JP2022091352A - レーダー処理装置及びレーダー処理方法 - Google Patents

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Ryusuke Yamamura
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Abstract

【課題】チャープ信号の設定数を従来よりも減らすことが可能なレーダー処理装置を提供する。【解決手段】実施形態のレーダー処理装置は、入力部、速度処理部、位置処理部、想定位置処理部及び判定部を備える。入力部は、第1及び第2の信号の入力を受ける。速度処理部は、第1の物標グループの複数の速度候補を含む第1の速度推定値及び第2の物標グループの複数の速度候補を含む第2の速度推定値を求める。位置処理部は、第1の物標グループの第1の位置及び第2の物標グループの第2の位置を求める。想定位置処理部は、第1の物標グループについて、複数の速度候補ごとの第2のサイクルにおける想定位置範囲を求める。判定部は、第1の速度推定値と第2の速度推定値との差異が所定の範囲内であり、想定位置範囲内に第2の位置が存在する場合、第1の物標グループと第2の物標グループは、同一の物体から得られる物標のグループであると判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーダー処理装置及びレーダー処理方法に関する。
車両などに搭載されたレーダーにおいて、物体のトラッキング及び識別、並びに自車の走行状況の判断など行うには、クラスタリング及びマッチング処理などが必要となる。クラスタリングは、得られた物標から同一物体からの物標を分別し、塊(クラスター)にまとめるものである。マッチング処理は、複数サイクルのクラスター情報の中から同一物体から得られたクラスターを関連づける処理である。クラスタリング及びマッチング処理などが正しく実行されない要因として、検出された物標の位置が互いに近い場合、及びゴーストの影響による場合などがある。ゴーストは、対象となる車両の他に対向車、別レーンを走行する車両、ガードレール、又は路側の建物などがある環境によって発生するマルチパスにより本来物標が存在しない位置に物標を検出することである。物標の位置が互いに近い場合及びゴーストが発生している場合、レーダー装置は、物標の位置情報と振幅情報のみを利用したクラスタリング及びマッチングなどでは物標の分別をすることができない場合がある。このため、レーダー装置は、特許文献1に記載の方法のように、検出された物標情報それぞれがもつ速度情報も利用することで複数サイクルの物標情報から同一物体を分別する処理を行っている。
レーダーの方式として、周波数が連続的に増加又は減少するチャープ信号をレーダー信号として使用し、物標までの距離及び物標の速度を計測する方式としてFCM(fast chirp modulation)及びFMCW(frequency-modulated continuous-wave)などの方式がある。例としてFCM方式のレーダー装置について説明する。FCM方式のレーダー装置は、レーダー信号の送受信信号から生成されたビート信号に2次元高速フーリエ変換(FFT(fast Fourier transform))を適用する。そして、レーダー装置は、ビート信号の周波数を用いて、物標までの距離を求める。また、レーダー装置は、同一物標について連続的に検出される周波数成分の位相回転を用いて、物標に対する相対速度を求める。ただし、検出された位相θMは、折り返している、すなわち、異なる相対速度であっても同じ位相θMを与える可能性があり、実際の位相θAは、
θA=θM+2π×Nv(Nvは、は整数) (1)
で表すことができる。位相回転から求められる速度の情報から折り返し回数であるNvの値を判断することができないため、位相θAには曖昧性が含まれる。このため、クラスタリング又はグルーピングの処理を行う前に特許文献2のような方法により、速度の曖昧さを解消する必要がある。ここで、チャープ信号の最大検知速度Vmaxは、下式(2)で示される。
Vmax=c/(4×fc×Tc) (2)

cは光速、fcはチャープ信号の中心周波数、Tcはチャープ信号の繰返し周期を示す。最大検知速度Vmaxは、折り返しなく検知できる速度の大きさの最大値であり、折り返しなく速度を検知できる範囲は-Vmax~Vmaxである。したがって、折り返しが発生した場合、レーダー装置は、-Vmax~Vmaxの範囲の速度情報を得る。当該速度情報は、実際の速度とは異なる。このため、検出された物標それぞれがもつ速度情報を用いてクラスタリングやマッチング処理を行うには速度情報を確定させる処理が必要となる。
その方法として、特許文献2では繰り返し周期が異なる2つ以上のチャープ設定を用意している。折り返しが発生した場合、レーダー装置は、それぞれのチャープ信号から算出される速度情報が異なる速度情報となり、その関係性から正しい相対速度を求めることができる。しかしながら、チャープ信号の設定を複数用意することは、レーダー装置に必要なメモリ容量の増大によるコスト増加の要因、及び1サイクルの処理時間を増やす要因となってしまう場合がある。なお、当該メモリは、チャープ設定についての情報のほか、それぞれ異なるチャープ設定のチャープ信号ごとに、算出した情報を記憶する。当該メモリは、当該情報を、全てのチャープ設定におけるレーダー測定が終了するまで保持する必要があるため、必要なメモリ容量が大きくなる。
米国特許第8378883号明細書 米国特許第9791549号明細書
上述した事象を鑑み、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、チャープ信号の設定数の増大を抑制しつつ、物標の検出処理を精度よく実行することが可能なレーダー処理装置及びレーダー処理方法を提供することである。
実施形態のレーダー処理装置は、送信アンテナから送信され、物標により反射され、受信アンテナによって受信される信号に基づいて前記物標の位置情報を計測する。実施形態のレーダー処理装置は、入力部、速度処理部、位置処理部、想定位置処理部及び判定部を備える。入力部は、第1のサイクルにおいて第1の物標グループで反射した第1の前記信号、及び前記第1のサイクルより後の第2のサイクルにおいて第2の物標グループで反射した第2の前記信号の入力を受ける。速度処理部は、前記第1の信号を用いて、前記第1の物標グループの複数の速度候補を含む第1の速度推定値を求めるとともに、前記第2の信号を用いて、前記第2の物標グループの複数の速度候補を含む第2の速度推定値を求める。位置処理部は、前記第1の信号を用いて前記第1の物標グループの第1の位置を求め、前記第2の信号を用いて前記第2の物標グループの第2の位置を求める。想定位置処理部は、前記第1の物標グループについて、複数の前記速度候補ごとの前記第2のサイクルにおける想定位置を示す想定位置範囲を、前記第1の速度推定値及び前記第1の位置を用いて求める。判定部は、前記第1の速度推定値と前記第2の速度推定値との差異が第1の所定の範囲内であり、前記想定位置範囲内のいずれかに前記第2の位置が存在する場合、前記第1の物標グループと前記第2の物標グループは、同一の物体から得られる物標のグループであると判定する。
本発明によれば、チャープ信号の設定数の増大を抑制しつつ、物標の検出処理を精度よく実行することが可能である。
実施形態に係るレーダー装置の要部構成の一例を示すブロック図。 図1中の処理部のハードウェア構成の一例を示すブロック図。 図2中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。 図2中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。 自車及び他車の位置及びクラスタリングの例を示す図。 自車及び他車の位置及びクラスタリングの例を示す図。 図1中のクラスター情報記録部に記憶されるテーブルの一例を示す図。 図1中のクラスター情報記録部に記憶されるテーブルの一例を示す図。 図1中のクラスター情報記録部に記憶されるテーブルの一例を示す図。
以下、実施形態に係るレーダー装置について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
図1は、実施形態に係るレーダー装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。
レーダー装置1は、例えば車両などに搭載され、他の車両、道路設備、建造物、障害物、動物及びその他の物体などの対象物Tについて、位置情報、距離及び相対速度などの物理量を計測する。なお、図1には1つの対象物Tを示しているが、対象物Tは複数あっても良い。レーダー装置1は、例えば、周波数が時間経過で連続的に増加又は減少するチャープ信号を送信することで対象物Tについての物理量を検出するFCM方式又はFMCW方式などのレーダー方式を用いる。チャープ信号は、例えば、開始周波数(fc-fk)[Hz]から終了周波数(fc+fk)[Hz]まで、周波数の時間変化率k[Hz/s]で、時間経過により周波数が増加又は減少する。なお、fc[Hz]は、チャープ信号の中心周波数を示す。fk及びkが正数のチャープ信号は、時間経過で周波数が増加する。fk及びkが負数のチャープ信号は、時間経過で周波数が減少する。なお、レーダー装置1は、パルス方式などのその他のレーダー方式であっても良い。以下の実施形態の説明は、FCM方式を用いるレーダー装置1を例に説明している。
レーダー装置1は、一例として、送信部2、受信部3、ADC(analog-to-digital converter)4、及び処理部5を含む。なお、レーダー装置1は、レーダー処理装置の一例である。
送信部2は、送信信号S1を生成及び送信する。送信信号S1は、チャープ信号を所定の回数繰り返す信号を含む。送信部2は、一例として、送信アンテナ24、送信制御部21、信号生成部22及び発振器23を含む。
送信制御部21は、信号生成部22を制御する。
信号生成部22は、送信制御部21による制御に基づき所望の周波数の信号を生成して出力する。
発振器23は、信号生成部22から出力される信号を所定の高周波信号に変調して送信信号S1として出力する。
送信アンテナ24は、発振器23から出力される送信信号S1を電磁波(電波)として空間に放射する。
受信部3は、受信信号R1の受信などを行う。受信信号R1は、送信信号S1が対象物Tで反射した信号である。なお、通常、対象物T中の複数の部分(物標)で反射し、複数の受信信号R1として受信部3に受信される。すなわち、受信部3は、1又は複数の対象物Tのそれぞれにつき、1又は複数の物標で反射した1又は複数の受信信号R1を受信する。受信部3は、一例として、受信アンテナ31及びミキサー32を含む。
受信アンテナ31は、受信信号R1を受信して電気信号として出力する。
ミキサー32は、受信アンテナ31から出力される受信信号R1と、発振器23から出力される送信信号S1をミキシングしてビート信号として出力する。ビート信号の周波数であるビート周波数f0は、送信信号S1の周波数をfS、受信信号R1の周波数をfRとすると、
f0=fS-fR (3)
である。ビート周波数f0は、レーダー装置1と対象物Tとの距離dに比例する。すなわち、光速をcとすると、
f0=(k・2d)/c (4)
である。
ADC4は、ビート信号をアナログ信号からデジタル信号に変換して出力する。
図2は、処理部5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。処理部5は、ADC4から出力されるビート信号の入力を受ける。処理部5は、当該ビート信号に基づき各種処理を行う。処理部5は、一例として、プロセッサー51、ROM(read-only memory)52、RAM(random-access memory)53及び補助記憶装置54を含む。そして、バス55などが、これら各部を接続する。なお、処理部5は、レーダー処理装置の一例である。
プロセッサー51は、処理部5の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分に相当する。プロセッサー51は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー51は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。プロセッサー51は、ROM52又は補助記憶装置54などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、処理部5の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー51は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー51の回路内に組み込まれていても良い。
ROM52及びRAM53は、プロセッサー51を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。
ROM52は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM52は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM52は、プロセッサー51が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM53は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM53は、プロセッサー51が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM53は、典型的には揮発性メモリである。
補助記憶装置54は、プロセッサー51を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶装置54は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置54は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置54は、プロセッサー51が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー51での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
バス55は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、処理部5の各部で授受される信号を伝送する。
図1の説明に戻る。
処理部5は、一例として、レーダー情報処理部6及びクラスター情報記録部7を含む。
レーダー情報処理部6は、ADC4から出力されるビート信号に各種処理を行う。例えば、プロセッサー51などが、ROM52又は補助記憶装置54などに記憶されたプログラムに基づき、レーダー情報処理部6として機能する。レーダー情報処理部6は、一例として、距離演算部61、速度演算部62、ピーク検出部63、角度演算部64及び物標情報処理部65を含む。
距離演算部61は、ビート信号の周波数又は受信信号R1に基づき、各物標について、レーダー装置1との相対距離を示す距離情報と、当該距離情報に対応する信号の強さを示す距離振幅情報を演算などによって求める。FCM方式の場合、距離演算部61は、ビート信号の周波数に基づき、距離情報及び距離振幅情報を求める。
速度演算部62は、ビート信号の位相変化又は受信信号R1に基づき、各物標について、レーダー装置1との相対速度を示す速度情報と、当該速度情報に対応する信号の強さを示す速度振幅情報を演算などによって求める。FCM方式の場合、速度演算部62は、ビート信号の位相変化に基づき、速度情報及び速度振幅情報を求める。
速度演算部62による処理が終了した時点では、各物標についての情報を示す物標情報は、速度情報、距離情報及び振幅情報を含む。
レーダー情報処理部6は、距離演算部61及び速度演算部62の処理により得られる距離情報及び速度情報を用いて、距離情報と速度情報の2次元マップを作成することができる。これにより、レーダー情報処理部6は、特定の距離と速度における振幅情報を得ることができる。
ピーク検出部63は、CFAR(constant false alarm rate)などの所定の検出方法を用いてピーク判定を行うことにより、ノイズ、クラッター又は干渉などによるものと判定した物標を取り除く。
角度演算部64は、各物標について、ESPRIT(estimation of signal parameters via rotational invariance techniques)、DBF(digital beamforming)又はMUSIC(multiple signal classifier)などの所定の方式を用いて、レーダー装置1から見た角度を演算などによって求める。当該角度は、例えば、方位角及び仰角の少なくともいずれかを含む。これにより、角度演算部64は、各物標の物標情報に、当該角度を示す角度情報を追加する。
レーダー装置1は、所定の時間Tf(1サイクル)ごとに、送信信号S1の生成及び送信から、角度演算部64による処理までを行う。これにより、レーダー情報処理部6は、サイクル毎の物標情報を得ることができる。
物標情報処理部65は、複数サイクル分の物標情報を用いて各種処理を行う。物標情報処理部65は、一例として、分別処理部651、クラスター振幅算出部652、探索範囲設定部653及びマッチング判定部654を含む。
分別処理部651は、複数の物標について、同じ対象物Tの物標であれば同じクラスター(グループ)に属するように、異なる対象物Tの物標であれば異なるクラスターに属するように、クラスタリング(グループ分け)を行う。
クラスター振幅算出部652は、クラスター振幅情報を算出する。
探索範囲設定部653は、探索範囲の設定を行う。探索範囲については後述する。
マッチング判定部654は、クラスターのマッチングを行う。
クラスター情報記録部7は、各クラスターについての情報であるクラスター情報を記憶する。例えば、ROM52又は補助記憶装置54などが、クラスター情報記録部7として機能する。
以下、実施形態に係るレーダー装置1の動作を図3及び図4などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図3及び図4は、処理部5のプロセッサー51による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー51は、例えば、ROM52又は補助記憶装置54などに記憶されたプログラムに基づいて図3及び図4の処理を実行する。
プロセッサー51は、例えば、所定の時間Tf(1サイクル)ごとに図3及び図4に示す処理を開始する。なお、図3及び図4の説明では、図5及び図6を併用して説明する。
図5及び図6は、自車M、他車T1及び他車T2の位置及びクラスタリングの例を示す図である。シーンSC1及びシーンSC2は、自車M、他車T1及び他車T2の走行の様子を示す図である。シーンSC1は、前回のサイクルの走行の様子を示す。シーンSC2は、今回のサイクルの走行の様子を示す。自車Mは、レーダー装置1を備える車である。そして、自車Mは、車体の前端に送信アンテナ24及び受信アンテナ31を備える。また、他車T1及び他車T2は、それぞれ対象物Tの例であり、車である。シーンSC1からシーンSC2までにおける他車T1の距離の変化量と他車T2の距離の変化量とが異なることからも分かるように、自車Mを基準とする他車T1の相対速度と他車T2の相対速度とは異なる。また、グラフG1及びグラフG2は、各物標Ta及びクラスターの位置座標(x,y)を示すグラフである。なお、原点0は、レーダー装置1の送信アンテナ24及び受信アンテナ31の位置である。
図3のステップST11においてプロセッサー51は、ADC4から出力されるビート信号の入力を受けるための処理を行う。したがって、プロセッサー51は、ステップST11の処理を行うことで、ビート信号の入力を受ける入力部の一例として機能する。なお、今回のサイクルにおけるビート信号は、第2の信号の一例である。そして、前回のサイクルにおけるビート信号は、第1の信号の一例である。また、今回のサイクルは、第2のサイクルの一例である。前回のサイクルは、第1のサイクルの一例である。
ステップST12においてプロセッサー51は、各物標についての距離情報及び距離振幅情報を求める。ステップST12は、例えば距離演算部61が処理する。
ステップST13においてプロセッサー51は、各物標についての速度情報Vc及び速度振幅情報を求める。ステップST13は、例えば速度演算部62が処理する。
ステップST14においてプロセッサー51は、ピーク判定を行うことにより、ノイズ、クラッター又は干渉などによるものと判定した物標を取り除く。プロセッサー51は、ステップST14より後の処理では、ピーク検出部63によって取り除かれた物標以外の物標に対して処理を行う。ただし、プロセッサー51は、ステップST14の処理を行わなくても良い。この場合、プロセッサー51は、全ての物標に対してステップST14より後の処理を行っても良い。ステップST14は、例えばピーク検出部63が処理する。
ステップST15においてプロセッサー51は、各物標について角度情報を求める。ステップST15は、例えば角度演算部64が処理する。なお、距離情報及び角度情報は、各物標の位置を示す。したがって、プロセッサー51は、ステップST12及びステップST15の処理を行うことで、物標の位置を求める位置処理部として機能する。また、前回のサイクルにおいて求められる物標の位置は、第1の位置の一例である。今回のサイクルにおいて求められる物標の位置は、第2の位置の一例である。
ステップST16においてプロセッサー51は、前回のサイクルで取得した確定データを削除する。今回のサイクルをn回目のサイクルであるとすると、前回のサイクルは、(n-1)回目のサイクルである。なお、プロセッサー51は、n=1である場合には、前回のサイクルで取得した確定データが存在しないので、ステップST16の処理をスキップする。確定データについては後述する。ステップST16は、例えば物標情報処理部65が処理する。
ステップST17においてプロセッサー51は、各物標について、クラスタリングを行う。プロセッサー51は、例えば、DBSCAN(density-based spatial clustering of applications with noise)、Weighted DBSCAN、又はAdaptive hybrid DBSCANなどの所定のアルゴリズムを用いて物標のクラスタリングを行う。プロセッサー51は、例えば、物標の位置を用いてクラスタリングを行う。
図5のグラフG1には、複数の物標がクラスターCa1~クラスターCa3の3つのクラスターにクラスタリングされている様子を示している。クラスタリングによって、例えば、互いの座標(x,y)の間の距離が所定の値より近い物標が同じクラスターとなるように分けられている。なお、座標(x,y)は、距離情報及び角度情報を用いて求めることができる。また、クラスターCa1は、他車T1の物標を示す。クラスターCa2は、他車T2の物標を示す。クラスターCa3は、ゴーストなどにより発生した物標を示す。なお、クラスターの数は、3つに限らない。また、クラスターCa1~クラスターCa3などの前回のサイクルにおいてクラスタリングされたクラスターは、第1の物標グループの一例である。
図6のグラフG2には、複数の物標がクラスターCb1~クラスターCb3の3つのクラスターにクラスタリングされている様子を示している。なお、クラスターCb1は、他車T1の物標を示す。クラスターCb2は、他車T2の物標を示す。クラスターCb3は、ゴーストなどにより発生した物標を示す。また、クラスターCb1~クラスターCb3などの今回のサイクルにおいてクラスタリングされたクラスターは、第2の物標グループの一例である。
ステップST17は、例えば分別処理部651が処理する。
ステップST18においてプロセッサー51は、各物標について速度情報Vcのグループ分けを行う。例えば、プロセッサー51は、各物標の速度情報Vcの差が所定の値より小さい物標が同じ速度グループとなるようにグループ分けを行う。プロセッサー51は、速度情報Vcの測定誤差などを考慮するためにマージンを持たせてグループ分けを行っても良い。なお、速度情報Vcは、Nv回の折り返しが発生している場合がある。したがって、真の相対速度Vtは、
Vt=Vc+2×Vmax×Nv (5)
で表すことができる。なお、Nvは、整数である。また、-Vmax≦Vc≦Vmaxである。例えば、図5及び図6に示す他車T1の物標と他車T2の物標は、速度情報Vcが異なるため、異なる速度グループに分けられる。そして、同じ対象物Tの物標は、速度情報Vcが同じであるため、同じ速度グループに分けられる。例えば、プロセッサー51は、他車T1を速度グループg1とする。例えば、プロセッサー51は、他車T2の物標を速度グループg2とする。なお、g1及びg2は、速度グループごとに異なる速度グループ番号の例である。また、2つのクラスターの速度グループが同じであることは、当該2つのクラスターの速度の差異が第1の所定の範囲内であることの一例である。
ステップST18は、例えば分別処理部651が処理する。
ステップST19においてプロセッサー51は、今回のサイクルの各クラスターについて、クラスター振幅情報を求める。例えば、クラスター振幅情報は、各クラスター内の物標の距離振幅情報又は速度振幅情報の平均値、最大値又は最小値などの代表値である。あるいは、プロセッサー51は、クラスター内で距離情報が最も近い物標の距離振幅情報又は速度振幅情報をクラスター振幅情報として用いる。
ステップST20においてプロセッサー51は、前回のサイクルの各クラスターについてそれぞれ複数の探索範囲raを設定する。探索範囲raは、位置、形状及び大きさを含む情報である。プロセッサー51は、当該形状及び大きさとして、例えば予め定められたものを用いる。あるいは、プロセッサー51は、当該形状及び大きさを、クラスター内の物標の散らばり具合、クラスターの速度情報若しくは距離情報、チャープの設定、自車Mの速度などを用いて決定しても良い。例えば、プロセッサー51は、物標の散らばりが大きいほど探索範囲raを大きくする。例えば、プロセッサー51は、クラスターの速度情報が速いほど探索範囲raを大きくする。例えば、プロセッサー51は、クラスターの距離情報が遠いほど探索範囲raを大きくする。例えば、プロセッサー51は、自車Mの速度が速いほど探索範囲raを大きくする。例えば、プロセッサー51は、自車Mがカーブしている場合、直進している場合よりも探索範囲raを大きくする。このように探索範囲raを設定することは、よりマッチング処理を失敗する虞を低減することができるため好ましい。特に、自車Mと他車との速度差が大きく(例えば、50km/h以上。)、1サイクルの処理時間が長い(例えば、0.5s以上。)場合に効果的である。1サイクルの処理時間を意図的に長くする事例として、例えば、消費電力を減らしたい場合に次の処理が開始される時間を遅らせることが考えられる。なお、プロセッサー51は、自車Mの速度を、例えば、車載器又は車載コンピューターなどから取得する。また、プロセッサー51は、レーダーの対象とする距離に応じてチャープ設定を変更しても良い。探索範囲raの形状は、図6では楕円であるが、円又は四角形などの多角形又はその他の形状であっても良い。なお、探索範囲raは、前回のサイクルの各クラスターの今回のサイクルにおける想定位置を示す想定位置範囲の一例である。
クラスターCa1の探索範囲raを探索範囲ra1(探索範囲ra1a、探索範囲ra1b、探索範囲ra1c、…)とする。探索範囲ra1は、それぞれ想定される折り返し回数Nvが異なる。例えば、探索範囲ra1の想定折り返し回数をNwとすると、探索範囲ra1の位置ra1_cpは、
ra1_cp=(Vc1+2×Vmax×Nw)×Tf+da1 (6)
で表すことができる。ここで、Vc1は、クラスターCa1の速度情報である。da1は、クラスターCa1の距離情報である。なお、探索範囲の位置ra_cpは、探索範囲raの中心位置などを示す。また、Nwの最小値及び最大値は、対象物Tの想定される速度の上限に基づき予め定められる。例えば、プロセッサー51は、車の速度を高々200km/hであるとみなせば、Vtが200km/h~-200km/hとなる範囲を含むNvの範囲をNwの最小値及び最大値とすることができる。なお、プロセッサー51は、自車Mの速度に応じてNwの最小値及び最大値を決定しても良い。例えば、プロセッサー51は、自車Mの速さがvkm/hである場合、他車の速度が高々200km/hであるとみなせば、Vtが(200-v)km/h~-(200+v)km/hとなる範囲を含むNvの範囲をNwの最小値及び最大値とすることができる。なお、想定される他車の速度は、一般道及び高速道路などの走行する道路の種類並びに走行状況などによっても変わる。想定折り返し回数Nwが小さいほどプロセッサー51の処理負荷が軽減されるため、プロセッサー51は、例えば、自車Mの速さから道路の種類及び走行状況の少なくともいずれかを推定し、自車Mの速さに応じて最大検知速度Vmaxの異なるチャープ信号を用いるべくチャープ設定を変更する。例えば、プロセッサー51は、自車Mの速さが大きくなるほど、最大検知速度Vmaxが大きくなるようにチャープ信号を設定する。そして、プロセッサー51は、当該チャープ設定の変更に基づき探索範囲raの形状及び大きさを決定しても良い。
例えば、探索範囲ra1aの位置ra1a_cpは、想定折り返し回数Nwaを0とすると、
ra1a_cp=Vc1×Tf+da1 (7)
である。また、例えば、探索範囲ra1bの位置ra1b_cpは、想定折り返し回数Nwbを1とすると、
ra1b_cp=(Vc1+2×Vmax)×Tf+da1 (8)
である。
プロセッサー51は、各クラスターについて同様に探索範囲raを求める。図6には、クラスターCa1の探索範囲ra1(探索範囲ra1a及び探索範囲ra1b)、クラスターCa2の探索範囲ra2(探索範囲ra2a及び探索範囲ra2b)及びクラスターCa3の探索範囲ra3(探索範囲ra3a及び探索範囲ra3b)を示している。なお、探索範囲の位置ra_cp、速度情報Vc、Vmax及びda1は、ベクトルであっても良いしスカラーであっても良い。他車T1は、送信アンテナ24及び受信アンテナ31に対して正面の位置にある。したがって、プロセッサー51は、探索範囲ra1の位置ra1_cpを、y軸方向の速度情報などを用いたスカラーの計算により求めることができる。また、プロセッサー51は、クラスターCa2及びクラスターCa3のように送信アンテナ24及び受信アンテナ31に対して正面の位置でないクラスターについても、角度情報wa2及び角度情報wa3を用いて速度情報Vc2及び速度情報Vc3を補正することで、y軸方向の速度情報などを用いたスカラーの計算により探索範囲の位置を求めることができる。
ステップST20は、例えば探索範囲設定部653が処理する。また、以上より、プロセッサー51は、ステップST20の処理を行うことで、想定位置処理部の一例として機能する。
なお、式(6)中の(Vc1+2×Vmax×Nw)は、相対速度Vt1である。相対速度Vt1は、クラスターCa1の相対速度Vtである。相対速度Vtは、複数の候補を含む。これは、想定折り返し回数Nwに複数の候補があるためである。したがって、この時点における相対速度Vtは、速度推定値であると言える。そして、前回のサイクルにおける相対速度Vtは、第1の速度推定値の一例である。また、今回のサイクルにおける相対速度Vtは、第2の速度推定値の一例である。以上より、プロセッサー51は、距離情報Vc及び複数の相対速度Vtを求めることで、複数の速度候補を含む速度推定値を求める速度処理部の一例として機能する。
ステップST21においてプロセッサー51は、各クラスターにクラスター情報を関連付けてクラスター情報記録部7に記憶する。例えば、プロセッサー51は、図7及び図8に示すようなテーブルの形でクラスター情報をクラスター情報記録部7に記憶する。
図7及び図8は、クラスター情報記録部7に記憶されるテーブルの一例を示す図である。なお、図7は、前回のサイクルにおいてクラスター情報記録部7に記憶されたテーブルT1を示す。また、図8は、今回のサイクルにおいてクラスター情報記録部7に記憶されるテーブルT2を示す。テーブルT1及びテーブルT2は、各クラスターに、クラスター情報として距離情報、角度情報、速度グループ番号、クラスター振幅情報及び探索範囲情報を関連付ける。各クラスターの距離情報及び角度情報は、例えば、各クラスター内の物標の距離情報及び角度情報の平均値、重み付き平均値、中央値、又は最頻値などの代表値である。プロセッサー51は、重み付き平均をとる場合、例えば振幅情報を重みとする。なお、プロセッサー51は、ステップST21では、各クラスターについて、テーブルT1の探索範囲情報、並びにテーブルT2の距離情報、角度情報、速度グループ番号及びクラスター振幅情報などをクラスター情報記録部7に記憶する。プロセッサー51は、テーブルT2の探索範囲情報については次回のサイクルのステップST21で記憶する。
ステップST21は、例えば物標情報処理部65が処理する。プロセッサー51は、ステップST21の処理の後、図4のステップST22へと進む。
ここで、ゴーストによって生成されるクラスターCa3について図5のシーンSC1を用いて説明する。送信信号S1が、例えば、他車T1の反射点u1で反射する。反射点u1で反射した当該信号は、例えば、他車T2の反射点u2で反射する。反射点u2で反射した当該信号は、例えば、受信信号R1として受信アンテナ31によって受信される。このように受信アンテナ31によって受信された受信信号R1は、位置u3にあるゴーストの物標としてプロセッサー51に処理される。位置u3の角度θは、反射点u2と同じ角度である。また、位置u3の距離は、送信アンテナ24から反射点u1までの距離と、反射点u1から反射点u2までの距離の合計である。図6においても、同様にゴーストによってクラスターCb3が生成される。ただし、図6における反射点u1、反射点u2及び位置u3の位置は他車T1及び他車T2の走行状態により図5とは異なる。また、クラスターCa3の速度グループとクラスターCb3の速度グループも異なるグループとなる。
ステップST22においてプロセッサー51は、今回のサイクルのステップST22において未参照の1つのクラスターCbのクラスター情報を参照する。例えば、プロセッサー51は、クラスターCbiのクラスター情報を参照する。ここで、iは、例えば、初期値1で整数の変数である。ただし、プロセッサー51は、参照しようとしたクラスター情報が削除済みである場合には、変数iの値を1増加して再度クラスターCbiのクラスター情報を参照する。
ステップST23においてプロセッサー51は、今回のサイクルのステップST23において未参照の1つのクラスターCaのクラスター情報を参照する。例えば、プロセッサー51は、クラスターCajのクラスター情報を参照する。ここで、jは、例えば、初期値1で整数の変数である。ステップST23は、例えばマッチング判定部654が処理する。
ステップST24においてプロセッサー51は、クラスターCajの速度グループとクラスターCbiの速度グループが同じであるか否かを判定する。プロセッサー51は、クラスターCajの速度グループとクラスターCbiの速度グループが同じであるならば、ステップST24においてYesと判定してステップST25へと進む。
ステップST25においてプロセッサー51は、クラスターCajのいずれかの探索範囲raj内にクラスターCbiが存在するか否かを判定する。プロセッサー51は、クラスターCajのいずれかの探索範囲raj内にクラスターCbiが存在するならば、ステップST25においてYesと判定してステップST26へと進む。
ステップST26においてプロセッサー51は、クラスターCbiのクラスター振幅情報が閾値内(下限閾値Th1以上、上限閾値Th2以下)であるか否かを判定する。
プロセッサー51は、例えば、以下に示すレーダー方程式を用いてクラスターCbiのクラスター振幅情報の予測値を求めることができる。
Pr=(Pt・G・λ・σ)/((4π)・Rt・Ls) (9)
ここで、Prは受信電力、Ptは送信電力、Gはアンテナ利得、λは波長、σはレーダー反射断面積、Rtはレーダーからの距離、Lsはシステム損失である。(9)式の右辺のうち、クラスターCajとクラスターCbiで異なるのは、距離Rtのみである。また、受信電力Prは、振幅情報と比例する。したがって、プロセッサー51は、クラスターCajとクラスターCbiの距離情報、及びクラスターCajのクラスター振幅情報からクラスターCbiのクラスター振幅情報の予測値(推定値)を求めることができる。プロセッサー51は、当該予測値に基づき下限閾値Th1及び上限閾値Th2を求める。プロセッサー51は、例えば、当該予測値に所定の値を加算又は乗算することで下限閾値Th1及び上限閾値Th2を求める。プロセッサー51は、クラスターCbiのクラスター振幅情報が閾値内であるならば、ステップST26においてYesと判定してステップST27へと進む。
以上より、プロセッサー51は、上記の推定値を求めることで、振幅処理部の一例として機能する。また、下限閾値Th1及び上限閾値Th2は、第2の所定の範囲を示す。
ステップST27においてプロセッサー51は、クラスターCajのクラスター情報を削除する。クラスターCajのクラスター情報が不要となったためである。
ステップST28においてプロセッサー51は、クラスターCbiに対してクラスター番号Ckを割り当て、クラスターCbiの距離情報及び角度情報を関連付けて確定クラスター情報としてクラスター情報記録部7などにテーブルT3などの形で記憶する。ここで、kは、例えば、初期値1で整数の変数である。
図9は、クラスター情報記録部7に記憶されるテーブルT3の一例を示す図である。テーブルT3は、一例として、クラスター番号に、確定クラスター情報として距離情報、角度情報及び確定速度情報を関連付けて記憶する。
また、プロセッサー51は、クラスターCbiが内部に存在する探索範囲rajの想定折り返し回数Nwが、真の折り返し回数であることが分かるので、当該真の折り返し回数を用いて真の相対速度Vtを式(5)により求めることができる。プロセッサー51は、求めた相対速度Vtを確定速度情報vjとして、クラスター番号と関連付けてテーブルT3に記憶する。なお、プロセッサー51は、確定速度情報vjを求めることで、速度を確定する速度確定部の一例として機能する。
以上より、プロセッサー51は、ステップST24及びステップST25の処理を行うことで、クラスターCajとクラスターCbiが同じ対象物Tから得られる物標のクラスターであると判定する判定部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー51は、ステップST24~ステップST26の処理を行うことで、判定部の一例として機能する。
また、プロセッサー51は、クラスターCajの速度グループとクラスターCbiの速度グループが同じでないならば、ステップST24においてNoと判定してステップST29へと進む。また、プロセッサー51は、クラスターCajのいずの探索範囲rai内にもクラスターCbiが存在しないならば、ステップST25においてNoと判定してステップST28へと進む。また、プロセッサー51は、クラスターCbiのクラスター振幅情報が閾値内でないならば、ステップST26においてNoと判定してステップST29へと進む。
ステップST29においてプロセッサー51は、ステップST23において未参照のクラスターCaがあるか否かを判定する。プロセッサー51は、未参照のクラスターCaがあるならば、ステップST29においてNoと判定し、変数jの値を1増加させてステップST23へと戻る。
対して、プロセッサー51は、未参照のクラスターCaがないならば、ステップST29においてYesと判定してステップST30へと進む。また、プロセッサー51は、ステップST28の処理の後、変数kの値を1増加させてステップST30へと進む。
ステップST30においてプロセッサー51は、ステップST22において未参照のクラスターCbがあるか否かを判定する。プロセッサー51は、未参照のクラスターCbがあるならば、ステップST30においてYesと判定し、変数iの値を1増加させ、変数jの値を1にリセットしてステップST22へと戻る。
ステップST22~ステップST30は、例えばマッチング判定部654が処理する。
対して、プロセッサー51は、未参照のクラスターCbがないならば、ステップST30においてNoと判定してステップST31へと進む。
ステップST31においてプロセッサー51は、テーブルT2をテーブルT1に変更するための処理を行う。これにより、テーブルT2は、次回のサイクルでテーブルT1として用いられる。プロセッサー51は、ステップST31の処理の後、図3及び図4に示す処理を終了する。ステップST31は、例えば物標情報処理部65が処理する。
実施形態のレーダー装置1は、速度が確定していない状態で、クラスターCaとクラスターCbとが同一対象物Tのものであることを判定することができる。したがって、実施形態のレーダー装置1は、速度を確定させるために異なるチャープ設定を用意する必要がない。このように、実施形態のレーダー装置1はチャープ信号の設定数の増大を抑制しつつ、簡易な構成で物標の相対速度を確定し、物標の検出処理を精度よく実行することができる。また、実施形態のレーダー装置1は、使用するチャープ信号の設定数を減らすことで測定時間の短縮、及びメモリ削減によるコスト削減などが可能である。また、異なる複数のチャープ設定を用意することは、遠方高角度分解能検知と近傍広視野角検知との両立及び干渉対策などにおいても有効である。このため、実施形態のレーダー装置1は、遠方高角度分解能検知と近傍広視野角検知との両立及び干渉対策に限られたチャープ信号の設定を割り当てることが可能になる。
実施形態のレーダー装置1は、折り返し回数ごとに探索範囲raを設定する。これにより、実施形態のレーダー装置1は、速度が確定していなくてもクラスターCaとクラスターCbとが同一対象物Tのものであることを判定することができる。
実施形態のレーダー装置1は、クラスターCaとクラスターCbとが同一対象物Tのものであることを判定することで、折り返し回数が確定するので、速度を確定することができる。したがって、実施形態のレーダー装置1は、速度を確定させるために異なるチャープ設定を用意しなくても速度の確定が可能である。
実施形態のレーダー装置1は、クラスターCaとクラスターCbとが同一対象物Tのものであることを判定するために振幅情報を用いる。これにより、実施形態のレーダー装置1は、当該判定の精度が向上する。
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
プロセッサー51は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLAN(local area network)などのネットワークを介したダウンロードにより実現できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
1 レーダー装置
2 送信部
3 受信部
4 ADC
5 処理部
6 レーダー情報処理部
7 クラスター情報記録部
21 送信制御部
22 信号生成部
23 発振器
24 送信アンテナ
31 受信アンテナ
32 ミキサー
51 プロセッサー
52 ROM
53 RAM
54 補助記憶装置
55 バス
61 距離演算部
62 速度演算部
63 ピーク検出部
64 角度演算部
65 物標情報処理部
651 分別処理部
652 クラスター振幅算出部
653 探索範囲設定部
654 マッチング判定部

Claims (5)

  1. 送信アンテナから送信され、物標により反射され、受信アンテナによって受信される信号に基づいて前記物標の位置情報を計測するレーダー処理装置において、
    第1のサイクルにおいて第1の物標グループで反射した第1の前記信号、及び前記第1のサイクルより後の第2のサイクルにおいて第2の物標グループで反射した第2の前記信号の入力を受ける入力部と、
    前記第1の信号を用いて、前記第1の物標グループの複数の速度候補を含む第1の速度推定値を求めるとともに、前記第2の信号を用いて、前記第2の物標グループの複数の速度候補を含む第2の速度推定値を求める速度処理部と、
    前記第1の信号を用いて前記第1の物標グループの第1の位置を求め、前記第2の信号を用いて前記第2の物標グループの第2の位置を求める位置処理部と、
    前記第1の物標グループについて、複数の前記速度候補ごとの前記第2のサイクルにおける想定位置を示す想定位置範囲を、前記第1の速度推定値及び前記第1の位置を用いて求める想定位置処理部と、
    前記第1の速度推定値と前記第2の速度推定値との差異が第1の所定の範囲内であり、前記想定位置範囲内のいずれかに前記第2の位置が存在する場合、前記第1の物標グループと前記第2の物標グループは、同一の物体から得られる物標のグループであると判定する判定部と、を備えるレーダー処理装置。
  2. 前記複数の速度候補は、それぞれ折り返し回数が異なり、
    前記想定位置処理部は、それぞれの前記折り返し回数を用いて複数の前記想定位置範囲を求める、請求項1に記載のレーダー処理装置。
  3. 前記複数の想定位置範囲のうち、前記第2の位置が存在する前記想定位置範囲に基づいて折り返し回数を特定し、当該特定された折り返し回数を用いて、前記第1の物標グループ又は前記第2の物標グループの速度を確定する速度確定部をさらに備える、請求項2に記載のレーダー処理装置。
  4. 送信アンテナから送信され、物標により反射され、受信アンテナによって受信される信号に基づいて前記物標の位置情報を計測するレーダー処理装置において、
    第1のサイクルにおいて第1の物標グループで反射した第1の前記信号、及び前記第1のサイクルより後の第2のサイクルにおいて第2の物標グループで反射した第2の前記信号の入力を受ける入力部と、
    前記第1の信号を用いて、前記第1の物標グループの複数の速度候補を含む第1の速度推定値を求めるとともに、前記第2の信号を用いて、前記第2の物標グループの複数の速度候補を含む第2の速度推定値を求める速度処理部と、
    前記第1の信号を用いて前記第1の物標グループの第1の位置を求め、前記第2の信号を用いて前記第2の物標グループの第2の位置を求める位置処理部と、
    前記第1の物標グループについて、複数の前記速度候補ごとの前記第2のサイクルにおける想定位置を示す想定位置範囲を、前記第1の速度推定値及び前記第1の位置を用いて求める想定位置処理部と、
    前記第1の信号の振幅、前記第1の位置及び前記第2の位置を用いて前記第2の信号の振幅の推定値を求める振幅処理部と、
    前記第1の速度推定値と前記第2の速度推定値との差異が第1の所定の範囲内であり、前記想定位置範囲内のいずれかに前記第2の位置が存在するとともに、前記第2の信号の振幅と前記推定値の差異が第2の所定の範囲内である場合、前記第1の物標グループと前記第2の物標グループは、同一の物体から得られる物標のグループであると判定する判定部と、を備えるレーダー処理装置。
  5. 送信アンテナから送信され、物標により反射され、受信アンテナによって受信される信号に基づいて前記物標の位置情報を計測するレーダー処理方法において、
    第1のサイクルにおいて第1の物標グループで反射した第1の前記信号、及び前記第1のサイクルより後の第2のサイクルにおいて第2の物標グループで反射した第2の前記信号の入力を受け、
    前記第1の信号を用いて、前記第1の物標グループについての複数の速度候補を含む第1の速度推定値を求めるとともに、前記第2の信号を用いて、前記第2の物標グループについての複数の速度候補を含む第2の速度推定値を求め、
    前記第1の信号を用いて前記第1の物標グループの第1の位置を求め、前記第2の信号を用いて前記第2の物標グループの第2の位置を求め、
    前記第1の物標グループについて、複数の前記速度候補ごとの前記第2のサイクルにおける想定位置を示す想定位置範囲を、前記第1の速度推定値及び前記第1の位置を用いて求め、
    前記第1の速度推定値と前記第2の速度推定値の差異が第1の所定の範囲内であり、前記想定位置範囲内のいずれかに前記第2の位置が存在する場合、前記第1の物標グループと前記第2の物標グループは、同一の物体から得られる物標のグループであると判定する、レーダー処理方法。
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