JP2022102296A - 開閉体制御装置 - Google Patents

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真人 足立
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Abstract

【課題】開閉体の閉め切り時に発生する反力の影響を緩和することが可能な開閉体制御装置を提供する。【解決手段】窓(開閉体)が閉方向の停止位置に到達して動かなくなるロック状態に至ると、モータに間歇的にブレーキをかけるための制御指令がモータ駆動部へ与えられる。モータ駆動部は、この制御指令に基づいて、モータのブレーキ期間αが徐々に長くなり、駆動期間βが徐々に短くなるように、デューティが徐々に変化するPWM信号を生成して、電源電圧+Bをスイッチングする。このとき、モータの一方の端子T1には、電源電圧+Bがそのまま印加され、モータの他方の端子T2には、電源電圧+Bをスイッチングして得られるパルス電圧が印加される。そして、一定時間Yaが経過した時点で、モータ駆動部は、モータの両端子間の印加電圧をゼロとする。【選択図】図7

Description

本発明は、モータの駆動により開閉動作を行う開閉体の制御装置に関し、特に、開閉体の閉め切り時に作用する反力の影響を抑制する技術に関する。
たとえば、車両に搭載される開閉体制御装置として、窓の開閉動作を制御するパワーウインドウ装置がある。この装置では、アクチュエータとしてモータを使用し、スイッチ操作によりモータを正転または逆転させることで、開閉体である窓を開けたり閉めたりする。詳しくは、モータと窓との間に、モータと連動して作動する開閉機構(レギュレータ)が設けられており、モータを正転させると、開閉機構を介して窓が上昇し、窓の閉動作が行われる。また、モータを逆転させると、開閉機構を介して窓が下降し、窓の開動作が行われる。
特許文献1、2には、パワーウインドウ装置に用いられる開閉機構が示されている。特許文献1はベルトを備えた開閉機構の例であり、特許文献2はX形のアームを備えた開閉機構の例である。特許文献3には、4個のスイッチング素子を含むHブリッジ回路によりモータを駆動するパワーウインドウ装置が示されている。特許文献4には、全開位置に到達した後の開閉体のがたつきを、回生制動により抑制する技術が示されている。特許文献5には、傾斜地における開閉体の移動を、回生制動により抑制する技術が示されている。
窓の閉動作において、窓を確実に閉め切るためには、窓枠に設けられたゴム製のランチャンネルに窓の上端部が接触した後も、モータの駆動を継続し、窓がランチャンネルに完全に押し当てられて、モータが失速しロック状態になったことが検出されると、モータを停止させる。この場合、モータの両端子を同電位にすることで回生ブレーキが働き、このブレーキ状態を一定時間継続した後、モータの両端子を開放状態にして、モータへの電圧印加を停止する。
窓の上端部がランチャンネルに当たると、ランチャンネルから窓に反力が作用する。モータが回転している間は、この反力とモータの出力トルクとが釣り合って窓は停止している。しかるに、ロック状態が検出されてモータが停止すると、モータの出力トルクがなくなるため、ランチャンネルからの反力によって窓が下降しようとする。
このとき、窓と連動するモータが反力に打ち勝って逆回転しなければ、窓の下降を阻止できるが、モータが反力に逆らえず逆回転すると、窓の下降が許容されてしまう。その結果、窓と窓枠との間にわずかな隙間が生じ、車両のドアを閉じた際に、窓が動いて異音を発するなどの不具合が発生する。
従来は、前述したように、モータのロック状態が検出されると、一定時間回生ブレーキをかけている。回生ブレーキは、モータの逆回転をある程度抑制する効果はあるものの、ブレーキ力より反力のほうが大きいと、モータの逆回転を阻止することができず、窓が下降してしまうので、その効果は十分とは言えない。
また、反力による窓の下降を防止するために、モータに逆回転防止機構が付設される場合もある。この逆回転防止機構は、たとえば一方向クラッチからなり、反力によるモータの逆回転を、クラッチの摩擦力で機械的に阻止するようにしている。しかしながら、クラッチの摩擦力より大きい反力が窓に作用した場合は、やはりモータが逆回転して窓が下降してしまう。
また一方で、ランチャンネルから窓に作用する反力は、過剰な機械的ストレスとして窓から開閉機構を介してドアにも加わり、ドアの変形をひき起こすことがある。特に、気温が高いほど、またモータの印加電圧が高いほど、窓に作用する反力は増大し、開閉機構に過剰なストレスがかかる。そのため、パワーウインドウ装置では、こうした過剰なストレスに耐えうる開閉機構が必要となり、コストが高くなる。
米国特許公開第2020/0262273号 特開2016-108807号公報 特開2018-3426号公報 特開2017-82421号公報 特開2013-240261号公報
本発明の課題は、開閉体の閉め切り時に発生する反力の影響を緩和することが可能な開閉体制御装置を提供することにある。
本発明に係る開閉体制御装置は、開閉体を開閉するためのモータを駆動するモータ駆動部と、このモータ駆動部の動作を制御する制御部とを備えている。モータ駆動部は、制御部からの制御指令に基づいて、モータへ所定の印加電圧を出力する。制御部は、開閉体が閉方向の停止位置に到達して動かなくなるロック状態を検出すると、モータに間歇的にブレーキをかけるための制御指令をモータ駆動部へ出力する。モータ駆動部は、この制御指令に基づいて、モータのブレーキ期間が徐々に長くなり、駆動期間が徐々に短くなるように、モータの印加電圧を変化させ、一定時間が経過した時点で印加電圧をゼロにする。
このようにすれば、開閉体のロック状態が検出された時点で、開閉体を駆動するモータのトルクが消失することはなく、トルクは駆動期間が徐々に短くなってゆくことに応じて、徐々に小さくなってゆく。このため、ロック検出時点では、反力に対してトルクが有効に働くので、開閉体に作用する反力が緩和され、開閉体が開方向へ移動するのを阻止することができる。
本発明において、モータ駆動部は、PWM信号を生成するPWM回路と、PWM信号によりスイッチング動作を行うスイッチング回路とを備えていてもよい。この場合、開閉体が停止位置でロック状態になると、PWM回路は、デューティが徐々に変化するPWM信号を出力し、スイッチング回路は、このPWM信号に基づいて電源電圧をスイッチングすることにより、モータの印加電圧を変化させる。
本発明において、開閉体が停止位置でロック状態になると、スイッチング回路は、モータの一方の端子に、電源電圧をそのまま印加し、モータの他方の端子に、電源電圧をスイッチングして得られるパルス電圧を印加してもよい。
本発明において、スイッチング回路は、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の直列回路と、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子の直列回路とが、電源とグランドとの間に並列に接続された、Hブリッジ回路から構成されていてもよい。この場合、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の接続点は、モータの一方の端子に接続され、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子の接続点は、モータの他方の端子に接続される。そして、ブレーキ期間では、第1および第3スイッチング素子がオン、第2および第4スイッチング素子がオフとなり、駆動期間では、第1および第4スイッチング素子がオン、第2および第3スイッチング素子がオフとなる。
本発明において、停止位置で停止した開閉体に作用する反力により、当該開閉体が開方向へ移動してモータが逆回転するのを防止する、逆回転防止機構が備わっていてもよい。
本発明によれば、開閉体の閉め切り時に発生する反力の影響を緩和することが可能な開閉体制御装置を提供することができる。
本発明の実施形態を示したブロック図である。 開閉機構の概略構成図である。 窓に作用する力を説明する図である。 モータ駆動部の詳細を示した図である。 PWM信号の波形を示した図である。 スイッチング回路の動作を説明する図である。 本発明による窓の閉め切り時の動作を示した図である。 従来例による窓の閉め切り時の動作を示した図である。
本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。以下では、開閉体制御装置として、車両に搭載されるパワーウインドウ装置を例に挙げる。
図1は、本発明によるパワーウインドウ装置の一例を示している。パワーウインドウ装置100は、車室内に設けられた操作スイッチ30の操作により開閉機構10を作動させ、車両の窓Wを開閉する装置である。パワーウインドウ装置100には、制御部1と、モータ駆動部2と、モータ3と、センサ4とが備わっている。窓Wは、本発明における「開閉体」の一例である。
制御部1は、マイクロコンピュータなどからなり、センサ4から入力されるパルス信号に基づいて、モータ3の回転速度や窓Wの位置を検出するとともに、モータ3の回転速度が目標速度となるように、モータ駆動部2に対してフィードバック制御を行う。
モータ駆動部2は、制御部1からの制御指令に基づいて動作し、モータ3へ所定の印加電圧を供給する。モータ駆動部2には、所定のデューティを持ったPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するPWM回路21と、このPWM回路21から出力されるPWM信号に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング回路22とが設けられている。モータ駆動部2の詳細については後述する。
モータ3は、直流モータからなり、モータ駆動部2から出力される印加電圧に基づいて、所定の速度で回転する。モータ3の回転速度は、印加電圧が高いほど大きくなる。モータ3の出力トルクは、回転速度に比例する。モータ3には、開閉機構10が連結されている。開閉機構10は、回転するモータ3のトルクを受けて作動し、窓Wを開いたり閉めたりする。開閉機構10の詳細については後述する。
センサ4は、ロータリエンコーダなどからなり、モータ3の回転状態を検出する。詳しくは、センサ4は、モータ3の回転に同期したパルス信号を生成し、これを制御部1へ出力する。制御部1は、パルス信号のパルス間隔などに基づいてモータ3の回転速度を検出し、パルス信号の立上がりや立下りの数などに基づいて窓Wの位置を検出する。
図2は、モータ駆動部2の詳細を示している。モータ駆動部2に設けられたスイッチング回路22は、4個のスイッチング素子S1~S4を含む、公知のHブリッジ回路から構成されている。本例では、スイッチング素子S1~S4は、FET(Field Effect Transistor)からなる。各FETのドレイン・ソース間には、サージ保護用の還流ダイオードD1~D4が並列に接続されている。スイッチング素子S1、S2、S3、S4は、それぞれ本発明における第1、第2、第3、および第4スイッチング素子に相当する。
スイッチング回路22において、スイッチング素子S1、S2の直列回路と、スイッチング素子S3、S4の直列回路とが、電源+BとグランドGNDとの間に並列に接続されている。スイッチング素子S1、S3の各ドレインは、電源+Bに共通に接続されている。スイッチング素子S2、S4の各ソースは、グランドGNDに共通に接続されている。スイッチング素子S1、S2の接続点mは、モータ3の一方の端子T1に接続されている。スイッチング素子S3、S4の接続点nは、モータ3の他方の端子T2に接続されている。
モータ3の端子T1は、窓Wが閉じる(上昇する)場合に、スイッチング素子S1を介して電源電圧+Bが印加される端子(UP端子)であり、端子T2は、窓Wが開く(下降する)場合に、スイッチング素子S3を介して電源電圧+Bが印加される端子(DOWN端子)である。
モータ3には、図1で図示を省略した逆回転防止機構5が付設されている。ここでは、逆回転防止機構5は、摩擦力を利用した一方向クラッチから構成されており、モータ3と開閉機構10との間に設けられる。一方向クラッチは、モータ3から開閉機構10への動力伝達を許容し、開閉機構10からモータ3への動力伝達を禁止するように作用する。このような一方向クラッチの構成については、よく知られているので、詳細な説明は省略する。
スイッチング回路22において、スイッチング素子S1~S4の各ゲートには、PWM回路21から、それぞれPWM信号(PWM1~PWM4)が与えられる。図3は、PWM信号の一例を示している。PWM信号は、デューティdが可変のパルス信号であって、パルスのH(High)の区間Zaでは、スイッチング素子がオンとなり、パルスのL(Low)の区間Zbでは、スイッチング素子がオフとなる。PWM回路21は、制御部1(図1)からの制御指令において指令されたデューティdを持つPWM信号を生成し、スイッチング回路22へ出力する。スイッチング回路22は、このPWM信号に基づいて電源電圧+Bをスイッチングする。
図4は、スイッチング回路22の動作を説明する図である。ここでは、便宜上、図2のスイッチング素子S1~S4を、スイッチの接点として表している。スイッチング回路22の動作には、図4(a)~(d)の4つのパターンがある。
図4(a)は、窓Wが閉じる(上昇する)場合のUPパターンである。この場合、PWM回路21からのPWM信号により、スイッチング素子S1、S4がオン、スイッチング素子S2、S3がオフとなる。この結果、スイッチング回路22には、点線で示した経路でモータ3の駆動電流が流れる。これにより、モータ3が正転し、開閉機構10を介して窓Wが閉じる。
図4(b)は、窓Wが開く(下降する)場合のDOWNパターンである。この場合、PWM回路21からのPWM信号により、スイッチング素子S2、S3がオン、スイッチング素子S1、S4がオフとなる。この結果、スイッチング回路22には、点線で示した経路でモータ3の駆動電流が流れる。この場合、モータ3に流れる電流の方向は、図4(a)の場合と逆の方向である。このため、モータ3が逆転し、開閉機構10を介して窓Wが開く。
図4(c)は、モータ3にブレーキをかける場合のブレーキパターンである。この場合、PWM回路21からのPWM信号により、スイッチング素子S1、S3がオン、スイッチング素子S2、S4がオフとなる。この結果、モータ3の両端子T1、T2が同電位(+B)となり、モータ3に駆動電流が流れなくなるため、モータ3にブレーキがかかる。また、モータ3の巻線に蓄えられた電磁エネルギーの放出によって、点線で示した経路で回生電流(ブレーキ電流)が流れる。
図4(d)は、モータ3の両端子T1、T2が開放された状態のOPENパターンである。この場合、スイッチング素子S1~S4は全てオフとなり、モータ3の両端子T1、T2に電圧が印加されないので、モータ3は停止状態となる。
次に、開閉機構10について説明する。図5(a)に示すように、開閉機構10(レギュレータ)は、モータ3と窓Wとの間に介在し、モータ3の回転により作動して、窓Wの開閉動作を行う。窓Wは、窓枠40の内側に設けられているゴム製のランチャンネル50の溝と嵌合するように、窓枠40に昇降自在に取り付けられている。図中のFaは、窓Wが上昇する際に、窓Wに作用する力を表している(詳細は後述)。
図5(b)は、開閉機構10の一例を示している。開閉機構10は、上部に位置する第1ドラム10aと、下部に位置する第2ドラム10bと、これらのドラム間に掛け渡されたワイヤ10cと、このワイヤ10cに固定された昇降部材10dとから構成されている。第2ドラム10bは、モータ3の回転軸3aに連結されていて、モータ3の回転に伴って回転する。昇降部材10dは窓Wに連結されていて、モータ3の回転に伴って上下方向に移動する。
たとえば、モータ3が正転すると、第2ドラム10bが反時計回りに回転し、ワイヤ10cを介して昇降部材10dが上昇する。これにより、窓Wは昇降部材10dとともに上昇し、閉じてゆく(閉動作)。また、モータ3が逆転すると、第2ドラム10bが時計回りに回転し、ワイヤ10cを介して昇降部材10dが下降する。これにより、窓Wは昇降部材10dとともに下降し、開いてゆく(開動作)。
図6は、窓Wが閉動作を行う場合の、窓Wに作用する力を表した図である。(a)は窓Wが上昇中の状態、(b)は窓Wが上部のランチャンネル50cに接触した状態、(c)は窓Wがさらに上昇して停止位置(上死点)に到達した状態を示している。
図6(a)のように、窓Wがランチャンネル50cの手前の領域で上昇している状態では、窓Wに働く力は、定常負荷力Faのみである。この定常負荷力Faは、主に、図5(a)に示す前後のランチャンネル50a、50bと窓Wの側部との間の摩擦、および窓Wのガラスの自重によるものである。
図6(b)のように、窓Wがランチャンネル50cと接触する位置に到達すると、窓Wには、上述した定常負荷力Faに加え、接触による摩擦に抗して窓Wを閉め切るために必要な力(閉め切り力)Fbが働く。この閉め切り力Fbは、ランチャンネル50cと窓Wとの間の摩擦によるものである。
図6(c)のように、窓Wがさらに上昇して停止位置(上死点)に到達すると、窓Wには、上述した定常負荷力Faと閉め切り力Fbとに加えて、過剰力Fcが働く。この過剰力Fcは、窓Wがランチャンネル50cに突き当たることによって、ランチャンネル50cから受ける反力であり、前述した窓Wの下降の原因となる力である。
従来の窓の閉め切り時の動作を、図8を参照しながら、さらに詳しく説明する。図8において、(a)は、窓Wの閉動作時にモータ3に流れる電流を示している。(b)は、モータ3の一方の端子T1(UP端子)に印加される電圧を示している。(c)は、モータ3の他方の端子T2(DOWN端子)に印加される電圧を示している。(d)は、モータ駆動部2の出力状態を示している。(e)は、窓Wに作用する反力とモータ3のトルクを示している。
窓Wが上部のランチャンネル50cに接触するまで、すなわち図6(a)の状態では、モータ3に流れる電流は、前後のランチャンネル50a、50b(図5)と窓Wとの摩擦などにより若干変動しつつも、図8(a)のように、窓Wがランチャンネル50cに接触するt1の時点まで、比較的安定した変化を示す。
また、この状態では、スイッチング回路22の動作パターンは、図4(a)のUPパターンとなっている。このため、モータ3の端子T1には、スイッチング素子S1を介して電源電圧+Bが印加され、端子T2は、スイッチング素子S4を介してグランドGNDに接地されている。したがって、端子T1、T2の電圧の状態は図8(b)、(c)のようになり、モータ駆動部2の出力状態は図8(d)のように「UP」となっている。
窓Wが上昇してランチャンネル50cと接触すると、すなわち図6(b)の状態に至ると、接触による摩擦が加わるため、モータ3の出力トルクが大きくなる。このため、図8(a)のように、モータ3に流れる電流は、窓Wがランチャンネル50cに接触するt1の時点から急増する。
窓Wがさらに上昇して、停止位置(上死点)でランチャンネル50cに突き当たった状態、すなわち図6(c)の状態に至ると、窓Wはそれ以上上昇できなくなるので、モータ3の出力トルクは一定値となる。このため、モータ3に流れる電流も、図8(a)に示したように、窓Wがランチャンネル50cに突き当たったt2の時点から飽和し、一定値となる。
図1の制御部1は、窓Wが停止位置に到達したことを、モータ電流の変化、あるいはセンサ4からのパルス信号に基づいて検出する。また、制御部1は、モータ電流の飽和状態が、図8(a)に示す所定時間τ(t2~t3の期間)継続した場合に、窓Wがロック状態になったと判断する。そして、所定時間τが経過したt3の時点で、制御部1は、モータ3にブレーキをかけるための制御指令をモータ駆動部2へ出力する。
モータ駆動部2は、制御部1からの制御指令に基づき、t3の時点で、スイッチング回路22の動作パターンを、図4(a)のUPパターンから図4(c)のブレーキパターンに切り換える。このため、モータ3の端子T1には、スイッチング素子S1を介して電源電圧+Bが継続して印加され、端子T2にも、スイッチング素子S3を介して電源電圧+Bが印加される。
その結果、端子T1と端子T2とが同電位になるので、図8(a)に示すように、モータ3には電流が流れなくなり、モータ3にブレーキがかかる。このブレーキは、両端子T1、T2の同電位が維持される間、すなわち図8に示す期間Yb(ブレーキ期間)の間、継続される。したがって、この期間Ybでは、図8(d)のように、モータ駆動部2の出力状態が「ブレーキ」となる。
そして、一定期間Ybが経過したt4の時点で、モータ駆動部2は、スイッチング回路22の動作パターンを、図4(c)のブレーキパターンから図4(d)のOPENパターンに切り換える。このため、モータ3の端子T1、T2に電源電圧+Bが印加されなくなって、両端子T1、T2が開放状態となる。したがって、図8(d)のように、モータ駆動部2の出力状態は「OPEN」となる。
上述したように、従来の方式では、窓Wのロック状態が検出されたt3の時点で、図8(c)に示したように、モータ3の端子T2に電源電圧+Bを連続して印加し、Ybの期間中、両端子T1、T2を同電位に維持してモータ3にブレーキをかけている。しかるに、このようにすると、図8(e)に示すように、t3の時点からモータ3のトルクF2が消失するため、ランチャンネル50cからの反力F1(図6(c)の反力Fcに相当)により窓Wが下降する。この窓Wの下降に対して、回生ブレーキや逆回転防止機構では不十分であることは前述のとおりである。
次に、本発明による窓の閉め切り時の動作を、図7を参照しながら詳しく説明する。図7において、ロック状態が検出されるt3の時点までの動作については、図8の場合と同じであるので、説明を省略する。t3の時点で窓Wのロック状態が検出されると、図1の制御部1は、モータ3に間歇的にブレーキをかけるための制御指令をモータ駆動部2へ出力する。
モータ駆動部2は、制御部1からの制御指令に基づき、t3の時点で、モータ3の端子T1の電圧はそのままにし、端子T2の電圧を、PWM信号に基づいて電源電圧+Bをスイッチングした、図7(c)に示すようなパルス電圧に切り換える。図7(c)において、パルス電圧がHの期間αは、スイッチング回路22の動作パターンが、図4(c)のブレーキパターンとなる期間であり、パルス電圧がLの期間βは、スイッチング回路22の動作パターンが、図4(a)のUPパターンとなる期間である。
期間αでは、モータ3の端子T1、T2に共に電源電圧+Bが印加されて、両端子が同電位となり、モータ3にブレーキがかかる。つまり、期間αはブレーキ期間である。一方、期間βでは、モータ3の端子T1に電源電圧+Bが印加され、端子T2はグランドGNDに接地されるので、モータ3に駆動電流が流れる。つまり、期間βは、モータ3が駆動される駆動期間である。
ブレーキ期間αと駆動期間βは、交互に繰り返される。すなわち、図4(a)のUPパターンと、図4(c)のブレーキパターンとが交互に繰り返される。この結果、モータ3に間歇的にブレーキがかかることになる。この間歇的なブレーキは、一定期間Yaの間、継続される。したがって、期間Yaでは、図7(d)のように、モータ駆動部2の出力状態が「緩ブレーキ」となる。
また、モータ駆動部2は、期間Yaにおいて、PWM回路21が出力するPWM信号のデューティを徐々に大きくすることにより、ブレーキ期間αが徐々に長くなり、駆動期間βが徐々に短くなるように、端子T2の印加電圧を変化させる。この結果、モータ3に流れる電流は、図7(a)に示すように徐々に減少してゆく。
そして、一定期間Yaが経過したt4の時点で、モータ駆動部2は、スイッチング回路22の動作パターンを、図4(d)のOPENパターンに切り換える。これについては、図8の場合と同じである。その結果、モータ3の端子T1、T2に電源電圧+Bが印加されなくなって、両端子T1、T2が開放状態となる。したがって、図8(d)のように、モータ駆動部2の出力状態は「OPEN」となる。
上述したように、本発明では、窓Wのロック状態が検出されたt3の時点から、従来のようにモータ3の端子T1、T2を同電位に固定するのではなく、端子T1には電源電圧+Bをそのまま印加し、端子T2には電源電圧+BをPWM信号でスイッチングしたパルス電圧を印加している。そして、PWM信号のデューティを徐々に大きくすることで、ブレーキ期間αを徐々に長くし、駆動期間βを徐々に短くしている。
その結果、図7(e)に示すように、モータ3のトルクF2がt3の時点で直ちに消失することはなく、トルクF2は、駆動期間βが徐々に短くなってゆくことに応じて、徐々に小さくなってゆく。このため、t3の時点では、反力F1に対してトルクF2が有効に働くので、窓Wに作用する反力F1が緩和され、図8(e)のように窓Wが反力F1で下降するのを阻止することができる。
また、上述した反力F1が大きい場合、従来の方式では、図8のt3の時点で反力F1に対抗するトルクF2が消失するため、反力F1が、窓枠40(図5(a))、開閉機構10、および開閉機構10と車両のドア(図示省略)との連結部などを介して、ドア自体に伝わり、冒頭でも述べたように、ドアの変形をひき起こすことがある。しかるに本発明では、図7のt3の時点で、反力F1に対抗するトルクF2が働くため、そのような不具合を解消することができる。
本発明では、上述した実施形態以外にも、以下のような種々の実施形態を採用することができる。
上述した実施形態においては、モータ3の端子T2に、PWM信号によりスイッチングされたパルス電圧を印加する例を挙げたが(図7)、PWM信号の代わりに、たとえばPDM(Pulse Density Modulation)信号やPPM(Pulse Position Modulation)信号などによりスイッチングされたパルス電圧を印加してもよい。
また、上述した実施形態においては、モータ3の回転速度や窓Wの位置を検出するために、ロータリエンコーダなどのセンサ4を用いた例を挙げたが(図1)、センサ4に代えて、モータ3に流れる電流を検出する電流検出回路を設けてもよい。そして、電流検出回路で検出されたリプル電流(脈流)に基づいて、モータ3の回転速度や窓Wの位置を検出してもよい。
また、上述した実施形態においては、モータ駆動部2が制御部1から分離して設けられている例を挙げたが(図1)、モータ駆動部2を制御部1に組み込んでもよい。
また、上述した実施形態においては、パワーウインドウ装置100にモータ3が備わっている例を挙げたが(図1)、モータ3は、パワーウインドウ装置100と別に設けてもよい。
また、上述した実施形態においては、開閉機構の例として、ドラム10a、10bと、ワイヤ10cと、昇降部材10dとを備えた開閉機構10を例に挙げたが(図5)、これに代えて、たとえば特開2016-108807号公報に示されているような、X形アームを備えた開閉機構を用いてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、開閉体制御装置として車両用のパワーウインドウ装置100を例に挙げたが(図1)、本発明は、車両のスライドドアやサンルーフなどの開閉体を制御する装置にも適用することができる。さらに、車両以外の分野における各種の開閉体の制御装置にも、本発明は適用が可能である。
1 制御部
2 モータ駆動部
3 モータ
4 センサ
5 逆回転防止機構
10 開閉機構
21 PWM回路
22 スイッチング回路
40 窓枠
50 ランチャンネル
100 パワーウインドウ装置(開閉体制御装置)
T1 モータの一方の端子
T2 モータの他方の端子
S1 スイッチング素子(第1スイッチング素子)
S2 スイッチング素子(第2スイッチング素子)
S3 スイッチング素子(第3スイッチング素子)
S4 スイッチング素子(第4スイッチング素子)
m 第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の接続点
n 第3スイッチング素子と第4スイッチング素子の接続点
W 窓(開閉体)
F1 反力
F2 トルク
α ブレーキ期間
β 駆動期間

Claims (5)

  1. 開閉体を開閉するためのモータを駆動するモータ駆動部と、
    前記モータ駆動部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記モータ駆動部は、前記制御部からの制御指令に基づいて、前記モータへ所定の印加電圧を出力する開閉体制御装置において、
    前記制御部は、
    前記開閉体が閉方向の停止位置に到達して動かなくなるロック状態を検出すると、前記モータに間歇的にブレーキをかけるための制御指令を前記モータ駆動部へ出力し、
    前記モータ駆動部は、
    前記制御指令に基づいて、前記モータのブレーキ期間が徐々に長くなり、駆動期間が徐々に短くなるように、前記モータの印加電圧を変化させ、一定時間が経過した時点で前記印加電圧をゼロにする、ことを特徴とする開閉体制御装置。
  2. 請求項1に記載の開閉体制御装置において、
    前記モータ駆動部は、
    PWM信号を生成するPWM回路と、
    前記PWM信号によりスイッチング動作を行うスイッチング回路と、を備え、
    前記開閉体が前記停止位置でロック状態になると、
    前記PWM回路は、デューティが徐々に変化するPWM信号を出力し、
    前記スイッチング回路は、前記PWM信号に基づいて電源電圧をスイッチングすることにより、前記モータの印加電圧を変化させる、ことを特徴とする開閉体制御装置。
  3. 請求項2に記載の開閉体制御装置において、
    前記開閉体が前記停止位置でロック状態になると、
    前記スイッチング回路は、前記モータの一方の端子に、前記電源電圧をそのまま印加し、前記モータの他方の端子に、前記電源電圧をスイッチングして得られるパルス電圧を印加する、ことを特徴とする開閉体制御装置。
  4. 請求項3に記載の開閉体制御装置において、
    前記スイッチング回路は、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の直列回路と、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子の直列回路とが、電源とグランドとの間に並列に接続された、Hブリッジ回路からなり、
    前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子の接続点は、前記モータの一方の端子に接続されており、
    前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子の接続点は、前記モータの他方の端子に接続されており、
    前記ブレーキ期間では、前記第1および第3スイッチング素子がオン、前記第2および第4スイッチング素子がオフとなり、
    前記駆動期間では、前記第1および第4スイッチング素子がオン、前記第2および第3スイッチング素子がオフとなる、ことを特徴とする開閉体制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の開閉体制御装置において、
    前記停止位置で停止した前記開閉体に作用する反力により、当該開閉体が開方向へ移動して前記モータが逆回転するのを防止する、逆回転防止機構を備えたことを特徴とする開閉体制御装置。
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