(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
(スロットマシン)
まず遊技機の一つであるスロットマシンについて説明する。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
図1に示すように、スロットマシン100は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体111と、当該筐体111の前面側開口を開閉する前扉112とを備えている。筐体111の内側には、回転自在な第1リール131、第2リール132および第3リール133がユニット化されたリールユニット130と、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前扉112は、上扉112aと下扉112bとに分割されており、これら上扉112aおよび下扉112bはそれぞれ筐体111に対して開閉自在となっている。
上扉112aは、筐体111に、例えばヒンジを介して回動可能に連結されており、筐体111の開口の上部を開閉するようになっている。また、下扉112bは、筐体111に、例えばヒンジを介して回動可能に連結されており、筐体111の開口の下部を開閉するようになっている。
上扉112aには、液晶ディスプレイ113、スピーカ114等の演出用の装置、および表示窓(透視窓)115が設けられている。液晶ディスプレイ113は、ほぼ鉛直に設けられている。液晶ディスプレイ113には、各種演出用の画像(動画、静止画)が表示される。スピーカ114からは、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)が出力される。また、前扉112には、報知や演出等を行うための照明装置116が複数設けられている。なお、演出用の装置(演出装置)として、液晶ディスプレイ113やスピーカ114、照明装置116等の他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等を設けてもよい。
筐体111内には、交換ユニットが着脱可能に設けられている。この交換ユニットは、略直方体状に組まれた金属枠である枠体と、枠体に支持されたリールユニット130と、枠体に固定された基板ユニットとを備えている。リールユニット130は、枠体に設けられた3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個のリール131,132,133とを備えている。基板ユニットは、CPU、ROM、RAM、I/O等の電子部品を備えた基板を、基板ケースに収納したものである。この基板ユニットは、スロットマシン100の遊技を制御するための遊技制御装置として機能する。
上扉112aの下部に設けられた表示窓115は、上側ほど後側に向かうように水平面に対して傾斜して設けられている。この表示窓115の奥には、3個のリール(第1リール131、第2リール132および第3リール133)が横一列に設けられている。図示を省略しているが、各リールの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配置されており、各リールが停止すると、表示窓115を介して1リール当たり3個の連続する図柄が表示される。
表示窓115には、各リール131,132,133の図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール131,132,133の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施の形態のスロットマシン100では、横3本と斜め2本とからなる計5本の有効ラインが設定されている。また、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。そして、3個のリール131~133が停止したときに有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否か判定される。
スロットマシン100では、遊技開始に伴って各リール131,132,133が回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、各リール131,132,133が停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
下扉112bの上部には、スロットマシン100を操作するための操作部150が設けられている。下扉112bの下部には、スロットマシン100の内部(ホッパー装置)よりメダルを払い出すメダル払い出し口125と、メダル払い出し口125から排出された(払い出された)メダルを溜めておくためのメダル受け皿126等が設けられている。本実施の形態では、操作部150とメダル受け皿126との間に、液晶ディスプレイが設けられている。以下、液晶ディスプレイ113という場合、操作部150とメダル受け皿126との間のこの液晶ディスプレイが含まれていてもよいものとする。
操作部150には、メダルを投入するためのメダル投入口121、クレジット(貯留)されたメダルをベットするためのMAXベットボタン(ベットボタン)122、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー123、回転している各リール131,132,133を停止させるための3個のストップボタン124等が設けられている。メダル投入口121の奥には、メダル投入口121から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサが設けられている。また、メダル投入口121の下方のメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するリジェクトボタンが設けられていてもよい。また、最大数(3枚)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン122の他、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(ベットボタン)が設けられていてもよい。
また、操作部150には、遊技の演出等を選択するための演出設定操作部(十字ボタン)や、表示ユニット(第1メイン表示器、第2メイン表示器)等が設けられていてもよい。なお、演出設定操作部は、演出等の選択用の十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン等を備えている。
また、操作部150には演出ボタン128が設けられている。演出ボタン128は、遊技者によって押下操作可能に形成されており、押下されることで例えば液晶ディスプレイ113に表示される演出画像の態様が変化したり、可動役物が動いたりして、演出の態様が変化する。演出ボタン128は、例えば、ボーナスに当たったことや、遊技者にとって有利な状態に移行することが決定したこと等の、遊技者にとって喜ばしいことを遊技者に報知する場合や、遊技者にとっての勝負所等の所定のタイミングで、押下操作が有効な状態となる。演出ボタン128を設けることで、遊技者の遊技への参加意識が高まり、遊技の興趣が向上する。なお、演出ボタン128の配置は、遊技者が押下操作可能な位置に設けられていればよい。
また、操作部150には、メダルを払い出す精算処理を実行するための精算ボタン152が設けられている。精算ボタン152の操作に基づく精算処理では、ベットまたはクレジットのうちの少なくとも一方に設定されているメダルが払い出される。本実施の形態における精算ボタン152の操作に基づく精算の対象は、クレジットに設定されているメダルのみならず、ベットに設定されているメダルも含む。ここで、ベットおよびクレジットの双方にメダルが設定されている場合の精算ボタン152の操作による精算パターンとしては、例えば2つのパターンがある。一つ目は、1回の精算ボタン152の操作によってベットに設定されているメダルおよびクレジットに設定されているメダルの双方が一括して払い出される精算パターンである。二つ目は、1回目の精算ボタン152の操作によってベットに設定されているメダルのみが払い出され、ベットに設定されているメダルの精算後の2回目の精算ボタン152の操作によってクレジットに設定されているメダルが払い出される精算パターンである。
スロットマシン100では、メダル投入口121にメダルが投入、または、MAXベットボタン122が操作(押下)されて規定枚数のメダルがベット(投入)されることで、スタートレバー123の操作が有効化される。すなわち、遊技を開始することが可能な状態となる。そして、有効化されたスタートレバー123が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール131,132,133が回転を開始し、各リール131,132,133の回転速度が一定速度(所定の速度)に到達して定常回転となるとストップボタン124の操作が有効化される。そして、有効化されたストップボタン124が操作されると、操作されたストップボタン124に対応する各リール131,132,133が停止する。すべての回転リールが停止すると、遊技の結果に応じて、メダルを払い出す処理や、メダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
スロットマシン100の内部には、遊技に関するコマンドを決定して該コマンドを送信する主制御装置(メイン制御基板)200と、主制御装置200から前記コマンドを受信してその受信したコマンドに対応する処理を実行する副制御装置(サブ制御基板)300とが設けられている。
主制御装置200は、MAXベットボタンを含むベットボタン122、スタートレバー123、ストップボタン124、メダル投入口121から投入されるメダルの通過を検知する通過検知センサ、精算ボタン152等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいてリールユニット(リール131,132,133)、ホッパー装置等の出力手段の制御を行なう。
副制御装置300は、主制御装置200から送られてくる信号(コマンド)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行ない、演算結果に基づいて、液晶ディスプレイ113およびスピーカ114等の演出装置の制御を行なう。
主制御装置200と副制御装置300とは電気的に接続されており、主制御装置200から副制御装置300へは遊技状態を示す情報など各種情報(コマンド信号)の送信が可能となっているが、副制御装置300から主制御装置200へは情報を送信できないようになっている。また、主制御装置200や副制御装置300等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
図2に示すように、主制御装置200は、遊技制御手段201および主記憶手段202等を備えている。遊技制御手段201は、遊技の進行を制御する。遊技制御手段201は、メダルが投入され、スタートレバー123が操作されると、当選役抽選により役の当否を決定するとともに、リール131,132,133を回転させ、ストップボタン124に対する停止操作が行われると、当選役抽選の結果に応じて回転中のリールを停止させて、有効ライン上に表示された図柄組合せに基づいて役が入賞したか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことによって、遊技を進行させるメインループ処理を行う。主記憶手段202には、当選役抽選テーブル、当選フラグの設定情報、メダルのクレジット数等が記憶されている。
図2に示すように、副制御装置(制御手段)300は、演出制御手段301および副記憶手段(記憶手段)302等を備えている。演出制御手段301は、主に遊技中や待機中の各演出を制御する。演出制御手段301は、液晶ディスプレイ113を介しての表示演出や、スピーカ114を介しての音響演出や、照明装置116を介しての発光演出に関する制御を行う。演出制御手段301は、例えば、遊技状態等に応じて液晶ディスプレイ113の表示内容を変化させたり、スピーカ114から音を出力させたり、照明装置116を点灯/消灯させたりし、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出を実行する。具体的には、メダルの投入や、ベットボタン122、精算ボタン152、スタートレバー123、ストップボタン124に対する操作や、遊技状態の変動等に応じて、液晶ディスプレイ113の表示内容を変化させたり、スピーカ114から音を出力させたりする。副記憶手段302には、受信したコマンドと対応付けられた演出データ(画像データ、音データ等)等が記憶されている。
(パチンコ遊技機)
次に遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明する。
図3は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観構成を示す斜視図である。パチンコ遊技機1は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、パチンコ遊技機1の外側面を形成する外枠2と、パチンコ遊技機1の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14が設けられている。
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、パチンコ遊技機1から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20をパチンコ遊技機1に向かって右回りに回転させる操作を行うと、パチンコ遊技機1の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施の形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
上皿16の縁部の手前側には、演出操作装置26が設けられており、遊技者が演出操作装置26を操作すると、パチンコ遊技機1で行われる演出が変化する。詳細には演出操作装置26は、押しボタンスイッチおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を内蔵しており、演出操作装置26を押下する操作と、演出操作装置26を回転させる操作を検出することができるようになっている。
図4は、図3で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。図4に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する液晶ディスプレイ32と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。
本実施の形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4か右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
ステージ44の中央部の下方には、第1始動入賞口46が設けられている。また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48の下方に、第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50には、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52が設けられている。
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の下方に、大入賞口54が設けられている。この大入賞口54には、大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える特別役物56が設けられている。特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図4は閉状態を示している)。特別役物56は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
大入賞口54の下方には、大入賞通路58が下方に向かって設けられている。大入賞通路58の下端には、通常進入口62が設けられている。また、大入賞通路58の下方には、大入賞通路58の途中から下方に向かって分岐するように特定通路65が設けられている。この特定通路65には、特定通路65を塞ぐ可動部材を備える特定役物66が設けられている。特定役物66は、特定通路65に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路65に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図4は閉状態を示している)。特定役物66は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路65の下端には、特定進入口68が設けられている。また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口69が設けられている。
遊技球の発射装置は、図3で示したグリップユニット20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。
パチンコ遊技機1は、図5に示す主制御装置(メイン制御基板)200および副制御装置(サブ制御基板)300を含む制御基板によって制御される。そして、主制御装置200や副制御装置300等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。主制御装置200と副制御装置300との間では、主制御装置200から副制御装置300への単方向通信のみが可能となっており、副制御装置300からは主制御装置200へ情報を送信することができないように通信接続されている。
図5に示すように、主制御装置200は、遊技制御手段201および主記憶手段202等を備えている。主制御装置200は、入力手段(第1始動入賞口センサ、通過ゲートセンサ、第2始動入賞口センサ、大入賞口センサ、通常進入口センサ、特定通路センサ、払出センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(状態表示駆動装置、普通役物駆動装置、特別役物駆動装置、特定役物駆動装置、払出装置等)の動作制御を行う。
副制御装置(制御手段)300は、演出制御手段301および副記憶手段(記憶手段)302等を備えている。副制御装置300は、主制御装置200から送信されたコマンドや、演出操作装置26に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置(演出表示装置、音響装置、演出物駆動装置等)の動作制御を行う。
演出制御手段301は、前枠ランプ12(照明装置)を点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイ32に演出画像を表示させたり、スピーカ14から演出音を出力させたり、演出物(可動役物)を動作させたりする等、演出装置を制御することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出を演出装置に実行させる。
(演出制御)
次に、上述したスロットマシン100やパチンコ遊技機1の副制御装置300による演出(表示演出)の制御について説明する。演出制御手段301は、主制御装置200から送信されたコマンド(信号)や、演出ボタン128(図1)または演出操作装置26(図3)の操作に基づき出力された信号等に基づいて、副記憶手段(サブROM)302に記憶されている演出データをRAMに読み出して演算処理を行い、演出の実行を制御する。
演出制御手段301は、待機中における画像や遊技の進行に応じた画像を、画像を表示する表示手段、すなわち液晶ディスプレイ113(図1)または液晶ディスプレイ32(図4)に表示させる制御を行う。なお、液晶ディスプレイ113または液晶ディスプレイ32の液晶基板が、演出制御手段301の一部または全部を備えることとしてもよい。
副記憶手段302には、背景画像データ、キャラクタ画像データ、文字画像データ(例えば「BONUS確定」という文字)、図形画像データ(例えばハート形)、遊技者への報知画像データ(例えば演出ボタン128の操作指示)等の画像データが格納されている。これらの画像データには、静止画データの他、動画データ(アニメーションデータ)(ムービーデータ)が含まれている。演出制御手段301は、主制御装置200から送信されたコマンド(例えばボーナス入賞を示すコマンド)に基づいて、所定の画像データを副記憶手段302から読み出し、所定の画像を表示手段に表示する。
ここで、演出制御手段301による表示制御の例を説明する。例えば、演出制御手段301は、複数の画像データを副記憶手段302から読み出して、それらの画像を交互に(順番に)表示手段に表示することで、画像の揺動を実現する。また、演出制御手段301は、同一の画像データであって透明度の異なるものを副記憶手段302から読み出し、透明度の低い画像から透明度の高い画像へと順に表示することで、フェードアウトを実現する。また、演出制御手段301は、背景画像と、キャラクタ画像と、遊技者への報知画像とを同時に表示する際にそれらが重畳する領域が存在する場合、例えば、背景画像よりもキャラクタ画像が手前に見え、キャラクタ画像よりも遊技者への報知画像が手前に見えるように制御する。
演出制御手段301が実行する演出(表示演出)の一つにモード選択演出がある。モード選択演出では、モード選択画像が液晶ディスプレイに表示される。モード選択画像は、例えば特定の遊技状態での遊技中等に、遊技者に、演出の異なる複数のモードの中から所望のモードを選択させる際に表示される画像である。
図6は、モード選択画像の一例を示す図である。矩形状である液晶ディスプレイの1画面を均等に4分割した各領域に、モードA~モードDに対応する画像(モードA画像~モードD画像)が表示されている。モード選択演出では、特定のモードが選択されると、その特定のモードに対応する画像の表示が拡大されていく演出(拡大演出)が実行されるものがある。
図6に示すモード選択画像が表示されている場合、遊技者は、例えば演出ボタン128(図1)または演出操作装置26(図3)を操作し、モードA~モードDの中からいずれか1つのモードを選択できる。ここで、遊技者がモードBを選択したとする。モードBが選択されると、拡大演出が開始され、モードB画像(1画面の1/4サイズ)の表示が拡大され、モードB画像の表示が所定のサイズ(本実施の形態では全画面サイズ、すなわち液晶ディスプレイの画面全体を占めるサイズ)に到達するとその拡大が停止する。
この拡大演出に、1画面の1/4サイズの画像の表示が徐々に大きくなり、全画面サイズの画像の表示になるまでの一連の動画を用いる場合、各モード(モードA~モードD)に対応する当該動画をそれぞれ用意(副記憶手段302に記憶)しなければならず、副記憶手段302(ROM)の使用量が大きくなる。換言すると、副記憶手段302の記憶容量が圧迫される(記憶容量に負担がかかる)。ROM自体の画像や動画を保存する領域全体の保存容量には限りがある。また、静止画用と動画用とでは保存領域が分けられており、それぞれの保存領域には保存容量に限りがある。したがって、ROMに格納できる動画の容量は制限されているため、ROMの空き容量が不足する。これにより、他の演出に使用できる容量が減るという問題が生じる。また、より大容量のROMを用いる場合には、コストアップの要因となる。
本実施の形態では、上記の問題を回避しつつ拡大演出を実現する。副記憶手段302には、拡大演出の対象となる画像表示(特定の表示)について、第1画像データ(第1画像)(小サイズ)と、第1画像データよりもサイズの大きい第2画像データ(第2画像)(大サイズ)とがそれぞれ記憶されている。本実施の形態では、第1画像データおよび第2画像データを静止画(1フレーム分の1枚絵)データとする。第2画像データは、第1画像データを拡大した画像データ(データとして元々第1画像データよりも大きい)である。
本実施の形態においては、第1画像データが、960pixel×540pixel(画面解像度)となっており、第2画像データが、1920pixel×1080pixel(画面解像度)となっており、第1画像データは第2画像データの1/4のサイズとなっている。なお、本実施の形態では、第1画像データは、図7(a)の表示(後述する)に用いられるため第2画像データ(全画面サイズ)の1/4のサイズとなっているが、演出画面の表示構成や第2画像データの大きさ次第では、第2画像データの1/4のサイズに限らない。すなわち、第1画像データは第2画像データよりも小さければ、第2画像データの1/2や1/3等の適宜のサイズとすることができ、第2画像データの1/4~1/3内のサイズとしてもよい。なお、本実施の形態では、第1画像データおよび第2画像データを矩形状とするが、矩形状に限らず、円形状等であってもよく、さらにはワイプ画像の画像データ、小窓画像の画像データ、キャラクタ画像の画像データ等であってもよい。また、第1画像データと第2画像データとは同一の外形を有するものに限らない。すなわち、第2画像データは、第1画像データと同一の表示(同一のコンテンツを表示)するものとなっていれば、その外形が異なっていてもよい。
演出制御手段301は、モード選択演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードA~モードDの第1画像データ(小サイズ)を副記憶手段302から読み出して、モード選択画像を液晶ディスプレイに表示する(図7(a)参照)。具体的には、本実施の形態では、モードAの第1画像を左上に表示し、モードBの第1画像を右上に表示し、モードCの第1画像を左下に表示し、モードDの第1画像を右下に表示する。演出制御手段301は、拡大アクション前の第1画像を原寸大のまま(元のデータのまま)、液晶ディスプレイに表示する。
ここで、モードBが選択されたとする。演出制御手段301は、モードBの拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードB(特定の表示)の第1画像データを徐々に(段階的に)拡大し(すなわち拡大アクション画像を生成し)、第1画像データを拡大した画像を順に液晶ディスプレイに表示する(図7(b)、図7(c)参照)。拡大アクション画像とは、第1画像データを画像処理によって引き伸ばした画像である。この拡大アクション画像の一例としては、第1画像と第2画像との中間のサイズの画像がある。本実施の形態では、拡大アクション画像が2つ生成され表示される場合を示したが、拡大アクション画像は少なくとも1つ生成され表示されるものであればよい。なお、図7(b)および図7(c)では、拡大アクション画像が表示されているレイヤの背後のレイヤにモード選択画像が表示されているが、拡大アクション画像が表示されているレイヤの背後のレイヤに風景画像等を表示させていてもよい。
次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像(複数ある場合には最後の拡大アクション画像)の表示後に、副記憶手段302からモードBの第2画像データ(大サイズ)を読み出し、第2画像を液晶ディスプレイに表示する(図7(d)参照)。換言すると、演出制御手段301は、拡大アクション画像の表示を第2画像データの表示に差し替える。演出制御手段301は、拡大アクション後の第2画像を原寸大のまま(元のデータのまま)、液晶ディスプレイに表示する。
なお図7では、モードBが選択されて拡大演出が実行される場合を示したが、他のモードが選択された場合にも同様の拡大演出が実行される。
なお、本実施の形態では、図7(d)において、第2画像を全画面サイズ(液晶ディスプレイの画面全体を占める大きさ)としたが、これに限らず、第2画像を全画面サイズよりも小さいものとしてもよい。(すなわち、第2画像が表示されているレイヤの背後のレイヤに表示されているモード選択画像や風景画像等が見えていてもよい。)
ここで、図7(b)の拡大アクション画像を拡大アクション画像αとし、図7(c)の拡大アクション画像を拡大アクション画像βとする。拡大アクション画像αが表示されているレイヤをレイヤnとすると、拡大アクション画像βは、レイヤnよりも手前のレイヤn+1に表示される。図7(b)から図7(c)に移行する際に、レイヤnの拡大アクション画像αを非表示としてからレイヤn+1に拡大アクション画像βを表示させてもよく、レイヤnに拡大アクション画像αを表示させたまま、レイヤn+1に拡大アクション画像βを表示させてもよい。なお、重複するため説明を省略するが、図7(c)から図7(d)に移行する際も同様である。
本実施の形態によれば、演出制御手段301は、特定の表示を拡大させる演出において、第1画像(小サイズ)を表示した後、拡大アクション画像としての第1画像データを拡大した画像を表示し、拡大アクション画像を表示した後、第2画像(大サイズ:元々用意されている画像)を表示するため、副記憶手段302の容量が圧迫される(容量に負担がかかる)のを防止できる。換言すると、副記憶手段302の使用量を削減できる。具体的には、静止画データである第1画像データおよび第2画像データを用意すればよいため、拡大演出(縮小状態の表示をし、次に拡大アクションの表示をし、次に拡大状態の表示をする)を一連の動画で実現する場合に比べて、拡大アクション部分のムービー(動画)を用意(記憶)しなくてよい分、副記憶手段(ROM)302の使用量を削減できる。これにより、副記憶手段302の空き容量を増やすことができる。すなわち、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。また、より大容量のROMを使用することなく実現できるため、コストアップを回避できる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、第1画像データおよび第2画像データを静止画データとしたが、本実施の形態では、第1画像データおよび第2画像データを動画データとする。第1画像データ(動画データ)および第2画像データ(動画データ)は、副記憶手段302に記憶されたピクセル数の異なる演出動画であり、本実施の形態では、第1画像データが960pixel×540pixelとなっており、第2画像データが1920pixel×1080pixelとなっている。動画は、同一内容の絵(画像)が所定秒数(例えば1秒等)ループして再生されるものである。なお、動画の内容は同一内容ではなく、内容が変化するものであってもよい。内容が変化する動画としては、キャラクタが走っている動画等がある。
演出制御手段301は、モード選択演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードA~モードDの第1画像データを副記憶手段302から読み出し、それぞれの第1画像(動画)を原寸大のまま液晶ディスプレイに表示する。ここで、モードBが選択されたとする。演出制御手段301は、モードBの拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードBの第1画像(動画)の中の1フレームを徐々に(段階的に)拡大し(すなわち拡大アクション画像を生成し)、拡大アクション画像を順に液晶ディスプレイに表示する。動画は複数の画像により構成されるものであるが、拡大アクション画像すなわち第1画像を拡大した画像は、動画(第1画像)の中の1フレームを拡大したものとなる。
演出制御手段301は、拡大アクション画像(複数ある場合には最後の拡大アクション画像)の表示後に、副記憶手段302からモードBの第2画像データを読み出し、第2画像(動画)を原寸大のまま液晶ディスプレイに表示する。このとき、拡大アクション画像(第1画像(動画)の1フレームを画像処理によって引き伸ばしたもの)と第2画像との切り替えは、同じ場面から動画が継続するように切り替える。
なお、本実施の形態では第1画像データおよび第2画像データの両方を動画データとしたが、第1画像データまたは第2画像データのいずれか一方を動画データとし、他方を静止画データとしてもよい。そのように、第1画像データまたは第2画像データのいずれか一方を動画データとし、他方を静止画データとした場合や、第1画像データおよび第2画像データの両方を動画データとした場合であっても、拡大演出(縮小状態の表示をし、次に拡大アクションの表示をし、次に拡大状態の表示をする)を一連の動画で実現する場合に比べて、拡大アクション部分のムービー(動画)を用意(記憶)しなくてよい分、副記憶手段(ROM)302の使用量を削減できる。これにより、副記憶手段302の空き容量を増やすことができる。すなわち、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。また、より大容量のROMを使用することなく実現できるため、コストアップを回避できる。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態および第2の実施の形態では、まず第1画像を表示し、次に第1画像を拡大した画像(拡大アクション画像)を表示し、次に第2画像を表示するものであった。本実施の形態では、まず第1画像を表示し、次に第2画像を縮小した画像(拡大アクション画像)を表示し、次に第2画像を表示することにより拡大演出を実現する。
演出制御手段301は、モード選択演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードA~モードDの第1画像データを副記憶手段302から読み出し、それぞれの第1画像(動画)を原寸大のまま液晶ディスプレイに表示する。ここで、モードBが選択されたとする。演出制御手段301は、モードBの拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードBの第2画像データ(大サイズ)を副記憶手段302から読み出し、モードBの第2画像データを縮小するとともに、モードBの第2画像データを最も縮小したものから順に(段階的に)拡大していき、これらを拡大アクション画像として順に表示する。なお、モードBの第2画像データを最も縮小したもののサイズは、第1画像データのサイズよりも大きい。この拡大アクション画像の一例としては、第1画像と第2画像の中間のサイズの画像がある。なお、拡大アクション画像は少なくとも1つ生成され表示されるものであればよい。次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像(複数ある場合には最後の拡大アクション画像)の表示後に、副記憶手段302からモードBの第2画像データを読み出し、第2画像を原寸大のまま液晶ディスプレイに表示する。
本実施の形態によれば、演出制御手段301は、特定の表示を拡大させる演出において、第1画像を表示した後、拡大アクション画像としての第2画像データを縮小した画像を表示し、拡大アクション画像を表示した後、第2画像を表示するため、副記憶手段302の容量が圧迫される(容量に負担がかかる)のを防止できる。換言すると、副記憶手段302の使用量を削減できる。具体的には、第1画像データおよび第2画像データを用意すればよいため、拡大演出(縮小状態の表示をし、次に拡大アクションの表示をし、次に拡大状態の表示をする)を一連の動画で実現する場合に比べて、拡大アクション部分のムービー(動画)を用意(記憶)しなくてよい分、副記憶手段(ROM)302の使用量を削減できる。これにより、副記憶手段302の空き容量を増やすことができる。すなわち、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。また、より大容量のROMを使用することなく実現できるため、コストアップを回避できる。本効果は、第1画像データおよび第2画像データを静止画とした場合であっても、第1画像データまたは第2画像データの少なくとも一方を動画とした場合であっても得られる。第2画像データが動画である場合、拡大アクション画像すなわち第2画像を縮小した画像は、動画(第2画像)の中の1フレームを縮小したものとなる。
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態および第2の実施の形態において、第1画像データ(第2画像データの1/4のサイズのピクセル数を有する)を拡大した画像を拡大アクション画像とする場合、画像によっては拡大することにより粗さが目立ち、いわゆるジャギーが視認されてしまうことで美観性が低下したり、拡大アクション画像の視認性が低下することがある。また、拡大アクション画像の後ろの画像(拡大アクション画像の背後のレイヤに表示されている画像)の解像度とその画像の表示画面上の表示範囲とは合っているが、拡大アクション画像の解像度とその拡大アクション画像の表示画面上の表示範囲とが合っていないという場合、拡大アクション画像の視認性が低下することがある。このような拡大アクション画像の視認性の低下は、遊技の興趣の低下を招くおそれがある。
本実施の形態では、拡大アクションの実行中(拡大アクション画像の表示中)に、拡大アクション画像にエフェクトを施す。
エフェクトに用いられるエフェクトデータは副記憶手段302に記憶(格納)されている。エフェクトデータは、ムービーデータ(動画のエフェクト)等であって、拡大演出以外の演出にも汎用的に使用されるデータである。なお、エフェクトデータは拡大演出(または後述する縮小演出)専用として用意されているものであってもよい。このエフェクトデータを用いて演出用画像にエフェクトを施した画面表示を行うことができる。エフェクトデータとしては、動きのあるエフェクト(例えば炎が揺れているようなもの)がある。なお、動きのないエフェクト(枠等)でもよい。動きのあるエフェクトデータとしては、フラッシュが明滅するもの、煙のようなもの等がある。拡大アクション画像に動きのあるエフェクトを施して表示することで、拡大アクション画像の粗さが目立つのを防止できる。なお、エフェクトデータは静止画データであってもよい。エフェクトデータを静止画データとした場合、ムービーデータ(動画)の場合に比べてROMの使用量を小さくできる。
エフェクトの一例(エフェクトの例1)について説明する。図8は、拡大アクション画像の全面を覆う大きさを有するエフェクト(透過性を有しないエフェクト)を、拡大アクション画像が表示されているレイヤの手前側(前側)のレイヤに表示したものである。図8では、拡大アクション画像として煙のエフェクトを用いている。図8(a)に示すモード選択画像が表示されている状態でモードBが選択されると、演出制御手段301は、モードBの拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、モードBの第1画像データを拡大した拡大アクション画像を生成するとともに、副記憶手段302から所定のエフェクトデータ(本例では煙のエフェクトのデータ)を読み出す。そして、図8(b)および図8(c)に示すように、演出制御手段301は、拡大アクション画像にエフェクト(煙のエフェクト)を施して表示する。
次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像にエフェクトを施したものを表示した後に、副記憶手段302からモードBの第2画像データ(大サイズ)を読み出し、第2画像を表示する(図8(d))。演出制御手段301は、エフェクトが表示されているレイヤの手前側のレイヤに第2画像を表示する。第2画像を表示するにあたり、その背後のレイヤに表示されている画像を表示したままとしても非表示としてもよい。なお、エフェクトは、第1画像と拡大アクション画像と第2画像のうち、すべてに施されてもよく、また、少なくとも拡大アクション画像に施されていれば、それらのうちの一部に施されるものであってもよい。
演出制御手段301は、第1画像を表示した後、拡大アクション画像にエフェクトを施して表示し、その後、第2画像を表示する。このため、拡大アクション画像としての第1画像データを拡大した(引き伸ばした)画像が粗さを有する場合であっても、エフェクトを施すことによってその粗さが目立たない。すなわち、画像を拡大させるアクションの表示中に、拡大アクション画像の粗さを目立たないようにすることができる。このため、拡大アクション画像の粗さが遊技者に視認されることがなく、特定の画像が拡大表示されていくような演出を行う際に、見た目上、違和感のない映像表現を実現することができる。これにより、遊技の興趣の低下を防止できる。
(エフェクトの例2)
図8で示したエフェクトの例1は透過性を有していないものとしたが、エフェクトは透過性を有するものとしてもよい。すなわち、半透明画像のエフェクト(ぼかし)としてもよい。このとき、エフェクトの透明度は、拡大アクション画像の粗さが目立たなくなる透明度に設定されている。要は、エフェクトは、拡大アクション画像を完全に遮るものに限らず、遊技者が視認した際に拡大アクション画像の粗さが目立たなくなっているもの(粗さが軽減されているもの)であればよい。
(エフェクトの例3)
エフェクト(エフェクトのデザイン)は、拡大アクション画像の粗さを目立たなくするものであれば、拡大アクション画像の全面を覆うものに限らず、拡大アクション画像を部分的に覆うものでもよい。画像によっては拡大した際に周辺部分のみ粗さが目立つものが存在するため、そのような画像を用いる場合には、透過性を有しないエフェクトを粗さの目立つ部分(特に拡大アクション画像の縁(輪郭)部分)にかければよい。エフェクトとしては、拡大アクション画像の周辺部分を覆う太枠や模様(炎や草形状等)を用いることができる。このようにすることで、拡大アクション画像における粗い部分がエフェクトにより覆われ(遮られ)、拡大アクション画像の粗さが目立つのを防止できる。拡大アクション画像を部分的に覆うエフェクトは、拡大アクション画像の全面を覆うエフェクトに比べてROMの使用量が小さい。なお、本例において、拡大アクション画像を部分的に覆うエフェクトが、拡大アクション画像の粗さが目立たない程度の透過性を有するものとしてもよい。
(エフェクトの例4)
拡大アクション画像とその背後に表示されている画像との境界が目立つ場合には、拡大アクション画像の外周縁を囲むエフェクトとしてもよい。すなわち、エフェクトとして、拡大アクション画像の外周縁の外側部分に隣接する太枠を用いてもよい。
本実施の形態では、エフェクトが表示されるレイヤと、拡大アクション画像が表示されるレイヤとが異なり、前者のレイヤが後者のレイヤよりも手前側である場合を示した。ただし、これに限らず、エフェクトが表示されるレイヤを、拡大アクション画像が表示されるレイヤの背後側(後ろ側)のレイヤとしてもよい。拡大アクション画像の後ろ側にエフェクトを表示することによっても、エフェクトに意識(視線)を向かせる等の効果により、拡大アクション画像の粗さを目立たなくすることができる。
また、エフェクトを、拡大アクション画像の前側のレイヤおよび拡大アクション画像の後ろ側のレイヤの両方のレイヤに表示させてもよい。このとき、前側のレイヤと後ろ側のレイヤとで同一のエフェクト(表示)としてもよいが、前側と後ろ側とで異なるエフェクト(表示)とし、それらのエフェクトをかける範囲が少なくとも一部重複しないようにして、拡大アクション画像の粗さがより目立たないようにしてもよい。
また、本実施の形態では、エフェクトが表示されるレイヤと、拡大アクション画像が表示されるレイヤとをそれぞれ別々としたが、それらが同一のレイヤに表示されるものとしてもよい。すなわち、拡大アクション画像にエフェクトを施すという場合に、拡大アクション画像にエフェクトデータを加算、乗算等する場合が含まれるものとしてもよい。拡大アクション画像とエフェクトデータとを乗算するという場合、拡大アクション画像が表示されているレイヤの色と、エフェクトが表示されているレイヤの色とを掛け合わせて合成することを指す。また、拡大アクション画像とエフェクトデータとを加算するという場合、拡大アクション画像が表示されているレイヤの色と、エフェクトが表示されているレイヤの色とを足すことを指す。拡大アクション画像とエフェクトデータとを乗算、加算等する場合、1つの画像データが生成され、その画像データが1つのレイヤに表示されることとなる。
また、エフェクトについて、拡大アクション画像の粗さおよびエフェクトの粗さが目立たなければ、エフェクトの解像度とそのエフェクトの表示画面上の表示範囲とが合っていないものを用いてもよい。具体的には、拡大アクション画像の粗さを目立たせなくするための専用のエフェクトデータの場合、表示範囲に対して解像度が低いものを用いてもよい。また、エフェクトデータが他の箇所で使用しているエフェクトデータと共用である等の場合、表示範囲に対して解像度が低い(または解像度が高い)ものを用いてもよい。このようにすることで、所定の表示範囲に合わせたエフェクトデータをそれぞれ用意する必要がなく、副記憶手段(ROM)302の使用量をさらに低減できる。
なお、拡大アクション画像の粗さを目立たせないという点から考えると、エフェクト部分については解像度がその表示範囲と合っているものを用いることが望ましい。ただし、そのようにエフェクト部分の解像度をその表示範囲と合わせるように構成した場合でも、拡大アクション画像(第1画像の拡大画像あるいは第2画像の縮小画像)の部分において、すべて解像度とその表示範囲とを一致させた動画や静止画を用意する場合に比べて、副記憶手段(ROM)302の使用量を低減できるという効果を奏する。
本実施の形態のように拡大アクション画像にエフェクトを施す処理は、第3の実施の形態に適用することもできる。第3の実施の形態において、第2画像データ(全画面サイズのピクセル数を有する)を縮小した画像を拡大アクション画像とする場合、画像によってはピクセル数が減少することにより情報が失われる(情報が潰れる)箇所が生じ、拡大アクション画像の視認性が低下する(見栄えが良くない状態となる)。
拡大アクション画像としての第2画像データを縮小した画像が潰れを有する場合であっても、エフェクトを施すことによってその潰れが目立たない。すなわち、画像を拡大させるアクションの表示中に、画像の潰れを目立たないようにすることができる。このため、拡大アクション画像の潰れが遊技者に視認されることがなく、特定の画像が拡大表示されていくような演出を行う際に、見た目上、違和感のない映像表現を実現することができる。これにより、遊技の興趣の低下を防止できる。なお、エフェクトが第1画像や第2画像の縮小画像の拡大動作に合わせて同一の拡大率で拡大するものとしたが、粗さ等が目立たないのであれば、エフェクトのサイズが変化しないようになっていてもよい。また、エフェクトが四角枠のような、画面上における縦方向の直線と横方向の直線とで構成された枠の場合、エフェクトを拡大表示(縮小表示)した場合でも粗さが目立つことはない。
また、拡大アクション画像にエフェクトを施さない仕様の場合には、開発時に、画像を拡大または縮小した際に、粗さや潰れが目立つかどうかをチェックする必要があるが、本実施の形態のように、エフェクトを施すように構成した場合、そのようなチェックの手間を省くことができる。これにより、開発効率を向上させることができる。
上述のエフェクトの例3(拡大アクション画像を部分的に覆うエフェクト)について、補足説明をする。ここでは、図9を用いて、太枠エフェクトデータについて説明する。太枠エフェクトデータは、太枠が徐々に拡大されていくムービーデータである。
図9(a)は、モード選択画像が表示されている状態を示している。図9(b)は、図9(a)に示す状態でモードAが選択され、モードAの第1画像の拡大画像に太枠エフェクトが施された画像が表示された状態を示している。この太枠エフェクトに用いられる太枠エフェクトデータは、モードA~モードDのすべてについて用意されている必要はない。すなわち、モードA~モードDに対応する太枠エフェクトデータが副記憶手段302に記憶されている必要はない。すなわち、仮にモードBが選択された場合、図9(b)に示すモードAの太枠エフェクトデータのX座標を反転させたものを表示すればよい。また、仮にモードCが選択された場合、図9(b)に示すモードAの太枠エフェクトデータのY座標を反転させたものを表示すればよい。また、仮にモードDが選択された場合、図9(b)に示すモードAの太枠エフェクトデータのX座標およびY座標を反転させたものを表示すればよい。このように、1つのエフェクトデータで複数のモードに対応できるように構成することで、さらにROMの使用量を削減し、空き容量を増やすことができる。
(第5の実施の形態)
第4の実施の形態では、演出制御手段301が、第1画像を表示し、次に拡大アクション画像にエフェクトを施して表示し、次に第2画像を表示するものとした。拡大アクション画像にエフェクトを施して表示するという場合、拡大アクション画像およびエフェクトを同時に表示するものに限られない。本実施の形態では、拡大アクション画像にエフェクトを施して表示する際に、拡大アクション画像とエフェクトの表示タイミングが異なるものを示す。
まず演出制御手段301は、第1画像を表示する。次に、演出制御手段301は、第1画像が表示されているレイヤよりも手前のレイヤに、拡大アクション画像を時間t1の間、表示する。この時間t1は、遊技者が拡大アクション画像の粗さ(潰れ)を視認できない程度の長さに設定されている。次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像が表示されているレイヤの手前のレイヤに、拡大アクション画像を覆う大きさを有するエフェクト(例えば炎のエフェクト)を表示する。次に、演出制御手段301は、エフェクトが表示されているレイヤよりも手前のレイヤに、第2画像を表示する。
また、別の例として、まず演出制御手段301が、第1画像を表示する。次に、演出制御手段301は、第1画像を非表示とするとともに、拡大アクション画像を時間t1の間、表示する。次に、演出制御手段301は、拡大アクション画像を非表示にするとともに、拡大アクション画像が表示されていた表示範囲Xを含む表示範囲Y(表示範囲Xよりも大きい)の大きさを有する透明度が低いエフェクト(例えば煙のようなもの)を表示する。次に、演出制御手段301は、エフェクトを非表示にするとともに、第2画像を表示する。
このように、画像の粗さが視認できない程度の時間の間、拡大アクション画像を遊技者に見せて、その後に拡大アクション画像にエフェクトを施すことで、遊技者は選択した画像が拡大していることをより把握しやすくなる。これにより、遊技の興趣が向上する。なお、拡大アクション画像の表示時間をより短くすることで、拡大アクション画像の粗さがより目立たないようにすることができる。
(第6の実施の形態)
第1の実施の形態~第3の実施の形態では、拡大演出において、第1画像を表示した後、拡大アクション画像(第1画像の拡大画像あるいは第2画像の縮小画像)を表示し、拡大アクション画像を表示した後、第2画像を表示するものを示した。この拡大演出を実現するにあたり、第1画像および第2画像の両方が必ずしも副記憶手段302に記憶されている必要はない。本実施の形態では、第1画像または第2画像のいずれか一方が副記憶手段302に記憶されている状態で拡大演出を実現する。
第2画像のみが副記憶手段302に記憶されている場合、演出制御手段301は、第2画像の拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、第2画像を所定の表示サイズとなるように最も縮小した画像と、その最も縮小した画像から段階的にサイズが大きくなっていく画像とを拡大アクション画像として生成し、サイズが小さいものから順に表示する。なお、拡大アクション画像は少なくとも1つ生成されて表示されるものであればよい。そして、最後の拡大アクション画像の表示後に、第2画像を原寸大のまま表示する。
第1画像のみが副記憶手段302に記憶されている場合、演出制御手段301は、第1画像の拡大演出の実行を指示するコマンドに基づき、第1画像を原寸大のまま表示し、次に、第1画像を段階的にサイズが大きくなっていくように拡大した画像を拡大アクション画像として生成し、順に表示する。なお、拡大アクション画像は少なくとも1つ生成されて表示されるものであればよい。
このように拡大演出を、副記憶手段302に記憶されている第1画像または第2画像のいずれか一方を用いて実現することで、副記憶手段(ROM)302の使用量をより削減し、空き容量を増やすことができる。これにより、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。
(第7の実施の形態)
第1の実施の形態~第6の実施の形態では、いずれも画像の表示の拡大演出を行う場合を示した。本実施の形態では、画像の表示の縮小演出を行う。
演出制御手段301は、特定の画像の縮小演出の実行を指示するコマンドに基づき、対応する第2画像を原寸大のまま表示する。次に、演出制御手段301は、第2画像を徐々に(段階的に)縮小した画像(これを縮小アクション画像という)を生成し、順に表示する。なお、縮小アクション画像は複数生成されるものに限らず、少なくとも1つ生成されるものであればよい。次に、演出制御手段301は、最後の縮小アクション画像の表示後に、対応する第1画像を原寸大のまま表示する。
また、次のようにしてもよい。演出制御手段301は、特定の画像の縮小演出の実行を指示するコマンドに基づき、対応する第2画像を原寸大のまま表示する。次に、演出制御手段301は、対応する第1画像を所定の表示サイズ(第2画像の表示サイズよりは小さい)となるように最も拡大した画像と、その最も拡大した画像から段階的にサイズが小さくなっていく画像とを、縮小アクション画像として生成し、サイズの大きいものから順に表示する。なお、縮小アクション画像は複数生成されるものに限らず、少なくとも1つ生成されるものであればよい。次に、演出制御手段301は、最後の縮小アクション画像の表示後に、第1画像を原寸大のまま表示する。
このように構成することで縮小演出の場合でも、第1画像および第2画像を用意すればよく、縮小演出を一連の動画で実現する場合に比べて、縮小アクション部分のムービー(動画)を用意しなくてよい分、副記憶手段(ROM)302の使用量を削減できる。これにより、副記憶手段302の空き容量を増やすことができる。これにより、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。また、より大容量のROMを使用することなく実現できるため、コストアップを回避できる。
なお、本実施の形態では、第1画像と第2画像の両方が用意されている(すなわち副記憶手段302に記憶されている)ことを前提としたが、第6の実施の形態のように、第1画像または第2画像のいずれか一方が副記憶手段302に記憶されている状態で縮小演出が実現されるように構成してもよい。
第2画像のみが副記憶手段302に記憶されている場合、演出制御手段301は、第2画像の縮小演出の実行を指示するコマンドに基づき、第2画像を原寸大のまま表示し、次に、第2画像を段階的にサイズが小さくなっていくように縮小した画像を縮小アクション画像として生成し、順に表示する。なお、縮小アクション画像は少なくとも1つ生成されて表示されるものであればよい。
第1画像のみが副記憶手段302に記憶されている場合、演出制御手段301は、第1画像の縮小演出の実行を指示するコマンドに基づき、第1画像を所定の表示サイズとなるように最も拡大した画像と、その最も拡大した画像から段階的にサイズが小さくなっていく画像とを縮小アクション画像として生成し、サイズが大きいものから順に表示する。なお、縮小アクション画像は少なくとも1つ生成されて表示されるものであればよい。そして、演出制御手段301は、最後の縮小アクション画像の表示後に、第1画像を原寸大のまま表示する。
このように縮小演出を、副記憶手段302に記憶されている第1画像または第2画像のいずれか一方を用いて実現することで、副記憶手段(ROM)302の使用量をより削減し、空き容量を増やすことができる。これにより、他の演出に使用できるROMの容量を増やすことができる。
また、第4の実施の形態、第5の実施の形態で示したエフェクトに関する処理を、本実施の形態に係る縮小アクション画像に適用することができる。その場合、画像を縮小させるアクションの表示中に、画像の粗さや潰れを目立たないようにすることができる。また、エフェクトは、第1画像と縮小アクション画像と第2画像のうち、すべてに施されてもよく、また、少なくとも拡大アクション画像に施されていれば、それらのうちの一部に施されるものであってもよい。なお、エフェクトは第1画像の拡大画像や第2画像の縮小動作に合わせて同一の縮小率で縮小するものに限らず、粗さ等が目立たないのであれば、エフェクトのサイズが変化しないようになっていてもよい。
(第8の実施の形態)
第1の実施の形態~第3の実施の形態では、モード選択画面で特定のモードが選択された場合の拡大演出について説明した。ここで、拡大演出の別の例を説明する。
本実施の形態に係る演出制御手段301は、特定の画像の拡大演出の実行を指示するコマンドを受信すると、対応する第1画像、第1画像を拡大した画像(拡大アクション画像)、対応する第2画像を順に表示していくが、その際に、拡大表示させていく画像表示がフェードインで始まるように制御する。例えばカットイン演出等で突然画像の表示を開始する場合に、演出制御手段301は、第1画像を次第に拡大するとともに、第1画像が次第にはっきりと表れるように(明瞭となるように)制御する。そして、最後に明瞭な第2画像を表示する。なお、拡大アクション画像を、第2画像を縮小した画像とする場合には、次第にそれを拡大しつつ明瞭なものとしていく。
次に、縮小演出での例を説明する。演出制御手段301は、特定の画像の縮小演出の実行を指示するコマンドを受信すると、対応する第2画像、第2画像を縮小した画像(縮小アクション画像)、対応する第1画像を順に表示していくが、その際に、縮小表示させていく画像表示がフェードアウトするように制御する。演出制御手段301は、第2画像を次第に縮小するとともに、第2画像が次第に薄くなるように(消えるように)制御する。そして、最後に最も薄い第1画像を表示する。なお、縮小アクション画像を、第1画像を拡大したものとする場合には、次第にそれを縮小しつつ薄くしていく。
このように構成することで、画像の大きさとともに画像の明瞭さ(明るさ)が変化するため、表示の変化がより強調されることとなり、遊技者を惹きつけることができる。
(第9の実施の形態)
次に、図面を参照しながら本発明の第9の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等の遊技機に適用されてもよい。
図10に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ(音出力手段)14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。また、1回の遊技に関して必要な数(規定数)のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
なお、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、後述する遊技状態毎に設定されており、遊技状態に応じて1枚~3枚のいずれか1つまたは複数が設定される。具体的には、規定数は、遊技状態に応じて2枚または3枚に設定されており、2枚または3枚のメダルを投入(ベット)して遊技を実行することが可能となっている。また、本実施形態の遊技機では、2枚のメダルを投入して遊技を行う場合と3枚のメダルを投入して遊技を行う場合とのいずれの場合においても、第1リール20aの中段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの下段とによって有効ラインが構成されるようになっている。なお、メダルの投入数に応じて、異なる有効ラインが設定されるようになっていてもよい。
各リール20a~20cの外周面は、一定の間隔で20の領域(コマ)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配置されている。また、各リール20a~20cの各コマ(各コマに配置された図柄)には、図柄番号0~19が対応付けられている。
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図11参照)が設けられている。
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
図11に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段90と、サブ側記憶手段92と、を備えている。また、サブ側記憶手段92は、ROMとRAMとを備えている。
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段90とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段90へ指示を出す。また、演出サブ制御手段90は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段92に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段90で行ってもよく、演出サブ制御手段90で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として複数種類の遊技状態が設定可能とされ、設定値として設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態、メダルの投入数および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞(作動)することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
なお、各当選エリアは、当選する役の組み合わせが互いに異なっている。
本実施形態の遊技機では、小役として、入賞すると15枚のメダルが払い出される15枚役と、入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役と、入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役と、を含む複数種類の小役が用意されている。また、15枚役には、後述する正解小役としての15枚役が含まれ、1枚役には、後述する不正解小役としての1枚役が含まれる。
また、本実施形態の遊技機では、小役の当選エリアとして、複数種類の当選エリアが用意されており、各当選エリアは、全小役のうちの1種類の小役が単独であるいは複数種類の小役が重複して当選する当選エリアとなっている。具体的には、本実施形態の遊技機では、正解小役(15枚役)と不正解小役(1枚役)とを含む複数種類の小役が重複して当選する当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル12」と、複数種類の15枚役が重複して当選する当選エリア「共通ベル」と、複数種類の3枚役が重複して当選する当選エリア「スイカ」と、を含む複数種類の当選エリアが用意されている。なお、以下では、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル12」をまとめて打順ベル(択役)と呼ぶこととする。
また、本実施形態の遊技機では、複数種類のリプレイが用意されている。
また、本実施形態の遊技機では、リプレイの当選エリアとして、複数種類の当選エリアが用意されており、各当選エリアは、全リプレイのうちの1種類のリプレイが単独であるいは複数種類のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。具体的には、例えば、リプレイの当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ」、「弱チェリー」、「強チェリー」等が用意されている。また、当選エリア「通常リプレイ」よりも当選エリア「弱チェリー」の方が当選確率が低く設定されており、当選エリア「弱チェリー」よりも当選エリア「強チェリー」の方が当選確率が低く設定されている。
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、第1ビッグボーナス(RBB1)~第4ビッグボーナス(RBB4)が用意されている。また、ボーナスが対応付けられた当選エリアとして、RBB1~RBB4のそれぞれが単独で当選する当選エリア「RBB1」~「RBB4」が用意されている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナス(RBB1~RBB4)としていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナスを用いてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
各当選エリアは、遊技状態およびメダルの投入数に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態およびメダルの投入数に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。
例えば、当選エリア「RBB1」および「RBB2」は、遊技状態が一般中状態であって、メダルの投入数が2枚の場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB3」および「RBB4」は、遊技状態が一般中状態であって、メダルの投入数が3枚の場合に当選し得るようになっており、それ以外の遊技状態および投入数では当選しないようになっている。
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(OFF状態)から当選状態(ON状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(RBB1~RBB4)がある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段92のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
打順ベルには、それぞれ正解打順と不正解打順とが設定されている。具体的には、打順ベルの各当選エリアは、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると正解小役(15枚役)が入賞し得るようになっており、不正解打順で操作がされると不正解小役(1枚役)が入賞し得るようになっている。換言すると、RBB内部中状態においていずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、正解小役(15枚役)を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、不正解小役(1枚役)を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
具体的には、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリール20a~20cにおける特定の図柄(第1特定図柄)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば、有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合に、正解小役(15枚役)が入賞するようになっている。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、第1特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、正解小役(15枚役)を入賞させることが可能となっている。また、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ最初に停止されるリール20a~20cにおける第1特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合には、不正解小役(1枚役)が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
また、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、正解打順で操作がされ、かつ、最初に停止されるリール20a~20cにおける第1特定図柄とは異なる特定の図柄(第2特定図柄)が含まれる所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号10~19のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合に、正解小役(15枚役)が入賞するようになっている。換言すると、正解打順で操作をし、かつ、第2特定図柄を狙って第1停止操作を行うことで、正解小役(15枚役)を入賞させることが可能となっている。また、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、不正解打順で操作がされた場合、および、正解打順で操作がされ最初に停止されるリール20a~20cにおける第2特定図柄が含まれない所定範囲内の図柄(例えば、図柄番号0~9のうちのいずれかの図柄)が所定の表示位置(例えば有効ライン上)に位置しているときに第1停止操作がされた場合には、不正解小役(1枚役)が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようになっている。
また、各打順ベルの正解打順は1通りに定められており、他の5通りの打順は不正解打順とされている。また、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル6」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されており、当選エリア「12択ベル7」~「12択ベル12」は、互いに異なる打順が正解打順に設定されている。
なお、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル12」に代え、あるいは、当選エリア「12択ベル1」~「12択ベル12」とともに、正解小役(15枚役)と不正解小役(1枚役)とを含む複数種類の小役が重複して当選する打順ベルの当選エリアとして、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」を用意し、当選エリア「6択ベル1」~「6択ベル6」は、RBB内部中状態において当選した場合に、正解打順で操作がされると、停止操作のタイミングに関わらず必ず正解小役(15枚役)が入賞し、不正解打順で操作がされると、不正解小役(1枚役)が入賞するかあるいはいずれの役も入賞しないようにしてもよい。
また、打順ベルの各当選エリアは、一般中状態において当選したときには、RBB内部中状態であれば15枚役が入賞する態様(正解打順および所定のタイミング)で停止操作がされた場合であっても、1枚役が入賞する(15枚役が入賞しない)ようになっている。
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞(作動)した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞(作動)した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
遊技状態制御手段49は、図12に示すように、一般中状態、RBB内部中状態A(ボーナス成立状態A)、RBB作動中状態A(ボーナス状態A)、RBB内部中状態B(ボーナス成立状態B)およびRBB作動中状態B(ボーナス状態B)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
一般中状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、規定投入数が2枚および3枚に設定されている。また、一般中状態からはRBB内部中状態AおよびRBB内部中状態Bへの移行が可能となっている。具体的には、一般中状態において、RBB1またはRBB2が当選した場合にRBB内部中状態Aに移行し、RBB3またはRBB4が当選した場合にRBB内部中状態Bに移行する。また、一般中状態では、メダルの投入数に応じて、RBB1およびRBB2が抽選対象として設定されている内部抽選テーブル、またはRBB3およびRBB4が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
具体的には、一般中状態においてメダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合には、RBB1およびRBB2が抽選対象として設定され、RBB3およびRBB4が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。また、一般中状態においてメダルの投入数が3枚で遊技が行われる場合には、RBB3およびRBB4が抽選対象として設定され、RBB1およびRBB2が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
RBB内部中状態Aは、内部抽選でRBB1またはRBB2に当選したことを契機として移行する遊技状態で、規定投入数が2枚および3枚に設定されている。また、RBB内部中状態Aでは、RBB1~RBB4が抽選対象から除外された複数の内部抽選テーブルのうちから、メダルの投入数に応じて選択される内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
また、RBB内部中状態Aでは、RBB1またはRBB2が入賞するまでRBB1またはRBB2に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、RBB1またはRBB2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態AからRBB作動中状態Aへ移行させる。また、本実施形態では、RBB1およびRBB2は、メダルの投入数が2枚である場合に限って有効なボーナスとなっており、RBB内部中状態Aにおいて投入数2枚で遊技を行う場合にはRBB1またはRBB2を入賞させることが可能であるが、RBB内部中状態Aにおいて投入数3枚で遊技を行う場合にはRBB1およびRBB2を入賞させることができないようになっている。
RBB内部中状態Bは、内部抽選でRBB3またはRBB4に当選したことを契機として移行する遊技状態で、規定投入数が2枚および3枚に設定されている。また、RBB内部中状態Bでは、RBB1~RBB4が抽選対象から除外された複数の内部抽選テーブルのうちから、メダルの投入数に応じて選択される内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
また、RBB内部中状態Bでは、RBB3またはRBB4が入賞するまでRBB3またはRBB4に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、RBB3またはRBB4の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をRBB内部中状態BからRBB作動中状態Bへ移行させる。また、本実施形態では、RBB3およびRBB4は、メダルの投入数が3枚である場合に限って有効なボーナスとなっており、RBB内部中状態Bにおいて投入数3枚で遊技を行う場合にはRBB3またはRBB4を入賞させることが可能であるが、RBB内部中状態Bにおいて投入数2枚で遊技を行う場合にはRBB3およびRBB4を入賞させることができないようになっている。
RBB作動中状態Aは、RBB1またはRBB2の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、RBB作動中状態Aでは、RBB作動中状態Aにおいて払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態Aを終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態Aの終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態Aでの遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。
RBB作動中状態Bは、RBB3またはRBB4の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、RBB作動中状態Bでは、RBB作動中状態Bにおいて払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、RBB作動中状態Bを終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、RBB作動中状態Bの終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、RBB作動中状態Bでの遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選した場合に、正解打順を報知して15枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13に実行させるようになっている。
遊技区間制御手段80は、図13に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典付与手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態では指示演出を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限り指示演出を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
特典付与手段82は、非有利区間においては、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて(所定の役(当選エリア)の当選に基づいて)、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
なお、有利区間移行抽選は、例えば、レア役に当選した場合に実行してもよい。本実施形態におけるレア役の当選とは、例えば、当選エリア「弱チェリー」、「強チェリー」または「スイカ」等の当選を意味する。換言すると、レア役の当選とは、内部抽選において当選する確率が相対的に低い役(当選エリア)に当選することを意味する。なお、以下の説明において、内部抽選の結果に応じて行うこととする指示機能に係る処理は、ここでの説明と同様に、レア役に当選した場合に実行することとしてもよい。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、15枚のメダルの払い出しがあった場合には「15」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
演出状態制御手段81は、図13に示すように、非有利区間演出状態、通常演出状態(非指示演出状態)、前兆演出状態、CZ演出状態およびAT演出状態(指示演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。また、AT演出状態には、通常AT演出状態(通常指示演出状態)、特別AT演出状態(特別指示演出状態)、特別演出状態、ジャッジ演出状態および特殊演出状態が含まれる。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に移行させる。
通常演出状態は、有利区間が開始される際に基本的に移行する演出状態であり、有利区間の開始時については、通常演出状態に移行する確率が他の演出状態に移行する確率よりも高く設定されている。
また、通常演出状態は、AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
演出状態制御手段81は、通常演出状態における所定の契機で演出状態をCZ演出状態またはAT演出状態に移行させる。本実施形態では、通常演出状態における遊技の回数には、上限(いわゆる天井)が設定されており、通常演出状態において所定回数(例えば、350回または666回)の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態をCZ演出状態またはAT演出状態へ移行させる。この天井としての遊技回数は、記憶手段60のROMに予め用意された複数種類のテーブル(移行期待度テーブル)の中から、所定の契機で(例えば、通常演出状態の開始時等に)選択される移行期待度テーブルに基づいて決定される。換言すると、1回の通常演出状態(例えば、通常演出状態が開始されてからCZ演出状態またはAT演出状態に移行するまで)について、複数種類の移行期待度テーブルの中から1の移行期待度テーブルが選択されるようになっており、通常演出状態における指示演出状態(CZ演出状態またはAT演出状態)への移行の期待度は、当該移行期待度テーブルに基づいて決定される。なお、遊技回数が天井に到達した場合に、演出状態をCZ演出状態とAT演出状態とのいずれに移行させるかは、移行期待度テーブル毎に予め設定されていてもよく、天井到達時に抽選によって決定される等してもよい。
また、通常演出状態においては、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて、CZ演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を行う。また、CZ抽選に当選した場合に、演出状態制御手段81は、演出状態をCZ演出状態へ移行させる。また、通常演出状態においては、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。また、AT抽選に当選した場合に、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。なお、本実施形態では、各通常演出状態について選択される移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数とCZ演出状態またはAT演出状態への移行の期待度との関係が設定されており、移行期待度テーブル毎に、CZ抽選やAT抽選の当選確率が相対的に高い遊技回数が設定されている。具体的には、天井が666回となる移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が400回~600回となる範囲が、他の遊技回数範囲に比べCZ抽選やAT抽選の当選確率が高く設定されている。また、天井が350回となる移行期待度テーブルでは、通常演出状態が開始されてからの遊技回数が200回~299回となる範囲が、他の遊技回数範囲に比べCZ抽選やAT抽選の当選確率が高く設定されている。また、天井が350回となる移行期待度テーブルにおける遊技回数200回~299回の範囲は、天井が666回となる移行期待度テーブルにおける遊技回数400回~600回の範囲に比べ、CZ抽選やAT抽選の当選確率が高く設定されている。
通常演出状態においてCZ演出状態またはAT演出状態への移行が決定され、CZ演出状態またはAT演出状態へ移行させる場合に、演出状態制御手段81は、通常演出状態から前兆演出状態を介してCZ演出状態またはAT演出状態へ移行させる。また、前兆演出状態は、所定回数の遊技が実行されると終了するようになっている。すなわち、CZ演出状態またはAT演出状態への移行が決定されて、演出状態が通常演出状態から前兆演出状態に移行し、前兆演出状態において所定回数の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、前記決定に基づいて演出状態をCZ演出状態またはAT演出状態へ移行させる。
なお、前兆演出状態を介さずに、通常演出状態からCZ演出状態またはAT演出状態へ移行する場合があってもよい。また、CZ演出状態またはAT演出状態への移行が決定されていない場合であっても、前兆演出状態へ移行する場合があってもよい。換言すると、前兆演出状態には、いわゆるガセ前兆が含まれていてもよい。
前兆演出状態は、CZ演出状態またはAT演出状態への移行の期待度が、通常演出状態よりも高く、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。前兆演出状態においては、演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13等の演出装置に、CZ演出状態またはAT演出状態への移行を示唆する演出を実行させる。換言すると、演出制御手段100は、通常演出状態に比べ、CZ演出状態またはAT演出状態への移行の期待度が高くなっていることを遊技者に報知する演出を演出装置に実行させる。具体的には、例えば、液晶ディスプレイ13に、CZ演出状態またはAT演出状態への移行を示唆する画像を表示させる。
CZ演出状態は、通常演出状態よりもAT演出状態への移行の期待度が高い演出状態となっている。換言すると、CZ演出状態は、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。また、CZ演出状態は、AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く、打順ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
CZ演出状態は、実行される遊技の回数が設定されており、規定回数(16回)の遊技が実行されると終了するようになっている。また、CZ演出状態の開始時には、特典付与手段82が、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(第2AT抽選)を行い、第2AT抽選に当選した場合に、CZ演出状態における規定回数の遊技の実行後(CZ演出状態の終了後)に演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定する。また、第2AT抽選に当選しなかった場合であっても、CZ演出状態においては、特典付与手段82は、第2AT抽選の結果を書き換える抽選(書き換え抽選)を毎遊技実行し、書き換え抽選に当選した場合に、CZ演出状態における規定回数の遊技の実行後(CZ演出状態の終了後)に演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定する。また、書き換え抽選の当選期待度は、内部抽選の結果に応じて異なっており、当選確率が高い方から順に、当選エリア「強チェリー」、「スイカ」、「弱チェリー」、その他の当選エリアとなるように設定されている。なお、第2AT抽選においてAT演出状態への移行が決定された場合に、書き換え抽選によって、当該決定が取り消されることはない。すなわち、書き換え抽選によって、第2AT抽選や以前の書き換え抽選の抽選結果が遊技者に不利なものに書き換えられることはないようにされている。
なお、CZ演出状態においてAT演出状態への移行が決定される確率(第2AT抽選または書き換え抽選の当選確率)は、通常演出状態において獲得するポイントに基づいて上昇させることが可能となっている。具体的には、特典付与手段82は、通常演出状態において、所定の契機(例えばレア役に当選した場合等)にポイントを数ポイント~数百ポイント付与するようになっており、当該ポイントが所定値(1000ポイント)まで蓄積されると、CZ演出状態においてAT演出状態への移行が決定される確率(第2AT抽選または書き換え抽選の当選確率)を上昇させるか否か(どの程度上昇させるか)決定する抽選を実行し、当該抽選の結果に基づいて、AT演出状態への移行が決定される確率(第2AT抽選または書き換え抽選の当選確率)を上昇させるようになっている。
CZ演出状態が終了するまでにAT演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、CZ演出状態の終了後に演出状態をAT演出状態へ移行させる。一方、CZ演出状態が終了するまでにAT演出状態への移行が決定されなかった場合、CZ演出状態の終了後に、遊技区間制御手段80が遊技区間を非有利区間へ移行させ、演出状態制御手段81が演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。
AT演出状態においては、指示機能制御手段51は、打順ベルが当選すると、正解打順を報知する打順ナビ演出の実行を決定する。また、打順ナビ演出の実行が決定されると演出制御手段100は、液晶ディスプレイ13に正解打順を表示させる。そして、AT演出状態においては、打順ナビ演出に従って遊技を行うことでメダル(遊技価値)を増加させることが可能となっている。また、AT演出状態は、非有利区間演出状態、通常演出状態、前兆演出状態およびCZ演出状態よりも、打順ナビ演出が実行される頻度が高くこれらの演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。
通常AT演出状態では、打順ナビ演出の発生確率が、予め用意された複数の確率の中から設定(選択)されるようにされており、打順ベルの当選時には、設定された発生確率に応じて打順ナビ演出が実行される。なお、ナビの発生確率は、特典付与手段82が、例えば通常AT演出状態(AT演出状態)の開始時等の所定の契機で決定する。特典付与手段82は、通常AT演出状態中の遊技における内部抽選の結果等に応じて、ナビの発生確率を上昇させるか否かを決定する抽選等を行うこととしてもよい。
また、特典付与手段82は、通常AT演出状態において、内部抽選でリプレイまたは当選エリア「不当選」が当選した場合に、AT演出状態を終了させるか否か(ジャッジ演出状態へ移行させるか否か)を決定する抽選(転落抽選)を行う。転落抽選に当選すると、演出状態制御手段81は、演出状態をジャッジ演出状態へ移行させる。
また、通常AT演出状態においては、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて、特別AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(特別AT抽選)を行う。特別AT抽選に当選した場合、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT演出状態へ移行させる。
特別AT演出状態は、AT演出状態が開始されるときおよびAT演出状態において特別AT演出状態への移行条件が成立したときに移行する演出状態となっている。また、特別AT演出状態は、所定回数の打順ナビ演出が実行されるまで継続する演出状態となっている。特典付与手段82は、例えば、特別AT演出状態の開始時等の所定契機で、特別AT演出状態における打順ナビ演出の回数(初期値)を決定する抽選(ナビ回数決定抽選)を実行する。本実施形態では、ナビ回数決定抽選において、10回、15回または20回の中から特別AT演出状態における打順ナビ演出の回数が決定され、決定された回数が、特別AT演出状態の開始時に初期値として付与されるようになっている。また、本実施形態では、AT演出状態が開始されるときに開始される特別AT演出状態については、打順ナビ演出の初期値が20回に設定されるようになっている。
また、特別AT演出状態においては、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて、特別AT演出状態における打順ナビ演出の回数を増加させるか否かを決定する抽選(ナビ回数増加抽選)を実行し、ナビ回数増加抽選の結果に応じて、特別AT演出状態における打順ナビ演出の回数を増加させる。すなわち、特別AT演出状態は、初期値にナビ回数増加抽選で決定された回数を加算した合計回数の打順ナビ演出が実行されるまで継続する。また、演出状態制御手段81は、当該合計回数の打順ナビ演出が実行されると、演出状態を特別AT演出状態から通常AT演出状態へ移行させる。なお、特別AT演出状態においては、転落抽選が実行されない。換言すると、演出状態が特別AT演出状態となっている間は、AT演出状態が終了しないようになっている。
ジャッジ演出状態においては、特典付与手段82は、AT演出状態を継続させるか否か(AT演出状態に復帰させるか否か)を決定する抽選(復帰抽選)を実行する。具体的には、特典付与手段82は、内部抽選で打順ベル以外の当選エリアが当選した場合に、復帰抽選として、記憶手段60に設けられたストックカウンタ66の記憶値を増加させるか否かを決定する抽選(ストック抽選)を実行する。ストック抽選に当選すると、特典付与手段82は、ストックカウンタ66の記憶値を「1」増加させる。ここで、ストックカウンタ66は、AT演出状態の継続(AT演出状態への復帰)に係る値(継続可能回数:復帰可能回数)を記憶するカウンタであり、ストックカウンタ66の記憶値に相当する回数分、AT演出状態を継続(AT演出状態へ復帰)させることが可能となっている。ジャッジ演出状態において、ストックカウンタ66の記憶値が「1」以上の場合、指示機能制御手段51は、所定のリール20a~20cを所定の態様で停止させることが可能な状況において、所定のリール20a~20cを所定の態様で停止させることを指示する演出の実行を決定し、演出制御手段100は、当該決定に基づいて当該演出を液晶ディスプレイ13に実行させる。そして、当該演出が実行されると、特典付与手段82は、ストックカウンタ66の記憶値を「1」減少させる。また、当該演出が実行されると(あるいは当該演出に従って停止操作がなされると)、演出状態制御手段81は、演出状態を特別AT演出状態に移行させる。したがって、ストックカウンタ66は、特別AT演出状態へ移行可能な回数を記憶しているともいえる。
また、ジャッジ演出状態において、内部抽選で打順ベルが当選した場合であって、正解小役(15枚役)が入賞した場合、特典付与手段82はAT演出状態への復帰を決定し、演出状態制御手段81は、当該決定に基づき演出状態を特別AT演出状態に移行させる。また、ジャッジ演出状態においては、打順ベルが当選した場合に、打順ナビ演出は実行されないようになっている。ジャッジ演出状態において、打順ベルが当選した場合に、打順ナビ演出が実行されることとしてもよいが、通常AT演出状態および特別AT演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される頻度が低く設定されることとしてもよい。なお、ジャッジ演出状態は、打順ナビ演出が全く行われないようにされていてもよい。
ジャッジ演出状態において、復帰抽選(ストック抽選)に当選せず、かつ、打順ベル当選からの正解小役の入賞もしなかった場合に、特典付与手段82は、特殊演出状態への移行の可否を決定する抽選(特殊抽選)を実行する。特殊抽選に当選した場合、演出状態制御手段81は、演出状態を特殊演出状態へ移行させる。一方、特殊抽選に当選しなかった場合、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間へ移行させ、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。
特殊演出状態は、実行される遊技の回数が設定されており、規定回数(6回)の遊技が実行されると終了するようになっている。また、特殊演出状態の開始時には、特典付与手段82が、特別演出状態への移行の可否を決定する抽選(特別抽選)を行い、特別抽選に当選した場合に、特殊演出状態における所定回数の遊技の実行後(特殊演出状態の終了後)に演出状態を特別演出状態へ移行させることを決定する。また、特別抽選に当選しなかった場合であっても、特殊演出状態においては、特典付与手段82は、毎遊技、特別抽選の結果を書き換える抽選(特別書き換え抽選)を実行し、特別書き換え抽選に当選した場合に、特殊演出状態における所定回数の遊技の実行後(特殊演出状態の終了後)に演出状態を特別演出状態へ移行させることを決定する。また、特別書き換え抽選の当選期待度は、内部抽選の結果に応じて異なっており、当選確率が高い方から順に、当選エリア「強チェリー」、「スイカ」、「弱チェリー」、その他の当選エリアとなるように設定されている。なお、特別抽選において特別演出状態への移行が決定された場合に、特別書き換え抽選によって、当該決定が取り消されることはない。すなわち、特別書き換え抽選によって、特別抽選や以前の特別書き換え抽選の抽選結果が遊技者に不利なものに書き換えられることはないようにされている。
特殊演出状態が終了するまでに特別演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、特殊演出状態の終了後に演出状態を特別演出状態へ移行させる。一方、特殊演出状態が終了するまでに特別演出状態への移行が決定されなかった場合、特殊演出状態の終了後に、遊技区間制御手段80が遊技区間を非有利区間へ移行させ、演出状態制御手段81が演出状態を非有利区間演出状態へ移行させる。
特別演出状態は、実行される打順ナビ演出の回数が設定されており、規定回数(30回)の打順ナビ演出が実行されると終了するようになっている。また、特別演出状態においては、特典付与手段82は、内部抽選の結果に応じて、ストック抽選を実行する。そして、ストック抽選に当選すると、特典付与手段82は、ストックカウンタ66の記憶値を「1」増加させる。また、特別演出状態において、規定回数の打順ナビ演出状態が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常AT演出状態へ移行させる。
なお、通常AT演出状態において、所定の条件が成立した場合(例えば、リール20a~20cを所定の態様で停止させることが可能な状況において、指示機能制御手段51が、リール20a~20cを所定の態様で停止させることを指示する演出を実行した場合(あるいは当該演出に従って停止操作がなされた場合))にも、演出状態制御手段81は、演出状態を特別演出状態へ移行させる。
なお、AT演出状態への移行が確定せずにCZ演出状態が終了する場合や、ジャッジ演出状態から特別AT演出状態または特殊演出状態に移行せずAT演出状態(ジャッジ演出状態)が終了する場合や、特殊演出状態から特別演出状態に移行せずAT演出状態(特殊演出状態)が終了する場合等において、有利区間が終了しない場合があってもよい。また、例えば、これらの場合に有利区間を終了させるか否かは、抽選に基づいて決定することとしてもよい。具体的には、例えば、CZ演出状態またはAT演出状態(ジャッジ演出状態もしくは特殊演出状態)が終了する際に、有利区間を継続させるか否かを決定する抽選を行い、有利区間を終了させるか否かを決定することとしてもよい。また、例えば、有利区間が開始される際に、次のCZ演出状態がAT演出状態への移行が確定せずに終了する場合に有利区間を継続させるか否かを決定する抽選を行い、有利区間を終了させるか否かを決定することとしてもよい。また、例えば、CZ演出状態やAT演出状態が終了するまでの遊技回数と、有利区間において実行可能な遊技の回数とに基づいて決定することとしてもよい。例えば、「(有利区間における遊技回数の上限値)―(有利区間において実行された遊技回数)」が所定値未満の場合に有利区間が継続し得ることとし、所定値以上の場合に有利区間が継続しないこととしてもよいし、これから次回のCZ演出状態またはAT演出状態までに実行される遊技回数の予測値が所定値未満の場合に有利区間が継続し得ることとし、所定値以上の場合に有利区間が継続しないこととしてもよい。また、ここで挙げた要素の複数に基づいて、有利区間を終了させるか否かを決定することとしてもよい。
なお、本実施形態の遊技機では、AT演出状態の継続を、転落抽選に基づいて管理しているが、AT演出状態における遊技回数(通常AT演出状態のセット数)、AT演出状態において獲得したメダルの枚数、AT演出状態において獲得したメダルの差枚数、あるいは打順ナビ演出の回数等に基づいて管理してもよい。
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が非有利区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、ストックカウンタ66の記憶値および指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、打順ベルが当選すると、正解打順を報知して15枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。打順ベルが当選し、指示演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず15枚役が入賞して15枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、指示演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
本実施形態の遊技機では、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、メダルの投入数が3枚で遊技が行われる場合には指示機能に係る抽選(CZ抽選やAT抽選等のAT演出状態への移行に係る抽選等)や、打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合には、指示機能に係る抽選や打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。また、指示機能制御手段51(演出制御手段100)は、遊技状態がRBB内部中状態Aである場合には、指示機能に係る抽選や打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行うが、遊技状態が一般中状態、RBB内部中状態B、RBB作動中状態AまたはRBB作動中状態Bである場合には指示機能に係る抽選や打順ナビ演出等の指示機能に係る処理を行わないようになっている。すなわち、本実施形態の遊技機では、遊技状態がRBB内部中状態Aであって、かつメダルの投入数が3枚で遊技が行われる場合にのみ指示機能に係る抽選や打順ナビ演出等の指示機能に係る処理が実行されるようになっており、他の遊技状態および投入数では、当該処理が実行されないようになっている。換言すると、RBB作動中状態Aにおいては、メダルの投入数が2枚で行われる遊技は、メダルの投入数が3枚で行われる遊技に比べ、指示機能(指示演出)に係る性能(メダルの獲得に対する期待度)が低くなっている。さらに換言すると、メダルの投入数が2枚で行われる遊技は、メダルの投入数が3枚で行われる遊技に比べ、指示演出に基づくメダルの獲得に対する期待度が低くなっている。
また、本実施形態の遊技機では、メダルの投入数を3枚として遊技が行われる場合には打順ナビ演出が実行され得るが、メダルの投入数を2枚として遊技が行われる場合には打順ナビ演出が実行されないようになっている。なお、本実施形態の遊技機では、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合には、打順ベルに当選しないので、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合に打順ナビ演出が実行されることはないが、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合に打順ベルに当選し得る構成であったとしても、メダルの投入数を2枚として遊技が行われる場合には打順ナビ演出を実行しないこととしてもよい。
なお、メダルの投入数を2枚として行われる遊技において、指示機能に係る処理が行われることがあってもよい。ただし、その場合であっても、メダルの投入数を3枚として行われる遊技に比べて指示演出に関する性能が低くなっているものとする。指示演出に関する性能が低くなっているとは、例えば指示機能に係る処理をAT抽選とする場合、AT抽選が実行される頻度が低くなっていることや、AT抽選が実行される頻度は同一であるがその当選確率が低くなっていること等がある。
液晶ディスプレイ13は、その表示面に演出画像を表示させることにより、演出を実行する。また、液晶ディスプレイ13に表示される演出画像は、描画素材(素材画像)が配置された複数のレイヤを重ね合せて形成された合成画像となっている。図14は、各演出に対応する描画素材が配置されるレイヤの概念を示す図である。
液晶ディスプレイ13に表示される演出画面は、例えば1秒間が30コマ(以下、フレームという)で構成されている(いわゆる30fpsのフレームレート)。したがって、例えば1分間の長さを持った演出パターンの場合、その演出画面は全体で60秒×30フレームの計1800フレームにより成り立っている。図14には、その最小単位に当たる1つのフレームを構成するレイヤ構造が示されている。
各フレームの実体は、複数の描画素材が重ね合わせられた1つの合成画像である。各フレーム内には仮想的な透明のレイヤがN枚存在し、1枚のレイヤに1個の描画素材が配置される。重ね合わせられる個々の描画素材には優先度が設定されており、優先度のより低い描画素材が下位のレイヤに配置され、優先度のより高い描画素材が上位のレイヤに配置される。なお、各フレームを成す合成画像は、N枚全てのレイヤに描画素材を配置することにより最大N個の描画素材を重ね合わせて構成することが可能であるが、演出の内容に応じて各合成画像を構成する描画素材の数は変動し、必ずしもN個の描画素材から構成されるものではない。また、合成画像を構成する描画素材がN個に満たない場合に、レイヤが必ずしも空き番なく下位から詰めて使用されるとは限らず、フレーム画像の合成処理における効率等を考慮してレイヤが使用されるため、不使用のレイヤが中間部分に適宜発生し得る。
1つのフレームを描画する際には、優先度の低い描画素材から1つずつ順に相応のレイヤに描画される。例えば、1つのフレームが5個の描画素材で構成される場合には、まず優先度が最も低い(優先順位5位の)描画素材が最も下位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。次に優先度が2番目に低い(優先順位4位の)描画素材が、優先順位5位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。このようにして優先度に従い描画素材が次々と描画されていき、最後に優先度が最も高い(優先順位1位の)描画素材が優先順位2位の描画素材が描画されたレイヤよりも上位のレイヤに配されて所定の位置に描画される。全ての描画素材を各レイヤに描画し終えた段階で、これらのレイヤを上位側(前面側)からみた合成画像が、そのフレームに対応する合成画像として液晶ディスプレイ13に表示される。換言すると、合成画像を液晶ディスプレイ13で見た場合、下位のレイヤに配置された描画素材は、上位のレイヤに配置された描画素材に覆われた状態となる。さらに換言すると、上位側のレイヤほど、液晶ディスプレイ13における表示上の優先度が高いといえる。
なお、各合成画像の描画処理は、サブ側記憶手段92のVRAM内の1領域であるフレームバッファを用いて実行され、演出制御手段100(後述するデバイス管理手段201)が、フレームバッファで描画を行う。新たな描画素材を上位のレイヤに描画することは、新たな描画素材をフレームバッファにバッファされた画像の上に重ねて描画することを意味する。あるフレームを構成する描画素材を優先度の低い方から順にフレームバッファに描画していき、全ての描画素材を描画し終えると、フレームバッファ上に完成した合成画像が当該フレームの画像として液晶ディスプレイ13に表示されることとなる。なお、描画素材は、サブ側記憶手段92の描画素材記憶領域(ROM)に記憶されている。
優先度の低い描画素材は、その上から優先度のより高い描画素材が重ねて描画されることにより、その一部又は全部が視認できない場合がある。ただし、各描画素材には透明度の設定が可能であり、上位に重ねられる描画素材に設定された透明度が0(完全に不透明)でない場合はこの限りではなく、透明度の度合いに応じてその下位側に隠れた描画素材の存在をフレーム画像で視認できる場合もある。
演出制御手段100は、サブ制御基板32(演出サブ制御手段90)の備える状態管理手段(演出決定手段)200とデバイス管理手段(演出実行手段)201とを有している(図11参照)。状態管理手段200は、メイン制御基板31(演出メイン制御手段52)からの情報(コマンド)に基づいて、演出に関する抽選等を行い、演出を決定する。そして、状態管理手段200は、決定した演出を実行させるように、デバイス管理手段201に演出コマンド(演出メッセージ)を送信する。デバイス管理手段201は、状態管理手段200から送信された演出コマンドに基づいて、液晶ディスプレイ13等の演出装置を制御し、演出装置に演出を実行させる。なお、状態管理手段200が演出状態を管理してもよい。なお、演出コマンドは、演出装置に演出を実行させるためのコマンドであり、コマンドの送信契機(送信条件)と関連付けて、サブ側記憶手段92のコマンド記憶領域(ROM)に予め記憶されている。
より詳細には、状態管理手段200は、状態管理を行い、メイン制御基板31から送信されたコマンドを解読し、そのコマンドに対応する演出パターン(演出の一連の流れを示す内容)(演出内容)を決定するとともに、この演出パターンに対応する演出コマンドを決定(生成)して、オペレーションバッファに追加する。ここで、演出コマンドには、デバイス管理手段201への出力タイミング、および、各デバイス(液晶ディスプレイ13、スピーカ14、その他の演出装置)の動作パターンが示されている。本実施形態の演出コマンドには、各操作契機でどのような演出(動き)をするかを指示するパターンがある。また、状態管理手段200は、演出コマンドの出力タイミングを管理する時間管理モジュールとしても機能し、オペレーションバッファに蓄積された各演出コマンドを、その出力タイミングに応じてデバイス管理手段201に送信する。すなわち、状態管理手段200は、オペレーションバッファを介してデバイス管理手段201に演出コマンドを送信するようになっている。デバイス管理手段201は、デバイス(演出装置)を管理し、受信した演出コマンドに基づいて演出装置に演出を実行させる。具体的には、例えば、デバイス管理手段201は、オペレーションバッファから受信した演出コマンドに基づいて、所定の演出パターンを実行するための画像データを、サブ側記憶手段92のROMからフレームバッファ(VRAM)に読み出し、画像データを、順次、液晶ディスプレイ13に出力する。また、例えば、デバイス管理手段201は、オペレーションバッファから受信した演出コマンドに基づいて所定の演出パターンを実行するように演出用の照明装置の点灯/消灯を制御する。また、例えば、デバイス管理手段201は、オペレーションバッファから受信した演出コマンドに基づいて、所定の演出パターンを実行するための楽曲データをサブ側記憶手段92のROMから読み出し、楽曲データを、順次、スピーカに出力する。
さらに、サブ制御基板32には、演出用のボタン(演出操作装置)が押下操作されたことを示す検出信号が入力される。演出操作装置から検出信号が入力されると、その旨が、状態管理手段200に伝達され、状態管理手段200は、かかる検出信号の入力に応じて、液晶ディスプレイ13に画像を表示する等、さまざまな演出を決定する。かかる状態管理手段200およびデバイス管理手段201が実行する処理は、いずれも割込に応じた処理(割込処理)であり、デバイスそれぞれに対応付けられた割込タイミングで実行される。
なお、ここでは、状態管理手段200、デバイス管理手段201およびサブ側記憶手段92等の一連の機能部が、SoC(System-on-a-Chip)として1個の集積回路に集積されている。ただし、かかるSoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。また、状態管理手段200、デバイス管理手段201およびサブ側記憶手段92等の各機能部がそれぞれ異なる集積回路として集積され、電気的に接続されていることとしてもよい。
本実施形態では、液晶ディスプレイ13に表示させる背景画像として通常ステージ画像および前兆ステージ画像を含む複数種類の画像が用意されている。そして、演出制御手段100は、通常演出状態では背景画像として通常ステージ画像を液晶ディスプレイ13に表示させ、前兆演出状態では背景画像として前兆ステージ画像を液晶ディスプレイ13に表示させる。また、本実施形態では、液晶ディスプレイ13に表示させる画像であって、背景画像よりも前面側(上位のレイヤ)に配置される画像として、前面側画像が用意されている。前面側画像は、例えば、背景画像を徐々に覆い隠していくような靄や炎等の画像や、背景画像の前面側で開閉する扉やカーテン等の画像等であってもよい。なお、前面側画像は、第4の実施の形態で説明したエフェクトデータであってもよい。
以下では、通常ステージ画像として、図15(a)に示すような家とキャラクタ(昼の街中の風景)が描写された背景画像が用意されており、前兆ステージ画像として、図15(b)に示すような木と夜空(夜の森の風景)が描写された背景画像が用意されており、各背景画像が配置されるレイヤよりも上位のレイヤに配置される前面側画像として、図15(c)に示すような靄の画像が用意されており、通常ステージ画像と前面側画像とが合成されることで、図15(d)に示すような合成画像が表示され、前兆ステージ画像と前面側画像とが合成されることで、図15(e)に示すような合成画像が表示されるものとして説明をする。なお、通常ステージ画像が配置されるレイヤと、前兆ステージ画像が配置されるレイヤとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。また、通常ステージ画像、前兆ステージ画像または前面側画像はそれぞれ、複数の描画素材によって(複数のレイヤに跨って)構成されてもよい。すなわち、前面側画像は、前面側画像が配置されるレイヤよりも下位のレイヤの画像に重ね合わせられるが、ここでいう下位のレイヤの画像とは、前面側画像が配置されるレイヤよりも下位の複数の(全ての)レイヤの描画素材を合成した合成画像ともいえるし、前面側画像が配置されるレイヤよりも下位の特定の(単一の)レイヤの描画素材ともいえる。
ここで、通常演出状態から前兆演出状態へ移行する際の演出について説明する。図16に、当該演出における液晶ディスプレイ13の表示を示す。
通常演出状態においては、演出制御手段100は、図16(a)に示すように、通常ステージ画像を液晶ディスプレイ13に表示させている。また、演出状態を通常演出状態から前兆演出状態へ移行させることが決定されると、通常演出状態における所定の遊技(例えば、前兆演出状態への移行が確定した遊技)において、演出制御手段100は、図16(b)に示すように、通常ステージ画像の前面側に、通常ステージ画像(通常ステージ画像の一部)を覆い隠すようにして表示される前面側画像を表示させる。また、演出状態を通常演出状態から前兆演出状態へ移行させることが決定されると、所定の遊技(例えば、通常演出状態から前兆演出状態へ移行させる遊技)において、演出制御手段100は、第3停止操作を契機として、液晶ディスプレイ13の表示領域に占める前面側画像の割合を大きくしていき、第3停止操作から所定期間が経過すると、図16(c)に示すように、通常ステージ画像の全体が前面側画像に覆い隠されるような表示を液晶ディスプレイ13に実行させる。すなわち、通常演出状態から前兆演出状態へ移行する際には、所定の遊技において第3停止操作が実行されてから所定の期間が経過すると、前面側画像が液晶ディスプレイ13の表示領域の全体を覆い、通常ステージ画像の全体を覆い隠すようにされている。
なお、前面側画像の表示が開始される遊技(図16(a)に示す状態から図16(b)に示す状態となる遊技)は、第3停止操作が実行されてから所定の期間経過後に前面側画像が液晶ディスプレイ13の表示領域の全体を覆った状態となる遊技(図16(b)に示す状態から図16(c)に示す状態となる遊技)と同じ遊技であってもよく、それよりも前の遊技であってもよい。また、前面側画像の表示の開始は、遊技の開始に係る操作を契機として実行されてもよい。
通常ステージ画像の全体が前面側画像に覆い隠されると(第3停止操作から所定期間が経過すると)、演出制御手段100は、前面側画像が配置されているレイヤよりも下位のレイヤ(例えば、通常ステージ画像が配置されていたレイヤ)に前兆ステージ画像を描画(配置)する。すなわち、演出制御手段100は、通常ステージ画像や前兆ステージ画像等の背景画像が配置されるレイヤよりも上位のレイヤに前面側画像が配置され、通常ステージ画像や前兆ステージ画像等の背景画像が前面側画像に覆い隠されている状態において、前面側画像の背面側で背景画像を通常ステージ画像から前兆ステージ画像に切り替える処理を実行する。このとき、液晶ディスプレイ13の表示は、図16(c)のようになる。
なお、本実施形態では、第3停止操作が実行されてから所定の期間が経過すると、通常ステージ画像の全体が前面側画像に覆い隠され、この状態において背面側で通常ステージ画像から前兆ステージ画像への切り替えが実行されることとしているが、第3停止操作が実行されてから所定の期間が経過すると、通常ステージ画像の全体ではなく少なくとも一部(例えば特徴部(遊技者に対して隠したい部分))が前面側画像に覆い隠され、この状態において通常ステージ画像から前兆ステージ画像への切り替えが実行されることとしてもよい。
また、演出制御手段100は、背景画像を通常ステージ画像から前兆ステージ画像に切り替えると、前面側画像の表示を終了する。これにより、図16(e)に示すように液晶ディスプレイ13に前兆ステージ画像が表示される。すなわち、遊技者からの見た目としては、通常ステージ画像が前面側画像によって段々覆われ、通常ステージ画像の全体が前面側画像に覆われた後に、前面側画像が消えると前兆ステージ画像が現れるといった表示となる。また、このように、通常ステージ画像が前面側画像によって段々覆われ、通常ステージ画像の全体が前面側画像に覆われた後に、前面側画像が消えると前兆ステージ画像が現れる一連の表示は、所定の遊技における第3停止操作を契機として実行される。
なお、前面側画像の表示を終了する際には、背景画像の前面側を覆っていた前面側画像を一気に消去してもよく、前面側画像の背景画像(前兆ステージ画像)を覆う範囲が徐々に縮小するようにしてもよい。すなわち、背景画像(通常ステージ画像または前兆ステージ画像)の全体を覆っていた前面側画像の表示を終了し、図16(e)に示すような背景画像(前兆ステージ画像)の全体が現れた表示をする前に、図16(d)に示すような背景画像(前兆ステージ画像)の一部が前面側画像に覆い隠された表示を介してもよく、介さなくてもよい
また、演出制御手段100は、第3停止操作を契機として背景画像が通常ステージ画像から前兆ステージ画像に切り換えられる予定であった遊技において背景画像が切り替えられる前に、次遊技を開始するためのスタートレバー24に対する操作が行われると、当該スタートレバー24に対する操作を契機として、前面側画像の表示を終了するとともに、背景画像を通常ステージ画像から前兆ステージ画像に切り替える。なお、前兆演出状態での遊技は、例えば、当該次遊技から行われることとしてもよい。
なお、当該次遊技において、前面側画像の表示を終了する際には、背景画像の前面側を覆っていた前面側画像を一気に消去することが好ましい。すなわち、前遊技において前面側画像の表示を終了する場合に、前面側画像の背景画像(前兆ステージ画像)を覆う範囲が徐々に縮小するように構成した場合であっても、当該次遊技において前面側画像の表示を終了する場合には、前面側画像が一気に消えるようにすることが好ましい。図16を参照して説明すると、例えば、第3停止操作を契機として前面側画像の表示を終了する場合には図16(c)の状態から図16(d)の状態を介して図16(e)の状態とする一方、図16(b)の状態において次遊技を開始するためのスタートレバー24に対する操作が行われると、図16(b)の状態から瞬時に(図16(c)の状態や図16(d)の状態を介さず)図16(e)の状態とすることとしてもよい。換言すると、当該次遊技において、スタートレバー24が操作されてから前面側画像が全て消えるまでの期間は、前遊技において前兆ステージ画像が描画されてから前面側画像が全て消えるまでの期間よりも短いことが好ましい。
次に、通常演出状態から前兆演出状態へ移行する際の演出に係る、演出制御手段100(状態管理手段200およびデバイス管理手段201)による制御についてより詳細に説明する。
デバイス管理手段201は、通常演出状態において、通常ステージ画像を液晶ディスプレイ13に表示させている。メイン制御基板31からのコマンドによって前兆演出状態への移行が知らされると、状態管理手段200は、通常演出状態から前兆演出状態への移行に係る演出パターンを決定し(図16(b)~図16(e)の表示を実行することを決定し)、デバイス管理手段201は、決定された演出パターンに基づいて液晶ディスプレイ13等の演出装置に演出を実行させる。
具体的には、状態管理手段200は、通常演出状態から前兆演出状態への移行の報知に基づいて、通常演出状態から前兆演出状態への移行に係る演出パターンを決定すると、下記(1)~(5)の演出コマンドをデバイス管理手段201に向けて送信する。
(1)第3停止操作から所定期間経過後(所定期間経過時)に前兆ステージ画像を所定のレイヤに描画(配置)することを指示する演出コマンド
(2)第3停止操作を契機として、通常ステージ画像を徐々に覆い隠す前面側画像を、通常ステージ画像が配置されるレイヤおよび前兆ステージ画像が配置されるレイヤよりも上位のレイヤに描画することを指示する演出コマンド
(3)(1)の所定時間経過以降(前兆ステージ画像描画以降)に、前面側画像を消し(前面側画像の表示を止め)、前兆ステージ画像が現れるようにすることを指示する演出コマンド
(4)(1)の第3停止操作が実行される遊技の次遊技を開始させるスタートレバー24に対する操作を契機として、前兆ステージ画像を所定のレイヤに描画(配置)することを指示する演出コマンド
(5)(1)の第3停止操作が実行される遊技の次遊技を開始させるスタートレバー24に対する操作を契機として、前面側画像を消去する(前面側画像の表示を止める)ことを指示する演出コマンド
そして、デバイス管理手段201が、(1)~(5)の演出コマンドに基づいて液晶ディスプレイ13等の演出装置を制御することで決定された演出パターンでの演出(図16に示す表示をする演出)が実行される。具体的には、デバイス管理手段201は、(1)~(5)の演出コマンドに基づいて、フレームバッファへの描画を行い、合成画像を液晶ディスプレイ13に表示させる。
なお、各演出コマンドは、(1)~(5)で説明した事項そのものを指示するものでなくてもよく、液晶ディスプレイ13の表示が結果として所望の表示となるものであればよい。例えば、(1)の演出コマンドは、単に前兆ステージ画像を描画することを指示する演出コマンドであり、第3停止操作から所定期間経過後(所定期間経過時)に状態管理手段200からデバイス管理手段201に送られ、(1)の演出コマンドを受信したデバイス管理手段201において、適切なレイヤを判断し前兆ステージ画像を描画することとしてもよい。また、各演出コマンドは、それぞれ個別の演出コマンドでなくてもよく複数の演出コマンドをまとめた1つの演出コマンドとして送受信されるようになっていてもよく、より細分化された複数の演出コマンドとして送受信されるようになっていてもよい。例えば、(4)の演出コマンドと(5)の演出コマンドとが1つの演出コマンドとして送受信され、デバイス管理手段201は、当該演出コマンドを受信した場合に、前兆ステージ画像の描画と前面側画像の消去とを行うこととしてもよい。
なお、本実施形態では、演出コマンドは、オペレーションバッファを介して状態管理手段200からデバイス管理手段201に送信されるようになっているが、状態管理手段200が、(1)~(5)の演出コマンドそれぞれをオペレーションバッファに追加するタイミングは、目的に応じて適宜設計すればよい。例えば、(1)~(3)の演出コマンドに基づく表示を行う予定の遊技において、第3停止操作の実行前に(1)~(5)の演出コマンドを全てオペレーションバッファに格納し、状態管理手段200(時間管理モジュール)は、オペレーションバッファに格納された各演出コマンドを、所定のタイミングでデバイス管理手段201に送信することとしてもよい。また、例えば、(1)~(3)の演出コマンドに基づく表示を行う予定の遊技において、第3停止操作が実行されたことを契機として(1)~(3)の演出コマンドをオペレーションバッファに格納するとともに、次遊技のスタートレバー24が操作されたことを契機として(4)、(5)の演出コマンドをオペレーションバッファに格納することとし、格納された演出コマンドをデバイス管理手段201が受信することとしてもよい。
(4)、(5)の演出コマンドは、第3停止操作が行われてから次遊技の開始に係る操作が行われるまでの期間が短かった場合に対処するためのものである。すなわち、(1)~(3)の演出コマンドに係る処理は、第3停止操作を契機として実行されるものであるが、実行されるまでに所定の期間を要するため、実行される前に次遊技の開始操作が行われてしまう可能性がある。そして、この場合、本来であれば(第3停止操作後、所定の期間が経過した場合であれば)前兆ステージ画像に切り替わっているはずの背景画像が通常ステージ画像のままとなっている状態や、本来であれば消えているはずの前面側画像が表示されている状態で次遊技が開始されるおそれがある。すなわち、図17(a)に示すように、例えば、(1)の演出コマンドに基づく前兆ステージ画像の描画は、第3停止操作が実行されてから所定期間Tの経過後に実行されるところ、所定期間Tの経過前にスタートレバー24が操作されると、背景画像が通常ステージ画像のまま次遊技が開始されるおそれがある。しかし、本実施形態の遊技機によれば、(4)、(5)の演出コマンドが送信されることにより、背景画像が通常ステージ画像のままとなっている状態や前面側画像が表示されている状態で遊技が開始された場合に、図17(b)に示すように、強制的に背景画像を前兆ステージ画像としたり前面側画像を消去したりすることができる。したがって、第3停止操作が行われてから次遊技の開始に係る操作が行われるまでの期間が短かった場合であっても、当該次遊技における液晶ディスプレイ13の表示を正しいものとすることができる。
ここで、デバイス管理手段201が(1)~(5)の演出コマンドに従って液晶ディスプレイ13に演出を実行させる場合に生じ得る問題について説明する。(1)~(3)の演出コマンドに係る処理は、第3停止操作を契機として実行されるものであるため、第3停止操作が実行されてから所定の期間が経過すると、液晶ディスプレイ13の表示は、前面側画像が消え、前兆ステージ画像が表示されたものとなる(図16(e)参照)。この状態において次遊技の遊技開始操作が実行され、(4)の演出コマンドに基づいて前兆ステージ画像の描画を行ってしまうと、前兆ステージ画像を再描画することとなり、液晶ディスプレイ13の表示がちらつく等して、表示に不具合が生じたように見えてしまうおそれがある。本実施形態では、このように不具合のように見えてしまうことが防止されている。このための演出制御手段100による制御について図18、図19を参照しながら説明する。なお、図18に示す制御は、所定の1遊技内(所定の遊技を開始させるスタートレバー24に対する操作が実行されてから、次遊技を開始させるスタートレバー24に対する操作が実行されるまでの間)において実行される制御であり、図19に示す制御は、当該所定の遊技の次遊技において実行される制御である。
まず、図18に示すように、前兆演出状態への移行が決定されると、演出制御手段100は、通常演出状態から前兆演出状態への移行に係る演出の実行を決定する(ステップS1)。換言すると、演出制御手段100は、図16(b)~図16(e)の表示を実行することを決定する。さらに換言すると、演出制御手段100は、(1)~(5)の演出コマンドを生成し、当該演出コマンドに基づいて演出を実行することを決定する。
次いで、演出制御手段100は、第3停止操作から所定期間Tが経過したか否かを判定する(ステップS2)。
第3停止操作から所定期間Tが経過したと判定した場合(ステップS2でYES)、演出制御手段100は、前兆ステージ画像を所定のレイヤに描画する(ステップS3)。
次いで、演出制御手段100は、特定フラグをON状態に設定する(ステップS4)。この特定フラグをON状態に設定する処理は、演出制御手段100のデバイス管理手段201が実行する。すなわち、本実施形態の遊技機では、デバイス管理手段201は、(1)の演出コマンドに基づく前兆ステージ画像の描画が完了すると、サブ側記憶手段92に設けられた特定フラグ記憶手段67に記憶されるフラグ(特定フラグ)を、前兆ステージ画像の描画処理(表示処理)がまだ行われていないことを示すOFF状態から前兆ステージ画像の描画処理(表示処理)が行われたことを示すON状態に設定する。具体的には、デバイス管理手段201は、(1)の演出コマンドが送信される遊技において、第3停止操作から所定期間Tが経過した場合に、前兆ステージ画像の描画処理が完了したものとして、特定フラグをON状態に設定するようになっている。なお、デバイス管理手段201は、実際に前兆ステージ画像の描画処理を実行したか否かや、実際に前兆ステージ画像が表示されているか否か等を判定し、特定フラグをON状態に設定することとしてもよい。
なお、本実施形態の遊技機では、通常演出状態から前兆演出状態への移行に係る演出の実行が決定された場合において(図18に示す制御が実行される遊技において)、第3停止操作がされてから所定期間Tが経過する前に次遊技が開始された場合(スタートレバー24が操作された場合)、ステップS3、S4の処理は実行されないようにされている。換言すると、第3停止操作がされてから所定期間Tが経過する前に次遊技が開始された場合、(1)の演出コマンドに基づく前兆ステージ画像の描画と、特定フラグのON状態への設定とは実行しないようにされている。ただし、第3停止操作がされてから所定期間Tが経過する前に次遊技が開始された場合であっても、ステップS3、S4の処理が実行されることとしてもよい。
次に、図18に示す制御が実行される遊技の次遊技における制御を図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。
演出制御手段100は、当該次遊技の遊技開始操作が実行されると、特定フラグの状態を確認する(ステップS11)。
特定フラグがOFF状態の場合(ステップS11でNO)、演出制御手段100は、前兆ステージ画像を所定のレイヤに描画する(ステップS12)。一方、特定フラグがON状態の場合(ステップS11でYES)、演出制御手段100は、当該次遊技の遊技開始操作に基づく前兆ステージ画像の描画を行わない。
ここで、図19に示す制御をより具体的に説明する。デバイス管理手段201は、(4)の演出コマンドを受信すると、特定フラグの状態を確認し、特定フラグがOFF状態であれば、当該演出コマンドに基づいて、スタートレバー24に対する操作を契機として、前兆ステージ画像を所定のレイヤに描画し、液晶ディスプレイ13に表示させる。換言すると、デバイス管理手段201は、特定フラグがOFF状態の場合、(4)の演出コマンドに基づく前兆ステージ画像の描画(表示)を行う。
一方、デバイス管理手段201は、(4)の演出コマンドを受信し、特定フラグがON状態であった場合、当該演出コマンドを破棄する。換言すると、デバイス管理手段201は、特定フラグがON状態の場合、(4)の演出コマンドに基づく前兆ステージ画像の描画(表示)を行わない。
すなわち、本実施形態では、(1)の演出コマンドに基づく第3停止操作を契機とした前兆ステージ画像の描画(表示)が行われる前にスタートレバー24に対する遊技開始操作が行われた場合、(4)の演出コマンドに基づくスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機とした前兆ステージ画像の描画(表示)が行われるようにされている。一方、(1)の演出コマンドに基づく第3停止操作を契機とした前兆ステージ画像の描画(表示)が行われた後にスタートレバー24に対する遊技開始操作が行われた場合、(4)の演出コマンドに基づくスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機とした前兆ステージ画像の描画(表示)が行われないようにされている。
なお、本実施形態では、デバイス管理手段201が、(4)の演出コマンドを受信した場合に特定フラグの状態を確認し、特定フラグの状態に応じて前兆ステージ画像の描画(表示)を行うか否かを決定することとしたが、本構成に限らず、前兆ステージ画像の描画(表示)が既に行われたか否かに応じて前兆ステージ画像の描画(表示)を行うか否かを制御可能な構成となっていればよい。例えば、状態管理手段200が(4)の演出コマンドをデバイス管理手段201に向けて送信するタイミングを、(1)の演出コマンドに基づく前兆ステージ画像の描画(表示)が実行された後の所定のタイミングとし、状態管理手段200が、当該タイミングにおいて特定フラグの状態に応じて(4)の演出コマンドを送信するか否か(遊技開始操作に基づく前兆ステージ画像の描画(表示)を指示するか否か)を決定することとしてもよい。また、例えば、特定フラグを用意せずに、第3停止操作が行われてからの経過時間を計測可能なタイマを設け、次遊技のスタートレバー24に対する操作が行われた時の、当該タイマの示す経過時間が所定時間以上か未満かに応じて前兆ステージ画像の描画(表示)を行うか否かを決定することとしてもよい。
また、本実施形態では、演出制御手段100は、(4)の演出コマンドに基づくスタートレバー24に対する遊技開始操作を契機とした前兆ステージ画像の描画(表示)とともに、(5)の演出コマンドに基づくスタートレバー24に対する操作を契機とした前面側画像の消去を行う。なお、(5)の演出コマンドに基づくスタートレバー24に対する操作を契機とした前面側画像の消去は、ステップS12の処理を行った場合に(ステップS11でNOの場合)に行うこととしてもよく、ステップS11でYESの場合においても行うこととしてもよい。
なお、本実施形態では、(4)の演出コマンドに基づく前兆ステージ画像の描画および(5)の演出コマンドに基づく前面側画像の消去は、スタートレバー24に対する次遊技を開始させる操作を契機として実行することとしたが、その他の遊技の開始に係る操作に基づいて実行するものであってもよい。ここで、遊技の開始に係る操作とは、スタートレバー24に対する遊技開始操作、メダルをベットするためのベットボタン23に対する操作、メダルをベットするためにメダル投入口22にメダルを投入する操作等が含まれる。
本実施形態の遊技機は、画像を表示する表示手段13と、表示手段13における画像の表示に関する制御を実行する演出制御手段100と、を備え、演出制御手段100は、所定の遊技において、複数のリール20a~20cのうち最後に停止させるリールについての操作(第3停止操作)が実行されてから所定期間経過後に表示手段13に特定画像(前兆ステージ画像)を表示させる第1の制御と、所定の遊技の次遊技において、遊技の開始に係る操作を契機として表示手段13に特定画像(前兆ステージ画像)を表示させる第2の制御と、を実行可能であり、前記所定の遊技において、第1の制御に基づく特定画像(前兆ステージ画像)の表示がされた場合、次遊技において、第2の制御を実行しない。
また、本実施形態の遊技機は、複数のレイヤを重ね合わせて構成される画像を表示する表示手段13と、表示手段13における画像の表示に関する制御を実行する演出制御手段100と、第1の制御に基づく特定画像(前兆ステージ画像)の描画が実行されたか否かを判別可能な情報(特定フラグ)を記憶する情報記憶手段(特定フラグ記憶手段67)と、を備え、演出制御手段100は、所定の遊技において、複数のリール20a~20cのうち最後に停止させるリールについての操作(第3停止操作)が実行されてから所定期間経過後に所定のレイヤに特定画像(前兆ステージ画像)を描画する第1の制御と、所定の遊技の次遊技において、遊技の開始に係る操作を契機として所定のレイヤに特定画像(前兆ステージ画像)を描画する第2の制御と、を実行可能であり、前記情報(特定フラグ)に基づいて、第2の制御を実行するか否かを制御可能となっている。
なお、最後に停止させるリールについての操作(第3停止操作)とは、最後に停止させるリールに対応するストップボタンを押下する操作であってもよく、この押下を終了する操作(押下したストップボタンを離す操作)であってもよい。
このような構成によれば、所定の遊技において第1の制御に基づく特定画像の表示(描画)がされた場合には、当該所定の遊技の次遊技において、遊技の開始に係る操作を契機とした特定画像の表示(描画)がされないので、既に特定画像の表示(描画)がされた状態で再度特定画像の表示(描画)がされることを防止できる。したがって、表示手段の表示がちらつく等して、表示に不具合が生じたように見えてしまうことが防止できる。すなわち、本構成によれば、違和感のない画像表示を行うことができる。
なお、前述の指示機能に係る処理を行わない各状態においては、通常演出状態から前兆演出状態へ移行する際の演出(当該演出に係る各種表示等)や、(1)~(5)の演出コマンドの送信・受信や、図18または図19を参照して説明した各種処理等を行わないこととしてもよい。具体的には、メダルの投入数が2枚で遊技が行われる場合や、遊技状態がRBB内部中状態Aでない場合(一般中状態、RBB内部中状態B、RBB作動中状態AまたはRBB作動中状態Bである場合)等には当該演出や各種処理を実行せず、メダルの投入数が3枚で遊技が行われる場合や、遊技状態がRBB内部中状態Aである場合に実行することとしてもよい。
このような構成によれば、内部的には指示機能に係る処理が行われない場面において、前兆演出状態への移行を報知(示唆)してしまうことにより、遊技者に無駄な期待感を抱かせてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、特定画像を前兆ステージ画像とし、通常演出状態から前兆演出状態へ移行する際の演出において、特定画像の表示に係る前述の制御を行うこととしたが、特定画像を他の演出状態についての背景画像とし、通常演出状態から前兆演出状態への移行時以外の演出状態の移行時等において、前述の制御を行うこととしてもよい。また、演出状態の移行時以外の場面において、前述の制御を行うこととしてもよい。また、特定画像は、背景画像に限らず、キャラクタ画像や文字画像、所定のアイコン等の画像であってもよい。また、特定画像は、動画(動画の所定(例えば最初)のフレームの画像)であってもよく、静止画であってもよい。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。すなわち、本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
また、各実施形態の各構成要素は、他の実施形態における同様の構成に読み替えてもよい。例えば、第1~第8の実施の形態における演出制御手段301は、第9の実施の形態における演出制御手段100と同様の構成を有し、同様の制御を行うものとして読み替えてもよく、この逆に読み替えてもよい。
また、本発明はその発明の範囲内において、各実施形態の各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の各構成要素の任意の変形、もしくは各実施形態の各構成要素の省略等が可能である。
例えば、第1~第8の実施の形態では、第1画像、第1画像を拡大した画像(または第2画像を縮小した画像)、第2画像の順で液晶ディスプレイに表示させる拡大演出や、第2画像、第2画像を縮小した画像(または第1画像を拡大した画像)、第1画像の順で液晶ディスプレイに表示させる縮小演出を実行することとしたが、これらの拡大演出や縮小演出に係る制御と、第9の実施の形態で説明した通常演出状態から前兆演出状態へ移行する際の演出に係る制御とを組み合わせることとしてもよい。
具体的には、例えば、拡大演出または縮小演出を、所定の遊技における第3停止操作を契機として実行されるものとする。このとき、モードA~モードDとは、それぞれ演出状態を示すものとしてもよく、また、モードA~モードD(演出状態A~D)は自動的に(例えば、拡大演出または縮小演出が実行される遊技以前の遊技における遊技開始操作や第3停止操作等を契機として)選択されるものとしてもよい。そして、所定の遊技における第3停止操作から所定期間Tが経過すると、拡大演出や縮小演出で最後に表示される画像(最終画像:拡大演出における第2画像や、縮小演出における第1画像)が表示(描画)されるものとした場合に、所定期間Tの経過前に次遊技の開始に係る操作が実行された場合には、次遊技の開始に係る操作を契機とした最終画像の表示(描画)を行い、所定期間Tの経過後に次遊技の開始に係る操作が実行された場合には、次遊技の開始に係る操作を契機とした最終画像の表示(描画)を行わないこととしてもよい。なお、この際の制御フローは、図18、図19で説明したものと同様にしてもよく、例えば、ステップS1の処理を「拡大演出(あるいは縮小演出)の実行を決定」と読み替え、ステップS3、S12の処理を「第2画像(あるいは第1画像)を所定のレイヤに描画」と読み替えてもよい。
また、第1~第8の実施の形態に係る構成と、第9の実施の形態に係る構成とを組み合わせる上で、例えば、拡大演出や縮小演出における中間画像(第1画像を拡大した画像や第2画像を縮小した画像)を使用しない構成としてもよい。具体的には、例えば、第1画像(モード選択画像)が表示されている状態において、第3停止操作から所定期間Tの経過後に第2画像(最終画像)を表示(描画)することとし、第1画像の表示と第2画像の表示との間で、第1画像を拡大した画像や第2画像を縮小した画像を表示しないこととしてもよい。換言すると、例えば、所定期間Tが経過するまで原寸大の第1画像(モード選択画像)を表示させてもよい。そして、このような構成において、所定期間Tの経過前に次遊技の開始に係る操作が実行された場合には、次遊技の開始に係る操作を契機とした第2画像(最終画像)の表示(描画)を行い、所定期間Tの経過後に次遊技の開始に係る操作が実行された場合には、次遊技の開始に係る操作を契機とした第2画像(最終画像)の表示(描画)を行わないこととしてもよい。
また、第1~第8の実施の形態に係る構成と、第9の実施の形態に係る構成とを組み合わせる上で、第3停止操作から所定期間Tが経過するまでの間に、第1画像(拡大演出の場合)、第1画像を拡大した画像、第2画像を縮小した画像または第2画像(縮小演出の場合)が前面側画像に覆い隠されることとし、第3停止操作を契機とした最終画像の描画は、前面側画像よりも下位側のレイヤで行うこととしてもよい。具体的には、例えば、所定の遊技における第3停止操作を契機として、モード選択画像において特定のモードが選択される演出を実行し、所定期間Tが経過するまでの間に前面側画像がモード選択画像(第1画像)を覆い、所定期間Tの経過後に前面側画像の背面側で第2画像の描画が実行されることとしてもよい。