JP2018151327A - レーダ装置および方位組合せ方法 - Google Patents

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【課題】同一物標に対応する複数の方位を精度よく組合せること。【解決手段】実施形態に係るレーダ装置は、アンテナ部と、演算部と、換算部と、判定部とを備える。アンテナ部は、同一平面上において、直交2軸沿いにそれぞれ設けられる第1アンテナおよび第2アンテナと、直交2軸とは異なる向きの斜め軸沿いに少なくとも1つ設けられる第3アンテナとを有する。演算部は、第1アンテナに基づく第1方位、第2アンテナに基づく第2方位、第3アンテナに基づく第3方位を演算する。換算部は、第1方位および第2方位の一方を用いて第3方位を第1方位および第2方位の他方に対応する向きに換算する。判定部は、換算部によって換算された換算値と上記他方との差が所定値以下である場合に、上記一方と上記他方とを組合せる。【選択図】図1D

Description

開示の実施形態は、レーダ装置および方位組合せ方法に関する。
従来、車両などに搭載され、かかる車両から送信した送信波が物標に当たって反射した反射波を受信し、得られた受信信号に基づいて物標を検出するレーダ装置が知られている。
かかるレーダ装置には、物標の距離および水平方位を2次元スキャンするだけでなく、垂直方向に配置された複数のアンテナを有し、かかるアンテナによる受信信号に基づいて物標の垂直方位を算出可能なものもある(たとえば、特許文献1参照)。これにより、物標の3次元位置を特定することが可能となる。
特開平9−288178号公報
しかしながら、上述した従来技術には、水平方位と垂直方位を精度よく組合せるうえで更なる改善の余地がある。
具体的には、物標の3次元位置を特定するには、水平方向および垂直方向にそれぞれ独立して算出された水平方位と垂直方位とを正しく組合せる必要がある。かかる組合せには、算出された各方位の信号レベル差を利用することができるが、信号レベル差は、外乱(たとえば強反射物の存在)やハードウェア特性などによって誤差が大きくなりやすい。このため、水平方位と垂直方位を間違って組合せてしまうおそれがあった。
なお、ここでは水平方位と垂直方位を例に挙げたが、言い換えれば課題は、同一物標に対応する複数の方位を精度よく組合せることである。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、同一物標に対応する複数の方位を精度よく組合せることができるレーダ装置および方位組合せ方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るレーダ装置は、アンテナ部と、演算部と、換算部と、判定部とを備える。前記アンテナ部は、同一平面上において、直交2軸沿いにそれぞれ設けられる第1アンテナおよび第2アンテナと、前記直交2軸とは異なる向きの斜め軸沿いに少なくとも1つ設けられる第3アンテナとを有する。前記演算部は、前記第1アンテナに基づく第1方位、前記第2アンテナに基づく第2方位、前記第3アンテナに基づく第3方位を演算する。前記換算部は、前記第1方位および前記第2方位の一方を用いて前記第3方位を前記第1方位および前記第2方位の他方に対応する向きに換算する。前記判定部は、前記換算部によって換算された換算値と前記他方との差が所定値以下である場合に、前記一方および前記他方を組合せる。
実施形態の一態様によれば、同一物標に対応する複数の方位を精度よく組合せることができる。
図1Aは、水平垂直方位組合せを要する状況の説明図(その1)である。 図1Bは、水平垂直方位組合せを要する状況の説明図(その2)である。 図1Cは、実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法の概要説明図(その1)である。 図1Dは、実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法の概要説明図(その2)である。 図2Aは、実施形態に係るレーダ装置のブロック図である。 図2Bは、アンテナ部の構成例を示す図である。 図2Cは、斜め軸の配置例を示す図である。 図2Dは、方位組合せ部のブロック図である。 図3は、信号処理部の前段処理から信号処理部におけるピーク抽出処理までの処理説明図である。 図4Aは、方位演算処理の処理説明図である。 図4Bは、ペアリング処理の処理説明図(その1)である。 図4Cは、ペアリング処理の処理説明図(その2)である。 図5Aは、連続性判定処理の処理説明図である。 図5Bは、フィルタ処理の処理説明図である。 図5Cは、物標分類処理の処理説明図(その1)である。 図5Dは、物標分類処理の処理説明図(その2)である。 図5Eは、不要物標判定処理の処理説明図である。 図5Fは、グループ化処理の処理説明図である。 図5Gは、出力物標選択処理の処理説明図である。 図6は、水平垂直方位組合せを要する状況の補足説明図である。 図7Aは、実施形態に係るレーダ装置の処理部が実行する処理手順を示すフローチャートである。 図7Bは、方位組合せ処理の処理手順を示すフローチャートである。 図8Aは、変形例に係るアンテナ部の構成例を示す図(その1)である。 図8Bは、変形例に係るアンテナ部の構成例を示す図(その2)である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するレーダ装置および方位組合せ方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下では、方位組合せ方法が、水平方位と垂直方位を組合せる「水平垂直方位組合せ方法」である場合について説明する。また、以下では、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法の概要について図1A〜図1Dを用いて説明した後に、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法を適用したレーダ装置1について、図2A〜図8Bを用いて説明することとする。
なお、以下では、レーダ装置1が、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式であり、自車両MCに搭載される場合を例に挙げる。
まず、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法の概要について図1A〜図1Dを用いて説明する。図1Aおよび図1Bは、水平垂直方位組合せを要する状況の説明図(その1)および(その2)である。また、図1Cおよび図1Dは、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法の概要説明図(その1)および(その2)である。
まず、物標を検出するレーダ装置においては、物標の3次元位置を特定したい場合、複数のアンテナを水平方向に配列させた水平方向アンテナ(以下、「水平アンテナ」と言う)と、垂直方向に配列させた垂直方向アンテナ(以下、「垂直アンテナ」と言う)とを用いる。
水平アンテナに基づいては、物標が存在すると推定される水平方向の角度(以下、「水平方位」と言う)が導出され、垂直アンテナに基づいては、物標が存在すると推定される垂直方向の角度(以下、「垂直方位」と言う)が導出される。
そして、物標の3次元位置を特定するには、これら水平方位と垂直方位とを組合せる必要がある。かかる組合せの判定には、導出された各方位の信号レベル差などを利用することが可能であるが、たとえば自車両MCから同一距離に複数の物標が存在する場合、信号レベル差などからでは組合せの判定が困難な場合がある。分かりやすい例を図1Aおよび図1Bに示した。
なお、図1Aには、説明を分かりやすくするために、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、以下の説明で用いる他の図面においても示す場合がある。本実施形態では、Y軸の正方向が自車両MCの進行方向を指すものとする。
具体的には、図1Aに示すように、自車両MCからの同一距離(Y=20参照)に物標TG1,TG2の2物標が存在するものとする。物標TG1は対向車(X=4,Z=0参照)、物標TG2は看板などの上方物(X=0,Z=5参照)であり、これらは自車両MC側(すなわち、Y軸の負方向側)から視た場合に、XZ平面上で、右下と左上、すなわち左斜めの位置関係にあると言える。
そして、これら物標TG1,TG2からの反射波に基づき、図1Bに示すように、水平アンテナにより2物標分の水平方位#1,#2が、垂直アンテナにより2物標分の垂直方位#1,#2が導出されたものとする。
ここで、たとえば画像情報などはなく、導出されているのは各方位とその信号レベルであり、ただし信号レベルからは物標TG1,TG2の区別がつきにくいような状況では、図1Bに示すように、水平方位#1,#2および垂直方位#1,#2をそれぞれいずれに組合せるべきかの判定が難しい(図中の「?」参照)。
そこで、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法では、図1Cに示すように、レーダ装置1に対し、水平軸axH沿いの水平アンテナおよび垂直軸axV沿いの垂直アンテナに加えて、これら直交2軸とは異なる向きの斜め軸axS沿いに複数のアンテナが配列された斜め方向アンテナ(以下、「斜めアンテナ」と言う)を少なくとも1つ設けることとした。
なお、図1Aに示した物標TG1,TG2の位置関係に対応させるために、ここでは斜め軸axSは、Y軸の正方向側から視た場合に、XZ平面上で左下から右上へ延びる右斜め軸(すなわち、Y軸の負方向側から視た場合は左斜め軸)であるものとする。
そして、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法では、斜めアンテナから送信され、物標に当たって到来する反射波に基づく方位である「斜め方位」を、水平方位および垂直方位と同様の演算手法により導出、すなわち、斜めアンテナによる斜め方位を算出することとした(ステップS1)。
そして、水平アンテナによる水平方位を用いて斜め方位を垂直方位へ換算することとした(ステップS2)。そのうえで、ステップS2で換算した換算値(以下、「垂直換算方位」と言う)と垂直アンテナによる垂直方位との差に基づいて水平方位と垂直方位の組合せを判定することとした(ステップS3)。
すなわち、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法は、斜め方位に含まれる水平成分および垂直成分に着目し、斜め方位を水平と垂直とに言わばベクトル分解して、分解されたベクトルの一方と他方に対応する水平方位と垂直方位とを組合せようとするものである。
より具体的に、図1Dに示すように、図1Aに示した状況下で図1Cの斜めアンテナにより斜め方位を算出し、物標TG1,TG2の2物標につき、斜め方位#1,#2が得られた場合を考える。なお、斜め方位#1,#2は、物標TG1,TG2のいずれに紐づくかはここでは明らかでない。
そして、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法では、得られた斜め方位#1,#2を、一方では水平方位#1を用いて垂直換算する(ステップS21)。また、他方では、斜め方位#1,#2を、水平方位#2を用いて垂直換算する(ステップS22)。
この結果、図1Dに示すように、水平方位#1に基づく垂直換算方位#1,#2と、水平方位#2に基づく垂直換算方位#1,#2とが得られることとなる。
そして、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法では、得られた垂直換算方位#1,#2のそれぞれを、垂直アンテナによる垂直方位#1,#2のそれぞれに照らし、差が所定値以下である組合せC1,C2を抽出する(ステップS31)。所定値は、垂直換算方位と垂直方位が近い値であることを示す閾値である。すなわち、ここでは、垂直換算方位と垂直方位の一致度の高さが判定される。
ここで、組合せC1に注目すると、組合せC1は、ステップS21で水平方位#1を用いて垂直換算された垂直換算方位#2と、垂直アンテナによる垂直方位#1からなる組合せである。これにより、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法では、斜め方位#2を水平と垂直にベクトル分解したときの一方が水平方位#1に対応し、他方が垂直方位#1に対応すると判定し、これらを同一の物標を指すものとして組合せる。
同様の考え方で、組合せC2からは、垂直換算方位#2の換算に用いた水平方位#2と垂直方位#2とが組合せられることとなる。すなわち、本実施形態に係る水平垂直方位組合せ方法では、いずれかの垂直換算方位との差が所定値以下である垂直方位は、その垂直換算方位の垂直換算に用いた水平方位と組合せられる(ステップS32)。
これにより、図1Aに示したような状況下であっても、外乱に弱く、誤差も出がちな信号レベルなどを用いることなく、同一物標に対応する複数の方位、ここでは水平方位と垂直方位とを精度よく組合せることが可能となる。
なお、図1Cでは、説明の便宜のため、斜め軸axS沿いの斜めアンテナを1つ備え、かかる斜めアンテナがY軸の正方向側から視た場合に言わば右斜めアンテナであることとしたが、右斜めアンテナと左右対称となる左斜めアンテナをさらに備えることとしてもよい。かかる点については、図2A以降を用いた説明で後述する。
以下、上述した水平垂直方位組合せ方法を適用したレーダ装置1について、さらに具体的に説明する。
図2Aは、本実施形態に係るレーダ装置1のブロック図である。また、図2Bは、アンテナ部の構成例を示す図である。また、図2Cは、斜め軸の配置例を示す図である。また、図2Dは、方位組合せ部のブロック図である。なお、図2Aおよび図2Dでは、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図2Aおよび図2Dに図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図2Aに示すように、レーダ装置1は、送信部10と、受信部20と、処理部30とを備え、自車両MCの挙動を制御する車両制御装置2と接続される。
かかる車両制御装置2は、レーダ装置1による物標の検出結果に基づいて、PCS(Pre-crash Safety System)やAEB(Advanced Emergency Braking System)などの車両制御を行う。なお、レーダ装置1は、車載レーダ装置以外の各種用途(たとえば、飛行機や船舶の監視など)に用いられてもよい。
送信部10は、信号生成部11と、発振器12と、スイッチ13と、送信アンテナ14とを備える。信号生成部11は、後述する送受信制御部31の制御により、三角波で周波数変調されたミリ波を送信するための変調信号を生成する。
発振器12は、かかる信号生成部11によって生成された変調信号に基づいて送信信号を生成し、スイッチ13へ出力する。スイッチ13は、発振器12から入力された送信信号を複数の送信アンテナ14のいずれかへ出力する。
具体的には、スイッチ13は、送受信制御部31の制御に基づき、送信信号を入力する送信アンテナ14をたとえば任意の1個にしたり、時分割で順次切り替えたりすることができる。なお、図2Aに示すように、発振器12によって生成された送信信号は、後述するミキサ22に対しても分配される。
送信アンテナ14は、スイッチ13からの送信信号を送信波へ変換し、かかる送信波を自車両MCの外部へ出力する。送信アンテナ14が出力する送信波は、三角波で周波数変調された連続波である。送信アンテナ14から自車両MCの外部、たとえば前方へ送信された送信波は、他の車両などの物標で反射されて反射波となる。
受信部20は、アレーアンテナを形成する複数の受信アンテナ21と、複数のミキサ22と、複数のA/D変換部23とを備える。ミキサ22およびA/D変換部23は、受信アンテナ21ごとに設けられる。
各受信アンテナ21は、物標からの反射波を受信波として受信し、かかる受信波を受信信号へ変換してミキサ22へ出力する。なお、図2Aに示す受信アンテナ21の数は4つであるが、3つ以下または5つ以上であってもよい。
ここで、各送信アンテナ14および各受信アンテナ21が配設されるアンテナ部40の構成例について述べておく。図2Bに示すように、本実施形態に係るアンテナ部40は、水平軸axH沿いに複数のアンテナ41が配列された水平アンテナHと、垂直軸axV沿いに複数のアンテナ41が配列された垂直アンテナVとを備える。
また、アンテナ部40は、水平軸axHおよび垂直軸axVの直交2軸とは異なる向きの斜め軸axSR沿いに複数のアンテナ41が配列された第1斜めアンテナSRと、かかる第1斜めアンテナSRと左右対称となる斜め軸axSL沿いの第2斜めアンテナSLとを備える。
なお、ここでは図2Aに合わせ、水平アンテナH、垂直アンテナV、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLのそれぞれが有するアンテナ41の数は4つであるものとするが、その数を限定するものではない。
水平アンテナHは水平方位の導出用であり、垂直アンテナVは垂直方位の導出用であり、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLは斜め方位の導出用である。
水平方位の導出に際しては、たとえば垂直アンテナVの有するアンテナ41のうちの任意の1個が送信アンテナ14(図2A参照)として送信波を送信し、水平アンテナHの有する各アンテナ41が各受信アンテナ21(図2A参照)として受信波を受信する。
垂直方位の導出に際しては、垂直アンテナVの有する各アンテナ41が各送信アンテナ14として時分割で順次切り替えられつつ送信波を送信し、たとえば水平アンテナHの有するアンテナ41のうちの任意の1個が受信アンテナ21として受信波を受信する。
第1斜めアンテナSRによる斜め方位の導出に際しては、たとえば第1斜めアンテナSRの有する各アンテナ41が各送信アンテナ14として時分割で順次切り替えられつつ送信波を送信し、たとえば水平アンテナHの有する各アンテナ41が各受信アンテナ21(図2A参照)として受信波を受信する。第2斜めアンテナSLによる斜め方位の導出に際しても左右が異なるのみで考え方は同様である。
なお、図2Cに示すように、斜め軸axSR,axSLは、本実施形態に係る直交2軸である水平軸axHおよび垂直軸axVを45度回転させた、45度および135度の組合せであることが好ましい。かかる組合せは、水平軸axHおよび垂直軸axVのなす平面空間を均等に分割するものであるので、水平成分および垂直成分のつぶれにくい斜め方位を得るのに資することができる。すなわち、精度よく水平方位と垂直方位を組合せるのに資することができる。
図2Aの説明に戻る。受信アンテナ21から出力された受信信号は、図示略の増幅器(たとえば、ローノイズアンプ)で増幅された後にミキサ22へ入力される。ミキサ22は、分配された送信信号と、受信アンテナ21から入力される受信信号との一部をミキシングし不要な信号成分を除去してビート信号を生成し、A/D変換部23へ出力する。
ビート信号は、送信波と反射波との差分波であって、送信信号の周波数(以下、「送信周波数」と記載する)と受信信号の周波数(以下、「受信周波数」と記載する)との差となるビート周波数を有する。ミキサ22で生成されたビート信号は、A/D変換部23でデジタル信号に変換された後に、処理部30へ出力される。
処理部30は、送受信制御部31と、信号処理部32と、記憶部33とを備える。信号処理部32は、周波数解析部32aと、ピーク抽出部32bと、方位演算部32cと、方位組合せ部32dと、ペアリング部32eと、連続性判定部32fと、フィルタ部32gと、物標分類部32hと、不要物標判定部32iと、グループ化部32jと、出力物標選択部32kとを備える。
記憶部33は、バッファ33aを有する。バッファ33aは、信号処理部32が実行する一連の信号処理における物標データの履歴など、信号処理間で共有する情報などを蓄えることができる。
処理部30は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、記憶部33に対応するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、レジスタ、その他の入出力ポート等を含むマイクロコンピュータであり、レーダ装置1全体を制御する。
かかるマイクロコンピュータのCPUがROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、送受信制御部31、信号処理部32などとして機能する。なお、送受信制御部31および信号処理部32は全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
送受信制御部31は、信号生成部11を含む送信部10、および、受信部20を制御する。信号処理部32は、一連の信号処理を周期的に実行する。つづいて信号処理部32の各構成要素について説明するが、かかる説明では、図3〜図5Gを適宜併用することとする。
図3は、信号処理部32の前段処理から信号処理部32におけるピーク抽出処理までの処理説明図である。図4Aは、方位演算処理の処理説明図である。図4Bおよび図4Cは、ペアリング処理の処理説明図(その1)および(その2)である。
図5Aは、連続性判定処理の処理説明図である。図5Bは、フィルタ処理の処理説明図である。図5Cおよび図5Dは、物標分類処理の処理説明図(その1)および(その2)である。図5Eは、不要物標判定処理の処理説明図である。図5Fは、グループ化処理の処理説明図である。図5Gは、出力物標選択処理の処理説明図である。
周波数解析部32aは、各A/D変換部23から入力されるビート信号に対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理(以下、「FFT処理」と記載する)を行い、結果をピーク抽出部32bへ出力する。かかるFFT処理の結果は、ビート信号の周波数スペクトルであり、ビート信号の周波数ごと(周波数分解能に応じた周波数間隔で設定された周波数ビンごと)のパワー値(信号レベル)である。
ピーク抽出部32bは、周波数解析部32aによるFFT処理の結果においてピークとなるピーク周波数を抽出して物標データに反映させ、方位演算部32cへ出力する。なお、ピーク抽出部32bは、後述するビート信号の「UP区間」および「DN区間」のそれぞれについてピーク周波数を抽出する。
方位演算部32cは、ピーク抽出部32bにおいて抽出されたピーク周波数のそれぞれに対応する反射波の到来方位とそのパワー値を算出する。この時点で、到来方位は、物標が存在すると推定される方位であることから、以下では「推定方位」と記載する場合がある。推定方位は、水平アンテナHによる水平方位と、垂直アンテナVによる垂直方位と、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLによる斜め方位とを含む。また、方位演算部32cは、算出した推定方位を方位組合せ部32dへ出力する。
方位組合せ部32dは、方位演算部32cから得た推定方位に基づき、上述したステップS2(図1C参照)の換算処理およびステップS3(図1C参照)の判定処理を含む方位組合せ処理を実行する。具体的には、図2Dに示すように、方位組合せ部32dは、換算部32daと、判定部32dbとを備える。
換算部32daは、推定方位に含まれる各斜め方位を、各水平方位を用いて垂直換算方位へ換算する。かかる換算には、たとえば、水平方位を底辺、斜め方位を斜辺、垂直方位を対辺に見立てた三角比に基づくベクトル分解など、公知の手法を用いることができる。また、換算部32daは、算出した各垂直換算方位を判定部32dbへ渡す。
判定部32dbは、換算部32daから渡された各垂直換算方位と、推定方位に含まれる各垂直方位との差を比較し、その差が所定値以下であるか否かを判定する。また、判定部32dbは、その差が所定値以下である垂直換算方位と垂直方位とがある場合に、当該垂直換算方位の換算に用いた水平方位と、当該垂直方位とを組合せる。また、判定部32dbは、各水平方位および各垂直方位の組合せ結果を、方位演算部32cの算出結果とともにペアリング部32eへ出力する。
ペアリング部32eは、方位演算部32cの算出結果および方位組合せ部32dの組合せ結果に基づいて「UP区間」および「DN区間」それぞれのピーク周波数の正しい対応付けを判定し、その結果から各物標の距離および相対速度を算出する。また、ペアリング部32eは、各物標の推定方位、距離および相対速度を物標データに反映させ、連続性判定部32fへ出力する。
信号処理部32の前段処理から信号処理部32におけるここまでの処理の流れを図3〜図4Cに示す。なお、図3は、2つの太い下向きの白色矢印で3つの領域に区切られている。以下では、かかる各領域を順に、上段、中段、下段と記載する。
図3の上段に示すように、送信信号fs(t)は、送信アンテナ14から送信波として送出された後、物標において反射されて反射波として到来し、受信アンテナ21において受信信号fr(t)として受信される。
このとき、図3の上段に示すように、受信信号fr(t)は、自車両MCと物標との距離に応じて、送信信号fs(t)に対して時間差τだけ遅延している。この時間差τと、自車両MCおよび物標の相対速度に基づくドップラー効果とにより、ビート信号は、周波数が上昇する「UP区間」の周波数fupと、周波数が下降する「DN区間」の周波数fdnとが繰り返される信号として得られる(図3の中段参照)。
図3の下段には、かかるビート信号を周波数解析部32aにおいてFFT処理した結果を、「UP区間」側および「DN区間」側のそれぞれについて模式的に示している。
図3の下段に示すように、FFT処理後には、「UP区間」側および「DN区間」側のそれぞれの周波数領域における波形が得られる。ピーク抽出部32bは、かかる波形においてピークとなるピーク周波数を抽出する。
たとえば、図3の下段に示した例の場合、ピーク抽出閾値が用いられ、「UP区間」側においては、ピークPu1〜Pu3がそれぞれピークとして判定され、ピーク周波数fu1〜fu3がそれぞれ抽出される。
また、「DN区間」側においては、同じくピーク抽出閾値により、ピークPd1〜Pd3がそれぞれピークとして判定され、ピーク周波数fd1〜fd3がそれぞれ抽出される。
ここで、ピーク抽出部32bが抽出した各ピーク周波数の周波数成分には、複数の物標からの反射波が混成している場合がある。そこで、方位演算部32cは、各ピーク周波数のそれぞれについて方位演算を行い、ピーク周波数ごとに対応する物標の存在を解析する。
なお、方位演算部32cにおける方位演算は、たとえばESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)などの公知の到来方向推定手法を用いて行うことができる。
図4Aは、方位演算部32cが行った方位演算結果を模式的に示すものである。方位演算部32cは、かかる方位演算結果の各ピークPu1〜Pu3から、これらピークPu1〜Pu3にそれぞれ対応する各物標の推定方位を算出する。また、各ピークPu1〜Pu3の大きさがパワー値となる。方位演算部32cは、かかる方位演算処理を、図4Bに示すように、「UP区間」側および「DN区間」側のそれぞれについて行う。
また、図4Aは平面視の模式図であるので図には表れていないが、方位演算部32cが算出した各物標の推定方位に含まれる水平方位および垂直方位のうち組合せを要するものについては、方位組合せ部32dによる組合せ結果が反映される。たとえば、方位演算部32cは、図1Cで示したような状況における各物標の水平方位および垂直方位を、第1斜めアンテナSRによる各斜め方位の垂直換算値に基づいて適切に組合せる。
なお、本実施形態に係るレーダ装置1は、第1斜めアンテナSRだけでなく第2斜めアンテナSLをさらに備えるので、第1斜めアンテナSRにより確度の高い斜め方位を得づらい状況下でもこれを補うことができる。ここで、かかる例を図6に示しておく。図6は、水平垂直方位組合せを要する状況の補足説明図である。
すなわち、図6に示すように、自車両MCからの同一距離に物標TG1,TG2が存在するが、これらの位置関係が、図1Cとは左右対称的に、自車両MC側(Y軸の負方向側)から視た場合に、XZ平面上で左下と右上、すなわち右斜めの位置関係にあるものとする。
かかる位置関係の場合、自車両MC側から視た場合には左斜め方向である斜め軸axSR沿いの第1斜めアンテナSRでは、たとえば信号レベルの高い受信波を得られずに、確度の高い斜め方位を導出できないおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、かかる物標TG1,TG2の位置関係に対応する、自車両MC側から視た場合に右斜め方向である斜め軸axSL沿いの第2斜めアンテナSLを有するので、かかる第2斜めアンテナSLにより確度の高い斜め方位を得ることが可能となる。
すなわち、本実施形態に係るレーダ装置1は、水平軸axHおよび垂直軸axVの直交2軸とは異なる向きであり、かつ、互いに異なる向きの斜め軸axSR,axSL沿いの第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLを有することによって、水平垂直方位組合せを必要とする各状況に多様に対応することができる。すなわち、第1斜めアンテナSRで水平垂直方位組合せができない場合に、第2斜めアンテナSLを用いて水平垂直方位組合せを行うことで、第1斜めアンテナSRを用いた斜め方位を得づらい状況下でもこれを補うことができる。なお、図2Cでも示したが、斜め軸axSR,axSLも略直交していることがより好ましい。
図4Bの説明に戻る。そして、ペアリング部32eは、図4Bに示すように、方位演算部32cの方位演算結果において、推定方位およびパワー値の近い各ピークを対応付けるペアリングを行う。また、ペアリング部32eは、対応付けられた各ピークに対応する各物標TGの距離および相対速度を算出する。
距離は、「距離∝(fup+fdn)」の関係に基づいて算出することができる。相対速度は、「速度∝(fup−fdn)」の関係に基づいて算出することができる。その結果、図4Cに示すように、自車両MCに対する、各物標TGの推定方位、距離および相対速度を示すペアリング処理結果が得られる。
つづいて連続性判定部32fについて説明する。連続性判定部32fは、前回のスキャンまで検出していた物標データと、最新の周期(今回のスキャン)分の物標データとの時間的な連続性を判定し、結果を物標データに反映させ、フィルタ部32gへ出力する。
具体的には、図5Aに示すように、連続性判定部32fは、前回のスキャンまで検出していた物標TG1’に対応する前回値、たとえば前回位置や前回速度に基づいて今回予測位置LPを算出する。そして、連続性判定部32fは、今回のスキャンにおいて判定中の物標TGのうち、今回予測位置LPに最も近い物標TGを、前回までの物標TG1’に時間的に連続する物標TG1と判定する(図中のM1部参照)。
つづいてフィルタ部32gについて説明する。フィルタ部32gは、物標データを時間軸方向に平滑化するフィルタ処理を行い、結果を物標データに反映させ、物標分類部32hへ出力する。
図5Bは、フィルタ部32gが行うフィルタ処理を模式的に示すものである。すなわち、図5Bに示すように、フィルタ処理では、連続性ある前回までの物標TG’に基づく今回予測の物標と今回の物標TGとを平滑化、すなわち複数回の瞬時値データの平均化処理を行い、瞬時値データのバラツキを抑え、物標TGの検出精度を高めている。
つづいて物標分類部32hについて説明する。物標分類部32hは、物標データの種別を分類する物標分類処理を行い、結果を物標データに反映させ、不要物標判定部32iへ出力する。
図5Cおよび図5Dは、物標分類部32hが行う分類例を模式的に示すものである。図5Cに示すように、物標分類部32hは、たとえば物標TGを先行車LCや対向車OCなどの移動物に分類することができる。
具体的には、物標分類部32hは、自車両MCの自車速度の逆向きよりも大きな相対速度を持つ物標TGを、先行車LCとして分類する。また、物標分類部32hは、自車両MCの自車速度の逆向きよりも小さな相対速度を持つ物標TGを、対向車OCとして分類する。
また、図5Dに示すように、物標分類部32hは、たとえば物標TGを静止物Sに分類することができる。具体的には、物標分類部32hは、自車両MCの自車速度とほぼ逆向きの相対速度を持つ物標TGを、静止物Sとして分類する。
つづいて不要物標判定部32iについて説明する。不要物標判定部32iは、システム制御上、不要となる物標TGであるか否かを判定する不要物標判定処理を行い、結果を物標データに反映させ、グループ化部32jへ出力する。
図5Eは、不要物標判定部32iが不要物標と判定する物標例を模式的に示すものである。図5Eに示すように、不要物標判定部32iは、たとえば道路標識のような「上方物」や、「雨」、自車両MCの走行には支障のない「下方物」を不要物標として判定する。不要物標には、その他にも、たとえば構造物や路面反射、壁反射、折り返しゴーストなどがある。不要物標と判定された物標TGは、基本的にはレーダ装置1の出力対象とならない。
つづいてグループ化部32jについて説明する。グループ化部32jは、同一物に基づく複数の物標データを1つに集約するグループ化処理を行い、結果を物標データに反映させ、出力物標選択部32kへ出力する。
図5Fは、グループ化部32jが行うグループ化処理を模式的に示すものである。すなわち、図5Fに示すように、グループ化部32jは、検出されている複数の物標のうち、同一物(たとえばトラックTR)からの反射点であると推定されるものについては割れ物標TDであるとみなし、1つの物標TGとして集約する。かかるグループ化は、たとえば検出位置が近い、速度が近いといった条件に基づいて行われる。
つづいて出力物標選択部32kについて説明する。出力物標選択部32kは、システム制御上、車両制御装置2へ出力することが必要となる物標TGを選択する出力物標選択処理を行い、選択した物標TGの物標データを車両制御装置2へ出力する。
図5Gは、出力物標選択部32kが行う出力物標選択処理を模式的に示すものである。出力物標選択部32kは、基本的には、自レーンに近い位置に検出した物標TGを優先的に選択する。
したがって、図5Gに示すように、たとえば自レーンに物標TG1が、対向レーン(隣接レーンでも可)に物標TG2が、自レーンから大きく外れた位置に物標TG3が、それぞれ検出されていた場合、出力物標選択部32kは、たとえば物標TG3を選択しない(図中のM2部参照)。
かかる場合、出力物標選択部32kは、PCSやAEBに必要となると考えられる物標TG1および物標TG2を選択する(図中の枠FR参照)。
次に、本実施形態に係るレーダ装置1の処理部30が実行する処理手順について、図7Aおよび図7Bを用いて説明する。図7Aは、本実施形態に係るレーダ装置1の処理部30が実行する処理手順を示すフローチャートである。また、図7Bは、方位組合せ処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、スキャン1回分に対応する一連の信号処理の処理手順を示している。
図7Aに示すように、まず周波数解析部32aが、周波数解析処理を実行する(ステップS101)。つづいて、ピーク抽出部32bが、ピーク抽出処理を実行する(ステップS102)。
そして、方位演算部32cが、方位演算処理を実行し(ステップS103)、その結果に基づいて方位組合せ部32dが方位組合せ処理を実行する(ステップS104)。
方位組合せ処理では、図7Bに示すように、換算部32daが、推定方位に含まれる各斜め方位を、各水平方位を用いて垂直換算方位へ換算し(ステップS201)、ステップS202へ移行する。
ステップS202では、判定部32dbによる判定処理が、ステップS201で算出された垂直換算方位数分繰り返して実行される。なお、ステップS202での「i」はループカウンタを指す。
判定処理では、判定部32dbが、垂直換算方位と各垂直方位の差を比較する(ステップS2021)。そして、その差が所定値以下であるか否かを判定する(ステップS2022)。
ここで、差が所定値以下である場合(ステップS2022,Yes)、判定部32dbは、その垂直換算方位の垂直換算に用いた水平方位と、当該垂直方位を組合せる(ステップS2023)。なお、差が所定値以下となる垂直方位が複数存在するならば、最も差が小さい垂直方位を組合せるとよい。
一方、差が所定値以下でない場合(ステップS2022,No)、そのまま次段へ制御を移す。そして、ステップS202が終了したならば、処理を終了する。
図7Aの説明に戻る。そして、ペアリング部32eがペアリング処理を実行し(ステップS105)、連続性判定部32fが連続性判定処理を実行する(ステップS106)。そして、フィルタ部32gがフィルタ処理を実行し(ステップS107)、物標分類部32hが物標分類処理を実行する(ステップS108)。
そして、不要物標判定部32iが不要物標判定処理を実行し(ステップS109)、グループ化部32jがグループ化処理を実行する(ステップS110)。そして、出力物標選択部32kが出力物標選択処理を実行し(ステップS111)、スキャン1回分に対応する一連の信号処理が終了する。
なお、これまでは、アンテナ部40の構成例を図2Bに示したものとしたが、アンテナ部の構成はかかる例に限られない。図8Aおよび図8Bに変形例を示す。図8Aおよび図8Bは、変形例に係るアンテナ部40Aの構成例を示す図(その1)および(その2)である。
図8Aに示すように、変形例に係るアンテナ部40Aは、15個のアンテナ41を必要としたアンテナ部40に対し(図2B参照)、9個のアンテナ41で、水平アンテナH、、垂直アンテナV、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLを構成する。なお、アンテナ41の個数を限定するものではない。
具体的には、図8Aに示すように、アンテナ部40Aは、斜め軸axSR,axSLが垂直軸axV上で交わるように配置される。そのうえで、アンテナ部40Aは、アンテナ41を共用しつつ、水平アンテナH、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLが、それぞれ4つのアンテナ41で構成されるように、アンテナ41を配列させる。垂直アンテナVについては、垂直軸axV沿いに2つのアンテナ41を配列させる。
そして、アンテナ41の数が少ない垂直アンテナVについては、図8Bに示すように、水平方向で両隣のアンテナ41の受信信号に基づく合成アンテナ処理により、仮想的な仮想アンテナ41VRを2つ配置する。合成アンテナ処理は、各アンテナ41のFFT処理結果を平均化する処理である。
これにより、アンテナ部40Aをコンパクトに構成し、アンテナ部40Aの配設に必要となるスペースの省スペース化を図ることができる。また、部品点数を減らし、低コスト化にも資することができる。
また、これまでは、換算部32daが、水平方位を用いて斜め方位を垂直換算し、換算値を垂直方位と比較する例を挙げたが、垂直方位を用いて斜め方位を水平換算し、換算値を水平方位と比較することとしてもよい。
また、これまでは、基準となる直交2軸が、水平軸axHおよび垂直軸axVである場合を例に挙げたが、水平軸axHおよび垂直軸axVでなくともよい。すなわち、直交2軸が、水平方向および垂直方向からずれていてもよい。
かかる場合、斜め軸axSR,axSLは、直交2軸とはそれぞれ向きが異なり、かつ、互いに異なる向きに配置されていればよい。
上述してきたように、実施形態に係るレーダ装置1は、アンテナ部40と、方位演算部32c(「演算部」の一例に相当)と、換算部32daと、判定部32dbとを備える。
アンテナ部40は、XZ平面(「同一平面」の一例に相当)上において、水平軸axHおよび垂直軸axV(「直交2軸」の一例に相当)沿いにそれぞれ設けられる水平アンテナHおよび垂直アンテナV(「第1アンテナおよび第2アンテナ」の一例に相当)と、水平軸axHおよび垂直軸axVとは異なる向きの斜め軸axSR,axSL沿いに少なくとも1つ設けられる第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSL(「第3アンテナ」の一例に相当)とを有する。
方位演算部32cは、水平アンテナHに基づく水平方位(「第1方位」の一例に相当)、垂直アンテナVに基づく垂直方位(「第2方位」の一例に相当)、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLに基づく斜め方位(「第3方位」の一例に相当)を演算する。
換算部32daは、水平方位および垂直方位の一方を用いて斜め方位を水平方位および垂直方位の他方に対応する向きに換算する。判定部32dbは、換算部32daによって換算された換算値と上記他方との差が所定値以下である場合に、上記一方と上記他方とを組合せる。
したがって、本実施形態に係るレーダ装置1によれば、同一物標に対応する複数の方位、本実施形態では、水平方位および垂直方位を精度よく組合せることができる。
また、斜め軸axSは、互いに異なる向きの斜め軸axSR,axSL(「第1斜め軸および第2斜め軸」の一例に相当)であり、斜め方向アンテナは、斜め軸axSR沿いの第1斜めアンテナSRおよび斜め軸axSL沿いの第2斜めアンテナSLである。
したがって、本実施形態に係るレーダ装置1によれば、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLが互いに斜め方位の導出を補い合い、水平垂直方位組合せを必要とする各状況に多様に対応することができる。
また、斜め軸axSR,axSLは、略直交している。したがって、本実施形態に係るレーダ装置1によれば、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLが互いを確実に補い合うことができる。すなわち、水平方位および垂直方位を精度よく組合せるのに資することができる。
また、斜め軸axSRは、水平方向に対する傾きが略45度である。したがって、これに略直交する斜め軸axSLは、水平方向に対する傾きが略135度である。したがって、本実施形態に係るレーダ装置1によれば、導出される斜め方位の水平成分および垂直成分をつぶしにくい。すなわち、水平方位と垂直方位を精度よく組合せるのに資することができる。
また、判定部32dbは、第1斜めアンテナSRで水平垂直方位組合せができない場合に、第2斜めアンテナSLを用いて水平垂直方位組合せを行う。また、第2斜めアンテナSLで水平垂直方位組合せができない場合に、第1斜めアンテナSRを用いて水平垂直方位組合せを行う。
したがって、本実施形態に係るレーダ装置1によれば、第1斜めアンテナSRを用いた斜め方位を得づらい状況下でも第2斜めアンテナSLを用いることによってこれを補うことができる。また、第2斜めアンテナSLを用いた斜め方位を得づらい状況下でも第1斜めアンテナSRを用いることによってこれを補うことができる。
また、アンテナ部40Aは、水平アンテナH、垂直アンテナV、第1斜めアンテナSRおよび第2斜めアンテナSLで共用されるアンテナ41(「アンテナ素子」の一例に相当)、および、アンテナ41に基づいて仮想的に演算される仮想アンテナ41VR(「仮想アンテナ素子」の一例に相当)を有する。
したがって、本実施形態に係るレーダ装置1によれば、アンテナ部40Aをコンパクトに構成し、アンテナ部40Aの配設に必要となるスペースの省スペース化を図ることができる。また、部品点数を減らし、低コスト化にも資することができる。
なお、上述した実施形態では、レーダ装置1が、FM−CW方式であることとしたが、方式を限定するものではなく、たとえばFCM(Fast Chirp Modulation)方式であってもよい。なお、FCM方式である場合、上述のペアリング処理は不要であるので、ペアリング部32eを構成要素から外すことができる。
また、上述した実施形態では、レーダ装置1の用いる到来方向推定手法の例にESPRITを挙げたが、これに限られるものではない。たとえばDBF(Digital Beam Forming)や、PRISM(Propagator method based on an Improved Spatial-smoothing Matrix)、MUSIC(Multiple Signal Classification)等を用いてもよい。
また、上述した実施形態では、レーダ装置1は自車両MCに設けられることとしたが、無論、車両以外の移動体、たとえば船舶や航空機等に設けられてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 レーダ装置
32c 方位演算部
32d 方位組合せ部
32da 換算部
32db 判定部
40,40A アンテナ部
41 アンテナ
41VR 仮想アンテナ
H 水平アンテナ
MC 自車両
SL 第2斜めアンテナ
SR 第1斜めアンテナ
V 垂直アンテナ
axH 水平軸
axS,axSL,axSR 斜め軸
axV 垂直軸

Claims (8)

  1. 同一平面上において、直交2軸沿いにそれぞれ設けられる第1アンテナおよび第2アンテナと、前記直交2軸とは異なる向きの斜め軸沿いに少なくとも1つ設けられる第3アンテナとを有するアンテナ部と、
    前記第1アンテナに基づく第1方位、前記第2アンテナに基づく第2方位、前記第3アンテナに基づく第3方位を演算する演算部と、
    前記第1方位および前記第2方位の一方を用いて前記第3方位を前記第1方位および前記第2方位の他方に対応する向きに換算する換算部と、
    前記換算部によって換算された換算値と前記他方との差が所定値以下である場合に、前記一方と前記他方とを組合せる判定部と
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記直交2軸は、水平軸および垂直軸であり、
    前記第1アンテナは、水平方向アンテナであり、
    前記第2アンテナは、垂直方向アンテナであり、
    前記第3アンテナは、斜め方向アンテナであって、
    前記演算部は、
    前記水平方向アンテナに基づく水平方位、前記垂直方向アンテナに基づく垂直方位および前記斜め方向アンテナに基づく斜め方位を演算し、
    前記換算部は、
    前記水平方位を用いて前記斜め方位を前記垂直方位に対応するように垂直換算し、
    前記判定部は、
    前記換算部によって垂直換算された換算値と前記垂直方位との差が所定値以下である場合に、前記水平方位と前記垂直方位とを組合せること
    を特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記斜め軸は、互いに異なる向きの第1斜め軸および第2斜め軸であり、
    前記斜め方向アンテナは、前記第1斜め軸沿いの第1斜め方向アンテナおよび前記第2斜め軸沿いの第2斜め方向アンテナであること
    を特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記第1斜め軸および前記第2斜め軸は、略直交していること
    を特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 前記第1斜め軸は、水平方向に対する傾きが略45度であること
    を特徴とする請求項3または4に記載のレーダ装置。
  6. 前記判定部は、
    前記第1斜め軸に基づく前記水平方位と前記垂直方位とを組合せることができない場合に、前記第2斜め軸に基づく前記水平方位と前記垂直方位とを組合せること
    を特徴とする請求項3、4または5に記載のレーダ装置。
  7. 前記アンテナ部は、
    前記水平方向アンテナ、前記垂直方向アンテナおよび前記斜め方向アンテナ間で共用されるアンテナ素子、および、前記アンテナ素子に基づいて仮想的に演算される仮想アンテナ素子を有すること
    を特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載のレーダ装置。
  8. 同一平面上において、直交2軸沿いにそれぞれ設けられる第1アンテナおよび第2アンテナと、前記直交2軸とは異なる向きの斜め軸沿いに少なくとも1つ設けられる第3アンテナとを有するアンテナ部を備えるレーダ装置を用いた方位組合せ方法であって、
    前記第1アンテナに基づく第1方位、前記第2アンテナに基づく第2方位、前記第3アンテナに基づく第3方位を演算する演算工程と、
    前記第1方位および前記第2方位の一方を用いて前記第3方位を前記第1方位および前記第2方位の他方に対応する向きに換算する換算工程と、
    前記換算工程によって換算された換算値と前記他方との差が所定値以下である場合に、前記一方と前記他方とを組合せる判定工程と
    を含むことを特徴とする方位組合せ方法。
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