JP2022093237A - ひずみゲージ - Google Patents

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育 石原
Iku Ishihara
彩 小野
Aya Ono
洋介 小笠
Yosuke Ogasa
祐汰 相澤
Yuta Aizawa
寿昭 浅川
Toshiaki Asakawa
厚 北村
Atsushi Kitamura
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Abstract

【課題】耐ひずみ性を向上可能なひずみゲージを提供する。【解決手段】本ひずみゲージは、可撓性を有する基材と、前記基材上に形成された抵抗体と、前記基材上に形成され、配線を介して前記抵抗体と電気的に接続された一対の電極と、を有し、前記抵抗体の幅は、10μm以上100μm以下であり、前記配線は、幅5μm以上100μm以下の部分を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、ひずみゲージに関する。
測定対象物に貼り付けて、測定対象物のひずみを検出するひずみゲージが知られている。ひずみゲージは、ひずみを検出する抵抗体を備えており、抵抗体は、例えば、絶縁性樹脂上に形成されている。抵抗体は、例えば、配線を介して、電極と接続されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-74934号公報
ひずみゲージは起歪体へ貼り付けられ、起歪体の動きに追従し伸び縮みすることで、起歪体のひずみ量を検出する。そのため、より大きなひずみ量を検出するためには、伸び縮みの過程でひずみゲージ自身が破損してはならず、より高い耐ひずみ性が求められている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、耐ひずみ性を向上可能なひずみゲージを提供することを目的とする。
本ひずみゲージは、可撓性を有する基材と、前記基材上に形成された抵抗体と、前記基材上に形成され、配線を介して前記抵抗体と電気的に接続された一対の電極と、を有し、前記抵抗体の幅は、10μm以上100μm以下であり、前記配線は、幅5μm以上100μm以下の部分を含む。
開示の技術によれば、耐ひずみ性を向上可能なひずみゲージを提供できる。
第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図である。 第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図(その1)である。 ひずみ限界の実験結果を示す図である。 第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図(その2)である。 第1実施形態の変形例1に係るひずみゲージを例示する平面図である。 第1実施形態の変形例2に係るひずみゲージを例示する平面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する平面図である。図2は、第1実施形態に係るひずみゲージを例示する断面図であり、図1のA-A線に沿う断面を示している。図1及び図2を参照すると、ひずみゲージ1は、基材10と、抵抗体30と、配線41及び42と、電極51及び52とを有している。
なお、本実施形態では、便宜上、ひずみゲージ1において、基材10の抵抗体30が設けられている側を上側又は一方の側、抵抗体30が設けられていない側を下側又は他方の側とする。又、各部位の抵抗体30が設けられている側の面を一方の面又は上面、抵抗体30が設けられていない側の面を他方の面又は下面とする。但し、ひずみゲージ1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置できる。又、平面視とは対象物を基材10の上面10aの法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を基材10の上面10aの法線方向から視た形状を指すものとする。
基材10は、抵抗体30等を形成するためのベース層となる部材であり、可撓性を有する。基材10の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、5μm~500μm程度とすることができる。特に、基材10の厚さが5μm~200μmであると、接着層等を介して基材10の下面に接合される起歪体表面からの歪の伝達性、環境に対する寸法安定性の点で好ましく、10μm以上であると絶縁性の点で更に好ましい。
基材10は、例えば、PI(ポリイミド)樹脂、エポキシ樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、LCP(液晶ポリマー)樹脂、ポリオレフィン樹脂等の絶縁樹脂フィルムから形成できる。なお、フィルムとは、厚さが500μm以下程度であり、可撓性を有する部材を指す。
ここで、『絶縁樹脂フィルムから形成する』とは、基材10が絶縁樹脂フィルム中にフィラーや不純物等を含有することを妨げるものではない。基材10は、例えば、シリカやアルミナ等のフィラーを含有する絶縁樹脂フィルムから形成しても構わない。
基材10の樹脂以外の材料としては、例えば、SiO、ZrO(YSZも含む)、Si、Si、Al(サファイヤも含む)、ZnO、ペロブスカイト系セラミックス(CaTiO、BaTiO)等の結晶性材料が挙げられ、更に、それ以外に非晶質のガラス等が挙げられる。又、基材10の材料として、アルミニウム、アルミニウム合金(ジュラルミン)、チタン等の金属を用いてもよい。この場合、金属製の基材10上に、例えば、絶縁膜が形成される。
抵抗体30は、基材10上に所定のパターンで形成された薄膜であり、ひずみを受けて抵抗変化を生じる受感部である。抵抗体30は、基材10の上面10aに直接形成されてもよいし、基材10の上面10aに他の層を介して形成されてもよい。なお、図1では、便宜上、抵抗体30を濃い梨地模様で示している。
抵抗体30は、複数の細長状部が長手方向を同一方向(図1のA-A線の方向)に向けて所定間隔で配置され、隣接する細長状部の端部が互い違いに連結されて、全体としてジグザグに折り返す構造である。複数の細長状部の長手方向がグリッド方向となり、グリッド方向と垂直な方向がグリッド幅方向となる。
グリッド幅方向の最も外側に位置する2つの細長状部の長手方向の一端部は、グリッド幅方向に屈曲し、抵抗体30のグリッド幅方向の各々の終端30e及び30eを形成する。抵抗体30のグリッド幅方向の終端30eと電極51は1本の配線41により電気的に接続され、抵抗体30のグリッド幅方向の終端30eと電極52は1本の配線42により電気的に接続されている。なお、配線41は本発明に係る第1配線の代表的な一例であり、配線42は本発明に係る第2配線の代表的な一例である。
抵抗体30は、例えば、Cr(クロム)を含む材料、Ni(ニッケル)を含む材料、又はCrとNiの両方を含む材料から形成できる。すなわち、抵抗体30は、CrとNiの少なくとも一方を含む材料から形成できる。Crを含む材料としては、例えば、Cr混相膜が挙げられる。Niを含む材料としては、例えば、Cu-Ni(銅ニッケル)が挙げられる。CrとNiの両方を含む材料としては、例えば、Ni-Cr(ニッケルクロム)が挙げられる。
ここで、Cr混相膜とは、Cr、CrN、CrN等が混相した膜である。Cr混相膜は、酸化クロム等の不可避不純物を含んでもよい。
抵抗体30の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、0.05μm~2μm程度とすることができる。特に、抵抗体30の厚さが0.1μm以上であると、抵抗体30を構成する結晶の結晶性(例えば、α-Crの結晶性)が向上する点で好ましい。また、抵抗体30の厚さが1μm以下であると、抵抗体30を構成する膜の内部応力に起因する膜のクラックや基材10からの反りを低減できる点で更に好ましい。抵抗体30の幅は、抵抗値や横感度等の要求仕様に対して最適化し、かつ断線対策も考慮すると、10μm以上100μm以下とすることが好ましい。
例えば、抵抗体30がCr混相膜である場合、安定な結晶相であるα-Cr(アルファクロム)を主成分とすることで、ゲージ特性の安定性を向上できる。又、抵抗体30がα-Crを主成分とすることで、ひずみゲージ1のゲージ率を10以上、かつゲージ率温度係数TCS及び抵抗温度係数TCRを-1000ppm/℃~+1000ppm/℃の範囲内とすることができる。ここで、主成分とは、対象物質が抵抗体を構成する全物質の50重量%以上を占めることを意味するが、ゲージ特性を向上する観点から、抵抗体30はα-Crを80重量%以上含むことが好ましく、90重量%以上含むことが更に好ましい。なお、α-Crは、bcc構造(体心立方格子構造)のCrである。
又、抵抗体30がCr混相膜である場合、Cr混相膜に含まれるCrN及びCrNは20重量%以下であることが好ましい。Cr混相膜に含まれるCrN及びCrNが20重量%以下であることで、ゲージ率の低下を抑制できる。
又、CrN及びCrN中のCrNの割合は80重量%以上90重量%未満であることが好ましく、90重量%以上95重量%未満であることが更に好ましい。CrN及びCrN中のCrNの割合が90重量%以上95重量%未満であることで、半導体的な性質を有するCrNにより、TCRの低下(負のTCR)が一層顕著となる。更に、セラミックス化を低減することで、脆性破壊の低減がなされる。
一方で、膜中に微量のNもしくは原子状のNが混入、存在した場合、外的環境(例えば高温環境下)によりそれらが膜外へ抜け出ることで、膜応力の変化を生ずる。化学的に安定なCrNの創出により上記不安定なNを発生させることがなく、安定なひずみゲージを得ることができる。
配線41及び42は、基材10上に形成されている。電極51及び52は、基材10上に形成され、配線41及び42を介して抵抗体30と電気的に接続されており、例えば、配線41及び42よりも拡幅して略矩形状に形成されている。電極51及び52は、ひずみにより生じる抵抗体30の抵抗値の変化を外部に出力するための一対の電極であり、例えば、外部接続用のリード線等が接合される。図1では、便宜上、配線41及び42並びに電極51及び52を、抵抗体30よりも薄い梨地模様で示している。
なお、抵抗体30と配線41及び42と電極51及び52とは便宜上別符号としているが、同一工程において同一材料により一体に形成できる。従って、抵抗体30と配線41及び42と電極51及び52とは、厚さが略同一である。
配線41及び42や電極51及び52の上面を、配線41及び42や電極51及び52よりも低抵抗の材料から形成された金属で被覆してもよい。例えば、抵抗体30、配線41及び42、並びに電極51及び52がCr混相膜である場合、Cr混相膜よりも低抵抗な金属の材料として、Cu、Ni、Al、Ag、Au、Pt等、又は、これら何れかの金属の合金、これら何れかの金属の化合物、或いは、これら何れかの金属、合金、化合物を適宜積層した積層膜が挙げられる。
抵抗体30並びに配線41及び42を被覆し電極51及び52を露出するように、基材10の上面10aにカバー層60(絶縁樹脂層)を設けても構わない。カバー層60を設けることで、抵抗体30並びに配線41及び42に機械的な損傷等が生じることを防止できる。又、カバー層60を設けることで、抵抗体30並びに配線41及び42を湿気等から保護できる。なお、カバー層60は、電極51及び52を除く部分の全体を覆うように設けてもよい。
カバー層60は、例えば、PI樹脂、エポキシ樹脂、PEEK樹脂、PEN樹脂、PET樹脂、PPS樹脂、複合樹脂(例えば、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂)等の絶縁樹脂から形成できる。カバー層60は、フィラーや顔料を含有しても構わない。カバー層60の厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、2μm~30μm程度とすることができる。
ここで、ひずみゲージ1における耐ひずみ性について説明する。発明者らの検討によれば、配線41及び42の幅が狭い方が、配線41及び42がひずみを受けたときにクラックや断線が発生しにくいことがわかった。具体的には、発明者らは、配線41及び42の幅が10μm、100μm、345μm、560μmの4種類の試験用ひずみゲージを各々複数個ずつ作製して各々にひずみを与え、クラックや断線の発生について調べた。なお、この実験では、配線41及び42は厚さ0.2μmのCr混相膜とした。
実験の結果、配線41及び42の幅が狭まるにつれ、クラックや断線が減少する傾向が確認され、ひずみ限界が配線41及び42の幅に依存することがわかった。なお、ひずみ限界とは、ひずみゲージにひずみを与えたときに、クラック又は断線が生じ始める機械的ひずみの値である。
図3は、ひずみ限界の実験結果を示す図であり、複数個の試験用ひずみゲージにおけるひずみ限界の最小値をプロットしたものである。図3に示すように、発明者らの実験結果では、配線41及び42の幅が560μmの場合のひずみ限界が5500με以上であったのに対し、配線41及び42の幅が10μmの場合のひずみ限界は8500με以上であった。つまり、配線41及び42の幅が560μmの場合に比べ、配線41及び42の幅が10μmの場合には、ひずみ限界が約1.5倍となる。また、配線41及び42の幅が560μmから10μmの間では、ほぼ線形にひずみ限界が向上する。また、図3の結果から、配線41及び42の幅が10μm未満となった場合でも、ほぼ線形にひずみ限界がさらに向上すると予想される。
この結果は、弾性率が高いCr混相膜からなる配線41及び42の幅が広いと脆性破壊が生じやすく、配線41及び42の幅を狭くすることで、見かけ上の耐破壊力が上がったために得られたと考えられる。ひずみゲージ1を実際に使用するにあたっては、8000με程度のひずみ限界が要求されるため、配線41及び42の幅は100μm以下が好ましい。一方、製造プロセス上、配線41及び42の幅を5μm未満とすることは困難である。この点を考慮すると、配線41及び42の幅は5μm以上100μm以下が好ましいといえる。また、図3より、8500με以上のひずみ限界が要求される場合には、配線41及び42の幅は5μm以上10μm以下が好ましいといえる。
また、配線41及び42へ応力が集中すると配線41及び42が断線する要因となるが、抵抗体30と配線41及び42とが同一材料から形成されている場合(例えば、Cr混相膜である場合)、配線41及び42の幅を抵抗体30の幅以下とすることで、配線41及び42への応力集中を低減できる。これにより、ひずみゲージ1に大きなひずみがかかる場合にも配線41及び42の断線が抑制される。
ひずみゲージ1は起歪体へ貼り付けられ、起歪体の動きに追従し伸び縮みすることで、起歪体のひずみ量を検出する。そのため、より大きなひずみ量を検出するためには、伸び縮みの過程でひずみゲージ1自身が破損(断線等)してはならず、より高い耐ひずみ性が求められる。ひずみゲージ1において、配線41及び42の幅を5μm以上100μm以下とすることで、ひずみ限界の向上(耐ひずみ性の向上)を実現可能となる。
なお、配線41のすべての部分及び配線42のすべての部分において幅が5μm以上100μm以下であることが好ましい。しかし、例えば、後述の図6に示す太線部451及び461のように、部分的に100μmよりも幅広の部分が存在しても、配線41及び42が幅5μm以上100μm以下の部分を含むことにより、ひずみ限界の向上(耐ひずみ性の向上)に対して一定の効果を奏する。
ひずみゲージ1を製造するためには、まず、基材10を準備し、基材10の上面10aに金属層(便宜上、金属層Aとする)を形成する。金属層Aは、最終的にパターニングされて抵抗体30、配線41及び42、並びに電極51及び52となる層である。従って、金属層Aの材料や厚さは、前述の抵抗体30、配線41及び42、並びに電極51及び52の材料や厚さと同様である。
金属層Aは、例えば、金属層Aを形成可能な原料をターゲットとしたマグネトロンスパッタ法により成膜できる。金属層Aは、マグネトロンスパッタ法に代えて、反応性スパッタ法や蒸着法、アークイオンプレーティング法、パルスレーザー堆積法等を用いて成膜してもよい。
ゲージ特性を安定化する観点から、金属層Aを成膜する前に、下地層として、基材10の上面10aに、例えば、コンベンショナルスパッタ法により所定の膜厚の機能層を真空成膜することが好ましい。
本願において、機能層とは、少なくとも上層である金属層A(抵抗体30)の結晶成長を促進する機能を有する層を指す。機能層は、更に、基材10に含まれる酸素や水分による金属層Aの酸化を防止する機能や、基材10と金属層Aとの密着性を向上する機能を備えていることが好ましい。機能層は、更に、他の機能を備えていてもよい。
基材10を構成する絶縁樹脂フィルムは酸素や水分を含むため、特に金属層AがCrを含む場合、Crは自己酸化膜を形成するため、機能層が金属層Aの酸化を防止する機能を備えることは有効である。
機能層の材料は、少なくとも上層である金属層A(抵抗体30)の結晶成長を促進する機能を有する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、Cr(クロム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Ni(ニッケル)、Y(イットリウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Si(シリコン)、C(炭素)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)、Bi(ビスマス)、Fe(鉄)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Au(金)、Co(コバルト)、Mn(マンガン)、Al(アルミニウム)からなる群から選択される1種又は複数種の金属、この群の何れかの金属の合金、又は、この群の何れかの金属の化合物が挙げられる。
上記の合金としては、例えば、FeCr、TiAl、FeNi、NiCr、CrCu等が挙げられる。又、上記の化合物としては、例えば、TiN、TaN、Si、TiO、Ta、SiO等が挙げられる。
機能層が金属又は合金のような導電材料から形成される場合には、機能層の膜厚は抵抗体の膜厚の1/20以下であることが好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、抵抗体に流れる電流の一部が機能層に流れて、ひずみの検出感度が低下することを防止できる。
機能層が金属又は合金のような導電材料から形成される場合には、機能層の膜厚は抵抗体の膜厚の1/50以下であることがより好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、抵抗体に流れる電流の一部が機能層に流れて、ひずみの検出感度が低下することを更に防止できる。
機能層が金属又は合金のような導電材料から形成される場合には、機能層の膜厚は抵抗体の膜厚の1/100以下であることが更に好ましい。このような範囲であると、抵抗体に流れる電流の一部が機能層に流れて、ひずみの検出感度が低下することを一層防止できる。
機能層が酸化物や窒化物のような絶縁材料から形成される場合には、機能層の膜厚は、1nm~1μmとすることが好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、機能層にクラックが入ることなく容易に成膜できる。
機能層が酸化物や窒化物のような絶縁材料から形成される場合には、機能層の膜厚は、1nm~0.8μmとすることがより好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、機能層にクラックが入ることなく更に容易に成膜できる。
機能層が酸化物や窒化物のような絶縁材料から形成される場合には、機能層の膜厚は、1nm~0.5μmとすることが更に好ましい。このような範囲であると、α-Crの結晶成長を促進できると共に、機能層にクラックが入ることなく一層容易に成膜できる。
なお、機能層の平面形状は、例えば、図1に示す抵抗体の平面形状と略同一にパターニングされている。しかし、機能層の平面形状は、抵抗体の平面形状と略同一である場合には限定されない。機能層が絶縁材料から形成される場合には、抵抗体の平面形状と同一形状にパターニングしなくてもよい。この場合、機能層は少なくとも抵抗体が形成されている領域にベタ状に形成されてもよい。或いは、機能層は、基材10の上面全体にベタ状に形成されてもよい。
又、機能層が絶縁材料から形成される場合に、機能層の厚さを50nm以上1μm以下となるように比較的厚く形成し、かつベタ状に形成することで、機能層の厚さと表面積が増加するため、抵抗体が発熱した際の熱を基材10側へ放熱できる。その結果、ひずみゲージ1において、抵抗体の自己発熱による測定精度の低下を抑制できる。
機能層は、例えば、機能層を形成可能な原料をターゲットとし、チャンバ内にAr(アルゴン)ガスを導入したコンベンショナルスパッタ法により真空成膜できる。コンベンショナルスパッタ法を用いることにより、基材10の上面10aをArでエッチングしながら機能層が成膜されるため、機能層の成膜量を最小限にして密着性改善効果を得ることができる。
但し、これは、機能層の成膜方法の一例であり、他の方法により機能層を成膜してもよい。例えば、機能層の成膜の前にAr等を用いたプラズマ処理等により基材10の上面10aを活性化することで密着性改善効果を獲得し、その後マグネトロンスパッタ法により機能層を真空成膜する方法を用いてもよい。
機能層の材料と金属層Aの材料との組み合わせは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、機能層としてTiを用い、金属層Aとしてα-Cr(アルファクロム)を主成分とするCr混相膜を成膜可能である。
この場合、例えば、Cr混相膜を形成可能な原料をターゲットとし、チャンバ内にArガスを導入したマグネトロンスパッタ法により、金属層Aを成膜できる。或いは、純Crをターゲットとし、チャンバ内にArガスと共に適量の窒素ガスを導入し、反応性スパッタ法により、金属層Aを成膜してもよい。この際、窒素ガスの導入量や圧力(窒素分圧)を変えることや加熱工程を設けて加熱温度を調整することで、Cr混相膜に含まれるCrN及びCrNの割合、並びにCrN及びCrN中のCrNの割合を調整できる。
これらの方法では、Tiからなる機能層がきっかけでCr混相膜の成長面が規定され、安定な結晶構造であるα-Crを主成分とするCr混相膜を成膜できる。又、機能層を構成するTiがCr混相膜中に拡散することにより、ゲージ特性が向上する。例えば、ひずみゲージ1のゲージ率を10以上、かつゲージ率温度係数TCS及び抵抗温度係数TCRを-1000ppm/℃~+1000ppm/℃の範囲内とすることができる。なお、機能層がTiから形成されている場合、Cr混相膜にTiやTiN(窒化チタン)が含まれる場合がある。
なお、金属層AがCr混相膜である場合、Tiからなる機能層は、金属層Aの結晶成長を促進する機能、基材10に含まれる酸素や水分による金属層Aの酸化を防止する機能、及び基材10と金属層Aとの密着性を向上する機能の全てを備えている。機能層として、Tiに代えてTa、Si、Al、Feを用いた場合も同様である。
このように、金属層Aの下層に機能層を設けることにより、金属層Aの結晶成長を促進可能となり、安定な結晶相からなる金属層Aを作製できる。その結果、ひずみゲージ1において、ゲージ特性の安定性を向上できる。又、機能層を構成する材料が金属層Aに拡散することにより、ひずみゲージ1において、ゲージ特性を向上できる。
次に、フォトリソグラフィによって金属層Aをパターニングし、図1に示す平面形状の抵抗体30、配線41及び42、並びに電極51及び52を形成する。
その後、必要に応じ、基材10の上面10aに、抵抗体30並びに配線41及び42を被覆し電極51及び52を露出するカバー層を設けることで、ひずみゲージ1が完成する。カバー層は、例えば、基材10の上面10aに、抵抗体30並びに配線41及び42を被覆し電極51及び52を露出するように半硬化状態の熱硬化性の絶縁樹脂フィルムをラミネートし、加熱して硬化させて作製できる。カバー層は、基材10の上面10aに、抵抗体30並びに配線41及び42を被覆し電極51及び52を露出するように液状又はペースト状の熱硬化性の絶縁樹脂を塗布し、加熱して硬化させて作製してもよい。
なお、抵抗体30、配線41及び42、並びに電極51及び52の下地層として基材10の上面10aに機能層を設けた場合には、ひずみゲージ1は図4に示す断面形状となる。符号20で示す層が機能層である。機能層20を設けた場合のひずみゲージ1の平面形状は、例えば、図1と同様となる。但し、前述のように、機能層20は、基材10の上面の一部又は全部にベタ状に形成される場合もある。なお、機能層20は、抵抗体30や配線41及び42に対して極薄であるため、機能層20の有無は、抵抗体30や配線41及び42のひずみ限界の大小には影響がないと考えられる。
〈第1実施形態の変形例〉
第1実施形態の変形例では、配線の引き回しが異なるひずみゲージの例を示す。なお、第1実施形態の変形例において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図5は、第1実施形態の変形例1に係るひずみゲージを例示する平面図である。図5を参照すると、ひずみゲージ1Aは、配線41及び42が配線43及び44に置換された点が、ひずみゲージ1(図1、図2等参照)と相違する。なお、配線43は本発明に係る第3配線の代表的な一例であり、配線44は本発明に係る第4配線の代表的な一例である。
ひずみゲージ1Aでは、抵抗体30のグリッド幅方向の終端30eと電極51は、並列に接続された3本の配線43により電気的に接続されている。また、抵抗体30のグリッド幅方向の終端30eと電極52は、並列に接続された3本の配線44により電気的に接続されている。各々の配線43のすべての部分及び各々の配線44のすべての部分において、幅は5μm以上100μm以下である。
このように、抵抗体30と電極51及び52とを接続する配線を複線化してもよい。この場合も、各々の配線43及び各々の配線44の幅を5μm以上100μm以下とすることで、配線41及び42の場合と同様に、ひずみ限界の向上(耐ひずみ性の向上)を実現可能となる。
また、万が一、複数の配線43及び44のうちの何本かが破損(断線等)しても、少なくとも1本の配線43及び配線44が接続されていれば、ひずみゲージ1Aとして動作が可能となる。なお、複線化の本数は2本以上であればよく、図5に例示した3本には限定されない。
図6は、第1実施形態の変形例2に係るひずみゲージを例示する平面図である。図6を参照すると、ひずみゲージ1Bは、配線41及び42が配線45及び46に置換された点が、ひずみゲージ1(図1、図2等参照)と相違する。なお、配線45は本発明に係る第5配線の代表的な一例であり、配線46は本発明に係る第6配線の代表的な一例である。
ひずみゲージ1Bでは、抵抗体30のグリッド幅方向の終端30eと電極51は、配線45により電気的に接続されている。また、抵抗体30のグリッド幅方向の終端30eと電極52は、配線46により電気的に接続されている。
配線45は、一端が抵抗体30のグリッド幅方向の終端30eと電気的に接続する1本の太線部451と、太線部451の他端から分岐して電極51と電気的に接続する3本の細線部452とを含む。また、配線46は、一端が抵抗体30のグリッド幅方向の終端30eと電気的に接続する1本の太線部461と、太線部461の他端から分岐して電極52と電気的に接続する3本の細線部462とを含む。
各々の細線部452のすべての部分及び各々の細線部462のすべての部分において、幅は5μm以上100μm以下である。太線部451は、各々の細線部452より幅広であり、太線部451のすべての部分において幅が100μmより広くてもよい。また、太線部461は、各々の細線部462より幅広であり、太線部461のすべての部分において幅が100μmより広くてもよい。
このように、配線の複線化は、抵抗体30から電極51及び52までのすべての部分について行う必要はなく、一部についてのみ行ってもよい。この場合も、各々の細線部452及び各々の細線部462の幅を5μm以上100μm以下とすることで、配線41及び42の場合と同様に、ひずみ限界の向上(耐ひずみ性の向上)を実現可能となる。
また、万が一、複数の細線部452及び462のうちの何本かが破損(断線等)しても、少なくとも1本の細線部452及び462が接続されていれば、ひずみゲージ1Bとして動作が可能となる。なお、複線化の本数(細線部の本数)は2本以上であればよく、図6に例示した3本には限定されない。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本発明は、基材上に抵抗体が複数個形成されたひずみゲージにも適用可能である。本発明は、例えば、基材上に形成された2つの抵抗体によりハーフブリッジ回路を構成するひずみゲージにも適用可能である。あるいは、本発明は、例えば、基材上に形成された4つの抵抗体によりフルブリッジ回路を構成するひずみゲージにも適用可能である。
1、1A、1B ひずみゲージ、10 基材、10a 上面、20 機能層、30 抵抗体、30e、30e 終端、41、42、43、44、45、46 配線、51、52 電極、60 カバー層、451、461 太線部、452、462 細線部

Claims (13)

  1. 可撓性を有する基材と、
    前記基材上に形成された抵抗体と、
    前記基材上に形成され、配線を介して前記抵抗体と電気的に接続された一対の電極と、を有し、
    前記抵抗体の幅は、10μm以上100μm以下であり、
    前記配線は、幅5μm以上100μm以下の部分を含む、ひずみゲージ。
  2. ひずみ限界が8000με以上である、請求項1に記載のひずみゲージ。
  3. 前記配線の幅は、前記抵抗体の幅以下である、請求項1又は2に記載のひずみゲージ。
  4. 前記配線は、前記抵抗体のグリッド幅方向の各々の終端と各々の前記電極とを電気的に接続している、請求項1乃至3の何れか一項に記載のひずみゲージ。
  5. 前記配線は、
    前記抵抗体のグリッド幅方向の終端の一方と一対の前記電極の一方とを電気的に接続する1本の第1配線と、
    前記抵抗体のグリッド幅方向の終端の他方と一対の前記電極の他方とを電気的に接続する1本の第2配線と、を含み、
    前記第1配線のすべての部分及び前記第2配線のすべての部分において幅が5μm以上100μm以下である、請求項4に記載のひずみゲージ。
  6. 前記配線は、
    前記抵抗体のグリッド幅方向の終端の一方と一対の前記電極の一方とを電気的に接続する2本以上の第3配線と、
    前記抵抗体のグリッド幅方向の終端の他方と一対の前記電極の他方とを電気的に接続する2本以上の第4配線と、を含み、
    各々の前記第3配線のすべての部分及び各々の前記第4配線のすべての部分において幅が5μm以上100μm以下である、請求項4に記載のひずみゲージ。
  7. 前記配線は、
    前記抵抗体のグリッド幅方向の終端の一方と一対の前記電極の一方とを電気的に接続する第5配線と、
    前記抵抗体のグリッド幅方向の終端の他方と一対の前記電極の他方とを電気的に接続する第6配線と、を含み、
    前記第5配線は、一端が前記抵抗体のグリッド幅方向の終端の一方と電気的に接続する1本の太線部と、前記太線部の他端から分岐して前記電極の一方と電気的に接続する2本以上の細線部と、を含み、
    前記第6配線は、一端が前記抵抗体のグリッド幅方向の終端の他方と電気的に接続する1本の太線部と、前記太線部の他端から分岐して前記電極の他方と電気的に接続する2本以上の細線部と、を含み、
    各々の前記細線部のすべての部分において幅が5μm以上100μm以下である、請求項4に記載のひずみゲージ。
  8. 各々の前記太線部のすべての部分において幅が100μmよりも広い、請求項7に記載のひずみゲージ。
  9. 前記配線は、前記抵抗体と同一材料により一体に形成されている、請求項1乃至8の何れか一項に記載のひずみゲージ。
  10. 前記抵抗体は、Cr、CrN、及びCrNを含む膜から形成されている、請求項1乃至9の何れか一項に記載のひずみゲージ。
  11. ゲージ率が10以上である請求項10に記載のひずみゲージ。
  12. 前記抵抗体に含まれるCrN及びCrNは、20重量%以下である請求項10又は11に記載のひずみゲージ。
  13. 前記CrN及び前記CrN中の前記CrNの割合は、80重量%以上90重量%未満である請求項12に記載のひずみゲージ。
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WO2024010027A1 (ja) * 2022-07-07 2024-01-11 ミネベアミツミ株式会社 ひずみゲージ

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