JP2022092935A - 家禽類の飼料要求率改善剤及び飼育方法 - Google Patents

家禽類の飼料要求率改善剤及び飼育方法 Download PDF

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Abstract

【課題】家禽類の飼育に寄与する飼料要求率を改善する剤を提供する。【解決手段】ホエイタンパク加水分解物を有効成分とする家禽類の飼料添加剤。【選択図】なし

Description

本発明は、家禽類の飼料の添加剤に関する。特に、飼料要求率を改善する添加剤に関する。
ブロイラーなどの家禽類は飼料効率に優れている。さらに飼料要求率を改善する研究開発がなされている。
例えば、非特許文献1には、肉用の国産鶏の開発目標として、平成27年現在の飼料要求率2.0を平成37年に1.9にすること、育成率を96%から98%にすることがあげられている(図7参照)。
非特許文献2には、2017年のブロイラー出荷実績調査(出荷農場318箇所、出荷数137百万羽)には、飼料要求率1.78、商品化率93.6と報告されている。
非特許文献3には、「育種改良の進んだブロイラーの飼料給与方法」と題する報告には、
2004年において、55日齢での飼料要求率が1.81、育成率が90.6%と記載されている。
非特許文献4には、ブロイラー銘柄の一種であるチャンキー種の1984年から2014年までにおける7週齢の成績目標値の推移が、最近の30年間で7週齢時の体重が2085gから3264g、飼料要求率(体重を1kg増加するために必要な飼料の量)が2.00から1.827と大幅に改善しており、より短期間で効率良く成長する鶏に進化していることがわかると、記載されている(図8参照)。
特許文献1(特許第6483263号公報)には、アセチルシステインを有効成分とし、前記有効成分が体重1kg当たり1日0.5mg~5mgとなるように経口摂取にて給与させるための、鶏の健康状態の向上による生産性向上のための飼料要求率改善用および死亡・淘汰率改善用剤が開示されている。
特許文献2(特許第6643319号公報)には、家禽類の飼育においてバチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)CP3425(国際寄託番号NITE BP-01693)またはその派生株もしくは変異株を家禽類の生産後期に給与する家禽類の飼育方法、が開示されている。
特許第6483263号公報 特許第6643319号公報
鶏の改良増殖目標 平成27年3月農水省 第106回JCA技術ゼミ ブロイラー実績調査速報 2018年4月11日 東京ガーデンパレス、株式会社日本チャンキー、和久 健太(https://www.chunky.co.jp/wp-content/uploads/2018/03/HP-%E7%AC%AC106%E5%9B%9E%E3%80%8C%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%AE%9F%E7%B8%BE%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E9%80%9F%E5%A0%B1%E3%80%8DNC%E5%92%8C%E4%B9%85.pdf) 育種改良の進んだブロイラーの飼料給与方法 鳥取中小試・環境・養鶏研究室(https://www.naro.affrc.go.jp/org/warc/research_results/h17/11_tikusan/p405/index.html) ブロイラーの育種改良と飼料栄養の変遷 日清丸紅飼料株式会社 2017年8月発表(http://mn-feed.com/technical-info/support-topics/detail_post_7.html)
本発明は、家禽類の飼育に寄与する飼料要求率を改善する剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、ホエイタンパクについて着目して、飼料要求率改善機能を検討した結果、次の以下の構成からなる発明に至った。
1.ホエイタンパク加水分解物を有効成分とする家禽類の飼料添加剤。
2.飼料要求率改善剤又は育成率改善剤であることを特徴とする1.記載の飼料添加剤。
3.ホエイタンパク加水分解物が、ホエイペプチドであることを特徴とする1.又は2.記載の飼料添加剤。
4.ホエイペプチドは、加水分解物の分子量分布が10kDa以下でメインピークが200Da~3kDa、APL(平均ペプチド鎖長)が2~8、遊離アミノ酸含量が20%以下であることを特徴とする3.記載の飼料添加剤。
5.家禽幼雛用であることを特徴とする1.~4.のいずれかに記載の飼料添加剤。
6.食用系家禽であることを特徴とする1.~5.のいずれかに記載の飼料添加剤。
7.1.~6.に記載されているいずれかの飼料添加剤を含むことを特徴とする家禽用飼料。
8.家禽幼雛用の飼料に1.~6.に記載されているいずれかの飼料添加剤を0.01~10.0重量%添加したことを特徴とする7.記載の家禽用飼料。
9.1.~6.のいずれかに記載の飼料添加剤を、0.01~10.0重量%添加して調整した飼料を家禽幼雛に給与することを特徴とする家禽類の飼育方法。
1.家禽類に対して、ホエイタンパク加水分解物を有効成分として供与することにより飼料要求率を改善できる添加剤を開発できた。特に、ホエイペプチドが幼雛への供与に適し、出荷時まで継続して飼料要求率が改善されることを確認した。ホエイペプチドは、初生雛に給与することで、商品化率、体重、飼料要求率、PSにおいて良い結果が得られた。
ホエイペプチドは、加水分解物の分子量分布が10kDa以下でメインピークが200Da~3kDa、APL(平均ペプチド鎖長)が2~8、遊離アミノ酸含量が20%以下が適している。
2.育成期間中の死亡数も少なくなり、育成率も向上することが確認できた。
3.飼育対象の家禽は、ブロイラー、産卵用鶏、ターキー、ガチョウ、キジ、アヒルなどの食用に供するために飼育される鶏類である。
対照飼料の配合割合(%)および成分組成 発育成績 発育成績 ブロイラー飼育試験結果を示す表 実施例2 試験結果 各週令斃死羽数 肉用鶏の能力に関する目標数値(全国平均)(平成27年度) 週齢体重と飼料要求率の推移 育成段階に応じた給与飼料例
本発明をさらに具体的に説明する。
本発明は、ホエイタンパクを加水分解して、低分子化した加水分解物を家禽類の飼料添加剤とするものである。加水分解物としては、ホエイペプチドが適している。
本飼料添加剤は、飼料要求率を改善することができ、飼育率を改善することができる。添加剤は、添加剤そのもののほか、飼料に混合した配合飼料、給餌に添加する飼育方法の形態をとることができる。
添加量は、給餌飼料の0.01~10.0重量%とすることができ、0.05~2.0重量%が好ましい。
本明細書中で使用する「飼料要求率」とは、一般に、動物の消費飼料の量と体重増加との比、すなわち飼料摂取重量(kg)/体重増加重量(kg)、あるいは体重を1kg増加させるために動物に給餌する飼料量を指す。たとえば飼料要求率2は、2kgの飼料量が必要であることを示す。したがって飼料要求率の値が小さいほど飼料要求率がよいことを示している。飼料要求率は、家禽類の種類や飼育環境によって大きく異なることが知られている。また、飼料要求率は単純に飼料量を表しているので、数値が大きい場合には、飼料要求率の改善率が小さくとも、飼料の削減量は大きくなる。通常は、飼料要求率値を0.01、好ましくは、0.1以上改善すれば経済効果は、非特許文献1の改善目標に挙げられるように、非常に大きい。
飼料要求率の改善分の飼料代が少なくなり、利益に直結する。
<ホエイタンパク>
ホエイは、乳(牛乳)から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液である、「乳清」とも呼ばれる。ホエイは、チーズを作る際に固形物(カード)と分離された副産物として大量に得られる。高蛋白、低脂肪で乳成分由来カルシウムなどの無機栄養分やビタミンB群をはじめ各ビタミン類など栄養価が高い。独特の甘酸っぱい味があり、ホエイを加工した飲料、粉状(ホエイパウダー)に加工しプロテインサプリメント等の原材料、生クリームなどの代替などに利用される例がある。
牛乳ホエイタンパクには、アレルゲンとなるβ-ラクトグロブリンが、さらにα-ラクトアルブミン、免疫グロブリンあるいは牛血清アルブミン等のタンパクが存在しており、ブロメライン、パパインなど植物由来のタンパク分解酵素を用いてβ-ラクトグロブリンを選択的に加水分解して、牛乳ホエイタンパク加水分解物を製造する方法(特許第3092870号公報)が知られている。ホエイペプチドを含む加水分解物の例が特許第5735734号公報に開示されている。
ホエイペプチドは、アミノ酸が数個から十数個結合した分子で、主にタンパク質を酵素で分解することで得られる。ペプチドやアミノ酸は、タンパク質に比較して消化過程が不要なことから短時間で体内に吸収される。また、ジ,トリペプチドは、腸管に特異的な担体が存在しアミノ酸よりも吸収速度が速いことが知られている。吸収性における利点に加えて、ペプチドの中には、血圧降下作用や抗菌作用などの効果を有するペプチドが見出されており、ペプチドが持つ様々な機能性にも注目が集まっている。
ホエイペプチドは、ホエイタンパク質を酵素分解して製造されたペプチド素材である。平均分子量は400Da程度であり、ジ,トリペプチドを中心に含有していると推定される。また、分岐鎖アミノ酸(BCAA)のパリン、ロイシン、イソロイシンが合計20%以上含まれている。
本発明では、加水分解物の分子量分布が10kDa以下でメインピークが200Da~3kDa、APL(平均ペプチド鎖長)が2~8、遊離アミノ酸含量が20%以下であるホエイぺプチドが適している。
例えば、
(1)ホエイペプチドA:分子量分布が10kDa以下、メインピークは1.3kDa、APLは7.2、全ての構成成分に対する遊離アミノ酸含量は18.9%、
(2)ホエイペプチドB:分子量分布は10kDa以下、メインピークは500Da、APLは3.0、全ての構成成分に対する遊離アミノ酸含量は15.2%であった。
これらのホエイペプチドは、例えば特開2008-255090号公報などに開示されている製法を用いて製造することができる。
本発明の飼料添加剤は、有効成分であるホエイタンパク加水分解物に適当な助剤を添加して任意の形態に製剤化して、経口投与が可能な組成物とすることができる。製剤化に際して、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤等の希釈剤又は賦形剤を用いることができる。
また、飼料添加剤の剤型としては、各種形態が選択でき、例えば、乾燥物、液状、粒状、粉末状、ペレット状、棒状、球状等が挙げられる。賦形剤としては、例えば、ショ糖、乳糖、デンプン、結晶性セルロース、マンニット、軽質無水珪酸、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシルメチルセルロースカルシウム等の1種又は2種以上を組み合わせて加えることができる。
本発明の飼料添加組成物は、家禽用の飼料に添加して使用される。好ましい添加量は、飼料に対し0.01~10.0重量%の範囲であるが、この範囲に限定されないものとする。好ましくは、0.05~2.0重量%を添加する。
本発明の飼料添加剤は、添加剤を単体で提供、あるいは、飼料会社で配合した添加剤配合飼料として供給あるいは、育成用の鶏舎で給餌時に混合して給与など形態で供給することができる。
本発明の飼料添加剤を混合した組成物は、固体状または液体状のいずれの形態でもよい。固体状の形態には、例えば粉末、顆粒、ペレット、などが含まれる。また、液体状の形態には、例えば懸濁液などが含まれる。このような形態に仕上げるために、家禽類用として供給されている物質を含む、担体、賦形剤、補助剤などを適宜含有させることによって提供形態とすることができる。
<家禽について>
本発明の対象となる「家禽類」は、人が飼育する商用のトリを指し、好ましくは、ブロイラー、ターキー、ガチョウ、キジ、アヒル(ペキンダック等)などの食用に供するための「食肉用のトリ」である。
家禽類の飼育日数は、生後0日(誕生)から出荷日までの日数であり、家禽類の種類によって異なる。また、出荷時期により変動するが、約25日~約170日である。具体的には、飼育日数は、例えば、ブロイラーでは約35日~約60日であり、ターキーでは約140日~約170日であり、ペキンダックでは約40~約50日であり、ガチョウでは約25日~約30日であり、ならびに、キジでは約120日である。
<家禽の飼育について>
家禽類の飼料は、家禽類の発育段階と出荷時期に合わせて、組成を変えることが行われる。
例えば、約3~4週間ごとに飼育期間の変化に合わせて、栄養組成を変えることが通常行われている。家禽類のなかでブロイラーやターキーでは、生後0日から給与される飼料が、Starter飼料、Grower飼料、およびFinisher飼料に区分されており、これらの飼料の栄養組成および飼料を与える時期は異なっている。
ブロイラーは、日本では鶏肉として食用されている肉用鶏であり、短期間で急速に成長する品種として開発されており、チャンキー、コッブ、アーバーエーカなどが主な品種である。生後数週間で最大2kg前後の肉が取れるまでに成長する。ブロイラーは、育種改変により、過去50年間で成長率が1日25gから100gへとあがっている。その結果通常、鶏は成鶏に達するのに4~5か月かかるところをブロイラーは40~50日で成鶏の大きさに達するようになった。そのため、急激な成長により歩行障害や心臓疾患で死亡する例も多く、生育率の向上も経営上の重要な要素である。
例えば、北海地鶏II飼育マニュアル(平成24年3月 北海道総合研究機構 畜産試験場北海道)には、次のような育成段階に応じた給与飼料(図9)が示されている。なお、給与量は、1羽当たりである。
別の例では、0~19日齢までの期間にStarter飼料を与え、19~35日齢までの期間にGrower飼料を与え、そして、約35~42日齢までの期間にFinisher飼料を与えるとされている。
ブロイラー用の飼料原料は、トウモロコシ、マイロ、カラスムギ、オオムギ、モロコシ、コムギ、ライコムギ、ライムギ、コメなどの穀類由来の炭水化物、大豆かす、魚粉、肉骨粉、小麦全粒粉、ナタネなどのたんぱく質、炭酸カルシウム、食塩、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、油脂、脂肪などの添加物などがある。
基本は、日本標準飼料成分表(独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 編)が参考となる。
給与量は、家禽の種類、品種や飼育計画に依拠するが、それぞれの家禽や品種によって、標準的な仕様がある。
<飼育環境>
ブロイラーは、通常、大規模な密閉型の鶏舎の中に高い飼養密度で収容され、養鶏用飼料を給餌され、オールイン、オールアウトで養鶏されている。環境悪化は生育不良や死亡数の増加となるので、換気と雛の時は温度管理が必要となる。
家禽類の飼育では、一定の区画の囲い(pen)のなか、自動調節された温度下で、上記のような飼育期間に応じて栄養組成が異なる飼料を毎日与えながら飼育する。飼育の間には、水を自由に飲めるようにする。
以下、本発明を実施例、試験例によってさらに具体的に説明する。
1.ホエイペプチド(上記ホエイペプチドA)について、「飼料の安全性評価基準及び評価手続の制定について(平成20年5月19日付け20消安第597号、農林水産省消費・安全局長通知)」による「鶏ひなの成長試験」に準じて安全性を検討した。
試験は、供試品を含まない対照飼料を給与する対照区と、対照飼料中のコーングルテンミールと置換することにより、ホエイペプチドでは0.08%および0.8%添加した試験飼料を給与する2試験区の計3区を設定した。
制限給餌法により育成した8日齢の産卵鶏雄ひな6羽を1群とし、各区に3群ずつ配して、各飼料を6日間自由摂取させた。
その結果、いずれの試験区においても、対照区に比べて増体量および飼料要求率が優れる傾向を示した。
また、いずれの供試ひなの健康状態にも異常は観察されなかった。
2.材料および方法
1)供試品
ホエイペプチド
2)供試ひな
餌付時に1羽あたり10gの対照飼料を3日分として給与し、以後は1日1羽あたり3.5gを定量給与して育成した8日齢の産卵鶏(ジュリアライト)雄ひな212羽から体重が44~50gの個体を選抜して供試した。
3)試験区の設定
供試品を含まない対照飼料(図1)を給与する対照区と、対照飼料中のコーングルテンミールと置換することにより、ホエイペプチドを0.08%および0.8%添加した試験飼料を給与する2試験区の計3区を設定した。
供試ひなを体重の分布がほぼ均等となるように6羽ずつ割り付けた9群に区分し、各区に3群ずつを無作為に割り付けて6日間飼育した。
なお、供試品の添加量は、以下に基づいて設定した。
ホエイペプチドの推奨給与量は、それぞれ100mg/日/体重kgとされている。本試験では、試験期間を通じて推奨給与量以上の供試品が摂取されるよう、供試ひなの終了時体重を120g、試験期間を通算した1日あたりの飼料摂取量を16gと仮定して飼料中の供試品濃度を算出した結果、飼料中の供試品濃度は、ホエイペプチドでは0.075%と算出されたことから、飼料への添加量をホエイペプチドでは(10倍希釈品として0.08%、0.8%とした。したがって、本試験における供試品の添加量は、推奨給与量およびその約10倍量に相当する。
4)飼養管理
供試ひなは、電熱給温式の育すう器で群毎に飼育した。また、環境条件による影響を防ぐため、各群の収容位置を毎日移動した。
飼料および飲水は自由摂取させた。
5)調査項目および方法
(1)健康状態
食欲、糞便の性状、活力、鳴声、羽毛の状態等を観察した。
(2)体重および増体量
試験開始時および試験終了時に個体別体重を測定し、増体量を算出した。
(3)飼料摂取量および飼料要求率
試験期間中の飼料摂取量を群毎に測定し、1羽あたりの飼料摂取量および飼料要求率を算出した。
6)試験結果の解析
増体量、飼料摂取量および飼料要求率について、供試品毎に、一元配置法により分散分析し、試験区と対照区との差の有意性について検討した。
3.結果および考察
試験期間中の増体量、飼料摂取量および飼料要求率を図2、3に示した。
飼料要求率は、対象区平均1.65に対してホエイペプチド添加区では、平均1.54、1.55であって、0.11~0.10の改善が認められた。
ホエイペプチド添加区では、対照区に比べて増体量および飼料要求率が優れる傾向を示し、0.08%添加区の飼料要求率は対照区より有意(p<0.05)に優れ、0.8%添加区の増体量は対照区より有意(p<0.05)に大きかった。
健康状態の観察では、対照区および各試験区とも、いずれの供試ひなにおいても、健康状態には異常が観察されなかった。また、各試験区における供試品摂取量は図3に示したとおりであり、いずれの試験区においても、設定量以上の供試品を摂取したことが確認された。
以上の結果から、ホエイペプチドでは0.8%まで添加した飼料を給与しても、ひなの発育や健康状態に悪影響を及ぼす懸念はないものと考えられる。
1.実施例1の試験によって、幼雛について、飼料要求率が改善し、健康状態への悪影響も認められなかったので、ブロイラーの鶏舎飼育試験を行った。
<鶏舎試験>
対照区、試験区ともに2回の給与試験を実施し、その平均値を用いて比較した。
鶏舎は、コマーシャルの開放鶏舎を温度34℃、湿度80%、敷料としておが粉を使用し、飲水は自由摂取、餌付け飼料は敷料の上に敷いたペーパーの上に撒いて給与した。
2.材料および方法
1)供試品
ホエイペプチド(上記ホエイぺプチドA)
2)供試ブロイラー
飼育品種:チャンキー
飼育雛数:4400羽/1鶏舎
試験鶏舎:1舎
対照鶏舎:1舎
ホエイペプチド添加量:1g/羽給与。4400羽の雛に3日間給与する餌付け飼料の量を176kgと設定し、4.4kgのホエイペプチドを混合し、3日間に分けて給与した。
※なお、対象区では、ホエイペプチド代替品の追加はなかった。
3)飼養管理
試験用飼育舎では、初期の3日間ホエイペプチドを添加した。そのほかは、通常の飼料を対照飼育舎と同様に通常の飼料を給与した。飼育数は4400羽/舎であるが、実際に納品される雛数は死亡数をある程度見込んだ加算数で納品される。
4)調査項目および方法
(1)飼料要求率
(2)体重:1羽当たりの体重変化を計測。
(3)死亡数及び商品化率
注)商品化率の母数を4400羽としているので、死亡数が加算数よりも少ない場合は、商品化率(育成率)が100を上回ることになる。
(4)プロダクションスコア(PS)
5)試験結果の解析
試験結果を図4、5、6に示す。
飼料要求率は、試験区では、1.68に対して対照区では1.74であり、0.06の改善が認められた。
体重は、出荷時において、試験区では3030g/羽であり、対照区よりも120g/羽以上増加している。
死亡数は、試験記録から、試験区が81羽であり、対照区が86羽であったが、出荷前2週間の死亡数では、対照区が27羽に対して試験区は、13羽であり、出荷間際での死亡羽数が抑えられた。その結果、商品化率も100.8%であり、対照区よりも約1%高い結果となった。
プロダクションスコア(PS)は、試験区は370.8であり、対照区より28高い値が得られた。
3.結果および考察
ホエイペプチドを初生雛に1g給与することで、商品化率、体重、飼料要求率、PSにおいて良い結果が得られた。
また、死亡羽数においても、後半の死亡が少なく、出荷間際での取りこぼしを少なく抑えられた。
これらは、雛の初期発育時に消化性の良いペプチドを摂取することで、消化管が発達し、効率良い飼料の消化吸収が要求率を改善し、成長がしっかりすることにより、後半の死亡羽数が少なくなる結果となった可能性がある。
ホエイペプチドを幼雛に給与することにより、飼育全体の飼料要求率改善に寄与し、死亡率も少なく商品化率(飼育率)の改善にも寄与していると評価できる。

Claims (9)

  1. ホエイタンパク加水分解物を有効成分とする家禽類の飼料添加剤。
  2. 飼料要求率改善剤又は育成率改善剤であることを特徴とする請求項1記載の飼料添加剤。
  3. ホエイタンパク加水分解物が、ホエイペプチドであることを特徴とする請求項1又は2記載の飼料添加剤。
  4. ホエイペプチドは、加水分解物の分子量分布が10kDa以下でメインピークが200Da~3kDa、APL(平均ペプチド鎖長)が2~8、遊離アミノ酸含量が20%以下であることを特徴とする請求項3記載の飼料添加剤。
  5. 家禽幼雛用であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の飼料添加剤。
  6. 食用系家禽であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の飼料添加剤。
  7. 請求項1~6に記載されているいずれかの飼料添加剤を含むことを特徴とする家禽用飼料。
  8. 家禽幼雛用の飼料に請求項1~6に記載されているいずれかの飼料添加剤を0.01~10.0重量%添加したことを特徴とする請求項7記載の家禽用飼料。
  9. 請求項1~6のいずれかに記載の飼料添加剤を、0.01~10.0重量%添加して調整した飼料を家禽幼雛に給与することを特徴とする家禽類の飼育方法。
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