JP2022099586A - シート供給装置および箔転写装置 - Google Patents

シート供給装置および箔転写装置 Download PDF

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Abstract

【課題】シートの間隔を短くすることができるシート供給装置および箔転写装置を提供する。【解決手段】シート供給装置は、シートSの搬送方向に直交する幅方向において異なる位置に配置されたセンサSS1,SS2と、制御部とを備える。制御部は、複数のシートSを連続して供給する場合、シートS1の供給を開始し、センサSS1,SS2によるシートS1の検知が終了した後に、シートS1を基準シートに設定する。制御部は、シートS2の供給を開始し、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了する前に、シートS2の後端の位置と、シートトレイにセットされたシートS3の先端の位置とを算出する。制御部は、シートS2の後端の位置からシートS3の先端の位置までの距離が、搬送方向におけるシートトレイにセットされるシートSの先端からセンサSS2までの距離D1よりも小さい所定値となったときに、シートS3の供給を開始する。【選択図】図4

Description

本発明は、シートを供給するシート供給装置、および、シート供給装置を備える箔転写装置に関する。
従来、箔転写装置として、シートに箔を転写する転写部と、シートを転写部に向けて供給する供給ローラと、転写部に向けて供給されるシートを検知するシートセンサとを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-122908号公報
ところで、複数のシートを連続して供給する場合、次のシートを、シートセンサが先行するシートを検知しなくなったタイミングで供給するように供給ローラを制御する方法が考えられるが、先行するシートと次のシートとの間隔はなるべく短いことが望ましい。シートの間隔が長くなると、例えば、箔転写装置では、複数のシートに連続して箔を転写する場合の印刷時間が長くなったり、シート間においても箔フィルムが搬送される場合に箔フィルムが無駄になったりするからである。
そこで、本発明は、シートの間隔を短くすることができるシート供給装置および箔転写装置を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、シート供給装置は、シートがセットされるシートトレイと、シートトレイにセットされたシートを、シートに画像を形成する、または、シートの画像を読み取るシート処理部に向けて供給する供給ローラと、シートの搬送方向において供給ローラの下流に配置され、シートトレイからシート処理部に向けて供給されるシートを検知する複数のシートセンサであって、搬送方向に直交するシートの幅方向において異なる位置に配置された複数のシートセンサと、制御部と、を備える。
制御部は、複数のシートを連続して供給する場合、供給ローラを制御して、第1シートの供給を開始し、複数のシートセンサによる第1シートの検知が終了した後に、第1シートを基準シートに設定する。
制御部は、供給ローラを制御して、第1シートよりも後の第2シートの供給を開始し、複数のシートセンサによる第2シートの検知が終了する前に、複数のシートセンサによる基準シートと第2シートの検知結果に基づいて、搬送方向における、第2シートの後端の位置と、シートトレイにセットされた、第2シートの次の第3シートの先端の位置と、を算出する。
制御部は、供給ローラを制御して、第2シートの後端の位置から第3シートの先端の位置までの距離が、搬送方向におけるシートトレイにセットされるシートの先端から最も上流に配置されたシートセンサまでの距離よりも小さい所定値となったときに、第3シートの供給を開始する。
このような構成によれば、シートセンサによる第2シートの検知が終了したときに第3シートの供給を開始する場合よりも早いタイミングで第3シートの供給を開始することができるので、第2シートと第3シートの間隔を短くすることができる。
前記したシート供給装置において、制御部は、第2シートの供給を開始した後、複数のシートセンサによる第2シートの検知が終了する前に、複数のシートセンサによる基準シートと第2シートの検知結果に基づいて、搬送方向における所定の位置を基準とした搬送方向の座標として、第2シートの後端の位置に対応する後端座標値と、第3シートの先端の位置に対応する先端座標値と、を算出し、供給ローラを制御して、後端座標値と先端座標値との差が所定値となったときに、第3シートの供給を開始する構成とすることができる。
前記したシート供給装置において、制御部は、複数のシートセンサによる基準シートの検知結果から算出した搬送方向における基準シートの長さと、複数のシートセンサによる第2シートの検知結果から算出した搬送方向における第2シートの先端の位置とに基づいて、搬送方向における第2シートの後端の位置を算出する構成とすることができる。
前記したシート供給装置において、制御部は、第2シートが第1シートの次のシートである場合、供給ローラを制御して、複数のシートセンサによる第1シートの検知が終了した後に、第2シートの供給を開始する構成とすることができる。
前記したシート供給装置において、制御部は、第3シートの供給を開始する前に、複数のシートセンサの検知結果に基づく第2シートの検知履歴が、複数のシートセンサの検知結果に基づく基準シートの検知履歴と異なると判定した場合、供給ローラを制御して、複数のシートセンサによる第2シートの検知が終了した後に、第3シートの供給を開始する構成とすることができる。
これによれば、第2シートと第3シートの間隔が必要以上に大きくなったり、第2シートの後端部と第3シートの前端部が重なった状態で第2シートと第3シートが搬送されたりするのを抑制することができる。
前記したシート供給装置において、制御部は、第3シートの供給を開始した後に、複数のシートセンサの検知結果に基づく第2シートの検知履歴が、複数のシートセンサの検知結果に基づく基準シートの検知履歴と異なると判定した場合、供給ローラを制御して、第3シートの供給を停止し、複数のシートセンサによる第2シートの検知が終了した後に第3シートの供給を再開する構成とすることができる。
これによれば、第2シートの後端部と第3シートの前端部が重なった状態で第2シートと第3シートが搬送されるのを抑制することができる。
前記したシート供給装置において、制御部は、複数のシートセンサの検知結果に基づく第2シートの検知履歴が、複数のシートセンサの検知結果に基づく基準シートの検知履歴と異なると判定した場合、複数のシートセンサによる第2シートの検知が終了した後、第2シートを基準シートに設定する構成とすることができる。
これによれば、第3シートよりも後のシートについて、形状が第2シートと同じである場合には、先行するシートとの間隔を短くすることができる。
前記したシート供給装置において、制御部は、複数のシートセンサのすべてがシートを検知する状態からシートを検知しない状態に切り替わってから、所定時間、複数のシートセンサのすべてがシートを検知しない状態が続いた場合、シートの検知を終了する構成とすることができる。
これによれば、シートの搬送方向における後端の位置の検出精度を向上させることができる。
前記したシート供給装置において、複数のシートセンサは、第1シートセンサと、搬送方向において第1シートセンサの上流に配置された第2シートセンサからなる構成とすることができる。
これによれば、シートセンサの数を最少としながら、シートの間隔を短くすることができる。
また、前記した目的を達成するため、箔転写装置は、箔を含む箔フィルムにシートを重ねて、シートに箔を転写する箔転写装置であって、シート処理部としての、シートに箔を転写する転写部と、シートを転写部に供給する、前記したシート供給装置と、を備える。
このような構成によれば、第2シートと第3シートの間隔を短くすることができる。これにより、複数のシートに連続して箔を転写する場合の印刷速度を短くしたり、箔フィルムの無駄を減らしたりすることができる。
本発明によれば、第2シートと第3シートの間隔を短くすることができる。
実施形態に係るシート供給装置を備える箔転写装置を示す図(a)と、箔フィルムの構成を示す断面図(b)である。 カバーを開いた状態の箔転写装置を示す図である。 シートを検知するセンサの配置を示す図である。 シートの供給制御と間隔を説明する図(a)~(d)である。 シートの搬送方向の座標を説明する図(a)と、センサの出力信号を示すタイミングチャート(b)である。 第3シートの供給開始のタイミングを説明する図(a),(b)である。 第3シートの供給開始前に第2シートの検知履歴が基準データと異なると判定された場合の供給制御を説明する図(a)~(e)であり、第1シートよりも後のシートの搬送方向における長さが第1シートよりも短い場合を示す。 第3シートの供給開始前に第2シートの検知履歴が基準データと異なると判定された場合の供給制御を説明する図(a)~(e)であり、第1シートよりも後のシートの搬送方向における長さが第1シートよりも長い場合を示す。 第3シートの供給開始後に第2シートの検知履歴が基準データと異なると判定された場合の供給制御を説明する図(a)~(c)である。 図9の続きを示す図(a)~(c)である。 制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 図11のフローチャートの続きである。 図12のフローチャートの続きである。 図12のフローチャートの続きである。 図12のフローチャートの続きである。
次に、発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、方向は、図1(a)に示す方向で説明する。すなわち、図1(a)の右側を「前」とし、左側を「後」とし、紙面手前側を「左」とし、紙面奥側を「右」とする。また、図1(a)の上下を「上下」とする。
図1(a)に示すように、箔転写装置1は、箔を含む箔フィルムFにシートSを重ねて、シートSに箔を転写するための装置である。箔転写装置1は、例えば、レーザプリンタなどの画像形成装置によってシートS上に形成されたトナー像の上にアルミニウムなどの箔を転写することで、シートSに箔の画像を形成する。箔転写装置1は、筐体2と、シート搬送部10と、フィルム供給部30と、シート処理部としての転写部50とを備えている。
筐体2は、樹脂などからなり、筐体本体21と、カバー22とを備えている。
筐体本体21は、上部に開口21A(図2参照)を有している。開口21Aは、筐体本体21に後述するフィルムユニットFUを着脱するための開口である。
カバー22は、開口21Aを開閉するための部材である。カバー22の後端部は、筐体本体21に回動可能に支持されている。カバー22は、開口21Aを塞ぐ閉位置と、開口21Aを開放する開位置(図2参照)との間で回動可能である。
シート搬送部10は、シート供給装置11と、シート排出装置12とを備えている。
シート供給装置11は、後述するシートトレイ3上のシートSを1枚ずつ転写部50に供給する装置である。シート供給装置11は、シートトレイ3と、供給ローラの一例としてのピックアップローラ11Aと、リタードローラ11Bと、搬送ローラ11Cとを備えている。
シートトレイ3は、用紙、OHPフィルムなどのシートSがセットされるトレイである。シートトレイ3は、筐体2の後部に設けられている。シートSは、トナー像が形成された面を下向きにしてシートトレイ3上に載置される。
ピックアップローラ11Aは、シートトレイ3にセットされたシートSを転写部50に向けて供給するためのローラである。
リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aによって搬送されるシートSを1枚に分離するためのローラである。リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aの上に配置されている。リタードローラ11Bは、ピックアップローラ11Aで送り出されるシートSの上に重なっているシートSをシートトレイ3に向けて戻す方向に回転可能となっている。
搬送ローラ11Cは、一対のローラからなり、一対のローラの間でシートSを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートSを搬送可能となっている。搬送ローラ11Cは、ピックアップローラ11Aと転写部50との間に配置され、ピックアップローラ11Aで送り出されるシートSを転写部50に搬送する。
シート排出装置12は、転写部50を通過したシートSを筐体2の外部に排出する装置である。シート排出装置12は、中間排出ローラ12Aと、排出ローラ12Bとを備えている。中間排出ローラ12Aおよび排出ローラ12Bは、それぞれ、一対のローラからなり、一対のローラの間でシートSを挟んだ状態で各ローラが回転することで、シートSを搬送可能となっている。
中間排出ローラ12Aは、転写部50から送り出されるシートSを排出ローラ12Bに向けて搬送するためのローラである。中間排出ローラ12Aは、搬送方向において、転写部50の下流に配置されている。なお、以下の説明では、シートSの搬送方向を、単に「搬送方向」ともいう。
排出ローラ12Bは、中間排出ローラ12Aで送り出されるシートSを筐体2の外に向けて排出するためのローラである。排出ローラ12Bは、搬送方向において、中間排出ローラ12Aの下流に配置されている。
フィルム供給部30は、シート供給装置11から搬送されたシートSに重ねるように箔フィルムFを供給する部分である。フィルム供給部30は、フィルムユニットFUと、モータ80を備えている。
フィルムユニットFUは、図2に示すように、筐体本体21に上から着脱可能となっている。フィルムユニットFUは、供給リール31と、巻取リール35と、第1案内軸41と、第2案内軸42と、第3案内軸43とを備えている。フィルムユニットFUの供給リール31には、箔フィルムFが巻回されている。
図1(b)に示すように、箔フィルムFは、支持層F1と、被支持層F2とを有する。
支持層F1は、高分子材料からなるテープ状の透明な基材であり、被支持層F2を支持している。
被支持層F2は、剥離層F21と、転写層F22と、接着層F23とを有する。
剥離層F21は、支持層F1から転写層F22を剥離しやすくするための層であり、支持層F1と転写層F22との間に配置されている。剥離層F21は、支持層F1から剥離しやすい透明な材料、例えば、ワックス系樹脂を含んでいる。
転写層F22は、トナー像に転写される層であり、箔を含んでいる。箔とは、金、銀、銅、アルミニウムなどの薄い金属である。また、転写層F22は、金色、銀色、赤色などの着色材料と、熱可塑性樹脂とを含む。転写層F22は、剥離層F21と接着層F23との間に配置されている。
接着層F23は、転写層F22をトナー像に接着しやすくするための層である。接着層F23は、転写部50によって加熱されたトナー像に付着しやすい材料、例えば、塩化ビニル系樹脂やアクリル系樹脂を含んでいる。
図1(a)に示すように、供給リール31は、樹脂などからなり、箔フィルムFが巻回される供給軸部31Aを有している。供給軸部31Aには、箔フィルムFの一端が固定されている。
巻取リール35は、樹脂などからなり、箔フィルムFを巻き取るための巻取軸部35Aを有している。巻取軸部35Aには、箔フィルムFの他端が固定されている。
なお、図1(a)などにおいては、便宜上、供給リール31および巻取リール35の両方に箔フィルムFが最大に巻回された状態を図示することとする。実際には、フィルムユニットFUが新品の状態においては、供給リール31に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最大となっており、巻取リール35には箔フィルムFが巻回されていない、もしくは、巻取リール35に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最小となっている。また、フィルムユニットFUの寿命時(箔フィルムFを使い切ったとき)においては、巻取リール35に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最大となり、供給リール31には箔フィルムFが巻回されていない、もしくは、供給リール31に巻回されたロール状の箔フィルムFの径は最小となる。
第1案内軸41、第2案内軸42および第3案内軸43は、箔フィルムFの進行方向を変更するためのローラ状の軸である。第1案内軸41、第2案内軸42および第3案内軸43は、SUS(ステンレス鋼)などからなっている。
第1案内軸41は、シートSの搬送方向において、転写部50の上流に位置する。第1案内軸41は、供給リール31から引き出される箔フィルムFの進行方向を、シートSの搬送方向と略平行となるように変更する。第1案内軸41によって案内される箔フィルムFは、被支持層F2(図1(b)参照)を上に向けた状態で、転写部50に向けて搬送される。また、シートSは、被支持層F2が上に向いた状態の箔フィルムFの上に重ねられて、箔フィルムFとともに転写部50に向けて搬送される。
第2案内軸42は、シートSの搬送方向において、転写部50の下流に位置する。第2案内軸42は、転写部50を通過した箔フィルムFの進行方向をシートSの搬送方向とは異なる方向に変更することで、箔フィルムFをシートSから剥離させる。
第3案内軸43は、第2案内軸42によって変更される箔フィルムFの進行方向を規定する部材である。詳しくは、第3案内軸43は、シートSから箔フィルムFを剥離させるときの箔フィルムFの角度である剥離角度を規定している。ここで、剥離角度は、箔フィルムFのうち、第1案内軸41と第2案内軸42の間で張架される部分と、第2案内軸42と第3案内軸43の間で張架される部分とのなす角である。第3案内軸43は、第2案内軸42で案内された箔フィルムFの進行方向を変更して巻取リール35に案内する。
フィルムユニットFUを箔転写装置1に装着した状態において、巻取リール35は、筐体2に設けられたモータ80によって図示反時計回りに回転駆動される。巻取リール35が回転すると、供給リール31に巻回された箔フィルムFが引き出され、引き出された箔フィルムFが各案内軸41~43で案内されて巻取リール35に巻き取られていく。詳しくは、箔転写中において、加圧ローラ51と加熱ローラ61によって箔フィルムFが送り出されることで、供給リール31から箔フィルムFが引き出される。そして、加圧ローラ51と加熱ローラ61から送り出された箔フィルムFが、巻取リール35に巻き取られていく。
転写部50は、シートSに画像を形成するための部分である。詳しくは、転写部50は、シートSと箔フィルムFを重ねた状態で加熱および加圧することで、シートSに形成されたトナー像の上に箔(転写層F22)を転写して、シートSに箔の画像を形成する。転写部50は、加圧ローラ51と、加熱ローラ61と、圧接離間機構70とを備えている。転写部50は、加圧ローラ51と加熱ローラ61のニップ部において、シートSと箔フィルムFを重ねて加熱および加圧する。
加圧ローラ51は、円筒状の芯金の周囲をシリコンゴムからなるゴム層で被覆したローラである。加圧ローラ51は、箔フィルムFの上側に配置され、シートSの裏面(トナー像が形成された面である表面と反対側の面)と接触可能となっている。加圧ローラ51は、両端部がカバー22に回転可能に支持されている。加圧ローラ51は、加熱ローラ61との間でシートSおよび箔フィルムFを挟み、モータ80によって回転駆動されることで加熱ローラ61を従動回転させる。
加熱ローラ61は、円筒状に形成された金属管の内部にヒータHを配置したローラであり、箔フィルムFおよびシートSを加熱している。加熱ローラ61は、箔フィルムFの下側に配置され、箔フィルムFと接触している。加熱ローラ61は、箔フィルムFおよびシートSを加熱する。
圧接離間機構70は、加熱ローラ61および加圧ローラ51のうち一方のローラを、他方のローラに圧接した圧接位置と、他方のローラから離間した離間位置との間で移動させるための機構である。本実施形態において、圧接離間機構70は、加熱ローラ61を、図1に実線で示す圧接位置と、図1に仮想線で示す離間位置との間で移動させる構成となっている。本実施形態において、圧接位置は、加熱ローラ61が加圧ローラ51に圧接した位置であり、離間位置は、加熱ローラ61が加圧ローラ51から離間した位置である。
このように構成された箔転写装置1では、シートSの表面を下向きにしてシートトレイ3に載置されたシートSが、シート供給装置11により1枚ずつ転写部50に向けて搬送される。シートSは、転写部50の搬送方向における上流側で、供給リール31から供給された箔フィルムFと重ねられ、シートSのトナー像と箔フィルムFの被支持層F2とが接触した状態で転写部50に搬送される。
転写部50においては、シートSと箔フィルムFが加圧ローラ51と加熱ローラ61の間のニップ部を通過する際に、加熱ローラ61と加圧ローラ51により加熱および加圧され、トナー像の上に箔(被支持層F2)が転写される。
箔が転写された後、シートSと箔フィルムFは貼り付いた状態で第2案内軸42まで搬送される。シートSと箔フィルムFが第2案内軸42を通過すると、箔フィルムFの搬送方向がシートSの搬送方向と異なる方向に変わるため、シートSから箔フィルムFが剥離、すなわち、トナー像に接着した被支持層F2が、箔フィルムFの支持層F1から剥離される。
シートSから剥離され、シートS上のトナー像に接着した被支持層F2から剥離した支持層F1を含む箔フィルムFは、巻取リール35に巻き取られていく。一方、箔フィルムFが剥離されたシートSは、シート排出装置12によって、箔が転写された表面を下に向けた状態で、筐体2の外部に排出される。
図3に示すように、シート供給装置11は、第1シートセンサの一例としての後端検知センサSS1と、第2シートセンサの一例としての幅検知センサSS2と、セット検知センサSS3と、排出センサSS4と、制御部100(図1参照)とをさらに備えている。後端検知センサSS1および幅検知センサSS2は、「複数のシートセンサ」を構成する。言い換えると、本実施形態では、複数のシートセンサは、後端検知センサSS1と幅検知センサSS2からなる。なお、以下の説明では、シートSの搬送方向に直交する方向であるシートSの幅方向を、単に「幅方向」ともいう。本実施形態において、幅方向は、左右方向に相当する。
後端検知センサSS1および幅検知センサSS2は、シートトレイ3から転写部50に向けて供給されるシートSを検知するためのセンサである。セット検知センサSS3は、シートトレイ3に載置されるシートSを検知するためのセンサである。箔転写装置1では、セット検知センサSS3によりシートトレイ3にシートSが載置されているか否かを検知可能である。排出センサSS4は、転写部50から送り出されるシートSを検知するためのセンサである。
ここで、センサSS1~SS4としては、例えば、シートSが接触することで回動するレバーと、レバーの位置を検知する光センサとからなるセンサを用いることができる。
後端検知センサSS1、幅検知センサSS2およびセット検知センサSS3は、搬送方向において、転写部50の上流に配置されている。また、後端検知センサSS1、幅検知センサSS2および排出センサSS4は、搬送方向において、ピックアップローラ11Aの下流に配置されている。また、排出センサSS4は、搬送方向において、転写部50の下流に配置されている。
詳しくは、後端検知センサSS1および幅検知センサSS2は、搬送方向において、ピックアップローラ11Aと転写部50の間に配置されている。より詳しくは、後端検知センサSS1および幅検知センサSS2は、搬送方向において、ピックアップローラ11Aと搬送ローラ11Cの間に配置されている。
また、後端検知センサSS1は、幅方向において、転写部50の端よりも中央に近い位置に配置されている。具体的には、後端検知センサSS1は、幅方向において、加熱ローラ61の中心C付近に配置されている。
幅検知センサSS2は、搬送方向において、後端検知センサSS1の上流に配置されている。また、幅検知センサSS2は、幅方向において、後端検知センサSS1と異なる位置に配置されている。具体的には、幅検知センサSS2は、幅方向において、後端検知センサSS1よりも転写部50の中央から遠い位置に配置されている。より具体的には、幅検知センサSS2は、幅方向において、加熱ローラ61の中心Cと左端部の間に配置されている。
本実施形態において、箔転写装置1は、レターサイズやA4サイズ、A5サイズなどの定形サイズのシートSを、幅方向における転写部50(加熱ローラ61)の中心Cを搬送中心として搬送するように構成されている。幅検知センサSS2は、一例として、幅方向において、A5サイズ以上の幅のシートSを検知することはできるが、A6サイズ以下の幅のシートSを検知することはできないような位置に配置されている。
セット検知センサSS3は、搬送方向において、後端検知センサSS1および幅検知センサSS2の上流に配置されている。詳しくは、セット検知センサSS3は、搬送方向において、ピックアップローラ11Aの上流に配置されている。具体的には、セット検知センサSS3は、シートトレイ3に設けられている。また、セット検知センサSS3は、幅方向において、加熱ローラ61の中心Cに対し右にずれた位置に配置されている。
排出センサSS4は、搬送方向において、転写部50と排出ローラ12Bの間に配置されている。より詳しくは、排出センサSS4は、搬送方向において、中間排出ローラ12Aと排出ローラ12Bの間に配置されている。また、排出センサSS4は、幅方向において、転写部50の端よりも中央に近い位置に配置されている。具体的には、排出センサSS4は、幅方向において、加熱ローラ61の中心C付近に配置されている。
本実施形態において、センサSS1~SS4は、シートSを検知しているときに検知信号を制御部100に出力し、シートSを検知していないときに非検知信号を制御部100に出力する。このため、制御部100に出力される信号が非検知信号から検知信号に切り替わったときがシートSを検知したときとなり、制御部100に出力される信号が検知信号から非検知信号に切り替わったときがシートSを検知しなくなったときとなる。なお、検知信号と非検知信号は、どちらの電圧が高くても構わない。
制御部100(図1(a)参照)は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを備えており、ROMなどに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。
本実施形態において、制御部100は、シートトレイ3に重ねてセットされた複数のシートSを転写部50に向けて連続して供給する場合、以下で説明するタイミングで、順次、シートSの供給を開始する。なお、以下では、1枚目のシートSをシートS1、2枚目のシートSをシートS2、3枚目のシートSをシートS3、4枚目のシートSをシートS4と表記する。シートS1は、「第1シート」に相当する。
制御部100は、ピックアップローラ11Aを制御して、第1のタイミングで1枚目のシートS(シートS1)の供給を開始する。具体的には、制御部100は、箔転写開始の指令を受信した場合、まず、箔転写準備処理を実行する。制御部100は、箔転写準備処理において、例えば、各ローラ11B,11C,51,12A,12Bを回転させたり、圧接離間機構70を制御して加熱ローラ61を圧接位置に移動させたり、加熱ローラ61のヒータHを制御して転写部50を箔転写のための所定の温度に加熱したりする。そして、図4(a)に示すように、制御部100は、箔転写準備処理が終了したときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS1の供給を開始する。
図5(b)に実線で示すように、制御部100は、シートSの供給を開始してから、センサSS1,SS2のうちの少なくとも1つがシートSを検知しない状態からシートSを検知する状態に切り替わったときに、当該シートSの検知を開始する。具体的には、制御部100は、センサSS1,SS2のうち少なくとも1つの出力信号が非検知信号から検知信号に切り替わったとき(時刻t21)に、当該シートSの検知を開始する。
また、制御部100は、センサSS1,SS2のすべてがシートSを検知する状態からシートSを検知しない状態に切り替わってから、所定時間tpの間、センサSS1,SS2のすべてがシートSを検知しない状態が続いた場合、当該シートSの検知を終了する。具体的には、制御部100は、センサSS1,SS2の出力信号が検知信号から非検知信号に切り替わり、すべてのセンサSS1,SS2の出力信号が非検知信号となった時点(時刻t12)から、所定時間tpの間、センサSS1,SS2から非検知信号が継続して出力された場合、所定時間tpが経過したとき(時刻t3)に、当該シートSの検知を終了する。
制御部100は、センサSS1,SS2によるシートS1の検知が終了した後に、シートS1を基準シートに設定する。
詳しくは、制御部100は、まず、シートSの検知を開始してからシートSの検知を終了するまでの間、センサSS1,SS2の検知結果に基づくシートSの検知履歴を取得する。
本実施形態では、制御部100は、シートSの検知履歴として、センサSS1,SS2の出力信号が、非検知信号から検知信号へ、または、検知信号から非検知信号へ切り替わった時刻t1m,t2mと、出力信号が切り替わった回数mを取得する(mは自然数)。例えば、制御部100は、シートSの検知を開始してから終了するまでの間に、幅検知センサSS2の出力信号が切り替わった時刻t21,t22、幅検知センサSS2の出力信号が切り替わった回数2、後端検知センサSS1の出力信号が切り替わった時刻t11,t12、後端検知センサSS1の出力信号が切り替わった回数2を取得する。
なお、本実施形態において、制御部100は、センサSS1,SS2の出力信号が最初に非検知信号から検知信号に切り替わった時刻(t21)を0とする。
次に、制御部100は、シートSの検知結果に基づいて、シートSの各部、具体的には、センサSS1,SS2の出力信号を切り替えた部分の搬送方向における位置を算出する。詳しくは、図5(a)に示すように、制御部100は、搬送方向における所定の位置を基準とした搬送方向の座標として、座標値yを算出する。
シートSの、後端検知センサSS1の出力信号を切り替えた部分の搬送方向における位置に対応する座標値Y1m、および、シートSの、幅検知センサSS2の出力信号を切り替えた部分の搬送方向における位置に対応する座標値Y2mは、例えば、次の式により算出することができる。
Y1m = t1m × v - D2
Y2m = t2m × v
ここで、vは、箔転写装置1におけるシートSの搬送速度であり、D2は、搬送方向における幅検知センサSS2から後端検知センサSS1までの距離である。
図5(a),(b)に示す例では、制御部100は、時刻t21に対応する座標値Y21、時刻t11に対応する座標値Y11、時刻t22に対応する座標値Y22、および、時刻t12に対応する座標値Y12を算出する。座標値Y11は、座標値Y21と等しく、座標値Y12は、座標値Y22と等しい。本実施形態では、センサSS1,SS2の出力信号が最初に非検知信号から検知信号に切り替わった時刻t21を0としているので、搬送方向の座標の基準(0)となる、搬送方向における所定の位置は、Y21となる。
次に、制御部100は、座標値Y1m,Y2mから、搬送方向における、シートSの先端の位置に対応する測定先端座標値YTと、シートSの後端の位置に対応する測定後端座標値YEを算出する(nは自然数であり、n枚目のシートSであることを示す。)。詳しくは、制御部100は、搬送方向の最も上流に位置する座標値を測定先端座標値YTとし、搬送方向の最も下流に位置する座標値を測定後端座標値YEとする。図5(a)に示す例では、制御部100は、測定先端座標値YTを座標値Y11,Y21とし、測定後端座標値YEを座標値Y12,Y22とする。
なお、制御部100は、このようなシートSの検知履歴の取得と、座標値Y1m,Y2m,YT,YEの算出を、供給が開始されたシートSごとに実行する。以下では、シートS1の測定先端座標値YTをYT1、測定後端座標値YEをYE1と表記し、シートS2の測定先端座標値YTをYT2、測定後端座標値YEをYE2と表記することがある。
制御部100は、シートS1の検知履歴の取得と、座標値Y1m,Y2m,YT1,YE1の算出が終了した後に、シートS1を基準シートに設定する。具体的には、制御部100は、シートS1の測定先端座標値YT1を基準先端座標値YT0に設定し、シートS1の測定後端座標値YE1を基準後端座標値YE0に設定する。そして、制御部100は、設定した基準先端座標値YT0および基準後端座標値YE0と、シートS1の検知履歴(センサSS1,SS2の出力信号が切り替わった時刻t1m,t2mなど)を基準データとして記憶する。
制御部100は、ピックアップローラ11Aを制御して、第2のタイミングで2枚目のシートS(シートS2)の供給を開始する。詳しくは、制御部100は、ピックアップローラ11Aを制御して、センサSS1,SS2によるシートS1の検知が終了した後に、シートS2の供給を開始する。具体的には、図4(b)に示すように、制御部100は、すべてのセンサSS1,SS2の出力信号が非検知信号となった時点から、所定時間tpの間(シートS1が距離D3だけ移動する間)、センサSS1,SS2から非検知信号が継続して出力された場合、所定時間tpが経過したときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS2の供給を開始する。
この場合において、シートS1とシートS2の間隔は、B1となる。B1は、距離D1、距離D2および距離D3の和と略等しい。ここで、D1は、搬送方向におけるシートトレイ3にセットされるシートSの先端、詳しくは、ピックアップローラ11Aとその上に配置されたリタードローラ11Bとの間のニップ部から、センサSS1,SS2のうち最も上流に配置された幅検知センサSS2までの距離である。D3は、ピックアップローラ11Aにより搬送されるシートSが所定時間tpの間に移動する距離である。
制御部100は、シートS2の供給を開始した後、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了する前に、センサSS1,SS2による基準シートとシートS2の検知結果に基づいて、搬送方向における、シートS2の後端の位置と、シートトレイ3にセットされたシートS3の先端の位置とを算出する。詳しくは、図6(a)に示すように、制御部100は、シートS2(S)の供給を開始した後、シートS2がセンサSS1,SS2を通過する前に、シートS2の後端の位置に対応する後端座標値yEと、シートS3(Sn+1)の先端の位置に対応する先端座標値yTn+1とを算出する。
後端座標値yEは、例えば、次の式により算出することができる。
yE = YT + (YE0-YT0)
なお、YTは、シートS2の場合、シートS2の検知履歴から算出した搬送方向におけるシートS2の先端の位置に対応する測定先端座標値YT2である。また、YE0-YT0は、基準シート(シートS1)の検知履歴から算出した搬送方向における基準シートの長さである。
すなわち、本実施形態において、制御部100は、センサSS1,SS2による基準シートの検知結果から算出した搬送方向における基準シートの長さと、センサSS1,SS2によるシートS2の検知結果から算出した搬送方向におけるシートS2の先端の位置とに基づいて、シートS2がセンサSS1,SS2を通過する前に、搬送方向におけるシートS2の後端の位置を算出する。
また、先端座標値yTn+1は、例えば、次の式により算出することができる。
yTn+1 = ySS2 + D1
ここで、ySS2は、搬送方向における幅検知センサSS2の位置に対応する座標値であり、例えば、次の式により算出することができる。
ySS2 = YT + v × t
tは、シートS2(S)の先端が幅検知センサSS2で検知されて、幅検知センサSS2の出力信号が非検知信号から検知信号に切り替わった時点からの経過時間である。
なお、本実施形態の座標系では、yEは経過時間tに応じて変化せず、yTn+1、ySS2が経過時間tに応じて変化する。すなわち、本実施形態の座標系では、実際には移動していないシートS3(Sn+1)およびセンサSS1,SS2が、実際に移動しているシートS2(S)に対し、相対的に移動する。
制御部100は、ピックアップローラ11Aを制御して、第3のタイミングで3枚目のシートS(シートS3)の供給を開始する。詳しくは、制御部100は、ピックアップローラ11Aを制御して、シートS2の後端の位置から、シートトレイ3にセットされたシートS3の先端の位置までの距離が、所定値Ydとなったときに、シートS3の供給を開始する。具体的には、図6(b)に示すように、制御部100は、シートS2の後端座標値yEとシートS3の先端座標値yTn+1との差(yTn+1-yE)が所定値Ydとなったときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS3の供給を開始する。
なお、ここでは、シートS2が「第1シートよりも後の第2シート」に相当し、シートS3が「第2シートの次の第3シート」に相当する。また、シートS2は、「第2シートが第1シートの次のシートである場合」に相当する。
図4(c)に示すように、この場合において、シートS2とシートS3の間隔は、B2となる。B2は、B1よりも短く、所定値Yd(図6(b)参照)と略等しい。B2(所定値Yd)は、搬送方向におけるシートトレイ3にセットされているシートSの先端から幅検知センサSS2までの距離D1よりも小さい。
制御部100は、シートS3の供給を開始した後、シートS3がセンサSS1,SS2を通過する前に、シートS3の後端の位置に対応する後端座標値yEと、シートトレイ3にセットされたシートS4の先端の位置に対応する先端座標値yTn+1とを算出する。そして、図4(d)に示すように、制御部100は、シートS3の後端座標値yEとシートS4の先端座標値yTn+1との差が所定値Ydとなったときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS4の供給を開始する。
この場合において、シートS3とシートS4の間隔は、B2となる。
なお、ここでは、シートS3が「第1シートよりも後の第2シート」に相当し、シートS4が「第2シートの次の第3シート」に相当する。
本実施形態において、制御部100は、シートS2の供給を開始した後、シートS2の検知履歴と、基準シート(シートS1)の検知履歴を含む基準データとを比較する。詳しくは、シートS2によりセンサSS1,SS2の出力信号が切り替わった時刻と、基準シートによりセンサSS1,SS2の出力信号が切り替わった時刻とを比較する。なお、時刻の比較は、センサSS1,SS2の検知誤差の範囲内で同じ時刻であるか否かによって行われる。
制御部100は、シートS3の供給を開始する前に、シートS2の検知履歴が基準データと異なると判定した場合、ピックアップローラ11Aを制御して、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了した後に、シートS3の供給を開始する。詳しくは、制御部100は、シートS3の供給を開始する前に、シートS2の検知履歴が基準記憶と異なると判定した場合、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Ydとなったか否かに関わらず、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了したときにシートS3の供給を開始する。
シートS2の検知履歴が基準データと異なると判定された場合には、シートS2の形状(搬送方向における長さを含む)が基準シートと異なる可能性が高いといえる。
例えば、図7に示すように、シートS2(シートS1よりも後のシートS)の搬送方向における長さが基準シート(シートS1)よりも短い場合について考える。
この場合、図7(a)に示すように、制御部100は、箔転写準備処理が終了したときにピックアップローラ11Aを回転させてシートS1の供給を開始する。また、図7(b)に示すように、制御部100は、シートS1の検知が終了したとき、すなわち、センサSS1,SS2の出力信号がすべて非検知信号となってから、非検知の状態が所定時間tpの間、継続されたときにピックアップローラ11Aを回転させてシートS2の供給を開始する。その後、図7(c)および図5(b)に示すように、基準データによれば、時刻t22で幅検知センサSS2の出力信号が検知信号から非検知信号に切り替わるはずであるのに、二点鎖線で示すように、時刻t22よりも前の時刻t1で幅検知センサSS2の出力信号が検知信号から非検知信号に切り替わり、制御部100は、シートS2の検知履歴が基準記憶と異なると判定する。
この場合、制御部100は、図7(d)に示すように、シートS2の検知が終了した後、すなわち、センサSS1,SS2の出力信号がすべて非検知信号となってから、非検知の状態が所定時間tpの間、継続されたときにピックアップローラ11Aを回転させてシートS3の供給を開始する。
この場合において、図7(d)に仮想線で示すように、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値YdとなったタイミングでシートS3の供給を開始したと仮定した場合、シートS2とシートS3の間隔は、B3となる。一方、本実施形態のように、シートS2の検知が終了したタイミングでシートS3の供給を開始すると、シートS2とシートS3の間隔は、B1であり、B2よりは長くなるが、B3よりは短くなる。
制御部100は、シートS2の検知履歴が基準データと異なると判定した場合、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了した後、シートS2を新たな基準シートに設定する。具体的には、制御部100は、シートS2の測定先端座標値YT2を新たな基準先端座標値YT0に設定し、シートS2の測定後端座標値YE2を新たな基準後端座標値YE0に設定する。そして、制御部100は、新たに設定した基準先端座標値YT0および基準後端座標値YE0と、シートS2の検知履歴を新たな基準データとして記憶する。
すなわち、制御部100は、シートS2の検知履歴が基準データと異なると判定した場合、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了した後に基準データを更新する。なお、この場合、更新後のYE0-YT0(更新後の基準シートの搬送方向における長さ)は、更新前のYE0-YT0(更新前の基準シートの搬送方向における長さ)よりも短くなる。
基準データを更新した後、例えば、図7(e)に示すように、シートS3の次に供給すべきシートS4がある場合、制御部100は、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Ydとなったときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS4の供給を開始する。この場合、シートS3とシートS4の間隔は、B1よりも短いB2となる。
次に、図8に示すように、シートS2(シートS1よりも後のシートS)の搬送方向における長さが基準シート(シートS1)よりも長い場合について考える。詳しくは、図8(b)に示すように、ここでのシートSは、矩形状ではない特殊な形状のシートSであり、後端検知センサSS1により検知される第1部分P1の後端部が、幅検知センサSS2により検知される第2部分P2の後端よりも搬送方向において上流に位置するような形状のシートSである。そして、第1部分P1の搬送方向における長さが基準シート(シートS1)よりも長く、第2部分P2の搬送方向における長さが基準シート(シートS1)よりも短い。
この場合、図8(a)に示すように、制御部100は、箔転写準備処理が終了したときにピックアップローラ11Aを回転させてシートS1の供給を開始する。また、図8(b)に示すように、制御部100は、シートS1の検知が終了したとき、すなわち、センサSS1,SS2の出力信号がすべて非検知信号となってから、非検知の状態が所定時間tpの間、継続されたときにピックアップローラ11Aを回転させてシートS2の供給を開始する。
その後、図8(c)および図5(b)に示すように、基準データによれば、時刻t22で幅検知センサSS2の出力信号が検知信号から非検知信号に切り替わるはずであるのに、一点鎖線で示すように、時刻t22よりも前の時刻t2で幅検知センサSS2の出力信号が検知信号から非検知信号に切り替わり、制御部100は、シートS2の検知履歴が基準記憶と異なると判定する。
この場合、制御部100は、図8(d)に示すように、シートS2の検知が終了した後、すなわち、センサSS1,SS2の出力信号がすべて非検知信号となってから、非検知の状態が所定時間tpの間、継続されたときにピックアップローラ11Aを回転させてシートS3の供給を開始する。
この場合において、仮想線で示すように、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値YdとなったときにシートS3の供給を開始したと仮定した場合、シートS2とシートS3は、シートS2(第1部分P1)の後端部とシートS3の前端部とが重なった状態で搬送される。一方、本実施形態のように、シートS2の検知が終了したタイミングでシートS3の供給を開始すると、シートS2とシートS3の間隔は、B1であり、B2よりは長くなるが、シートS2(第1部分P1)の後端部が後端検知センサSS1を抜けた後にシートS3の供給が開始されることになるので、シートS2の後端部とシートS3の前端部が重なった状態でシートS2とシートS3が搬送されることはない。
制御部100は、シートS2の検知履歴が基準データと異なると判定した場合、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了した後に基準データを更新する。なお、この場合、更新後の基準後端座標値YE0は、シートS2の第1部分P1の後端の位置に対応するので、更新後のYE0-YT0(更新後の基準シートの搬送方向における長さ)は、更新前のYE0-YT0(更新前の基準シートの搬送方向における長さ)よりも長くなる。
基準データを更新した後、例えば、図8(e)に示すように、シートS3の次に供給すべきシートS4がある場合、制御部100は、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Ydとなったときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS4の供給を開始する。この場合、シートS3とシートS4の間隔は、B1よりも短いB2となる。
制御部100は、シートS3の供給を開始した後に、シートS2の検知履歴が基準データと異なると判定した場合、ピックアップローラ11Aを制御して、シートS3の供給を停止する。そして、制御部100は、ピックアップローラ11Aを制御して、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了した後にシートS3の供給を再開する。
具体的には、例えば、図9(a)に示すように、制御部100は、箔転写準備処理が終了したときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS1の供給を開始する。また、図9(b)に示すように、制御部100は、シートS1の検知が終了したとき、すなわち、センサSS1,SS2の出力信号がすべて非検知信号となってから、非検知の状態が所定時間tpの間、継続されたときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS2の供給を開始する。
さらに、図9(c)に示すように、制御部100は、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Ydとなったときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS3の供給を開始する。このとき、シートS2(シートS1よりも後のシートS)の搬送方向における長さが基準シート(シートS1)よりも長い場合、図5(b)に示すように、基準データによれば、時刻t22で幅検知センサSS2の出力信号が切り替わるはずであるのに、破線で示すように、時刻t22になっても幅検知センサSS2の出力信号が切り替わらないので、制御部100は、シートS2の検知履歴が基準記憶と異なると判定する。
シートS2の検知履歴が基準記憶と異なると判定した場合、図10(a)に示すように、制御部100は、ピックアップローラ11Aを停止させ、シートS3の供給を一時的に停止する。なお、シートS3の供給を続けたと仮定した場合、シートS2とシートS3は、シートS2の後端部とシートS3の前端部とが重なった状態で搬送されることとなる。
ピックアップローラ11Aを停止させたとしても、先行するシートS1,S2については、搬送方向においてピックアップローラ11Aの下流に位置する搬送ローラ11C(図3参照)などが回転し続けることにより搬送が継続される。なお、シートS2は、リタードローラ11Bと、停止したピックアップローラ11Aとの間で挟まれた状態であったとしても、搬送ローラ11Cなどの搬送力によってリタードローラ11Bとピックアップローラ11Aとの間から引っ張り出されて搬送される。
その後、図10(b)に示すように、制御部100は、シートS2の検知が終了した後、すなわち、センサSS1,SS2の出力信号がすべて非検知信号となってから、非検知の状態が所定時間tpの間、継続されたときにピックアップローラ11Aを再び回転させ、シートS3の供給を再開する。シートS3は、シートS2の後端部が後端検知センサSS1を抜けた後に供給が再開されることになるので、シートS2の後端部とシートS3の前端部との重なりは解消される。
制御部100は、シートS2の検知履歴が基準データと異なると判定した場合、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了した後に基準データを更新する。なお、この場合、更新後のYE0-YT0(更新後の基準シートの搬送方向における長さ)は、更新前のYE0-YT0(更新前の基準シートの搬送方向における長さ)よりも長くなる。
基準データを更新した後、例えば、図10(c)に示すように、シートS3の次に供給すべきシートS4がある場合、制御部100は、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Ydとなったときにピックアップローラ11Aを回転させ、シートS4の供給を開始する。この場合、シートS3とシートS4の間隔は、B1よりも短いB2となる。
次に、制御部100の動作の一例について、図11~図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図11に示すように、制御部100は、箔転写開始の指令を受信すると、箔転写準備処理を実行する(S11)。箔転写準備処理が終了した後、制御部100は、ピックアップローラ11Aを回転させ、シートS1の供給を開始する(S12)(図4、図7~図9の(a)参照)。
その後、制御部100は、シートS1の供給開始によりセンサSS1,SS2の出力信号が最初に非検知信号から検知信号に切り替わったときにセンサSS1,SS2によるシートS1の検知を開始し(S13,Yes)、シートS1の検知履歴の取得と、座標値yの算出を開始する(S14)。
その後、制御部100は、シートSが後端検知センサSS1を通過してセンサSS1,SS2の出力信号がすべて非検知信号となり、非検知信号の状態が所定時間tp経過したときにシートSの検知を終了する(S15,Yes)。この段階で、シートS1の検知履歴の取得と、座標値Y1m,Y2m,YT1,YE1の算出が終了する。そして、制御部100は、シートS1の検知履歴、測定先端座標値YT1および測定後端座標値YE1を基準データに設定する(S16)。
次に、図12に示すように、制御部100は、セット検知センサSS3が次のシートSを検知しているか否かを判定する(S21)。そして、セット検知センサSS3が次のシートSを検知している場合(S21,Yes)、シートS2がシートトレイ3にセットされているので、制御部100は、ピックアップローラ11Aを回転させ、シートS2の供給を開始する(S22)(図4、図7~図9の(b)参照)。
その後、制御部100は、シートS2の供給開始によりセンサSS1,SS2の出力信号が最初に非検知信号から検知信号に切り替わったときにセンサSS1,SS2によるシートS2の検知を開始し(S23,Yes)、シートS2の検知履歴の取得、シートS2の座標値y(YT2,yEなど)、次のシートSの先端座標値yTn+1の算出を開始する(S24)。また、制御部100は、シートS2の検知履歴と基準データの比較を開始する(S25)。
その後、制御部100は、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Yd以上となったか否かを判定する(S26)。差が所定値Yd未満の場合(S26,No)、制御部100は、シートS2の検知履歴が基準データと異なるか否かを判定する(S27)。シートS2の検知履歴が基準データと同じである場合(S27,No)、制御部100は、ステップS26の処理に戻る。
ステップS26において、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Yd以上となったとき(Yes)、制御部100は、セット検知センサSS3が次のシートSを検知しているか否かを判定する(S31)。そして、セット検知センサSS3が次のシートSを検知している場合(S31,Yes)、シートS3がシートトレイ3にセットされているので、制御部100は、ピックアップローラ11Aを回転させ、シートS3の供給を開始する(S32)(図4および図9の(c)参照)。
その後、制御部100は、シートS2の検知履歴が基準データと異なるか否かを判定する(S33)。シートS2の検知履歴が基準データと同じである場合(S33,No)、制御部100は、シートS2の検知が終了したか否かを判定する(S34)。シートS2の検知が終了していない場合(S34,No)、制御部100は、ステップS33の処理に戻る。
ステップS34において、シートS2の検知が終了した場合(Yes)、制御部100は、ステップS23の処理に戻る。この段階で、シートS2の検知履歴の取得と、座標値Y1m,Y2m,YT2,YE2の算出が終了する。
その後、制御部100は、シートS3について、ステップS23~S25の処理を実行した後、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Yd以上となったときに(S26,Yes)、次のシートSがシートトレイ3にセットされている場合(S31,Yes)、ピックアップローラ11Aを回転させ、シートS4の供給を開始する(S32)(図4(d)参照)。
ステップS27において、シートS3の供給を開始する前に、制御部100がシートS2の検知履歴が基準データと異なると判定した場合(Yes)、シートS2の形状が基準シート(シートS1)と異なり、シートS2の搬送方向における長さが基準シートよりも短い(図7(c)参照)、または、長い(図8(c)参照)。
この場合、図13に示すように、制御部100は、シートS2の検知が終了したか否かを判定する(S41)。シートS2の検知が終了すると(S41,Yes)、シートS2の検知履歴の取得と、座標値Y1m,Y2m,YT2,YE2の算出が終了し、制御部100は、基準データを更新する(S42)。詳しくは、制御部100は、シートS2の検知履歴、測定先端座標値YT2および測定後端座標値YE2を新たな基準データに設定する。
その後、制御部100は、セット検知センサSS3が次のシートSを検知しているか否かを判定する(S43)。そして、セット検知センサSS3が次のシートSを検知している場合(S43,Yes)、制御部100は、ピックアップローラ11Aを回転させ、シートS3の供給を開始する(S44)(図7および図8の(d)参照)。その後、制御部100は、図12のステップS23の処理に戻る。
その後、制御部100は、シートS3について、ステップS23~S25の処理を実行した後、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Yd以上となったときに(S26,Yes)、次のシートSがシートトレイ3にセットされている場合(S31,Yes)、ピックアップローラ11Aを回転させ、シートS4の供給を開始する(S32)(図7および図8の(e)参照)。
ステップS33において、シートS3の供給を開始した後に、制御部100がシートS2の検知履歴が基準データと異なると判定した場合(Yes)、シートS2の形状が基準シート(シートS1)と異なり、シートS2の搬送方向における長さが基準シートよりも長い(図9参照)。
この場合、図14に示すように、制御部100は、ピックアップローラ11Aを停止させ、シートS3の供給を一時的に停止する(S51)(図10(a)参照)。このとき、先行するシートS1,S2については、搬送ローラ11Cなどにより搬送が継続される。
その後、制御部100は、シートS2の検知が終了したか否かを判定する(S52)。シートS2の検知が終了すると(S52,Yes)、シートS2の検知履歴の取得と、座標値Y1m,Y2m,YT2,YE2の算出が終了し、制御部100は、基準データを更新する(S53)。その後、制御部100は、ピックアップローラ11Aを再び回転させ、シートS3の供給を再開する(S54)(図10(b)参照)。その後、制御部100は、図12のステップS23の処理に戻る。
その後、制御部100は、シートS3について、ステップS23~S25の処理を実行した後、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値Yd以上となったときに(S26,Yes)、次のシートSがシートトレイ3にセットされている場合(S31,Yes)、ピックアップローラ11Aを回転させ、シートS4の供給を開始する(S32)(図10(c)参照)。
ステップS21、ステップS31および図13のステップS43において、セット検知センサSS3が次のシートSを検知していない場合(No)、シートSがシートトレイ3に載置されていないので、制御部100は、図15に示すステップS61の処理に進む。ステップS61において、制御部100は、排出センサSS4がシートSを検知しなくなってから第2の所定時間tp2が経過したか否かを判定する。ここで、第2の所定時間tp2は、排出ローラ12Bによって搬送されるシートSが筐体2の外に排出されるのに十分な時間に設定されている。
ステップS61において、第2の所定時間tp2が経過した場合(Yes)、最後のシートSが筐体2の外に排出されているので、制御部100は、箔転写終了処理を実行する(S62)。制御部100は、箔転写終了処理において、例えば、加熱ローラ61のヒータHを制御して転写部50の温度を下げたり、圧接離間機構70を制御して加熱ローラ61を加圧ローラ51から離間する離間位置に移動させたり、各ローラ11B,11C,51,12A,12Bの回転を停止させたりする。箔転写終了処理が終了した後、制御部100は、処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、図4(c),(d)に示すように、センサSS1,SS2による先行するシートの検知が終了したときに次のシートの供給を開始する場合よりも早いタイミングで次のシートS(S3,S4)の供給を開始することができるので、先行するシートSと次のシートSの間隔をB2と短くすることができる。これにより、複数のシートSに連続して箔を転写する場合の印刷速度を短くしたり、箔フィルムFの無駄を減らしたりすることができる。
また、シートS3の供給を開始する前に、シートS2の検知履歴が基準データと異なる場合、シートS2の検知が終了した後にシートS3の供給を開始するので、図7(d)に示すように、シートS2とシートS3の間隔をB1とすることができ、B3のように必要以上に大きくなるのを抑制することができる。また、図8(d)に示すように、シートS2の後端部とシートS3の前端部が重なった状態でシートS2とシートS3が搬送されるのを抑制することができる。
また、シートS3の供給を開始した後に、シートS2の検知履歴が基準データと異なる場合、図10(a)に示すように、シートS3の供給を一時的に停止し、図10(b)に示すように、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了した後にシートS3の供給を再開するので、シートS2の後端部とシートS3の前端部が重なった状態でシートS2とシートS3が搬送されるのを抑制することができる。
また、シートS2の検知履歴が基準データと異なる場合、センサSS1,SS2によるシートS2の検知が終了した後に基準データを更新してシートS2を基準シートに設定するので、図7および図8の(e)や、図10(c)に示すように、シートS4など、シートS3よりも後のシートSについて、形状がシートS2と同じである場合には、先行するシートSとの間隔をB2と短くすることができる。
また、センサSS1,SS2のすべてがシートSを検知する状態から検知しない状態に切り替わってから、所定時間tpの間、センサSS1,SS2のすべてがシートSを検知しない状態が続いた場合、シートSの検知を終了するので、搬送方向におけるシートSの後端の位置の誤検出を抑制することができる。例えば、センサSS1,SS2のすべてがシートSを検知する状態から検知しない状態に切り替わった時点で検知を終了すると、途中に孔や切欠があるような特殊な形状のシートの場合に、当該シートの後端が実際にセンサSS1,SS2を通過する前に検知終了と判定されてしまう可能性があり、後端の位置が誤検出される可能性がある。そこで、所定時間tpだけ待って、センサSS1,SS2によりシートSが検知されない状態が続いた場合にシートSの検知を終了することで、シートSの後端の位置の誤検出を抑制することができる。言い換えれば、シートSの搬送方向における後端の位置の検出精度を向上させることができる。
また、複数のシートセンサが後端検知センサSS1と幅検知センサSS2からなるので、シートセンサが3つ以上の場合と比較して、シートセンサの数を最少としながら、シートSの間隔を短くすることができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
例えば、前記実施形態では、シートS3の供給を開始する前に、シートS2の検知履歴が基準データと異なる場合、シートS2の検知が終了したタイミングでシートS3の供給を開始する構成としたが、これに限定されない。例えば、このような場合でも、後端座標値yEと先端座標値yTn+1との差が所定値YdとなったタイミングでシートS3の供給を開始する構成としてもよい。
また、前記実施形態では、シートS3の供給を開始した後に、シートS2の検知履歴が基準データと異なる場合、シートS3の供給を一時的に停止し、シートS2の検知が終了したタイミングでシートS3の供給を再開する構成としたが、これに限定されない。例えば、このような場合、シートS3の供給を完全に停止してエラーメッセージを報知する構成としてもよい。なお、このような構成とした場合でも、シートS1,S2については搬送を継続し、箔転写や筐体外への排出を完了させる構成とすることが望ましい。
また、前記実施形態では、幅方向において、後端検知センサSS1(第1シートセンサ)が転写部50の端よりも中央に近い位置に配置され、幅検知センサSS2(第2シートセンサ)が後端検知センサSS1よりも転写部50の中央から遠い位置に配置されていたが、これに限定されない。例えば、箔転写装置がシートを転写部の幅方向における一方に寄せて搬送する構成において、第1シートセンサが第2シートセンサよりも転写部の中央から遠い位置に配置され、第2シートセンサが転写部の端よりも中央に近い位置に配置されていてもよい。
また、前記実施形態では、圧接離間機構70が加熱ローラ61を加圧ローラ51に対して移動させる構成であったが、これに限定されず、例えば、加圧ローラを加熱ローラに対して移動させる構成であってもよい。また、転写部は、圧接離間機構を備えない構成であってもよい。
また、前記実施形態では、供給ローラとしてピックアップローラ11Aを例示したが、これに限定されず、例えば、供給ローラは、一対のローラからなるものであってもよい。
また、前記実施形態では、シートSを検知するセンサSS1~SS4として、レバーと、レバーの位置を検知する光センサとからなるセンサを例示したが、これに限定されない。例えば、光センサのみからなるものであってもよい。
また、前記実施形態では、複数のシートセンサとして、後端検知センサSS1(第1シートセンサ)と、幅検知センサSS2(第2シートセンサ)を例示したが、これに限定されない。言い換えると、前記実施形態は、複数のシートセンサが2つであったが、これに限定されない。例えば、複数のシートセンサは、3つ以上であってもよい。
また、前記実施形態では、シートS上のトナー像に箔を転写する箔転写装置1を例示したが、これに限定されない。箔転写装置は、シートに箔を転写するものであればどのようなものであってもよい。
また、前記実施形態では、4つの層を有する箔フィルムFを例示したが、これに限定されず、箔フィルムの層の数はいくつであってもよい。
また、前記実施形態では、シート供給装置11を箔転写装置1に適用したが、これに限定されない。例えば、シート供給装置を、レーザプリンタやインクジェットプリンタ、ドットインパクトプリンタなどの画像形成装置に適用してもよい。この場合、画像形成装置は、シート処理部として、シートに画像を形成する画像形成部を備える。また、シート供給装置を、自動原稿送り装置を備える原稿読取装置に適用してもよい。この場合、原稿読取装置は、シート処理部として、シート(原稿)の画像を読み取る原稿読取部を備える。また、シート供給装置を、原稿読取装置を備える画像形成装置、例えば、複写機や複合機などに適用してもよい。
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
1 箔転写装置
3 シートトレイ
11 シート供給装置
11A ピックアップローラ
50 転写部
100 制御部
F 箔フィルム
S シート
SS1 後端検知センサ
SS2 幅検知センサ

Claims (10)

  1. シートがセットされるシートトレイと、
    前記シートトレイにセットされたシートを、シートに画像を形成する、または、シートの画像を読み取るシート処理部に向けて供給する供給ローラと、
    シートの搬送方向において前記供給ローラの下流に配置され、前記シートトレイから前記シート処理部に向けて供給されるシートを検知する複数のシートセンサであって、前記搬送方向に直交するシートの幅方向において異なる位置に配置された複数のシートセンサと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、複数のシートを連続して供給する場合、
    前記供給ローラを制御して、第1シートの供給を開始し、
    前記複数のシートセンサによる前記第1シートの検知が終了した後に、前記第1シートを基準シートに設定し、
    前記供給ローラを制御して、前記第1シートよりも後の第2シートの供給を開始し、
    前記複数のシートセンサによる前記第2シートの検知が終了する前に、前記複数のシートセンサによる前記基準シートと前記第2シートの検知結果に基づいて、前記搬送方向における、前記第2シートの後端の位置と、前記シートトレイにセットされた、前記第2シートの次の第3シートの先端の位置と、を算出し、
    前記供給ローラを制御して、前記第2シートの後端の位置から前記第3シートの先端の位置までの距離が、前記搬送方向における前記シートトレイにセットされるシートの先端から最も上流に配置されたシートセンサまでの距離よりも小さい所定値となったときに、前記第3シートの供給を開始する
    ことを特徴とするシート供給装置。
  2. 前記制御部は、前記第2シートの供給を開始した後、
    前記複数のシートセンサによる前記第2シートの検知が終了する前に、前記複数のシートセンサによる前記基準シートと前記第2シートの検知結果に基づいて、前記搬送方向における所定の位置を基準とした前記搬送方向の座標として、前記第2シートの後端の位置に対応する後端座標値と、前記第3シートの先端の位置に対応する先端座標値と、を算出し、
    前記供給ローラを制御して、前記後端座標値と前記先端座標値との差が前記所定値となったときに、前記第3シートの供給を開始する
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート供給装置。
  3. 前記制御部は、前記複数のシートセンサによる前記基準シートの検知結果から算出した前記搬送方向における前記基準シートの長さと、前記複数のシートセンサによる前記第2シートの検知結果から算出した前記搬送方向における前記第2シートの先端の位置とに基づいて、前記搬送方向における前記第2シートの後端の位置を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート供給装置。
  4. 前記制御部は、前記第2シートが前記第1シートの次のシートである場合、前記供給ローラを制御して、前記複数のシートセンサによる前記第1シートの検知が終了した後に、前記第2シートの供給を開始することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート供給装置。
  5. 前記制御部は、前記第3シートの供給を開始する前に、前記複数のシートセンサの検知結果に基づく前記第2シートの検知履歴が、前記複数のシートセンサの検知結果に基づく前記基準シートの検知履歴と異なると判定した場合、前記供給ローラを制御して、前記複数のシートセンサによる前記第2シートの検知が終了した後に、前記第3シートの供給を開始することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート供給装置。
  6. 前記制御部は、前記第3シートの供給を開始した後に、前記複数のシートセンサの検知結果に基づく前記第2シートの検知履歴が、前記複数のシートセンサの検知結果に基づく前記基準シートの検知履歴と異なると判定した場合、前記供給ローラを制御して、前記第3シートの供給を停止し、前記複数のシートセンサによる前記第2シートの検知が終了した後に前記第3シートの供給を再開することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシート供給装置。
  7. 前記制御部は、前記複数のシートセンサの検知結果に基づく前記第2シートの検知履歴が、前記複数のシートセンサの検知結果に基づく前記基準シートの検知履歴と異なると判定した場合、前記複数のシートセンサによる前記第2シートの検知が終了した後、前記第2シートを前記基準シートに設定することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のシート供給装置。
  8. 前記制御部は、前記複数のシートセンサのすべてがシートを検知する状態からシートを検知しない状態に切り替わってから、所定時間、前記複数のシートセンサのすべてがシートを検知しない状態が続いた場合、シートの検知を終了することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のシート供給装置。
  9. 前記複数のシートセンサは、第1シートセンサと、前記搬送方向において前記第1シートセンサの上流に配置された第2シートセンサからなることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のシート供給装置。
  10. 箔を含む箔フィルムにシートを重ねて、シートに箔を転写する箔転写装置であって、
    前記シート処理部としての、シートに箔を転写する転写部と、
    シートを前記転写部に供給する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシート供給装置と、を備えることを特徴とする箔転写装置。
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