JP2022102392A - 包装体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤を収容した医薬品容器に対する振動や衝撃を緩衝することが可能な包装体を提供する。【解決手段】包装体は、液が充填された医薬品容器と、該容器を収容する包装材とを備える。医薬品容器に充填された液は、ペプチド、タンパク質、核酸及びワクチンから選択される少なくとも1種を含有する液である。包装材は、樹脂フィルムからなる内袋と、内袋を収容し樹脂フィルムからなる外袋とを備える。内袋は、容器を袋の内側に収容して脱気状態で封止されている。外袋は、その端部が内袋の端部と固着されて内袋の外側に気体が封入された状態で封止されている。容器は、内袋により外袋から空間を隔てて固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、容器、例えばプレフィルドシリンジやアンプル、バイアル等の医薬品容器、を収容した包装体及びその製造方法に関する。
医療分野において、プレフィルドシリンジと呼ばれる、薬剤が予め充填された注射器が用いられるようになってきた。プレフィルドシリンジを用いることにより、従来の注射器のように薬剤を注射器に詰め替える作業が不要になることから、詰め替え時に感染や異物混入のおそれがなく、救急時に迅速な投与が可能になり、医療従事者の労働生産性の向上に寄与する。また、あらかじめ定められた量の薬剤をプレフィルドシリンジに充填することにより、正確な量を患者に投与することができる。このことは薬剤管理が簡便になることにも寄与する。
医薬品には厳重な品質管理が求められており、近年では品質管理が製造プロセスに限らず、流通過程における保管や輸送のプロセスにまで拡大されるようになってきた。流通過程における品質保証を目的とした基本的な指針としてのGDP(Good Distribution Practices)では、温度管理の他、振動や衝撃等についても管理することが要求される。したがって、医薬品の包装体に、流通過程における振動や衝撃を緩衝することが要求されるようになってきた。
プレフィルドシリンジの包装体に関し、プレフィルドシリンジが包装容器内で移動・振動することなく適度に固定され、しかも包装容器への装填が機械によっても容易に行うことができる包装容器が知られている。例えば、ブリスター一体成型の包装容器であって、プレフィルドシリンジの外径に合わせて絞って成形されたロック部を備え、このロック部でプレフィルドシリンジの一部分を固定したプレフィルドシリンジ収納用ブリスター包装容器がある(特許文献1)。
特開2011-006154号公報
特許文献1に記載のプレフィルドシリンジ収納用ブリスター包装容器は、プレフィルドシリンジが包装容器に固定されるので、輸送中にプレフィルドシリンジが包装容器内で過度に振動することを防止する。
しかしながら、特許文献1のブリスター包装容器では、外部から振動や衝撃がブリスター包装容器に加えられたときには、その振動や衝撃がほとんど減衰されることなくプレフィルドシリンジに伝わってしまう。そのため流通過程における振動や衝撃を緩衝することが充分ではなかった。また、医療従事者の使用時においても、プレフィルドシリンジを収容したブリスター包装容器の取り扱い時に生じることがある振動や衝撃を緩衝することが充分ではなかった。
例えば、特許文献1において、ロック部分は、プレフィルドシリンジの一部分に合わせて絞って成形された部分であり、プレフィルドシリンジの外形との間に隙間がある。この隙間でプレフィルドシンジが微小振動し得ることから、特許文献1の包装容器では、包装容器内でプレフィルドシリンジが振動することを完全に防止することはできなかった。
本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、プレフィルドシリンジやアンプル、バイアルのような、薬剤を収容した医薬品容器等の容器に対する振動や衝撃を緩衝することが可能な包装体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明者らは、医薬品容器の保管及び搬送中に容器内の成分が凝集して凝集体粒子を形成する場合があることを見出した。医薬品においては、保管及び搬送中の凝集体粒子の形成を抑制できることが望ましい。
本発明者らは、内袋と外袋との二重パウチの包装体であって、当該内袋の内側に容器を収容して脱気状態で封止し、内袋と外袋との間には気体を封入して、容器が、内袋により外袋から空間を隔てて固定される構造を有する包装体により、容器の振動や衝撃を緩衝することが可能なこと、さらに、医薬品容器においてはその保管及び搬送中の凝集体粒子の形成を抑制できることを見出し、本発明に到った。
上記の知見に基づく本発明の第1の包装体は、液が充填された容器と、該容器を収容する包装材とを備える包装体であって、該包装材が、樹脂フィルムからなる内袋と、内袋を収容し樹脂フィルムからなる外袋とを備え、内袋は、容器を袋の内側に収容して脱気状態で封止されており、外袋は、その端部が内袋の端部と固着されて内袋の外側に気体が封入された状態で封止されており、容器が、内袋により外袋から空間を隔てて固定されていることを特徴とする。
一実施形態において、内袋及び外袋は、それぞれ独立に、三方袋、四方袋又はピロー袋である。一実施形態において、内袋の樹脂フィルム(以下、「内袋用樹脂フィルム」ともいう。)は、ポリオレフィン系樹脂フィルムを含む。一実施形態において、外袋の樹脂フィルム(以下、「外袋用樹脂フィルム」ともいう。)は、バリア層を含む。
一実施形態において、容器は、医薬品容器である。一実施形態において、医薬品容器に充填された液は、ペプチド、タンパク質、核酸及びワクチンから選択される少なくとも1種を含有する液である。一実施形態において、医薬品容器に充填された液は、バイオ医薬を含有する液である。
本発明の第1の包装体の製造方法は、内袋用樹脂フィルム及び外袋用樹脂フィルムを用意する工程と、内袋用樹脂フィルム及び外袋用樹脂フィルムを用いて、開口部を有する内袋と、袋の内側に内袋を収容し開口部を有する外袋とを作製する工程と、液が充填された容器を内袋の内側に挿入し、内袋の内側の気体を除去しながら内袋の開口部を封止し、かつ内袋と外袋との間に気体を供給しながら外袋の開口部を封止する工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明者らは、容器を蓋材にスキンパックで固定し、この固定されたスキンパックに対し、間隔を隔ててブリスターで覆うことにより、スキンパックの密着固定により包装体内で容器が振動、移動することを防止し、また、スキンパックとブリスターとの間の空間が緩衝材となって外部からの振動、衝撃に対して緩衝することが可能なこと、さらに、医薬品容器においてはその保管及び搬送中の凝集体粒子の形成を抑制できることを見出し、本発明に到った。
上記の知見に基づく本発明の第2の包装体は、液が充填された容器と、該容器を収容する包装材とを備える包装体であって、該包装材が、蓋材と、スキンパックフィルムと、ブリスターとを備える。容器は、蓋材とスキンパックフィルムとの間に収容されており、スキンパックフィルムは、容器の外形に従って変形されて蓋材に密着固定されている。ブリスターは膨出部を有し、膨出部の内側に容器及びスキンパックフィルムの変形部分が収容されている。膨出部は、スキンパックフィルムの変形部分に対し空間を隔てて形成されている。ブリスターは、蓋材又は蓋材に密着固定されたスキンパックフィルムに密着固定されている。
一実施形態において、ブリスターは、ソフトブリスターである。一実施形態において、スキンパックフィルム及びブリスターのうちの一方と、蓋材とが、バリア層を含む。一実施形態において、本発明の第2の包装体は、蓋材とスキンパックフィルムとの易開封性手段を備える。
一実施形態において、容器は、医薬品容器である。一実施形態において、医薬品容器に充填された液は、ペプチド、タンパク質、核酸及びワクチンから選択される少なくとも1種を含有する液である。一実施形態において、医薬品容器に充填された液は、バイオ医薬を含有する液である。
本発明の第2の包装体の製造方法は、蓋材に、スキンパックフィルムを用いて、液が充填された容器をスキンパックして固定した後、容器が固定されたスキンパックフィルムの変形部分に対し空間を隔てるように形成されたブリスターを蓋材又は蓋材に密着固定されたスキンパックフィルムに密着固定することを特徴とする。
本発明の包装体によれば、プレフィルドシリンジやアンプル、バイアルのような、薬剤等を収容した容器の振動や衝撃を緩衝することができる。本発明の包装体の一実施形態によれば、医薬品容器の保管及び搬送中の凝集体粒子の形成を抑制することができる。
本発明の第1の包装体の一実施形態の模式的な平面図である。 図1の包装体の断面図である。 図1の包装体においてプレフィルドシリンジに代えてバイアルを収容した例を示す模式的な平面図である。 第1の包装体の別の実施形態の模式的な平面図である。 図4の包装体の断面図である。 第1の包装体の別の実施形態の模式的な平面図である。 図6の包装体の断面図である。 内袋用樹脂フィルムと外袋用樹脂フィルムとがポイントシールにより部分的に接合されていることを説明する模式図である。 本発明の第1の包装体の製造方法の一実施形態を説明する模式図であり、図9(a)は製造ラインを斜め上方から見た図、図9(b)は製造ラインを正面から見た図である。 本発明の第1の包装体の製造時における包装機の空気吸引用チューブ及び気体送入用チューブの配置を示す模式的な断面図である。 本発明の第2の包装体の一実施形態の模式的な斜視図である。 図11の包装体の断面図である。 第2の包装体の別の実施形態の模式的な断面図である。 第2の包装体の別の実施形態の模式的な斜視図である。 本発明の第2の包装体の製造方法の一実施形態を説明する模式図である。 スキンパック包装機の要部の模式図である。
[第1の包装体]
以下、本発明の第1の包装体の実施形態を、図面を用いつつ具体的に説明する。図1~図10は、第1の包装体に関する図である。
図1に、本発明の第1の包装体の一実施形態の模式的な平面図を示し、図2に、図1の包装体のII-II線視断面図を示す。図1、図2では、包装体1は、容器の一例としてのプレフィルドシリンジSを備える包装体の実施形態を示しており、図面上、プレフィルドシリンジSは模式的に単純な円筒形状で表されている。
包装体1が収容可能な容器はプレフィルドシリンジSに限られず、医薬品容器としてのバイアルV(図3に示す)やアンプルの場合であっても、包装体1の構造上、プレフィルドシリンジSを収容した場合と同様に、振動、衝撃の緩和の効果を得ることができる。容器は、ガラス製であっても、プラスチック製であってもよい。第1の包装体は、医薬品容器以外の用途の容器を収容していてもよい。
図1及び図2において、包装体1における包装材は、内袋2と外袋3とを備え、外袋3の内側に内袋2が収容された二重袋の構造になっている。図示した本実施形態においては、内袋2及び外袋3は、いずれも樹脂フィルムが半折されて略四角形の平面形状を有していて、折り曲げられた端辺以外の三つの端辺がシールされた三方袋に形成されている。
もっとも、内袋及び外袋は、三方袋に限られず、折り曲げられた端辺についても内袋と外袋とが互いに固着されるようにシールされている四方袋とすることもできる。また、内袋及び外袋は、樹脂フィルムの両端部から中央側に折り返して合掌状にシールして、合掌シール部を有する筒状胴部を形成し、その筒状胴部の上端及び下端をシールして上端シール部及び下端シール部を形成することにより、ピロー袋とすることもできる。内袋及び外袋は、上端シール部及び下端シール部において互いに固着されるようにシールされている。
図4に、四方袋の実施形態の包装体の模式的な平面図を示し、図5に、図4の包装体のA-A線視断面図を示す。図4及び図5の包装体4における包装材は、内袋5と外袋6とを備え、外袋6の内側に内袋5が収容された二重袋の構造になっている。
図6に、ピロー袋の実施形態の包装体の模式的な平面図を示し、図7に、図6の包装体のB-B線視断面図を示す。図6及び図7の包装体7における包装材は、内袋8と外袋9とを備え、外袋9の内側に内袋8が収容された二重袋の構造になっている。
図1、図2に示した包装体1と、図4、図5に示した包装体4と、図6、図7に示した包装体7とは、三方袋か四方袋かピロー袋かの構造の相違以外は相違はなく、同じ材料を用いることができるため、以下では、必要に応じて三方袋の包装体1に代表させて説明する。
内袋用樹脂フィルムは、ポリオレフィン系樹脂フィルムの単層体又は積層体であることができる。外袋用樹脂フィルムは、基層を有し、ポリオレフィン系樹脂からなる層を袋の内側となる表層に有する積層フィルムであることができる。
図2に示されるように、プレフィルドシリンジSは、内袋2の内側に収容されている。内袋2は、その内側にプレフィルドシリンジSが収容されて、脱気状態で封止されている。内袋2の内側は、脱気状態にされることで減圧状態になり、プレフィルドシリンジSは、内袋2用樹脂フィルムに密着して固定される。プレフィルドシリンジSの好ましい固定位置は、好ましくは図1の平面図で見て内袋2の長手方向のほぼ中央、幅方向のほぼ中央である。
内袋とプレフィルドシリンジS等の容器との間の空間の体積率は、22%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましい。上記体積率は、容器を収容した内袋を封止した場合において、内袋内に充填可能な気体の最大体積を基準とする。これにより、容器が内袋に充分に密着して固定される。上記体積率は低いほど好ましいが、例えば1%、2%、3%又は5%であっても、上記効果が充分に得られる。
外袋は、内袋と外袋との間に気体(例えば空気や不活性ガス)が封入されて、外袋が膨らんだ状態で封止されている。図2の断面図で見て内袋2は、幅方向の両端部のうちの一方の端部が、外袋3とシールされて固着されている。図5の四方袋の場合は、内袋5は、幅方向の両端部が外袋6とシールされて固着されている。図7のピロー袋の場合は、内袋8の幅方向の両端部は外袋9とはシールされていない。
なお、図2の三方袋の場合は内袋2の幅方向の両端部のうちの他方の端部は外袋3とはシールされていないが、外袋3の内側に気体が封入されて外袋3が膨らんでいることにより内袋2の幅方向の両端部が押圧されて、固定されている。したがって、内袋2は、外袋3の内部空間を隔てて固定されている。このため、内袋2の幅方向のほぼ中央部に位置するプレフィルドシリンジSもまた、外袋3の内部空間を隔てて位置する。
また、図7のピロー袋の場合は内袋8の幅方向の両端部は外袋9とはシールされていないが、内袋8は、上端シール部及び下端シール部において外袋9と固着されるようにシールされており、外袋9の内側に気体が封入されて外袋9が膨らんでいることにより内袋8の幅方向の両端部が押圧されて、固定されている。したがって、内袋8は、外袋9の内部空間を隔てて固定されている。このため、内袋8の幅方向のほぼ中央部に位置するプレフィルドシリンジSもまた、外袋9の内部空間を隔てて位置する。
内袋と外袋との間に封入又は充填された気体の、大気圧を基準とした相対圧力は、60Pa以上が好ましく、80Pa以上がより好ましく、100Pa以上がさらに好ましく、150Pa以上がよりさらに好ましく、200Pa以上が特に好ましい。上記気体が陽圧となっていることにより、包装体の衝撃及び振動吸収性をより向上できる。上記相対圧力の上限は特に限定されず、上記相対圧力は、例えば600Pa以下であり、製造容易性の観点から、500Pa以下が好ましく、400Pa以下がより好ましい。
上記相対圧力は、内袋と外袋との間に封入又は充填された気体の絶対圧から大気圧を差し引いた圧力である。上記相対圧力は、圧力データロガーを内袋と外袋との間に入れて測定できる。
本実施形態の包装体1において、プレフィルドシリンジSが、内側が脱気された内袋2により固定されていることから、外部から衝撃や振動が包装体1に加わっても、包装体1内で不要に動くことがない。また、プレフィルドシリンジSが、外袋3から空間を隔てて位置することから、外部から衝撃や振動が包装体1に加わっても、外袋3内の気体が緩衝材となって衝撃や振動を吸収する。したがって、プレフィルドシリンジSの振動や衝撃を緩衝することができる。
第1の包装体が備える包装材は、容器の包装材であるとともに、容器の緩衝材でもあり、つまり包装材と緩衝材とが一体化したものである。これにより包装機能と緩衝機能とを兼ね備えた、一体化された包装材となっている。
さらに外袋用樹脂フィルム及び内袋用樹脂フィルムのいずれか又は両方の樹脂フィルム中にバリア層等になる機能性層を含ませることにより、上記包装材にバリア機能等を付加することができる。
まず、内袋について説明する。
内袋用樹脂フィルムは、単層であってもよく、二層以上の複層であってもよく、すなわち単層フィルムであってもよく、積層フィルムであってもよい。一実施形態において、いずれの場合の樹脂フィルムも、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂からなるフィルム(ポリオレフィン系樹脂フィルム)を少なくとも含む。内袋用樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムを含むことにより、プレフィルドシリンジS等の容器を脱気状態で確実に固定することができるとともに、内袋を透明な袋にすることができる。
また、内袋用樹脂フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムを含むことにより、内袋用樹脂フィルムを半折して三方袋を作製するとき、二枚の内袋用樹脂フィルムで四方袋を作製するとき、又は内袋用樹脂フィルムの両端部から中央側に折り返して合掌状にシールしてピロー袋を作製するときに、内袋用樹脂フィルム同士をヒートシールして内袋を容易に製造することができる。また、内袋の端部と外袋の端部とを熱接合して容易に固定することができる。
ポリオレフィン系樹脂は、より具体的に、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、プロックポリプロピレン、ヒートシール性延伸ポリプロピレン(HS-OPP)から選択される1種又は2種以上であることができる。
内袋用樹脂フィルムが積層フィルムである場合は、例えば、未延伸ポリプロピレンフィルムとポリエチレンフィルムとの積層フィルムを用いることができる。
内袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムは、必要に応じて機能性層を備えることができる。機能性層としては、例えば、ガスバリア層、酸素吸収層が挙げられる。
ガスバリア層としては、例えば、延伸ナイロン層、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)層、金属又は金属酸化物の蒸着層(例えば、酸化ケイ素蒸着層、酸化アルミニウム蒸着層、アルミニウム蒸着層)、IBフィルム、その他の公知のガスバリアコート層が挙げられる。
ガスバリア層としての蒸着層は、透明蒸着層であってもよく、不透明蒸着層であってもよい。蒸着層が透明蒸着層であることにより、内容物の視認性を保ちながら、酸素ガス及び水蒸気等のガスの透過を阻止するガスバリア性を付与、又は向上させることができる。蒸着層は2層以上であってもよい。蒸着層が2層以上である場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
透明蒸着層としては、無機元素又は無機酸化物の蒸着層、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、ハフニウム(Hf)、バリウム(B)等の無機元素又はその酸化物の蒸着層を使用することができる。
無機酸化物の化学式は、例えば、SiO、AlO等のようにMOで表される。ただし、上記式中、Mは、無機元素を表し、Xは正数であり、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲が異なる。無機元素がAlの場合、上記式中のXの値としては、基本的には、X=0.5以上のものを使用することができるが、X=1.0未満になると、着色し、かつ、透明性に劣る場合があることから、X=1.0以上のものを使用することが好ましい。また、X=1.5のものは、Alと酸素とが完全に酸化した状態のものであることから、上限としては、X=1.5までのものを使用することができる。
蒸着層の厚さは、使用する無機元素又は無機酸化物の種類等によって異なるが、例えば50Å以上2000Å以下、好ましくは100Å以上1000Å以下の範囲内で任意に選択して形成することが望ましい。例えば、酸化アルミニウムあるいは酸化ケイ素の蒸着層の場合には、厚さは、50Å以上500Å以下が好ましく、100Å以上300Å以下がより好ましい。
蒸着層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等により、樹脂フィルム上に形成することができる。より具体的には、ローラー式蒸着膜成膜装置を用いて、成膜ローラー上において蒸着層を形成することができる。
ガスバリア層としてのガスバリアコート層は、酸素ガス及び水蒸気などの透過を抑制する層として機能する塗膜である。ガスバリアコート層は、例えば、金属アルコキシドと、水溶性高分子とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤などの存在下に、ゾルゲル法によって重縮合して得られる金属アルコキシドの加水分解物又は金属アルコキシドの加水分解縮合物を含むガスバリア性組成物からなる。
ガスバリアコート層は、透明であることが好ましい。ガスバリアコート層は、単独で又は上記蒸着層に重ねて用いることができる。蒸着層にガスバリアコート層を重ねて用いることにより、蒸着層のクラックの発生を効果的に防止することができる。
金属アルコキシドとしては、例えば、一般式R M(ORで表されるアルコキシドが挙げられる。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体が挙げられる。
上記一般式中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1~8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。
上記一般式R M(ORで表されるアルコキシドとしては、例えば、アルコキシドの部分加水分解物、及びアルコキシドの加水分解縮合物から選択される少なくとも1種を使用することができる。また、上記アルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、及びその混合物であってもよい。上記アルコキシドの加水分解縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には2~6量体のもの、が使用される。
上記一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、例えば、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウムが挙げられる。好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタンが挙げられる。本発明において、アルコキシドの用い方としては、1種単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
上記一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基などのアルキル基が挙げられる。上記一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基などのアルキル基が挙げられる。なお、同一分子中におけるこれらのアルキル基は、同一であっても、異なってもよい。
上記一般式R M(ORを満たす金属アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン(Si(OCH)、テトラエトキシシランSi(OC)、テトラプロポキシシラン(Si(OC)、テトラブトキシシラン(Si(OC)が挙げられる。
上記ガスバリア性組成物を調製する際、例えば、シランカップリング剤などを添加してもよい。上記シランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。本実施形態においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適に用いられ、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを使用することができる。上記シランカップリング剤は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール及びエチレン-ビニルアルコール共重合体が好ましい。酸素バリア性及び水蒸気バリア性などの所望の物性に応じて、ポリビニルアルコール及びエチレン-ビニルアルコール共重合体のいずれか一方を使用してもよく、両者を併用してもよく、また、ポリビニルアルコールを用いて得られるガスバリアコート層及びエチレン-ビニルアルコール共重合体を用いて得られるガスバリアコート層を積層してもよい。
ガスバリアコート層における水溶性高分子の含有量は、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上500質量部以下であることが好ましい。ガスバリアコート層における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して5質量部以上とすることにより、ガスバリアコート層の酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより向上することができる。また、ガスバリアコート層における水溶性高分子の含有量を、金属アルコキシド100質量部に対して500質量部以下とすることにより、ガスバリアコート層の製膜性を向上することができる。
ガスバリアコート層の厚さは、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、0.1μm以上50μm以下であることがより好ましい。これにより、リサイクル性を維持しつつ、酸素バリア性及び水蒸気バリア性をより向上することができる。ガスバリアコート層の厚さを0.01μm以上とすることにより、ガスバリアコート層の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を向上することができる。また、ガスバリアコート層を無機酸化物から構成される蒸着層と隣接するように設けた場合に、蒸着層におけるクラックの発生を防止することができる。
ガスバリアコート層は、グラビアロールコーターなどを用いたロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの従来公知の手段により、上記ガスバリア性組成物を塗布し、その組成物をゾルゲル法により重縮合することにより形成させることができる。
ゾルゲル法触媒としては、酸又はアミン系化合物が好適である。アミン系化合物としては、水に実質的に不溶であり、且つ有機溶剤に可溶な第3級アミンが好適であり、例えば、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミンが挙げられる。これらの中でも、N,N-ジメチルベンジルアミンが好ましい。
ゾルゲル法触媒は、金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上1.0質量部以下の範囲で使用することが好ましく、0.03質量部以上0.3質量部以下の範囲で使用することがより好ましい。
ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、0.01質量部以上とすることにより、その触媒効果を向上することができる。また、ゾルゲル法触媒の使用量を金属アルコキシド100質量部当り、1.0質量部以下とすることにより、形成されるガスバリアコート層の厚さを均一にすることができる。
上記ガスバリア性組成物は、さらに酸を含んでいてもよい。酸は、ゾルゲル法の触媒、主としてアルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、並びに酢酸、酒石酸などの有機酸が用いられる。酸の使用量は、アルコキシド及びシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上0.05モル以下であることが好ましい。
酸の使用量をアルコキシド及びシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.001モル以上とすることにより、触媒効果を向上することができる。また、酸の使用量をアルコキシド及びシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対して、0.05モル以下とすることにより、形成されるガスバリアコート層の厚さを均一にすることができる。
上記ガスバリア性組成物は、アルコキシドの合計モル量1モルに対して、好ましくは0.1モル以上100モル以下、より好ましくは0.8モル以上2モル以下の割合の水を含んでなることが望ましい。
水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、0.1モル以上とすることにより、ガスバリアコート層の酸素バリア性及び水蒸気バリア性を向上することができる。また、水の含有量をアルコキシドの合計モル量1モルに対して、100モル以下とすることにより、加水分解反応を速やかに行うことができる。
上記ガスバリア性組成物は、有機溶剤を含んでいてもよい。有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノールを用いることができる。
以下、ガスバリアコート層の形成方法の一実施形態について説明する。
まず、金属アルコキシド、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、水、有機溶剤及び必要に応じてシランカップリング剤などを混合し、ガスバリア性組成物を調製する。該組成物中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、ポリオレフィン系樹脂層上に、上記従来公知の方法により、ガスバリア性組成物を塗布、乾燥する。この乾燥により、金属アルコキシド及び水溶性高分子(組成物が、シランカップリング剤を含む場合は、シランカップリング剤も)の重縮合反応がさらに進行し、複合ポリマーの層が形成される。
最後に、上記ガスバリア性組成物の塗膜を、好ましくは20~250℃、より好ましくは50~220℃の温度で、例えば1秒~10分間加熱することにより、ガスバリアコート層を形成することができる。
機能性層としての酸素吸収層は、例えば、酸素吸収剤を含む、樹脂層又は接着層である。酸素吸収剤は、無機系酸素吸収剤及び有機系酸素吸収剤のいずれでもよい。
無機系酸素吸収剤としては、粒状の金属等を主成分とする従来から使用されている酸素吸収剤を用いることができ、還元性を有する金属粉、例えば、還元性鉄、還元性亜鉛、還元性錫粉;金属低位酸化物、例えば、酸化第一鉄、四三酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛;還元性金属化合物、例えば、炭化鉄、硅素鉄、鉄カルボニル、水酸化第一鉄が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせたものを主成分とすることができる。
有機系酸素吸収剤としては、OH基酸化型のものとしてアスコルビン酸、カテコール、グリセリン等を、二重結合酸化型のものとして共役二重結合ポリマー、シクロヘキサン含有ポリマー、不飽和脂肪酸等を、その他のものとしてMXDナイロン等を用いることができる。
これらの酸素吸収剤は、必要に応じてアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第三燐酸塩、活性アルミナ、活性白土のような助剤と組み合わせて使用することができる。
さらに、内袋としては、必要に応じて、易開封性を有するフィルム又は易開封性を付与する加工を施したフィルムを用いることができる。
内袋用樹脂フィルムの厚さは、一実施形態において、1μm以上200μm以下であり、5μm以上150μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましい。
次に、外袋について説明する。
外袋用樹脂フィルムとしては、例えば、PETや延伸ナイロン等の基層を有し、ポリオレフィン系樹脂からなる層を袋の内側となる表層に有する積層フィルムを用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂からなる層が、外袋用樹脂フィルムを袋状に形成したときに内表面となる層であり、ヒートシール層として機能する。そのポリオレフィン系樹脂を、内袋の外表面のポリオレフィン系樹脂フィルムと同種の樹脂にすることで、内袋の端部と外袋の端部とをヒートシールで容易に熱接合することができる。
同種の樹脂とは、例えば、内袋の外表面がポリエチレン樹脂であるときに外袋の内側の表層がポリエチレン樹脂からなる層であることをいい、また、内袋の外表面がポリプロピレン樹脂であるときに外袋の内側の表層がポリプロピレン樹脂からなる層であることをいう。
外袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムは、必要に応じて機能性層を備えることができる。機能性層としては、例えば、遮光層(UVカット層)、ガスバリア層が挙げられる。
遮光層としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜、紫外線吸収剤を含む層が挙げられる。ガスバリア層としては、例えば、アルミニウム蒸着層、アルミニウム酸化物蒸着層、酸化ケイ素蒸着層等の蒸着層、IBフィルム、その他の公知のガスバリアコート層、延伸ナイロン層、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)層が挙げられる。
外袋のためのガスバリア層としては、内袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムに用いられるガスバリア層のいずれも用いることができる。ガスバリア層は既に説明したので、ここでは重複する説明を省略する。
また、外袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムは、酸素吸収層として、酸素吸収剤を含む、樹脂層又は接着層を含むことができる。酸素吸収剤としては、内袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムに用いられる酸素吸収剤のいずれも用いることができる。酸素吸収剤は既に説明したので、ここでは重複する説明を省略する。
第1の包装体には、収容された容器を目で確認できることが求められていることから、外袋には、外部から容器を目視で確認できることが求められることがある。この場合には、上述した機能性層のうちの遮光層として紫外線吸収剤を含む層としてUVカットインキを含む層やUVカットフィルムなどを選択し、ガスバリア層として透明なアルミニウム酸化物蒸着層、酸化ケイ素蒸着層や、透明な延伸ナイロン層、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)層などを選択し、これらを組み合わせて用いることができる。
また、外袋は、アルミニウム蒸着層のように不透明な層を有する場合には、目視用に不透明な層を部分的に有しない領域を備えるようにして、この領域を外袋の確認窓とすることができる。
外袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムは、例えば、PETフィルム層/接着層/ポリエチレンフィルム層の積層フィルム、PETフィルム層/アルミニウム酸化物蒸着層/接着層/ポリエチレンフィルム層の積層フィルム、PETフィルム層/アルミニウム酸化物蒸着層/接着層/延伸ナイロン層/接着層/ポリエチレンフィルム層の積層フィルム、延伸ナイロン層/アルミニウム酸化物蒸着層/接着層/ポリエチレンフィルム層の積層フィルム、PETフィルム層/アルミニウム酸化物蒸着層/UVカット層/接着層/延伸ナイロン層/接着層/ポリエチレンフィルム層の積層フィルムである。これらの積層フィルムの内側の表層のポリエチレンフィルム層は、内袋がポリエチレンフィルムである場合の当該ポリエチレンフィルムと接合されるように用いられる。また、上記蒸着層上(上記蒸着層と接着層又はUVカット層との間)にガスバリアコート層が設けられていてもよい。
本明細書において、積層フィルムの層構成を説明する場合、スラッシュ(/)はその前後にある層が隣接していることを意味する。
外袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムは、上記の他に、PETフィルム層/アルミニウム酸化物蒸着層/接着層/無延伸ポリプロピレン層の積層フィルムであってもよい。また、上記蒸着層上(上記蒸着層と接着層との間)にガスバリアコート層が設けられていてもよい。この積層フィルムの内側の表層のポリプロピレン層は、内袋がポリプロピレン層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルムから構成される場合の当該ポリプロピレン層と接合されるように用いられる。
外袋用樹脂フィルムの厚さは、一実施形態において、1μm以上200μm以下であり、5μm以上150μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましい。
[第1の包装体の製造方法]
本発明の第1の包装体の製造方法は、
内袋用樹脂フィルム及び外袋用樹脂フィルムを用意する工程(1)と、
内袋用樹脂フィルム及び外袋用樹脂フィルムを用いて、開口部を有する内袋と、袋の内側に内袋を収容し開口部を有する外袋とを作製する工程(2)と、
液が充填された容器を内袋の内側に挿入し、内袋の内側の気体を除去しながら内袋の開口部を封止し、かつ内袋と外袋との間に気体を供給しながら外袋の開口部を封止する工程(3)と
を含む。
内袋は、例えば、内袋用樹脂フィルムの端部の一部をヒートシールして形成される。工程(2)の段階では、内袋の内側に容器を挿入するために、内袋の開口部は封止されてはいない。
外袋は、例えば、外袋用樹脂フィルムの端部の一部をヒートシールして形成される。工程(2)の段階では、内袋と外袋との間に気体を封入又は充填するために、外袋の開口部は封止されてはいない。
一実施形態において、工程(2)では、内袋用樹脂フィルムの端部の一部と外袋用樹脂フィルムの端部の一部とを同時にヒートシールして、それぞれ開口部を有する内袋及び外袋を作製してもよく、内袋用樹脂フィルムの端部の一部をヒートシールして内袋を作製した後、内袋のシール部の一部を外袋用樹脂フィルムによる包装時に一体化シールすることで、内袋を外袋に固定してもよい。
一実施形態において、工程(3)では、内袋の開口部と外袋の開口部とを同時に封止してもよく、内袋の開口部を封止した後、外袋の開口部を封止してもよい。
一実施形態において、本発明の第1の包装体の製造方法は、内袋用樹脂フィルムと外袋用樹脂フィルムとを重ねた後、内袋用樹脂フィルムが内側になるように半折し、端部の一部をヒートシールして、それぞれ開口部を有する内袋及び外袋を作製する。次に、液が充填された容器を内袋の内側に挿入し、内袋の内側の気体を除去しながら内袋の開口部を封止し、かつ内袋と外袋との間に気体を供給しながら外袋の開口部を封止する。
次に、第1の包装体の製造方法について図8~10を用いて説明する。
包装体1は、包装機を用いて製造することができる。まず、内袋2用樹脂フィルムと外袋3用樹脂フィルムとを用意する。内袋2用樹脂フィルムのロールと外袋3用樹脂フィルムのロールとをそれぞれ包装機にセットしてもよいし、内袋2用樹脂フィルムと外袋3用樹脂フィルムとが予め重ねられているロールを包装機にセットしてもよい。
内袋2用樹脂フィルムと外袋3用樹脂フィルムとを予め重ねる場合は、内袋2用樹脂フィルムと外袋3用樹脂フィルムとに位置ずれが生じないように、図8に示すようにポイントシールPにより部分的に内袋2用樹脂フィルムと外袋3用樹脂フィルムとを接合しておくことが好ましい。
図9(a)の模式的な斜め上方から見た図及び同図(b)の模式的な正面図に示すように包装機において、樹脂フィルムをロールRから巻き出し、内袋2用樹脂フィルムと外袋3用樹脂フィルムとが重なるように連続的に供給する。
この重ねられた樹脂フィルムに対して、容器として例えばプレフィルドシリンジSを、内袋2用樹脂フィルムの内表面側に位置するように一定間隔で順次に供給する。
内袋2用樹脂フィルムと外袋3用樹脂フィルムとが重ねられた樹脂フィルムを、内袋2用樹脂フィルムの一表面が互いに対向するように半折し、樹脂フィルムの端部をヒートシールして筒状にする。折り重ねた樹脂フィルムの折り曲げられた端部を内袋2用樹脂フィルムと外袋3用樹脂フィルムとが固着するようにヒートシールしてもよい。
筒状になった樹脂フィルムの移動方向先端側の端部をヒートシールして後端部のみが開放された二重袋の形状とし、当該二重袋の内袋2の内側に挿入された空気吸引用チューブ11により、プレフィルドシリンジSがほぼ中央に位置するようにして脱気する。なお、脱気は、内袋2の内側の気体を除去できれば真空脱気に限られない。例えば、押圧部材を用いて内袋2を外側から押圧することにより脱気を行ってもよい。
脱気と同時に、内袋2と外袋3との間に挿入された気体送入用チューブ12により、空気又は不活性ガスとしての例えば窒素ガスを吹き込みながら、後端部の開口部をヒートシールして内袋2及び外袋3を同時に封止する。
図10に、包装機において内袋2の脱気を行う空気吸引用チューブ11と、外袋3への気体送入を行う気体送入用チューブ12との配置を模式的な断面図で示す。
後端部の開口部がヒートシールされた後、樹脂フィルムの移動方向先後端をカットして個別の包装体1を得る。なお、製造工程は、上記の工程に限定されるものではなく、幾多の変形が可能である。
[第2の包装体]
以下、本発明の第2の包装体の実施形態を、図面を用いつつ具体的に説明する。図11~図16は、第2の包装体に関する図である。
図11に、本発明の第2の包装体の一実施形態の模式的な斜視図を示し、図12に、図11の包装体のII-II線視断面図を示す。図13に、第2の包装体の別の実施形態の断面図を示す。図11、図12では、包装体1bは、容器の一例としてのプレフィルドシリンジSを備える包装体の実施形態を示しており、図面上、プレフィルドシリンジSは模式的に単純な円筒形状で表されている。
包装体1bが収容可能な容器はプレフィルドシリンジSに限られず、医薬品容器としてのバイアルV(図14に示す)やアンプルの場合であっても、包装体1bの構造上、プレフィルドシリンジSを収容した場合と同様に、振動、衝撃の緩和の効果を得ることができる。容器は、ガラス製であっても、プラスチック製であってもよい。第2の包装体は、医薬品容器以外の用途の容器を収容していてもよい。
図11及び図12において、包装体1bにおける包装材は、蓋材2bと、スキンパックフィルム3bと、ブリスター4bとを備えている。図示した本実施形態においては、蓋材2bとスキンパックフィルム3bとプレフィルドシリンジSとで、スキンパック包装体を構成している。
スキンパック包装体は、熱可塑性樹脂からなるスキンパックフィルム3bと台材(本発明では蓋材2bが対応)とを有し、台材上の所定位置に載置された被包装物(例えば本実施形態ではプレフィルドシリンジS)に対し、加熱により軟化させたスキンパックフィルム3bを被包装物の外形に沿って密着させると共に、台材とシールした真空包装体である。
スキンパックフィルム3bは、スキンパックに適合するフィルムとして、熱可塑性を有し、被包装物の外形に追随するように変形して伸展する特性を有している。
図12に示されるように、プレフィルドシリンジSは、蓋材2bとスキンパックフィルム3bとの間に収容されて、スキンパックフィルム3bは、真空脱気状態で封止されている。スキンパックによりスキンパックフィルム3bを軟化させてプレフィルドシリンジSに密着させ真空脱気状態で封止することで、蓋材2bとスキンパックフィルム3bとの間は減圧状態になり、プレフィルドシリンジSは、スキンパックフィルム3bに密着して固定される。プレフィルドシリンジSの好ましい固定位置は、好ましくは図11を平面視した場合に蓋材2bの長手方向のほぼ中央、幅方向のほぼ中央である。
ブリスター4bは、平面的なフィルムから一方の側に膨出している膨出部を有している。一実施形態において、図12に示すように、ブリスター4bは、膨出部41bと、膨出部41bの周縁に設けられたフランジ部42bとを有している。蓋材2bは、ブリスター4bの膨出部41bの開口側を塞いでいる。
膨出部は、スキンパックにより蓋材に固定されている容器(例えばプレフィルドシリンジS)の外形から空間を隔てることができる大きさを有している。膨出部の形状は特に限定されない。図12においてプレフィルドシリンジSが概略的に円筒状であるから、膨出部が概略円筒状又は半円筒状になるように形成にすることができるし、他の形状であってもよい。
一実施形態において、容器とブリスターの膨出部の天面との最近接距離は、1mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましく、7mm以上が特に好ましい。これにより、包装体の衝撃及び振動吸収性をより向上できる。上記最近接距離の上限は特に限定されず、上記最近接距離は、例えば20mm以下であり、15mm以下が好ましく、13mm以下がより好ましい。容器とブリスター天面との最近接距離は、例えば、図12におけるDである。
ブリスター4bは、一実施形態において、図12に示されるように、そのフランジ部42bが蓋材2bに密着固定されているスキンパックフィルム3bに密着固定されることにより固定されている。この実施形態では、スキンパックフィルム3bは、ブリスター4bのフランジ部42b下にも存在しており、ブリスター4bのフランジ部42bと蓋材2bとに密着している。
ブリスター4bは、一実施形態において、図13に示されるように、そのフランジ部42bが蓋材2bに密着固定されることにより固定されている。この実施形態では、スキンパックフィルム3bは、ブリスター4bのフランジ部42b下には存在せず、ブリスター4bのフランジ部42bと蓋材2bとが密着している。
ブリスター4bと、スキンパックフィルム3bがプレフィルドシリンジSの外形に追随して変形している部分(変形部分)との間には、空間が存在する。この空間には、空気又は不活性ガス(例えば窒素ガス)が、ほほ常圧で満たされて封入されている。したがって、スキンパックされたプレフィルドシリンジSは、ブリスター4bから内部空間を隔てて位置する。
本実施形態の包装体1bにおいて、蓋材2bに接したプレフィルドシリンジSが、スキンパックフィルム3bにより固定されていることから、外部から衝撃や振動が包装体1bに加わっても、包装体1b内で不要に動くことがない。また、プレフィルドシリンジSが、ブリスター4bから空間を隔てて位置することから、外部から衝撃や振動が包装体1bに加わっても、ブリスター4b内の気体が緩衝材となって衝撃や振動を吸収する。したがって、プレフィルドシリンジSの振動や衝撃を緩衝することができる。
第2の包装体が備える包装材は、容器の包装材であるとともに、容器の緩衝材でもあり、つまり包装材と緩衝材とが一体化したものである。これにより包装機能と緩衝機能とを兼ね備えた、一体化された包装材となっている。
さらに蓋材、スキンパックフィルム及びブリスターから選択される少なくとも1種を構成する樹脂フィルム中にバリア層や遮光層等になる機能性層を含ませることにより、上記包装材にバリア機能等を付加することができる。
以下、各部材についてより具体的に説明する。
蓋材は、例えば樹脂フィルムからなり、単層であってもよく、二層以上の複層であってもよく、すなわち単層フィルムであってもよく、積層フィルムであってもよい。蓋材は、スキンパックフィルムとヒートシール可能な層を容器の収容空間側の表層として含むことが好ましい。蓋材としては、具体的には、PETや延伸ナイロン等の基層を有し、ポリオレフィン系樹脂からなる層を容器の収容空間側の表層として有する積層フィルムを用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂からなる層が、スキンパックフィルムやブリスターに対向する表面となる層である。そのポリオレフィン系樹脂を、スキンパックフィルムやブリスターの蓋材側の表面の樹脂フィルムと同種の樹脂にすることで、蓋材と、スキンパックフィルムやブリスターとを、ヒートシールで容易に熱接合することができる。
同種の樹脂とは、例えば、容器の収容空間側の蓋材の表層がポリエチレン樹脂層であるときに、スキンパックフィルム及びブリスターの蓋材側表層がポリエチレン樹脂層であることをいう。
蓋材としての積層フィルムは、必要に応じて機能性層を備えることができる。機能性層としては、例えば、遮光層(UVカット層)、ガスバリア層(例えば酸素バリア層)、酸素吸収層が挙げられる。
遮光層としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜、紫外線吸収剤を含む層が挙げられる。ガスバリア層としては、例えば、アルミニウム蒸着層、アルミニウム酸化物蒸着層、酸化ケイ素蒸着層等の蒸着層、公知のガスバリアコート層、延伸ナイロン層、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)層が挙げられる。
ガスバリア層としては、第1の包装体における内袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムに用いられるガスバリア層のいずれも用いることができる。ガスバリア層は既に説明したので、ここでは重複する説明を省略する。
酸素吸収層は、例えば、酸素吸収剤を含む樹脂層である。酸素吸収剤としては、第1の包装体における内袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムに用いられる酸素吸収剤のいずれも用いることができる。酸素吸収剤は既に説明したので、ここでは重複する説明を省略する。
第2の包装体には、収容された容器を目で確認できることが求められていることから、蓋材又はブリスターのうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的に透明な部分を有することが望まれる。
したがって、蓋材として、UVカット層としてUVカットインキを含む層やUVカットフィルムなどを選択し、ガスバリア層として透明なアルミニウム酸化物蒸着層、酸化ケイ素蒸着層や、透明な延伸ナイロン層、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)層などを選択し、これらを組み合わせて用いることで、蓋材を通して包装体内のプレフィルドシリンジS等の容器を目で確認できるようにしながら、蓋材にUVカット性やガスバリア性を付加することができる。
また、蓋材は、アルミニウム蒸着層のように不透明な層を有する場合には、目視用に不透明な層を部分的に有しない領域を備えるようにして、この領域を蓋材の確認窓とすることができる。
蓋材としての積層フィルムは、例えば、PET層/接着層/延伸ナイロン層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルム、PET層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルム、延伸ナイロン層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルム、PET層/バリア層/接着層/延伸ナイロン層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルム、PET層/バリア層/UVカット層/接着層/延伸ナイロン層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルム、PET層/バリア層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルム、延伸ナイロン層/バリア層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルムである。バリア層等の層は2層以上あってもよい。これらの積層フィルムの表層のポリエチレン層は、スキンパックフィルムやブリスターの表層がポリエチレンフィルムである場合の当該ポリエチレンフィルムと接合されるように用いられる。
蓋材の厚さは、一実施形態において、5μm以上300μm以下であり、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上150μm以下がより好ましい。
蓋材としては、必要に応じて易開封性を有するフィルム又は易開封性を付与する加工を施したフィルムを用いることができる。
スキンパックフィルムは、例えば、加熱により軟化し、被包装物の外形に沿って伸展して当該被包装物と密着する樹脂フィルムであり、単層であってもよく、二層以上の複層であってもよく、すなわち単層フィルムであってもよく、積層フィルムであってもよい。本発明において、上記被包装物とは、液が充填された容器を指す。
スキンパックフィルムとしては、例えば、軟質塩化ビニル、アイオノマー、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体等からなる樹脂フィルム、これらの複数の樹脂フィルムを重ねた積層フィルムが挙げられる。複層が積層された積層フィルムの場合、蓋材又はブリスター側の表層は、蓋材及びブリスターとの接着性を考慮してポリエチレンであることが好ましい。
スキンパックフィルムは、必要に応じて機能性層を備えることができる。スキンパックフィルムは、例えば、ガスバリア層としてエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)を含む層を備えることができる。スキンパックフィルムは、例えば、酸素吸収層として酸素吸収剤を含む樹脂層を備えることができる。酸素吸収剤としては、第1の包装体における内袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムに用いられる酸素吸収剤のいずれも用いることができる。酸素吸収剤は既に説明したので、ここでは重複する説明を省略する。
スキンパックフィルムは、スキンパックによりプレフィルドシリンジS等の容器を真空脱気状態かつフィルムに密着した状態で確実に蓋材に固定することができる。これにより、容器が包装体内で移動、振動することを防止することができる。
また、容器が真空脱気状態でスキンパックフィルムと密着し蓋材に固定されるので、蓋材とスキンパックフィルムとの間の残存空気を極力排除することができ、特に蓋材及びスキンパックフィルムがガスバリア層や酸素吸収層を含む場合は、酸素量を低減し、酸素の影響を抑制することができる。
さらに、スキンパックフィルムとしては透明なフィルムを用いることができ、これにより、容器内の液を容易に確認することができる。さらに、スキンパックフィルムは、蓋材及びブリスターとヒートシールで接合することができる。
スキンパックフィルムとしては、必要に応じて易開封性を有するフィルム又は易開封性を付与する加工を施したフィルムを用いることができる。
スキンパックフィルムとしての積層フィルムは、例えば、ポリエチレン層/接着層/アイオノマー層/エチレン-酢酸ビニル共重合体層の積層フィルム、ポリエチレン層/エチレン-酢酸ビニル共重合体層/ポリエチレン層の積層フィルム、ポリエチレン層/アイオノマー層/エチレン-酢酸ビニル共重合体層の積層フィルム、ポリエチレン層/アイオノマー層/ポリエチレン層の積層フィルムである。
ガスバリア層を備えるスキンパックフィルムの積層フィルムは、例えば、ポリエチレン層/エチレン-酢酸ビニル共重合体層/接着層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/接着層/エチレン-酢酸ビニル共重合体層/ポリエチレン層の積層フィルム、ポリエチレン層/接着層/アイオノマー層/接着層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/接着層/ポリエチレン層の積層フィルム、ポリエチレン層/接着層/アイオノマー層/接着層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/接着層/エチレン-酢酸ビニル共重合体層の積層フィルムである。
スキンパック前のスキンパックフィルムの厚さは、一実施形態において、5μm以上350μm以下であり、10μm以上250μm以下が好ましく、20μm以上200μm以下がより好ましい。
ブリスターは、透明なプラスチック成形品であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂シートを真空成形して作製される。樹脂シートは、単層であってもよく、二層以上の複層であってもよく、すなわち単層シートであってもよく、積層シートであってもよい。ブリスターと、スキンパックフィルムのブリスター側の表層のポリエチレン層とをヒートシールするためには、これらの中でもブリスターはポリエチレンからなることが好ましい。なお、シートの概念には、フィルムが包含され得る。
ブリスターは、バリア性その他の機能を付加する目的で、複層が積層され、かつ機能性層を備える積層シートにすることができる。機能性層としては、ガスバリア層として、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)を含む層が挙げられ、UVカット層として、例えば、紫外線吸収剤を含む樹脂層が挙げられ、酸素吸収層として、例えば、酸素吸収剤を含む樹脂層が挙げられる。酸素吸収剤としては、第1の包装体における内袋用樹脂フィルムとしての積層フィルムに用いられる酸素吸収剤のいずれも用いることができる。酸素吸収剤は既に説明したので、ここでは重複する説明を省略する。
上記ガスバリア層を含む積層シートは、例えば、ポリエチレン層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/ポリエチレン層の積層シート、ポリエチレン層/接着層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/接着層/ポリエチレン層の積層シートである。例示した積層シートにおいてスキンパック側の表層がポリエチレン層であるのは、上記積層シートと、スキンパックフィルムのブリスター側の表層のポリエチレン層とをヒートシールするためである。
ブリスターは、ソフトブリスターであることが好ましい。ソフトブリスターとは、軟質の材料からなるブリスターをいい、PETのような硬質な材料を単層で又は厚い層として含まない意味である。ソフトブリスターであることにより、ブリスターは緩衝効果を有し、包装体の緩衝効果を向上させることができる。ポリオレフィン系樹脂層又はポリエチレン層を含む積層体であるブリスターは、ソフトブリスターであり、緩衝効果の点でも好ましい。
ブリスターの厚さは、一実施形態において、10μm以上1000μm以下であり、30μm以上700μm以下が好ましく、50μm以上500μm以下がより好ましい。
第2の包装体における包装材は、ガスバリア層を備える構造又はガスバリア層を備えない構造のいずれも包含する。包装材がガスバリア層を備える場合は、蓋材とスキンパックフィルムとが、それぞれガスバリア層を備える構造、又は、蓋材とブリスターとが、それぞれガスバリア層を備える構造が好ましい。もっとも、蓋材とスキンパックフィルムとブリスターとのいずれもガスバリア層を備える構造を排除するものではない。
また、蓋材とブリスターとが、それぞれガスバリア層を備える構造の場合は、スキンパックフィルムとブリスターとの空間の空気中の酸素による影響を抑制するために、スキンパックフィルムとブリスターとの空間に脱酸素剤を設けたり、蓋材又はスキンパックフィルムに酸素吸収能を有する層を設けたり、蓋材とスキンパックフィルムとの間の隙間に脱酸素剤を設けたりすることができる。
[第2の包装体の製造方法]
次に、第2の包装体の製造方法について図15を用いて説明する。第2の包装体1bは、スキンパック包装機20を含む包装機を用いて製造することができる。
まず、容器(例えばプレフィルドシリンジS)を、蓋材2bとスキンパックフィルム3bとにより、図16に示すスキンパック包装機20を用いてスキンパック包装する。スキンパック包装機20は、一例としては、真空室21及び吸引台24を有している。なお、図15においてスキンパック包装機20は、要部のみを図示している。
蓋材2b上の所定位置に被包装物であるプレフィルドシリンジSを載置したものを、スキンパック包装機20の真空室21内に収容して吸引台24上に載置すると共に、スキンパックフィルム3bを当該真空室に送給する。当該真空室21の上方向及び吸引台24の下方向から真空引きして、スキンパックフィルム3bを真空室21内の上面の熱板に吸着させた状態で加熱して軟化させる。この後、このスキンパックフィルム3bと真空室21内の上面の熱板との間に空気を入れることで、当該スキンパックフィルム3bをプレフィルドシリンジSに被覆させ、プレフィルドシリンジSの外形に追随させて変形、延伸させる。このようにして、スキンパックフィルム3bをプレフィルドシリンジSに密着させつつ蓋材2bと密着固定させて密封して、スキンパック包装体を得る。
図16に、スキンパック包装機20の模式図を示す。図16のスキンパック包装機20は、吸引排気可能な真空室21と、真空室21内に設けられ、スキンパックフィルム3bを保持する保持部22と、スキンパックフィルム3bを加熱する加熱装置23と、蓋材2bを載置する吸引台24とを備えている。
吸引台24の上面には吸引孔25が複数形成され、下部には排気口26が形成され、図示しない吸引装置と接続されて真空室21内の空気を排気して減圧可能になっている。加熱装置23は、スキンパックフィルム3bを吸着加熱する熱板の他、赤外線照射装置や温風発生装置等であってもよい。
図15において、スキンパック包装機20の真空室21から取り出したスキンパック包装体に対し、包装機のライン上でブリスター4bを被せ、当該ブリスター4bの端部と、蓋材2b又はスキンパックフィルム3bとをヒートシールして包装体1bを得る。
なお、第2の包装体1bの製造工程は、上記の工程に限定されるものではなく、幾多の変形が可能である。
[医薬品容器用途]
本発明の第1及び第2の包装体において、液が充填された容器は、医薬品容器であることが好ましい。
医薬品容器に充填された液は、一実施形態において、化学合成により製造される低分子化合物の医薬を含有する液である。
医薬品容器に充填された液は、一実施形態において、ペプチド、タンパク質、核酸及びワクチンから選択される少なくとも1種を含有する液である。
医薬品容器に充填された液は、一実施形態において、バイオ医薬を含有する液である。バイオ医薬とは、タンパク質由来(例えば、抗体、ホルモン、インスリン)の有効成分、特に遺伝子組換え技術及び細胞培養技術等のバイオテクノロジーを用いて製造されたタンパク質由来の有効成分を含む医薬や、細胞、ウイルス又はバクテリアにより産生される物質由来(例えば、タンパク質の他、核酸)の有効成分を含む医薬である。
上記容器に充填された液は、一実施形態において、水性製剤である。
本発明の第1及び第2の包装体は、上述したように、包装体内の容器に対する振動、衝撃を良好に緩和することができる。理由は定かではないが、本発明の第1及び第2の包装体においては、保管及び搬送中に例えば容器内の成分が凝集して凝集体粒子を形成することが抑制される。例えばタンパク質由来の有効成分を含むバイオ医薬において、タンパク質が凝集して粒径0.1~10μm程度の凝集体粒子を形成した場合、該粒子は免疫原性を高める可能性があることが知られている。したがって、このような凝集体粒子の形成を抑制することが望ましい。本発明の第1及び第2の包装体は、このような凝集体粒子の形成を効果的に抑制できることから、バイオ医薬を含有する液を含む医薬品容器を収容した包装体として、特に有用である。
一実施形態において、上記タンパク質の分子量は、1,000以上500,000以下が好ましく、3,000以上300,000以下が好ましく、5,000以上200,000がより好ましく、30,000以上150,000以下がさらに好ましい。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
[本発明の第1の包装体の実施例]
実施例の包装体を作製して、落下衝撃試験により評価した。
(実施例1A)
プラスチック(シクロオレフィンポリマー(COP))製1mL用シリンジを使用し、該シリンジに水1mLを充填して、シリンジ本体の先端をブチルゴム製キャップで封止し、シリンジ本体の後端からブチルゴム製ガスケットを挿入し、プレフィルドシリンジS1を得た。
内袋2用樹脂フィルムを厚さ50μmのポリエチレンフィルムとし、外袋3用樹脂フィルムを厚さ12μmのPETフィルム/接着層/厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルムの積層フィルム(合計厚さ45μm)とし、図1及び図2を用いて説明した形態となるようにプレフィルドシリンジS1を収容した実施例1Aの包装体を得た。
包装体のサイズは短辺40mm×長辺130mmであった。内袋とプレフィルドシリンジS1との間の空間の体積率は、12%であった。内袋と外袋との間に封入された気体の、大気圧を基準とした相対圧力は、330Paであった。
試験用の包装体の作製方法としては、外袋用樹脂フィルムに内袋用樹脂フィルムを合わせて内袋用樹脂フィルムが内側となるように2つ折りにし、長辺と短辺の一方とをヒートシールし、内袋内にプレフィルドシリンジS1を収容させた後、開放部から内袋を真空脱気して密封シールした。同時に外袋と内袋との間に空気を充填しつつ、開放した残りの短辺をヒートシールすることにより、実施例1Aの三方袋型包装体を得た。
落下衝撃試験は、包装体に収容されたプレフィルドシリンジS1に、歪ゲージを円周方向と鉛直方向との2方向に接着剤で貼り付け、30cmの高さから床面に落下させる試験を、プレフィルドシリンジS1の軸方向がほぼ鉛直方向(垂直方向)になる向きでの落下と、プレフィルドシリンジS1の軸方向がほぼ水平方向になる向きでの落下との二種類で行って、プレフィルドシリンジS1に生じる微小な歪を、取り付けられた歪ゲージにより検出し、ひずみ測定装置により測定し、解析することにより、包装体の緩衝効果の有無を測定した。このときの歪ゲージとして共和電業製、KFEMタイプ(箔超大ひずみゲージ)を用い、測定装置として共和電業製、EDX-10シリーズ、EDX-14Aひずみ測定ユニットを用いた。
その結果、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が56με、円周歪が48μεであり、水平方向試験で鉛直歪が86με、円周歪が33μεであり、実施例1Aの包装体では、充分な緩衝効果が得られた。
(実施例2A)
内袋2用樹脂フィルムをポリエチレン層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/ポリエチレン層からなる多層フィルム(厚さ50μm)とし、外袋3用樹脂フィルムを厚さ12μmの酸化アルミニウム蒸着PETフィルム(PETフィルム/酸化アルミニウム蒸着層/ガスバリアコート層)/接着層/厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルムの積層フィルム(合計厚さ約45μm)とした以外は実施例1Aと同様にして実施例2Aの三方袋型包装体を得た。上記蒸着PETフィルムは、IB-PET-PIR(大日本印刷(株)製)である。接着層は、ガスバリアコート層上に設けられている。
内袋とプレフィルドシリンジS1との間の空間の体積率は、13%であった。内袋と外袋との間に封入された気体の、大気圧を基準とした相対圧力は、310Paであった。
得られた実施例2Aの包装体に、実施例1Aと同様の落下衝撃試験を行ったところ、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が55με、円周歪が40μεであり、水平方向試験で鉛直歪が90με、円周歪が31μεであり、実施例2Aの包装体では、充分な緩衝効果が得られた。
(実施例3A)
内袋2用樹脂フィルムをポリエチレン層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/ポリエチレン層からなる多層フィルム(厚さ50μm)とし、外袋3用樹脂フィルムを厚さ12μmの酸化アルミニウム蒸着PETフィルム(PETフィルム/酸化アルミニウム蒸着層/ガスバリアコート層)/UVカットインキ層/接着層/厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム/接着層/厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルムの積層フィルム(合計厚さ約60μm)とした以外は実施例1Aと同様にして実施例3Aの三方袋型包装体を得た。上記蒸着PETフィルムは、IB-PET-PIR(大日本印刷(株)製)である。UVカットインキ層は、ガスバリアコート層上に設けられている。
内袋とプレフィルドシリンジS1との間の空間の体積率は、13%であった。内袋と外袋との間に封入された気体の、大気圧を基準とした相対圧力は、300Paであった。
得られた実施例3Aの包装体に、実施例1Aと同様の落下衝撃試験を行ったところ、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が58με、円周歪が45με、水平方向試験で鉛直歪が95με、円周歪が33μεであり、実施例3Aの包装体では、充分な緩衝効果が得られた。
(比較例1A)
比較例1Aとして、包装体に収容されていないプレフィルドシリンジS1を作製した。プレフィルドシリンジS1として実施例1Aと同様に水を充填しキャップとガスケットとを用いて封止したものを用いて、実施例1Aと同様に落下衝撃試験を行ったところ、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が67με、円周歪が35μεであり、水平方向試験で鉛直歪が150με、円周歪が52μεであった。
(比較例2A)
比較例2Aとして、実施例1Aの外袋3用樹脂フィルムを用いたが、内袋2を排除した一重パウチを作製し、実施例1Aと同様に水を充填したプレフィルドシリンジS1を封入シールして、実施例1Aと同様に落下衝撃試験を行ったところ、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が61με、円周歪が34μεであり、水平方向試験で鉛直歪が116με、円周歪が30μεであった。
[タンパク質製剤(抗体製剤)を充填したプレフィルドシリンジ包装体の回転落下試験による凝集体計測]
(プレフィルドシリンジの作製)
市販のタンパク質製剤(モノクローナル抗体製剤)であるオレンシア(登録商標)皮下注125mg シリンジ1mL(小野薬品(株)製)から、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール及びシリコーンオイル等の不純物を透析等の精製工程を経て除去し、1mg/mL濃度に調整した製剤を得た。
プラスチック(COP)製1mL用シリンジを使用し、該シリンジに上記製剤1mLを充填して、シリンジ本体の先端をブチルゴム製キャップで封止し、シリンジ本体の後端からブチルゴム製ガスケットを挿入し、タンパク質製剤が充填されたプレフィルドシリンジS2を得た。
(実施例11A)
実施例1Aにおいて、プレフィルドシリンジS1にかえて、タンパク質製剤が充填されたプレフィルドシリンジS2を用いて、プレフィルドシリンジS2を収容した実施例11Aの三方袋型包装体を得た。
(比較例11A)
比較例11Aとして、包装体に収容されていないプレフィルドシリンジS2を作製した。
(比較例12A)
比較例12Aとして、実施例1Aの外袋3用樹脂フィルムを用いたが、内袋2を排除した一重パウチ(三方袋)を作製し、実施例11Aと同様にプレフィルドシリンジS2を封入シールした。
<試験例>
ICH Q4B Annex9に規定されている、錠剤の摩損度試験器を使用して、比較例11Aの非包装のプレフィルドシリンジS2、並びに実施例11A及び比較例12Aで得られたプレフィルドシリンジS2包装体に対して、以下の回転落下試験を行った。
錠剤摩損度試験器(富山産業(株)製TFT-1200)を使用し、ドラムにプレフィルドシリンジ又は包装体を収容させ、ドラムの回転速度50rpm、室温(25℃)下で60分間回転落下させた後、プレフィルドシリンジ又は包装体を取り出した。
次いでそれぞれのプレフィルドシリンジから上記製剤を取り出し、液中のタンパク質凝集体の数を、フローサイト粒子画像解析装置(Fluid Imaging Technologies社製FlowCam(登録商標)8100)を使用して測定した。検出された、粒径1μm以上の微粒子をタンパク質の凝集体として計測した。
回転落下試験後の液中のタンパク質の凝集体の数(個/mL)から、回転落下試験に供するまでの保管中履歴を考慮したコントロールサンプルとして、回転落下試験を行う前の液中のタンパク質の凝集体の数(個/mL)を差し引いた値を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2022102392000002
表1の結果にみられるように、実施例11Aの包装体では、タンパク質の凝集体の発生数が小さい。一方、比較例12Aの包装体、及び比較例11Aの非包装のプレフィルドシリンジでは、落下時の衝撃を受けてタンパク質の凝集体の発生数が大きい。
[本発明の第2の包装体の実施例]
実施例の包装体を作製して、落下衝撃試験により評価した。
(実施例1B)
プラスチック(COP)製1mL用シリンジを使用し、該シリンジに水1mLを充填して、シリンジ本体の先端をブチルゴム製キャップで封止し、シリンジ本体の後端からブチルゴム製ガスケットを挿入し、プレフィルドシリンジS3を得た。
蓋材2bを厚さ12μmのPETフィルム/接着層/厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム/接着層/厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルムの積層フィルム(合計厚さ70μm)とし、スキンパックフィルム3bをポリエチレン層/アイオノマー層/ポリエチレン層の積層フィルム(厚さ100μm)とし、ブリスター4bの樹脂フィルムをポリエチレンの積層フィルム(厚さ200μm)とし、図11及び図12を用いて説明した形態となるように蓋材2bの中央にプレフィルドシリンジS3を配置してスキンパックフィルム3bでスキンパック包装した後、ブリスター4bを被せてヒートシールすることにより、プレフィルドシリンジS3を収容した実施例1Bの包装体を得た。
包装体のサイズは短辺30mm、長辺130mm、高さ20mmであった。容器とブリスターの膨出部の天面との最近接距離は、9mmであった。
落下衝撃試験は、包装体に収容されたプレフィルドシリンジS3に、歪ゲージを円周方向と鉛直方向との2方向に接着剤で貼り付け、30cmの高さから床面に落下させる試験を、プレフィルドシリンジS3の軸方向がほぼ鉛直方向(垂直方向)になる向きでの落下と、プレフィルドシリンジS3の軸方向がほぼ水平方向になる向きでの落下との二種類で行って、プレフィルドシリンジS3に生じる微小な歪を、取り付けられた歪ゲージにより検出し、ひずみ測定装置により測定し、解析することにより、包装体の緩衝効果の有無を測定した。このときの歪ゲージとして共和電業製、KFEMタイプ(箔超大ひずみゲージ)を用い、測定装置として共和電業製、EDX-10シリーズ、EDX-14Aひずみ測定ユニットを用いた。
その結果、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が36με、円周歪が21μεであり、水平方向試験で蓋材2bを下にして落下させたときの鉛直歪が68με、円周歪が28μεであり、ブリスター4bを下にして落下させたときの鉛直歪が31με、円周歪が26μεであり、実施例1Bの包装体は、充分な緩衝効果が得られた。
(実施例2B)
蓋材2bを厚さ12μmの酸化アルミニウム蒸着PETフィルム(PETフィルム/酸化アルミニウム蒸着層/ガスバリアコート層)/接着層/厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム/接着層/厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルムの積層フィルム(合計厚さ70μm)とし、スキンパックフィルム3bをポリエチレン層/アイオノマー層/ポリエチレン層の積層フィルム(厚さ100μm)とし、ブリスター4bをポリエチレン層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/ポリエチレン層の積層フィルム(厚さ200μm)とした以外は実施例1Bと同様にして実施例2Bの包装体を得た。上記蒸着PETフィルムは、IB-PET-PIR(大日本印刷(株)製)である。接着層は、ガスバリアコート層上に設けられている。
容器とブリスターの膨出部の天面との最近接距離は、9mmであった。
得られた実施例2Bの包装体に、実施例1Bと同様の落下衝撃試験を行ったところ、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が37με、円周歪が23μεであり、水平方向試験で蓋材2bを下にして落下させたときの鉛直歪が66με、円周歪が28μεであり、ブリスター4bを下にして落下させたときの鉛直歪が33με、円周歪が27μεであり、実施例2Bの包装体では、充分な緩衝効果が得られた。
(実施例3B)
蓋材2bを厚さ12μmの酸化アルミニウム蒸着PETフィルム(PETフィルム/酸化アルミニウム蒸着層/ガスバリアコート層)/UVカットインキ層/接着層/厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム/接着層/厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルムの積層フィルム(合計厚さ約60μm)とし、スキンパックフィルム3bをポリエチレン層/アイオノマー層/ポリエチレン層の積層フィルム(厚さ100μm)とし、ブリスター4bをポリエチレン層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層/ポリエチレン層の積層フィルム(厚さ200μm)とした以外は実施例1Bと同様にして実施例3Bの包装体を得た。上記蒸着PETフィルムは、IB-PET-PIR(大日本印刷(株)製)である。UVカットインキ層は、ガスバリアコート層上に設けられている。
容器とブリスターの膨出部の天面との最近接距離は、9mmであった。
得られた実施例3Bの包装体に、実施例1Bと同様の落下衝撃試験を行ったところ、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が34με、円周歪が21μεであり、水平方向試験で蓋材2bを下にして落下させたときの鉛直歪が68με、円周歪が27μεであり、ブリスター4bを下にして落下させたときの鉛直歪が36με、円周歪が30μεであり、実施例3Bの包装体では、充分な緩衝効果が得られた。
(比較例1B)
比較例1Bとして、包装体に収容されていないプレフィルドシリンジS3を作製した。プレフィルドシリンジS3として実施例1Bと同様に水を充填しキャップとガスケットとを用いて封止したものを用いて、実施例1Bと同様に落下衝撃試験を行ったところ、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が67με、円周歪が35μεであり、水平方向試験で鉛直歪が150με、円周歪が52μεであった。
(比較例2B)
比較例2Bとして、実施例1Bの蓋材2b及びブリスター4bの樹脂フィルムを用いスキンパックフィルム3bを排除した一重パウチを作製し、実施例1Bと同様に水を充填したプレフィルドシリンジS3を封入シールして、実施例1Bと同様に落下衝撃試験を行ったところ、微小歪の最大値と最小値との差は、垂直方向試験で鉛直歪が63με、円周歪が34μεであり、水平方向試験で鉛直歪が123με、円周歪が35μεであった。
[タンパク質製剤(抗体製剤)を充填したプレフィルドシリンジ包装体の回転落下試験による凝集体計測]
(実施例11B)
実施例1Bにおいて、プレフィルドシリンジS3にかえて、タンパク質製剤が充填されたプレフィルドシリンジS2を用いて、プレフィルドシリンジS2を収容した実施例11Bの包装体を得た。
(比較例11B)
比較例11Bとして、包装体に収容されていないプレフィルドシリンジS2を作製した。
(比較例12B)
比較例12Bとして、実施例1Aの外袋3用樹脂フィルムを用いたが、内袋2を排除した一重パウチ(三方袋)を作製し、実施例11Bと同様にプレフィルドシリンジS2を封入シールした。
<試験例>
ICH Q4B Annex9に規定されている、錠剤の摩損度試験器を使用して、比較例11Bの非包装のプレフィルドシリンジS2、並びに実施例11B及び比較例12Bで得られたプレフィルドシリンジS2包装体に対して、上述した回転落下試験を行った。
結果を表2に示す。
Figure 2022102392000003
表2の結果にみられるように、実施例11Bの包装体では、タンパク質の凝集体の発生数が小さい。一方、比較例12Bの包装体、及び比較例11Bの非包装のプレフィルドシリンジでは、落下時の衝撃を受けてタンパク質の凝集体の発生数が大きい。
以上、実施の形態及び実施例を用いて本発明の包装体を具体的に説明したが、本発明の包装体は、これらの実施形態及び実施例の記載に限定されることなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲で幾多の変形が可能である。
当業者であれば理解するように、本発明の包装体等は上記実施例の記載によって限定されるものではなく、上記実施例及び明細書は本発明の原理を説明するためのものにすぎず、本発明の主旨及び範囲から逸脱しない限り、様々な改変又は改善を行うことができ、これら改変又は改善はいずれも保護請求している本発明の範囲内に含まれる。さらに本発明が保護請求している範囲は、特許請求の範囲の記載のみならずその均等物を含む。
1、4、7 包装体
2、5、8 内袋
3、6、9 外袋
11 空気吸引用チューブ
12 気体送入用チューブ
1b 包装体
2b 蓋材
3b スキンパックフィルム
4b ブリスター
41b 膨出部
42b フランジ部
20 スキンパック包装機
21 真空室
22 保持部
23 加熱装置
24 吸引台
25 吸引孔
26 排気口
D 最近接距離
S プレフィルドシリンジ
V バイアル
P ポイントシール

Claims (12)

  1. 液が充填された医薬品容器と、
    前記容器を収容する包装材と
    を備える包装体であって、
    前記容器に充填された液が、ペプチド、タンパク質、核酸及びワクチンから選択される少なくとも1種を含有する液であり、
    前記包装材が、樹脂フィルムからなる内袋と、前記内袋を収容し樹脂フィルムからなる外袋とを備え、
    前記内袋が、前記容器を袋の内側に収容して脱気状態で封止されており、前記外袋が、その端部が前記内袋の端部と固着されて前記内袋の外側に気体が封入された状態で封止されており、前記容器が、前記内袋により前記外袋から空間を隔てて固定されている
    ことを特徴とする包装体。
  2. 前記内袋及び前記外袋が、それぞれ独立に、三方袋、四方袋又はピロー袋である請求項1に記載の包装体。
  3. 前記内袋の樹脂フィルムが、ポリオレフィン系樹脂フィルムを含む請求項1又は2に記載の包装体。
  4. 前記外袋の樹脂フィルムが、バリア層を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の包装体。
  5. 前記医薬品容器に充填された液が、バイオ医薬を含有する液である請求項1~4のいずれか一項に記載の包装体。
  6. 内袋用樹脂フィルム及び外袋用樹脂フィルムを用意する工程と、
    前記内袋用樹脂フィルム及び前記外袋用樹脂フィルムを用いて、開口部を有する内袋と、袋の内側に前記内袋を収容し開口部を有する外袋とを作製する工程と、
    ペプチド、タンパク質、核酸及びワクチンから選択される少なくとも1種を含有する液が充填された医薬品容器を前記内袋の内側に挿入し、前記内袋の内側の気体を除去しながら前記内袋の開口部を封止し、かつ前記内袋と前記外袋との間に気体を供給しながら前記外袋の開口部を封止する工程と
    を含むことを特徴とする包装体の製造方法。
  7. 液が充填された医薬品容器と、
    前記容器を収容する包装材と
    を備える包装体であって、
    前記容器に充填された液が、ペプチド、タンパク質、核酸及びワクチンから選択される少なくとも1種を含有する液であり、
    前記包装材が、蓋材と、スキンパックフィルムと、ブリスターとを備え、
    前記容器が、前記蓋材と前記スキンパックフィルムとの間に収容されており、前記スキンパックフィルムが、前記容器の外形に従って変形されて前記蓋材に密着固定されており、
    前記ブリスターは膨出部を有し、前記膨出部の内側に前記容器及び前記スキンパックフィルムの変形部分が収容されており、前記膨出部が、前記スキンパックフィルムの変形部分に対し空間を隔てて形成されており、前記ブリスターは、前記蓋材又は前記蓋材に密着固定された前記スキンパックフィルムに密着固定されている
    ことを特徴とする包装体。
  8. 前記ブリスターが、ソフトブリスターである請求項7に記載の包装体。
  9. 前記スキンパックフィルム及び前記ブリスターのうちの一方と、前記蓋材とが、バリア層を含む請求項7又は8に記載の包装体。
  10. 前記蓋材と前記スキンパックフィルムとの易開封性手段を備える請求項7~9のいずれか一項に記載の包装体。
  11. 前記医薬品容器に充填された液が、バイオ医薬を含有する液である請求項7~10のいずれか一項に記載の包装体。
  12. 蓋材に、スキンパックフィルムを用いて、ペプチド、タンパク質、核酸及びワクチンから選択される少なくとも1種を含有する液が充填された医薬品容器をスキンパックして固定した後、前記容器が固定されたスキンパックフィルムの変形部分に対し空間を隔てるように形成されたブリスターを前記蓋材又は前記蓋材に密着固定された前記スキンパックフィルムに密着固定することを特徴とする包装体の製造方法。
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