JP2022092705A - 飛行体 - Google Patents

飛行体 Download PDF

Info

Publication number
JP2022092705A
JP2022092705A JP2020205572A JP2020205572A JP2022092705A JP 2022092705 A JP2022092705 A JP 2022092705A JP 2020205572 A JP2020205572 A JP 2020205572A JP 2020205572 A JP2020205572 A JP 2020205572A JP 2022092705 A JP2022092705 A JP 2022092705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aircraft
cabin
rotor
seats
airframe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2020205572A
Other languages
English (en)
Inventor
章司 北間
Shoji Kitama
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Quintuple Air
Quintuple Air Inc
Original Assignee
Quintuple Air
Quintuple Air Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Quintuple Air, Quintuple Air Inc filed Critical Quintuple Air
Priority to JP2020205572A priority Critical patent/JP2022092705A/ja
Priority to IL303453A priority patent/IL303453A/en
Priority to EP21903159.8A priority patent/EP4261124A1/en
Priority to CN202180083137.6A priority patent/CN116829459A/zh
Priority to PCT/JP2021/042618 priority patent/WO2022124055A1/ja
Publication of JP2022092705A publication Critical patent/JP2022092705A/ja
Priority to US18/332,049 priority patent/US20240158075A1/en
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C27/00Rotorcraft; Rotors peculiar thereto
    • B64C27/22Compound rotorcraft, i.e. aircraft using in flight the features of both aeroplane and rotorcraft
    • B64C27/26Compound rotorcraft, i.e. aircraft using in flight the features of both aeroplane and rotorcraft characterised by provision of fixed wings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C29/00Aircraft capable of landing or taking-off vertically, e.g. vertical take-off and landing [VTOL] aircraft
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D11/00Passenger or crew accommodation; Flight-deck installations not otherwise provided for
    • B64D11/06Arrangements of seats, or adaptations or details specially adapted for aircraft seats
    • B64D11/0601Arrangement of seats for non-standard seating layouts, e.g. seats staggered horizontally or vertically, arranged in an angled or fishbone layout, or facing in other directions than the direction of flight
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C29/00Aircraft capable of landing or taking-off vertically, e.g. vertical take-off and landing [VTOL] aircraft
    • B64C29/0008Aircraft capable of landing or taking-off vertically, e.g. vertical take-off and landing [VTOL] aircraft having its flight directional axis horizontal when grounded
    • B64C29/0016Aircraft capable of landing or taking-off vertically, e.g. vertical take-off and landing [VTOL] aircraft having its flight directional axis horizontal when grounded the lift during taking-off being created by free or ducted propellers or by blowers
    • B64C29/0033Aircraft capable of landing or taking-off vertically, e.g. vertical take-off and landing [VTOL] aircraft having its flight directional axis horizontal when grounded the lift during taking-off being created by free or ducted propellers or by blowers the propellers being tiltable relative to the fuselage
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D11/00Passenger or crew accommodation; Flight-deck installations not otherwise provided for
    • B64D11/06Arrangements of seats, or adaptations or details specially adapted for aircraft seats
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
    • B64C1/00Fuselages; Constructional features common to fuselages, wings, stabilising surfaces or the like
    • B64C1/18Floors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64DEQUIPMENT FOR FITTING IN OR TO AIRCRAFT; FLIGHT SUITS; PARACHUTES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF POWER PLANTS OR PROPULSION TRANSMISSIONS IN AIRCRAFT
    • B64D11/00Passenger or crew accommodation; Flight-deck installations not otherwise provided for
    • B64D11/06Arrangements of seats, or adaptations or details specially adapted for aircraft seats
    • B64D11/0606Arrangements of seats, or adaptations or details specially adapted for aircraft seats with privacy shells, screens, separators or the like

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Seal Device For Vehicle (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Vehicle Waterproofing, Decoration, And Sanitation Devices (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】機体の軽量化と乗員の居住性との両立を図ることが可能な飛行体を提供する。【解決手段】ある態様の飛行体は、機体に設けられたキャビンと、キャビンにおいて機体の前後方向に一席ずつ並んで配設された複数の座席を備える。複数の座席は、それぞれ機体の幅方向中心に対してオフセットした位置に、機体の幅方向に向けて配設されている。【選択図】図9

Description

本発明は飛行体に関し、特にキャビンをコンパクトに構成するための技術に関する。
垂直離着陸(VTOL)機は、垂直に離陸、ホバリング、着陸することができるため、固定翼機とは異なり、滑走路を必要としない。その一種であるティルトロータ機は、ロータの角度を変化させることでVTOLモードと巡航モードとを切り替えることができ、ヘリコプタの垂直揚力と固定翼機の巡航性能を併せ持つため、近年特に注目されている。このようなVTOL機も将来的な自律制御(自動運転)を念頭に電動化が推し進められており、いわゆるeVTOL機の開発が盛んになされている(特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2019/0039712号明細書
ところで、このようなeVTOL機は、VTOL時のモータ負担軽減や航続性能の向上を実現するために、機体の軽量化が求められる。この軽量化への一つのアプローチとしてキャビンの軽量化が考えられる。この点、キャビンを小型化すれば、そのキャビンひいては機体の軽量化が図れるものの、乗員の居住性を低下させるおそれがある。特許文献1には、飛行体のキャビンに配置する座席の様々なレイアウトが示されているが、居住性に余裕がないわりに比較的大きなデッドスペースが存在する点で改善の余地がある。このような問題はeVTOL機に限らず、キャビンに複数の座席を配置する飛行体であれば同様に生じ得る。
本発明は、上記課題認識に基づいてなされた発明であり、その主たる目的は、機体の軽量化と乗員の居住性との両立を図ることが可能な飛行体を提供することにある。
本発明のある態様の飛行体は、機体に設けられたキャビンと、キャビンにおいて機体の前後方向に一席ずつ並んで配設された複数の座席を備える。複数の座席は、それぞれ機体の幅方向中心に対してオフセットした位置に、機体の幅方向に向けて配設されている。
本発明の別の態様の飛行体は、垂直離着陸機として構成され、機体の前後方向に二列の座席が配設される座席スペースを含むキャビンを備える。二列として機体の幅方向に隣接する2つの座席の一方が前方に向けて配設され、他方が後方に向けて配設されている。
本発明によれば、機体の軽量化と乗員の居住性との両立を図ることが可能な飛行体を提供できる。
実施形態に係る飛行体の外観を表す斜視図である。 VTOL機の構成を表す図である。 VTOL機の構成を表す図である。 VTOL機の構成を表す図である。 ロータユニットおよびその周辺の構成を模式的に表す図である。 VTOL機の電気的構成を概略的に表すブロック図である。 VTOLモードから巡航モードへの切替制御を表す図である。 VTOL機における座席の配置構成を表す斜視図である。 キャビンにおける座席の配置構成を表す図である。 座席およびその周辺の配置構成を表す平面図である。 機体における座席の配置構成を表す平面図である。 座席の配置の違いに応じて要する座席スペースの面積を表す図である。 変形例に係る座席の配置構成を表す図である。 他の変形例に係る座席の配置構成を表す図である。 他の変形例に係る座席の配置構成を表す図である。 他の変形例に係る座席の配置構成を表す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
本実施形態では、飛行体として電動のVTOL機(eVTOL機)を例示する。このVTOL機では、複数の座席の配置構成を工夫することで座席領域を小さくし、その座席領域を無駄なく取り囲むようにキャビン形状を定めている。それにより、キャビンの小型化ひいては機体の小型軽量化を実現する。以下、その詳細について説明する。
まず、飛行体の全体構成について説明する。
図1は、実施形態に係る飛行体の外観を表す斜視図である。
VTOL機1は、機体の中央部に設けられた胴体2と、胴体2の左右に設けられた主翼4と、胴体2の後部に設けられた垂直尾翼6と、胴体2から下方に設けられた複数の車輪8を備える。VTOL機1は、また、機体の前部に設けられた左右一対のフロントロータ10と、後部に設けられた左右一対のリアロータ12を備える。
VTOL機1は、本実施形態ではコックピットを有しない自動運転機(自動操縦機)であり、胴体2の内部にはキャビン16が設けられている。キャビン16には、輸送対象である乗客が搭乗する。その下方には、電子機器等を収容する装備品室18、その他装備を収容する機器室20などが設けられている。キャビン16から外部を見渡せるよう、胴体2の前面および側面に複数の窓22が設けられている。
図2~図4は、VTOL機1の構成を表す図である。図2は平面図、図3は正面図、図4は側面図である。各図の(A)は巡航状態を示し、(B)はVTOL状態を示す。なお、以下の説明では、VTOL機1の機軸方向を基準に前後,左右,上下の位置関係や、ロータの回転方向を表現する。
図2(A)に示すように、胴体2の左右側面から一対の主翼4が延出している。主翼4は、翼型断面を有し、VTOL機1の巡航時に揚力を生み出す。本実施形態では、主翼4を翼端に向かって後退する後退翼とすることで、VTOL機1が高速で飛行するときの抗力を抑制し、安定性を向上させる。胴体2の前端上部には、左右に水平に延在するフロントロッド24Fが設けられている。一方、胴体2の後端下部には、左右に水平に延在するリアロッド24Rが設けられている。
フロントロッド24Fの左端にはロータユニット30FLが設けられ、右端にはロータユニット30FRが設けられている。ロータユニット30FLはロータ32FLを有し、ロータユニット30FRはロータ32FRを有する。ロータ32FL,32FRは、フロントロータ10として機能する。
リアロッド24Rの左端にはロータユニット30RLが設けられ、右端にはロータユニット30RRが設けられている。ロータユニット30RLはロータ32RLを有し、ロータユニット30RRはロータ32RRを有する。ロータ32RL,32RRは、リアロータ12として機能する。
各ロータは、回転時に十分な推力を発揮できるよう、比較的大きな回転面を有する。本実施形態では、その回転面の直径が、胴体2の幅と同等以上となるように設計されている。一方、VTOL機1の軽量化を図るために、各ロータユニット30にはロータの周囲を覆うようなダクト(防護壁)は設けられていない。
ロータ32FLとロータ32RLは、巡航時において同軸状となり、それらの前後方向の投影が胴体2に差し掛からないように配設されている。同様に、ロータ32FRとロータ32RRも巡航時において同軸状となり、それらの前後方向の投影が胴体2に差し掛からないように配設されている。
以下、ロータユニット30FL,30FRを特に区別しない場合には、これらを「フロントロータユニット30F」と称す。ロータユニット30RL,30RRを特に区別しない場合には、これらを「リアロータユニット30R」と称す。ロータユニット30FL,30FR,30RL,30RRを特に区別しない場合には、これらを「ロータユニット30」と総称する。ロータ32FL,32FR,32RL,32RRを特に区別しない場合には、これらを「ロータ32」と総称する。
図5は、ロータユニットおよびその周辺の構成を模式的に表す図である。図5(A)は図2(A)のA部拡大に対応し、図5(B)は図2(B)のA部拡大に対応する。
図5(A)に示すように、ロータユニット30は、中空の本体33に第1モータ34および第2モータ36を内蔵する。本体33の一端にロータ32が回転可能に支持されている。第1モータ34は、ロータ32の回転軸38に接続されている。第1モータ34を駆動することにより、ロータ32が回転軸38の軸線Lを中心に回転する。第2モータ36は、ロッド24から延びる中心軸40と図示略の減速機等を介して接続されている。
図5(B)にも示すように、第2モータ36を駆動することにより、ロータユニット30そのものが、中心軸40の軸線(後述の軸線L1,L2)を中心に回動する。軸線L1,L2は水平軸である。軸線L1を中心にフロントロータユニット30F(つまりフロントロータ10)を回動させる機構が「フロント偏向機構」に該当する。軸線L2を中心にリアロータユニット30R(つまりリアロータ12)を回動させる機構が「リア偏向機構」に該当する。ロータ32は、その中心から放射状に延びる複数のブレード42を有する。ロータ32の回転により、これらのブレード42が回転面を形成する。本実施形態ではブレード42を等間隔に4つ設けているが、その数については適宜設定できる。
図2に戻り、ロータユニット30FLおよびロータユニット30FRは、それぞれフロントロッド24Fの軸線L1を中心に90度の範囲で回動可能である。すなわち、フロントロータユニット30Fは、フロントロータ10が前方を向く巡航時角度(図2(A))と、上方を向くVTOL時角度(図2(B))との間で連続的に回動する。
一方、ロータユニット30RLおよびロータユニット30RRは、それぞれリアロッド24Rの軸線L2を中心に90度の範囲で回動可能である。すなわち、リアロータユニット30Rは、リアロータ12が後方を向く巡航時角度(図2(A))と、下方を向くVTOL時角度(図2(B))との間で連続的に回動する。
図2(A)に示すように、VTOL機1は、平面視において胴体2の中心に対して点対称な構成を有する。一方、主翼4が後退翼であり、その翼端に向かうほど翼幅が小さくなるが、主翼4の基端が胴体2の中心よりもやや前方に位置する。このため、一対の主翼4の重量は胴体2の中心付近でバランスする。このような構成により、VTOL機1の重心Gが平面視において胴体2の中心に位置することとなり、バランスがとりやすくなっている。また、胴体2に対して主翼4が相当大きいため、巡航時において揚力を維持し易い。このため、ロータの出力を節約できるといった利点もある。
図2(B)に示すように、VTOL時には、4つのロータ32の軸線Lが、平面視において略正方形の4つの頂点にそれぞれ位置するような配置構成となる。その正方形の中心に重心Gが位置することとなる。それにより、VTOL機1がVTOL時にバランスを保ちやすくなる。
図3(A)に示すように、巡航モードにおいて、フロントロータ10は、その軸線Lが胴体2のほぼ上端の高さに位置する。一方、リアロータ12は、その軸線Lが胴体2のほぼ下端の高さに位置する。一対の主翼4は、胴体2の下部側面から左右に延出している。このような構成により、VTOL機1の重心Gは、胴体2の中心よりもやや下方に位置する。それにより、VTOL機1の巡航時に作用する揚力と重力とのバランスを安定に保ちやすくされている。
フロントロータ10について、ロータ32FLは反時計回りに回転し、ロータ32FRは時計回りに回転する。リアロータ12について、ロータ32RLは時計回りに回転し、ロータ32RRは反時計回りに回転する。このように、4つのロータ32について、左右で互いに反対向きに回転し、また前後で互いに反対向きに回転するように設定することで、VTOL機1に作用するカウンタートルクを相殺し、巡航時の安定性を図っている。
巡航モードにおけるVTOL機1の姿勢制御は、以下のように行われる。
ピッチ姿勢を変更する場合、表1に示す制御がなされる。
Figure 2022092705000002
本実施形態では、VTOL機1の重心Gが胴体2の中心よりもやや下方に位置するため、ロータ32FL,32FRの回転数がロータ32RL,32RRの回転数よりも低い回転数において、機体の前傾方向(機首を下げる方向)のピッチングモーメントと、機体の後傾方向(機首を上げる方向)のピッチングモーメントがバランスする。この前傾方向と後傾方向のピッチングモーメントがバランスするロータ回転数が、基準回転数(「バランス回転数」に相当する)として設定されている。
この基準回転数は、フロントロータ10(ロータ32FL,32FR)とリアロータ12(ロータ32RL,32RR)のそれぞれについて設定される。フロントロータ10の基準回転数を「フロント基準回転数」、リアロータ12の基準回転数を「リア基準回転数」とも称す。これらの基準回転数は、VTOL機1の巡航速度に応じてそれぞれ予め設定されるものでもよい。巡航速度が大きくなるほど、その基準回転数は高くなる。
例えば、ロータ32FL,32FRの回転数が、ロータ32RL,32RRの5分の1の回転数にてピッチングモーメントがバランスする機体の場合、ロータ32RL,32RRの回転数が2500rpmのとき、ロータ32FL,32FRの回転数が500rpmにてピッチングモーメントがバランスする。このとき、500rpmがロータ32FL,32FRの基準回転数(フロント基準回転数)であり、2500rpmがロータ32RL,32RRの基準回転数(リア基準回転数)となる。このように、ロータ32FL,32FRの基準回転数は、ロータ32RL,32RRの回転数に応じて変更され、ロータ32RL,32RRの基準回転数はロータ32FL,32FRの回転数に応じて変更される。
したがって、表1に示したように、機体の機首を下げる方向に変更する場合には、ロータ32FL,32FRの回転数をロータ32FL,32FRの基準回転数よりも高くする、又は、ロータ32RL,32RRの回転数をロータ32RL,32RRの基準回転数よりも低くなるように制御する。なお、ロータ32FL,32FRの回転数をロータ32FL,32FRの基準回転数よりも高くし、かつ、ロータ32RL,32RRの回転数をロータ32RL,32RRの基準回転数よりも低くなるように制御してもよい。
逆に、機体の機首を上げる方向に変更する場合には、ロータ32FL,32FRの回転数を、ロータ32FL,32FRの基準回転数よりも低くする、又は、ロータ32RL,32RRの回転数をロータ32RL,32RRの基準回転数よりも高くなるように制御する。なお、ロータ32FL,32FRの回転数をロータ32FL,32FRの基準回転数よりも低くする、かつ、ロータ32RL,32RRの回転数をロータ32RL,32RRの基準回転数よりも高くなるように制御してもよい。
ヨー姿勢を変更する場合、表2に示す制御がなされる。
Figure 2022092705000003
すなわち、機首を右向き方向に変更する場合には、ロータ32FL,32RLの回転数をロータ32FR,32RRよりも高くなるように制御する。逆に、機首を左向き方向に変更する場合には、ロータ32FL,32RLの回転数をロータ32FR,32RRよりも低くなるように制御する。
ロール姿勢を変更する場合、表3に示す制御がなされる。
Figure 2022092705000004
すなわち、機体が右に傾く方向に変更する場合には、ロータ32FL,32RRの回転数をロータ32FR,32RLの回転数よりも高くなるように制御する。逆に、機体が左に傾く方向に変更する場合には、ロータ32FL,32RRの回転数をロータ32FR,32RLの回転数よりも低くなるように制御する。
以上のように、本実施形態によれば、4つのロータ32FL,32RL,32FR,32RRの回転数を変化させるのみでVTOL機1の姿勢を制御できる。すなわち、VTOL機1は固定翼機のような操縦翼面を有していないが、巡航時においてフロントロータ10とリアロータ12の高さが異なるため、4つのロータの回転数を制御することで任意の姿勢制御が可能となる。
図3(B)に示すように、VTOLモードにおいて、フロントロータ10は上方を向き、リアロータ12は下方を向くが、いずれのロータ32の推力も上向きとなる。4つのロータ32の推力とVTOL機1の重力とのバランスを調整しつつ、VTOL作動を制御することになる。
図4(A)および(B)に示すように、フロントロータユニット30Fの回動軸50は軸線L1上にあり、リアロータユニット30Rの回動軸52は軸線L2上にある。回動軸50は、回動軸52よりも高位置にある。また、巡航時において、フロントロータ10の軸線Lとリアロータ12の軸線Lとが平行となり、かつ、フロントロータ10の軸線Lがリアロータ12の軸線Lよりも高位置となる。そして、フロントロータ10とリアロータ12は、巡航モードおよびVTOLモードのいずれにおいても側面視で胴体2に重なることはない。
図6は、VTOL機1の電気的構成を概略的に表すブロック図である。
VTOL機1の制御系は、コントローラ100を中心に構成される。コントローラ100は、マイクロコンピュータからなり、各種演算処理を実行するCPU等のプロセッサ、制御プログラム等を格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、電源遮断後も記憶内容を保持する不揮発性メモリ、入出力インタフェース等を備える。コントローラ100は、胴体2の装備品室18(図1参照)に設置されている。
コントローラ100は、図示しない通信ラインを介して各ロータユニット30に接続され、それらを駆動制御する。各ロータユニット30には、既に説明した第1モータ34および第2モータ36のほか、これらのモータを駆動するモータ駆動回路60、これらのモータの回転状態を検出するための回転センサ62などが設けられている。本図において、ロータユニット30FLの要素に「FL」、ロータユニット30FRの要素に「FR」、ロータユニット30RLの要素に「RL」、ロータユニット30RRの要素に「RR」を付している。なお、各ロータユニット30には図示略のバッテリが設けられ、モータ駆動回路60への電力供給がなされる。
コントローラ100は、制御プログラムにしたがって各モータ駆動回路60に制御信号を出力することにより、各第1モータ34および各第2モータ36の回転が制御される。フロントロータユニット30Fの第2モータ36が駆動されることでフロント偏向機構が制御され、リアロータユニット30Rの第2モータ36が駆動されることでリア偏向機構が制御される。それにより、巡航モードとVTOLモードの切り替えがなされる。各第1モータ34の回転数が調整されることで、VTOL機1の巡航速度の制御がなされ、またピッチ制御、ヨー制御、ロール制御がなされる。
回転センサ62は、第2モータ36の回転方向や回転回数を表す信号を出力する。コントローラ100は、この信号を受信することにより、各ロータ32の姿勢を判定する(つまり巡航状態であるかVTOL状態であるかを判定する)。回転センサ62は、また、第1モータ34の回転数を表す信号を出力する。コントローラ100は、この信号を受信することにより、各ロータ32の回転数が制御目標値に達しているか否かを判定する。
VTOL機1にはさらに、ジャイロセンサ70、加速度センサ72等の各種センサや、GPS受信機74等の通信機が搭載されており、それらの検出信号や受信信号がコントローラ100に入力される。コントローラ100は、ジャイロセンサ70および加速度センサ72の検出信号に基づき機体の姿勢を判定できる。GPS受信機74の受信信号に基づき現在の航行位置を判定できる。
次に、運転モードの遷移に伴うVTOL機1の状態変化について説明する。
図7は、VTOLモードから巡航モードへの切替制御を表す図である。図7(A)~(D)は、その制御過程を示す。図中の矢印は、ロータ32を経由する気流を示す。
VTOLモードでは、フロントロータ10が上方、リアロータ12が下方を向き、いずれも気流が下方を向くことで上方への推力を生成する。離陸時にはその推力が重力を上回ることで、VTOL機1は上昇できる(図7(A))。このとき、フロントロータ10の回転平面S1は、胴体2の上面よりも上方に位置する。リアロータ12の回転平面S2は、胴体2の下面よりも下方に位置する。
VTOL機1が所定の高度に達すると、フロントロータ10およびリアロータ12が同期して回動し、巡航モードへ遷移する(図7(B),(C))。このとき、フロントロータ10は、軸線L1を中心に胴体2の上方から前方へ向けて傾動するが、回転平面S1は常に胴体2の外側に位置する。リアロータ12は、軸線L2を中心に胴体2の下方から後方へ向けて傾動するが、回転平面S2は常に胴体2の外側に位置する。
こうして両ロータが90度回動すると、フロントロータ10は前方を向き、リアロータ12は後方を向くが、いずれも気流が後方を向くことで前方への推力を生成する(図7(D))。すなわち、巡航モードとなる。このとき、フロントロータ10の回転平面S1は、胴体2の前面よりも前方に位置する。リアロータ12の回転平面S2は、胴体2の後面よりも後方に位置する。
なお、巡航モードからVTOLモードへの切り替えについては、逆に、図7(D)から図7(A)へ戻るような変化を経ることとなる。着陸時にはフロントロータ10およびリアロータ12の推力が重力を下回ることで、VTOL機1は下降できる(図7(A))。
本実施形態では以上のように、運転モードの遷移時にフロントロータ10とリアロータ12が回動する際、各ロータの回転平面S1,S2がいずれも胴体2を横切らないよう、機体に対する各ロータの位置および回動方向が定められている。それにより、万が一いずれかのロータと異物が干渉したとしても、胴体2に損傷を与えることを防止又は抑制できる。その結果、乗員の安全はもちろん、胴体2に搭載された計器などの保護を図ることができる。
次に、VTOL機1の小型化を実現するための座席の配置構成について説明する。
図8は、VTOL機1における座席の配置構成を表す斜視図である。同図は、VTOL機1を斜め上方(左後方)からみた図である。説明の便宜上、キャビン16内が視認できるよう胴体2が透過表示されている。
VTOL機1では、キャビン16のフロア面63が概略長方形状をなし、最大5人の乗員が搭乗できるよう複数の座席64(本実施形態では5席)が配設されている。胴体2は、空力性能を高めるために上半部が円弧断面形状の曲面をなし、やや平坦な後壁を除いて全体的に流線形状をなしている。胴体2の角を丸めることで、空気抵抗が低減されている。
キャビン16の下部に主翼4が位置することで、乗員Mの乗り心地が向上されている。また、キャビン16の後方の壁面に扉66が設けられている。扉66のほぼ直下でリアロッド24Rが左右に延在している。乗員は、図示のように扉66が開かれた状態で一人ずつ、やや腰を屈めながらキャビン16に乗り込むことができる。
図9は、キャビン16における座席64の配置構成を表す図である。図9(A)は斜視図であり、図9(B)は平面図である。図中白抜矢印は、機体の前方を示す。
複数の座席64a~64e(これらを特に区別しない場合は単に「座席64」と称す)は、横並び一列かつ隣接する座席が斜向かいとなるように配置されている。その横並び一列の方向を、キャビン16の前後方向(つまり機体の前後方向)に一致させている。
すなわち、座席64a~64eは、機体の前後方向に一席ずつ並んで配置され、それぞれ機体の幅方向中心Lcに対してオフセットした位置に配設されている。各座席64は、機体の幅方向に向けられている。ここで、「機体の幅方向」とは、水平面内において、機軸方向(機体の前後方向)と直交する方向である。また、「機体の幅方向」は、本実施形態では翼幅方向である。「翼幅方向」とは、主翼4の長手方向を指すものとするが、これに限定されない。機体の正面からみた主翼4の長手方向を指すこととしてもよい。また、「座席の向き」は、言うまでもなく座席正面の向きである。
より具体的には、座席64a~64eは、機体の前方から後方に向けて幅方向中心Lcに対して機体の幅方向に交互にオフセットしている。すなわち、キャビン16の前方から後方に向けて複数の座席64が千鳥状(ジグザグ状)に配置されている。キャビン16の前方から奇数列目の座席64a,64c,64eは左方向を向き、偶数列目の座席64b,64dはキャビン16の右方向を向く。
キャビン16は、機体の幅方向に対向する内壁面80(左壁面80L,右壁面80R)を有する。各座席64は、幅方向中心Lcに対してオフセットされた側の内壁面にその背面65が隣接する。すなわち、前方から奇数列目の座席64a,64c,64eの各背面65は右壁面80Rに隣接し、偶数列目の座席64b,64dの各背面65は左壁面80Lに隣接する。言い換えれば、そのようにキャビン16の形状が定められている。
キャビン16のフロア面63には、座席64ごとに乗員Mのための個別スペースSp1~Sp5が確保されている。以下、これらを特に区別しない場合には「個別スペースSp」と総称する。個別スペースSpは長方形状をなし、座席64に着席した乗員Mの居住性が確保される程度の大きさに設定されている。この大きさは、乗員Mが空間的ストレスを感じ難い程度とされる。すなわち、個別スペースSpとして、乗員Mのストレスを軽減しつつ居住性を確保するのに必要十分な大きさが設定されている。
具体的には、乗員Mが座席64に着席したとき、その占有幅は肩位置において最も大きく、足元に向けて小さくなる。このため、個別スペースSpの幅wは、一般的な成人男性の肩幅に所定の余裕値を持たせた値としている。個別スペースSpの長さlは、一般的な成人男性が座席64に座ったときに、足元前方に手荷物を一つ置ける程度の値に設定されている。
これらの個別スペースSpは、キャビン16の前方から後方に向けて一列に連続するように設定され、その長手方向の中心線が幅方向中心Lcと一致する。個別スペースSpにおいて、幅方向中心Lcに対して座席64がオフセットする側とは反対側に、乗員Mの足置きスペースSaに対応するフロア面67がある。
隣接する個別スペースSpの境界にはパーティション68が設けられている。パーティション68は、アクリル板などで構成でき、一般的な成人男性が座席64に座ったときに頭頂よりも高くなる程度の縦寸法を有する。パーティション68の横寸法は、個別スペースSpの1/2程度とされている。図示の例では、パーティション68の横幅方向の先端縁が幅方向中心Lcに差し掛かる程度とされている。
パーティション68は、キャビン16の前方から後方に向けて幅方向中心Lcに対して機体の幅方向に交互にオフセットしている。パーティション68は、対向する内壁面80の一方に基端を有し、他方に向けて突出する。通常の着席状態で斜向かいに隣り合う乗員M同士の目線が合わないよう、その突出量が設定されている。このような構成により、VTOL機1の飛行中における乗員Mのストレスを軽減している。
これら複数の個別スペースSpを合わせた座席領域Stが平面視略長方形状をなし、平面視においてキャビン16の内壁面80がその座席領域Stと相補形状をなしている。ここでいう「相補形状」とは、内壁面80がその座席領域Stをちょうど取り囲むような形状であり、デッドスペースがほぼない又は最小化された形状である。
すなわち、本実施形態ではこのように複数の座席64の配置構成を工夫することで座席領域Stを小さくしている。その座席領域Stを無駄なく取り囲むようにキャビン16の形状を定めることで、キャビン16の小型化ひいては機体の小型軽量化を実現している。
図10は、座席64およびその周辺の配置構成を表す平面図である。図10(A)は座席領域を示し、図10(B)はキャビン16における窓22の配置を示す。
図10(A)に示すように、座席64は座面82と背もたれ84を有し、幅方向中心Lcに対して一方の側に座面82が位置し、他方の側に足置きスペースSaが位置する。キャビン16に後方から乗り込んだ乗員Mは、足置きスペースSa側のフロア面を伝って千鳥状に前方に進み、指定された座席64に着席することとなる。
図10(B)に示すように、キャビン16の壁面において、各座席64の正面に対応する位置に窓22が配設されている。これにより、着席した乗員Mが正面の窓22を通して外の景色を楽しむことができるなど、リラックス効果が期待できる。なお、本実施形態では、各窓22が座席64の真正面よりもやや機体の前方に寄る構成が例示されているが、真正面としてもよい。着席した乗員Mが正面を向いた状態で外を視認できる位置であればよい。
キャビン16の前方の壁面にも窓22が設けられている。キャビン16の後壁を構成する扉66にも窓22が設けられている。キャビン16の周囲に窓22を設けることで、適度に外光を取り入れることができ、キャビン16内の閉塞感を軽減できる。キャビン16内の快適性を向上できる。
なお、本実施形態では、キャビン16の壁面において、各座席64の正面に対応する位置に窓22を設け、背面に対応する位置には窓を設けない構成とした。これにより、キャビン16の前方から後方に向けて窓22が千鳥状に配置されることとなる。このようにして窓22の数を必要最小限に留めることで、胴体2の剛性や耐久性を確保しやすくなる。変形例においては、各座席64の背面に対応する位置にも窓を設けてもよい。
図11は、機体における座席64の配置構成を表す平面図である。図11(A)はVTOL状態を示し、図11(B)は巡航状態を示す。
上述のように、4つのロータ32は、平面視において略正方形の4つの頂点にそれぞれ位置する。そして、VTOL時および巡航時のいずれにおいても、これらの頂点に囲まれる内方領域Si(一点鎖線で囲まれる略正方形領域)にキャビン16が位置するように設定されている。
このように4つのロータ32を正方形状に配置し、かつその内方領域Siにキャビン16を配置することで、飛行時における機体の重量バランスをとり易くなる。また、既に述べたように、万が一いずれかのロータ32と異物が干渉したとしても、その異物がキャビン16を貫通するといった事態を回避でき、乗員Mの安全を確保できる。
次に、本実施形態の座席配置構成の優位性について説明する。
図12は、座席の配置の違いに応じて要する座席領域の面積を表す図である。図12(A)は本実施形態、図12(B)は比較例1、図12(C)は比較例2をそれぞれ示す。比較例1では、各座席64を機体の前方に向けて配設する。比較例2では、各座席64を機体の前方に向けるとともに、5席のうち4席を横並び二列で配設する。
ここでは、本実施形態および各比較例について、座席領域Stの面積を計算した。ただし、これらを比較する前提として、キャビンにおける通路幅Wp(最も狭くなる位置での通路幅)を共通とした。また、上述の個別スペースSpを確保することとした。
その結果、表4に示す計算結果が得られた。
Figure 2022092705000005
ここで、上記のように、本実施形態における座席領域Stの長さLs=3.75m、幅1.40mとなるように個別スペースSpを設定することを前提とする。表4の計算結果によれば、座席領域Stの面積に関し、比較例1では本実施形態よりも2.54m面積が大きくなり、比較例2では本実施形態よりも1.93m面積が大きくなることが分かる。すなわち、各比較例について、図中ハッチング領域の面積が本実施形態よりも追加で必要となり、小型化の観点から不利となる。言い換えれば、キャビン16の小型化に関し、本実施形態の座席配置の優位性が確認できる。
なお、比較例1のように座席領域Stが前後に長くなると、胴体2の曲げモーメントに対する耐性が減少する。このため、本実施形態のようにその長さを抑制できる座席配置が好ましい。
以上に説明したように、本実施形態では、機体の前後方向に複数の座席64を一席ずつ横並びに配設し、各座席64を機体の幅方向中心Lcに対してオフセットしつつ、その幅方向に向けて配設した。これにより、上述のように座席領域Stを極小にすることが可能となる。この座席領域Stに沿ってキャビン16の床面を構成することで、キャビン16の小型化ひいては機体の小型軽量化を実現できる。機体を小型軽量化することで、VTOL機を小さなモータで浮上、巡航させることが可能となる。
一方、個別スペースSpに十分な足置きスペースSaも確保し、乗員Mにストレスの少ない居住性を確保できる。前後の個別スペースSpを一直線に配置しつつ、隣接する座席64を斜向かいに配置することで、隣り合う乗員Mの肩位置が離隔し、両者の圧迫感を低減できる。言い換えれば、個別スペースSpとしては必要最小限の広さに抑えつつも、隣り合う乗員Mにゆったり感を与えることができる。すなわち、本実施形態によれば、機体の軽量化と乗員の居住性との両立を図ることができる。
さらに、前後に隣接する個別スペースSp間にパーティション68を配置することで、乗員Mの最低限のプライバシーを確保し、また無用な対面によるストレスを低減できる。一方、座席64の正面に窓22を配置することで、気分転換によるリラックス効果を高めることができる。
また、扉66は、その周辺に比較的凹凸や隙間ができ、胴体2において、その空力的影響が少ない後壁に設けることで、その抵抗の増大を抑制できる。扉66をその後壁に設けることで、乗員Mはキャビン16の後方から搭乗することになる。この点、座席64の配置に際して必要な通路幅が確保できる構成を採用したため、乗員Mはスムーズに搭乗できる。
本実施形態の飛行体はVTOL機であるため、離陸時はVTOL状態で十分な高度まで浮上した後、そのまま巡航状態へ移行する。このため、航空機のように離陸時に揚力を得るために前方に急加速し、乗員Mに大きな前後Gが作用することが比較的少ない。このため、本実施形態のようにVTOL機に適用した場合であっても推進時に乗員Mの身体に過度な負担がかかるのを抑制可能である。
[変形例]
図13は、変形例に係る座席の配置構成を表す図である。図13(A)は変形例1、図13(B)は変形例2、図13(C)は変形例3をそれぞれ示す。
変形例1~3のいずれも上記実施形態と同様に、キャビン16の前方から後方に向けて複数の個別スペースSpが一直線に配置される。
一方、変形例1では、全ての座席64が機体の幅方向一方向に向けられている(図13(A))。変形例2では、座席領域Stにおける前方の複数席が機体の幅方向一方向を向き、後方の複数席が幅方向他方向を向いている(図13(B))。変形例3では、前方および後方の席が機体の幅方向一方向を向き、中央部の複数席が幅方向他方向を向いている(図13(C))。
これらいずれの変形例も上記実施形態と同様、その座席領域Stに沿ってキャビン16の床面を構成することで、キャビン16の小型化ひいては機体の小型軽量化を実現できる。ただし、前後に隣接する座席64として、斜向かいではない領域(乗員Mが肩を並べる領域)を含む点で、居住性が上記実施形態よりも低下する可能性がある。また、キャビン16を小型化するほど機体の軽量化は実現できるが、逆に、機体のバランスに対する乗員Mの体重の影響は相対的に大きくなる。このため、変形例1のように、Mが機体の幅方向片側に偏る配置については、別途バランスをとるための制御が必要となる可能性がある。この観点からは、上記実施形態のほうが好ましいと言える。
図14は、他の変形例に係る座席の配置構成を表す図である。図14(A)は変形例4を示す。図14(B)は比較例3、図14(C)は比較例4を示す。
変形例4は、座席64の数が上記実施形態より一席少ない4席とされている(図14(A))。ただし、座席数の相異はあっても技術思想は上記実施形態と同様である。すなわち、機体の前後方向に複数の座席64を一席ずつ横並びに配設し、各座席64を機体の幅方向中心Lcに対してオフセットしつつ、その幅方向に向けて配設している。また、隣接する座席64が斜向かいとなるように個別スペースSpが配置されている。
ここで、変形例4および各比較例について、座席領域Stの面積を計算した。ただし、上記実施形態の場合と同様、これらを比較する前提として、キャビンにおける通路幅Wpを共通とした。
その結果、表5に示す計算結果が得られた。
Figure 2022092705000006
上記のように、変形例4における座席領域Stの長さLs=3.00m、幅1.40mとなるように個別スペースSpを設定することを前提とする。一方、表5の計算結果によれば、比較例3では本実施形態よりも2.05m面積が大きくなり、比較例4では変形例4よりも0.62m面積が大きくなることが分かる。すなわち、キャビン16の小型化に関し、変形例4の座席配置の優位性が確認できる。
なお、このように全座席数を偶数とすることで、左右の座席数を同一にすることができる。バランスをとり易くする点では、上記実施形態よりも優位性があると考えられる。
図15は、他の変形例に係る座席の配置構成を表す図である。図15(A)は変形例5、図15(B)は変形例6、図15(C)は変形例7をそれぞれ示す。
変形例5~7のいずれも上記実施形態と同様に、キャビン16の前方から後方に向けて複数の個別スペースSpが一直線に配置される。
一方、変形例5では、全ての座席64が機体の幅方向一方向に向けられている(図15(A))。変形例6では、座席領域Stにおける前方の2席が機体の幅方向一方向を向き、後方の2席が幅方向他方向を向いている(図15(B))。変形例7では、最前列および最後列の席が機体の幅方向一方向を向き、中央部の2席が幅方向他方向を向いている(図15(C))。
これらいずれの変形例も上記変形例4と同様、キャビン16の小型化ひいては機体の小型軽量化を実現できる。変形例6,7については、変形例4と同様、左右の座席数が同一であるため、機体のバランスをとり易い点で好ましい。たたし、居住性の観点からは、隣接する座席64を斜向かいとする変形例4のほうが好ましい。
図16は、他の変形例に係る座席の配置構成を表す図である。図16(A)は変形例8、図16(B)は変形例9、図16(C)は変形例10、図16(D)は変形例11をそれぞれ示す。いずれの変形例も上記変形例4と比較して座席数が共通するが、機体の前後方向に向く横並び二列の座席が含まれる点で異なる。説明の便宜上、この前後方向に向く横並び二列の座席が配設される座席スペースを「特別座席スペースSg」と称す。
特別座席スペースSgでは2つの個別スペースSpが機体の幅方向に隣接し、前後方向に向く横並び二列の座席64を構成している。その横並び二列の座席64は斜向かいとなり、その一方が前方に向けて配設され、他方が後方に向けて配設される。
変形例8は、変形例4(図14(A))において前方の2席を90度回転させたような座席配置構成を有する。すなわち、座席領域Stにおける前方に特別座席スペースSgが設けられ、その後方に前後二列の特定座席が複数配設される。ここでいう「特定座席」は、幅方向中心Lcに対してオフセットした位置に機体の幅方向に向けて配設される座席64のことを意味する。
変形例9は、変形例4の中央の2席を90度回転させたような座席配置構成を有する。すなわち、座席領域Stにおける中央に特別座席スペースSgが設けられ、その前方と後方のそれぞれに特定座席が複数配設される。変形例10は、変形例4において後方の2席を90度回転させたような座席配置構成を有する。すなわち、座席領域Stにおける後方に特別座席スペースSgが設けられ、その前方に前後二列の特定座席が複数配設される。
変形例11は、変形例4において前方の2席および後方の2席を90度回転させたような座席配置構成を有する。すなわち、座席領域Stの前方と後方に特別座席スペースSgが設けられる。
これらいずれの変形例も、その座席領域Stに沿ってキャビン16の床面を構成することで、キャビン16の小型化ひいては機体の小型軽量化を実現できる。また、各座席64について個別スペースSpが確保され、横並びに隣接する座席64については斜向かいの配置とされるため、良好な居住性が確保される。
なお、上記変形例8~10に関して、以下のような技術思想を抽出できる。
[付記1]
特別座席スペースの前方および後方の少なくとも一方に一又は複数の特定座席が配設される。前記特定座席は、前記機体の幅方向中心に対してオフセットした位置に、前記機体の幅方向に向けて配設される。
[付記2]
前記特別座席スペースが平面視略長方形状をなす。ただし、略長方形状は、角にR形状を有する等、厳密な長方形でなくてもよい(以下同様)。
上記実施形態および各変形例に関して、以下のような技術思想を抽出できる。
[付記3]
全座席を含む座席領域が平面視略長方形状をなす。平面視においてキャビンの内壁面が前記座席領域と相補形状をなしている。ここで、「相補形状」は、内壁面が座席領域をちょうど取り囲むような形状を含む。
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
上記実施形態では述べなかったが、各座席にレッグレストを設けてもよい。レッグレストは座面側に折り畳み可能あるいは収納可能な構造を有してもよい。いずれにしても、キャビンは、機体の幅方向中心に対して各座席がオフセットする側とは反対側に足置きスペースに対応するフロア面を有することとなる。
上記実施形態では、VTOL機1としてパイロットが搭乗しない自動運転機(自動操縦機)を例示した。変形例においては、パイロットが搭乗可能な飛行体としてもよい。胴体2の内部のキャビン16の前部にコックピットが設けられてもよい。パイロットによる操縦と自動操縦の双方が可能であってもよい。
上記実施形態では、機体に対し、左右に一対のフロントロータと、左右に一対のリアロータを設ける構成を例示した。変形例においては、左右に二対以上のフロントロータ、左右に二対以上のリアロータを設ける構成としてもよい。
上記実施形態では、胴体2の下方に常時露出する脚部を有する固定式の車輪8を例示した。変形例においては、車輪を胴体内に収納可能な車輪収納機構を設けてもよい。
上記実施形態では、主翼4が胴体2の下部に設けられる構成を例示した。変形例においては、主翼を胴体の上部に設けてもよい。また、上記実施形態では、主翼4を後退翼としたが、楕円翼、矩形翼、テーパ翼その他の翼形状を採用してもよい。
上記実施形態では、図5および図6に示したように、第2モータ36やモータ駆動回路60をロータユニット30に内蔵する構成を例示した。変形例においては、第2モータ36をロッド24に内蔵させてもよい。また、モータ駆動回路60をロッド24に内蔵させてもよい。
上記実施形態では、フロントロータ10を機体の前部かつ上部に設け、リアロータ12を機体の後部かつ下部に設ける例を示した。変形例においては、機体におけるフロントロータおよびリアロータの少なくとも一方の位置を変更してもよい。例えばフロントロータを機体の前部かつ下部に設け、リアロータを機体の後部かつ上部に設けてもよい。
上記実施形態および変形例では、飛行体としてeVTOL機を例示したが、内燃エンジンを搭載したVTOLとしてもよい。上記座席の配置構成をVTOL機以外の飛行体に適用してもよい。その場合、フロントロータおよびリアロータは、水平軸を中心に回動してもよいし、鉛直軸や傾斜軸その他の軸を中心に回動してもよい。
1 VTOL機、2 胴体、4 主翼、10 フロントロータ、12 リアロータ、16 キャビン、22 窓、24F フロントロッド、24R リアロッド、30 ロータユニット、32 ロータ、34 第1モータ、36 第2モータ、38 回転軸、40 中心軸、42 ブレード、50 回動軸、52 回動軸、64 座席、65 背面、66 扉、67 フロア面、68 パーティション、80 内壁面、100 コントローラ、Lc 幅方向中心、M 乗員、Sa 足置きスペース、Sg 特別座席スペース、Si 内方領域、Sp 個別スペース、St 座席領域。

Claims (14)

  1. 機体に設けられたキャビンと、
    前記キャビンにおいて前記機体の前後方向に一席ずつ並んで配設された複数の座席と、
    を備え、
    前記複数の座席は、それぞれ前記機体の幅方向中心に対してオフセットした位置に、前記機体の幅方向に向けて配設されていることを特徴とする飛行体。
  2. 前記複数の座席は、それぞれ前記機体の幅方向に対向する内壁面の一方に背面が隣接するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の飛行体。
  3. 前記複数の座席は、前記機体の前方から後方に向けて前記機体の幅方向中心に対して前記幅方向に交互にオフセットしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の飛行体。
  4. 前記キャビンは、前記機体の幅方向中心に対して各座席がオフセットする側とは反対側に乗員の足置きスペースに対応するフロア面を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の飛行体。
  5. 前記機体の前後方向に隣接する座席間に設けられたパーティションをさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の飛行体。
  6. 前記機体の壁面において、各座席の正面に対応する位置に窓が設けられることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の飛行体。
  7. 前記機体における前記キャビンの下部に主翼が設けられていることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の飛行体。
  8. 前記機体における前記キャビンの後方の壁面に扉が設けられていることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の飛行体。
  9. 前記機体における前記扉の下方に左右に延びるリアロッドをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の飛行体。
  10. 前記リアロッドの左右にそれぞれロータが設けられていることを特徴とする請求項9に記載の飛行体。
  11. 前記機体における前記キャビンの前部かつ上部に左右に延びるフロントロッドをさらに備えることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の飛行体。
  12. 前記フロントロッドの左右にそれぞれロータが設けられていることを特徴とする請求項11に記載の飛行体。
  13. 垂直離着陸機であることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の飛行体。
  14. 垂直離着陸機として構成され、
    機体の前後方向に二列の座席が配設される座席スペースを含むキャビンを備え、
    前記二列として前記機体の幅方向に隣接する2つの座席の一方が前方に向けて配設され、他方が後方に向けて配設されていることを特徴とする飛行体。
JP2020205572A 2020-12-11 2020-12-11 飛行体 Withdrawn JP2022092705A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020205572A JP2022092705A (ja) 2020-12-11 2020-12-11 飛行体
IL303453A IL303453A (en) 2020-12-11 2021-11-19 Air transport vehicle
EP21903159.8A EP4261124A1 (en) 2020-12-11 2021-11-19 Aircraft
CN202180083137.6A CN116829459A (zh) 2020-12-11 2021-11-19 飞行器
PCT/JP2021/042618 WO2022124055A1 (ja) 2020-12-11 2021-11-19 飛行体
US18/332,049 US20240158075A1 (en) 2020-12-11 2023-06-09 Flight vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020205572A JP2022092705A (ja) 2020-12-11 2020-12-11 飛行体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022092705A true JP2022092705A (ja) 2022-06-23

Family

ID=81972938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020205572A Withdrawn JP2022092705A (ja) 2020-12-11 2020-12-11 飛行体

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20240158075A1 (ja)
EP (1) EP4261124A1 (ja)
JP (1) JP2022092705A (ja)
CN (1) CN116829459A (ja)
IL (1) IL303453A (ja)
WO (1) WO2022124055A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115535255A (zh) * 2022-11-04 2022-12-30 北京航空航天大学 一种飞行器鞍座、自倾转垂直起降飞行器

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6018850U (ja) * 1983-07-18 1985-02-08 石原 一蔵 自動車用交叉式対面シ−ト
JPS6160334A (ja) * 1984-08-31 1986-03-28 Ikeda Bussan Co Ltd 車両用シ−ト
US5823468A (en) * 1995-10-24 1998-10-20 Bothe; Hans-Jurgen Hybrid aircraft
US9126514B2 (en) * 2007-12-21 2015-09-08 Cynetic Designs Ltd Vehicle seat inductive charger and data transmitter
EP2690012A1 (en) * 2012-07-27 2014-01-29 Eurocopter Deutschland GmbH Semi-convertible rotorcraft
PL2690010T3 (pl) * 2012-07-27 2015-03-31 Airbus Helicopters Deutschland GmbH Hybrydowy śmigłowiec z belkami ogonowymi
US9908437B1 (en) * 2016-08-24 2018-03-06 Pratt & Miller Engineering and Fabrication, Inc. Seating arrangement
EP3630603A4 (en) * 2017-05-22 2021-03-03 Karem Aircraft, Inc. EVTOL AIRPLANE USING LARGE SPEED VARIABLES INCLINATION ROTORS
US11136105B2 (en) 2017-08-02 2021-10-05 Joby Elevate, Inc. VTOL aircraft for network system

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022124055A1 (ja) 2022-06-16
CN116829459A (zh) 2023-09-29
US20240158075A1 (en) 2024-05-16
IL303453A (en) 2023-08-01
EP4261124A1 (en) 2023-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP4371877A2 (en) Vertical take-off and landing aircraft
CN113453982A (zh) 垂直起降飞机
US20160236775A1 (en) Vertical takeoff and landing aircraft
US8733690B2 (en) Lightweight vertical take-off and landing aircraft and flight control paradigm using thrust differentials
EP2727833B1 (en) Vertical takeoff and landing aircraft
US8128033B2 (en) System and process of vector propulsion with independent control of three translation and three rotation axis
US7188803B2 (en) Vertical take-off and landing aircraft
WO2018031075A1 (en) Rotor-blown wing with passively tilting fuselage
US11472545B2 (en) Propulsion system and aircraft with vertical take-off and landing-VTOL
WO2009108178A9 (en) Coaxial rotor aircraft
CN110316370A (zh) 一种分布式动力倾转机翼飞机的布局与控制方法
BR102020009212A2 (pt) aeronave de decolagem e pouso vertical (vtol)
CN208149601U (zh) 具有多种飞行模式的无人飞行器
US10642283B2 (en) Simultaneous flight path control and attitude control with control axis splitting
US11905007B2 (en) Flying wing vertical take-off and landing aircraft
WO2022124055A1 (ja) 飛行体
EP3730404B1 (en) Vertical take-off and landing aircraft and related control method
JP7265845B2 (ja) 飛行体及び飛行体の制御方法
CN107813926A (zh) 可倾转旋翼飞行器
US11926443B2 (en) Rotorcraft
WO2022080232A1 (ja) 飛行体
JP4930923B2 (ja) 多機能飛行体
WO2020183739A1 (ja) テールシッタ式飛行体
KR20230120915A (ko) 비행체
CN116513445A (zh) 一种双向飞翼布局民机的无感知模态转换系统及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231201

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20240402