JP2022097376A - 硬化性液状組成物、粒子状フィラー、及び化合物 - Google Patents

硬化性液状組成物、粒子状フィラー、及び化合物 Download PDF

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Kunihiro Noda
哲郎 藤波
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Abstract

【課題】粒子状フィラー(A)と、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)とを含み、粒子状フィラー(A)の分散安定性が良好であり、高硬度の硬化物を与える硬化性液状組成物と、当該硬化性液状組成物に好適に配合される粒子状フィラーと、前記粒子状フィラーに結合するリガンドとして好適に使用し得る化合物とを提供すること。【解決手段】環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)を硬化性成分として含む硬化性液状組成物において、その表面に芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンド(a1)が結合している粒子状フィラー(A)を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、粒子状フィラーとエポキシ化合物とを含有する硬化性液状組成物、当該硬化性液状組成物に配合される粒子状フィラー、当該粒子状フィラーにおけるリガンドとして好適に使用される化合物に関する。
光学材料、及び電子部品材料等の種々の材料において、粒子状フィラーを含む硬化性粗液状組成物が広く使用されている。硬化性液状組成物を用いる場合、硬化物を形成したい箇所に、硬化性液状組成物を塗布したり注入したりすることにより、容易に硬化物を形成できる。また、粒子状フィラーは、硬化物の屈折率の調整、硬化物中での光線の散乱、硬化物の機械的特性の調整、硬化物の抵抗等の電気的特性の調整のような種々の目的で、硬化性液状組成物に配合される。
硬化性液状組成物における硬化性成分としては、硬化剤の種類に応じて、加熱や露光等の種々の方法によって高硬度の硬化物を形成できることから、エポキシ化合物が使用されることが多い。また、硬化物の透明性が要求される用途では、硬化物の機械的特性と透明性とを両立しやすいことから、硬化性液状組成物における硬化性成分として脂環式エポキシ化合物のような非芳香族環式基を有するエポキシ化合物がしばしば用いられる。
粒子状フィラーの代表例としては、金属酸化物微粒子が挙げられる。しかし、表面処理されていない、未処理の状態の金属酸化物微粒子等の粒子状フィラーを、硬化性液状組成物に配合する場合、粒子状フィラーが凝集しやすい問題がある。硬化性液状組成物中で粒子状フィラーが凝集すると、粒子状フィラーが有する機能を発揮しにくい。このため、金属酸化物微粒子等の粒子状フィラーに、分散媒に対する良好な分散安定性を付与するために、種々の表面処理方法が提案されている。
かかる表面処理方法として、金属酸化物微粒子の表面の少なくとも一部を、芳香族構造を有するカルボン酸化合物で被覆する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2015-017026号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法で表面処理された金属酸化物微粒子を、非芳香族環式基を有するエポキシ化合物を含む硬化性液状組成物に配合する場合、硬化性液状組成物中での金属酸化物微粒子の分散安定性が必ずしも良好でなかったり、硬化性液状組成物を用いて高硬度の硬化物を形成しにくかったりする問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、粒子状フィラー(A)と、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)とを含み、粒子状フィラー(A)の分散安定性が良好であり、高硬度の硬化物を与える硬化性液状組成物と、当該硬化性液状組成物に好適に配合される粒子状フィラーと、前記粒子状フィラーに結合するリガンドとして好適に使用し得る化合物とを提供することを目的とする。
本発明者らは、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)を硬化性成分として含む硬化性液状組成物において、その表面に芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンド(a1)が結合している粒子状フィラー(A)を用いることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様は、粒子状フィラー(A)、及びエポキシ化合物(B)を含み、
粒子状フィラー(A)の表面に、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンド(a1)が結合しており、
エポキシ化合物(B)が、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有する、硬化性液状組成物である。
本発明の第2の態様は、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンド(a1)がその表面に結合している、粒子状フィラーである。
本発明の第3の態様は、下記式(A1):
HS-R-R・・・(A1)
(式(A1)中、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基である。)
で表される化合物である。
本発明によれば、粒子状フィラー(A)と、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)とを含み、粒子状フィラー(A)の分散安定性が良好であり、高硬度の硬化物を与える硬化性液状組成物と、当該硬化性液状組成物に好適に配合される粒子状フィラーと、前記粒子状フィラーに結合するリガンドとして好適に使用し得る化合物とを提供することができる。
≪硬化性液状組成物≫
硬化性液状組成物は、粒子状フィラー(A)、及びエポキシ化合物(B)を含む。
粒子状フィラー(A)の表面には、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンド(a1)が結合している。また、エポキシ化合物(B)は、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有する。
脂環式エポキシ基を有する特定の構造のリガンド(a1)が結合した粒子状フィラー(A)と、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)とを組み合わせて含むことによって、硬化性液状組成物中における粒子状フィラー(A)の分散安定性が良好である。
以下、硬化性液状組成物が含み得る、必須、又は任意の成分について説明する。
<粒子状フィラー(A)>
粒子状フィラー(A)としては、従来より液状の硬化性組成物に配合されている粒子状フィラーを特に限定なく用いることができる。
粒子状フィラー(A)の材質は、樹脂等の有機材料であっても、金属や金属酸化物等の無機材料であってもよい。エポキシ化合物(B)や有機溶剤(S)による粒子状フィラー(A)の膨潤等が生じにくいことから、粒子状フィラー(A)の材質としては、無機材料が好ましい。
例えば、粒子状フィラー(A)がコアシェル型粒子のように複数の材質からなる粒子である場合、複数の材質の組み合わせは有機材料と無機材料との組み合わせであってもよい。
粒子状フィラー(A)の形状、及びサイズも、それぞれ、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。粒子状フィラー(A)の形状は、例えば球状であっても、正多面体のような規則的な多面体形状であっても、不規則な多面体形状であってもよい。
また、粒子状フィラー(A)の構造は、例えば、中空構造であっても、多孔質構造であってもよい。
粒子状フィラー(A)の好ましい一例としては、金属酸化物粒子が挙げられる。
金属酸化物粒子において、金属酸化物は、用途に応じて適宜選択できる。金属酸化物を構成する金属としては、例えば、遷移金属、周期表第10族金属、周期表第13族金属、及び周期表第14族金属等が挙げられる。なお、ケイ素は金属に含まれない。金属酸化物は、単一の金属を含む酸化物であってもよく、2種以上の金属を含む酸化物、又は複酸化物であってもよい。遷移金属としては、例えば、イットリウム、及びセリウム等の周期表第3族金属、チタン、ジルコニウム、及びハフニウム等の周期表第4族金、ニオブ、及びタンタル等の周期表第5族金属、タングステン等の周期表第6族金属、並びに鉄等の周期表第8族金属が挙げられる。周期表第10族金属としては、亜鉛等が挙げられる。周期表第13族金属としては、アルミニウム、及びインジウム等が挙げられる。周期表第14族金属としては、ゲルマニウム、及びスズ等が挙げられる。
代表的な金属酸化物粒子としては、例えば、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、及び亜鉛から選択された少なくとも1種の非ケイ素系金属を含む金属酸化物粒子が挙げられる。
硬化性液状組成物を用いて、高屈折率を示す硬化物を形成する場合、金属酸化物粒子としては、ジルコニウム、及びチタンから選択された少なくとも1種を含む金属酸化物粒子が好ましく、酸化ジルコニウム粒子、及び酸化チタン粒子がより好ましい。
金属酸化物は、鉱物等の天然物でもよく、合成品であってもよい。金属酸化物の合成品としては、金属アルコキシドのような金属原子を含む加水分解縮合性化合物を、加水分解縮合させることにより得られた加水分解縮合物であってもよい。かかる加水分解縮合物は、いわゆる、ゾルゲル法により得られた金属酸化物であってよい。
なお、金属酸化物粒子の表面において、ヒドロキシル基、及びアルコキシ基等の加水分解縮合性基のような官能基が金属原子に直接結合している場合が多い。
金属酸化物粒子の製造に使用し得る加水分解縮合性化合物としては、ジルコニウム原子やチタン原子等の金属原子に直接結合した加水分解縮合性基を少なくとも1つ有する化合物が挙げられる。加水分解縮合性基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、及びヒドロキシ基等が挙げられる。
代表的な加水分解縮合性金属化合物としては、金属アルコキシドが挙げられる。これらの加水分解縮合性金属化合物は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
金属酸化物粒子の平均粒径(平均一次粒子径)は、特に限定されないが、通常、ナノメータサイズであってもよい。例えば、金属酸化物粒子の平均体積粒子径(累積50%体積粒子径)は、1000nm以下が好ましく、700nm以下がより好ましく、500nm以下がさらに好ましく、300nm以下がさらにより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
より具体的には、金属酸化物粒子の平均粒子径は、1nm以上800nm以下が好ましく、1nm以上600nm以下がより好ましく、2nm以上400nm以下がさらに好ましく、3nm以上200nm以下がさらにより好ましく、5nm以上70nm以下が特に好ましい。
硬化物の十分な透明性を担保するためには、金属酸化物の平均粒子径は、50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。より具体的には、金属酸化物の平均粒子径は、40nm以下が好ましく、35nm以下がより好ましく、25nm以下がさらに好ましい。下限は小さい方が好ましく、例えば、1nm以上である。
粒子状フィラー(A)の他の好ましい例としては、量子ドットが挙げられる。
量子ドットについて、量子ドットとしての機能を奏する微粒子である限りにおいて、その構造やその構成成分は特に限定されない。量子ドットは、量子力学に従う独特の光学特性(後述の量子閉じ込め効果)を有するナノスケールの材料であり、一般的に半導体ナノ粒子のことである。本明細書において、量子ドットは、半導体ナノ粒子表面にさらに発光量子収率を向上させるために被覆されている量子ドット(後述のシェル構造を有する量子ドット)や、安定化のために表面修飾されている量子ドットも含む。
量子ドットは、バンドギャップ(価電子帯及び伝導帯のエネルギー差)よりも大きなエネルギーの光子を吸収し、その粒子径に応じた波長の光を放出する半導体ナノ粒子とされている。量子ドットの材料に含まれる元素としては、例えば、II族元素(2A族、2B族)、III族元素(特に3A族)、IV族元素(特に4A族)、V族元素(特に5A族)、及びVI族元素(特に6A族)からなる群から選択される1種以上が挙げられる。量子ドットの材料として好ましい化合物又は元素としては、例えば、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物及びこれらの組み合わせが挙げられる。
II-VI族化合物としては、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgS及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物;CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、MgZnSe、MgZnS及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物;及びHgZnTeS、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物;が挙げられる。
III-V族化合物としては、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物;GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物;及びGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物;が挙げられる。
IV-VI族化合物としては、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物;SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物;及びSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物;が挙げられる。
IV族元素としては、Si、Ge及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物;が挙げられる。IV族化合物としては、SiC、SiGe及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の化合物;が挙げられる。
量子ドットの構造は、1種の化合物からなる均質構造であってもよく、2種以上の化合物からなる複合構造であってもよい。上記化合物の発光量子収率を向上させるために、量子ドットの構造は、コアが、1層以上のシェル層で被覆されたコア-シェル構造であることが好ましく、コアの材質となる化合物の粒子表面を半導体材料でエピタキシャルに被覆した構造であることがより好ましい。例えば、コアの材質としてII-VI族のCdSeを用いた場合、その被覆層(シェル)としてZnS、ZnSSe等が用いられる。シェルはコアの材質と同じ格子定数であることが好ましく、コア-シェルの格子定数の差の小さい材料の組み合わせが適宜選択される。
蛍光効率の点からは、量子ドットが、Cd又はInを含む化合物を構成成分として含むのが好ましく、安全性を加味するとInを含む化合物を構成成分として含むのがより好ましい。
シェル層を持たない均質構造型の量子ドットの好適な具体例としては、AgInS、及びZnがドープされたAgInSが挙げられる。
コア-シェル型の量子ドットとしては、InP/ZnS、InP/ZnSSe、CuInS/ZnS、及び(ZnS/AgInS)固溶体/ZnSが挙げられる。
なお、上記において、コア-シェル型の量子ドットの材質は、(コアの材質)/(シェル層の材質)として記載されている。
また、安全性と発光量子収率の向上の点で、コア―シェル構造のシェルを多層構造にすることが好ましく、2層にすることがより好ましい。
コア-多層シェル構造の場合、コアの材質が、InP、ZnS、ZnSeからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であることが好ましく、コアの材質がInPを含むことがより好ましい。コアの総質量のうち、InPの含有割合は、50質量%以上100質量%以下が好ましく、60質量%以上99質量%以下がより好ましく、82質量%以上95質量%以下がさらに好ましい。また、コアの総質量のうち、ZnS及び/又はZnSeの含有割合は、0質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上40質量%以下がより好ましく、5質量%以上18質量%以下がさらに好ましい。
多層シェル構造における第1のシェルの材質は、ZnS、ZnSe、及びZnSSeから選択される1種以上であることが好ましい。ZnS、ZnSe、及びZnSSeから選択される1種以上の含有割合としては、第1のシェルの全質量を基準にして、例えば50質量%以上100質量%以下であり、75質量%以上98質量%以下が好ましく、80質量%以上97質量%以下がより好ましい。第1のシェルの材質がZnS及びZnSeの混合物である場合、混合比(質量比)は特に限定されず、1/99以上99/1以下であり、好ましくは10/90以上90/10以下である。
多層シェル構造において、第2のシェルを、第1のシェルの表面上に成長させる。第2のシェルの材質は、第1のシェルの材質と同等であることが好ましい(ただし、各材質において、コアに対する格子定数の差が異なる。つまり、各材質において99%以上同質の場合を除く)。ZnS、ZnSe、及びZnSSeから選択される1種以上の含有割合としては、第2のシェルの全質量を基準にして、例えば50質量%以上100質量%以下であり、75質量%以上98質量%以下が好ましく、80質量%以上97質量%以下がより好ましい。第2のシェルの材質がZnS、ZnSe、及びZnSSeから選択される2種の混合物である場合、混合比(質量比)は特に限定されず、1/99以上99/1以下であり、10/90以上90/10以下である。
多層シェル構造における第1のシェルと第2のシェルとは、格子定数に差を有する。
例えば、コアと第1のシェルとの間の格子定数差は2%以上8%以下であり、2%以上6%以下が好ましく、3%以上5%以下がより好ましい。
また、コアと第2のシェルとの間の格子定数差は5%以上13%以下であり、5%以上12%以下が好ましく、7%以上10%以下がより好ましく、8%以上10%以下がさらに好ましい。
また。第1のシェルと第2のシェルの格子定数の差は、例えば、3%以上9%以下であり、3%以上7%以下が好ましく、4%以上6%以下がより好ましい。
これらのコア-多層シェル構造による量子ドットは、400nm以上800nm以下の範囲(さらには470nm以上680nm以下の範囲、特に赤色の場合600nm以上680nm以下の範囲であり、緑色の場合520nm以上580nm以下の範囲)の発光波長(emission wavelength)を有することができる。
これらのコア-多層シェル構造による量子ドットとしては、例えば、InP/ZnS/ZnSe、及びInP/ZnSe/ZnSが挙げられる。
上記の量子ドットは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。コア-(多層)シェル型の量子ドットと、均質構造型の量子ドットとを組み合わせて用いてもよい。
量子ドットの平均粒子径は、量子ドットとして機能し得る範囲内であれば特に限定されない。量子ドットの平均粒子径は、一次粒子の粒子径として0.5nm以上30nm以下が好ましく、1.0nm以上15nm以下がより好ましい。
コア-(多層)シェル型の量子ドットの場合、コアのサイズは、例えば0.5nm以上10nm以下であり、2nm以上5nm以下が好ましい。シェルの平均厚さは、0.4nm以上2nm以下が好ましく、0.4nm以上1.4nm以下がより好ましい。シェルが、第1のシェルと第2のシェルとからなる場合、第1のシェルの平均厚さは、例えば0.2nm以上1nm以下であり、0.2nm以上0.7nm以下が好ましい。第2のシェルの平均厚さは、第1のシェルの平均厚さによらず、例えば0.2nm以上1nm以下であり、0.2nm以上0.7nm以下が好ましい。
かかる範囲内の平均粒子径を有する量子ドットは、量子閉じ込め効果を発揮し量子ドットとして良好に機能するとともに、調製が容易であり、安定な蛍光特性を有する。
なお、量子ドットの平均粒子径は、例えば、量子ドットの分散液を、基板上に塗布・乾燥させ、揮発成分を除いた後に、その表面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することによって定義することができる。典型的には、TEM画像の画像解析により得られる各粒子の円相当径の数平均径として、この平均粒子径を定義することができる。
量子ドットの形状は特に限定されない。量子ドットの形状の例としては、球状、楕円球状、円柱状、多角柱状、円盤状、及び多面体状等が挙げられる。
これらの中でも、取扱いの容易さ、入手容易性の観点から球状であることが好ましい。
硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜の波長変換膜としての特性や波長変換特性が良好である点から、量子ドットは、520nm以上580nm以下の波長域に蛍光極大を有する化合物、及び600nm以上680nm以下の波長域に蛍光極大を有する化合物からなる群より選択される1種以上を含むのが好ましい。
量子ドットの製造方法は特に限定されない。周知の種々の方法で製造された量子ドットを、量子ドットとして用いることができる。量子ドットの製造方法としては、例えば、配位性の有機溶剤中で有機金属化合物を熱分解する方法を採用ができる。
また、コア-シェル構造型の量子ドットは、反応により均質なコアを形成した後に、分散されたコアの存在下にシェル層の前駆体を反応させてシェル層を形成する方法により製造できる。また例えば、上記コア-多層シェル構造を有する量子ドットは、WO2013/127662号公報に記載の方法により製造することができる。
なお、市販されている種々の量子ドットを用いることもできる。
上記の金属酸化物粒子、及び量子ドットの他、シリカ、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、及びホウ酸ナトリウム等の粒子を、粒子状フィラー(A)として用いることができる。
以上説明した粒子状フィラー(A)の表面には、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンド(a1)が結合している。
粒子状フィラーの表面には、本発明の目的を阻害しない範囲で、リガンド(a1)とともに、リガンド(a1)以外の他のリガンド(a2)が結合していてもよい。
リガンド(a1)が有する脂環式エポキシ基の数と、チオール基の数とは特に限定されないが、それぞれ1又は2が好ましく、1がより好ましい。
リガンド(a1)における、脂環式エポキシ基、及びチオール基以外の部分のであるリガンド(a1)の主骨格の構造は特に限定されない。当該主骨格の構造は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの組み合わせでもよい。
当該主骨格は、炭化水素基であっても、炭素、及び水素以外のヘテロ原子を含む基であってもよい。ヘテロ原子としては、例えば、O、N、S、P、B、Si、ハロゲン原子等が挙げられる。
当該主骨格は、脂環式エポキシ基、及びチオール基以外の他の置換基を有してもよい。他の置換基の種類は特に限定されない。他の置換基は、エポキシ基と反応しない置換基であるのが好ましい。つまり、リガンド(a1)は、エポキシ基と反応し得る基を有さないのが好ましい。エポキシ基と反応し得る置換基としては、アミノ基、N-置換アミノ基、N,N-ジ置換アミノ基、カルボキシ基、ジカルボン酸無水物基、及びフェノール性水酸基が挙げられる。
リガンド(a1)としては、下記式(A1)で表される化合物が好ましい。
HS-R-R・・・(A1)
(式(A1)中、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基である。)
としての鎖状連結基の構造は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。Rとしての鎖状連結基は、炭化水素基であっても、炭素、及び水素以外のヘテロ原子を含む基であってもよい。ヘテロ原子としては、例えば、O、N、S、P、B、Si、ハロゲン原子等が挙げられる。
としての鎖状連結基としては、下記式(A1-a)~式(A1-h)で表される基が好ましい。下記式(A1-a)~式(A1-h)中、*側の単結合が、チオール基に結合し、**側の単結合がRに結合する。下記式(A1-a)~式(A1-h)において、R10~R24、及びR26~R28は、それぞれ独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキレン基である。R25は、単結合、又は炭素原子数1以上8以下のアルキレン基である。
これらの連結基の中では、式(A1)で表される化合物の合成が容易であることから、式(A1-c)~式(A1-g)で表される化合物が好ましい。
*-R10-**・・・(A1-a)
*-R11-O-**・・・(A1-b)
*-R12-S-R13-**・・・(A1-c)
*-R14-CO-O-R15-S-R16-**・・・(A1-d)
*-R17-CO-O-R18-O-CO-R19-S-R20-・・・(A1-e)
*-R21-CO-O-R22-O-CO-R23-S-R24-CO-O-R25-・・・(A1-f)
*-R26-CO-O-**・・・(A1-g)
*-R27-CO-O-R28-CO-O-**・・・(A1-h)
10~R24、及びR26~R28としてのアルキレン基の好適な具体例としては、メチレン基、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1.4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、及びオクタン-1,8-ジイル基が挙げられる。これらのアルキレン基の中では、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、プロパン-1,3-ジイル基、及びプロパン-1,2-ジイル基が好ましく、エタン-1,2-ジイル基(エチレン基)、及びプロパン-1,2-ジイル基がより好ましい。
25としてのアルキレン基の好適な具体例は、R10~R24、及びR26~R28としてのアルキレン基の好適な具体例と同様である。R25としては、単結合、又はメチレン基が好ましい。
例えば、式(A1)で表される化合物が、Rとして、式(A1-c)で表される基を有する場合、式(A1)で表される化合物は、HS-R12-SHで表されるジチオール化合物と、R29-Rで表される不飽和エポキシ化合物との間のチオールエン反応によって合成することができる。R29は、R13を与えるアルケニル基である。
式(A1)で表される化合物が、Rとして、式(A1-d)で表される基を有する場合、式(A1)で表される化合物は、HS-R14-CO-O-R15-SHで表されるジチオール化合物と、R30-Rで表される不飽和エポキシ化合物との間のチオールエン反応によって合成することができる。R30は、R16を与えるアルケニル基である。
式(A1)で表される化合物が、Rとして、式(A1-e)で表される基を有する場合、式(A1)で表される化合物は、HS-R17-CO-O-R18-O-CO-R19-SHで表されるジチオール化合物と、R31-Rで表される不飽和エポキシ化合物との間のチオールエン反応によって合成することができる。R31は、R20を与えるアルケニル基である。
式(A1)で表される化合物が、Rとして、式(A1-f)で表される基を有する場合、式(A1)で表される化合物は、HS-R21-CO-O-R22-O-CO-R23-SHで表されるジチオール化合物と、R32-CO-O-R25-Rで表される不飽和エポキシ化合物との間のチオールエン反応によって合成することができる。R32は、R265を与えるアルケニル基である。
式(A1)で表される化合物が、Rとして、式(A1-g)で表される基を有する場合、式(A1)で表される化合物は、HS-R26-COOHで表されるメルカプトカルボン酸と、HO-Rで表されるエポキシアルコール化合物とを縮合させるか、HS-R26-COOHで表されるメルカプトカルボン酸を、Rを与えるジエポキシド化合物が有する一方のエポキシ基と反応させることにより合成することができる。後者の場合、エポキシド化合物を用いる反応を行う際に、Rにおいて、R上のエステル基と結合する位置に隣接する位置に水酸基が生成する。
式(A1)で表される化合物が、Rとして、式(A1-g)で表される基を有する場合、式(A1)で表される化合物は、HS-R27-CO-O-R28-COOHで表されるメルカプトカルボン酸と、HO-Rで表されるエポキシアルコール化合物とを縮合させるか、HS-R27-CO-O-R28-COOHで表されるメルカプトカルボン酸を、Rを与えるジエポキシド化合物が有する一方のエポキシ基と反応させることにより合成することができる。後者の場合、エポキシド化合物を用いる反応を行う際に、Rにおいて、R上のエステル基と結合する位置に隣接する位置に水酸基が生成する。
式(A1)中、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基である。脂環式エポキシ基とは、脂肪族環式基が有するC-C結合とともにオキシラン環を形成する酸素原子を少なくとも1つ有する脂肪族環式基である。
脂環式エポキシ基の主骨格である脂肪族環は、芳香族性を示さない環である。脂肪族環は、単環であっても、多環であってもよい。
脂肪族環において環を構成する原子としては、炭素原子や、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、リン原子、ホウ素原子、及びケイ素原子等のヘテロ原子が挙げられる。
脂環式エポキシ基の主骨格である脂肪族環は、本発明の目的を阻害しない範囲において1以上の置換基を有していてもよい。置換基の例としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上4以下のアルキルチオ基、炭素原子数2以上4以下のアシル基、炭素原子数2以上4以下のアシルオキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、ハロゲン原子、及びシアノ基等が挙げられる。
脂環式エポキシ基と縮合してもよい芳香環としては、ベンゼン環、及びナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環が好ましい。
脂肪族環の好適な例としては、シクロアルカン環、ビシクロアルカン環、トリシクロアルカン環、及びテトラシクロアルカン環等のポリシクロアルカン環、シクロアルカノン環から1つの水素原子を除いたオキソシクロアルカン環等が挙げられる。
シクロアルカン環の具体例としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、及びシクロドデカン環等が挙げられる。
ポリシクロアルカン環の具体例としては、アダマンタン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、トリシクロデカン環、及びテトラシクロドデカン等が挙げられる。
オキソシクロアルカン環の具体例としては、2-オキソシクロペンタン環、3-オキソシクロペンタン環、2-オキソシクロヘキサン環、3-オキソシクロヘキサン環、4-オキソシクロヘキサン環、2-オキソシクロヘプタン環、3-オキソシクロヘプタン環、4-オキソシクロヘプタン環、2-オキソシクロオクタン環、3-オキソシクロオクタン環、4-オキソシクロオクタン環、及び5-オキソシクロオクタン環が挙げられる。
としての脂環式エポキシ基の好ましい例としては、1,2-エポキシシクロペンタン-3-イル基、1,2-エポキシシクロペンタン-4-イル基、1,2-エポキシシクロヘキサン-3-イル基、1,2-エポキシシクロヘキサン-4-イル基、1,2-エポキシシクロヘプタン-3-イル基、1,2-エポキシシクロヘプタン-4-イル基、1,2-エポキシシクロヘプタン-5-イル基、2,3-エポキシノルボルナン-5-イル基、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-1-イル基、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル基、及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イル基が挙げられる。
リガンドとして使用することによる所望する効果を得やすい点や、合成が容易である点で、式(A1)で表される化合物は、下記式(A1-1)で表される化合物が好ましい。
HS-R-S-R-R・・・(A1-1)
(式(A1-1)中、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基であり、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、アルキレン基である。)
式(A1-1)中の-R-S-R-で表される基としては、前述の式(A1-c)、式(A1-d)、又は式(A1-e)で表される基が好ましい。
式(A1-1)で表される化合物としては、Rが、炭素原子数5以上8以下のエポキシシクロアルキル基であり、Rが炭素原子数2以上4以下のアルキレン基である化合物が好ましい。
式(A1)で表される化合物の好ましい具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2022097376000001
粒子状フィラー(A)の原材料粒子の表面に、リガンド(a1)を結合させる方法は特に限定されない。
例えば、粒子状フィラー(A)の原材料粒子と、リガンド(a1)とを、高温に加熱しながら混合することにより、その表面にリガンド(a1)を備える粒子状フィラー(A)を得ることができる。
加熱温度は、例えば、100℃以上300℃以下が好ましく、120℃以上280℃以下がより好ましく、140℃以上270℃以下がさらに好ましい。加熱時の混合時間は、例えば、5分以上12時間以下が好ましく、10分以上6時間以下がより好ましい。
リガンド(a1)の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、粒子状フィラー(A)の原材料粒子100質量部に対して、150質量部以上1000質量部以下が好ましく、200質量部以上800質量部以下がより好ましい。
粒子状フィラー(A)の原材料粒子へのリガンド(a1)の結合処理は、分散媒の存在下に行われてもよい。かかる分散媒としては、例えば、炭素原子数15以上25以下の脂肪族炭化水素等が挙げられる。このような分散媒体の使用量は特に限定されない。
また、リガンド(a1)を、粒子状フィラー(A)の原材料に対して大過剰量存在させた状態で、常法に従って、粒子状フィラー(A)を調製することにより、その表面にリガンド(a1)が結合した粒子状フィラー(A)を調整し得る。
さらに、その表面にリガンド(a1)以外のリガンドが結合した粒子状フィラー(A)を、粒子状フィラー(A)に対して過剰量のリガンド(a1)の存在下に加熱することによりリガンド交換を生じさせることができる。リガンド交換の結果、その表面にリガンド(a1)がリガンドとして結合した粒子状フィラー(A)が得られる。
なお、リガンド(a1)以外のリガンドの全てが、式(A1)で表される化合物に交換される必要はない。粒子状フィラー(A)の表面には、リガンド(a1)とともに、リガンド(a1)以外の他のリガンド(a2)が結合していてもよい。
リガンド(a1)以外の他のリガンド(a2)としては、例えば、ホスフィン、ホスフィン酸化物、トリアルキルホスフィン類等のリン化合物;ピリジン、アミノアルカン類、第3級アミン類等の有機窒素化合物;メルカプトアルコール、チオール、ジアルキルスルフィド類、ジアルキルスルホキシド類等の有機硫黄化合物;高級脂肪酸、アルコール類等の表面修飾剤(有機リガンド)が挙げられる。
リガンドが結合した粒子状フィラー(A)の調製が容易であること等から、他のリガンド(a2)としては、下記式(1):
R-SH・・・(1)
(式(1)中のRは、炭素原子数6以上18以下の脂肪族炭化水素基である。)
で表される化合物が好ましい。
式(1)中のRは、脂肪族炭化水素基である。当該脂肪族炭化水素基の構造は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であっても、これらの構造の組み合わせであってもよい。これらの構造の中では、直鎖状又は分岐鎖状が好ましく、直鎖状がより好ましい。
Rとしての脂肪族炭化水素基は、1以上の不飽和結合を含んでいてもよい。不飽和結合は、二重結合であっても三重結合であってもよい。
式(1)で表される化合物の好ましい具体例としては、1-ヘキサンチオール、1-ヘプタンチオール、1-オクタンチオール、2-エチル-1-ヘキサンチオール、1-ノナンチオール、1-デカンチオール、1-ウンデカンチオール、1-ドデカンチオール、1-トリデカンチオール、1-テトラデカンチオール、1-ペンタデカンチオール、1-ヘキサデカンチオール、1-ヘプタデカンチオール、及び1-オクタデカンチオールが挙げられる。
前述の他のリガンド(a2)が結合した粒子状フィラー(A)を、リガンド交換を行うのに十分な量のリガンド(a1)とともに加熱することによりリガンド交換を行うことができる。
リガンド交換時のリガンド(a1)の使用量は、具体的には、リガンド交換用に他のリガンド(a2)が結合した量子ドットを含む(A)を調製する際に使用された、他のリガンド(a2)の質量に対して、2質量倍以上が好ましく、6質量倍以上がより好ましい。
使用量の上限は特に限定されないが、リガンド交換用に他のリガンド(a2)が結合した粒子状フィラー(A)を調製する際に使用された、他のリガンド(a2)の質量に対して、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましい。
リガンド交換を行う際の加熱温度は、例えば、150℃以上300℃以下が好ましく、160℃以上280℃以下がより好ましく、170℃以上270℃以下がさらに好ましい。加熱時間は特に限定されないが、例えば、1分以上1時間以下が好ましく、2分以上30分以下がより好ましく、5分以上20分以下がさらに好ましい。
リガンド交換は、加熱時の圧力条件(通常は、大気圧下)において、加熱温度よりも高い沸点を有する分散媒体の存在下に実施されてもよい。かかる分散媒としては、例えば、炭素原子数15以上25以下の脂肪族炭化水素等が挙げられる。このような分散媒体の使用量は特に限定されない。
加熱終了後、粒子状フィラー(A)を含む分散液を冷却する。冷却後の分散液の温度は、リガンド(a1)や分散媒が固化しない温度であるのが好ましい。典型的には、冷却後の分散液の温度は、0℃以上60℃以下が好ましく、5℃以上50℃以下がより好ましく、10℃以上40℃以下がさらに好ましい。
冷却後の粒子状フィラー(A)は、ろ過や遠心分離等の方法により回収される。回収される粒子状フィラー(A)の分散媒の含有量や、粒子状フィラー(A)に付着していないリガンドの含有量を低減させるため、ろ過や遠心分離に供される粒子状フィラー(A)の分散液を、ヘキサン、シクロヘキサン、メタノール、エタノール等の不活性な有機溶剤により希釈するが好ましい。また、分散液から回収された量子ドットを、前述の不活性な有機溶剤により洗浄してもよい。
このようにして得られた粒子状フィラー(A)を必要に応じて乾燥させることにより、その表面にリガンド(a1)が結合した粒子状フィラー(A)が得られる。
なお、硬化性液状組成物の硬化反応や、硬化性液状組成物の硬化物の物性に特段の悪影響がない場合、ろ過や遠心分離等に供される前の粒子状フィラー(A)の分散液を、そのまま硬化性液状組成物の調製に用いることができる。
硬化性液状組成物の粒子状フィラー(A)の含有量は、用途に応じて適宜調整すればよく、硬化性液状組成物の固形分に対して、例えば、0.1質量%以上90質量%であり、好ましくは5質量%以上80質量%以下である。例えば、粒子状フィラー(A)が量子ドット、酸化ジルコニウム、又は酸化チタンを含む場合、有機溶剤(S)の質量を除いた硬化性液状組成物の質量100質量部に対して、粒子状フィラー(A)の含有量は、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、1質量部以上25質量部以下がより好ましく、2質量部以上20質量部以下がさらに好ましい。
なお、粒子状フィラー(A)に結合するリガンドの質量は、粒子状フィラー(A)の質量に含まれるものとする。
<エポキシ化合物(B)>
硬化性液状組成物は、エポキシ化合物(B)を含む。エポキシ化合物(B)は、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有する。脂環式エポキシ基を有する特定の構造のリガンドが結合した粒子状フィラー(A)と、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)とを組み合わせて含むことによって、硬化性液状組成物中における粒子状フィラー(A)の分散安定性が良好である。
エポキシ化合物(B)はエポキシ基を有する重合体であってもよいが、非重合体であるのが好ましい。有機溶剤(S)の含有量が少量であっても、良好な流動性を有する硬化性液状組成物を調製しやすいためである。硬化性液状組成物の有機溶剤(S)の含有量が少量でも硬化性液状組成物の流動性が良好であることから、エポキシ化合物(B)が、20℃で液状であるのが好ましい。
エポキシ化合物(B)が有する非芳香族環式基の環構成原子数の上限は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。非芳香族環式基の環構成原子数は、例えば、20以下であってよく、16以下であってよく、12以下であってよい。
非芳香族環式基は、芳香族性を示さない環式基である。非芳香族環式基は、炭素原子を含む脂肪族環式基であっても、例えば環状シロキサン基のような炭素原子を含まない環式基であってもよい。非芳香族環式基は、単環式基であっても、多環式基であってもよい。
非芳香族環式基において環を構成する原子としては、炭素原子や、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、リン原子、ホウ素原子、及びケイ素原子等のヘテロ原子が挙げられる。
非芳香族環式基は、本発明の目的を阻害しない範囲において1以上の置換基を有していてもよい。置換基の例としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上4以下のアルキルチオ基、炭素原子数2以上4以下のアシル基、炭素原子数2以上4以下のアシルオキシ基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、ハロゲン原子、及びシアノ基等が挙げられる。
これらは、置換基の一例であって、置換基の構造は特に限定されない。本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば、非芳香族環式基は、グリシジル基、グリシジルオキシ基、グリシジルオキシカルボニル基、及びエポキシシクロヘキシルメチル基等のエポキシ基含有基を置換基として有してもよい。また、エポキシ化合物(B)が、不飽和結合を有する光重合性の化合物である場合、非芳香族環式基は、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、及びメタクリロイルオキシ基等を置換基として有してもよい。さらに、非芳香族環式基が、カチオン重合性基としてビニルオキシ基を有するのも好ましい。
以下、エポキシ化合物(B)の具体例について、順に説明する。
エポキシ化合物は、単独での加熱や、感熱性の硬化剤又は感光性の硬化剤の作用により硬化可能なエポキシ化合物であれば特に限定されない。エポキシ化合物は、2以上のエポキシ基を有するのが好ましい。
エポキシ化合物が非芳香族環式基を有する場合、エポキシ化合物に含まれる非芳香族環式基は、特に限定されない。非芳香族環式基は、環状炭化水素基や脂肪族複素環基のような、環構成元素として炭素を含有する環式構造であってもよく、環状シロキサン基のような、環構成元素として炭素を含有しない環式構造であってもよい。
エポキシ化合物が有する非芳香族環式基が有する好ましい環構造としては、例えば、モノシクロアルカン環、ビシクロアルカン環、トリシクロアルカン環、テトラシクロアルカン環等が挙げられる。
具体的には、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン等のモノシクロアルカン環や、アダマンタン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環が挙げられる。
好適なエポキシ化合物の例としては、脂環式エポキシ基を有する多官能の脂環式エポキシ化合物が挙げられる。かかる脂環式エポキシ化合物の具体例としては、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタ-ジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル-3’,4’-エポキシ-6’-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ε-カプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチルカプロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、β-メチル-δ-バレロラクトン変性3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、エチレングリコールのジ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、及びトリシクロデセンオキサイド基を有する多官能エポキシ化合物や、下記式(b1-1)~(b1-5)で表される化合物が挙げられる。
これらの脂環式エポキシ化合物は単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
Figure 2022097376000002
(式(b1-1)中、Zは単結合又は連結基(1以上の原子を有する二価の基)を示す。Rb1~Rb18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基である。)
連結基Zとしては、例えば、2価の炭化水素基、-O-、-O-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CBr-、-C(CBr-、-C(CF-、及び-Rb19-O-CO-からなる群より選択される2価の基及びこれらが複数個結合した基等を挙げることができる。
連結基Zである二価の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数が1以上18以下の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、二価の脂環式炭化水素基等を挙げることができる。炭素原子数が1以上18以下の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基等を挙げることができる。上記二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2-シクロペンチレン基、1,3-シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,3-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等を挙げることができる。
b19は、炭素原子数1以上8以下のアルキレン基であり、メチレン基又はエチレン基であるのが好ましい。
Figure 2022097376000003
(式(b1-2)中、Rb1~Rb18は、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基である。Rb2及びRb10は互いに結合して環を形成してもよい。Rb13及びRb16は互いに結合して環を形成してもよい。mb1は、0又は1である。)
Figure 2022097376000004
(式(b1-3)中、Rb1~Rb10は、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基である。Rb2及びRb8は、互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2022097376000005
(式(b1-4)中、Rb1~Rb12は、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基である。Rb2及びRb10は、互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 2022097376000006
(式(b1-5)中、Rb1~Rb12は、水素原子、ハロゲン原子、及び有機基からなる群より選択される基である。)
式(b1-1)~(b1-5)中、Rb1~Rb18が有機基である場合、有機基は本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、炭化水素基であっても、炭素原子とハロゲン原子とからなる基であっても、炭素原子及び水素原子とともにハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子のようなヘテロ原子を含むような基であってもよい。ハロゲン原子の例としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子等が挙げられる。
有機基としては、炭化水素基と、炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる基と、ハロゲン化炭化水素基と、炭素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる基と、炭素原子、水素原子、酸素原子、及びハロゲン原子からなる基とが好ましい。有機基が炭化水素基である場合、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でも、脂肪族炭化水素基でも、芳香族骨格と脂肪族骨格とを含む基でもよい。有機基の炭素原子数は1以上20以下が好ましく、1以上10以下がより好ましく、1以上5以下が特に好ましい。
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、及びn-イコシル基等の鎖状アルキル基;ビニル基、1-プロペニル基、2-n-プロペニル基(アリル基)、1-n-ブテニル基、2-n-ブテニル基、及び3-n-ブテニル基等の鎖状アルケニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、ビフェニル-4-イル基、ビフェニル-3-イル基、ビフェニル-2-イル基、アントリル基、及びフェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、α-ナフチルエチル基、及びβ-ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素基の具体例は、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、及びパーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、及びパーフルオロデシル基等のハロゲン化鎖状アルキル基;2-クロロシクロヘキシル基、3-クロロシクロヘキシル基、4-クロロシクロヘキシル基、2,4-ジクロロシクロヘキシル基、2-ブロモシクロヘキシル基、3-ブロモシクロヘキシル基、及び4-ブロモシクロヘキシル基等のハロゲン化シクロアルキル基;2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-クロロフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、2,6-ジクロロフェニル基、3,4-ジクロロフェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、2-ブロモフェニル基、3-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、2-フルオロフェニル基、3-フルオロフェニル基、4-フルオロフェニル基等のハロゲン化アリール基;2-クロロフェニルメチル基、3-クロロフェニルメチル基、4-クロロフェニルメチル基、2-ブロモフェニルメチル基、3-ブロモフェニルメチル基、4-ブロモフェニルメチル基、2-フルオロフェニルメチル基、3-フルオロフェニルメチル基、4-フルオロフェニルメチル基等のハロゲン化アラルキル基である。
炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる基の具体例は、ヒドロキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシ-n-プロピル基、及び4-ヒドロキシ-n-ブチル基等のヒドロキシ鎖状アルキル基;2-ヒドロキシシクロヘキシル基、3-ヒドロキシシクロヘキシル基、及び4-ヒドロキシシクロヘキシル基等のハロゲン化シクロアルキル基;2-ヒドロキシフェニル基、3-ヒドロキシフェニル基、4-ヒドロキシフェニル基、2,3-ジヒドロキシフェニル基、2,4-ジヒドロキシフェニル基、2,5-ジヒドロキシフェニル基、2,6-ジヒドロキシフェニル基、3,4-ジヒドロキシフェニル基、及び3,5-ジヒドロキシフェニル基等のヒドロキシアリール基;2-ヒドロキシフェニルメチル基、3-ヒドロキシフェニルメチル基、及び4-ヒドロキシフェニルメチル基等のヒドロキシアラルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、n-ウンデシルオキシ基、n-トリデシルオキシ基、n-テトラデシルオキシ基、n-ペンタデシルオキシ基、n-ヘキサデシルオキシ基、n-ヘプタデシルオキシ基、n-オクタデシルオキシ基、n-ノナデシルオキシ基、及びn-イコシルオキシ基等の鎖状アルコキシ基;ビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、2-n-プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)、1-n-ブテニルオキシ基、2-n-ブテニルオキシ基、及び3-n-ブテニルオキシ基等の鎖状アルケニルオキシ基;フェノキシ基、o-トリルオキシ基、m-トリルオキシ基、p-トリルオキシ基、α-ナフチルオキシ基、β-ナフチルオキシ基、ビフェニル-4-イルオキシ基、ビフェニル-3-イルオキシ基、ビフェニル-2-イルオキシ基、アントリルオキシ基、及びフェナントリルオキシ基等のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、α-ナフチルメチルオキシ基、β-ナフチルメチルオキシ基、α-ナフチルエチルオキシ基、及びβ-ナフチルエチルオキシ基等のアラルキルオキシ基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、n-プロポキシメチル基、2-メトキシエチル基、2-エトキシエチル基、2-n-プロポキシエチル基、3-メトキシ-n-プロピル基、3-エトキシ-n-プロピル基、3-n-プロポキシ-n-プロピル基、4-メトキシ-n-ブチル基、4-エトキシ-n-ブチル基、及び4-n-プロポキシ-n-ブチル基等のアルコキシアルキル基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n-プロポキシメトキシ基、2-メトキシエトキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-n-プロポキシエトキシ基、3-メトキシ-n-プロポキシ基、3-エトキシ-n-プロポキシ基、3-n-プロポキシ-n-プロポキシ基、4-メトキシ-n-ブチルオキシ基、4-エトキシ-n-ブチルオキシ基、及び4-n-プロポキシ-n-ブチルオキシ基等のアルコキシアルコキシ基;2-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル基、及び4-メトキシフェニル基等のアルコキシアリール基;2-メトキシフェノキシ基、3-メトキシフェノキシ基、及び4-メトキシフェノキシ基等のアルコキシアリールオキシ基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、及びデカノイル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基、α-ナフトイル基、及びβ-ナフトイル基等の芳香族アシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、n-ブチルオキシカルボニル基、n-ペンチルオキシカルボニル基、n-ヘキシルカルボニル基、n-ヘプチルオキシカルボニル基、n-オクチルオキシカルボニル基、n-ノニルオキシカルボニル基、及びn-デシルオキシカルボニル基等の鎖状アルキルオキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、α-ナフトキシカルボニル基、及びβ-ナフトキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、及びデカノイルオキシ基等の脂肪族アシルオキシ基;ベンゾイルオキシ基、α-ナフトイルオキシ基、及びβ-ナフトイルオキシ基等の芳香族アシルオキシ基である。
b1~Rb18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、及び炭素原子数1以上5以下のアルコキシ基からなる群より選択される基が好ましく、特に機械的特性に優れる硬化膜を形成しやすいことから、Rb1~Rb18が全て水素原子であるのがより好ましい。
式(b1-2)~(b1-5)中、Rb1~Rb18は、式(b1-1)におけるRb1~Rb18と同様である。式(b1-2)及び式(b1-4)において、Rb2及びRb10が、互いに結合する場合、式(b1-2)において、Rb13及びRb16が、互いに結合する場合、及び式(b1-3)において、Rb2及びRb8が、互いに結合する場合、2つの基が結合して形成される2価の基としては、例えば、-CH-、-C(CH-が挙げられる。
式(b1-1)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、下記式(b1-1a)、式(b1-1b)、及び式(b1-1c)で表される脂環式エポキシ化合物や、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキサン-1-イル)プロパン[=2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロパン]等を挙げることができる。
Figure 2022097376000007
式(b1-2)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、下記式(b1-2a)で表されるビシクロノナジエンジエポキシド、又はジシクロノナジエンジエポキシド等が挙げられる。
Figure 2022097376000008
式(b1-3)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、Sスピロ[3-オキサトリシクロ[3.2.1.02,4]オクタン-6,2’-オキシラン]等が挙げられる。
式(b1-4)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、4-ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジペンテンジオキシド、リモネンジオキシド、1-メチル-4-(3-メチルオキシラン-2-イル)-7-オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン等が挙げられる。
式(b1-5)で表される脂環式エポキシ化合物のうち、好適な化合物の具体例としては、1,2,5,6-ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
さらに、下記式(b1)で表される化合物をエポキシ化合物として好適に使用し得る。
Figure 2022097376000009
(式(b1)中、Xb1、Xb2、及びXb3は、それぞれ独立に、水素原子、又はエポキシ基を含んでいてもよい有機基であり、Xb1、Xb2、及びXb3が有するエポキシ基の総数が2以上である。)、
上記式(b1)で表される化合物としては、下記式(b1-6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2022097376000010
(式(b1-6)中、Rb20~Rb22は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基、アリーレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。E~Eは、エポキシ基、オキセタニル基、エチレン性不飽和基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、チオール基、カルボキシ基、水酸基及びコハク酸無水物基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基又は水素原子である。ただし、E~Eのうち少なくとも2つは、エポキシ基及びオキセタニル基からなる群より選択される少なくとも1種である。)
式(b1-6)中、Rb20とE、Rb21とE、及びRb22とEで示される基は、例えば、少なくとも2つが、それぞれ、下記式(b1-6a)で表される基であることが好ましく、いずれもが、それぞれ、下記式(b1-6a)で表される基であることがより好ましい。1つの化合物に結合する複数の式(b1-6a)で表される基は、同じ基であることが好ましい。
-L-C (b1-6a)
(式(b1-6a)中、Lは直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基、アリーレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であり、Cはエポキシ基である。式(b1-6a)中、LとCとが結合して環状構造を形成していてもよい。)
式(b1-6a)中、Lとしての直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基としては、炭素原子数1以上10以下のアルキレン基が好ましく、また、Lとしてのアリーレン基としては、炭素原子数5以上10以下のアリーレン基が好ましい。式(b1-6a)中、Lは、直鎖状の炭素原子数1以上3以下のアルキレン基、フェニレン基、-O-、-C(=O)-、-NH-及びこれらの組み合わせからなる基であることが好ましく、メチレン基等の直鎖状の炭素原子数1以上3以下のアルキレン基及びフェニレン基の少なくとも1種、又は、これらと、-O-、-C(=O)-及びNH-の少なくとも1種との組み合わせからなる基が好ましい。
式(b1-6a)中、LとCとが結合して環状構造を形成している場合としては、例えば、分岐鎖状のアルキレン基とエポキシ基とが結合して環状構造(脂環構造のエポキシ基を有する構造)を形成している場合、下記式(b1-6b)又は(b1-6c)で表される有機基が挙げられる。
Figure 2022097376000011
(式(b1-6b)中、Rb23は、水素原子又はメチル基である。)
以下、式(b1-6)で表される化合物の例としてオキシラニル基、又は脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2022097376000012
また、エポキシ化合物として好適に使用し得る化合物としては、分子内に2以上のエポキシ基を有するシロキサン化合物(以下、単に「シロキサン化合物」とも記す。)を挙げることができる。
シロキサン化合物は、シロキサン結合(Si-O-Si)により構成されたシロキサン骨格と、2以上のグリシジル基又は脂環式エポキシ基とを分子内に有する化合物である。
シロキサン化合物におけるシロキサン骨格としては、例えば、環状シロキサン骨格やかご型やラダー型のポリシルセスキオキサン骨格を挙げることができる。
シロキサン化合物としては、なかでも、下記式(b1-7)で表される環状シロキサン骨格を有する化合物(以下、「環状シロキサン」という場合がある)が好ましい。
Figure 2022097376000013
式(b1-7)中、Rb24、及びRb25は、エポキシ基を含有する一価の基又はアルキル基を示す。ただし、式(b1-7)で表される化合物におけるx1個のRb24及びx1個のRb25のうち、少なくとも2個はエポキシ基を含有する一価の基である。また、式(b1-7)中のx1は3以上の整数を示す。なお、式(b1-7)で表される化合物におけるRb24、Rb25は同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、複数のRb24は同一であってもよいし、異なっていてもよい。複数のRb25も同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記エポキシ基を含有する一価の基としては、-D-O-Rb26で表されるグリシジルエーテル基[Dはアルキレン基を示し、Rb26はグリシジル基を示す]が好ましい。上記D(アルキレン基)としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基等の炭素原子数が1以上18以下の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基等を挙げることができる。
また、-D-Rb27で表される脂環式エポキシ基含有基も好ましい。Rb27は、エポキシシクロアルキル基である。Dは前述の通り、アルキレン基である。Dとしてのアルキレン基の好ましい例も、前述の通りである。Rb27としてのエポキシシクロアルキル基としては、2,3-エポキシシクロペンチル基、3,4-エポキシシクロヘキシル基、及び2,3-エポキシシクロヘキシル基が好ましい。-D-Rb27で表される基としては、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。
b24、及びRb25としてのアルキル基の好ましい例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数1以上18以下(好ましくは炭素原子数1以上6以下、特に好ましくは炭素原子数1以上3以下)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を挙げることができる。
式(b1-7)中のx1は3以上の整数を示し、なかでも、硬化膜する際の架橋反応性に優れる点で3以上6以下の整数が好ましい。
シロキサン化合物が分子内に有するエポキシ基の数は2個以上であり、硬化する際の架橋反応性に優れる点から2個以上6個以下が好ましく、特に好ましくは2個以上4個以下である。
硬化性液状組成物は、式(b1-7)で表されるシロキサン化合物以外にも、脂環式エポキシ基含有環状シロキサン、及び特開2008-248169号公報に記載の脂環式エポキシ基含有シリコーン樹脂等のシロキサン骨格を有する化合物を含有していてもよい。
シロキサン化合物としては、より具体的には、下記式で表される、分子内に2以上のエポキシ基を有する環状シロキサン等を挙げることができる。また、シロキサン化合物としては、例えば、商品名「X-40-2670」、「X-40-2701」、「X-40-2728」、「X-40-2738」、「X-40-2740」(以上、信越化学工業社製)等の市販品を用いることができる。
Figure 2022097376000014
Figure 2022097376000015
<硬化剤(C)>
硬化性液状組成物は、エポキシ化合物(B)を含む。このため、硬化性液状組成物は、エポキシ化合物(B)を硬化させるための成分として、エポキシ化合物用の硬化剤(C)を含むのが好ましい。
ここで、本願明細書において、硬化剤(C)は、エポキシ化合物(B)を硬化させ得る成分であれば特に限定されない。
なお、硬化性液状組成物に含まれるエポキシ化合物(B)が、カルボキシ基、カルボン酸無水物基や、アミノ基のようなエポキシ基との反応性を有する官能基を有するエポキシ化合物である場合、硬化性液状組成物は、必ずしも、硬化剤(C)を含有する必要はない。
以下、硬化剤(C)の好ましい例について説明する。
〔オニウム塩(C1)〕
オニウム塩(C1)は、光又は熱の作用により、エポキシ化合物(B)の硬化を促進させる。
オニウム塩としては、例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、オキソニウム塩等が挙げられる。これらの中では、入手の容易性や、良好な硬化の点から、スルホニウム塩、及びヨードニウム塩が好ましい。
以下、オニウム塩(C1)の好ましい例について説明する。
オニウム塩(C1)の好ましい一例としては、下記式(C-I)で表されるスルホニウム塩(以下、「スルホニウム塩(Q)」とも記す。)が挙げられる。
Figure 2022097376000016
(式(C-I)中、RC1及びRC2は独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は下記式(C-II)で表される基を示し、RC1及びRC2は相互に結合して式中の硫黄原子とともに環を形成してもよく、RC3は下記式(C-III)で表される基又は下記式(C-IV)で表される基を示し、AC1はS、O、又はSeを示し、Xは1価のアニオンを示し、但し、RC1及びRC2は、同時に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基ではない。)
Figure 2022097376000017
(式(C-II)中、環ZC1は芳香族炭化水素環を示し、RC4はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アシロキシ基、アルキルチオ基、チエニル基、チエニルカルボニル基、フラニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニル基、セレノフェニルカルボニル基、複素環式脂肪族炭化水素基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m1は0以上の整数を示す。)
Figure 2022097376000018
(式(C-III)中、RC5はヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキレン基又は下記式(C-V)で表される基を示し、RC6はヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は下記式(C-VI)で表される基を示し、AC2は単結合、S、O、スルフィニル基、又はカルボニル基を示し、n1は0又は1を示す。)
Figure 2022097376000019
(式(C-IV)中、RC7及びRC8は独立に、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、若しくはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキレン基又は下記式(C-V)で表される基を示し、RC9及びRC10は独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又は上記式(C-II)で表される基を示し、RC9及びRC10は相互に結合して式中の硫黄原子とともに環を形成してもよく、AC3は単結合、S、O、スルフィニル基、又はカルボニル基を示し、Xは前記の通りであり、n2は0又は1を示し、但し、RC9及びRC10は、同時に、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基ではない。)
Figure 2022097376000020
(式(C-V)中、環ZC2は芳香族炭化水素環を示し、RC11はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m2は0以上の整数を示す。)
Figure 2022097376000021
(式(C-VI)中、環ZC3は芳香族炭化水素環を示し、RC12はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールチオカルボニル基、アシロキシ基、アリールチオ基、アルキルチオ基、チエニルカルボニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニルカルボニル基、アリール基、複素環式炭化水素基、アリールオキシ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基、置換されていてよいアミノ基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、m3は0以上の整数を示す。)
(スルホニウム塩(Q))
以下、スルホニウム塩(Q)について説明する。スルホニウム塩(Q)は、上記式(C-I)中のベンゼン環において、AC1が結合する炭素原子に対してオルト位の炭素原子にメチル基が結合していることを特徴とする。スルホニウム塩(Q)は、上記の位置にメチル基を有するため、従来のスルホニウム塩と比較して、紫外線等の活性エネルギー線に対する感度が高い。
上記式(C-I)において、RC1及びRC2のいずれもが上記式(C-II)で表される基であることが好ましい。RC1及びRC2は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(C-I)において、RC1及びRC2が相互に結合して式中の硫黄原子とともに環を形成する場合、形成される環を構成する原子数は、硫黄原子を含めて3以上10以下が好ましく、5以上7以下がより好ましい。形成される環は多環でもよく、環構成原子数が5以上7以下である単環が縮合した多環が好ましい。
上記式(C-I)において、RC1及びRC2が、ともにフェニル基であるのが好ましい。
上記式(C-I)において、RC3は上記式(C-III)で表される基であることが好ましい。
上記式(C-I)において、AC1は、S又はOであることが好ましく、Sであることがより好ましい。
上記式(C-II)において、RC4は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルキルカルボニル基、チエニルカルボニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニルカルボニル基、置換されていてよいアミノ基、又はニトロ基であることが好ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アルキルカルボニル基、又はチエニルカルボニル基であることがより好ましい。
上記式(C-II)において、m1は、環ZC1の種類に応じて選択でき、例えば、0以上4以下の整数、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0以上2以下の整数であってもよい。
上記式(C-III)において、RC5は、アルキレン基;ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基、若しくはニトロ基で置換されたアルキレン基;又は上記式(C-V)で表される基であることが好ましく、上記式(C-V)で表される基であることがより好ましい。
上記式(C-III)において、RC6は、アルキル基;ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基、若しくはニトロ基で置換されたアルキル基;又は上記式(C-VI)で表される基であることが好ましく、上記式(C-VI)で表される基であることがより好ましい。
上記式(C-III)において、AC2はS又はOであることが好ましく、Sであることがより好ましい。
上記式(C-III)において、n1は0であることが好ましい。
上記式(C-IV)において、RC7及びRC8は独立に、アルキレン基;ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基、若しくはニトロ基で置換されたアルキレン基;又は上記式(C-V)で表される基であることが好ましく、上記式(C-V)で表される基であることより好ましい。RC7及びRC8は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(C-IV)において、RC9及びRC10のいずれもが上記式(C-II)で表される基であることが好ましい。RC9及びRC10は互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(C-IV)において、RC9及びRC10が相互に結合して式中の硫黄原子とともに環を形成する場合、形成される環を構成する原子数は、硫黄原子を含めて3以上10以下が好ましく、5以上7以下がより好ましい。形成される環は多環でもよく、環構成原子数が5以上7以下である単環が縮合した多環が好ましい。
上記式(C-IV)において、AC3は、S又はOであることが好ましく、Sであることがより好ましい。
上記式(C-IV)において、n2は0であることが好ましい。
上記式(C-V)において、RC11は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基、又はニトロ基であることが好ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基であることがより好ましい。
上記式(C-V)において、m2は、環ZC2の種類に応じて選択でき、例えば、0以上4以下の整数、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0以上2以下の整数であってもよい。
上記式(C-VI)において、RC12は、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ヒドロキシ基、アルキルカルボニル基、チエニルカルボニル基、フラニルカルボニル基、セレノフェニルカルボニル基、置換されていてよいアミノ基、又はニトロ基であることが好ましく、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、アルキルカルボニル基、又はチエニルカルボニル基であることがより好ましい。
上記式(C-VI)において、m3は、環ZC3の種類に応じて選択でき、例えば、0以上4以下の整数、好ましくは0以上3以下の整数、より好ましくは0以上2以下の整数であってもよい。
上記式(C-I)において、Xは1価のアニオンである。Xとしては、1価の多原子アニオンが好適に挙げられ、MY 、(Rf)PF6-b 、Rx1 BY4-c 、Rx1 GaY4-c 、Rx2SO 、(Rx2SO、又は(Rx2SOで表されるアニオンがより好ましい。また、Xは、ハロゲンアニオンでもよく、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等が挙げられる。
Mは、リン原子、ホウ素原子、又はアンチモン原子を表す。
Yはハロゲン原子(フッ素原子が好ましい。)を表す。
Rfは、水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基(炭素原子数1以上8以下のアルキル基が好ましい。)を表す。フッ素置換によりRfとするアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びオクチル等)、分岐鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチル等)及びシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)等が挙げられる。Rfにおいてこれらのアルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されている割合は、もとのアルキル基が有していた水素原子のモル数に基づいて、80モル%以上が好ましく、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは100%である。フッ素原子による置換割合がこれら好ましい範囲にあると、スルホニウム塩(Q)の光感応性がさらに良好となる。特に好ましいRfとしては、CF-、CFCF 、(CFCF、CFCFCF 、CFCFCFCF 、(CFCFCF 、CFCF(CF)CF及び(CFが挙げられる。b個のRfは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
Pはリン原子、Fはフッ素原子を表す。
x1は、水素原子の一部が少なくとも1個の元素又は電子求引基で置換されたフェニル基を表す。そのような1個の元素の例としては、ハロゲン原子が含まれ、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。電子求引基としては、トリフルオロメチル基、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられる。これらのうち、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。c個のRx1は相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
Bはホウ素原子、Gaはガリウム原子を表す。
x2は、炭素原子数1以上20以下のアルキル基、炭素原子数1以上20以下のフルオロアルキル基又は炭素原子数6以上20以下のアリール基を表し、アルキル基及びフルオロアルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよく、アルキル基、フルオロアルキル基、又はアリール基は無置換であっても、置換基を有していてもよい。上記置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、置換されていてよいアミノ基(例えば、上記式(C-II)~(C-VI)に関する後述の説明中で例示するものが挙げられる。)、ニトロ基等が挙げられる。
また、Rx2で表されるアルキル基、フルオロアルキル基又はアリール基における炭素鎖は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有していてもよい。特に、Rx2で表されるアルキル基又はフルオロアルキル基における炭素鎖は、2価の官能基(例えば、エーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合、イミド結合、スルホニル結合、スルホニルアミド結合、スルホニルイミド結合、ウレタン結合等)を有していてもよい。
x2で表されるアルキル基、フルオロアルキル基又はアリール基が上記置換基、ヘテロ原子、又は官能基を有する場合、上記置換基、ヘテロ原子、又は官能基の個数は、1個であっても2個以上であってもよい。
Sは硫黄原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
aは4以上6以下の整数を表す。
bは、1以上5以下の整数が好ましく、さらに好ましくは2以上4以下の整数、特に好ましくは2又は3である。
cは、1以上4以下の整数が好ましく、さらに好ましくは4である。
MY で表されるアニオンとしては、SbF 、PF 又はBF で表されるアニオン等が挙げられる。
(Rf)PF6-b で表されるアニオンとしては、(CFCFPF 、(CFCFPF 、((CFCF)PF 、((CFCF)PF 、(CFCFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCFCFPF 、((CFCFCFPF 、(CFCFCFCFPF 又は(CFCFCFCFPF で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CFCFPF 、(CFCFCFPF 、((CFCF)PF 、((CFCF)PF 、((CFCFCFPF 又は((CFCFCFPF で表されるアニオンが好ましい。
x1 BY4-c で表されるアニオンとしては、好ましくは、
x1 BY4-c
(式中、Rx1は水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子又は電子求引基で置換されたフェニル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、cは1以上4以下の整数を示す。)
であり、例えば、(C、((CF、(CF、(CBF 、CBF 又は(Cで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(C又は((CFで表されるアニオンが好ましい。
x1 GaY4-c で表されるアニオンとしては、(CGa、((CFGa、(CFGa、(CGaF 、CGaF 又は(CGaで表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CGa又は((CFGaで表されるアニオンが好ましい。
x2SO で表されるアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン及びブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン又はp-トルエンスルホン酸アニオンが好ましい。
(Rx2SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO又は(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。
(Rx2SOで表されるアニオンとしては、(CFSO、(CSO、(CSO又は(CSOで表されるアニオン等が挙げられる。
一価の多原子アニオンとしては、MY 、(Rf)PF6-b 、Rx1 BY4-c 、Rx1 GaY4-c 、Rx2SO 、(Rx2SO又は(Rx2SOで表されるアニオン以外に、過ハロゲン酸イオン(ClO 、BrO 等)、ハロゲン化スルホン酸イオン(FSO 、ClSO 等)、硫酸イオン(CHSO 、CFSO 、HSO 等)、炭酸イオン(HCO 、CHCO 等)、アルミン酸イオン(AlCl 、AlF 等)、ヘキサフルオロビスマス酸イオン(BiF )、カルボン酸イオン(CHCOO、CFCOO、CCOO、CHCOO、CCOO、CFCOO等)、アリールホウ酸イオン(B(C 、CHCHCHCHB(C 等)、チオシアン酸イオン(SCN)及び硝酸イオン(NO )等が使用できる。
これらのXのうち、カチオン重合性能の点では、MY 、(Rf)PF6-b 、Rx1 BY4-c 、Rx1 GaY4-c 及び(Rx2SOで表されるアニオンが好ましく、SbF 、PF 、(CFCFPF 、(C、((CF、(CGa、((CFGa及び(CFSOがより好ましく、Rx1 BY4-c がさらに好ましい。
上記式(C-II)、(C-V)、及び(C-VI)において、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環等が挙げられる。縮合多環式芳香族炭化水素環としては、例えば、縮合二環式炭化水素環、縮合三環式芳香族炭化水素環等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環が挙げられる。縮合二環式炭化水素環としては、例えば、ナフタレン環等のC8-20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10-16縮合二環式炭化水素環が挙げられる。縮合三環式芳香族炭化水素環としては、例えば、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられる。芳香族炭化水素環は、ベンゼン環又はナフタレン環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
上記式(C-I)~(C-VI)において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
上記式(C-I)~(C-VI)において、アルキル基としては、炭素原子数1以上18以下の直鎖アルキル基、炭素原子数3以上18以下の分岐鎖アルキル基、並びに炭素原子数3以上18以下のシクロアルキル基等が挙げられる。特に、上記式(C-I)、(C-II)、及び(C-IV)~(C-VI)において、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基とは、アルキル基及びハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子で置換されたアルキル基としては、上記の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、又はシクロアルキル基における少なくとも1個の水素原子をハロゲン原子で置換した基等が挙げられる。ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基のうち、RC1、RC2、RC9、又はRC10については、トリフルオロメチル基が特に好ましく、RC4、RC6、RC11、又はRC12については、メチル基が特に好ましい。直鎖アルキル基の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-テトラデシル基、n-ヘキサデシル基、及びn-オクタデシル基等が挙げられる。分岐鎖アルキル基の好ましい具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、及びイソオクタデシル基等が挙げられる。シクロアルキル基の好ましい具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及び4-デシルシクロヘキシル基等が挙げられる。ハロゲン原子で置換されたアルキル基の好ましい具体例としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、アルコキシ基としては、炭素原子数1以上18以下の直鎖又は分岐鎖アルコキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の好ましい具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、及びオクタデシルオキシ基等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、アルキルカルボニル基におけるアルキル基としては、上述の炭素原子数1以上18以下の直鎖アルキル基、炭素原子数3以上18以下の分岐鎖アルキル基又は炭素原子数3以上18以下のシクロアルキル基が挙げられ、アルキルカルボニル基としては、炭素原子数2以上18以下の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルカルボニル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基の好ましい具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、2-メチルプロピオニル基、ヘプタノイル基、2-メチルブタノイル基、3-メチルブタノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、シクロペンタノイル基、及びシクロヘキサノイル基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、アリールカルボニル基としては、炭素原子数7以上11以下のアリールカルボニル基等が挙げられる。アリールカルボニル基の好ましい具体例としては、ベンゾイル基、及びナフトイル基等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、アルコキシカルボニル基としては、炭素原子数2以上19以下の直鎖又は分岐鎖アルコキシカルボニル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の好ましい具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、テトラデシルオキシカルボニル基、及びオクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、アリールオキシカルボニル基としては、炭素原子数7以上11以下のアリールオキシカルボニル基等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基の好ましい具体例としては、フェノキシカルボニル基、及びナフトキシカルボニル基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、アリールチオカルボニル基としては、炭素原子数7以上11以下のアリールチオカルボニル基等が挙げられる。アリールチオカルボニル基の好ましい具体例としては、フェニルチオカルボニル基、及びナフトキシチオカルボニル等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、アシロキシ基としては、炭素原子数2以上19以下の直鎖又は分岐鎖アシロキシ基等が挙げられる。アシロキシ基の好ましい具体例としては、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、テトラデシルカルボニルオキシ基、及びオクタデシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、アリールチオ基としては、炭素原子数6以上20以下のアリールチオ基等が挙げられる。アリールチオ基の好ましい具体例としては、フェニルチオ基、2-メチルフェニルチオ基、3-メチルフェニルチオ基、4-メチルフェニルチオ基、2-クロロフェニルチオ基、3-クロロフェニルチオ基、4-クロロフェニルチオ基、2-ブロモフェニルチオ基、3-ブロモフェニルチオ基、4-ブロモフェニルチオ基、2-フルオロフェニルチオ基、3-フルオロフェニルチオ基、4-フルオロフェニルチオ基、2-ヒドロキシフェニルチオ基、4-ヒドロキシフェニルチオ基、2-メトキシフェニルチオ基、4-メトキシフェニルチオ基、1-ナフチルチオ基、2-ナフチルチオ基、4-[4-(フェニルチオ)ベンゾイル]フェニルチオ基、4-[4-(フェニルチオ)フェノキシ]フェニルチオ基、4-[4-(フェニルチオ)フェニル]フェニルチオ基、4-(フェニルチオ)フェニルチオ基、4-ベンゾイルフェニルチオ基、4-ベンゾイル-2-クロロフェニルチオ基、4-ベンゾイル-3-クロロフェニルチオ基、4-ベンゾイル-3-メチルチオフェニルチオ基、4-ベンゾイル-2-メチルチオフェニルチオ基、4-(4-メチルチオベンゾイル)フェニルチオ基、4-(2-メチルチオベンゾイル)フェニルチオ基、4-(p-メチルベンゾイル)フェニルチオ基、4-(p-エチルベンゾイル)フェニルチオ基、4-(p-イソプロピルベンゾイル)フェニルチオ基、及び4-(p-tert-ブチルベンゾイル)フェニルチオ基等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、アルキルチオ基としては、炭素原子数1以上18以下の直鎖又は分岐鎖アルキルチオ基等が挙げられる。アルキルチオ基の好ましい具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert-ペンチルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、及びイソオクタデシルチオ基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、アリール基としては、炭素原子数6以上10以下のアリール基等が挙げられる。アリール基の好ましい具体例としては、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、及びナフチル基等が挙げられる。
上記式(C-II)において、複素環式脂肪族基としては、炭素原子数2以上20以下、好ましくは4以上20以下の複素環式脂肪族基等が挙げられる。複素環式脂肪族基の好ましい具体例としては、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、モルホリニル基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、複素環式芳香族基としては、炭素原子数4以上20以下の複素環式芳香族基等が挙げられる。複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、チエニル基、フラニル基、セレノフェニル基、ピラニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェノチアジニル基、フェナジニル基、キサンテニル基、チアントレニル基、フェノキサジニル基、フェノキサチイニル基、クロマニル基、イソクロマニル基、ジベンゾチエニル基、キサントニル基、チオキサントニル基、及びジベンゾフラニル基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、アリールオキシ基としては、炭素原子数6以上10以下のアリールオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の好ましい具体例としては、フェノキシ基、及びナフチルオキシ基等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、アルキルスルフィニル基としては、炭素原子数1以上18以下の直鎖又は分岐鎖スルフィニル基等が挙げられる。アルキルスルフィニル基の好ましい具体例としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec-ブチルスルフィニル基、tert-ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基、イソペンチルスルフィニル基、ネオペンチルスルフィニル基、tert-ペンチルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、及びイソオクタデシルスルフィニル基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、アリールスルフィニル基としては、炭素原子数6以上10以下のアリールスルフィニル基等が挙げられる。アリールスルフィニル基の好ましい具体例としては、フェニルスルフィニル基、トリルスルフィニル基、及びナフチルスルフィニル基等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、アルキルスルホニル基としては、炭素原子数1以上18以下の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の好ましい具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec-ブチルスルホニル基、tert-ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、tert-ペンチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、及びオクタデシルスルホニル基等が挙げられる。
上記式(C-III)~(C-VI)において、アリールスルホニル基としては、炭素原子数6以上10以下のアリールスルホニル基等が挙げられる。アリールスルホニル基の好ましい具体例としては、フェニルスルホニル基、トリルスルホニル基(トシル基)、及びナフチルスルホニル基等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、ヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基としては、HO(AO)-(式中、AOは独立にエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基を表し、qは1以上5以下の整数を表す。)で表されるヒドロキシ(ポリ)アルキレンオキシ基等が挙げられる。
上記式(C-II)~(C-VI)において、置換されていてよいアミノ基としては、アミノ基(-NH)及び炭素原子数1以上15以下の置換アミノ基等が挙げられる。置換アミノ基の好ましい具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、メチル-n-プロピルアミノ基、エチル-n-プロピルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソプロピルメチルアミノ基、イソプロピルエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、エチルフェニルアミノ基、n-プロピルフェニルアミノ基、及びイソプロピルフェニルアミノ基等が挙げられる。
上記式(C-III)及び(C-IV)において、アルキレン基としては、炭素原子数1以上18以下の直鎖又は分岐鎖アルキレン基等が挙げられる。アルキレン基の好ましい具体例としては、メチレン基、1,2-エチレン基、1,1-エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ブタン-1,1-ジイル基、ブタン-2,2-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、2-エチルヘキサン-1,6-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、及びヘキサデカン-1,16-ジイル基等が挙げられる。
スルホニウム塩(Q)は、例えば、下記スキームに従って合成することができる。具体的には、下記式(C-1)で表される1-フルオロ-2-メチル-4-ニトロベンゼンに、水酸化カリウム等の塩基の存在下で、下記式(C-2)で表される化合物を反応させて、下記式(C-3)で表されるニトロ化合物を得、次いで、還元鉄の存在下で還元を行って、下記式(C-4)で表されるアミン化合物を得る。このアミン化合物とMaNO(式中、Maは金属原子、例えば、ナトリウム原子等のアルカリ金属原子を示す。)で表される亜硝酸塩(例えば、亜硝酸ナトリウム)とを反応させてジアゾ化合物を得、次いで、このジアゾ化合物とCuX’(式中、X’は臭素原子等のハロゲン原子を示す。以下、同じ)で表されるハロゲン化第一銅とHX’で表されるハロゲン化水素とを混合し、反応を進行させて、下記式(C-5)で表されるハロゲン化物を得る。このハロゲン化物及びマグネシウムからグリニャール試薬を調製し、次いで、クロロトリメチルシランの存在下で、このグリニャール試薬と下記式(C-6)で表されるスルホキシド化合物とを反応させて、下記式(C-7)で表されるスルホニウム塩を得ることができる。さらに、このスルホニウム塩をMbX”(式中、Mbは金属カチオン、例えば、カリウムイオン等のアルカリ金属カチオンを示し、X”はXで表される1価のアニオン(但し、ハロゲンアニオンを除く。)を示す。)で表される塩と反応させて塩交換を行うことにより、下記式(C-8)で表されるスルホニウム塩を得ることができる。なお、下記式(C-2)~(C-8)において、RC1~RC3及びAC1は、上記式(C-I)と同様である。
<スキーム>
Figure 2022097376000022
上記式(C-I)で表されるスルホニウム塩(Q)のカチオン部の具体例としては、以下のカチオンが挙げられる。上記式(C-I)で表されるスルホニウム塩(Q)のアニオン部の具体例としては、上記Xの説明で挙げたアニオン等、従来公知のアニオンを挙げることができる。上記式(C-I)で表されるスルホニウム塩(Q)は上記スキームに従って合成することができ、必要に応じさらに塩交換することにより、カチオン部を所望のアニオン部と組み合わせることができ、特に、Rx1 BY4-c (式中、Rx1は水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子又は電子求引基で置換されたフェニル基を示し、Yはハロゲン原子を示し、cは1以上4以下の整数を示す。)で表されるアニオンとの組み合わせが好ましい。
Figure 2022097376000023
上記の好ましいカチオン部の群の中では、下記式で表されるカチオン部がより好ましい。
Figure 2022097376000024
スルホニウム塩(Q)以外のその他のオニウム塩としては、従来からエポキシ化合物の硬化等の目的で使用されている種々のオニウム塩を特に制限なく使用することができる。
その他のオニウム塩としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩が好ましく、スルホニウム塩(Q)以外のその他のスルホニウム塩がより好ましい。
以下、スルホニウム塩(Q)以外のその他のスルホニウム塩について「スルホニウム塩(Q’)」とも記す。
その他のスルホニウム塩(Q’)は、スルホニウム塩(Q)と同じく、1価アニオンXとして上述のRx1 BY4-c で表されるアニオン又は上述のRx1 GaY4-c で表されるアニオン含むのが好ましい。
x1 BY4-c で表される1価のアニオンを有するスルホニウム塩(Q’)としては、例えば下記式(C-A)で表されるスルホニウム塩が挙げられる。Rx1 GaY4-c で表される1価のアニオンを有するスルホニウム塩(Q’)としては下記式(C-A)におけるBをGaに置き換えたスルホニウム塩である。
Figure 2022097376000025
(式中、RC1、RC2、RC3、AC1、Rx1、Y及びcは上述の通り。)
上記式(C-A)で表されるスルホニウム塩(Q’)のカチオン部の具体例としては、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2022097376000026
スルホニウム塩(Q’)のカチオン部の典型的な例としては、また、以下のカチオンが挙げられる。
Figure 2022097376000027
Figure 2022097376000028
硬化性液状組成物におけるオニウム塩(C1)の含有量は、硬化性液状組成物の硬化が良好に進行する限り特に限定されない。硬化性液状組成物を良好に硬化させやすい点から、硬化性液状組成物におけるオニウム塩(C1)の含有量は、典型的には、エポキシ化合物(B)100質量部に対して、0.01質量部以上50質量部以上であり、0.01質量部以上30質量部以下が好ましく、0.01質量部以上20質量部以下がより好ましく、0.05質量部以上15質量部以下がさらに好ましく、1質量部以上10質量部以下が特に好ましい。
〔塩基発生剤(C2)〕
塩基発生剤(C2)、加熱又は露光により塩基を発生させる。塩基発生剤(C2)が発生させた塩基がエポキシ化合物(B)を硬化させる。塩基発生剤(C2)としては、従来から知られる塩基発生剤を特に限定なく用いることができる。
例えば、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オンを、塩基発生剤として用いることができる。
また、下式(c1)で表されるイミダゾール化合物を発生させる化合物(以下、熱イミダゾール発生剤とも記す)も、硬化剤として好ましく使用される。
Figure 2022097376000029
(式(c1)中、Rc1、Rc2、及びRc3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、ホスフィノ基、スルホナト基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を示す。)
c1、Rc2、及びRc3における有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。この有機基は、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
c1及びRc2は、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合をさらに含んでいてもよい。環状構造としては、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基等が挙げられ、縮合環であってもよい。
c1、Rc2、及びRc3の有機基に含まれる結合は、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、有機基は、酸素原子、窒素原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む結合を含んでいてもよい。ヘテロ原子を含む結合の具体例としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(-N=C(-Rc0)-、-C(=NRc0)-:Rc0は水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
c1、Rc2、及びRc3の有機基が有してもよいヘテロ原子を含む結合としては、イミダゾール化合物の耐熱性の観点から、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(-N=C(-Rc0)-、-C(=NRc0)-:Rc0は水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
c1、Rc2、及びRc3の有機基が炭化水素基以外の置換基である場合、Rc1、Rc2、及びRc3は本発明の効果が損なわれない限り特に限定されない。Rc1、Rc2、及びRc3の具体例としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素原子は、炭化水素基によって置換されていてもよい。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。
c1、Rc2、及びRc3としては、水素原子、炭素原子数1以上12以下のアルキル基、炭素原子数6以上12以下のアリール基、炭素原子数1以上12以下のアルコキシ基、及びハロゲン原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
熱イミダゾール発生剤は、加熱により上記式(c1)で表されるイミダゾール化合物を発生させることができる化合物であれば特に限定されない。従来から種々の組成物に配合されている、熱の作用によりアミンを発生する化合物(熱塩基発生剤)について、加熱時に発生するアミンに由来する骨格を、上記式(c1)で表されるイミダゾール化合物に由来する骨格に置換することにより、熱イミダゾール発生剤として使用される化合物が得られる。
好適な熱イミダゾール発生剤としては、下記式(c2):
Figure 2022097376000030
(式(c2)中、Rc1、Rc2、及びRc3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホナト基、又は有機基を示す。Rc4及びRc5は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。Rc6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。Rc6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。)
で表される化合物が挙げられる。
式(c2)における、Rc1、Rc2、及びRc3は、式(c1)について説明したRc1、Rc2、及びRc3と同様である。
式(c2)において、Rc4及びRc5は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。
c4及びRc5における有機基としては、Rc1、Rc2、及びRc3について例示した有機基が挙げられる。この有機基は、Rc1、Rc2、及びRc3の場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
以上の中でも、Rc4及びRc5としては、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1以上10以下のアルキル基、炭素原子数4以上13以下のシクロアルキル基、炭素原子数4以上13以下のシクロアルケニル基、炭素原子数7以上16以下のアリールオキシアルキル基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、シアノ基を有する炭素原子数2以上11以下のアルキル基、水酸基を有する炭素原子数1以上10以下のアルキル基、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ基、炭素原子数2以上11以下のアミド基、炭素原子数1以上10以下のアルキルチオ基、炭素原子数1以上10以下のアシル基、炭素原子数2以上11以下のエステル基(-COOR、-OCOR:Rは炭化水素基を示す)、炭素原子数6以上20以下のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素原子数6以上20以下のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、メチルチオ基であることが好ましい。より好ましくは、Rc4及びRc5の両方が水素原子であるか、又はRc4がメチル基であり、Rc5が水素原子である。
式(c2)において、Rc6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。
c6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10における有機基としては、Rc1、Rc2、及びRc3において例示した有機基が挙げられる。この有機基は、Rc1及びRc2の場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
c6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。環状構造としては、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基等が挙げられ、縮合環であってもよい。例えば、Rc6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10は、それらの2つ以上が結合して、Rc6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成してもよい。
以上の中でも、Rc6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10としては、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1以上10以下のアルキル基、炭素原子数4以上13以下のシクロアルキル基、炭素原子数4以上13以下のシクロアルケニル基、炭素原子数7以上16以下のアリールオキシアルキル基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、シアノ基を有する炭素原子数2以上11以下のアルキル基、水酸基を有する炭素原子数1以上10以下のアルキル基、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ基、炭素原子数2以上11以下のアミド基、炭素原子数1以上10以下のアルキルチオ基、炭素原子数1以上10以下のアシル基、炭素原子数2以上11以下のエステル基、炭素原子数6以上20以下のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素原子数6以上20以下のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、メチルチオ基、ニトロ基であることが好ましい。
また、Rc6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10としては、それらの2つ以上が結合して、Rc6、Rc7、Rc8、Rc9、及びRc10が結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成している場合も好ましい。
上記式(c2)で表される化合物の中では、下記式(c3):
Figure 2022097376000031
(式(c3)中、Rc1、Rc2、及びRc3は、式(c1)及び(c2)と同義である。Rc4~Rc9は式(c2)と同義である。Rc11は、水素原子又は有機基を示す。Rc6及びRc7が水酸基となることはない。Rc6、Rc7、Rc8、及びRc9は、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。)
で表される化合物が好ましい。
式(c3)で表される化合物は、置換基-O-Rc11を有するため、硬化性液状組成物中での溶解性に優れる。
式(c3)において、Rc11は、水素原子又は有機基である。c11が有機基である場合、有機基としては、Rc1、Rc2、及びRc3において例示した有機基が挙げられる。この有機基は、該有機基中にヘテロ原子を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。Rc11としては、水素原子、炭素原子数1以上12以下のアルキル基若しくはアルコキシアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基がより好ましい。
熱イミダゾール発生剤として特に好適な化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2022097376000032
硬化性液状組成物は、塩基発生剤(C2)を2種以上含んでいてもよい。
硬化性液状組成物中の、塩基発生剤(C2)の含有量は、典型的には、硬化性液状組成物の固形分の質量に対して、0.01質量%以上40質量%以下が好ましく、0.1質量%以上20質量%以下がより好ましく、1質量%以上10質量%以下が特に好ましい。
〔エポキシ化合物用のその他の硬化剤(C3)〕
硬化剤(C)としては、、上記のオニウム塩(C1)、及び塩基発生剤(C2)以外のエポキシ化合物用のその他の硬化剤(C3)を用いることができる。その他硬化剤(C3)としては、従来公知のエポキシ化合物用の硬化剤から適宜選択することができる。
硬化剤(C3)としては、例えば、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、多価アミン系硬化剤、触媒型硬化剤が挙げられる。
フェノール系硬化剤、及び酸無水物系硬化剤の使用量は、硬化性液状組成物中のエポキシ化合物(B)100質量部に対して、1質量部以上200質量部以下が好ましく、50質量部以上150質量部以下がより好ましく、80質量部以上120質量部以下が特に好ましい。フェノール系硬化剤、及び酸無水物系硬化剤は、それぞれ単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
多価アミン系硬化剤の使用量は、硬化性液状組成物中のエポキシ化合物(B)100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、0.5質量部以上30質量部以下がより好ましく、1質量部15質量部が特に好ましい。これらの多価アミン系硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
触媒型硬化剤の使用量は、硬化性液状組成物中のエポキシ化合物(B)100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下が好ましく、1質量部以上80質量部以下がより好ましく、1質量部以上50質量部以下が特に好ましい。これらの触媒型硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
<イオン液体(D)>
硬化性液状組成物は、粒子状フィラー(A)をさらに分散させやすくする目的でイオン液体(D)を含んでいてもよい。
特に、硬化性液状組成物が粒子状フィラー(A)として量子ドットを含む場合、硬化性液状組成物が、量子ドットをさらに分散させやすくする点から、イオン液体(D)を含んでいるのが好ましい。なお、イオン液体(D)は、後述する有機溶剤(S)には含まれない。イオン液体(D)は、有機合成分野や、電池用の電解質等に使用されているイオン液体を特に制限なく用いることができる。イオン液体(D)は、典型的には、140℃以下の温度領域で融解しうる塩であり、140℃以下で液体となる安定な塩であることが好ましい。
イオン液体(D)の融点は、イオン液体(D)や硬化性液状組成物の取り扱い性の観点等から、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、80℃以下がさらに好ましい。
イオン液体(D)は、有機カチオンと、アニオンとから構成されることが好ましい。
イオン液体(D)は、窒素含有有機カチオン、リン含有有機カチオン、又は硫黄含有有機カチオンと、対アニオンとからなるのが好ましく、窒素含有有機カチオン、又はリン含有有機カチオンと、対アニオンとからなるのがより好ましい。
イオン液体(D)を構成する有機カチオンとしては、後述する有機溶剤(S)との親和性が良好であること等から、アルキル鎖四級アンモニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピリミジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、グアニジニウムカチオン、モルホリニウムカチオン、ホスホニウムカチオン及びスルホニウムカチオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルキル鎖四級アンモニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、モルホリニウムカチオン、又はホスホニウムカチオンであることがより好ましく、本発明の効果の点で、ピロリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、又はホスホニウムカチオンであることがさらに好ましい。
上記アルキル鎖四級アンモニウムカチオンの具体例としては下記式(L1)で表される四級アンモニウムカチオンが挙げられる。具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、エチルトリメチルアンモニウムカチオン、ジエチルジメチルアンモニウムカチオン、トリエチルメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、オクチルトリメチルアンモニウムカチオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムカチオン、メチルトリオクチルアンモニウムカチオン等が挙げられる。
上記ピペリジニウムカチオンの具体例としては下記式(L2)で表されるピペリジニウムカチオンが挙げられる。具体的には、例えば、1-プロピルピペリジニウムカチオン、1-ペンチルピペリジニウムカチオン、1,1-ジメチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-エチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ペンチルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ヘキシルピペリジニウムカチオン、1-メチル-1-ヘプチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-プロピルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ペンチルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ヘキシルピペリジニウムカチオン、1-エチル-1-ヘプチルピペリジニウムカチオン、1,1-ジプロピルピペリジニウムカチオン、1-プロピル-1-ブチルピペリジニウムカチオン、1,1-ジブチルピペリジニウムカチオン等が挙げられる。
上記ピリミジニウムカチオンの具体例としては、例えば、1,3-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5-テトラメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3-ジメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3-ジメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。
上記ピロリジニウムカチオンの具体例としては下記式(L3)で表されるピロリジニウムカチオンが挙げられ、より具体的には、例えば、1,1-ジメチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-メチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ブチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ペンチルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ヘキシルピロリジニウムカチオン、1-メチル-1-ヘプチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-プロピルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-ブチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-ペンチルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-ヘキシルピロリジニウムカチオン、1-エチル-1-ヘプチルピロリジニウムカチオン、1,1-ジプロピルピロリジニウムカチオン、1-プロピル-1-ブチルピロリジニウムカチオン、1,1-ジブチルピロリジニウムカチオン等が挙げられる。
上記イミダゾリウムカチオンの具体例としては下記式(L5)で表されるイミダゾリウムカチオンが挙げられ、より具体的には、例えば、1,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3-ジエチルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-プロピル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1-テトラデシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムカチオン、1-エチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン、1-ヘキシル-2,3-ジメチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられる。
上記ピリジニウムカチオンの具体例としては下記式(L6)で表されるピリジニウムカチオンが挙げられ、より具体的には、例えば、1-エチルピリジニウムカチオン、1-ブチルピリジニウムカチオン、1-ヘキシルピリジニウムカチオン、1-ブチル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-4-メチルピリジニウムカチオン、1-ヘキシル-3-メチルピリジニウムカチオン、1-ブチル-3,4-ジメチルピリジニウムカチオン等が挙げられる。
上記ピラゾニウムカチオンの具体例としては、例えば、1,3-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,5-テトラメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジニウムカチオン、1,3-ジメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,3-ジメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3-トリメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,4-ジヒドロピリミジニウムカチオン、1,2,3,4-テトラメチル-1,6-ジヒドロピリミジニウムカチオン等が挙げられる。
上記ホスホニウムカチオンの具体例としては下記式(L4)で表されるホスホニウムカチオンが挙げられる。具体的には、テトラブチルホスホニウムカチオン、トリブチルメチルホスホニウムカチオン、トリブチルヘキシルホスホニウムカチオン等のテトラアルキルホスホニウムカチオンや、トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウムカチオン等が挙げられる。
上記スルホニウムカチオンの具体例としては、トリエチルスルホニウムカチオン、ジメチルエチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、エチルメチルプロピルスルホニウムカチオン、ブチルジメチルスルホニウムカチオン、1‐メチルテトラヒドロチオフェニウムオン、1‐エチルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、1-プロピルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、1-ブチルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、又は1-メチル-[1,4]‐チオキソニウムカチオン等が挙げられる。中でも、上記スルホニウムカチオンとしては、テトラヒドロチオフェニウム系又はヘキサヒドロチオピリリウム系の5員環又は6員環等の環状構造を有しているスルホニウムカチオンが好ましく、環状構造中に酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。
Figure 2022097376000033
式(L1)~(L4)中、RL1~RL4は、それぞれ独立に、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、又はRL7-O-(CHLn-で表わされるアルコキシアルキル基(RL7は、メチル基、又はエチル基を示し、Lnは1以上4以下の整数を表す。)である。
式(L5)中、RL1~RL4は、各々独立に、炭素原子数が1以上20以下のアルキル基、RL7-O-(CHLn-で表わされるアルコキシアルキル基(RL7は、メチル基、又はエチル基を示し、Lnは1以上4以下の整数を表す。)、又は水素原子である。
式(L6)中、RL1~RL6は、各々独立に、炭素原子数が1~20のアルキル基、RL7-O-(CHLn-で表わされるアルコキシアルキル基(RL7は、メチル基、又はエチル基を示し、Lnは1以上4以下の整数を表す)、水素原子である。
イオン液体(D)を構成するアニオンとしては、有機アニオンであっても、無機アニオンであってもよい。イオン液体(D)の後述する有機溶剤(S)との親和性が良好であることから、有機アニオンが好ましい。
有機アニオンとして、カルボン酸系アニオン、N-アシルアミノ酸イオン、酸性アミノ酸アニオン、中性アミノ酸アニオン、アルキル硫酸系アニオン、含フッ素化合物系アニオン及びフェノール系アニオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、カルボン酸系アニオン又はN-アシルアミノ酸イオンであることがより好ましい。
上記カルボン酸系アニオンの具体例としては、酢酸イオン、デカン酸イオン、2-ピロリドン-5-カルボン酸イオン、ギ酸イオン、α-リポ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N-メチル馬尿酸イオン等が挙げられ、中でも、酢酸イオン、2-ピロリドン-5-カルボン酸イオン、ギ酸イオン、乳酸イオン、酒石酸イオン、馬尿酸イオン、N-メチル馬尿酸イオンが好ましく、酢酸イオン、N-メチル馬尿酸イオン、ギ酸イオンがより好ましい。
上記N-アシルアミノ酸イオンの具体例としては、N-ベンゾイルアラニンイオン、N-アセチルフェニルアラニンイオン、アスパラギン酸イオン、グリシンイオン、N-アセチルグリシンイオン等が挙げられ、中でも、N-ベンゾイルアラニンイオン、N-アセチルフェニルアラニンイオン、N-アセチルグリシンイオンが好ましく、N-アセチルグリシンイオンがより好ましい。
上記酸性アミノ酸アニオンの具体例としては、アスパラギン酸イオン、グルタミン酸イオン等が挙げられ、上記中性アミノ酸アニオンの具体例としては、グリシンイオン、アラニンイオン、フェニルアラニンイオン等が挙げられる。
上記アルキル硫酸系アニオンの具体例としては、メタンスルホン酸イオン等が挙げられ、上記含フッ素化合物系アニオンの具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロホスホン酸イオン、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)ホスホン酸イオン、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミドイオン(例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン)、トリフルオロ酢酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン等が挙げられ、上記フェノール系アニオンの具体例としては、フェノールイオン、2-メトキシフェノールイオン、2,6-ジ-tert-ブチルフェノールイオン等が挙げられる。
上記無機アニオンとして、本発明の効果をより確実に達成する観点から、F、Cl、Br、I、BF 、PF 及びN(SOF) からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、BF 、PF 又はN(SOF) であることがより好ましく、BF 又はPF であることがさらに好ましい。
イオン液体(D)は、例えば、国際公開第2014/178254号の段落0045に開示された手法等によって製造することができる。
イオン液体(D)は単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
イオン液体(D)の含有量としては、本発明の効果を達成し得る限り特に制限はない。
イオン液体(D)の含有量は、硬化性液状組成物において量子ドット等の粒子状フィラー(A)を分散させる効果が良好であることから、粒子状フィラー(A)100質量部に対して、10質量部以上150質量部以下が好ましく、20質量部以上100質量部以下がより好ましく、50質量部以上80質量部以下がさらに好ましい。
<溶剤(S)>
硬化性液状組成物は、有機溶剤(S)を含んでいてもよい。粒子状フィラー(A)の分散性の点から、有機溶剤(S)は、環式骨格を有し、且つ水素原子及び炭素原子以外のヘテロ原子を含む化合物である有機溶剤(S1)を含むのが好ましい。有機溶剤(S1)は、非炭化水素溶剤である。有機溶剤(S1)が含んでいてもよいヘテロ原子としては、N、O、S、及びP等が挙げられる。
有機溶剤(S1)が有する環式骨格としては、脂環式骨格が好ましい。ここで、芳香族性を示さない環式骨格を脂環式骨格とする。また、有機溶剤(S1)が、テトラリン環のように芳香族環骨格と脂環式骨格との双方を有する場合、有機溶剤(S1)が脂環式骨格を有するとする。
理由は定かではないが、平面的な立体構造を有する芳香族環骨格よりも、脂環式骨格がある程度かさ高いことが、粒子状フィラー(A)の分散促進や分散安定化に良好に寄与すると推測される。
有機溶剤(S1)は、エステル結合(-CO-O-)、アミド結合(-CO-NH-)、カーボネート結合(-O-CO-O-)、ウレイド結合(-NH-CO-NH-)、及びウレタン結合(-O-CO-NH-)からなる群より選択される1種以上の結合を有するのが好ましい。
本願明細書において、単にエステル結合、及びアミド結合と記載する場合、それぞれ「カルボン酸エステル結合」、及び「カルボン酸アミド結合」を意味する。
アミド結合、ウレイド結合、及びウレタン結合において、窒素原子には有機基が結合していてもよい。有機基の種類は特に限定されない。有機基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数1以上6以下のアルキル基がより好ましく、メチル基及びエチル基がさらに好ましい。
有機溶剤(S1)が、エステル結合、アミド結合、カーボネート結合、ウレイド結合、及びウレタン結合を含む場合、有機溶剤(S1)を用いることにより所望する効果を得やすい。
また、有機溶剤(S1)がこれらの結合を含む場合、硬化性液状組成物がエポキシ化合物(B)を含む場合に、エポキシ化合物(B)を硬化性液状組成物中に良好に溶解させやすい。
有機溶剤(S1)の好ましい例としては、アニソール、フェネトール、プロピルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、クレジルメチルエーテル、エチルベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、及びピリダジン等の芳香族溶剤;シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、及び1,3-シクロヘキサンジメタノール等の脂環式アルコール;シクロヘキシルメチルエーテル、シクロヘキシルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、及びジオキサン等の脂環式エーテル類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2-メチルシクロヘキサノン、1,4-シクロペンタンジオン、及び1,3-シクロペンタンジオン等の脂環式ケトン類;β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、β-メチル-γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、α-メチル-ε-カプロラクトン、及びε-メチル-ε-カプロラクトン等のラクトン類;N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、及びN,N-ジメチルプロピレン尿素等の環状アミド類又は環状尿素類;炭酸エチレン、及び炭酸プロピレン等の環状カーボネート類等が挙げられる。
また、有機溶剤(S1)としては、カルボン酸のシクロアルキルエステルが好ましい。カルボン酸のシクロアルキルエステルとしては、下式(s1):
Figure 2022097376000034
(式(s1)中、Rs1は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基であり、Rs2は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であり、pは1以上6以下の整数であり、qは0以上(p+1)以下の整数である。)
で表される、カルボン酸のシクロアルキルエステルが好ましい。
式(s1)中のRs1としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、及びイソプロピル基が挙げられ、メチル基が好ましい。
式(s1)中のRs2としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、及びn-ヘキシル基が挙げられる。Rs2としてのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、及びn-ブチル基が好ましく、メチル基、及びエチル基がより好ましい。
式(s1)で表されるカルボン酸シクロアルキルエステルの好適な例としては、シクロプロピルアセテート、シクロブチルアセテート、シクロペンチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、シクロヘプチルアセテート、シクロオクチルアセテート、シクロプロピルプロピオネート、シクロブチルプロピオネート、シクロペンチルプロピオネート、シクロヘキシルプロピオネート、シクロヘプチルプロピオネート、及びシクロオクチルプロピオネートが挙げられる。これらの中では、入手が容易であり、好ましい沸点を有することから、シクロペンチルアセテート、及びシクロヘキシルアセテートが好ましい。
以上説明した有機溶剤(S1)の中では、式(s1)で表されるカルボン酸シクロアルキルエステルが好ましく、シクロペンチルアセテート、及びシクロヘキシルアセテートが特に好ましい。
有機溶剤(S)は、有機溶剤(S1)以外の他の有機溶剤(S2)を含んでいてもよい。かかる他の有機溶剤(S2)の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n-ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチル-n-アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物;前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、又はモノフェニルエーテル等のエーテル誘導体;乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤;N,N,N’,N’-テトラメチルウレア、N,N,2-トリメチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-エチルピロリドン等の窒素含有有機溶剤;が挙げられる。これらの有機溶剤は、2種以上組み合わせて使用してもよい。
他の有機溶剤(S2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、N,N,N’,N’-テトラメチルウレア、及びブタノールが好ましい。
有機溶剤(S)は、有機溶剤(S1)のみを含むのが好ましい。有機溶剤(S)が、有機溶剤(S1)と、他の有機溶剤(S2)とを含む場合、有機溶剤(S)の質量に対する他の溶剤(S2)の質量の割合は、例えば、70質量%以下で適宜設定すればよく、0.01質量%以上55質量%以下が好ましく、1質量%以上50質量%以下がより好ましい。
有機溶剤(S)の使用量は、硬化性液状組成物の全質量に対して10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、0質量%がさらに好ましい。
<その他の成分>
硬化性液状組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、エポキシ化合物を含む硬化性液状組成物に従来から添加されている種々の添加剤を含んでいてもよい。
かかる添加剤の例としては、塩基発生剤、触媒、増感剤、シランカップリング剤、密着増強剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤、ゴム粒子、及び着色剤等が挙げられる。
また、硬化性液状組成物がゴム粒子を含む場合、硬化性液状組成物を用いて硬化膜を形成する際に形成される硬化膜に弾性が付与され、硬化膜の脆さを解消しやすい。
≪硬化性液状組成物の製造方法≫
以上説明した硬化性液状組成物の製造方法は特に限定されない。硬化性液状組成物は、以上説明した各成分を所定の比率で均一に混合することにより、製造することができる。硬化性液状組成物の製造に用いることができる混合装置としては、特に限定されない。混合装置としては、例えば、ビーズミル、二本ロール、三本ロール等が挙げられる。硬化性液状組成物の粘度が十分に低い場合、必要に応じて、不溶性の異物を除去するために、所望のサイズの開口を有するフィルターを用いて硬化性液状組成物をろ過してもよい。
≪硬化膜の形成方法≫
以上説明した硬化性液状組成物からなる塗布膜を硬化させることにより硬化膜が形成される。かかる硬化膜は、前述の硬化性液状組成物の硬化物からなるフィルムである。
硬化性液状組成物を硬化させる場合、硬化方法は、特に限定されず、加熱であっても、露光であってもよく、加熱と露光とを組み合わせて行ってもよい。
硬化膜は、粒子状フィラー(A)の種類に応じて種々の用途に使用される。粒子状フィラー(A)が、酸化ジルコニウム粒子や酸化チタン粒子のような金属酸化物粒子である場合、硬化膜は種々の光化学素子や光学フィルムにおける高屈折率層として好適に使用される。また、粒子状フィラー(A)が量子ドットである場合、硬化膜は発光表示素子用途において好適に使用される。
硬化膜の製造方法の典型例を以下説明する。
硬化膜は、積層体や、発光表示素子パネル等において種々の機能層上に直接形成されてもよく、金属基板やガラス基板等の任意の材質の基板上に形成した後、基板から剥離させて使用されてもよい。
また、硬化膜は、発光表示素子パネル等において画素を画定する遮光性の隔壁に囲まれた領域内に形成されてもよい。
まず、任意の基板や機能層等の上に、硬化性液状組成物を塗布して塗布膜を形成する。塗布方法としては、ロールコータ、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置や、スピンナー(回転式塗布装置)、スリットコーター、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いる方法が挙げられる。
また、硬化性液状組成物の粘度を適切な範囲に調整したうえで、インクジェット法、スクリーン印刷法等の印刷法によって硬化性液状組成物の塗布を行って、所望の形状にパターニングされた塗布膜を形成してもよい。
次いで、必要に応じて、有機溶剤(S)等の揮発成分を除去して塗布膜を乾燥させる。乾燥方法は特に限定されないが、例えば、真空乾燥装置(VCD)を用いて室温にて減圧乾燥し、その後、ホットプレートにて60℃以上120℃以下、好ましくは70℃以上100℃以下の温度にて60秒以上180秒以下の間乾燥する方法が挙げられる。
このようにして塗布膜を形成した後、塗布膜に対して露光及び/又は加熱を施す。
露光は、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して行う。照射するエネルギー線量は、硬化性液状組成物の組成によっても異なるが、例えば30mJ/cm以上2000mJ/cm以下が好ましく、50mJ/cm以上500mJ/cm以下がより好ましい。
加熱を行う際の温度は特に限定されず、180℃以上280℃以下が好ましく、200℃以上260℃以下がより好ましく、220℃以上250℃以下が特に好ましい。加熱時間は、典型的には、1分以上60分以下が好ましく、10分以上50分以下がより好ましく、20分以上40分以下が特に好ましい。
硬化膜の膜厚は特に限定されない。硬化膜の膜厚は、典型的には、0.1μm以上10μm以下であり、0.2μm以上5μm以下が好ましく、0.5μm以上3μm以下がより好ましい。
粒子状フィラー(A)が量子ドットである場合、硬化膜は、蛍光効率に優れるため発光表示素子用の光学フィルムとして好適に使用でき、また、発光表示素子において好適に用いられる積層体の製造に好適に使用できる。
以下、量子ドットを粒子状フィラー(A)として含む硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜を含む積層体について説明する。
≪積層体≫
積層体は、量子ドットを粒子状フィラー(A)として含む硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜を含む積層体である。かかる積層体は、量子ドットを含有する硬化膜のみからなる積層体であってもよく、硬化膜と、他の機能層とからなる積層体であってもよい。
<硬化膜の積層体>
積層体としては、例えば、エポキシ化合物(B)の硬化物中に分散された量子ドットを含む硬化膜が2層以上積層されており、量子ドットを含む硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜を含む積層体が挙げられる。
かかる積層体は、量子ドットを含む硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜だけが積層された積層体であってもよく、量子ドットを含む硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜と、量子ドットを含む硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜以外の、量子ドットを含む他の膜とが積層された積層体であってもよい。
量子ドットを含有する膜は、光源からの入射光を波長変換して赤色光を生ずる量子ドットと、光源からの入射光を波長変換して緑色光を生ずる量子ドットを含むのが好ましい。
また、赤色光を生ずる量子ドットを含む膜と、緑色光を生ずる量子ドットを含む膜とを交互に積層するのも好ましい。
このような構成の積層体を発光表示素子パネルに適用することにより、波長変換によって色純度の高い緑色光と赤色光を取り出すことができるため、発光表示素子パネルを備える発光表示装置の色相の再現範囲を拡大することができる。
なお、光源としては、典型的には、青色光や白色光を利用することができる。かかる光源と、上記の積層体とを組み合わせて用いることにより、色純度の高い、赤色光、緑色光、及び青色光を取り出すことができ、良好な色相の鮮明な画像を表示することができる。
発光表示装置としては、光源の発光を用いて画像を表示する装置であれば特に限定されず、液晶表示装置や、有機EL表示装置等が挙げられる。
<硬化膜と、他の機能層とを含む積層体>
量子ドットを含有する膜である、前述の硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜は、他の機能層と積層されるのも好ましい。
硬化膜は、光源からの入射光を波長変換して赤色光を生ずる量子ドットと、光源からの入射光を波長変換して緑色光を生ずる量子ドットを含むのが好ましい。
また、光源としては、典型的には、青色光や白色光を利用することができる。
他の機能層としては、光線を拡散させる拡散層、硬化膜よりも低い屈折率を有する低屈折率層、光源から入射する光の一部を反射させる反射層、光源の発する光を積層体に入射させる導光板等が挙げられる。
また、必要に応じて、積層体内に空隙が設けられてもよい。空隙は、例えば、空気の層や、窒素等の不活性ガスの層であってよい。
拡散層としては、従来、種々の表示装置や光学装置に用いられている種々の拡散層を、特に制限なく用いることができる。典型的な例としては、表面にプリズム等の微細構造が設けられたフィルム、表面にビーズが散布又は埋没されたフィルム、及び微粒子や、光線を散乱させるように構造化された界面又は空隙等を内部に含むフィルムが挙げられる。
低屈折率層は、前述の硬化膜よりも低い屈折率を有するフィルムであれば特に限定されず、種々の材質からなるフィルムを用いることができる。
反射層としては、反射性の偏光フィルム、入射光のうちの一部を反射できるように、表面にプリズム等の微細構造が設けられたフィルム、金属箔、多層光学フィルム等が挙げられる。反射層は、入射光の30%以上を反射させるのが好ましく、40%以上を反射させるのがより好ましく、50%以上を反射させるのが特に好ましい。
反射層は、硬化膜を通過した光を反射して、反射光を再度、硬化膜に入射させるように設けられるのが好ましい。反射層から硬化膜に入射した光を、拡散層等により、反射層の方向へ再度反射させることにより、反射層を用いない場合よりも、硬化膜から発せられる緑色光、及び赤色光の色純度を高めることができる。
導光板としては、従来、種々の表示装置や光学装置に用いられている種々の導光板を、特に制限なく用いることができる。
硬化膜と、他の機能層とを含む積層体の好ましい層構成の典型例としては、以下の1)~8)の層構成が挙げられる。なお1)~8)の構成の積層体では、最も左に記載された層に光源が発する光線を入射させ、最も右に記載された層から硬化膜により波長変換された光線を取り出す。
通常、積層体から取り出された光線を入射させるようにディスプレイパネルが設けられ、色準との高い赤色光、緑色光、及び青色光を利用して画像の表示が行われる。
1)拡散層/硬化膜/低屈折率層/反射層
2)導光板/拡散層/硬化膜/低屈折率層/反射層
3)低屈折率層/硬化膜/空隙/反射層
4)導光板/低屈折率層/硬化膜/空隙/反射層
5)低屈折率層/硬化膜/低屈折率層/反射層
6)導光板/低屈折率層/硬化膜/低屈折率層/反射層
7)反射層/低屈折率層/硬化膜/低屈折率層/反射層
8)導光板/反射層/低屈折率層/硬化膜/低屈折率層/反射層
なお、以上説明した積層体において、前述の硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜は、前述の方法に従って製造されるのが好ましい。
≪発光表示素子パネル、及び発光表示装置≫
量子ドットを含む硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜や、前述の積層体は、種々の発光表示素子パネルに組み込まれ、光源が発する光線から色純度の高い赤色光、緑色光、及び青色光を取り出す目的で好ましく使用される。
ここでは、量子ドットを含む硬化性液状組成物を用いて形成された硬化膜や、前述の積層体の総称について「量子ドットシート」と記載する。
発光表示素子パネルは、典型的には、光源であるバックライトと、量子ドットシートと、ディスプレイパネルとを組み合わせて含む。
量子ドットシートが導光板を備える場合、典型的には、導光板の側面に光線を入射させるように光源が設けられる。導光板の側面から入射した光線は、量子ドットシート内を通過し、ディスプレイパネルに入射する。
量子ドットシートが導光板を備えない場合、面光源から量子ドットシートの主面に光線を入射させ、量子ドットシート内を通過した光線をディスプレイパネルに入射させる。
ディスプレイパネルの種類は、量子ドットシートを通過した光線を用いて画像形成可能であれば特に限定されないが、典型的には液晶ディスプレイパネルである。
光源が発する光線から特に色純度の高い赤色光、緑色光、及び青色光を取り出しやすいことから、量子ドットシートは、前述の積層体であるのが好ましい。
量子ドットシートが積層体である場合の、発光表示素子パネルが備える構成の好ましい組み合わせとしては、以下a)~h)の組み合わせが挙げられる。
下記a)~h)に記載の組み合わせについて、最も左に記載の構成から、記載されている順に積み上げられ、発光表示素子パネルが形成される。
a)面光源/拡散層/量子ドットシート/低屈折率層/反射層/ディスプレイパネル
b)光源付導光板/拡散層/量子ドットシート/低屈折率層/反射層/ディスプレイパネル
c)面光源/低屈折率層/量子ドットシート/空隙/反射層/ディスプレイパネル
d)光源付導光板/低屈折率層/量子ドットシート/空隙/反射層/ディスプレイパネル
e)面光源/低屈折率層/量子ドットシート/低屈折率層/反射層/ディスプレイパネル
f)光源付導光板/低屈折率層/量子ドットシート/低屈折率層/反射層/ディスプレイパネル
g)面光源/反射層/低屈折率層/量子ドットシート/低屈折率層/反射層/ディスプレイパネル
h)光源付導光板/反射層/低屈折率層/量子ドットシート/低屈折率層/反射層/ディスプレイパネル
以上説明した発光表示素子パネルを用いることで、色相の再現範囲が広く、良好な色相であり鮮明な画像を表示可能な発光表示装置を製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
〔実施例1〕
1,2-ジ(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エタン8.37gと、4-ビニル-1,2-エポキシシクロヘキサン8.32gと、アゾビスイソブチロニトリル0.46gと、THF(テトラヒドロフラン)溶媒87.4gとを、反応容器中に加えた。次いで、反応容器の内容物を80℃で6時間分間撹拌した。蒸留操作を行った後、下記構造のリガンド化合物1を10.2g得た。得られたリガンド化合物1のH-NMRの測定結果は以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ(ppm)4.21(s,1H),3.92(t,4H),3.21~2.54(m,11H),2.25~1.64(m,6H),1.43~1.54(m,3H).
Figure 2022097376000035
〔実施例2〕
4-ビニル-1,2-エポキシシクロヘキサン8.37gを、4-アクリロイルオキシメチル-1,2-エポキシシクロヘキサン12.2gに変えることの他は、実施例1と同様にして、下記構造のリガンド化合物2を11.5g得た。得られたリガンド化合物2のH-NMRの測定結果は以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ(ppm)4.23(s,1H),4.12(d,2H),3.91(t,4H),3.24~2.52(m,12H),2.27~1.66(m,6H),1.40~1.51(m,3H).
Figure 2022097376000036
〔実施例3〕
酸化ジルコニウム粒子(平均粒子径5nm)100g、及び実施例1と同様の方法により得た100gの上記のリガンド化合物1とをフラスコ中に仕込み、フラスコの内容物を200℃で60分撹拌した。撹拌後の反応液を、ろ紙によりろ過した。ろ紙上の固形物を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中で洗浄した後、洗浄液中の固形物を、再度ろ紙によりろ過した。ろ紙上の固形物を、アセトン中で洗浄した後、洗浄液中の固形物を、再度ろ紙にろ過した。ろ紙上の固形物を乾燥させて、実施例1で得たリガンド化合物1が表面に結合した酸化ジルコニウム粒子112gを得た。
〔実施例4〕
リガンド化合物1を、実施例2で得たリガンド化合物2に変えることの他は、実施例3と同様にして、実施例2で得たリガンド化合物2が表面に結合した酸化ジルコニウム粒子103gを得た。
〔実施例5〕
酸化ジルコニウム粒子(平均粒子径5nm)を、酸化チタン粒子(平均粒子径5nm)に変えることの他は、実施例3と同様にし、実施例1で得たリガンド化合物1が表面に結合した酸化チタン粒子106gを得た。
[XPS測定]
実施例3~5で得た、溶媒洗浄により精製された後の各粒子と、実施例3~5で用いた原料の粒子とを、さらに圧力10Maにてフリーズドライした。フリーズドライされた粒子を、X線光電子分光装置(XPS、PHI社製「XPS5700」)を用いて、分析した。分析の結果、実施例3~5で得た各粒子のXPS分析では、原料の酸化物粒子のXPS分析では見られなかった硫黄原子に由来するピークが、160eV~170eVの領域に観察された。このことから、実施例3~5で得た、各粒子の表面には、硫黄原子を有するリガンド化合物1、又はリガンド化合物2が存在していることが分かる。
リガンド化合物1、又はリガンド化合物2が、各原料粒子の表面に結合していなければ、溶媒による洗浄によって、リガンド化合物1、又はリガンド化合物2が溶媒中に洗い流される。従って、実施例3~5で得た各粒子では、各原料粒子の表面に、リガンド化合物1、又はリガンド化合物2が結合している。
〔実施例6~9〕
表1に記載の種類の粒子状フィラー20gと、表1に記載の種類のエポキシ化合物98gと、スルホニウム塩2gとを均一に混合して、実施例6~9の硬化性液状組成物を得た。
〔比較例1〕
リガンドが結合していない未処理の酸化ジルコニウム粒子20gと、表1に記載の種類のエポキシ化合物98gと、スルホニウム塩2gとを均一に混合して、比較例1の硬化性液状組成物を得た。
実施例6~9、及び比較例1において、エポキシ化合物として下記B1、及びB2を用いた。実施例6~9、及び比較例1において、硬化剤としてのスルホニウム塩として、下記構造のスルホニウム塩を用いた。
Figure 2022097376000037
得られた、実施例6~9、及び比較例1の硬化性液状組成物を用いて、下記の方法に従って、硬化物の鉛筆硬度と、硬化性液状組成物における粒子状フィラーの分散安定性とを評価した。これらの評価結果を表1に記す。
<鉛筆硬度>
硬化性液状組成を、ガラス基板(100mm×100mm)上にスピンコーターを用いて塗布し、膜厚1.0μmの塗膜を形成した。次いで、紫外線照射装置(製品名:TME-150RTO、株式会社トプコン製)を使用し、露光量50mJ/cmで露光した。
得られた硬化膜について、JIS K 5400に従い鉛筆硬度を測定した。
<分散安定性>
得られた硬化性液状組成物を、バイアル瓶に封入された状態でそのまま室温で保管した。1週間の静置後、沈降が見られなかった場合を〇、沈降物が確認された場合を×と判定した。
Figure 2022097376000038
表1から分かる通り、脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンド(a1)がその表面に結合した粒子状フィラー(A)と、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)とを含む実施例の硬化性液状組成物は、粒子状フィラーの分散安定性が良好であり、硬度に優れる硬化物を与えることが分かる。
他方、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有するエポキシ化合物(B)を含む一方で、その表面にリガンドが結合してない粒子状フィラーを含む比較例の硬化性組成物は、粒子状フィラーの分散安定性に劣り、硬度に優れる硬化物を与えないことが分かる。

Claims (16)

  1. 粒子状フィラー(A)、及びエポキシ化合物(B)を含み、
    前記粒子状フィラー(A)の表面に、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンド(a1)が結合しており、
    前記エポキシ化合物(B)が、環構成原子数5以上の非芳香族環式基を有する、硬化性液状組成物。
  2. 前記リガンド(a1)が、下記式(A1):
    HS-R-R・・・(A1)
    (式(A1)中、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基である。)
    で表される化合物である、請求項1記載の硬化性液状組成物。
  3. 前記リガンドが、下記式(A1-1):
    HS-R-S-R-R・・・(A1-1)
    (式(A1-1)中、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基であり、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、アルキレン基である。)
    で表される化合物である、請求項2に記載の硬化性液状組成物。
  4. 前記Rが、炭素原子数5以上8以下のエポキシシクロアルキル基であり、前記Rが炭素原子数2以上4以下のアルキレン基である、請求項3に記載の硬化性液状組成物。
  5. 前記硬化性液状組成物の全質量に対する有機溶剤(S)の含有量が10質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性液状組成物。
  6. 前記エポキシ化合物(B)が、20℃で液状である、請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性液状組成物。
  7. 前記エポキシ化合物(B)が、芳香族基を含まない脂環式ジエポキシ化合物である請求項1~6のいずれか1項に記載の硬化性液状組成物。
  8. エポキシ化合物用の硬化剤(C)を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の硬化性液状組成物。
  9. 前記硬化剤(C)が、オニウム塩(C1)又は塩基発生剤(C2)である、請求項8に記載の硬化性液状組成物。
  10. 芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基とチオール基とを有するリガンドがその表面に結合している、粒子状フィラー。
  11. 下記式(A1):
    HS-R-R・・・(A1)
    (式(A1)中、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基である。)
    で表される前記リガンドがその表面に結合している、請求項10に記載の粒子状フィラー。
  12. 前記リガンドが、下記式(A1-1):
    HS-R-S-R-R・・・(A1-1)
    (式(A1-1)中、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基であり、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、アルキレン基である。)
    で表される化合物である、請求項11に記載の粒子状フィラー。
  13. 前記Rが、炭素原子数5以上8以下のエポキシシクロアルキル基であり、前記Rが炭素原子数2以上4以下のアルキレン基である、請求項12に記載の粒子状フィラー。
  14. 下記式(A1):
    HS-R-R・・・(A1)
    (式(A1)中、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基である。)
    で表される化合物。
  15. 前記式(A1)で表される化合物が、下記式(A1-1):
    HS-R-S-R-R・・・(A1-1)
    (式(A1-1)中、Rは、置換基を有してもよく、芳香環と縮合していてもよい脂環式エポキシ基であり、Rは、2価の鎖状連結基であり、Rは、アルキレン基である。)
    で表される化合物である、請求項14に記載の化合物。
  16. 前記Rが、炭素原子数5以上8以下のエポキシシクロアルキル基であり、前記Rが炭素原子数2以上4以下のアルキレン基である、請求項15に記載の化合物。
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