JP2022090549A - ポリエステル系樹脂の再生方法、及び合成樹脂製容器の製造方法 - Google Patents

ポリエステル系樹脂の再生方法、及び合成樹脂製容器の製造方法 Download PDF

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Hiroki Hatakeyama
友 山崎
Yu Yamazaki
裕一 佐藤
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雅之 吉川
Masayuki Yoshikawa
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    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Abstract

【課題】メカニカルリサイクルによるリサイクル材料として、回収されたポリエステル系樹脂成形品を再利用する際の問題を解消する。【解決手段】回収されたポリエステル系樹脂成形品をフレーク状に粉砕してなる樹脂フレークを、50mbar以下の減圧条件下で、ガラス転移点以上、溶融温度未満の範囲で加熱する一次固相重合工程と、一次固相重合工程を経た樹脂フレークを可塑化し、溶融混錬してペレット状に造粒する造粒工程と、造粒工程で作製された樹脂ペレットを、100mbar以下の減圧条件下で、180~230℃の範囲で加熱する二次固相重合工程とを含み、これらの工程を行うことによってポリエステル系樹脂を再生する。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステル系樹脂の再生方法、及び合成樹脂製容器の製造方法に関する。
従来、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を用いて有底筒状のプリフォームを作製し、次いで、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形などによってボトル状に成形してなる合成樹脂製の容器が、各種飲料品、各種調味料等を内容物とする容器として広い分野で利用されている。この種の容器は、一般に、PETボトルとして認知されており、近年にあっては、社会的な要請により、使用済みのPETボトルを回収し、これをリサイクル材料として再利用してPETボトルを製造する「ボトルtoボトル」と称されるリサイクル技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、使用済みプラスチックボトルを粉砕して洗浄することによって樹脂フレークを生成し、樹脂フレークに含まれる汚染物質を真空下で加熱することによって揮発させて除染した後に、溶融状態でフィルターを介して射出成形機に供給して、プリフォームを射出成形するメカニカルリサイクルに関する技術が開示されている。
特表2019-514728号公報
ところで、使用済みのPETボトルなどのポリエステル系樹脂成形品を回収し、メカニカルリサイクルによるリサイクル材料として再利用して、回収品からリサイクル品を製造するに際しては、当該回収品の製造時に受けた熱履歴などに起因する樹脂の品質劣化による固有粘度などの低下が、リサイクル品の製造工程での不具合の原因となるという問題がある。さらに、ポリエステル系樹脂の熱分解によって生じるアセトアルデヒド(AA)、ポリエステル系樹脂の解重合によって生じるビスヒドロキシエチルテレフタレート(BHET),モノヒドロキシエチルテレフタレート(MHET),サイクリックトリマー(CT)等のオリゴマー、内容物由来のリモネンなどが、リサイクル材料に多く残存していると、製造されるリサイクル品の品質に影響を及ぼすだけでなく、製造装置を汚損してしまうなどして生産性を低下させる原因になるという問題もある。
そこで、本発明者らは、メカニカルリサイクルによるリサイクル材料として、回収されたポリエステル系樹脂成形品を再利用する際の上記の如き問題を解消するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
本発明に係るポリエステル系樹脂の再生方法は、回収されたポリエステル系樹脂成形品をフレーク状に粉砕してなる樹脂フレークを、50mbar以下の減圧条件下で、ガラス転移点以上、溶融温度未満の範囲で加熱する一次固相重合工程と、前記一次固相重合工程を経た前記樹脂フレークを可塑化し、溶融混錬してペレット状に造粒する造粒工程と、前記造粒工程で作製された樹脂ペレットを、100mbar以下の減圧条件下で、180~230℃の範囲で加熱する二次固相重合工程とを含む方法としてある。
本発明に係る合成樹脂製容器の製造方法は、上記方法により再生された、ペレット状の再生ポリエステル系樹脂を可塑化し、溶融混錬して、射出成形又は圧縮成形により有底筒状のプリフォームを作製し、次いで、前記プリフォームをブロー成形する方法としてある。
本発明によれば、回収されたポリエステル系樹脂成形品をメカニカルリサイクルによるリサイクル材料として再利用するに際し、ポリエステル系樹脂が良好に再生されることにより、リサイクル材料として好適に再利用することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態にあっては、回収されたポリエステル系樹脂成形品をメカニカルリサイクルによるリサイクル材料として好適に再利用できるように、当該回収品を形成する品質が劣化したポリエステル系樹脂を再生するが、「回収されたポリエステル系樹脂成形品」には、資源ごみとして分別収集された使用済みのPETボトルなどのポリエステル系樹脂成形品の外、ポリエステル系樹脂成形品を製造する過程で生じたスクラップ材を含めることができる。
また、再生の対象とされるポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンフラノエート又はこれらの共重合体などが挙げられる。
本実施形態では、先ず、回収されたポリエステル系樹脂成形品をフレーク状に粉砕するとともに、アルカリ洗浄、温水洗浄などの任意の洗浄手段によって洗浄し、粉砕された樹脂フレークの表面に残る内容物の残滓などの汚れや、混入した異物を取り除く。そして、洗浄された樹脂フレークを、必要に応じて乾かしてから、樹脂フレーク用に準備した固相重合槽(以下、「一次固相重合槽」という)に投入して、50mbar以下、好ましくは20mbar以下の減圧条件下で、ガラス転移点以上、溶融温度未満の範囲で加熱することによって、樹脂フレークを溶融させることなく、フレーク状の形態のまま固相重合反応を進行させる(一次固相重合工程)。
次に、一次固相重合工程を経た樹脂フレークを可塑化し、溶融混錬してペレット状に造粒することによって、樹脂ペレットを作製する(造粒工程)。
造粒工程を行うには、例えば、内部に可塑化スクリューが配設された加熱シリンダと、加熱シリンダの先端に取り付けられた造粒用ダイスとを備え、加熱シリンダ内で可塑化され、溶融混錬されて、造粒用ダイスからストランド状に押し出された樹脂をペレット状に切断するように構成された造粒装置などを用いることができる。このような造粒装置にあっては、造粒用ダイスと加熱シリンダとの間に、異物除去のためのフィルターを介在させることができる。処理の効率化の観点から、一次固相重合工程を経た樹脂フレークが、一次固相重合槽から造粒装置に直接投入されるように、これらの装置を接続することによって、一次固相重合工程と造粒工程とが連続して行われるようにするのが好ましい。
その後、本実施形態では、造粒工程で作製された樹脂ペレットを、樹脂ペレット用に準備した固相重合槽(以下、「二次固相重合槽」という)に投入して、100mbar以下、好ましくは20mbar以下の減圧条件下で、180~230℃、好ましくは190~210℃の範囲で加熱することによって、再度、固相重合反応を進行させる(二次固相重合工程)。
二次固相重合工程を行うに際しては、例えば、140~180℃の温度で、固相重合反応が進行しない程度に樹脂ペレットを予熱して、造粒工程で非晶化した樹脂ペレットの表面の結晶化度を高めておくことにより、二次固相重合槽内での樹脂ペレットどうしのブロッキングが抑制されるようにするのが好ましい。
固相重合反応によって、劣化により分子鎖が切断されて重合度が低下したポリエステル系樹脂の末端基が再縮合し、これによって重合度が回復するにつれて、分子量に対応する固有粘度(IV)を回復させることができる。本実施形態にあっては、樹脂フレークの状態で固相重合反応を進行させて一次固相重合工程を行い、次いで、一次固相重合工程を経た樹脂フレークを可塑化し、溶融混錬してペレット状に造粒した後に、樹脂ペレットの状態で、再度、固相重合反応を進行させる二次固相重合工程を行うことによって、ポリエステル系樹脂の熱分解や解重合を抑制しつつ、ポリエステル系樹脂の固有粘度を効率よく回復させることができる。
また、固相重合反応を減圧条件下で行うことによって、ポリエステル系樹脂の熱分解によって生じたアセトアルデヒド、ポリエステル系樹脂の解重合によって生じたBHET,MHET,CT等のオリゴマー、重合前のモノマーに由来するDEG等のモノマー由来成分、内容物由来のリモネンなど低分子量の不純物や、樹脂に収着された水分を減圧下に揮発又は蒸発させて除去することができる。本実施形態では、樹脂ペレットに造粒する前に、樹脂フレークの状態で一次固相重合工程を行うことで、樹脂フレークの表面に残存するこれらの不純物などを除去しつつ、樹脂ペレット内に不純物が取り込まれてしまうのを抑制することができる。そして、樹脂フレークを可塑化し、溶融混錬してペレット状に造粒する過程で、樹脂ペレットの表面に滲出してきた不純物を、二次固相重合工程において効率よく除去することによって、最終的に得られる樹脂ペレットに残存する不純物の残存量をより良好に低減させることができる。
なお、固相重合反応を減圧条件下で行うことによって不純物を除去するに際しては、キャリアガスとしてNガスなどの不活性ガスを用いて、減圧状態を維持したまま固相重合槽内への流入と排気を所定の流量で継続的に行うのが好ましい。
以上のような本実施形態によれば、回収されたポリエステル系樹脂成形品をメカニカルリサイクルによるリサイクル材料として再利用するに際し、ポリエステル系樹脂が良好に再生されることにより、リサイクル材料として好適に再利用することができる。特に、本実施形態において、再生されたポリエステル系樹脂からなる樹脂ペレットは、これを可塑化し、溶融混錬して、射出成形又は圧縮成形により有底筒状のプリフォームを作製し、次いで、かかるプリフォームをブロー成形することによって、PETボトルなどの合成樹脂製容器を製造するためのリサイクル材料として好適であり、二次固相重合工程における熱結晶化により、当該樹脂ペレットの第一融点ピークが低温側から高温側にシフトしていることから、プリフォーム成形前の乾燥処理時にブロッキングするなどの不具合が生じることもない。
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
回収された使用済みのPETボトルをフレーク状に粉砕するとともに、洗浄された樹脂フレークを用意した。用意した樹脂フレークを一次固相重合槽に投入し、20mbar以下の減圧条件下で、210℃前後に加熱して、樹脂フレークを溶融させることなく、フレーク状の形態のまま固相重合反応を進行させた。そして、樹脂フレークが、一次固相重合槽内に60~90分滞留した後に造粒装置に投入されるようにして、一次固相重合工程を経た樹脂フレークを可塑化し、溶融混錬してペレット状に造粒した。次いで、樹脂ペレットを二次固相重合槽に投入し、10mbar以下の減圧条件下で、200℃に加熱することによって、再度、固相重合反応を進行させ、樹脂ペレットを二次固相重合槽内に6時間滞留させて二次固相重合工程を行った後に排出した。
なお、二次固相重合工程を行うに際しては、二次固相重合槽内へのNガスの流入と排気を3m/Lの流量で継続的に行った。
二次固相重合工程後の樹脂ペレットについて、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量を測定した。その結果を表1に示す。
なお、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量は、次のようにして測定した。
<固有粘度>
樹脂ペレットを150℃にて1時間真空乾燥させ、0.2g秤量した。これに1,1,2,2-テトラクロロエタンとフェノールの混合溶媒(重量比1/1)を加えて1.00g/dLの濃度に調整し、120℃で20分間撹拌して完全に溶解させた。溶解後の溶液を室温まで冷却し、30℃に温調された相対粘度計(Viscotek,Y501)を用いて相対粘度を求め、固有粘度を決定した。
<結晶化度>
密度法により次式から結晶化度を求めた。
結晶化度χ={[ρc×(ρ-ρa)]/[ρ×(ρc-ρa)]}
ρ:測定密度(g/cm
ρa:非晶密度(1.335g/cm
ρc:結晶密度(1.455g/cm
なお、密度測定は硝酸カルシウム溶液系密度勾配管(株式会社柴山科学器械製作所)により、23℃の条件下にて行った。
<融点>
樹脂ペレット8mgを試料に用いて、示差走査熱量計(PERKIN ELMAR社製DSC8500)を用いてDSC測定を行った。
試料温度は、
(1)40℃で3分間保持
(2)40℃から300℃に10℃/minで昇温
の順で走査し、(2)における融点ピークを融点とした。低温側の融点ピークを第一融点ピーク、高温側の融点ピークを第二融点ピークとした。
<アセトアルデヒドの残存量>
冷凍粉砕装置にて粉砕した樹脂ペレットの粉砕試料をガラス瓶に1.0g秤量し、5.0mLの純水を加えて密封した。この懸濁液を120℃に温調したオーブン内にて60分間加熱した後、氷水中にて冷却した。懸濁液の上澄みを1.0mL採取し、これに濃度0.1%の2,4-ジニトロフェニルヒドラジン・リン酸溶液を0.2mL加え、30分間放置したものを高速液体クロマトグラフィーにて測定した。同時に標準溶液の測定も行い、得られた検量線をもとに樹脂ペレット中のアセトアルデヒド含有量を計算した。
<BHET、MHET、CTの残存量>
樹脂ペレットを0.2g秤量し、これにヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルムの混合溶媒(重量比1/1)を1mL加えて完全に溶解した。溶液に4mLのクロロホルムを加えた後、5mLのアセトニトリルを徐々に加え、3時間放置してPETポリマーを析出させた。この懸濁液から1mL採取し、細孔径0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過し、濾液を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。同時に標準溶液の測定も行い、得られた検量線をもとにペレット中のMHET、BHET及びCTの含有量を計算した。
Figure 2022090549000001
[実施例2]
二次固相重合工程において、加熱温度を195℃にした以外は、実施例1と同様の操作を行い、二次固相重合工程後の樹脂ペレットについて、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例1]
回収された使用済みのPETボトルをフレーク状に粉砕するとともに、洗浄された樹脂フレークを用意し、固相重合反応を進行させることなく、160℃の温度で100分前後加熱することによって乾燥させた後に、造粒装置に投入してペレット状に造粒した。得られた樹脂ペレットについて、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1で得られた樹脂ペレットを固相重合槽に投入し、樹脂ペレットの滞留時間を6時間とした以外は、実施例1と同様に、10mbar以下の減圧条件下で、200℃に加熱することによって、固相重合反応を進行させた。固相重合後の樹脂ペレットについて、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1,2に比べて結晶化度が向上しているのは、樹脂ペレットの滞留時間が長いことに起因すると考えられるが、それ以外は、実施例1,2のいずれにも及ばない結果となった。
[比較例3]
回収された使用済みのPETボトルをフレーク状に粉砕するとともに、洗浄された樹脂フレークを用意した。用意した樹脂フレークを固相重合槽に投入し、10mbar以下の減圧条件下で、190℃前後に加熱して、樹脂フレークを溶融させることなく、フレーク状の形態のまま固相重合反応を進行させた。そして、樹脂フレークが、固相重合槽内に90分前後滞留した後に造粒装置に投入されるようして、ペレット状に造粒した。得られた樹脂ペレットについて、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量を測定した。その結果を表1に示す。
本比較例で得られた樹脂ペレットは、第一融点ピークが160~190℃付近にあり、プリフォーム成形前の乾燥処理時にブロッキングするなどの不具合が生じた。
[比較例4]
回収された使用済みのPETボトルをフレーク状に粉砕するとともに、洗浄された樹脂フレークを用意した。用意した樹脂フレークを固相重合槽に投入し、10mbar以下の減圧条件下で、190℃前後に加熱して、樹脂フレークを溶融させることなく、フレーク状の形態のまま固相重合反応を進行させた。そして、樹脂フレークが、固相重合槽内に120分前後滞留した後に造粒装置に投入されるようして、ペレット状に造粒した。得られた樹脂ペレットについて、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例5]
比較例4で得られた樹脂ペレットを常圧下で、160℃の温度で6時間加熱処理した。加熱処理後の樹脂ペレットについて、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量を測定した。その結果を表1に示す。
比較例4との対比から、本比較例のような160℃の加熱処理では固有粘度、結晶化度に大きな変化は認められなかった。
[比較例6]
二次固相重合工程において、二次固相重合槽内の圧力を100~200mbarに調整し、加熱温度を197℃、Nガスの流量を200m/Lとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、二次固相重合工程後の樹脂ペレットについて、固有粘度(IV)、結晶化度、融点(Tm)及びアセトアルデヒド(AA),BHET,MHET,CTの残存量を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1,2と同等に固有粘度が向上しているものの、それ以外は、実施例1,2のいずれにも及ばない結果となった。
本発明に係る再生ポリエステル系樹脂は、以上のような再生方法により再生された再生ポリエステル系樹脂であって、固有粘度が0.78~0.95dl/g、結晶化度が40~60%、第一融点ピークが200~245℃、アセトアルデヒドの残存量が0.1~2.0ppm、ビスヒドロキシエチルテレフタレートの残存量が5~18ppm、モノヒドロキシエチルテレフタレートの残存量が5~18ppm、サイクリックトリマーの残存量が4,000~7,000ppmとなるように、回収されたポリエステル系樹脂成形品から良好に再生される。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。

Claims (3)

  1. 回収されたポリエステル系樹脂成形品をフレーク状に粉砕してなる樹脂フレークを、50mbar以下の減圧条件下で、ガラス転移点以上、溶融温度未満の範囲で加熱する一次固相重合工程と、
    前記一次固相重合工程を経た前記樹脂フレークを可塑化し、溶融混錬してペレット状に造粒する造粒工程と、
    前記造粒工程で作製された樹脂ペレットを、100mbar以下の減圧条件下で、180~230℃の範囲で加熱する二次固相重合工程と
    を含むことを特徴とするポリエステル系樹脂の再生方法。
  2. 請求項1に記載のポリエステル系樹脂の再生方法により再生された、ペレット状の再生ポリエステル系樹脂を可塑化し、溶融混錬して、射出成形又は圧縮成形により有底筒状のプリフォームを作製し、次いで、前記プリフォームをブロー成形することを特徴とする合成樹脂製容器の製造方法。
  3. 請求項1に記載のポリエステル系樹脂の再生方法により再生された再生ポリエステル系樹脂であって、
    固有粘度が0.78~0.95dl/g、結晶化度が40~60%、第一融点ピークが200~245℃、アセトアルデヒドの残存量が0.1~2.0ppm、ビスヒドロキシエチルテレフタレートの残存量が5~18ppm、モノヒドロキシエチルテレフタレートの残存量が5~18ppm、サイクリックトリマーの残存量が4,000~7,000ppmであることを特徴とする再生ポリエステル系樹脂。

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