JP2022096928A - 加圧機構、加圧装置、および液体吐出装置 - Google Patents

加圧機構、加圧装置、および液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】弾性部材が液室の容積を増減させるように変位して液体を加圧するときに、弾性部材が液室内の壁面に当接して弾性部材と液室内の壁面とが貼りつくことを抑制できる加圧機構を提供する。【解決手段】液体が流動する液体流路の途中に設けられる加圧機構27であって、液体流路と連通する液室41の壁面41a,41b,41cの一部を構成する基体56と、基体56に対向する位置に設けられ、液室41の壁面41a,41b,41cの一部を構成して、液室41の容積を増減させるように変位する弾性部材42と、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制する規制部と、弾性部材42を液室41の容積が減少する方向に付勢する付勢部材54と、を備える。液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際、規制部によって、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成される。【選択図】図3

Description

本発明は、液体流路内の液体を加圧する加圧機構、加圧装置、および液体吐出装置に関する。
特許文献1に記載された液滴噴射装置は、液体供給経路において、液体供給源から噴射ヘッドに向けて液体を加圧供給する加圧機構が設けられる。加圧機構は、可撓性部材によって区切られたポンプ室と負圧室とを有し、可撓性部材を往復運動させてポンプ室内の液体に圧力を与える。加圧機構は、負圧室を減圧するための減圧部と、負圧室内に設けられて可撓性部材をポンプ室側に向けて付勢する付勢部材とを備える。加圧機構が液体を加圧する加圧力は、付勢部材の付勢力により設定される。液滴噴射装置は液体吐出装置の一例であり、噴射ヘッドは液体吐出ヘッドの一例であり、可撓性部材は弾性部材の一例であり、ポンプ室は液室の一例であり、負圧室は空間の一例であり、減圧部は減圧装置の一例である。
特開2019-072929号公報
特許文献1に記載された液滴噴射装置において、加圧機構が液体を加圧するときに、付勢部材が弾性部材を液室側に向けて付勢する。このとき、液室内において弾性部材が液室内の壁面に当接して、弾性部材と液室内の壁面とが貼りつく場合がある。このような場合に減圧装置が空間を減圧すると、貼りついた箇所が剥がれる際に、液室内に急激な圧力変動が生じて、液体吐出ヘッドのノズル内の液体のメニスカスが破壊される虞がある。
上記課題を解決する加圧機構は、液体が流動する液体流路の途中に設けられる加圧機構であって、前記液体流路と連通する液室の壁面の一部を構成する基体と、前記基体に対向する位置に設けられ、前記液室の壁面の一部を構成して、該液室の容積を増減させるように変位する弾性部材と、前記液室の容積が減少する方向への前記弾性部材の変位を規制する規制部と、前記弾性部材を前記液室の容積が減少する方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記液室の容積が減少する方向に前記弾性部材が変位する際、前記規制部によって、前記液室内の前記弾性部材と前記基体との間に所定の隙間が形成される。
上記課題を解決する加圧装置は、上記に記載の加圧機構と、前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備える。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体供給源から前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、前記供給流路の途中に設けられる上記に記載の加圧機構と、前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備える。
上記課題を解決する液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体供給源から前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、前記液体吐出ヘッドで使用されなか
った液体を回収する回収流路と、前記供給流路および前記回収流路のいずれか一方の途中に設けられる上記に記載の加圧機構と、前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備える。
第1~第3実施形態における液体吐出装置を示す斜視図。 第1実施形態における液体吐出装置を示す模式図。 第1~第2実施形態における加圧機構の側断面図。 加圧機構に配置されるユニット体を示す斜視図。 図4のユニット体が備える変位部材を示す斜視図。 図5の変位部材を別の方向から見た斜視図。 図4のユニット体が備える規制部材を示す斜視図。 変位部材が規制部材に対して挿入されるときの位置関係を示す平面図。 変位部材が規制部材に対して変位するときの位置関係を示す平面図。 図3の加圧機構において、空間内が減圧されたときの側断面図。 第1~第2実施形態における液体吐出装置が液室を加圧状態とするときのフローチャート。 第2実施形態における液体吐出装置を示す模式図。 第3実施形態における加圧機構と変位装置を示す模式図。 第3実施形態における液体吐出装置が液室を加圧状態とするときのフローチャート。
以下、加圧機構、加圧装置、および液体吐出装置の第1~第3実施形態を、図面を参照して説明する。液体吐出装置は、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
(第1実施形態)
<液体吐出装置の構成について>
図1に示すように、液体吐出装置11は、媒体12を収容可能な媒体収容部13と、印刷された媒体12を受けるスタッカー14と、液体吐出装置11を操作するための例えばタッチパネルなどの操作部15と、を備えてもよい。液体吐出装置11は、原稿の画像を読み取る画像読取部16と、画像読取部16に原稿を送る自動給送部17と、を備えてもよい。
液体吐出装置11は、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する制御部19を備える。制御部19は、例えばコンピューター及びメモリーを含む処理回路等から構成され、メモリーに記憶されたプログラムに従って制御を行う。
図2に示すように、液体吐出装置11は、ノズル面21に設けられるノズル22から液体を吐出する液体吐出ヘッド23と、液体収容部24に収容される液体を液体吐出ヘッド23に供給する供給機構25と、供給機構25を駆動する駆動機構26と、を備える。液体吐出装置11は、複数の供給機構25を備えてもよい。複数の供給機構25は、それぞれ異なる種類の液体を液体吐出ヘッド23に供給してもよい。例えば、液体吐出装置11は、複数の供給機構25により供給される複数色のインクを吐出してカラー印刷を行ってもよい。1つの駆動機構26は、複数の供給機構25をまとめて駆動してもよい。液体吐出装置11は、複数の供給機構25を個別に駆動する複数の駆動機構26を備えてもよい。
液体吐出ヘッド23は、液体吐出装置11の本体に対して着脱可能に設けられてもよい
。液体吐出ヘッド23は、ノズル面21が水平に対して傾斜する傾斜姿勢となるように配置される。液体吐出ヘッド23は、傾斜姿勢で媒体12に対して液体を吐出することで印刷を実行してもよい。本実施形態の液体吐出ヘッド23は、媒体12の幅方向に亘って設けられるラインタイプである。液体吐出ヘッド23は、媒体12の幅方向に移動しながら印刷を行うシリアルタイプとして構成されてもよい。
供給機構25は、液体収容部24が着脱可能に装着される装着部28を備えてもよい。液体収容部24は、液体を収容する収容室29と、収容室29に収容される液体を導出するための導出部30と、導出部30に設けられる収容部側バルブ31と、を備えてもよい。本実施形態の収容室29は、大気と非連通の密閉空間である。装着部28に装着される前の液体収容部24は、供給機構25が保持可能な液体の量より多い量の液体を収容してもよい。
供給機構25は、液体収容部24から供給される液体を貯留する第1貯留部33と、第1貯留部33に上流端が接続される連通路34と、連通路34の下流端が接続される第2貯留部35と、を備える。すなわち、第2貯留部35は、第1貯留部33と連通路34を介して連通する。供給機構25は、連通路34を閉鎖可能な第1バルブ36を備える。供給機構25は、液体供給源の一例である第2貯留部35から液体吐出ヘッド23へ液体を供給する供給流路37と、第2貯留部35と液体吐出ヘッド23との間の供給流路37に設けられる第2バルブ38と、を備える。供給機構25は、液体吐出ヘッド23から液体供給源の一例である第1貯留部33に液体吐出ヘッド23で使用されなかった液体を回収する回収流路39と、回収流路39を開閉可能な第3バルブ40と、を備える。そして、供給機構25は加圧機構27を備える。
加圧機構27は、液体が流動する液体流路の途中に設けられ、供給流路37および回収流路39のいずれか一方の途中に設けられる。本実施形態においては、加圧機構27は液体流路の一例である回収流路39に設けられる。第3バルブ40は、回収流路39において加圧機構27よりも液体供給源の一例である第1貯留部33側に設けられ、回収流路39を開閉可能な回収側開閉弁である。
加圧機構27は、基体56と、可撓性を有する弾性部材42と、付勢部材54とを有する。基体56は、回収流路39と連通する液室41の壁面41a,41b,41cの一部を構成する。弾性部材42は、基体56に対向する位置に設けられ、液室41の壁面41a,41b,41cの一部を構成する。弾性部材42は、液室41の容積を増減させるように変位する。付勢部材54は、弾性部材42を液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に付勢する。加圧機構27の詳細な構成については後述する。
液体吐出ヘッド23は、回収流路39が接続される第1接続部44と、供給流路37が接続される第2接続部45と、を有してもよい。回収流路39は、上流端が第1接続部44に接続されると共に、下流端が第1貯留部33に接続される。供給流路37は、上流端が第2貯留部35に接続されると共に、下流端が第2接続部45に接続される。傾斜姿勢において、液体吐出ヘッド23と回収流路39との第1接続部44は、液体吐出ヘッド23と供給流路37との第2接続部45よりも高い位置に配置されてもよい。
駆動機構26は、第2貯留部35内を加圧する加圧部47を備える。駆動機構26は、加圧部47に接続される切替機構48と、圧力を検出する圧力センサー49と、を備えてもよい。駆動機構26は、第1貯留部33に接続される大気開放路50と、第2貯留部35に接続される加圧流路51と、大気開放路50及び加圧流路51を加圧部47に接続する接続流路52と、を備えてもよい。
加圧部47は、例えばローラーがチューブを押し潰しながら回転することで、空気を送り出すチューブポンプである。加圧部47が有する図示しないチューブは、一方の端に空気流路55が接続され、他方の端に接続流路52が接続される。加圧部47は、正転駆動されることにより、空気流路55から取り入れた空気を接続流路52に送り出す。加圧部47は、逆転駆動されることにより、接続流路52から取り入れた空気を空気流路55に送り出す。
液体吐出装置11は、弾性部材42を変位させる変位装置57を有する。変位装置57は、空間53内を減圧可能な減圧装置57aと、空間53内を大気開放可能な大気開放装置57bとを含む。減圧装置57aと、大気開放装置57bとは、制御部19によって駆動される。減圧装置57aは加圧部47を含んで構成され、大気開放装置57bは、大気開放路55aと大気開放弁である第1選択弁73aとを含んで構成される。
制御部19は、変位装置57が有する減圧装置57aを駆動する。第3選択弁73cと第4選択弁73dとが開弁されてから加圧部47が正転されると、空気流路55から取り入れられた空気が接続流路52に送り出されて、空間53内が減圧される。これにより、加圧機構27において、付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向である第2方向D2に弾性部材42が変位する。換言すれば、変位装置57は、加圧機構27が有する付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向に弾性部材42を変位させる。すなわち、制御部19は、変位装置57を駆動することで付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向に弾性部材42を変位させる。
制御部19は、減圧装置57aの駆動を停止させる。加圧部47が停止されて、第4選択弁73dが閉弁される。それとともに、制御部19は、大気開放装置57bを駆動する。大気開放弁である第1選択弁73aが開弁されて、空気流路55を通じて空間53内が大気開放されると、付勢部材54の付勢力に抗する抗力が解除される。これにより、加圧機構27において、付勢部材54の付勢力が弾性部材42に再び作用して、付勢部材54の付勢力によって液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に弾性部材42が変位することにより、液室41が加圧状態になる。すなわち、制御部19は、付勢力に抗する抗力を解除することで、付勢部材54の付勢力を弾性部材42に作用させて、液室41を加圧状態とする。換言すれば、制御部19は、減圧装置57aの駆動を停止するとともに大気開放装置57bを駆動して空間53内を大気開放することで、付勢部材54の付勢力を弾性部材42に作用させて、液室41を加圧状態とする。
加圧機構27に変位装置57を加えて加圧装置58が構成される。制御部19は、加圧装置58において、変位装置57を駆動することによって、加圧機構27の付勢力に抗する抗力の作用と解除とを制御して、回収流路39内の液体を加圧する。
次に、第1貯留部33について説明する。
第1貯留部33は、装着部28に装着された液体収容部24が収容する液体を導入可能な導入部60を有する。第1貯留部33は、導入部60に設けられる装置側バルブ61と、液体を貯留する第1貯留室62と、第1貯留室62に貯留される液体の量を検出する液量センサー63と、第1貯留室62と大気開放路50とを隔てる第1気液分離膜64と、を有してもよい。第1気液分離膜64は、気体を通過させる一方で液体を通過させない性質を有する膜である。
収容部側バルブ31と装置側バルブ61は、液体収容部24が装着部28に装着されることで開弁すると共に、液体収容部24が装着部28に装着されている間は開弁状態を維持する。液体収容部24が装着部28に装着されるとき、装置側バルブ61が収容部側バルブ31より先に開弁するように構成することで、液体収容部24から液体が漏れる虞を
低減できる。
導入部60は、第1貯留部33の上部に設けられる。本実施形態の導入部60は、第1貯留室62の天井65を貫通して設けられる。導入部60の下端は、第1貯留室62の中であって、天井65よりも下方に位置する。導入部60の上端は、第1貯留室62の外であって、天井65よりも上方に位置する。導入部60は、液体収容部24が装着部28に装着されることで、液体収容部24が備える導出部30に接続される。
導入部60の下端は、ノズル面21よりも下方に位置する。これにより、第1貯留部33内に貯留される液体の第1液面66は、ノズル面21よりも低い範囲で変動する。具体的には、液体収容部24内の液体は、水頭により導出部30及び導入部60を介して第1貯留部33に供給される。液体収容部24には、第1貯留部33に供給した液体の分だけ、導入部60及び導出部30を介して第1貯留部33から空気が導入される。第1液面66は、供給された液体の分だけ上昇する。第1液面66が導入部60の下端に達すると、第1貯留部33から液体収容部24への空気の流入が制限される。収容室29は密閉されているため、空気の流入が制限されると、供給した液体の分だけ収容室29内の圧力は低下する。収容室29内の負圧が、収容室29内の液体の水頭より大きくなると、液体収容部24から第1貯留部33への液体の供給が制限される。
第1液面66は、第1貯留部33から第2貯留部35に液体が供給されることで下降する。第1液面66が下降し、導入部60及び導出部30を介して収容室29に空気が流入すると、収容室29内の負圧が小さくなる。収容室29内の負圧が収容室29内の液体の水頭より小さくなると、液体収容部24から第1貯留部33に液体が供給される。したがって、液体収容部24に液体が収容されている間は、第1液面66は、導入部60の下端付近の位置である標準位置に維持される。液体収容部24に収容される液体がなくなると、第1液面66は、標準位置より下方に位置する。
液量センサー63は、第1液面66が標準位置に位置すること、第1液面66が標準位置より下方に位置すること、第1液面66が標準位置より上方の満杯位置に位置すること、を検知してもよい。第1液面66が満杯位置に位置するとき、第1貯留部33は、最大量の液体を貯留している。制御部19は、第1液面66が標準位置より下方に位置することを液量センサー63が検出した場合に、液体収容部24が空になったと判断し、液体収容部24の交換をユーザーに指示してもよい。
本実施形態の標準位置は、第1貯留室62において、回収流路39の下流端が接続される位置より上方に位置する。したがって、第1液面66が標準位置にあるとき、第1貯留部33内の液体は、回収流路39を介して液体吐出ヘッド23に供給可能である。
次に、第2貯留部35について説明する。
第2貯留部35は、液体を貯留する第2貯留室68と、第2貯留室68と加圧流路51とを隔てる第2気液分離膜69と、を有してもよい。第2気液分離膜69は、第1気液分離膜64と同様、気体を通過させる一方で液体を通過させない性質を有する膜である。
第2貯留部35は、水頭差によって第1貯留部33から液体が供給される。第1バルブ36は、第1貯留部33から第2貯留部35への液体の流れを許容し、第2貯留部35から第1貯留部33への液体の流れを制限する逆止弁を有して構成されてもよい。第1貯留室62内、及び第2貯留室68内が大気圧とされる場合、第2貯留部35内の液体の第2液面70は、第1液面66と同じ高さになる。換言すると、第2液面70は、導入部60の下端とほぼ同じ高さである標準位置に維持され、ノズル面21よりも低い範囲で変動する。液体吐出ヘッド23内の液体は、第1貯留部33及び第2貯留部35内の液体との水
頭差によって負圧に維持される。液体吐出ヘッド23で液体が消費されると、第2貯留部35に貯留される液体が液体吐出ヘッド23に供給される。
第1バルブ36は、第2貯留部35内の圧力が第1貯留部33内の圧力より大きい場合に連通路34を閉鎖する。そのため、第1バルブ36は、加圧部47による第2貯留部35内の加圧時に、連通路34を閉塞する。
第2バルブ38及び第3バルブ40は、制御部19により開閉が制御される。第2バルブ38は、加圧部47による加圧時に供給流路37を開閉可能に設けられる。第3バルブ40は、回収流路39を開閉可能に設けられる。
次に、切替機構48について説明する。
切替機構48は、接続流路52に設けられる細管部72と、流路を開閉可能な第1選択弁73a~第11選択弁73kと、を備える。細管部72は、空気の流動に対し、液体の流動が大きく制限される程度に細く、且つ蛇行した管である。
第1選択弁73aは、開弁することで空気流路55を大気に連通させる。第2選択弁73bは、開弁することで空気流路55と圧力センサー49とを連通させる。第3選択弁73cは、開弁することで空気流路55を開放し、加圧部47と空間53とを連通させる。
第4選択弁73dは、開弁することで加圧部47と第8選択弁73hとの間の接続流路52を大気に連通させる。第5選択弁73eは、開弁することで接続流路52と圧力センサー49とを連通させる。第6選択弁73f及び第7選択弁73gは、開弁することで接続流路52を大気に連通させる。第8選択弁73hは、開弁することで接続流路52を開放する。第9選択弁73iは、開弁することで細管部72を大気に連通させる。第10選択弁73jは、開弁することで大気開放路50を開放し、第1貯留部33と接続流路52とを連通させる。第11選択弁73kは、開弁することで加圧流路51を開放し、第2貯留部35と接続流路52とを連通させる。
本実施形態の加圧装置58は、空間53内の圧力を微調整して供給流路37内の液体を加圧する微加圧部として、動作してもよい。空間53内の圧力を変更する場合、切替機構48は、第2選択弁73b~第4選択弁73dを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部47が正転駆動すると、空間53内の空気は、空気流路55及び接続流路52を介して排出され、空間53内の圧力が低下する。この状態で加圧部47が逆転駆動すると、接続流路52及び空気流路55を介して空間53に空気が送り込まれ、空間53内の圧力は上昇する。このとき圧力センサー49は、空気流路55及び空間53内の圧力を検出してもよい。制御部19は、圧力センサー49の検出結果に基づいて加圧部47の駆動を制御してもよい。
第1貯留部33を大気開放する場合、切替機構48は、第6選択弁73f及び第10選択弁73jを開弁する。第1貯留室62は、大気開放路50及び接続流路52を介して大気に連通する。
第2貯留部35を大気開放する場合、切替機構48は、第7選択弁73g及び第11選択弁73kを開弁する。第2貯留室68は、加圧流路51及び接続流路52を介して大気に連通する。
第2貯留部35内を加圧する場合、切替機構48は、第1選択弁73a、第5選択弁73e、第8選択弁73h、及び第11選択弁73kを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部47が正転駆動すると、空気流路55、接続流路52、及び加圧流路
51を介して第2貯留室68に空気が流入し、第2貯留室68内の圧力は上昇する。このとき圧力センサー49は、接続流路52、加圧流路51、及び第2貯留室68内の圧力を検出してもよい。制御部19は、圧力センサー49の検出結果に基づいて加圧部47の駆動を制御してもよい。
<加圧機構の構成について>
図3に示すように、加圧機構27は、基体56と、弾性部材42と、蓋部材59とを有する。基体56は、液室41の外周56aに周状かつ凸形状の規制部としての支持部56bを有する。弾性部材42は、外形が円盤状を呈し、外周縁部42aを有する。さらに、弾性部材42は、外周縁部42aに周状かつ凹形状の凹部42bを有する。凸形状の支持部56bと凹形状の凹部42bとが係合して液室41が形成される。支持部56bは、弾性部材42の外周縁部42aを支持し、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1への弾性部材42の変位を規制する。また、凸形状の規制部としての支持部56bと、凹形状の凹部42bとが係合することにより、液室41の容積が変化することによって弾性部材42が基体56に対しての位置が第1方向D1と直交する方向へずれることを抑制できる。この状態で、蓋部材59が、基体56に対して弾性部材42を第1方向D1に押し付けて固定される。蓋部材59は、弾性部材42の液室41が設けられる側とは反対側に設けられ、液室41の外側に空間53を形成する。
弾性部材42の外周縁部42aには、凹部42bが配置される第1方向D1側の面に周状のシール支持部42cが、第2方向D2側の面に2つのシール支持部42dが配置される。蓋部材59が、シール支持部42dを介して、基体56に対して押付面59aで弾性部材42を第1方向D1に押し付けることにより、シール支持部42dが蓋部材59の押付面59aによって潰され、シール支持部42dが押し付けられる方向である第1方向D1と直角の方向に、シール支持部42dが変形して広がる。そのため、蓋部材59の押付面59aが、弾性部材42の表面に密着し、弾性部材42の外周縁部42a全てが蓋部材59に対してシールされる。蓋部材59は、シールされた空間53内を空気流路55と連通するための連通部59eを有する。連通部59eと、空気流路55とは、接続チューブ46によって接続される。
蓋部材59が、基体56に対して弾性部材42を第1方向D1に押し付けて固定されることにより、基体56は、蓋部材59に対して弾性部材42を第2方向D2に押し付ける。基体56が、シール支持部42cを介して、蓋部材59に対して支持部56bで弾性部材42を第2方向D2に押し付けることにより、シール支持部42dが基体56の支持部56bによって潰され、シール支持部42dが押し付けられる方向である第2方向D2と直角の方向に、シール支持部42dが変形して広がる。そのため、基体56の支持部56bが、弾性部材42の表面に密着し、弾性部材42の外周縁部42a全てが基体56に対してシールされた液室41が形成される。
加圧機構27は、空間53内に配置されるユニット体80を有する。ユニット体80は、変位部材81と、付勢部材54と、規制部材91とで構成される。付勢部材54の一端54aが変位部材81の支持面86に支持され、付勢部材54の他端54bが規制部材91の支持面96に支持される。これにより、一端54aは変位部材81の支持面86を付勢し、他端54bは規制部材91の支持面96を付勢する。そして、ユニット体80の変位部材81の取付部87が弾性部材42の被取付部42eに取り付けられ、規制部材91の当接部97aが蓋部材59の第1天面59bに当接した状態で、ユニット体80が空間53内に配置される。
規制部材91の当接部97aが第1天面59bに当接することによって、ユニット体80は、蓋部材59によって液室41の容積が増加する方向である第2方向D2への規制部
材91の変位が規制された状態で配置される。これにより、規制部材91を付勢する他端54bの第2方向D2への変位が規制されるため、変位部材81が一端54aを支持した状態のまま液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に変位して、弾性部材42を付勢する。すなわち、付勢部材54の一端54aは、付勢部材54が変位部材81を介して弾性部材42を付勢する付勢力の作用位置である。ユニット体80は、付勢部材54により、弾性部材42を液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に付勢する。
規制部材91は、規制部としての係止部94,95を有する。係止部94,95は、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1への弾性部材42の変位を、変位部材81を介して規制する。変位部材81は、弾性部材42が第1方向D1に変位する際、係止部94,95によって係止される被係止部84,85を有する。変位部材81が第1方向D1に変位すると、係止部94の係止面94aが被係止部84の被係止面84aを係止し、係止部95の係止面95aが被係止部85の被係止面85aを係止する。そのため、その位置で、付勢部材54が変位部材81を介して弾性部材42を付勢する付勢力の作用位置である一端54aを支持する変位部材81の第1方向D1への変位が規制される。そして、その位置で、弾性部材42の第1方向D1への変位が規制される。すなわち、係止部94,95は、被係止部84,85を係止して一端54aの変位を規制することで、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1への弾性部材42の変位を規制する。
液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際、規制部としての係止部94,95によって、弾性部材42の変位が規制されるため、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成される。換言すれば、ユニット体80は、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1への付勢部材54の一端54aの変位を、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成される位置で規制する。
規制部としての係止部94,95はなくてもよい。係止部94,95がない場合は、液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際、規制部としての支持部56bによって、弾性部材42の変位が規制されて、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成される。換言すれば、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成されるように、基体56は、規制部としての支持部56bの位置により、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制する。
所定の隙間ΔGが形成された際に、弾性部材42は、付勢部材54から液室41の容積が減少する方向への付勢力を受ける。弾性部材42が付勢部材54から付勢力を受けると、弾性部材42は、付勢部材54から付勢力を受けていないときの位置である図3に示す二点鎖線の位置から、付勢部材54から付勢力を受けるときの位置である図3に示す実線の位置へ変位する。基体56が有する支持部56bは、弾性部材42が付勢部材54から付勢力を受けた際に、その付勢力の方向において、外周縁部42aよりも内側が基体56に接触しない位置に設けられる。
図4に示すように、規制部材91は、高さの低い略円柱形状を呈する。4つの当接部97aが、付勢部材54の中心に対して略均等に、規制部材91の上面97に配置される。付勢部材54は、圧縮コイルばねである。変位部材81は、高さの高い略円柱形状を呈する。変位部材81は、その円柱部分が圧縮コイルばねの内径部分に挿入され、さらに、その円柱部分が規制部材91の孔92,93に挿入される。これにより、付勢部材54の一端54aが変位部材81の支持面86に支持され、付勢部材54の他端54bが規制部材91の支持面96に支持される。
図5に示すように、変位部材81は、2つの柱82,83を有する。2つの柱82,8
3の外周面88は、付勢部材54の内径部分が挿入されるために、円柱の側面を構成する。柱82は、被係止部84を有する。被係止部84には孔が形成され、規制部材91の係止部94が挿入される。被係止部84は、係止部94に係止される被係止面84aと、変位部材81が移動するときに係止部94を案内する案内面84b,84cで構成される。また、変位部材81は、柱82の根元であり、かつ柱82の時計回り方向W1側の面に、被係止部84によって形成された孔の大きさを広げるように、係止部94が挿入される挿入部82aを有する。
図6に示すように、柱83は、被係止部85を有する。被係止部85には孔が形成され、規制部材91の係止部95が挿入される。被係止部85は、係止部95に係止される被係止面85aと、変位部材81が移動するときに係止部95を案内する案内面85b,85cで構成される。また、変位部材81は、柱83の根元であり、かつ柱83の時計回り方向W1側の面に、被係止部85によって形成された孔の大きさを広げるように、係止部95が挿入される挿入部83aを有する。
図7に示すように、規制部材91は、変位部材81の2つの柱82,83を挿入するための扇形状の孔92,93を有する。規制部材91は、孔92を構成する面であって、かつ規制部材91の中心側の面の、時計回り方向W1寄りの位置に、凸形状の係止部94を有する。係止部94は、変位部材81の挿入部82aを介して被係止部84に挿入される。係止部94は、被係止部84を係止する係止面94aと、変位部材81が移動するときに係止部94が案内される被案内面94b,94cで構成される。
規制部材91は、孔93を構成する面であって、かつ規制部材91の中心側の面の、時計回り方向W1寄りの位置に、凸形状の係止部95を有する。係止部95は、変位部材81の挿入部83aを介して被係止部85に挿入される。係止部95は、被係止部85を係止する係止面95aと、変位部材81が移動するときに係止部95が案内される被案内面95b,95cで構成される。
図4に示すように、ユニット体80が組み立てられるときは、最初に、変位部材81の円柱部分が、付勢部材54の内径部分に挿入されて、変位部材81の支持面86が付勢部材54の一端54aに当接される。
図8に示すように、次に、規制部材91の支持面96が、付勢部材54の他端54bに当接され、付勢部材54が縮められながら、変位部材81の2つの柱82,83が、規制部材91の孔92,93に挿入される。このとき、孔92,93の反時計回り方向W2寄りの位置から、2つの柱82,83が係止部94,95に当たらないようにして、孔92,93に挿入される。変位部材81が、規制部材91に対して挿入されるときに、規制部材91の内周面98が、変位部材81の外周面88を案内する。
図9に示すように、付勢部材54が十分に縮められるまで、変位部材81の2つの柱82,83が、規制部材91の孔92,93に挿入されると、変位部材81を固定した状態で、規制部材91が反時計回り方向W2に回転される。これにより、2つの柱82,83は、孔92,93の時計回り方向W2寄りの位置に移動する。このとき、係止部94が、図5に示す挿入部82aから図5に示す被係止部84の孔に挿入され、係止部95が、図6に示す挿入部83aから図6に示す被係止部85の孔に挿入される。この状態で、付勢部材54を縮めていた力が解放されると、付勢部材54の付勢力によって、変位部材81が規制部材91に対して変位するとともに、係止部94が図5に示す案内面84b,84cに案内され、係止部95が、図6に示す案内面85b,85cに案内される。そして、図7に示す係止面94aが図5に示す被係止面84aを係止し、図7に示す係止面95aが図6に示す被係止面85aを係止する。このようにして、ユニット体80は組み立てら
れて、作用位置である一端54aにおいて付勢力が作用する方向への変位が規制された状態になる。
図10に示すように、制御部19が減圧装置57aを駆動することで、空間53内の空気が連通部59eを介して空気流路55に送出されることにより、空間53内が減圧される。このとき、付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向である第2方向D2に、図10に示す二点鎖線の位置から、図10に示す実線の位置に弾性部材42が変位する。変位部材81の外周面88が規制部材の内周面98で案内されて、変位部材81は、弾性部材42の変位とともに第2方向D2に変位する。変位部材81が第2方向D2に変位すると、柱上面82b,83bが第2天面59cに当接する。この位置で、変位部材81の変位が停止する。第2方向D2は、液室41内が減圧される方向であるため、減圧方向ともいう。
図3に示すように、制御部19が減圧装置57aの駆動を停止するとともに大気開放装置57bを駆動して、空間53内が大気開放される。これにより、付勢力に抗する抗力が解除されて、付勢部材54の付勢力が弾性部材42に作用して、液室41が加圧状態になる。そして、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に、図10に示す実線の位置から、図3に示す実線の位置に弾性部材42が変位する。変位部材81の外周面88が規制部材の内周面98で案内されて、変位部材81は、弾性部材42の変位とともに第1方向D1に変位する。変位部材81が第1方向D1に変位すると、被係止面84aが係止部94の係止面94aに当接し、被係止面85aが係止部95の係止面95aに当接すると、変位部材81の変位が停止する。すなわち、規制部としての係止部94,95が、液室の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制する。第1方向D1は、液室41内が加圧される方向であるため、加圧方向ともいう。
<液室を加圧状態とするときの制御方法について>
図11に示すフローチャートを参照し、液体吐出装置11が液室41を加圧状態とするときの制御方法について、各ステップにおける制御部19が実行する制御を順に説明する。なお、初期状態では、図2に示す第2バルブ38、第3バルブ40、および切替機構48が有する全ての選択弁は閉弁しており、弾性部材42は図3に示す位置に位置する。
ステップS201において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。ステップS202において、制御部19は、第3バルブ40を開弁させる。ステップS203において、制御部19は、減圧装置57aを駆動することで空間53内を減圧して付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向に弾性部材42を変位させる。
ステップS204において、制御部19は、空間53を減圧させてから減圧時間が経過したか否かを判断する。減圧時間は、弾性部材42を減圧方向に変位させ、液室41の容積を最大にするために必要な時間である。減圧時間が経過したときに、弾性部材42は図10に示す位置に位置する。減圧時間が経過するまでは、ステップS204がNOになり、制御部19は、減圧時間が経過するまで待機する。減圧時間が経過すると、ステップS204がYESになり、制御部19は、処理をステップS205に移行する。
ステップS205において、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させる。ステップS206において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。ステップS207において、制御部19は、減圧装置57aの駆動を停止するとともに大気開放装置57bを駆動して空間53内を大気開放することで付勢力に抗する抗力を解除することで、付勢部材54の付勢力を弾性部材42に作用させて、液室41を加圧状態とする。
ステップS208において、制御部19は、液室41を加圧させてから加圧時間が経過
したか否かを判断する。加圧時間は、空間53を加圧する圧力が液室41および回収流路39を介してノズル22まで伝わるために必要な時間である。加圧時間が経過するまでは、ステップS208がNOになり、制御部19は、加圧時間が経過するまで待機する。加圧時間が経過すると、ステップS208がYESになり、制御部19は、本フローを終了する。なお、制御部19は、ステップS208がYESになったときに、本フローを終了しないで、処理をステップS201に移行し、本フローを連続して実行してもよい。
ここで、ステップS201およびステップS202はそれぞれ、ステップS203と同時、またはステップS203の後に行ってもよい。また、ステップS205およびステップS206はそれぞれ、ステップS203の最中に行ってもよいし、ステップS203の終了と同時に行ってもよいし、ステップS203を終了した後に行ってもよい。また、ステップS205およびステップS206はそれぞれ、ステップS207と同時、またはステップS207の後に行ってもよい。
本実施形態の作用について説明する。
変位部材81と、付勢部材54と、規制部材91とで、ユニット体80が構成される。ユニット体80は、ユニット体80が構成された状態においても、作用位置である一端54aにおいて付勢力が作用する方向への変位が規制された状態である。ユニット体80が構成された状態において、付勢部材54がユニット体80から自然に外れることがないため、ユニット体80を容易に取り扱うことができる。
加圧機構27の組立時には、変位部材81が弾性部材42に取り付けられ、蓋部材59によって液室41の容積が増加する方向への規制部材91の変位が規制された状態で、ユニット体80が加圧機構27に配置される。また、ユニット体80の交換時にも、使用されていたユニット体80が弾性部材42と蓋部材59との間の位置から取り外され、これから使用するその状態のユニット体80がその位置に配置される。ユニット体80が構成された状態において、付勢部材54がユニット体80から自然に外れることがないため、ユニット体80を弾性部材42と蓋部材59との間に容易に配置することができる。
加圧機構27を含んで液体吐出装置11が組み立てられる。そして、液体吐出装置11が工場から出荷されて、液体吐出装置11がユーザーによって使用される。液体吐出装置11において印刷が繰り返されると、加圧クリーニングが実行される。
供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が開弁され、回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が開弁される。制御部19が、変位装置57によって減圧装置57aを駆動すると、空間53内が減圧される。空間53内が減圧されると、付勢部材54の付勢力に抗して、弾性部材42が、液室41の容積が増加する方向である第2方向D2に変位しようとする。このとき、弾性部材42の変位とともに、弾性部材42に取り付けられた変位部材81が、第2方向D2に変位しようとする。
規制部材91が蓋部材59によって第2方向D2への変位を規制される。変位部材81が変位するときは、変位部材81と規制部材91とが、相対的に変位する。このとき、変位部材81の外周面88が、規制部材91の内周面98により案内され、規制部材91の被案内面94b,94cおよび被案内面95b,95cが、変位部材81の案内面84b,84cおよび案内面85b,85cに案内される。これにより、変位部材81を規制部材91に対して、液室41の容積が増加する方向である第2方向D2に変位させることができる。そして、変位部材81の第2方向D2への変位に伴って、弾性部材42を第2方向D2へ変位させることができる。
弾性部材42が第2方向D2へ変位するとき、蓋部材59の押付面59aが弾性部材4
2の外周縁部42aを支持するため、弾性部材42の外周縁部42aの第2方向D2への変位が抑制される。すなわち、弾性部材42の外周縁部42aがシールされた状態のままで、弾性部材42の中心部のみを第2方向D2へ変位させることができるため、液室41を減圧することができる。
変位部材81が第2方向D2へ変位すると、変位部材81の柱上面82b,83bが蓋部材59の第2天面59cに当接する。この位置で、変位部材81の変位が停止する。すなわち、第2方向D2における第2天面59cの位置によって、液室41が減圧されたときの液室41の容積の大きさを設定することができる。
液室41が減圧状態になると、液体供給源の一例である第1貯留部33から回収流路39を通じて液室41内に液体が流入し、さらに液体供給源の一例である第2貯留部35からも供給流路37を通じて液室41内に液体が流入する。これにより、容積が増加した液室41内に液体を溜めることができる。
供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が閉弁され、回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が閉弁され、制御部19が、変位装置57によって大気開放装置57bを駆動して空間53内を大気開放すると、付勢部材54の付勢力が変位部材81を介して弾性部材42に作用する。弾性部材42は変位部材81とともに、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に変位しようとする。
規制部材91が蓋部材59によって第2方向D2への変位を規制される。変位部材81が変位するときは、変位部材81と規制部材91とが、相対的に変位する。このとき、変位部材81の外周面88が、規制部材91の内周面98により案内され、規制部材91の被案内面94b,94cおよび被案内面95b,95cが、変位部材81の案内面84b,84cおよび案内面85b,85cに案内される。これにより、付勢力によって変位部材81を規制部材91に対して、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に変位させることができる。そして、変位部材81の第1方向D1への変位に伴って、弾性部材42を第1方向D1へ変位させることができる。
付勢力によって弾性部材42が第1方向D1へ変位するとき、基体56における規制部としての支持部56bが弾性部材42の外周縁部42aを支持するため、弾性部材42の外周縁部42aの第1方向D1への変位が抑制される。すなわち、弾性部材42の外周縁部42aがシールされた状態のままで、弾性部材42の中心部のみを第1方向D1へ変位させることができるため、液室41を加圧することができる。
付勢力によって変位部材81が第1方向D1へ変位するとき、規制部材91の規制部としての係止部94,95は、変位部材81の被係止部84,85を係止して付勢力の作用位置である一端54aの変位を規制することで、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1への弾性部材42の変位を規制する。この位置で、変位部材81の変位が停止する。なお、このとき、基体56における規制部としての支持部56bが弾性部材42の外周縁部42aを支持するため、弾性部材42の外周縁部42aにおいて弾性部材42の第1方向D1への変位が抑制される。すなわち、規制部としての係止部94,95と、規制部としての支持部56bとによって、弾性部材42の第1方向D1への変位が抑制される。より詳しくは、基体56における規制部としての支持部56bが弾性部材42の外周縁部42aを支持して液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制したうえで、規制部としての係止部94,95が付勢力の作用位置である一端54aの変位を規制して、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位が規制される。係止部94,95によって被係止部84,85が係止されるときの変位部材81の位置と、基体56における弾性部材42と対向する壁面41bの位置との位置関係によって、液室41
内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGを形成することができる。
液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成された際も、弾性部材42は付勢部材54の付勢力を受ける。そのため、所定の隙間ΔGが形成された際に、弾性部材42は付勢力を受けて自由状態から変形した状態となり、弾性部材42において弾性部材42の変形を元に戻す力が発生する。すなわち、弾性部材42において液室41の容積が増加する方向への復元力が発生する。この状態においては、液室41内においての圧力変動が弾性部材42の復元力を超えない限り、液室41の容積が減少する方向には弾性部材42は変位しない。すなわち、弾性部材42において液室41の容積が増加する方向への復元力が発生した状態で、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGを形成することができる。
液室41が加圧状態になると、加圧された液体が回収流路39を通じて液体吐出ヘッド23側に送出される。すなわち、液室41が加圧状態にされて、液体吐出ヘッド23のノズル22から液体が排出されることにより、加圧クリーニングを実行することができる。
本実施形態の効果について説明する。
(1)弾性部材42の変位を規制する規制部としての係止部94,95によって、液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成される。そのため、液室41内において弾性部材42の壁面41aが弾性部材42に対向する基体56の壁面41bに当接して弾性部材42の壁面41aと基体56の壁面41bとが貼りつくことを抑制できる。そして、貼りついている弾性部材42の壁面41aが基体56の壁面41bから剥がれるときに、液室41内に急激な圧力変動が生じて液体吐出ヘッド23のノズル22内の液体のメニスカスが破壊されることを抑制できる。
また、規制部としての係止部94,95がないときは、弾性部材42の変位を規制する規制部としての支持部56bによって、液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成される。換言すれば、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成されるように、基体56は、規制部としての支持部56bの位置により、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制する。そのため、液室41内において弾性部材42の壁面41aが弾性部材42に対向する基体56の壁面41bに当接して弾性部材42の壁面41aと基体56の壁面41bとが貼りつくことを抑制できる。そして、貼りついている弾性部材42の壁面41aが基体56の壁面41bから剥がれるときに、液室41内に急激な圧力変動が生じて液体吐出ヘッド23のノズル22内の液体のメニスカスが破壊されることを抑制できる。
(2)液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成された際も、弾性部材42は付勢部材54の付勢力を受ける。そのため、所定の隙間ΔGが形成された際に、弾性部材42は付勢力を受けて自由状態から変形した状態となり、弾性部材42において弾性部材42の変形を元に戻す力が発生する。すなわち、弾性部材42において液室41の容積が増加する方向への復元力が発生する。この状態においては、液室41内においての圧力変動が弾性部材42の復元力を超えない限り、液室41の容積が減少する方向には弾性部材42は変位しない。すなわち、弾性部材42において液室41の容積が増加する方向への復元力が発生した状態で、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成されているため、液室41内に多少の圧力変動が発生しても、所定の隙間ΔGが形成された状態を安定して維持することができる。
(3)基体56における規制部としての支持部56bが弾性部材42の外周縁部42a
を支持し、液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成され、弾性部材42において支持部56bで支持される部分よりも内側が基体56に接触しない。そのため、液室41内において弾性部材42の壁面41aが弾性部材42に対向する基体56の壁面41bに当接して弾性部材の壁面41aと基体56の壁面41bとが貼りつくことを抑制できる。また、基体56の支持部56bが弾性部材42の外周縁部42aを支持して基体56と弾性部材42とで液室41を形成するため、基体56の支持部56bによって弾性部材42の周囲をシールしながら、弾性部材42と基体56とだけで、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGを形成することができる。すなわち、別部材を使用することなく、基体56の支持部56bによって弾性部材42の周囲をシールしながら、所定の隙間ΔGを形成することができる。そのうえ、付勢力の方向における基体56の支持部56bの位置によって、所定の隙間ΔGが形成された際にも、弾性部材42が付勢部材54の付勢力を受けるか否かを設定することができる。すなわち、所定の隙間ΔGが形成された際にも、弾性部材42が付勢部材54の付勢力を受けるように、付勢力の方向における支持部56bの位置を設定することができる。また、付勢力の方向における基体56の支持部56bの位置によって、弾性部材42が付勢部材54の付勢力を受けたときに弾性部材42に発生する復元力の大きさを設定することができる。
(4)規制部材91の規制部としての係止部94,95は、変位部材81の被係止部84,85を係止して付勢力の作用位置である一端54aの変位を規制することで、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制する。そのため、液室41内において弾性部材42の壁面41aが弾性部材42に対向する基体56の壁面41bに当接して弾性部材42の壁面41aと基体56の壁面41bとが貼りつくことを抑制できる。そして、付勢部材54は変位部材81を介して弾性部材42を付勢し、変位部材81の被係止部84,85が係止されて液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位が規制されるため、直接、可撓性を有する弾性部材42が係止される場合と比べて、弾性部材42が変形することによって所定の隙間ΔGが変動することを抑制できる。また、係止部94,95によって被係止部84,85が係止されるときの変位部材81の位置と、基体56における弾性部材42と対向する壁面41bの位置との位置関係によって、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGを形成することができる。弾性部材42が付勢部材54の付勢力を受けて変形すると、弾性部材42において液室41の容積が増加する方向への復元力が発生する。その復元力の大きさによらず、係止部94,95によって被係止部84,85が係止されるときの変位部材81の位置と、液室41内において弾性部材42と対向する基体56の壁面41bの位置との位置関係によって、弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGを形成することができる。すなわち、弾性部材42の復元力によって所定の隙間ΔGの量が変化しないため、所定の隙間ΔGの精度を向上させることができる。さらに、規制部材91は、付勢部材54の他端54bを支持しながら、変位部材81の被係止部84,85を係止することで作用位置である一端54aの変位を規制する。すなわち、付勢部材54の一端54aと他端54bとの両方の位置が同じ部材によって規制されるため、付勢部材54が弾性部材42を付勢する付勢力の精度を向上させることができる。
(5)基体56における規制部としての支持部56bが弾性部材42の外周縁部42aを支持して液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制したうえで、規制部としての係止部94,95が付勢力の作用位置である一端54aの変位を規制して、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制する。そのため、規制部としての係止部94,95によって被係止部84,85が係止されるときの変位部材81の位置と、液室41内において弾性部材42と対向する基体56の壁面41bの位置との位置関係で、弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGを形成することができる。そのうえ、規制部としての係止部94,95によって被係止部84,85が係止されるとき
の変位部材81の位置と、基体56における規制部としての支持部56bの位置との位置関係で、所定の隙間ΔGが形成された際にも、弾性部材42が付勢部材54の付勢力を受けるか否かを設定することができる。すなわち、所定の隙間ΔGが形成された際にも、弾性部材42が付勢部材54の付勢力を受けるように、付勢力の方向における支持部56bの位置を設定することができる。また、規制部としての係止部94,95によって被係止部84,85が係止されるときの変位部材81の位置と、基体56における規制部としての支持部56bの位置との位置関係で、所定の隙間ΔGの大きさを保ちつつ弾性部材42に発生する復元力の大きさを設定することができる。すなわち、弾性部材42が付勢部材54の付勢力を受けたときに所定の隙間ΔGの大きさを保ちつつ弾性部材42に発生する復元力の大きさを設定することができる。
(6)変位部材81と、付勢部材54と、規制部材91とで、作用位置である一端54aにおいて付勢力が作用する方向への変位が規制された状態のユニット体80が構成される。そして、変位部材81が弾性部材42に取り付けられ、蓋部材59によって液室41の容積が増加する方向への規制部材91の変位が規制された状態で、ユニット体80が加圧機構27に配置される。付勢部材54が弾性部材42を付勢する付勢力に対する弾性部材42の復元力は、付勢力に比べて小さい。そのため、ユニット体80が加圧機構27に配置されたときも、作用位置である一端54aにおいて付勢力が作用する方向への変位は、同じ位置で規制された状態のままである。一方、弾性部材42は、付勢部材54から液室41の容積が減少する方向への付勢力を受けて、ユニット体80が配置される前の位置から、液室41の容積が減少する方向に変位する。そして、液室41内の弾性部材42と基体56との間に所定の隙間ΔGが形成される。このユニット体80が加圧機構27に配置されたときの弾性部材42の位置が、液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際の弾性部材42の位置である。そのため、液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際の、所定の隙間ΔGの大きさと、そのときに付勢部材54が弾性部材42を付勢する付勢力の大きさとは、ユニット体80に依存する。すなわち、ユニット体80が交換されることによって、所定の隙間ΔGの大きさと、付勢力の大きさとを、容易に調整することができる。また、ユニット体80は、ユニット体80が構成された状態において、作用位置である一端54aにおいて付勢力が作用する方向への変位が規制された状態であるため、付勢部材54がユニット体80から自然に外れることがなく、扱いやすい状態である。加圧機構27の組立時には、その状態のユニット体80が弾性部材42と蓋部材59との間に単に配置されればよいため、加圧機構27の組立作業を容易に行うことができる。また、ユニット体80の交換時にも、使用されていたユニット体80が弾性部材42と蓋部材59との間の位置から取り外され、これから使用するその状態のユニット体80がその位置に配置されればよいため、ユニット体80の交換作業を容易に行うことができる。
(7)上記加圧機構27と、変位装置57と、を備える加圧装置58においても、上述した加圧機構27が奏する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、変位装置57により付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向に弾性部材42を変位させることで液室41を減圧し、変位装置57により弾性部材42を変位させないことで付勢部材54の付勢力によって液室41を加圧することができる。すなわち、液室41の減圧と加圧とを行うことができる。
(8)液体吐出ヘッド23と、供給流路37と、回収流路39と、上記加圧機構27と、変位装置57と、を備える液体吐出装置11においても、上述した加圧機構27が奏する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、変位装置57により付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向に弾性部材42を変位させることで液室41を減圧し、変位装置57により弾性部材42を変位させないことで付勢部材54の付勢力によって液室41を加圧することができる。すなわち、液体供給源の一例である第
2貯留部35から液体吐出ヘッド23に液体を供給する供給流路37、および液体吐出ヘッド23で使用されなかった液体を回収するの回収流路39、のいずれか一方の途中に設けられる加圧機構27において、液室41の減圧と加圧とを行うことができる。
(9)回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が開弁し、加圧機構27において、変位装置57により付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向に弾性部材42が変位して、液室41が減圧状態となって、液体供給源の一例である第1貯留部33から回収流路39を通じて液室41内に液体が流入する。その後、回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が閉弁し、変位装置57により弾性部材42を変位させないことで付勢部材54の付勢力が弾性部材42に作用して、液室41が加圧状態になる。そして、回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が閉弁されたことにより、加圧された液体が回収流路39を通じて液体吐出ヘッド23側に送出される。そのため、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド23のノズル22から液体を排出する加圧クリーニングを行うことができる。
(10)制御部19が減圧装置57aを駆動することで、空間53内が減圧されて弾性部材42が蓋部材59側に変位する。これにより、液室41を減圧することができる。その後、制御部19が大気開放装置57bを駆動して空間53内を大気開放することで、付勢部材54の付勢力が弾性部材42に作用する。これにより、液室41を加圧することができる。すなわち、液体流路の途中に設けられる加圧機構27において、簡単な構成の機構である空間53内の減圧と大気開放とによって、液室41の減圧と加圧とを行うことができる。そのため、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド23のノズル22から液体を排出する加圧クリーニングを行うことができる。
(第2実施形態)
以下、加圧機構、加圧装置、および液体吐出装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、第2実施形態は第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略し、第1実施形態との差異部分のみを説明する。
<液体吐出装置の構成について>
図12に示すように、加圧機構27は、液体が流動する液体流路の途中に設けられ、供給流路37および回収流路39のいずれか一方の途中に設けられる。本実施形態においては、加圧機構27は液体流路の一例である供給流路37に設けられる。第2バルブ38は、供給流路37において加圧機構27よりも液体供給源の一例である第2貯留部35側に設けられ、供給流路37を開閉可能な回収側開閉弁である。
加圧機構27は、基体56と、可撓性を有する弾性部材42と、付勢部材54とを有する。基体56は、供給流路37と連通する液室41の壁面41a,41b,41cの一部を構成する。弾性部材42は、基体56に対向する位置に設けられ、液室41の壁面41a,41b,41cの一部を構成する。弾性部材42は、液室41の容積を増減させるように変位する。付勢部材54は、弾性部材42を液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に付勢する。
本実施形態の作用について説明する。
第2実施形態の作用においても、第1実施形態の作用と重複した説明は省略する。
供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が開弁され、回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が開弁される。制御部19が、変位装置57によって減圧装置57aを駆動すると、空間53内が減圧される。空間53内が減圧されると、付勢部材54の付勢力に抗して、弾性部材42が、液室41の容積が増加する方向である第2方向D2に変位する。
液室41が減圧状態になると、液体供給源の一例である第2貯留部35から供給流路37を通じて液室41内に液体が流入し、さらに液体供給源の一例である第1貯留部33からも回収流路39を通じて液室41内に液体が流入する。これにより、容積が増加した液室41内に液体を溜めることができる。
供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が閉弁され、回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が閉弁され、制御部19が、変位装置57によって大気開放装置57bを駆動して空間53内を大気開放すると、付勢部材54の付勢力が変位部材81を介して弾性部材42に作用する。弾性部材42は変位部材81とともに、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に変位する。
液室41が加圧状態になると、加圧された液体が供給流路37を通じて液体吐出ヘッド23側に送出される。すなわち、液室41が加圧状態にされて、液体吐出ヘッド23のノズル22から液体が排出されることにより、加圧クリーニングを実行することができる。
本実施形態の効果について説明する。
液体吐出装置11の制御方法においては、第1実施形態における(1)~(8)、および(10)と同じ効果が得られる。
(11)液体吐出ヘッド23と、供給流路37と、上記加圧機構27と、変位装置57と、を備える液体吐出装置11においても、上述した加圧機構27が奏する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、変位装置57により付勢部材の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向に弾性部材42を変位させることで液室41を減圧し、変位装置57により弾性部材42を変位させないことで付勢部材54の付勢力によって液室41を加圧することができる。すなわち、液体供給源の一例である第1貯留部33から液体吐出ヘッド23に液体を供給する供給流路37の途中に設けられる加圧機構27において、液室41の減圧と加圧とを行うことができる。
(12)供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が開弁し、加圧機構27において、変位装置57により付勢部材54の付勢力に抗して液室41の容積が増加する方向に弾性部材42が変位して、液室41が減圧状態となって、液体供給源の一例である第2貯留部35から供給流路37を通じて液室41内に液体が流入する。その後、供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が閉弁し、変位装置57により弾性部材42を変位させないことで付勢部材54の付勢力が弾性部材42に作用して、液室41が加圧状態になる。そして、供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が閉弁されたことにより、加圧された液体が供給流路37を通じて液体吐出ヘッド23側に送出される。そのため、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド23のノズル22から液体を排出する加圧クリーニングを行うことができる。
(第3実施形態)
以下、加圧機構、加圧装置、および液体吐出装置の第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、第3実施形態は第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略し、第1実施形態との差異部分のみを説明する。
<加圧機構と変位装置の構成について>
図13に示すように、第3実施形態における変位部材81は、第1実施形態における変位部材81と比べて、柱82,83が第2方向D2に延びた形状を有する。蓋部材59は、第2天面59cに、柱82,83を蓋部材59の上面59fより突出させるための孔5
9dを有する。柱82,83は蓋部材59の上面59fより突出し、柱82の柱上面82bと、柱83の柱上面83bとが連結部材114によって連結される。
加圧機構27に変位装置57を加えて加圧装置58が構成される。変位装置57は、液体流路に設けられた加圧機構27における付勢部材54の付勢力に抗する抗力の作用と解除とを行う。変位装置57は、変位部材81を第2方向D2に変位させるレバー110と、駆動軸111に取り付けられた偏心カム111aと、駆動軸111を回転させる不図示の変位モーターを有する。
レバー110は、略中央に位置する支点部110aと、一端に位置する力点部110bと、他端に位置する作用点部110cとを有する。レバー110は、蓋部材59に固定された回動軸113に支点部110aを回動可能に支持されて、回動軸113を中心に回動する。
不図示の変位モーターが駆動されると、偏心カム111aが駆動軸111の周りを時計回り方向W1に回転することで、偏心カム111aの外周が図13に示す実線の位置から二点鎖線の位置に移動して、力点部110bを第1方向D1に押し下げる。これにより、レバー110が回動軸113を中心に時計回り方向W1に回動して、作用点部110cが第2方向D2に変位する。作用点部110cが第2方向D2に変位したときに、作用点部110cが連結部材114を、図13に示す実線の位置から二点鎖線の位置に持ち上げる。作用点部110cは、付勢部材54の付勢力に抗する抗力を連結部材114に作用させる。これにより、付勢部材54の付勢力に抗して変位部材81が第2方向D2に変位し、液室41の容積が増加する方向に弾性部材42が図13に示す実線の位置から二点鎖線の位置に変位して、液室41が減圧状態になる。すなわち、本実施形態においては、変位装置57が、付勢部材54の付勢力に抗する抗力によって変位部材81を第2方向D2に変位させることにより、液室41が減圧状態になる。
さらに、偏心カム111aが駆動軸111の周りを時計回り方向W1に回転することで、偏心カム111aの外周が図13に示す二点鎖線の位置から実線の位置に移動して、力点部110bを押し下げる力を解除する。すると、力点部110bが第2方向D2に変位可能となる。すなわち、レバー110が回動軸113を中心に反時計回り方向W2に回動可能となって、作用点部110cが第1方向D1に変位可能となる。これにより、作用点部110cにおいて、付勢部材54の付勢力に抗する抗力が解除される。付勢部材54の付勢力が変位部材81に作用して、変位部材81が第1方向D1に変位し、付勢力が弾性部材42に作用する。そして、液室41の容積が減少する方向に図13に示す二点鎖線の位置から実線の位置に弾性部材42が変位することにより、液室41が加圧状態になる。
なお、不図示の変位モーターがクラッチを介して駆動軸111に接続され、そのクラッチがモーター軸の回転と駆動軸111とを切り離すことによって、作用点部110cにおける付勢部材54の付勢力に抗する抗力が解除されるように、変位装置57が構成されてもよい。
変位装置57は、第1検出部112aと、第2検出部112bと、駆動軸111に取り付けられた被検出部111bとを有する。付勢部材54の付勢力に抗する抗力が解除されて液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位可能となったとき、第1検出部112aが被検出部111bを検出する。変位装置57が、付勢部材54の付勢力に抗する抗力によって、弾性部材42を液室41の容積が増加する方向に変位させたとき、第2検出部112bが被検出部111bを検出する。
制御部19は、加圧装置58において、変位装置57を駆動することによって、回収流
路39に設けられた加圧機構27における付勢部材54の付勢力に抗する抗力の作用と解除とを制御して、加圧機構27の付勢力によって、回収流路39内の液体を加圧する。なお、第2実施形態のように、加圧機構27は供給流路37に設けられてもよい。
<液室を加圧状態とするときの制御方法について>
図14に示すフローチャートを参照し、液体吐出装置11が液室41を加圧状態とするときの制御方法について、各ステップにおける制御部19が実行する制御を順に説明する。なお、本実施形態においては、図2に示す空気流路55は加圧機構27に接続されていない。また、初期状態では、図2に示す第2バルブ38、第3バルブ40は閉弁しており、弾性部材42は図13に実線で示す位置に位置する。このとき、図13に示す第1検出部112aが被検出部111bを検出した状態である。
ステップS301において、制御部19は、第2バルブ38を開弁させる。ステップS302において、制御部19は、第3バルブ40を開弁させる。ステップS303において、制御部19は、変位装置57を駆動して作用点部110cを、減圧方向である第2方向D2に向けて移動させることで、付勢部材54の付勢力に抗する抗力によって液室41の容積が増加する方向に弾性部材42を変位させて、液室41を減圧状態とする。
ステップS304において、制御部19は、弾性部材42の減圧方向への変位が終了したか否かを判断する。制御部19は、第2検出部112bが被検出部111bを検出したときに、弾性部材42の減圧方向への変位が終了して、弾性部材42が図13に示す2点鎖線の位置に位置したと判断する。第2検出部112bが被検出部111bを検出するまでは、ステップS304がNOになり、制御部19は、弾性部材42の減圧方向への変位が終了するまで待機する。第2検出部112bが被検出部111bを検出すると、ステップS304がYESになり、制御部19は、処理をステップS305に移行する。
ステップS305において、制御部19は、第2バルブ38を閉弁させる。ステップS306において、制御部19は、第3バルブ40を閉弁させる。ステップS307において、制御部19は、変位装置57を駆動して作用点部110cを、加圧方向である第1方向D1に向けて移動させて付勢力に抗する抗力を解除することで、付勢部材54の付勢力を弾性部材42に作用させて、液室41を加圧状態とする。
ステップS308において、制御部19は、液室41を加圧させてから加圧時間が経過したか否かを判断する。加圧時間は、空間53を加圧する圧力が液室41および回収流路39を介してノズル22まで伝わるために必要な時間である。加圧時間が経過するまでは、ステップS308がNOになり、制御部19は、加圧時間が経過するまで待機する。加圧時間が経過すると、ステップS308がYESになり、制御部19は、本フローを終了する。なお、制御部19は、ステップS308がYESになったときに、本フローを終了しないで、処理をステップS301に移行し、本フローを連続して実行してもよい。
ここで、ステップS301およびステップS302はそれぞれ、ステップS303と同時、またはステップS303の後に行ってもよい。また、ステップS305およびステップS306はそれぞれ、ステップS303の最中に行ってもよいし、ステップS303の終了と同時に行ってもよいし、ステップS303を終了した後に行ってもよい。また、ステップS305およびステップS306はそれぞれ、ステップS307と同時、またはステップS307の後に行ってもよい。
本実施形態の作用について説明する。
加圧機構27を含んで液体吐出装置11が組み立てられる。そして、液体吐出装置11が工場から出荷されて、液体吐出装置11がユーザーによって使用される。液体吐出装置
11において印刷が繰り返されると、加圧クリーニングが実行される。
供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が開弁され、回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が開弁される。制御部19が、変位装置57を駆動して、変位装置57の作用点部110cが第2方向D2に変位することで、付勢部材の付勢力に抗する抗力が変位部材81に作用する。このとき、抗力を受けた変位部材81が、第2方向D2に変位する。
規制部材91が蓋部材59によって第2方向D2への変位を規制される。変位部材81が変位するときは、変位部材81と規制部材91とが、相対的に変位する。このとき、変位部材81の外周面88が、規制部材91の内周面98により案内され、規制部材91の被案内面94b,94cおよび被案内面95b,95cが、変位部材81の案内面84b,84cおよび案内面85b,85cに案内される。これにより、変位部材81を規制部材91に対して、液室41の容積が増加する方向である第2方向D2に変位させることができる。そして、変位部材81の第2方向D2への変位に伴って、弾性部材42を第2方向D2へ変位させることができる。
弾性部材42が第2方向D2へ変位するとき、蓋部材59の押付面59aが弾性部材42の外周縁部42aを支持するため、弾性部材42の外周縁部42aの第2方向D2への変位が抑制される。すなわち、弾性部材42の外周縁部42aがシールされた状態のままで、弾性部材42の中心部のみを第2方向D2へ変位させることができるため、液室41を減圧することができる。
変位部材81は、変位装置57の作用点部110cの変位に伴って、第2方向D2に変位し、変位装置57の作用点部110cの変位が停止すると、その位置で、変位部材81の変位も停止する。すなわち、第2方向D2における変位装置57の作用点部110cの停止位置によって、液室41が減圧されたときの液室41の容積の大きさを設定することができる。
液室41が減圧状態になると、液体供給源の一例である第1貯留部33から回収流路39を通じて液室41内に液体が流入し、さらに液体供給源の一例である第2貯留部35からも供給流路37を通じて液室41内に液体が流入する。これにより、容積が増加した液室41内に液体を溜めることができる。
供給側開閉弁の一例である第2バルブ38が閉弁され、回収側開閉弁の一例である第3バルブ40が閉弁され、制御部19が、変位装置57を駆動して、変位装置57の作用点部110cが第1方向D1に変位することで、付勢部材の付勢力に抗する抗力が解除される。これにより、付勢部材54の付勢力が変位部材81を介して弾性部材42に作用する。弾性部材42は変位部材81とともに、液室41の容積が減少する方向である第1方向D1に変位しようとする。
液室41が加圧状態になると、加圧された液体が回収流路39を通じて液体吐出ヘッド23側に送出される。すなわち、液室41が加圧状態にされて、液体吐出ヘッド23のノズル22から液体が排出されることにより、加圧クリーニングを実行することができる。
本実施形態の効果について説明する。
液体吐出装置11の制御方法においては、第1実施形態における(1)~(12)と同じ効果が得られる。
(13)制御部19が変位装置57を駆動することで、付勢部材54の付勢力に抗する抗力によって液室41の容積が増加する方向に弾性部材42が変位する。これにより、液
室41を減圧することができる。その後、制御部19が変位装置57を駆動することで、その抗力が解除されて付勢部材54の付勢力が弾性部材42に作用する。これにより、液室41を加圧することができる。すなわち、液体流路の途中に設けられる加圧機構27において、制御部19が変位装置57を駆動することで、液室41の減圧と加圧とを行うことができる。そのため、液体吐出装置11において、液体吐出ヘッド23のノズル22から液体を排出する加圧クリーニングを行うことができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・液室41内の弾性部材42と基体56との間に形成される所定の隙間ΔGは、全面において均一な隙間であってもよいし、全面において均一な隙間でなくてもよい。例えば、本実施形態のように、弾性部材42の壁面41aの中央部が、基体56の壁面41bに最も近づいており、その中央部において、所定の隙間ΔGが形成されてもよい。
・本実施形態における基体56の支持部56bに相当する位置に凹部が設けられ、本実施形態における弾性部材42の凹部42bに相当する位置に凸部が設けられ、凹部と凸部とが係合して基体56の凹部が弾性部材42の凸部を支持する状態で液室41が形成されてもよい。すなわち、規制部としての支持部56bは凹部であってもよい。
・本実施形態における基体56の支持部56bに相当する位置に第1方向D1に直交する方向に支持面が設けられ、本実施形態における弾性部材42の凹部42bに相当する位置に第1方向D1に直交する方向に被支持面が設けられ、支持面が被支持面を支持する状態で液室41が形成されてもよい。すなわち、規制部としての支持部56bは単なる平面であってもよく、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制できる形状であればよい。
・規制部材91の規制部としての係止部の数は2つに限定しない。規制部材91の規制部としての係止部は、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制できればよい。そのため、規制部材91の規制部としての係止部の数は、例えば、1つであってもよいし、4つであってもよい。ただし、規制部材91の規制部としての係止部の数が複数であることにより、液室41の容積が減少する方向に弾性部材42が変位する際に、弾性部材が傾くことによる弾性部材42の壁面41aと基体56の壁面41bとの接触を抑制することができる。
・本実施形態の加圧機構27においては、変位部材81が規制部としての係止部94,95に係止される被係止部84,85を有しているが、弾性部材42が規制部としての係止部94,95に係止される被係止部を有し、規制部材91が有する係止部94,95によって、弾性部材42の被係止部が係止される構成としてもよい。規制部材91が有する係止部94,95によって弾性部材42の被係止部が係止されるときも、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制することができる。ただし、本実施形態のように、変位部材81が規制部としての係止部94,95に係止される被係止部84,85を有することにより、可撓性を有する弾性部材42の被係止部が変形することによって所定の隙間ΔGが変動することを抑制できる。
・弾性部材42と変位部材81とが一体の部品として構成されてもよい。例えば、弾性部材42と変位部材81とが可撓性材料で一体成型されて1つの部品として構成されていてもよい。すなわち、弾性部材42が変位部材81の機能を有していてもよい。ただし、本実施形態のように、可撓性を有する弾性部材42が変位部材81に取り付けられることにより、可撓性材料で一体成型された弾性部材42の被係止部が変形することによって所定の隙間ΔGが変動することを抑制できる。
・本実施形態の加圧機構27においては、規制部材91が規制部としての係止部94,95を有しているが、蓋部材59が規制部としての係止部を有し、蓋部材59が有する係止部によって、変位部材81の被係止部84,85が係止される構成としてもよい。蓋部材59が有する係止部によって変位部材81の被係止部84,85が係止されるときも、液室41の容積が減少する方向への弾性部材42の変位を規制することができる。
・蓋部材59と規制部材91とが一体の部品として構成されてもよい。例えば、規制部材91が蓋部材59に対して固定されていてもよいし、規制部材91と蓋部材59とが一体成型されて1つの部品として構成されていてもよい。すなわち、蓋部材59が規制部材91の機能を有していてもよい。その場合、第1および第2実施形態においては、蓋部材59は、第2天面59cが取り外せるように構成されてもよい。そして、蓋部材59に対して付勢部材54と弾性部材42とが取り付けられた後に、第2天面59cが蓋部材59に取り付けられることで、空間53が密閉されてもよい。
・供給流路37または回収流路39において、加圧装置58よりも液体供給源側と、加圧装置58よりも液体吐出ヘッド23側とに一方向弁が設けられることで、加圧装置58が、流路内の流体を一方向に送出する流路ポンプとして使用されてもよい。
・変位装置57が空間53を減圧する減圧装置57aを含む場合には、蓋部材59によって空間53を密閉できる構成が必要であるが、変位装置57が、例えば、第3実施形態のように機械的に弾性部材42を移動させる装置である場合には、空間53は開放されていてもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)加圧機構は、液体が流動する液体流路の途中に設けられる加圧機構であって、前記液体流路と連通する液室の壁面の一部を構成する基体と、前記基体に対向する位置に設けられ、前記液室の壁面の一部を構成して、該液室の容積を増減させるように変位する弾性部材と、前記液室の容積が減少する方向への前記弾性部材の変位を規制する規制部と、前記弾性部材を前記液室の容積が減少する方向に付勢する付勢部材と、を備え、前記液室の容積が減少する方向に前記弾性部材が変位する際、前記規制部によって、前記液室内の前記弾性部材と前記基体との間に所定の隙間が形成される。
この構成によれば、弾性部材の変位を規制する規制部によって、液室の容積が減少する方向に弾性部材が変位する際、液室内において弾性部材と基体との間に所定の隙間が形成される。そのため、液室内において弾性部材の壁面が弾性部材に対向する基体の壁面に当接して弾性部材の壁面と基体の壁面とが貼りつくことを抑制できる。そして、貼りついている弾性部材の壁面が基体の壁面から剥がれるときに、液室内に急激な圧力変動が生じて液体吐出ヘッドのノズル内の液体のメニスカスが破壊されることを抑制できる。
(B)上記加圧機構において、前記所定の隙間が形成された際に、前記弾性部材は前記付勢部材から前記液室の容積が減少する方向への付勢力を受けてもよい。
この構成によれば、液室内において弾性部材と基体との間に所定の隙間が形成された際も、弾性部材は付勢部材の付勢力を受ける。そのため、所定の隙間が形成された際に、弾性部材は付勢力を受けて自由状態から変形した状態となり、弾性部材において弾性部材の変形を元に戻す力が発生する。すなわち、弾性部材において液室の容積が増加する方向への復元力が発生する。この状態においては、液室内においての圧力変動が弾性部材の復元力を超えない限り、液室の容積が減少する方向には弾性部材は変位しない。すなわち、弾性部材において液室の容積が増加する方向への復元力が発生した状態で、液室内において
弾性部材と基体との間に所定の隙間が形成されているため、液室内に多少の圧力変動が発生しても、所定の隙間が形成された状態を安定して維持することができる。
(C)上記加圧機構において、前記基体は、前記液室の外周に周状の前記規制部としての支持部を有し、前記弾性部材は、前記支持部により支持される外周縁部を有し、前記支持部は、前記弾性部材が前記付勢部材から付勢力を受けた際に、該付勢力の方向において、前記外周縁部よりも内側が前記基体に接触しない位置に設けられてもよい。
この構成によれば、基体における規制部としての支持部が弾性部材の外周縁部を支持し、液室の容積が減少する方向に弾性部材が変位する際、弾性部材と基体との間に所定の隙間が形成され、外周縁部よりも内側が基体に接触しない。そのため、液室内において弾性部材の壁面が弾性部材に対向する基体の壁面に当接して弾性部材の壁面と基体の壁面とが貼りつくことを抑制できる。また、基体の支持部が弾性部材の外周縁部を支持して基体と弾性部材とで液室を形成するため、基体の支持部によって弾性部材の周囲をシールしながら、弾性部材と基体とだけで、液室内において弾性部材と基体との間に所定の隙間を形成することができる。すなわち、別部材を使用することなく、基体の支持部によって弾性部材の周囲をシールしながら、所定の隙間を形成することができる。そのうえ、付勢力の方向における基体の支持部の位置によって、所定の隙間が形成された際にも、弾性部材が付勢部材の付勢力を受けるか否かを設定することができる。すなわち、所定の隙間が形成された際にも、弾性部材が付勢部材の付勢力を受けるように、付勢力の方向における支持部の位置を設定することができる。また、付勢力の方向における基体の支持部の位置によって、弾性部材が付勢部材の付勢力を受けたときに弾性部材に発生する復元力の大きさを設定することができる。
(D)上記加圧機構において、前記付勢部材の一端を支持して変位する変位部材と、前記付勢部材の他端を支持する規制部材と、を備え、前記付勢部材の一端は、前記付勢部材が前記変位部材を介して前記弾性部材を付勢する付勢力の作用位置であり、前記規制部材は、前記規制部としての係止部を有し、前記変位部材は、前記液室の容積が減少する方向に前記弾性部材が変位する際、前記係止部によって係止される被係止部を有し、前記係止部は、前記被係止部を係止して前記一端の変位を規制することで、前記液室の容積が減少する方向への前記弾性部材の変位を規制してもよい。
この構成によれば、規制部材の規制部としての係止部は、変位部材の被係止部を係止して付勢力の一端の変位を規制することで、液室の容積が減少する方向への弾性部材の変位を規制する。そのため、液室内において弾性部材の壁面が弾性部材に対向する基体の壁面に当接して弾性部材の壁面と基体の壁面とが貼りつくことを抑制できる。そして、付勢部材は変位部材を介して弾性部材を付勢し、変位部材の被係止部が係止されて液室の容積が減少する方向への弾性部材の変位が規制されるため、直接、可撓性を有する弾性部材が係止される場合と比べて、弾性部材が変形することによって所定の隙間が変動することを抑制できる。また、係止部によって被係止部が係止されるときの変位部材の位置と、基体における弾性部材と対向する液室の壁面の位置との位置関係によって、液室内において弾性部材と基体との間に所定の隙間を形成することができる。弾性部材が付勢部材の付勢力を受けて変位すると、弾性部材において液室の容積が増加する方向への復元力が発生する。その復元力の大きさによらず、係止部によって被係止部が係止されるときの変位部材の位置と、液室内において弾性部材と対向する基体の壁面の位置との位置関係によって、弾性部材と基体との間に所定の隙間を形成することができる。すなわち、弾性部材の復元力によって所定の隙間の量が変化しないため、所定の隙間の精度を向上させることができる。さらに、規制部材は、付勢部材の他端を支持しながら、変位部材の被係止部を係止することで作用位置である一端の変位を規制する。すなわち、付勢部材の一端と他端との両方の位置が同じ部材によって規制されるため、付勢部材が弾性部材を付勢する付勢力の精度を
向上させることができる。
(E)上記加圧機構において、前記基体は、前記液室の外周に周状の支持部を有し、前記弾性部材は、前記支持部により支持される外周縁部を有し、前記支持部は、前記液室の容積が減少する方向への前記弾性部材の変位を規制し、前記液室の容積が減少する方向に前記弾性部材が変位する際、前記係止部によって、前記所定の隙間が形成されてもよい。
この構成によれば、基体における規制部としての支持部が弾性部材の外周縁部を支持して液室の容積が減少する方向への弾性部材の変位を規制したうえで、規制部としての係止部が付勢力の作用位置である一端の変位を規制して、液室の容積が減少する方向への弾性部材の変位を規制する。そのため、規制部としての係止部によって被係止部が係止されるときの変位部材の位置と、液室内において弾性部材と対向する基体の壁面の位置との位置関係で、弾性部材と基体との間に所定の隙間を形成することができる。そのうえ、規制部としての係止部によって被係止部が係止されるときの変位部材の位置と、基体における規制部としての支持部の位置との位置関係で、所定の隙間が形成された際にも、弾性部材が付勢部材の付勢力を受けるか否かを設定することができる。すなわち、所定の隙間が形成された際にも、弾性部材が付勢部材の付勢力を受けるように、付勢力の方向における支持部の位置を設定することができる。また、規制部としての係止部によって被係止部が係止されるときの変位部材の位置と、基体における規制部としての支持部の位置との位置関係で、所定の隙間の大きさを保ちつつ弾性部材に発生する復元力の大きさを設定することができる。すなわち、弾性部材が付勢部材の付勢力を受けたときに弾性部材と基体との間の所定の隙間の大きさを保ちつつ弾性部材に発生する復元力の大きさを設定することができる。
(F)上記加圧機構において、前記弾性部材の前記液室が設けられる側とは反対側に設けられる蓋部材を備え、前記変位部材と、前記付勢部材と、前記規制部材とで、前記一端において付勢力が作用する方向への変位が規制された状態のユニット体が構成され、前記ユニット体は、前記変位部材が前記弾性部材に取り付けられ、前記蓋部材によって前記液室の容積が増加する方向への前記規制部材の変位が規制された状態で配置されることにより、前記液室の容積が減少する方向への前記付勢部材の前記一端の変位を、前記所定の隙間が形成される位置で規制してもよい。
この構成によれば、変位部材と、付勢部材と、規制部材とで、作用位置である一端において付勢力が作用する方向への変位が規制された状態のユニット体が構成される。そして、変位部材が弾性部材に取り付けられ、蓋部材によって液室の容積が増加する方向への規制部材の変位が規制された状態で、ユニット体が加圧機構に配置される。付勢部材が弾性部材を付勢する付勢力に対する弾性部材の復元力は、付勢力に比べて小さい。そのため、ユニット体が加圧機構に配置されたときも、作用位置である一端において付勢力が作用する方向への変位は、同じ位置で規制された状態のままである。一方、弾性部材は、付勢部材から液室の容積が減少する方向への付勢力を受けて、ユニット体が配置される前の位置から、液室の容積が減少する方向に変位する。そして、液室内において弾性部材と基体との間に所定の隙間が形成される。このユニット体が加圧機構に配置されたときの弾性部材の位置が、液室の容積が減少する方向に弾性部材が変位する際の弾性部材の位置である。そのため、液室の容積が減少する方向に弾性部材が変位する際の、所定の隙間の大きさと、そのときに付勢部材が弾性部材を付勢する付勢力の大きさとは、ユニット体に依存する。すなわち、ユニット体が交換されることによって、所定の隙間の大きさと、付勢力の大きさとを、容易に調整することができる。また、ユニット体は、ユニット体が構成された状態において、作用位置である一端において付勢力が作用する方向への変位が規制された状態であるため、付勢部材がユニット体から自然に外れることがなく、扱いやすい状態である。加圧機構の組立時には、その状態のユニット体が弾性部材と蓋部材との間に単に配
置されればよいため、加圧機構の組立作業を容易に行うことができる。また、ユニット体の交換時にも、使用されていたユニット体が弾性部材と蓋部材との間から取り外され、これから使用するその状態のユニット体がその位置に配置されればよいため、ユニット体の交換作業を容易に行うことができる。
(G)加圧装置は、上記加圧機構と、前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備える。
この構成によれば、上記加圧機構と、変位装置と、を備える加圧装置においても、上述した加圧機構が奏する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、変位装置により付勢部材の付勢力に抗して液室の容積が増加する方向に弾性部材を変位させることで液室を減圧し、変位装置により弾性部材を変位させないことで付勢部材の付勢力によって液室を加圧することができる。すなわち、液室の減圧と加圧とを行うことができる。
(H)液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体供給源から前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、前記供給流路の途中に設けられる上記加圧機構と、前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備える。
この構成によれば、液体吐出ヘッドと、供給流路と、上記加圧機構と、変位装置と、を備える液体吐出装置においても、上述した加圧機構が奏する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、変位装置により付勢部材の付勢力に抗して液室の容積が増加する方向に弾性部材を変位させることで液室を減圧し、変位装置により弾性部材を変位させないことで付勢部材の付勢力によって液室を加圧することができる。すなわち、液体供給源から液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路の途中に設けられる加圧機構において、液室の減圧と加圧とを行うことができる。
(I)液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体供給源から前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、前記液体吐出ヘッドで使用されなかった液体を回収する回収流路と、前記供給流路および前記回収流路のいずれか一方の途中に設けられる上記の加圧機構と、前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備える。
この構成によれば、液体吐出ヘッドと、供給流路と、回収流路と、上記加圧機構と、変位装置と、を備える液体吐出装置においても、上述した加圧機構が奏する作用効果と同様の作用効果を得ることができる。また、変位装置により付勢部材の付勢力に抗して液室の容積が増加する方向に弾性部材を変位させることで液室を減圧し、変位装置により弾性部材を変位させないことで付勢部材の付勢力によって液室を加圧することができる。すなわち、液体供給源から液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路、および液体吐出ヘッドで使用されなかった液体を回収するの回収流路、のいずれか一方の途中に設けられる加圧機構において、液室の減圧と加圧とを行うことができる。
(J)上記液体吐出装置は、前記供給流路において前記加圧機構よりも前記液体供給源側に設けられ、前記供給流路を開閉可能な供給側開閉弁を備えてもよい。
この構成によれば、供給側開閉弁が開弁し、加圧機構において、変位装置により付勢部材の付勢力に抗して液室の容積が増加する方向に弾性部材が変位して、液室が減圧状態となって、液体供給源から供給流路を通じて液室に液体が流入する。その後、供給側開閉弁が閉弁し、変位装置により弾性部材を変位させないことで付勢部材の付勢力が弾性部材に作用して、液室が加圧状態になる。そして、供給側開閉弁が閉弁されたことにより、加圧された液体が供給流路を通じて液体吐出ヘッド側に送出される。そのため、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドのノズルから液体を排出する加圧クリーニングを行うことがで
きる。
(K)上記液体吐出装置は、前記回収流路において前記加圧機構よりも前記液体供給源側に設けられ、前記回収流路を開閉可能な回収側開閉弁を備えてもよい。
この構成によれば、回収側開閉弁が開弁し、加圧機構において、変位装置により付勢部材の付勢力に抗して液室の容積が増加する方向に弾性部材が変位して、液室が減圧状態となって、液体供給源から回収流路を通じて液室に液体が流入する。その後、回収側開閉弁が閉弁し、変位装置により弾性部材を変位させないことで付勢部材の付勢力が弾性部材に作用して、液室が加圧状態になる。そして、回収側開閉弁が閉弁されたことにより、加圧された液体が回収流路を通じて液体吐出ヘッド側に送出される。そのため、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドのノズルから液体を排出する加圧クリーニングを行うことができる。
(L)上記液体吐出装置において、制御部を備え、前記制御部は、前記変位装置を駆動することで前記付勢部材の付勢力に抗する抗力によって前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させた後、該抗力を解除することで、前記付勢部材の付勢力を前記弾性部材に作用させて、前記液室を加圧状態としてもよい。
この構成によれば、制御部が変位装置を駆動することで、付勢部材の付勢力に抗する抗力によって液室の容積が増加する方向に弾性部材が変位する。これにより、液室を減圧することができる。その後、制御部が変位装置を駆動することで、その抗力が解除されて付勢部材の付勢力が弾性部材に作用する。これにより、液室を加圧することができる。すなわち、液体流路の途中に設けられる加圧機構において、制御部が変位装置を駆動することで、液室の減圧と加圧とを行うことができる。そのため、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドのノズルから液体を排出する加圧クリーニングを行うことができる。
(M)上記液体吐出装置において、制御部を備え、前記加圧機構は、前記弾性部材の前記液室が設けられる側とは反対側に設けられ、前記液室の外側に空間を形成する蓋部材を有し、前記変位装置は、前記空間内を減圧可能な減圧装置と、前記空間内を大気開放可能な大気開放装置と、を有し、前記制御部は、前記減圧装置を駆動することで前記空間内を減圧して前記弾性部材を前記蓋部材側に変位させた後、前記減圧装置の駆動を停止するとともに前記大気開放装置を駆動して前記空間内を大気開放することで、前記付勢部材の付勢力を前記弾性部材に作用させて、前記液室を加圧状態としてもよい。
この構成によれば、制御部が減圧装置を駆動することで、空間内が減圧されて弾性部材が蓋部材側に変位する。これにより、液室を減圧することができる。その後、制御部が大気開放装置を駆動して空間内を大気開放することで、付勢部材の付勢力が弾性部材に作用する。これにより、液室を加圧することができる。すなわち、液体流路の途中に設けられる加圧機構において、簡単な構成の機構である空間内の減圧と大気開放とによって、液室の減圧と加圧とを行うことができる。そのため、液体吐出装置において、液体吐出ヘッドのノズルから液体を排出する加圧クリーニングを行うことができる。
11…液体吐出装置、12…媒体、13…媒体収容部、14…スタッカー、15…操作部、16…画像読取部、17…自動給送部、19…制御部、21…ノズル面、22…ノズル、23…液体吐出ヘッド、24…液体収容部、25…供給機構、26…駆動機構、27…加圧機構、28…装着部、29…収容室、30…導出部、31…収容部側バルブ、33…液体供給源の一例である第1貯留部、34…連通路、35…液体供給源の一例である第2貯留部、36…第1バルブ、37…液体流路の一例である供給流路、38…供給側開閉弁の一例である第2バルブ、39…液体流路の一例である回収流路、40…回収側開閉弁
の一例である第3バルブ、41…液室、41a…壁面、41b…壁面、41c…壁面、42…弾性部材、42a…外周縁部、42b…凹部、42c…シール支持部、42d…シール支持部、42e…被取付部、44…第1接続部、45…第2接続部、46…接続チューブ、47…加圧部、48…切替機構、49…圧力センサー、50…大気開放路、51…加圧流路、52…接続流路、53…空間、54…付勢部材、54a…一端、54b…他端、55…空気流路、55a…大気開放路、56…基体、56a…外周、56b…規制部としての支持部、57…変位装置、57a…減圧装置、57b…大気開放装置、58…加圧装置、59…蓋部材、59a…押付面、59b…第1天面、59c…第2天面、59d…孔、59e…連通部、59f…上面、60…導入部、61…装置側バルブ、62…第1貯留室、63…液量センサー、64…第1気液分離膜、65…天井、66…第1液面、68…第2貯留室、69…第2気液分離膜、70…第2液面、72…細管部、73a…第1選択弁、73b…第2選択弁、73c…第3選択弁、73d…第4選択弁、73e…第5選択弁、73f…第6選択弁、73g…第7選択弁、73h…第8選択弁、73i…第9選択弁、73j…第10選択弁、73k…第11選択弁、80…ユニット体、81…変位部材、82…柱、82a…挿入部、82b…柱上面、83…柱、83a…挿入部、83b…柱上面、84…被係止部、84a…被係止面、84b…案内面、84c…案内面、85…被係止部、85a…被係止面、85b…案内面、85c…案内面、86…支持面、87…取付部、88…外周面、91…規制部材、92…孔、93…孔、94…規制部としての係止部、94a…係止面、94b…被案内面、94c…被案内面、95…規制部としての係止部、95a…係止面、95b…被案内面、95c…被案内面、96…支持面、97…環上面、97a…当接部、98…内周面、110…レバー、110a支点部、110b…力点部、110c…作用点部、111…駆動軸、111a…偏心カム、111b…被検出部、112a…第1検出部、112b…第2検出部、113…回動軸、114…連結部材、D1…第1方向、D2…第2方向、W1…時計回り方向、W2…反時計回り方向、ΔG…所定の隙間。

Claims (13)

  1. 液体が流動する液体流路の途中に設けられる加圧機構であって、
    前記液体流路と連通する液室の壁面の一部を構成する基体と、
    前記基体に対向する位置に設けられ、前記液室の壁面の一部を構成して、該液室の容積を増減させるように変位する弾性部材と、
    前記液室の容積が減少する方向への前記弾性部材の変位を規制する規制部と、
    前記弾性部材を前記液室の容積が減少する方向に付勢する付勢部材と、を備え、
    前記液室の容積が減少する方向に前記弾性部材が変位する際、前記規制部によって、前記液室内の前記弾性部材と前記基体との間に所定の隙間が形成されることを特徴とする加圧機構。
  2. 前記所定の隙間が形成された際に、前記弾性部材は前記付勢部材から前記液室の容積が減少する方向への付勢力を受けることを特徴とする請求項1に記載の加圧機構。
  3. 前記基体は、前記液室の外周に周状の前記規制部としての支持部を有し、
    前記弾性部材は、前記支持部により支持される外周縁部を有し、
    前記支持部は、前記弾性部材が前記付勢部材から付勢力を受けた際に、該付勢力の方向において、前記外周縁部よりも内側が前記基体に接触しない位置に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加圧機構。
  4. 前記付勢部材の一端を支持して変位する変位部材と、
    前記付勢部材の他端を支持する規制部材と、を備え、
    前記付勢部材の一端は、前記付勢部材が前記変位部材を介して前記弾性部材を付勢する付勢力の作用位置であり、
    前記規制部材は、前記規制部としての係止部を有し、
    前記変位部材は、前記液室の容積が減少する方向に前記弾性部材が変位する際、前記係止部によって係止される被係止部を有し、
    前記係止部は、前記被係止部を係止して前記一端の変位を規制することで、前記液室の容積が減少する方向への前記弾性部材の変位を規制することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加圧機構。
  5. 前記基体は、前記液室の外周に周状の支持部を有し、
    前記弾性部材は、前記支持部により支持される外周縁部を有し、
    前記支持部は、前記液室の容積が減少する方向への前記弾性部材の変位を規制し、
    前記液室の容積が減少する方向に前記弾性部材が変位する際、前記係止部によって、前記所定の隙間が形成されることを特徴とする請求項4に記載の加圧機構。
  6. 前記弾性部材の前記液室が設けられる側とは反対側に設けられる蓋部材を備え、
    前記変位部材と、前記付勢部材と、前記規制部材とで、前記一端において付勢力が作用する方向への変位が規制された状態のユニット体が構成され、
    前記ユニット体は、前記変位部材が前記弾性部材に取り付けられ、前記蓋部材によって前記液室の容積が増加する方向への前記規制部材の変位が規制された状態で配置されることにより、前記液室の容積が減少する方向への前記付勢部材の前記一端の変位を、前記所定の隙間が形成される位置で規制することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の加圧機構。
  7. 請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の加圧機構と、
    前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備えることを特徴とする加圧装置。
  8. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    液体供給源から前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、
    前記供給流路の途中に設けられる請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の加圧機構と、
    前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備える液体吐出装置。
  9. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    液体供給源から前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、
    前記液体吐出ヘッドで使用されなかった液体を回収する回収流路と、
    前記供給流路および前記回収流路のいずれか一方の途中に設けられる請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載の加圧機構と、
    前記加圧機構が有する前記付勢部材の付勢力に抗して前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させる変位装置と、を備える液体吐出装置。
  10. 前記供給流路において前記加圧機構よりも前記液体供給源側に設けられ、前記供給流路を開閉可能な供給側開閉弁を備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の液体吐出装置。
  11. 前記回収流路において前記加圧機構よりも前記液体供給源側に設けられ、前記回収流路を開閉可能な回収側開閉弁を備えることを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  12. 制御部を備え、
    前記制御部は、前記変位装置を駆動することで前記付勢部材の付勢力に抗する抗力によって前記液室の容積が増加する方向に前記弾性部材を変位させた後、該抗力を解除することで、前記付勢部材の付勢力を前記弾性部材に作用させて、前記液室を加圧状態とすることを特徴とする請求項8から請求項11のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  13. 制御部を備え、
    前記加圧機構は、前記弾性部材の前記液室が設けられる側とは反対側に設けられ、前記液室の外側に空間を形成する蓋部材を有し、
    前記変位装置は、前記空間内を減圧可能な減圧装置と、前記空間内を大気開放可能な大気開放装置と、を有し、
    前記制御部は、前記減圧装置を駆動することで前記空間内を減圧して前記弾性部材を前記蓋部材側に変位させた後、前記減圧装置の駆動を停止するとともに前記大気開放装置を駆動して前記空間内を大気開放することで、前記付勢部材の付勢力を前記弾性部材に作用させて、前記液室を加圧状態とすることを特徴とする請求項8から請求項11のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
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