JP2022092686A - 損益計算装置、損益計算方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】企業の直接部門ごとの損益だけでなく直接部門の利益創出単位ごとの損益の算出を可能にする。【解決手段】損益計算装置1は、原価部門コード、利益管理コードおよび勘定コードが付与された売上情報と、少なくとも勘定コードが付与された費用情報とを取得する情報取得部14と、直接部門の利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を生成する損益算出部15と、損益情報を出力する損益情報出力部16とを備える。損益算出部15は、売上情報が示す売上と原価部門コードおよび利益管理コードの両方が付与されている費用情報が示す費用とを直接部門の利益創出単位ごとに直接計上し、原価部門コードは付与されていないが利益管理コードは付与されている費用情報が示す費用を利益創出単位を取り扱う直接部門の当該利益創出単位に配賦し、利益管理コードが付与されていない費用情報が示す費用を決められた配賦基準に従って直接部門の利益創出単位ごとに配賦する。【選択図】図1
Description
本開示は、損益計算装置、損益計算方法およびプログラムに関する。
企業における損益管理は、安定的かつ持続的な事業の発展に欠かせない。法律で提出が義務づけられている財務諸表、決算表などの作成ルールは存在するが、管理会計は各企業の特徴によって独自の方式で実施されている。企業の収支の計上の対象となる組織単位を原価部門という。原価部門には、営業部門、製造部門、開発部門といった企業の利益に直結する直接部門と、人事部門、総務部門、経理部門といった間接的に企業の利益に寄与する間接部門とがある。以下、直接部門で取り扱う製品、商品などの利益を創出するものの管理単位を利益創出単位という。企業規模が大きくなればなるほど、事業の種類、および、各事業で取り扱う製品、商品などの種類が増えていくが、管理会計のために投入できる企業リソースは限られているので、多くの企業では単純な配賦基準で手計算をせざるを得ない実態がある。
特許文献1には、企業において伝票データに含まれる金額を関連する直接部門に決められた比率で按分して配賦し、直接部門別の損益を算出する管理会計システムが開示されている。
特許文献1に記載の技術では、直接部門ごとの損益を算出することはできるが、直接部門の利益創出単位ごとの損益は算出することができない。
本開示は、企業の直接部門ごとの損益だけでなく直接部門の利益創出単位ごとの損益の算出を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係る損益計算装置は、情報取得部と、損益算出部と、損益情報出力部とを備える。情報取得部は、企業の直接部門および間接部門を含む原価部門を識別する原価部門コード、利益創出単位を識別する利益管理コードおよび計上単位を識別する勘定コードが付与された、企業の売上を示す売上情報、ならびに、原価部門コード、利益管理コード、および、勘定コードのうち少なくとも勘定コードが付与された、企業で発生した費用を示す費用情報を取得する。損益算出部は、情報取得部が取得した売上情報および費用情報に基づいて、直接部門の利益創出単位ごとの損益を算出し、直接部門の利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を生成する。損益情報出力部は、損益情報を出力する。損益算出部は、売上情報が示す売上を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位ごとに直接計上し、費用情報のうち、原価部門コードおよび利益管理コードが付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位ごとに直接計上し、原価部門コードは付与されていないが利益管理コードは付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、利益管理コードが示す利益創出単位を取り扱う直接部門の当該利益創出単位に配賦し、利益管理コードが付与されていない費用情報については、決められた配賦基準に従って、費用情報が示す費用を直接部門の利益創出単位ごとに配賦する。
本開示によれば、売上情報が示す売上を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位ごとに直接計上し、費用情報のうち、原価部門コードおよび利益管理コードが付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位ごとに直接計上し、原価部門コードは付与されていないが利益管理コードは付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、利益管理コードが示す利益創出単位を取り扱う直接部門の当該利益創出単位に配賦し、利益管理コードが付与されていない費用情報については、決められた配賦基準に従って、費用情報が示す費用を直接部門の利益創出単位ごとに配賦することで、企業の直接部門ごとの損益だけでなく直接部門の利益創出単位ごとの損益の算出が可能になる。
以下に、本実施の形態に係る損益計算装置、損益計算方法およびプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。以下の実施の形態では、計上する収支を売上および費用とし、直接部門が営業部門、利益創出単位が機種である例について説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る損益計算装置1の機能構成について、図1を用いて説明する。図1に示すように、損益計算装置1は、各原価部門に設定された原価部門コードを示す原価部門コードマスタを記憶する原価部門コード記憶部11と、各利益創出単位に設定された利益管理コードを示す利益管理コードマスタを記憶する利益管理コード記憶部12と、売上および費用の各計上単位に設定された勘定コードを示す勘定コードマスタを記憶する勘定コード記憶部13とを備える。また、損益計算装置1は、企業の売上を示す伝票情報および企業で発生した費用を示す伝票情報を取得する情報取得部14と、直接部門の利益創出単位ごとの損益を算出する損益算出部15と、直接部門の利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を出力する損益情報出力部16とを備える。原価部門コード、利益管理コードおよび勘定コードの詳細は後述する。
実施の形態1に係る損益計算装置1の機能構成について、図1を用いて説明する。図1に示すように、損益計算装置1は、各原価部門に設定された原価部門コードを示す原価部門コードマスタを記憶する原価部門コード記憶部11と、各利益創出単位に設定された利益管理コードを示す利益管理コードマスタを記憶する利益管理コード記憶部12と、売上および費用の各計上単位に設定された勘定コードを示す勘定コードマスタを記憶する勘定コード記憶部13とを備える。また、損益計算装置1は、企業の売上を示す伝票情報および企業で発生した費用を示す伝票情報を取得する情報取得部14と、直接部門の利益創出単位ごとの損益を算出する損益算出部15と、直接部門の利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を出力する損益情報出力部16とを備える。原価部門コード、利益管理コードおよび勘定コードの詳細は後述する。
まず、原価部門コード記憶部11が記憶する原価部門コードマスタについて、図2を用いて説明する。原価部門コードは、原価部門を識別する情報である。原価部門コードは原価部門ごとに付与される。例えば、原価部門「役員」には原価部門コード「C00001」が設定されている。また、図2の例では、原価部門コードマスタは、原価部門ごとに直接部門か間接部門かを示す「部門種別」の項目を含む。例えば、原価部門コード「C00001」の「役員」は間接部門であって、原価部門コード「C00010」の「営業A」は直接部門である。原価部門コード「C00020」の「共通」は、原価部門を特定できない場合に用いられる企業共通の原価部門コードである。なお、原価部門が複数の階層で構成されている場合も、それぞれの原価部門に原価部門コードが設定される。図2の例では、原価部門を示す文字列に原価部門コードが設定されているが、文字列に限らず、例えば企業で作成される伝票で用いられる原価部門を示す別の表現であってもよい。
続いて、利益管理コード記憶部12が記憶する利益管理コードマスタについて、図3を用いて説明する。利益管理コードは、利益創出単位を識別する情報である。利益管理コードは利益創出単位ごとに設定される。例えば、利益創出単位「機種A」には利益管理コード「P00001」が設定されている。図3の例では、利益創出単位を示す文字列に利益管理コードが設定されているが、文字列に限らず、例えば企業で作成される伝票で用いられる利益創出単位を示す別の表現であってもよい。
続いて、勘定コード記憶部13が記憶する勘定コードマスタについて、図4を用いて説明する。勘定コードは、売上および費用の計上単位を示す情報である。例えば、売上の計上単位「売上(製品)」には勘定コード「A00001」が設定されている。図4の例では、計上単位を示す文字列に勘定コードが設定されているが、文字列に限らず、例えば企業で作成される伝票で用いられる計上単位を示す別の表現であってもよい。
図1に戻り、情報取得部14は、企業の売上を示す伝票情報を取得すると、原価部門コードマスタ、利益管理コードマスタおよび勘定コードマスタを参照し、売上の計上単位を示す勘定コードと、売上を計上する原価部門を識別する原価部門コードと、売上を計上する利益創出単位を識別する利益管理コードとを付与して売上情報を生成する。情報取得部14は、企業で発生した費用を示す伝票情報を取得すると、原価部門コードマスタ、利益管理コードマスタおよび勘定コードマスタを参照し、費用の計上単位を示す勘定コードと、費用を計上する原価部門を識別する原価部門コードと、費用を計上する利益創出単位を識別する利益管理コードとのうち、少なくとも勘定コードを付与して費用情報を生成する。
伝票情報の取得方法は、例えば、ユーザからの伝票情報の入力を受け付けてもよいし、外部の装置またはシステムから伝票情報を取得してもよい。勘定コード、原価部門コードおよび利益管理コードを付与することにより、売上および費用を計上する計上単位、原価部門および利益創出単位を特定可能になる。
広告宣伝費、販売促進費などの費用の伝票情報には、当該費用の計上先の指図情報が含まれる。情報取得部14は、指図情報が含まれる費用の伝票情報には、原価部門コードおよび利益管理コードを付与しない。また、情報取得部14は、減価償却費、光熱費などの計上する原価部門を特定できない費用の伝票情報には、企業共通の原価部門コードを付与し、利益管理コードは付与しない。さらに、情報取得部14は、間接部門の人件費、諸経費などの計上する利益創出単位を特定できない費用の伝票情報には、間接部門を識別する原価部門コードを付与し、利益管理コードは付与しない。さらに、情報取得部14は、原価部門は特定できないが、利益創出単位は特定できる費用の伝票情報には、利益管理コードを付与し、原価部門コードは付与しない。
ここで、情報取得部14が生成する売上情報について、図5を用いて説明する。図5の例では、売上情報は、売上ごとに採番された「NO.」と、売上があった日時を示す「日時」と、売上があった機種の数量を示す「数量」と、売上があった機種の単価を示す「単価」と、売上金額を示す「金額」と、売上の計上単位を示す「勘定コード」と、売上を計上する原価部門を示す「原価部門コード」と、売上を計上する機種を示す「利益管理コード」との項目を含む。
例えば、NO.S0001の売上は、原価部門は営業Aの機種Aに計上する売上(製品)で、売上があった日時が2010/11/01、単価は100万円、数量は10、売上金額は1000万円であるので、原価部門コードC00010、利益管理コードP00001および勘定コードA00001が付与されている。
続いて、情報取得部14が生成する費用情報について、図6を用いて説明する。図6の例では、費用情報は、費用ごとに採番された「NO.」と、費用が発生した日時を示す「日時」と、発生した費用の単位数を示す「数量」と、費用の単価を示す「単価」と、費用金額を示す「金額」と、費用の計上単位を示す「勘定コード」と、費用を計上する原価部門を示す「原価部門コード」と、費用を計上する機種を示す「利益管理コード」と、当該費用の計上先の指図情報を示す「指図情報」の項目を含む。
例えば、NO.E0001の費用は、営業Aの機種Aに計上する売上原価で、費用が発生した日時が2010/10/31、単価は50万円、数量は10、費用金額は500万円であるので、原価部門コードC00010、利益管理コードP00001および勘定コードA00006が付与されている。
NO.E0002の費用は、広告宣伝費で、費用が発生した日時が2010/12/20、単価は1000万円、数量は1、費用金額は1000万円であるので、勘定コードA00007が付与されている。NO.E0002の費用は、広告宣伝費であるため、原価部門コードおよびユーザ利益管理コードは付与されておらず、当該費用の計上先の指図情報IO001が含まれている。
NO.E0003の費用は、光熱費で、費用が発生した日時が2010/12/31、単価は20万円、数量は1、費用金額は20万円であるので、勘定コードA00008が付与されている。NO.E0003の費用は、計上する原価部門を特定できない光熱費であるため、利益管理コードは付与されておらず、企業共通の原価部門コードC00020が付与されている。
図1に戻り、情報取得部14は、生成した売上情報および費用情報を損益算出部15に送る。損益算出部15は、情報取得部14から受け取った売上情報および費用情報に基づいて、直接部門の利益創出単位ごとの損益を算出する。
まず、損益算出部15は、売上情報が示す売上を原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位ごとに直接計上する。損益算出部15は、費用情報のうち、原価部門コードおよび利益管理コードの両方が付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位ごとに直接計上する。損益算出部15は、費用情報のうち、原価部門コードは付与されていないが利益管理コードは付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、利益管理コードが示す利益創出単位を取り扱う直接部門の当該利益創出単位に配賦する。損益算出部15は、当該費用を、付与された利益管理コードが示す機種を取り扱う各直接部門の当該機種に均等に配賦してもよいし、付与された利益管理コードが示す機種を取り扱う各直接部門のその機種の売上の比率によって配賦してもよい。損益算出部15は、費用情報のうち、利益管理コードが付与されていない費用情報については、決められた配賦基準に従って、費用情報が示す費用を直接部門の利益創出単位ごとに配賦する。
ここで、決められた配賦基準について、図7を用いて説明する。図7に示すように、損益算出部15は、勘定コード単位で売上および費用を計上する。図7の例では、配賦ステップ1~4を実行して、利益管理コードが付与されていない費用情報が示す費用を直接部門の利益創出単位ごとに配賦する。
配賦ステップ1では、指図情報を含む費用情報が示す費用を、当該指図情報に対応する特定の直接部門または利益管理単位に負担させる費用配賦割合を設定する。図7の例では、指図情報に計上された広告宣伝費について、当該指図情報に対応する特定の直接部門に費用配賦割合を設定している。損益算出部15は、当該指図情報に対応する特定の直接部門または利益管理単位に、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦する。損益算出部15は、例えば、ある製品の宣伝にかかった広告宣伝費を、その製品を取り扱う各直接部門の、その製品に該当するすべての利益創出単位に均等に配賦する。あるいは、その製品を取り扱う直接部門ごとにその製品の売上の合計を計算し、算出した売上の比率によって各直接部門に当該広告宣伝費を配賦してもよいし、各直接部門に配賦した当該広告宣伝費をさらに該当する利益管理単位に配賦してもよい。損益算出部15は、指図情報に対応する直接部門または利益創出単位を特定のするための情報を予め保持している。
配賦ステップ2では、企業共通の原価部門コードを含む費用情報が示す計上する原価部門を特定できない費用をすべての原価部門に公平に負担させる費用配賦割合を設定する。図7の例では、減価償却費、光熱費などについて、すべての原価部門に公平に負担させる費用配賦割合を設定している。損益算出部15は、各原価部門に、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦する。例えば、損益算出部15は、すべての原価部門に均等に当該費用を配賦する。あるいは、損益算出部15は、各原価部門の占有面積、従業員数などの比率によって当該費用を配賦する。配賦ステップ1と配賦ステップ2とはどちらを先に実行してもよい。
配賦ステップ3では、間接部門で計上された販売費・一般管理費と営業外損益とを合計した費用を間接費(Overhead)として、関連する直接部門に負担させる費用配賦割合を設定する。損益算出部15は、原価部門コード記憶部11が記憶する原価部門コードマスタを参照して、間接部門であるか直接部門であるかを判定する。損益算出部15は、間接部門の直接部門への貢献度によって費用配賦割合を決定する。例えば、直接部門である営業部門の営業活動の市場の需要調査、需要調査に基づく販売企画・年間損益計画を作成するマーケティング業務を行う間接部門であれば、各営業部門への貢献度は高い。このような間接部門の直接部門への貢献度を示す情報を損益算出部15は予め保持している。間接部門の直接部門への貢献度を示す情報は、ユーザが任意のタイミングで変更可能である。損益算出部15は、例えば、貢献度に基づいて、マーケティング業務を行う間接部門の90%の間接費を営業部門の売上の比率によって各営業部門へ配賦し、残りの10%の間接費を営業部門の従業員数の比率によって各営業部門へ配賦する。このような配賦を行い、すべての間接費を直接部門に負担させる。
配賦ステップ1~3により、間接費を含むすべての費用が直接部門に計上されるため、直接部門ごとの損益を算出することができる。
配賦ステップ4では、配賦ステップ1~3で直接部門に計上されたすべての費用を直接部門の利益創出単位ごとに負担させる費用配賦割合を設定する。例えば、直接部門である営業部門内での利益創出単位である機種の売上実績、売上総利益実績、投入人員数などの比率によって各機種に負担させる費用配賦割合を設定する。損益算出部15は、各利益創出単位に、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦する。なお、配賦ステップ1で損益算出部15が、当該費用に関連する複数の利益創出単位に設定された費用配賦割合で当該費用を配賦した費用情報については、すでに直接部門の利益創出単位ごとに費用が配賦されているため、配賦ステップ4を実行しない。
配賦ステップ1~4により、直接部門に計上されたすべての費用が利益創出単位別に計上されるため、直接部門の利益創出単位ごとの損益を算出することができる。
図1に戻り、損益算出部15は、算出した直接部門の利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を生成する。損益算出部15が生成する損益情報について、図8を用いて説明する。図8の例では、損益情報は、売上および費用ごとに採番された「NO.」と、売上があった日時または費用が発生した日時を示す「日時」と、売上があった機種の数量または発生した費用の単位数を示す「数量」と、売上があった機種の単価または費用の単価を示す「単価」と、売上金額または費用金額を示す「金額」と、売上または費用の計上単位を示す「勘定コード」と、売上または費用を計上する原価部門を示す「原価部門コード」と、売上または費用を計上する機種を示す「利益管理コード」との項目を含む。
例えば、NO.PL00001の売上は、営業A(原価部門コードC00010)の機種A(利益管理コードP00001)に計上された売上(製品)(勘定コードA00001)で、売上があった日時が2010/11/01、単価は100万円、数量は10、売上金額は1000万円である。
NO.PL00105の費用は、営業A(原価部門コードC00010)の機種A(利益管理コードP00001)に計上された広告宣伝費(勘定コードA00007)で、費用が発生した日時が2010/12/20、費用の単価は100万円、数量は1、費用金額は100万円である。
図1に戻り、損益情報出力部16は、損益算出部15が生成した損益情報を出力する。損益情報の出力方法は、例えば、画面表示してもよいし、ユーザが使用する端末に送信してもよい。
ここで、損益計算装置1が実行する処理の流れについて、図9を用いて説明する。図9に示す損益計算処理は、損益計算装置1が起動したときに開始する。
損益計算装置1の情報取得部14が伝票情報を取得しない場合(ステップS11;NO)、処理はステップS25に移行する。伝票情報を取得した場合(ステップS11;YES)、情報取得部14は、原価部門コード記憶部11が記憶する原価部門コードマスタと、利益管理コード記憶部12が記憶する利益管理コードマスタと、勘定コード記憶部13が記憶する勘定コードマスタとを参照し、企業の売上を示す伝票情報に原価部門コード、利益管理コードおよび勘定コードを付与して売上情報を生成し、企業で発生した費用を示す伝票情報に原価部門コード、利益管理コードおよび勘定コードのうち少なくとも勘定コードを付与して費用情報を生成する(ステップS12)。情報取得部14は、生成した売上情報および費用情報を損益算出部15に送る。
損益算出部15は、情報取得部14から受け取った売上情報が示す売上を直接部門の利益創出単位ごとに直接計上する(ステップS13)。損益算出部15は、費用情報のうち、原価部門コードおよび利益管理コードの両方が付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を直接部門の利益創出単位ごとに直接計上する(ステップS14)。また、損益算出部15は、費用情報のうち、原価部門コードは付与されていないが利益管理コードは付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、利益管理コードが示す利益創出単位を取り扱う直接部門の当該利益創出単位に配賦する(ステップS15)。損益算出部15は、当該費用を、付与された利益管理コードが示す機種を取り扱う各直接部門の当該利益創出単位に均等に配賦してもよいし、付与された利益管理コードが示す機種を取り扱う各直接部門のその機種の売上の比率によって配賦してもよい。
損益算出部15は、指図情報を含む費用情報が示す費用を、当該指図情報に対応する特定の直接部門または利益管理単位にそれぞれ負担させる費用配賦割合を設定する(ステップS16)。図7に示す配賦基準の例では、広告宣伝費について、当該指図情報に対応する特定の直接部門に費用配賦割合を設定している。
図9に戻り、損益算出部15は、当該指図情報に対応する特定の直接部門または利益管理単位に、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦する(ステップS17)。例えば、損益算出部15は、ある製品の宣伝にかかった広告宣伝費を、その製品を取り扱う各直接部門の、その製品に該当するすべての利益創出単位に均等に配賦する。あるいは、その製品を取り扱う直接部門ごとにその製品の売上の合計を計算し、算出した売上の比率によって各直接部門に当該広告宣伝費を配賦してもよいし、各直接部門に配賦した当該広告宣伝費をさらに該当する利益管理単位に配賦してもよい。
損益算出部15は、企業共通の原価部門コードを含む費用情報が示す計上する原価部門を特定できない費用をすべての原価部門に公平に負担させる費用配賦割合を設定する(ステップS18)。図7に示す配賦基準の例では、減価償却費、光熱費などについて、すべての原価部門に公平に負担させる費用配賦割合を設定している。
図9に戻り、損益算出部15は、各原価部門に、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦する(ステップS19)。例えば、損益算出部15は、すべての原価部門に均等に当該費用を配賦する。あるいは、損益算出部15は、各原価部門の占有面積、従業員数などの比率によって当該費用を配賦する。ステップ16およびステップS17は前述の配賦ステップ1に相当する。ステップS18およびステップS19は前述の配賦ステップ2に相当する。配賦ステップ1と配賦ステップ2とはどちらを先に実行してもよい。
損益算出部15は、間接部門の直接部門への貢献度によって、間接部門に計上された間接費を関連する直接部門に負担させる費用配賦割合を設定する(ステップS20)。このとき、損益算出部15は、原価部門コード記憶部11が記憶する原価部門コードマスタを参照して、間接部門であるか直接部門であるかを判定する。損益算出部15は、すべての間接費を関連する直接部門に配賦する(ステップS21)。ステップS20およびステップS21は前述の配賦ステップ3に相当する。
損益算出部15は、直接部門に計上されたすべての費用を直接部門の利益創出単位ごとに負担させる費用配賦割合を設定する(ステップS22)。例えば、直接部門である営業部門内での利益創出単位である機種の売上実績、売上総利益実績、投入人員数などの比率によって各機種に負担させる費用配賦割合を設定する。損益算出部15は、各利益創出単位に、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦する(ステップS23)。ステップS22およびステップS23は前述の配賦ステップ4に相当する。なお、ステップS16で指図情報に対応する特定の利益管理単位にそれぞれ負担させる費用配賦割合を設定し、ステップS17で、当該指図情報に対応する特定の利益管理単位に、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦した費用情報については、すでに直接部門の利益創出単位ごとに費用が配賦されているため、ステップS22およびステップS23を実行しない。
損益算出部15は、算出した直接部門の利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を生成する(ステップS24)。ステップS13~ステップS24は、損益算出ステップの例である。図8に示す損益情報の例は、売上および費用ごとに採番された「NO.」と、売上があった日時または費用が発生した日時を示す「日時」と、売上があった機種の数量または発生した費用の単位数を示す「数量」と、売上があった機種の単価または費用の単価を示す「単価」と、売上金額または費用金額を示す「金額」と、売上または費用の計上単位を示す「勘定コード」と、売上または費用を計上する原価部門を示す「原価部門コード」と、売上または費用を計上する機種を示す「利益管理コード」との項目を含む。
図9に戻り、損益情報出力部16は、損益算出部15が生成した損益情報を出力する(ステップS25)。ステップS25は、損益情報出力ステップの例である。損益情報の出力方法は、例えば、画面表示してもよいし、ユーザが使用する端末に送信してもよい。損益計算装置1の電源がOFFになっていなければ(ステップS26;NO)、処理はステップS11に戻り、ステップS11~ステップS26を繰り返す。電源がOFFになると(ステップS26;YES)、処理を終了する。
実施の形態1に係る損益計算装置1によれば、売上情報が示す売上を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位ごとに直接計上し、費用情報のうち、原価部門コードおよび利益管理コードが付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位ごとに直接計上し、原価部門コードは付与されていないが利益管理コードは付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、利益管理コードが示す利益創出単位を取り扱う直接部門の当該利益創出単位に配賦し、利益管理コードが付与されていない費用情報については、決められた配賦基準に従って、費用情報が示す費用を直接部門の利益創出単位ごとに配賦することで、企業の直接部門ごとの損益だけでなく直接部門の利益創出単位ごとの損益の算出が可能になる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、利益創出単位に階層を設ける。実施の形態2に係る損益計算装置1の機能構成について、図10を用いて説明する。図10に示すように、損益計算装置1は、原価部門コード記憶部11と、利益管理コード記憶部12と、勘定コード記憶部13と、情報取得部14と、損益算出部15と、損益情報出力部16とに加え、利益創出単位に設けられた階層によって規定されるモデルごとに設定されたモデルコードを示すモデルコードマスタを記憶するモデルコード記憶部17を備える。モデルコードの詳細は後述する。
実施の形態2では、利益創出単位に階層を設ける。実施の形態2に係る損益計算装置1の機能構成について、図10を用いて説明する。図10に示すように、損益計算装置1は、原価部門コード記憶部11と、利益管理コード記憶部12と、勘定コード記憶部13と、情報取得部14と、損益算出部15と、損益情報出力部16とに加え、利益創出単位に設けられた階層によって規定されるモデルごとに設定されたモデルコードを示すモデルコードマスタを記憶するモデルコード記憶部17を備える。モデルコードの詳細は後述する。
ここで、モデルコード記憶部17が記憶するモデルコードマスタについて、図11を用いて説明する。モデルコードは、利益創出単位(機種)のモデルを識別する情報である。モデルコードは利益創出単位のモデルごとに設定される。図11の例では、利益創出単位に大分類、中分類、小分類の階層が設けられ、機種のモデルが規定されている。大分類の階層は、販売シリーズ(ハイエンドモデル、ミドルエンドモデル、ローエンドモデル)である。中分類の階層は、対象地域(国内○○地域向け、国内△△地域向け、輸出用など)である。小分類の階層は、発売開始年度(2020年度、2019年度など)である。階層は3層に限らず機種のモデルを規定できる数であればよい。また、図11の例では、利益創出単位の各階層を文字列で表現しているが、文字列に限らず、例えば企業で作成される伝票で用いられる利益創出単位の各階層を示す別の表現であってもよい。
図10に戻り、情報取得部14は、企業の売上を示す伝票情報を取得すると、原価部門コードマスタと、利益管理コードマスタと、勘定コードマスタと、モデルコードマスタとを参照し、売上の計上単位を示す勘定コードと、売上を計上する原価部門を識別する原価部門コードと、売上を計上する利益創出単位を識別する利益管理コードと売上を計上するモデルを識別するモデルコードとを付与して売上情報を生成する。情報取得部14は、企業で発生した費用を示す伝票情報を取得すると、原価部門コードマスタと、利益管理コードマスタと、勘定コードマスタと、モデルコードマスタとを参照し、費用の計上単位を示す勘定コードと、費用を計上する原価部門を識別する原価部門コードと、費用を計上する利益創出単位を識別する利益管理コードと、費用を計上するモデルを識別するモデルコードのうち、少なくとも勘定コードを付与して費用情報を生成する。
情報取得部14は、生成した売上情報および費用情報を損益算出部15に送る。損益算出部15は、情報取得部14から受け取った売上情報および費用情報に基づいて、直接部門の利益創出単位のモデルごとの損益を算出する。
まず、損益算出部15は、売上情報が示す売上を原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位のモデルコードが示すモデルごとに直接計上する。損益算出部15は、費用情報のうち、原価部門コード、利益管理コードおよびモデルコードが付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位のモデルコードが示すモデルごとに直接計上する。損益算出部15は、費用情報のうち、原価部門コードは付与されていないが利益管理コードおよびモデルコードは付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、利益管理コードが示す利益創出単位のモデルコードが示すモデルを取り扱う直接部門の当該利益創出単位の当該モデルに配賦する。損益算出部15は、費用情報のうち、利益管理コードおよびモデルコードが付与されていない費用情報については、決められた配賦基準に従って、費用情報が示す費用を直接部門の利益創出単位のモデルごとに配賦する。
実施の形態2における決められた配賦基準の配賦ステップ1は、指図情報を含む費用情報が示す費用を、当該指図情報に対応する特定の直接部門または利益管理単位またはモデルに負担させる費用配賦割合を設定する。損益算出部15は、当該指図情報に対応する特定の直接部門または利益管理単位またはモデルに、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦する。損益算出部15は、例えば、損益算出部15は、ある製品の宣伝にかかった広告宣伝費を、その製品を取り扱う各直接部門の、その製品に該当するすべての利益創出単位のモデルに均等に配賦する。あるいは、その製品を取り扱う直接部門ごとにその製品の売上の合計を計算し、算出した売上の比率によって各直接部門に当該広告宣伝費を配賦してもよいし、各直接部門に配賦した当該広告宣伝費をさらに該当する利益管理単位に配賦してもよいし、各利益管理単位に配賦した当該広告宣伝費をさらに該当するモデルに配賦してもよい。配賦ステップ2および3は、実施の形態1と同様である。
配賦ステップ4では、配賦ステップ1~3で直接部門または利益創出単位に計上されたすべての費用を直接部門の利益創出単位のモデルごとに負担させる費用配賦割合を設定する。例えば、直接部門である営業部門内での利益創出単位のモデルごとの売上実績、売上総利益実績、投入人員数などの比率によって各機種のモデルに負担させる費用配賦割合を設定する。損益算出部15は、各機種のモデルに、設定された費用配賦割合で当該費用を配賦する。なお、配賦ステップ1で損益算出部15が、当該指図情報に対応する特定の直接部門の利益創出単位のモデルに設定された費用配賦割合で当該費用を配賦した費用情報については、すでに直接部門の利益創出単位のモデルごとに費用が配賦されているため、配賦ステップ4を実行しない。
配賦ステップ1~4により、直接部門または利益創出単位に計上された企業全体のすべての費用がモデル別に計上されるため、直接部門の利益創出単位のモデルごとの損益を算出することができる。
損益算出部15は、算出した直接部門の利益創出単位のモデルごとの損益を示す損益情報を生成する。損益計算装置1のその他の機能構成については、実施の形態1と同様である。損益算出部15が生成する損益情報について、図12を用いて説明する。図12の例では、損益情報は、売上および費用ごとに採番された「NO.」と、売上があった日時または費用が発生した日時を示す「日時」と、売上または費用を計上する機種のモデルを示す「モデルコード」と、売上があったモデルの機種の数量または発生した費用の単位数を示す「数量」と、売上があったモデルの機種の単価または費用の単価を示す「単価」と、売上金額または費用金額を示す「金額」と、売上または費用の計上単位を示す「勘定コード」と、売上または費用を計上する原価部門を示す「原価部門コード」と、売上または費用を計上するモデルの機種を示す「利益管理コード」との項目を含む。
例えば、NO.PL00001の売上は、営業A(原価部門コードC00010)のハイエンドモデル、国内○○地域向け、2020年度発売開始(モデルコードM00001)の機種A(利益管理コードP00001)に計上された売上(製品)(勘定コードA00001)で、売上があった日時が2010/11/01、単価は100万円、数量は2、売上金額は200万円である。NO.PL00002の売上は、NO.PL00001と同じ営業A(原価部門コードC00010)の機種A(利益管理コードP00001)の売上(製品)(勘定コードA00001)であるが、売上を計上するモデルがミドルエンドモデル、国内○○地域向け、2020年度発売開始(モデルコードM00002)であって、売上があった日時が2010/11/01、単価は100万円、数量は2、売上金額は200万円である。
実施の形態2に係る損益計算装置1によれば、売上情報が示す売上を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位のモデルコードが示すモデルごとに直接計上し、費用情報のうち、原価部門コード、利益管理コードおよびモデルコードが付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、原価部門コードが示す直接部門の利益管理コードが示す利益創出単位のモデルコードが示すモデルごとに直接計上し、原価部門コードは付与されていないが利益管理コードは付与されている費用情報については、費用情報が示す費用を、利益管理コードが示す利益創出単位のモデルコードが示すモデルを取り扱う直接部門の当該利益創出単位の当該モデルに配賦し、利益管理コードが付与されていない費用情報については、決められた配賦基準に従って、費用情報が示す費用を直接部門の利益創出単位のモデルごとに配賦することで、企業の直接部門ごとの損益だけでなく直接部門の利益創出単位のモデルごとの損益の算出が可能になる。
また、利益創出単位に集計目的別の階層を設定しておくことで、管理会計上でユーザが求める階層の損益集計を実施できる。これにより、ドリルダウン分析といった深堀調査を行い、利益創出単位の損益実態をより詳細に把握することが可能になる。
損益計算装置1のハードウェア構成について図13を用いて説明する。図13に示すように、損益計算装置1は、一時記憶部101、記憶部102、計算部103、入力部104、送受信部105および表示部106を備える。一時記憶部101、記憶部102、入力部104、送受信部105および表示部106はいずれもBUSを介して計算部103に接続されている。
計算部103は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。計算部103は、記憶部102に記憶されている制御プログラムに従って、情報取得部14および損益算出部15の処理を実行する。
一時記憶部101は、例えばRAM(Random-Access Memory)である。一時記憶部101は、記憶部102に記憶されている制御プログラムをロードし、計算部103の作業領域として用いられる。
記憶部102は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD-RAM(Digital Versatile Disc - Random Access Memory)、DVD-RW(Digital Versatile Disc - ReWritable)などの不揮発性メモリである。記憶部102は、損益計算装置1の処理を計算部103に行わせるためのプログラムを予め記憶し、また、計算部103の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを計算部103に供給し、計算部103から供給されたデータを記憶する。原価部門コード記憶部11、利益管理コード記憶部12、勘定コード記憶部13、および、モデルコード記憶部17は、記憶部102に構成される。
入力部104は、キーボード、ポインティングデバイス、音声入力機器などの入力装置と、入力装置をBUSに接続するインタフェース装置である。入力部104を介して、ユーザが入力した情報が計算部103に供給される。ユーザが損益計算装置1に伝票情報を直接入力する構成では、入力部104は、情報取得部14として機能する。
送受信部105は、ネットワークに接続する網終端装置または無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースである。損益計算装置1が外部の装置またはシステムから伝票情報を取得する構成では、送受信部105は、情報取得部14として機能する。損益計算装置1がユーザ端末に損益情報を送信する構成では、送受信部105は、損益情報出力部16として機能する。
表示部106は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置である。損益計算装置1が損益情報を画面表示する構成では、表示部106は、損益情報出力部16として機能する。
図1または図10に示す損益計算装置1の原価部門コード記憶部11、利益管理コード記憶部12、勘定コード記憶部13、情報取得部14、損益算出部15、損益情報出力部16、および、モデルコード記憶部17の処理は、制御プログラムが、一時記憶部101、計算部103、記憶部102、入力部104、送受信部105および表示部106などを資源として用いて処理することによって実行する。
その他、前記のハードウェア構成およびフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
計算部103、一時記憶部101、記憶部102、入力部104、送受信部105、表示部106などの損益計算装置1の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc - Read Only Memory)などのコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する損益計算装置1を構成してもよい。また、インターネットに代表される通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードすることで損益計算装置1を構成してもよい。
また、損益計算装置1の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体、記憶装置に格納してもよい。
また、輸送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して提供することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、通信ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを提供してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できる構成にしてもよい。
上記の実施の形態1および2では、直接部門は営業部門であって、利益創出単位は機種であるが、これに限らず、製造部門、開発部門、販売部門などであってもよい。利益創出単位は、製品、商品、機種群、製品群、商品群などであってもよい。例えば、利益創出単位を企業の財務会計上の報告単位にすれば、損益計算装置1が出力する損益情報を用いることで財務諸表の作成が容易になる。また、連結会計上で連結させる計上単位の勘定コードに連結勘定コードを紐付けておけば、損益計算装置1が出力する損益情報を用いることで連結財務諸表の作成が容易になる。
上記の実施の形態1および2では、計上対象が売上および費用であるが、これに限らず、企業の損益管理の実態に適合した操業度を計上対象に含んでもよい。
上記の実施の形態1では、情報取得部14が、取得した伝票情報に原価部門コード、利益管理コードおよび勘定コードを付与して売上情報および費用情報を生成するが、これに限らない。例えば、外部の装置またはシステムで、伝票情報に原価部門コード、利益管理コードおよび勘定コードを付与して売上情報および費用情報を生成してもよい。この場合、情報取得部14は、外部の装置またはシステムから売上情報および費用情報を取得する。実施の形態2についても同様に、外部の装置またはシステムで、伝票情報に原価部門コード、利益管理コード、勘定コードおよびモデルコードを付与してもよい。
上記の実施の形態2では、利益創出単位に機種のモデルを規定する階層を設けているが、これに限らない。連結決算などの財務報告用の損益計算書、社内販売動向分析用の損益情報などを作成する各種実務層・経営層で必要なメッシュの階層を利益創出単位に設けることにより、損益計算装置1は、企業の管理会計・財務会計の処理をより容易にする損益情報を出力することができる。
1 損益計算装置、11 原価部門コード記憶部、12 利益管理コード記憶部、13 勘定コード記憶部、14 情報取得部、15 損益算出部、16 損益情報出力部、17 モデルコード記憶部、101 一時記憶部、102 記憶部、103 計算部、104 入力部、105 送受信部、106 表示部。
Claims (6)
- 企業の直接部門および間接部門を含む原価部門を識別する原価部門コード、利益創出単位を識別する利益管理コードおよび計上単位を識別する勘定コードが付与された、前記企業の売上を示す売上情報、ならびに、前記原価部門コード、前記利益管理コード、および、前記勘定コードのうち少なくとも前記勘定コードが付与された、前記企業で発生した費用を示す費用情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記売上情報および前記費用情報に基づいて、前記直接部門の前記利益創出単位ごとの損益を算出し、前記直接部門の前記利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を生成する損益算出部と、
前記損益情報を出力する損益情報出力部と、
を備え、
前記損益算出部は、
前記売上情報が示す売上を、前記原価部門コードが示す前記直接部門の前記利益管理コードが示す前記利益創出単位ごとに直接計上し、前記費用情報のうち、前記原価部門コードおよび前記利益管理コードが付与されている費用情報については、前記費用情報が示す費用を、前記原価部門コードが示す前記直接部門の前記利益管理コードが示す前記利益創出単位ごとに直接計上し、前記原価部門コードは付与されていないが前記利益管理コードは付与されている前記費用情報については、前記費用情報が示す費用を、前記利益管理コードが示す前記利益創出単位を取り扱う前記直接部門の当該利益創出単位に配賦し、前記利益管理コードが付与されていない前記費用情報については、決められた配賦基準に従って、前記費用情報が示す費用を前記直接部門の前記利益創出単位ごとに配賦する、
損益計算装置。 - 前記損益計算装置は、
前記原価部門ごとに設定された原価部門コードを示す原価部門コードマスタを記憶する原価部門コード記憶部と、
前記利益創出単位ごとに設定された利益管理コードを示す利益管理コードマスタを記憶する利益管理コード記憶部と、
前記計上単位ごとに設定された勘定コードを示す勘定コードマスタを記憶する勘定コード記憶部と、
をさらに備え、
前記情報取得部は、前記原価部門コードマスタ、前記利益管理コードマスタ、および、前記勘定コードマスタを参照して、前記企業の売上を示す伝票情報に前記原価部門コード、前記利益管理コードおよび前記勘定コードを付与して前記売上情報を生成し、前記企業で発生した費用を示す伝票情報に前記原価部門コード、前記利益管理コードおよび前記勘定コードのうち少なくとも前記勘定コードを付与して前記費用情報を生成する、
請求項1に記載の損益計算装置。 - 前記損益算出部は、
前記利益管理コードが付与されていない前記費用情報が示す費用について、
指図情報に計上された費用を、当該指図情報に対応する特定の前記直接部門または前記利益創出単位にそれぞれ負担させる費用配賦割合で配賦し、
計上する前記原価部門を特定できない費用を、すべての前記原価部門に公平に負担させる費用配賦割合で配賦し、
前記間接部門に計上された間接費を、前記間接部門の前記直接部門への貢献度に比例して関連する前記直接部門に負担させる費用配賦割合で配賦し、
前記直接部門に計上されたすべての費用を、前記直接部門の前記利益創出単位ごとに負担させる費用配賦割合で配賦する、
請求項1または2に記載の損益計算装置。 - 前記情報取得部は、
前記原価部門コード、前記利益管理コード、および、前記勘定コードに加え、前記利益創出単位に設けられた階層で規定されるモデルを識別するモデルコードが付与された、前記売上情報、ならびに、前記原価部門コード、前記利益管理コード、前記勘定コード、および、前記モデルコードのうち少なくとも前記勘定コードが付与された、前記企業で発生した費用を示す費用情報を取得し、
前記損益算出部は、
前記売上情報が示す売上を、前記原価部門コードが示す前記直接部門の前記利益管理コードが示す前記利益創出単位の前記モデルコードが示す前記モデルごとに直接計上し、前記費用情報のうち、前記原価部門コード、前記利益管理コードおよび前記モデルコードが付与されている費用情報については、前記費用情報が示す費用を、前記原価部門コードが示す前記直接部門の前記利益管理コードが示す前記利益創出単位の前記モデルコードが示す前記モデルごとに直接計上し、前記原価部門コードは付与されていないが前記利益管理コードおよび前記モデルコードは付与されている前記費用情報については、前記費用情報が示す費用を、前記利益管理コードが示す前記利益創出単位の前記モデルコードが示す前記モデルを取り扱う前記直接部門の当該利益創出単位の当該モデルに配賦し、前記利益管理コードおよび前記モデルコードが付与されていない前記費用情報については、決められた配賦基準に従って、前記費用情報が示す費用を前記直接部門の前記利益創出単位の前記モデルごとに配賦する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の損益計算装置。 - 損益計算装置が実行する損益計算方法であって、
企業の直接部門および間接部門を含む原価部門を識別する原価部門コード、利益創出単位を識別する利益管理コードおよび計上単位を識別する勘定コードが付与された、前記企業の売上を示す売上情報、ならびに、前記原価部門コード、前記利益管理コード、および、前記勘定コードのうち少なくとも前記勘定コードが付与された、前記企業で発生した費用を示す費用情報に基づいて、前記直接部門の前記利益創出単位ごとの損益を算出し、前記直接部門の前記利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を生成する損益算出ステップと、
前記損益情報を出力する損益情報出力ステップと、
を備え、
前記損益算出ステップでは、
前記売上情報が示す売上を、前記原価部門コードが示す前記直接部門の前記利益管理コードが示す前記利益創出単位ごとに直接計上し、前記費用情報のうち、前記原価部門コードおよび前記利益管理コードが付与されている費用情報については、前記費用情報が示す費用を、前記原価部門コードが示す前記直接部門の前記利益管理コードが示す前記利益創出単位ごとに直接計上し、前記原価部門コードは付与されていないが前記利益管理コードは付与されている前記費用情報については、前記費用情報が示す費用を、前記利益管理コードが示す前記利益創出単位を取り扱う前記直接部門の当該利益創出単位に配賦し、前記利益管理コードが付与されていない前記費用情報については、決められた配賦基準に従って、前記費用情報が示す費用を前記直接部門の前記利益創出単位ごとに配賦する、
損益計算方法。 - コンピュータを、
企業の直接部門および間接部門を含む原価部門を識別する原価部門コード、利益創出単位を識別する利益管理コードおよび計上単位を識別する勘定コードが付与された、前記企業の売上を示す売上情報、ならびに、前記原価部門コード、前記利益管理コード、および、前記勘定コードのうち少なくとも前記勘定コードが付与された、前記企業で発生した費用を示す費用情報に基づいて、前記直接部門の前記利益創出単位ごとの損益を算出し、前記直接部門の前記利益創出単位ごとの損益を示す損益情報を生成する損益算出部、
として機能させ、
前記損益算出部は、
前記売上情報が示す売上を、前記原価部門コードが示す前記直接部門の前記利益管理コードが示す前記利益創出単位ごとに直接計上し、前記費用情報のうち、前記原価部門コードおよび前記利益管理コードが付与されている費用情報については、前記費用情報が示す費用を、前記原価部門コードが示す前記直接部門の前記利益管理コードが示す前記利益創出単位ごとに直接計上し、前記原価部門コードは付与されていないが前記利益管理コードは付与されている前記費用情報については、前記費用情報が示す費用を、前記利益管理コードが示す前記利益創出単位を取り扱う前記直接部門の当該利益創出単位に配賦し、前記利益管理コードが付与されていない前記費用情報については、決められた配賦基準に従って、前記費用情報が示す費用を前記直接部門の前記利益創出単位ごとに配賦する、
プログラム。
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