JP2022098237A - 液体吐出ヘッドの製造方法および記録素子基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】リード配線部と端子を接合するのに必要な熱エネルギーを効率よく供給する。【解決手段】記録素子基板101と、一面にリード配線部122を備えた電気配線基板102と、を有し、記録素子基板101は、吐出口形成部材111と、吐出口形成部材111を支持する支持面110aを備えた支持基板110と、支持面110aに、リード配線部122と電気的に接続される端子113とを有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、リード配線部122を端子113に当接させた状態で、支持基板110の所定の部位を加熱しながら、電気配線基板102の側から、リード配線部122と端子113との当接部分を加圧することを含む。所定の部位と端子113の間の距離dが、所定の部位と吐出口形成部材111の間の距離Dよりも短い。【選択図】図1
Description
本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
液体吐出ヘッドは、液体を吐出する記録素子基板と、この記録素子基板と電気的に接続される電気配線基板と、これら記録素子基板および電気配線基板を支持する支持部材と、を有する。記録素子基板は、複数の吐出口が形成された吐出口形成部材と、この吐出口形成部材を支持する支持面を備えた支持基板とを備える。リード配線部が電気配線基板の一面に形成されている。支持基板の支持面には、リード配線部と電気的に接続される端子が形成されている。
上記液体吐出ヘッドの製造方法において、リード配線部が端子に当接するように電気配線基板と記録素子基板を配置する。電気配線基板側から加熱し、加圧することで、リード配線部と端子を接合する。特許文献1には、加熱および加圧に加えて、超音波を併用することで、リード配線部と端子を接合する方法が記載されている。
上記液体吐出ヘッドの製造方法において、リード配線部が端子に当接するように電気配線基板と記録素子基板を配置する。電気配線基板側から加熱し、加圧することで、リード配線部と端子を接合する。特許文献1には、加熱および加圧に加えて、超音波を併用することで、リード配線部と端子を接合する方法が記載されている。
しかしながら、上述した接合方法では、記録素子基板に比べて熱伝導率が低い電気配線基板側から加熱するため、リード配線部と端子を接合するのに十分な熱エネルギーを与えるには、非常に高い温度で長時間かけて加熱する必要がある。このため、接合に要する時間が増大し、製造効率が低下する場合がある。
なお、吐出口形成部材は高温に耐えられるようには設計されていないため、記録素子基板を直接に加熱すると、熱により吐出口がダメージを受け、吐出口の形状が変化する場合がある。
なお、吐出口形成部材は高温に耐えられるようには設計されていないため、記録素子基板を直接に加熱すると、熱により吐出口がダメージを受け、吐出口の形状が変化する場合がある。
本発明の目的は、上記問題を解決し、リード配線部と端子を接合するのに必要な熱エネルギーを効率よく供給することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、液体を吐出する記録素子基板と、一面にリード配線部を備えた電気配線基板と、を有し、上記記録素子基板は、複数の吐出口を備えた吐出口形成部材と、該吐出口形成部材を支持する支持面を備えた支持基板と、上記支持面に形成された、上記リード配線部と電気的に接続される端子とを有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、上記リード配線部を上記端子に当接させた状態で、上記支持基板の所定の部位を加熱しながら、上記電気配線基板側から、上記リード配線部と上記端子との当接部分を加圧することを含む。上記所定の部位と上記端子の間の距離が、上記所定の部位と上記吐出口形成部材の間の距離よりも短い。
本発明によれば、電気配線基板のリード配線部と記録素子基板の端子を接合するのに必要な熱エネルギーを効率よく供給することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の製造方法を適用する液体吐出ヘッドの構成を説明する。
図2(a)は、液体吐出ヘッドの構成を模式的に示す斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示す液体吐出ヘッドの一部を分解した分解斜視図である。図2(a)および図2(b)を参照すると、液体吐出ヘッド100は、インク等の液体を吐出する記録素子基板101と、一面にリード配線部を備えた電気配線基板102と、記録素子基板101および電気配線基板102を支持する支持部材103を有する。ここで、電気配線基板102の支持部材103によって支持される側の面は、リード配線部が形成される「一面」の一例である。
まず、本発明の製造方法を適用する液体吐出ヘッドの構成を説明する。
図2(a)は、液体吐出ヘッドの構成を模式的に示す斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示す液体吐出ヘッドの一部を分解した分解斜視図である。図2(a)および図2(b)を参照すると、液体吐出ヘッド100は、インク等の液体を吐出する記録素子基板101と、一面にリード配線部を備えた電気配線基板102と、記録素子基板101および電気配線基板102を支持する支持部材103を有する。ここで、電気配線基板102の支持部材103によって支持される側の面は、リード配線部が形成される「一面」の一例である。
支持部材103は、記録素子基板101を支持する支持部104と、電気配線基板102を支持する支持部105と、記録素子基板101に液体を供給するための流路105と、を有する。支持部104は、記録素子基板101の全体を支持可能な大きさである。支持部105は、支持部104の周りに一段高く設けられている。支持部材103の材料には、例えば、樹脂材料や、Al2O3に代表されるセラミック材料等を用いることが可能である。本実施形態では、支持部材103の材料に変性PPE(Polyphenyleneether)を用いる。モールド成形により、支持部材103が形成される。
図3は、記録素子基板101の構成を説明するための図である。図3(a)は、記録素子基板101の斜視図である。図3(b)は、電気配線基板102と接合される側から見た場合の記録素子基板101の一部を示す拡大図である。図3(c)は、支持部材103と接合される側から見た場合の記録素子基板101の一部を示す拡大図である。
図3(a)および図3(b)に示すように、記録素子基板101は、Siを主成分とする支持基板110と吐出口形成部材111を有する。吐出口形成部材111は、液体を吐出する複数の吐出口115を有する。これら吐出口115は、複数の列を構成している。
図3(a)および図3(b)に示すように、記録素子基板101は、Siを主成分とする支持基板110と吐出口形成部材111を有する。吐出口形成部材111は、液体を吐出する複数の吐出口115を有する。これら吐出口115は、複数の列を構成している。
支持基板110は、吐出口形成部材11を支持する支持面110aを備え、この支持面110aには、電気配線基板102のリード配線部と電気的に接続される複数の端子113が形成されている。複数の端子113が、吐出口115の列方向の両端部に沿って配置されている。吐出口115の列方向は、支持基板110の長手方向に一致する。支持基板110の厚さは、例えば、0.6mm~0.8mmである。
支持基板110には、液体を吐出するための圧力発生素子112が吐出口115毎に設けられ、さらに、圧力発生素子112に電気信号を送るためのAl等からなる電気配線(不図示)が設けられている。この電気配線は、端子113に電気的に接続されている。端子113は、電気配線基板102を介して供給される駆動信号(駆動電力)を、電気配線を介して圧力発生素子112に供給する。圧力発生素子112は、駆動信号を受けて発熱し、液体を加熱する。液体を加熱することで、気泡が発生する。気泡が発生する際に生じる圧力を利用して、液滴が吐出口115から吐出される。
また、支持基板110には、圧力発生素子112の近傍に液体を供給するための液体供給口114が設けられている。液体供給口114は、支持基板110を貫通する貫通口である。Siの結晶方位を利用した異方性エッチングで、液体供給口114を形成することができる。エッチング液として、例えばTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)やKOH(水酸化カリウム)等の強アルカリ溶液を用いることができる。端子113の表面には、Au層が形成されている。このAu層の形成には、例えば、メッキが用いられる。
吐出口形成部材111は、その端部が端子113と隣接するように支持基板110に接合されている。吐出口形成部材111は、以下の手順で作製される。
先ず、支持基板110上に、溶解可能な樹脂を塗布して、液体の流路となる型材を形成する。例えば、ポジ型フォトレジスト(ODUR、東京応化工業株式会社製)をスピンコートにより塗布した後、露光、現像を行って、流路パターンを形成する。次に、吐出口形成部材111となる材料をスピンコートにより塗布する。吐出口形成部材111の材料には、高い機械的強度、下地との密着性、液体に対する耐性などの他、吐出口115の微細なパターンを形成するための解像性が求められる。これらの特性を満足する材料としては、例えばカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物や、含ブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物が挙げられる。また、フェノールノボラック或いはo-クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物が挙げられる。エポキシ樹脂は、エポキシ当量が2000以下であることが好ましく、エポキシ当量が1000以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂を硬化させるための光カチオン重合開始剤としては、光照射により酸を発生する化合物が挙げられる。例えば、芳香族スルフォニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が挙げられる。また、必要に応じて、波長増感剤を添加してもよい。波長増感剤としては、例えば株式会社ADEKAより市販されているSP-100が挙げられる。
先ず、支持基板110上に、溶解可能な樹脂を塗布して、液体の流路となる型材を形成する。例えば、ポジ型フォトレジスト(ODUR、東京応化工業株式会社製)をスピンコートにより塗布した後、露光、現像を行って、流路パターンを形成する。次に、吐出口形成部材111となる材料をスピンコートにより塗布する。吐出口形成部材111の材料には、高い機械的強度、下地との密着性、液体に対する耐性などの他、吐出口115の微細なパターンを形成するための解像性が求められる。これらの特性を満足する材料としては、例えばカチオン重合型のエポキシ樹脂組成物が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物や、含ブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物が挙げられる。また、フェノールノボラック或いはo-クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物が挙げられる。エポキシ樹脂は、エポキシ当量が2000以下であることが好ましく、エポキシ当量が1000以下であることがより好ましい。エポキシ樹脂を硬化させるための光カチオン重合開始剤としては、光照射により酸を発生する化合物が挙げられる。例えば、芳香族スルフォニウム塩や芳香族ヨードニウム塩が挙げられる。また、必要に応じて、波長増感剤を添加してもよい。波長増感剤としては、例えば株式会社ADEKAより市販されているSP-100が挙げられる。
次に、吐出口形成部材111の材料を塗布した部分に、フォトマスクを介して露光を行った後、露光が行われなかった領域を現像液で除去することにより吐出口115等のパターンを形成する。最後に、型材を液体供給口114や吐出口115から溶出させて、吐出口形成部材111を形成する。
図3(a)および図3(c)に示すように、支持基板110の長手方向の両端部には、段差部116が設けられている。段差部116は、端子113の列方向に対して並行に形成されている。段差部116は、端子113と電気配線基板102のリード配線部とを接合する際に加熱する所定の部位の一例である。液体供給口114の形成と同様に、異方性エッチングを用いて段差部116を形成することができる。
段差部116は、支持面110aとは反対側の面に設けられている。段差部116は、吐出口形成部材111よりも端子113に近い。支持基板110の段差部116の部分の厚さは、支持基板110の端子113が形成された部分の厚さよりも薄い。
図3(a)および図3(c)に示すように、支持基板110の長手方向の両端部には、段差部116が設けられている。段差部116は、端子113の列方向に対して並行に形成されている。段差部116は、端子113と電気配線基板102のリード配線部とを接合する際に加熱する所定の部位の一例である。液体供給口114の形成と同様に、異方性エッチングを用いて段差部116を形成することができる。
段差部116は、支持面110aとは反対側の面に設けられている。段差部116は、吐出口形成部材111よりも端子113に近い。支持基板110の段差部116の部分の厚さは、支持基板110の端子113が形成された部分の厚さよりも薄い。
図4は、電気配線基板102の構成を説明するための図である。図4(a)は、電気配線基板102の部分拡大図で、図4(b)は図4(a)のA-A断面図である。
図4(a)および図4(b)に示すように、電気配線基板102は、ベースフィルム120と、ベースフィルム120に支持固定されたリード配線部122を有する。ベースフィルム120は、例えばポリイミドフィルム(PIフィルム)などの折り曲げが可能な絶縁性有機樹脂よりなる。ベースフィルム120には、記録素子基板101の吐出口115の列を露出するためのデバイスホール121が設けられている。
ベースフィルム120の一面は、リード配線部122の全体を覆うように構成されている。ベースフィルム120のもう一方の面には、複数の接続パッド123が形成されている。これら接続パッド123には、液体吐出ヘッドを搭載する記録装置本体側から電気信号が供給される。ベースフィルム120の一面は、リード配線部122が形成される電気配線基板102の「一面」の一例である。
図4(a)および図4(b)に示すように、電気配線基板102は、ベースフィルム120と、ベースフィルム120に支持固定されたリード配線部122を有する。ベースフィルム120は、例えばポリイミドフィルム(PIフィルム)などの折り曲げが可能な絶縁性有機樹脂よりなる。ベースフィルム120には、記録素子基板101の吐出口115の列を露出するためのデバイスホール121が設けられている。
ベースフィルム120の一面は、リード配線部122の全体を覆うように構成されている。ベースフィルム120のもう一方の面には、複数の接続パッド123が形成されている。これら接続パッド123には、液体吐出ヘッドを搭載する記録装置本体側から電気信号が供給される。ベースフィルム120の一面は、リード配線部122が形成される電気配線基板102の「一面」の一例である。
リード配線部122は、デバイスホール121の縁部からベースフィルム120の一端まで延在する。リード配線部122の全体が、ベースフィルム120に支持固定されている。リード配線部122の端部は、デバイスホール121内に突出していない。リード配線部122のデバイスホール121側の端部は、記録素子基板102の端子113と電気的に接続される接続部として役割を果たす。このようなベースフィルム120に固定されたリード配線部122を端子113と接合する方式は、チップオンフィルム方式(COF方式)と呼ばれている。
リード配線部122のもう一方の端部は、接続パッド123に電気的に接続されている。リード配線部122は、接続パッド123毎に設けられている。記録装置本体から接続パッド123およびリード配線部122を介して記録素子基板101へ駆動信号(駆動電力)を供給することが可能である。
なお、リード配線部122の材料としては、Al等の金属配線(導電性部材)を用いることができる。本実施形態では、リード配線部122の主成分をCuとした。リード配線部122の端子113との接続部には、Niメッキを施し、さらにその上にAuメッキ層を形成した。ガラス固化温度が60℃~70℃程度のエポキシを主成分とした接着剤を用いて、リード配線部122がベースフィルム120に固定されている。
なお、リード配線部122の材料としては、Al等の金属配線(導電性部材)を用いることができる。本実施形態では、リード配線部122の主成分をCuとした。リード配線部122の端子113との接続部には、Niメッキを施し、さらにその上にAuメッキ層を形成した。ガラス固化温度が60℃~70℃程度のエポキシを主成分とした接着剤を用いて、リード配線部122がベースフィルム120に固定されている。
次に、本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法について説明する。
本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法は、電気配線基板102のリード配線部122と記録素子基板101の端子113とを接合する接合工程を含む。
接合工程を実施するにあたり、リード配線部122が端子113に当接するように、電気配線基板102および記録素子基板101を配置する。図5に、電気配線基板102および記録素子基板101の配置を模式的に示す。記録素子基板101には、アライメント用のマーク131が設けられ、電気配線基板102には、アライメント用のマーク132が設けられている。これらマーク131、132が所定の位置関係になるように、電気配線基板102および記録素子基板101が配置される。吸引により吸着する機能を備えた固定台を用いて、電気配線基板102および記録素子基板101をそれぞれ任意の位置に移動することが可能である。
本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法は、電気配線基板102のリード配線部122と記録素子基板101の端子113とを接合する接合工程を含む。
接合工程を実施するにあたり、リード配線部122が端子113に当接するように、電気配線基板102および記録素子基板101を配置する。図5に、電気配線基板102および記録素子基板101の配置を模式的に示す。記録素子基板101には、アライメント用のマーク131が設けられ、電気配線基板102には、アライメント用のマーク132が設けられている。これらマーク131、132が所定の位置関係になるように、電気配線基板102および記録素子基板101が配置される。吸引により吸着する機能を備えた固定台を用いて、電気配線基板102および記録素子基板101をそれぞれ任意の位置に移動することが可能である。
以下、接合工程の手順を詳細に説明する。
図1は、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法の接合手順を説明するための工程図である。図1(a)~図1(e)は、図5のA-A断面の構造に基づく接合手順を示す工程図である。
まず、図1(a)に示すように、リード配線部122と端子113が互いに対向するように、記録素子基板101と電気配線基板102を所定の位置に配置する。このとき、デバイスホール121から吐出口形成部材111が露出するように、マーク131、132に基づく位置決めを行う。
次に、図1(b)に示すように、リード配線部122を端子113に当接する。
図1は、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法の接合手順を説明するための工程図である。図1(a)~図1(e)は、図5のA-A断面の構造に基づく接合手順を示す工程図である。
まず、図1(a)に示すように、リード配線部122と端子113が互いに対向するように、記録素子基板101と電気配線基板102を所定の位置に配置する。このとき、デバイスホール121から吐出口形成部材111が露出するように、マーク131、132に基づく位置決めを行う。
次に、図1(b)に示すように、リード配線部122を端子113に当接する。
次に、図1(c)に示すように、加熱ツール200を記録素子基板101の段差部116に当接させて加熱する。加熱ツール200は、Cuを主成分とする耐酸化コーティングを施した表面を備え、内部にはヒータが設けられている。段差部116と端子113との間の距離dは、段差部116と吐出口形成部材111との間の距離Dより小さい。本実施形態では、垂直方向(支持基板110の厚み方向)における、段差部116の加熱される面(加熱部)から端子113までの距離をdとした。また、水平方向(支持基板110の長手方向)における、段差部116の加熱部から吐出口形成部材111までの距離をDとした。なお、距離dおよび距離Dは、熱エネルギーの伝達距離を示すことができるのであれば、どのように定義しても良い。例えば、段差部116の加熱部と端子113との間の直線的な距離でdを定義し、段差部116の加熱部と吐出口形成部材111との間の直線的な距離でDを定義してもよい。加熱ツール200の温度は、例えば400℃~500℃である。距離dは例えば0.2mmで、距離Dは例えば0.4mmである。
また、支持基板110において、加熱ツール200から供給された熱エネルギーは、肉薄の段差部116を介して端子113の側へ供給される。加熱する部位を肉薄にしたことで、熱拡散する領域を制限することができる。よって、端子113とリード配線部122との当接部分を効率的に加熱することができる。これに対して、肉薄の段差部116を有していない、一定の厚さの支持基板の場合は、熱拡散する領域が広いため、端子113とリード配線部122との当接部分を加熱する効率が低下する。
上記の距離dおよび距離Dは、支持基板110の熱拡散率に基づき、熱により吐出口115がダメージを受けることが無いように適宜に決定することが好ましい。
また、支持基板110において、加熱ツール200から供給された熱エネルギーは、肉薄の段差部116を介して端子113の側へ供給される。加熱する部位を肉薄にしたことで、熱拡散する領域を制限することができる。よって、端子113とリード配線部122との当接部分を効率的に加熱することができる。これに対して、肉薄の段差部116を有していない、一定の厚さの支持基板の場合は、熱拡散する領域が広いため、端子113とリード配線部122との当接部分を加熱する効率が低下する。
上記の距離dおよび距離Dは、支持基板110の熱拡散率に基づき、熱により吐出口115がダメージを受けることが無いように適宜に決定することが好ましい。
次に、図1(d)に示すように、電気配線基板102の側から加圧ツール201で端子113とリード配線部122との当接部分を加圧する。加圧ツール201は、ベースフィルム120の面に垂直な方向に移動可能であり、一定の荷重(圧力)を端子113とリード配線部122との当接部分に加えることができる。荷重(圧力)は、例えば、10N~20Nである。
加熱された状態の端子113とリード配線部122との当接部分を加圧することで、端子113とリード配線部122の互いのAu層が潰れ、その結果、端子113とリード配線部122が電気的に接続される。
加熱された状態の端子113とリード配線部122との当接部分を加圧することで、端子113とリード配線部122の互いのAu層が潰れ、その結果、端子113とリード配線部122が電気的に接続される。
加圧ツール201の幅lは、入力端子113の幅Lより狭い。ここで、幅lおよび幅Lは、支持基板110の長手方向(吐出口115の列方向)の幅である。幅lは例えば0.1mmであり、幅Lは例えば0.2mmである。このように幅lを幅Lより狭くすることで、他の部分よりも厚さが薄い段差部116に圧力が伝わることを抑制することができる。その結果、加圧によって記録素子基板101が割れることを防止できる。
図1(e)に示した状態が、端子113とリード配線部122が電気的に接続された状態である。
図1(e)に示した状態が、端子113とリード配線部122が電気的に接続された状態である。
上述した接合工程を実施した後、封止工程が実施される。
図6は、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法の封止手順を説明するための工程図である。図6(a)および図6(b)は、図5のA-A断面の構造に基づく封止手順を示す工程図である。
まず、図6(a)に示すように、吐出口形成部材111とベースフィルム120との隙間から封止材106を供給して、端子113とリード破線部122との接合部分を封止する。
図6は、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法の封止手順を説明するための工程図である。図6(a)および図6(b)は、図5のA-A断面の構造に基づく封止手順を示す工程図である。
まず、図6(a)に示すように、吐出口形成部材111とベースフィルム120との隙間から封止材106を供給して、端子113とリード破線部122との接合部分を封止する。
封止材106は、吐出口形成部材111側から、複数のリード配線部122と支持基板110とで構成された空間(隙間)を通って、支持基板110の端部側へ流動する。この封止材106の流動により、図6(b)に示すように、端子113とリード破線部122との接合部分の露出した面全体を封止材106で覆うことができる。封止材106には、流動性の高いエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化型封止材を用いることが好ましい。エポキシ樹脂の粘度は、例えば1Pa・s~5Pa・s(25℃、100回転)である。また、チクソ指数は、例えば0.5~1.5(10/100回転)であり、ゲル化時間は、例えば50秒~200秒である。
最後に、封止材106を硬化させることで、記録素子基板101と電気配線基板102とをより強固に接合する。
最後に、封止材106を硬化させることで、記録素子基板101と電気配線基板102とをより強固に接合する。
上述した封止工程を実施後、記録素子基板101と電気配線基板102を支持部材103に接合する。図7に、記録素子基板101と電気配線基板102を支持部材103に接合した状態を示す。図7に示す構造は、図2(a)のA-A断面の構造に対応する。
図7に示すように、接着剤107を用いて記録素子基板101を支持部材103に固定し、接着剤108を用いて電気配線基板102を支持部材103に固定する。接着剤107、108としては、液体への耐性を有するものが好ましい。本実施形態では、エポキシ樹脂を主成分とした接着剤107、108を用いた。
図7に示すように、接着剤107を用いて記録素子基板101を支持部材103に固定し、接着剤108を用いて電気配線基板102を支持部材103に固定する。接着剤107、108としては、液体への耐性を有するものが好ましい。本実施形態では、エポキシ樹脂を主成分とした接着剤107、108を用いた。
エアーディスペンサーを用いて、記録素子基板101の支持部104の所定個所に接着剤107を塗布する。転写方式により、録素子基板101の支持部105の全面に接着剤108を塗布する。接着剤107と接着剤108を塗布した後、記録素子基板101と電気配線基板102とを支持部材103の所定の位置に張り合わせる。その後、100℃以上の温度で接着剤107と接着剤108を硬化させる。なお、接着剤107、108の硬化と上述した封止材106の硬化とを一つの工程で行ってもよい。
上記硬化工程を経て、図2(a)に示した液体吐出ヘッド100を得る。
上記硬化工程を経て、図2(a)に示した液体吐出ヘッド100を得る。
以上説明した本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法によれば、接合工程において、電気配線基板102のリード配線部122と記録素子基板101の端子113を接合するのに必要な熱エネルギーを効率よく供給することができる。
例えば、図1(a)~図1(e)に示した工程において、記録素子基板101の段差部116を直接に加熱する。したがって、電気配線基板102を介して記録素子基板101を加熱する場合と比較して、リード配線部122と端子113との当接部分を効率よく加熱することができる。
例えば、図1(a)~図1(e)に示した工程において、記録素子基板101の段差部116を直接に加熱する。したがって、電気配線基板102を介して記録素子基板101を加熱する場合と比較して、リード配線部122と端子113との当接部分を効率よく加熱することができる。
また、段差部116と端子113との間の距離dは、段差部116と吐出口形成部材111との間の距離Dより小さいので、加熱ツール200から供給された熱エネルギーは、吐出口形成部材111に伝わる前に、端子113に伝わる。よって、端子113のAu層とリード配線部122のAu層を効率よく加熱でき、熱により吐出口115がダメージを受けることを抑制できる。
特に、段差部116を吐出口形成部材111よりも端子113に近い位置に配置することで、リード配線部122と端子113との当接部分をより効率よく加熱することができる。
特に、段差部116を吐出口形成部材111よりも端子113に近い位置に配置することで、リード配線部122と端子113との当接部分をより効率よく加熱することができる。
また、端子113は、支持基板110の端部と吐出口形成部材111との間に位置する。より具体的には、端子113は、加熱部位(所定の部位)である段差部116と吐出口形成部材111との間に位置する。この配置によれば、段差部116と吐出口形成部材111との距離を十分にとることができるので、熱による吐出口115のダメージを抑制する効果がさらに向上する。
さらに、段差部116は、支持面110aとは反対側の面に設けられている。この配置によれば、加熱ツール200と加圧ツール201とで、リード配線部122と端子113との当接部分の近傍を挟むことができるので、加圧時の応力によって生じる記録素子基板101の変形を抑制することができる。
さらに、段差部116は、支持面110aとは反対側の面に設けられている。この配置によれば、加熱ツール200と加圧ツール201とで、リード配線部122と端子113との当接部分の近傍を挟むことができるので、加圧時の応力によって生じる記録素子基板101の変形を抑制することができる。
支持基板110の段差部116の厚さは、支持基板110の端子113が形成された部分の厚さよりも薄い。この肉薄の段差部116を加熱部位とすることで、熱拡散する領域を制限する。これにより、リード配線部122と端子113との当接部分をより効率よく加熱することができる。
段差部116を異方性エッチングで形成することができるので、機械加工等が不要であり、製造工数の増加を抑制することができる。
段差部116を異方性エッチングで形成することができるので、機械加工等が不要であり、製造工数の増加を抑制することができる。
また、段差部116は支持基板110の長手方向の端部に位置し、電気配線基板102のリード配線部122が形成された面とは反対側の面に一定の荷重を加える。この荷重を加える領域の上記長手方向の幅(加圧ツール201の幅lと同じ)は、端子の上記長手方向の幅Lよりも小さい。この構成によれば、肉薄の段差部116には圧力は伝わらないので、加圧時に記録素子基板101が割れることを抑制することができる。
なお、端子113および段差部116は、支持基板110の両端部に形成されている。図1(a)~図1(e)に示した工程において、一方の端部の端子113を電気配線基板102のリード配線部122に当接し、もう一方の端部の端子113を別の電気配線基板102のリード配線部122に当接する。両端部の端子113を同時にリード配線部122と接合しても良い。この場合は、加熱ツール200と加圧ツール201をそれぞれ各端部に配置する。また、一方の端部の端子113をリード配線部122と接合した後に、他方の端部の端子113をリード配線部122と接合しても良い。この場合は、加熱ツール200と加圧ツール201はいずれも1つで良い。
なお、端子113および段差部116は、支持基板110の両端部に形成されている。図1(a)~図1(e)に示した工程において、一方の端部の端子113を電気配線基板102のリード配線部122に当接し、もう一方の端部の端子113を別の電気配線基板102のリード配線部122に当接する。両端部の端子113を同時にリード配線部122と接合しても良い。この場合は、加熱ツール200と加圧ツール201をそれぞれ各端部に配置する。また、一方の端部の端子113をリード配線部122と接合した後に、他方の端部の端子113をリード配線部122と接合しても良い。この場合は、加熱ツール200と加圧ツール201はいずれも1つで良い。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法について説明する。
本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法は、電気配線基板102のリード配線部122と記録素子基板101の端子113とを接合する接合工程を含むが、加熱する部位(所定の部位)が第1の実施形態と異なる。以下では、説明の重複を避けるために、第1の実施形態と同じ構成についての説明は省略する。
次に、本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法について説明する。
本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法は、電気配線基板102のリード配線部122と記録素子基板101の端子113とを接合する接合工程を含むが、加熱する部位(所定の部位)が第1の実施形態と異なる。以下では、説明の重複を避けるために、第1の実施形態と同じ構成についての説明は省略する。
図8は、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法で使用する記録素子基板101の構成を説明するための図である。記録素子基板101は、支持基板110と吐出口形成部材111および端子113を有する。吐出口形成部材111および端子113は、第1の実施形態で説明したものと同じである。支持基板110は、少なくとも端子113から端部までの部分の厚さが一定とされ、段差部116を有していない点で、第1の実施形態と異なる。
端面117は、端子113とリード配線部112とを接合する際に加熱する所定の部位の一例である。端面117は、支持基板110の長手方向の両端部に位置する。端面117は、吐出口形成部材111よりも端子113に近い。このような端面117は、記録素子基板101を切り出す工程で作製することができる。
端面117は、端子113とリード配線部112とを接合する際に加熱する所定の部位の一例である。端面117は、支持基板110の長手方向の両端部に位置する。端面117は、吐出口形成部材111よりも端子113に近い。このような端面117は、記録素子基板101を切り出す工程で作製することができる。
図9は、本実施形態の記録ヘッドの製造方法の接合手順を説明するための工程図である。図9(a)~図9(e)は、図5のA-A断面の構造に基づく接合手順を示す工程図である。
まず、図9(a)に示すように、リード配線部122と端子113が互いに対向するように、記録素子基板101と電気配線基板102を所定の位置に配置する。この工程は、図1(a)の工程と基本的に同じである。
次に、図9(b)に示すように、リード配線部122を端子113に当接させる。この工程も、図1(b)の工程と基本的に同じである。
まず、図9(a)に示すように、リード配線部122と端子113が互いに対向するように、記録素子基板101と電気配線基板102を所定の位置に配置する。この工程は、図1(a)の工程と基本的に同じである。
次に、図9(b)に示すように、リード配線部122を端子113に当接させる。この工程も、図1(b)の工程と基本的に同じである。
次に、図9(c)に示すように、加熱ツール200を記録素子基板101の端面117に当接させて加熱する。端面117と端子113との間の距離dは、端面117と吐出口形成部材111との間の距離Dより小さい。本実施形態では、水平方向(支持基板110の長手方向)における、端面117の加熱される面(加熱部)から端子113までの距離をdとした。また、水平方向における、端面117の加熱部から吐出口形成部材111までの距離をDとした。なお、距離dおよび距離Dは、熱エネルギーの伝達距離を示すことができるのであれば、どのように定義してもよい。例えば、端面117の加熱部と端子113との間の直線的な距離でdを定義し、端面117の加熱部と吐出口形成部材111との間の直線的な距離でDを定義してもよい。加熱ツール200の温度は、例えば400℃~500℃である。距離dは例えば0.1mmで、距離Dは例えば0.4mmである。
次に、図9(d)に示すように、電気配線基板102の側から加圧ツール201で端子113とリード配線部122との当接部分を加圧する。加圧ツール201は、第1の実施形態で説明したものと同じである。加圧ツール201の幅lは、入力端子113の幅Lより狭い。加熱された状態の端子113とリード配線部122との当接部分を加圧することで、端子113とリード配線部122の互いのAu層が潰れ、その結果、端子113とリード配線部122が電気的に接続される。
図9(e)に示した状態が、端子113とリード配線部122が電気的に接続された状態である。
上記接合工程を実施した後、第1の実施形態と同様、封止工程および硬化工程が実施され、図2(a)に示した液体吐出ヘッド100を得る。
図9(e)に示した状態が、端子113とリード配線部122が電気的に接続された状態である。
上記接合工程を実施した後、第1の実施形態と同様、封止工程および硬化工程が実施され、図2(a)に示した液体吐出ヘッド100を得る。
以上説明した本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法においても、第1の実施形態と同様、電気配線基板102のリード配線部122と記録素子基板101の端子113を接合するのに必要な熱エネルギーを効率よく供給することができる。
例えば、図9(a)~図9(e)に示した工程において、記録素子基板101の端面117を直接に加熱する。したがって、電気配線基板102を介して記録素子基板101を加熱する場合と比較して、リード配線部122と端子113との当接部分を効率よく加熱することができる。
例えば、図9(a)~図9(e)に示した工程において、記録素子基板101の端面117を直接に加熱する。したがって、電気配線基板102を介して記録素子基板101を加熱する場合と比較して、リード配線部122と端子113との当接部分を効率よく加熱することができる。
また、端面117と端子113との間の距離dは、端面117と吐出口形成部材111との間の距離Dより小さいので、加熱ツール200から供給された熱エネルギーは、吐出口形成部材111に伝わる前に、端子113に伝わる。よって、端子113のAu層とリード配線部122のAu層を効率よく加熱でき、熱により吐出口115がダメージを受けることを抑制できる。
また、記録素子基板101は、段差部116のような厚さが薄い部分がなく、ある程度の厚さを有している。よって、加圧時に記録素子基板101が割れる可能性が低い。さらに、第1の実施形態と比較して、コストダウンや省スペースのための記録素子基板101の寸法縮小に対して有利である。
また、記録素子基板101は、段差部116のような厚さが薄い部分がなく、ある程度の厚さを有している。よって、加圧時に記録素子基板101が割れる可能性が低い。さらに、第1の実施形態と比較して、コストダウンや省スペースのための記録素子基板101の寸法縮小に対して有利である。
さらに、端子113は、支持基板110の端部と吐出口形成部材111との間に位置する。より具体的には、端子113は、加熱部位(所定の部位)である端面117と吐出口形成部材111との間に位置する。この配置によれば、端面117と吐出口形成部材111との距離を十分にとることができるので、熱による吐出口115のダメージを抑制する効果がさらに向上する。
なお、加熱部位である端面117および端子113は、支持基板110の両端部に設けられている。図9(a)~図9(e)に示した工程において、一方の端部の端子113を電気配線基板102のリード配線部122に当接し、もう一方の端部の端子113を別の電気配線基板102のリード配線部122に当接する。両端部の端子113を同時にリード配線部122と接合しても良い。この場合は、加熱ツール200と加圧ツール201をそれぞれ各端部に配置する。2つの加熱ツール200で支持基板110の両端部の端面117をクランプする。また、一方の端部の端子113をリード配線部122と接合した後に、他方の端部の端子113をリード配線部122と接合しても良い。この場合は、加熱ツール200と加圧ツール201はいずれも1つで良い。
なお、加熱部位である端面117および端子113は、支持基板110の両端部に設けられている。図9(a)~図9(e)に示した工程において、一方の端部の端子113を電気配線基板102のリード配線部122に当接し、もう一方の端部の端子113を別の電気配線基板102のリード配線部122に当接する。両端部の端子113を同時にリード配線部122と接合しても良い。この場合は、加熱ツール200と加圧ツール201をそれぞれ各端部に配置する。2つの加熱ツール200で支持基板110の両端部の端面117をクランプする。また、一方の端部の端子113をリード配線部122と接合した後に、他方の端部の端子113をリード配線部122と接合しても良い。この場合は、加熱ツール200と加圧ツール201はいずれも1つで良い。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための図である。本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法は、電気配線基板102のリード配線部122と記録素子基板101の端子113とを接合する接合工程を含むが、加熱する部位(所定の部位)が第1の実施形態と異なる。
記録素子基板101は、支持基板110、吐出口形成部材111および端子113を有する。吐出口形成部材111および端子113は、第1の実施形態で説明したものと同じである。支持基板110の端部は、段差部116に代えて、端部側ほど厚さが薄くなったテーパー状の面118を有し、この点で、第1の実施形態と異なる。
図10は、本発明の第3の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための図である。本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法は、電気配線基板102のリード配線部122と記録素子基板101の端子113とを接合する接合工程を含むが、加熱する部位(所定の部位)が第1の実施形態と異なる。
記録素子基板101は、支持基板110、吐出口形成部材111および端子113を有する。吐出口形成部材111および端子113は、第1の実施形態で説明したものと同じである。支持基板110の端部は、段差部116に代えて、端部側ほど厚さが薄くなったテーパー状の面118を有し、この点で、第1の実施形態と異なる。
テーパー状の面118は、端子113とリード配線部112とを接合する際に加熱する所定の部位の一例である。テーパー状の面118は、支持基板110の長手方向の両端部に位置する。テーパー状の面118の部分の厚さは、端子113の部分の厚さよりも薄い。テーパー状の面118の加熱される面(加熱部)と端子113との間の距離dは、テーパー状の面118の加熱部と吐出口形成部材111との間の距離Dよりも短い。テーパー状の面118は、吐出口形成部材111よりも端子113に近い。このようなテーパー状の面118は、段差部116と同様に、異方性エッチングを用いて形成することができる。
本実施形態の製造方法においても、図1(a)~図1(e)と同様の手順で端子113とリード配線部112とを接合する。この接合工程後、第1の実施形態で説明した封止工程および硬化工程が実施され、図2(a)に示した液体吐出ヘッド100を得る。
本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法によっても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法によっても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。
101 記録素子基板
102 電気配線基板
110 支持基板
110a 支持面
111 吐出口形成部材
113 端子
122 リード配線部
102 電気配線基板
110 支持基板
110a 支持面
111 吐出口形成部材
113 端子
122 リード配線部
Claims (13)
- 液体を吐出する記録素子基板と、一面にリード配線部を備えた電気配線基板と、を有し、前記記録素子基板は、複数の吐出口を備えた吐出口形成部材と、該吐出口形成部材を支持する支持面を備えた支持基板と、前記支持面に形成された、前記リード配線部と電気的に接続される端子とを有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記リード配線部を前記端子に当接させた状態で、前記支持基板の所定の部位を加熱しながら、前記電気配線基板側から、前記リード配線部と前記端子との当接部分を加圧することを含み、
前記所定の部位と前記端子の間の距離が、前記所定の部位と前記吐出口形成部材の間の距離よりも短いことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記所定の部位が、前記吐出口形成部材よりも前記端子に近いことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記端子が前記所定の部位と前記吐出口形成部材との間に位置することを特徴とする、請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記支持基板の前記所定の部位の厚さが、前記支持基板の前記端子が形成された部分の厚さよりも薄いことを特徴とする、請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記所定の部位が、前記支持面とは反対側の面に設けられた段差部からなることを特徴とする、請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記所定の部位が、前記端部側ほど厚さが薄くなったテーパー状の面からなることを特徴とする、請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記所定の部位を異方性エッチングで形成することを特徴とする、請求項5または6に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記支持基板は、少なくとも前記端子から前記端部までの部分の厚さが一定であり、
前記所定の部位が、前記支持基板の前記端部の端面からなることを特徴とする、請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記所定の部位が前記支持基板の長手方向の端部に位置し、
前記電気配線基板の前記一面とは反対側の面に一定の荷重を加えることを含み、
前記荷重を加える領域の前記長手方向の幅が、前記端子の前記長手方向の幅よりも小さいことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記電気配線基板は、前記リード配線部の全体を覆うベースフィルムを有し、
前記リード配線部と前記端子との接合がチップオンフィルム方式であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。 - 液体を吐出する複数の吐出口が形成された吐出口形成部材と、
前記吐出口形成部材を支持する支持面を備えた支持基板と、
前記支持面に形成された、電気配線基板のリード配線部が電気的に接続される端子と、を有し、
前記端子は、前記支持基板の端部と前記吐出口形成部材との間に位置し、
前記支持基板の前記端部の厚さが、前記支持基板の前記端子が形成された部分の厚さよりも薄いことを特徴とする記録素子基板。 - 前記支持基板の前記端部は、前記支持面とは反対側の面に段差部を有することを特徴とする、請求項11に記載の記録素子基板。
- 前記支持基板の前記端部は、端部側ほど厚さが薄くなったテーパー状の面を有することを特徴とする、請求項11に記載の記録素子基板。
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