JP2022102321A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造で、基板と封止キャップとが高い接合強度を有する半導体装置を提供する。【解決手段】半導体発光モジュール10は、発光ダイオード15を載置した基板11と、基板11と接合され、発光ダイオード15を内部に封入する封止キャップ19とから構成される。封止キャップ19は、発光ダイオード15の光を透光する透光窓13と、透光窓13を囲む環状の金属枠体12とからなる。基板11は、封止キャップ19の金属枠体12の底端面と対向する位置に金属環体21を有し、当該底端面と金属環体21とは、接合部材22によって封止される。少なくとも当該底端面よりも内側の金属環体21の上面及び側面に、金属酸化膜又は不動態膜を有する弾き膜23が設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、半導体発光素子を内部に封入する半導体装置及びその製造方法に関する。
従来、半導体素子をパッケージ内部に封入した半導体装置が知られている。半導体発光モジュールの場合は、発光素子が載置された支持体に、当該発光素子から出射された光を透過させる透明窓部材を有するキャップが接合され、気密封止される。
例えば、特許文献1の半導体モジュールは、紫外光を発する発光素子が基板の凹部に収容され、凹部の開口が窓部材により覆われる。半導体モジュールは、窓部材の主面と側面の双方に設けられる金属層を介して封止される。
金属層が入射面と側面の双方に設けられることから、封止部は金属層を介して入射面と側面の双方と接合することとなる。これにより、金属層が入射面と側面のいずれか一方の面にのみ設けられる場合と比べて、封止部との接合性を高めることができる。金属層は、入射面と側面とで形成される角を覆うように設けられることから、窓部材の角に加わる応力に対して一定の接合強度を保つことができる。
また、封止部は、溶融状態における金属層及び金属面との表面張力により、側面から上面の外周に向けて上面からの厚さが薄くなっていくフィレットを形成する。このようなフィレットを設けることで、基板と窓部材の熱膨張率差によって窓部材に加わる応力に対して一定の接合強度を保つことができる(特許文献1/段落0017,0027,0029、図1参照)。
特開2015-18873号公報
しかしながら、特許文献1の半導体モジュールは、基板に対する窓部材の接合にずれが生じた場合に接合部材の余剰や不足が生じ、窓部材の側面にフィレットが形成されず、接合強度が低下するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構造で安定した接合強度を有する半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置は、光を出射する発光素子と、前記発光素子を載置する基板と、前記基板と接合され、前記発光素子を内部に封入する封止キャップと、を備え、前記封止キャップは、前記発光素子からの光を透光する透光窓と、前記透光窓を囲む環状の金属枠体とからなり、前記基板は、前記金属枠体の底端面と対向する位置に環状の金属環体を有し、前記金属枠体の底端面と前記金属環体とは、接合部材によって封止され、少なくとも前記金属枠体の底端面よりも内側の前記金属環体の上面及び側面に、金属酸化膜又は不動態膜を有する、環状の弾き膜が設けられている。
本発明は、発光素子が載置された基板と、封止キャップとを接合してなる半導体装置であって、発光素子から出射された光は、封止キャップの透光窓から外側に放出される。
接合の際には、金属枠体の底端面と基板の金属環体との間に接合部材が配置され、双方が気密封止される。金属枠体よりも内側の金属環体の上面及び側面には、弾き膜が設けられている。この弾き膜は金属酸化膜又は不動態膜を有しており、その表面が滑らかで且つ溶融した接合部材を弾く。そのため、溶融した接合部材が接合領域から一旦張り出しても戻り、また、封止キャップがずれて配置された場合でも、接合部材の形成領域を規制する。これにより、本発明の半導体装置は、簡易な構造で安定した接合強度が得られる。
本発明の半導体装置において、前記弾き膜の外周端が前記金属枠体の底端面の位置まで延在していることが好ましい。
弾き膜の外周端を金属枠体の底端面の位置まで延在させると、接合時に金属枠体の内側に張り出した接合部材が弾かれ、底端面側に戻される。これにより、接合部材が小片化することを防止することができる。
また、本発明の半導体装置において、前記弾き膜は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)からなることが好ましい。
弾き膜の材料として、例えばアルミニウム(Al)を用いると、接合部材を確実に弾くことができる。また、このような材料は基板との親和性が高く、発光素子からの光を反射することもできる。
また、本発明の半導体装置において、前記金属枠体の底端面は、前記金属枠体の内側面と連接した角部が面取りされた内側面取部を備えることが好ましい。
金属枠体の底端面が内側面取部を備えていることで、封止キャップの位置がずれて配置された場合に、内側面取部が接合部材の貯留部として機能する。これにより、金属枠体の内側に張り出す接合部材を抑制することができる。
また、本発明の半導体装置において、前記弾き膜の外周端が前記金属枠体の前記内側面取部内に達する位置まで延在していることが好ましい。
この構成によれば、接合時に内側に張り出した接合部材が弾き膜で弾かれて、金属枠体の内側面取部内に戻される。これにより、接合部材が小片化することを防止することができる。
また、本発明の半導体装置において、前記弾き膜の外周端が前記金属枠体の前記内側面から入り込む入込幅(w)は、前記金属枠体の最大幅(h)の1/4以下であることが好ましい。
弾き膜の入込幅(w)を、金属枠体の最大幅(h)の1/4以下にすることで、基板と封止キャップの接合について、一定以上の接合強度を確保することができる。
また、本発明の半導体装置において、前記金属枠体の底端面は、前記金属枠体の外側面と連接した角部が面取りされた外側面取部を備えることが好ましい。
この構成によれば、接合時に外側に張り出した接合部材はフィレットを形成するが、一部の接合部材は外側面取部内に貯留される。これにより、基板と封止キャップの接合強度を高めることができる。
もう1つの発明は、発光素子を載置する基板と、前記発光素子からの光を透光する透光窓と前記透光窓を囲む環状の金属枠体とからなる封止キャップとで構成される半導体装置の製造方法であって、前記基板上の前記金属枠体の底端面と対向する位置に環状の金属環体を設ける工程と、前記封止キャップを前記基板に載置したとき、前記金属枠体の底端面よりも内側となる前記金属環体の上面及び内側の側面に、金属酸化膜又は不動態膜を有する、環状の弾き膜を形成する工程と、前記金属枠体と前記金属環体とを接合部材によって接合し、前記基板と前記封止キャップとにより形成される閉空間内に前記発光素子を封入する工程と、を備えている。
本発明の製造方法では、基板上の、封止キャップの金属枠体の底端面と対向する位置に、環状の金属環体を設ける。次に、金属枠体よりも内側の金属環体の上面及び側面に弾き膜を設ける。
その後、金属枠体の底端面と基板の金属環体とを接合部材によって接合して、封止する。弾き膜は金属酸化膜又は不動態膜を有しており、その表面が滑らかで且つ溶融した接合部材を弾く。そのため、溶融した接合部材が接合領域から一旦張り出しても戻り、また、封止キャップがずれて配置された場合でも、接合部材の形成領域を規制する。これにより、本発明の製造方法は、簡易な構造で安定した接合強度が得られる半導体装置を製造することができる。
本発明の実施態様に係る半導体発光モジュールの上面を模式的に示した平面図。 図1のA-A線に沿った半導体発光モジュールの断面図。 基板の上面を模式的に示す平面図である。 図3AのB-B線に沿った基板の断面図。 半導体発光モジュールの断面拡大図。 半導体発光モジュールの断面拡大図(封止キャップの位置ずれ)。 半導体発光モジュールの断面拡大図(変更形態)。 半導体発光モジュールの断面拡大図(変更形態、封止キャップの位置ずれ)。 本発明の半導体発光モジュールの製造方法を示すフローチャート。
以下では、本発明の好適な実施形態について説明するが、これらを適宜改変し、組合せてもよい。また、以下の説明及び添付図面において、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符を付して説明する。
[半導体装置の構造]
図1は、本発明の半導体装置の実施態様に係る半導体発光モジュール10の上面を模式的に示す平面図である。また、図2は、図1のA-A線に沿った半導体発光モジュール10の断面を模式的に示す平面図である。
半導体発光モジュール10は、主に基板11と封止キャップ19とからなり、その内部に発光ダイオード15が封止されている。また、封止キャップ19は、金属枠体12と透光窓13とを備えている。
基板11はセラミック基板であり、ガス等を透過しない窒化アルミニウム(AlN)製である。基板11上には、半導体発光モジュール10内の配線電極である第1載置電極(カソード)14A及び第2載置電極(アノード)14Bが設けられている。第1載置電極14A及び第2載置電極14B(以下、特に区別しない場合には、載置電極14と称する。)上に、半導体発光素子である発光ダイオード(LED)15が載置され、発光ダイオード15はこれらの電極に電気的に接続されている。
また、基板11上には、第1載置電極14A及び第2載置電極14Bに接続された保護素子であるツェナーダイオード(ZD)16が設けられ、発光ダイオード15の静電破壊を防止する。
発光ダイオード15は、例えば、波長250~270nmの紫外光を放射する窒化アルミ系LED素子(UV-LED素子)である。発光ダイオード15は裏面にカソード電極とアノード電極とを備え、基板11の第1載置電極14A及び第2載置電極14Bにそれぞれフリップチップ接合されている。UV-LED素子を構成する半導体結晶のアルミニウム(Al)組成は高く、水分(H2O)によって酸化劣化され易い。
封止キャップ19の金属枠体12は、基板11上に設けられた金属環体21と、金錫(Au-Sn)等の接合層又は接合部材22によって基板11に気密接合されている。なお、接合部材22として、油脂又は有機酸からなるフラックス等を用いると、UV-LED素子から放射される波長250~400nmの光によって炭化され、発光出力を低下させる。このため、接合部材22としては、フラックス又は有機酸を含まない材料を用いている。
金属枠体12が金属環体21に接合されることによって、封止キャップ19及び基板11は閉空間を画定し、当該閉空間の内部に発光ダイオード15及び第1載置電極14A及び第2載置電極14Bが気密封止される。半導体発光モジュール10の内部は、封入ガスとして窒素ガス(N2)が充填されている。窒素ガス以外に、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)等の不活性ガスを充填してもよい。また、充填ガスに5~20vol%の酸素(O)ガスを加えることもできる。
第1載置電極14A、第2載置電極14B及び金属環体21は、厚膜の銅(Cu)と、当該Cu膜上に形成されたニッケル/パラジウム/金(Ni/Pd/Au)膜からなる。なお、「材料a/材料b/材料c」との記載は、材料a、材料b、材料cを記載の順に積層した積層体であることを示す。すなわち、上述の例においては、Cu膜上にNi、Pd、Auがこの順で積層された構造である。
金属枠体12は、例えば、コバール(登録商標)等のNi-Co-Fe系低熱膨張金属からなり、その表面はニッケル/金(Ni/Au)膜によって皮膜されている。
透光窓13は、発光ダイオード15の放射光を透過する珪酸塩系ガラス、ホウ珪酸ガラス又は石英ガラス等からなり、表面側が凸面(球面)状となっている。また、透光窓13は、金属枠体12に気密接合されている。以下では、透光窓13が珪酸塩系ガラスからなるガラス窓である場合を例に説明する。
本実施形態の半導体発光モジュール10は、堅くて脆いセラミックであるガラス窓(透光窓13)と基板11との間に展延性を有する金属枠体12を配置し、また互いに接合される部材の線熱膨張係数差を1(×10-6・K-1)以内とすることで、通電による発熱、雰囲気温度等の変動による接合部分へ掛かる応力の低減を可能としている。各部材の熱膨張係数(α)は以下の通りである。
・透光窓13;珪酸塩系ガラス :α=5.8(×10-6・K-1
・金属枠体12;Ni-Co-Fe系金属 :α=5.1(×10-6・K-1
・基板11;AlN :α=4.5(×10-6・K-1
図3Aは、基板11の上面を模式的に示す平面図であり、図3Bは、図3AのB-B線に沿った基板11の断面を模式的に示す断面図である。
図3Aに示すように、基板11の上面の外周には矩形状且つ環状の金属環体21が設けられている。また、金属環体21の内周領域上、内周側面、及び当該内周側面から基板11の上面に至る部分には、金属薄膜からなる矩形状且つ環状の弾き膜23が設けられている。
本実施形態において、弾き膜23は、その表面に酸化クロム不動態被膜を備えたクロム(Cr)及びクロム合金から構成されている。なお、弾き膜23は、その表面が金属酸化膜からなる不動態膜を形成する金属又は合金であればよく、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の金属、及びこれらの金属を少なくとも1つ以上含む合金から構成されていてもよい。特に、クロム(Cr)の不動態被膜は、載置電極14に発光ダイオード15を接合する際に用いる強い酸化膜除去剤(活性剤ともいう)によっても除去されることがないので、好適である。
また、弾き膜23の材料としては、アルミニウム(Al)も好ましい。アルミニウム(Al)は、窒化アルミニウム(AlN)の基板11との親和性が高く、弾き膜23を基板11の上面に延在させた場合に高い密着性が得られる。また、アルミニウム(Al)は、紫外線から赤外線(波長200~2000nm)までの広い波長領域において、高い反射率(例えば、70%以上)を有するので、半導体発光モジュール10の光出力を向上させることができる。
図3Bに示すように、弾き膜23よりも外周側の金属環体21の領域21A(金属環体21の外周領域)の上面は金属枠体12との接合領域である。また、基板11の裏面には、第1実装電極17A及び第2実装電極17B(以下、特に区別しない場合には、実装電極17と称する。)が設けられている。
第1実装電極17A及び第2実装電極17Bは、厚膜の銅(Cu)と、当該Cu膜上に形成されたニッケル/金(Ni/Au)膜からなる。そして、第1実装電極17A、第2実装電極17Bは、それぞれ第1載置電極14A、第2載置電極14Bと、銅(Cu)からなる金属ビア18によって電気的に接続されている。
次に、図4、図5を参照して、半導体発光モジュール10の断面の詳細について説明する。
図4は、封止キャップ19が基板11に対して、適正な位置で封止された場合の断面を示している。このとき、金属枠体12の底端面の中心と金属環体21の中心が一致した状態(上面視における金属環体21の外形に対して、金属枠体12の底端面の外形が重なった際にできる余白が全周に亘り等しくなる位置)で、接合部材22により双方が接合される。
金属枠体12の内側において、弾き膜23は金属環体21の上面及び内側面を覆い、基板11の上面に至る位置まで延在している。これにより、基板11と封止キャップ19とを接合する際に、弾き膜23が溶融して張り出した接合部材22を弾いて、接合部材22を金属環体21と金属枠体12の間に戻す。
その結果、図示するように、金属枠体12の外側に接合部材22によるフィレット22fが形成されるため、基板11(金属環体21)と封止キャップ19(金属枠体12)の接合強度が向上する。
また、弾き膜23が金属環体21の内側面と基板11の上面を覆うことで、溶融して張り出した接合部材22の一部(先端部)が金属環体21の側壁部に付着、残存して金属破片となることを防ぐ。これにより、基板11と封止キャップ19の接合に必要な接合部材22が不足することなく、金属環体21と金属枠体12の接合部にフィレット22fが形成される。
また、弾き膜23の外周端を、金属枠体12の内側面を延長して交差する金属環体21の上面交差位置(金属枠体12の底端面の内側端)、及び上面交差位置を越え、接合部材22の厚み相当分の位置まで延在させることもできる。これにより、溶融した接合部材22の張り出しを抑制することができる。
以上により、弾き膜23の外側領域に接合部材22を保持することができるので、封止キャップ19と基板11の接合において、接合部材22が不足することのない信頼性の高い接合を可能としている。また、封止キャップ19の金属枠体12の外側面と、基板11の金属環体21の外周上面に面したフィレット22fが形成されるので、強度の高い接合が可能となる。
上述の弾き膜23とは別に、独立した弾き膜(図中の弾き膜24)を、第1載置電極14A及び第2載置電極14Bの各々の外周領域上及び外周側面を個別に覆うように設けることもできる。設けた弾き膜24は、第1載置電極14A及び第2載置電極14Bの上側まで到達する溶融した接合部材22を弾き、戻すことができるので、接合部材22が不足することのない、信頼性の高い接合を可能としている。また、載置電極14の短絡も防止することができる。
図5は、封止キャップ19が基板11に対して、ずれた位置で封止された場合の断面を示している。
ここでは、金属枠体12の底端面の中心と金属環体21の中心が一致しない状態で、接合部材22を介して双方が接合されている。この場合においても、金属環体21の上面及び側面を覆い、基板11の上面に至る位置まで延在した弾き膜23は、基板11と封止キャップ19とを接合する際に、接合部材22を弾く。
図5の左側において、接合部材22は、弾き膜23によって金属枠体12の底端面の内側方向に浸潤することが規制される。また、図5の右側において、接合部材22は、弾き膜23によって金属枠体12の底端面の内周方向への張り出しが規制される。よって、左側においては金属枠体12の外側にフィレット22fが形成され、右側においては金属枠体12の内側にフィレット22gが形成されるようになる。
このように、基板11に対して封止キャップ19がすれた場合であっても、弾き膜23の外側領域に接合部材22が保持される。これにより、封止キャップ19と基板11の接合において、接合部材22が不足することのない信頼性の高い接合を可能としている。また、封止キャップ19の金属枠体12の内外側面と、基板11の金属環体21の内外周上面に面したフィレット22f,22gが形成されるので、強度の高い接合が可能となる。
次に、図6、図7を参照して、変更形態に係る半導体発光モジュール10の断面の詳細について説明する。
図6は、封止キャップ20が基板11に対して、適正な位置で封止された場合の断面を示している。このとき、金属枠体12の底端面の中心と金属環体21の中心が一致した状態(上面視における金属環体21の外形に対して、金属枠体12の底端面の外形が重なった際にできる余白が全周に亘り等しくなる位置)で、接合部材22を介して双方が接合される。
図示するように、変更実施形態の金属枠体12の底端面は、内側面と連接した角部が面取りされた内側面取部12aを備えると共に、外側面と連接した角部が面取りされた外側面取部12bを備えている。弾き膜25は、金属環体21の上面及び側面を覆い、基板11の上面に至る位置まで延在している。さらに、弾き膜25の外周端は、金属枠体12の内側面から入込幅(w)だけ入り込んでいる。
接合部材22は、金属枠体12の底端面と金属環体21の間を埋め、また、金属環体21の外周部と外側面取部12bを埋める接合部材22によるフィレット22fが形成される。これにより、基板11(金属環体21)と封止キャップ19(金属枠体12)の接合強度が向上する。特に、弾き膜25の外周端が金属枠体12の内側面から入込幅(w)だけ入り込んだ構造となっているため、内側面取部12aを設けても溶融した接合部材22を弾き、金属枠体12の外側面取部12bと金属環体21の外周部に面するフィレット22fの形成を可能としている。
弾き膜25の入込幅(w)は、金属枠体12の内側面から内側面取部12aと底端面の連接部までの距離以上で、金属枠体12の最大幅(h)の1/4以下であることが好ましい。このような条件とすることで、接合部材22が内側面取部12aに這い上がることを抑え、外側面取部12bと金属環体21の外周上面部に面するフィレット22fの形成を容易にする。よって、基板11と封止キャップ20の接合について、一定以上の接合強度を確保することができる。
以上により、弾き膜25の外側領域に接合部材22を保持することができる。そのため、封止キャップ20と基板11の接合において、金属枠体12の外側面取部12bと基板11の金属環体21の外周上面に面したフィレット22fが形成されるので、強度の高い接合が可能となる。
図7は、封止キャップ20が基板11に対して、ずれた位置で封止された場合の断面を示している。このとき、金属枠体12の底端面の中心と金属環体21の中心が一致しない状態で、接合部材22を介して双方が接合されている。
図7の左側において、接合部材22は、弾き膜25によって金属枠体12の底端面の内側方向に浸潤することが規制される。また、図7の右側において、接合部材22は、弾き膜25によって金属枠体12の底端面の内周方向への張り出しが規制される。
よって、左側においては金属枠体12の外側にフィレット22fが形成され、右側においては金属枠体12の内側面取部12aと金属環体21の上面に面したフィレット22gと、外側面取部12bと金属環体21の上面に面したフィレット22fが形成されるようになる。
なお、金属枠体12の底端面の面取部は、C面取り(約45°の加工)でもよいし、所定の曲率を有するR面取りでもよい。また、内側面取部12aと外側面取部12bの大きさは、封止キャップ20の任意の方向から加わる横方向応力が、フィレットに対して圧縮応力として働くことが好ましいので、外側面取部12bが大きいほうが適している。
内側面取部12aと外側面取部12bの合計幅は、金属枠体12の幅(厚み)に対して1/2以下が好ましい。金属枠体12の底端面の幅を金属枠体12の幅(厚み)の1/2以上とすることで、封止キャップ20の縦方向の接合強度を一定以上に保つことができるからである。
このように、基板11に対して封止キャップ20がずれた場合であっても、弾き膜25の外側領域に接合部材22が保持される。これにより、封止キャップ20と基板11の接合において、金属枠体12の外側面取部12bと基板11の金属環体21の外周上面に面したフィレット22fが形成されるので、強度の高い接合が可能となる。
[半導体発光モジュール10の製造工程]
本実施形態の半導体発光モジュール10は、図8のフローチャートにより説明する方法により製造される。
まず、部材準備工程が行われる(STEP01)。初めに、金属枠体12と珪酸塩系ガラスチップを下プレス型にセットし、上部プレスを降下させて金属枠体12に珪酸塩系ガラスチップを溶着して透光窓13を形成する。次に、金属枠体12の透光窓13が溶着されてない部分にメッキによりNi(1.5~5.0μm)/Au(0.3μm以上)メッキを施す。その後、金属枠体12の底端面にフラックスを含まない接合部材22(Au-Sn環帯リボン)を仮留めし、封止キャップ19,20を形成する。
また、基板11を形成するため、窒化アルミ(AlN)基板(厚さ0.38mm)に電極接続用のビアホールを開け、無電解メッキによりAlN基板の表裏及びビアホール内面に銅(Cu)を付ける。そして、電界メッキでCu表面に厚さ50μm以上の厚膜Cuを形成する。このとき、ビアホール内部にCuが充填された金属ビア18が形成される。次に、EB(電子ビーム)蒸着又は抵抗加熱等により、Cuの上面にNi(4.5±1.5μm)/Pd(0.05μm以上)/Au(0.05μm以上)層を形成する。
その後、フォトリソグラフィにより各電極及び金属環体の形成領域以外の金属を除去して、各電極14,17及び金属環体21を形成する。これにより、基板に固着した(すなわち、封止性を有する)金属環体21及び各電極14,17が形成される。
その後、レジストのパターニングを行い、EB蒸着等によりクロム(Cr)を蒸着し、レジストをリフトオフにより取り除き、金属環体21上に弾き膜23となるパターニングされたクロム(Cr)層を形成する。その後、パターニングされたクロム(Cr)層を湿度70%以下のクリーンエアー中で3時間暴露して、表面に酸化クロムの不動態膜を備えた弾き膜23を形成した。
次に、素子接合工程が行われる(STEP02)。具体的には、載置電極14A,14B上に発光ダイオード15及びツェナーダイオード16を、熱溶着によるAu-Sn共晶接合(フラックスレス)によって素子実装(接合)を行う。このとき、接合助剤としてギ酸を用いることもできる。なお、フラックス及び有機酸等の接合助剤を含むAu-Snペーストを用いたリフローにて素子実装する場合には、実装後に洗浄して、フラックスを除去すればよい。
ここで、クロム(Cr)不動態膜は、リン酸等の強酸系の接合助剤以外では除去されない。また、アルミニウム(Al)不動態膜は、ギ酸等の弱い酸では除去されない。よって、弾き膜23となる金属に合わせて素子接合工程で用いる接合助剤を選択すればよい。
また、発光ダイオード15又はツェナーダイオード16が上下導通タイプの場合は、ワイヤボンディング工程が行われる(STEP03)。発光ダイオード15及びツェナーダイオード16は、各素子の電極パッドと載置電極14A,14Bの何れかとワイヤボンディングにより接続する。なお、本実施形態では、フリップチップ(電気的に対の接合用電極パッドが片面にあるタイプのチップ)を用いたため、本工程は省略した。
最後に、封止工程が行われる(STEP04)。具体的には、発光ダイオード15及びツェナーダイオード16を実装した基板11を熱溶着共晶装置にセットする。そして、封止キャップ19をツールで掴み、基板11と位置合わせする。さらに、封止キャップ19を基板11に押圧し(約100gf)、同時に300℃まで加熱して熱溶着共晶接合により基板11の金属環体21と金属枠体12とを接合する。これにより、封止キャップ19と基板11との気密接合(封止)がなされる。
上記工程により、接合時に溶融した接合部材(例えば、Au-Sn)が半導体発光モジュール10の内側にはみ出そうとしても、金属環体21上の弾き膜23によって溶融した接合部材が弾かれ、モジュール内部にはみ出すことを防止することができる。また、接合助剤を選択することで弾き膜23に形成された不動態被膜が除去され、接合部材22がモジュール内部にはみ出すことを防止することができる。
10 半導体発光モジュール
11 基板
12 金属枠体
12a 内側面取部
12b 外側面取部
13 透光窓
14 載置電極
14A 第1載置電極
14B 第2載置電極
15 発光ダイオード
16 ツェナーダイオード
17 実装電極
17A 第1実装電極
17B 第2実装電極
18 金属ビア
19,20 封止キャップ
21 金属環体
22 接合部材
23,24,25 弾き膜

Claims (8)

  1. 光を出射する発光素子と、
    前記発光素子を載置する基板と、
    前記基板と接合され、前記発光素子を内部に封入する封止キャップと、を備え、
    前記封止キャップは、前記発光素子からの光を透光する透光窓と、前記透光窓を囲む環状の金属枠体とからなり、
    前記基板は、前記金属枠体の底端面と対向する位置に環状の金属環体を有し、
    前記金属枠体の底端面と前記金属環体とは、接合部材によって封止され、
    少なくとも前記金属枠体の底端面よりも内側の前記金属環体の上面及び側面に、金属酸化膜又は不動態膜を有する、環状の弾き膜が設けられている、半導体装置。
  2. 前記弾き膜の外周端が前記金属枠体の底端面の位置まで延在している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の何れかの半導体装置。
  3. 前記弾き膜は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)からなる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の何れかの半導体装置。
  4. 前記金属枠体の底端面は、内側面と連接した角部が面取りされた内側面取部を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記弾き膜の外周端が前記金属枠体の前記内側面取部内に達する位置まで延在している、
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記弾き膜の外周端が前記金属枠体の前記内側面から入り込む入込幅(w)は、前記金属枠体の最大幅(h)の1/4以下である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記金属枠体の底端面は、外側面と連接した角部が面取りされた外側面取部を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の半導体装置。
  8. 発光素子を載置する基板と、前記発光素子からの光を透光する透光窓と前記透光窓を囲む環状の金属枠体とからなる封止キャップとで構成される半導体装置の製造方法であって、
    前記基板上の前記金属枠体の底端面と対向する位置に環状の金属環体を設ける工程と、
    前記封止キャップを前記基板に載置したとき、前記金属枠体の底端面よりも内側となる前記金属環体の上面及び内側の側面に、金属酸化膜又は不動態膜を有する、環状の弾き膜を形成する工程と、
    前記金属枠体と前記金属環体とを接合部材によって接合し、前記基板と前記封止キャップとにより形成される閉空間内に前記発光素子を封入する工程と、
    を備える、半導体装置の製造方法。
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