JP2009066861A - インクジェット記録ヘッド及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッド温度の検出精度をさらに向上させる。
【解決手段】インクの吐出に利用される熱エネルギーを発生する複数の発熱素子15が設けられた基板11を有する。この基板11には、発熱素子15に電気信号を供給するための配線25e、25f、発熱素子15に対応して設けられた吐出口14、吐出口14に連通するインク流路13が設けられている。また、インク流路13に連通する共通液室12及び該基板11の温度を検出するための温度検出素子17が設けられている。基板11の複数の発熱素子15の近傍から温度検出素子17に亘って、基板11よりも熱伝導率の高い熱伝導層16が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】インクの吐出に利用される熱エネルギーを発生する複数の発熱素子15が設けられた基板11を有する。この基板11には、発熱素子15に電気信号を供給するための配線25e、25f、発熱素子15に対応して設けられた吐出口14、吐出口14に連通するインク流路13が設けられている。また、インク流路13に連通する共通液室12及び該基板11の温度を検出するための温度検出素子17が設けられている。基板11の複数の発熱素子15の近傍から温度検出素子17に亘って、基板11よりも熱伝導率の高い熱伝導層16が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェット記録ヘッド及び該ヘッドを備えた記録装置に関するものである
特許文献1や特許文献2に記載されているインクジェット記録方式は、高速、高密度で高精度、高画質の記録が可能で、かつ、カラー化、コンパクト化に適しており、近年特に注目を集めている。この方式を用いる代表的な記録装置は、熱エネルギーによって記録液体等(以下「インク」という。)を吐出させるインクジェット記録ヘッドを備えている。そして、かかるインクジェット記録ヘッドには、インクに熱を作用させる熱作用部が設けられている。
図9は、上記熱作用部の電気熱変換体近傍の模式的平面図であり、図10は図9のX2−X'2断面図である。
図10の符号21はSi基板、22はSiO2の第一の蓄熱層、23はSiO2の第二の蓄熱層を示している。また、符号24は、電気熱変換体(発熱素子)を構成する発熱抵抗体(TaN層)を示し、符号24cはヒーター部を示している。また、符号25e、25fはAl配線、26は保護層(SiN層)、27は耐蝕層(Ta層)、29はインク流路29の熱作用面をそれぞれ示している。すなわち、インク流路29に対応して、一対のAl配線25e、25fと、これらのAl配線25e、25fに接続され、Al配線25e、25f間の領域に熱を発生させる発熱抵抗体24と、を有する発熱素子が設けられている。そして、発熱素子のヒーター部24cから発生した熱エネルギーによって熱作用面のインクを急激に加熱発泡させ、この発泡によってインクを吐出させる。
ここで、インクの吐出は、環境温度の変化によって、大きな影響を受ける。すなわち、環境温度が高いときには、同一の駆動条件下でもインクの粘度が小さくなり、インクが飛び出しやすくなって吐出するインクの量が増加する。一方、環境温度が低いときには、インクの粘度が大きくなり、上記と逆の現象が発生する。この結果、環境温度の変化に起因する画質変化を抑制するためには、常に記録ヘッドの温度を検出し、記録ヘッド自体の温度を制御してやる必要がある。さらに、ヒーター部にインクが供給されなくなった状態のまま記録ヘッドを駆動させると、インクによる冷却効果が得られず、記録ヘッドが過熱して壊れてしまうという問題がある。このため記録ヘッドの温度が異常に上昇した時、その温度を検出し、駆動を停止させる必要がある。この点からも、記録ヘッドの温度を検出するためのセンサーを設けることが不可欠である。
さらに、センサーによる温度検出の精度を上げるためには、該センサーを記録ヘッド基板のなるべく近くに配置することが望ましく、記録ヘッド基板上の熱源になるべく近い方がさらに望ましい。以上のような理由から、発熱素子の形成時に、温度検知用のセンサーを記録ヘッド基板に作り込む方法が一般的にとられている。
従来、上記のような温度検知用センサーとしては、例えば、記録ヘッド基板(Si基板)内に不純物を拡散させて形成した抵抗体が知られている。具体的には、上記のようにして形成した抵抗体の抵抗値は温度によって変化するので、抵抗値の変化に基づいて温度変化を検出することができる。また、集積回路形成時の不純物をドープさせたポリシリコン、あるいは、基板内に形成したダイオードもセンサーとして利用できることが知られている。
米国特許第4,723,129号明細書
米国特許第4,740,796号明細書
しかしながら、記録ヘッド基板上には複数の発熱素子が形成されている。従って、相対的に温度センサーに近い発熱素子と、遠い発熱素子が存在する。従って、温度センサーに近い発熱素子から発生した熱による温度上昇は正確に検出されるが、遠い発熱素子から発生した熱による温度上昇の検出精度は相対的に低下する。すなわち、温度センサーから離れた発熱素子から発生した熱が温度センサーに伝導するまでの熱経路は、温度センサーに近い発熱素子から発生した熱が温度センサーに伝導するまでの熱経路に比べて長い。この結果、2つの発熱素子の発熱量が同一であって、それぞれの発熱素子の周囲における温度上昇も同一であっても、温度センサーの検出結果は異なる。また、本件発明者らの実験では、記録ヘッドの駆動中に記録ヘッド基板内で温度勾配が生じ、記録品位が低下することが確認されている。
上記問題点を解決して、良好な記録品位を維持するためには、記録ヘッド基板全域における温度変化を迅速、かつ、高精度で検出する必要がある。しかし、温度センサーを複数設けることによって上記問題を解決することは、コスト面や実装面積の制限などの理由から困難である。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、記録ヘッド基板の温度検出の精度を向上させることである。
本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクの吐出に利用される熱エネルギーを発生する複数の発熱素子が設けられた基板を有する。この基板には、発熱素子に電気信号を供給するための配線、発熱素子に対応して設けられた複数の吐出口、各吐出口に連通するインク流路、各インク流路に連通する共通液室及び該基板の温度を検出するための温度検出素子が設けられている。さらに、基板の複数の発熱素子の形成領域又は該領域に隣接領域から温度検出素子の形成領域に亘って、基板よりも熱伝導率の高い金属層が形成されている。
本発明によれば、発熱素子から発生した熱が熱伝導層を介してヘッド全体に素早く熱伝導するので、ヘッド温度の検出精度や検出結果に基づく応答性が向上する。
(実施形態1)
図1(a)及び図1(b)は、本発明インクジェット記録ヘッドの底面を示す模式的平面図である。ここで、インクジェット記録ヘッドの底面とは、インクが吐出される吐出口14が開口されている面を意味する。また、図1(b)は、図1(a)のA−A’断面図である。
図1(a)及び図1(b)は、本発明インクジェット記録ヘッドの底面を示す模式的平面図である。ここで、インクジェット記録ヘッドの底面とは、インクが吐出される吐出口14が開口されている面を意味する。また、図1(b)は、図1(a)のA−A’断面図である。
本例のインクジェット記録ヘッドを構成する主要部材である記録ヘッド基板11には、スリット状の共通液室12が一つ設けられている。共通液室12の両側には、その長辺に沿って、インクの吐出に利用される熱エネルギーを発生する複数の電気熱変換体(発熱素子15)が一列に配列されている。また、各発熱素子15に対応して、一組の吐出口14とインク流路13とが形成されている。吐出口14とインク流路13とは対をなしており、吐出口14は対応するインク流路13を介して共通液室12に連通している。
ここで、図1(a)(b)中に符号16で示されている層は、熱伝導層であって、本発明の金属層に相当する。また、符号17で示されている層は拡散層であって、温度検出素子として機能する。さらに、符号18は、吐出口14を備えた樹脂プレートを示している。尚、図1では集積回路部の図示は省略されている。
図2は、本例のインクジェット記録ヘッドの構造をさらに詳しく示す断面図である。図中の符号11aはSi基板、22はSiO2の第一の蓄熱層、23はSiO2の第2の蓄熱層をそれぞれ示している。また、符号24は、発熱素子15を構成する発熱抵抗体層、24cはヒーター部を示している。尚、発熱抵抗体層24はTaNによって形成されている。符号25e、25fは発熱素子その他に電気信号を供給するためのAl配線を示している。また、符号26は、保護層(SiN層)、27は耐蝕層(Ta層)、29は熱作用面、30は集積回路部をそれぞれ示している。
以下、順を追って記録ヘッド基板11の作成手順について説明する。まず、Si基板11aに、P型、N型の不純物をイオン注入及び熱拡散法によって導入し、P型、N型の拡散層を形成する。拡散層は、Bip素子、Mos素子、BiCMos集積回路、或はCMos集積回路のいずれかを形成するための一般的な既知の方法によって形成することができる。尚、図中では、細い拡散層や段差などの構成は省略する。
上記P型拡散層を形成する際に、集積回路部30の形成と同時に、該集積回路部30と後に形成される発熱抵抗体層24との間の層に、温度検出素子として機能する拡散層17を形成する。ここでは、シート抵抗約100Ω/D、幅50μm、長さ200μmのサイズでヒーター列の一方側に配置した(図1参照)。
その後、集積回路部30よりも積層方向上位に形成された拡散層17よりもさらに上位に発熱抵抗体層24を形成する。具体的には、スパッタ法により、TaNを600Å、Alを5000Åの厚さに堆積させ、フォトリソグラフィによるパターニングによって、発熱抵抗体層24とAl配線25e、25fを形成する。この際、下地となる拡散層17或は集積回路部30との間には、第一の蓄熱層22及び第二の蓄熱層23が予め形成されており、電気的絶縁層として機能する。よって、集積回路部30とAl配線25e或は25fとの接続は、第一の蓄熱層22或は第二の蓄熱層23に設けられたスルーホールを介して行われる。
次にCVD法によって保護層26を1μmの厚さに形成し、さらにスパッタ法によって耐蝕層27を2300Åの厚さに形成し、フォトリソグラフィによるパターニングを行って、所定の部分の耐蝕層27と電極パッド部の保護層26を除去する。
熱伝導層16は、発熱素子15の形成領域に隣接する領域から温度検出素子17の形成領域に亘って形成してある。すなわち、熱伝導層16としてき機能する金属層の少なくとも一部は、電気的絶縁層を介して発熱素子15と重なり、少なくとも他の一部は、電気的絶縁層を介して温度検出素子17と重なっている。熱伝導層16は、Si基板11aの材料である単結晶シリコン、電気的絶縁層(第一、第二の蓄熱層22、23)の成膜材料である窒化珪素や酸化珪素よりも熱伝導率の高い金属を用いた形成した。本例では、アルミニウムによって熱伝導層16を形成した。アルミニウムの熱伝導率は、約240[W/m・K]であり、単結晶シリコンの熱伝導率は約150[W/m・K]である。アルミニウムの他に、金(熱伝導率約320[W/m・K])や銀(熱伝導率約430[W/m・K])あるいは銅(熱伝導率約400[W/m・K])などを用いてもよい。また、プラチナを用いてもよい。さらには、これらの合金、例えば、アルミニウム-銅合金などの熱伝導性の良好な材料を用いてもよい。
この記録ヘッド基板11を用いて、インクジェット記録ヘッドを作成し、その記録ヘッドを記録装置に搭載して駆動させた。発熱素子列において発生した熱は熱伝導層16によって記録ヘッド基板11全体に迅速に熱伝導されるとともに、記録ヘッド基板11の外周部に設けられている拡散層(温度検出素子)17によって、瞬間的に上昇したヘッド温度が精度良く検出された。さらに従来のインクジェット記録ヘッドよりも高い放熱効果が得られることも確認された。尚、詳しい説明は省略するが、本例のインクジェット記録ヘッドには、温度検出素子17の検出結果に基づいて、発熱素子15を制御する制御手段が設けられている。この制御手段は、インクジェット記録ヘッドが搭載される記録装置側に設けることもできる。
(実施形態2)
図3に本発明のインクジェット記録ヘッドの実施形態の他例を示す。もっとも、本例のインクジェット記録ヘッドの基本構成は、実施形態1のインクジェット記録ヘッドと共通であり、共通する構成については同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
(実施形態2)
図3に本発明のインクジェット記録ヘッドの実施形態の他例を示す。もっとも、本例のインクジェット記録ヘッドの基本構成は、実施形態1のインクジェット記録ヘッドと共通であり、共通する構成については同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
図3(a)は、本発明インクジェット記録ヘッドの底面を示す模式的平面図である。また、図3(b)は、同図(a)B−B’断面図である。
本例のインクジェット記録ヘッドを構成する主要部材である記録ヘッド基板11には、スリット状の共通液室12が三つ設けられている。各共通液室12の両側には、その長辺に沿って発熱素子15が一列に配列されている。また、各発熱素子15に対応して、一組の吐出口14とインク流路13とが形成されている。吐出口14とインク流路13とは対をなしており、吐出口14は対応するインク流路13を介して共通液室12に連通している。以下の説明では、中央の共通液室12に沿って配置された発熱素子15が形成する発熱素子列を「第II発熱素子列」、両端の共通液室12に沿って配置された発熱素子15が
形成する発熱素子列を「第I発熱素子列」と呼んで区別する。もっとも、かかる区別は説
明の便宜上の区別に過ぎない。
形成する発熱素子列を「第I発熱素子列」と呼んで区別する。もっとも、かかる区別は説
明の便宜上の区別に過ぎない。
拡散層(温度検出素子)17は、中央の共通液室12の長手方向一方側に配置されている。そして、熱伝導層16は、各発熱素子列の形成領域から温度検出素子17の形成領域に亘って、記録ヘッド基板底面の略全面に形成されている。
ここで、第II発熱素子列は、2つの第I発熱素子列に比べて、温度検出素子17の近く
に配置されている。従って、第I発熱素子列から発生した熱が温度検出素子17に伝わる
までの熱経路は、第II発熱素子列から発生した熱が温度検出素子17に伝わるまで熱経路
に比べて長い。しかし、これら熱経路には熱伝導層16が形成されているので、第I発熱
素子列から発生した熱が温度検出素子17に伝わるのに要する時間t1と、第II発熱素子
列から発生した熱が温度検出素子17に伝わるのに要する時間t2とは略同一である。換言すれば、図4に示すように、発熱素子15から発生した熱が温度検出素子17に伝わるまでの間の温度低下は、第I発熱素子列についても、第II発熱素子列についても大差はな
い。
に配置されている。従って、第I発熱素子列から発生した熱が温度検出素子17に伝わる
までの熱経路は、第II発熱素子列から発生した熱が温度検出素子17に伝わるまで熱経路
に比べて長い。しかし、これら熱経路には熱伝導層16が形成されているので、第I発熱
素子列から発生した熱が温度検出素子17に伝わるのに要する時間t1と、第II発熱素子
列から発生した熱が温度検出素子17に伝わるのに要する時間t2とは略同一である。換言すれば、図4に示すように、発熱素子15から発生した熱が温度検出素子17に伝わるまでの間の温度低下は、第I発熱素子列についても、第II発熱素子列についても大差はな
い。
一方、熱伝導層を備えていない従来のインクジェット記録ヘッドにおいても、温度検出素子に比較的近い第II発熱素子列から発生した熱はあまり温度低下することなく温度検出
素子まで伝わる。しかし、温度検出素子から比較的離れている第I発熱素子列から発生し
た熱の温度は、温度検出素子に伝わるまでの間に大きく低下してしまう(図5参照)。要するに、発熱素子から発生した熱の、温度検出素子に伝わるまでの間における温度低下が、第I発熱素子列と第II発熱素子列とで大きく異なる。
素子まで伝わる。しかし、温度検出素子から比較的離れている第I発熱素子列から発生し
た熱の温度は、温度検出素子に伝わるまでの間に大きく低下してしまう(図5参照)。要するに、発熱素子から発生した熱の、温度検出素子に伝わるまでの間における温度低下が、第I発熱素子列と第II発熱素子列とで大きく異なる。
実際に本例のインクジェット記録ヘッドを駆動させたところ、各発熱素子列の周囲における瞬間的な温度上昇が温度検出素子17によって精度良く検出された。すなわち、一つに基板上に複数の共通液室と発熱素子列とが形成されている場合であっても、発熱素子列の位置に拘らず、ヘッド温度の変化が精度良く検出された。さらに従来のインクジェット記録ヘッドに比べて放熱効果が向上することも確認された。
(実施形態3)
図6に本発明のインクジェット記録ヘッドの実施形態の他例を示す。もっとも、本例のインクジェット記録ヘッドの基本構成は、実施形態1のインクジェット記録ヘッドと共通であり、共通する構成については同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
(実施形態3)
図6に本発明のインクジェット記録ヘッドの実施形態の他例を示す。もっとも、本例のインクジェット記録ヘッドの基本構成は、実施形態1のインクジェット記録ヘッドと共通であり、共通する構成については同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
図6(a)は、本発明インクジェット記録ヘッドの底面を示す模式的平面図である。また、図6(b)は、同図(a)C−C’断面図である。
本例のインクジェット記録ヘッドを構成する主要部材である記録ヘッド基板11には、スリット状の共通液室12が三つ設けられている。各共通液室12の両側には、その長辺に沿って発熱素子15が一列に配列されている。また、各発熱素子15に対応して、一組の吐出口14とインク流路13とが形成されている。吐出口14とインク流路13とは対をなしており、吐出口14は対応するインク流路13を介して共通液室12に連通している。以下の説明では、中央の共通液室12に沿って配置された複数の発熱素子15が形成する発熱素子列を「第II発熱素子列」、両端の共通液室12に沿って配置された発熱素子
15が形成する発熱素子列を「第I発熱素子列」と呼んで区別する。もっとも、かかる区
別は説明の便宜上の区別に過ぎない。
15が形成する発熱素子列を「第I発熱素子列」と呼んで区別する。もっとも、かかる区
別は説明の便宜上の区別に過ぎない。
拡散層(温度検出素子)17は、中央の共通液室12の長手方向一方側に配置されている。そして、熱伝導層16は、各発熱素子列の近傍から温度検出素子17に亘って、記録ヘッド基板底面の略全域に形成されている。
図7は、本例のインクジェット記録ヘッドの構造をさらに詳しく示す断面図である。図中の符号11aはSi基板、22はSiO2の第一の蓄熱層、23はSiO2の第2の蓄熱層をそれぞれ示している。また、符号24は、発熱素子15を構成する発熱抵抗体層、24cはヒーター部を示している。尚、発熱抵抗体層24はTaNによって形成されている。符号25e、25fはAl配線を示している。また、符号26は、保護層(SiN層)、27は耐蝕層(Ta層)、29は熱作用面、30は集積回路部をそれぞれ示している。
図7と図2を比較すると理解できるように、本例のインクジェット記録ヘッドでは、電気的絶縁層(第二の蓄熱層23)を介して熱伝導層16が発熱素子15の下にまで配置されている。より詳しくは、熱伝導層16が発熱素子15のヒーター部24cの下にまで配置されている。
一般に、移動する熱量はフーリエの法則に従い接触面積と温度差に比例し、伝わる距離に反比例する。即ち、単位時間Δtの間に移動する熱量ΔQは、下記数式によって表され
る。
る。
ここでは、接触面積をA、熱が伝わる距離をa、温度差をThigh−Tlowとした。本例では、厚さ1μm程度の第二の蓄熱層23(薄い酸化珪素絶縁膜)を介してヒーター部24cの直下にアルミニウムからなる熱伝導層16が形成されている。よって、ヒーター部24cの面積がそのまま接触面積Aとなり、伝わる距離aはごく短い。従って、上記実施形態のインクジェット記録ヘッドと比べて、発熱素子15(ヒーター部24c)から熱伝導層16へ移動する単位時間あたりの熱量が大きい。
実際に本例のインクジェット記録ヘッドを駆動させたところ、各発熱素子列の周囲における瞬間的な温度上昇が温度検出素子17によってさらに精度良く検出された。
(実施形態4)
図8に本発明のインクジェット記録ヘッドの実施形態の他例を示す。もっとも、本例のインクジェット記録ヘッドの基本構成は、実施形態1のインクジェット記録ヘッドと共通であり、共通する構成については同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
(実施形態4)
図8に本発明のインクジェット記録ヘッドの実施形態の他例を示す。もっとも、本例のインクジェット記録ヘッドの基本構成は、実施形態1のインクジェット記録ヘッドと共通であり、共通する構成については同一の符号を用いて適宜説明を省略する。
図8と図7を比較すれば理解できるように、本例のインクジェット記録ヘッドでは、発熱抵抗体層24に重ねられている保護層27の上に熱伝導層16が重ねられている。さらに、温度検出素子17と熱伝導層16とが重なっている領域では、両者を電気的に絶縁している蓄熱層が他の領域に比べて薄くなっている。ここで、本例の蓄熱層は、第一及び第二の蓄熱層22、23によって構成されている。よって、蓄熱層を部分的に薄くするためには、第一及び第二の蓄熱層22、23の双方の膜厚を部分的に薄くする方法、いずれか一方の膜厚を部分的に薄くする方法、いずれか一方を部分的に省略する方法がある。本例では、温度検出素子17と熱伝導層16とが重なっている領域の第二の蓄熱層23を省略して蓄熱層を薄くした。
本例では発熱抵抗体層24に重ねられている保護層27と重なっている熱伝導層16が、厚さ5000Å程度の第一の蓄熱層22(薄い酸化珪素絶縁膜)のみを介して温度検出素子17と重なっている。従って、上記実施形態のインクジェット記録ヘッドと比べて、発熱素子15(ヒーター部24c)から熱伝導層16へ移動する単位時間あたりの熱量が大きい。
実際に本例のインクジェット記録ヘッドを駆動させたところ、各発熱素子列の周囲における瞬間的な温度上昇が温度検出素子17によってさらに精度良く検出された。
11 記録ヘッド基板
12 共通液室
13 インク流路
14 吐出口
15 発熱素子
16 熱伝導層
17 拡散層(温度検出素子)
25e、25f Al配線
12 共通液室
13 インク流路
14 吐出口
15 発熱素子
16 熱伝導層
17 拡散層(温度検出素子)
25e、25f Al配線
Claims (7)
- インクの吐出に利用される熱エネルギーを発生する複数の発熱素子が設けられた基板に、前記発熱素子に電気信号を供給するための配線、前記複数の発熱素子のそれぞれに対応して設けられた複数の吐出口、前記複数の吐出口のそれぞれに連通するインク流路、前記複数のインク流路に連通する共通液室、及び該基板の温度を検出するための温度検出素子が設けられたインクジェット記録ヘッドであって、
前記基板の前記複数の発熱素子の形成領域又は該領域に隣接する領域から前記温度検出素子の形成領域に亘って、前記基板よりも熱伝導率の高い金属層が形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記金属層の少なくとも一部は、電気的絶縁層を介して前記発熱素子と重なり、少なくとも他の一部は、前記電気的絶縁層を介して前記温度検出素子と重なっていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記電気的絶縁層の、前記温度検出素子と重なる領域の厚みが、他の領域の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記金属層の一部は、前記発熱素子に重ねられている保護層と重なっていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記金属層が、金、銀、プラチナ、アルミニウム或は銅又はこれらの合金によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記温度検出素子の検出結果に基づいて、前記発熱素子を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドを備えた記録装置。
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WO2015094161A1 (en) * | 2013-12-16 | 2015-06-25 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Printhead with plurality of fluid slots |
JP2016538168A (ja) * | 2013-11-26 | 2016-12-08 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.Hewlett‐Packard Development Company, L.P. | 片側温度センサーを有する流体噴射装置 |
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2007
- 2007-09-12 JP JP2007236804A patent/JP2009066861A/ja active Pending
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