(付随的に、吐出された液量が許容範囲内であったこと)を示すものとする。
図2(a)に示されるように、液体吐出ヘッド9は、発熱抵抗素子105の熱エネルギーを利用して発泡室112内の液体を発泡させ、その一部を液体113として吐出口111から吐出する。その際、該吐出された液体113の一部は、尾引(tailing)114として吐出口111内に戻る現象が発生する。尾引114が吐出口111内に戻って耐キャビテーション膜107に接触した場合、外気で冷却された尾引114により温度検出素子102の温度が低下することとなる。
一方、図2(b)に示されるように、液体113が吐出口111から適切に吐出されなかった場合、尾引114は、図2(a)の場合に比べて冷却されていない状態で、吐出口111内にて中央部115から離間した部分116に向かって戻る。或いは、尾引114は発生せずに、部分116にて液体が局所的に集中することとなる。そのため、温度検出素子102の温度は、図2(a)の場合に比べて緩やかに低下することとなる。
小括すると、液体113が吐出口111から適切に吐出された場合(図2(a)の場合)、尾引114は、冷却された状態で、吐出口111外または吐出口111近傍から耐キャビテーション膜107の中央部115に向かって戻る。その結果、温度検出素子102は、該冷却された尾引114により比較的速やかに冷却されることとなる。一方、液体113が吐出口111から適切に吐出されなかった場合(図2(b)の場合)、尾引114は、比較的冷却されていない状態で、吐出口111内にて部分116に向かって戻る。その結果、温度検出素子102は比較的緩やかに冷却されることとなる。そのため、図2(a)の場合と、図2(b)の場合とでは、温度検出素子102の温度検出結果は互いに異なることとなる。
図3は、参考例として、温度検出素子102の温度検出結果を示す。図中の横軸は時間軸tを示し、縦軸は検出温度(電極104A及び104B間の電位差から算出される温度)を示す。温度検出素子102は、先ず発熱抵抗素子105が発熱して最高温度に到達したことを検出する(時刻t1)。その後、発熱抵抗素子105および温度検出素子102が冷却される際、図2(a)の場合、尾引114が中央部115に戻ることにより、温度の低下態様に変曲点が現れる(時刻t2)。これに対して図2(b)の場合、上記変曲点は現れない。このようにして、液体が適切に吐出された場合(図2(a)の場合)と、そうでない場合(図2(b)の場合)とが区別可能となる。
前述のとおり、図2(a)の場合、平面視において、尾引114は中央部115(吐出口111中心の位置)に戻る。しかしながら、例えば、吐出口111付近に異物が存在した場合、吐出口111表面の撥水性ばらつきが存する場合には、図2(b)に例示されるように、尾引114が中央部115からシフトした位置に戻ること(いわゆる“ヨレ吐出”)がある。このような理由から、尾引114の戻りの位置を特定することは、液体の吐出態様(主に、液体が適切に吐出されたか、そうでないか(ヨレ吐出を含む。))を検出可能にし、換言すると、吐出態様の評価の高精度化を有利にする。
図4は、温度検出素子102を用いて温度検出結果を読み出すための出力回路部4の回路構成を示す。出力回路部4は、記録素子基板1の、複数の発熱抵抗素子105が配列された領域とは異なる領域に設けられうる。
出力回路部4は、差動増幅器41A、41B及び41C、抵抗素子42A及び42B、並びに、電流源43A及び43Bを含む。差動増幅器41Aは、電極104Aの電圧と電極104Cの電圧とを受け取る。より詳細には、差動増幅器41Aの反転入力端子(図中において「-」で示される入力端子)は電極104Cに接続され、非反転入力端子(図中において「+」で示される入力端子)は後述の電流源43Aを介して電極104Aに接続される。また、電極104Cは、所定の電圧に固定されていればよく、本実施形態では接地電圧(0[V])が供給されるものとする。
差動増幅器41Bは、電極104Bの電圧と電極104Cの電圧とを受け取る。より詳細には、差動増幅器41Bの反転入力端子は電極104Cに接続され、非反転入力端子は後述の電流源43Bを介して電極104Bに接続される。また、差動増幅器41Cは、差動増幅器41Aの出力(出力電圧)V41Aと、差動増幅器41Bの出力(出力電圧)V41Bとを受け取る。
抵抗素子42A及び42Bは、温度検出素子102の抵抗成分を分割したものに対応する。より詳細には、抵抗素子42Aは、温度検出素子102の抵抗成分のうち電極104A及び104C間の一部に対応し、また、抵抗素子42Bは、温度検出素子102の抵抗成分のうち電極104B及び104C間の一部に対応する。換言すると、温度検出素子102は、電極104A及び104C間の抵抗成分に対応する抵抗素子42Aと、電極104B及び104C間の抵抗成分に対応する抵抗素子42Bとを含む。抵抗素子42Aは、差動増幅器41Aの反転入力端子と非反転入力端子との間に接続され、電流源43Aは抵抗素子42Aに定電流を供給する。また、抵抗素子42Bは、差動増幅器41Bの反転入力端子と非反転入力端子との間に接続され、電流源43Bは抵抗素子42Bに定電流を供給する。
上述の構成によれば、電極104A及び104C間における温度検出素子102の温度変化(抵抗素子42Aの電気抵抗値の変化)を示す電圧ないし信号が、差動増幅器41Aに入力されることとなる。また、電極104B及び104C間における温度検出素子102の温度変化(抵抗素子42Bの電気抵抗値の変化)を示す電圧ないし信号が、差動増幅器41Bに入力されることとなる。
差動増幅器41Aの出力V41A及び差動増幅器41Bの出力V41Bは、差動増幅器41Cに入力される。これにより、差動増幅器41Cは、出力V41A及びV41Bの大小関係に基づく電圧を出力(出力電圧)V41Cとして出力する。例えば、出力V41Cは、出力V41A及びV41Bの一方が大きい場合には正の電圧となり、他方が大きい場合には負の電圧となり、また、出力V41A及びV41Bが互いに略等しい場合には0[V]となる。
尚、発熱抵抗素子105、温度検出素子102および耐キャビテーション膜107は、平面視において所定の対称性を有するように(線対称または点対称となるように)設けられるとよい。これにより、出力回路部4に形成されうる付随的な成分(寄生容量、寄生抵抗等)が相殺されうる。
図5は、差動増幅器41A及び41Bの出力波形を示しており、図中の横軸は時間軸tを示し、縦軸は出力電圧として、出力V41A及びV41Bを示す。
前述のとおり(図3参照)、液体が適切に吐出された場合(図2(a)の場合)、温度検出結果には前述の変曲点が発生する。尾引114が冷却された状態で中央部115に戻った場合、抵抗素子42A及び42Bの温度は略同時に低下する。出力回路部4においては、出力V41A及びV41Bの何れにも変曲点は発生し、出力V41A及びV41Bは同様の態様で降下する。よって、差動増幅器41Cの出力V41Cは実質的に0[V]となる。
一方、液体が適切に吐出されなかった場合(図2(b)の場合)、温度検出結果には前述の変曲点は発生しない。本実施形態の場合、尾引114は、冷却されていない状態で部分116に戻った場合、出力回路部4においては、出力V41A及びV41Bの何れにも変曲点は発生せず、そして、出力V41A及びV41Bは互いに異なるタイミングで降下する。そのため、差動増幅器41Cの出力V41Cは、絶対値が比較的大きい正または負の電圧を出力することとなる。
即ち、出力V41Cの絶対値が比較的小さい場合(出力V41Cが基準範囲内の場合)、液体が適切に吐出されたと評価することができる。一方、出力V41Cの絶対値が比較的大きい場合、液体は適切に吐出されなかったと評価することができる。また、出力V41Cが正か負かに基づいて、尾引114が中央部115から何れの側に偏った位置に戻ったかを評価することもできる。また更に、出力V41Cの絶対値の大きさ及びそのタイミング(時刻t)に基づいて、尾引114が中央部115からどれだけ離れた位置に戻ったかを評価することもできる。
ここで、本実施形態では、差動増幅器41Cは、出力V41A及びV41Bの大小関係に基づいて正または負の電圧を出力するものとしたが、正の中間電圧を基準電圧ないし参照電圧として、それより大きい/小さい電圧を出力V41Cとして出力してもよい。例えば、差動増幅器41Cには、電源電圧VDDと、接地電圧と、其れらの中間電圧となる基準電圧(VDD/2)とが供給されてもよい。この場合、出力V41Cは、出力V41A及びV41Bの一方が大きい場合にはVDD/2より大きい電圧となり、他方が大きい場合にはVDD/2より小さい電圧となり、また、出力V41A及びV41Bが互いに略等しい場合にはVDD/2となる。
平面視において、電極104Cは、発熱抵抗素子105の外縁よりも内側に位置する必要があるが、電極104A及び104Bは、発熱抵抗素子105の外縁よりも外側に位置するとよい。このような構造によれば、発熱抵抗素子105の直下に無用な放熱の経路が設けられないため、発熱抵抗素子105を駆動して熱エネルギーを発生する際には該熱エネルギーが無用に損なわれず、液体の吐出特性を向上させることができる。
以上、本実施形態によれば、記録素子基板1は、個々の温度検出素子102の両端部にそれぞれ接続された電極104A及び104B、並びに、電極104A及び104B間の電気経路に接続された電極104Cを備える。また、記録素子基板1は、電極104A、104B及び104Cの電位差に基づく信号を出力する出力回路部4を更に備える。このような構成によれば、液体113の吐出の際に尾引114が吐出口111内の何れの位置に戻ったかに基づいて、液体113の吐出態様を高精度に評価可能となる。
吐出態様を判定するための判定部は、例えば、出力回路部4の出力信号を記録素子基板1から受け取り、対応の発熱抵抗素子105による液体の吐出態様を判定することができる。この判定部は、液体吐出ヘッド9を備える液体吐出装置に設けられてもよいし、記録素子基板1に設けられてもよい。
本実施形態では、電極104Aは温度検出素子102の一端部に接続され、また、電極104Bは温度検出素子102の他端部に接続されることとした。例えば、温度検出素子102を平面視にて電極104A及び104Bの何れからも離間する方向に延在させると、無用な熱拡散の発生により、温度の検出精度が低下することが考えられる。よって、温度検出素子102の一端から他端までの距離をL1として、電極104Aは、例えば一端から0.2×L1の位置までの部分の何れかの位置に接続されるとよい。同様に、電極104Bは、例えば他端から0.2×L1の位置までの部分の何れかの位置に接続されるとよい。好ましくは、電極104Aは、一端から0.1×L1の位置までの部分の何れかの位置に接続され、電極104Bは、他端から0.1×L1の位置までの部分の何れかの位置に接続されるとよい。
(第2実施形態)
前述の第1実施形態では、温度検出素子102は平面視にて矩形形状であるものとしたが(図1参照)、温度検出素子102の外形は第1実施形態の例に限られるものではない。例えば、第2実施形態として、温度検出素子102は、電極104A及び104B間において屈曲した外形を有していてもよく、例えば、クランク形状ないしミアンダ形状を有していてもよい。
図6に例示される記録素子基板121においては、温度検出素子102は、一定の幅W1を維持しながら屈曲した外形を形成しており、ここでは4つの屈曲部61を含む。同様に、図7に例示される記録素子基板122においては、温度検出素子102は2つの屈曲部61を含む。
温度検出素子102をこのような形状にすることにより、温度検出素子102の電気抵抗値を大きく設定することが可能となる。その結果、比較的小さい温度変化であっても、それに伴う温度検出素子102の電気抵抗値の変動を大きくすることが可能となる。これにより、電極104A~104C間の電位差が大きくなり、出力回路部4には、より大きい電位差が入力されることとなるため、結果として、温度検出素子102に基づく温度検出を高精度化することが可能となる。
また、一般に、発熱抵抗素子105を発熱させた場合、中央部は周縁部に比べて高温となりうる。本実施形態においては、発熱抵抗素子105の外形は、図中上下方向が長手方向であり且つ図中左右方向が短手方向である長方形形状である。そのため、発熱抵抗素子105の発熱時の温度勾配は、長手方向の方が短手方向に比べて緩やかになりうる。これらのことから、記録素子基板122(図7の例)においては、温度検出素子102は、発熱抵抗素子105の中央部を通り且つ長手方向に沿った形状とした。これにより、尾引114の戻りに伴う温度変化が表れ易くなるため、液体113の吐出態様が更に高精度に評価可能となりうる。
尚、屈曲部61は、基準以上の曲率を有して屈曲した部分であればよく、湾曲した部分をも含みうる。例えば、記録素子基板121は、平面視においてS字形状(或いは、それを反転させた形状)であってもよい。屈曲部61は、湾曲部と称されてもよい。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る記録素子基板1の平面模式図である。本実施形態によれば、温度検出素子102は、屈曲部61を含む他、分岐/合流部81を更に含む。分岐/合流部81は、温度検出素子102の延設方向が2以上に分岐し又は該2以上の分岐が合流する部分を示す。分岐/合流部81は、単に分岐部と称されてもよいし、或いは合流分と称されてもよい。
本実施形態においては、発熱抵抗素子105の外形は、図中上下方向が長手方向であり且つ図中左右方向が短手方向である長方形形状である。本実施形態によれば、多様な方向に温度検出素子102を設置させることが可能となり、尾引114の戻りの位置が中央部115から長手方向および短手方向の何れにシフトしたかを検出可能となる。よって、本実施形態によれば、液体113の吐出態様が更に高精度に評価可能となりうる。
(第4実施形態)
前述のとおり(第2実施形態参照)、一般に、発熱抵抗素子105を発熱させた場合、中央部は周縁部に比べて高温となりうる。一方、前述の第1~第2実施形態の構成においては、電極104Cは発熱抵抗素子105の中央部の下方に位置する。そのため、温度検出素子102から電極104Cを介して、不測の放熱が起こることも考えられる。
図9は、第4実施形態に係る記録素子基板1の平面模式図である。本実施形態においては、電極104Cに代替して電極104C’及び104C”が設けられる。電極104C’及び104C”は、電極104A及び104B間の電気経路における互いに異なる位置に接続される。本実施形態では、電極104C’は、温度検出素子102の中央部より電極104A側に偏った位置に配され、また、電極104C”は、温度検出素子102の中央部より電極104B側に偏った位置に配される。
本実施形態によれば、発熱抵抗素子105を発熱させた際に高温となり易い中央部からの無用な放熱を抑制することが可能となり、尾引114の戻りに伴う温度変化が表れ易くなるため、液体113の吐出態様が更に高精度に評価可能となりうる。
尚、出力回路部4においては、電極104A及び104C”間の電位差が差動増幅器41Aに入力され、また、電極104A及び104C’間の電位差が差動増幅器41Bに入力されればよい。電極104C’及び104C”は、何れも所定の電圧に固定されていればよく、本実施形態では接地電圧が供給されるものとする。
(第5実施形態)
前述の第1実施形態では、電極104Cに対して2つのコンタクトプラグ103が設けられた。また、第1実施形態の構成においては、其れら2つのコンタクトプラグ103は発熱抵抗素子105の中央部の下方に位置するため、温度検出素子102から該2つのコンタクトプラグ103を介して電極104Cに、不測の放熱が起こることも考えられる。
図10は、第5実施形態に係る記録素子基板1の平面模式図である。本実施形態においては、電極104Cに対して単一のコンタクトプラグ103が設けられる。このような構成によれば、放熱経路が少なくすることが可能となり、発熱抵抗素子105を発熱させた際に高温となり易い中央部からの無用な放熱を抑制することが可能となる。これにより、尾引114の戻りに伴う温度変化が表れ易くなるため、液体113の吐出態様が更に高精度に評価可能となりうる。
以上では、発明を説明するための幾つかの好適な例として第1~第5実施形態が示されたが、其れらの内容は、趣旨を逸脱しないで変形可能であるし、また、相互に組合せが可能である。
(その他)
実施形態で例示された液体吐出ヘッド9は、インクジェットプリンタ等に代表される液体吐出装置に設けられる。インクジェットプリンタは、記録機能のみを有するシングルファンクションプリンタであっても良いし、記録機能、FAX機能、スキャナ機能等の複数の機能を有するマルチファンクションプリンタであっても良い。また、例えば、カラーフィルタ、電子デバイス、光学デバイス、微小構造物等を所定の記録方式で製造するための製造装置であっても良い。この観点で、液体吐出装置は、記録装置、画像形成装置等と換言されてもよい。同様の趣旨で、液体吐出ヘッド9は、記録ヘッドあるいは単にヘッド等と換言されてもよい。
上記「記録」は広く解釈されるべきものである。従って、「記録」の態様は、記録媒体上に形成される対象が文字、図形等の有意の情報であるか否かを問わないし、また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わない。
液体吐出ヘッド9による液体の付与対象は記録媒体とも称されうるが、この「記録媒体」は、上記「記録」同様広く解釈されるべきものである。従って、「記録媒体」の概念は、一般的に用いられる紙の他、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、樹脂、木材、皮革等、インクを受容可能な如何なる部材をも含みうる。
また、液体の典型例としてはインクが挙げられる。なお、この「液体」の概念は、記録媒体上に付与されることによって画像、模様、パターン等を形成する液体の他、記録媒体の加工、インクの処理(例えば、記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)等に供され得る付随的な液体をも含みうる。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:記録素子基板、102:温度検出素子、105:発熱抵抗素子、104A:第1電極、104B:第2電極、104C:第3電極、4:出力回路部。

Claims (10)

  1. 所定方向に配列された複数の発熱抵抗素子と、前記複数の発熱抵抗素子の温度をそれぞれ検出するための複数の温度検出素子と、を備える記録素子基板であって、
    前記複数の温度検出素子は、平面視において前記複数の発熱抵抗素子とそれぞれ重なるように配列されており、
    前記記録素子基板は、
    個々の温度検出素子の一端部に接続された第1電極と、
    個々の温度検出素子の他端部に接続された第2電極と、
    個々の温度検出素子において前記第1電極と前記第2電極と間の電気経路に接続された第3電極と、
    前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極の電位差に基づく信号を出力する出力回路部と、
    を備える
    ことを特徴とする記録素子基板。
  2. 前記第3電極には接地電圧が供給される
    ことを特徴とする請求項1記載の記録素子基板。
  3. 前記第3電極は複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の記録素子基板。
  4. 平面視において、個々の温度検出素子は、前記第1電極と前記第2電極と間において屈曲した外形を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項記載の記録素子基板。
  5. 個々の温度検出素子は、イリジウム、タンタル、チタン、タングステン、シリコン、窒化チタン、窒化タンタルシリコンおよび窒化タングステンシリコンの少なくとも1つにより構成された金属膜である
    ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項記載の記録素子基板。
  6. 前記記録素子基板は、個々の発熱抵抗素子の発熱により液体と吐出可能な液体吐出ヘッドに設けられ、
    或る発熱抵抗素子を第1の発熱抵抗素子とし、前記第1の発熱抵抗素子に対応する温度検出素子を第1の温度検出素子として、
    前記出力回路部は、前記第1の温度検出素子の前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極の電位差に基づく信号を第1の信号として出力し、
    前記記録素子基板は、前記第1の発熱抵抗素子による液体の吐出態様を前記第1の信号に基づいて判定する判定部を更に備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項記載の記録素子基板。
  7. 前記出力回路部は、
    前記第1電極の電圧と前記第3電極の電圧とを受け取る第1の差動増幅器と、
    前記第2電極の電圧と前記第3電極の電圧とを受け取る第2の差動増幅器と、
    前記第1の差動増幅器の出力と前記第2の差動増幅器の出力とを受け取る第3の差動増幅器と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項記載の記録素子基板。
  8. 前記温度検出素子は、
    前記第1の差動増幅器の反転入力端子と非反転入力端子との間に接続された第1の抵抗素子と、
    前記第2の差動増幅器の反転入力端子と非反転入力端子との間に接続された第2の抵抗素子と、
    を含み、
    前記出力回路部は、
    前記第1の抵抗素子に定電流を供給するための第1の電流源と、
    前記第2の抵抗素子に定電流を供給するための第2の電流源と、
    を更に含む
    ことを特徴とする請求項7記載の記録素子基板。
  9. 平面視において、前記第1電極及び前記第2電極は前記発熱抵抗素子の外縁よりも外側に位置する
    ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項記載の記録素子基板。
  10. 請求項1から請求項9の何れか1項記載の記録素子基板と、
    個々の発熱抵抗素子の発熱により液体と吐出可能な液体吐出ヘッドと、を備える
    ことを特徴とする液体吐出装置。
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