JP2022094439A - レンズミラーアレイ、及びこのレンズミラーアレイを用いた画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ノイズ光の原因となる迷光を効果的に遮光することができ、光学特性を良好にすることができるレンズミラーアレイ、及びこのレンズミラーアレイを用いた画像形成装置を提供する。【解決手段】レンズミラーアレイ２０は、複数の光学エレメント２１を配列した構造を有する。各光学エレメント２１は、光が入射する入射面２２と、入射面２２を介して入射した光を出射する出射側レンズ面２５と、入射面２２を介して入射した光を出射側レンズ面２５に向けて反射する上流側反射面２３及び下流側反射面２４と、光を遮光する遮光膜２６と、を有する。入射面２２は、入射面２２に入射する光のうち出射側レンズ面２５から出射される有効光を通す入射側レンズ面２２１と、入射面２２に入射する光のうち迷光となる不要光を遮光膜２６に向かわせる指向レンズ面２２２と、を含む。【選択図】図６

Description

本発明の実施形態は、複写機、プリンタ、スキャナなどに組み込まれるレンズミラーアレイ、及びこのレンズミラーアレイを用いた画像形成装置に関する。

例えば、画像形成装置の原稿読取装置は、原稿面から入射する光を屈折及び反射してセンサアレイに集光するためのレンズミラーアレイを有する。また、画像形成装置の感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する露光装置は、光源から入射する画像信号に基づく光を屈折及び反射して感光体ドラムの表面に集光するためのレンズミラーアレイを有する。

露光装置のレンズミラーアレイは、例えば、主走査方向に並んだ複数の光源からの光を感光体ドラムの表面へ集光する複数の光学エレメントを有する。レンズミラーアレイは、複数の光学エレメントを主走査方向に一体につなげた構造を有する。レンズミラーアレイは、例えば透明な樹脂により形成することができる。

レンズミラーアレイの各光学エレメントは、その表面の一部に遮光層を有する。遮光層は、露光に不要な光（例えば、隣の光学エレメントへ不所望に入射する光など）を遮光する。

特開２０１８－１２８６４３号公報

レンズミラーアレイは、通常、射出成形により形成する。このため、レンズミラーアレイの各光学エレメントは、露光に必要な有効光を導光するためのレンズ面や反射面の他に、ノイズ光の原因となる迷光を生じる表面部分を有する。この表面部分は、表面部分で反射又は屈折する迷光を生じ、この迷光が有効光に混ざって出射されると、画質を劣化させる原因となる。しかし、射出成形によりレンズミラーアレイを形成する場合、このような迷光を生じる不要な表面部分を無くすことは難しい。

本発明が解決しようとする課題は、ノイズ光の原因となる迷光を効果的に遮光することができ、光学特性を良好にすることができるレンズミラーアレイ、及びこのレンズミラーアレイを用いた画像形成装置を提供することである。

実施形態のレンズミラーアレイは、複数の光学エレメントを配列した構造を有する。各光学エレメントは、光が入射する入射面と、入射面を介して入射した光を出射する出射面と、入射面を介して入射した光を出射面に向けて反射する少なくとも１つの反射面と、光を遮光する遮光部と、を有する。入射面は、入射面に入射する光のうち出射面から出射される有効光を通す有効面と、入射面に入射する光のうち迷光となる不要光を遮光部に向かわせる指向面と、を含む。

図１は、本発明の実施形態に係る複写機を示す概略図である。 図２は、図１の複写機に組み込まれた原稿読取装置を示す概略図である。 図３は、図２の原稿読取装置に組み込まれたレンズミラーアレイを示す外観斜視図である。 図４は、図１の複写機に組み込まれた画像形成部の露光装置を拡大して示す部分拡大概略図である。 図５は、本発明の他の実施形態に係るプリンタの要部を示す概略図である。 図６は、図３のレンズミラーアレイの一部を矢印Ｆ６方向から見た部分拡大斜視図である。 図７は、図３のレンズミラーアレイの一部を矢印Ｆ７方向から見た部分拡大斜視図である。 図８は、図３のレンズミラーアレイの一部を矢印Ｆ８方向から見た部分拡大斜視図である。 図９は、図３のレンズミラーアレイの一部を矢印Ｆ９方向から見た部分拡大平面図である。 図１０は、図９のレンズミラーアレイをＦ１０－Ｆ１０で切断した断面図である。 図１１は、図３のレンズミラーアレイの一部を示す平面図である。 図１２は、図１１のレンズミラーアレイをＦ１２－Ｆ１２で切断した断面図である。 図１３は、図１１のレンズミラーアレイをＦ１３－Ｆ１３で切断した断面図である。 図１４は、図３のレンズミラーアレイの第１及び第２柱面の形状について説明するための断面図である。

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図１は、画像形成装置の一実施形態である複写機１００を示す概略図である。この複写機１００は、例えば、ＬＥＤなどの半導体発光素子を光源に使用した露光光学系を有する固体走査方式のＬＥＤ複写機である。

複写機１００は、筐体２を有する。筐体２は、その上面に原稿をセットする透明な原稿台ガラス３を有する。複写機１００は、原稿台ガラス３の上に、自動原稿送り装置（ＡＤＦ）４を有する。ＡＤＦ４は、原稿台ガラス３を開閉することができる。ＡＤＦ４は、後述する原稿読取位置（読取ガラス５）を通して原稿を給送するとともに、原稿台ガラス３上に載置した原稿を押える原稿押えとして機能する。

複写機１００は、原稿台ガラス３の下方に、原稿の表面である原稿面に記載された情報を読み取る原稿読取装置１０を有する。図２は、原稿読取装置１０を示す概略図である。原稿読取装置１０は、図示しない駆動機構によって原稿台ガラス３に沿って副走査方向（図示左右方向）へ移動することができる。また、原稿読取装置１０は、原稿台ガラス３と面一に並設した透明な読取ガラス５の下（図１に示す位置）に固定配置することができる。

図２に示すように、原稿読取装置１０は、矩形ブロック状の支持体１１を有する。支持体１１は、後述する感光体ドラムの回転軸と平行な主走査方向（紙面と直交する方向）に延びた長尺な構造を有する。原稿読取装置１０は、主走査方向に延びて水平に配置した長尺な基板１２を有する。基板１２は、その上面に、支持体１１を備えている。基板１２および支持体１１は、原稿台ガラス３に沿って副走査方向に移動することができる。

支持体１１は、原稿台ガラス３側（読取ガラス５側）の上面に、２つの照明装置１３、１４を備えている。照明装置１３、１４は、それぞれ、主走査方向に延びた長尺な構造を有する。照明装置１３、１４は、図２で左右方向（副走査方向）に互いに離間している。照明装置１３、１４は、支持体１１とともに副走査方向に移動して原稿台ガラス３に載置された原稿の原稿面を照明する。或いは、照明装置１３、１４は、読取ガラス５に沿って給送される原稿を読取ガラス５を介して照明する。支持体１１は、照明装置１３、１４が出射する照明光が原稿の読取領域に向かう傾斜した姿勢で照明装置１３、１４を支持している。

照明装置１３、１４は、例えば、図示しない複数個のＬＥＤ素子を主走査方向に並べた光源を有し、主走査方向に延設した図示しない導光体を備えている。照明装置１３、１４として、これ以外に、蛍光管、キセノン管、冷陰極線管、有機ＥＬなどを用いることができる。

支持体１１は、その上面近くで且つ上述した２つの照明装置１３、１４の間に、レンズミラーアレイ２０を支持している。図３は、レンズミラーアレイ２０の外観斜視図を示す。レンズミラーアレイ２０は、主走査方向に延びた長尺な構造を有する。レンズミラーアレイ２０は、原稿の正立像を基板１２に実装したイメージセンサ１５上で結像させる。レンズミラーアレイ２０については後に詳述する。

イメージセンサ１５（光電変換部）は、主走査方向に延びた長尺な構造を有する。イメージセンサ１５は、光を電気信号に変換する撮像素子をライン状に複数個配列したラインセンサである。イメージセンサ１５は、１本または複数本のラインセンサである。イメージセンサ１５は、複数の撮像素子を主走査方向に並んで配列している。イメージセンサ１５は、例えばCharge Coupled Device（ＣＣＤ）、Complimentary Metal Oxide Semiconductor（ＣＭＯＳ）、または他の撮像素子により構成することができる。

支持体１１は、その上面に、遮光部材１６を備えている。遮光部材１６は、主走査方向に延びた長尺な構造を有する。遮光部材１６は、例えば、長尺な矩形の板を長手方向に沿って折り曲げることにより形成することができる。遮光部材１６は、原稿からの反射光を通過させてレンズミラーアレイ２０へ導くスリット１７を有する。遮光部材１６は、その表面に遮光材を有する。遮光部材１６のスリット１７は、原稿からの反射光を通過させて、反射光の副走査方向の幅を絞るための絞りとして機能する。スリット１７の副走査方向の幅及び副走査方向の配置位置は、スリット１７を通過した原稿からの反射光がレンズミラーアレイ２０の後述する入射面２２に入射する幅及び配置位置である。

支持体１１は、レンズミラーアレイ２０を収容配置した部屋１１１とイメージセンサ１５を収容配置した部屋１１２を有する。言い換えると、支持体１１は、２つの部屋１１１、１１２を上下に区画した隔壁１１３を有する。隔壁１１３は、主走査方向に延びたスリット１８を有する。スリット１８は、レンズミラーアレイ２０の後述する出射側レンズ面２５から出射された光を通過させて、この通過する光の副走査方向の幅を規定する。これにより、スリット１８は、原稿の読み取りに不要な不要光や迷光をスリット１８のエッジで遮光する。

例えば、読取ガラス５の下に原稿読取装置１０を固定した図１及び図２に示す状態で、ＡＤＦ４によって原稿を給送する場合、照明装置１３、１４は、読取ガラス５を介して原稿を照明する。原稿からの反射光は、遮光部材１６のスリット１７を介してレンズミラーアレイ２０へ入射する。レンズミラーアレイ２０は、原稿からの反射光を後述するように反射および集光して、スリット１８を介してイメージセンサ１５へ向けて出射する。イメージセンサ１５は、原稿からの反射光をその結像点で受光して光電変換して画像信号を出力する。

このとき、原稿読取装置１０は、読取ガラス５上を通過する原稿の正立像を主走査方向に沿った１ラインずつ読み取る。原稿読取装置１０は、原稿が読取ガラス５を副走査方向に通過することで、原稿の全体（複数ライン分）の画像を取得することができる。或いは、原稿台ガラス３に原稿をセットして原稿読取装置１０を原稿台ガラス３に沿って副走査方向に移動させる場合も、同様に、原稿読取装置１０は、原稿の全体（複数ライン分）の画像を取得することができる。

図１に示すように、複写機１００は、筐体２内の略中央に画像形成部３０を有する。複写機１００は、画像形成部３０の上方に、中間転写ベルト４０を有する。画像形成部３０は、中間転写ベルト４０の走行方向に沿って、イエロー画像形成部３０１、マゼンタ画像形成部３０２、シアン画像形成部３０３、およびブラック画像形成部３０４を有する。各色の画像形成部３０１、３０２、３０３、３０４は略同じ構造を有するため、ここではブラック画像形成部３０４について代表して説明し、他の色の画像形成部３０１、３０２、３０３についての詳細な説明を省略する。

図４は、ブラック画像形成部３０４とその周辺構造を示す概略図である。ブラック画像形成部３０４は、感光体ドラム３１４、帯電チャージャ３２４、露光装置５０４、現像器３３４（現像装置）、一次転写ローラ３４４、クリーナ３５４、およびブレード３６４を有する。図４は、露光装置５０４の拡大図を含む。

感光体ドラム３１４は、紙面と直交する主走査方向に延設された回転軸を有する。感光体ドラム３１４は、中間転写ベルト４０の表面（外側の面）に接触する外周面を有する。感光体ドラム３１４は、その外周面が中間転写ベルト４０と同じ速度で同じ方向に移動するように回転する。画像形成部３０の図示しない駆動機構は、感光体ドラム３１４を、図示矢印方向（時計回り方向）に中間転写ベルト４０と同じ速度で回転させる。

一次転写ローラ３４４は、中間転写ベルト４０を間に挟んで、感光体ドラム３１４の上方に対向している。一次転写ローラ３４４は、主走査方向に延びた回転軸を有する。一次転写ローラ３４４は、中間転写ベルト４０の裏面（内側の面）に接触する外周面を有する。つまり、中間転写ベルト４０は、感光体ドラム３１４と一次転写ローラ３４４の間を走行する。

帯電チャージャ３２４は、感光体ドラム３１４の表面を一様に帯電させる。露光装置５０４は、色分解されたブラックの画像信号に基づく露光光を感光体ドラム３１４の表面に照射し、感光体ドラム３１４の表面にブラック用の画像信号に基づく静電潜像を形成する。現像器３３４は、感光体ドラム３１４の表面に形成された静電潜像にブラックトナーを供給し、感光体ドラム３１４の表面にブラックトナー像を形成する。

一次転写ローラ３４４は、感光体ドラム３１４の表面に形成されたブラックトナー像を他の色のトナー像に重ねて中間転写ベルト４０上に転写する。クリーナ３５４およびブレード３６４は、感光体ドラム３１４の表面に残留したトナーを除去する。中間転写ベルト４０の表面に重ねて転写された各色トナー像は、中間転写ベルト４０の走行により、一対の二次転写ローラ３７１、３７２（以下の説明では総称して転写ローラ対３７とする場合もある）の間に向けて移動する。

図４に拡大して示すように、ブラック画像形成部３０４の露光装置５０４は、レンズミラーアレイ２０、光源ユニット５２、及びケース５４を有する。これら露光装置５０４の構成要素２０、５２、５４は、感光体ドラム３１４の回転軸と平行な主走査方向に延びた長尺な構造を有し、感光体ドラム３１４と略同じ主走査方向の長さを有する。露光装置５０４は、感光体ドラム３１４の図示下方に離間して対向している。

露光装置５０４のケース５４は、上述した原稿読取装置１０のレンズミラーアレイ２０と同じ構造のレンズミラーアレイ２０をその内部に収容配置している。ケース５４は、原稿読取装置１０のレンズミラーアレイ２０と天地を逆転した向きで、レンズミラーアレイ２０を保持している。また、ケース５４は、その内部に、光源ユニット５２を保持している。ケース５４は、光源ユニット５２の後述する光源５１とレンズミラーアレイ２０を互いに位置合わせした状態で固定している。

ケース５４は、主走査方向に延びた天壁５４１及び２つの側壁５４２、５４２を一体に有する。天壁５４１は、主走査方向に延びたスリット５４１１を備えている。ケース５４は、例えば、１枚の矩形の板金を形状加工することにより形成することができる。天壁５４１は、長尺な矩形板状の構造を有する。ケース５４の天壁５４１は、感光体ドラム３１４の表面に対向する。

ケース５４の２つの側壁５４２、５４２は、それぞれ、上壁部分５４２１、肩壁部分５４２２、及び下壁部分５４２３を有する。２つの側壁５４２は、同じ構造を左右反転した形状を有する。ケース５４は、この他に、主走査方向の両端に配置した２枚の端壁（図示せず）を有してもよい。

天壁５４１の副走査方向の両端縁には、各側壁５４２の上壁部分５４２１がそれぞれ一体につながっている。上壁部分５４２１は、天壁５４１の副走査方向の端縁から感光体ドラム３１４に向かう方向と反対の方向に延びており、天壁５４１と略直交している。上壁部分５４２１の天壁５４１から離間した端縁には肩壁部分５４２２がそれぞれ一体につながっている。肩壁部分５４２２は、上壁部分５４２１の端縁から副走査方向の外側に互いに離間する方向に延びており、上壁部分５４２１と略直交している。肩壁部分５４２２の上壁部分５４２１から離間した端縁には、下壁部分５４２３がそれぞれ一体につながっている。下壁部分５４２３は、肩壁部分５４２２の端縁から感光体ドラム３１４に向かう方向と反対の方向に延びており、肩壁部分５４２２と略直交している。

ケース５４の内部には、２つの上壁部分５４２１の間の副走査方向に沿った幅が比較的狭い収容空間５４３１と、２つの下壁部分５４２３の間の副走査方向に沿った幅が比較的広い収容空間５４３２がある。感光体ドラム３１４に近い比較的幅の狭い収容空間５４３１にレンズミラーアレイ２０を収容配置し、感光体ドラム３１４から離れた比較的幅の広い収容空間５４３２に光源ユニット５２を収容配置している。

ケース５４の天壁５４１に設けたスリット５４１１は、露光に必要な光を通過させることができる副走査方向の幅を有する。スリット５４１１は、通過する光の副走査方向の幅を規制し、露光に不必要な不要光や迷光をスリット５４１１のエッジで遮光する。天壁５４１は、感光体ドラム３１４側の外面に、スリット５４１１の全長を覆う大きさの長尺な矩形板状の保護ガラス５５を備えている。保護ガラス５５は、接着剤Ｓにより天壁５４１の外面に固定されており、レンズミラーアレイ２０にトナーや埃などが付着することを防ぐ。

ケース５４は、レンズミラーアレイ２０を主走査方向に延びた状態で収容空間５４３１内に収容している。接着剤Ｓは、ケース５４の一方の上壁部分５４２１の内面にレンズミラーアレイ２０を固定している。レンズミラーアレイ２０は、光源ユニット５２の光源５１から入射した光を後述するように反射および集光して、感光体ドラム３１４の表面に向けて出射する。レンズミラーアレイ２０については後に詳述する。

光源ユニット５２は、光源５１及びホルダ５３を有する。ホルダ５３は、主走査方向に延びた断面略Ｕ字状の構造を有する。ホルダ５３は、光源５１を取り付ける天壁５３１を有する。天壁５３１は、長尺な矩形板状である。ホルダ５３は、天壁５３１の副走査方向の端縁に連続した２枚の側壁５３２を有する。側壁５３２は、それぞれ、長尺な矩形板状である。２枚の側壁５３２は、天壁５３１の端縁から光源５１と反対側に略直交する方向に延びている。ホルダ５３は、例えば、矩形板状の板金を形状加工することにより形成することができる。ホルダ５３の２枚の側壁５３２の外面を、それぞれ、接着剤Ｓによりケース５４の下壁部分５４２３の内面に接着することで、ホルダ５３をケース５４に固定している。

ホルダ５３の天壁５３１は、その図示上面（レンズミラーアレイ２０側の面）に、光源５１を備えている。接着剤Ｓは、光源５１を天壁５３１の上面に固定している。光源５１は、例えば、図示しない複数個の発光素子を主走査方向に並べて図示しない基板の表面、或いは、ガラス板の表面にライン状に実装したものである。光源５１は、複数個の発光素子を１本または複数本のライン状に並べて有する。

光源５１は、原稿読取装置１０で取得した画像データや図示しないパーソナルコンピュータなどの外部機器を介して取得した画像データを色分解したブラック用の画像データ（画像信号）に基づく光を出射する。光源５１の複数の発光素子は、例えば、画像データに基づいて発光または消灯するＬＥＤまたはＯＬＥＤなどである。

光源５１から出射した光は、収容空間５４３１に配置したレンズミラーアレイ２０の後述する入射面２２に入射する。レンズミラーアレイ２０は、光源５１からの光を反射および集光して後述する出射側レンズ面２５を介して出射する。感光体ドラム３１４は、レンズミラーアレイ２０から出射されてスリット５４１１及び保護ガラス５５を介して導かれた光を受光する。

このとき、感光体ドラム３１４が回転し、露光装置５０４が感光体ドラム３１４の表面に静電潜像を主走査方向に沿った１ラインずつ書き込む。そして、感光体ドラム３１４が一定量回転することにより、露光装置５０４は、原稿の全体画像に対応した色分解したブラック用の静電潜像を感光体ドラム３１４の表面に形成する。

図１に示すように、複写機１００は、中間転写ベルト４０の表面に重ねて転写した各色のトナー像を用紙Ｐに転写する転写ローラ対３７を有する。図４に示すように、一方（図示左側）の転写ローラ３７１は、中間転写ベルト４０を掛け回したローラの１つである。もう一方（図示右側）の転写ローラ３７２は、中間転写ベルト４０を間に挟んで一方の転写ローラ３７１に対向している。中間転写ベルト４０の表面に重ねて転写した各色のトナー像は、中間転写ベルト４０の走行により、転写ローラ対３７のニップを通過する。

複写機１００は、筐体２内の下端近くに、複数枚の所定サイズの用紙Ｐを重ねて収容した給紙カセット６１を備える。給紙カセット６１は、例えば、筐体２の前面から引き出すことができるとともに筐体２内に収納することができる。複写機１００は、給紙カセット６１の図示右端上方に、給紙カセット６１内に収容した用紙Ｐのうち重ね方向の最上端の用紙Ｐを取り出すピックアップローラ６２を備えている。ピックアップローラ６２は、その周面を用紙Ｐに接触させて回転することで用紙Ｐを給紙カセット６１から１枚ずつ取り出す。

複写機１００は、筐体２内の上方に、排紙トレイ６３を備えている。排紙トレイ６３は、原稿台ガラス３より下方に配置されており、画像形成した用紙Ｐを複写機１００の胴内に排紙する。複写機１００は、ピックアップローラ６２と排紙トレイ６３の間に、給紙カセット６１から取り出した用紙Ｐを排紙トレイ６３に向けて縦方向に搬送するための縦搬送路６４を有する。縦搬送路６４は、転写ローラ対３７のニップを通って延びており、複数の搬送ローラ対６４１および図示しない搬送ガイドを備えている。複写機１００は、縦搬送路６４の終端に、排紙トレイ６３へ用紙Ｐを排紙するための排紙ローラ対６３１を備えている。排紙ローラ対６３１は、正逆両方向に回転することができる。

複写機１００は、転写ローラ対３７の下流側（図示上側）の縦搬送路６４上に、定着ローラ対６５を備えている。定着ローラ対６５は、縦搬送路６４を介して搬送される用紙Ｐを加熱するとともに加圧し、用紙Ｐの表面に転写されたトナー像を用紙Ｐの表面に定着させる。

複写機１００は、一方の面に画像形成した用紙Ｐを表裏反転させて転写ローラ対３７のニップへ送り込むための反転搬送路６６を有する。反転搬送路６６は、用紙Ｐを挟持して回転することで搬送する複数の搬送ローラ対６６１及び図示しない搬送ガイドを有する。複写機１００は、排紙ローラ対６３１の上流側に、用紙Ｐの搬送先を縦搬送路６４と反転搬送路６６の間で切り換えるゲート６７を有する。

複写機１００は、ピックアップローラ６２を回転して給紙カセット６１から用紙Ｐを取り出す。複写機１００は、複数の搬送ローラ対６４１を回転して、給紙カセット６１から取り出した用紙Ｐを縦搬送路６４を介して排紙トレイ６３に向けて搬送する。このとき、複写機１００は、用紙Ｐの搬送タイミングに合わせて中間転写ベルト４０の表面に転写形成された各色のトナー像を転写ローラ対３７のニップへ送り込む。そして、複写機１００は、転写ローラ対３７から用紙Ｐに転写電圧を付与し、用紙Ｐの表面に各色のトナー像を転写する。

このように、複写機１００は、トナー像が転写された用紙Ｐを定着ローラ対６５の間のニップに送り込んで加熱及び加圧し、トナー像を溶融して用紙Ｐの表面に押し付け、トナー像を用紙Ｐに定着させる。複写機１００は、このようにして画像形成した用紙Ｐを、排紙ローラ対６３１を介して排紙トレイ６３へ排出する。

このとき、当該用紙Ｐの裏面にも画像形成する両面モードが選択されている場合、複写機１００は、排紙トレイ６３に向けて排出されている用紙Ｐの排出方向の後端が排紙ローラ対６３１のニップを抜ける直前のタイミングで、ゲート６７を反転搬送路６６に切り換える。そして、この後、複写機１００は、排紙ローラ対６３１を逆転し、用紙Ｐをスイッチバック搬送する。これにより、複写機１００は、用紙Ｐの後端を反転搬送路６６に指向して、用紙Ｐを表裏反転して転写ローラ対３７のニップへ再び送り込むことができる。

さらに、複写機１００は、当該用紙Ｐの裏面に形成する画像データに基づくトナー像を中間転写ベルト４０の表面に形成し、各色のトナー像を保持した中間転写ベルト４０を走行させて、各色のトナー像を転写ローラ対３７のニップへ送り込む。そして、複写機１００は、上述したように表裏反転した用紙Ｐの裏面にトナー像を転写して定着させ、排紙ローラ対６３１を介して排紙トレイ６３へ排出する。

複写機１００は、上述した各機構を動作制御する制御部７０を有する。制御部７０は、ＣＰＵ等のプロセッサ、及びメモリを備える。制御部７０は、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、各種の処理機能を実現する。制御部７０は、原稿読取装置１０を制御することにより、原稿から画像を取得する。また、制御部７０は、画像形成部３０を制御することにより、用紙Ｐの表面に画像を形成する。例えば、制御部７０は、原稿読取装置１０で読み取った画像データを画像形成部３０に入力する。制御部７０は、複数の搬送ローラ対６４１、６６１を動作制御して、縦搬送路６４及び反転搬送路６６を通して用紙Ｐを搬送する。

図５は、画像形成装置の他の実施形態であるプリンタ２００の要部を示す概略図である。このプリンタ２００は、例えば、インスタントカメラに組み込まれたプリンタ、又はデジタルカメラなどで撮影した画像を現像するインスタント写真用のプリンタなどである。

プリンタ２００は、例えば銀塩写真フィルムのような感光媒体２０１を図示矢印方向（図５で右方向）に搬送する図示しない搬送機構を有する。搬送機構は、感光媒体２０１を水平な姿勢で搬送する。感光媒体２０１は、搬送方向の先端側に、現像剤を収容した収容部２０１１を備えている。プリンタ２００は、感光媒体２０１を搬送する搬送路上に、感光媒体２０１を挟持押圧して収容部２０１１を破封する一対の押圧ローラ２０２、２０３を備えている。一対の押圧ローラ２０２、２０３は、感光媒体２０１の搬送方向と直交する方向の幅を超える長さを有する。

搬送機構は、感光媒体２０１を一対の押圧ローラ２０２、２０３の間を通して搬送する。押圧ローラ２０２、２０３の少なくとも一方は、図示しないバネ等により他方に向けて付勢されており、押圧ローラ２０２、２０３が互いに近付く方向に押し付ける。一対の押圧ローラ２０２、２０３の間を通して感光媒体２０１を搬送すると、一対の押圧ローラ２０２、２０３は、感光媒体２０１を押し潰しつつ搬送する。これにより、感光媒体２０１の収容部２０１１が一対の押圧ローラ２０２、２０３によって押し潰されて破封され、感光媒体２０１をさらに搬送することで、現像剤が感光媒体２０１の全面に行きわたる。

プリンタ２００は、感光媒体２０１を搬送する搬送方向に沿って一対の押圧ローラ２０２、２０３の上流側に露光装置２１０を備えている。プリンタ２００は、搬送路の図示下方に離間対向して、露光装置２１０を備えている。露光装置２１０は、搬送路を介して搬送される感光媒体２０１の感光面に、画像データを色分解した３色（ＲＧＢ）の露光光を照射して、感光媒体２０１にカラー潜像を形成する。

露光装置２１０は、感光媒体２０１の搬送方向と直交する幅方向（紙面と直交する方向）に延設された支持体２１１を有する。支持体２１１は、上述したレンズミラーアレイ２０と同じ構造のレンズミラーアレイ２０を支持している。レンズミラーアレイ２０は、紙面と直交する幅方向に延設され、光源２１２１、２１２２、２１２３から入射した光を後述するように反射および集光して、感光媒体２０１の感光面に向けて出射する。レンズミラーアレイ２０については、後に詳述する。

光源２１２１、２１２２、２１２３は、例えば、白色有機ＥＬ素子２１３に対して各色それぞれ２列に千鳥配置したフィルターとアパーチャが配置されたＯＬＥＤ（Organic Light Emitting Diode）である。白色有機ＥＬ素子２１３は、透明ガラス２１６に取り付ける。また、ＯＬＥＤは、透明ガラス２１６と封止板２１５と、封止板２１５の外周に塗られ、透明ガラス２１６と封止板２１５の間の空間を密閉する枠状に設けた接着剤２１８により、外気から遮断され、吸湿しないようにされている。白色有機ＥＬ素子２１３は、フレキシブル基板２１９に接続されており、フレキシブル基板２１９上の回路から給電する。支持体２１１は、レンズミラーアレイ２０と光源２１２１、２１２２、２１２３の間で、透明ガラス２１６を支持している。

また、支持体２１１は、レンズミラーアレイ２０の感光媒体２０１側で、透明な保護ガラス２１４を支持している。保護ガラス２１４は、レンズミラーアレイ２０を保護するとともに、レンズミラーアレイ２０に埃が付着することを防ぐ。支持体２１１は、保護ガラス２１４の光の出射側に幅方向に延びたスリット２１７を有する。スリット２１７は、露光に必要な光成分を通過させる幅を有し、露光に不必要な光をスリット２１７のエッジで遮光する。

プリンタ２００は、搬送機構によって感光媒体２０１を搬送するとともに、レンズミラーアレイ２０を介して光源２１２１、２１２２、２１２３からの光を感光媒体２０１に照射し、感光媒体２０１にカラー潜像を形成する。また、プリンタ２００は、搬送機構によって感光媒体２０１を搬送し、感光媒体２０１を一対の押圧ローラ２０２、２０３の間に送り込む。一対の押圧ローラ２０２、２０３は、感光媒体２０１の収容部２０１１を押しつぶして破封し、現像剤を感光媒体２０１に供給する。これにより、感光媒体２０１のカラー潜像を現像し、感光媒体２０１にカラー画像を形成する。

以下、図３とともに、図６乃至図１０を参照して、上述したレンズミラーアレイ２０について説明する。本実施形態のレンズミラーアレイ２０は、上述した複写機１００の原稿読取装置１０や露光装置５０１、５０２、５０３、５０４に組み込んで使用することができるとともに、プリンタ２００の露光装置２１０に組み込んで使用することができる共通の構造を有する。

図３は、レンズミラーアレイ２０の外観斜視図である。図６は、レンズミラーアレイ２０の主走査方向に連続した４つの光学エレメント２１を図３の矢印Ｆ６方向から見た部分拡大斜視図である。図７は、レンズミラーアレイ２０の連続した４つの光学エレメント２１を図３の矢印Ｆ７方向から見た部分拡大斜視図である。図８は、レンズミラーアレイ２０の連続した４つの光学エレメント２１を図３の矢印Ｆ８方向から見た部分拡大斜視図である。図９は、レンズミラーアレイ２０の連続した４つの光学エレメント２１を図３の矢印Ｆ９方向から見た平面図である。図１０は、レンズミラーアレイ２０の１つの光学エレメント２１の主走査方向の中央をレンズミラーアレイ２０の長手方向と直交する面（図９にＦ１０－Ｆ１０で示す）で切断した断面図である。

レンズミラーアレイ２０は、その長手方向が主走査方向（図３における矢印方向）に沿う姿勢で、原稿読取装置１０、露光装置５０１、５０２、５０３、５０４、プリンタ２００の露光装置２１０に組み込むことができる。レンズミラーアレイ２０は、複数（図６乃至図９では４つのみ図示）の略同じ形状の透明な光学エレメント２１を主走査方向に並べて一体に配列した構造を有する。また、レンズミラーアレイ２０は、複数の光学エレメント２１以外に、その長手方向の両端に、作業者が手指でレンズミラーアレイ２０を把持する際に接触することが可能な延長部分２００１（図３）を有する。本実施形態では、レンズミラーアレイ２０は、透明な樹脂の一体成形により形成した。レンズミラーアレイ２０は、透明なガラスにより形成してもよい。

図１０に示すように、レンズミラーアレイ２０の各光学エレメント２１は、物点Ｏからの拡散光を像面（図示せず）にある結像点Ｆに結像させるように導光する。１つの光学エレメント２１は、主走査方向に並んだ複数の物点Ｏからの光を像面で結像させる。例えば、１つの光学エレメント２１は、光学エレメント２１の主走査方向のピッチの２倍乃至３倍の幅の中に配置された物点Ｏからの光を像面に結像させる。レンズミラーアレイ２０の各光学エレメント２１は、それぞれ、入射した光を２回反射して出射して、結像点Ｆにて物点Ｏの正立像を形成する。

例えば、レンズミラーアレイ２０を図２に示す原稿読取装置１０に組み込んだ場合、複数の光学エレメント２１は、原稿からの反射光をイメージセンサ１５の受光面に結像する。また、レンズミラーアレイ２０を図４に示す露光装置５０４に組み込んだ場合、複数の光学エレメント２１は、光源５１からの光を感光体ドラム３１４の表面に結像する。また、レンズミラーアレイ２０を図５に示すプリンタ２００に組み込んだ場合、複数の光学エレメント２１は、光源２１２１、２１２２、２１２３からの光を感光媒体２０１の感光面に結像する。

以下、本実施形態のレンズミラーアレイ２０の構造について詳細に説明する。
レンズミラーアレイ２０の各光学エレメント２１は、その表面に、入射面２２、上流側反射面２３、下流側反射面２４、出射側レンズ面２５（出射面）、及び遮光膜２６（遮光部）を有する。入射面２２は、入射側レンズ面２２１（有効面）と、指向レンズ面２２２（指向面）と、を含む。指向レンズ面２２２は、第１柱面２２２１と、第２柱面２２２２と、を含む。入射側レンズ面２２１、第１柱面２２２１、第２柱面２２２２、下流側反射面２４、および出射側レンズ面２５は、外側に凸となる自由曲面である。上流側反射面２３は、平らな面である。

入射側レンズ面２２１は、入射面２２に入射する光のうち出射側レンズ面２５から出射される有効光（例えば露光に必要な光）を通す。指向レンズ面２２２の第１及び第２柱面２２２１、２２２２は、入射面２２に入射する光のうち迷光となる不要光を遮光膜２６に向かわせる。入射面２２は、入射側レンズ面２２１及び指向レンズ面２２２以外の面を含んでもよい。

第１及び第２柱面２２２１、２２２２は、各面が主走査方向と直交する面と交差する線を主走査方向に移動してできる柱面である。このため、複数の光学エレメント２１の第１及び第２柱面２２２１、２２２２は、それぞれ、レンズミラーアレイ２０の全長にわたってつながった１つの面を構成している。本実施形態では、説明を分かり易くするため、第１及び第２柱面２２２１、２２２２を曲率の異なる円筒面の一部であるものと仮定する。

光学エレメント２１は、第１柱面２２２１と第２柱面２２２２の間に主走査方向に延びた溝２２２３を有する。複数の光学エレメント２１の溝２２２３は、レンズミラーアレイ２０の主走査方向につながった１本の溝を構成している。各光学エレメント２１は、溝２２２３の底に入射側レンズ面２２１をそれぞれ有する。各光学エレメント２１の入射側レンズ面２２１は、有効光を集光する自由曲面であり、第１柱面２２２１及び第２柱面２２２２とは異なる形状の曲面である。溝２２２３の幅及び深さは、入射側レンズ面２２１の形状及び大きさによって決まる。溝２２２３は、本発明に必須の構成ではない。

第１柱面２２２１、溝２２２３（すなわち入射側レンズ面２２１）、及び第２柱面２２２２の並び方向は、主走査方向と交差する方向である。つまり、第１柱面２２２１は、複数の光学エレメント２１を配列した主走査方向と交差する方向の入射側レンズ面２２１の一側に隣接している。第２柱面２２２２は、複数の光学エレメント２１を配列した主走査方向と交差する方向の入射側レンズ面２２１の他側に隣接している。

光学エレメント２１は、指向レンズ面２２２の第１柱面２２２１と上流側反射面２３の間に、主走査方向に延びた稜部２００２を有する。複数の光学エレメント２１の稜部２００２は、レンズミラーアレイ２０の全長にわたって一直線につながっている。

複数の光学エレメント２１の上流側反射面２３は、図７に示すように、稜部２００２側の端部同士が面一につながった櫛歯状の平らな面を構成している。言い換えると、レンズミラーアレイ２０は、複数の光学エレメント２１の上流側反射面２３の間に、反射面を分断する複数本の溝２７を有する。

レンズミラーアレイ２０は、複数本の溝２７と複数の出射側レンズ面２５の間に、有効光の導光に寄与しない表面部分を有する。この表面部分は、複数本の溝２７の底面に連続した傾斜面２８と、傾斜面２８の溝２７から離間した端辺に連続して複数の出射側レンズ面２５につながった平面２９と、を含む。溝２７の内面も有効光の導光に寄与しない表面部分である。傾斜面２８及び平面２９は、レンズミラーアレイ２０の全長にわたって延びた平らな面である。傾斜面２８と平面２９の間の稜部は、主走査方向に一直線に延びており、レンズミラーアレイ２０の外方に突出している。

複数の光学エレメント２１は、平面２９の傾斜面２８から離間した端辺に連続した出射側レンズ面２５をそれぞれ有する。また、複数の光学エレメント２１は、その表面に、下流側反射面２４をそれぞれ有する。光学エレメント２１は、入射面２２の第２柱面２２２２と下流側反射面２４の間に、露光に必要な有効光の導光に寄与しない表面部分２０６を有する。この表面部分２０６は、レンズミラーアレイ２０の全長にわたって延びた略平らな面である。

レンズミラーアレイ２０は、複数の出射側レンズ面２５の平面２９から離間した端辺に連続してフランジ部２０５を有する。フランジ部２０５は、レンズミラーアレイ２０の全長にわたって延びている。フランジ部２０５は、例えば、露光装置５０４のケース５４の内面に当接して、レンズミラーアレイ２０をケース５４に位置決めする。

光学エレメント２１は、有効光の導光に寄与しない上述した表面部分に遮光膜２６を有する。遮光膜２６は、ディスペンサやインクジェットヘッド等により上述した表面部分に遮光材を塗布することにより形成する。遮光材は、例えば、レンズミラーアレイ２０と略同じ屈折率を有するポリマーを基材とする遮光性の高いインク（例えばカーボンブラックや顔料や染料などの遮光材料を含有させたＵＶインク）である。遮光膜２６は、レンズミラーアレイ２０内を伝わる光が反射されること、及びレンズミラーアレイ２０の外へ出射されることを防ぐ。

本実施形態のレンズミラーアレイ２０は、複数本の溝２７の内面、傾斜面２８、及び平面２９に、遮光膜２６を有する。第２柱面２２２２と下流側反射面２４の間の表面部分２０６に遮光膜２６を設けてもよい。溝２７の内面に遮光膜２６を形成する場合、例えば、ディスペンサにより溝２７内に遮光材を注入し、溝２７の毛細管現象や濡れ拡がり等によって溝２７の内面に遮光材を塗布する。このように、毛細管現象や濡れ拡がり等を利用して遮光膜２６を溝２７の内面に塗布すると、適量の遮光材を連続的に素早く塗布することができ、作業を簡単にできるとともに遮光材を各光学エレメント２１に均一に塗布することができる。

主走査方向に隣接する２つの光学エレメント２１の間の架空の境界面（図６－８の断面）は、主走査方向と直交する面であり、上述した各面２２（２２１、２２２）、２３、２４、２５、２８、２９と概ね直交する面である。光学エレメント２１の各面２２（２２１、２２２）、２３、２４、２５、２８、２９は、概ねレンズミラーアレイ２０の長手方向に沿った面である。つまり、複数の光学エレメント２１を主走査方向に一体につなげたレンズミラーアレイ２０において、光学エレメント２１の各面２２（２２１、２２２）、２３、２４、２５、２８、２９は、それぞれ、主走査方向につながった連続した面となる。

以下、レンズミラーアレイ２０の機能について、レンズミラーアレイ２０を露光装置５０４に組み込んだ場合を例にとって説明する。例えば、レンズミラーアレイ２０を露光装置５０４に組み込む場合、複数の光学エレメント２１の入射面２２が光源５１（図４）に対向する姿勢でレンズミラーアレイ２０をケース５４に固定して取り付ける。

光源５１から出射された光は、複数の光学エレメント２１の入射面２２に入射する。つまり、物点Ｏに置かれた光源５１からの拡散光が入射面２２に入射する。光源５１が主走査方向に延びた線状の光源であると仮定した場合、物点Ｏは、主走査方向に線状に並んだ複数の点となる。

入射面２２に入射する光のうち露光に必要な有効光は、図１０に示すように、複数の光学エレメント２１の入射側レンズ面２２１を介してレンズミラーアレイ２０に入射する。各光学エレメント２１の入射側レンズ面２２１は、入射した拡散光を集光するとともに中間倒立像を形成する。

上流側反射面２３は、入射側レンズ面２２１を介して入射した有効光を下流側反射面２４に向けて全反射またはフレネル反射により反射する。下流側反射面２４は、上流側反射面２３で反射した有効光を出射側レンズ面２５に向けて全反射またはフレネル反射によりさらに反射する。下流側反射面２４は、平らな面により形成してもよい。

出射側レンズ面２５は、下流側反射面２４で反射した有効光を結像点Ｆに配置された感光体ドラム３１４の表面に向けて出射する。この場合、結像点Ｆも、主走査方向に線状に並んだ複数の点である。出射側レンズ面２５は、下流側反射面２４と協働して、入射側レンズ面２２１により形成された中間倒立像の倒立像である正立像を形成する。出射側レンズ面２５から出射された有効光は、結像点Ｆに配置された感光体ドラム３１４の表面にて結像する。

ところで、各光学エレメント２１の入射面２２には、上述した有効光の他に、露光に不必要な不要光も入射する。例えば、入射面２２のうち入射側レンズ面２２１に隣接した第１柱面２２２１及び第２柱面２２２２の少なくとも一方を介して不要光がレンズミラーアレイ２０に入射する可能性がある。このような不要光は、レンズミラーアレイ２０の各面で屈折及び反射されて迷光となり、出射側レンズ面２５を介して感光体ドラム３１４の表面に向けて出射される上述した有効光に混ざり、ノイズ光となる可能性がある。

よって、本実施形態では、第１柱面２２２１及び第２柱面２２２２の少なくとも一方を介して入射する不要光を遮光膜２６に向けて集光して迷光を抑制し、感光体ドラム３１４の表面に結像する有効光にノイズ光が混ざる不具合を防止するようにした。言い換えると、本実施形態では、入射側レンズ面２２１に隣接して第１及び第２柱面２２２１、２２２２を設け、これら第１及び第２柱面２２２１、２２２２を、第１及び第２柱面２２２１、２２２２に入射した不要光を遮光膜２６に指向させることができる形状に形成した。

以下、図１１乃至図１４を参照して、第１及び第２柱面２２２１、２２２２を介してレンズミラーアレイ２０に入射する不要光の導光経路について説明する。図１１は、レンズミラーアレイ２０の主走査方向に連続した４つの光学エレメント２１を示す平面図である。図１２は、Ｆ１２－Ｆ１２線に沿って１つの光学エレメント２１を主走査方向の中央で切断した断面図である。図１３は、主走査方向に連続した２つの光学エレメント２１の間の架空の境界面でレンズミラーアレイ２０をＦ１３－Ｆ１３線に沿って切断した断面図である。図１４は、第１柱面２２２１及び第２柱面２２２２の形状について説明するための図である。

図１２及び図１３に示すように、第１柱面２２２１は、第１柱面２２２１に入射した不要光を、上流側反射面２３から外れた図示下方に屈折して集光する。このため、第１柱面２２２１に入射した不要光は、櫛歯状の溝２７の内面に塗布した遮光膜２６や傾斜面２８に塗布した遮光膜２６に向かう。一部の不要光は、上流側反射面２３で反射されたのち、櫛歯状の溝２７の内面に塗布した遮光膜２６に向かう。

第１柱面２２２１は、図１４に示すように、主走査方向と直交する面（図中の断面）と第１柱面２２２１が交差する曲線が、有効光の光軸２２２０より第２柱面２２２２側の点２２２４を中心とした円の一部に重なる形状を有する。このように、第１柱面２２２１の形状を設定することにより、第１柱面２２２１に入射した不要光を図示下方に向かわせることができ、遮光膜２６に導くことができる。

また、第２柱面２２２２は、図１２及び図１３に示すように、第２柱面２２２２に入射した不要光を遮光膜２６に向けて屈折して集光する。このため、第２柱面２２２２に入射した不要光は、櫛歯状の溝２７の内面に塗布した遮光膜２６、傾斜面２８に塗布した遮光膜２６、及び平面２９に塗布した遮光膜２６に向かう。一部の不要光は、表面部分２０６で反射されたのち、櫛歯状の溝２７の内面に塗布した遮光膜２６、及び傾斜面２８に塗布した遮光膜２６に向かう。

第２柱面２２２２は、図１４に示すように、主走査方向と直交する面（図中の断面）と第２柱面２２２２が交差する曲線が、有効光の光軸２２２０より第１柱面２２２１側の点２２２５を中心とした円の一部に重なる形状を有する。このように、第２柱面２２２２の形状を設定することにより、第２柱面２２２２に入射した不要光を図示上方に向かわせることができ、遮光膜２６に導くことができる。

また、第１柱面２２２１は、光軸２２２０に対して上流側反射面２３と同じ側にあるので、不要光が上流側反射面２３に入射しないように、不要光を大きく屈折させるため、曲率を大きくしている。一方、第２柱面２２２２は、光軸２２２０に対して上流側反射面２３の反対側にあるので、不要光が上流側反射面２３に入射しないように不要光を大きく屈折させないために、曲率を小さくしている。

以上のように、本実施形態によると、入射側レンズ面２２１に隣接した第１及び第２柱面２２２１、２２２２に入射した不要光を遮光膜２６に導くようにしたため、ノイズ光の原因となる迷光を効果的に遮光することができる。すなわち、本実施形態によると、良好な光学特性を有するレンズミラーアレイ２０を提供することができる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

例えば、上述した実施形態では、不要光を遮光膜２６に導く指向レンズ面２２２を入射面２２にのみ設けた場合について説明したが、これに加えて、レンズミラーアレイ２０の表面の他の部分に別の指向レンズ面を設けてもよい。しかし、指向レンズ面２２２は、光が入射する入射面２２に設けることが有効であり、入射側レンズ面２２１に並べて設けることが有効である。

また、上述した実施形態では、不要光を遮光する遮光膜２６を複数の溝２７の内面、傾斜面２８、及び平面２９にのみ設けた場合について説明したが、これに加えて、レンズミラーアレイ２０の表面の他の部分に別の遮光膜２６を設けてもよい。例えば、入射面２２の第２柱面２２２２と下流側反射面２４との間の表面部分２０６に遮光膜を設けることができる。遮光膜２６を設ける面積を大きくすることにより、指向レンズ面２２２の形状や配置位置などの自由度を高めることができる。

また、不要光を遮光する遮光部として、上述した遮光膜２６の他に、レンズミラーアレイ２０の表面部分に遮光機能をもたせることのできる構造を設けてもよい。例えば、遮光機能を持つ別ピースの部品を作成し、それぞれの境界間に空気が入って反射を起こさないように、屈折率がほぼ同じ光学接着剤を用いて、別ピースの部品をレンズミラーアレイ２０に接着してもよい。

また、上述した実施形態では、各光学エレメント２１の入射側レンズ面２２１を自由曲面とした場合について説明したが、これに限らず、入射側レンズ面２２１を球面としてもよい。また、上述した実施形態では、第１柱面２２２１及び第２柱面２２２２を円筒面とした場合について説明したが、これに限らず、第１及び第２柱面２２２１、２２２２を自由曲面とすることもできる。

１０…原稿読取装置、２０…レンズミラーアレイ、２１…光学エレメント、２２…入射面、２３…上流側反射面、２４…下流側反射面、２５…出射側レンズ面、２６…遮光膜、２７…溝、２８…傾斜面、２９…平面、３０…画像形成部、１００…複写機、２００…プリンタ、２０６…表面部分、２１０…露光装置、２２１…入射側レンズ面、２２２…指向レンズ面、５０１、５０２、５０３、５０４…露光装置、２２２１…第１柱面、２２２２…第２柱面、２２２３…溝、２２２４、２２２５…点、Ｆ…結像点、Ｏ…物点。

Claims (6)

1. 光が入射する入射面と、
   前記入射面を介して入射した光を出射する出射面と、
   前記入射面を介して入射した光を前記出射面に向けて反射する少なくとも１つの反射面と、
   光を遮光する遮光部と、を有する光学エレメントを複数配列したレンズミラーアレイであって、
   前記入射面が、
   前記入射面に入射する光のうち前記出射面から出射される有効光を通す有効面と、
   前記入射面に入射する光のうち迷光となる不要光を前記遮光部に向かわせる指向面と、を含む、
   レンズミラーアレイ。
2. 前記指向面は、前記有効面に隣接して配置され、当該指向面に入射した光を前記遮光部に向けて集光するように前記光学エレメントの外側に突出した自由曲面であり、前記有効面とは形状が異なる自由曲面である、
   請求項１に記載のレンズミラーアレイ。
3. 前記指向面は、複数の前記光学エレメントを配列した方向と交差する方向の前記有効面の一側に隣接配置した円筒状の第１柱面と、前記交差する方向の前記有効面の他側に隣接配置した円筒状の第２柱面と、を含み、
   前記第１柱面は、前記光学エレメントを配列した方向と直交する面と当該第１柱面が交差する曲線が、前記有効面に入射する光の光軸より第２柱面側にある点を中心とした円の一部に重なる形状を有し、
   前記第２柱面は、前記光学エレメントを配列した方向と直交する面と当該第２柱面が交差する曲線が、前記光軸より第１柱面側にある点を中心とした円の一部に重なる形状を有する、
   請求項１に記載のレンズミラーアレイ。
4. 原稿面からの反射光を導光する請求項１－３のいずれか１項に記載のレンズミラーアレイと、
   前記レンズミラーアレイを介して導光した前記原稿面からの反射光を受光して画像信号を出力する光電変換部と、
   前記光電変換部から出力した画像信号に基づく画像を形成する画像形成部と、を有する、
   画像形成装置。
5. 画像信号に基づく光を出射する光源と、
   前記光源からの光を導光する請求項１－３のいずれか１項に記載のレンズミラーアレイと、
   前記レンズミラーアレイを介して導光した前記画像信号に基づく光を受光して静電潜像を形成する表面を有する感光体ドラムと、
   前記感光体ドラムの前記表面に形成した前記静電潜像に現像剤を供給して現像する現像装置と、を有する、
   画像形成装置。
6. 画像信号に基づく光を出射する光源と、
   前記光源からの光を導光する請求項１－３のいずれか１項に記載のレンズミラーアレイと、有し、
   前記レンズミラーアレイを介して導光した前記画像信号に基づく光を感光媒体に照射して像を形成する、
   画像形成装置。

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