JP2022097443A - ビラスチンを含有する口腔内崩壊錠 - Google Patents

ビラスチンを含有する口腔内崩壊錠 Download PDF

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哲矢 西山
Tetsuya Nishiyama
雅代 川上
masayo Kawakami
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Taiho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】高い錠剤硬度と速崩壊性と良好な保存安定性を備えるビラスチンの口腔内崩壊錠、及びその製造方法を提供すること。【解決手段】(1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸又はその塩、;(2)D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール(完全けん化物)からなる造粒物;並びに(3)崩壊剤を含む口腔内崩壊錠。【選択図】なし

Description

本発明は、高い錠剤硬度と速崩壊性と良好な保存安定性を備える口腔内崩壊錠、及びそ
の製造方法に関する。
優れた抗ヒスタミン活性を示す化合物として2-[4-(2-{4-[1-(2-エト
キシエチル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)
フェニル]-2-メチルプロパン酸(以下、本明細書において「ビラスチン」、「化合物
1」ともいう)が報告されている(特許文献1、2)。
高齢化が進む現代社会において、様々な疾患を併発したために多くの薬を日常的に服用
せざるをえない高齢者が増加するにつれ、加齢に伴う嚥下機能低下により「薬を服用する
行為」が困難な患者も増加している。このような状況は、服薬アドヒアランスの低下を招
く一因となっている。こうした嚥下機能が低下した患者には、錠剤やカプセル剤より、む
しろ顆粒剤や細粒剤のような粒剤、又は口腔内で少量の水や唾液により速やかに崩壊する
口腔内崩壊錠の方が好まれる。口腔内崩壊錠には、速やかな崩壊性と高い硬度の両者を併
せ持つことが望まれる。また、高湿度条件下でも実用に耐えうる適度な硬度と十分な崩壊
性を保持することが求められる。そのため、口腔内崩壊錠の製造工程は複雑になる場合が
ある。これらを克服する手段については、種々方法が鋭意開発されている。
例えば、特許文献3には、崩壊性粒子組成物を医薬活性物質と混合して打錠することに
より、高い崩壊性を有し、錠剤の割れ欠けが実用レベルまで低減された口腔内崩壊錠が簡
便に得られることが示されている。特許文献3のように、崩壊性粒子組成物と医薬活性物
質を混合して打錠する場合、得られる口腔内崩壊錠の崩壊性や硬度は、医薬活性物質の配
合量によって変動すると考えられるが、その至適配合量については何ら検討されていない
。また、一般的に口腔内崩壊錠は、高湿度条件下において硬度低下や崩壊遅延を生じる可
能性が高いが、保存安定性についても何ら言及されていない。
特許文献4には、薬効成分含有粉末及び薬効成分含有顆粒からなる群より選ばれる薬効
成分含有組成物と、迅速崩壊性顆粒と、滑沢剤とを含む口腔内崩壊錠が開示されており、
迅速崩壊性顆粒を配合することによって、速やかな崩壊性と高い硬度を有する口腔内崩壊
錠が得られることが示されている。しかし、特許文献4においても、高湿度条件下におけ
る保存安定性については何ら言及されていない。
以上より、速やかな崩壊性と高い硬度を備え、高湿度条件下でも実用に耐え得る適度な
硬度と十分な崩壊性を保持する口腔内崩壊錠を簡便な手法で得るには、未だ改善の余地が
ある。
化合物1又はその塩の剤形としては、錠剤に加えて他の剤形の製剤が報告されている(
特許文献5、6)。しかし、本明細書にて開示される組成による速やかな崩壊性と高い硬
度を備えた製剤は報告されていない。
特開平10-059961号公報 特表2005-529120号公報 特開2017―226600号公報 国際公開WO2017/217494号 CN104398481号 CN104398512号
本発明の課題は、口腔内において速やかな崩壊性を有しながら、流通過程で損傷せず、
高湿度条件下でも実用に耐え得る適度な硬度を有し、しかも崩壊時間の遅延を生じること
のない化合物1又はその塩の口腔内崩壊錠、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ビラスチン(化合物1);添
加剤(D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコ
ール(完全けん化物)からなる造粒物);並びにクロスポビドンを組み合わせることによ
り、簡便な製法にも関わらず、高い錠剤硬度と速崩壊性と良好な保存安定性を備えるビラ
スチンを含有する口腔内崩壊錠が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[18]に係るものである。
[1](1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイミ
ダゾール-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパン
酸又はその塩、
(2)D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコ
ール(完全けん化物)からなる造粒物、並びに
(3)崩壊剤
を含む口腔内崩壊錠。
[2]崩壊剤がクロスポビドンである、[1]に記載の口腔内崩壊錠。
[3]前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
(1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイミダゾー
ル-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸又は
その塩を5.0~23.0質量%含有する、[1]又は[2]に記載の口腔内崩壊錠。
[4]前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
(3)クロスポビドンを1.0~10.0質量%含有する、[2]又は[3]に記載の口
腔内崩壊錠。
[5]前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
(3)クロスポビドンを1.0~5.0質量%含有する、[2]~[4]のいずれかに記
載の口腔内崩壊錠。
[6]前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
(3)クロスポビドンを3.0質量%含有する、[2]~[5]のいずれかに記載の口腔
内崩壊錠。
[7]前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
(2)D-マンニトールが90.0~95.0質量%、低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロースが5.0~7.0質量%、ポリビニルアルコール(完全けん化物)が0.10~0
.30質量%である造粒物を72.0~88.0質量%含有する、[1]~[6]のいず
れかに記載の口腔内崩壊錠。
[8]前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
(2)D-マンニトールを64.0~84.0質量%、低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロースを3.0~6.2質量%、ポリビニルアルコール(完全けん化物)を0.07~0
.30質量%含有する、[1]~[7]のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
[9]錠剤硬度が60N以上である、[1]~[8]のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
[10]崩壊時間が30秒以下である、[1]~[9]のいずれかに記載の口腔内崩壊錠

[11]崩壊時間が25秒以下である、[1]~[10]のいずれかに記載の口腔内崩壊
錠。
[12](1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイ
ミダゾール-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパ
ン酸又はその塩、
(2)D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコ
ール(完全けん化物)からなる造粒物、並びに
(3)クロスポビドン
を含む口腔内崩壊錠の製造方法であって、前記(1)~(3)の成分を混合する工程、及
び混合物を打錠する工程を含む、前記方法。
[12-1]口腔内崩壊錠の製造方法であって、
下記(1)~(3)の成分を混合する工程:
(1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイミダゾ
ール-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸又
はその塩、
(2)D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアル
コール(完全けん化物)からなる造粒物、並びに
(3)クロスポビドン;及び
得られた混合物を打錠する工程
を含む、前記方法。
[13](1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイ
ミダゾール-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパ
ン酸又はその塩、
(2)D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコ
ール(完全けん化物)からなる造粒物、並びに
(3)クロスポビドン
を含む口腔内崩壊錠である医薬組成物。
[14]アレルギー性疾患又はその症状の治療のための、[13]に記載の医薬組成物。
[15]医薬として使用するための、[1]~[11]のいずれかに記載の口腔内崩壊錠

[16]アレルギー性疾患又はその症状の治療に使用するための、[1]~[11]のい
ずれかに記載の口腔内崩壊錠。
[17]対象に[1]~[11]のいずれかに記載の口腔内崩壊錠を経口投与することを
含む、対象を処置する方法。
[18]対象に[1]~[11]のいずれかに記載の口腔内崩壊錠を経口投与することを
含む、対象においてアレルギー性疾患又はその症状を処置する方法。
本発明により、ビラスチンの口腔内崩壊錠及びその製造方法が提供される。本発明に係
る口腔内崩壊錠は速崩壊性と高い硬度を有し、高湿度条件下でも実用に耐え得る適度な硬
度と十分な崩壊性を保持することから、良好な保存安定性を備える。また本発明に係る口
腔内崩壊錠は、特殊な製造装置を要することなく、慣用の製薬工程により簡便に製造する
ことが可能である。
実施例2~6及び比較例4により製造された錠剤の硬度(N)を、打錠直後(Initial)、及び無包装条件にて40℃75%相対湿度条件下1日間静置後(40℃/75%RH (open) 1day)で測定した結果を示すグラフである。 実施例2~6及び比較例4により製造された錠剤の崩壊時間を、打錠直後(Initial)、及び無包装条件にて40℃75%相対湿度条件下1日間静置後(40℃/75%RH (open) 1day)で測定した結果を示すグラフである。 無包装条件にて40℃75%相対湿度条件下1日間静置後(40℃/75%RH (open) 1day)の、実施例2~6及び比較例4により製造された錠剤の外観を示す写真である。 実施例7~9により製造された錠剤の硬度(N)を、打錠直後(Initial)、及び無包装条件にて40℃75%相対湿度条件下1日間静置後(40℃/75%RH (open) 1day)で測定した結果を示すグラフである。 実施例7~9により製造された錠剤の崩壊時間を、打錠直後(Initial)、及び無包装条件にて40℃75%相対湿度条件下1日間静置後(40℃/75%RH (open) 1day)で測定した結果を示すグラフである。
本出願は、2020年12月18日出願の日本国特許出願第2020-209788号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照により本明細書に組み入れる。
以下、本発明に係る口腔内崩壊錠及びその製造方法について説明する。ただし、本発明の口腔内崩壊錠及びその製造方法は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明において、口腔内崩壊錠とは、水なし又は少量の水で口腔内で崩壊させて服用す
ることが可能な錠剤を意味する。好ましくは、水を摂取することなく口腔内の唾液のみで
口腔内で崩壊させて服用可能な錠剤である。口腔内崩壊錠の剤形は、特に限定されるもの
ではないが、素錠、チュアブル錠、フィルムコーティング剤などである。またその形状も
特に限定されず、円盤状、ドーナツ状、球状、楕円状などの形状である。
本発明において、口腔内崩壊錠の有効成分は、2-[4-(2-{4-[1-(2-エ
トキシエチル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル
)フェニル]-2-メチルプロパン酸(「化合物1」若しくは「ビラスチン」)又はその
塩であり、下記構造式(I)で表される。
Figure 2022097443000001
化合物1又はその塩は、公知の化合物であり、例えば、特許文献1(特開平10-05
9961号公報)に記載の方法に準じて合成することができる。
化合物1又はその塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であっ
てもよく、本発明においては、いずれも「化合物1又はその塩」に包含される。
本発明において、化合物1の塩とは、薬学的に許容される塩を意味する。
薬学的に許容される塩とは、化合物の望ましい薬理活性を有する塩であって、無機又は
有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製さ
れる塩を意味する。
化合物1の薬学的に許容される塩としては、特に限定するものではないが、例えば塩酸
、硫酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸等の有機酸との付加塩、カリウ
ム、ナトリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金
属との塩、アンモニウム塩、エチルアミン塩、アルギニン塩等の有機塩基との塩等が挙げ
られる。
本発明における化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠は、化合物1又はその塩、
D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(完
全けん化物)及び崩壊剤を含有する。
本発明における好ましい形態として、化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠は、
化合物1又はその塩;D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポ
リビニルアルコール(完全けん化物)からなる造粒物;並びにクロスポビドンを含有する
本発明において、化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠中の化合物1としての含
有量は、1~90mg/錠、好ましくは3~60mg/錠、より好ましくは9~50mg
、例えば、10mg/錠、20mg/錠又は40mg/錠である。
本発明に用いられる化合物1又はその塩の含有量は、溶出性、安定性、吸収性、及び製
造適性などの面から、口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、1.0~50.0質
量%であることが好ましく、より好ましくは2.0~30.0質量%であり、さらに好ま
しくは5.0~23.0質量%であり、よりさらに好ましくは6.0~22.0質量%で
あり、最も好ましくは10.0~12.0質量%である。
本発明における化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠は、添加剤としてD-マン
ニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールである造粒物
、及び崩壊剤を含む。本発明に係る口腔内崩壊錠は、上記以外にも、種々の添加剤を含有
しても良い。添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、着色剤、着香剤、矯味
剤、甘味剤、滑沢剤、流動化剤、コーティング剤などが挙げられる。
本発明において、賦形剤は、口当たりなどを考慮すると水溶性若しくは水親和性のもの
が好ましい。例えば、マンニトール、エリスリトール、ソルビトール及びキシリトールな
どの糖アルコール、トレハロース、シクロデキストリン、トウモロコシデンプン、ショ糖
、結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウムなどを単体又は適宜組み
合わせて使用することができる。本発明においては糖アルコールが好ましく、さらに好ま
しくはマンニトールが好ましく、特に好ましくはD-マンニトールが好ましい。
D-マンニトールの含有量は、化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠全量を10
0.0質量%として、64.0~84.0質量%が好ましく、64.8~83.6質量%
がより好ましく、68.0~81.0質量%がより好ましく、68.4~80.8質量%
がさらに好ましく、74.7~78.9質量%が特に好ましい。
本発明において、崩壊剤は、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロス
ポビドン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナト
リウム、カルメロース、各種デンプン類等から選択することができる。これらの崩壊剤は
、単独又は二種以上組み合わせて使用できる。本発明においては、低置換度ヒドロキシプ
ロピルセルロース、クロスポビドンが好ましい。
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの含有量は、化合物1又はその塩を含有する口
腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、3.0~6.2質量%が好ましく、3.6~
6.2質量%がより好ましく、3.8~6.0質量%がより好ましく、4.2~5.8質
量%が特に好ましい。
クロスポビドンの含有量は、化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠全量を100
.0質量%として、1.0~10.0質量%が好ましく、1.0~5.0質量%がより好
ましく、1.0~4.0質量%がより好ましく、1.0~3.0質量%がさらに好ましく
、3.0質量%が特に好ましい。
本発明において、結合剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(完全けん化物)
、マクロゴール及び上記に賦形剤として示した化合物等から選択することができる。これ
らの結合剤は、単体又は適宜組み合わせて使用することができる。本発明においてはポリ
ビニルアルコール(完全けん化物)が好ましい。
本発明において、ポリビニルアルコールはポリビニルアルコールでもポリビニルアルコ
ール(完全けん化物)でもよいが、好ましくはポリビニルアルコール(完全けん化物)で
ある。
ポリビニルアルコール(完全けん化物)の含有量は、化合物1又はその塩を含有する口
腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、0.07~0.30質量%が好ましく、0.
07~0.26質量%がより好ましく、0.08~0.26質量%がさらに好ましく、0
.08~0.25質量%が特に好ましい。
本発明において、滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステ
アリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、水素添
加植物油、マイクロクリスタリンワックス、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコ
ール等から選択することができる。これらの滑沢剤は、単体又は適宜組み合わせて使用す
ることができる。本発明においてはステアリン酸マグネシウムが好ましい。
ステアリン酸マグネシウムの含有量は、化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠全
量を100.0質量%として、0.5~1.5質量%が好ましく、1.0質量%が特に好
ましい。
本発明における化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠において、矯味剤は、例え
ば、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム
、ステビア、タウマチン、スクラロース、アセスルファムK、l-メントール、カンフル
、ハッカ等から選択することができる。これらの矯味剤は、単体又は適宜組み合わせて使
用することができる。本発明においては、アスパルテーム、スクラロースが好ましく、ア
スパルテームがさらに好ましい。
矯味剤の含有量は、化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊錠全量を100.0質量
%として、0.1~5.0質量%が好ましく、1.0~5.0質量%がより好ましく、2
.0質量%がさらに好ましい。
本発明において、流動化剤としては、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、タルク、ステ
アリン酸マグネシウム等が挙げられる。
本発明において、着色剤としては、食用黄色5号色素、食用青色2号色素、食用レーキ
色素、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄及び酸化チタン等が挙げられる。
本発明において、コーティング剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒ
プロメロース、TC-5、METOLOSE(登録商標)など)及びポリエチレングリコ
ール(PEG400、PEG1500、PEG4000、PEG6000、マクロゴール
400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000など)な
どが挙げられる。
本発明の口腔内崩壊錠は、服用しやすい経口投与医薬組成物とするために、オレンジ、
レモン、ライム等、各種香料等を着香剤として用いることができる。
好ましい実施形態において、口腔内崩壊錠は、全量を100.0質量%として、D-マ
ンニトールを64.0~84.0質量%、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを3.
0~6.2質量%、ポリビニルアルコール(完全けん化物)を0.07~0.30質量%
含有する。
本発明において、さらに、その他の添加剤として、例えば、甘味剤、香料、帯電防止剤
、界面活性剤、湿潤剤、充填剤、増量剤、吸着剤、防湿剤、抗酸化剤、保存剤(例えば防
腐剤)、緩衝剤などを用いることもできる。
本発明の口腔内崩壊錠を調製するに当たり、賦形剤、崩壊剤、結合剤等が予め混合され
た添加剤(プレミックス)を用いることができる。例えば、SmartEx(登録商標)
はD-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(
完全けん化物)を構成成分とする造粒物である。本発明において賦形剤、崩壊剤、結合剤
が予め混合された添加剤を用いる場合は、当該添加剤の組成や物性を考慮して添加量を適
宜調整して用いるべきである。口腔内崩壊錠の成型性や崩壊性を調製するために、更に結
合剤や崩壊剤を加えることができる。
D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール
(完全けん化物)からなる造粒物とは、D-マンニトールを90.0~95.0質量%、
低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを5.0~7.0質量%、ポリビニルアルコール
(完全けん化物)を0.10~0.30質量%含む添加剤である。例えば、SmartE
x(登録商標)等が挙げられ、SmartEx(登録商標)QD-50及びQD-100
が市販されている。
D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール
(完全けん化物)からなる造粒物の含有量は、化合物1又はその塩を含有する口腔内崩壊
錠全量を100.0質量%として、70.0~90.0質量%がより好ましく、72.0
~88.0質量%がより好ましく、76.0~85.0質量%がさらに好ましく、83.
0質量%が特に好ましい。
これらの添加剤は、医薬品製剤用途で品質が保証されたものであれば特に制限されるこ
となく用いることができる。これらの添加剤は1種のみを用いても良く、これらの混合物
として用いても良い。これらの添加剤の詳細については、例えば、医薬品添加物規格20
18により確認することができる。
本発明の口腔内崩壊錠は、公知の製剤の製造方法により製造することができる。例えば
、成分を混合した後に打錠する方法、成分を混合して造粒した後に打錠する方法、一部の
成分を造粒した後に他の成分と混合し、打錠する方法などを利用することができる。例え
ば、造粒の方法として、流動層造粒法、撹拌造粒法、転動流動造粒法、押し出し造粒法、
噴霧乾燥造粒法及び乾式造粒法等を用いて造粒物を製造することができる。造粒後に得ら
れた造粒物を乾燥してもよい。打錠は、公知の打錠機を用いて、得られる錠剤が、適度な
硬度を有し、口腔内崩壊錠として速やかに崩壊することができるように調節して行う。打
錠機として、例えば、ロータリー式打錠機、単発打錠機、油圧プレス等を適宜選択して用
いることができる。また打錠圧は、打錠方法、使用する打錠機、錠剤の大きさ及び厚み、
有効成分の種類等に応じて適宜調整される。
したがって、本発明に係る口腔内崩壊錠の製造方法は、上述した口腔内崩壊錠の成分を
混合する工程及び混合物を打錠する工程を含む。本発明に係る製造方法は、成分の一部又
は全てを造粒する工程、錠剤をコーティングする工程などをさらに含んでもよい。
本発明における安定性とは、製剤としての物理的な安定性、及び有効成分である化合物
1又はその塩の化学的な安定性のいずれも含まれる。安定性の改善については、保存する
前後の製剤の状態を同一条件で比較すること、及び化合物1又はその塩の化学純度を高速
液体クロマトグラフィーなどで比較することにより判断できる。安定性の向上は、医薬品
の保存及び流通を考慮すれば、口腔内崩壊錠又は医薬組成物にとって常に非常に重要な課
題である。
本発明における硬度とは、錠剤の分野で公知の規格であり、例えば下記の試験例に記載
の方法で測定される値をいう。具体的には、錠剤硬度計(例えばPC-30、岡田精工株
式会社製)を用い、その冶具により錠剤の横方向から挟んで徐々に加圧して、錠剤が割れ
た時点の負荷(N)をいう。
製造、輸送及び実臨床での使用における実用上の観点から、錠剤硬度は有る程度高いこ
とが必要である。本発明の口腔内崩壊錠の錠剤硬度は、好ましくは約60N以上であり、
より好ましくは約70N以上であり、さらに好ましくは80N以上である。硬度の上限は
特に限定されないが、一般的に200N以下である。
本発明における崩壊時間は、日本薬局方で定められた崩壊試験法によって測定される時
間であり、例えば下記の試験例2に記載の方法で測定される時間をいう。本発明において
は、崩壊試験器(NT-4H、NT-4H(P)、富山産業株式会社製)を用いて測定し
た。
本発明の口腔内崩壊錠において、崩壊時間は、好ましくは30秒以下であり、より好ま
しくは25秒以下である。
本発明における口腔内崩壊時間は、口腔内における崩壊挙動を模倣して崩壊させた錠剤
の崩壊時間を測定したものであり、例えば下記の試験例1に記載の方法で測定される時間
をいう。本発明においては、口腔内崩壊錠試験器(ODT-101、富山産業株式会社製
)を用いて測定した。
本発明の口腔内崩壊錠において、口腔内崩壊時間は、好ましくは30秒以下であり、よ
り好ましくは25秒以下である。
本発明の口腔内崩壊錠においては、一定以上の錠剤硬度と速やかな口腔内崩壊時間を兼
ね備えていることが望ましい。例えば、錠剤硬度が約60N以上であり、かつ、口腔内崩
壊時間が30秒以下である。
錠剤の摩損度は、錠剤の分野で公知の規格であり、日本薬局方、錠剤の摩損度試験法に
従い、試験を行った。
化合物1又はその塩は、アレルギー性疾患の治療剤として、世界各国で製造・販売され
ている。そのため、本発明に係る口腔内崩壊錠は、医薬組成物として、例えば、アレルギ
ー性疾患又はその症状の治療のための医薬組成物として用いることができる。より具体的
には、本発明に係る口腔内崩壊錠は、アレルギー性鼻炎(花粉症)、蕁麻疹、皮膚疾患(
湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒等の治療剤として用いることができる。
医薬組成物として対象の処置に使用する場合、本発明に係る口腔内崩壊錠は、対象に経
口投与される。投与量は、対象の年齢、体重、状態など、処置する目的(例えば、疾患若
しくは症状の治療若しくは予防)などに応じて異なり、当業者であれば、適宜設定するこ
とが可能である。例えば、化合物1の量に換算して、1日当たり10~40mg、好まし
くは20mgを投与する。
次に実施例を挙げて、本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限られるものではな
い。
[実施例1:錠剤Aの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)2g;D-マ
ンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール(完全け
ん化物)からなる造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50;信越化学工業株式会
社製)12.75g(D-マンニトール90.0~95.0%、低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロース5.0~7.0%、ポリビニルアルコール(完全けん化物)0.1~0.
3%を含む)、矯味剤0.1g、ステアリン酸マグネシウム(植物性、太平化学産業株式
会社製)0.15gを十分に混合し、1錠当たり質量150mg、ビラスチン20mgで
油圧プレス(理研精機株式会社製)を用いて圧縮力500kgfで打錠し、直径8mm、
質量150mgの錠剤Aを得た。
[比較例1:錠剤aの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)2g;D-マ
ンニトール、カルメロース、結晶セルロース及びクロスポビドンからなる混合物(グラン
フィラーD(登録商標):ダイセル社製)12.75g(D-マンニトールを53.0~
59.0%、カルメロースを15.0~25.0%、結晶セルロースを17.0~23.
0%、クロスポビドンを3.4~4.6%含む)、矯味剤0.1g、ステアリン酸マグネ
シウム(植物性、太平化学産業株式会社製)0.15gを十分に混合し、1錠当たり質量
150mg、ビラスチン20mgで油圧プレス(理研精機株式会社製)を用いて圧縮力5
00kgfで打錠し、直径8mm、質量150mgの錠剤aを得た。
[比較例2:錠剤bの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)2g;D-マ
ンニトール及びトウモロコシデンプンからなる造粒物(PEARLITOL(登録商標)
Flash;ROQUETTE社製)12.75g(D-マンニトールを78.0~82
.0%、トウモロコシデンプンを15.0~19.0%含む)、矯味剤0.1g、ステア
リン酸マグネシウム(植物性、太平化学産業株式会社製)0.15gを十分に混合し、1
錠当たり質量150mg、ビラスチン20mgで油圧プレス(理研精機株式会社製)を用
いて圧縮力500kgfで打錠し、直径8mm、質量150mgの錠剤bを得た。
[比較例3:錠剤cの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)2g;D-マ
ンニトール、キシリトール、結晶セルロース、クロスポビドン及びメタケイ酸アルミン酸
マグネシウムからなる混合物(エフメルト(登録商標);富士化学製)12.75g(D
-マンニトールを62.3~67.2%、キシリトールを4.2~5.8%、結晶セルロ
ースを13.5~16.5%、クロスポビドンを6.8~9.2%、メタケイ酸アルミン
酸マグネシウムを5.9~8.0%含む)、矯味剤0.1g、ステアリン酸マグネシウム
(植物性、太平化学産業株式会社製)0.15gを十分に混合し、1錠当たり質量150
mg、ビラスチン20mgで油圧プレス(理研精機株式会社製)を用いて圧縮力500k
gfで打錠し、直径8mm、質量150mgの錠剤cを得た。
[試験例1:錠剤の硬度及び崩壊時間の測定]
実施例1及び比較例1~3により製造された錠剤について、錠剤硬度計(PC-30、
岡田精工株式会社製)を用い、直径方向の硬度を測定し、3錠の平均値より硬度(N)を
求めた。崩壊時間は、口腔内崩壊錠試験器(ODT-101、富山産業株式会社製)を用
いて、試験液:水(37.0±1℃)、錘質量:10g、回転数:20rpmの条件にて
、錘が錠剤に接した時点から錠剤が完全に崩壊するまでの時間を測定した。結果を表1に
示す。表1中、成分の数値は質量%である。
表1の結果から明らかなように、実施例1の錠剤は、高い硬度と速崩壊性を併せ持つこ
とを確認した。
Figure 2022097443000002
[実施例2:錠剤Bの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)40g;D-
マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール(完全
けん化物)からなる造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50;D-マンニトール
90.0~95.0%、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5.0~7.0%、ポリ
ビニルアルコール(完全けん化物)0.1~0.3%を含む、信越化学工業株式会社製)
304.8g、クロスポビドン(Kollidon(登録商標)CL-SF、BASF製
)3.6g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネシウム(植
物性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量180mg、
ビラスチン20mg、クロスポビドン1.8mgでロータリー式打錠機「12TU-AW
」(株式会社菊水製作所製)を用いて圧縮力930kgfで打錠し、直径8mm、質量1
80mgの錠剤Bを得た。
[実施例3:錠剤Cの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)40g;D-
マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール(完全
けん化物)からなる造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50;D-マンニトール
90.0~95.0%、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5.0~7.0%、ポリ
ビニルアルコール(完全けん化物)0.1~0.3%を含む、信越化学工業株式会社製)
297.6g、クロスポビドン(Kollidon(登録商標)CL-SF、BASF製
)10.8g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネシウム(
植物性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量180mg
、ビラスチン20mg、クロスポビドン5.4mgでロータリー式打錠機「12TU-A
W」(株式会社菊水製作所製)を用いて圧縮力920kgfで打錠し、直径8mm、質量
180mgの錠剤Cを得た。
[実施例4:錠剤Dの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)40g;D-
マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール(完全
けん化物)からなる造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50;D-マンニトール
90.0~95.0%、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5.0~7.0%、ポリ
ビニルアルコール(完全けん化物)0.1~0.3%を含む、信越化学工業株式会社製)
294g、クロスポビドン(Kollidon(登録商標)CL-SF、BASF製)1
4.4g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネシウム(植物
性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量180mg、ビ
ラスチン20mg、クロスポビドン7.2mgでロータリー式打錠機「12TU-AW」
(株式会社菊水製作所製)を用いて圧縮力910kgfで打錠し、直径8mm、質量18
0mgの錠剤Dを得た。
[実施例5:錠剤Eの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)40g;D-
マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール(完全
けん化物)からなる造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50;D-マンニトール
90.0~95.0%、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5.0~7.0%、ポリ
ビニルアルコール(完全けん化物)0.1~0.3%を含む、信越化学工業株式会社製)
290.42g、クロスポビドン(Kollidon(登録商標)CL-SF、BASF
製)18g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネシウム(植
物性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量180mg、
ビラスチン20mg、クロスポビドン9mgでロータリー式打錠機「12TU-AW」(
株式会社菊水製作所製)を用いて圧縮力900kgfで打錠し、直径8mm、質量180
mgの錠剤Eを得た。
[実施例6:錠剤Fの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)40g;D-
マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール(完全
けん化物)からなる造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50;D-マンニトール
90.0~95.0%、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5.0~7.0%、ポリ
ビニルアルコール(完全けん化物)0.1~0.3%を含む、信越化学工業株式会社製)
272.43g、クロスポビドン(Kollidon(登録商標)CL-SF、BASF
製)36g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネシウム(植
物性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量180mg、
ビラスチン20mg、クロスポビドン18mgでロータリー式打錠機「12TU-AW」
(株式会社菊水製作所製)を用いて圧縮力820kgfで打錠し、直径8mm、質量18
0mgの錠剤Fを得た。
[比較例4:錠剤Xの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)40g;D-
マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコール(完全
けん化物)からなる造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50;信越化学工業株式
会社製)308.4g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネ
シウム(植物性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量1
80mg、ビラスチン20mgでロータリー式打錠機「12TU-AW」(株式会社菊水
製作所製)を用いて圧縮力970kgfで打錠し、直径8mm、質量180mgの錠剤X
を得た。
実施例2~6及び比較例4の成分量を表2にまとめる。表2中の数値は質量%である。
Figure 2022097443000003
[試験例2:錠剤の硬度及び崩壊時間の測定]
実施例2~6及び比較例4により製造された錠剤について、錠剤硬度計(PC-30、
岡田精工株式会社製)を用い、直径方向の硬度を測定し、5錠の平均値より硬度(N)を
求めた。崩壊時間は、崩壊試験器(NT-4H、NT-4H(P)、富山産業株式会社製
)を用いて、試験液:水(37±2℃)、ディスク無しの条件にて、試験器への投入から
錠剤の完全な崩壊までの時間を測定した。なお、硬度と崩壊時間は、打錠直後(Initial
)、及び無包装条件にて40℃75%相対湿度条件下1日間静置後(40℃/75%RH
(open) 1day)に測定した。結果をそれぞれ図1及び図2に示す。
[試験例3]
実施例2~6及び比較例4により製造された錠剤を、無包装条件にて40℃75%相対
湿度条件下1日間静置後(40℃/75%RH (open) 1day)に外観を確認
した。結果を図3に示す。
[試験例4:類縁物質量の測定]
実施例2~6及び比較例4により製造された錠剤を、室温又は苛酷条件下(40℃/7
5%RH (open))で1箇月間保存した後、生成した類縁物質量を日本薬局方一般
試験法物理学的試験法収載液体クロマトグラフィー法により測定した。結果を表3に示す
[試験例5:摩損度の測定]
実施例6により製造された錠剤を、苛酷条件下(40℃/75%RH (open))
で1日間保存した後、日本薬局方の錠剤の摩損度試験法により測定した。
図1及び図2の結果から明らかなように、クロスポビドン配合量が1~10質量%の範
囲において、本製剤は高い硬度と速崩壊性を併せ持ち、吸湿時(40℃/75%RH (
open) 1day)も十分な硬度と速崩壊性を保持していることを確認した。また、
クロスポビドン配合量が10質量%の錠剤(錠剤F)の吸湿時の摩損度は0.20%であ
った。さらに、図3及び表3の結果から明らかなように、吸湿による性状変化や類縁物質
量の顕著な増加を認めず、良好な保存安定性を有していることを確認した。
Figure 2022097443000004
[実施例7:錠剤Hの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)20g、D-
マンニトール・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース・ポリビニルアルコール(完全け
ん化物)造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50、信越化学工業株式会社製)3
17.6g、クロスポビドン(Kollidon(登録商標)CL-SF、BASF製)
10.8g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネシウム(植
物性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量180mg、
ビラスチン10mgでロータリー式打錠機「12TU-AW」(株式会社菊水製作所製)
を用いて圧縮力850kgfで打錠し、直径8mm、質量180mgの錠剤Hを得た。
[実施例8:錠剤Iの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)40g、D-
マンニトール・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース・ポリビニルアルコール(完全け
ん化物)造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50、信越化学工業株式会社製)2
97.6g、クロスポビドン(Kollidon(登録商標)CL-SF、BASF製)
10.8g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネシウム(植
物性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量180mg、
ビラスチン20mgでロータリー式打錠機「12TU-AW」(株式会社菊水製作所製)
を用いて圧縮力920kgfで打錠し、直径8mm、質量180mgの錠剤Iを得た。
[実施例9:錠剤Jの製造]
ビラスチン(SAI LIFE SCIENCES LIMITED製)80g、D-
マンニトール・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース・ポリビニルアルコール(完全け
ん化物)造粒物(SmartEx(登録商標)QD-50、信越化学工業株式会社製)2
57.6g、クロスポビドン(Kollidon(登録商標)CL-SF、BASF製)
10.8g、アスパルテーム(味の素株式会社製)8g、ステアリン酸マグネシウム(植
物性、太平化学産業株式会社製)3.6gを十分に混合し、1錠当たり質量180mg、
ビラスチン40mgでロータリー式打錠機「12TU-AW」(株式会社菊水製作所製)
を用いて圧縮力880kgfで打錠し、直径8mm、質量180mgの錠剤Jを得た。
実施例7~9の成分量を表4にまとめる。表4中の数値は質量%である。
Figure 2022097443000005
試験例2に従い、錠剤の硬度及び崩壊時間を測定した。結果をそれぞれ図4及び図5に
示す。
試験例4に従い、類縁物質量を測定した。結果を表5に示す。
図4及び図5の結果から明らかなように、原薬(ビラスチン)配合量が6~22質量%
の範囲において、本製剤は高い硬度と速崩壊性を併せ持ち、吸湿時(40℃/75%RH
(open) 1day)も十分な硬度と速崩壊性を保持していることを確認した。ま
た、表5の結果から明らかなように、吸湿による類縁物質量の顕著な増加を認めず、良好
な保存安定性を有していることを確認した。
Figure 2022097443000006

Claims (14)

  1. (1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイミダゾー
    ル-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸又は
    その塩、
    (2)D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコ
    ール(完全けん化物)からなる造粒物、並びに
    (3)崩壊剤
    を含む口腔内崩壊錠。
  2. 崩壊剤がクロスポビドンである、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。
  3. 前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
    (1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイミダゾー
    ル-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸又は
    その塩を5.0~23.0質量%含有する、請求項1又は2に記載の口腔内崩壊錠。
  4. 前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
    (3)クロスポビドンを1.0~10.0質量%含有する、請求項2又は3に記載の口腔
    内崩壊錠。
  5. 前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
    (3)クロスポビドンを1.0~5.0質量%含有する、請求項2~4のいずれか1項に
    記載の口腔内崩壊錠。
  6. 前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
    (3)クロスポビドンを3.0質量%含有する、請求項2~5のいずれか1項に記載の口
    腔内崩壊錠。
  7. 前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
    (2)D-マンニトールが90.0~95.0質量%、低置換度ヒドロキシプロピルセル
    ロースが5.0~7.0質量%、ポリビニルアルコール(完全けん化物)が0.10~0
    .30質量%である造粒物を72.0~88.0質量%含有する、請求項1~6のいずれ
    か1項に記載の口腔内崩壊錠。
  8. 前記口腔内崩壊錠全量を100.0質量%として、
    (2)D-マンニトールを64.0~84.0質量%、低置換度ヒドロキシプロピルセル
    ロースを3.0~6.2質量%、ポリビニルアルコール(完全けん化物)を0.07~0
    .30質量%含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  9. 錠剤硬度が60N以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  10. 崩壊時間が30秒以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  11. 崩壊時間が25秒以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  12. (1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイミダゾー
    ル-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸又は
    その塩、
    (2)D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコ
    ール(完全けん化物)からなる造粒物、並びに
    (3)クロスポビドン
    を含む口腔内崩壊錠の製造方法であって、前記(1)~(3)の成分を混合する工程、及
    び混合物を打錠する工程を含む、前記方法。
  13. (1)2-[4-(2-{4-[1-(2-エトキシエチル)-1H-ベンズイミダゾー
    ル-2-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)フェニル]-2-メチルプロパン酸又は
    その塩、
    (2)D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコ
    ール(完全けん化物)からなる造粒物、並びに
    (3)クロスポビドン
    を含む口腔内崩壊錠である医薬組成物。
  14. アレルギー性疾患又はその症状の治療のための、請求項13に記載の医薬組成物。
JP2021204817A 2020-12-18 2021-12-17 ビラスチンを含有する口腔内崩壊錠 Pending JP2022097443A (ja)

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