JP2022103957A - フィルターユニット、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】気泡によってフィルターの有効面積が減少するのを抑制したフィルターユニット、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
【解決手段】液体が通過するフィルターFと、前記フィルターFによって上流室101と下流室102とに区画されたフィルター室100と、前記上流室101に液体を流入する流入路103と、前記下流室102から液体を流出する第1流出路104と、前記流入路103から前記第1流出路104へ向かって流れる液体の流動方向である-Y方向において、前記第1流出路104と前記流入路103との間に配置され、前記上流室101内で前記流動方向である-Y方向への気泡の移動を阻害する阻害部である第1リブ33と、を備える。
【選択図】図4
【解決手段】液体が通過するフィルターFと、前記フィルターFによって上流室101と下流室102とに区画されたフィルター室100と、前記上流室101に液体を流入する流入路103と、前記下流室102から液体を流出する第1流出路104と、前記流入路103から前記第1流出路104へ向かって流れる液体の流動方向である-Y方向において、前記第1流出路104と前記流入路103との間に配置され、前記上流室101内で前記流動方向である-Y方向への気泡の移動を阻害する阻害部である第1リブ33と、を備える。
【選択図】図4
Description
本発明は、フィルターユニット、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクが流通するフィルターユニット、インクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
インクジェット式プリンターやプロッター等のインクジェット式記録装置に代表される液体噴射装置は、カートリッジやタンク等の液体貯留部に貯留されたインクなどの液体を液滴として噴射可能なノズルを有する。液体貯留部からノズルまでの間には、フィルターが配置されたフィルター室を含む流路を有するフィルターユニットが設けられている。
フィルターユニットは、フィルター室をフィルターによって上流室と下流室とに区分けしており、上流室の液体に含まれる気泡やゴミなどの異物をフィルターによって除去して下流室に流動させる。このようなフィルターユニットには、フィルター室の上流室に液体を流入させる流入路と、フィルター室の下流室から液体を流出させる流出路と、が設けられている。流入路のフィルター室への開口である流入口はフィルターの面方向において一方側に配置され、流出路のフィルター室への開口である流出口はフィルターの面方向において他方側に配置された構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、フィルター室における液体の流れは、流入口から流出口に向かって生じるため、上流室内に生じた気泡が側壁に押しつけられて気泡が変形し、気泡がフィルターを塞いでフィルターの有効面積が減少するという問題がある。
なお、このような問題は、インクが流動するフィルターユニット、インクを噴射するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に限定されず、インク以外の液体が流動するフィルターユニット、液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置においても同様に存在する。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体が通過するフィルターと、前記フィルターによって上流室と下流室とに区画されたフィルター室と、前記上流室に液体を流入する流入路と、前記下流室から液体を流出する第1流出路と、前記流入路から前記第1流出路へ向かって流れる液体の流動方向において、前記第1流出路と前記流入路との間に配置され、前記上流室内で前記流動方向への気泡の移動を阻害する阻害部と、を備えることを特徴とするフィルターユニットにある。
また、本発明の他の態様は、上記記載のフィルターユニットと、前記フィルターユニットから供給された液体を噴射するノズルと、を備えることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
また、本実施形態の他の態様は、上記記載のフィルターユニットと、前記フィルターユニットから供給された液体を噴射するノズルと、前記ノズルへ液体を供給する液体を貯留する液体貯留部と、を備えることを特徴とする液体噴射装置にある。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本発明の一態様を示すものであって、本発明の範囲内で任意に変更可能である。各図において同じ符号を付したものは、同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。また、各図においてX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX方向、Y方向、及びZ方向とする。各図の矢印が向かう方向を正(+)方向、矢印の反対方向を負(-)方向として説明する。また、正方向及び負方向を限定しない3つのX、Y、Zの空間軸については、X軸、Y軸、Z軸として説明する。また、Z軸は、鉛直方向(別称、重力方向ともいう)を示し、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直方向上向きを示す。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録装置1の概略構成を示す図である。図2は、インクジェット式記録ヘッド2の概略構成を示す図である。
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録装置1の概略構成を示す図である。図2は、インクジェット式記録ヘッド2の概略構成を示す図である。
図1に示すように本実施形態の「液体噴射装置」の一例であるインクジェット式記録装置1は、液体の一種であるインクをインク滴として印刷用紙等の媒体Sに噴射・着弾させて、当該媒体Sに形成されるドットの配列により画像等の印刷を行う印刷装置である。なお、媒体Sとしては、記録用紙の他、樹脂フィルムや布等の任意の材質を用いることができる。
インクジェット式記録装置1は、インクジェット式記録ヘッド2(以下、単に記録ヘッド2とも称する)と、カートリッジ3と、媒体Sを送り出す搬送機構4と、制御部である制御ユニット5と、移動機構6と、を具備する。
記録ヘッド2は、「液体噴射ヘッド」の一例であり、図2に示すように、+Z方向側の面にノズル11が設けられた噴射面12を有する。また、記録ヘッド2は、噴射面12が鉛直方向であるZ軸に直交する水平面、すなわち、X軸とY軸とで定めるXY平面に沿った方向となるように配置されている。
移動機構6は、図1に示すように、制御ユニット5によって制御されて記録ヘッド2をX軸に沿って+X方向及び-X方向に往復させるものであり、移動機構6によって記録ヘッド2が往復する+X方向及び-X方向は、媒体Sが搬送される-Y方向又は+Y方向に交差する方向である。
本実施形態の移動機構6は、搬送体6aと搬送ベルト6bとを具備する。搬送体6aは、記録ヘッド2を収容する略箱形の構造体、所謂、キャリッジであり、搬送ベルト6bに固定される。搬送ベルト6bは、X軸に沿って架設された無端ベルトである。制御ユニット5による制御のもとで搬送ベルト6bが回転することで記録ヘッド2が搬送体6aと共にX軸に沿って+X方向及び-X方向に往復移動する。
カートリッジ3は、ノズル11へ供給する「液体」であるインクを貯留する「液体貯留部」の一例であり、記録ヘッド2から噴射される複数種類(例えば、複数色)のインクを個別に貯留する。このカートリッジ3は、記録ヘッド2と共に移動機構6の搬送体6aに搭載されており、カートリッジ3は記録ヘッド2に着脱可能となっている。なお、「液体貯留部」は、カートリッジ3に限定されず、例えば、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、インクを補充可能なインクタンクなどが挙げられる。また、「液体貯留部」は、搬送体6aに搭載されるものに限定されず、搬送体6aに搭載されずに装置本体に固定されて、記録ヘッド2とチューブ等の流路を介して接続されたものであってもよい。なお、本実施形態では、色や種類の異なる複数種類のインクに対応して複数のカートリッジ3が設けられているが、図1及び図2では、複数のカートリッジ3をまとめて一つに図示している。
搬送機構4は、制御ユニット5によって制御されて媒体Sを-X方向又は+X方向に搬送する「搬送部」の一例であり、例えば、搬送ローラー4aを有する。なお、媒体Sを搬送する搬送機構4は、搬送ローラー4aに限らず、ベルトやドラムによって媒体Sを搬送するものであってもよい。
制御ユニット5は、特に図示していないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の制御装置と半導体メモリー等の記憶装置とを含んで構成される。制御ユニット5は、記憶装置に記憶されたプログラムを制御装置が実行することでインクジェット式記録装置1の各要素、すなわち、搬送機構4、移動機構6、記録ヘッド2等を統括的に制御する。
また、記録ヘッド2の移動方向であるX軸に沿った方向の一方側、本実施形態では、+X方向側には、記録ヘッド2の噴射面12を払拭する払拭部材としてのワイパー7が配設されている。ワイパー7は、例えばゴムやエラストマー等の弾性・可撓性を有する部材により構成される。ワイピング動作では、ワイパー7の先端部が噴射面12に接触した状態で両者が相対移動することにより当該ワイパー7によって噴射面12が払拭される。なお、噴射面12を払拭する機構としては、例えば、不織布等のシート状のワイパーにより払拭する構成のもの等、周知の種々の構成のものを採用することができる。
また、記録ヘッド2の待機位置(別称、ホームポジションとも言う)である+X方向側には、上記ワイパー7に隣接してキャップ8が配設されている。キャップ8は、記録ヘッド2の噴射面12に当接可能なトレイ状に形成されている。このキャップ8では、キャップ8内の空間が封止空部として機能し、この封止空部内に記録ヘッド2のノズル11を臨ませた状態で噴射面12に密着可能に構成されている。また、このキャップ8には、図示しないチューブを介してポンプが接続されており、このポンプの駆動によってキャップ8の封止空部内を負圧化して、記録ヘッド2内のインクをノズル11から吸引することができる。
このようなインクジェット式記録装置1では、記録ヘッド2は、カートリッジ3から供給されたインクを制御ユニット5による制御のもとで媒体Sに液滴であるインク滴として噴射する。この記録ヘッド2からのインク滴の噴射は、上述のように+Z方向に向かって行われる。そして、搬送機構4によって媒体Sが-Y方向又は+Y方向に搬送されると共に移動機構6によって記録ヘッド2がX軸に沿って+X方向及び-X方向に搬送される際に、記録ヘッド2が媒体Sにインク滴を噴射することで、媒体SのXY平面上には所望の画像が形成される。
本実施形態の記録ヘッド2は、図2に示すように、インクを噴射するノズル11を有する噴射部10とフィルターユニット20とを具備する。
フィルターユニット20は、カートリッジ3の数、すなわち、色や種類の異なる複数種類のインクに対応して複数設けられている。図2では、複数のフィルターユニット20を纏めて一つに図示している。もちろん、同じ種類のインクを分岐することで、同じ種類のインクに対して2つ以上の複数のフィルターユニット20を設けてもよい。また、噴射部10は、単体であってもよく、2個以上の複数であってもよい。
噴射部10は、媒体Sに相対向する面、すなわち、+Z方向側の面に、液体であるインクをインク適して噴射するノズル11が開口する噴射面12を有する。また、噴射部10の図示しない内部には、ノズル11に連通する流路と、流路内のインクに圧力変化を生じさせる圧力発生手段等が設けられている。かかる圧力発生手段としては、例えば、電気機械変換機能を呈する圧電材料を有する圧電アクチュエーターの変形によって液体流路の容積を変化させて流路内のインクに圧力変化を生じさてノズル11からインク滴を噴射させる圧電アクチュエーターを使用することができる。また、圧力発生手段としては、例えば、流路内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル11からインク滴を噴射するものを使用することができる。さらに圧力発生手段としては、振動板と電極との間に静電気力を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル11からインク滴を噴射させるいわゆる静電式アクチュエーターを使用することができる。
フィルターユニット20は、カートリッジ3から「液体」であるインクが供給される流路が設けられており、流路内のインクは、噴射部10に供給される。ここで、本実施形態のフィルターユニット20についてさらに図3~図5を参照して説明する。なお、図3は、フィルターユニット20を+Z方向に見た平面図である。図4は、図3のA-A′線断面図である。図5は、第1リブ33及び上流室101の斜視図である。
図示するように、フィルターユニット20は、第1流路部材30と第2流路部材40とを具備する。第1流路部材30と第2流路部材40とは、Z軸に沿って互いに積層されており、第1流路部材30が-Z方向側に配置され、第2流路部材40が+Z方向側に配置されている。
第1流路部材30と第2流路部材40との間には、フィルター室100が画定されている。フィルター室100は、第1流路部材30に設けられて+Z方向側に開口する第1凹部31と、第2流路部材40に設けられて-Z方向側に開口する第2凹部41との開口同士を合わせることで形成されている。つまり、第1凹部31と第2凹部41とによってフィルター室100が画定されている。
第2流路部材の第2凹部41の開口部分には、フィルターFが固定されている。フィルターFは、フィルターFが延在する主面の面内方向が第1流路部材30と第2流路部材40との積層方向である+Z方向に直交する方向、つまり、水平面であるXY平面に沿った方向となるように配置されている。このようなフィルターFは、インクに含まれる気泡やゴミなどの異物を捕捉するものであり、例えば、金属や樹脂等の繊維を細かく編むことで複数の微細孔が形成されたシート状のものを用いることができる。また、フィルターFは、金属や樹脂等の板状部材に複数の微細な貫通孔を設けたものなどを用いることができる。さらに、フィルターFは、不織布等を用いてもよく、その材料は特に限定されるものではない。また、フィルターFの第2流路部材40への固定方法は特に限定されず、例えば、接着剤による接着、熱溶着等が挙げられる。
フィルター室100は、フィルターFによってフィルターFよりも上流の上流室101と、フィルターFよりも下流の下流室102とに区分けされている。フィルター室100及びフィルターFは、図3に示すように、+Z方向から見て、Y軸が長手方向となる長方形状を基本として、長手方向の両端部を半円形状とした、所謂、角丸長方形状(別名、トラック形状とも言う)となっている。つまり、フィルター室100及びフィルターFは、Y軸に沿った方向が長手方向となり、X軸に沿った方向が短手方向となる長尺形状を有する。もちろん、+Z方向に見たフィルター室100及びフィルターFの形状は、特にこれに限定されず、例えば、正方形状、長方形状、平行四辺形状、多角形状、扇形状、円形状、長穴形状等であってもよい。ちなみに、長穴形状とは、楕円形状や、楕円形状に似た形状、例えば、角丸長方形状、鶏卵形状、長円形状等のことである。
また、フィルターユニット20には、フィルター室100に連通する流入路103と第1流出路104と第2流出路105とが設けられている。
流入路103は、フィルター室100の上流室101に連通して、外部のカートリッジ3からのインクを上流室101に供給する。流入路103は、第1流路部材30をZ軸に沿って貫通して設けられており、一端が第1流路部材30の-Z方向側の面から突出して設けられた第1接続部32の先端に開口して設けられている。また、流入路103の他端は、第1流路部材30の第1凹部31のフィルターFと対向すると共にフィルターFに対して下流室102とは反対側の天井面31a、すなわち、-Z方向側の天井面31aに開口して設けられている。本実施形態では、流入路103の上流室101への開口を流入口103aと称する。なお、本実施形態の第1凹部31の天井面31aは、フィルターFからのZ軸に沿った高さ、すなわち、フィルターFと天井面31aとの間隔は、フィルターFの主面に亘って同じ寸法となるように設けられている。つまり、天井面31aは、フィルターFと平行なXY平面に沿った方向に設けられている。なお、フィルターFと天井面31aとの間隔は、フィルターFの主面に亘って均一である必要はない。つまり、天井面31aは、例えば傾斜した面を含んでいてもよい。
また、流入口103aは、フィルター室100を+Z方向に見た平面視において、Y軸に沿った方向の中心よりも+Y方向側に配置されている。
また、第1接続部32は、内部に流入路103が設けられて先端が針状に尖った、所謂、供給針であり、カートリッジ3に差し込まれる。もちろん、第1接続部32は、供給針に限定されず、チューブが接続される供給管であってもよい。また、第1流路部材30から突出する第1接続部32が設けられず、第1流路部材30の天井面31aを貫通する流入路103としての流入口103aが設けられていてもよい。
第1流出路104及び第2流出路105は、フィルター室100の下流室102に連通して、フィルター室100内のインクを外部、本実施形態では、噴射部10に供給するための流路である。第1流出路104及び第2流出路105は、第2流路部材40をZ軸に沿って貫通して設けられており、一端が第2流路部材40の+Z方向側の面に開口する。また、第1流出路104及び第2流出路105の他端の開口は、第2流路部材40の第2凹部41の底面、すなわち、第2凹部41の+Z方向側の面に開口して設けられている。本実施形態では、第1流出路104及び第2流出路105の下流室102への開口のそれぞれを第1流出口104a及び第2流出口105aと称する。なお、第1流出路104及び第2流出路105の一端は、第2流路部材40の+Z方向側の面に開口して設けられているが、流入路103の第1接続部32と同様に、+Z方向に突出する供給針や、供給管等の先端に開口して設けられていてもよい。
第1流出口104aは、フィルター室100を+Z方向に見た平面視において、Y軸に沿った方向の中心よりも-Y方向側に配置されている。つまり、Y軸に沿ったフィルターFの中心よりも+Y方向側に流入口103aが配置され、流入口103aとは反対側である-Y方向側に第1流出口104aが配置されている。そして、上流室101内は、流入口103aから第1流出口104aに向かって-Y方向に沿ってインクが主に流れる。本実施形態の上流室101をインクが流れる「流動方向」は、流入口103aの開口中心と第1流出口104aの開口中心とを結ぶ直線上における流入口103aから第1流出口104aに向かう方向であり、-Y方向である。なお、実際には、流入口103aから第1流出口104aに向かうインクの流れは、流入口103aと第1流出口104aとを結ぶ直線上だけではなく、この直線を中心として+X方向及び-X方向に膨らむ流線に沿っても生じる。このため上流室101内のインクの流れは、XY平面においてフィルターFの主面の略全面に亘って生じるものである。
第2流出路105は、上流室101の流動方向である-Y方向において、流入路103と第1流出路104との間に配置されている。つまり、第2流出口105aは、-Y方向において流入口103aと第1流出口104aとの間に配置されている。ここで、第2流出口105aが、-Y方向において流入口103aと第1流出口104aとの間に配置されているとは、+Z方向から見たXY平面内において、第2流出口105aのY軸の座標が流入口103aのY軸の座標と同じであることを含み、第2流出口105aのY軸の座標が流入口103aのY軸の座標よりも-Y方向側に位置することを言う。つまり、第2流出口105aは、流入口103a及び第1流出口104aに対して、X軸に沿った+X方向及び-X方向にずれた位置に配置されているものも含む。また、第2流出口105aのY軸の座標が、流入口103aと同じ座標となる位置で配置されているものも含む。なお、本実施形態の流入口103a、第1流出口104a及び第2流出口105aの位置とは、開口中心のことを言う。
なお、第2凹部41は、下流室102からの気泡の排出性を良くするために、フィルターFの外周側及び第1流出口104aと第2流出口105aの間から第1流出口104a及び第2流出口105aに向かって+Z方向の深さが徐々に深くなるように、底面が傾斜して設けられている。また、本実施形態では、第2凹部41の第1流出口104aと第2流出口105aの間の底面は、フィルターFの+Z方向側の面に対して僅かに隙間を開けて形成されているが、それらは互いに隙間を空けずに当接していてもよい。
このようなフィルター室100の上流室101内には、流動方向である-Y方向において流入口と第1流出口との間に、上流室101内で-Y方向への気泡の移動を阻害する阻害部である第1リブ33が設けられている。
第1リブ33は、天井面31aからフィルターFに向けて+Z方向に突出して設けられている。この第1リブ33は、第1流路部材30と成形等によって一体的に設けられていてもよく、また、第1流路部材30とは別部材であってもよい。なお、第1流路部材30とは別部材の第1リブ33は、例えば、第1流路部材30と接着剤や溶着による接合やアウトサート成形等によって固定することができる。
第1リブ33は、先端がフィルターFとは接触しない高さで設けられており、第1リブ33の+Z方向の先端とフィルターFとの間には、インクが流れる連通路である第1連通路106が設けられている。すなわち、第1リブ33の高さH1は、上流室101の高さH2よりも小さい(H2>H1)。ここで、第1リブ33の高さH1とは、第1リブ33の天井面31aから第1リブ33の最も+Z方向となる部分までの+Z方向の寸法のことである。また、上流室101の高さH2とは、第1リブ33が設けられた部分、すなわち、+Z方向から見て第1リブ33に重なる部分において天井面31aからフィルターFまでの+Z方向の最大の寸法のことである。これにより、第1連通路106の高さH3は、第1リブ33の高さH1と上流室101の高さH2との差分、つまり、H3=H2-H1となっている。
また、第1リブ33は、上流室101内に、XY平面において上流室101をインクが流れる流動方向である-Y方向と直交する方向、すなわち、+X方向に亘って連続して設けられている。つまり、第1リブ33は、上流室101をX方向に亘って横断するように設けられている。これにより、上流室101は、第1リブ33によって第1流出口104aに対応する第1空間101Aと、第2流出口105aに対応する第2空間101Bとに区画されている。
また、第1リブ33の高さH1は、上流室101の高さH2の半分以上であることが好ましい(H1≧H2/2)。また、第1リブ33の高さH1は、上流室101の高さH2の2/3以上であることがより好ましい(H1≧H2×2/3)。このように第1リブ33の高さH1を上流室101の高さH2の半分以上、より好ましくは2/3以上とすることで、詳しくは後述するが上流室101の第1リブ33よりも上流側の第2空間101Bに気泡を保持して、第1リブ33よりも下流側の第1空間101Aに気泡が異動し難くすることができる。
なお、第1連通路106のインクの流動方向である-Y方向の流路抵抗は、フィルターFのうち第1リブ33よりも上流側に対応する部分の流路抵抗、すなわち、フィルターFの第2空間101Bに+Z方向で対向する領域の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。これは、第1連通路106の流路抵抗が、フィルターFの第1リブ33よりも上流側の流路抵抗よりも大きいと、第2空間101B内のインクは、第1連通路106を介して第1空間101Aに移動し難くなり、第1空間101Aにインクが供給され難くなる。そのため、フィルターFを通過して上流室101から下流室102へ供給されるインクの多くは、フィルターFのうち第2空間101Bに対向する領域を通過することになり、フィルターFの有効面積が減少してしまう。また、フィルターFのうち第1空間101Aに対向する領域を通過するインクが少なくなるため、第1流出路104へのインクの供給量も低下してしまう。また、第2凹部41の第1流出口104aと第2流出口105aとの間の部分とフィルターFの+Z方向側の面との隙間が狭いと、フィルターFのうち第2空間101Bに対向する領域を通過したインクのほとんどは第2流出路105へ移動し、当該隙間を介して第1流出路104へ移動するインクの量は僅かとなる。したがって、第1流出路104へのインクの供給量の低下を避けるためには、第1連通路106の流路抵抗は、フィルターFのうち第1リブ33よりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。
また、第1リブ33の第2空間101Bを画定する側面、すなわち、+Y方向側の面は、X軸及びZ軸により定めるXZ平面に沿って設けられている。このように第1リブ33の第2空間101B側の面をインクの流動方向である-Y方向に垂直な面とすることで、第2空間101B内に気泡が保持されやすくすることができる。ちなみに、第1リブ33の第2空間101Bを画定する側面が、インクの流動方向に対して傾斜、つまり、フィルターF側の先端が天井面31a側の基端部よりも-Y方向に位置するように傾斜していると、第2空間101B内の気泡が傾斜に沿って第1空間101A側に移動し易くなってしまう。なお、第1リブ33の第2空間101Bを画定する側面は、インクの流動方向である-Y方向とは反対方向、すなわち、フィルターF側の先端が天井面31a側の基端部よりも+Y方向に位置するように傾斜していてもよい。このように第1リブ33の第2空間101Bを画定する側面を流動方向とは反対方向に傾斜させることで、第2空間101B内に気泡を保持させ易くして、インクの流れによって第2空間101Bから第1空間101Aに向かう気泡の移動をさらに阻害することができる。
なお、本実施形態では、第1リブ33は、流動方向である-Y方向の厚みが、+Z方向に亘って略同じ寸法となるように設けられている。このため、第1リブ33の第1空間101Aを画定する側面、すなわち、-Y方向側の面は、X軸及びZ軸により定めるXZ平面に沿って設けられている。
このように上流室101内に阻害部である第1リブ33を設けることで、図6に示すように、上流室101内の気泡110a、110bを上流室101の第1空間101Aと第2空間101Bとに分割して保持することができる。すなわち、インクに含まれる気泡110bは、浮力によって-Z方向に移動し易いが、天井面31aからフィルターFに向けて+Z方向に突出する第1リブ33を設けることで、浮力によって-Z方向に移動した気泡110bが第1リブ33によってインクの流動方向である-Z方向に移動するのを阻害することができる。したがって、インクの流動方向において第1リブ33よりも上流側の第2空間101Bと、第1リブ33よりも下流側の第1空間101Aとのそれぞれに気泡110a、110bを分割して保持することができる。
具体的には、流入路103から上流室101の第2空間101Bに供給されたインクに含まれる気泡は、阻害部である第1リブ33によって第1空間101A側への移動が阻害される。ただし、第2空間101B内のインクは、第1連通路106を介して第1空間101Aに供給することができるため、第1連通路106を通過するインクに含まれる小さな気泡は、第1空間101Aに移動する。このため、「阻害部」とは、第2流出路105から第1流出路104に向かう気泡の一部の移動を阻害するものであり、第1連通路106を通過するインクに含まれるような小さな気泡の移動は阻害しない。そして、第2空間101B内の気泡110bが成長して、気泡110bの天井面31aからの高さが、第1リブ33の高さH1を越えると、第2空間101B内の気泡は、第1空間101Aに移動して、第1空間101A内で気泡110bが溜まる。また、第2空間101B内の気泡110bが成長して第1リブ33を越える前でも、第1連通路106を通過したインクに含まれる小さな気泡が第1空間101A内に溜まり成長する。いずれにしても、上流室101内に阻害部である第1リブ33を設けることで、上流室101の第1空間101Aと第2空間101Bとに気泡110a、110bを分割して保持することができ、第1空間101A及び第2空間101Bのそれぞれに保持される気泡110a、110bの大きさを比較的小さくすることができる。このため、インクの流動によって気泡110a、110bが上流室101の側壁又は第1リブ33に押しつけられて変形したとしても、気泡110a、110bがフィルターFに接触するのを抑制して、フィルターFが気泡110a、110bによって塞がれることによる有効面積の減少を抑制することができる。そして、フィルターFの有効面積が気泡110a、110bによって減少するのを抑制することができるため、フィルターFの圧力損失を低減することができる。よって、フィルターFの圧力損失を抑制することでノズル11から噴射されるインク滴の重量及び飛翔速度などの噴射特性が低下するのを抑制して、媒体Sに描画される画像の品質、所謂、印刷品質が低下を抑制することができる。また、第1リブ33を設けることで、フィルター室100内の気泡110a、110bが成長してフィルターFの一部を塞ぐまでの時間を長くすることができる。したがって、フィルター室100内の気泡110a、110bを外部に排出させるためのクリーニング動作が長期間に亘って不要となり、無駄なインクの消費を抑制することができる。なお、上述した上流室101に阻害部である第1リブ33を設けることで、第1空間101A及び第2空間101Bのそれぞれに気泡110a、110bを分割して保持することができる構成は、流出路の数によって限定されるものではない。つまり、流出路の数が1つであっても、また2以上の複数であっても上述した上流室101に阻害部である第1リブ33を設けることで、第1空間101A及び第2空間101Bのそれぞれに気泡110a、110bを分割して保持することができ、上述したものと同様の効果を奏することができる。
これに対して、例えば、図7に示すように、上流室101内に阻害部である第1リブ33を設けない場合、上流室101内の気泡110は、インクの流動方向である-Y方向の下流側の側壁側の一箇所に溜まって成長する。このため、インクの流動によって気泡110が上流室101の側壁に押しつけられて変形することで、変形した気泡110がフィルターFに接触して塞ぎ、フィルターFの有効面積が減少してしまう。このように気泡110がフィルターFを塞いでしまうと、フィルターFの有効面積が減少して圧力損失が大きくなり、ノズル11から噴射されるインク滴の噴射特性が低下する。また、上流室101内の気泡110は、流動方向である-Y方向の下流側の側壁に押し当てられて変形するため、気泡110がフィルターFを閉塞する領域は、流動方向である-Y方向の下流側に配置された第1流出路104に対応する領域となる。これに対して、流動方向である-Y方向の上流側に配置された第2流出路105に対応するフィルターFの領域は、気泡110によって閉塞されていない。したがって、気泡110がフィルターFを閉塞することによって、第1流出路104から供給されるインクの圧力損失と、第2流出路105から供給されるインクの圧力損失とにばらつきが生じてしまう。このため、第1流出路104と第2流出路105との間で圧力損失の差によりインクの供給圧にばらつきが生じ、第1流出路104から供給されたインクがノズル11から噴射された際のインク滴の噴射特性と、第2流出路105から供給されたインクがノズル11から噴射された際のインク滴の噴射特性との間でばらつきが生じ、印刷品質が低下してしまう。
本実施形態では、フィルター室100に複数の流出路である第1流出路104及び第2流出路105が設けられていても、第1空間101A及び第2空間101Bのそれぞれに保持された気泡110a、110bがフィルターFを閉塞し難く、第1流出路104及び第2流出路105から供給されるインクの供給圧にばらつきが生じ難い。したがって、第1流出路104及び第2流出路105のそれぞれから供給されたインク滴の噴射特性のばらつきを低減して印刷品質を向上することができる。
また、本実施形態では、フィルター室100に複数の流出路である第1流出路104及び第2流出路105が設けられており、第1リブ33を第1流出路104と第2流出路105との間に設けるようにした。このため、第1流出路104及び第2流出路105のそれぞれに対応する第1空間101A及び第2空間101Bに気泡110a、110bが分割されて保持される。したがって、キャップ8によってノズル11を介して第1流出路104及び第2流出路105のそれぞれからインクの吸引を行った際のフィルター室100からの気泡排出性を向上することができる。すなわち、第1空間101Aと第2空間101Bとに気泡110a、110bを分割して保持することで、気泡110a、110bのそれぞれのサイズを小さくすることができる。そして、第1流出路104及び第2流出路105のそれぞれから比較的小さな気泡110a、110bのそれぞれに負圧をかけることができるため、比較的小さな負圧で気泡110a、110bがフィルターFを通過し易く、気泡110a、110bを第1流出路104及び第2流出路105の各々から容易に排出することができる。
以上説明したように、本実施形態のフィルターユニット20は、液体であるインクが通過するフィルターFと、フィルターFによって上流室101と下流室102とに区画されたフィルター室100と、を備える。また、フィルターユニット20は、上流室101にインクを流入する流入路103と、下流室102からインクを流出する第1流出路104と、を備える。さらに、フィルターユニット20は、流入路103から第1流出路104へ向かって流れるインクの流動方向である-Y方向において、第1流出路104と流入路103との間に配置され、上流室101内で-Y方向への気泡110bの移動を阻害する阻害部である第1リブ33と、を備える。
このように上流室101内に阻害部である第1リブ33を設けることで、第1リブ33によって区画された第1空間101A及び第2空間101Bのそれぞれに気泡110a、110bを分割して保持することができる。したがって、第1空間101A及び第2空間101Bのそれぞれに保持される気泡110a、110bのサイズを比較的小さくして、気泡110a、110bがフィルターFに接触するのを抑制することができる。このため、気泡110a、110bによってフィルターFが塞がれることによる圧力損失の増大を抑制して、インク滴の噴射特性が低下するのを抑制することができる。また、気泡110a、110bを外部に排出するためのクリーニング動作を行うまでの時間を長くすることができ、無駄なインクの消費を抑制することができる。
また、本実施形態のフィルターユニット20では、下流室102からインクを流出する第2流出路105をさらに備え、第2流出路105は、流動方向である-Y方向において、流入路103と第1流出路104との間に配置され、阻害部である第1リブ33は、上流室101の-Y方向において第1流出路104と第2流出路105との間に配置されることが好ましい。これによれば、フィルターユニット20に複数の流出路である第1流出路104及び第2流出路105が設けられていても、第1空間101A及び第2空間101Bのそれぞれに保持された気泡110a、110bがフィルターFを閉塞し難く、第1流出路104及び第2流出路105から供給されるインクの供給圧にばらつきが生じ難い。したがって、第1流出路104及び第2流出路105のそれぞれから供給されたインク滴の噴射特性のばらつきを低減して印刷品質を向上することができる。
また、第1リブ33を第1流出路104と第2流出路105との間に設けることで、第1流出路104及び第2流出路105のそれぞれに対応する第1空間101A及び第2空間101Bに気泡110a、110bを分割して保持することができ、気泡110a、110bのサイズを比較的小さくすることができる。また、上流室101内の気泡110a、110bをノズル11からインクと共に吸引してクリーニングする際に、第1流出路104及び第2流出路105のそれぞれから比較的小さな気泡110a、110bのそれぞれに負圧をかけることができる。したがって、比較的小さな負圧で気泡110a、110bがフィルターFを通過し易く、気泡110a、110bを第1流出路104及び第2流出路105の各々から容易に排出することができる。
また、本実施形態のフィルターユニット20では、上流室101は、フィルターFに対して下流室102とは反対側の天井面31aを有し、阻害部は、天井面31aからフィルターFに向けて突出する第1リブ33であることが好ましい。
上流室101内のインクに含まれる気泡110bは、浮力によって-Z方向に移動し易いが、上流室101の天井面31aからフィルターFに向けて+Z方向に突出する第1リブ33を設けることで、浮力によって-Z方向に移動した気泡110bがインクの流動方向である-Y方向に移動するのを阻害することができる。したがって、インクの流動方向において第1リブ33よりも上流側と、第1リブ33よりも下流側とに気泡110a、110bを分割して保持することができる。
また、本実施形態のフィルターユニット20は、第1リブ33とフィルターFとの間には、液体であるインクが流れる連通路である第1連通路106が設けられ、第1リブ33の高さH1は、上流室101の高さH2の半分以上であり、第1連通路106の流路抵抗は、フィルターFのうち第1リブ33よりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。
このように第1リブ33の高さH1を、上流室101の高さH2の半分以上とすることで、第2空間101Bで保持した気泡110bを第1空間101Aに移動し難くすることができる。また、第1連通路106のインクの流動方向である-Y方向の流路抵抗を、フィルターFのうち第1リブ33よりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さくすることで、気泡110bがフィルターFを通過し難く、気泡110bが下流に流れるのを抑制することができる。
また、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド2は、上記記載のフィルターユニット20と、フィルターユニット20から供給された液体であるインクを噴射するノズル11と、を備える。
このような記録ヘッド2では、フィルターユニット20において気泡110a、110bがフィルターFを塞ぎ難く、フィルターユニット20から供給されるインクの圧力損失が増大し難いため、ノズル11から噴射されるインク滴の噴射特性が低下し難く、印刷品質を向上することができる。また、気泡110a、110bがフィルターFを塞ぐまで成長する時間を長くすることができるため、気泡110a、110bを排出するためのクリーニング動作の頻度を低減して、インクの無駄な消費を抑制することができる。
また、本実施形態の液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置1は、上記記載のフィルターユニット20と、フィルターユニット20から供給された液体であるインクを噴射するノズル11と、ノズル11へインクを供給するインクを貯留する液体貯留部であるカートリッジ3と、を備える。
このようなインクジェット式記録装置1では、フィルターユニット20において気泡110a、110bがフィルターFを塞ぎ難く、フィルターユニット20から供給されるインクの圧力損失が増大し難いため、ノズル11から噴射されるインク滴の噴射特性が低下し難く、印刷品質を向上することができる。また、気泡110a、110bがフィルターFを塞ぐまで成長する時間を長くすることができるため、気泡110a、110bを排出するためのクリーニング動作の頻度を低減して、インクの無駄な消費を抑制することができる。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2にかかるフィルターユニット20の断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図8は、本発明の実施形態2にかかるフィルターユニット20の断面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図示するように、フィルターユニット20には、下流室102に連通する第1流出路104と第2流出路105と第3流出路107とが設けられている。
第3流出路107は、第1流出路104に対して、上流室101を流れるインクの流動方向である-Y方向に配置されている。つまり、第3流出路107の下流室102への開口である第3流出口107aは、第1流出口104aよりも-Y方向に配置されている。ここで、第3流出口107aが、第1流出口104aよりも-Y方向に配置されているとは、+Z方向から見たXY平面内において、第3流出口107aのY軸の座標が第1流出口104aのY軸の座標よりも-Y方向側に位置することを言う。つまり、第3流出口107aは、第1流出口104a+X方向及び-X方向にずれた位置に配置されているものも含む。なお、本実施形態の第3流出口107a及び第1流出口104aの位置とは、開口中心のことを言う。
また、上流室101内には、第1リブ33と第2リブ34とが設けられている。第2リブ34は、第1リブ33と同様に、第1流出路104と流入路103との間に配置され、上流室101内で流動方向である-Y方向への気泡の移動を阻害する阻害部である。このような第2リブ34は、上流室101をインクが流れる流動方向である-Y方向において、第1流出路104と第3流出路107との間に天井面31aからフィルターFに向けて+Z方向に突出して設けられている。
第2リブ34は、第1リブ33と同様に、第1流路部材30と成形等によって一体的に設けられていてもよく、また、第1流路部材30とは別部材であってもよい。なお、第1流路部材30とは別部材の第2リブ34は、例えば、第1流路部材30と接着剤や溶着による接合やアウトサート成形等によって固定することができる。
第2リブ34は、第1リブ33と同様に、上流室101を+X方向に亘って連続して設けられている。これにより、上流室101は、第1リブ33と第2リブ34とによって、第1流出口104aに対応する第1空間101Aと、第2流出口105aに対応する第2空間101Bと、第3流出口107aに連通する第3空間101Cとに区画されている。
第2リブ34は、先端がフィルターFとは接触しない高さで設けられており、第2リブ34の+Z方向の先端とフィルターFとの間には、インクが流れる連通路である第2連通路108が設けられている。すなわち、第2リブ34の高さH4は、上流室101の高さH2よりも小さい(H2>H4)。ここで、第2リブ34の高さH4とは、第2リブ34の天井面31aから第2リブ34の最も+Z方向となる部分までの+Z方向の寸法のことである。これにより、第2連通路108の高さH5は、第2リブ34の高さH4と上流室101の高さH2との差分、つまり、H5=H2-H4となっている。
また、第2リブ34の高さH4は、第1リブ33の高さH1よりも低いことが好ましい。つまり、-Y方向における第2連通路108の流路抵抗は、第1連通路106の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。このように、第2リブ34の高さH4を、第1リブ33の高さH1よりも低くする、換言すれば、第2連通路108の流路抵抗を第1連通路106の流路抵抗よりも小さくすることで、流入路103から遠い第3流出路107へのインクの供給性能が低下するのを抑制することができる。また、第2リブ34の高さH4を、第1リブ33の高さH1よりも低くしても、第1空間101A、第2空間101B、第3空間101Cを流れるインクの流速は、第2空間101Bが最も早く、第1空間101Aが次に早く、第3空間101Cが最も遅くなる。このため、インクの流れによって第2リブ34に押し潰された気泡が第2リブ34を越えるリスク、つまり、気泡が第1空間101Aから第2リブ34を越えて第3空間101Cに入り込み難く、第3空間101C内で気泡が成長し難いため、成長した気泡がフィルターFに接触するリスクは低くなる。
以上説明したように、本実施形態のフィルターユニット20は、第1流出路104に対して流動方向である-Y方向に配置され、下流室102から液体であるインクを流出する第3流出路107と、-Y方向において第1流出路104と第3流出路107との間に、天井面31aから突出する第2リブ34と、を備え、第2リブ34の高さH4は、第1リブ33の高さH1よりも低い。
このように上流室101に第1リブ33と第2リブ34とを設けることで、第1空間101A、第2空間101B及び第3空間101Cを形成して、この第1空間101A、第2空間101B及び第3空間101Cのそれぞれで気泡を分割して保持することができる。したがって、第1空間101A、第2空間101B及び第3空間101C内に保持される気泡のサイズを比較的小さくして、気泡がフィルターFに接触するのを抑制することができる。
また、フィルターユニット20に複数の流出路である第1流出路104、第2流出路105及び第3流出路107が設けられていても、第1空間101A、第2空間101B及び第3空間101Cのそれぞれに保持された気泡がフィルターFを閉塞し難く、第1流出路104、第2流出路105及び第3流出路107から供給されるインクの供給圧にばらつきが生じ難い。したがって、第1流出路104、第2流出路105及び第3流出路107のそれぞれから供給されたインク滴の噴射特性のばらつきを低減して印刷品質を向上することができる。
また、第1リブ33を第1流出路104と第2流出路105との間に設け、第2リブ34を第1流出路104と第3流出路107との間に設けることで、第1空間101A、第2空間101B及び第3空間101C内に保持された気泡を、ノズルからインクと共に吸引してクリーニングする際に、第1流出路104、第2流出路105及び第3流出路107のそれぞれから比較的小さな気泡のそれぞれに負圧をかけることができる。したがって、比較的小さな負圧で気泡がフィルターFを通過し易く、気泡を第1流出路104、第2流出路105及び第3流出路107の各々から容易に排出することができる。
さらに、第2リブ34の高さH4は、第1リブ33の高さH1よりも低いことで、-Y方向における第2連通路108の流路抵抗は、第1連通路106の流路抵抗よりも小さくすることができる。このようにすることで、流入路103から遠い第3流出路107へのインクの供給性能が低下するのを抑制することができる。また、第2リブ34の高さH4を、第1リブ33の高さH1よりも低くしても、第1空間101A、第2空間101B、第3空間101Cを流れるインクの流速は、第2空間101Bが最も早く、第1空間101Aが次に早く、第3空間101Cが最も遅くなる。このため、インクの流れによって第2リブ34に押し潰された気泡が第2リブ34を越えるリスク、つまり、気泡が第1空間101Aから第2リブ34を越えて第3空間101Cに入り込み難く、第3空間101C内で気泡が成長し難いため、成長した気泡がフィルターFに接触するリスクは低くなる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
ここで、第1リブ33の変形例を図9~図12に示す。なお、図9は、他の実施形態に係る第1リブ33の変形例を説明するフィルターユニット20の断面図である。図10~図12は、第1リブ33及び上流室101の斜視図である。
図9及び図10に示すように、フィルターユニット20の上流室101に設けられた第1リブ33は、先端がフィルターFに接触する高さで設けられている。すなわち、第1リブ33の高さH1は、天井面31aのフィルターFからの高さH2と同じ高さとなっている。これにより、第1リブ33の+Z方向の先端とフィルターFとの間には、第1連通路106が形成されていない。
また、第1リブ33には、複数のスリット35が設けられている。スリット35は、第1リブ33をインクの流動方向である-Y方向に貫通して設けられたものであり、+Z方向において第1リブ33の先端側、つまり、フィルターFに接する先端側に開口し、-Z方向において天井面31aに達しない長さで設けられている。これにより、第2空間101B内で保持した気泡は、スリット35を介して第1空間101A側に移動し難くすることができる。また、スリット35は、+X方向に所定の間隔で複数設けられている。
このようなスリット35によっても、第1リブ33によっても気泡の-Y方向の移動を阻害しつつ、インクを-Y方向に移動させることができる。つまり、第1リブ33によって、上流室101を第1空間101Aと第2空間101Bとに区画して、第1空間101A及び第2空間101Bのそれぞれで気泡を分割して保持することができ、気泡のサイズを比較的小さくすることができる。
また、図11に示すように、第1リブ33には、複数の貫通孔36が設けられていてもよい。貫通孔36は、第1リブ33をインクの流動方向である-Y方向に貫通して設けられている。このような貫通孔36は、第1リブ33の天井面31aに接しない位置に配置されている。これにより、第2空間101B内で保持した気泡は、第1空間101A側に移動し難くすることができる。
また、図12に示すように、第1リブ33は、フィルターFと同様に、気泡を捕捉しつつインクを流すメッシュ構造を有するものであってもよい。つまり、第1リブ33は、金属や樹脂等の板状部材に複数の微細な貫通孔を設けたものなどを用いることができる。さらに、第1リブ33は、不織布等を用いてもよく、その材料は特に限定されるものではない。このような第1リブ33の第1流路部材30への固定方法は、特に限定されず、例えば、接着剤による接着、熱溶着、アウトサート成形等が挙げられる。
これらスリット35又は貫通孔36が設けられた構成や、第1リブ33自体がメッシュ構造、すなわち、複数の微細な貫通孔が設けられた構成であっても、第1リブ33による流路抵抗は、フィルターFのうち第1リブ33よりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。ここで、第1リブ33による流路抵抗とは、図10に示すように、第1リブ33に複数のスリット35が設けられている場合には、複数のスリット35の合計の流路抵抗である。また、図11に示すように、第1リブ33に複数の貫通孔36が設けられている場合には、複数の貫通孔36の合計の流路抵抗である。また、図12に示すように、第1リブ33に微細な貫通孔が複数設けられている場合には、微細な貫通孔の合計の流路抵抗である。このように、第1リブ33を通過するインクの流路抵抗を、フィルターFのうち第1リブ33よりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さくすることで、第2空間101B内のインクが第1リブ33を通過し易くすることができ、第2空間101B内の気泡がフィルターFを通過し難く、第2空間101B内に気泡を保持し易くすることができる。
なお、第1リブ33にスリット35及び貫通孔36の何れか一方のみを設けるようにしたが、1つの第1リブ33にスリット35及び貫通孔36の両方を組み合わせて設けてもよい。
また、図9~図12に示す例では、第1リブ33は、+Z方向の先端がフィルターFに達する高さH1としたが、特にこれに限定されず、上述した実施形態1及び2と同様に、第1リブ33は、フィルターFに接しない高さH1、すなわち、第1リブ33の+Z方向の先端とフィルターFとの間に第1連通路106が設けられていてもよい。
以上説明したように図9~図12に示すフィルターユニット20では、第1リブ33には、スリット35、又は、貫通孔36が形成されていることが好ましい。
このように第1リブ33にスリット35、又は、貫通孔36を設けることによっても、第1リブ33で気泡の移動を阻害しつつ、スリット35、又は、貫通孔36によって第1リブ33を越えてインクを流動させることができる。
また、図9~図12に示すフィルターユニット20では、第1リブ33の先端は、フィルターFに接触し、第1リブ33の流路抵抗は、フィルターFのうち第1リブ33よりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。このように第1リブ33の流路抵抗を、フィルターFのうち第1リブ33よりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さくすることで、第2流出路への供給性能の低下を抑制しつつ、気泡がフィルターFに向かって流れるのを抑制することができる。
また、上述した実施形態2の第2リブ34についても、図9~図12に示す第1リブ33と同様の構成としてもよい。
つまり、第1リブ33と第2リブ34との両方に複数のスリット35を設けるようにしてもよい。このように第1リブ33と第2リブ34との両方に複数のスリット35を設けた場合には、上述した実施形態2と同様に、第2リブ34の流路抵抗は、第1リブ33の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。すなわち、第2リブ34を通過するインクの流路抵抗、つまり第2リブ34に設けられた複数のスリット35の流路抵抗は、第1リブ33を通過するインクの流路抵抗、つまり第1リブ33に設けられた複数のスリット35の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。
第2リブ34を通過するインクの流路抵抗を、第1リブ33を通過するインクの流路抵抗よりも小さくするには、以下に示す構成の少なくとも一つを満たせばよい。
第1の構成は、第2リブのスリット35の+X方向の幅を、第1リブ33のスリット35の+X方向の幅よりも大きくする。
第2の構成は、第2リブのスリット35の数は、第1リブ33のスリット35の数よりも多くする。
また、第1リブ33と第2リブ34との両方に、複数の貫通孔36を設けるようにしてもよい。このように第1リブ33と第2リブ34との両方に複数の貫通孔36を設けた場合には、上述した実施形態2と同様に、第2リブ34の流路抵抗は、第1リブ33の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。すなわち、第2リブ34を通過するインクの流路抵抗、つまり第2リブ34に設けられた複数の貫通孔36の流路抵抗は、第1リブ33を通過するインクの流路抵抗、つまり第1リブ33に設けられた複数の貫通孔36の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。
第2リブ34を通過するインクの流路抵抗を、第1リブ33を通過するインクの流路抵抗よりも小さくするには、以下に示す構成の少なくとも一つを満たせばよい。
第1の構成は、第2リブの貫通孔36の開口を、第1リブ33の貫通孔36の開口よりも大きくする。
第2の構成は、第2リブの貫通孔36の数は、第1リブ33の貫通孔36の数よりも多くする。
なお、第1リブ33と第2リブ34との両方をメッシュ構造としてもよい。このように第1リブ33と第2リブ34との両方をメッシュ構造とした場合には、上述したスリット35及び貫通孔36と同様に、第2リブ34を通過するインクの流路抵抗は、第1リブ33を通過するインクの流路抵抗よりも小さいことが好ましい。
すなわち、上述したフィルターユニット20は、第1流出路104に対して流動方向である-Y方向に配置され、下流室102から液体であるインクを流出する第3流出路107を備える。また、フィルターユニット20は、-Y方向において第1流出路104と第3流出路107との間に、天井面31aから突出する第2リブ34を備える。そして、第2リブ34には、スリット35、又は、貫通孔36が形成され、第2リブ34の流路抵抗は、第1リブ33の流路抵抗よりも小さいことが好ましい。
このように第2リブ34を通過するインクの流路抵抗を、第1リブ33を通過するインクの流路抵抗よりも小さくすることで、流入路103から遠い第3流出路107へのインクの供給性能が低下するのを抑制することができる。
なお、第1リブ33と第2リブ34とは異なる構成であってもよい。すなわち、第1リブと第2リブとは、図4に示す第1連通路106を有する構成、図10に示すスリット35を有する構成、図11に示す貫通孔36を有する構成、図12に示すメッシュ構造を有する構成を組み合わせて設けるようにしてもよい。第1リブ33と第2リブ34とが、何れの構成の組み合わせであっても、第2リブ34を通過するインクの流路抵抗は、第1リブ33を通過するインクの流路抵抗よりも小さいことが好ましい。
また、上述した各実施形態では、流入路103、第1流出路104、第2流出路105及び第3流出路107は、Z軸に沿って設けるようにしたが、特にこれに限定されない。流入路103、第1流出路104、第2流出路105及び第3流出路107は、Z軸に交差する方向に沿って延設されたものであってもよい。また、流入路103の流入口103aは、第1凹部31の側面、すなわち、XY平面に交差する面に設けられていてもよい。また、第1流出路104の第1流出口104a、第2流出路105の第2流出口105a及び第3流出路107の第3流出口107aは、第2凹部41の側面、すなわち、XY平面に交差する面に設けられていてもよい。
また、第1流出路104及び第2流出路105等の流出路の数や阻害部である第1リブ33及び第2リブ34などのリブの数は、上述したものに限定されるものではない。例えば、流出路は、1つだけ設けられていても、阻害部である第1リブ33を設けることで、気泡を分割して比較的小さいサイズで保持することができるため、気泡がフィルターFに接し難くすることができる。もちろん、流出路は、4つ以上であってもよい。また、阻害部であるリブの数も、上述したものに限定されず、3つ以上のリブが設けられていてもよい。すなわち、流出路の数と、阻害部であるリブによって形成される空間の数とは同じ数ではなくてもよい。つまり、流出路の数に対して、阻害部であるリブによって形成される空間の数の方が多くなるようにリブを設けるようにしてもよく、流出路の数に対して、阻害部であるリブによって形成される空間の数が少なくなるようにリブを設けるようにしてもよい。
また、上述した各実施形態のインクジェット式記録装置1では、フィルターFの主面が鉛直方向であるZ軸に対して直交するXY平面に沿った方向となるようにフィルターユニット20を配置した構成を例示したが、特にこれに限定されない。フィルターユニット20の姿勢を変更した例を図13に示す。なお、図13は、フィルターユニット20の姿勢を説明する断面図である。
図13に示すように、フィルターユニット20は、第1流出路104が第2流出路105に対して鉛直方向の上方、すなわち、鉛直上向きである-Z方向側に位置するように傾斜して配置されている。ここで、第1流出路104が、第2流出路105よりも-Z方向側に配置されているとは、第1流出路104のフィルター室100側の開口である第1流出口104aが、第2流出路105のフィルター室100側の開口である第2流出口105aよりも-Z方向側に位置することをいう。つまり、フィルターFは、主面をXY平面である水平面に揃えた姿勢から、X軸に沿った仮想的な回転軸を中心に回転した姿勢とされている。すなわち、フィルターFは、フィルターFの-Y方向の端部が、+Y方向の端部よりも-Z方向側に位置するように傾斜した状態でフィルターユニット20は保持されている。
このように第1流出路104が、第2流出路105よりも-Z方向に配置されていることで、上流室101内の気泡は、浮力によって第1流出路104側に移動し易くなる。また、第1流出路104側に移動した気泡は、上流室101の側面に押しつけられて変形するため、気泡がフィルターFに接触し易く、気泡がフィルターFの一部を閉塞して有効面積を減少させ易い。このように気泡がフィルターFをより閉塞し易い姿勢でフィルターユニット20を用いる場合であっても、阻害部である第1リブ33を設けることで、第2空間101B内の気泡110bが第1空間101A側に移動し難く、第1空間101Aと第2空間101Bとに分散されて気泡110a、110bが保持されるため、気泡110a、110bによるフィルターFの閉塞を抑制することができる。
なお、第1流出路104を第2流出路105よりも-Z方向に位置するようにフィルターFを傾斜させると共に、噴射部10の噴射面12をXY平面である水平面に揃えた姿勢からフィルターFと同じだけ傾斜させるようにしてもよい。つまり、記録ヘッド2にフィルターユニット20が含まれている場合には、記録ヘッド2全体を傾斜させることで、噴射面12とフィルターFの主面とがXY平面に対して同時に傾斜される。もちろん、記録ヘッド2にフィルターユニット20が含まれていない構成の場合には、記録ヘッド2の噴射面12とフィルターユニット20のフィルターFの主面との両方をXY平面に対して傾斜させてもよく、それぞれ個別に傾斜させるようにしてもよい。
このように噴射面12を傾斜させることにより、ノズル11から噴射されるインク滴の方向+D方向は、+Z方向に対して-Y方向に傾斜した方向とすることができる。
また、フィルターFの主面のXY平面に対する傾斜角度θは、例えば、0<θ<90°の範囲内に設定される。噴射面の傾斜角度についても同様である。
また、フィルターFの主面のXY平面に対する傾斜角度θは、例えば、0<θ<90°の範囲内に設定される。噴射面の傾斜角度についても同様である。
以上説明したように、液体噴射装置であるインクジェット式記録装置1は、上述したフィルターユニット20と、フィルターユニット20から供給された液体であるインクを噴射するノズル11と、ノズル11へ液体を供給する液体を貯留する液体貯留部であるカートリッジ3と、を備え、フィルターユニット20は、第1流出路104が第2流出路105に対して鉛直方向の上方である-Z方向に位置するように配置されている。
このようにフィルターユニット20を傾斜して配置することで、フィルターFに気泡が接し易い場合であっても、上述した第1リブ33等の阻害部が設けられたフィルターユニット20を用いることで、気泡がフィルターFに接触し難くすることができる。
また、上述した各実施形態では、記録ヘッド2として、噴射部10とフィルターユニット20とを具備するものを例示したが、特にこれに限定されず、記録ヘッド2にフィルターユニット20が含まれないものであってもよい。すなわち、上述した各実施形態における噴射部10が「液体噴射ヘッド」に相当し、液体噴射ヘッドとフィルターユニット20とを有する液体噴射装置であってもよい。
また、上述したインクジェット式記録装置1では、記録ヘッド2が搬送体6aに搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、記録ヘッド2が固定されて、媒体Sを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッドに用いることができる。また、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
また、液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置1を挙げて説明したが、上述した他の液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置にも用いることが可能である。
また、本発明は、広くフィルターユニット全般を対象としたものであり、液体噴射装置や液体噴射ヘッド以外のデバイスにも用いることが可能である。
1…インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、2…インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、3…カートリッジ、4…搬送機構、4a…搬送ローラー、5…制御ユニット、6…移動機構、6a…搬送体、6b…搬送ベルト、7…ワイパー、8…キャップ、10…噴射部、11…ノズル、12…噴射面、20…フィルターユニット、30…第1流路部材、31…第1凹部、31a…天井面、32…第1接続部、33…第1リブ(阻害部)、34…第2リブ(阻害部)、35…スリット、36…貫通孔、40…第2流路部材、41…第2凹部、100…フィルター室、101…上流室、101A…第1空間、101B…第2空間、101C…第3空間、102…下流室、103…流入路、103a…流入口、104…第1流出路、104a…第1流出口、105…第2流出路、105a…第2流出口、106…第1連通路、107…第3流出路、107a…第3流出口、108…第2連通路、110…気泡、110a…気泡、110b…気泡、F…フィルター、S…媒体
Claims (11)
- 液体が通過するフィルターと、
前記フィルターによって上流室と下流室とに区画されたフィルター室と、
前記上流室に液体を流入する流入路と、
前記下流室から液体を流出する第1流出路と、
前記流入路から前記第1流出路へ向かって流れる液体の流動方向において、前記第1流出路と前記流入路との間に配置され、前記上流室内で前記流動方向への気泡の移動を阻害する阻害部と、
を備えることを特徴とするフィルターユニット。 - 前記下流室から液体を流出する第2流出路をさらに備え、
前記第2流出路は、前記流動方向において、前記流入路と前記第1流出路との間に配置され、
前記阻害部は、前記上流室の前記流動方向において前記第1流出路と前記第2流出路との間に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルターユニット。 - 前記上流室は、前記フィルターに対して前記下流室とは反対側の天井面を有し、
前記阻害部は、前記天井面から突出する第1リブである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルターユニット。 - 前記第1リブと前記フィルターとの間には、液体が流れる連通路が設けられ、
前記第1リブの高さは、前記上流室の高さの半分以上であり、
前記連通路の流路抵抗は、前記フィルターのうち前記第1リブよりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さい
ことを特徴とする請求項3に記載のフィルターユニット。 - 前記第1流出路に対して前記流動方向に配置され、前記下流室から液体を流出する第3流出路と、
前記流動方向において前記第1流出路と前記第3流出路との間に、前記天井面から突出する第2リブと、
を備え、
前記第2リブの高さは、前記第1リブの高さよりも低い
ことを特徴とする請求項4に記載のフィルターユニット。 - 前記第1リブには、スリット、又は、貫通孔が形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のフィルターユニット。 - 前記第1リブの先端は、前記フィルターに接触し、
前記第1リブの流路抵抗は、前記フィルターのうち前記第1リブよりも上流側に対応する部分の流路抵抗よりも小さい
ことを特徴とする請求項6に記載のフィルターユニット。 - 前記第1流出路に対して前記流動方向に配置され、前記下流室から液体を流出する第3流出路と、
前記流動方向において前記第1流出路と前記第3流出路との間に、前記天井面から突出する第2リブと、
を備え、
前記第2リブには、スリット、又は、貫通孔が形成され、
前記第2リブの流路抵抗は、前記第1リブの流路抵抗よりも小さい
ことを特徴とする請求項7に記載のフィルターユニット。 - 請求項1~8の何れか一項に記載のフィルターユニットと、
前記フィルターユニットから供給された液体を噴射するノズルと、
を備えることを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項1~8の何れか一項に記載のフィルターユニットと、
前記フィルターユニットから供給された液体を噴射するノズルと、
前記ノズルへ液体を供給する液体を貯留する液体貯留部と、
を備えることを特徴とする液体噴射装置。 - 請求項2、請求項2を引用する請求項3~8の何れか一項に記載のフィルターユニットと、
前記フィルターユニットから供給された液体を噴射するノズルと、
前記ノズルへ液体を供給する液体を貯留する液体貯留部と、
を備え、
前記フィルターユニットは、前記第1流出路が前記第2流出路に対して鉛直方向の上方に位置するように配置されている
ことを特徴とする液体噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020218885A JP2022103957A (ja) | 2020-12-28 | 2020-12-28 | フィルターユニット、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020218885A JP2022103957A (ja) | 2020-12-28 | 2020-12-28 | フィルターユニット、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022103957A true JP2022103957A (ja) | 2022-07-08 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020218885A Pending JP2022103957A (ja) | 2020-12-28 | 2020-12-28 | フィルターユニット、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
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JP (1) | JP2022103957A (ja) |
-
2020
- 2020-12-28 JP JP2020218885A patent/JP2022103957A/ja active Pending
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