JP2022090570A - 硬化性樹脂インクによる金属パターン作成法 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷機やインクジェットプリンター等の描画装置に対応でき、しかも手書きするようなペンや筆などの筆記用具にも対応するような製作コストの安い金属パターンを形成する方法。【解決手段】硬化に直接関わる樹脂分子の一部に金属錯体を形成する配位子をもっている硬化性樹脂や硬化剤によって構成された硬化性樹脂インクを使い、描画装置や筆記用具を用いて目的の基材にパターンを描く。基材に描かれたインクを熱又は光照射又は電磁波等により硬化させると共に、基材に定着させた後めっき用触媒液で処理をし、無電解めっき処理を行って金属パターンを形成する。【選択図】図1
Description
本発明は硬化性樹脂インクによって金属以外のものに金属パターンを作成する方法に関するものであり、パターン形成はインクジェットプリンター技術や印刷技術さらには絵付け技術に関連し、金属層形成はめっき技術に関連する。
古来目的の基材表面に金属で模様が描かれたものが数多くある。それは器物の表面に様々な装飾を加える加飾という工芸技法で成されたものである。そして金属そのものを施すには金属板から切り抜いたり箔として貼り付けたりブロックを削って埋め込むという工芸ならではの技能を要した。今でもその技法は受け継がれているが、普通の人が簡単に真似の出来る技術では無い。一方、金属の導電性という物性を利用し、絶縁基材上に金属銅で電子回路を形成する技法が開発されている。これは半導体素子の発展と共に産業機器では無くてはならない技術となっている。そしてこれも普通の人が自作するにはかなりの技術や、道具を必要とする。
このように工芸品であれば材料や手法が高価であっても製品として成立するし、工業用の場合は大量に生産することで、価格は薄まり製品として成立している。
個人的に金属パターンを得たいという欲求には加飾のような趣味を含んだ工芸の場合もあれば、プリント基板を出来るだけ自由に簡便に作りたいという欲求もある。しかしそれぞれに対する工業的な手法はあるが、簡単な手作業で、しかも安価な材料で作製出来る手法は提案されていない。
個人的に金属パターンを得たいという欲求には加飾のような趣味を含んだ工芸の場合もあれば、プリント基板を出来るだけ自由に簡便に作りたいという欲求もある。しかしそれぞれに対する工業的な手法はあるが、簡単な手作業で、しかも安価な材料で作製出来る手法は提案されていない。
因みに近年における工業的に金属パターンを得る方法としてはアディティブ法とサブトラクティブ法がある。アディティブ法とは、最初から必要な部分だけに金属を付加する方法であり、サブトラクティブ法は全面金属で形成したものから必要な部分だけを残し他の部分を除去する方法のことである。
プリント基板の配線では多くはサブトラクティブ法が使われている。それはパターン化にフォトレジストという光学的手法が用いられる為に非常に高解像のパターンが得られる為である。しかしレジストパターンは解像度が高いけれど銅箔をエッチングする際に、銅箔の線幅精度に限界が有り、線幅/線間隔(L/S)は一般的に30/30(μm)から100/100(μm)程度と云われている。そして装置は高額であり、行程数も多く、金属の80%近くは廃棄するなど費用がかる。
これより線幅精度を高くするにはセミアディティブ法やフルアディティブ法が使われる。セミアディティブ法はシード層とレジスト形成後に電気めっきで配線形成する工法、フルアディティブ法レジスト形成後に無電解めっきで配線形成する工法になる。いずれもシード層の形成とレジスト層の形成が必要となる。一般的にはアディティブ法はサブトラクティブ法より金属を廃棄する量が少ない分コストが下がるといわれているが、塗布或いは貼り付け、露光・エッチングの工程や材料を必要とするフォトレジストを使っている限り格段に下がるとは云えない。
本当の意味でアディティブといえばレジスト処理さえ使用しない方法になる。それが実用化されている手法は特殊な分野を除けば印刷手法に依るものと特殊なインクジェット手法に依るものであろう。
プリント基板の配線では多くはサブトラクティブ法が使われている。それはパターン化にフォトレジストという光学的手法が用いられる為に非常に高解像のパターンが得られる為である。しかしレジストパターンは解像度が高いけれど銅箔をエッチングする際に、銅箔の線幅精度に限界が有り、線幅/線間隔(L/S)は一般的に30/30(μm)から100/100(μm)程度と云われている。そして装置は高額であり、行程数も多く、金属の80%近くは廃棄するなど費用がかる。
これより線幅精度を高くするにはセミアディティブ法やフルアディティブ法が使われる。セミアディティブ法はシード層とレジスト形成後に電気めっきで配線形成する工法、フルアディティブ法レジスト形成後に無電解めっきで配線形成する工法になる。いずれもシード層の形成とレジスト層の形成が必要となる。一般的にはアディティブ法はサブトラクティブ法より金属を廃棄する量が少ない分コストが下がるといわれているが、塗布或いは貼り付け、露光・エッチングの工程や材料を必要とするフォトレジストを使っている限り格段に下がるとは云えない。
本当の意味でアディティブといえばレジスト処理さえ使用しない方法になる。それが実用化されている手法は特殊な分野を除けば印刷手法に依るものと特殊なインクジェット手法に依るものであろう。
いずれもアディティブ法で実用的な金属パターンにする為には最終的にめっき法に頼ることになる。印刷法はインク樹脂にめっき触媒となる金属粒子(パラジウムナノ粒子等)を分散させたものを使用して描画し、触媒粒子の付着した部分だけを無電解めっきによって金属層を得るものである。
しかし原版が長持ちしないことやインク中の触媒金属粒子が多量であることがコストを上げている等の理由で、現在では使われていないようである。印刷に限らず触媒金属を混合しインク或いは樹脂を使用する提案は幾つもある。しかしインク層或いは樹脂層はμmオーダーになり、めっきに機能するのは表面に存在する触媒金属粒子だけである。その表面に露出する触媒金属粒子数をある程度多くしないと適切なめっき層が得られない。必然的にインク中の触媒金属粒子は必要個数の一桁以上の数が必要となる。さらにシステム上無駄となるインクの量も発生する。触媒金属にはパラジウム金属が使われるのが一般的であるが、貴金属でありコストも高い。それを微粒子化するにもコストが嵩むことが想定され、いずれも実用には至っていない。
しかし原版が長持ちしないことやインク中の触媒金属粒子が多量であることがコストを上げている等の理由で、現在では使われていないようである。印刷に限らず触媒金属を混合しインク或いは樹脂を使用する提案は幾つもある。しかしインク層或いは樹脂層はμmオーダーになり、めっきに機能するのは表面に存在する触媒金属粒子だけである。その表面に露出する触媒金属粒子数をある程度多くしないと適切なめっき層が得られない。必然的にインク中の触媒金属粒子は必要個数の一桁以上の数が必要となる。さらにシステム上無駄となるインクの量も発生する。触媒金属にはパラジウム金属が使われるのが一般的であるが、貴金属でありコストも高い。それを微粒子化するにもコストが嵩むことが想定され、いずれも実用には至っていない。
銀ナノ粒子を含んだインクで描画するインクジェット法が限定された分野で実用化されている。インクジェット法はインクの厚みを厚くすることが出来ない。そこで特許文献1のように銀金属の部分を無電解めっきによって厚い金属層とする手法を提案している。しかしこれとて金属ナノインクを使うという点でコスト効果が損なわれている。ナノ化した金属インクはその製造コストが高く、例え金属自体のコストが安い銅材料にしてもナノ金属化するとそのコストメリットはなくなってしまう。
本発明の基本目的は個人でも扱えるような簡単で、コストの安い金属パターン作成法を提供することにある。そのためには次の課題を解決する方法であると考える。
(1)従来のサブトラクト法ではなく、描こうとするパターン部分だけに金属が出現するアディティブ法が望まれる。
(2)アディティブ法として現在実用可能とされる手法は最終的にめっき法に頼る手法だけである。とすると、パターンを描画するための材料がめっき可能な材料ということになる。
(3)パターンを描画するためのめっき可能材料は低コストのものであることが重要であり、従来技術のような材料中にナノ金属や触媒金属を含まないことが課題となる。
(4)個人でも扱えるためには簡単な道具でパターンが描ける材料であることが必要である。
(5)出来ればパターンが描ける材料が従来の量産機にも適用出来るバリエーションをもった手法であればより好ましい。
そしてインク材料が安価であり、個人的に扱える道具を用いられるのであれば、ある程度の精細結果が得られれば良く、究極には筆のようなものによる手書きにも対応できる金属パターン作成法であることが望まれる。
(1)従来のサブトラクト法ではなく、描こうとするパターン部分だけに金属が出現するアディティブ法が望まれる。
(2)アディティブ法として現在実用可能とされる手法は最終的にめっき法に頼る手法だけである。とすると、パターンを描画するための材料がめっき可能な材料ということになる。
(3)パターンを描画するためのめっき可能材料は低コストのものであることが重要であり、従来技術のような材料中にナノ金属や触媒金属を含まないことが課題となる。
(4)個人でも扱えるためには簡単な道具でパターンが描ける材料であることが必要である。
(5)出来ればパターンが描ける材料が従来の量産機にも適用出来るバリエーションをもった手法であればより好ましい。
そしてインク材料が安価であり、個人的に扱える道具を用いられるのであれば、ある程度の精細結果が得られれば良く、究極には筆のようなものによる手書きにも対応できる金属パターン作成法であることが望まれる。
本発明は完全アディティブ法であり、コスト的にも安価であり、基材との接着性も確保できる金属パターン形成法を提供するものである。そのためには、次のような手段を用いる。
(1)パターン作成はすでに市場でよく使われている種々の描画手段に合わせた硬化性樹脂インクを用いる。直接基材に描画しても良く、又は他の部材に描画された該インクを基材に転写しても良い。
(2)硬化性樹脂インクの硬化手段は従来の硬化性樹脂インクと変わらず、UV硬化型、熱硬化型、一液性硬化型、二液性硬化型それぞれに使用される主要樹脂の硬化機能は変わらず、それらを構成する主要樹脂分子の一部に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基を組み込んだことを特徴とする。配位子を持つ基はめっき触媒金属を担持する機能として働く。
(3)基材上にパターン状に描かれた前記硬化性樹脂インクはそれぞれに適正な硬化手段にて硬化し定着する。
(4)めっき前処理手段として、硬化性樹脂インクが定着された基材を塩化パラジウム水溶液や硫酸パラジウム水溶液に代表される金属塩の水溶液に浸漬し、硬化定着した樹脂インクに触媒金属或いは触媒金属イオンを担持させる手段を用いる。
(5)前処理を行った基材を目的の無電解めっき液に浸漬し、基材上に目的の金属パターンを作成する。
(1)パターン作成はすでに市場でよく使われている種々の描画手段に合わせた硬化性樹脂インクを用いる。直接基材に描画しても良く、又は他の部材に描画された該インクを基材に転写しても良い。
(2)硬化性樹脂インクの硬化手段は従来の硬化性樹脂インクと変わらず、UV硬化型、熱硬化型、一液性硬化型、二液性硬化型それぞれに使用される主要樹脂の硬化機能は変わらず、それらを構成する主要樹脂分子の一部に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基を組み込んだことを特徴とする。配位子を持つ基はめっき触媒金属を担持する機能として働く。
(3)基材上にパターン状に描かれた前記硬化性樹脂インクはそれぞれに適正な硬化手段にて硬化し定着する。
(4)めっき前処理手段として、硬化性樹脂インクが定着された基材を塩化パラジウム水溶液や硫酸パラジウム水溶液に代表される金属塩の水溶液に浸漬し、硬化定着した樹脂インクに触媒金属或いは触媒金属イオンを担持させる手段を用いる。
(5)前処理を行った基材を目的の無電解めっき液に浸漬し、基材上に目的の金属パターンを作成する。
本発明に使用する硬化性樹脂インクは、全く金属を含まない硬化機能を果たすためだけの樹脂での構成である為、特殊な装置や条件を必要とせず、従来の硬化性樹脂インク方式と全く変わらない装置と印字条件が採用できる。そして従来の絶縁物にめっきするような複雑な工程やナノ金属触媒などを必要とせずに従来の金属用無電解めっき前処理法に使われていると同様の工程で硬化性樹脂部分のみに触媒金属が担持され、その部分だけがめっきされる。そのため、触媒金属・めっき金属共に無駄に廃棄されることが無い完全アディティブ法であり、従来よりも非常に安価な手法が実現できる。
本発明の統一的な実施形態は、第一工程として硬化性樹脂を主体として構成されるインクを使用し、適宜該インクで表面が金属以外の基材に直接パターン描画するかあるいは描画されたインクを該基材に転写する工程があり、第二工程としてパターン化された該インクを定着硬化する行程を行い、第三工程としては該インクが定着された基材を塩化パラジウム水溶液や硫酸パラジウム水溶液に代表される金属塩の水溶液に浸漬する前処理行程を経て、第四工程として前処理行程後無電解めっき液に浸漬する四つの行程によって基材上に金属パターンを形成するものである。
硬化性樹脂インクとしてはUV硬化型、熱硬化型、一液性硬化型、二液性硬化型等が考えられるが、ここではそれらを総称して硬化性樹脂インクと定義する。また、本発明では基材にパターンを描画する手段は”硬化性樹脂インクを使用出来る描画手段”という以外には限定されない。硬化性樹脂インクを使用するパターン描画手段としては、印刷機やインクジェット装置に代表される従来からの種々の方式が適用されるが、それだけにとどまらず、樹脂インクが使えるペンやディスペンサー等も範疇に入る。さらには筆や刷毛で塗布する手作業も可能である。
そして前記無電解めっきの際の前処理は、従来の樹脂にめっきする為の錫を含んだ前処理やナノ金属等のコロイド触媒による前処理法は適合しない。その理由は、基材もパターン材料も共に樹脂で構成されている場合、パターン判別めっきが不能になる為である。従来の金属に無電解めっきする際の前処理法と同じ触媒金属塩水溶液が採用される。
硬化性樹脂インクとしてはUV硬化型、熱硬化型、一液性硬化型、二液性硬化型等が考えられるが、ここではそれらを総称して硬化性樹脂インクと定義する。また、本発明では基材にパターンを描画する手段は”硬化性樹脂インクを使用出来る描画手段”という以外には限定されない。硬化性樹脂インクを使用するパターン描画手段としては、印刷機やインクジェット装置に代表される従来からの種々の方式が適用されるが、それだけにとどまらず、樹脂インクが使えるペンやディスペンサー等も範疇に入る。さらには筆や刷毛で塗布する手作業も可能である。
そして前記無電解めっきの際の前処理は、従来の樹脂にめっきする為の錫を含んだ前処理やナノ金属等のコロイド触媒による前処理法は適合しない。その理由は、基材もパターン材料も共に樹脂で構成されている場合、パターン判別めっきが不能になる為である。従来の金属に無電解めっきする際の前処理法と同じ触媒金属塩水溶液が採用される。
[硬化性樹脂インク]
インクとして硬化性樹脂である必要性は基材とインクの接着性と耐酸性耐アルカリ性にある。特にプリント基板では半田付けの際の熱で樹脂が軟化したのでは接着性が損なわれる。また、パターン化された樹脂インクは酸性の強い触媒金属水溶液に浸漬され、さらにアルカリ性の強いめっき液に浸漬される。耐酸性耐アルカリ性の両方を備えていないと樹脂インクは溶解してめっきが崩れてしまう可能性が高い。この二つの意味から本発明で使用するインクの内容は硬化性樹脂である事が望まれる。勿論硬化性で無い樹脂であっても、これらの性質さえ備えていれば問題はない。
また、硬化性樹脂インクは樹脂自体が40℃以下で液状であるか溶剤に熔解している状態である事に限定する。理由は、粘度が少々高くともパターン形成装置で自在に描画出来る状態でなければならないし、装置の温度は稼働によって40℃近くまで上昇することがあり得るからである。
そして硬化性樹脂インクの必要な構成は硬化にかかわる樹脂分子自体の一部に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基を配することにある。その基はめっき触媒金属を担持する機能として働く。配位子の種類にも依るが、適正な選択によって錯体金属の担持される力が強いことは化学において一般的に知られていることである。
上述の樹脂硬化による基材への接着力と錯体の金属担持力によってめっきされる金属パターンの基材に対する接着力が保証されることになる。理解しやすいように図1に架橋結合と配位子を持つ硬化性樹脂のモデル図を示す。
インクとして硬化性樹脂である必要性は基材とインクの接着性と耐酸性耐アルカリ性にある。特にプリント基板では半田付けの際の熱で樹脂が軟化したのでは接着性が損なわれる。また、パターン化された樹脂インクは酸性の強い触媒金属水溶液に浸漬され、さらにアルカリ性の強いめっき液に浸漬される。耐酸性耐アルカリ性の両方を備えていないと樹脂インクは溶解してめっきが崩れてしまう可能性が高い。この二つの意味から本発明で使用するインクの内容は硬化性樹脂である事が望まれる。勿論硬化性で無い樹脂であっても、これらの性質さえ備えていれば問題はない。
また、硬化性樹脂インクは樹脂自体が40℃以下で液状であるか溶剤に熔解している状態である事に限定する。理由は、粘度が少々高くともパターン形成装置で自在に描画出来る状態でなければならないし、装置の温度は稼働によって40℃近くまで上昇することがあり得るからである。
そして硬化性樹脂インクの必要な構成は硬化にかかわる樹脂分子自体の一部に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基を配することにある。その基はめっき触媒金属を担持する機能として働く。配位子の種類にも依るが、適正な選択によって錯体金属の担持される力が強いことは化学において一般的に知られていることである。
上述の樹脂硬化による基材への接着力と錯体の金属担持力によってめっきされる金属パターンの基材に対する接着力が保証されることになる。理解しやすいように図1に架橋結合と配位子を持つ硬化性樹脂のモデル図を示す。
前記硬化に関わる樹脂自体に錯体分子が存在することは重要なことである。別個に、配位子を持った硬化に寄与しない樹脂を普通の硬化性樹脂に混合するという考えもあるが、望ましいことでは無い。
第一に硬化性樹脂の量と追加樹脂の量関係が機能を左右する事である。めっきをする場合に樹脂に担持している触媒金属量が多いほどめっきは安定し均一で性能の良いめっきが形成できる。インク中の追加樹脂だけに配位子もった分子があると云うことは担持する触媒金属の量を多くするためにはインク全体の樹脂に対し追加樹脂の占める比率を多くすることになる。そうなるとせっかく硬化性樹脂によって基材との接着力を強くしようとしている効果を下げてしまうことになり、接着力とめっき仕上がりのバランスをとることは非常に難しくなる。
第二に硬化に寄与しない樹脂は耐酸性耐アルカリ性を持たない場合が多い。その場合、硬化しないで配位子を持ったその樹脂は触媒液やめっき液に溶け出し、それぞれの液の性能を落とすと共に、目的基材にめっきカブリが生じる可能性がある。
第三に硬化性樹脂に別個の樹脂を混合すると云うことは単純では無い。均一混合の為には分散性が良くなくてはならない。その分散性をあげるには追加樹脂の一部に工夫を行うなり、分散剤を併用するなりの処置が必要になる。分散が悪いと結果的にめっきにも接着性にもムラが出ることは明らかであり、経時変化なしに均一な混合状態を保つことは難しいことである。
但し、混合する樹脂がめっき効果に悪作用しない程度に混合する事は問題ない。耐酸性耐アルカリ性を持たない樹脂であってもわずかであれば、硬化性樹脂に絡んでめっき液等を汚染することが無いことも考えられるからである。その場合は慎重な実験確認の上で採用すべきである。しかし、これは実用上接着性など、少しでも性能向上を目指す場合にあり得ることであって、本発明の基本を変えるものでは無く応用範疇に入るものである。
第一に硬化性樹脂の量と追加樹脂の量関係が機能を左右する事である。めっきをする場合に樹脂に担持している触媒金属量が多いほどめっきは安定し均一で性能の良いめっきが形成できる。インク中の追加樹脂だけに配位子もった分子があると云うことは担持する触媒金属の量を多くするためにはインク全体の樹脂に対し追加樹脂の占める比率を多くすることになる。そうなるとせっかく硬化性樹脂によって基材との接着力を強くしようとしている効果を下げてしまうことになり、接着力とめっき仕上がりのバランスをとることは非常に難しくなる。
第二に硬化に寄与しない樹脂は耐酸性耐アルカリ性を持たない場合が多い。その場合、硬化しないで配位子を持ったその樹脂は触媒液やめっき液に溶け出し、それぞれの液の性能を落とすと共に、目的基材にめっきカブリが生じる可能性がある。
第三に硬化性樹脂に別個の樹脂を混合すると云うことは単純では無い。均一混合の為には分散性が良くなくてはならない。その分散性をあげるには追加樹脂の一部に工夫を行うなり、分散剤を併用するなりの処置が必要になる。分散が悪いと結果的にめっきにも接着性にもムラが出ることは明らかであり、経時変化なしに均一な混合状態を保つことは難しいことである。
但し、混合する樹脂がめっき効果に悪作用しない程度に混合する事は問題ない。耐酸性耐アルカリ性を持たない樹脂であってもわずかであれば、硬化性樹脂に絡んでめっき液等を汚染することが無いことも考えられるからである。その場合は慎重な実験確認の上で採用すべきである。しかし、これは実用上接着性など、少しでも性能向上を目指す場合にあり得ることであって、本発明の基本を変えるものでは無く応用範疇に入るものである。
硬化性樹脂インクの硬化手段にはUV効果型、熱硬化型、一液性硬化型、二液性硬化型等があり、印刷方式ではいずれのインクを使った方式も実働しており、インクジェット方式ではUV硬化型、熱硬化型が使われている。それぞれの硬化手段における樹脂インクの内容は異なっておりそれぞれ硬化手段に適合した樹脂が選択されるのは当然である。
UV硬化型であれ、熱硬化型であれ、硬化性樹脂は線状の低分子の化合物(プレポリマー;オ リゴマ ー)が単独あるいは硬化剤の存在下でUV光照射あるいは加熱によって高分子化/橋架け反応(硬化反応)が進行し3次元構造を持つ不溶・不融の物質(硬化物)となる。実際には上記樹脂・硬化剤系にいろいろな添加剤・希釈剤等が加えられて使用される。それを通常インクとして使用する場合はさらに顔料色剤・分散剤等が付加される。 UV硬化性樹脂の場合は顔料はUV光に対する遮蔽効果が有るためその配合には相当の配慮が必要になるが、本発明のインク自体は目視画像が目的では無いため基本的には顔料を付加する必要は無く、その点では通常インクより樹脂配合調整は楽になる。
本発明では前記硬化性樹脂の骨格となるプレポリマーに金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基をもたせることを主眼としている。さらには硬化剤にも硬化のための官能基以外に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基をもたせることはさらに効果的である。
UV硬化型であれ、熱硬化型であれ、硬化性樹脂は線状の低分子の化合物(プレポリマー;オ リゴマ ー)が単独あるいは硬化剤の存在下でUV光照射あるいは加熱によって高分子化/橋架け反応(硬化反応)が進行し3次元構造を持つ不溶・不融の物質(硬化物)となる。実際には上記樹脂・硬化剤系にいろいろな添加剤・希釈剤等が加えられて使用される。それを通常インクとして使用する場合はさらに顔料色剤・分散剤等が付加される。 UV硬化性樹脂の場合は顔料はUV光に対する遮蔽効果が有るためその配合には相当の配慮が必要になるが、本発明のインク自体は目視画像が目的では無いため基本的には顔料を付加する必要は無く、その点では通常インクより樹脂配合調整は楽になる。
本発明では前記硬化性樹脂の骨格となるプレポリマーに金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基をもたせることを主眼としている。さらには硬化剤にも硬化のための官能基以外に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基をもたせることはさらに効果的である。
硬化剤として硬化結合する官能基が金属錯体となる配位子を持つ基である場合がある。例えばエポキシ樹脂のグリシル基はアミノ基やイミダゾール基と熱架橋して結合する。アミノ基やイミダゾール基は硬化の官能基でもあるが、錯体となる配位子を持つ基でもある。その場合の一つの方法としてグリシル基の数よりも硬化剤の官能基の数を多く添加して余った官能基で触媒金属を取り込む役を果たさせる手法をとることが出来る。大事なことは架橋結合した後の硬化性樹脂に錯体となる配位子を持つ基が存在するようにすると云うことである。
[インクジェット方式]
インクジェット方式の場合は一般的にはプレポリマー(オリゴマー)、モノマー、光重合開始剤、顔料、各種調整剤、重合禁止剤等とからなっている。基本的にはプレポリマー(オリゴマー)に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基をもたせれば良い。インクジェットではインク粘性がかなり低い必要性があり、溶剤を使わずモノマーを粘度調整として希釈剤的に扱われるが、モノマーは機能的には硬化剤である。プリンターによってはプレポリマーは使用せず、モノマーだけで樹脂を構成している場合もある。その場合はモノマー自体に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基をもたせる必要がある。
そのような配位子を持つ材料は数あり、いずれの材料も可能性を持つが、効果には大小あり、発明者が確認した範囲ではアミノ系やアゾール系の基の効果が大きかった。特にアミノ基、イミダゾール基の能力が高い。これらの基は樹脂がUV硬化した後の行程で、触媒金属処理での金属を抱え込む能力が高く、めっきが確実であることがわかる。そして錯体による化学的結合は強く、めっきされた金属の接着力は強いものとなる。
インクジェット方式の場合は一般的にはプレポリマー(オリゴマー)、モノマー、光重合開始剤、顔料、各種調整剤、重合禁止剤等とからなっている。基本的にはプレポリマー(オリゴマー)に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基をもたせれば良い。インクジェットではインク粘性がかなり低い必要性があり、溶剤を使わずモノマーを粘度調整として希釈剤的に扱われるが、モノマーは機能的には硬化剤である。プリンターによってはプレポリマーは使用せず、モノマーだけで樹脂を構成している場合もある。その場合はモノマー自体に金属を取り込んで錯体となる配位子を持つ基をもたせる必要がある。
そのような配位子を持つ材料は数あり、いずれの材料も可能性を持つが、効果には大小あり、発明者が確認した範囲ではアミノ系やアゾール系の基の効果が大きかった。特にアミノ基、イミダゾール基の能力が高い。これらの基は樹脂がUV硬化した後の行程で、触媒金属処理での金属を抱え込む能力が高く、めっきが確実であることがわかる。そして錯体による化学的結合は強く、めっきされた金属の接着力は強いものとなる。
[触媒金属処理]
本発明でのめっきは無電解めっき法を使うが、前処理である触媒金属処理は一般的な樹脂に対する処理法では無く、塩化パラジウム水溶液や硫酸パラジウム水溶液に代表される触媒金属塩の水溶液に浸漬する処理法を用いる。
従来プラスチックに無電解めっきする時にはスズ触媒とパラジウム触媒の2段階処理(センシタイジングーアクティベーション方)あるいは塩化第一スズと塩化パラジウムの混合液を使うパラジウムスズーコロイド粒子触媒処理(キャタリストーアクセラレーション法)を使用すると触媒金属がプラスチックに付着出来る。スズを使う理由はプラスチックに付着する性質がある為で、パラジウムにはその性質が無い為である。スズ金属はめっきの際に邪魔になるので取り除く処理行程が必要となる。さらに、極端に言えばスズは何にでも付着するので、全面めっきするには良いが、パターンにだけ付くような選択的めっきには使えない。
近年コロイドパラジウムやコロイド銀を触媒とする方法も行われているが、これらのコロイド化している材料も何にでも付着しやすいものであり、選択めっきは難しい。そのようなことがこれまでパターン化めっきを困難なものにしてきたと云える。その点でも従来一般的に使われてきた触媒金属塩の水溶液を使うことは本発明の方法を導入し易い優位性をもっている。
本発明でのめっきは無電解めっき法を使うが、前処理である触媒金属処理は一般的な樹脂に対する処理法では無く、塩化パラジウム水溶液や硫酸パラジウム水溶液に代表される触媒金属塩の水溶液に浸漬する処理法を用いる。
従来プラスチックに無電解めっきする時にはスズ触媒とパラジウム触媒の2段階処理(センシタイジングーアクティベーション方)あるいは塩化第一スズと塩化パラジウムの混合液を使うパラジウムスズーコロイド粒子触媒処理(キャタリストーアクセラレーション法)を使用すると触媒金属がプラスチックに付着出来る。スズを使う理由はプラスチックに付着する性質がある為で、パラジウムにはその性質が無い為である。スズ金属はめっきの際に邪魔になるので取り除く処理行程が必要となる。さらに、極端に言えばスズは何にでも付着するので、全面めっきするには良いが、パターンにだけ付くような選択的めっきには使えない。
近年コロイドパラジウムやコロイド銀を触媒とする方法も行われているが、これらのコロイド化している材料も何にでも付着しやすいものであり、選択めっきは難しい。そのようなことがこれまでパターン化めっきを困難なものにしてきたと云える。その点でも従来一般的に使われてきた触媒金属塩の水溶液を使うことは本発明の方法を導入し易い優位性をもっている。
通常金属材料に対して無電解めっきをおこなう場合には樹脂に対するような複雑な処理は必要ない。塩化パラジウム水溶液のような金属塩の水溶液を触媒処理液使う。このとき酸性が強く金属材料表面の金属が溶け出して金属イオンとなり、パラジウムイオンとイオン交換し、パラジウムが金属材料の表面にパラジウム金属となって結合するとされている。そのパラジウムが触媒となってめっきされることになる。
前述のように通常の樹脂に対しては、塩化パラジウム水溶液処理では樹脂にパラジウムが吸着することは出来ずめっきもされない。しかし本発明の処理では、塩化パラジウム水溶液に浸漬するだけで、パラジウムイオンまたはパラジウム金属が硬化性樹脂インクの部分だけに担持される。それは硬化性樹脂の一部にある錯体となる配位子を持つ基がパラジウムを抱え込むからである。
こように従来の一般的な金属に無電解めっきする場合に使われる前処理と同じであることは本発明の大事な特徴の一つである。その点でも本発明の方法を導入し易い優位性がある。しかし配位子に金属がイオンとして吸着している場合はホスフィン酸やホルマリンで還元して金属触媒とする工程を追加する必要がある。
本発明でインクの錯体樹脂に担持する金属はパラジウムに限ることではない。銅めっきの場合の還元剤としてはホルムアルデヒドを使うのが一般的であるが、ホルムアルデヒドの反応に対する触媒活性の大きい金属は順に、銅、金、銀、白金、ニッケル、コバルトであるとの報告がある。これらの金属塩を触媒液として使える大きな可能性がある。
前述のように通常の樹脂に対しては、塩化パラジウム水溶液処理では樹脂にパラジウムが吸着することは出来ずめっきもされない。しかし本発明の処理では、塩化パラジウム水溶液に浸漬するだけで、パラジウムイオンまたはパラジウム金属が硬化性樹脂インクの部分だけに担持される。それは硬化性樹脂の一部にある錯体となる配位子を持つ基がパラジウムを抱え込むからである。
こように従来の一般的な金属に無電解めっきする場合に使われる前処理と同じであることは本発明の大事な特徴の一つである。その点でも本発明の方法を導入し易い優位性がある。しかし配位子に金属がイオンとして吸着している場合はホスフィン酸やホルマリンで還元して金属触媒とする工程を追加する必要がある。
本発明でインクの錯体樹脂に担持する金属はパラジウムに限ることではない。銅めっきの場合の還元剤としてはホルムアルデヒドを使うのが一般的であるが、ホルムアルデヒドの反応に対する触媒活性の大きい金属は順に、銅、金、銀、白金、ニッケル、コバルトであるとの報告がある。これらの金属塩を触媒液として使える大きな可能性がある。
[無電解めっき]
無電解めっき液及びその液管理やめっき手法は従来通りに行えば良い。めっきのし易さ難しさはそのまま本発明にも当てはまるが、すでに確立された技術である。
無電解めっき液及びその液管理やめっき手法は従来通りに行えば良い。めっきのし易さ難しさはそのまま本発明にも当てはまるが、すでに確立された技術である。
[パターン描画手段]
本発明における硬化性樹脂インクを使用し、基材にパターンを描く手段、装置等に限定は無い。従来通り、各種の印刷方式による装置やインクジェットプリンター、ディスペンサー等の描画装置に限らず、さらには手で描くようなロッドペンやボールペン、筆ペン等の樹脂インクを使えるペン類も可能である。プリント配線基板に限らず陶器やタイル等に金属画像を描くなど使い方によって利用範囲は無限に広がる可能性がある。
本発明における硬化性樹脂インクを使用し、基材にパターンを描く手段、装置等に限定は無い。従来通り、各種の印刷方式による装置やインクジェットプリンター、ディスペンサー等の描画装置に限らず、さらには手で描くようなロッドペンやボールペン、筆ペン等の樹脂インクを使えるペン類も可能である。プリント配線基板に限らず陶器やタイル等に金属画像を描くなど使い方によって利用範囲は無限に広がる可能性がある。
[試作インク製作の一実施例]
本発明を実現する為の具体的なめっき用熱硬化性樹脂インクの製作実施例の一つを示す。
R1:
メタクリル酸メチル:30g
メタクリル酸グリシジル:30g
トルエン:140g
アゾビスイソブチロニトリル:1.2g
撹拌機、還流冷却管、チッソ導入管、温度計、滴下ロートを装備した反応装置に、R2:メタクリル酸メチル30g、メタクリル酸グリシジル30g、トルエン140g、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを投入し、チッソ雰囲気下で75℃7時間加熱し、粘調性のポリマー溶液R1を得た。
R2:
メタクリル酸メチル:50g
メタクリル酸ジエチルアミノエチル:10g
トルエン:140g
アゾビスイソブチロニトリル:1.2g
撹拌機、還流冷却管、チッソ導入管、温度計、滴下ロートを装備した反応装置に、R2:メタクリル酸メチル50g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル10g、トルエン140g、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを投入し、チッソ雰囲気下で75℃7時間加熱し、粘調性のポリマー溶液R2を得た。
R1:グリシジル基濃度(3.52μMol/g)
R2:ジメチルアミノエチル基濃度(1.06μMol/g)
R1とR2の比率を変えた表1のP1~P3塗料を作製した。
本発明を実現する為の具体的なめっき用熱硬化性樹脂インクの製作実施例の一つを示す。
R1:
メタクリル酸メチル:30g
メタクリル酸グリシジル:30g
トルエン:140g
アゾビスイソブチロニトリル:1.2g
撹拌機、還流冷却管、チッソ導入管、温度計、滴下ロートを装備した反応装置に、R2:メタクリル酸メチル30g、メタクリル酸グリシジル30g、トルエン140g、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを投入し、チッソ雰囲気下で75℃7時間加熱し、粘調性のポリマー溶液R1を得た。
R2:
メタクリル酸メチル:50g
メタクリル酸ジエチルアミノエチル:10g
トルエン:140g
アゾビスイソブチロニトリル:1.2g
撹拌機、還流冷却管、チッソ導入管、温度計、滴下ロートを装備した反応装置に、R2:メタクリル酸メチル50g、メタクリル酸ジメチルアミノエチル10g、トルエン140g、アゾビスイソブチロニトリル1.2gを投入し、チッソ雰囲気下で75℃7時間加熱し、粘調性のポリマー溶液R2を得た。
R1:グリシジル基濃度(3.52μMol/g)
R2:ジメチルアミノエチル基濃度(1.06μMol/g)
R1とR2の比率を変えた表1のP1~P3塗料を作製した。
P1~P3の塗料を、ワイヤーバー#12でPETフィルムに塗布後、120℃3分乾燥硬化し、塗膜L1~L3を作製し、耐酸性、耐アルカリ性及び無電解めっき性を確認した。
その結果をそれぞれの塗料の架橋点、アミノ基の量計算を含め表2に示す。
その結果をそれぞれの塗料の架橋点、アミノ基の量計算を含め表2に示す。
架橋点は、現在使用しているジメチルアミノエチル基に於いては、0.2μMol/g以上であれば、耐酸、耐アルカリ性は問題ないが、電子供与性基の塩基性の度合いにより変化すると考えられる。
アミノ基の含有量についても、ジメチルアミノエチル基の場合、0.2μMol/g以上あれば無電解ニッケルメッキは可能だが、電子供与性基の種類により変化すると考える。
アミノ基の含有量についても、ジメチルアミノエチル基の場合、0.2μMol/g以上あれば無電解ニッケルメッキは可能だが、電子供与性基の種類により変化すると考える。
[めっき前処理]
前記R1,R2による熱硬化性樹脂インクでパターンを描き硬化させたPET基材を触媒金属処理として約0.04%の塩化パラジウム溶液に10分間浸漬した。その後水洗し20%の次亜リン酸ナトリウム液に5分間浸漬し、再度水洗した。
前記R1,R2による熱硬化性樹脂インクでパターンを描き硬化させたPET基材を触媒金属処理として約0.04%の塩化パラジウム溶液に10分間浸漬した。その後水洗し20%の次亜リン酸ナトリウム液に5分間浸漬し、再度水洗した。
[無電解金属めっき処理]
無電解ニッケルめっき液は奥野製薬株式会社の化学ニッケルSEP-LFをメーカー仕様に従って調合し、めっき前処理したPET基材を6分間浸漬し、水洗した。めっき用熱硬化性樹脂インクパターンにニッケルめっきされたきれいなニッケル金属パターンが得られた。
無電解ニッケルめっき液は奥野製薬株式会社の化学ニッケルSEP-LFをメーカー仕様に従って調合し、めっき前処理したPET基材を6分間浸漬し、水洗した。めっき用熱硬化性樹脂インクパターンにニッケルめっきされたきれいなニッケル金属パターンが得られた。
上述の本発明の基本構想に従った硬化性樹脂インクとめっきの実施例によって完全アディティブ法による金属パターン製作法が実証された。
本発明はこれらの実施例の材料に限定されるものではなく、本発明の基本構成に関わる材料は全て範疇に入る。また、めっきの実施例もニッケルによる一例を挙げたが、金、銀、銅その他のめっきも従来と同様の手法によって可能であることは当然である。
本発明はこれらの実施例の材料に限定されるものではなく、本発明の基本構成に関わる材料は全て範疇に入る。また、めっきの実施例もニッケルによる一例を挙げたが、金、銀、銅その他のめっきも従来と同様の手法によって可能であることは当然である。
1 架橋結合
2 配位子を持つ分子
2 配位子を持つ分子
Claims (8)
- 金属以外の基材に硬化性樹脂インクで直接パターン画像を描く描画行程又はすでに別の材料にパターン化された該硬化性樹脂インクを該基材に転写する転写行程と、
前記基材上に描画あるいは転写された前記硬化性樹脂インクパターンを熱又は光照射又は電磁波により硬化定着させる定着行程と、
前記基材上に定着された前記硬化性樹脂インクにめっき用触媒金属或いは触媒金属イオンを担持させる前処理工程と、
前記前処理工程を終了した前記基材を無電解めっき液に浸漬して金属層を作成する金属層作成工程とを具備する金属パターン作成方法であって、
前記硬化性樹脂インクは金属を含まず、樹脂自体が液状であるか又は樹脂が溶剤に溶解又は水に分散した液状であり、硬化に直接関わる樹脂分子の一部に金属錯体を形成する配位子をもっていることを特徴とする金属パターン作成方法。 - 前記硬化性樹脂インクがUV硬化性樹脂インクである請求項1に記載の金属パターン作成法。
- 前記硬化性樹脂インクが熱硬化性樹脂インクである請求項1に記載の金属パターン作成法。
- 前記硬化性樹脂インクが一液性あるいは二液性硬化剤で構成される樹脂インクである請求項1に記載の金属パターン作成法。
- 前記描画行程における描画装置がインクジェット装置あるいはディスペンサー装置である請求項1乃至請求項4に記載の金属パターン作成法。
- 前記描画行程における描画装置が印刷装置である請求項1乃至請求項4に記載の金属パターン作成法。
- 前記描画行程における描画器具が筆、筆ペン、万年筆、ボールペン、ロッドペン等に類するインクによる筆記用具である請求項1乃至請求項4に記載の金属パターン作成法。
- 請求項1乃至請求項7に記載の金属パターン作成法で製作されためっきパターン作成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020203057A JP2022090570A (ja) | 2020-12-07 | 2020-12-07 | 硬化性樹脂インクによる金属パターン作成法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020203057A JP2022090570A (ja) | 2020-12-07 | 2020-12-07 | 硬化性樹脂インクによる金属パターン作成法 |
Publications (1)
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JP2020203057A Pending JP2022090570A (ja) | 2020-12-07 | 2020-12-07 | 硬化性樹脂インクによる金属パターン作成法 |
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2020
- 2020-12-07 JP JP2020203057A patent/JP2022090570A/ja active Pending
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