JP2022100050A - 付加製造装置および付加製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶加材の先端形状を高精度に整えることができる付加製造装置を得ること。【解決手段】付加製造装置100は、溶融させた溶加材を被加工物に付加することによって造形物11を製造する。付加製造装置100は、被加工物へ溶加材を送給する送給部と、送給部から送り出された溶加材を溶融させる加工用のビームと、溶加材の切断によって溶加材の先端形状を整えるための切断用のビームとを出力するビーム源と、切断用のビームによって溶加材を切断する際に、溶加材のうち切断用のビームが照射する位置よりも先方の部分を支持する支持部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、3次元造形物を製造する付加製造装置および付加製造方法に関する。
3次元造形物を製造する技術の1つとして、付加製造(Additive Manufacturing:AM)の技術が知られている。付加製造の技術における複数の方式のうちの1つである指向性エネルギー堆積(Directed Energy Deposition:DED)方式によると、付加製造装置は、ビームの照射位置である加工点へ溶加材を送給しながら加工点を移動させることによって、ビードを形成する。ビードは、溶融した溶加材が凝固することによって得られる凝固物である。付加製造装置は、ビードを順次積み重ねることによって造形物を製造する。
DED方式の付加製造装置には、溶加材であるワイヤを被加工物へ送給して、ワイヤの先端部をレーザビームによって局所的に溶融させてビードを形成するものがある。なお、溶加材であるワイヤの供給による加工は、レーザ溶接、ろう付けといった分野においても広く行われている。
ビードを形成する加工を断続的に繰り返し行う場合に、ビードの形成を終えたときにおけるワイヤ先端の形状が加工ごとにおいて定まらず、不安定になることがある。ワイヤ先端の形状は、ビードの形成を終えたときにおける状況、例えば、加工条件、造形物の形状、または造形物の蓄熱によって変化する。ビードの形成を終えたときにおけるワイヤ先端の形状がさまざまであるにも関わらず、ワイヤをそのまま使用して次の加工を開始すると、ビードの形状精度が低下するといった不具合が生じる。そのため、従来、ビードの形成を終えてから、ワイヤ先端の形状を整えるためにワイヤを切断することがあった。ただし、作業者がニッパ等の手工具によってワイヤを切断する場合、手工具の刃の損耗状態、または切断の向きのばらつきなどによって、切断後のワイヤ先端の形状を一定の形状とすることが困難であった。
特許文献1には、レーザビームの照射によってワイヤを溶融させながらろう付けを行うレーザブレージング装置において、レーザビームの照射によってワイヤを切断することが開示されている。特許文献1にかかるレーザブレージング装置は、レーザビームの照射位置よりも先へ一定の長さのワイヤを送り出してから、自重の作用によって鉛直下方へ垂れ下がった状態のワイヤにレーザビームを照射することによって、ワイヤを切断する。
特開2012-106270号公報
ワイヤの送給元であるワイヤスプールにワイヤが巻き付けられていたことによって、ワイヤには巻き癖が付くことがある。ワイヤノズルからワイヤが送り出されたときに、ワイヤは、巻き癖によってらせん状に曲がる場合がある。ワイヤが曲がる方向および曲率は、ワイヤスプールにおける整列巻きの方向、ワイヤノズルからのワイヤの送り出し量、または、ワイヤノズルの孔とワイヤとのクリアランスなどによって変化する。
特許文献1の技術によると、ワイヤノズルから送り出されたワイヤが支持されていない状態でレーザビームを照射するため、送り出されたワイヤの曲がり方によって、ワイヤにおけるレーザビームの照射位置、またはレーザビームの中心軸に対するワイヤの傾きが変化する。したがって、特許文献1の技術によると、溶加材であるワイヤの先端形状を、一定の形状になるように精度良く整えることが困難であった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、溶加材の先端形状を高精度に整えることができる付加製造装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる付加製造装置は、溶融させた溶加材を被加工物に付加することによって造形物を製造する付加製造装置である。本開示にかかる付加製造装置は、被加工物へ溶加材を送給する送給部と、送給部から送り出された溶加材を溶融させる加工用のビームと、溶加材の切断によって溶加材の先端形状を整えるための切断用のビームとを出力するビーム源と、切断用のビームによって溶加材を切断する際に、溶加材のうち切断用のビームが照射する位置よりも先方の部分を支持する支持部と、を備える。
本開示にかかる付加製造装置は、溶加材の先端形状を高精度に整えることができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる付加製造装置の構成を示す図 実施の形態1にかかる付加製造装置が有する切断ステージにて溶加材が切断される様子を示す図 実施の形態1にかかる付加製造装置の支持部において溶加材を支持する第1の態様について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置の支持部において溶加材を支持する第1の態様について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置の支持部において溶加材を支持する第2の態様について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置の支持部において溶加材を支持する第2の態様について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置の支持部において溶加材を支持する第3の態様について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置の支持部において溶加材を支持する第3の態様について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置による溶加材の断片の回収について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置による溶加材を切断するための動作手順を示すフローチャート 実施の形態1にかかる付加製造装置によって溶加材の角度を調整する第1の方法について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置によって溶加材の角度を調整する第2の方法について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置によって溶加材の先端部と照射位置とが観察される例を示す図 実施の形態1において溶加材が支持されない場合における溶加材の状態について説明するための第1の図 実施の形態1において溶加材が支持されない場合における溶加材の状態について説明するための第2の図 図15のXVI-XVI線におけるワイヤノズルの断面図 実施の形態1にかかる付加製造装置による切断後の溶加材の先端形状の例を示す図 実施の形態1にかかる付加製造装置により、溶加材の先端を球形状とする場合における切断条件の調整について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置により、溶加材の先端を球形状とする場合における切断条件の調整について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置により、溶加材の先端を鋭角形状とする場合における切断条件の調整について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置により、溶加材の先端を鋭角形状とする場合における切断条件の調整について説明するための図 実施の形態1にかかる付加製造装置により、形成されたビードの形状に基づいて溶加材の先端形状を変化させる例を示す第1の図 実施の形態1にかかる付加製造装置により、形成されたビードの形状に基づいて溶加材の先端形状を変化させる例を示す第2の図 実施の形態2にかかる付加製造装置による溶加材の切断の様子を示す図 実施の形態1または2にかかる付加製造装置が有するNC装置のハードウェア構成例を示す図
以下に、実施の形態にかかる付加製造装置および付加製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる付加製造装置100の構成を示す図である。付加製造装置100は、溶融させた溶加材を被加工物へ付加することによって3次元造形物を製造する工作機械である。付加製造装置100は、ビームの照射によって溶加材を溶融する。実施の形態1において、ビームはレーザビーム5であって、溶加材は金属のワイヤ6である。
付加製造装置100は、被加工物へ送給されたワイヤ6の先端部をレーザビーム5によって局所的に溶融させ、被加工物上の加工点12にワイヤ6の溶融物を接触させてビードを形成する。ビードは、レーザビーム5の照射によって溶融させた溶加材の凝固物である。被加工物の上面には、レーザビーム5のエネルギーを吸収することによって溶融池が形成される。付加製造装置100は、レーザビーム5を照射させる加工点12へワイヤ6を送給しながら加工点12を移動させることによって、ビードを形成する。
付加製造装置100は、基材10の上においてビードを積み重ねることによって造形物11を製造する。図1に示す基材10は、板材である。基材10は板材以外の物であっても良い。被加工物は、溶融させた溶加材が付加される物体であって、基材10または基材10上のビードである。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに垂直な3軸である。X軸とY軸とは、水平方向の軸である。Z軸は、鉛直方向の軸である。ビードは、Z軸方向へ積み重ねられる。
ビーム源であるレーザ発振器1は、ワイヤ6を溶融させる加工用のビームであるレーザビーム5を出力する。また、レーザ発振器1は、ワイヤ送給装置8から送り出されたワイヤ6を切断するための切断用のビームであるレーザビーム5を出力する。レーザ出力制御器23は、レーザ発振器1を制御することによって、レーザ発振器1のビーム出力を調整する。以下の説明では、ビーム出力を、レーザ出力とも称する。レーザ発振器1により出力されたレーザビーム5は、光伝送路であるファイバーケーブル2を通って加工ヘッド3へ伝搬する。
加工ヘッド3は、被加工物へ向けてレーザビーム5を出射するビームノズル4を有する。加工ヘッド3の内部には、レーザビーム5を平行化させるコリメート光学系と、レーザビーム5を集束させる集光レンズとが設けられている。コリメート光学系および集光レンズの図示は省略する。被加工物へ照射するレーザビーム5の中心線の方向は、Z軸方向である。また、加工ヘッド3の内部には、レーザビーム5の光路から可視光を分離するダイクロイックミラー17が設けられている。付加製造装置100は、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の各方向へ加工ヘッド3を移動させる駆動系であるアクチュエータを有する。アクチュエータの図示は省略する。
加工ヘッド3は、ビームノズル4から被加工物へ向けてシールドガス13を噴射する。シールドガス13としては、不活性ガスであるアルゴンガスが使用される。付加製造装置100は、シールドガス13の噴射によって、ビードの酸化を抑制するとともに、形成されたビードを冷却する。シールドガス13は、シールドガス13の供給源であるガスボンベから供給される。ガスボンベの図示は省略する。
ワイヤスプール7は、ワイヤ6の供給源である。付加製造装置100には、単位量のワイヤ6が巻き付けられたワイヤスプール7が取り付けられる。ワイヤスプール7は、樹脂製であって、ワイヤ6を円滑に引き出し可能な構造を有する。
ワイヤ送給装置8は、被加工物へワイヤ6を送給する送給部である。ワイヤ送給装置8は、ワイヤノズル9から加工点12へ向けてワイヤ6を送り出す。また、ワイヤ送給装置8は、送り出されたワイヤ6をワイヤスプール7のほうへ引き戻す。ワイヤ6が送給される方向は、ビームノズル4からレーザビーム5が出射される方向に対して斜めの方向である。
支持ブラケット14は、加工ヘッド3においてワイヤ送給装置8を支持する。ワイヤ送給装置8は、ビームノズル4の軸に対するワイヤノズル9の軸の傾きが維持された状態で支持されている。加工ヘッド3の移動によって、ビームノズル4とワイヤ送給装置8とは一体に移動する。
基材10は、加工ステージに固定される。加工ステージの図示は省略する。付加製造装置100は、加工ステージの駆動により、基材10の姿勢を変化させる。付加製造装置100は、基材10の姿勢を変化させるとともに加工ヘッド3を移動させることによって、被加工物におけるレーザビーム5の照射位置を移動させる。
駆動制御器24は、アクチュエータを駆動するヘッド駆動部25と、ワイヤ送給装置8を駆動する送給駆動部26とを有する。ヘッド駆動部25は、アクチュエータを駆動することによって加工ヘッド3を移動させる。また、駆動制御器24は、加工ステージを駆動するステージ駆動部を有する。ステージ駆動部の図示は省略する。
加工ヘッド3には、測定部であるセンサユニット15が設けられている。センサユニット15は、温度計または形状測定器といったセンサを含む。センサユニット15は、造形物11の形状または温度、被加工物の温度、溶融池の形状または温度などを測定する。温度計は、放射温度計またはサーモカメラといった、非接触タイプの温度計である。形状測定器は、Z軸方向の高さ、X軸方向およびY軸方向における形状を測定する測定器であって、レーザ変位計、接触式変位センサ、光干渉断層撮影を行う光干渉断層計(Optical Coherence Tomography:OCT)等である。センサユニット15は、分光器、音響測定器などを有しても良い。
カメラ16は、ワイヤ6の先端部と加工点12とを観察するための可視光カメラである。カメラ16は、ワイヤ6の切断時に、ワイヤ6の先端部とレーザビーム5の照射位置とを観察する際にも使用される。ダイクロイックミラー17は、レーザビーム5の中心軸上に配置されている。すなわち、ダイクロイックミラー17は、ビームノズル4と同軸上に配置されている。ダイクロイックミラー17は、レーザビーム5の波長を含む特定の波長域の光を透過させ、特定の波長域以外の光を反射する。
図1において、カメラ16は、カメラ16へ向かう可視光の光路がレーザビーム5の光路に対し垂直になるように、ビームノズル4の軸に対し垂直な向きで取り付けられている。カメラ16は、ワイヤ6の先端部と加工点12とを観察可能であれば良く、図1に示すとおりの位置および向きにて設置されるものに限られない。
ファイバーケーブル2を通って加工ヘッド3へ伝搬したレーザビーム5は、ダイクロイックミラー17を透過してビームノズル4から出射する。ワイヤ6の先端部および加工点12の付近からビームノズル4の内部へ進行した可視光は、ダイクロイックミラー17での反射によってレーザビーム5の光路から分離されて、カメラ16へ入射する。ダイクロイックミラー17においてレーザビーム5から分離された可視光をカメラ16が取り込むことによって、レーザビーム5の影響を受けることなく、ワイヤ6の先端部と加工点12とを観察することができる。
なお、ワイヤ6を溶融させるビームは、レーザビーム5以外のビームであっても良く、電子ビームであっても良い。また、ビームに代えて、アークが用いられても良い。
付加製造装置100は、ワイヤ6を切断するための切断ステージ30を有する。切断ステージ30は、加工ヘッド3の可動範囲内であって、造形物11が形成される加工ステージとは別の位置に設置されている。付加製造装置100は、ビードを形成した後に、切断ステージ30へ加工ヘッド3を移動させる。付加製造装置100は、切断ステージ30においてワイヤ6を切断することによって、ワイヤ6の先端形状を整える。
切断ステージ30には、支持部であるワイヤ支持治具31と、切断されたワイヤ6の断片を回収する回収箱32とが設けられている。回収箱32は、ワイヤ支持治具31の鉛直下方側に配置されている。回収箱32には、回収箱32に回収されるワイヤ6の断片を検知する検知部33が設けられている。ワイヤ支持治具31は、切断用のビームであるレーザビーム5の照射によってワイヤ6を切断する際に、ワイヤ6のうちレーザビーム5が照射する位置よりも先方の部分を支持する。先方とは、ワイヤ6の先端の方を意味するものとする。
付加製造装置100は、付加製造装置100を制御する数値制御(Numerical Control:NC)装置20を有する。NC装置20は、加工プログラムに従って付加製造装置100の全体を制御する。
NC装置20は、付加製造装置100を制御するための各種指令を生成する指令生成部21を有する。指令生成部21は、レーザ発振器1を制御するためのレーザ出力指令をレーザ出力制御器23へ出力する。指令生成部21は、加工ヘッド3を移動させるアクチュエータを制御するための軸指令をヘッド駆動部25へ出力する。指令生成部21は、ワイヤ送給装置8を制御するための送給指令を送給駆動部26へ出力する。指令生成部21は、加工ステージを制御するための軸指令をステージ駆動部へ出力する。指令生成部21は、造形物11を形成するための指令と、切断ステージ30においてワイヤ6を切断する際における制御のための指令とを生成する。
NC装置20は、ワイヤ6の切断条件を設定するための切断条件設定部22を有する。切断条件には、ワイヤ6の切断時におけるワイヤ送給装置8によるワイヤ6の送給速度と、切断用のビームであるレーザビーム5の出力とが含まれる。また、切断条件には、ワイヤ6の角度が含まれる。ワイヤ6の角度については後述する。指令生成部21は、設定された切断条件に従って、ワイヤ6を切断する際における制御のための指令を生成する。指令生成部21は、ワイヤ6を切断する際に、検知部33へ指令を出力することによって、ワイヤ6の断片の検知を検知部33に行わせる。
次に、切断ステージ30に設けられる各部の構成について説明する。図2は、実施の形態1にかかる付加製造装置100が有する切断ステージ30にて溶加材が切断される様子を示す図である。
付加製造装置100は、ビードを形成した後に、切断ステージ30の方へ加工ヘッド3を移動させる。ワイヤ支持治具31は、ワイヤ6が挿入される孔を有する。ワイヤ支持治具31の孔へワイヤ6を挿入可能な位置に加工ヘッド3が到達すると、付加製造装置100は、加工ヘッド3を停止させて、ワイヤ支持治具31の孔へ向けてワイヤ6を送り出す。あらかじめ設定された長さだけワイヤ送給装置8からワイヤ6が送り出されると、付加製造装置100は、ワイヤ6の送り出しを停止して、ワイヤ6へレーザビーム5を照射する。
ワイヤ6のうちレーザビーム5の照射位置34は、ワイヤノズル9とワイヤ支持治具31との間の位置である。付加製造装置100は、ワイヤ6のうち照射位置34よりも先方の部分をワイヤ支持治具31が支持している状態において、照射位置34へレーザビーム5を照射する。付加製造装置100は、照射位置34へレーザビーム5を照射することによって、照射位置34にてワイヤ6を溶断する。ワイヤ6のうち照射位置34よりも先方の部分、すなわち切断されたワイヤ6の断片は、ワイヤ支持治具31を通り抜けて回収箱32に落下する。検知部33は、落下するワイヤ6の断片を検知する。付加製造装置100は、ワイヤ6を切断した後に、次のビードを形成する加工を開始するために、加工ステージの方へ加工ヘッド3を移動させる。
次に、支持部であるワイヤ支持治具31にてワイヤ6を支持する3つの態様とワイヤ支持治具31の構成とを説明する。ワイヤ支持治具31は、3つの態様のいずれによりワイヤ6を支持しても良い。
図3および図4は、実施の形態1にかかる付加製造装置100の支持部において溶加材を支持する第1の態様について説明するための図である。ワイヤ支持治具31は直方体状である。ワイヤ支持治具31の孔は、ワイヤ6が通り抜け可能に、ワイヤ支持治具31の中心を貫いて形成されている。ワイヤ支持治具31には、第1の部分である縮径部36と、第2の部分である直線部37とが形成されている。縮径部36は、孔の入口である開口部35からワイヤ6が挿入される方向へ向かうに従って孔の内径が漸次小さくなっている部分である。直線部37は、縮径部36につなげられており、孔の内径が一定である部分である。直線部37における内径は、縮径部36のうち直線部37につなげられている部分の内径と等しい。
第1の態様では、ワイヤ支持治具31は、孔を構成する内壁面の1点である支持点38にワイヤ6が接触することによって、ワイヤ6を支持する。支持点38は、縮径部36と直線部37との境界付近にある。ワイヤ送給装置8によって送り出されるワイヤ6の長さには、1つの支持点38にてワイヤ6が接触し得るように設定される。
付加製造装置100は、1つの支持点38にワイヤ6を接触させることによって、ワイヤ6における照射位置34と、照射位置34におけるワイヤ6の角度とが定まる。ワイヤ6の角度とは、レーザビーム5の中心軸に対するワイヤ6の中心軸の角度とする。付加製造装置100は、一定の角度で支持されているワイヤ6へレーザビーム5を照射することによって、ワイヤ6を切断する。これにより、付加製造装置100は、ワイヤ6の先端形状を、一定の形状になるように精度良く整えることができる。
図5および図6は、実施の形態1にかかる付加製造装置100の支持部において溶加材を支持する第2の態様について説明するための図である。第2の態様におけるワイヤ支持治具31の構成は、第1の態様の場合と同様である。
第2の態様では、ワイヤ支持治具31は、孔を構成する内壁面の2つの支持点38にワイヤ6が接触することによって、ワイヤ6を支持する。2つの支持点38のうちの1つは、縮径部36と直線部37との境界付近にある。2つの支持点38のうち他の1つは、直線部37にある。ワイヤ送給装置8によって送り出されるワイヤ6の長さには、2つの支持点38にてワイヤ6が接触し得るように設定される。
付加製造装置100は、2つの支持点38にワイヤ6を接触させることによって、ワイヤ6における照射位置34と、照射位置34におけるワイヤ6の角度とが定まる。付加製造装置100は、一定の角度で支持されているワイヤ6へレーザビーム5を照射することによって、ワイヤ6を切断する。この場合も、付加製造装置100は、ワイヤ6の先端形状を、一定の形状になるように精度良く整えることができる。
第2の態様では、第1の態様と比べて、ワイヤ6におけるワイヤ支持治具31との接触面積が増えることによって、ワイヤ支持治具31にワイヤ6を保持させる摩擦抵抗が増える。このため、ワイヤ支持治具31は、ワイヤ6を一定の角度で安定して支持することができる。付加製造装置100は、ワイヤ支持治具31にワイヤ6が支持された状態において、ワイヤ送給装置8がワイヤスプール7の方へワイヤ6を若干引き戻すことによってワイヤ6に張力を付与しても良い。ワイヤ支持治具31に対するワイヤ6の摩擦が増えることによって、ワイヤ6に張力が付与されても、ワイヤ支持治具31は、ワイヤ6を安定して支持することができる。なお、ワイヤ支持治具31は、3つ以上の支持点38にワイヤ6が接触することによって、ワイヤ6を支持しても良い。
付加製造装置100は、第1の態様および第2の態様では、ワイヤ6の径、直線部37の内径の公差、ワイヤ6に付いた巻き癖によるワイヤ6の曲率またはワイヤ6の曲がり方向などといった条件に応じて上記切断条件を調整する。これにより、付加製造装置100は、ワイヤ6の種類、ワイヤ6の曲率、ワイヤ6の曲がり方向、またはワイヤ支持治具31の寸法公差などによって生じ得るワイヤ6の角度のばらつきを低減させることができる。
図7および図8は、実施の形態1にかかる付加製造装置100の支持部において溶加材を支持する第3の態様について説明するための図である。第3の態様におけるワイヤ支持治具31には、ワイヤ6を把持する把持部が設けられている。ワイヤ支持治具31は、把持部がワイヤ6を把持することによってワイヤ6を支持する。
エアシリンダ40と固定把持ピン41と可動把持ピン42とは、把持部を構成する。固定把持ピン41と可動把持ピン42とは、直線部37に設けられている。固定把持ピン41の先端部が孔の中心軸へ向けられて、ワイヤ支持治具31に固定されている。可動把持ピン42の先端部は、孔の中心軸に垂直な方向において固定把持ピン41の先端部に対向している。エアシリンダ40は、シリンダを駆動することによって、固定把持ピン41に近づく向きと、固定把持ピン41から離れる向きとに可動把持ピン42を移動させる。NC装置20の指令生成部21は、エアシリンダ40を制御するための把持指令を生成し、把持指令をエアシリンダ40へ出力する。エアシリンダ40は、把持指令に従って可動把持ピン42を駆動する。
固定把持ピン41と可動把持ピン42とは、固定把持ピン41の先端部と可動把持ピン42の先端部との間にワイヤ6が通されている状態において可動把持ピン42が固定把持ピン41のほうへ移動して、可動把持ピン42がワイヤ6を介して固定把持ピン41の方へ押し付けられることによって、ワイヤ6を把持する。固定把持ピン41の先端部と可動把持ピン42の先端部とは、さまざまな方向のワイヤ6を把持し易くするため、球面状とされることが望ましい。
エアシリンダ40には、出側リードスイッチ43と戻り側リードスイッチ44とが設けられている。可動把持ピン42が固定把持ピン41とともにワイヤ6を把持可能な位置にあるときに、出側リードスイッチ43はオンになる。その他のときに出側リードスイッチ43はオフになる。可動把持ピン42が固定把持ピン41から離れた位置に戻されたときに、戻り側リードスイッチ44はオンになる。その他のときに戻り側リードスイッチ44はオフになる。NC装置20の切断条件設定部22は、出側リードスイッチ43のオンオフと戻り側リードスイッチ44のオンオフとを検知することにより、可動把持ピン42の位置を判定する。
把持部は、固定把持ピン41および可動把持ピン42と、可動把持ピン42を移動させるエアシリンダ40とを有するものに限られない。把持部は、ワイヤ6を把持可能な機構を有するものであれば良く、チャックハンドまたはカム機構を有するものであっても良い。把持部は、対ローラといった回転機構を有するものであっても良い。回転機構は、ワイヤ6の把持のみならず、ワイヤ6の断片を回収するものであっても良い。
次に、切断されたワイヤ6の断片の回収について説明する。図9は、実施の形態1にかかる付加製造装置100による溶加材の断片46の回収について説明するための図である。図9には、ワイヤ支持治具31の孔にワイヤ6が通されている様子と、ワイヤ支持治具31によって支持されているワイヤ6にレーザビーム5を照射している様子と、ワイヤ6の断片46が回収箱32に回収される様子とを示している。図9では、把持部を有するワイヤ支持治具31を例示する。
固定把持ピン41と可動把持ピン42とによって把持されているワイヤ6へレーザビーム5を照射して、ワイヤ6が切断される。その後、可動把持ピン42が固定把持ピン41から離れることによって、ワイヤ6の把持が解除される。ワイヤ6の把持が解除されると、ワイヤ6の断片46は、自重により落下する。ワイヤ支持治具31の鉛直下方側に回収箱32が配置されていることによって、断片46は、回収箱32の中へ落下する。これにより、回収箱32に断片46が回収される。なお、ワイヤ支持治具31に把持部が設けられていない場合、ワイヤ6が切断されると、断片46は、自重によりワイヤ支持治具31の孔を通り抜けて、回収箱32の方へ落下する。
回収箱32へ断片46を落下させることにより断片46を回収可能であるため、付加製造装置100は、断片46の散乱を防ぐことができる。作業者は、散乱した断片46を回収する手間が無くなる。付加製造装置100は、断片46の散乱を防ぐことによって、造形物11への断片46の混入、または、付加製造装置100の各部への断片46の干渉といった不具合を防ぐことができる。
検知部33は、拡散反射型の光電センサである。検知部33は、断片46を検知可能であれば良く、拡散反射型の光電センサ以外のセンサであっても良い。付加製造装置100は、回収箱32における断片46の堆積を検知するために、検知部33を使用しても良い。検知部33により断片46が一定時間以上検知されたことによって、回収箱32においてある程度の高さよりも断片46が堆積したとの判断が可能である。これにより、付加製造装置100は、断片46を廃棄する時期を作業者に通知することができる。
次に、実施の形態1にかかる付加製造装置100によるワイヤ6を切断するための動作について説明する。図10は、実施の形態1にかかる付加製造装置100による溶加材を切断するための動作手順を示すフローチャートである。ここでは、把持部を有するワイヤ支持治具31が使用される場合を例として説明する。
ステップS1において、付加製造装置100は、ワイヤ支持治具31の開口部35へワイヤ6を挿入可能な位置に加工ヘッド3を移動させる。すなわち、付加製造装置100は、ワイヤ送給装置8とビームノズル4とを移動させる。ステップS2において、付加製造装置100は、ワイヤ送給装置8によってワイヤ6を送り出す。ワイヤ送給装置8は、ビームノズル4よりも先にあるワイヤ支持治具31の孔をワイヤ6が通り抜けるまで、あらかじめ設定された長さのワイヤ6を送り出す。
ステップS3において、付加製造装置100は、エアシリンダ40によって可動把持ピン42を固定把持ピン41の方へ移動させることによって、可動把持ピン42を閉じる。可動把持ピン42を閉じることによって、固定把持ピン41と可動把持ピン42とは、ワイヤ6を把持する。これにより、ワイヤ支持治具31は、ワイヤ送給装置8から送り出されたワイヤ6のうちビームノズル4の軸よりも先方の部分を支持する。
ステップS4において、付加製造装置100は、切断条件設定部22において、出側リードスイッチ43がオンであるか否かを判断する。出側リードスイッチ43がオンである場合(ステップS4,Yes)、付加製造装置100は、手順をステップS6へ進める。出側リードスイッチ43がオンであることによって、付加製造装置100は、固定把持ピン41と可動把持ピン42とによるワイヤ6の把持は成功したものとみなす。
一方、出側リードスイッチ43がオンでない場合(ステップS4,No)、付加製造装置100は、ステップS5において、固定把持ピン41から離れる方へ可動把持ピン42を移動させることによって、可動把持ピン42を開く。出側リードスイッチ43がオンにならないことによって、付加製造装置100は、固定把持ピン41と可動把持ピン42とによるワイヤ6の把持は失敗したものとみなす。そして、付加製造装置100は、手順をステップS2へ戻し、ワイヤ6の把持を再度試みる。
なお、ステップS4において出側リードスイッチ43がオンにならないケースとしては、ワイヤスプール7におけるワイヤ6の枯渇、ワイヤ支持治具31へのワイヤ6の挿入ミス、エアシリンダ40の動作不良、または、出側リードスイッチ43の故障といったケースも考えられる。ステップS2からステップS5の手順が繰り返された回数があらかじめ設定された上限に達した場合に、付加製造装置100は、作業者による確認を促すアラームを出力しても良い。
ステップS6において、付加製造装置100は、切断条件設定部22において、ワイヤ6の角度調整を行うか否かを判断する。切断条件設定部22には、ワイヤ6の先端形状とワイヤ6の角度との関係があらかじめ登録されている。切断条件設定部22は、所望される先端形状に応じて、ワイヤ6の角度を調整する必要があるか否かを判断する。なお、ワイヤ6の切断後における先端形状の例については後述する。ワイヤ6の先端形状とワイヤ6の角度との関係には、ワイヤ6の径またはワイヤ6の材質といった条件が対応付けられている。例えば、それまで使用していたワイヤ6とは径が異なるワイヤ6に交換された場合、切断条件設定部22は、事前に登録されている条件に基づいてワイヤ6の角度調整を行うと判断する。
ワイヤ6の角度調整を行う場合(ステップS6,Yes)、付加製造装置100は、ステップS7において、ワイヤ6の角度を調整し、ステップS8へ手順を進める。一方、ワイヤ6の角度調整を行わない場合(ステップS6,No)、付加製造装置100は、ステップS7をスキップし、ステップS8へ手順を進める。
ここで、ワイヤ6の角度を調整する2つの方法について説明する。図11は、実施の形態1にかかる付加製造装置100によって溶加材の角度を調整する第1の方法について説明するための図である。第1の方法では、付加製造装置100は、固定把持ピン41と可動把持ピン42とによってワイヤ6を把持している状態において加工ヘッド3を移動させることによって、ワイヤ6の角度θを調整する。
なお、ワイヤ6が送給される方向に対してレーザビーム5の中心軸の方向を変更可能な機構を設け、付加製造装置100は、当該機構によりレーザビーム5の方向を変更することによって角度θを調整しても良い。加工ヘッド3を移動させると、ワイヤ6がワイヤ支持治具31に当たることによって、ワイヤ6が塑性変形することがあり得る。付加製造装置100は、レーザビーム5の方向の変更により角度θを調整することで、ワイヤ6の塑性変形を低減できる。
図12は、実施の形態1にかかる付加製造装置100によって溶加材の角度を調整する第2の方法について説明するための図である。第2の方法では、付加製造装置100は、レーザビーム5の中心軸に対して、ワイヤノズル9の中心軸の傾きとワイヤ支持治具31の孔の中心軸の傾きとを一括して変化させる駆動によって、角度θを調整する。ワイヤノズル9とワイヤ支持治具31とは、モータおよびラックアンドピニオンを有するアクチュエータ、電動またはエアを駆動力とするロータリアクチュエータなどによって駆動する。付加製造装置100は、第1の方法において加工ヘッド3を移動させることによりワイヤ6が塑性変形する場合、または、レーザビーム5の方向を変更できない場合には、第2の方法により角度θを調整することができる。
ステップS8において、付加製造装置100は、照射位置34へレーザビーム5を照射することによって、ワイヤ6を切断する。すなわち、付加製造装置100は、ビームノズル4から出射された切断用のビームであるレーザビーム5をワイヤ6へ照射してワイヤ6を切断する。付加製造装置100は、ワイヤ6を切断することによって、ワイヤ6の先端形状を整える。ワイヤ6を切断した後に、ステップS9において、付加製造装置100は、固定把持ピン41から離れる方へ可動把持ピン42を移動させることによって、可動把持ピン42を開く。
ステップS10において、付加製造装置100は、ワイヤ6の切断が検知されたか否かを、切断条件設定部22において判断する。切断条件設定部22は、検知部33によって断片46が検知された場合、ワイヤ6の切断が検知されたと判断する。切断条件設定部22は、検知部33によって断片46が検知されなかった場合、ワイヤ6の切断が検知されなかったと判断する。ワイヤ6の切断が検知された場合(ステップS10,Yes)、付加製造装置100は、図10に示す手順による動作を終了する。このように、付加製造装置100は、検知部33によって断片46が検知されることにより、ワイヤ6の切断が成功したものとみなす。
一方、ワイヤ6の切断が検知されていない場合(ステップS10,No)、付加製造装置100は、手順をステップS1へ戻す。このように、付加製造装置100は、検知部33によって断片46が検知されない場合、ワイヤ6の切断が失敗したものとみなす。この場合、付加製造装置100は、手順をステップS1へ戻すことによって、ワイヤ6の切断を再度試みる。
付加製造装置100は、ワイヤ6の切断が成功したことを確認してから、加工ヘッド3を移動させる。これにより、付加製造装置100は、ワイヤ6が切断されていない状態において加工ヘッド3を移動させる事態を防ぐ。付加製造装置100は、ワイヤ6が切断されていないにも関わらず加工ヘッド3を移動させることによって駆動軸に負荷がかかる事態を防ぐことができる。
ワイヤ6の材料の多くは機械的な加工が困難な材料であることから、付加製造装置100は、刃具等により機械的な切断を行う場合よりも、ワイヤ6を容易に切断することができる。また、刃具等による切断の場合には、切断時の抵抗によってワイヤ6が塑性変形すること、刃の損耗による定期的なメンテナンスが必要となることなどが問題となる。付加製造装置100は、レーザビーム5の照射によってワイヤ6を切断するため、このような問題を回避することができる。
付加製造装置100は、レーザビーム5の照射位置34へ圧縮空気を吹き付けてワイヤ6の先端を整形する場合と比べて、溶融物の飛散を大幅に低減できる。付加製造装置100は、造形物11に溶融物が混入することによる造形物11の品質低下を防ぐことができる。付加製造装置100は、溶融物の付着による駆動系の故障を防ぐことができる。付加製造装置100は、光学系を構成するレンズへの溶融物の付着による不具合を防ぐことができる。かかる不具合としては、レーザビーム5のエネルギーが低下すること、付着した溶融物へレーザビーム5が吸収されることによってレンズが溶融すること、レンズ交換の頻度が増加することなどである。さらに、付加製造装置100は、レーザビーム5のエネルギーが低下した状態での加工による接合不良なども防ぐことができる。
次に、カメラ16を用いて観察されるワイヤ6の先端部と照射位置34とについて説明する。図13は、実施の形態1にかかる付加製造装置100によって溶加材の先端部と照射位置34とが観察される例を示す図である。図13には、カメラ16によって撮影される画像50の3つの例を示す。各例における画像50において、図中左から右の方へワイヤ6が送り出されるものとする。画像50の範囲よりも右の方にワイヤ支持治具31が設置されている。
図13の(a)には、ワイヤ6の照射位置34へレーザビーム5を照射したがワイヤ6が切断されなかった場合の画像50を示す。照射位置34よりも右の方へワイヤ6が通り過ぎていることによって、ワイヤ6が切断されなかったものと判断できる。
図13の(b),(c)には、ワイヤ6の照射位置34へレーザビーム5を照射することによってワイヤ6が切断された場合の画像50を示す。図13の(b)の画像50には、切断によってワイヤ6の先端が半球形状51となった様子が示されている。図13の(c)の画像50には、切断によってワイヤ6の先端が球形状52となった様子が示されている。
付加製造装置100は、上記ステップS10において、カメラ16によって取得された画像50を基に、ワイヤ6の切断が成功したか否かを判断しても良い。付加製造装置100は、ワイヤ6の切断と同時にレーザビーム5の出力を停止するために、画像50を基にワイヤ6の切断を検知することとしても良い。付加製造装置100は、ワイヤ6の切断後にレーザビーム5の照射が継続されることによる各部の損傷を防ぐことができる。また、付加製造装置100は、カメラ16によって取得された画像50を基に、切断後におけるワイヤ6の先端形状を検出しても良い。
仮に、ワイヤ6のうちワイヤノズル9から送り出された部分が支持されないと、ワイヤ6に付いた巻き癖によるワイヤ6の曲率またはワイヤ6の曲がり方向などによって、ワイヤ6の角度θが変わることとなる。図14は、実施の形態1において溶加材が支持されない場合における溶加材の状態について説明するための第1の図である。図14において、ワイヤノズル9から送り出されたワイヤ6は、自重の作用によって鉛直下方へ垂れ下がった状態となる。ビームノズル4の軸53に対するワイヤ6の角度θは、ワイヤ6の曲率またはワイヤ6の曲がり方向などによって変わる。軸53は、レーザビーム5の中心軸と一致する。
図15は、実施の形態1において溶加材が支持されない場合における溶加材の状態について説明するための第2の図である。図16は、図15のXVI-XVI線におけるワイヤノズル9の断面図である。図15には、ワイヤノズル9の孔に摩耗による変形が生じた場合を示す。図14に示すようにワイヤ6が鉛直下方へ垂れ下がることで、ワイヤノズル9の出口付近において、ワイヤ6の鉛直下方の部分54にワイヤ6が接触した状態で、ワイヤノズル9からワイヤ6が送り出される。かかる状態でのワイヤ6の送り出しが続けられることで、部分54が摩耗によって変形する。かかるワイヤノズル9の変形によっても、ワイヤ6の角度θは変わる。角度θが不安定であると、付加製造装置100は、レーザビーム5によるワイヤ6の切断によって、ワイヤ6の先端形状を一定の形状になるように精度良く整えることが困難となる。
図17は、実施の形態1にかかる付加製造装置100による切断後の溶加材の先端形状の例を示す図である。図17には、ワイヤ6の先端形状の3つの例を示す。図17の(a)には、球形状52である先端部を示す。図17の(b)には、鋭角形状55である先端部を示す。図17の(c)には、半球形状51である先端部を示す。この他、ビードの形成を終えたときにワイヤ6が鉛直上方へ引き上げられることによって、ワイヤ6の先端に、鉛直下方へ伸びたバリ形状が形成されることがある。バリ形状は、ワイヤ6の軸に対して曲がった方向に伸びた形状となる。
被加工物に付加される溶融物の量には、ワイヤ6の先端形状によって過不足が生じることがある。球形状52のように、ワイヤ6の径に比べて先端部の幅が大きい場合は、次に形成されるビードの加工開始部分において溶融物の量が過大となる。一方、鋭角形状55あるいはバリ形状のように、ワイヤ6の径に比べて先端部の幅が小さい場合は、次に形成されるビードの加工開始部分において溶融物の量が過小となる。先端部が半球形状51である場合、先端部の幅がワイヤ6の径と同じであることから、被加工物に付加される溶融物の量に過不足は生じない。また、ワイヤ6の径に比べて先端部の幅が大きい場合は、先端部によってレーザビーム5が遮られることによって、ビードの加工開始時におけるワイヤ6の溶融が遅れることがある。バリ形状のようにワイヤ6の軸に対して先端部が曲がっている場合、ビードの加工開始部分にバリ形状が残ることによって、造形物11の形状精度が低下することがある。
実施の形態1によると、付加製造装置100は、ワイヤ6の角度θを一定にしてワイヤ6を切断可能であることによって、ワイヤ6の先端形状を一定の半球形状51となるようになるように精度良く整えることができる。
ここで、切断条件と、切断後におけるワイヤ6の先端形状との関係について説明する。ワイヤ6を切断するときにおけるビーム出力が高いほど、ワイヤ6に発生する溶融池が広くなることによってワイヤ6の先端が球形状52になり易い。一方、ビーム出力が低すぎると、ワイヤ6を切断できない。ワイヤ6の切断に適したビーム出力よりもビーム出力が低く、かつワイヤ6を切断できた場合は、ワイヤ6の先端にバリ形状が形成される。
ワイヤ6を切断するときにおけるビーム径が大きすぎると、ワイヤ6におけるエネルギー密度が低くなり、ワイヤ6を切断できない。ビーム径が大きく、かつワイヤ6を切断できた場合は、ワイヤ6において熱エネルギーが投入される面積が広く、溶融するワイヤ6の体積が大きくなることから、ワイヤ6の先端が球形状52になり易い。一方、ビーム径が小さい場合、ワイヤ6におけるエネルギー密度が高くなり、ワイヤ6において熱エネルギーが投入される面積が狭くなる。この場合、付加製造装置100は、ワイヤ6の先端が球形状52にならずにワイヤ6を切断することができる。すなわち、付加製造装置100は、ワイヤ6の先端形状を一定の半球形状51とすることができる。
ワイヤ6の切断に必要となるレーザビーム5の照射時間は、ビーム出力、ビーム径、またはワイヤ6の角度θによって調整する必要がある。付加製造装置100は、センサユニット15またはカメラ16を用いて切断の成否を検知することによって、切断と同時にビーム出力を停止させることができる。この場合、付加製造装置100は、照射時間が無駄に長くなることを防げる。
レーザビーム5の中心軸に対するワイヤ6の角度θが大きいほど、切断後におけるワイヤ6の先端が平坦になり易い。一方、角度θが小さいほど、ワイヤ6の軸に対して傾いた面がワイヤ6に形成されることによって、ワイヤ6の先端が鋭角形状55になり易い。
レーザビーム5の照射を終える直前にワイヤ送給装置8がワイヤ6を引き戻すことによって、レーザビーム5の範囲からワイヤ6を引き抜く動作を、引き抜き動作と称する。付加製造装置100が引き抜き動作を行う場合、ワイヤ6の先端が鋭角形状55になり易い。一方、付加製造装置100が引き抜き動作を行わない場合、ワイヤ6の先端が球形状52になり易い。
付加製造装置100は、ワイヤ送給装置8によるワイヤ6の送給速度を一定としたまま加工ヘッド3を移動させることによって、ワイヤ6の張力を調整できる。ワイヤ6の張力が大きい場合、ワイヤ6の先端が球形状52になりにくい。一方、ワイヤ6の張力が小さい場合、またはワイヤ6に張力を付与しない場合、ワイヤ6の先端が球形状52になり易い。
付加製造装置100は、切断条件を適宜調整することによって、切断後におけるワイヤ6の先端形状を変化させても良い。ここで、切断条件の調整によって、切断後におけるワイヤ6の先端形状を調整する例について説明する。
図18および図19は、実施の形態1にかかる付加製造装置100により、溶加材の先端を球形状52とする場合における切断条件の調整について説明するための図である。図18には、切断後におけるワイヤ6の先端に球形状52が形成される様子を示す。図19では、球形状52が形成されるときの切断条件に含まれるビーム出力とワイヤ6の送給速度とを表したタイムチャートを示す。図19において、t1は、ワイヤ6が切断されるタイミングを表す。
切断条件設定部22は、ワイヤ6の角度θを45度程度に設定する。切断条件設定部22は、t1から一定の期間においてワイヤ6を送り出すように、送給速度を設定する。また、切断条件設定部22は、ビーム出力を高めに設定しても良い。このような切断条件の設定により、付加製造装置100は、切断後におけるワイヤ6の先端を球形状52にさせることができる。
図20および図21は、実施の形態1にかかる付加製造装置100により、溶加材の先端を鋭角形状55とする場合における切断条件の調整について説明するための図である。図20には、切断後におけるワイヤ6の先端に鋭角形状55が形成される様子を示す。図21では、鋭角形状55が形成されるときの切断条件に含まれるビーム出力とワイヤ6の送給速度とを表したタイムチャートを示す。
切断条件設定部22は、ワイヤ6の角度θを30度程度に設定する。このように、切断条件設定部22は、球形状52を形成する場合よりも小さい角度θを設定する。切断条件設定部22は、t1の後における一定の期間において引き抜き動作を行うように、送給速度を設定する。このような切断条件の設定により、付加製造装置100は、切断後におけるワイヤ6の先端を鋭角形状55にさせることができる。付加製造装置100は、切断条件を調整することによって、ワイヤ6の先端形状を任意の形状に変化させることができる。
付加製造装置100は、形成されたビードの形状に基づいてワイヤ6の先端形状を変化させることとしても良い。図22は、実施の形態1にかかる付加製造装置100により、形成されたビードの形状に基づいて溶加材の先端形状を変化させる例を示す第1の図である。図23は、実施の形態1にかかる付加製造装置100により、形成されたビードの形状に基づいて溶加材の先端形状を変化させる例を示す第2の図である。図22および図23において、白抜き矢印は加工方向を表す。
切断条件設定部22は、形成された第1のビード61に積み重ねられる第2のビード62を形成する加工の前におけるワイヤ6の切断の際に、第1のビード61の形状を測定した結果に基づいて切断条件を調整することによって、第2のビード62の形成が開始されるときにおけるワイヤ6の先端形状を変化させる。切断条件設定部22は、ワイヤ6の先端形状を変化させることによって、第2のビード62が形成されたときにおける造形物11の高さを調整する。
図22に示すケースでは、基材10に形成された第1のビード61のうち加工開始位置付近の端部63における高さが、想定された高さよりも低い。センサユニット15に含まれる形状測定器によって、第1のビード61の高さが測定される。形状測定器は、測定結果を切断条件設定部22へ出力する。
切断条件設定部22は、第1のビード61の端部63における高さの不足分を補うために、ワイヤ6の先端部の体積が通常よりも大きくなるように、切断条件を調整する。切断条件設定部22は、第2のビード62が形成される加工の前におけるワイヤ6の切断の際に、ワイヤ6の先端に球形状52が形成されるときの切断条件を設定する。
ワイヤ6の先端が球形状52とされることで、付加製造装置100は、第2のビード62の形成が開始されるときに、通常の場合に比べて多くの溶融物を第1のビード61の上に付加する。このように、付加製造装置100は、第2のビード62が形成されたときにおける造形物11の高さが想定どおりの高さとなるように、第1のビード61における高さの不足分を補う。
図23に示すケースでは、基材10に形成された第1のビード61のうち加工開始位置付近の端部63における高さが、想定された高さよりも高い。切断条件設定部22は、第1のビード61の端部63における高さの過剰分を減らすために、ワイヤ6の先端部の体積が通常よりも小さくなるように、切断条件を調整する。切断条件設定部22は、第2のビード62が形成される加工の前におけるワイヤ6の切断の際に、ワイヤ6の先端に鋭角形状55が形成されるときの切断条件を設定する。
ワイヤ6の先端が鋭角形状55とされることで、付加製造装置100は、第2のビード62の形成が開始されるときに、通常の場合に比べて少ない溶融物を第1のビード61の上に付加する。このように、付加製造装置100は、第2のビード62が形成されたときにおける造形物11の高さが想定どおりの高さとなるように、第1のビード61における高さの過剰分を相殺させる。
切断条件設定部22は、測定されるビードの高さと切断条件との関係をあらかじめ保持する。切断条件設定部22は、第1のビード61についての高さの測定結果に対応する切断条件を、かかる関係から求めることによって、切断条件を設定する。付加製造装置100は、ワイヤ6の先端形状を変化させる調整により、造形物11の形状精度を向上させることができる。切断条件設定部22は、第1のビード61の高さが、あらかじめ設定された高さの範囲から外れている場合に、ワイヤ6の先端形状を変化させる調整を行うこととしても良い。
実施の形態1によると、付加製造装置100は、切断用のビームによって溶加材を切断する際に、溶加材のうち切断用のビームが照射する位置よりも先方の部分を支持部によって支持することで、溶加材の先端形状を、一定の形状になるように精度良く整えることができる。これにより、付加製造装置100は、溶加材の先端形状を高精度に整えることができるという効果を奏する。
実施の形態2.
実施の形態2では、付加製造装置100は、ワイヤ6の切断時にワイヤ6の先端部を基材10に溶着させることによって、ワイヤ6を支持する。図24は、実施の形態2にかかる付加製造装置100による溶加材の切断の様子を示す図である。実施の形態2では、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1と重複する説明を省略する。
実施の形態2では、付加製造装置100は、実施の形態1における切断ステージ30の代わりに、ワイヤ6を溶着させるためのスペースが確保された基材10が使用される。当該スペースは、基材10における任意の箇所に確保される。実施の形態2において、基材10は、切断用のビームによって溶加材を切断する際に溶加材のうち切断用のビームが照射する位置よりも先方の部分を支持する支持部として機能する。
付加製造装置100は、基材10のうちワイヤ6を溶着させるためのスペースへ加工ヘッド3を移動させる。付加製造装置100は、基材10へワイヤ6を送り出しながら、切断用のビームであるレーザビーム5を基材10上へ照射する。付加製造装置100は、一定時間、ワイヤ6の送り出しとレーザビーム5の照射とを継続させた後、ワイヤ6の送り出しとレーザビーム5の照射とを停止させる。基材10に玉状のビード71が形成され、かつビード71にワイヤ6の先端72が接合された状態となる。このように、付加製造装置100は、基材10にワイヤ6を溶着させる。
次に、付加製造装置100は、ワイヤノズル9から基材10の方へワイヤ6を送り出しながら、ワイヤ6が送り出される向きとは逆向きにワイヤノズル9を移動させる。このとき、付加製造装置100は、ワイヤ6の張力による負担をワイヤノズル9にかけないように、ワイヤ6の送り出しと同時に、かつワイヤ6の送り出しと同じ速度で、ワイヤノズル9を移動させる。これにより、付加製造装置100は、ワイヤノズル9と先端72との間におけるワイヤ6の長さを伸ばす。
次に、付加製造装置100は、ワイヤ6のうち照射位置34よりも先方の部分が基材10にて支持されている状態において、照射位置34へレーザビーム5を照射する。付加製造装置100は、照射位置34へレーザビーム5を照射することによって、照射位置34にてワイヤ6を溶断する。このようにして、付加製造装置100は、ワイヤ6を支持した状態においてワイヤ6を切断する。ワイヤ6のうち照射位置34よりも先方の部分、すなわち切断されたワイヤ6の断片は、基材10に残される。
付加製造装置100は、ワイヤ6の切断を繰り返し行う場合は、基材10においてワイヤ6を溶着させる位置を順次ずらす。これにより、付加製造装置100は、基材10に残された断片にワイヤ6が接触することを防ぐ。なお、付加製造装置100は、造形物11が形成される基材10とは別の基材にワイヤ6を溶着させても良い。この場合、作業者は、ワイヤ6の断片が残された基材の交換により、断片を確実に回収しながら付加製造装置100を連続的に稼働させることができる。
実施の形態2によると、付加製造装置100は、切断用のビームによって溶加材を切断する際に、溶加材のうち切断用のビームが照射する位置よりも先方の部分を支持する。付加製造装置100は、実施の形態1の場合と同様に、溶加材の先端形状を、一定の形状になるように精度良く整えることができる。これにより、付加製造装置100は、溶加材の先端形状を高精度に整えることができる。
次に、実施の形態1または2にかかる付加製造装置100が有するNC装置20のハードウェア構成について説明する。図25は、実施の形態1または2にかかる付加製造装置100が有するNC装置20のハードウェア構成例を示す図である。図25には、プログラムを実行するハードウェアを用いることによってNC装置20の機能が実現される場合におけるハードウェア構成を示している。
NC装置20は、各種処理を実行するプロセッサ81と、内蔵メモリであるメモリ82と、NC装置20への情報の入力とNC装置20からの情報の出力のための回路である入出力インタフェース83と、情報を記憶する記憶装置84と、を有する。
プロセッサ81は、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ81は、処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)であっても良い。メモリ82は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。
記憶装置84は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。コンピュータをNC装置20として機能させるプログラムは、記憶装置84に格納される。プロセッサ81は、記憶装置84に格納されているプログラムをメモリ82に読み出して実行する。
プログラムは、コンピュータシステムによる読み取りが可能とされた記憶媒体に記憶されたものであっても良い。NC装置20は、記憶媒体に記録されたプログラムをメモリ82へ格納しても良い。記憶媒体は、フレキシブルディスクである可搬型記憶媒体、あるいは半導体メモリであるフラッシュメモリであっても良い。プログラムは、他のコンピュータあるいはサーバ装置から通信ネットワークを介してコンピュータシステムへインストールされても良い。
指令生成部21および切断条件設定部22の各機能は、プロセッサ81とソフトウェアの組み合わせによって実現される。当該各機能は、プロセッサ81およびファームウェアの組み合わせによって実現されても良く、プロセッサ81、ソフトウェアおよびファームウェアの組み合わせによって実現されても良い。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、記憶装置84に格納される。記憶装置84には、NC装置20において使用される各種データが格納される。
入出力インタフェース83は、ハードウェアに接続される機器からの信号を受信する。当該機器には、センサユニット15の各センサとカメラ16とが含まれる。また、入出力インタフェース83は、レーザ出力制御器23、駆動制御器24および検知部33の各々へ指令を送信する。なお、NC装置20の上記各構成要素は、任意の単位で機能的にまたは物理的に分散されても良い。例えば、切断条件設定部22の機能は、NC装置20に接続された装置である外部装置を使用して実現されても良い。
以上の各実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。各実施の形態の構成は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。各実施の形態の構成同士が適宜組み合わせられても良い。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
1 レーザ発振器、2 ファイバーケーブル、3 加工ヘッド、4 ビームノズル、5 レーザビーム、6 ワイヤ、7 ワイヤスプール、8 ワイヤ送給装置、9 ワイヤノズル、10 基材、11 造形物、12 加工点、13 シールドガス、14 支持ブラケット、15 センサユニット、16 カメラ、17 ダイクロイックミラー、20 NC装置、21 指令生成部、22 切断条件設定部、23 レーザ出力制御器、24 駆動制御器、25 ヘッド駆動部、26 送給駆動部、30 切断ステージ、31 ワイヤ支持治具、32 回収箱、33 検知部、34 照射位置、35 開口部、36 縮径部、37 直線部、38 支持点、40 エアシリンダ、41 固定把持ピン、42 可動把持ピン、43 出側リードスイッチ、44 戻り側リードスイッチ、46 断片、50 画像、51 半球形状、52 球形状、53 軸、54 部分、55 鋭角形状、61 第1のビード、62 第2のビード、63 端部、71 ビード、72 先端、81 プロセッサ、82 メモリ、83 入出力インタフェース、84 記憶装置、100 付加製造装置。

Claims (10)

  1. 溶融させた溶加材を被加工物に付加することによって造形物を製造する付加製造装置であって、
    前記被加工物へ前記溶加材を送給する送給部と、
    前記送給部から送り出された前記溶加材を溶融させる加工用のビームと、前記溶加材の切断によって前記溶加材の先端形状を整えるための切断用のビームとを出力するビーム源と、
    前記切断用のビームによって前記溶加材を切断する際に、前記溶加材のうち前記切断用のビームが照射する位置よりも先方の部分を支持する支持部と、を備えることを特徴とする付加製造装置。
  2. 前記支持部は、前記溶加材が挿入される孔を有し、前記孔の入口である開口部から前記溶加材が挿入される方向へ向かうに従って前記孔の内径が漸次小さくなっている第1の部分と、前記第1の部分につなげられており前記孔の内径が一定である第2の部分とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の付加製造装置。
  3. 前記支持部は、前記孔を構成する内壁面の1点または複数の点に前記溶加材が接触することによって前記溶加材を支持することを特徴とする請求項2に記載の付加製造装置。
  4. 前記支持部には、前記溶加材を把持する把持部が設けられており、
    前記支持部は、前記把持部が前記溶加材を把持することによって前記溶加材を支持することを特徴とする請求項2に記載の付加製造装置。
  5. 切断された前記溶加材の断片を回収する回収箱が前記支持部の鉛直下方側に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の付加製造装置。
  6. 前記回収箱に回収される前記断片を検知する検知部を備えることを特徴とする請求項5に記載の付加製造装置。
  7. 前記支持部は、前記溶加材の先端部が溶着される基材であることを特徴とする請求項1に記載の付加製造装置。
  8. 前記送給部による前記溶加材の送給速度と前記切断用のビームの出力とを含む切断条件を設定する切断条件設定部を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の付加製造装置。
  9. 前記付加製造装置は、溶融させた前記溶加材の凝固物であるビードを積み重ねることによって前記造形物を製造し、
    前記切断条件設定部は、形成された第1のビードに積み重ねられる第2のビードを形成する加工の前における前記溶加材の切断の際に、前記第1のビードの形状を測定した結果に基づいて前記切断条件を調整することによって、前記第2のビードの形成が開始されるときにおける前記先端形状を変化させて、前記第2のビードが形成されたときにおける前記造形物の高さを調整することを特徴とする請求項8に記載の付加製造装置。
  10. 溶融させた溶加材を被加工物に付加することによって付加製造装置が造形物を製造する付加製造方法であって、
    前記溶加材を送給する送給部と前記溶加材を溶融させるビームを出射するビームノズルとを移動させるステップと、
    前記送給部から送り出された前記溶加材のうち前記ビームノズルの軸よりも先方の部分を支持するステップと、
    前記ビームノズルから出射された切断用のビームを前記溶加材へ照射して前記溶加材を切断することによって前記溶加材の先端形状を整えるステップと、を含むことを特徴とする付加製造方法。
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