JP2022095534A - 造形物の製造方法及び造形物 - Google Patents

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Abstract

【課題】翼部に沿った流路を有する造形物を容易にかつ低コストで製造することが可能な造形物の製造方法及び造形物を提供する。【解決手段】棒状の軸体51の外周に溶加材Mを溶融及び凝固させた溶着ビードBを積層して造形されたブレード55を有する造形部53を備えた造形物Wを製造する造形物の製造方法であって、造形部53を造形する際に、ブレード55の延在方向Xに沿って溶着ビードBを形成してブレード55を造形する翼部造形工程を行うとともに、翼部造形工程において、溶着ビードBを積層させる際に、溶着ビードB同士に隙間をあけて中空部分を形成することにより、軸断面視で前記溶着ビードBによって囲われた翼部流路63を溶着ビードBの延伸方向に沿って形成する翼部流路形成工程を行う。【選択図】図8

Description

本発明は、造形物の製造方法及び造形物に関する。
近年、生産手段としての3Dプリンタのニーズが高まっており、特に金属材料への適用については航空機業界等で実用化に向けて研究開発が行われている。金属材料を用いた3Dプリンタは、レーザやアーク等の熱源を用いて、金属粉体や金属ワイヤを溶融させ、溶融金属を積層させて造形物を造形する。
例えば、ブレードを有する回転体を製造する技術として、中心軸となる軸体の周囲に溶着ビードを積層させてブレードを形成する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2019-155463号公報
ところで、上記のような回転体が有するブレード(翼部)に、翼部の面に沿って内部流路を形成し、その内部流路に冷却媒体を流すことで、翼部の冷却性能の向上を図ることがある。内部流路の形成は、単純な流路形状であれば切削等の機械加工によって簡易にできるが、複雑な形状の内部流路を形成する場合、機械加工での形成は困難となる。また、鋳造によって内部流路を成形することも考えられるが、その場合、専用の中子を用いなければならず、製造コストが嵩んでしまう。しかも、中子を用いた鋳造では、製造プロセスを煩雑化させる上に、成形後に中子を除去することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、翼部に沿った流路を有する造形物を容易にかつ低コストで製造することが可能な造形物の製造方法及び造形物を提供することにある。
本発明は下記構成からなる。
(1) 棒状の軸体の外周に溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層して造形された翼部を有する造形部を備えた造形物を製造する造形物の製造方法であって、
前記造形部を造形する際に、前記翼部の延在方向に沿って前記溶着ビードを形成して前記翼部を造形する翼部造形工程を行うとともに、
前記翼部造形工程において、
前記溶着ビードを積層させる際に、前記溶着ビード同士に隙間をあけて中空部分を形成することにより、軸断面視で前記溶着ビードによって囲われた翼部流路を前記溶着ビードの延伸方向に沿って形成する翼部流路形成工程を行う、
造形物の製造方法。
(2) 棒状の軸体と、
前記軸体の外周に設けられ、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層して造形された翼部を有する造形部と、
前記造形部における前記翼部に沿って形成された翼部流路と、
前記軸体の周囲に形成された内部流路と、
を有する、
造形物。
本発明によれば、翼部に沿った流路を有する造形物を容易にかつ低コストで製造できる。
本発明の製造方法で製造する造形物の斜視図である。 造形物の内部に形成された冷却流路の斜視図である。 図1におけるI-I線に沿った断面図である。 図1におけるII-II線に沿った断面図である。 造形物を製造する製造システムの模式的な概略構成図である。 造形物の製造工程を説明する製造途中の造形物の軸方向に沿う概略側面図である。 造形物の製造工程を説明する製造途中の造形物の軸方向に沿う概略側面図である。 造形物の製造工程を説明する製造途中の造形物の軸方向に沿う概略側面図である。 翼部流路の台形断面部を形成する翼部流路形成工程を説明する図であって、(A)~(C)は、それぞれ造形箇所の概略平面図である。 翼部流路の台形断面部を形成する翼部流路形成工程を説明する図であって、(A)~(C)は、それぞれ造形箇所の概略断面図である。 翼部流路の湾曲状断面部を形成する翼部流路形成工程を説明する図であって、(A)~(C)は、それぞれ造形箇所の概略平面図である。 翼部流路の湾曲状断面部を形成する翼部流路形成工程を説明する図であって、(A)~(C)は、それぞれ造形箇所の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法で製造する造形物Wの斜視図である。図2は、造形物Wの内部に形成された冷却流路61の斜視図である。
図1に示すように、造形物Wは、軸体51と、軸体51の外周に造形された造形部53とを有しており、造形部53には、ブレード(翼部)55が形成されている。
軸体51は、例えば、鋼棒等の断面円形の丸棒体である。この軸体51の外周に設けられた造形部53のブレード55は、外周側への突出部分が軸方向に向かって螺旋状に捻られた形状に形成されている。このブレード55を有する造形部53は、軸体51の周囲に溶着ビードを形成して積層させることにより造形される。なお、溶着ビードによって造形される造形部53は、その後に切削加工によって表面が切削加工されて目標形状に形成される。
図2に示すように、造形物Wは、その内部に、冷却流路61を有している。この冷却流路61は、冷却水等の冷却媒体が流される流路であり、この冷却流路61に冷却媒体が流されることにより、造形物Wが冷却される。
冷却流路61は、一対の翼部流路63と、内部流路65と、複数の接続流路67とを有している。
翼部流路63は、それぞれのブレード55の内部に設けられ、ブレード55に沿って延在されている。それぞれの翼部流路63は、造形物Wの軸線を中心として、互いに点対称の位置に設けられている。これらの翼部流路63は、造形物Wにおける造形部53に形成されている。
内部流路65は、造形物Wにおける翼部流路63よりも中心側に設けられており、軸方向に向かって螺旋状に形成されている。この内部流路65は、軸体51の外周部に形成されている。
接続流路67は、造形物Wの両端寄りに一対ずつ形成されており、それぞれ径方向に沿って形成されている。それぞれの接続流路67は、翼部流路63の端部に連通されている。造形物Wの両端寄りにおける一方の接続流路67A,67Bは、それぞれ内部流路65の端部に連通されている。造形物Wの一端寄りにおける他方の接続流路67Cには、その端部に供給口69Aが設けられ、造形物Wの他端寄りにおける他方の接続流路67Dには、その端部に排出口69Bが設けられている。
冷却流路61では、供給口69Aから冷却媒体が送り込まれ、この冷却媒体は、排出口69Bから排出される。具体的には、供給口69Aから供給される冷却媒体は、接続流路67Cを通して一方の翼部流路63へ送り込まれ、この翼部流路63内を流れる。さらに、冷却媒体は、接続流路67Bを通して内部流路65へ送り込まれ、この内部流路65内を流れる。その後、冷却媒体は、接続流路67Aを通して他方の翼部流路63へ送り込まれ、この翼部流路63を流れる。そして、冷却媒体は、接続流路67Dへ送り出され、排出口69Bから排出される。これにより、造形物Wは、冷却媒体が翼部流路63を流れることによって各ブレード55が冷却されるとともに、冷却媒体が内部流路65を流れることによって中心側の内部が冷却される。
図3は、図1におけるI-I線に沿った断面図である。図4は、図1におけるII-II線に沿った断面図である。
図3に示すように、翼部流路63は、軸方向の両端側の領域において、軸断面視で台形状の台形断面部63Aとなって形成されている。また、図4に示すように、翼部流路63は、軸方向の中央側の領域が、軸断面視で弓形状又はアーチ形状などの湾曲状の湾曲状断面部63Bとなって形成されている。翼部流路63では、軸方向の両端側の台形断面部63Aから軸方向の中央側の湾曲状断面部63Bに向かって、次第に軸断面視での形状が変化されている。軸方向の両端側の領域が、台形状に形成された台形断面部63Aとされ、軸方向の中央側の領域が、湾曲状に形成された湾曲状断面部63Bとされた翼部流路63は、いずれの位置においても断面積が同一とされている。つまり、翼部流路63は、いずれの軸方向位置においても同一の断面積を維持しつつ、軸方向の両端側から中央側へ向かって断面形状が台形状から湾曲状へ次第に変化されている。つまり、図3においては、翼部流路63の翼部の外面に沿う面が、翼部の外面に対して平行な台形状となっている。これにより、翼部の外面から翼部流路63までの肉厚を均一にでき、翼部を均等に冷却できる。また、図4においては、翼部流路63の翼部の外面に沿う面が、翼部の外面に対して平行な面を有している。この場合でも、翼部の外面から翼部流路63までの肉厚を均一に近づけることができ、翼部を均等に冷却できる。
次に、上記の造形物Wを製造する製造システムについて説明する。図5は造形物Wを製造する製造システム100の模式的な概略構成図である。
図5に示すように、本構成の製造システム100は、積層造形装置11と、切削装置12と、積層造形装置11及び切削装置12を統括制御するコントローラ13と、電源装置15と、を備える。
積層造形装置11は、先端軸にトーチ17を有する溶接ロボット19と、トーチ17に溶加材(溶接ワイヤ)Mを供給する溶加材供給部21とを有する。トーチ17は、溶加材Mを先端から突出した状態に保持する。
溶接ロボット19は、多関節ロボットであり、先端軸に設けたトーチ17は、溶加材Mが連続供給可能に支持される。トーチ17の位置及び姿勢は、ロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。
トーチ17は、不図示のシールドノズルを有し、シールドノズルからシールドガスが供給される。本構成で用いられるアーク溶接法としては、被覆アーク溶接又は炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG溶接又はプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、作製する造形物Wに応じて適宜選定される。
例えば、消耗電極式の場合、シールドノズルの内部にはコンタクトチップが配置され、溶融電流が給電される溶加材Mがコンタクトチップに保持される。トーチ17は、溶加材Mを保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材Mの先端からアークを発生する。溶加材Mは、ロボットアーム等に取り付けた不図示の繰り出し機構により、溶加材供給部21からトーチ17に送給される。そして、トーチ17を移動しつつ、連続送給される溶加材Mを溶融及び凝固させると、溶加材Mの溶融凝固体である線状の溶着ビードが形成される。
なお、溶加材Mを溶融させる熱源としては、上記したアークに限らない。例えば、アークとレーザとを併用した加熱方式、プラズマを用いる加熱方式、電子ビーム又はレーザを用いる加熱方式等、他の方式による熱源を採用してもよい。電子ビーム又はレーザにより加熱する場合、加熱量を更に細かく制御でき、溶着ビードの状態をより適正に維持して、造形物Wの更なる品質向上に寄与できる。
溶加材Mは、あらゆる市販の溶接ワイヤを用いることができる。例えば、軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用のマグ溶接及びミグ溶接ソリッドワイヤ(JIS Z 3312)、軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用アーク溶接フラックス入りワイヤ(JIS Z 3313)等で規定されるワイヤを用いることができる。
切削装置12は、切削ロボット41を備えている。切削ロボット41は、溶接ロボット19と同様に、多関節ロボットであり、先端アーム43の先端部に、例えば、エンドミル又は研削砥石などの金属加工工具45を備える。これにより、切削ロボット41は、コントローラ13により、その加工姿勢が任意の姿勢を取り得るように、3次元的に移動可能となっている。
切削ロボット41は、軸体51又は軸体51に造形された造形部53に対して金属加工工具45で切削して加工する。
コントローラ13は、CAD/CAM部31と、軌道演算部33と、記憶部35と、これらが接続される制御部37と、を有する。
CAD/CAM部31は、作製しようとする造形物Wの形状データを作成した後、複数の層に分割して各層の形状を表す層形状データを生成する。軌道演算部33は、生成された層形状データに基づいてトーチ17の移動軌跡を求める。また、軌道演算部33は、形状データに基づいて、金属加工工具45の移動軌跡を求める。記憶部35は、造形物Wの形状データ、生成された層形状データ、トーチ17の移動軌跡及び金属加工工具45の移動軌跡等のデータを記憶する。
制御部37は、記憶部35に記憶された層形状データ及びトーチ17の移動軌跡に基づく駆動プログラムを実行して、溶接ロボット19を駆動する。つまり、溶接ロボット19は、コントローラ13からの指令により、軌道演算部33で生成したトーチ17の移動軌跡に基づき、溶加材Mをアークで溶融させながらトーチ17を移動する。また、制御部37は、記憶部35に記憶された形状データ又は金属加工工具45の移動軌跡に基づく駆動プログラムを実行して、切削ロボット41を駆動する。これにより、切削ロボット41の先端アーム43に設けられた金属加工工具45によって軸体51又は造形部53に対して切削加工を行う。
上記構成の製造システム100は、設定された層形状データから生成されるトーチ17の移動軌跡に沿って、トーチ17を溶接ロボット19の駆動により移動させるとともに、軸体51を軸回りに回動させながら、溶融した溶加材Mからなる溶着ビードをトーチ17によって軸体51の周囲に積層させる。これにより、軸体51の外周に溶着ビードからなる造形部53が造形された造形物Wを製造する。この造形物Wは、切削装置12の金属加工工具45によって切削加工を施すことで、設計された外形に形成される。軸体51は、その両端が、ベース47上に設けられた支持部49に支持されて回動可能とされている。
次に、本発明の造形物の製造方法について説明する。
図6~図8は、造形物Wの製造工程を説明する製造途中の造形物Wの軸方向に沿う概略側面図である。
(内部流路形成工程)
図6に示すように、軸体51の外周を切削して溝部59を形成する。具体的には、両端を支持部49に支持させた軸体51を回転させながら、切削装置12の金属加工工具45によって軸体51の外周面を切削する。このとき、金属加工工具45を軸体51の一端側から他端側へ移動させる。これにより、軸体51の外周に、軸方向に沿う螺旋状の溝部59を形成する。
図7に示すように、軸体51を回転させながら、軸体51の周囲にトーチ17によって溶着ビードを周方向に沿って形成して積層させる。これにより、軸体51の外周に、積層させた溶着ビードからなる造形部53の内周部分を造形する。なお、軸体51の周囲に造形部53を造形する際には、予め軸体51における溝部59の縁部に沿って溶着ビードを形成して溝部59を封鎖しておく。このように、溝部59を溶着ビードで封鎖して軸体51の外周に造形部53の内周部分を造形することにより、軸方向に沿う螺旋状の内部流路65が形成される。
(翼部造形工程)
図8に示すように、造形部53の内周部分を造形したら、ブレード55を有する造形部53の外周部分を造形する。具体的には、造形するブレード55の延在方向に沿って繰り返し溶着ビードを形成する。これにより、軸体51の外周に、ブレード55を有する造形部53を造形する。
このとき、ブレード55を造形する際に、溶着ビード同士に隙間をあけて中空部分を形成することにより、軸断面視で溶着ビードによって囲われた翼部流路63を溶着ビードの延伸方向に沿って形成する翼部流路形成工程を行う。
また、造形部53の両端において、径方向に延在する接続流路67を形成する接続流路形成工程を行う。この接続流路67は、この接続流路67となる部分を避けて溶着ビードを形成することにより造形できる。なお、接続流路67は、溶着ビードの積層後に、機械加工によって形成してもよい。
次に、ブレード55に翼部流路63を形成する翼部流路形成工程の一例について説明する。
(台形断面部63Aの形成)
図9及び図10は、翼部流路63の台形断面部63Aを形成する翼部流路形成工程を説明する図であり、図9において溶着ビードBは網掛けで示す。
図9の(A)及び図10の(A)に示すように、溶着ビードBからなる下地層BLUに対して、ブレード55の延在方向Xに沿って溶着ビードBを形成して溶着ビード層BL1を積層させる。このとき、溶着ビードB同士の間に隙間GA1を形成する。
図9の(B)及び図10の(B)に示すように、下層の溶着ビード層BL1に対して、ブレード55の延在方向Xに沿って溶着ビードBを形成して溶着ビード層BL2を積層させる。このとき、溶着ビードB同士の間に、下層の溶着ビード層BL1で形成した隙間GA1よりも小さな隙間GA2を形成する。
図9の(C)及び図10の(C)に示すように、下層の溶着ビード層BL2に対して、ブレード55の延在方向Xに沿って溶着ビードBを形成し、下層の溶着ビード層BL2に形成した隙間GA2を塞ぐように溶着ビード層BL3を積層させる。
上記のように、下地層BLUに対して溶着ビード層BL1,BL2,BL3を順に積層させることで、ブレード55を造形しつつ、その内部に軸断面視が台形状の台形断面部63Aとされた中空部分からなる翼部流路63を形成できる。
(湾曲状断面部63Bの形成)
図11及び図12は、翼部流路63の湾曲状断面部63Bを形成する翼部流路形成工程を説明する図であり、図11において溶着ビードBは網掛けで示す。
図11の(A)及び図12の(A)に示すように、溶着ビードBからなる下地層BLUに対して、ブレード55の延在方向Xに沿って溶着ビードBを形成して溶着ビード層BL1を積層させる。このとき、溶着ビードB同士の間に間隔をあけて二つの隙間GB1を形成する。
図11の(B)及び図12の(B)に示すように、下層の溶着ビード層BL1に対して、ブレード55の延在方向Xに沿って溶着ビードBを形成して溶着ビード層BL2を積層させる。このとき、溶着ビードB同士の間に、下層の溶着ビード層BL1で形成した二つの隙間GB1に繋がる一つの隙間GB2を形成する。
図11の(C)及び図12の(C)に示すように、下層の溶着ビード層BL2に対して、ブレード55の延在方向Xに沿って溶着ビードBを形成し、下層の溶着ビード層BL2に形成した隙間GB2を塞ぐように溶着ビード層BL3を積層させる。
上記のように、下地層BLUに対して溶着ビード層BL1,BL2,BL3を順に積層させることで、ブレード55を造形しつつ、その内部に軸断面視が湾曲状の湾曲状断面部63Bとされた中空部分からなる翼部流路63を形成できる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、溶着ビードBを積層させてブレード55を造形する際に、溶着ビードB同士に隙間をあけて中空部分を形成することにより、軸断面視で溶着ビードBによって囲われた翼部流路63を溶着ビードBの延伸方向に沿って形成できる。これにより、中子を用いた鋳造と比べ、ブレード55を効率的に冷却させることが可能な造形物Wを容易にかつ低コストで製造できる。
また、翼部流路形成工程において、積層させる溶着ビード層BL1,BL2における隙間GA1,GA2を下層から上層に向かって狭めることで、少ないパス数で大きな断面積が確保可能な軸断面視で台形状の台形断面部63Aとされた翼部流路63を容易に形成できる。
さらに、翼部流路形成工程において、下層側の溶着ビード層BL1で二つの隙間GB1を形成し、上層側の溶着ビード層BL2で下層の二つの隙間GB1に繋がる一つの隙間GB2を形成することにより、広い範囲に冷却媒体を流すことが可能な軸断面視で湾曲状の湾曲状断面部63Bとされた翼部流路63を容易に形成できる。
しかも、ブレード55の外面に沿う面がブレード55の外面に対して平行となるような翼部流路63を形成するので、ブレード55の外面からの翼部流路63までの肉厚を均一にすることができ、ブレード55を均等に冷却させることができる。
さらに、軸体51の外周に内部流路65を形成することにより、より広い範囲を効率的に冷却させることが可能な造形物Wを容易にかつ低コストで製造できる。
また、内部流路65と翼部流路63とを繋ぐ接続流路67を形成することにより、接続流路67を介して内部流路65と翼部流路63とに冷却媒体を循環させることができる。これにより、造形物Wの内部とブレード55とを効率的かつ均一に冷却させることができる。また、翼部流路63と内部流路65とに冷却媒体を循環させることにより、冷却流路61内での閉塞の有無等を容易に判定できる。
なお、上記実施形態では、両端側が台形断面部63Aとされ、中央側が湾曲状断面部63Bとされた翼部流路63を造形する場合を例示したが、翼部流路63は、全長にわたって台形断面部63Aまたは湾曲状断面部63Bであってもよい。
このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 棒状の軸体の外周に溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層して造形された翼部を有する造形部を備えた造形物を製造する造形物の製造方法であって、
前記造形部を造形する際に、前記翼部の延在方向に沿って前記溶着ビードを形成して前記翼部を造形する翼部造形工程を行うとともに、
前記翼部造形工程において、
前記溶着ビードを積層させる際に、前記溶着ビード同士に隙間をあけて中空部分を形成することにより、軸断面視で前記溶着ビードによって囲われた翼部流路を前記溶着ビードの延伸方向に沿って形成する翼部流路形成工程を行う、造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、溶着ビードを積層させて翼部を造形する際に、溶着ビード同士に隙間をあけて中空部分を形成することにより、軸断面視で溶着ビードによって囲われた翼部流路を溶着ビードの延伸方向に沿って形成できる。これにより、中子を用いた鋳造と比べ、翼部を効率的に冷却させることが可能な造形物を容易にかつ低コストで製造できる。
(2) 前記翼部流路形成工程において前記翼部流路の少なくとも一部を形成する際に、 複数の前記溶着ビードからなる溶着ビード層における前記隙間を下層から上層に向かって狭めることで、軸断面視で台形状の前記翼部流路を形成する、(1)に記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、積層させる溶着ビード層における隙間を下層から上層に向かって狭めることで、少ないパス数で大きな断面積が確保可能な軸断面視で台形状の翼部流路を容易に形成できる。
(3) 前記翼部流路形成工程において前記翼部流路の少なくとも一部を形成する際に、 複数の前記溶着ビードからなる溶着ビード層において、下層側で二つの前記隙間を形成し、上層側で前記下層の二つの隙間に繋がる一つの前記隙間を形成することにより、軸断面視で湾曲状の前記翼部流路を形成する、(1)または(2)に記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、下層側の溶着ビード層で二つの隙間を形成し、上層側の溶着ビード層で下層の二つの隙間に繋がる一つの隙間を形成することにより、広い範囲に冷却媒体を流すことが可能な軸断面視で湾曲状の翼部流路を容易に形成できる。
(4) 前記翼部流路形成工程において、
前記翼部流路における前記翼部の外面に沿う面が前記翼部の外面に対して平行となるように、前記溶着ビードの隙間を形成する、(1)~(3)のいずれか一つに記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、翼部の外面に沿う面が翼部の外面に対して平行となるような翼部流路を形成するので、翼部の外面からの翼部流路までの肉厚を均一にすることができ、翼部を均等に冷却させることができる。
(5) 前記軸体の外周に溝部を形成し、前記軸体の外周に前記溝部の開口部分を塞ぐように前記溶着ビードを積層させることにより、内部流路を形成する内部流路形成工程を含む、(1)~(4)のいずれか一つに記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、軸体の外周に内部流路を形成することにより、より広い範囲を効率的に冷却させることが可能な造形物を容易にかつ低コストで製造できる。
(6) 前記造形部を造形する際に、前記内部流路と前記翼部流路とを繋ぐ接続流路を形成する接続流路形成工程を行う、(5)に記載の造形物の製造方法。
この造形物の製造方法によれば、内部流路と翼部流路とを繋ぐ接続流路を形成することにより、接続流路を介して内部流路と翼部流路とに冷却媒体を循環させることができる。これにより、造形物の内部と翼部とを効率的かつ均一に冷却させることができる。また、翼部流路と内部流路とに冷却媒体を循環させることにより、流路内での閉塞の有無等を容易に判定できる。
(7) 棒状の軸体と、
前記軸体の外周に設けられ、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層して造形された翼部を有する造形部と、
前記造形部における前記翼部に沿って形成された翼部流路と、
前記軸体の周囲に形成された内部流路と、
を有する、造形物。
この造形物によれば、翼部に沿って形成された翼部流路と、軸体の周囲に形成された内部流路とを有している。したがって、これらの翼部流路と内部流路とに冷却媒体を流すことにより、翼部を含む広い範囲を効率的に冷却させることができる。
(8) 前記内部流路と前記翼部流路とに連通する接続流路を有する、(7)に記載の造形物。
この造形物によれば、内部流路と翼部流路とが接続流路によって繋げられているので、接続流路を介して内部流路と翼部流路とに冷却媒体を循環させることができる。これにより、造形物の内部と翼部とを効率的かつ均一に冷却させることができる。また、翼部流路と内部流路とに冷却媒体を循環させることにより、流路内での閉塞の有無等を容易に判定できる。
(9) 前記翼部流路の少なくとも一部は、
軸断面視で台形状に形成され、
前記翼部の外面に沿う面が前記翼部の外面に対して平行である、(7)または(8)に記載の造形物。
この造形物によれば、翼部流路が軸断面視で台形状に形成されているので、冷却媒体を円滑に流すことができる。また、台形状の翼部流路における翼部の外面に沿う面が翼部の外面に対して平行であるので、翼部の外面から翼部流路までの肉厚を均一にすることができ、翼部を均等に冷却させることができる。
(10) 前記翼部流路の少なくとも一部は、
軸断面視で湾曲状に形成され、
前記翼部の外面に沿う面は、前記翼部の外面に対して平行な面を有する、(7)~(9)のいずれか一つに記載の造形物。
この造形物によれば、翼部流路が軸断面視で湾曲状に形成されているので、軸断面において広い範囲に冷却媒体を流すことができる。また、湾曲状の翼部流路における翼部の外面に沿う面が翼部の外面に対して平行な面を有するので、翼部の外面から翼部流路までの肉厚を均一に近づけることができ、翼部を均等に冷却させることができる。
51 軸体
53 造形部
55 ブレード(翼部)
59 溝部
63 翼部流路
65 内部流路
67,67A~67D 接続流路
B 溶着ビード
BL1,BL2,BL3 溶着ビード層
GA1,GA2,GB1,GB2 隙間
M 溶加材
W 造形物
X 延在方向

Claims (10)

  1. 棒状の軸体の外周に溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層して造形された翼部を有する造形部を備えた造形物を製造する造形物の製造方法であって、
    前記造形部を造形する際に、前記翼部の延在方向に沿って前記溶着ビードを形成して前記翼部を造形する翼部造形工程を行うとともに、
    前記翼部造形工程において、
    前記溶着ビードを積層させる際に、前記溶着ビード同士に隙間をあけて中空部分を形成することにより、軸断面視で前記溶着ビードによって囲われた翼部流路を前記溶着ビードの延伸方向に沿って形成する翼部流路形成工程を行う、
    造形物の製造方法。
  2. 前記翼部流路形成工程において前記翼部流路の少なくとも一部を形成する際に、
    複数の前記溶着ビードからなる溶着ビード層における前記隙間を下層から上層に向かって狭めることで、軸断面視で台形状の前記翼部流路を形成する、
    請求項1に記載の造形物の製造方法。
  3. 前記翼部流路形成工程において前記翼部流路の少なくとも一部を形成する際に、
    複数の前記溶着ビードからなる溶着ビード層において、下層側で二つの前記隙間を形成し、上層側で前記下層の二つの隙間に繋がる一つの前記隙間を形成することにより、軸断面視で湾曲状の前記翼部流路を形成する、
    請求項1または請求項2に記載の造形物の製造方法。
  4. 前記翼部流路形成工程において、
    前記翼部流路における前記翼部の外面に沿う面が前記翼部の外面に対して平行となるように、前記溶着ビードの隙間を形成する、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の造形物の製造方法。
  5. 前記軸体の外周に溝部を形成し、前記軸体の外周に前記溝部の開口部分を塞ぐように前記溶着ビードを積層させることにより、内部流路を形成する内部流路形成工程を含む、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の造形物の製造方法。
  6. 前記造形部を造形する際に、前記内部流路と前記翼部流路とを繋ぐ接続流路を形成する接続流路形成工程を行う、
    請求項5に記載の造形物の製造方法。
  7. 棒状の軸体と、
    前記軸体の外周に設けられ、溶加材を溶融及び凝固させた溶着ビードを積層して造形された翼部を有する造形部と、
    前記造形部における前記翼部に沿って形成された翼部流路と、
    前記軸体の周囲に形成された内部流路と、
    を有する、
    造形物。
  8. 前記内部流路と前記翼部流路とに連通する接続流路を有する、
    請求項7に記載の造形物。
  9. 前記翼部流路の少なくとも一部は、
    軸断面視で台形状に形成され、
    前記翼部の外面に沿う面が前記翼部の外面に対して平行である、
    請求項7または請求項8に記載の造形物。
  10. 前記翼部流路の少なくとも一部は、
    軸断面視で湾曲状に形成され、
    前記翼部の外面に沿う面は、前記翼部の外面に対して平行な面を有する、
    請求項7~9のいずれか一項に記載の造形物。
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