JP2022098058A - 錠剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、初期の溶出性に優れ、保存後の溶出率の低下を抑制する錠剤の提供を目的とする。【解決手段】(A)成分:アセチルサリチル酸、イブプロフェン及びアリルイソプロピルアセチル尿素から選択される1種以上の薬物と、(B)成分:メチルセルロースと、(C)成分:崩壊剤と、を含有し、前記(C)成分が、セルロース又はその製剤学的に許容される誘導体、及びスターチ又はその製剤学的に許容される誘導体から選ばれる1種以上の崩壊剤である、錠剤。【選択図】なし

Description

本発明は、錠剤に関する。
水難溶性薬物は、水溶性薬物と比較して極性溶液中で凝集が起こりやすいため、胃から腸への移行が遅延し易く、一度凝集すると溶液に再溶解しにくくなることが多い。このため、水難溶性薬物を含有する内服用錠剤は、水溶性高分子等の賦形剤と共に湿式造粒されて造粒粒子群とされ、この造粒粒子群が打錠されて製造されるのが一般的であった。水難溶性薬物の中でも、アセチルサリチル酸等の鎮痛成分は、鎮痛薬として即効性が求められるため、体内での錠剤の崩壊性を高め、薬物を早く溶出させることが重要である。
水難溶性薬物を含有する錠剤の崩壊性や溶出性を向上する従来技術として、例えば、特許文献1には、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する錠剤が提案されている。特許文献1の発明によれば、錠剤の溶解速度の向上が図られている。
特開昭63-83025号公報
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは、崩壊剤として汎用される成分である。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する錠剤は、製造直後(初期)の崩壊性は優れるものの、水難溶性薬物の溶出性は充分とはいえず、経時で溶出が遅延する場合があった。このため、経時後(保存後)の溶出率がさらに低下するという課題があった。
そこで、本発明は、初期の溶出性に優れ、保存後の溶出率の低下を抑制する錠剤の提供を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:アセチルサリチル酸、イブプロフェン及びアリルイソプロピルアセチル尿素から選択される1種以上の薬物と、
(B)成分:メチルセルロースと、
(C)成分:崩壊剤と、を含有し、
前記(C)成分が、セルロース又はその製剤学的に許容される誘導体、及びスターチ又はその製剤学的に許容される誘導体から選ばれる1種以上の崩壊剤である、錠剤。
[2]前記(C)成分が、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム及びヒドロキシプロピルスターチから選択される1種以上の崩壊剤である、[1]に記載の錠剤。
[3]前記(B)成分の含有割合が、錠剤中、0.3~35質量%である、[1]又は[2]に記載の錠剤。
[4]錠剤中に、(D)成分:部分α化デンプン及びα化デンプンから選択される1種以上をさらに含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の錠剤。
[5]錠剤中に、(E)成分:軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素及びタルクから選択される1種以上をさらに含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の錠剤。
本発明の錠剤によれば、初期の溶出性に優れ、保存後の溶出率の低下を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る錠剤の一例(標準R錠又は糖衣R錠)を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る錠剤の他の例(2段R錠)を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る錠剤の他の例(円形スミ角平錠)を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る錠剤の他の例(円形スミ丸平錠)を示す側面図である。
≪錠剤≫
本発明の錠剤は、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有する。
本明細書において、「錠剤」は、打錠した錠剤の表面に、コーティング剤等の剤皮を施していない素錠(裸錠)であってもよく、素錠の一部又は全部にコーティング層が形成されたコーティング錠(糖衣錠)であってもよい。
<(A)成分>
(A)成分は、アセチルサリチル酸、イブプロフェン及びアリルイソプロピルアセチル尿素から選択される1種以上の薬物であり、水難溶性の薬物である。本実施形態の錠剤は、(A)成分を含有することで、鎮痛効果を奏する。
本明細書において、「水難溶性」とは、20℃の水に対する溶解度(以下、単に「溶解度」ともいう。)が0.7g/100mL未満をいう。(A)成分の溶解度は、0.5g/100mL以下が好ましい。(A)成分の溶解度が上記上限値未満又は上記上限値以下であると、錠剤の保存安定性を高められる。
溶解度の測定は、第十七改正日本薬局方に準じた試験により行われる。具体的には、20℃の水に薬物成分を入れ、5分ごとに強く30秒間振り混ぜ、水の体積に対する、30分以内に溶ける薬物成分の質量を測定する。
(A)成分として具体的には、アセチルサリチル酸(溶解度0.46g/100mL)、イブプロフェン(溶解度0.01g/100mL以下)、アリルイソプロピルアセチル尿素(溶解度0.01g/100mL以下)が挙げられる。(A)成分としては、本発明の効果が高いことから、アセチルサリチル酸が好ましい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の含有割合は、錠剤中、0.83~90質量%が好ましく、1.7~85質量%がより好ましく、30~85質量%がさらに好ましい。(A)成分がアセチルサリチル酸の場合、(A)成分の含有割合は、錠剤中、60~90質量%が好ましく、65~85質量%がより好ましく、75~85質量%がさらに好ましい。(A)成分がイブプロフェンの場合、(A)成分の含有割合は、錠剤中、3.3~90質量%が好ましく、6.7~85質量%がより好ましく、30~80質量%がさらに好ましい。(A)成分がアリルイソプロピルアセチル尿素の場合、(A)成分の含有割合は、錠剤中、0.83~90質量%が好ましく、1.7~85質量%がより好ましい。
(A)成分の含有割合が上記下限値以上であると、鎮痛効果をより高められる。(A)成分の含有割合が上記上限値以下であると、錠剤を小型化でき、服用性をより高められ、錠剤が崩壊しやすくなり、溶出性をより高められる。加えて、(A)成分の含有割合が上記上限値以下であると、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。なお、本明細書において、錠剤中の含有割合は、後述するコーティング層を含まない。錠剤がコーティング錠の場合は、素錠中の含有割合を意味する。
(A)成分の錠剤一錠中の含有量は、5~510mgが好ましく、10~460mgがより好ましく、20~410mgがさらに好ましい。
(A)成分がアセチルサリチル酸の場合、錠剤一錠中の含有量は、200~450mgが好ましく、250~400mgがより好ましく、300~350mgがさらに好ましい。(A)成分がイブプロフェンの場合、錠剤一錠中の含有量は、20~350mgが好ましく、40~300mgがより好ましく、60~200mgがさらに好ましい。(A)成分がアリルイソプロピルアセチル尿素の場合、錠剤一錠中の含有量は、5~180mgが好ましく、10~180mgがより好ましく、20~180mgがさらに好ましい。
(A)成分の錠剤一錠中の含有量が上記下限値以上、上記上限値以下が好適な理由は、上述の(A)成分の含有割合と同様である。なお、本明細書において、錠剤一錠中の含有量は、後述するコーティング層を含まない。錠剤がコーティング錠の場合は、素錠中の含有量を意味する。
(A)成分の中位径は、5~1000μmが好ましく、10~500μmがより好ましく、30~150μmがさらに好ましい。(A)成分の中位径が上記下限値以上であると、流動性がよく、打錠時に充填しやすい。加えて、(A)成分の中位径が上記下限値以上であると、崩壊遅延が抑制され、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。(A)成分の中位径が上記上限値以下であると、錠剤が崩壊しやすくなり、溶出性をより高められる。
本明細書において、「中位径」とは、体積平均の粒子径を意味し、例えば、レーザー回折・散乱粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製の「LS230型」等)で測定される。
<(B)成分>
(B)成分は、メチルセルロースである。本実施形態の錠剤は、(B)成分を含有することで、溶出率をより高められる。特に、初期の溶出性をより高められる。これは、(B)成分のメチル基がセルロース分子間の結晶性を崩壊し、(A)成分と相互作用するためであると考えられる。
(B)成分の含有割合は、錠剤中、0.3~35質量%が好ましく、0.5~30質量%がより好ましく、1~25質量%がさらに好ましい。
(A)成分がアセチルサリチル酸の場合、(B)成分の含有割合は、錠剤中、0.3~8質量%が好ましく、0.5~5.5質量%がより好ましく、1~4質量%がさらに好ましい。(A)成分がイブプロフェン又はアリルイソプロピルアセチル尿素の場合、(B)成分の含有割合は、錠剤中、0.9~16質量%が好ましく、3~13質量%がより好ましく、6~10質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有割合が上記下限値以上であると、(A)成分の溶出率をより高められる。加えて、(B)成分の含有割合が上記下限値以上であると、崩壊遅延が抑制され、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。(B)成分の含有割合が上記上限値以下であると、(A)成分の溶出率をより高められ、錠剤が崩壊しやすくなり、錠剤の初期崩壊性をより高められる。
(B)成分の錠剤一錠中の含有量は、1~130mgが好ましく、2~90mgがより好ましく、3~60mgがさらに好ましい。
(A)成分がアセチルサリチル酸の場合、(B)成分の錠剤一錠中の含有量は、1~30mgが好ましく、2~20mgがより好ましく、3~10mgがさらに好ましい。(A)成分がイブプロフェンの場合、(B)成分の錠剤一錠中の含有量は、2~62mgが好ましく、10~46mgがより好ましく、15~25mgがさらに好ましい。(A)成分がアリルイソプロピルアセチル尿素の場合、(B)成分の錠剤一錠中の含有量は、1.5~40mgが好ましく、8~30mgがより好ましく、15~25mgがさらに好ましい。
(B)成分の錠剤一錠中の含有量が上記下限値以上、上記上限値以下が好適な理由は、上述の(B)成分の含有割合と同様である。
[(A)成分の質量]/[(B)成分の質量]で表される質量比(以下、「(A)/(B)比」ともいう。)は、0.03~500が好ましく、0.1~230がより好ましく、0.3~130がさらに好ましい。
(A)成分がアセチルサリチル酸の場合、(A)/(B)比は、7~450が好ましく、13~200がより好ましく、30~100がさらに好ましい。(A)成分がイブプロフェンの場合、(A)/(B)比は、3~100が好ましく、5~28がより好ましく、7~13がさらに好ましい。(A)成分がアリルイソプロピルアセチル尿素の場合、(A)/(B)比は、1~100が好ましく、5~20がより好ましく、7~12がさらに好ましい。
(A)/(B)比が上記数値範囲内であると、(A)成分の溶出率をより高められる。加えて、(A)/(B)比が上記数値範囲内であると、崩壊遅延が抑制され、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。
(B)成分の中位径は、5~200μmが好ましく、10~150μmがより好ましく、30~100μmがさらに好ましい。(B)成分の中位径が上記下限値以上であると、流動性がよく、打錠時に充填しやすい。(B)成分の中位径が上記上限値以下であると、(A)成分の初期の溶出性をより高められる。
(B)成分の中位径は、(A)成分の中位径と同様の方法で求められる。
<(C)成分>
(C)成分は、崩壊剤である。より具体的には、(C)成分は、セルロース又はその製剤学的に許容される誘導体、及びスターチ又はその製剤学的に許容される誘導体から選ばれる1種以上の崩壊剤である。本実施形態の錠剤は、(C)成分を含有することで、錠剤の崩壊性をより高められる。
セルロース又はその製剤学的に許容される誘導体から選ばれる崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。なお、(B)成分(メチルセルロース)は、(C)成分には含まれない。
スターチ又はその製剤学的に許容される誘導体から選ばれる崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。なお、後述する(D)成分(部分α化デンプン及びα化デンプンから選択される1種以上)は、(C)成分には含まれない。
錠剤の崩壊性を向上する効果が高いことから、(C)成分としては、セルロース又はその製剤学的に許容される誘導体から選ばれる崩壊剤が好ましく、錠剤の硬度が低下しないことから、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分の含有割合は、錠剤中、3~15質量%が好ましく、4~12質量%がより好ましく、5~10質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有割合が上記下限値以上であると、錠剤の初期の崩壊性をより高められ、(A)成分の溶出性をより高められる。(C)成分の含有割合が上記上限値以下であると、保存後の錠剤の厚みの増加を抑制できる。加えて、(C)成分の含有割合が上記上限値以下であると、錠剤を小型化でき、服用性をより高められる。
(C)成分の錠剤一錠中の含有量は、10~50mgが好ましく、15~45mgがより好ましく、16~40mgがさらに好ましい。(C)成分の錠剤一錠中の含有量が上記下限値以上、上記下限値以上が好適な理由は、上述の(C)成分の含有割合と同様である。
[(A)成分の質量]/[(C)成分の質量]で表される質量比(以下、「(A)/(C)比」ともいう。)は、0.6~45が好ましく、1~25がより好ましく、2~17がさらに好ましい。(A)/(C)比が上記数値範囲内であると、(A)成分の初期の溶出性をより高められる。
(C)成分の中位径は、1~500μmが好ましく、10~300μmがより好ましく、30~150μmがさらに好ましい。(C)成分の中位径が上記下限値以上であると、流動性がよく、打錠時に充填しやすい。(C)成分の中位径が上記上限値以下であると、錠剤の初期の崩壊性をより高められる。
(C)成分の中位径は、(A)成分の中位径と同様の方法で求められる。
<任意成分>
本実施形態の錠剤は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外のその他の成分(任意成分)を含有してもよい。
任意成分としては、例えば、後述する(D)成分、(E)成分、結合剤、賦形剤、滑沢剤、香料、甘味料、酸味料等が挙げられる。
これらの任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
((D)成分)
(D)成分は、部分α化デンプン及びα化デンプンから選択される1種以上である。本実施形態の錠剤は、(D)成分を含有することで、崩壊遅延が抑制され、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。(D)成分によって保存後の溶出率の低下が抑制されるのは、α化されたデンプン鎖に水分が取り込まれ、(A)成分同士の凝集を防ぐためであると考えられる。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の含有割合は、錠剤中、3~15質量%が好ましく、5~13質量%がより好ましく、8~11質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有割合が上記下限値以上であると、崩壊遅延を抑制する効果をより高められ、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。(D)成分の含有割合が上記上限値以下であると、錠剤を小型化でき、服用性をより高められる。
(D)成分の錠剤一錠中の含有量は、12~70mgが好ましく、20~60mgがより好ましく、35~45mgがさらに好ましい。(D)成分の錠剤一錠中の含有量が上記下限値以上、上記上限値以下が好適な理由は、上述の(D)成分の含有割合と同様である。
(D)成分の中位径は、1~200μmが好ましく、10~100μmがより好ましく、30~80μmがさらに好ましい。(D)成分の中位径が上記下限値以上であると、流動性がよく、打錠時に充填しやすい。(D)成分の中位径が上記上限値以下であると、崩壊遅延が抑制され、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。
(D)成分の中位径は、(A)成分の中位径と同様の方法で求められる。
((E)成分)
(E)成分は、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素及びタルクから選択される1種以上である。本実施形態の錠剤は、(E)成分を含有することで、崩壊遅延が抑制され、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。(E)成分によって保存後の溶出率の低下が抑制されるのは、(E)成分が(A)成分と相互作用しにくく、滑沢効果を有するため、(A)成分同士の結合力を低下させるためであると考えられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分の含有割合は、錠剤中、0.01~2質量%が好ましく、0.05~1.5質量%がより好ましく、0.1~1質量%がさらに好ましい。(E)成分の含有割合が上記下限値以上であると、崩壊遅延を抑制する効果をより高められる。加えて、(E)成分の含有割合が上記下限値以上であると、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。(E)成分の含有割合が上記上限値以下であると、錠剤の成形性を高められ、錠剤の硬度を確保できる。
(E)成分の錠剤一錠中の含有量は、0.04~10mgが好ましく、0.2~7.5mgがより好ましく、0.5~5mgがさらに好ましい。(E)成分の錠剤一錠中の含有量が上記下限値以上、上記上限値以下が好適な理由は、上述の(E)成分の含有割合と同様である。
(E)成分の中位径は、0.1~100μmが好ましく、1~50μmがより好ましく、2~20μmがさらに好ましい。(E)成分の中位径が上記下限値以上であると、流動性がよく、打錠時に充填しやすい。(E)成分の中位径が上記上限値以下であると、崩壊遅延が抑制され、保存後の溶出率の低下をより抑制できる。
(E)成分の中位径は、(A)成分の中位径と同様の方法で求められる。
(結合剤)
結合剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、上述した(D)成分は、結合剤に含まれない。
(賦形剤)
賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、乳糖又はその水和物、ショ糖、果糖等の糖類、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、無水リン酸二水素カリウム、無水リン酸水素カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩類等が挙げられる。なお、上述した(C)成分、(D)成分及び(E)成分は、賦形剤に含まれない。
(滑沢剤)
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。なお、上述した(E)成分は、滑沢剤に含まれないものとする。
(A)成分の安定性を維持しやすいことから、滑沢剤としては、フマル酸ステアリルナトリウムが好ましい。
(香料)
香料としては、例えば、メントール、リモネン、ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等の植物精油等が挙げられる。
(甘味料)
甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。なお、上述した賦形剤の糖類や糖アルコール類は、甘味料には含まれない。
(酸味料)
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はこれらの塩等が挙げられる。
本実施形態の錠剤が任意成分を含有する場合、任意成分の含有割合は、錠剤中、0.1~15質量%が好ましい。
本実施形態の錠剤が任意成分を含有する場合、任意成分の錠剤一錠中の含有量は、0.5~75mgが好ましい。
≪錠剤の形状≫
錠剤の形状は、本発明の効果の点では特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の点から、円柱部及び前記円柱部より上下に膨出する膨出部を有する形状が好ましい。前記の円柱部及び膨出部を有する形状の錠剤としては、R錠(標準R錠、糖衣R錠等)、2段R錠、スミ角平錠、スミ丸平錠等が挙げられる。これらの錠剤の膨出部は上下非対称であってもよいが、上下対称であることが好ましい。
以下に、図面を用いて、標準R錠又は糖衣R錠、2段R錠、円形スミ角平錠、円形スミ丸平錠の形状について詳細に説明する。
図1に示すように、標準R錠又は糖衣R錠100は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有し、第一の膨出部12、第二の膨出部22それぞれの表面の曲線の曲率半径Rが、膨出部表面の位置によらず一定である両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かうに従って膨出する。第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かうに従って膨出する。
ここで、「第一の膨出部12の表面の曲線の曲率半径」とは、天頂12Aを通るように、円柱部8の端面に対して垂直方向に切断した際の断面において、第一の膨出部12の表面が描く曲線を円の一部とみなした際のその円の半径をいう。
「第二の膨出部22の表面の曲線の曲率半径」とは、天頂22Aを通るように、円柱部8の端面に対して垂直方向に切断した際の断面において、第二の膨出部22の表面が描く曲線を円の一部とみなした際のその円の半径をいう。
第一の膨出部12における天頂12Aは、一方の端面に対して最も高いところに位置する点である。第二の膨出部22における天頂22Aは、他方の端面に対して最も低いところに位置する点である。
第一の膨出部12のRと第二の膨出部22のRとは、同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、第一の膨出部12のRと第二の膨出部22のRとは、同じであることが好ましい。
図2に示すように、2段R錠200は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有し、第一の膨出部12、第二の膨出部22それぞれの周縁からの立ち上がり部の曲率半径R1と天頂12Aの曲率半径R2とが異なり、R1<R2である両凸面錠剤である。
第一の膨出部12のR1と第二の膨出部22のR1とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、第一の膨出部12のR1と第二の膨出部22のR1とは、同じであることが好ましい。
第一の膨出部12のR2と第二の膨出部22のR2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、第一の膨出部12のR2と第二の膨出部22のR2とは、同じであることが好ましい。
図3に示すように、円形スミ角平錠300は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かい所定の立ち上がり角度θにて直線的に立ち上がり、天頂12Aを含む任意の領域が平面となる。
第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かい所定の立ち上がり角度θにて直線的に立ち上がり、天頂22Aを含む任意の領域が平面となる。
第一の膨出部12における立ち上がり角度θと、第二の膨出部22における立ち上がり角度θとは、同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、第一の膨出部12における立ち上がり角度θと、第二の膨出部22における立ち上がり角度θとは、同じであることが好ましい。
図4に示すように、円形スミ丸平錠400は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かい所定のRにて立ち上がり、天頂12Aを含む任意の領域が平面となる。
第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かい所定のRにて立ち上がり、天頂22Aを含む任意の領域が平面となる。
第一の膨出部12のRと第二の膨出部22のRとは、同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、第一の膨出部12のRと第二の膨出部22のRとは、同じであることが好ましい。
図1~4に示すように、標準R錠又は糖衣R錠100、2段R錠200、円形スミ角平錠300、円形スミ丸平錠400はそれぞれ、第一の膨出部12の外周に平面視円環状の水平面(ランド部14)を有し、第二の膨出部22の外周に平面視円環状の水平面(ランド部24)を有する。
ランド部14の幅はWである。「ランド部14の幅」とは、第一の膨出部12の周縁から端面周縁までの距離のことである。
ランド部24の幅は、Wと同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、ランド部24の幅は、Wと同じであることが好ましい。
錠剤の大きさは、服用性の観点から、以下の範囲に含まれることが好ましい。
・標準R錠…R=4.0~24.0mm、ランド部の幅W=0.05~0.1mm。
・糖衣R錠…R=2.0~18.5mm、ランド部の幅W=0.01~0.1mm。
・2段R錠…R1=1.2~8.0mm、R2=4.5~21.5mm、ランド部の幅W=0.05~0.1mm。
・円形スミ丸平錠…R=0.7~5.0mm、ランド部の幅W=0.05~0.1mm。
・円形スミ角平錠…立ち上り角度θ=25~35°、ランド部の幅W=0.05~0.1mm。
錠剤は、例えば、ランド部を有さず、錠剤周縁部と膨出立ち上がり部とが接していてもよい。錠剤の形状が円形スミ角平錠又は円形スミ丸平錠の場合、第一の膨出部における天頂を含む任意の領域及び第二の膨出部における天頂を含む任意の領域のいずれか一方が平面でなくてもよい。錠剤の形状は、平面視円形でなくてもよく、平面視楕円形や、平面視方形、平面視円形と平面視方形とが複合した形状であってもよい。
錠剤に刻印はあっても無くてもよい。
錠剤の形状は、上述の例には限定されないが、本発明の作用効果が得られやすい点で、R錠、2段R錠、円形スミ丸平錠、又は円形スミ角平錠剤が好ましく、R錠、2段R錠、又は円形スミ丸平錠がより好ましく、R錠又は2段R錠がさらに好ましい。
錠剤の水分率は、0.1~5質量%が好ましい。錠剤の水分率が上記下限値以上であると、崩壊性がより優れる。錠剤の水分率が上記上限値以下であると、保存後の外観安定性が良好である。
錠剤の水分率は、例えば、錠剤を120℃で10分間加熱した時の乾燥減量から算出することができる。
≪錠剤の製造方法≫
本発明の錠剤は、従来公知の方法を用いて製造できる。例えば、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合し(混合工程)、得られた混合物を、打錠機を用いて打錠し(打錠工程)、必要に応じてコーティングを施す(コーティング工程)ことによって、錠剤を製造できる。
また、各成分を造粒してから(造粒工程)打錠し、錠剤を製造してもよい。以下、各工程について説明する。
(混合工程)
混合工程は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合する工程である。
混合工程では、一般的な混合機を用いることができる。混合機としては、例えば、ボーレコンテナミキサー((株)広島メタル&マシナリー製)、V型混合機((株)ダルトン製)、リボンミキサー((株)ダルトン製)等が挙げられる。
(造粒工程)
造粒工程は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合して得られた混合物を造粒して、造粒物とする工程である。
本実施形態の錠剤の製造方法は、造粒工程を有していてもよく、有していなくてもよい。
造粒方法としては、乾式造粒法、湿式造粒法等が挙げられる。乾式造粒法としては、ローラー圧縮造粒法が挙げられる。湿式造粒法としては、流動層造粒法、攪拌造粒法、転動造粒法、押出造粒法等が挙げられる。
造粒方法としては、(A)成分の安定性を維持しやすいことから、乾式造粒法が好ましい。
造粒工程では、一般的な造粒装置を用いることができる。造粒装置としては、例えば、乾式造粒機、流動層造粒機、攪拌造粒機等が挙げられる。
乾式造粒機としては、例えば、ローラーコンパクター(フロイント・ターボ(株)製)等が挙げられる。流動層造粒機としては、例えば、フローコーター(フロイント産業(株)製)等が挙げられる。攪拌造粒機としては、例えば、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)等が挙げられる。
(打錠工程)
打錠工程は、上記の混合物又は造粒物を、打錠機を用いて打錠する工程である。
打錠方法は特に限定されず、公知の打錠方法が挙げられる。例えば、臼と杵とを有する打錠機を用いて混合物を打錠する方法が挙げられる。
打錠機としては、例えば、ロータリー式打錠機(リブラ((株)菊水製作所製)、L-41型((株)畑鐵工所製)等)等が挙げられる。
打錠圧等の打錠条件は特に限定されず、錠剤に求める硬度等を勘案して、適宜決定される。
(コーティング工程)
コーティング工程は、打錠工程で得られた素錠の表面に、コーティング層を設ける工程である。素錠の表面にコーティング層を設けることで、素錠の吸湿が抑制され、崩壊遅延を抑制する効果が向上する。
コーティング層を設ける方法は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、コーティング剤を水等の溶媒に分散させたコーティング液を素錠の表面に噴霧して、被覆する。その後、コーティング液の溶媒成分を乾燥させ、コーティング層が形成された錠剤を得る。
コーティング工程では、公知のコーティング装置を用いることができる。
コーティング装置としては、例えば、ハイコーター(フロイント産業(株)製)、アクアコーター(フロイント産業(株)製)等が挙げられる。
コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース類、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の親水性高分子化合物、麦芽糖、キシロース、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)等の糖類、パラチニット、ラクチトール、マルチトール等の糖アルコール類等が挙げられる。なお、上述した(B)成分、(C)成分、(D)成分、結合剤、賦形剤、甘味料をコーティング剤として用いてもよい。また、Opadry(日本カラコン合同会社製)等の市販のプレミックス品をコーティング剤として用いてもよい。
錠剤がコーティング層を有する場合、素錠の質量に対するコーティング層の質量割合は、0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましく、1~3質量%がさらに好ましい。コーティング層の質量割合が上記下限値以上であると、崩壊遅延を抑制する効果により優れる。コーティング層の質量割合が上記上限値以下であると、初期の崩壊性をより高められる。
上述の通り、本実施形態の錠剤は、(A)成分を含有することで、解熱鎮痛効果を奏する。
本実施形態の錠剤は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有することで、初期の溶出性に優れる。
加えて、本実施形態の錠剤は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有することで、保存後の溶出率の低下を抑制できる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は、下記の通りである。
[使用原料]
<(A)成分>
アセチルサリチル酸:製品名「Rhodine3220」、Rhodia社製、中位径45μm。
アスピリン・スターチミクスチャー:製品名「Rhodine2312」、Rhodia社製、アセチルサリチル酸とトウモロコシデンプンとが9:1の質量割合で造粒された造粒物。
イブプロフェン:製品名「イブプロフェン25」、BASF社製、中位径25μm。
アリルイソプロピルアセチル尿素:製品名「アリプロナール(登録商標)」、金剛化学(株)製、中位径40μm。
<(B)成分>
メチルセルロース:製品名「メトローズ(登録商標)SM-4」、信越化学工業(株)製、中位径80μm。
<(B’)成分((B)成分の比較成分)>
エチルセルロース:製品名「エトセル(登録商標)」、日本カラコン合同会社製、中位径20μm。
<(C)成分>
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース:製品名「L-HPC(登録商標) LH-B1」、信越化学工業(株)製、中位径80μm。
カルメロース:カルボキシメチルセルロース、製品名「NS-300(登録商標)」、五徳薬品(株)製、中位径60μm。
クロスカルメロースナトリウム:製品名「キッコレート(登録商標)」、旭化成(株)製、中位径80μm。
<任意成分>
((D)成分)
部分α化デンプン:製品名「PCS(登録商標) PC-10」、旭化成(株)製、中位径80μm。
α化デンプン:製品名「SWELSTAR(登録商標)」、旭化成(株)製、中位径80μm。
((E)成分)
軽質無水ケイ酸:製品名「サイリシア(登録商標)350」、富士シリシア化学(株)製、中位径2μm。
タルク:製品名「クラウンタルク(登録商標)」、松村産業(株)製、中位径15μm。
(滑沢剤)
フマル酸ステアリルナトリウム:製品名「PRUV(登録商標)」、JRS Pharma社製。
(賦形剤)
トウモロコシデンプン:製品名「局方松谷コーンスターチ」、松谷化学工業(株)製。
[実施例1]
≪錠剤の製造≫
(A)成分~(C)成分及び任意成分を表1に示す比率で5kgとなるように、樹脂製の袋に投入し、よく振り混ぜて混合した(混合工程)。混合した粉体(混合物)を直径9mm(2段R)の臼杵を装着したロータリー式打錠機(LIBRA2、(株)菊水製作所製)で打錠し(打錠工程)、錠剤(素錠)を得た。なお、打錠圧は、錠剤硬度測定器(ヤマト科学(株)製)にて硬度6kgf(58.8N)になるように調整した。
得られた錠剤をPTP(プレススルーパック)で包装し、この包装物を50℃、75%RH条件下にて4週間保存した。
保存開始直前の錠剤(初期)と、保存後の錠剤(経時後)とについて、それぞれ崩壊時間(秒)と(A)成分の溶出率(%)とを測定した。結果を表1に示す。
表1中、「-」は、その成分を含まないことを示す。
[比較例1]
アスピリン・スターチミクスチャー(アセチルサリチル酸330mgとトウモロコシデンプン36.7mgとを含有する造粒物)とフマル酸ステアリルナトリウムとを表1に示す比率で混合したこと以外は、実施例1と同様に錠剤(素錠)を得た。得られた錠剤について、実施例1と同様に崩壊時間(秒)と(A)成分の溶出率(%)とを測定した。結果を表1に示す。
<崩壊時間の測定>
各例で得られた錠剤について、第十七改正日本薬局方に収載される錠剤の崩壊試験法に準じ(崩壊試験液は水)、6錠の崩壊時間を測定し、その平均値を求めた。
<溶出率の測定>
各例で得られた錠剤について、第十七改正日本薬局方に収載される溶出試験法に準じ、溶出試験第1液(pH1.2)900mL(以下、「試験液」ともいう。)を用いて、パドル法、50rpmにて、試験開始から5分後の試験液を採取し、高速液体クロマトグラフィーにて(A)成分の溶出量を測定した。(A)成分の溶出率(%)は、下記式に従って算出した。
(A)成分の溶出率(%)=[(A)成分の溶出量(mg)]/[錠剤一錠中の(A)成分の含有量(mg)]×100
溶出率(%)は、6錠の(A)成分の溶出率(%)を測定し、その平均値とした。
[実施例2~24、比較例2~5]
表1~8に示す成分を、表1~8に示す比率で混合したこと以外は、実施例1と同様に錠剤(素錠)を得た。得られた錠剤について、実施例1と同様に崩壊時間(秒)と(A)成分の溶出率(%)とを測定した。なお、(A)成分の溶出率(%)は、実施例1~14、比較例1~4については、試験開始から5分後の試験液を採取し、実施例15~24、比較例5については、試験開始から15分後の試験液を採取して(A)成分の溶出量を測定した。結果を表1~8に示す。なお、表1~8中、評価の欄の「-」は、崩壊時間の測定を行わなかったことを示す。
Figure 2022098058000001
Figure 2022098058000002
Figure 2022098058000003
Figure 2022098058000004
Figure 2022098058000005
Figure 2022098058000006
Figure 2022098058000007
Figure 2022098058000008
表1~8に示すように、本発明を適用した実施例1~24は、初期の溶出率が高く、経時での溶出率の低下が抑制された。水に対する溶解性が0.01g/100mL以下と極めて低いイブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素は、後述する比較例5の通り、(B)成分非含有では(A)成分の溶出率は極めて低いが、本発明を適用することにより(A)成分の溶出率が向上した(実施例15~24)。
これに対して、(B)成分及び(C)成分を含有しない比較例1は、初期の溶出率が15%、経時後の溶出率が4%であった。(B)成分を含有しない比較例2は、初期の溶出率が21%、経時後の溶出率が3%であった。(C)成分を含有しない比較例3は、初期の溶出率が5%、経時後の溶出率が3%であった。(B)成分に代えて(B’)成分を用いた比較例4は、初期の溶出率が18%、経時後の溶出率が4%であった。(B)成分を含有しない比較例5は、初期の溶出率が5%であった。
これらの結果から、本発明によれば、初期の溶出性に優れ、保存後の溶出率の低下を抑制できることが分かった。
8 円柱部
12 第一の膨出部
12A,22A 天頂
14,24 ランド部
22 第二の膨出部
100 標準R錠又は糖衣R錠
200 2段R錠
300 円形スミ角平錠
400 円形スミ丸平錠
R,R1,R2 曲率半径
θ 角度
W ランド部の幅

Claims (5)

  1. (A)成分:アセチルサリチル酸、イブプロフェン及びアリルイソプロピルアセチル尿素から選択される1種以上の薬物と、
    (B)成分:メチルセルロースと、
    (C)成分:崩壊剤と、を含有し、
    前記(C)成分が、セルロース又はその製剤学的に許容される誘導体、及びスターチ又はその製剤学的に許容される誘導体から選ばれる1種以上の崩壊剤である、錠剤。
  2. 前記(C)成分が、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム及びヒドロキシプロピルスターチから選択される1種以上の崩壊剤である、請求項1に記載の錠剤。
  3. 前記(B)成分の含有割合が、錠剤中、0.3~35質量%である、請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. 錠剤中に、(D)成分:部分α化デンプン及びα化デンプンから選択される1種以上をさらに含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の錠剤。
  5. 錠剤中に、(E)成分:軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素及びタルクから選択される1種以上をさらに含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の錠剤。
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