以下、第1の実施形態に係る画像形成装置及びレンズミラーアレイについて図面を参照して説明する。
まず、第1の実施形態に係る画像形成装置1について説明する。図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の構成例を示す説明図である。
画像形成装置1は、例えば、紙葉類Pなどの記録媒体を搬送しながら画像形成等の各種処理を行う固体走査方式のプリンタ(例えばLEDプリンタ)である。画像形成装置1は、感光ドラムを帯電させ、ライン状に構成された光学部品(レンズミラーアレイ)を介して印刷用の画像データ(印刷データ)に応じて点灯・消灯の動作が行われた1列または複数列のLEDアレイからの放射光を感光ドラム上に結像させることにより、感光ドラムに潜像(静電潜像)を形成する。また、画像形成装置1は、感光ドラムに形成された潜像にトナー(現像剤)を付着させ、潜像に付着したトナーを紙葉類Pに転写して紙葉類P上にトナー像を形成する。また、画像形成装置1は、トナー像が形成された紙葉類Pを、ヒータによって高熱に熱された定着ローラによって挟み、紙葉類P上に形成されたトナー像を定着させる。
また、画像形成装置1は、紙葉類Pに照射された光の反射光をレンズミラーアレイによってイメージセンサに結像させ、イメージセンサに蓄積された電荷を読み出しディジタル信号に変換することによって、紙葉類Pの画像を取得する画像読取装置としても機能する。
画像形成装置1は、筐体11、原稿台12、スキャナ部13、自動原稿搬送部(ADF)14、給紙カセット15、排紙トレイ16、画像形成部17、搬送部18、及び主制御部19を備える。またさらに、画像形成装置1は、操作入力を受け付ける操作I/F、及び他の機器と通信する為の通信I/Fなどを備えていてもよい。なお、原稿台12、スキャナ部13、及び自動原稿搬送部(ADF)14は、上記の画像読取装置を構成する部品である。
筐体11は、原稿台12、スキャナ部13、ADF14、給紙カセット15、排紙トレイ16、画像形成部17、搬送部18、及び主制御部19を保持する本体である。
原稿台12は、原稿としての紙葉類Pが載置される部分である。原稿台12は、原稿としての紙葉類Pが載置されるガラス板21と、このガラス板21の原稿としての紙葉類Pが載置される載置面22と逆側の面に位置する空間23とを有する。
ADF14は、紙葉類Pを搬送する機構である。ADF14は、原稿台12上に開閉自在に設けられている。ADF14は、トレイに配置された紙葉類Pを取り込み、取り込んだ紙葉類Pを原稿台12のガラス板21に密着させつつ搬送する。
スキャナ部13は、紙葉類Pから画像を取得する。スキャナ部13は、原稿台12の載置面22と逆側の空間23に配置される。図2は、スキャナ部13の構成例について説明する為の説明図である。スキャナ部13は、イメージセンサ31、レンズミラーアレイ32、照明33、遮光体34、筐体35、及び基板36を備える。
イメージセンサ31は、光を電気信号(画像信号)に変換する画素がライン状に配列された撮像素子である。イメージセンサ31の画素の配列方向を主走査方向M1と称する。イメージセンサ31は、例えばCharge Coupled Device(CCD)、Complimentary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)、または他の撮像素子により構成される。
レンズミラーアレイ32は、所定の読取範囲からの光をイメージセンサ31の画素に結像させる光学部品である。レンズミラーアレイ32の読取範囲は、原稿台12の載置面22上の長方形状の領域である。レンズミラーアレイ32は、原稿台12の載置面22に置かれた紙葉類Pによって反射し、ガラス板21を透過した光をイメージセンサ31の画素に結像させる。なお、レンズミラーアレイ32の詳細な構成については後述する。
照明33は、紙葉類Pに光を照射する。照明33は、光源と、光源からの光を紙葉類Pに照射させる導光体とを備える。照明33は、光源から発せられた光を導光体によってレンズミラーアレイ32の読取範囲を含む領域に照射する。
遮光体34は、光を遮光する部材である。遮光体34は、例えば表面に遮光材が塗布された部材である。遮光体34は、レンズミラーアレイ32の読取範囲以外の領域からの光がレンズミラーアレイ32に入射することを防ぐような形状及び位置に構成されている。
筐体35は、イメージセンサ31、レンズミラーアレイ32、照明33、遮光体34、及び基板36を支持し且つ位置決めする部材である。また、筐体35は、レンズミラーアレイ32から出射される光の一部を遮光する遮光部を備える。遮光部は、イメージセンサ31に入射すると迷光となる光や、レンズミラーアレイ32からイメージセンサ31に入射しない方向に出射された光を遮光する。
基板36は、イメージセンサ31、イメージセンサ31から画像信号の読み出し及び画像信号に対する信号処理を行って画像を取得する信号処理部、及び画像を一時的に記憶するメモリなどが搭載された部品である。
原稿台12の載置面22に紙葉類Pが載置されている場合、スキャナ部13は、主走査方向M1と直交し、且つ載置面22と平行な方向である副走査方向S1に図示されない駆動機構によって駆動される。スキャナ部13は、副走査方向S1に駆動されるとともに、イメージセンサ31により連続的に1ラインずつ画像を取得することにより、原稿台12の載置面22に置かれた紙葉類Pの全体の画像を取得する。
また、ADF14により紙葉類Pが搬送されている場合、スキャナ部13は、ADF14により紙葉類Pが密着される位置と対向する位置に駆動される。スキャナ部13は、ADF14により搬送される紙葉類Pからイメージセンサ31により連続的に1ラインずつ画像を取得することにより、ADF14により搬送される紙葉類Pの全体の画像を取得する。
給紙カセット15は、紙葉類Pを収容するカセットである。給紙カセット15は、筐体11の外部から紙葉類Pを供給可能に構成されている。例えば、給紙カセット15は、筐体11から引き出し可能に構成されている。
排紙トレイ16は、画像形成装置1から排出された紙葉類Pを支持するトレイである。例えば、排紙トレイ16は、筐体11の上面に設けられている。
画像形成部17は、主制御部19の制御に基づいて紙葉類Pに画像を形成する。例えば、画像形成部17は、ドラムを帯電させ、帯電したドラムに印刷用の画像データ(印刷データ)に応じた潜像を形成し、ドラムに形成された潜像にトナーを付着させ、潜像に付着したトナーを紙葉類Pに転写して紙葉類P上に画像を形成する。
図3は、画像形成部17の構成例について説明する為の説明図である。画像形成部17は、例えば図3に示されるようにドラム41、露光器42、現像器43、転写ベルト44、1対の転写ローラ45、及び1対の定着ローラ46を備える。
ドラム41は、円筒状に形成された感光ドラムである。ドラム41は、転写ベルト44と接するように設けられている。ドラム41は、図示されない帯電チャージャによって表面が一様に帯電される。また、ドラム41は、図示しない駆動機構によって回転方向Rに一定の速度で回転する。
露光器42は、帯電したドラム41に静電潜像を形成する。露光器42は、印刷データに応じて発光素子などによりドラム41の表面に光を照射することによって、ドラム41の表面に静電潜像を形成する。露光器42は、図3に示されるように発光部51、レンズミラーアレイ52、保護ガラス53、遮光体54、筐体55、及び基板56を備える。
発光部51は、電気信号(画像信号)に応じて光を出射する発光素子がライン状に配列された構成を備える。発光部51の発光素子の配列方向を主走査方向M2と称する。主走査方向M2は、複数の発光素子の光軸と直交し、且つドラム41の回転軸と平行な方向である。なお、主走査方向M2は、上記のスキャナ部13の主走査方向M1と同じであってもよいし、異なる向きであってもよい。発光部51の発光素子は、帯電したドラム41に潜像を形成することが可能な波長の光を出射する。例えば、発光素子は、画像信号に応じて各LEDが発光または消灯する発散光を出射するLEDまたはOLEDである。
レンズミラーアレイ52は、発光部51の発光素子から出射された光をドラム41の表面に結像させる光学部品である。レンズミラーアレイ52は、スキャナ部13の備えるレンズミラーアレイ52と同様の構成である。レンズミラーアレイ52により光が結像される範囲は、ドラム41の表面の長方形状の領域である。即ち、レンズミラーアレイ52は、ドラム41の表面の長方形状の領域内に発光部51の複数の発光素子からの光に応じた像を形成する。なお、レンズミラーアレイ52の詳細な構成については後述する。
保護ガラス53は、レンズミラーアレイ52とドラム41との間に設けられる。保護ガラス53は、レンズミラーアレイ52を保護するガラスである。保護ガラス53は、レンズミラーアレイ52にトナー及び埃などが付着することを防ぐ。
遮光体54は、レンズミラーアレイ52と発光部51との間に設けられる。遮光体54は、光を遮光する部材である。遮光体54は、例えば表面に遮光材が塗布された部材である。遮光体54は、発光部51から出射された光の一部を遮光する。例えば、遮光体54は、発光部51の発光素子の光軸から発光素子の光軸と直交する方向に所定距離以上離れた位置を通る光を遮光する。
筐体55は、発光部51、レンズミラーアレイ52、保護ガラス53、遮光体54、及び基板56を支持し且つ位置決めする部材である。また、筐体55は、レンズミラーアレイ52から出射される光の一部を遮光する遮光部を備える。遮光部は、ドラム41に入射すると迷光となる光や、レンズミラーアレイ52からドラム41上の所定の結像範囲に入射しない方向に出射した光を遮光する。
基板56は、発光部51及び発光部51を駆動するドライバなどが搭載された部品である。
露光器42は、印刷データを基板56に設けられたドライバに入力することによって、ドライバが発光部51から光を出射させる。発光部51から出射した光は、レンズミラーアレイ52によりドラム41上に結像される。露光器42は、回転するドラム41に対して、連続的に発光部51からの光を結像させることにより、ドラム41上に潜像を形成する。
現像器43は、ドラム41に形成された静電潜像にトナー(現像剤)を付着させる。これにより、現像器43は、ドラム41の表面にトナーの像(トナー像)を形成する。
なお、画像形成部17のドラム41、露光器42、及び現像器43は、例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、及びブラック等の異なる色毎に設けられる。この場合、複数の現像器43は、それぞれ異なる色のトナーを保持する。
転写ベルト44は、ドラム41の表面に形成されたトナー像を受け取り、紙葉類Pに転写する為の部材である。転写ベルト44は、ローラの回転によって移動される。転写ベルト44は、ドラム41と接する位置において、ドラム41に形成されたトナー像を受け取り、受け取ったトナー像を1対の転写ローラ45に運ぶ。
1対の転写ローラ45は、転写ベルト44と紙葉類Pとを挟むように構成される。1対の転写ローラ45は、転写ベルト44上のトナー像を紙葉類Pに転写する。
1対の定着ローラ46は、紙葉類Pを挟むように構成される。1対の定着ローラ46は、図示されないヒータにより熱される。1対の定着ローラ46は、熱された状態で、挟み込んだ紙葉類Pに対して圧力を加えることにより、紙葉類P上に形成されたトナー像を定着させる。即ち、1対の定着ローラ46は、トナー像を定着させることにより紙葉類P上に画像を形成する。
搬送部18は、紙葉類Pを搬送する。搬送部18は、複数のガイドおよび複数のローラにより構成される搬送路と、搬送路による紙葉類Pの搬送位置を検出するセンサとを備える。搬送路は、紙葉類Pが搬送される経路である。搬送ローラは、主制御部19の命令を受けた図示されない搬送制御部の制御に基づいて動作するモータによって回転することで、紙葉類Pを搬送路に沿って搬送する。また、複数のうちの一部のガイドは、搬送制御部の制御に基づいて動作するモータによって回転されることによって、紙葉類Pを搬送する搬送路を切り替える。
搬送部18は、例えば図1に示されるように取込ローラ61、給紙搬送路62、排紙搬送路63、及び反転搬送路64を備える。
取込ローラ61は、給紙カセット15に収容されている紙葉類Pを給紙搬送路62に取り込む。
給紙搬送路62は、取込ローラ61により給紙カセット15から取り込まれた紙葉類Pを画像形成部17に搬送する為の搬送路である。
排紙搬送路63は、画像形成部17により画像が形成された紙葉類Pを筐体11から排出する為の搬送路である。排紙搬送路63によって排出された紙葉類Pは、排紙トレイ16に排出される。
反転搬送路64は、画像形成部17により画像が形成された紙葉類Pの表裏及び前後などを反転させた状態で紙葉類Pを再度画像形成部17に供給する為の搬送路である。
主制御部19は、画像形成装置1全体を制御する。主制御部19は、CPU等のプロセッサ、及びメモリを備える。主制御部19は、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、各種の処理機能を実現する。主制御部19は、スキャナ部13を制御することにより、紙葉類Pから画像を取得する。また、主制御部19は、画像形成部17を制御することにより、紙葉類Pに対する画像の形成を制御する。例えば、主制御部19は、画像形成部17に印刷データを入力する。主制御部19は、搬送制御部を制御することにより、紙葉類Pの搬送を制御する。
次に、レンズミラーアレイ32及びレンズミラーアレイ52について説明する。
図4乃至図7は、レンズミラーアレイ32及びレンズミラーアレイ52の構成例について説明する為の説明図である。なお、レンズミラーアレイ32及びレンズミラーアレイ52は、同じ構成である為、本例では露光器42に用いられるレンズミラーアレイ52の例について説明する。
図4は、レンズミラーアレイ52の斜視図である。レンズミラーアレイ52は、レンズミラーアレイ52の取付時等に用いられるフランジ部71と、主走査方向M2に沿って複数配列された光学エレメント72とを備える。レンズミラーアレイ52は、金型用鋼のブランクにNiめっきを行い、そのNi層を角部にRがついている工具にて加工した金型を使って射出成形によって形成される。金型は、例えば入れ子構造になっている。入れ子構造の金型により、レンズミラーアレイ52の複数の光学エレメント72及びフランジ部71が一体に形成される。なお、レンズミラーアレイ52は、例えば透過性の樹脂またはガラスなどにより構成される。
フランジ部71は、光学エレメント72の配列方向におけるレンズミラーアレイ52の両端に設けられる部材である。フランジ部71は、レンズミラーアレイ52の光学性能に影響を与えない為、露光器42への取付時等に手で触れることが可能である。
光学エレメント72は、入射した光を結像対象に結像させる機能を持つ。光学エレメント72は、例えば、発光部51の複数の発光素子からの光を、結像範囲に結像させる。
図5は、1つの光学エレメント72をレンズミラーアレイ52から切断して示す図である。また、図6は、1つの光学エレメント72を主走査方向M2から見た場合の光について説明する為の説明図である。図7は、レンズミラーアレイ52を図6のCC線で切断した例について説明する為の説明図である。
光学エレメント72は、第1のレンズ面81、第1のレンズ面81に入射した光を反射する第1のミラー面82、第1のミラー面82により反射した光を反射する第2のミラー面83、及び第2のミラー面83により反射した光を出射する第2のレンズ面84を備える。第1のレンズ面81、第1のミラー面82、第2のミラー面83、及び第2のレンズ面84は、それぞれ光学エレメント72の配列方向に直交する面である対称面Aに対して面対称に構成されている。
光学エレメント72は、物点Oからの光を結像点Fに結像させる。なお、光学エレメント72がレンズミラーアレイ52に形成されるものである場合、物点Oに発光部51の発光素子が位置し、結像点Fにドラム41の表面が位置する。また、光学エレメント72がレンズミラーアレイ32に形成されるものである場合、物点Oに原稿台12の載置面22上の長方形状の読取領域が位置し、結像点Fにイメージセンサ31の画素が位置する。また、光学エレメント72がレンズミラーアレイ32に形成されるものである場合、主走査方向M2を主走査方向M1と読み替える事ができる。
第1のレンズ面81は、表面が外方に突出した凸形状のレンズ面である。第1のレンズ面81は、入射した光の中間倒立像を形成する。第1のレンズ面81には、所定の物点Oからの光が入射する。例えば、第1のレンズ面81は、発光部51の複数の発光素子から出射された光が入射するように構成される。具体的には、第1のレンズ面81は、光学エレメント72のピッチの2倍乃至3倍の幅の中に配置された発送素子から出射された光が入射するように構成される。
第1のレンズ面81は、例えば、対称面Aに対して対称であり、且つ自由曲面形状で形成される。第1のレンズ面81は、主走査方向M2に直交する面(例えば対称面A)で第1のレンズ面81を切断した場合の第1のレンズ面81の曲率と、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第1のレンズ面81を切断した場合の第1のレンズ面81の曲率とが異なる面であってもよい。またさらに、主走査方向M2に直交する面で第1のレンズ面81を切断した場合の第1のレンズ面81の曲率は、対称面Aに対して対称であれば一定でなくてもよい。またさらに、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第1のレンズ面81を切断した場合の第1のレンズ面81の曲率は、一定でなくてもよい。またさらに、主走査方向M2に直交する面で第1のレンズ面81を切断した場合の第1のレンズ面81の曲率は、対称面Aに対して対称であり、且つ所定の変化量ずつ変化するものであってもよい。またさらに、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第1のレンズ面81を切断した場合の第1のレンズ面81の曲率は、所定の変化量ずつ変化するものであってもよい。また、第1のレンズ面81は、球面であってもよい。
第1のミラー面82は、第1のレンズ面81に入射した光を反射する。即ち、第1のミラー面82は、第1のレンズ面81に入射して収束光となった光を反射し、反射後の光路の下流側で中間倒立像を形成する。第1のミラー面82は、第1のレンズ面81に入射した光を全反射またはフレネル反射により反射する。第1のミラー面82は、主走査方向M2と直交する方向における光学エレメント72の一方の側に平面状に形成される。
第2のミラー面83は、第1のミラー面82により反射した光を反射する。即ち、第2のミラー面83は、第1のミラー面82により反射した後に形成された中間倒立像から出てきた光を反射する。第2のミラー面83は、第1のミラー面82により反射した反射光を全反射またはフレネル反射により反射する。
第2のミラー面83は、例えば、長方形状で形成され、内方に湾曲して形成される。第2のミラー面83は、例えば、対称面Aに対して対称であり、且つ自由曲面形状で形成される。第2のミラー面83は、主走査方向M2に直交する面(例えば対称面A)で第2のミラー面83を切断した場合の第2のミラー面83の曲率と、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第2のミラー面83を切断した場合の第2のミラー面83の曲率とが異なる面であってもよい。またさらに、主走査方向M2に直交する面で第2のミラー面83を切断した場合の第2のミラー面83の曲率は、対称面Aに対して対称であれば一定でなくてもよい。またさらに、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第1のレンズ面81を切断した場合の第2のミラー面83の曲率は、一定でなくてもよい。またさらに、主走査方向M2に直交する面で第2のミラー面83を切断した場合の第2のミラー面83の曲率は、対称面Aに対して対称であり、且つ所定の変化量ずつ変化するものであってもよい。またさらに、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第2のミラー面83を切断した場合の第2のミラー面83の曲率は、所定の変化量ずつ変化するものであってもよい。また、第2のミラー面83は、球面であってもよい。また、第2のミラー面83は、例えば平面状に形成されていてもよい。第2のミラー面83は、主走査方向M2と直交する方向における光学エレメント72の第1のミラー面82と逆側に形成される。
第2のレンズ面84は、表面が外方に突出した凸形状のレンズ面である。第2のレンズ面84は、第2のミラー面83と組み合わされて、第1のレンズ面81により形成された中間倒立像の倒立像である正立像を形成する。第2のレンズ面84から出射された光は、所定の結像点Fに入射する。例えば、第2のレンズ面84から出射された光は、ドラム41上の結像範囲の所定の位置に結像される。
第2のレンズ面84は、例えば、対称面Aに対して対称であり、且つ自由曲面形状で形成される。第2のレンズ面84は、主走査方向M2に直交する面(例えば対称面A)で第2のレンズ面84を切断した場合の第2のレンズ面84の曲率と、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第2のレンズ面84を切断した場合の第2のレンズ面84の曲率とが異なる面であってもよい。またさらに、主走査方向M2に直交する面で第2のレンズ面84を切断した場合の第2のレンズ面84の曲率は、対称面Aに対して対称であれば一定でなくてもよい。またさらに、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第2のレンズ面84を切断した場合の第2のレンズ面84の曲率は、一定でなくてもよい。またさらに、主走査方向M2に直交する面で第2のレンズ面84を切断した場合の第2のレンズ面84の曲率は、対称面Aに対して対称であり、且つ所定の変化量ずつ変化するものであってもよい。またさらに、第1のレンズ面81−第2のレンズ面84間の方向と主走査方向M2とを含む面で第2のレンズ面84を切断した場合の第2のレンズ面84の曲率は、所定の変化量ずつ変化するものであってもよい。また、第2のレンズ面84は、球面であってもよい。
また、光学エレメント72は、1対の第1の遮光面85、第2の遮光面86、第3の遮光面87、及び第3の遮光面87に形成された凹部88を備える。
1対の第1の遮光面85は、主走査方向M2において対称面Aを挟む位置に設けられる。即ち、1対の第1の遮光面85は、対称面Aと所定距離離れた位置に主走査方向M2に沿って配列される。第1の遮光面85は、第1のミラー面82と辺を共有する。第1の遮光面85は、第1のミラー面82と鈍角を成し、且つ対称面Aに対して入射側に向かう鋭角を成す。
また、図7に示されるように、第1の遮光面85は、レンズミラーアレイとほぼ同じ屈折率を持った遮光性の高いインク(例えばカーボンブラックや黒色顔料などの遮光材料を含有させたUVインク)が塗布されて形成された、光を遮光する遮光層89を有する。第1の遮光面85は、遮光層89を備えることにより、第1の遮光面85から光学エレメント72の内側に光が反射されること、及び外方に光が出射されることを防ぐ。
また、上記のような第1の遮光面85が各光学エレメント72に形成されることにより、2つの光学エレメント72の間には両側が第1の遮光面85として構成される溝が形成される。この溝の底部92にも遮光層89が形成される。これにより、溝の底部92から光学エレメント72の内側に光が反射されること、及び外方に光が出射されることを防ぐ。
図7は、図6のCC線で切断したレンズミラーアレイ52を第1のミラー面82と平行且つ主走査方向M2と直交する方向から見た図である。レンズミラーアレイ52は、上記のように射出成形によって形成される為、梁部には、曲面が形成される。例えば、図7に示されるように、第1のミラー面82と第1の遮光面85との間の梁部には曲面90が形成される。
硬化前のUVインクが曲面90全域を覆い且つ第1のミラー面82に達する量で塗布される場合、UVインクが第1のミラー面82上に広がる可能性がある。この為、UVインクは、曲面90の全域を覆わない量で塗布される。即ち、遮光層89は、UVインクが第1のミラー面82に付着することを防ぐ為に、少なくとも第1の遮光面85の全域を覆い且つ曲面90の全域に至らない範囲で形成される。また、図7に示されるように、第1の遮光面85と第1のミラー面82とが鈍角を成すように形成されていることにより、レンズミラーアレイ52を金型から容易に剥離することができる。
なお、光学エレメント72は、第1のミラー面82の出射側に近い端辺に連続し、且つ第1のミラー面82と鈍角を成す第4の遮光面91をさらに備えていてもよい。第4の遮光面91にも第1の遮光面85と同様にUVインクが塗布されて遮光層89が形成されている。第4の遮光面91は、遮光層89を備えることにより、第1のミラー面82で反射し且つ対称面Aと所定距離離れた位置を進む光と、第1のミラー面82で反射し且つ直接第2のレンズ面84へ進む光とを遮光する。
第2の遮光面86は、第1の遮光面に対して対称面A側に傾斜した面である。例えば、第2の遮光面86は、第1の遮光面85から第1の遮光面85と直交する方向に窪んだ凹部の一部として構成される。即ち、第2の遮光面86は、第1の遮光面85と共に山型形状を成す面として構成される。
第2の遮光面86は、平面状に形成されていても曲面として形成されていてもよい。例えば、第2の遮光面86は、1方向の曲率を有する曲面として形成される。即ち、第2の遮光面86は、第1のミラー面82と平行な面で切断した場合に、曲率中心が第1の遮光面85よりも光学エレメント72の内方に位置する所定の曲率の弧となるように形成される。即ち、第2の遮光面86は、円筒状の一部に相当する形状で形成される。また、第2の遮光面86は、第1のミラー面82と平行な面で切断した場合に、曲率中心が第1の遮光面85よりも光学エレメント72の内方に位置し、且つ第1のミラー面82側に近づくほど大きい曲率の弧となるように形成されていてもよい。即ち、第2の遮光面86は、円錐台状の一部に相当する形状で形成されていてもよい。
また、第2の遮光面86にも第1の遮光面85と同様にUVインクが塗布されて遮光層89が形成されている。第2の遮光面86は、遮光層89を備えることにより、対称面Aと所定距離離れた位置を進む光を遮光する。
なお、第2の遮光面86と第4の遮光面91との間は、例えば第1のミラー面82と鈍角を成し、且つ第1の遮光面85と平行な面として構成される。また、この面にも遮光層89が設けられていてもよい。また、この面は、第1のミラー面82と鈍角を成し、且つ対称面Aに対して入射側に向かう鋭角を成す面であれば、如何なる面であってもよい。
第3の遮光面87は、主走査方向M2と直交する方向における光学エレメント72の第1のミラー面82が設けられた側と同じ側であって、第1のミラー面82よりも第2のレンズ面84に近い側に形成される。第3の遮光面87は、例えば平面状に形成される。例えば、第3の遮光面87は、第4の遮光面91の第1のミラー面82と逆側の辺から第2のレンズ面84に亘って形成される。即ち、第3の遮光面87は、第4の遮光面91と辺を共有するように構成される。また、第3の遮光面87は、2つの光学エレメント72の間に形成される溝の底部92から面が連続するように形成される。また、第3の遮光面87は、第2のミラー面83と第2のレンズ面84との間における対称面Aに対して第2のミラー面83に向かう鋭角を成す。
また、第3の遮光面87にもUVインクが塗布されて遮光層89が形成されている。第3の遮光面87は、遮光層89を備えることにより、第1のミラー面82で反射されずに空気中に出射し、第3の遮光面87に入射した光が、再度光学エレメント72を構成する構造内に入射することを防ぐことができる。
凹部88は、第3の遮光面87から第3の遮光面87と直交する方向に窪んで形成された部分である。即ち、凹部88は、第1のレンズ面81から第2のレンズ面84の間の方向において第1のミラー面82よりも出射側に設けられる。
凹部88は、主走査方向M2において、2つの光学エレメント72の間に形成される。即ち、凹部88は、隣り合う2つの光学エレメント72に亘って形成される。このように凹部88が各光学エレメント72に形成されることにより、凹部88毎に対向する1対の遮光面である第5の遮光面93が形成される。
第5の遮光面93は、主走査方向M2に対して傾斜した面である。即ち、第5の遮光面93は、主走査方向M2に対して角度を成す面である。例えば、第5の遮光面93は、平面状に形成される。
また、例えば、凹部88の2つの第5の遮光面93の間の底部94は、2つの光学エレメント72の間に形成される溝の底部92に連続するように形成される。
また、凹部88の各面にもUVインクが塗布されて遮光層89が形成されている。凹部88は、遮光層89が形成された第5の遮光面93により、光の進行方向が主走査方向M2に沿った方向の成分を含み且つ他の光学エレメント72に進入する光を遮光する。
図8は、レンズミラーアレイ52に入射した光の光路について説明する為の説明図である。例えば、レンズミラーアレイ52のある光学エレメント72の対称面Aに沿って物点Oから第1のレンズ面81に入射した光は、第1のミラー面82、第2のミラー面83の順に反射され、第2のレンズ面84から光学エレメント72の結像点Fに出射される。
複数の光学エレメント72が一体に形成されたレンズミラーアレイ52において、第1のレンズ面81から入射して対称面Aから所定距離離れた位置を通る光の一部が、第1のミラー面82と第1の遮光面85との間の梁部に形成された曲面90に入射する場合がある。曲面90に入射した光は、曲面90上で光が当たった場所の傾斜に応じた方向に反射される為、反射光が様々な方向へ進み、他の光学エレメント72に進入する迷光になる可能性がある。
しかしながら、光学エレメント72は、第1の遮光面85に対して対称面A側に傾斜した第2の遮光面86を備える。これにより、光学エレメント72は、図8に示す光路L1を通る光のように、曲面90に入射する角度で進む光の一部を遮光することができる。この結果、光学エレメント72は、迷光を減少させることができる。
また、光学エレメント72は、第1のミラー面81よりも出射側に設けられ、且つ主走査方向M2に対して角度を成す第5の遮光面93を備える。これにより、光学エレメント72は、図8に示す光路L2を通る光のように、曲面90で反射して他の光学エレメント72に入射する角度で進む光の一部を遮光することができる。この結果、光学エレメント72は、迷光を減少させることができる。
上記のように、レンズミラーアレイ52は、光が入射する第1のレンズ面81、第1のレンズ面81に入射した光を反射する第1のミラー面82、第1のミラー面82により反射した光を反射する第2のミラー面83、第2のミラー面83により反射した光を出射する第2のレンズ面84を備える光学エレメント72が複数配列されて構成される。さらに、光学エレメント72は、レンズミラーアレイ52の光学エレメント72の配列方向において第1のレンズ面81及び第2のレンズ面84により定まる対称面Aを挟む位置に第1のミラー面82と辺を共有して形成された1対の第1の遮光面85と、第1の遮光面85に対して対称面A側に傾斜した第2の遮光面86と、第1の遮光面85及び第2の遮光面86に亘って形成された遮光層89とを備える。この構成により、レンズミラーアレイ52は、第1のミラー面82と第1の遮光面85との間に形成される曲面90に入射する光の一部、および、曲面90から反射された光の一部を遮光することができる。この結果、レンズミラーアレイ52は、曲面90に反射して迷光になる光を減少させることができる。
また、第2の遮光面86は、第1のミラー面82と平行な面における断面が、曲率中心が第1の遮光面85よりも対称面A側に位置する曲率の弧として形成されている。これにより、第2の遮光面86の対称面Aに対する傾斜を大きくすることができる。この構成により、レンズミラーアレイ52は、曲面90に入射する光をより多く遮光することができる。この結果、レンズミラーアレイ52は、曲面90に反射して迷光になる光を減少させることができる。
また、第1の遮光面85は、対称面Aに対して入射側に向かう鋭角を成すように構成されている。これにより、1対の第1の遮光面85の間隔を入射側に近くなるほど狭くすることができる。この結果、曲面90に入射する光の進行方向を制限することができる。また、第1の遮光面85に連続する第2の遮光面86の対称面Aに対向する面積を増やすことができる。この結果、レンズミラーアレイ52は、曲面90に反射して迷光になる光を減少させることができる。
なお、レンズミラーアレイ52を射出成形する為の金型を削る工程を簡易にする為に、第2の遮光面86の曲率半径は、光学エレメント72における1対の第1の遮光面85間で最も広い間隔の1/8以上の曲率半径で構成されることが望ましい。この構成によると、第2の遮光面86の曲率半径に相当する径の工具(例えば正面フライスやエンドミル)を対称面Aと第1のミラー面82とにほぼ平行な方向に2往復させることによって第1の遮光面85、第2の遮光面86、及び第4の遮光面91を射出成形する為の金型の構造を形成することができる。即ち、第2の遮光面86の曲率半径が光学エレメント72における1対の第1の遮光面85間で最も広い間隔の1/8以上の曲率半径で構成されることにより、金型の加工時間を短縮することができる。なお、第2の遮光面86の曲率半径は、小さい方が大きい方に比べて迷光の遮光の効果が大きい。この為、第2の遮光面86の曲率半径は、光学エレメント72における1対の第1の遮光面85間で最も広い間隔の1/8以上であり極力小さい値であることが望ましい。
第2の遮光面86の曲率半径は、光学エレメント72における1対の第1の遮光面85間で最も広い間隔の1/4以上の曲率半径で構成されることがさらに望ましい。この構成によると、第2の遮光面86の曲率半径に相当する径の工具(例えば正面フライスやエンドミル)を対称面Aと第1のミラー面82とにほぼ平行な方向に1往復させることによって第1の遮光面85、第2の遮光面86、及び第4の遮光面91を射出成形する為の金型の構造を形成することができる。即ち、第2の遮光面86の曲率半径が光学エレメント72における1対の第1の遮光面85間で最も広い間隔の1/4以上の曲率半径で構成されることにより、金型の加工時間をさらに短縮することができる。
さらに、第1のミラー面82の面を連続的に加工するためには、第2の遮光面86の曲率半径は、第1のミラー面のもっとも狭い箇所の幅の半分以下である必要がある。この条件を満たさないと、狭い場所の前後でいったん工具を金型から離して、工具を狭い場所を避けて移動し、再度、同じ高さまで下げて加工する必要がでてきてしまう。このようにすると、第1のミラー面82に段差ができてしまい、光学性能が落ちてしまう。
また、光学エレメント72は、主走査方向M2と直交する方向における光学エレメント72の第1のミラー面82が設けられた側と同じ側であって、第1のミラー面82よりも第2のレンズ面84に近い側に形成された第3の遮光面87を備える。さらに、レンズミラーアレイ52は、隣り合う2つの光学エレメント72に亘って第3の遮光面87と直交する方向に窪んで形成された凹部88を備える。レンズミラーアレイ52は、凹部88毎に対向し、且つ主走査方向M2に対して傾斜した1対の遮光面である第5の遮光面93と、第3の遮光面87及び第5の遮光面93に亘って形成された遮光層89とを備える。この構成により、レンズミラーアレイ52は、曲面90で反射して他の光学エレメント72に入射する角度で進む光の一部を遮光することができる。この結果、光学エレメント72は、迷光を減少させることができる。
また、第5の遮光面93を構成する凹部88は、隣り合う2つの光学エレメント72に亘り、且つ光学エレメント72の配列方向において対称面Aと所定距離離れた位置に形成される。この為、迷光でない、結像に寄与する光が第5の遮光面93により遮られることはないか、遮られる量をごくわずかな量とすることができる。
また、レンズミラーアレイ52の向かい合う2つの第1の遮光面85の間の底部92と、凹部88の底部94とが連続した面として構成されている。即ち、凹部88の底部94は、隣り合う光学エレメント72において対向する2つの第1の遮光面85の間の面である底部92と連続した面として形成される。このような構成にすることにより、UVインクを遮光面87に塗布すれば、遮光面85や底部92にUVインクが切れ目なく拡がっていく。この結果、遮光膜形成のための工数を削減しつつ、欠陥のない遮光膜を形成することができ、光学エレメント72は、迷光を減少させることができる。
(第2の実施形態)
なお、上記の第1の実施形態では、光学エレメント72は、第1のレンズ面81と第4の遮光面91との間に1対の第2の遮光面86を備える構成として説明したが、この構成に限定されない。レンズミラーアレイ52の光学設計によっては、曲面90の広い範囲に光が入射して迷光が発生する可能性がある。そこで、光学エレメント72は、第1のレンズ面81と第4の遮光面91との間に複数対の第2の遮光面86を備えることによって、曲面90の広い範囲に入射する方向で進む光を遮光することができる。
図9及び図10は、複数対の第2の遮光面を備える光学エレメントが配列されたレンズミラーアレイの一部の構成を示す図である。図9は、2対の第2の遮光面86Aを備えるレンズミラーアレイ52Aの一部の構成を示す図である。図10は、3対の第2の遮光面86Bを備えるレンズミラーアレイ52Bの一部の構成を示す図である。
図9に示されるように、レンズミラーアレイ52Aは、主走査方向に配列された複数の光学エレメント72Aを備える。光学エレメント72Aは、第1のレンズ面81、第1のミラー面82、第2のミラー面83、第2のレンズ面84、2対の第1の遮光面85A、及び2対の第2の遮光面86A、第3の遮光面87、第3の遮光面87に形成された凹部88、第4の遮光面91、及び凹部88の面である第5の遮光面93を備える。
2対の第1の遮光面85Aは、第1の遮光面85と同様に、主走査方向M2において対称面Aを挟む位置に設けられ、第1のミラー面82と鈍角を成し、且つ対称面Aに対して入射側に向かう鋭角を成す面である。
2対の第2の遮光面86Aは、第2の遮光面86と同様に、第1の遮光面85Aに対して対称面A側に傾斜した面である。
なお、第1のレンズ面81から第4の遮光面91に向かって、第1の遮光面85A、第2の遮光面86A、第1の遮光面85A、第2の遮光面86Aの順に面が連続している。また、対を成す第2の遮光面86Aの間隔は、入射側に近くなるほど広く形成されている。
また、図10に示されるように、レンズミラーアレイ52Bは、主走査方向に配列された複数の光学エレメント72Bを備える。光学エレメント72Bは、第1のレンズ面81、第1のミラー面82、第2のミラー面83、第2のレンズ面84、3対の第1の遮光面85B、及び3対の第2の遮光面86B、第3の遮光面87、第3の遮光面87に形成された凹部88、第4の遮光面91、及び凹部88の面である第5の遮光面93を備える。
3対の第1の遮光面85Bは、第1の遮光面85及び第1の遮光面85Aと同様に、主走査方向M2において対称面Aを挟む位置に設けられ、第1のミラー面82と鈍角を成し、且つ対称面Aに対して入射側に向かう鋭角を成す面である。
3対の第2の遮光面86Bは、第2の遮光面86及び第2の遮光面86Aと同様に、第1の遮光面85Bに対して対称面A側に傾斜した面である。
なお、第1のレンズ面81から第4の遮光面91に向かって、第1の遮光面85B、第2の遮光面86B、第1の遮光面85B、第2の遮光面86B、第1の遮光面85B、第2の遮光面86Bの順に面が連続している。また、対を成す第2の遮光面86Bの間隔は、入射側に近くなるほど広く形成されている。
上記のような構成によると、レンズミラーアレイ52は、曲面90で反射した光を出射側の第2の遮光面86Aまたは第2の遮光面86Bによって遮光することができる。この結果、光学エレメント72は、迷光を減少させることができる。
なお、上記の実施形態では、イメージセンサ31は、光を電気信号(画像信号)に変換する画素がライン状に配列されて構成されると説明したが、この構成に限定されない。イメージセンサ31は、光を電気信号(画像信号)に変換する画素が複数列ライン状に配列されて構成されていてもよい。この場合、スキャナ部13は、読取範囲からの光をイメージセンサ31の各列の画素に結像させる為に、イメージセンサ31の画素の各列に対応する複数のレンズミラーアレイ32を備える。また、スキャナ部13は、読取範囲からの光をイメージセンサ31の各列の画素に結像させる為に、イメージセンサ31の各列の画素を含む領域に結像させる1つのレンズミラーアレイ32を備えていてもよい。また、イメージセンサ31は、各列毎に異なる波長の光に感度を有する画素が配列された構成を備えていてもよい。またさらに、イメージセンサ31は、赤、緑、青の各色の波長の光に感度を有する画素が2列に亘って千鳥状に配列された構成を備えていてもよい。
また、上記の実施形態では、発光部51は、電気信号(画像信号)に応じて光を出射する発光素子がライン状に配列されて構成されると説明したが、この構成に限定されない。発光部51は、電気信号(画像信号)に応じて光を出射する発光素子が複数列ライン状に配列されて構成されていてもよい。この場合、露光器42は、発光素子の各列からの光をそれぞれドラム41の表面に結像させる為に、発光部51の発光素子の各列に対応する複数のレンズミラーアレイ72を備える。また、露光器42は、発光素子の各列からの光をそれぞれドラム41の表面に結像させる為に、発光部51の各列の発光素子を含む領域からの光をそれぞれドラム41の表面に結像させる1つのレンズミラーアレイ72を備えていてもよい。また、発光部51は、各列毎に異なる波長の光を発する発光素子が配列された構成を備えていてもよい。またさらに、発光部51は、赤、緑、青の各色の波長の光を発する発光素子が2列に亘って千鳥状に配列された構成を備えていてもよい。
また、上記の実施形態では、レンズミラーアレイが用いられる画像形成装置の例として、紙葉類にトナーによって画像を形成するプリンタ、及び紙葉類からの反射光を読み取って画像を形成するスキャナとを例に挙げたが、この構成に限定されない。レンズミラーアレイは、読取範囲からの光を結像対象に結像させるものであれば、如何なるものに用いられてもよい。例えば、レンズミラーアレイは、複数の異なる色を発するOLED光源が二次元的に配置された発光部からの光を感光材料の表面に結像させることにより画像を形成する銀塩プリント装置に用いられてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
光が入射する第1のレンズ面、前記第1のレンズ面に入射した光を反射する第1のミラー面、前記第1のミラー面により反射した光を反射する第2のミラー面、及び前記第2のミラー面により反射した光を出射する第2のレンズ面を備える光学エレメントが複数配列され、且つ前記第1のレンズ面、前記第1のミラー面、前記第2のミラー面、及び前記第2のレンズ面が前記光学エレメントの配列方向に直交する対称面に対してそれぞれ対称に形成されたレンズミラーアレイであって、
前記光学エレメントは、
前記光学エレメントの配列方向において前記対称面を挟む位置に前記第1のミラー面と辺を共有して形成された1対以上の第1の遮光面と、
前記1対以上の第1の遮光面に対してそれぞれ前記対称面側に傾斜した1対以上の第2の遮光面と、
前記第1の遮光面及び前記第2の遮光面に亘って形成された遮光層と、
を備えるレンズミラーアレイ。
[C2]
前記第2の遮光面は、前記第1のミラー面と平行な面における断面が、前記第1の遮光面よりも前記対称面側に曲率中心が位置する曲率の弧を成す[C1]に記載のレンズミラーアレイ。
[C3]
前記第2の遮光面の曲率の半径は、前記光学エレメントにおける第1のミラー面のもっとも狭い箇所の幅の半分以下である[C2]に記載のレンズミラーアレイ。
[C4]
光を出射する複数の発光素子を備える発光部と、
前記発光素子からの光が入射する第1のレンズ面、前記第1のレンズ面に入射した光を反射する第1のミラー面、前記第1のミラー面により反射した光を反射する第2のミラー面、及び前記第2のミラー面により反射した光を結像対象の面に結像させる第2のレンズ面を備える光学エレメントが複数配列され、且つ前記第1のレンズ面、前記第1のミラー面、前記第2のミラー面、及び前記第2のレンズ面が前記光学エレメントの配列方向に直交する対称面に対してそれぞれ対称に形成されたレンズミラーアレイと、
を備え、
前記光学エレメントは、
前記光学エレメントの配列方向において前記対称面を挟む位置に前記第1のミラー面と辺を共有して形成された1対以上の第1の遮光面と、
前記1対以上の第1の遮光面に対してそれぞれ前記対称面側に傾斜した1対以上の第2の遮光面と、
前記第1の遮光面及び前記第2の遮光面に亘って形成された遮光層と、
を備える画像形成装置。
[C5]
紙葉類が載置される原稿台の中の長方形状の読取範囲に対して光を照射する照明と、
光を電気信号に変換して画像を形成する画素がライン状に配列されたイメージセンサと、
前記読取範囲からの光が入射する第1のレンズ面、前記第1のレンズ面に入射した光を反射する第1のミラー面、前記第1のミラー面により反射した光を反射する第2のミラー面、及び前記第2のミラー面により反射した光を前記イメージセンサの画素に結像させる第2のレンズ面を備える光学エレメントが複数配列され、且つ前記第1のレンズ面、前記第1のミラー面、前記第2のミラー面、及び前記第2のレンズ面が前記光学エレメントの配列方向に直交する対称面に対してそれぞれ対称に形成されたレンズミラーアレイと、
を備え、
前記光学エレメントは、
前記光学エレメントの配列方向において前記対称面を挟む位置に前記第1のミラー面と辺を共有して形成された1対以上の第1の遮光面と、
前記1対以上の第1の遮光面に対してそれぞれ前記対称面側に傾斜した1対以上の第2の遮光面と、
前記第1の遮光面及び前記第2の遮光面に亘って形成された遮光層と、
を備える画像形成装置。