JP2022101344A - 電力変換装置、電力伝達装置、情報処理装置、劣化異常診断方法 - Google Patents

電力変換装置、電力伝達装置、情報処理装置、劣化異常診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡易な構成で交流電動機の劣化異常に関する診断を行うことが可能な技術を提供する。【解決手段】本開示の一実施形態に係る電力変換装置100は、外部から入力される電力を用いて、電動機Mを駆動するインバータ回路130と、インバータ回路130と電動機Mとの間の回路の相電流を検出するセンサ150と、センサ150の出力に基づき、相電流の所定の高調波成分(例えば、第5高調波成分や第7高調波成分)、及び相電流の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視部1402と、監視部1402の監視結果に基づき、電動機Mのレヤショート(層間短絡)に関する診断を行う診断部1403と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、電力変換装置等に関する。
例えば、レヤショート等の交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
特許第5875734号公報
しかしながら、特許文献1では、劣化異常の診断のために専用の検出器が設けられる。そのため、交流電動機の電気的な劣化異常の判定のための構成が複雑になる可能性がある。
そこで、上記課題に鑑み、より簡易な構成で交流電動機の劣化異常に関する診断を行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部と、
前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視部と、
前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
電力変換装置が提供される。
また、本開示の他の実施形態では、
外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部と、
前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機のd軸及びq軸の電流、並びに前記交流電動機のd軸及びq軸の電圧の少なくとも一方を監視する監視部と、
前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
電力変換装置が提供される。
また、本開示の他の実施形態では、
外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部と、
前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の有効電力及び無効電力を監視する監視部と、
前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
電力変換装置が提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
電源と交流電動機との間の交流伝達経路に設けられる電力伝達装置であって、
前記電源と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視部と、
前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
電力伝達装置が提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部、及び前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部を含む電力変換装置から前記電流検出部の出力を取得し、前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視部と、
前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
情報処理装置が提供される。
また、本開示の更に他の実施形態では、
外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部、及び前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部を含む電力変換装置に内蔵される、又は、前記電力変換装置から前記電流検出部の出力を取得可能な情報処理装置が実行する劣化異常診断方法であって、
前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視ステップと、
前記監視ステップの監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断ステップと、を含む、
劣化異常診断方法が提供される。
上述の実施形態によれば、より簡易な構成で交流電動機の劣化異常に関する診断を行うことができる。
電動機異常診断システムの構成の第1例を示す図である。 電力変換装置の構成の第1例を示す機能ブロック図である。 レヤショート(層間短絡)発生時における電動機のステータの起電力波形の一例を示す図である。 電動機異常診断システムの構成の第2例を示す図である。 電力変換装置の構成の第2例を示す機能ブロック図である。 電動機異常診断システムの構成の第3例を示す図である。 電力変換装置の構成の第3例を示す機能ブロック図である。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
[電動機異常診断システムの第1例]
まず、図1~図3を参照して、本実施形態に係る電動機異常診断システム1の第1例について説明する。
<電動機異常診断システムの概要>
図1は、本実施形態に係る電動機異常診断システム1の構成の第1例を示す図である。
電動機異常診断システム1は、電動機Mの劣化異常に関する診断を行う。電動機Mの劣化異常の診断には、例えば、電動機Mの劣化異常の有無の判定、電動機Mの劣化異常の度合い(以下、「劣化異常度」)の判定(推定)等が含まれる。具体的には、電動機異常診断システム1は、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行う。電動機Mの電気的な劣化異常には、例えば、後述する巻線(コイル)のレヤショート(層間短絡)が含まれる。
電動機異常診断システム1は、電力変換装置100と、端末装置200とを含む。
電力変換装置100は、商用電源PSから入力される三相交流電力(例えば、R相、S相、及びT相)を所定の電圧や所定の周波数を有する三相交流電力(例えば、U相、V相、及びW相)に変換し、電動機Mを駆動する。
商用電源PSと電力変換装置100との間の交流伝達経路(R相、S相、及びT相の電線)には、交流伝達経路の接続状態及び遮断状態を切り換え可能な遮断器BKが設置される。遮断器BKは、例えば、MCCB(Molded Case Circuit Breaker)である。
電動機M(交流電動機の一例)は、電力変換装置100から出力される三相交流電力に基づき、工場に設置される生産設備や機械設備等を電気駆動する。
図1に示すように、電力変換装置100は、整流回路110と、平滑回路120と、インバータ回路130と、制御装置140と、センサ150と、表示装置160と、通信装置170とを含む。
整流回路110は、商用電源PSから入力されるR相、S相、及びT相の三相交流電力を整流し、直流電力を出力可能に構成される。整流回路110は、正側及び負側の出力端のそれぞれが正ラインPL及び負ラインNLの一端に接続され、正ラインPL及び負ラインNLを通じて、直流電力を平滑回路120に出力することができる。整流回路110は、例えば、6つの半導体ダイオードを含み、上下アームを構成する2つの半導体ダイオードの直列接続体が3組並列接続されるブリッジ型全波整流回路である。
平滑回路120は、整流回路110から出力される直流電力やインバータ回路130から回生される直流電力の脈動を抑制し、平滑化する。
平滑回路120は、例えば、平滑コンデンサを含む。
平滑コンデンサは、整流回路110やインバータ回路130と並列に、正ラインPL及び負ラインNLを繋ぐ経路に設けられてよい。
平滑コンデンサは、適宜、充放電を繰り返しながら、整流回路110から出力される直流電力やインバータ回路130から出力(回生)される直流電力を平滑化する。
平滑コンデンサは、一つであってよい。また、平滑コンデンサは、複数配置されてもよく、複数の平滑コンデンサが正ラインPL及び負ラインNLの間に並列接続されてもよいし、直列接続されてもよい。また、複数の平滑コンデンサは、2以上の平滑コンデンサの直列接続体が正ラインPL及び負ラインNLの間に複数並列接続される形で構成されてもよい。
また、平滑回路120は、例えば、リアクトルを含む。
リアクトルは、整流回路110と平滑コンデンサ(具体的には、平滑コンデンサが配置される経路との分岐点)との間の正ラインPLに設けられてよい。
リアクトルは、適宜、電流の変化を妨げるように電圧を発生させながら、整流回路110から出力される直流電力やインバータ回路130から出力(回生)される直流電力を平滑化する。
インバータ回路130(駆動部の一例)は、その正側及び負側の入力端が正ラインPL及び負ラインNLの他端に接続される。インバータ回路130は、平滑回路120から供給される直流電力を半導体スイッチのスイッチ動作により、所定の周波数や所定の電圧を有する三相交流電力(例えば、U相、V相、及びW相)に変換し電動機Mに出力し、電動機Mを駆動する。半導体スイッチは、例えば、シリコン(Si)製のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であってよい。また、半導体スイッチは、例えば、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)等のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体素子であってもよい。
インバータ回路130は、例えば、6つの半導体スイッチを含み、上下アームを構成する2つの半導体スイッチの直列接続体(スイッチレグ)が正ラインPL及び負ラインNLの間に3組並列接続されるブリッジ回路を含む形で構成される。そして、インバータ回路130は、3組の上下アームの接続点から引き出されるU相線、V相線、及びW相線を通じて、三相交流電力を出力してよい。また、6つの半導体スイッチには、それぞれ、環流ダイオードが並列接続されてよい。
制御装置140(情報処理装置の一例)は、電力変換装置100に関する制御を行う。
制御装置140の機能は、任意のハードウェア或いは任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現されてよい。例えば、制御装置140は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性の補助記憶装置、及び外部との入出力用のインタフェース装置を含むコンピュータを中心に構成される。制御装置140は、補助記憶装置にインストールされるプログラムをメモリ装置にロードしCPUに実行させることにより、各種機能を実現する。また、制御装置140は、インタフェース装置を通じて、外部の信号を受信したり、外部に信号を出力(送信)したりする。
制御装置140は、例えば、インバータ回路130(具体的には、それぞれの半導体スイッチのゲート)に駆動信号を出力し、インバータ回路130を用いて、電動機Mが所定の運転条件を満足するように駆動する。換言すれば、制御装置140は、所定の運転条件に沿って電動機Mを駆動するための制御信号を生成し、インバータ回路130に出力する。
また、制御装置140は、例えば、電動機Mの劣化異常に関する診断を行う。具体的には、制御装置140は、電動機Mのレヤショートに関する診断を行う。詳細は、後述する。
センサ150は、電力変換装置100の状態に関する検出データを取得する。センサ150は、例えば、一対一の通信線等を通じて制御装置140と接続され、検出データに対応する信号(以下、「検出信号」)は、制御装置140に取り込まれる。これにより、制御装置140は、センサ150の検出信号に基づき、電力変換装置100に関する制御を行うことができる。
センサ150は、例えば、正ラインPL及び負ラインNLの間のリンク電圧を検出する電圧センサを含む。また、センサ150(電流検出部の一例)は、例えば、インバータ回路130と電動機Mとの間の回路、即ち、U相線、V相線、及びW相線の相電流(以下、それぞれ、「U相電流」、「V相電流」、及び「W相電流」)を検出する電流センサを含む。電流センサは、例えば、CT(Current Transformer)を利用する形態であってよい。また、センサ150は、インバータ回路130と電動機Mとの間の回路、即ち、U相線、V相線、及びW相線の相電圧(以下、「U相電圧」、「V相電圧」、及び「W相電圧」)を検出する電圧センサを含んでもよい。
表示装置160は、例えば、電力変換装置100の筐体の外側の表面に設けられる。表示装置160は、制御装置140の制御下で、電力変換装置100の状態に関する情報を表示する。
通信装置170は、所定の通信回線を通じて、端末装置200等の電力変換装置100の外部の機器と通信を行う。
所定の通信回線は、例えば、一対一の通信線であってよい。また、所定の通信回線には、例えば、電動機Mにより電機駆動される生産設備や機械設備等が設置される施設(工場)内に構築されるフィールドネットワーク等のローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)が含まれてよい。ローカルネットワークは、有線で構築されていてもよいし、無線で構築されていてもよいし、その双方を含んでいてもよい。また、所定の通信回線には、例えば、電動機Mにより電気駆動される生産設備や機械設備等が設置される施設(工場)の外部の広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)が含まれてもよい。広域ネットワークには、例えば、基地局を末端とする移動体通信網、通信衛星を利用する衛星通信網、インターネット網等が含まれてよい。また、所定の通信回線には、例えば、ブルートゥース(登録商標)やWiFi等の所定の無線通信規格による近距離通信回線が含まれてもよい。
端末装置200は、電力変換装置100の外部に設けられ、電力変換装置100(電動機異常診断システム1)のユーザに利用される。端末装置200は、例えば、表示部210を通じて、ユーザに各種情報を提供したり、ユーザから各種入力を受け付け、電力変換装置100に送信したりする。
端末装置200は、例えば、デスクトップ型のコンピュータ端末等の定置型の端末装置を含んでよい。また、端末装置200は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップ型のコンピュータ端末等の携帯型(可搬型)の端末装置(携帯端末)を含んでもよい。
<電力変換装置の機能構成>
図2は、本実施形態に係る電力変換装置100(制御装置140)の構成の第1例を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、制御装置140は、電動機制御部1401と、監視部1402と、診断部1403と、通知部1404とを含む。電動機制御部1401、監視部1402、診断部1403、及び通知部1404の機能は、例えば、補助記憶装置にインストールされるプログラムがメモリ装置にロードされCPUで実行されることにより実現される。
電動機制御部1401は、インバータ回路130を用いて、電動機Mの駆動制御を行う。具体的には、電動機制御部1401は、センサ150の検出データ(例えば、U相電流、V相電流、及びW相電流の検出値)に基づき、電動機Mを所定の運転条件で駆動するための制御信号(駆動指令)を生成し、インバータ回路130に出力する。
例えば、電動機制御部1401は、センサ150の検出データ、及び電動機Mの運転条件に基づき、U相電圧、V相電圧、及びW相電圧の指令値(以下、「電圧指令値」)を生成し、電圧指令値に応じた制御信号をインバータ回路130に出力する。
監視部1402は、センサ150の検出データに基づき、電動機Mの電気的な劣化異常に関する状態を監視する。詳細は、後述する。
診断部1403は、監視部1402の監視結果に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行う。詳細は、後述する。
通知部1404は、診断部1403による診断結果をユーザに通知する。通知部1404は、例えば、表示装置160に診断結果に関する情報を表示してよい。また、通知部1404は、例えば、通信装置170を通じて、診断結果に関する情報を含む信号を端末装置200に送信してもよい。これにより、通知部1404は、端末装置200の表示部210に診断結果に関する情報を表示させ、ユーザに診断結果を通知することができる。
監視部1402、診断部1403、及び通知部1404は、例えば、所定のタイミングで、電動機Mの劣化異常の診断に関する処理を行う。所定のタイミングは、例えば、電力変換装置100の電源ONのタイミングである。これにより、制御装置140は、電力変換装置100の電源ONに合わせて、電動機Mの劣化異常に関する診断を行い、劣化異常が生じている場合、或いは、劣化異常度が相対的に高い場合に、電動機Mの運転停止をユーザに促すことができる。また、所定のタイミングは、例えば、電力変換装置100に設けられる入力部を通じてユーザからの診断要求が入力されるタイミングや、通信装置170を通じて、端末装置200からユーザの診断要求が入力されるタイミングであってもよい。具体的には、所定のタイミングが到来すると、監視部1402は、電動機Mの劣化異常に関する状態を監視し、診断部1403は、その監視結果に基づき、電動機Mの劣化異常に関する診断を行う。そして、通知部1404は、表示装置160や通信装置170を通じて、その診断結果をユーザに通知する。また、通知部1404は、その診断結果がユーザに通知すべき内容である場合に、診断結果をユーザに通知する態様であってもよい。例えば、通知部1404は、電動機Mに異常発生有りとの診断結果が出力される場合や電動機Mの劣化異常度が所定基準を超えているとの診断結果が出力される場合等において、診断結果をユーザに通知してよい。
<電動機の劣化異常の診断方法の概要>
図3は、電気的な劣化異常(レヤショート)発生時における電動機Mのステータ(固定子)の起電力波形の一例を示す図である。具体的には、電動機MのU相、V相、及びW相のコイルのうちのU相にレヤショートが発生した場合の電動機Mのステータの起電力波形の具体例を示す図である。
電動機Mのステータ(固定子)のコイル(巻線)にレヤショート(層間短絡)が発生すると、その箇所の劣化異常は、相対的に緩やかに進展し、最終的に、アーク放電の発生の後、電線が溶着する完全な短絡状態に至る。
電動機Mのコイル(巻線)にレヤショート(層間短絡)が発生しても、電動機Mは、劣化異常の初期段階から中期段階では、必要な性能を十分に発揮することが可能な態様で動作することができる。そのため、電動機Mの利用者は、レヤショートの発生による劣化異常の末期段階でアーク放電が発生するまで電動機Mの劣化異常を認識することができない可能性がある。
一方、電動機Mのレヤショートが発生すると、劣化異常の初期段階では、インバータ回路130のサージ電圧に起因して、コロナ放電(部分放電)が発生する場合がある。特に、電動機Mが相対的に高い電圧(例えば、数キロボルト)で駆動される高圧電動機の場合、コロナ放電がある程度持続する可能性が高い。そのため、コロナ放電の発生を監視することにより、レヤショート発生後の劣化異常の初期段階で、電動機Mのレヤショートに関する診断を行うことができる。
しかしながら、コロナ放電は、電線の被覆の類焼がある程度進まない限り検出されにくく、電動機Mの電圧が相対的に低い場合、直ぐに消失する可能性が高い。そのため、電動機Mが相対的に低い電圧(例えば、数百ボルト)で駆動される低圧電動機の場合、コロナ放電の発生を検出することができず、結果として、コロナ放電の監視によって、電動機Mのレヤショートの発生に関する診断を行うことができない。つまり、電動機Mが低圧電動機の場合、電動機Mの放電状態を監視する方法では、アーク放電が発生し、完全な短絡状態にならない限り、レヤショートの発生を診断(検出)することができない。
そこで、本実施形態では、制御装置140は、電動機Mの電気的な劣化異常に関する状態を監視することにより、電動機Mのレヤショートに関する診断を行う。
図3に示すように、U相、V相、及びW相のそれぞれの起電力波形31,32,33のうちのコイルにレヤショートが発生しているU相の起電力波形31には、乱れが生じる。具体的には、電動機MのU相コイルのスロットの一つにレヤショートが生じると、1周期で2回(正・負)の起電力波形の乱れが生じ、波形に欠落部分31Aが発生する。
コイルにレヤショートが生じているU相の起電力波形31は、正弦波から崩れることから、高調波成分が多く含まれる。そのため、制御装置140は、電動機Mの電流や電圧の高調波成分を監視することにより、レヤショートに関する診断を行うことができる。
具体的には、高調波成分のうち、相対的に低い次数の成分は、電動機Mの二次回路で吸収されることから、検出されにくい。また、高調波成分のうち、相対的に高い次数の成分は、電動機Mのステータの巻線スロットの間隔の関係等により発生しにくく、発生したとしても、レヤショートに相当する漏れインダクタンス成分及び抵抗成分により吸収され、検出されにくい。そのため、制御装置140は、例えば、電動機Mの電流や電圧の第5高調波成分や第7高調波成分を含む所定の高調波成分(以下、「特定高調波成分」)を監視することにより、電動機Mのレヤショートに関する診断を行う。
また、U相、V相、及びW相のうちのレヤショートの発生により一部の相(本例では、U相)の起電力波形に乱れが生じ、その結果、電動機Mの3相の電流や電圧に不均衡(アンバランス)が生じる。そのため、制御装置140は、例えば、電動機Mの相電流や相電圧の不均衡状態を監視することにより、電動機Mのレヤショートに関する診断を行う。
このように、本実施形態では、監視部1402は、電動機Mの電流や電圧の特定高調波成分、及び電動機Mの相電流や相電圧の不均衡状態の少なくとも一方を監視し、診断部1403は、その監視結果に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行う。
<電動機の劣化異常の診断に関する処理の具体例>
(1)監視部による電動機の特定高調波成分の監視に関する処理
監視部1402は、以下の(1-1)~(1-4)の処理(以下、「高調波成分監視処理」)の少なくとも一つを行うことにより、電動機Mの電流や電圧の特定高調波成分を監視してよい。
(1-1)相電流・相電圧からの特定高調波成分の抽出
監視部1402は、相電流や相電圧の検出データ等を周波数解析により、周波数領域で分離し、相電流や相電圧の特定高調波成分に相当する特定の周波数成分を抽出すると共に、その特定高調波成分のレベル等を監視(認識)してよい。これにより、診断部1403は、監視部1402の監視結果(相電流や相電圧の特定高調波成分のレベル等)に基づき、所定の閾値や基準値等を適用することで、電動機Mの劣化異常(レヤショート)の有無やその程度(劣化異常度)等を診断することができる。
具体的には、監視部1402は、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)により、相電流や相電圧の検出データから、特定高調波成分に相当する特定の周波数領域の成分を抽出し、そのレベル等を監視してよい。
例えば、電動機Mの制御方法として、V/f(トルクベクトル)制御が採用される場合、電圧が正弦波となり、レヤショートによる起電力の乱れの影響は、電流に生じる可能性が高い。そのため、監視部1402は、相電流の検出データから、相電流の特定高調波成分を抽出してよい。また、電動機Mの制御方法として、すべり周波数形(間接形)ベクトル制御が採用される場合、電流が正弦波となり、レヤショートによる起電力の乱れの影響は、電圧に生じる可能性が高い。そのため、監視部1402は、相電圧の検出データ或いは相電圧の指令値のデータから、相電圧の特定周波数成分を抽出してよい。また、電動機Mの制御方法として、直接形ベクトル制御が採用される場合、レヤショートによる起電力の乱れの影響は、電流及び電圧の双方に現れる可能性がある。そのため、監視部1402は、相電流の検出データや相電圧の検出データ或いは指令値のデータから、相電流及び相電圧の少なくとも一方の特定高調波成分を抽出してよい。
(1-2)2軸(d軸及びq軸)の電流・電圧からの特定高調波成分の抽出
監視部1402は、2軸電流(d軸電流及びq軸電流)や2軸電圧(d軸電圧及びq軸電圧)の時系列データをバンドパスフィルタに通過させることで、2軸電流や2軸電圧に含まれる特定高調波成分を抽出し、そのレベル等を監視(認識)する。これにより、診断部1403は、監視部1402の監視結果(2軸電流や2軸電圧の特定高調波成分のレベル等)に基づき、電動機Mの劣化異常(レヤショート)の有無やその程度(劣化異常度)等を診断することができる。
具体的には、監視部1402は、相電流の検出データや相電圧の検出データ或いは指令値のデータに基づき、2軸電流(d軸電流及びq軸電流)や2軸電圧(d軸電圧及びq軸電圧)を算出してよい。電動機Mの制御方法として、ベクトル制御が採用される場合、監視部1402は、ベクトル制御の過程で電動機制御部1401により算出される2軸電流や2軸電圧を利用してよい。そして、監視部1402は、2軸電流や2軸電圧の時系列データをバンドパスフィルタに通過させることで、2軸電流や2軸電圧に含まれる特定高調波成分の時系列データを抽出し、そのレベル等を監視してよい。
例えば、電動機Mの制御方法として、V/f制御が採用される場合、上記と同様の理由で、2軸電流の算出データ(時系列データ)をバンドパスフィルタに通過させることで、2軸電流に含まれる特定高調波成分の時系列データを抽出してよい。また、電動機Mの制御方法として、すべり周波数形ベクトル制御が採用される場合、2軸電圧の算出データ(時系列データ)をバンドパスフィルタに通過させることで、2軸電圧に含まれる特定高調波成分の時系列データを抽出してよい。また、電動機Mの制御方法として、直接形ベクトル制御が採用される場合、2軸電流や2軸電圧の算出データをバンドパスフィルタに通過させ、2軸電流及び2軸電圧の少なくとも一方に含まれる特定高調波成分の時系列データを抽出してよい。
(1-3)2軸電流偏差からの特定高調波成分の抽出
監視部1402は、2軸電流偏差(d軸電流偏差及びq軸電流偏差)の時系列データをバンドパスフィルタに通過させることで、2軸電流偏差に含まれる特定高調波成分の時系列データを抽出し、そのレベル等を監視する。この方法は、電動機Mの制御方法として、直接形ベクトル制御が採用される場合に限定される。2軸電流偏差は、電動機制御部1401(磁気オブザーバ)によりベクトル制御の過程で演算される。これにより、診断部1403は、監視部1402の監視結果(2軸電流偏差の特定高調波成分のレベル等)に基づき、電動機Mの劣化異常(レヤショート)の有無やその程度(劣化異常度)等を診断することができる。
具体的には、電動機制御部1401(磁気オブザーバ)は、ベクトル制御の過程で、相電流の検出データに基づき算出される2軸電流と、予め規定される電動機Mのモデルに基づく2軸電流の推定値との間の偏差に相当する2軸電流偏差を算出してよい。そして、監視部1402は、2軸電流偏差の算出データをバンドパスフィルタに通過させることで、2軸電流偏差に含まれる特定高調波成分を抽出し、そのレベル等を監視してよい。
(1-4)有効電力及び無効電力からの特定高調波成分の抽出
監視部1402は、有効電力及び無効電力の時系列データをバンドパスフィルタに通過させることで、有効電力及び無効電力に含まれる特定高調波成分の時系列データを抽出し、そのレベル等を監視する。これにより、診断部1403は、監視部1402の監視結果(特定高調波成分の時系列データのレベル等)に基づき、電動機Mの劣化異常(レヤショート)の有無やその程度(劣化異常度)等を診断することができる。
具体的には、監視部1402は、相電流の検出データや相電圧の検出データ或いは指令値のデータに基づき、2軸電流及び2軸電圧を算出し、内積及び外積の演算により、有効電力及び無効電力を算出してよい。そして、監視部1402は、有効電力及び無効電力の算出データをバンドパスフィルタに通過させることで、有効電力及び無効電力に含まれる特定高調波成分の時系列データを抽出し、そのレベル等を監視してよい。
(2)監視部による相電流・相電圧の不均衡状態の監視に関する処理
監視部1402は、以下の(2-1)~(2-3)の処理(以下、「不均衡監視処理」)の少なくとも一つを行うことにより、電動機Mの相電流及び相電圧の少なとも一方の不均衡状態を監視してよい。
(2-1)相電流・相電圧の3相間での比較
監視部1402は、相電流の検出データや相電圧の検出データ或いは指令値のデータを3相(U相、V相、及びW相)の間で比較し、そのレベルや波形等に基づき、相電流や相電圧の不均衡状態(アンバランス)の有無やそのレベル等を監視する。これにより、診断部1403は、監視部1402により出力される監視結果(相電流や相電圧の不均衡の有無やそのレベル等)に基づき、所定の閾値や基準値を適用し、電動機Mの劣化異常(レヤショート)の有無やその程度(劣化異常度)等を診断することができる。
(2-2)逆相電流・逆相電圧の算出
監視部1402は、相電流の検出データや相電圧の検出データ或いは指令値のデータに基づき、逆相電流や逆相電圧を算出し、そのレベル等を監視する。これにより、診断部1403は、監視部1402により出力される監視結果(逆相電流や逆相電流のレベル等)に基づき、電動機Mの劣化異常(レヤショート)の有無やその程度(劣化異常度)等を診断することができる。
(2-3)有効電力及び無効電力の監視(算出)
監視部1402は、上述と同様の方法で、有効電力及び無効電力を算出し、有効データ及び無効データの算出データに基づき、相電流や相電圧の不均衡状態(アンバランス)の有無やそのレベル等を監視する。これにより、診断部1403は、監視部1402により出力される監視結果(相電流や相電圧の不均衡状態の有無やそのレベル等)に基づき、電動機Mの劣化異常(レヤショート)の有無やその程度(劣化異常度)等を診断することができる。
具体的には、監視部1402は、無効電力の相対的な増加の有無や増加の程度を監視することにより、相電流や相電圧の不均衡状態(アンバランス)の有無やそのレベル等を監視してよい。レヤショートの発生により相電流や相電圧の不均衡状態が生じると、無効電力が相対的に大きくなる可能性があるからである。
例えば、監視部1402は、有効電力及び無効電力のリサージュ波形を取得し、取得したリサージュ波形に基づき、無効電力の増加の有無や増加の程度等を監視してよい。また、例えば、監視部1402は、予め規定される電動機Mのモデルに基づき算出される、無効電力及び有効電力の推定値と、有効電力及び無効電力の実際の算出値との比較に基づき、無効電力の相対的な増加の有無や増加の程度等を監視してもよい。
(3)診断部による処理
診断部1403は、監視部1402の監視結果、即ち、電動機Mの電流や電圧の高調波成分の監視結果、及び電動機Mの相電流や相電圧の不均衡状態の監視結果の少なくとも一方に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常(レヤショートの発生)に関する診断を行う。
具体的には、診断部1403は、監視部1402により上述の(1-1)~(1-4)及び(2-1)~(2-3)のうちの何れか一つの監視処理だけが行われる場合、その監視結果に基づき、上述の如く、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行ってよい。
また、診断部1403は、上述の(1-1)~(1-3)及び(2-1)~(2-3)のうち2以上の監視処理が行われる場合、監視処理ごとの監視結果(以下、「個別監視結果」)に基づき、上述の如く、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行う。そして、診断部1403は、個別監視結果に基づくそれぞれの診断結果(以下、「個別診断結果」)に基づき、総合的な診断結果(以下、「総合診断結果」)を出力する。
例えば、診断部1403は、全ての監視処理の監視結果を平等に取り扱って、総合診断結果を出力してもよい。具体的には、個別診断結果として、異常あり(="1")或いは異常なし(="0")が出力される場合、全ての監視処理の異常あり或いは異常なしに相当する数値の単純平均が算出され、その平均値と閾値との関係に基づき、総合的な劣化異常の有無が診断されてよい。また、個別診断結果として、劣化異常度が出力される場合、全ての監視処理の劣化異常度の単純平均が算出され、その平均値が総合的な劣化異常度の診断結果として出力されてよい。
また、例えば、診断部1403は、監視処理ごとに優先度(重み付け)を異ならせ、優先度(重み付け)が相対的に高い監視処理の個別監視結果が総合監視結果に与える影響が大きくなるように、総合監視結果を出力してもよい。具体的には、個別診断結果として、異常あり或いは異常なしが出力される場合、全ての監視処理の異常あり或いは異常なしに相当する数値の優先度に応じた荷重平均が算出され、その平均値と閾値との関係に基づき、総合的な劣化異常の有無が診断されてよい。また、個別診断結果として、劣化異常度が出力される場合、全ての監視処理の劣化異常度の優先度に応じた荷重平均が算出され、その平均値が総合的な劣化異常度の診断結果として出力されてよい。
(4)通知部の処理
通知部1404は、例えば、診断部1403の診断結果の内容に依らず、全ての診断結果を、表示装置160や端末装置200等を通じて、ユーザに通知してよい。
また、通知部1404は、例えば、電動機Mの劣化異常の診断がユーザの要求によらず自動で実行される場合、診断部1403の診断結果の内容に応じて、通知の有無を決定してもよい。具体的には、通知部1404は、診断結果として、診断部1403から電動機Mの電気的な劣化異常(レヤショート)の有無が出力される場合、診断結果が異常ありのときに、表示装置160や端末装置200等を通じて、ユーザへの診断結果の通知を行ってよい。また、通知部1404は、診断結果として、診断部1403から電動機Mの電気的な劣化異常度が出力される場合、劣化異常度が所定基準を超えているときに、表示装置160や端末装置200等を通じて、ユーザへの診断結果の通知を行ってよい。
[電動機異常診断システムの第2例]
次に、図4、図5を参照して、本実施形態に係る電動機異常診断システムの第2例について説明する。以下、上述の第1例と同じ或いは対応する構成には同じ符号を付し、上述の第1例と異なる部分を中心に説明する。そのため、上述の第1例と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
<電動機異常診断システムの概要>
図4は、本実施形態に係る電動機異常診断システム1の構成の第2例を示す図である。
本例では、電動機異常診断システム1は、上述の第1例の場合と同様、電力変換装置100と、端末装置200とを含む。また、本例では、電動機異常診断システム1は、上述の第1例の場合と異なり、センサ300を含む。
センサ300は、電力変換装置100の外部に設けられ、電動機Mの動作状態に関する検出データを出力する。センサ300は、例えば、電動機Mの回転位置や回転速度の状態を検出可能に構成される。センサ300は、例えば、エンコーダであってよい。センサ300の出力(検出データ)は、所定の通信回線を通じて、電力変換装置100(制御装置140)に取り込まれる。
<電力変換装置の機能構成>
図5は、本実施形態に係る電力変換装置100(制御装置140)の構成の第2例を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、制御装置140は、上述の第1例の場合と同様、電動機制御部1401と、監視部1402と、診断部1403と、通知部1404とを含む。
本例では、電動機制御部1401は、センサ150の検出データ、及びセンサ300の検出データに基づき、ベクトル制御を採用して、インバータ回路130に制御信号を出力し、インバータ回路130に電動機Mを駆動させる態様の駆動制御を行う。
本例では、監視部1402は、センサ150の検出データに加えて、センサ300の検出データを用いて、電動機Mの電気的な劣化異常に関する状態を監視する。詳細は、後述する。
<電動機の劣化異常の診断に関する処理の具体例>
(1)監視部による電動機の特定高調波成分の監視に関する処理
監視部1402は、上述の第1例の場合と同様、上述の(1-1)~(1-4)の高調波成分監視処理の少なくとも一つを行うことにより、電動機Mの電流や電圧の特定高調波成分を監視してよい。
(2)監視部による相電流・相電圧の不均衡状態の監視に関する処理
監視部1402は、上述の(2-1)~(2-3)に、以下の(2-4)を加えた、(2-1)~(2-4)の不均衡監視処理の少なくとも一つを行うことにより、電動機Mの相電流及び相電圧の少なとも一方の不均衡状態を監視してよい。
(2-4)電動機Mの動作状態の監視
監視部1402は、センサ300の検出データに基づき、電動機Mの動作状態を監視する。具体的には、監視部1402は、FFTにより、センサ300の検出データから、相電流や相電圧の不均衡状態に相当する、電動機Mの振動の周波数成分を抽出し、そのレベル等を監視(認識)してよい。これにより、診断部1403は、監視部1402により出力される監視結果(相電流や相電圧の不均衡状態に相当する電動機Mの振動の周波数成分のレベル等)に基づき、電動機Mの劣化異常(レヤショート)の有無やその程度(劣化異常度)等を診断することができる。
(3)診断部による処理
診断部1403は、上述の第1例の場合と同様、電動機Mの電流や電圧の高調波成分の監視結果、及び電動機Mの相電流や相電圧の不均衡状態の監視結果の少なくとも一方に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常(レヤショートの発生)に関する診断を行う。
具体的には、診断部1403は、監視部1402により上述の(1-1)~(1-4)及び(2-1)~(2-4)のうちの何れか一つの監視処理だけが行われる場合、その監視結果に基づき、上述の如く、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行ってよい。
また、診断部1403は、上述の(1-1)~(1-3)及び(2-1)~(2-4)のうち2以上の監視処理が行われる場合、監視処理ごとの監視結果(以下、「個別監視結果」)に基づき、上述の如く、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行う。そして、診断部1403は、それぞれの個別診断結果に基づき、総合診断結果を出力する。
(4)通知部による処理
本例では、通知部1404は、上述の第1例の場合と同様の方法で、診断部1403の診断結果を、表示装置160や端末装置200等を通じて、ユーザに通知してよい。
[電動機異常診断システムの第3例]
次に、図6、図7を参照して、本実施形態に係る電動機異常診断システムの第3例について説明する。以下、上述の第1例や第2例(以下、「第1例等」)と同じ或いは対応する構成には同じ符号を付し、上述の第1例等と異なる部分を中心に説明する。そのため、上述の第1例等と同じ或いは対応する内容の説明を簡略化或いは省略する場合がある。
<電動機異常診断システムの概要>
図6は、本実施形態に係る電動機異常診断システム1の構成の第3例を示す図である。
本例では、電動機異常診断システム1は、上述の第1例等の場合と同様、電力変換装置100と、端末装置200とを含む。また、本例では、電動機異常診断システム1は、上述の第1例等の場合と異なり、サーバ装置400を含む。
サーバ装置400(外部装置の一例)は、所定の通信回線を通じて、電力変換装置100と通信可能に接続される。サーバ装置400は、例えば、電動機Mが駆動する生産設備や機械設備等が設置される工場の外部に設置されるオンプレミスサーバやクラウドサーバである。また、サーバ装置400は、例えば、工場の内部、或いは、工場から相対的に近い場所に設置されるエッジサーバであってもよい。
サーバ装置400は、電力変換装置100から、電動機Mの電気的な劣化異常に関する状態の監視結果のデータを受信し、内部の不揮発性の記憶装置に蓄積させる。
また、サーバ装置400は、蓄積される監視結果の履歴データを時系列的に解析し、電動機Mの劣化異常(レヤショート)に相当する履歴データの変化点を監視する。そして、サーバ装置400は、その監視結果(例えば、変化点の有無)を含むデータを電力変換装置100に送信する。これにより、電力変換装置100は、サーバ装置400に蓄積される履歴データを考慮して、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行うことができる。
<電力変換装置の機能構成>
図7は、本実施形態に係る電力変換装置100(制御装置140)の構成の第3例を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、制御装置140は、上述の第1例等の場合と同様、電動機制御部1401と、監視部1402と、診断部1403と、通知部1404とを含む。
本例では、監視部1402は、監視結果を出力すると、通信装置170を通じて、監視結果のデータをサーバ装置400に送信する。上述の如く、複数の監視処理が行われる場合、複数の監視処理ごとの監視結果(個別監視結果)がサーバ装置400に送信される。これにより、制御装置140は、監視部1402の監視結果をサーバ装置400に蓄積させることができる。
サーバ装置400は、電力変換装置100から監視結果を含む信号が受信されると、この信号に含まれる最新の監視結果、及び内部に蓄積される過去の監視結果で構成される、監視結果の履歴データに基づき、監視結果の履歴データの変化点に関する解析を行う。例えば、サーバ装置400は、多変量解析の手法を用いて、個別監視結果ごとの履歴データの変化点の検出を試行することにより、監視結果の履歴データの変化点の監視を行う。
サーバ装置400は、監視処理が完了すると、監視結果(個別監視結果ごとの履歴データの変化点の有無や変化点から経過時間等)(以下、「履歴監視結果」)を含む信号を、所定の通信回線を通じて、電力変換装置100に送信する。これにより、電力変換装置100(制御装置140)は、サーバ装置400から、監視部1402による監視結果の履歴データの時系列での変化点に関する情報を含む履歴監視結果を取得することができる。
本例では、診断部1403は、監視部1402からの監視結果に加えて、サーバ装置400から受信される、監視部1402による監視結果の履歴データの変化点に関する情報を含む履歴監視結果に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行う。
<電動機の劣化異常の診断に関する処理の具体例>
(1)監視部による電動機の特定高調波成分の監視に関する処理
監視部1402は、上述の第1例の場合と同様、上述の(1-1)~(1-4)の高調波成分監視処理の少なくとも一つを行うことにより、電動機Mの電流や電圧の特定高調波成分を監視してよい。
(2)監視部による相電流・相電圧の不均衡状態の監視に関する処理
監視部1402は、上述の第1例の場合と同様、上述の(2-1)~(2-3)の不均衡監視処理の少なくとも一つを行うことにより、電動機Mの相電流及び相電圧の少なとも一方の不均衡状態を監視してよい。
(3)診断部による処理
診断部1403は、監視部1402による最新の監視結果に加えて、サーバ装置400から受信される、監視部1402の監視結果の履歴データの変化点に関する情報を含む履歴監視結果を考慮して、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行う。
例えば、診断部1403は、履歴監視結果が監視部1402の監視結果の履歴データの変化点の存在を表している場合、監視部1402の最新の監視結果に基づく診断結果を、変化点からの経過時間等に応じて補正してよい。具体的には、診断部1403は、監視部1402の最新の監視結果に基づく診断結果に相当する、電動機Mの劣化異常の有無を表す数値(0~1)に、変化点からの経過時間等に応じた所定値を加算したり、乗算したりしてよい。同様に、診断部1403は、監視部1402の最新の監視結果に基づく診断結果に相当する、電動機Mの劣化異常度の数値に、変化点からの経過時間等に応じた所定値を加算したり、乗算したりしてよい。所定値は、変化点からの経過時間が大きく(長く)なるほど大きくなるように可変されてよい。変化点からの経過時間が大きく(長く)なるほど、電動機Mの劣化異常が進行していると考えられるからである。これにより、制御装置140は、最新の監視結果に基づく、電動機Mの現在の電気的な状態だけでなく、過去の監視結果の履歴データに基づく、電動機Mの電気的な状態の変化の傾向を考慮して、電動機Mの劣化異常に関する診断を行うことができる。そのため、制御装置140は、電動機Mの劣化異常に関する診断の精度を向上させることができる。
(4)通知部による処理
本例では、通知部1404は、上述の第1例等の場合と同様の方法で、診断部1403の診断結果を、表示装置160や端末装置200等を通じて、ユーザに通知してよい。
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
上述の実施形態の内容は、適宜、変形や変更が加えられてよい。
例えば、上述の実施形態では、電動機異常診断システム1の第2例(図4、図5)及び第3例(図6、図7)は、組み合わせられてよい。具体的には、電動機異常診断システム1の第2例において、サーバ装置400が追加され、上述の(2-4)の不均衡監視処理による監視結果(個別監視結果)を含む監視部1402の監視結果がサーバ装置400に蓄積されてよい。そして、診断部1403は、監視部1402による最新の監視結果に加えて、サーバ装置400から受信される、監視部1402の監視結果の履歴データの変化点に関する情報を含む履歴監視結果を考慮して、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行ってよい。
また、例えば、上述の実施形態やその変形・変更の例では、電力変換装置100は、商用電源以外の他の電源から入力される三相交流電力に基づき、電動機Mを駆動する三相交流電力を生成してもよい。
また、例えば、上述の実施形態やその変形・変更の例では、電力変換装置100は、三相交流の電源から入力される電力に代えて、或いは、加えて、直流電源から入力される電力に基づき、電動機Mを駆動する三相交流電力を生成してもよい。この場合、直流電力は、整流回路110とインバータ回路130との間の直流リンク部(正ラインPL及び負ラインNL)に入力される。
また、例えば、上述の実施形態やその変形・変更の例では、表示装置160は、電力変換装置100の筐体の外部、例えば、電動機Mにより電気駆動される、生産設備や機械設備等の筐体の表面(外面)に設けられてもよい。
また、例えば、上述の実施形態やその変形・変更の例では、通信装置170の機能は、制御装置140(インタフェース装置)に組み込まれてもよい。
また、例えば、上述の実施形態やその変形・変更の例では、サーバ装置400は、電動機Mにより駆動される生産設備や機械設備等が設置される工場の電力変換装置100を含むフィールドデバイスを管理する上位コントローラに置換されてもよい。上位コントローラは、例えば、エッジコントローラである。
また、例えば、上述の実施形態やその変形・変更の例では、制御装置140の機能の一部又は全部は、電力変換装置100の外部装置、例えば、端末装置200やサーバ装置400や上位コントローラ(何れも、情報処理装置の一例)等に移管されてもよい。具体的には、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断機能に相当する監視部1402、診断部1403、及び通知部1404の機能は、端末装置200やサーバ装置400や上位コントローラ等に移管されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態やその変形・変更の例では、制御装置140の機能の一部又は全部は、電力変換装置100に搭載される他の制御装置に移管されてもよい。即ち、制御装置140の機能は、電力変換装置100に搭載される複数の制御装置によって、分散して実現されてもよい。例えば、インバータ回路130を介して電動機Mを駆動する機能と、電動機Mの劣化異常に関する診断を行う機能とは、電力変換装置100の異なる制御装置により実現されてもよい。
また、例えば、上述の実施形態やその変形・変更の例では、電力変換装置100が省略され、電動機Mは、商用電源PS(電源の一例)から供給される交流電力により直接駆動されてもよい。この場合、電動機Mの劣化異常に関する診断機能は、遮断器BK(電力伝達装置の一例)に搭載されてもよい。具体的には、遮断器BKに内蔵される制御装置は、遮断器BKに内蔵されるセンサ(例えば、相電流を検出する電流センサや相電圧を検出する電圧センサ等)に基づき、上述の監視部1402、診断部1403、及び通知部1404と同様の機能を果たしてもよい。
[作用]
次に、本実施形態に係る電動機異常診断システム1の作用について説明する。
例えば、上述の特許文献1では、電気的な劣化異常の判定のために相電流検出器や零相電流検出器等の専用の機器を追加で設ける必要がある。そのため、電動機Mの電気的な劣化異常の判定のための構成が複雑になる可能性がある。
また、例えば、電動機Mのコイルの放電状態を監視することにより、電動機Mのレヤショートの発生に関する診断を行うことも可能であるが、上述の如く、電動機Mが低圧電動機の場合、アーク放電が発生する末期段階でしか、レヤショートの発生を検出できない。
これに対して、本実施形態では、電力変換装置100は、インバータ回路130と、センサ150と、監視部1402と、診断部1403とを備える。具体的には、インバータ回路130は、外部(商用電源PS)から入力される電力を用いて、電動機Mを駆動する。センサ150は、インバータ回路130と電動機Mとの間の回路の相電流を検出する。監視部1402は、センサ150の出力に基づき、電動機Mの電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、インバータ回路130と電動機Mとの間の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する。具体的には、監視部1402は、センサ150の出力に基づき、電動機Mのd軸電流及びq軸電流、並びに電動機Mのd軸電圧及びq軸電圧の少なくとも一方を監視してよい。また、監視部1402は、センサ150の出力に基づき、電動機Mの有効電力及び無効電力を監視してもよい。そして、診断部1403は、監視部1402の監視結果に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行う。
これにより、電力変換装置100は、内蔵のセンサ150の検出データを用いて、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行うことができる。そのため、電力変換装置100の外部に電動機Mの劣化異常に関する診断を行うための専用のセンサ等を設置する必要がなくなり、電力変換装置100は、より簡易な構成で電動機Mの劣化異常に関する診断を行うことができる。また、電力変換装置100は、電動機Mの電流や電圧の高調波成分や電動機Mの相電流や相電圧の不均衡(アンバランス)等の電動機Mの電気的な状態を監視することで、例えば、レヤショートの発生による電気的な状態の変化を見出すことができる。そのため、電力変換装置100は、電動機Mが低圧電動機である場合であっても、電気的な劣化異常(レヤショート)の発生後の相対的に早い段階でその電気的な劣化異常を検出することができる。
また、本実施形態では、電力変換装置100は、電動機制御部1401を備えてよい。具体的には、電動機制御部1401は、センサ150の出力に基づき、インバータ回路130を制御し、インバータ回路130に電動機Mを駆動させる駆動制御を行ってよい。
これにより、電力変換装置100は、電動機Mの駆動制御に利用されるセンサ150を兼用して、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行うことができる。そのため、電力変換装置100は、具体的に、より簡易な構成で電動機Mの劣化異常に関する診断を行うことができる。
また、本実施形態では、所定の高調波成分は、第5高調波成分及び第7高調波成分の少なくとも一方を含んでよい。
これにより、電力変換装置100は、電動機Mの電流や電圧の第5高調波成分や第7高調波成分を監視することで、具体的に、電動機Mの電気的な劣化異常(レヤショート)に関する診断を行うことができる。
また、本実施形態では、監視部1402は、センサ150の出力に基づき、3相の相電流及び相電圧の少なくとも一方の比較による監視、相電流及び相電圧の少なくとも一方の逆相成分の監視、並びに、電動機Mの有効電力及び無効電力の監視を含む複数の不均衡監視処理のうちの少なくとも一つを行うことにより、インバータ回路130と電動機Mとの間の回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態を監視してよい。
これにより、電力変換装置100は、具体的に、電動機Mの相電流や相電圧の不均衡状態を監視することができる。また、電力変換装置100は、複数の不均衡状態監視処理を組み合わせることで、より適切に、電動機Mの相電流や相電圧の不均衡状態を監視することができる。
また、本実施形態では、電動機制御部1401は、センサ150の出力、及び電力変換装置の外部から入力される、電動機Mの動作状態に関する検出データ(例えば、センサ300の検出データ)に基づき、駆動制御を行ってよい。そして、上述の複数の不均衡状態監視処理には、外部から入力される検出データに基づく電動機Mの動作状態の監視が含まれてよい。
これにより、電力変換装置100は、例えば、外部から入力される電動機Mの動作状態(例えば、回転速度)に関する検出データを用いて、電動機Mのベクトル制御を行う場合、その検出データを、電動機Mの相電流の不均衡状態の監視に兼用することができる。そのため、電力変換装置100は、既存の構成を利用して、より適切に、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行うことができる。
また、本実施形態では、監視部1402は、特定高調波監視処理、及び複数の不均衡状態監視処理のうちの少なくとも2以上の監視処理を行ってよい。
これにより、電力変換装置100は、2以上の監視処理の結果を利用して、電動機Mの電気的な劣化異常(レヤショート)に関する診断を行うことができる。そのため、電力変換装置100は、より適切に、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行うことができる。
また、本実施形態では、電力変換装置100は、通信装置170を備えてよい。具体的には、通信装置170は、監視部1402の監視結果をサーバ装置400に送信してよい。そして、診断部1403は、サーバ装置400に蓄積される、監視部1402の監視結果の履歴に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行ってよい。
これにより、電力変換装置100は、過去の監視結果の履歴を利用することができる。そのため、電力変換装置100は、より適切に、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行うことができる。
また、本実施形態では、診断部1403は、監視部1402の監視結果の履歴に基づき、経時変化を捉えることにより、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行ってよい。
これにより、電力変換装置100は、過去の監視結果の履歴を用いて、具体的に、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行うことができる。
また、本実施形態では、電動機Mは、商用電源PSから入力される三相交流電力により直接駆動され、電力変換装置100は、省略されてもよい。この場合、商用電源PSと電動機Mとの間の交流伝達経路に設けられる遮断器BKは、電力変換装置100のセンサ150、監視部1402、及び診断部1403と同様の機能を備えてよい。即ち、遮断器BKのセンサは、商用電源PSと電動機Mとの間の回路の相電流を検出してよい。また、遮断器BKの監視部は、センサ150の出力に基づき、電動機Mの電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、インバータ回路130と電動機Mとの間の回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視してよい。そして、遮断器BKの診断部は、監視部の監視結果に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行ってよい。
これにより、遮断器BKは、上述の電力変換装置100の場合と同様、より簡易な構成で電動機Mの劣化異常に関する診断を行うことができる。遮断器BKは、上述の電力変換装置100の場合と同様、電動機Mが低圧電動機である場合であっても、電気的な劣化異常(レヤショート)の発生後の相対的に早い段階でその電気的な劣化異常を検出することができる。
また、本実施形態では、電力変換装置100(制御装置140)の監視部1402及び診断部1403の機能は、端末装置200やサーバ装置400や上位コントローラ等の電力変換装置100の外部の情報処理装置に移管されてもよい。具体的には、情報処理装置の監視部は、電力変換装置100からセンサ150の出力を取得し、センサ150の出力に基づき、電動機Mの電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、インバータ回路130と電動機Mとの間の回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視してよい。そして、情報処理装置の診断部は、監視部の監視結果に基づき、電動機Mの電気的な劣化異常に関する診断を行ってよい。
これにより、情報処理装置は、上述の電力変換装置100等の場合と同様、より簡易な構成で電動機Mの劣化異常に関する診断を行うことができる。情報処理装置は、上述の電力変換装置100の場合と同様、電動機Mが低圧電動機である場合であっても、電気的な劣化異常(レヤショート)の発生後の相対的に早い段階でその電気的な劣化異常を検出することができる。
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 電動機異常診断システム
100 電力変換装置
110 整流回路
120 平滑回路
130 インバータ回路(駆動部)
140 制御装置(情報処理装置)
150 センサ(電流検出部)
160 表示装置
170 通信装置
200 端末装置(情報処理装置)
210 表示部
300 センサ
400 サーバ装置(情報処理装置)
1401 電動機制御部(制御部)
1402 監視部
1403 診断部
1404 通知部
BK 遮断器(電力伝達装置)
M 電動機(交流電動機)
NL 負ライン
PL 正ライン
PS 商用電源(電源)

Claims (13)

  1. 外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部と、
    前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
    電力変換装置。
  2. 前記電流検出部の出力に基づき、前記駆動部を制御し、前記駆動部に前記交流電動機を駆動させる駆動制御を行う制御部を備える、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記所定の高調波成分は、第5高調波成分及び第7高調波成分の少なくとも一方を含む、
    請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記監視部は、前記電流検出部の出力に基づき、複数相の前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の比較による監視、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の逆相成分の監視、並びに、前記交流電動機の有効電力及び無効電力の監視を含む複数の不均衡状態監視処理のうちの少なくとも一つを行うことにより、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態を監視する、
    請求項2又は3に記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は、前記電流検出部の出力、及び電力変換装置の外部から入力される、前記交流電動機の動作状態に関する検出データに基づき、前記駆動制御を行い、
    前記複数の不均衡状態監視処理には、検出データに基づく前記交流電動機の動作状態の監視が含まれる、
    請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記監視部は、前記所定の高調波成分の監視処理、及び前記複数の不均衡状態監視処理のうちの少なくとも2以上の監視処理を行う、
    請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記監視部の監視結果を所定の外部装置に送信する送信部を備え、
    前記診断部は、前記外部装置に蓄積される、前記監視部の監視結果の履歴に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の電力変換装置。
  8. 前記診断部は、前記監視部の監視結果の履歴に基づき、経時変化を捉えることにより、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う、
    請求項7に記載の電力変換装置。
  9. 外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部と、
    前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機のd軸及びq軸の電流、並びに前記交流電動機のd軸及びq軸の電圧の少なくとも一方を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
    電力変換装置。
  10. 外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部と、
    前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の有効電力及び無効電力を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
    電力変換装置。
  11. 電源と交流電動機との間の交流伝達経路に設けられる電力伝達装置であって、
    前記電源と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
    電力伝達装置。
  12. 外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部、及び前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部を含む電力変換装置から前記電流検出部の出力を取得し、前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断部と、を備える、
    情報処理装置。
  13. 外部から入力される電力を用いて、交流電動機を駆動する駆動部、及び前記駆動部と前記交流電動機との間の回路の相電流を検出する電流検出部を含む電力変換装置に内蔵される、又は、前記電力変換装置から前記電流検出部の出力を取得可能な情報処理装置が実行する劣化異常診断方法であって、
    前記電流検出部の出力に基づき、前記交流電動機の電流及び電圧の少なくとも一方の所定の高調波成分、並びに、前記回路の相電流及び相電圧の少なくとも一方の不均衡状態の少なくとも一方を監視する監視ステップと、
    前記監視ステップの監視結果に基づき、前記交流電動機の電気的な劣化異常に関する診断を行う診断ステップと、を含む、
    劣化異常診断方法。
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