JP2022091267A - 電気機器ボックスの換気装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この特許文献1に示された電気機器ボックスの換気装置100は、図8に示すように、ベース枠101と、ベース枠101の外面を覆う第1ルーバー体102と、ベース枠101と第1ルーバー体102との間に配置される第2ルーバー体103および第3ルーバー体104と、フィルター(ろ過体)105とで構成されている。
前記排水壁103a1と第1ルーバー壁102aとの間には、所定の隙間寸法を有する排水隙間113が形成されている。
前記換気通路110における換気空気の流動線Rは、換気空気を下向きに変向案内する第1変向部R1と、止水壁103a3を迂回して換気空気を上向きに変向案内する第2変向部R2と、第3ルーバー壁104aを迂回して換気空気を内向きに変向案内する第3変向部R3とを含んだ波形に形成される。
さらに、各変向部R1、R2において空気の流動する向きが逆向きにされることで、吹き込んだ風の勢いが大きく削がれる。そのため、雨滴の殆どは、第1変向部R1と第2変向部R2を通過する間に換気空気から分離される。
一方、換気空気は、第3変向部R3を通過した後、フィルター(ろ過体)105を通過し、電気機器ボックス内に導入される。
即ち、入口111から斜め上向きに吹き込んだ雨風は、変向壁103a2、止水壁103a3、排水壁103a1、第3ルーバー壁104aに衝突し、雨滴Wが換気空気から分離される。その後、換気空気がフィルター(ろ過体)105に導入され、電気機器ボックス内に導入される。
これは、フィルター(ろ過体)105の導入前に、換気空気から、予め雨滴(雨水)を除去し、雨滴(雨水)を含んだ換気空気がフィルター(ろ過体)105に導入しないようにするためである。
特に、排水隙間113に異物が侵入すると、雨水の排水ができず、電気機器ボックス内に雨水が侵入する虞があった。
また、第1ルーバー壁102の入口111から流入した換気空気には、流動線Rに沿って移動するほか、排水隙間113へ向かう空気の流れPも存在する。この排水隙間113へ向かう空気の流れPは、排水隙間113から侵入し、排水壁103a1の上面に沿って流れる。そのため、排水壁103a1の上面に沿って流下する水滴Wは、排水壁103a1の上面に沿って流れる空気によって、その流れが阻害され、排水壁103の下り傾斜に沿って排水隙間113へ向かって流動し難く、排水が困難である。
その結果、フィルター(ろ過体)105の導入前に、換気空気から雨滴(雨水)を十分に除去することができず、雨滴(雨水)を含んだ換気空気がフィルター(ろ過体)105に導入されることがあった。
その結果、内部ルーバー部の目詰まりを抑制でき、良好な排水を維持でき、電気機器ボックスの雨水の浸入を確実に防止すると共に、電気機器ボックス内の換気を的確に行うことができる。
このように、前記フィルター体を、第1のフィルター体と第2のフィルターで構成し、第1のフィルター体で、雨水、虫、小石、砂などの大きな異物を除去し、第2のフィルター体で塵埃などの小さな異物を除去するのが望ましい。
即ち、第1のフィルター体は、虫、小石、砂などの異物を除去するほか、雨水の侵入を抑制する機能を備えるのが好ましい。同様に、第2のフィルター体は塵埃などの異物のほか、粒径の小さな雨滴の侵入を抑制する機能を備えるのが好ましい。
このように第1のフィルター体が金属製の金網であるため、侵入する雨水による膨潤が抑制され、流入する空気に対する抵抗が少なく、換気を効率的に行うことができる。また、第1のフィルター体が金属製の金網であるため、腐食し難く、雨水、虫、小石、砂などの大きな異物を除去するのに適している。
また、第2のフィルター体は合成樹脂製のネットであって、立体形状(蜂の巣織)に織られたネットであるため、侵入する雨水による膨潤が抑制され、流入する空気に対する抵抗が少なく、換気を効率的に行うことができる。また、腐食し難く、雨水、塵埃などの小さな異物を除去するのに適している。
前記直径相当dが0.5mm未満の場合には、雨水、虫、小石、砂などで目詰まりを起こしやすく、直径相当dが1.1mmを超える場合には、雨水、虫、小石、砂などを除去できず、フィルターとして機能し難い。そのため、直径相当dが0.5mm以上1.1mm以下の寸法であることが好ましい。
尚、図1中、符号70は、ベース枠60の背面に取り付けられるパッキンであって、取付け開口(図示せず)にパッキン70を挟んでベース枠60が取り付けられる。
前記第1ルーバー体10は、図2、図3に示すように、第1フィルター体20、第2フィルター体30、第2ルーバー体40、第3ルーバー体50を覆い、ベース枠60に取り付けられることにより、第1ルーバー体10とベース枠60との間に、第1フィルター体20、第2フィルター体30、第2ルーバー体40、第3ルーバー体50が収容される。
そして、このように、下向きに開口した空気導入口12が設けられているため、第1ルーバー体10に当たる雨水が、電気機器ボックスの換気装置1内に侵入するのを抑制できる。
図2乃至図4に示すように、ベース枠60は、取付け開口(図示せず)に外面側から差込み装着される本体部61と、本体部61の外端周縁に張り出されるフランジ部62とを備えた、金属製の部材である。
前記本体部61はフランジ部62から後方に突出し、本体部61内部には、第1フィルター体20、第2フィルター体30、第2ルーバー体40、第3ルーバー体50を収容する空間が形成されている。
前記本体部61の底面部には通気窓63が開口され、通気窓63を介して、電気機器ボックス内に空気が流入し、電気機器ボックス内の換気がなされる。
前記第1フィルター体20は、図1に示すように、フィルター20aを備えフィルター体であって、フィルター20aを保持する枠20bは金属あるいは合成樹脂によって形成されている。尚、図1では、枠20bの中央部に補強部20cを設けた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものでなく、補強部20cを省略しても良い。また、第1フィルター体20に一枚のフィルターの場合を示したが、本発明はこれに限定されるものでなく、左右に一枚ずつフィルター20aを設けても良い。
前記フィルター20aの一例を図5、図6示す。
図5に示した前記フィルター20aは、金属製の金網であり、図6に示した前記フィルター20aは、合成樹脂製のネットであり、一例を示せば、目(穴)の内のり(内径寸法)が、直径相当dが0.5mm以上1.1mm以下の寸法に形成されているフィルターを好適に用いることができる。この目(穴)の内のり(内径寸法)は穴径ゲージにより測定することができる。
ここで、直径相当dが0.5mm未満の場合には、換気空気の流入抵抗になり易く、一方、直径相当dが1.1mmを超える場合には、比較的大きな異物の侵入の防止が困難なため、直径相当dが0.5mm以上1.1mm以下の寸法が好ましい。
また、フィルター20aの目(穴)の内のり(内径寸法)が、直径相当dが0.5mm以上1.1mm以下の寸法に形成されている場合について説明したが、前記内のり(内径寸法)はこれに限定されるものではなく、必要に応じて、0.5mm未満、1.1mmを超える場合であっても良い。
そのため、第1フィルター体20は、金属製あるいは合成樹脂製であることが好ましい。
第2フィルター体30は、図1に示すように、フィルター30aを備えフィルター体であって、フィルター30aを保持する枠30bは合成樹脂によって形成されている。
尚、図1では、枠30bの中央部に補強部30cを設けた場合を示したが、本発明はこれに限定されるものでなく、補強部30cを省略しても良い。
また、第2フィルター体30に一枚のフィルターの場合を示したが、本発明はこれに限定されるものでなく、左右に一枚ずつフィルター30aを設けても良い。
したがって、第2フィルター体30は、比較的小さな異物の侵入を阻止できるものであれば良い。
このフィルターは、立体形状(蜂の巣織)に形成されており、塵埃等の比較的小さな異物を捕捉するのに適している。
尚、フィルター30aは、このサランハニカムに限定されるものではなく、別社製品であっても同等品であれば、用いることができる。
例えば、不織布、スポンジのような素材を第2フィルター体30に用いると、雨水によって膨潤し、流入する空気の抵抗となり、十分な換気を行うことができないという弊害が生ずる虞がある。そのため、第2フィルター体30は、合成樹脂製であることが好ましい。
内部ルーバー部Aは、換気空気の流れをルーバーによって変えることにより、雨水(雨滴)を除去できるものであれば、本発明においてその構成は特に限定されない。
前記内部ルーバー部Aは、第1ルーバー体10とベース枠60との間に配置される第2ルーバー体40及び第3ルーバー体50とからなる。この第2ルーバー体40と第3ルーバー体50とを組み合わせることにより、前記内部ルーバー部Aが形成される。
また、第1ルーバー体10と第2ルーバー体40との間には、前記した第1のフィルター20と第2のフィルター30が配置され、虫、砂、小石、塵埃の侵入を抑制し、また雨水(水滴)の侵入を抑制する。
尚、前記第1のフィルター体20は第1ルーバー体10側に配置され、第2のフィルター30は、内部ルーバー部A側(第2ルーバー体40側に)配置される。
この実施形態にあっては、図2乃至図4に示すように、8段の第2ルーバー壁41と、8個の空気流通口42を形成した場合を示しているが、本発明はこれ限定されるものではない。
この止水板52は、空気流通口42から侵入する雨水を衝突させ、その水滴Wを桶部Bに落下させる機能を備えている。
また桶部Bの底面は傾斜面に形成され、樋部Bの雨水(水滴W)は桶部Bの底面に沿って流れ、外部に排出される。
この実施形態にあっては、図2乃至図4に示すように、8段の第3ルーバー壁51と、8個の空気導出口42を形成した場合を示しているが、本発明はこれ限定されるものではない。また、前記第2ルーバー体40と第3ルーバー体50とを別体の部材として形成し、それを組み合わせることにより、前記内部ルーバー部Aが形成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、予め、第2ルーバー体40と第3ルーバー体50とを一体の部材として形成し、その内部に内部ルーバー部Aが形成されているものであっても良い。
上記のように構成した換気装置にあっては、取付け開口(図示せず)にパッキン70を挟んでベース枠60を取り付ける。その後、第2ルーバー体40及び第3ルーバー体50を組み合わせ、内部ルーバー部Aを形成する。
そして、ベース枠60の本体部61内に、第1フィルター体20、第2フィルター体30、第2ルーバー体40と第3ルーバー体50を組み合わせた内部ルーバー部Aを収容する。
即ち、この換気装置1にあっては、第2ルーバー体40、第3ルーバー体50の前方に、第1フィルター体20、第2フィルター体30が配置される。
空気導入口12から侵入した雨水を含む換気空気は、図4の矢印Rに示すように、第1、第2のフィルター体20、30を通過した後、第2ルーバー壁41、止水板52、第3ルーバー壁53によって蛇行し、電気機器ボックス1内に導入される。
まず、図4に示すように、空気導入口12から斜め上向きに吹き込んだ雨水を含む換気空気は、第1のフィルター体20と、第2のフィルター体30に当たる。
これにより、雨水、虫、砂、小石などの比較的大きな異物が第1のフィルター体20によって取り除かれ、また、雨水、砂、塵埃の比較的小さな異物が第2のフィルター体30によって取り除かれる。
このとき、第1のフィルター体20は金属製あるいは合成樹脂製であり、第2フィルター体30は、合成樹脂製であるため、雨水によって膨潤することもなく、膨潤によって流入する空気の抵抗となることもなく、換気を効率的に行うことができる。
この桶部Bの底面は傾斜面に形成されているため、樋部Bの雨水(水滴)は桶部Bの底面に沿って左右両側に流れ、外部に排出される。この桶部に収容された雨水は、内部ルーバー部を流れる空気の流れの影響を受けることなく、外部に確実に排出される。
したがって、電気機器ボックス内部への塵埃、虫、砂、小石などの異物の侵入、及び雨水の浸入を確実に防止すると共に、電気機器ボックス内の換気を的確に行うことのできる
内部ルーバー部Aの後方に(内部ルーバー部Aとベース枠60の間に)、設けられるフィルター体(第3のフィルター体)は、フィルター体(第1、第2のフィルター体20、30)及び内部ルーバー部Aによって、雨水(雨滴)が除去されるため、例えば、不織布、スポンジのような素材であっても、用いることができる。
10 第1ルーバー体
11 第1ルーバー壁
12 空気導入口
20 第1フィルター体
30 第2フィルター体
40 第2ルーバー体(内部ルーバー体)
41 第2ルーバー壁
42 空気流通口
50 第3ルーバー体(内部ルーバー体)
51 第3ルーバー壁
52 止水板
53 空気導出路
60 ベース枠
A 内部ルーバー体
B 樋部
Claims (5)
- 電気機器ボックスの取付け開口に固定されるベース枠と、ベース枠の外面を覆う第1ルーバー体と、第1ルーバー体とベース枠との間に配置される内部ルーバー部と、を備えた電気機器ボックスの換気装置において、
前記第1ルーバー体と内部ルーバー部との間に、金属製あるいは合成樹脂製のフィルター体を配置し、
前記フィルター体によって異物を除去した換気空気を、内部ルーバー部に導入することを特徴とする電気機器ボックスの換気装置。 - 前記フィルター体が、
前記第1ルーバー体と内部ルーバー部との間の第1ルーバー体側に配置される第1のフィルター体と、
前記第1ルーバー体と内部ルーバー部との間の内部ルーバー部側に配置される第2のフィルター体と、とからなり、
第1のフィルター体は金属製の金網あるいは合成樹脂製のネットであり、かつ第2のフィルター体は、合成樹脂製のネットであり、
第1のフィルター体が大きな異物を除去し、第2のフィルター体が第1のフィルター体で除去される異物よりも小さな異物を除去することを特徴とする請求項1記載の電気機器ボックスの換気装置。 - 前記第1のフィルター体は金属製の金網であり、かつ前記第2のフィルター体は立体形状に織られた合成樹脂製のネットであることを特徴とする請求項2に記載の電気機器ボックスの換気装置。
- 第1のフィルター体の目の内のりが、直径相当dが0.5mm以上1.1mm以下の寸法に形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電気機器ボックスの換気装置。
- 前記内部ルーバー部とベース枠の間に、第3のフィルター体を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電気機器ボックスの換気装置。
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