〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機の正面図である。
パチンコ機10は、遊技機の一種であるパチンコ遊技機である。このパチンコ機10は、図1に示すように、パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方(正面側)に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを備えている。
遊技機本体12は、左右両側部のうち一方を支持側として回動可能となるように外枠11に支持される内枠(図示略)と、内枠の前方に配置されるとともに、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能となるように内枠に支持される前扉枠13と、内枠の後方に配置されるとともに、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能となるように内枠に支持される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
なお、遊技機本体12は、その回動先端部に設けられた施錠装置(図示略)を備えている。この施錠装置は、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能な施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠13を内枠に対して開放不能な施錠状態とする機能を有している。これらの施錠状態は、パチンコ機10の前面に露出させて設けられたシリンダ錠14に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことによって解除される。
前扉枠13は、内枠の前面側全体を覆うようにして設けられた略楕円形状の窓部21と、窓部21に嵌め込まれた窓パネル22とを有している。なお、本実施形態では、窓パネル22は、ガラスによって無色透明に形成されているが、合成樹脂などによって無色透明に形成されていてもよい。
また、前扉枠13は、窓部21の周囲に設けられた各種ランプ部等にて構成される発光手段の一部として窓部21の上方に設けられた表示ランプ部23と、表示ランプ部23の左右両側に設けられるとともに、遊技状況に応じた効果音などを出力するスピーカ部24と、窓部21の下方に設けられた上側膨出部25および下側膨出部26とを備えている。
上側膨出部25および下側膨出部26は、上下に並設されるとともに、共に前方へ膨出するように設けられている。
上側膨出部25は、上方に開口するようにして内側に設けられた上皿25aを有している。上皿25aは、裏パックユニットに設けられた払出装置71(図14参照)にて払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構81(図14参照)側へ導くための機能を有している。
下側膨出部26は、同じく上方に開口するようにして内側に設けられた下皿26aを有している。下皿26aは、上皿25a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
さらに、前扉枠13は、下皿26aの右方に設けられた発射手段としての発射ハンドル27を備えている。この発射ハンドル27は、パチンコ機10の遊技者に操作されることによって、内枠の下方に設けられた遊技球発射機構81から内枠の上方に設けられた遊技領域に向けて遊技球を発射する。発射ハンドル27は、その回転操作量を変更することによって、遊技領域に向けて発射する遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いを変更する。
図2は、遊技盤の正面図である。
遊技盤31は、図2に示すように、その表面に取り付けられた内レール部32および外レール部33を有し、内枠に搭載されている。前述した遊技領域は、内レール部32および外レール部33によって区画されるようにして遊技盤31に形成されている。この遊技領域は、窓部21を介して略全域を前方から視認することができる。
内レール部32および外レール部33は、遊技領域への遊技球の誘導レール34を構成し、この誘導レール34は、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことによって遊技球発射機構81から発射された遊技球を遊技領域の上部に案内する。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域の一方の側部に配置されるとともに、遊技領域の上部中央を向くようにして形成されている。このため、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、遊技者による発射ハンドル27の回転操作量が大きくなるにしたがって、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、本実施形態では、誘導レール34の出口部分は、遊技領域の左側部に設けられている。
遊技盤31は、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように形成された大小複数の開口部を遊技領域に有している。また、遊技盤31は、各開口部に設けられた上作動口36、下作動口37、可変入賞装置5、およびアウト口39を有している。また、遊技盤31は、中央部左側および中央部右側のそれぞれに設けられたスルーゲート41と、上部右側に設けられた主表示装置42と、中央部に設けられた可変表示ユニット43等とを有している。さらに、遊技盤31は、遊技球の落下方向を適宜分散させるために、または調整等するために植設された多数の釘44等の各種部材(役物)を遊技領域に有している。
上作動口36、下作動口37、および可変入賞装置5の各種入賞口のそれぞれは、遊技球の入球を検知する検知センサ40a~40d(図14参照)を備え、これらの検知センサ40a~40dは、遊技盤31の背面側に配設されている。具体的には、上作動口36は、検知センサ40aを備え、下作動口37は、検知センサ40bを備え、可変入賞装置5は、検知センサ40c,40dを備えている。パチンコ機10は、検知センサ40a~40dの検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。なお、検知センサ40a~40dは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
具体的には、パチンコ機10は、上作動口36への入球が発生した場合および下作動口37への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、可変入賞装置5への入球が発生した場合には10個または15個の賞球の払い出しを実行する。なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば、各作動口36,37の賞球個数を相違させてもよい。
アウト口39は、遊技盤31の遊技領域の最下部に設けられている。各種入賞口等に入球しなかった遊技球は、このアウト口39を通って遊技領域から排出される。また、アウト口39は、遊技球の入球を検知する検知センサ40e(図14参照)を備え、この検知センサ40eは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、アウト口39への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
各スルーゲート41は、遊技球の入球を検知する検知センサ40f(図14参照)を備え、この検知センサ40fは、遊技盤31の背面側に配設されている。なお、パチンコ機10は、各スルーゲート41への入球が発生した場合には、各種入賞口への入球が発生した場合と異なり、賞球の払い出しを実行しない。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することをいい、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに遊技領域の流下を継続する態様も含む。ただし、以下の説明では、アウト口39への遊技球の入球と明確に区別するために、各種入賞口への遊技球の入球を入賞とも表現する。また、スルーゲート41への入球とは、遊技領域に設けられたゲートを通過した後に遊技領域から排出されずに遊技領域の流下を継続することをいう。このスルーゲート41への入球についても各種入賞口への入球と同様に入賞とも表現する。
上作動口36および下作動口37は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤31に設置されている。各作動口36,37は、遊技領域を流下する遊技球を入球可能とすべく共に上向きに開口するとともに、上作動口36を上方に配置し、下作動口37を下方に配置するようにして鉛直方向に並設されている。下作動口37は、左右一対の可動片によって構成されたガイド片(サポート片)としての電動役物37aを有している。
電動役物37aは、遊技盤31の背面側に搭載された電動役物駆動部37bに連結されている。この電動役物37aは、電動役物駆動部37bにて駆動されることによって、閉鎖状態(非サポート状態または非ガイド状態)および開放状態(サポート状態またはガイド状態)のいずれかに設定される。閉鎖状態は、電動役物37aの上端を左右方向に近接させることによって、下作動口37を閉鎖した状態である。開放状態は、電動役物37aの上端を左右方向に離間させることによって、下作動口37を開放した状態である。
ここで、電動役物37aを閉鎖状態に設定した場合には、この電動役物37aの上端と、上作動口36との間隔は、遊技球1個分よりも狭くなる。また、電動役物37aを開放状態に設定した場合には、この電動役物37aの上端と、上作動口36との間隔は、遊技球1個分よりも広くなる。したがって、遊技球は、電動役物37aを閉鎖状態に設定した場合には、下作動口37に入賞することができず、開放状態に設定した場合には、下作動口37に入賞することができる。
なお、電動役物37aは、前述した閉鎖状態および開放状態に代えて、下作動口37に遊技球が入賞しにくい状態(閉鎖状態とは異なり遊技球の入球は可能な状態)と、下作動口37に遊技球が入賞しやすい状態とを切り換える構成としてもよい。また、下作動口37は、このような切り換えを電動役物37aの設定によって行うのではなく、下作動口37の変位によって行う構成としてもよく、このように構成した場合には、下作動口37は、電動役物37aを備えていなくてもよい。
図3は、可変入賞装置の正面図である。なお、図3では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
可変入賞装置5は、図3に示すように、下作動口37の下方に設けられている。この可変入賞装置5は、遊技領域の左側に設けられた第1の入賞口51と、遊技領域の右側に設けられた第2の入賞口52とを備えている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を調節し、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を調節することによって、可変入賞装置5に遊技球を導くことができる。
ここで、遊技盤31は、可変入賞装置5の前面側を覆うようにして設けられたパネル53を備えている。このパネル53は、可変入賞装置5を前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成されている。
したがって、遊技者は、パネル53を介して可変入賞装置5を前方から視認することができる。
図4は、可変入賞装置の斜視図である。図5は、可変入賞装置の三面図である。具体的には、図4は、可変入賞装置5の正面を右斜め上方側から見た図である。また、図5(A)は、上面側から見た可変入賞装置5の断面図であり、図5(B)は、可変入賞装置5の正面図であり、図5(C)は、右側面側から見た可変入賞装置5の断面図である。
第1の入賞口51は、図3~図5に示すように、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部311に設けられている。この第1の入賞口51は、右方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部311に導く略直方体状のカバー511と、カバー511の内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40cとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー511に導かれて開口部311に入球した遊技球は、排出通路311aを介して遊技領域から排出される。この排出通路311aを通った遊技球は、アウト口39の排出通路39aを通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる(図5(C)参照)。
第2の入賞口52は、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部312に設けられている。この第2の入賞口52は、左方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部312に導く略直方体状のカバー521と、カバー521の内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40dとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー521に導かれて開口部312に入球した遊技球は、排出通路312aを介して遊技領域から排出される。この排出通路312aを通った遊技球は、排出通路311aを通った遊技球と同様にアウト口39の排出通路39aを通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
このように、本実施形態では、第1の入賞口51は、遊技球の入球に際して所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口として機能し、第2の入賞口52は、遊技球の入球に際して第1の入賞口51よりも多数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口として機能している。
また、本実施形態では、第1の入賞口51は、水平方向一方側(+X軸方向側)に開口するようにして設けられている。第2の入賞口52は、水平方向他方側(-X軸方向側)に開口するようにして設けられている。
さらに、本実施形態では、第1の入賞口51および第2の入賞口52は、遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段として機能している。
また、第1の入賞口51は、カバー511の右側に設けられた略矩形板状の第1のブリッジ512と、第1のブリッジ512の背面側に取り付けられたコ字状のアーム513と、アーム513を介して第1のブリッジ512を駆動する第1のブリッジ駆動部514とを備えている。
第1のブリッジ512は、遊技盤31に形成された断面矩形状の穴313を介して突没自在に設けられているとともに、カバー511の下端部からカバー521の上端部にかけて傾斜するように設けられている。
アーム513は、第1のブリッジ512の背面部と、第1のブリッジ駆動部514の軸体とを接続するように設けられている。
第2の入賞口52は、カバー521の左側に設けられた略矩形板状の第2のブリッジ522と、第2のブリッジ522の背面側に取り付けられたコ字状のアーム523と、アーム523を介して第2のブリッジ522を駆動する第2のブリッジ駆動部524とを備えている。
第2のブリッジ522は、遊技盤31に形成された断面矩形状の穴314を介して突没自在に設けられているとともに、カバー521の下端部からカバー511の上端部にかけて傾斜するように設けられている。
アーム523は、第2のブリッジ522の背面部と、第2のブリッジ駆動部524の軸体とを接続するように設けられている。
このように、本実施形態では、第1のブリッジ512は、遊技盤31に対して突没自在に設けられるとともに、第1の入賞口51側に向かうにしたがって下降するように傾斜し、第2のブリッジ522は、遊技盤31に対して突没自在に設けられるとともに、第2の入賞口52側に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
また、本実施形態では、第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突没させるブリッジ駆動部として機能している。換言すれば、第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を独立して駆動する誘導体駆動部として機能している。
さらに、本実施形態では、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、交差するようにして設けられている。
図6は、第1のブリッジおよび第2のブリッジの詳細構成を示す斜視図である。
第1のブリッジ512は、図6に示すように、カバー511側(-X軸方向側)に位置する平板部5121と、カバー521側(+X軸方向側)に位置する平板部5122と、平板部5121および平板部5122を接続する接続部5123とを有している。
接続部5123は、第1のブリッジ512の正面側に位置し、平板部5121および平板部5122よりも狭い幅となるように形成されている。換言すれば、第1のブリッジ512は、その中央部に形成されるとともに、背面側から正面側にかけて突没方向に沿って形成された形成されたスリット5124を有している。
第2のブリッジ522は、カバー521側(+X軸方向側)に位置する平板部5221と、カバー511側(-X軸方向側)に位置する平板部5222と、平板部5221および平板部5222を接続する接続部5223とを有している。
接続部5223は、第2のブリッジ522の背面側に位置し、平板部5221および平板部5222よりも狭い幅となるように形成されている。換言すれば、第2のブリッジ522は、その中央部に形成されるとともに、正面側から背面側にかけて突没方向に沿って形成された形成されたスリット5224を有している。
そして、第1のブリッジ512のスリット5124と、第2のブリッジ522のスリット5224とは、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突没方向(Y軸方向)に沿って噛み合わせられている。
このように、本実施形態では、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第1のブリッジ512のスリット5124と、第2のブリッジ522のスリット5224とを第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突没方向に沿って噛み合わせることによって、交差するようにして設けられている。
図7は、第1のブリッジを突出させた状態における可変入賞装置の斜視図である。図8は、第1のブリッジを突出させた状態における可変入賞装置の三面図である。図9は、第1のブリッジを突出させた状態における第1のブリッジおよび第2のブリッジの詳細構成を示す斜視図である。具体的には、図7は、可変入賞装置5の正面を右斜め上方側から見た図である。また、図8(A)は、上面側から見た可変入賞装置5の断面図であり、図8(B)は、可変入賞装置5の正面図であり、図8(C)は、右側面側から見た可変入賞装置5の断面図である。
なお、図7~図9は、第1のブリッジ512のみを突出させた状態における可変入賞装置5を示す図である。
第1のブリッジ駆動部514は、図7~図9に示すように、窓パネル22に向かって軸体を突出させることによって、第1のブリッジ512を遊技盤31に形成された穴313を介して遊技盤31から突出させる(図8,9矢印参照)。第1のブリッジ512は、カバー511の下端部からカバー521の上端部にかけて傾斜するように設けられているので、遊技盤31から突出させることによって、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー511の開口に導くことができる(図8矢印参照)。
ここで、第1のブリッジ512の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技盤31およびパネル53の間隔D2よりも狭くなるように設定されている。換言すれば、第1のブリッジ512の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されている。
なお、本実施形態では、第1のブリッジ512の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているが、遊技球の直径と同じ幅に設定されていてもよく、遊技球の直径よりも広くなるように設定されていてもよい。
カバー511の開口幅は、入り口側(右側)から奥側(左側)に進むにしたがって、狭くなるように設定されている。これによれば、カバー511は、第1のブリッジ512の傾斜を伝って導かれた遊技球を第1の入賞口51へ滑らかに入賞させることができる。
そして、カバー511の上面部は、カバー511の下面部よりもカバー521側(開口方向側)に突出した形状となっている。
また、第1のブリッジ駆動部514は、窓パネル22に向かって軸体を没入させることによって、第1のブリッジ512を遊技盤31に形成された穴313を介して遊技盤31に没入させる。第1のブリッジ512は、遊技盤31に没入させることによって、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をアウト口39に導くことができる。
このように、第1の入賞口51は、第1のブリッジ512を遊技盤31から突出させて遊技球をカバー511の開口に導く開放状態と、第1のブリッジ512を遊技盤31に没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態とを有している。
そして、第1のブリッジ駆動部514は、第1のブリッジ512を駆動することによって、第1の入賞口51を開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
換言すれば、第1のブリッジ512は、第1の入賞口51に遊技球を導く第1の誘導体として機能している。
そして、第1のブリッジ駆動部514は、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して突出させることによって、第1のブリッジ512を有効(開放状態)に設定し、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して没入させることによって、第1のブリッジ512を無効(閉鎖状態)に設定している。
なお、前述したように、第1のブリッジ512の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、例えば、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第1のブリッジ512は、遊技盤31に素早く没入させることができる。
これによれば、第1のブリッジ駆動部514は、第1の入賞口51を閉鎖状態に設定した直後に、第1の入賞口51を閉鎖状態に設定する直前に第1のブリッジ512にてカバー511の開口に導いていた遊技球を第1の入賞口51に入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
また、前述したように、カバー511の上面部は、カバー511の下面部よりもカバー521側(開口方向側)に突出した形状となっているので、第1の入賞口51を閉鎖状態に設定した場合には、カバー511の上面部をカバー511の下面部よりもカバー521側(開口方向側)に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口51に誤って入賞しにくくなる。
なお、本実施形態では、カバー511の上面部は、カバー511の下面部よりもカバー521側(開口方向側)に突出した形状となっているが、突出しない形状となっていてもよい。
図10は、第2のブリッジを突出させた状態における可変入賞装置の斜視図である。図11は、第2のブリッジを突出させた状態における可変入賞装置の三面図である。図12は、第2のブリッジを突出させた状態における第1のブリッジおよび第2のブリッジの詳細構成を示す斜視図である。具体的には、図10は、可変入賞装置5の正面を右斜め上方側から見た図である。また、図11(A)は、上面側から見た可変入賞装置5の断面図であり、図11(B)は、可変入賞装置5の正面図であり、図11(C)は、右側面側から見た可変入賞装置5の断面図である。
なお、図10~図12は、第2のブリッジ522のみを突出させた状態における可変入賞装置5を示す図である。
第2のブリッジ駆動部524は、図10~図12に示すように、窓パネル22に向かって軸体を突出させることによって、第2のブリッジ522を遊技盤31に形成された穴314を介して遊技盤31から突出させる(図11,12矢印参照)。第2のブリッジ522は、カバー521の下端部からカバー511の上端部にかけて傾斜するように設けられているので、遊技盤31から突出させることによって、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー521の開口に導くことができる(図11矢印参照)。
ここで、第2のブリッジ522の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技盤31およびパネル53の間隔D2よりも狭くなるように設定されている。換言すれば、第2のブリッジ522の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されている。
なお、本実施形態では、第2のブリッジ522の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているが、遊技球の直径と同じ幅に設定されていてもよく、遊技球の直径よりも広くなるように設定されていてもよい。
カバー521の開口幅は、入り口側(左側)から奥側(右側)に進むにしたがって、狭くなるように設定されている。これによれば、カバー521は、第1のブリッジ522の傾斜を伝って導かれた遊技球を第2の入賞口52へ滑らかに入賞させることができる。
そして、カバー521の上面部は、カバー521の下面部よりもカバー511側(開口方向側)に突出した形状となっている。
また、第2のブリッジ駆動部524は、窓パネル22に向かって軸体を没入させることによって、第2のブリッジ522を遊技盤31に形成された穴314を介して遊技盤31に没入させる。第2のブリッジ522は、遊技盤31に没入させることによって、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をアウト口39に導くことができる。
このように、第2の入賞口52は、第2のブリッジ522を遊技盤31から突出させて遊技球をカバー521の開口に導く開放状態と、第2のブリッジ522を遊技盤31に没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態とを有している。
そして、第2のブリッジ駆動部524は、第2のブリッジ522を駆動することによって、第2の入賞口52を開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
換言すれば、第2のブリッジ522は、第2の入賞口52に遊技球を導く第2の誘導体として機能している。
そして、第2のブリッジ駆動部524は、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させることによって、第2のブリッジ522を有効(開放状態)に設定し、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、第2のブリッジ522を無効(閉鎖状態)に設定している。
なお、前述したように、第2のブリッジ522の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、例えば、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第2のブリッジ522は、遊技盤31に素早く没入させることができる。
これによれば、第2のブリッジ駆動部524は、第2の入賞口52を閉鎖状態に設定した直後に、第2の入賞口52を閉鎖状態に設定する直前に第2のブリッジ522にてカバー521の開口に導いていた遊技球を入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
また、前述したように、カバー521の上面部は、カバー521の下面部よりもカバー511側(開口方向側)に突出した形状となっているので、第2の入賞口52を閉鎖状態に設定した場合には、カバー521の上面部をカバー521の下面部よりもカバー511側(開口方向側)に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第2の入賞口52に誤って入賞しにくくなる。
なお、本実施形態では、カバー521の上面部は、カバー521の下面部よりもカバー511側(開口方向側)に突出した形状となっているが、突出しない形状となっていてもよい。
ここで、第1の入賞口51および第2の入賞口52は、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態に設定されている。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合には、第1の入賞口51または第2の入賞口52は、遊技球が入賞できる開放状態に設定される。
なお、開閉実行モード(特定制御状態)とは、第1の入賞口51または第2の入賞口52を開放状態に設定し、第1の入賞口51または第2の入賞口52に遊技球を入球可能とするモードをいう。また、開閉実行モードにおいて、第1の入賞口51または第2の入賞口52を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回のラウンド遊技という。
以下の説明では、第1の入賞口51および第2の入賞口52は、単に大入賞口50とも称する。
遊技盤31の説明に戻り、図2を参照して主表示装置42等の構成について説明する。
主表示装置42は、図2に示すように、メイン表示部45と、役物用表示部46とを有し、複数のセグメント発光部を所定の態様で配列したセグメント表示器(図示略)や、ドット表示器などの複数の表示装置を配置して構成されている。
なお、主表示装置42は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして遊技盤31に設けられている。すなわち、主表示装置42は、窓パネル22を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。また、主表示装置42と、窓パネル22との間の距離は、遊技球1個分よりも狭くなっている。これによって、パチンコ機10は、主表示装置42と、窓パネル22との間を遊技球が落下していくのを防止している。換言すれば、パチンコ機10は、主表示装置42の前方を遊技球が落下していくのを防止している。
メイン表示部45は、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第1結果表示部45aと、下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第2結果表示部45bとを備えている(図14参照)。なお、メイン表示部45は、開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)に、その開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数を明示するためのラウンド表示部を更に備えていてもよい。
第1結果表示部45aは、上作動口36への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第1結果表示部45aは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部45bは、下作動口37への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、下作動口37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第2結果表示部45bは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
このように、本実施形態では、上作動口36および下作動口37は、遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段として機能する。
役物用表示部46は、各スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。役物用表示部46は、内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した結果であった場合には、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、電役開放状態へ移行する。この電役開放状態では、下作動口37に設けられた電動役物37aは、所定の態様で開放状態となる。
なお、本実施形態では、メイン表示部45および役物用表示部46は、セグメント表示器や、ドット表示器などにより構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等の他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部45および役物用表示部46に変動表示させる絵柄としては、複数種の文字を変動表示させる構成、複数種の記号を変動表示させる構成、複数種のキャラクタを変動表示させる構成、または複数種の色を切り換えて表示させる構成などを採用できる。
可変表示ユニット43は、絵柄の一種である図柄を変動表示(可変表示または切換表示)する図柄表示装置47を備えている。また、可変表示ユニット43は、図柄表示装置47を囲むようにして配設されたセンターフレーム48を備えている。このセンターフレーム48の上部は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして設けられている。これによって、パチンコ機10は、図柄表示装置47の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのを防止し、遊技球の落下によって表示画面Gの視認性が低下するといった不都合を生じない構成となっている。
図柄表示装置47は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されている。この図柄表示装置47は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて図柄の変動表示を開始する。すなわち、図柄表示装置47は、メイン表示部45の第1結果表示部45aにて変動表示を実行する場合およびメイン表示部45の第2結果表示部45bにて変動表示を実行する場合には、それに合わせて変動表示を実行する。
なお、図柄表示装置47は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、またはCRT等の他の表示装置であってもよい。
センターフレーム48は、図柄表示装置47の左下側の領域に設けられた第1保留ランプ部49aと、図柄表示装置47の右下側の領域に設けられた第2保留ランプ部49bと、第2保留ランプ部49bの右側の領域に設けられた第3保留ランプ部49cとを備えている。
第1保留ランプ部49aは、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第1保留ランプ部49aは、遊技球を最大4個まで保留することができ、第1結果表示部45aおよび図柄表示装置47の変動表示に対応している。
第2保留ランプ部49bは、下作動口37に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第2保留ランプ部49bは、遊技球を最大4個まで保留することができ、第2結果表示部45bおよび図柄表示装置47の変動表示に対応している。
第3保留ランプ部49cは、各スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第3保留ランプ部49cは、遊技球を最大4個まで保留することができ、役物用表示部46の変動表示に対応している。
なお、各保留ランプ部49a~49cは、図柄表示装置47の一部に画像として表示される等の他の構成であってもよい。
図13は、図柄表示装置の表示画面を示す図である。
図柄表示装置47の表示画面Gは、図13に示すように、3列の表示領域に区画されており、各表示領域には、左から順に左図柄列Z1、中図柄列Z2、および右図柄列Z3が表示される。各図柄列Z1~Z3は、「1」~「8」の数字からなる8種類の図柄を下方から上方に向かって昇順となるとともに、「8」の次は「1」となるように配列して構成されている。なお、図13では、各表示領域の中心線を一点鎖線で示している。
図柄表示装置47は、上作動口36または下作動口37への入賞に基づいて、各図柄列Z1~Z3の図柄を所定の向き(本実施形態では上向き)に周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行する。この遊技回用の演出は、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から停止表示に切り換わり、最終的には、有効ラインL上に所定の図柄を停止表示した状態で終了する。
すなわち、遊技回とは、各作動口36,37への入賞に基づいて、メイン表示部45および図柄表示装置47にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示するまでをいう。
なお、図柄表示装置47における図柄の変動表示の態様は、これに限定されることはなく任意である。例えば、図柄列の列数、各図柄列のスクロールの方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、各図柄列の図柄は、数字のみの態様に代えて、絵と数字とを組み合わせた態様としてもよく、絵のみの態様としてもよい。
<パチンコ機10の電気的構成>
図14は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図14に示すように、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備え、これらの装置は、内枠の背面側に搭載されている。また、パチンコ機10は、前述した払出装置71に遊技球の払い出しをさせる払出制御を実行する払出制御装置70と、前述した遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する電源・発射制御装置80とを備え、これらの装置は、裏パックユニットに搭載されている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御(主制御)を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65とを備えている。なお、主制御装置60は、主制御基板61などを収容する基板ボックスを備えている。この基板ボックスは、その開放に際して痕跡を残す痕跡手段を備えていてもよく、その開放に際して痕跡を残す痕跡構造を備えていてもよい。具体的には、痕跡手段としては、複数のケース体を結合することによって基板ボックスを構成し、各ケース体の分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)を設ける構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成などを採用することができる。また、痕跡構造としては、これらのケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成などを採用することができる。
主制御基板61は、主制御基板61に実装されたMPU62と、このMPU62を構成しているROM63およびRAM64とを備えている。ここで、MPU62は、ROM63およびRAM64の他、CPU、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、および乱数発生器としてのカウンタ回路などを複合的にチップ化した素子である。
なお、本実施形態では、ROM63およびRAM64は、MPU62に対して1チップ化されているが、個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の他の制御装置のMPUについても同様である。
ROM63は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。このROM63は、当否テーブル記憶エリア63aや、振分テーブル記憶エリア63bや、リーチ用テーブル記憶エリア63cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
RAM64は、ROM63に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。このRAM64は、各種カウンタエリア64aや、保留球格納エリア64bや、電役保留エリア64cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
MPU62は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU62の入力ポートは、主制御装置60に設けられた停電監視基板65と、複数の検知センサ40a~40fとに接続されている。MPU62の出力ポートは、停電監視基板65と、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とに接続されている。また、MPU62の出力ポートは、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置5の第1のブリッジ512を突没動作させる第1のブリッジ駆動部514と、可変入賞装置5の第2のブリッジ522を突没動作させる第2のブリッジ駆動部524と、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行して第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を突没させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
停電監視基板65は、主制御基板61と、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置80とを中継し、電源・発射制御装置80から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。したがって、MPU62は、停電監視基板65を介して電力を受給する。
検知センサ40a~40fは、上作動口36、下作動口37、および可変入賞装置5の各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41に1対1で対応して設けられている。MPU62は、検知センサ40a~40fの検知結果に基づいて、各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41への入賞判定(入球判定)を行っている。なお、MPU62は、上作動口36または下作動口37への入賞判定に基づいて、内部抽選を実行する。
払出制御装置70は、主制御装置60から送信されるコマンド(制御命令)に基づいて、払出装置71に賞球や貸し球(遊技に際して遊技者に貸し出す遊技球)の払い出しをさせる払出制御を実行する。
電源・発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、電源・発射制御装置80は、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。なお、電源・発射制御装置80は、バックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部を備えている。この電断時用電源部は、パチンコ機10への電力供給が遮断された電断時においても主制御装置60のRAM64に記憶保持用の電力を供給する。
また、電源・発射制御装置80は、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する。ここで、遊技球発射機構81は、遊技盤31の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿25aに貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドとを備えている。電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、このソレノイドに対して駆動信号(発射許可信号)を供給し、遊技球を発射させる。
<主制御装置60のMPU62にて内部抽選を実行するための電気的構成>
図15は、内部抽選に用いられる各カウンタの内容を示す図である。
MPU62は、図15に示すように、各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4の値(情報)を用いることによって、内部抽選などを実行する。具体的には、MPU62は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用し、リーチ表示を発生させるか否かの抽選にリーチ乱数カウンタC3を使用する。また、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に乱数初期値カウンタCINIを使用し、メイン表示部45および図柄表示装置47における表示継続時間の決定に変動種別カウンタCSを使用する。さらに、MPU62は、下作動口37の電動役物37aを電役開放状態とするか否かの抽選に電動役物開放カウンタC4を使用する。なお、各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、RAM64の各種カウンタエリア64a(図14参照)に設けられている。
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後、0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは、定期的に更新され、その更新された値は、RAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア64b(図14参照)に格納される。また、抽選カウンタ用バッファに格納された値のうち、電動役物開放カウンタC4の値は、各スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64c(図14参照)に格納される。
保留球格納エリア64bは、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEとを備えている。
第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリアRa1~第4エリアRa4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRa1~Ra4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を格納可能な記憶容量に設定されている。MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として上作動口36への遊技球の入賞に合わせて各エリアRa1~Ra4に時系列的に格納していく。具体的には、MPU62は、上作動口36への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRa1→第2エリアRa2→第3エリアRa3→第4エリアRa4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
このように、第1結果表示部用保留エリアRaは、4つの記憶エリアを備えているので、上作動口36への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第1結果表示部用保留エリアRaは、各エリアRa1~Ra4に格納されている保留個数を書き込むための記憶エリアを備えている。
なお、上作動口36に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbは、第1エリアRb1~第4エリアRb4の4つの記憶エリアを備えている。各エリアRb1~Rb4は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を格納可能な記憶容量に設定されている。MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を保留情報として下作動口37への遊技球の入賞に合わせて各エリアRb1~Rb4に時系列的に格納していく。具体的には、MPU62は、下作動口37への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリアRb1→第2エリアRb2→第3エリアRb3→第4エリアRb4の順に保留情報を時系列的に格納していく。
このように、第2結果表示部用保留エリアRbは、4つの記憶エリアを備えているので、下作動口37への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、各エリアRb1~Rb4に格納されている保留個数を書き込むための記憶エリアを備えている。
なお、下作動口37に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、各結果表示部45a,45bの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa、または第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報を移動させるためのエリアである。
電役保留エリア64cは、第1結果表示部用保留エリアRaおよび第2結果表示部用保留エリアRbと同様に4つの記憶エリアを備えている。したがって、各スルーゲート41への遊技球の入賞は、最大4個まで保留されるようになっている。
なお、各スルーゲート41に係る保留個数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個、または5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
<各カウンタの詳細な説明>
以下、各カウンタの詳細について説明する。
まず、電動役物開放カウンタC4について説明する。電動役物開放カウンタC4は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値250に達した後、0に戻ることによって、0~250の範囲内でループするループカウンタとなっている。
電動役物開放カウンタC4は、定期的に更新され、その更新された値は、各スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の電役保留エリア64cに格納される。
そして、MPU62は、電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、下作動口37の電動役物37aを電役開放状態とするか否かの抽選(電動役物開放抽選)を実行する。
ここで、パチンコ機10は、電動役物37aを開放状態に設定することによって、下作動口37への遊技球の入賞を可能とする頻度が互いに異なる複数のサポートモードを有している。具体的には、パチンコ機10は、電動役物37aを開放状態に設定する頻度が相対的に低い低頻度サポートモード(低頻度ガイド状態)と、電動役物37aを開放状態に設定する頻度が相対的に高い高頻度サポートモード(高頻度ガイド状態)とを有している。
低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選において、電役開放状態に当選する確率は同一(例えば、共に4/5)となっている。しかしながら、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電役開放状態に当選した際に、電動役物37aを開放状態に設定する回数が多く、電動役物37aを開放状態に設定する1回の開放時間も長くなっている。また、高頻度サポートモードでは、1回の電役開放状態における各回の開放の間に、電動役物37aを閉鎖状態に設定する閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短くなっている。さらに、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、電動役物開放抽選を終えてから次回の電動役物開放抽選を行うまでに待機する時間として最低限確保される確保時間(役物用表示部46における1回の変動表示の継続時間)が短くなっている。
したがって、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードと比較して、遊技球は、下作動口37に入賞しやすくなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、遊技球は、下作動口37よりも上作動口36に入賞する確率が高くなる。また、高頻度サポートモードでは、遊技球は、上作動口36よりも下作動口37に入賞する確率が高くなる。
そして、下作動口37への入賞を検知した場合には、所定数の賞球の払い出しが実行されるので、高頻度サポートモードでは、遊技者は、遊技球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、低頻度サポートモードおよび高頻度サポートモードの構成は、これに限定されることはない。例えば、高頻度サポートモードは、電動役物開放抽選にて電役開放状態に当選する確率を低頻度サポートモードと比較して高くするように構成してもよい。また、例えば、複数種類の確保時間を用意し、高頻度サポートモードは、低頻度サポートモードと比較して、短い確保時間を選択し易いように構成してもよく、選択される確保時間の平均を短くするように構成してもよい。さらに、電動役物37aを開放状態に設定する回数、開放時間、および確保時間の各条件を組み合わせることによって、高頻度サポートモードは、電動役物37aを開放状態に設定する頻度を低頻度サポートモードと比較して相対的に高くするように構成してもよい。
次に、大当たり乱数カウンタC1について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値599に達した後、0に戻ることによって、0~599の範囲内でループするループカウンタとなっている。また、大当たり乱数カウンタC1は、1周ループするごとに、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値を初期値として読み込む。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様に0~599の範囲内でループするループカウンタである。
大当たり乱数カウンタC1は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、大当たり発生の抽選(当否抽選)を実行する。
図16は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルを示す図である。
大当たり乱数カウンタC1の値のうち、大当たり発生に当選する乱数の値は、図16に示すように、当否情報群記憶手段として設けられたROM63の当否テーブル記憶エリア63a(図14参照)に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。
ここで、パチンコ機10は、大当たり発生に当選しにくい低確率モード(低確率状態)と、大当たり発生に当選しやすい高確率モード(高確率状態)との2つの当否抽選モードを有している。また、当否テーブルは、図16(a)に示す低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図16(b)に示す高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの当否テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行する。
これらの当否テーブルは、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」の複数の大当たり発生の抽選の結果(当否結果)を有している。
具体的には、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、図16(a)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は2個である。
これに対して、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、図16(b)に示すように、「大当たり当選」となる乱数の値は21個である。ここで、低確率モード用の当否テーブルに記憶された大当たり当選となる乱数の値は、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値に含まれている。
なお、各当否テーブルに記憶される乱数の値や個数は任意であり、高確率モードは、低確率モードと比較して「大当たり当選」となる確率が高くなっていればよい。また、高確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値は、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値を含んでいなくてもよく、低確率モード用の当否テーブルに記憶された「大当たり当選」となる乱数の値の一部を含んでいてもよい。
また、各当否抽選モードにおいて、「大当たり当選」となる乱数の値以外は、大当たり発生に当選せずに外れ結果となる。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、「特別外れ結果(小当たり結果)」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有している。これらの外れ結果は、いずれも当否抽選モードや、サポートモードの移行契機とはならない点で共通している。しかしながら、「特別外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機となるのに対して、「通常外れ結果」は、開閉実行モードへの移行契機とはならない点で異なっている。
次に、大当たり種別カウンタC2について説明する。大当たり種別カウンタC2は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値29に達した後、0に戻ることによって、0~29の範囲内でループするループカウンタとなっている。
大当たり種別カウンタC2は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり種別カウンタC2の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選(振分抽選)を実行する。
図17は、大当たりの種別の振分先に係る乱数の値を記憶した振分テーブルを示す図である。
大当たりの種別の振分先に係る乱数の値は、図17に示すように、振分情報群記憶手段として設けられたROM63の振分テーブル記憶エリア63b(図14参照)に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルは、図17(a)に示す第1振分テーブル(第1振分情報群)と、図17(b)に示す第2振分テーブル(第2振分情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの振分テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値とを比較することによって、大当たりの種別の抽選を実行する。
第1振分テーブルは、第1結果表示部用保留エリアRaから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち上作動口36への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第1振分テーブルは、図17(a)に示すように、「低確結果(低確率対応の特別振分結果)」、「非明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の潜伏高確率結果)」、「明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の高確率結果)」、および「最有利結果(高確率対応の特別振分結果)」の複数の振分結果を振分先としている。具体的には、第1振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0~29」のうち、「0~9」を「低確結果」に振り分け、「10~14」を「非明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「15~19」を「明示少ラウンド高確結果」に振り分け、「20~29」を「最有利結果」に振り分けている。
第2振分テーブルは、第2結果表示部用保留エリアRbから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち下作動口37への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第2振分テーブルは、図17(b)に示すように、「低確結果」および「最有利結果」の2つの振分結果を振分先としている。具体的には、第2振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0~29」のうち、「0~9」を「低確結果」に振り分け、「10~29」を「最有利結果」に振り分けている。
各振分結果は、以下の(1)~(3)の条件の少なくともいずれかに差異を有している。
(1)開閉実行モード終了後の当否抽選モード
(2)開閉実行モード終了後のサポートモード
(3)開閉実行モードにおける可変入賞装置5の開閉制御の態様
まず、(1)の当否抽選モードの相違について説明する。
「低確結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが低確率モードに設定される振分結果である。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、および「最有利結果」は、開閉実行モード終了前の当否抽選モードに関わらず開閉実行モード終了後に当否抽選モードが高確率モードに設定される振分結果である。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
次に、(2)のサポートモードの相違について説明する。
「低確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行する。
「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードをそのまま維持する振分結果である。ここで、開閉実行モード終了前のサポートモードが高頻度サポートモードであった場合には、高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
「明示少ラウンド高確結果」および「最有利結果」は、開閉実行モード終了前のサポートモードに関わらず開閉実行モード終了後にサポートモードが高頻度サポートモードに設定される振分結果である。この高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
なお、(3)の開閉実行モードにおける可変入賞装置5の開閉制御の態様の相違については後に詳細に説明する。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値238に達した後、0に戻ることによって、0~238の範囲内でループするループカウンタとなっている。
リーチ乱数カウンタC3は、定期的に更新され、その更新された値は、上作動口36または下作動口37に遊技球が入賞したタイミングで抽選カウンタ用バッファを介してRAM64の保留球格納エリア64bに格納される。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の値は、上作動口36に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口37に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
そして、MPU62は、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて、リーチ表示を発生させるか否かの抽選(リーチ発生抽選)を実行する。
リーチ表示は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に発生する期待演出である。
具体的には、MPU62は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合に、リーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ表示を発生させるか否かの抽選を実行し、この抽選においてリーチ表示を発生させるとなった場合にリーチ表示を発生させる。なお、リーチ用テーブルは、リーチ表示の発生に係る乱数の値を記憶したテーブルであり、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア63c(図14参照)に記憶されている。
ここで、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」に振り分けられた場合には、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」に振り分けられた場合には、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。さらに、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合には、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示する。
リーチ表示は、同一の数字を有する図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「最有利結果」または「低確結果」に振り分けられた場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生する。また、リーチ表示は、特別な図柄の組み合わせを最終的に停止表示させる場合(当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」に振り分けられた場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合)には、リーチ乱数カウンタC3の値に関わらず発生しない。
リーチ表示の態様は、図柄表示装置47の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1~Z3のうち、一部の図柄列(例えば、図柄列Z1および図柄列Z3)を有効ラインL上に停止表示させることによって、同一の図柄の組み合わせを表示して停止結果を示唆し、その状態で残りの図柄列(例えば、図柄列Z2)を変動表示する。
したがって、パチンコ機10は、リーチ表示を発生させることによって、図柄表示装置47にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において「低確結果」または「最有利結果」に振り分けられたのではないかと遊技者に期待させることができる。
なお、リーチ表示の態様は、これに限定されることはなく、一部の図柄列を停止表示させた上で残りの図柄列を変動表示させるとともに、所定のキャラクタなどを動画として背景に表示してもよく、各図柄列を縮小表示または非表示にした上で所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gの略全体に表示してもよい。
ここで、パチンコ機10は、図柄表示装置47の変動表示の一種として期待演出を有している。期待演出とは、図柄表示装置47にて変動表示が開始された後、所定の停止結果を表示する前に、当否抽選において「大当たり当選」となったのではないかと遊技者に期待させるような演出をいう。具体的には、パチンコ機10は、前述したリーチ表示と、予告表示との2種類の期待演出を有している。
予告表示は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合や、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「特別外れ結果」となった場合に、当否抽選において「大当たり当選」となることなく「通常外れ結果」となった場合よりも演出を発生しやすくする期待演出である。この予告表示は、演出を発生しやすくする代わりに、出現率の低い演出を選択しやすくするようにしてもよく、これらを組み合わせるようにしてもよい。
なお、リーチ表示を発生させるか否かの抽選は、主制御装置60にて実行されていたのに対し、予告表示を発生させるか否かの抽選は、音声発光制御装置90にて実行される。
予告表示の態様は、図柄表示装置47の表示画面Gに表示される複数の図柄列Z1~Z3のうち、全ての図柄列Z1~Z3を変動表示させている、一部の図柄列(例えば、図柄列Z1)を有効ラインL上に停止表示させた上で複数の図柄列(例えば、図柄列Z2,Z3)を変動表示させている、またはリーチ表示を発生させている状況において、所定のキャラクタなどを動画として表示画面Gに表示する。この予告表示は、リーチ表示を発生させる場合およびリーチ表示を発生させない場合のいずれの場合においても発生するが、リーチ表示を発生させない場合よりもリーチ表示を発生させる場合に発生しやすくなるように設定されている。
なお、予告表示は、これに限定されることはなく、例えば、背景を変更して表示してもよく、図柄列Z1~Z3の形態を変更して表示してもよい。
最後に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば、その更新の都度、前回値に1が加算され、最大値198に達した後、0に戻ることによって、0~198の範囲内でループするループカウンタとなっている。
変動種別カウンタCSは、後述する通常処理の実行ごとに少なくとも1回更新され、その更新の都度、抽選カウンタ用バッファに格納される。
そして、MPU62は、抽選カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値に基づいて、メイン表示部45における絵柄の表示継続時間と、図柄表示装置47における図柄の表示継続時間とを決定する。なお、これらの表示継続時間については後に詳細に説明する。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
主制御装置60のMPU62は、遊技を進行させるタイマ割込み処理および通常処理や、電源投入に伴って起動するメイン処理を実行する。以下、タイマ割込み処理、通常処理、およびメイン処理について順に説明する。
なお、MPU62は、タイマ割込み処理、通常処理、およびメイン処理の他、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力によって起動するNMI割込み処理を実行するが、この処理についての説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
図18は、タイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
タイマ割込み処理では、MPU62は、図18に示すように、ステップS101~S105を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS101では、MPU62は、複数の検知センサ40a~40fの読み込み処理を実行する。この読み込み処理では、MPU62は、複数の検知センサ40a~40fの状態を読み込み、その状態を判定して入賞検知情報としてRAM64に保存する。MPU62は、各種入賞口に対応した検知センサ40a~40dが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定し、この設定したコマンドを払出制御装置70に送信する。例えば、MPU62は、第1の入賞口51に対応した検知センサ40cが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、10個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信し、第2の入賞口52に対応した検知センサ40dが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、15個の賞球を指示するための賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。
なお、払出制御装置70は、MPU62から送信される賞球コマンドに基づいて、払出装置71に賞球の払い出しを実行させる払出制御を行う。
ステップS102では、MPU62は、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、乱数初期値カウンタCINIの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合には、乱数初期値カウンタCINIの値を0に戻してクリアする。
ステップS103では、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、および電動役物開放カウンタC4の前回値にそれぞれ1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、各カウンタC1~C4の前回値にそれぞれ1を加算する際に最大値に達していた場合には、各カウンタC1~C4の値を0に戻してクリアする。
ステップS104では、MPU62は、スルー用の入賞処理を実行する。このスルー用の入賞処理では、MPU62は、各スルーゲート41に対応した検知センサ40fが遊技球の入賞を検知していると判定した場合には、ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア64cに格納する。また、MPU62は、第3保留ランプ部49cを点灯させるためのコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、第3保留ランプ部49cを点灯させる。また、スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数は、前述したように、最大4個であり、第3保留ランプ部49cは、この保留個数と対応する数だけ点灯する。
ステップS105では、MPU62は、作動口用の入賞処理を実行する。
以下、作動口用の入賞処理について詳細に説明する。
<作動口用の入賞処理>
図19は、作動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。
作動口用の入賞処理では、MPU62は、図19に示すように、ステップS201~S207を実行する。
ステップS201では、MPU62は、上作動口36に対応した検知センサ40aが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、上作動口36に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。MPU62は、ステップS201にて上作動口36に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS202において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第1始動保留記憶数RaNとして第1結果表示部用保留エリアRaにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、ステップS205以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS201にて上作動口36に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS203において、下作動口37に対応した検知センサ40bが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、下作動口37に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS203にて下作動口37に遊技球が入賞していないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS203にて下作動口37に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS204において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、ステップS205以降の処理を実行する。
ステップS202またはステップS204の処理を実行した後、MPU62は、ステップS205において、ステップS202またはステップS204にてセットした始動保留記憶数N(RaNまたはRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS205にて始動保留記憶数Nが上限値未満でないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS205にて始動保留記憶数Nが上限値未満であると判定した場合には、ステップS206において、その始動保留記憶数Nの値に1を加算して更新する。
ステップS207では、MPU62は、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を結果表示部用保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した始動保留記憶数Nと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。
例えば、MPU62は、ステップS202にて第1始動保留記憶数RaNをセットした場合には、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU62は、ステップS202にて第1始動保留記憶数RaNに「3」をセットした場合には、ステップS206にて更新した第1始動保留記憶数RaNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRa4に保留情報を格納する。
また、例えば、MPU62は、ステップS204にて第2始動保留記憶数RbNをセットした場合には、タイマ割込み処理のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、およびリーチ乱数カウンタC3の各値の組を第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS206にて更新した第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに保留情報として格納する。例えば、MPU62は、ステップS204にて第2始動保留記憶数RbNに「3」をセットした場合には、ステップS206にて更新した第2始動保留記憶数RbNの「4」と対応する記憶エリアである第4エリアRb4に保留情報を格納する。
また、ステップS207では、MPU62は、第1保留ランプ部49aまたは第2保留ランプ部49bを点灯させるためのコマンドを設定し、この設定したコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、作動口用の入賞処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるコマンドに基づいて、第1保留ランプ部49aまたは第2保留ランプ部49bを点灯させる。また、上作動口36または下作動口37に入賞した遊技球の保留個数は、前述したように、最大4個であり、第1保留ランプ部49aまたは第2保留ランプ部49bは、この保留個数と対応する数だけ点灯する。
<通常処理>
図20は、通常処理のフローチャートを示す図である。
MPU62は、電源投入に伴って起動する後述のメイン処理を実行した後、遊技を進行させるための主要な処理である通常処理を実行する。この通常処理では、MPU62は、図20に示すように、ステップS301~S314を実行する。具体的には、MPU62は、ステップS301~S309を4msec周期で定期的に実行し、残余時間が発生した場合にステップS308~S311を繰り返し実行し、ステップS308の判定結果に応じてステップS312以降を実行する。
ステップS301では、MPU62は、タイマ割込み処理または前回の通常処理で設定したコマンドをサブ側の各制御装置に送信するための外部出力処理を実行する。この外部出力処理では、例えば、MPU62は、賞球コマンドが設定されているか否かを判定し、賞球コマンドが設定されていると判定した場合には、その賞球コマンドを払出制御装置70に送信する。また、例えば、MPU62は、遊技回用の演出に対応したコマンドや、開閉実行モード用の演出に対応したコマンドなどの演出用のコマンドが設定されているか否かを判定し、演出用のコマンドが設定されていると判定した場合には、その演出用のコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
ステップS302では、MPU62は、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、MPU62は、前述したように、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算して更新するとともに、更新後の値をRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに格納する。なお、MPU62は、変動種別カウンタCSの前回値に1を加算する際に最大値に達していた場合には、変動種別カウンタCSの値を0に戻してクリアする。
ステップS303では、MPU62は、遊技回を進行させるための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、MPU62は、当否抽選および振分抽選を実行するとともに、図柄表示装置47に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報の決定およびメイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報の決定などを実行する。
ステップS304では、MPU62は、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、MPU62は、開閉実行モード、高確率モード、および高頻度サポートモードなどの各遊技状態への移行処理を実行する。
なお、ステップS303の遊技回制御処理およびステップS304の遊技状態移行処理については後に詳細に説明する。
ステップS305では、MPU62は、デモ表示実行判定処理を実行する。このデモ表示実行判定処理では、MPU62は、遊技回の終了後に新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、30sec)を経過したか否かを判定し、開始待ち期間を経過していると判定した場合には、デモ表示を開始させるためのデモコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるデモコマンドに基づいて、デモ表示実行処理を開始する。
ここで、MPU62は、ステップS305の処理の実行回数をカウントすることによって開始待ち期間が経過したか否かを判定する。例えば、開始待ち期間を30secとし、ステップS305の処理を繰り返し実行する間隔が4msecである場合には、MPU62は、ステップS305の処理の実行回数をカウントして7500回に達したときに開始待ち期間を経過したと判定する。なお、開始待ち期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロックを用いて開始待ち期間を測定してもよい。また、MPU62は、ステップS305の処理の実行回数をカウントしているときに新たな遊技回を開始した場合には、そのカウントの値をリセットする。
ステップS306では、MPU62は、下作動口37に設けられた電動役物37aの駆動制御を実行するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、MPU62は、RAM64の電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、電動役物開放抽選を実行するとともに、電動役物開放抽選に当選した場合には、電動役物37aの開閉処理を実行する。また、MPU62は、電動役物開放抽選の結果を表示するように、役物用表示部46の表示制御を実行する。
ステップS307では、MPU62は、遊技球発射制御処理を実行する。この遊技球発射制御処理では、MPU62は、遊技者が発射ハンドル27を回転操作したことに基づいて、電源・発射制御装置80に遊技球を発射させる発射制御を実行させる。具体的には、電源・発射制御装置80は、所定の周期(本実施形態では0.6sec)で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。なお、ソレノイドは、発射ハンドル27の回転操作量に応じた発射強度で遊技球を発射するように励磁される。また、電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、遊技球発射機構81のソレノイドに対して駆動信号を供給し、遊技球を発射させる。
ステップS308では、MPU62は、RAM64の停電フラグ格納エリア(図示略)に停電フラグがセットされているか否かを判定する。この停電フラグは、MPU62のNMI端子に対して停電監視基板65から停電信号が入力されることによってRAM64にセットされる。停電監視基板65は、停電の発生を確認した場合に、この停電信号を出力する。なお、この停電フラグは、次回のメイン処理の実行時にクリアされる。
ここで、パチンコ機10は、RAM64等の所定のエリアに1を代入することによって各種のフラグをセットし、0を代入することによって各種のフラグをクリアする。例えば、パチンコ機10は、RAM64の停電フラグ格納エリアに1を代入することによって停電フラグをセットし、RAM64の停電フラグ格納エリアに0を代入することによって停電フラグをクリアする。
MPU62は、ステップS308にて停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS309以降の処理を実行することなく、ステップS312以降の電断時処理を実行する。具体的には、ステップS312では、MPU62は、タイマ割込み処理の発生を禁止する。ステップS313では、MPU62は、RAM判定値(RAM64のチェックサム)を算出して保存する。ステップS314では、MPU62は、RAM64へのアクセスを禁止する。その後、MPU62は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
これに対して、MPU62は、ステップS308にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS309において、次回の通常処理を実行するタイミングに至ったか否か、すなわち現在の通常処理を開始したときから所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS309にて次回の通常処理を実行するタイミングに至っていないと判定した場合、すなわち残余時間が発生した場合には、ステップS310において、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS311において、変動種別カウンタCSの更新を実行する。なお、MPU62は、ステップS309にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定するまでステップS308~S311を繰り返し実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS309にて次回の通常処理を実行するタイミングに至ったと判定した場合、すなわち残余時間が発生していない場合には、ステップS301を再び実行することによって、次回の通常処理を開始する。
<メイン処理>
図21は、メイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理では、MPU62は、図21に示すように、ステップS401~S412を実行する。
ステップS401では、MPU62は、電源投入に伴って立ち上げ処理を実行する。この立ち上げ処理では、MPU62は、サブ側の制御基板(音声発光制御装置90の制御基板等)が動作可能な状態になるのを待つために、電源投入後、所定の時間(例えば、500msec程度)が経過するまで待機する。
ステップS402では、MPU62は、許可禁止用期間である1secが経過したか否かを判定する。MPU62は、ステップS402にて1secが経過していないと判定した場合には、ステップS402の処理を繰り返し実行する。また、MPU62は、ステップS402にて1secが経過したと判定した場合には、ステップS403以降の処理を実行する。
ここで、MPU62は、ステップS402の処理の実行回数をカウントすることによって1secが経過したか否かを判定する。例えば、ステップS402の処理を繰り返し実行する間隔が0.1msecである場合には、MPU62は、ステップS402の処理の実行回数をカウントして10000回に達したときに1secが経過したと判定する。なお、許可禁止用期間を測定する構成は任意であり、例えば、リアルタイムクロックを用いて許可禁止用期間を測定してもよい。
ステップS403では、MPU62は、RAM64へのアクセスを許可する。
ステップS404では、MPU62は、電源・発射制御装置80に設けられたRAM消去スイッチ(図示略)がオンになっているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていないと判定した場合には、ステップS405において、RAM64の停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされているか否かを判定する。
そして、MPU62は、ステップS405にて停電フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS405にて停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS406において、RAM判定値を算出する。
ステップS407では、MPU62は、ステップS406にて算出したRAM判定値が正常であるか否かを判定することによって、RAM64に記憶されたデータの有効性を確認する。具体的には、MPU62は、ステップS406にて算出したRAM判定値と、通常処理のステップS313(電断時処理)にて保存されたRAM判定値とを比較し、これらが一致した場合には、RAM判定値は正常であると判定し、一致しない場合には、RAM判定値は異常であると判定する。
そして、MPU62は、ステップS407にてRAM判定値が正常でないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS407にてRAM判定値が正常であると判定した場合には、ステップS408において、RAM64の停電フラグ格納エリアに格納されている停電フラグをクリアする。
なお、RAM64に記憶されたデータの有効性は、RAM判定値の整合性を確認する方法とは異なる方法によって判定してもよく、例えば、電断時処理にてRAM64の所定のエリアにキーワードを書き込み、このキーワードが正常に書き込まれているか否かをメイン処理にて判定することによって、RAM64に記憶されたデータの有効性を確認してもよい。
前述したように、MPU62は、ステップS404にてRAM消去スイッチがオンになっていると判定した場合、ステップS405にて停電フラグがセットされていないと判定した場合、またはステップS407にてRAM判定値が正常でないと判定した場合には、ステップS409以降の処理を実行する。
具体的には、MPU62は、ステップS409において、RAM64の作業領域をクリアし、ステップS410において、RAM64の初期化を実行する。
したがって、例えば、遊技場の管理者は、遊技場の営業開始時にRAM消去スイッチを押下しながらパチンコ機10の電源を投入することによって、RAM64に記憶されたデータを初期化することができる。また、パチンコ機10は、停電監視基板65にて停電の発生を確認していない場合や、RAM判定値が異常であった場合には、RAM64に記憶されたデータを初期化する。
ステップS408またはステップS410の処理を実行した後、MPU62は、ステップS411において、サブ側の制御基板(音声発光制御装置90の制御基板等)に対して初期コマンドを送信し、ステップS412において、タイマ割込み処理の発生を許可し、前述した通常処理に移行する。
なお、サブ側の制御基板は、ステップS411にて送信された初期コマンドを受信することによって、主制御基板61との通信が正常に行われていることを認識するとともに、自己の初期化を実行する。
<遊技回制御処理>
図22は、遊技回制御処理のフローチャートを示す図である。
遊技回制御処理では、MPU62は、図22に示すように、ステップS501~S509を実行する。
ステップS501では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS501にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS502以降の処理を実行することなく、遊技回制御処理を終了する。したがって、開閉実行モード中であると判定した場合には、MPU62は、各作動口36,37への遊技球の入賞を検知しているか否かに関わらず遊技回の進行を開始しない。
なお、MPU62は、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグを参照することによって、開閉実行モード中であるか否かを判定している。以下の各処理においても同様である。MPU62は、開閉実行モードへの移行時に開閉実行モード中フラグをセットし、開閉実行モードの終了時に開閉実行モード中フラグをクリアする。
これに対して、MPU62は、ステップS501にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS502において、メイン表示部45が変動表示中であるか否か、すなわち遊技回を進行中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS502にてメイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には、ステップS503~S505の遊技回開始用処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS502にてメイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には、ステップS506~S509の遊技回進行用処理を実行する。
まず、ステップS503~S505の遊技回開始用処理について説明する。
ステップS503では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数とを把握し、これらの保留個数の合計数CRNが「0」以下であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS503にて合計数CRNが「0」以下であると判定した場合には、遊技回制御処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS503にて合計数CRNが「0」以下でないと判定した場合には、ステップS504において、第1結果表示部用保留エリアRaまたは第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報を遊技回の消化用に設定するためのデータ設定処理を実行する。その後、MPU62は、ステップS505において、メイン表示部45および図柄表示装置47に変動表示を開始させて遊技回を消化するための変動開始処理を実行し、遊技回制御処理を終了する。
以下、ステップS504のデータ設定処理およびステップS505の変動開始処理について詳細に説明する。
図23は、データ設定処理のフローチャートを示す図である。
データ設定処理では、MPU62は、図23に示すように、ステップS601~S611を実行する。
ステップS601では、MPU62は、作動口用の入賞処理のステップS204にてセットされた第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNが「0」以下であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下であると判定した場合には、ステップS602~S606の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下でないと判定した場合には、ステップS607~S611の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
このように、データ設定処理は、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第1結果表示部用のデータ設定処理と、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を遊技回の消化用に設定する第2結果表示部用のデータ設定処理とを有している。
そして、MPU62は、ステップS601にて第2始動保留記憶数RbNが「0」以下でないと判定した場合には、第1結果表示部用のデータ設定処理を実行することなく、第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。換言すれば、MPU62は、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報があると判定した場合には、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報があるか否かに関わらず第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定する。
まず、ステップS602~S606の第1結果表示部用のデータ設定処理について説明する。
ステップS602では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNの値に1を減算して更新する。
ステップS603では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアRa1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS604では、MPU62は、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRa1~Ra4に格納されている保留情報を第1エリアRa1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU62は、第2エリアRa2の保留情報を第1エリアRa1にシフトし、第3エリアRa3の保留情報を第2エリアRa2にシフトし、第4エリアRa4の保留情報を第3エリアRa3にシフトする。
ステップS605では、MPU62は、RAM64に記憶された第2結果表示部フラグをクリアする。この第2結果表示部フラグは、遊技回の消化に際して第1結果表示部45aおよび第2結果表示部45bのうち、どちらのメイン表示部45に変動表示を開始させているかを特定するためのフラグである。このステップS605では、MPU62は、第2結果表示部フラグをクリアしているので、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示している。
ステップS606では、MPU62は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置90に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第1保留ランプ部49aの点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置90は、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数の減少に伴って、第1保留ランプ部49aの点灯個数を減少させる。
次に、ステップS607~S611の第2結果表示部用のデータ設定処理について説明する。
ステップS607では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNの値に1を減算して更新する。
ステップS608では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアRb1に格納された保留情報を実行エリアAEに移動する。
ステップS609では、MPU62は、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された保留情報をシフトするデータシフト処理を実行する。このデータシフト処理は、各エリアRb1~Rb4に格納されている保留情報を第1エリアRb1側に順にシフトする処理である。具体的には、MPU62は、第2エリアRb2の保留情報を第1エリアRb1にシフトし、第3エリアRb3の保留情報を第2エリアRb2にシフトし、第4エリアRb4の保留情報を第3エリアRb3にシフトする。
ステップS610では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグをセットする。このステップS610では、MPU62は、第2結果表示部フラグをセットしているので、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示している。
ステップS611では、MPU62は、保留情報のシフトを実行したことを認識させるためのシフト時コマンドを設定し、この設定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90に送信し、データ設定処理を終了する。このシフト時コマンドは、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報を対象として保留情報のシフトを実行したことを音声発光制御装置90に認識させるための情報を含んでいる。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるシフト時コマンドに基づいて、第2保留ランプ部49bの点灯状態を変更する。具体的には、音声発光制御装置90は、下作動口37に入賞した遊技球の保留個数の減少に伴って、第2保留ランプ部49bの点灯個数を減少させる。
図24は、変動開始処理のフローチャートを示す図である。
変動開始処理では、MPU62は、図24に示すように、ステップS701~S718を実行する。
ステップS701では、MPU62は、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS701にて当否抽選モードが高確率モードでないと判定した場合には、ステップS702において、低確率モード用の当否テーブル(図16(a)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出し、ステップS701にて当否抽選モードが高確率モードであると判定した場合には、ステップS703において、高確率モード用の当否テーブル(図16(b)参照)をROM63の当否テーブル記憶エリア63aから読み出す。
ステップS702またはステップS703の処理を実行した後、MPU62は、ステップS704において、当否判定処理を実行する。この当否判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり乱数カウンタC1の値と、ステップS702またはステップS703にて読み出した当否テーブルとを比較することによって、当否抽選の結果(当否結果)を判定する。なお、前述したように、当否結果は、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」のいずれかであり、当否抽選モードが低確率モードであっても高確率モードであっても同様である。
ステップS705では、MPU62は、ステップS704にて判定した当否結果が「大当たり当選」であるか否かを判定する。MPU62は、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS706以降の処理を実行し、ステップS705にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定した場合には、ステップS712以降の処理を実行する。
まず、ステップS705において、MPU62にて当否結果が「大当たり当選」であると判定された場合の処理(ステップS706以降の処理)について説明する。
ステップS706では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS706にてRAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、上作動口36への遊技球の入賞に基づく第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、ステップS707において、第1振分テーブル(図17(a)参照)をROM63の振分テーブル記憶エリア63bから読み出す。
これに対して、MPU62は、ステップS706にてRAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、下作動口37への遊技球の入賞に基づく第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、ステップS708において、第2振分テーブル(図17(b)参照)をROM63の振分テーブル記憶エリア63bから読み出す。
ステップS707またはステップS708の処理を実行した後、MPU62は、ステップS709において、振分判定処理を実行する。この振分判定処理では、MPU62は、実行エリアAEに格納された大当たり種別カウンタC2の値と、ステップS707またはステップS708にて読み出した振分テーブルとを比較することによって、振分抽選の結果(振分結果)を判定する。
ステップS710では、MPU62は、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。この大当たり結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報をステップS709にて判定した振分結果に応じて決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果と、ROM63に予め記憶された大当たり結果用の停止結果テーブルとを比較することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この大当たり結果用の停止結果テーブルは、メイン表示部45に停止表示させる絵柄の態様を振分結果ごとに相違させて規定している。
ステップS711では、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果に応じたフラグをRAM64にセットする。具体的には、MPU62は、振分結果が「低確結果」であることを特定した場合には、低確結果フラグをセットし、「非明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合には、非明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「明示少ラウンド高確結果」であることを特定した場合には、明示少ラウンド高確結果フラグをセットし、「最有利結果」であることを特定した場合には、最有利結果フラグをセットする。その後、MPU62は、ステップS716以降の処理を実行する。
なお、以下の各処理において、MPU62は、これらのフラグを参照することによって、振分結果の判定を実行する。
次に、ステップS705において、MPU62にて当否結果が「大当たり当選」でないと判定された場合の処理(ステップS712以降の処理)について説明する。
ステップS712では、MPU62は、ステップS704にて判定した当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS712にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS713以降の処理を実行し、ステップS712にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS715以降の処理を実行する。
ステップS713では、MPU62は、特別外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この特別外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された特別外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS714では、MPU62は、特別外れフラグをRAM64にセットする。
なお、以下の各処理において、MPU62は、この特別外れフラグを参照することによって、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かの判定を実行する。
これに対して、ステップS715では、MPU62は、通常外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。この通常外れ結果用の停止結果設定処理では、MPU62は、メイン表示部45の第1結果表示部45aまたは第2結果表示部45bに最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定し、その決定した情報をRAM64に記憶させる。ここで、MPU62は、ROM63に予め記憶された通常外れ結果用の停止結果テーブルを参照することによって、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報を決定する。この通常外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様は、大当たり結果用の停止結果テーブルおよび特別外れ結果用の停止結果テーブルに設定された絵柄の態様とは異なっている。
ステップS711、ステップS714、およびステップS715のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS716において、表示継続時間(表示継続期間)の設定処理を実行する。
表示継続時間の設定処理では、MPU62は、RAM64の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納された変動種別カウンタCSの値を取得する。
また、表示継続時間の設定処理では、MPU62は、図柄表示装置47にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、MPU62は、ステップS709にて判定した振分結果が「低確結果」または「最有利結果」である場合、並びにステップS704にて判定した当否結果が「通常外れ結果」であるとともに、リーチ発生抽選に当選した場合には、リーチ表示が発生すると判定する。なお、MPU62は、前述したように、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア63cに予め記憶されたリーチ用テーブルと、保留球格納エリア64bに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値とを比較することによって、リーチ発生抽選を実行する。
MPU62は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア63cに記憶されたリーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
これに対して、MPU62は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリア63cに記憶されたリーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって、変動種別カウンタ用バッファから取得した変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続時間を決定し、その決定した表示継続時間をRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた表示継続時間カウンタにセットする。
具体的には、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を短くするように設定されている。したがって、上作動口36に係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、上作動口36に係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。そして、下作動口37に係る保留情報を消化する際の表示継続時間は、下作動口37に係る保留個数が多くなるほど短くなるように設定されている。また、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、サポートモードが高頻度サポートモードである場合には、低頻度サポートモードである場合と比較して、表示継続時間を短くするように設定されている。換言すれば、保留個数が同じであれば、高頻度サポートモードである場合の表示継続時間は、低頻度サポートモードである場合のそれよりも短い。
さらに、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間は、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは異なっている。
なお、リーチ非発生用表示継続時間テーブルは、保留個数が多くなるほど表示継続時間を長くなる等のように前述した関係とは逆の関係に設定されていてもよく、保留個数やサポートモードに応じて変動しない構成としてもよい。また、当否結果および振分結果のそれぞれに対して個別に表示継続時間テーブルを設定してもよい。
ステップS717では、MPU62は、変動用コマンドおよび種別コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS717にて設定した変動用コマンドおよび種別コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動用コマンドおよび種別コマンドに基づいて、所定の処理を実行する。この処理については後に詳細に説明する。
変動用コマンドは、表示継続時間に係る情報を含んでいる。また、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を含んでいない。
ここで、前述したように、リーチ発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間と、リーチ非発生用表示継続時間テーブルを参照することによって決定される表示継続時間とは互いに異なっている。
したがって、リーチ表示が発生するか否かの情報を変動用コマンドに含めなかったとしても、表示継続時間に係る情報に基づいて、サブ側の制御装置である音声発光制御装置90にてリーチ表示が発生するか否かを判定することは可能である。この意味では、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を間接的に含んでいるとも言える。なお、変動用コマンドは、リーチ表示が発生するか否かの情報を直接的に含んでいてもよい。
種別コマンドは、当否結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、当否結果に係る情報として、「大当たり当選」、「特別外れ結果」、および「通常外れ結果」に係る各情報を含んでいる。また、種別コマンドは、振分結果に係る情報を含んでいる。換言すれば、種別コマンドは、振分結果に係る情報として、「低確結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、および「最有利結果」に係る各情報を含んでいる。
なお、以下の説明では、当否結果および振分結果を総称して遊技結果とする。換言すれば、種別コマンドは、遊技結果に係る情報を含んでいる。
ステップS718では、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされているか否かを判定し、その判定結果に基づいてメイン表示部45に変動表示を開始させる。その後、MPU62は、変動開始処理を終了する。
具体的には、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていないと判定した場合には、遊技回の消化に際し、上作動口36への遊技球の入賞に基づいて、第1結果表示部45aに変動表示を開始させることを示しているので、第1結果表示部45aに変動表示を開始させる。
これに対して、MPU62は、RAM64に第2結果表示部フラグがセットされていると判定した場合には、遊技回の消化に際し、下作動口37への遊技球の入賞に基づいて、第2結果表示部45bに変動表示を開始させることを示しているので、第2結果表示部45bに変動表示を開始させる。
遊技回制御処理の説明に戻り、図22を参照してステップS506~S509の遊技回進行用処理について説明する。
MPU62は、ステップS502において、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定し、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には、ステップS506~S509の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS506では、MPU62は、変動開始処理のステップS716にてセットした表示継続時間が経過したか否かを判定する。具体的には、MPU62は、RAM64の表示継続時間カウンタにセットされた値が「0」以下になったか否かを判定する。なお、この表示継続時間カウンタの値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。
MPU62は、ステップS506にて表示継続時間が経過していないと判定した場合には、ステップS507において、変動表示用処理を実行する。この変動表示用処理では、MPU62は、変動表示中のメイン表示部45の表示を更新する。その後、MPU62は、遊技回制御処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS506にて表示継続時間が経過していると判定した場合には、ステップS508において、変動終了処理を実行する。この変動終了処理では、MPU62は、メイン表示部45に変動表示を開始させる際に実行された変動開始処理のステップS710、ステップS713、およびステップS715のいずれかの処理においてRAM64に記憶した情報(メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄に係る情報)を特定する。そして、MPU62は、遊技回の終了に際し、この特定した情報に対応した絵柄を変動表示中のメイン表示部45に表示させるようにメイン表示部45の表示制御を実行する。
ここで、メイン表示部45に最終的に停止表示させる絵柄は、遊技結果の種類ごとに異なっている。したがって、遊技場の管理者などは、遊技回の終了に際してメイン表示部45を目視することによって、遊技結果を確認することができる。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
また、メイン表示部45は、図柄表示装置47の表示画面Gと比較して表示領域が狭く、メイン表示部45に停止表示させる絵柄は、図柄表示装置47の表示画面Gに停止表示させる図柄列Z1~Z3と比較して遊技者にとって認識しにくいものとなっている。したがって、遊技者は、遊技回の終了に際し、メイン表示部45ではなく図柄表示装置47の表示画面Gを確認することによって、大当たり発生に当選したか否か等を判断することになるので、表示画面Gへの注目度を高めることができる。
ステップS509では、MPU62は、変動終了コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS509にて設定した変動終了コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、遊技回制御処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される変動終了コマンドに基づいて、その遊技回の演出を終了させるための処理を実行する。ここで、音声発光制御装置90は、変動終了コマンドの受信を必要とすることなく、独自に遊技回の演出を終了するように構成されていてもよい。
<遊技状態移行処理>
図25は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、図25に示すように、ステップS801~S815を実行する。
ステップS801では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS802以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS812以降の処理を実行する。
まず、ステップS801において、MPU62にて開閉実行モード中でないと判定された場合の処理(ステップS802以降の処理)について説明する。
ステップS802では、MPU62は、メイン表示部45の変動表示が終了したか否かを判定する。MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了していないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了したと判定した場合には、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、MPU62は、当否結果が「大当たり当選」または「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、RAM64に開閉実行モード中フラグをセットした後、ステップS804以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものでないと判定した場合(当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合)には、遊技状態移行処理を終了する。
ステップS804では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS805において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた開閉カウンタSOCに「2」をセットする。この開閉カウンタSOCは、開閉実行モードへの移行に際して可変入賞装置5の大入賞口50を開閉する総回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
これに対して、MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS806において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、ステップS807において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「2」をセットする。また、MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合、すなわち振分結果が「低確結果」または「最有利結果」であると判定した場合には、ステップS808において、ラウンドカウンタRCに「15」をセットする。このラウンドカウンタRCは、開閉実行モードへの移行に際してラウンド遊技の回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
ここで、パチンコ機10は、終了条件が互いに異なる複数の開閉実行モードを有している。具体的には、パチンコ機10は、開閉実行モードとして、当否結果が「大当たり当選」である場合に移行するラウンド数規定モードと、当否結果が「特別外れ結果」である場合に移行する開閉数規定モードとを有している。
ラウンド数規定モードは、予め定められた回数のラウンド遊技を実行したことを条件として終了する。ここで、ラウンド遊技の回数は、ラウンドカウンタRCにセットした値に対応している。
開閉数規定モードは、予め定められた総回数の大入賞口50の開閉を実行したこと、または予め定められた個数の遊技球が大入賞口50に入賞したことを条件として終了する。ここで、大入賞口50の開閉の総回数は、開閉カウンタSOCにセットした値に対応している。この開閉数規定モードは、ラウンド遊技の実行回数を条件として終了することはない。
なお、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口50の開閉を実行する。また、1回のラウンド遊技は、以下の2つの条件のうち、いずれかの条件を満たすまで継続する。換言すれば、パチンコ機10は、大入賞口50を開放状態に設定した後、以下の2つの条件のうち、いずれかの条件を満たすことによって、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定する。
(1)予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること
(2)大入賞口50への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること
ステップS808の処理を実行した後、MPU62は、ステップS809において、賞球決定処理を実行する。
図26は、賞球決定処理のフローチャートを示す図である。
賞球決定処理では、MPU62は、図26に示すように、ステップS901~S903を実行する。
ステップS901では、MPU62は、賞球抽選処理を実行する。この賞球抽選処理では、MPU62は、所定の確率(本実施形態では50%)に基づいて、可変入賞装置5の賞球数を多賞球(本実施形態では15個)とするか少賞球(本実施形態では10個)とするかの抽選を実行する。
ステップS902では、MPU62は、ステップS901の賞球抽選処理にて多賞球に当選したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS902にて多賞球に当選したと判定した場合には、ステップS903において、多賞球フラグをRAM64にセットする。
この多賞球フラグは、可変入賞装置5の賞球数を多賞球とすることを特定するためのフラグである。
なお、MPU62は、RAM64に記憶された多賞球フラグを開閉実行モードの終了時にクリアする。また、MPU62は、電源投入に伴ってRAM64に記憶された多賞球フラグをクリアする。
これに対して、MPU62は、ステップS902にて多賞球に当選しなかったと判定した場合(少賞球に当選したと判定した場合)には、多賞球フラグをRAM64にセットすることなく、賞球決定処理を終了する。
遊技状態移行処理の説明に戻り、図25を参照してステップS810以降の処理について説明する。
ステップS805、ステップS807、およびステップS809のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS810において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、オープニング用の待機時間は2secとなる。なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
このように、MPU62は、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、遊技結果の種類に関わらずタイマカウンタTにオープニング用の待機時間をセットする。換言すれば、オープニング用の待機時間は、遊技結果の種類に関わらず同一である。
なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、オープニング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS811では、MPU62は、オープニングコマンドを設定する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。このオープニングコマンドは、開閉実行モードへの移行の契機となった遊技結果の情報を含んでいる。また、オープニングコマンドは、可変入賞装置5の賞球数を多賞球とするか少賞球とするかの情報を含んでいる。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS811にて設定したオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードへの移行を認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
次に、ステップS801において、MPU62にて開閉実行モード中であると判定された場合の処理(ステップS812以降の処理)について説明する。
ステップS812では、MPU62は、大入賞口開閉処理を実行する。
図27は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、図27に示すように、ステップS1001~S1024を実行する。
ステップS1001では、MPU62は、大入賞口50が開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1001にて大入賞口50が開放中でないと判定した場合には、ステップS1002以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1001にて大入賞口50が開放中であると判定した場合には、ステップS1006以降の処理を実行する。
まず、ステップS1001において、MPU62にて大入賞口50が開放中でないと判定された場合の処理(ステップS1002以降の処理)について説明する。
ステップS1002では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1002にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1002にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合には、ステップS1003において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1003にてタイマカウンタTの値が「0」以下ではないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1003にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1004において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS1004の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図28は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、図28に示すように、ステップS1101~S1109を実行する。
ステップS1101では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1101にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1102において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1103において、タイマカウンタTに「85」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は0.17secとなる。
これに対して、MPU62は、ステップS1101にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1104において、入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1105において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1105にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、前述したステップS1103において、タイマカウンタTに「85」をセットする。
これに対して、MPU62は、ステップS1105にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合には、ステップS1106において、タイマカウンタTに「15000」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は30secとなる。
ステップS1103またはステップS1106の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1107において、RAM64に多賞球フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1107にてRAM64に多賞球フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1108において、第1の入賞口の開放実行処理を実行する。この第1の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第1のブリッジ駆動部514の駆動制御を実行することによって、第1のブリッジ512を突出させて第1の入賞口51を開放状態に設定する。また、第1の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を没入させて第2の入賞口52を閉鎖状態に設定する。
これに対して、MPU62は、ステップS1107にてRAM64に多賞球フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1109において、第2の入賞口の開放実行処理を実行する。この第2の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を突出させて第2の入賞口52を開放状態に設定する。また、第2の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第1のブリッジ駆動部514の駆動制御を実行することによって、第1のブリッジ512を没入させて第1の入賞口51を閉鎖状態に設定する。
ステップS1108の第1の入賞口の開放実行処理またはステップS1109の第2の入賞口の開放実行処理を実行した後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
なお、ステップS1102またはステップS1104にて入賞カウンタPCにセットされた値は、大入賞口50への遊技球の総入賞個数の上限を規定している。
また、ステップS1103またはステップS1106にてタイマカウンタTにセットされた値は、大入賞口50を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでの上限継続時間を規定している。したがって、MPU62は、前述したように、タイマカウンタTに「85」または「15000」をセットすることによって、長さの異なる2種類の上限継続時間を設定している。具体的には、MPU62は、上限継続時間を30secに設定した長時間態様(長期間態様)と、上限継続時間を長時間態様のそれよりも短い0.17secに設定した短時間態様(短期間態様)とを設定している。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、0.6secの周期で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。また、MPU62は、前述したように、入賞カウンタPCに「8」をセットすることによって、大入賞口50への遊技球の総入賞個数の上限を8個に設定している。
したがって、長時間態様の上限継続時間は、大入賞口50への遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも十分に長いので、上限である8個の遊技球を大入賞口50に入賞させることは容易である。
これに対して、短時間態様の上限継続時間は、大入賞口50への遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも短い(更に言及すれば遊技球の発射周期よりも短い)ので、遊技球を大入賞口50に入賞させることは困難である。なお、タイミングによっては1個程度の遊技球を大入賞口50に入賞させることは可能である。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図27を参照してステップS1005以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS1004の大入賞口開放処理を実行した後、ステップS1005において、開放コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1005にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放コマンドに基づいて、大入賞口50を開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1001において、MPU62にて大入賞口50が開放中であると判定された場合の処理(ステップS1006以降の処理)について説明する。
ステップS1006では、MPU62は、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1103またはステップS1106にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1006にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS1007以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1006にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1018以降の処理を実行する。
まず、ステップS1006において、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定された場合の処理(ステップS1007以降の処理)について説明する。
ステップS1007では、MPU62は、大入賞口50への入賞が発生したか否かを判定する。なお、大入賞口50への入賞が発生したか否かの判定は、大入賞口50に対応した検知センサ40c,40dの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS1007にて大入賞口50への入賞が発生していないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1007にて大入賞口50への入賞が発生したと判定した場合には、ステップS1008において、入賞カウンタPCの値に1を減算して更新する。
ステップS1009では、MPU62は、入賞カウンタPCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1009にて入賞カウンタPCの値が「0」以下でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1009にて入賞カウンタPCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1010において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、第1のブリッジ512を突出させて第1の入賞口51を開放状態に設定していた場合には、第1のブリッジ駆動部514の駆動制御を実行することによって、第1のブリッジ512を没入させて第1の入賞口51を閉鎖状態に設定する。また、閉鎖実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ522を突出させて第2の入賞口52を開放状態に設定していた場合には、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を没入させて第2の入賞口52を閉鎖状態に設定する。
ステップS1011では、MPU62は、閉鎖コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1011にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される閉鎖コマンドに基づいて、大入賞口50を閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS1012では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、後述するステップS1023以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1013以降の処理を実行する。
ステップS1013では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1014では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS1015において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS1015にてタイマカウンタTにセットされた値は、大入賞口50を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び大入賞口50を開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。なお、本実施形態では、開放待機時間は1secである。この開放待機時間は、開閉実行モードの種類や進行状況に関わらず同一である。
これに対して、MPU62は、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1016以降の処理を実行する。
ステップS1016では、MPU62は、タイマカウンタTにエンディング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、前述したように、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、エンディング用の待機時間は4secとなる。なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
エンディング用の待機時間は、オープニング用の待機時間と同様に、遊技結果の種類に関わらず同一である。すなわち、このエンディング用の待機時間は、開閉実行モードの種類に関わらず同一である。
なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、エンディング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS1017では、MPU62は、エンディングコマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1017にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1006おいて、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定された場合の処理(ステップS1018以降の処理)について説明する。
ステップS1018では、MPU62は、前述したステップS1010と同様に閉鎖実行処理を実行する。
ステップS1019では、MPU62は、前述したステップS1011と同様に閉鎖コマンドを設定する。
ステップS1020では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1020にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS1021以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1020にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1023以降の処理を実行する。
まず、ステップS1020において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1021以降の処理)について説明する。
ステップS1021では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1022では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1022にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS1015以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1022にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したステップS1016以降の処理を実行する。
次に、ステップS1012またはステップS1020において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定された場合の処理(ステップS1023以降の処理)について説明する。
ステップS1023では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値に1を減算して更新する。
ステップS1024では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1024にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS1015以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1024にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したステップS1016以降の処理を実行する。
遊技状態移行処理の説明に戻り、図25を参照してステップS813以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS812の大入賞口開閉処理を実行した後、ステップS813において、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS813にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS813にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合には、ステップS814において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS814にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS814にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS815において、RAM64に記憶された開閉実行モード中フラグおよび多賞球フラグをクリアした後、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。
以下、開閉実行モード終了時の移行処理について詳細に説明する。
図29は、開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。
開閉実行モード終了時の移行処理では、MPU62は、図29に示すように、ステップS1201~S1212を実行する。
ステップS1201では、MPU62は、振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1201にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1202以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1201にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1205以降の処理を実行する。
まず、ステップS1201において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1202以降の処理)について説明する。
ステップS1202では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1203では、MPU62は、RAM64に記憶された回数制限フラグをクリアする。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされていない場合には、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
ステップS1204では、MPU62は、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
なお、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する際には、MPU62は、振分結果に応じてRAM64にセットしたフラグ(低確結果フラグ、非明示少ラウンド高確結果フラグ、明示少ラウンド高確結果フラグ、および最有利結果フラグ)や、特別外れフラグをクリアする。また、前述した変動開始処理のステップS701では、MPU62は、RAM64に高確率モードフラグがセットされているか否かを判定することによって、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定している。
次に、ステップS1201において、MPU62にて振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1205以降の処理)について説明する。
ステップS1205では、MPU62は、振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1205にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、ステップS1206以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1205にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定した場合には、ステップS1208以降の処理を実行する。
まず、ステップS1205において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」であると判定された場合の処理(ステップS1206以降の処理)について説明する。
ステップS1206では、MPU62は、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1206にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていると判定した場合には、前述したステップS1203以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1206にてRAM64に高頻度サポートフラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1207において、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
次に、ステップS1205において、MPU62にて振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1208以降の処理)について説明する。
ステップS1208では、MPU62は、振分結果が「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1208にて振分結果が「低確結果」でないと判定した場合(当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合)には、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1208にて振分結果が「低確結果」であると判定した場合には、ステップS1209以降の処理を実行する。
ステップS1209では、MPU62は、高確率モードフラグをクリアする。これによって、MPU62は、当否抽選モードを低確率モードに設定する。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となって、振分結果が「低確結果」以外になるまで継続する。
ステップS1210では、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1211では、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた遊技回数カウンタの値に「100」をセットする。
ステップS1212では、MPU62は、回数制限フラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に回数制限フラグがセットされている場合には、これを維持する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされている場合には、遊技回数カウンタにセットされた終了基準回数である100回の遊技回を消化するまで継続する。MPU62は、100回の遊技回を消化した場合には、高頻度サポートフラグおよび回数制限フラグをクリアする。これによって、MPU62は、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。
なお、MPU62は、これらの処理を通常処理のステップS306において、電役サポート用処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
このように、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「最有利結果」または「明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、現在のサポートモードが高頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
これに対して、現在のサポートモードが低頻度サポートモードであるときに当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「非明示少ラウンド高確結果」となった場合には、遊技状態は、開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、低頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび低頻度サポートモードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続する。
また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「低確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続し、高頻度サポートモードは、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した場合には、低頻度サポートモードに移行する。
また、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合、すなわち当否抽選において当否結果が「特別外れ結果」または「通常外れ結果」となった場合には、遊技状態は移行しない。
このように、本実施形態では、主制御装置60は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な開閉実行モードに遊技状態を移行する遊技状態移行手段として機能している。
また、可変入賞装置5は、開閉実行モードに移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行している。
さらに、本実施形態では、各ブリッジ512,522および各ブリッジ駆動部514,524は、第1の入賞口51に遊技球を入球させるとともに、第2の入賞口52に遊技球を入球させない第1の入球可能状態と、第2の入賞口52に遊技球を入球させるとともに、第1の入賞口51に遊技球を入球させない第2の入球可能状態と、第1の入賞口51および第2の入賞口52のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替え、第1の入賞口51および第2の入賞口52の間に設けられた入球状態切替手段として機能している。
具体的には、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して突出させるとともに、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、第1のブリッジ512を介して第1の入賞口51に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えている。各ブリッジ駆動部514,524は、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させるとともに、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して没入させることによって、第2のブリッジ522を介して第2の入賞口52に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えている。各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えている。
換言すれば、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の有効・無効を切り替えることによって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替え、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を共に有効に設定し得ない。
そして、本実施形態では、主制御装置60は、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替え、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えている。
具体的には、主制御装置60は、少賞球(第1の入球可能状態)および多賞球(第2の入球可能状態)のいずれかを選択する賞球決定処理(入球可能状態選択部)と、賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える大入賞口開放処理(入球可能状態切替部)とを備えている。
ここで、賞球決定処理は、所定の確率(本実施形態では50%)に基づいて、少賞球および多賞球のいずれかを選択する抽選を実行している。
なお、本実施形態では、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行しているが、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択すれば、どのような方法を採用してもよい。例えば、入球可能状態選択部は、開閉実行モードに移行する契機となった大当り当選に至るリーチ表示の種類や期待度に応じて第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択してもよい。
<音声発光制御装置90および表示制御装置100の電気的構成>
図30は、音声発光制御装置および表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
音声発光制御装置90は、図30に示すように、音声発光制御基板91と、この音声発光制御基板91に実装されたMPU92と、このMPU92を構成しているROM93およびRAM94とを備えている。ここで、MPU92は、ROM93およびRAM94の他、CPU、割込回路、タイマ回路、およびデータ入出力回路などを複合的にチップ化した素子である。
ROM93は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。
RAM94は、ROM93に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。このRAM94は、コマンドリスト格納エリア94aなどの各種エリアを有している。
MPU92は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU92の入力ポートは、前述したように、主制御装置60に接続されている。MPU92の出力ポートは、各種ランプ部23,49a~49cと、スピーカ部24と、表示制御装置100とに接続されている。
MPU92は、主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、各種ランプ部23,49a~49cや、スピーカ部24の駆動制御を実行する。
また、MPU92は、これらのコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信する。なお、音声発光制御装置90は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置100と電気的に接続されている。
表示制御装置100は、表示制御基板101と、MPU102と、このMPU102を構成しているプログラムROM103およびワークRAM104と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とを備えている。ここで、MPU102は、プログラムROM103およびワークRAM104の他、CPU、割込回路、タイマ回路、およびデータ入出力回路などを複合的にチップ化した素子である。なお、MPU102、VDP105、キャラクタROM106、およびビデオRAM107は、表示制御基板101に実装されている。
MPU102は、音声発光制御装置90から送信されるコマンドを解析するとともに、このコマンドに基づいて所定の演算処理を行ってVDP105の制御を実行する。具体的には、MPU102は、VDP105に対するコマンドを生成することによってVDP105の制御を実行する。
プログラムROM103は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。
ワークRAM104は、プログラムROM103に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。
VDP105は、図柄表示装置47に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP105は、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。このVDP105は、MPU102にて生成されたコマンドの内容に基づいて、キャラクタROM106から画像データを読み出し、この画像データをビデオRAM107に記憶させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置47に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとして機能する。このキャラクタROM106は、各種図柄のビットマップ形式画像データや、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等を保持している。
ビデオRAM107は、図柄表示装置47に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、図柄表示装置47の表示内容は、このビデオRAM107の内容を書き替えることによって変更される。
<音声発光制御装置90にて実行されるタイマ割込み処理について>
図31は、音声発光制御装置にて実行されるタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技を進行させるタイマ割込み処理を実行する。このタイマ割込み処理では、MPU92は、図31に示すように、ステップS2001~S2005を定期的に(例えば、2msec周期で)実行する。
ステップS2001では、MPU92は、コマンド格納処理を実行する。このコマンド格納処理では、MPU92は、MPU62からコマンドを受信した場合に、そのコマンドをRAM94に格納する。具体的には、RAM94は、MPU62から受信したコマンドの格納および読み出しをするためのリングバッファを有し、MPU92は、MPU62から受信した順序にしたがってコマンドをリングバッファに格納していく。なお、MPU92は、リングバッファに格納した順序にしたがってリングバッファからコマンドを読み出す。
ステップS2002では、MPU92は、MPU62から受信したコマンドに基づいて演出決定処理を実行する。演出決定処理では、MPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを決定する。
ステップS2003では、MPU92は、ステップS2002の演出決定処理の内容に基づいて、演出実行処理を実行する。具体的には、演出実行処理では、MPU92は、各種ランプ部23,49a~49cの発光制御を実行し、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS2004では、MPU92は、MPU62から受信したデモコマンドに基づいてデモ表示実行処理を実行する。デモ表示実行処理では、MPU92は、遊技回の終了後に新たな遊技回が開始されることなく予め定められたデモ開始用の開始待ち期間(例えば、30sec)を経過した場合にデモ表示を実行する。具体的には、デモ表示実行処理では、MPU92は、各種ランプ部23の発光制御を実行し、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS2005では、ステップS2002の演出決定処理で設定したコマンドを表示制御装置100に送信するためのコマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理では、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aにコマンドリストとして格納された各種コマンドを表示制御装置100に送信するタイミングに至ったか否かを判定し、各種コマンドを表示制御装置100に送信するタイミングに至ったと判定した場合には、そのコマンドを表示制御装置100に送信する。
その後、MPU92は、タイマ割込み処理を終了する。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図32は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、図32に示すように、ステップS2101~S2116を実行する。
ステップS2101では、MPU92は、MPU62から送信された変動用コマンドおよび種別コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS2101にて各コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2109以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS2101にて各コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS2102において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS2102にて遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」であると判定した場合には、ステップS2103において、遊技結果の種類に対応した図柄決定処理を実行する。この図柄決定処理では、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定し、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、奇数および偶数の数字は、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、ステップS2102にて遊技結果が「最有利結果」または「低確結果」でないと判定した場合には、ステップS2104において、種別コマンドの内容に基づいて、遊技結果が「通常外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU92は、ステップS2104にて遊技結果が「通常外れ結果」でないと判定した場合、すなわち遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、および「明示少ラウンド高確結果」のいずれかである場合には、ステップS2105において、共通用の図柄決定処理を実行する。この共通用の図柄決定処理では、MPU92は、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせではなく、当否抽選において「通常外れ結果」となった場合に選択されることのない互いに異なる数字を有する特別な図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)を決定する。なお、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一である。
これに対して、MPU92は、ステップS2104にて遊技結果が「通常外れ結果」であると判定した場合には、ステップS2106において、通常外れ用の図柄決定処理を実行する。この通常外れ用の図柄決定処理では、MPU92は、変動用コマンドの内容に基づいて、リーチ表示が発生するか否かを判定する。
MPU92は、リーチ表示が発生すると判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果としてリーチ表示の図柄の組み合わせに係る情報を決定する。なお、リーチ表示の図柄の組み合わせは、抽選などによってランダムに決定される。
これに対して、MPU92は、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として前述した各図柄の組み合わせとは異なる図柄の組み合わせに係る情報を決定する。具体的には、MPU92は、同一の数字を有する図柄の組み合わせ、特別な図柄の組み合わせ、およびリーチ表示の図柄の組み合わせのいずれとも異なる組み合わせの図柄を抽選などによってランダムに決定する。
ステップS2103、ステップS2105、およびステップS2106のいずれかの処理を実行した後、MPU92は、ステップS2107において、演出パターンの決定処理を実行する。この演出パターンの決定処理では、MPU92は、ROM93に予め記憶された演出用のテーブルを参照することによって、変動用コマンドおよび種別コマンドに対応する演出パターンを選択する。具体的には、MPU92は、演出パターンとして、演出継続時間(演出継続期間)および演出の内容を選択する。なお、ステップS2107では、MPU92は、予告表示を発生させるか否かの抽選も実行する。
また、MPU92は、選択した演出パターンに基づいて、前述したステップS2003の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS2108では、MPU92は、変動開始コマンドと、ステップS2103、ステップS2105、およびステップS2106のいずれかの処理にて決定した停止結果に係る情報を含む停止結果コマンドとを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに変動開始コマンドおよび停止結果コマンドを記憶する。これらの変動開始コマンドおよび停止結果コマンドは、前述したステップS2005のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された変動開始コマンドおよび停止結果コマンドに基づいて、変動表示の開始および停止結果の表示を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、変動表示を開始した後、MPU92にて決定された停止結果を有効ラインL上に最終的に停止表示させる。
MPU92は、ステップS2108の処理を実行した後、またはステップS2101にて変動用コマンドおよび種別コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2109以降の処理を実行する。
ステップS2109では、MPU92は、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS2109にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2116以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS2109にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、ステップS2110において、オープニングコマンドの内容に基づいて、ステップS901の賞球抽選処理にて多賞球に当選したか否かを判定する。
MPU92は、ステップS2110にて多賞球に当選していないと判定した場合には、ステップS2113以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS2110にて多賞球に当選したと判定した場合には、ステップS2111において、多賞球報知演出の決定処理を実行する。この多賞球報知演出の決定処理では、MPU92は、可変入賞装置5の賞球数を多賞球とすることを遊技者に報知する多賞球報知演出の実行を決定する。
また、MPU92は、前述したステップS2003の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS2112では、MPU92は、ステップS2111にて決定した多賞球報知演出に係る情報を含む多賞球報知コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに多賞球報知コマンドを記憶する。この多賞球報知コマンドは、前述したステップS2005のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された多賞球報知コマンドに基づいて、多賞球報知演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、多賞球報知演出を実行する。
具体的には、MPU92およびMPU102は、オープニング用の待機時間(待機期間)に多賞球報知演出を実行する。
なお、本実施形態では、MPU92およびMPU102は、オープニング用の待機時間(待機期間)に多賞球報知演出を実行しているが、例えば、ラウンド遊技の実行時などの他のタイミングで多賞球報知演出を実行してもよい。
ステップS2112の処理を実行した後、またはステップS2110にて多賞球に当選していないと判定した場合には、MPU92は、ステップ2113において、オープニングコマンドの内容に基づいて、遊技結果の種類を判定する。
ステップS2114では、MPU92は、ステップS2113にて判定した遊技結果の種類に対応する開閉実行モード用の演出の決定処理を実行する。開閉実行モード用の演出の決定処理では、MPU92は、ステップS2113にて遊技結果が「特別外れ結果」または「非明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Aを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Bを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「最有利結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Cまたは演出Dを選択する。また、MPU92は、遊技結果が「低確結果」であると判定した場合には、開閉実行モード用の演出として演出Dを選択する。
なお、演出Aおよび演出Bの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口50の開閉を短時間態様で2回実行する場合の時間と対応している。また、演出Cおよび演出Dの継続時間は、開閉実行モードに際して大入賞口50の開閉を長時間態様で15回実行する場合の時間と対応している。
また、MPU92は、演出A~演出Dの選択結果に基づいて、前述したステップS2003の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS2115では、MPU92は、ステップS2114にて選択した開閉実行モード用の演出に係る情報を含む開閉実行モード用コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに開閉実行モード用コマンドを記憶する。この開閉実行モード用コマンドは、前述したステップS2005のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された開閉実行モード用コマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を実行する。
MPU92は、ステップS2115の処理を実行した後、またはステップS2109にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2116以降の処理を実行する。
ステップS2116では、MPU92は、その他の処理を実行する。その他の処理では、MPU92は、例えば、MPU62から送信された開放コマンド、閉鎖コマンドおよびエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モード用の演出を進行させるための処理を実行する。その後、MPU92は、演出決定処理を終了する。
<遊技結果と遊技状態等との関係について>
以下、遊技結果と、各種処理の実行に基づく遊技状態等との関係について説明する。
図33は、遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図である。具体的には、図33は、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係を示す図であり、遊技結果を列方向に並べ、遊技状態等を行方向に並べている。
パチンコ機10は、図33に示すように、「通常外れ結果」を除く遊技結果として、「大当たり当選」および「特別外れ結果」の当否結果と、「非明示少ラウンド高確結果」、「明示少ラウンド高確結果」、「最有利結果」、および「低確結果」の振分結果とを有している。
ここで、「特別外れ結果」は、図33の表2列目に示すように、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合(図中記号×)に選択される遊技結果である。また、振分結果は、当否抽選において「大当たり当選」となった場合(図中記号○)に選択される遊技結果である。
以下、「通常外れ結果」を除く遊技結果と、遊技状態等との関係について説明する。なお、本実施形態では、パチンコ機10は、遊技結果と、遊技状態等との関係を以下のように設定しているが、遊技結果と、遊技状態等との組み合わせ、遊技結果の内容、および遊技状態等の内容については任意である。
「特別外れ結果」では、開閉実行モードは、ラウンド数規定モードではなく、開閉数規定モードに移行し、大入賞口50の開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「特別外れ結果」では、当否抽選モードは移行しない。
「非明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口50の開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「非明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。
このように、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」は、開閉実行モードの種類は異なるが、大入賞口50の開閉が短時間態様で2回実行される点においては共通している。
また、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに、開閉実行モード用の演出は、演出Aとなる。さらに、「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは移行しない。また、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置47は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「特別外れ結果」および「非明示少ラウンド高確結果」のいずれであるかを把握することはできない。換言すれば、振分抽選において「非明示少ラウンド高確結果」となって高確率モードに移行した場合であっても、図柄表示装置47は、開閉実行モード終了後の遊技回では、当否抽選モードは移行していないかのごとく偽装を施す。
このため、遊技者は、当否抽選モードが高確率モードに移行したか否かの予測を楽しみながら遊技を行うことができる。
「明示少ラウンド高確結果」では、開閉実行モードは、2回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口50の開閉は、短時間態様で2回実行される。また、「明示少ラウンド高確結果」では、当否抽選モードは、高確率モードに移行する。また、「明示少ラウンド高確結果」では、停止結果は、特別な図柄の組み合わせとなるとともに、開閉実行モード用の演出は、演出Bとなる。また、「明示少ラウンド高確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。さらに、開閉実行モード終了後の遊技回では、図柄表示装置47は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。
したがって、遊技者は、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「明示少ラウンド高確結果」であることを把握することができる。
「最有利結果」および「低確結果」では、開閉実行モードは、15回を上限回数としてラウンド遊技が行われるラウンド数規定モードに移行し、大入賞口50の開閉は、長時間態様で15回実行される。
ここで、「最有利結果」では、停止結果は、同一の奇数の数字または同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、高確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Cまたは演出Dとなる。具体的には、停止結果が同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Cとなり、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。
また、「低確結果」では、停止結果は、同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなるとともに、当否抽選モードは、低確率モードに移行し、開閉実行モード用の演出は、演出Dとなる。さらに、「最有利結果」および「低確結果」では、サポートモードは、高頻度サポートモードに移行する。
したがって、遊技者は、停止結果が同一の奇数の数字を有する図柄の組み合わせとなって、開閉実行モード用の演出が演出Cとなった場合には、遊技結果が「最有利結果」であることを把握することができる。しかしながら、遊技者は、停止結果が同一の偶数の数字を有する図柄の組み合わせとなった場合には、停止結果や、開閉実行モード用の演出を確認することによって、遊技結果が「最有利結果」および「低確結果」のいずれであるかを把握することはできない。
そして、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、図柄表示装置47は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示しない。
具体的には、図柄表示装置47は、高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示することなく、高頻度サポートモードは、遊技回が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合には低頻度サポートモードに移行することを報知する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、振分抽選において「最有利結果」となった場合であっても、図柄表示装置47は、開閉実行モード終了後の遊技回では、開閉実行モード用の演出が最終的に演出Dであれば、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく偽装を施す。
そして、振分結果が「最有利結果」であった場合には、図柄表示装置47は、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した後に高確率モードであることを明示する画像を表示画面Gに表示する。換言すれば、図柄表示装置47は、遊技結果が「低確結果」であったかのごとく施していた偽装を解除する。
<開閉実行モードへの移行時の流れについて>
図34は、開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面および可変入賞装置を示す図である。なお、図34は、表示画面Gの下に可変入賞装置5を簡略化して図示している。
具体的には、図34(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図34(B),(C)は、ステップS901の賞球抽選処理にて多賞球に当選しなかった場合(少賞球に当選した場合)の流れを示す図である。図34(D),(E)は、ステップS901の賞球抽選処理にて多賞球に当選した場合の流れを示す図である。
開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図34(A)に示すように、各図柄列Z1~Z3の変動表示を停止する。なお、図34の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、振分結果は「最有利結果」であることを示している。
MPU102は、多賞球報知コマンドを受信することなく、開閉実行モード用コマンドを受信した場合には、ステップS901の賞球抽選処理にて多賞球に当選しなかったことになるので、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を図柄表示装置47に実行させる。
具体的には、MPU102は、図34(B)に示すように、各図柄列Z1~Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に「BONUS!」の文字を表示する。これによって、MPU102は、ステップS901の賞球抽選処理にて多賞球に当選しなかったことを遊技者に示唆する。
その後、MPU102は、図34(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの左上位置にラウンド遊技の実行回数を示す文字(例えば「ROUND1」)を表示し、ラウンド遊技を開始する。
また、MPU62は、第1のブリッジ駆動部514の駆動制御を実行することによって、第1のブリッジ512を突出させて第1の入賞口51を開放状態に設定する。これによって、MPU62は、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー511の開口に導くことができる。
これに対して、MPU102は、多賞球報知コマンドを受信した場合には、ステップS901の賞球抽選処理にて多賞球に当選したことになるので、多賞球報知演出を図柄表示装置47に実行させる。
具体的には、MPU102は、図34(D)に示すように、各図柄列Z1~Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に「Extra BONUS!!」の文字を表示する。これによって、MPU102は、ステップS901の賞球抽選処理にて多賞球に当選したことを遊技者に示唆する。
その後、MPU102は、図34(E)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの左上位置にラウンド遊技の実行回数を示す文字(例えば「ROUND1」)を表示し、ラウンド遊技を開始する。
また、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を突出させて第2の入賞口52を開放状態に設定する。これによって、MPU62は、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー521の開口に導くことができる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)可変入賞装置5は、入球状態切替手段を備えているので、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する第1の入賞口51に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51よりも多数の賞球の払い出しを実行する第2の入賞口52に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置5は、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51および第2の入賞口52に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置5は、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)主制御装置60は、賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える大入賞口開放処理を備えているので、遊技者は、賞球決定処理の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)賞球決定処理は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、賞球決定処理の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)第1のブリッジ512は、第1の入賞口51側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、第1のブリッジ駆動部514は、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して突出させることによって、第1のブリッジ512を介して第1の入賞口51に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジ522は、第2の入賞口52側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、第2のブリッジ駆動部524は、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させることによって、第2のブリッジ522を介して第2の入賞口52に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口51および第2の入賞口52は、水平方向に開口するようにして設けられているので、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、パチンコ機10は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。また、パチンコ機10は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)第1の入賞口51は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口52は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口51または第2の入賞口52に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
(6)第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、交差するようにして設けられているので、交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
(7)第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第1のブリッジ512のスリット5124と、第2のブリッジ522のスリット5224とを第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突没方向に沿って噛み合わせることによって、交差するようにして設けられているので、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の構成を簡素にすることができる。
(8)第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、遊技盤31に対して素早く没入させることができる。したがって、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512または第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させた直後に、第1のブリッジ512または第2のブリッジ522にて第1の入賞口51または第2の入賞口52に導いていた遊技球を第1の入賞口51または第2の入賞口52に入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
(9)カバー511,521の上面部は、カバー511,521の下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバー511,521の上面部をカバー511,521の下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口51または第2の入賞口52に誤って入賞しにくくなる。
なお、本実施形態では、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第1のブリッジ512のスリット5124と、第2のブリッジ522のスリット5224とを第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突没方向に沿って噛み合わせることによって、交差するようにして設けられていたが、これ以外の構造によって、交差するようにして設けられていてもよい。
図35は、第1のブリッジを突出させた状態における第1のブリッジおよび第2のブリッジの変形例の詳細構成を示す斜視図である。
第1のブリッジ512は、図35に示すように、平板部5121Kを有している。
第2のブリッジ522は、カバー521側(+X軸方向側)に位置する一方側ブリッジ片5221Kと、カバー511側(+X軸方向側)に位置する他方側ブリッジ片5222Kとを有している。
このように、本変形例では、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第2のブリッジ522を水平方向一方側に位置する一方側ブリッジ片5221Kと、水平方向他方側に位置する他方側ブリッジ片5222Kとに分割することによって、交差するようにして設けられている。
これによれば、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第2のブリッジ522を分割することによって、交差するようにして設けられているので、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の構成を簡素にすることができる。
なお、本変形例では、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第2のブリッジ522を分割することによって、交差するようにして設けられていたが、第1のブリッジ512を分割することによって、交差するようにして設けられていてもよく、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の双方を分割することによって、交差するようにして設けられていてもよい。要するに、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、第1のブリッジおよび第2のブリッジのいずれか一方を分割することによって、交差するようにして設けられていればよい。
また、本実施形態では、第1のブリッジ512は、平板部5121と、平板部5122と、平板部5121および平板部5122を接続する接続部5123とを有し、全体略平板状に形成されていた。第2のブリッジ522は、平板部5221と、平板部5222と、平板部5221および平板部5222を接続する接続部5223とを有し、全体略平板状に形成されていた。換言すれば、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突出方向側への遊技球の落下を許容していた。
これに対して、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突出方向側への遊技球の落下を防止するようにしてもよい。
図36は、第1のブリッジを突出させた状態における第1のブリッジおよび第2のブリッジの変形例の詳細構成を示す斜視図である。
第1のブリッジ512は、図36に示すように、平板部5121と、平板部5122と、平板部5121および平板部5122を接続する接続部5123と、第1のブリッジ512の突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部5125とを有している。
落下防止部5125は、平板部5121および平板部5122の+Y軸方向側の端縁から+Z軸方向側に向かって起立するように形成されている。
第2のブリッジ522は、平板部5221と、平板部5222と、平板部5221および平板部5222を接続する接続部5223と、第2のブリッジ522の突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部5225とを有している。
落下防止部5225は、平板部5221および平板部5222の+Y軸方向側の端縁から+Z軸方向側に向かって起立するように形成されている。
これによれば、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部5125,5225を備えているので、第1の入賞口51および第2の入賞口52に確実に遊技球を入球させることができる。
なお、本変形例では、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の双方は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部5125,5225を備えていた。これに対して、第1のブリッジ512は、落下防止部5125を備えていなくてもよく、第2のブリッジ522は、落下防止部5225を備えていなくてもよい。要するに、第1のブリッジおよび第2のブリッジの少なくともいずれか一方は、第1のブリッジおよび第2のブリッジの突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えていればよい。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図37は、本発明の第2実施形態に係る可変入賞装置の正面図である。
前記第1実施形態では、可変入賞装置5は、遊技領域の左側に設けられた第1の入賞口51と、遊技領域の右側に設けられた第2の入賞口52とを備えていた。
これに対して、本実施形態では、可変入賞装置5Aは、図37に示すように、遊技領域の左側に設けられた第1の入賞口51と、遊技領域の右側に設けられた第2の入賞口52Aとを備えている点で前記第1実施形態と異なる。
第1の入賞口51は、通常入賞口としての機能を有している。
第2の入賞口52Aは、遊技球の入球に際して賞球の払い出しを実行しない点、およびカバー521の正面に「V」の文字を表示している点を除き、前記第1実施形態における第2の入賞口と同一の構成を有している。なお、第2の入賞口52Aは、遊技球の入球に際して賞球の払い出しを実行するように構成してもよい。
また、第2の入賞口52Aは、前記第1実施形態における第2の入賞口52とは異なる機能を有している。具体的には、第2の入賞口52Aは、V入賞口(特定入賞口)としての機能を有している。このV入賞口としての機能については後に詳細に説明する。
以下の説明では、第1の入賞口51および第2の入賞口52Aは、単に大入賞口50とも称する。
図38は、大当たりの種別の振分先に係る乱数の値を記憶した振分テーブルを示す図である。
大当たりの種別の振分先に係る乱数の値は、図38に示すように、振分情報群記憶手段として設けられたROM63の振分テーブル記憶エリア63b(図14参照)に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルは、図38(a)に示す第1振分テーブル(第1振分情報群)と、図38(b)に示す第2振分テーブル(第2振分情報群)とを備えている。
MPU62は、これらの振分テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり種別カウンタC2の値とを比較することによって、大当たりの種別の抽選を実行する。
第1振分テーブルは、第1結果表示部用保留エリアRaから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち上作動口36への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第1振分テーブルは、図38(a)に示すように、「低確結果(低確率対応の特別振分結果)」および「最有利結果(高確率対応の特別振分結果)」の複数の振分結果を振分先としている。具体的には、第1振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0~29」のうち、「0~14」を「低確結果」に振り分け、「15~29」を「最有利結果」に振り分けている。
第2振分テーブルは、第2結果表示部用保留エリアRbから実行エリアAEにシフトされた大当たり種別カウンタC2の値、すなわち下作動口37への入賞に基づく大当たり種別カウンタC2の値に対して大当たりの種別の抽選を行う場合に参照されるテーブルである。
第2振分テーブルは、図38(b)に示すように、「最有利結果」の振分結果のみを振分先としている。具体的には、第2振分テーブルでは、大当たり種別カウンタC2の値「0~29」のうち、「0~29」の全てを「最有利結果」に振り分けている。
このように、本実施形態では、第1振分テーブルおよび第2振分テーブルは、「非明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の潜伏高確率結果)」および「明示少ラウンド高確結果(少ラウンド対応の高確率結果)」の振分結果を振分先としていない点で前記第1実施形態と異なる。
また、本実施形態では、主制御装置60は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、遊技状態移行処理および大入賞口開閉処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における遊技状態移行処理および大入賞口開閉処理の内容について説明する。
図39は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、ステップS801~S815を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図39に示すように、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS808を実行し、ステップS808を実行した後、ステップS810以降の処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
図40は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、ステップS1001~S1024を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図40に示すように、ステップS1006を実行した後、ステップS1025AのV入賞検知処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1001では、MPU62は、大入賞口50が開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1001にて大入賞口50が開放中でないと判定した場合には、ステップS1002以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1001にて大入賞口50が開放中であると判定した場合には、ステップS1006以降の処理を実行する。
まず、ステップS1001において、MPU62にて大入賞口50が開放中でないと判定された場合の処理(ステップS1002以降の処理)について説明する。
ステップS1002では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1002にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1002にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合には、ステップS1003において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1003にてタイマカウンタTの値が「0」以下ではないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1003にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1004において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS1004の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図41は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、ステップS1101~S1112Aを実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図41に示すように、ステップS1103の処理またはステップS1106の処理を実行した後、ステップS1109A以降の処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1109Aでは、MPU62は、振分結果が「最有利結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1109Aにて振分結果が「最有利結果」でないと判定した場合(「低確結果」であると判定した場合)には、ステップS1110Aにおいて、通常入賞口の開放実行処理を実行する。この通常入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第1のブリッジ駆動部514の駆動制御を実行することによって、第1のブリッジ512を突出させて第1の入賞口51を開放状態に設定する。その後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1109Aにて振分結果が「最有利結果」であると判定した場合には、ステップS1111Aにおいて、ラウンドカウンタRCの値が「15」以上であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1111AにてラウンドカウンタRCの値が「15」以上でないと判定した場合には、前述したステップS1110A以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1111AにてラウンドカウンタRCの値が「15」以上であると判定した場合には、ステップS1112Aにおいて、V入賞口の開放実行処理を実行する。このV入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を突出させて第2の入賞口52Aを開放状態に設定する。その後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図40を参照してステップS1005以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS1004の大入賞口開放処理を実行した後、ステップS1005において、開放コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1005にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放コマンドに基づいて、大入賞口50を開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1001において、MPU62にて大入賞口50が開放中であると判定された場合の処理(ステップS1006以降の処理)について説明する。
ステップS1006では、MPU62は、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1103またはステップS1106にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1006にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS1025A以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1006にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1018以降の処理を実行する。
まず、ステップS1006において、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定された場合の処理(ステップS1025A以降の処理)について説明する。
ステップS1025Aでは、MPU62は、V入賞検知処理を実行する。
以下、V入賞検知処理について詳細に説明する。
<V入賞検知処理>
図42は、V入賞検知処理のフローチャートを示す図である。
V入賞検知処理では、図42に示すように、ステップS1301A~S1305Aを実行する。
ステップS1301Aでは、MPU62は、第2の入賞口52Aへの入賞が発生したか否かを判定する。なお、第2の入賞口52Aへの入賞が発生したか否かの判定は、第2の入賞口52Aに対応した検知センサ40dの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS1301Aにて第2の入賞口52Aへの入賞が発生していないと判定した場合には、ステップS1302A以降の処理を実行することなく、V入賞検知処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1301Aにて第2の入賞口52Aへの入賞が発生したと判定した場合には、ステップS1302Aにおいて、V入賞口の閉鎖実行処理を実行する。V入賞口の閉鎖実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を没入させて第2の入賞口52Aを閉鎖状態に設定する。
ステップS1303Aでは、MPU62は、通常入賞口の開放実行処理を実行する。通常入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第1のブリッジ駆動部514の駆動制御を実行することによって、第1のブリッジ512を突出させて第1の入賞口51を開放状態に設定する。
ステップS1304Aでは、MPU62は、V入賞フラグをRAM64にセットする。このV入賞フラグは、第2の入賞口52Aへの入賞が発生したことを特定するためのフラグである。
ステップS1305Aでは、MPU62は、V入賞コマンドを設定する。その後、MPU62は、V入賞検知処理を終了する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1305Aにて設定したV入賞コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるV入賞コマンドに基づいて、第2の入賞口52Aへの入賞が発生したことを認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図40を参照してステップS1007以降の処理について説明する。
ステップS1007では、MPU62は、第1の入賞口51への入賞が発生したか否かを判定する。なお、第1の入賞口51への入賞が発生したか否かの判定は、第1の入賞口51に対応した検知センサ40cの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS1007にて第1の入賞口51への入賞が発生していないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1007にて第1の入賞口51への入賞が発生したと判定した場合には、ステップS1008において、入賞カウンタPCの値に1を減算して更新する。
ステップS1009では、MPU62は、入賞カウンタPCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1009にて入賞カウンタPCの値が「0」以下でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1009にて入賞カウンタPCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1010において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、第1のブリッジ512を突出させて第1の入賞口51を開放状態に設定していた場合には、第1のブリッジ駆動部514の駆動制御を実行することによって、第1のブリッジ512を没入させて第1の入賞口51を閉鎖状態に設定する。また、閉鎖実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ522を突出させて第2の入賞口52Aを開放状態に設定していた場合には、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を没入させて第2の入賞口52Aを閉鎖状態に設定する。
ステップS1011では、MPU62は、閉鎖コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1011にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される閉鎖コマンドに基づいて、大入賞口50を閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS1012では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、後述するステップS1023以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1013以降の処理を実行する。
ステップS1013では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1014では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS1015において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS1015にてタイマカウンタTにセットされた値は、大入賞口50を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び大入賞口50を開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。なお、本実施形態では、開放待機時間は1secである。この開放待機時間は、開閉実行モードの種類や進行状況に関わらず同一である。
これに対して、MPU62は、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1016以降の処理を実行する。
ステップS1016では、MPU62は、タイマカウンタTにエンディング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、前述したように、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、エンディング用の待機時間は4secとなる。なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
エンディング用の待機時間は、オープニング用の待機時間と同様に、遊技結果の種類に関わらず同一である。すなわち、このエンディング用の待機時間は、開閉実行モードの種類に関わらず同一である。
なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、エンディング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS1017では、MPU62は、エンディングコマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1017にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1006おいて、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定された場合の処理(ステップS1018以降の処理)について説明する。
ステップS1018では、MPU62は、前述したステップS1010と同様に閉鎖実行処理を実行する。
ステップS1019では、MPU62は、前述したステップS1011と同様に閉鎖コマンドを設定する。
ステップS1020では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1020にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS1021以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1020にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1023以降の処理を実行する。
まず、ステップS1020において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1021以降の処理)について説明する。
ステップS1021では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1022では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1022にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS1015以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1022にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したステップS1016以降の処理を実行する。
次に、ステップS1012またはステップS1020において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定された場合の処理(ステップS1023以降の処理)について説明する。
ステップS1023では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値に1を減算して更新する。
ステップS1024では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1024にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS1015以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1024にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したステップS1016以降の処理を実行する。
図43は、開閉実行モード終了時の移行処理のフローチャートを示す図である。
開閉実行モード終了時の移行処理では、MPU62は、図43に示すように、ステップS1401A~S1408Aを実行する。
ステップS1401Aでは、MPU62は、振分結果が「最有利結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1401Aにて振分結果が「最有利結果」であると判定した場合には、ステップS1402A以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1401Aにて振分結果が「最有利結果」でないと判定した場合には、ステップS1407A以降の処理を実行する。
まず、ステップS1401Aにおいて、MPU62にて振分結果が「最有利結果」であると判定された場合の処理(ステップS1402A以降の処理)について説明する。
ステップS1402Aでは、MPU62は、RAM64にV入賞フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1402AにてRAM64にV入賞フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1407A以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1402AにてRAM64にV入賞フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1403Aにおいて、高確率モードフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高確率モードフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、当否抽選モードを高確率モードに設定する。この高確率モードは、50回の遊技回を消化するまで継続する。MPU62は、50回の遊技回を消化した場合には、高確率モードフラグをクリアする。これによって、MPU62は、当否抽選モードを低確率モードに設定する。
なお、MPU62は、これらの処理を通常処理のステップS303において、遊技回制御処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
ステップS1404Aでは、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた遊技回数カウンタの値に「50」をセットする。
ステップS1405Aでは、MPU62は、高頻度サポートフラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に高頻度サポートフラグがセットされている場合には、これを維持する。これによって、MPU62は、サポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ステップS1406Aでは、MPU62は、回数制限フラグをRAM64にセットする。MPU62は、RAM64に既に回数制限フラグがセットされている場合には、これを維持する。その後、MPU62は、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
なお、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する際には、MPU62は、振分結果に応じてRAM64にセットしたフラグ(低確結果フラグおよび最有利結果フラグ)や、特別外れフラグや、V入賞フラグをクリアする。また、前述した変動開始処理のステップS701では、MPU62は、RAM64に高確率モードフラグがセットされているか否かを判定することによって、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定している。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされている場合には、遊技回数カウンタにセットされた終了基準回数である50回の遊技回を消化するまで継続する。MPU62は、50回の遊技回を消化した場合には、高頻度サポートフラグおよび回数制限フラグをクリアする。これによって、MPU62は、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。
なお、MPU62は、これらの処理を通常処理のステップS306において、電役サポート用処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
次に、ステップS1401Aにおいて、MPU62にて振分結果が「最有利結果」でないと判定された場合、またはステップS1402Aにおいて、MPU62にてRAM64にV入賞フラグがセットされていないと判定した場合の処理(ステップS1407A以降の処理)について説明する。
ステップS1407Aでは、MPU62は、高確率モードフラグをクリアする。これによって、MPU62は、当否抽選モードを低確率モードに設定する。この低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となって、振分結果が「低確結果」以外になるまで継続する。
ステップS1408Aでは、MPU62は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた遊技回数カウンタの値に「100」をセットする。
その後、MPU62は、前述したステップS1405A以降の処理を実行する。
ここで、高頻度サポートモードは、RAM64に高頻度サポートフラグがセットされているとともに、回数制限フラグがセットされている場合には、遊技回数カウンタにセットされた終了基準回数である100回の遊技回を消化するまで継続する。MPU62は、100回の遊技回を消化した場合には、高頻度サポートフラグおよび回数制限フラグをクリアする。これによって、MPU62は、サポートモードを低頻度サポートモードに設定する。
なお、MPU62は、これらの処理を通常処理のステップS306において、電役サポート用処理として実行するが、詳細な説明は省略する。
このように、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「最有利結果」となった後、第2の入賞口52Aへの入賞が発生した場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、高確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。高確率モードおよび高頻度サポートモードは、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、50回の遊技回を消化した場合には、低確率モードおよび低頻度サポートモードに移行する。
また、当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「最有利結果」となった後、第2の入賞口52Aへの入賞が発生しなかった場合、または当否抽選において「大当たり当選」となって、振分抽選において振分結果が「低確結果」となった場合には、遊技状態は、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。低確率モードは、少なくとも当否抽選において「大当たり当選」となるまで継続し、高頻度サポートモードは、当否抽選において「大当たり当選」となることなく、100回の遊技回を消化した場合には、低頻度サポートモードに移行する。
また、当否抽選において「大当たり当選」とならなかった場合、すなわち当否抽選において当否結果が「特別外れ結果」または「通常外れ結果」となった場合には、遊技状態は移行しない。
このように、本実施形態では、主制御装置60は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な開閉実行モードに遊技状態を移行する遊技状態移行手段として機能している。
また、可変入賞装置5Aは、開閉実行モードに移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行している。
さらに、本実施形態では、各ブリッジ512,522および各ブリッジ駆動部514,524は、第1の入賞口51に遊技球を入球させるとともに、第2の入賞口52Aに遊技球を入球させない第1の入球可能状態と、第2の入賞口52Aに遊技球を入球させるとともに、第1の入賞口51に遊技球を入球させない第2の入球可能状態と、第1の入賞口51および第2の入賞口52Aのいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替え、第1の入賞口51および第2の入賞口52Aの間に設けられた入球状態切替手段として機能している。
具体的には、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して突出させるとともに、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、第1のブリッジ512を介して第1の入賞口51に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えている。各ブリッジ駆動部514,524は、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させるとともに、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して没入させることによって、第2のブリッジ522を介して第2の入賞口52Aに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えている。各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えている。
換言すれば、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の有効・無効を切り替えることによって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替え、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を共に有効に設定し得ない。
そして、本実施形態では、主制御装置60は、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替え、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えている。
また、本実施形態では、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、演出決定処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における演出決定処理の内容について説明する。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図44は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、ステップS2101~S2116を実行する。なお、本実施形態では、MPU92は、図44に示すように、ステップS2109にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、ステップS2113以降の処理を実行し、ステップS2116の処理を実行する前に、ステップS2117A~S2119Aの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS2117Aでは、MPU92は、V入賞コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS2117AにてV入賞コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2116以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS2117AにてV入賞コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS2118Aにおいて、V入賞報知演出の決定処理を実行する。このV入賞報知演出の決定処理では、MPU92は、第2の入賞口52Aへの入賞が発生したことを遊技者に報知するV入賞報知演出の実行を決定する。
また、MPU92は、前述したステップS2003の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS2119Aでは、MPU92は、ステップS2118Aにて決定したV入賞報知演出に係る情報を含むV入賞報知コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストにV入賞報知コマンドを記憶する。このV入賞報知コマンドは、前述したステップS2005のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信されたV入賞報知コマンドに基づいて、V入賞報知演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、V入賞報知演出を実行する。
MPU92は、ステップS2119Aの処理を実行した後、またはステップS2117AにてV入賞コマンドを受信していないと判定した場合には、前記第1実施形態と同様に、ステップS2116以降の処理を実行する。
<開閉実行モードへの移行時の流れについて>
図45は、開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面および可変入賞装置を示す図である。なお、図45は、表示画面Gの下に可変入賞装置5Aを簡略化して図示している。
具体的には、図45(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図45(B),(C)は、第2の入賞口52Aへの入賞を発生させる前の流れを示す図である。図45(D),(E)は、第2の入賞口52Aへの入賞を発生させた後の流れを示す図である。
開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図45(A)に示すように、各図柄列Z1~Z3の変動表示を停止する。なお、図45の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、振分結果は「最有利結果」であることを示している。
MPU102は、開閉実行モード用コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90のMPU92にて選択された開閉実行モード用の演出を図柄表示装置47に実行させる。
具体的には、MPU102は、図45(B)に示すように、各図柄列Z1~Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、図柄表示装置47の表示画面Gの中央に「BONUS!」の文字を表示する。
その後、MPU102は、図45(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの左上位置にラウンド遊技の実行回数を示す文字(例えば「ROUND1」)を表示し、ラウンド遊技を開始する。そして、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央位置に「Vを狙え!!」の文字を表示し、第2の入賞口52Aへの入賞を遊技者に促す。
また、1回目のラウンド遊技では、MPU62は、ステップS1111AにてラウンドカウンタRCの値が「15」以上であると判定するので、ステップS1112Aにおいて、V入賞口の開放実行処理を実行する。このV入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を突出させて第2の入賞口52Aを開放状態に設定する。これによって、MPU62は、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー521の開口に導くことができる。
第2の入賞口52Aへの入賞が発生した場合には、MPU102は、MPU92から送信されたV入賞報知コマンドに基づいて、図45(D)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央位置に第2の入賞口52Aへの入賞が発生したことを示す「V」の文字を大きく表示する。
また、MPU62は、ステップS1302Aにおいて、V入賞口の閉鎖実行処理を実行する。このV入賞口の閉鎖実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を没入させて第2の入賞口52Aを閉鎖状態に設定する。
その後、MPU62は、ステップS1303Aにおいて、通常入賞口の開放実行処理を実行する。この通常入賞口の開放実行処理では、MPU62は、図45(E)に示すように、第1のブリッジ駆動部514の駆動制御を実行することによって、第1のブリッジ512を突出させて第1の入賞口51を開放状態に設定する。これによって、MPU62は、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー511の開口に導くことができる。
なお、第2の入賞口52Aへの入賞が発生しなかった場合には、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1106にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間である30secを経過した後、ステップS1018において、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524の駆動制御を実行することによって、第2のブリッジ522を没入させて第2の入賞口52Aを閉鎖状態に設定し、次のラウンド遊技を開始する。この場合には、遊技状態は、前述したように、現在の遊技状態に関わらず開閉実行モード(すなわち、ラウンド数規定モード)の終了後に、低確率モードに移行するとともに、高頻度サポートモードに移行する。
このように、本実施形態では、主制御装置60は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な開閉実行モードに通常制御状態から遊技状態を移行する遊技状態移行手段として機能している。
また、本実施形態では、通常制御状態は、低確率モード(第1の遊技状態)と、低確率モードと異なる高確率モード(第2の遊技状態)とを備えている。
そして、本実施形態では、可変入賞装置5Aは、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する第1の入賞口51(通常入賞口)と、遊技球の入球に際して通常制御状態を高確率モードに設定する第2の入賞口52A(特定入賞口)とを備えている。
なお、本実施形態では、通常制御状態は、低確率モード(第1の遊技状態)と、低確率モードと異なる高確率モード(第2の遊技状態)とを備えていたが、これら以外の遊技状態を通常制御状態としてもよい。例えば、通常制御状態は、低頻度サポートモードを第1の遊技状態とし、高頻度サポートモードを第2の遊技状態としてもよい。
また、本実施形態では、主制御装置60は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えるか否かを決定する大入賞口開放処理(入球状態決定部)と、開閉実行モードにて第2の入賞口52Aに遊技球が入球しなかった場合に通常制御状態を低確率モードに設定し、第2の入賞口52Aに遊技球が入球した場合に通常制御状態を高確率モードに設定する開閉実行モード終了時の移行処理(遊技状態設定部)とを備えている。
そして、本実施形態では、入球状態切替手段は、第2の入賞口52Aへの遊技球の入球を契機として第2の入球可能状態を第1の入球可能状態に切り替えている。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)可変入賞装置5Aは、入球状態切替手段を備えているので、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する第1の入賞口51に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、通常制御状態を高確率モードに設定する第2の入賞口52Aに遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置5Aは、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51および第2の入賞口52Aに遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置5Aは、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、通常制御状態を高確率モードに設定することができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)主制御装置60は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えるか否かを決定する大入賞口開放処理を備えているので、遊技者は、大入賞口開放処理の決定結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)入球状態切替手段は、第2の入賞口52Aへの遊技球の入球を契機として第2の入球可能状態を第1の入球可能状態に切り替えるので、遊技者は、第2の入賞口52Aに遊技球を入球させた後、第1の入賞口51に遊技球を入球させることができる。そして、第1の入賞口51は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行することができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者に快適に遊技をさせることができる。
(4)第1のブリッジ512は、第1の入賞口51側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、第1のブリッジ駆動部514は、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して突出させることによって、第1のブリッジ512を介して第1の入賞口51に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジ522は、第2の入賞口52A側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、第2のブリッジ駆動部524は、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させることによって、第2のブリッジ522を介して第2の入賞口52Aに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口51および第2の入賞口52Aは、水平方向に開口するようにして設けられているので、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、パチンコ機10は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。また、パチンコ機10は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)第1の入賞口51は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口52Aは、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口51または第2の入賞口52Aに入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
(6)第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、交差するようにして設けられているので、交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
(7)第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、第1のブリッジ512のスリット5124と、第2のブリッジ522のスリット5224とを第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の突没方向に沿って噛み合わせることによって、交差するようにして設けられているので、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の構成を簡素にすることができる。
(8)第1のブリッジ512および第2のブリッジ522の遊技盤31からの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、遊技盤31に対して素早く没入させることができる。したがって、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512または第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させた直後に、第1のブリッジ512または第2のブリッジ522にて第1の入賞口51または第2の入賞口52Aに導いていた遊技球を第1の入賞口51または第2の入賞口52Aに入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
(9)カバー511,521の上面部は、カバー511,521の下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバー511,521の上面部をカバー511,521の下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口51または第2の入賞口52Aに誤って入賞しにくくなる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図46は、本発明の第3実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、遊技領域の下方に設けられた第1の入賞口51および第2の入賞口52を備え、第1の入賞口51および第2の入賞口52は、共に大入賞口50として機能していた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Bは、図46に示すように、遊技領域の右下に設けられた第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bを備え、第1の入賞口51Bは、前記第1実施形態における下作動口37と同様の機能を有し、第2の入賞口52Bは、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する可変入賞装置5Bの大入賞口50として機能する点で前記第1実施形態と異なる。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を最大とし、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトさせることによって、可変表示ユニット43等を避けて第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bに遊技球を導くことができる。
以下の遊技盤31Bの説明では、前記第1実施形態と同様の機能を有し、その形状や配置の異なる構成要素については、同一符号を付して説明する。
遊技盤31Bは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように形成された大小複数の開口部を遊技領域に有している。また、遊技盤31Bは、各開口部に設けられた一般入賞口30、上作動口(第1始動入球部)36、第1の入賞口(第2始動入球部)51B、第2の入賞口52B、およびアウト口39を有している。また、遊技盤31Bは、中央部左側および中央部右側のそれぞれに設けられたスルーゲート41と、上部右側に設けられた主表示装置42と、中央部に設けられた可変表示ユニット43等とを有している。さらに、遊技盤31Bは、遊技球の落下方向を適宜分散させるために、または調整等するために植設された多数の釘44や、風車等の各種部材(役物)を遊技領域に有している。
一般入賞口30、上作動口36、第1の入賞口51B、および第1の入賞口52Bの各種入賞口のそれぞれは、遊技球の入球を検知する検知センサ40a~40d(図50参照)を備え、これらの検知センサ40a~40dは、遊技盤31Bの背面側に配設されている。具体的には、上作動口36は、検知センサ40aを備え、第1の入賞口51Bは、検知センサ40bを備え、第2の入賞口52Bは、検知センサ40cを備え、一般入賞口30は、検知センサ40dを備えている。パチンコ機10は、検知センサ40a~40dの検知結果に基づいて、所定数の賞球の払い出しを実行する。なお、検知センサ40a~40dは、遊技球の入賞を個別に検知できるものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、電磁誘導型の近接センサなどを採用することができる。
具体的には、パチンコ機10は、一般入賞口30への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、上作動口36への入球が発生した場合および第1の入賞口51Bへの入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しを実行する。パチンコ機10は、第2の入賞口52Bへの入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しを実行する。なお、これら賞球の個数は任意であり、例えば、上作動口36および第1の入賞口51Bの賞球個数を相違させてもよい。
図47は、第1の入賞口および第2の入賞口の近傍を拡大した遊技盤の正面図である。
第1の入賞口51Bは、図47に示すように、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部315に設けられている。この第1の入賞口51Bは、右方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部315に導く略直方体状のカバー511Bと、カバー511Bの内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40bとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では3個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー511Bに導かれて開口部315に入球した遊技球は、排出通路315aを介して遊技領域から排出される。この排出通路315aを通った遊技球は、アウト口39の排出通路39a(図5参照)を通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
第2の入賞口52Bは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成されるとともに、開口部315よりも上方に位置する開口部316に設けられている。この第2の入賞口52Bは、左方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部316に導く略直方体状のカバー521Bと、カバー521Bの内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40cとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー521Bに導かれて開口部316に入球した遊技球は、前述した排出通路315aと合流するように設けられた排出通路316aを介して遊技領域から排出される。この排出通路316aを通った遊技球は、排出通路315aを通った遊技球と同様に、アウト口39の排出通路39a(図5参照)を通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
このように、本実施形態では、第1の入賞口51Bは、水平方向一方側(+X軸方向側)に開口するようにして設けられている。第2の入賞口52Bは、水平方向他方側(-X軸方向側)に開口するようにして設けられている。
さらに、本実施形態では、第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bは、遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段として機能している。
また、第1の入賞口51Bは、カバー511Bの右側に設けられた略矩形板状の第1のブリッジ512Bと、第1のブリッジ512Bを駆動する第1のブリッジ駆動部514Bとを備えている。
第1のブリッジ512Bは、遊技盤31Bに形成された断面矩形状の穴313Bを介して突没自在に設けられているとともに、カバー511Bの下端部からカバー521Bの上端部にかけて傾斜するように設けられている。
また、第2の入賞口52Bは、カバー521Bの左側に設けられた略矩形板状の第2のブリッジ522Bと、第2のブリッジ522Bを駆動する第2のブリッジ駆動部524Bとを備えている。
第2のブリッジ522Bは、遊技盤31Bに形成された断面矩形状の穴314Bを介して突没自在に設けられているとともに、カバー521Bの下端部からカバー511Bの上部にかけて傾斜するように設けられている。
第1のブリッジ512Bは、第2のブリッジ522Bと比較して急傾斜となるように設けられている。また、第1のブリッジ512Bは、カバー511Bの開口と、カバー521Bの開口との間に掛け渡されているのに対し、第2のブリッジ522Bは、カバー521Bの開口と、カバー511Bの上面部の左端との間に掛け渡されている。換言すれば、第1のブリッジ512Bの水平方向の長さは、第2のブリッジ522Bの水平方向の長さよりも短い。
このように、本実施形態では、第1のブリッジ512Bは、遊技盤31Bに対して突没自在に設けられるとともに、第1の入賞口51B側に向かうにしたがって下降するように傾斜し、第2のブリッジ522は、遊技盤31に対して突没自在に設けられるとともに、第2の入賞口52側に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
また、本実施形態では、第1のブリッジ駆動部514Bおよび第2のブリッジ駆動部524Bは、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに対して突没させるブリッジ駆動部として機能している。換言すれば、第1のブリッジ駆動部514Bおよび第2のブリッジ駆動部524Bは、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bを独立して駆動する誘導体駆動部として機能している。
さらに、本実施形態では、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bは、交差するようにして設けられている。
第1のブリッジ512Bは、前記第1実施形態における第1のブリッジ512と同様に、その中央部に形成されるとともに、背面側から正面側にかけて形成されたスリット(図示略)を有している。
第2のブリッジ522Bは、前記第1実施形態における第2のブリッジ522と同様に、その中央部に形成されるとともに、正面側から背面側にかけて形成されたスリット(図示略)を有している。
そして、第1のブリッジ512Bのスリットと、第2のブリッジ522Bのスリットとは、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bの突没方向(Y軸方向)に沿って噛み合わせられている。
このように、本実施形態では、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bは、第1のブリッジ512Bのスリットと、第2のブリッジ522Bのスリットとを第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bの突没方向に沿って噛み合わせることによって、交差するようにして設けられている。
ここで、遊技盤31Bは、第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bの前面側を覆うようにして設けられたパネル53Bを備えている。このパネル53Bは、第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bを前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成された透明パネル53B1と、この透明パネル53B1の周囲に設けられるとともに、不透明に形成された不透明パネル53B2とを備えている。
したがって、遊技者は、透明パネル53B1および窓部21を介して第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bを前方から視認することができる。
図48は、第1のブリッジを突没させた状態における第1の入賞口および第2の入賞口の正面を示す模式図である。具体的には、図48(A)は、第1のブリッジ512Bを突出させた場合にカバー521Bの上方に落下した遊技球の流路を示す図であり、図48(B)は、第1のブリッジ512Bを没入させた場合にカバー521Bの上方に落下した遊技球の流路を示す図である。
第1のブリッジ駆動部514B(図47参照)は、図48(A)に示すように、第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに形成された穴313Bを介して遊技盤31Bから突出させる。第1のブリッジ512Bは、カバー511Bの下端部からカバー521Bの上端部にかけて傾斜するように設けられているので、遊技盤31Bから突出させることによって、カバー511Bおよびカバー521Bの間の遊技領域を流下する遊技球をカバー511Bの開口に導くことができる(図中矢印参照)。
カバー521Bの上方に落下した遊技球は、カバー521Bの上面の傾斜を伝って左方に移動した後、第1のブリッジ512Bの上面の傾斜を伝って左方に移動してカバー511Bの開口に導かれる。
なお、第1のブリッジ512Bの上面に落下した遊技球は、第1のブリッジ512Bの上面の傾斜を伝って左方に移動してカバー511Bの開口に導かれる。また、遊技盤31Bは、カバー511Bの上方に遊技球を落下させないように釘44を配置しているので、遊技球は、カバー511Bの上方に落下することはない。
ここで、第1のブリッジ512Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技盤31Bおよびパネル53Bの間隔よりも狭くなるように設定されている。換言すれば、第1のブリッジ512Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されている(図示略)。
なお、本実施形態では、第1のブリッジ512Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているが、遊技球の直径と同じ幅に設定されていてもよく、遊技球の直径よりも広くなるように設定されていてもよい。
カバー511Bの開口幅は、入り口側(右側)から奥側(左側)に進むにしたがって、狭くなるように設定されている。これによれば、カバー511Bは、第1のブリッジ512Bの傾斜を伝って導かれた遊技球を第1の入賞口51Bへ滑らかに入賞させることができる。
そして、カバー511Bの上面部は、カバー511Bの下面部よりもカバー521B側(開口方向側)に突出した形状となっている。
また、第1のブリッジ駆動部514Bは、図48(B)に示すように、第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに形成された穴313Bを介して遊技盤31Bに没入させる。第1のブリッジ512Bは、遊技盤31Bに没入させることによって、カバー511Bおよびカバー521Bの間の遊技領域を流下する遊技球をアウト口39に導くことができる。
カバー521Bの上方に落下した遊技球は、カバー521Bの上面の傾斜を伝って左方に移動した後、カバー511Bおよびカバー521Bの間を落下してアウト口39に導かれる。
なお、カバー511Bおよびカバー521Bの間に落下した遊技球は、そのままアウト口39に導かれる。また、遊技盤31Bは、カバー511Bの上方に遊技球を落下させないように釘44を配置しているので、遊技球は、カバー511Bの上方に落下することはない。
このように、第1の入賞口51Bは、ガイド片(サポート片)としての第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bから突出させて遊技球をカバー511Bの開口に導く開放状態(サポート状態またはガイド状態)と、第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態(非サポート状態または非ガイド状態)とを有している。
そして、第1のブリッジ駆動部514Bは、第1のブリッジ512Bを駆動することによって、第1の入賞口51Bを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
換言すれば、第1のブリッジ512Bは、第1の入賞口51Bに遊技球を導く第1の誘導体として機能している。
そして、第1のブリッジ駆動部514Bは、第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに対して突出させることによって、第1のブリッジ512Bを有効(開放状態)に設定し、第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに対して没入させることによって、第1のブリッジ512Bを無効(閉鎖状態)に設定している。
なお、前述したように、第1のブリッジ512Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、例えば、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第1のブリッジ512Bは、遊技盤31Bに素早く没入させることができる。
これによれば、第1のブリッジ駆動部514Bは、第1の入賞口51Bを閉鎖状態に設定した直後に、第1の入賞口51Bを閉鎖状態に設定する直前に第1のブリッジ512Bにてカバー511Bの開口に導いていた遊技球を第1の入賞口51Bに入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
また、前述したように、カバー511Bの上面部は、カバー511Bの下面部よりもカバー521B側(開口方向側)に突出した形状となっているので、第1の入賞口51Bを閉鎖状態に設定した場合には、カバー511Bの上面部をカバー511Bの下面部よりもカバー521B側(開口方向側)に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口51Bに誤って入賞しにくくなる。
なお、本実施形態では、カバー511Bの上面部は、カバー511Bの下面部よりもカバー521B側(開口方向側)に突出した形状となっているが、突出しない形状となっていてもよい。
図49は、第2のブリッジを突没させた状態における第1の入賞口および第2の入賞口の正面を示す模式図である。具体的には、図49(A)は、第2のブリッジ522Bを突出させた場合にカバー521Bの上方に落下した遊技球の流路を示す図であり、図49(B)は、第2のブリッジ522Bを没入させた場合にカバー521Bの上方に落下した遊技球の流路を示す図である。
第2のブリッジ駆動部524B(図47参照)は、図49(A)に示すように、第1のブリッジ522Bを遊技盤31Bに形成された穴314Bを介して遊技盤31Bから突出させる。第2のブリッジ522Bは、カバー521Bの下端部からカバー511Bの上部にかけて傾斜するように設けられているので、遊技盤31Bから突出させることによって、カバー511Bおよびカバー521Bの間の遊技領域を流下する遊技球をカバー521Bの開口に導くことができる(図中矢印参照)。
カバー521Bの上方に落下した遊技球は、カバー521Bの上面の傾斜を伝って左方に移動した後、第2のブリッジ522Bの上面の傾斜を伝って右方に移動してカバー521Bの開口に導かれる。
なお、第2のブリッジ522Bの上面に落下した遊技球は、第2のブリッジ522Bの上面の傾斜を伝って右方に移動してカバー521Bの開口に導かれる。また、遊技盤31Bは、カバー511Bの上方に遊技球を落下させないように釘44を配置しているので、遊技球は、カバー511Bの上方に落下することはない。
ここで、第2のブリッジ522Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技盤31Bおよびパネル53Bの間隔よりも狭くなるように設定されている。換言すれば、第2のブリッジ522Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されている(図示略)。
なお、本実施形態では、第2のブリッジ522Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているが、遊技球の直径と同じ幅に設定されていてもよく、遊技球の直径よりも広くなるように設定されていてもよい。
カバー521Bの開口幅は、入り口側(右側)から奥側(左側)に進むにしたがって、狭くなるように設定されている。これによれば、カバー521Bは、第2のブリッジ522Bの傾斜を伝って導かれた遊技球を第2の入賞口52Bへ滑らかに入賞させることができる。
そして、カバー521Bの上面部は、カバー521Bの下面部よりもカバー511B側(開口方向側)に突出した形状となっている。
また、第2のブリッジ駆動部524Bは、図49(B)に示すように、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに形成された穴314Bを介して遊技盤31Bに没入させる。第2のブリッジ522Bは、遊技盤31Bに没入させることによって、カバー511Bおよびカバー521Bの間の遊技領域を流下する遊技球をアウト口39に導くことができる。
カバー521Bの上方に落下した遊技球は、カバー521Bの上面の傾斜を伝って左方に移動した後、カバー511Bおよびカバー521Bの間を落下してアウト口39に導かれる。
なお、カバー511Bおよびカバー521Bの間に落下した遊技球は、そのままカバー511Bおよびカバー521Bの間を落下してアウト口39に導かれる。また、遊技盤31Bは、カバー511Bの上方に遊技球を落下させないように釘44を配置しているので、遊技球は、カバー511Bの上方に落下することはない。
このように、第2の入賞口52Bは、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bから突出させて遊技球をカバー521Bの開口に導く開放状態と、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態とを有している。
そして、第2のブリッジ駆動部524Bは、第2のブリッジ522Bを駆動することによって、第2の入賞口52Bを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
換言すれば、第2のブリッジ522Bは、第2の入賞口52Bに遊技球を導く第2の誘導体として機能している。
そして、第2のブリッジ駆動部524Bは、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに対して突出させることによって、第2のブリッジ522Bを有効(開放状態)に設定し、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに対して没入させることによって、第2のブリッジ522Bを無効(閉鎖状態)に設定している。
なお、前述したように、第2のブリッジ522Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、例えば、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第2のブリッジ522Bは、遊技盤31Bに素早く没入させることができる。
これによれば、第2のブリッジ駆動部524Bは、第2の入賞口52Bを閉鎖状態に設定した直後に、第2の入賞口52Bを閉鎖状態に設定する直前に第2のブリッジ522Bにてカバー521Bの開口に導いていた遊技球を第2の入賞口52Bに入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
また、前述したように、カバー521Bの上面部は、カバー521Bの下面部よりもカバー511B側(開口方向側)に突出した形状となっているので、第2の入賞口52Bを閉鎖状態に設定した場合には、カバー521Bの上面部をカバー521Bの下面部よりもカバー511B側(開口方向側)に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第2の入賞口52Bに誤って入賞しにくくなる。
なお、本実施形態では、カバー521Bの上面部は、カバー521Bの下面部よりもカバー511B側(開口方向側)に突出した形状となっているが、突出しない形状となっていてもよい。
具体的には、第2の入賞口52Bは、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態に設定されている。そして、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選し、開閉実行モードに移行した場合には、第2の入賞口52Bは、遊技球が入賞できる開放状態に設定される。
なお、開閉実行モード(特定制御状態)とは、第2の入賞口52Bを開放状態に設定し、第2の入賞口52Bに遊技球を入球可能とするモードをいう。また、開閉実行モードにおいて、第2の入賞口52Bを開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでを1回のラウンド遊技という。
主表示装置42は、図46に示すように、メイン表示部45と、役物用表示部46とを有し、複数のセグメント発光部を所定の態様で配列したセグメント表示器や、ドット表示器などの複数の表示装置を配置して構成されている。
なお、主表示装置42は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして遊技盤31Bに設けられている。すなわち、主表示装置42は、窓パネル22を介してパチンコ機10の前方から視認可能となっている。また、主表示装置42と、窓パネル22との間の距離は、遊技球1個分よりも狭くなっている。これによって、パチンコ機10は、主表示装置42と、窓パネル22との間を遊技球が落下していくのを防止している。換言すれば、パチンコ機10は、主表示装置42の前方を遊技球が落下していくのを防止している。
メイン表示部45は、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第1結果表示部45aと、第1の入賞口51Bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示するための第2結果表示部45bとを備えている(図50参照)。なお、メイン表示部45は、開閉実行モードとなった場合(または開閉実行モードとなる場合)に、その開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数を明示するためのラウンド表示部を更に備えていてもよい。
第1結果表示部45aは、上作動口36への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第1結果表示部45aは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部45bは、第1の入賞口51Bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、第1の入賞口51Bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。この内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果であった場合には、第2結果表示部45bは、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、開閉実行モードへ移行する。
このように、本実施形態では、上作動口36および第1の入賞口51Bは、遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段として機能する。
役物用表示部46は、各スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。役物用表示部46は、内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した結果であった場合には、所定の停止結果を表示する。その後、パチンコ機10は、電役開放状態へ移行する。この電役開放状態では、第1の入賞口51Bは、所定の態様で開放状態となる。
なお、本実施形態では、メイン表示部45および役物用表示部46は、セグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等の他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部45および役物用表示部46に変動表示させる絵柄としては、複数種の文字を変動表示させる構成、複数種の記号を変動表示させる構成、複数種のキャラクタを変動表示させる構成、または複数種の色を切り換えて表示させる構成などを採用できる。
可変表示ユニット43は、絵柄の一種である図柄を変動表示(可変表示または切換表示)する図柄表示装置47を備えている。また、可変表示ユニット43は、図柄表示装置47を囲むようにして配設されたセンターフレーム48を備えている。このセンターフレーム48の上部は、その前面側に設けられた窓パネル22に向かって膨出するようにして設けられている。これによって、パチンコ機10は、図柄表示装置47の表示画面Gの前方を遊技球が落下していくのを防止し、遊技球の落下によって表示画面Gの視認性が低下するといった不都合を生じない構成となっている。
図柄表示装置47は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されている。この図柄表示装置47は、上作動口36または第1の入賞口51Bへの入賞に基づいて図柄の変動表示を開始する。すなわち、図柄表示装置47は、メイン表示部45の第1結果表示部45aにて変動表示を実行する場合およびメイン表示部45の第2結果表示部45bにて変動表示を実行する場合には、それに合わせて変動表示を実行する。
なお、図柄表示装置47は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置、またはCRT等の他の表示装置であってもよい。
センターフレーム48は、図柄表示装置47の左下側の領域に設けられた第1保留ランプ部49aと、図柄表示装置47の右下側の領域に設けられた第2保留ランプ部49bと、図柄表示装置47の上側の領域に設けられた第3保留ランプ部49cとを備えている。
第1保留ランプ部49aは、上作動口36に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第1保留ランプ部49aは、遊技球を最大4個まで保留することができ、第1結果表示部45aおよび図柄表示装置47の変動表示に対応している。
第2保留ランプ部49bは、第1の入賞口51Bに入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第2保留ランプ部49bは、遊技球を最大4個まで保留することができ、第2結果表示部45bおよび図柄表示装置47の変動表示に対応している。
第3保留ランプ部49cは、各スルーゲート41に入賞した遊技球の保留個数を表示する部位であり、保留個数に応じて点灯する。この第3保留ランプ部49cは、遊技球を最大4個まで保留することができ、役物用表示部46の変動表示に対応している。
なお、各保留ランプ部49a~49cは、後述する図柄表示装置47の一部に画像として表示される等の他の構成であってもよい。
<パチンコ機10の電気的構成>
図50は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図50に示すように、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備え、これらの装置は、内枠の背面側に搭載されている。また、パチンコ機10は、前述した払出装置71に遊技球の払い出しをさせる払出制御を実行する払出制御装置70と、前述した遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する電源・発射制御装置80とを備え、これらの装置は、裏パックユニットに搭載されている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御(主制御)を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65とを備えている。なお、主制御装置60は、主制御基板61などを収容する基板ボックスを備えている。この基板ボックスは、その開放に際して痕跡を残す痕跡手段を備えていてもよく、その開放に際して痕跡を残す痕跡構造を備えていてもよい。具体的には、痕跡手段としては、複数のケース体を結合することによって基板ボックスを構成し、各ケース体の分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)を設ける構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成などを採用することができる。また、痕跡構造としては、これらのケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成などを採用することができる。
主制御基板61は、主制御基板61に実装されたMPU62と、このMPU62を構成しているROM63およびRAM64とを備えている。ここで、MPU62は、ROM63およびRAM64の他、CPU、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、および乱数発生器としてのカウンタ回路などを複合的にチップ化した素子である。
なお、本実施形態では、ROM63およびRAM64は、MPU62に対して1チップ化されているが、個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の他の制御装置のMPUについても同様である。
ROM63は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。このROM63は、当否テーブル記憶エリア63aや、振分テーブル記憶エリア63bや、リーチ用テーブル記憶エリア63cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
RAM64は、ROM63に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。このRAM64は、各種カウンタエリア64aや、保留球格納エリア64bや、電役保留エリア64cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
MPU62は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU62の入力ポートは、主制御装置60に設けられた停電監視基板65と、複数の検知センサ40a~40fとに接続されている。MPU62の出力ポートは、停電監視基板65と、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とに接続されている。また、MPU62の出力ポートは、第1の入賞口51Bの第1のブリッジ512Bを突没動作させる第1のブリッジ駆動部514Bと、第2の入賞口52Bの第2のブリッジ522Bを突没動作させる第2のブリッジ駆動部524Bと、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、第1のブリッジ駆動部514Bの駆動制御を実行して第1のブリッジ512Bを突没させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524Bの駆動制御を実行して第2のブリッジ522Bを突没させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して上作動口36および第1の入賞口51Bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
停電監視基板65は、主制御基板61と、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置80とを中継し、電源・発射制御装置80から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。したがって、MPU62は、停電監視基板65を介して電力を受給する。
検知センサ40a~40fは、一般入賞口30、上作動口36、第1の入賞口51B、および第2の入賞口52Bの各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41に1対1で対応して設けられている。MPU62は、検知センサ40a~40fの検知結果に基づいて、各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41への入賞判定(入球判定)を行っている。なお、MPU62は、上作動口36または第1の入賞口51Bへの入賞判定に基づいて、内部抽選を実行する。
払出制御装置70は、主制御装置60から送信されるコマンド(制御命令)に基づいて、払出装置71に賞球や貸し球(遊技に際して遊技者に貸し出す遊技球)の払い出しをさせる払出制御を実行する。
電源・発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、電源・発射制御装置80は、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。なお、電源・発射制御装置80は、バックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部を備えている。この電断時用電源部は、パチンコ機10への電力供給が遮断された電断時においても主制御装置60のRAM64に記憶保持用の電力を供給する。
また、電源・発射制御装置80は、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する。ここで、遊技球発射機構81は、遊技盤31の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿25aに貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドとを備えている。電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、このソレノイドに対して駆動信号(発射許可信号)を供給し、遊技球を発射させる。
また、本実施形態では、主制御装置60は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、作動口用の入賞処理、通常処理、遊技状態移行処理、および大入賞口開放処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における作動口用の入賞処理、通常処理、遊技状態移行処理、および大入賞口開放処理の内容について説明する。
<作動口用の入賞処理>
図51は、作動口用の入賞処理のフローチャートを示す図である。
作動口用の入賞処理では、MPU62は、ステップS201~S207を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図51に示すように、ステップS203の処理に代えてステップS203Bの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS201では、MPU62は、上作動口36に対応した検知センサ40aが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、上作動口36に遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。MPU62は、ステップS201にて上作動口36に遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS202において、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第1始動保留記憶数RaNとして第1結果表示部用保留エリアRaにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、前記第1実施形態と同様にステップS205以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS201にて上作動口36に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS203Bにおいて、第1の入賞口51Bに対応した検知センサ40bが遊技球の入賞を検知したか否かを判定することによって、第1の入賞口51Bに遊技球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS203Bにて第1の入賞口51Bに遊技球が入賞していないと判定した場合には、作動口用の入賞処理を終了する。また、MPU62は、ステップS203Bにて第1の入賞口51Bに遊技球が入賞したと判定した場合には、ステップS204において、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留個数を把握し、その保留個数を第2始動保留記憶数RbNとして第2結果表示部用保留エリアRbにおける所定の記憶エリアにセットする。その後、MPU62は、前記第1実施形態と同様にステップS205以降の処理を実行する。
<通常処理>
図52は、通常処理のフローチャートを示す図である。
MPU62は、電源投入に伴って起動する後述のメイン処理を実行した後、遊技を進行させるための主要な処理である通常処理を実行する。この通常処理では、MPU62は、ステップS301~S314を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図52に示すように、ステップS306の電役サポート用処理に代えてステップS306Bの電役サポート用処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS306Bでは、MPU62は、第1の入賞口51Bの第1のブリッジ512Bの駆動制御を実行するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、MPU62は、RAM64の電役保留エリア64cに格納された電動役物開放カウンタC4の値に基づいて、電動役物開放抽選を実行するとともに、電動役物開放抽選に当選した場合には、第1の入賞口51Bの開閉処理を実行する。また、MPU62は、電動役物開放抽選の結果を表示するように、役物用表示部46の表示制御を実行する。
第1の入賞口51Bの開閉処理では、MPU62は、第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bから突出させて遊技球をカバー511Bの開口に導く開放状態に設定した後、所定の開閉時間(本実施形態では0.3sec)を経過したことを契機として第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態に設定する。
ここで、前述したように、カバー521Bの上方に落下した遊技球や、第1のブリッジ512Bの上面に落下した遊技球は、第1のブリッジ512Bの上面に到達した後、第1のブリッジ512Bの開閉時間よりも短い通過時間(本実施形態では最大0.2sec)をかけて第1のブリッジ512Bの上面の傾斜を伝って左方に移動してカバー511Bの開口に導かれる(図48(A)参照)。換言すれば、第1のブリッジ512Bの開閉時間は、第1のブリッジ512Bの上面の傾斜を伝って左方に移動してカバー511Bの開口に導かれる遊技球の通過時間よりも長いので、第1のブリッジ512Bは、遊技球をカバー511Bの開口に確実に導くことができる。
なお、遊技盤31Bは、カバー511Bの上方に遊技球を落下させないように釘44を配置しているので、遊技球は、カバー511Bの上方に落下することはないが、カバー511Bの上方に落下した場合についても検討する。遊技球は、カバー511Bの上方に落下した場合には、カバー511Bの上面の傾斜を伝って右方に移動した後、第1のブリッジ512Bの上面の傾斜を伝って左方に移動してカバー511Bの開口に導かれることになり、第1のブリッジ512Bの上面にて減速し、その進行方向を転換することになる。
したがって、遊技球は、第1のブリッジ512Bの開閉時間よりも長い通過時間をかけて第1のブリッジ512Bの上面の傾斜を伝って左方に移動してカバー511Bの開口に導かれることになる場合がある。この場合には、MPU62は、カバー511Bの開口に遊技球を入球させる前に第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに没入させることになるので、遊技球は、カバー511Bおよびカバー521Bの間を落下してアウト口39に導かれることになる。換言すれば、第1の入賞口51Bは、第1のブリッジ512Bの上面にて遊技球の進行方向を転換することのない位置に遊技球を落下させるように構成されている。
<遊技状態移行処理>
図53は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、ステップS801~S815を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図53に示すように、ステップS809の処理を実行しない点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS801では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS802以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中であると判定した場合には、前記第1実施形態と同様にステップS812以降の処理を実行する。
まず、ステップS801において、MPU62にて開閉実行モード中でないと判定された場合の処理(ステップS802以降の処理)について説明する。
ステップS802では、MPU62は、メイン表示部45の変動表示が終了したか否かを判定する。MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了していないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了したと判定した場合には、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、MPU62は、当否結果が「大当たり当選」または「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、RAM64に開閉実行モード中フラグをセットした後、ステップS804以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものでないと判定した場合(当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合)には、遊技状態移行処理を終了する。
ステップS804では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS805において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた開閉カウンタSOCに「2」をセットする。この開閉カウンタSOCは、開閉実行モードへの移行に際して可変入賞装置5Bの大入賞口50を開閉する総回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
これに対して、MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS806において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、ステップS807において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「2」をセットする。また、MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合、すなわち振分結果が「低確結果」または「最有利結果」であると判定した場合には、ステップS808において、ラウンドカウンタRCに「15」をセットする。このラウンドカウンタRCは、開閉実行モードへの移行に際してラウンド遊技の回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS805、ステップS807、およびステップS808のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS810において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、オープニング用の待機時間は2secとなる。なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
このように、MPU62は、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、遊技結果の種類に関わらずタイマカウンタTにオープニング用の待機時間をセットする。換言すれば、オープニング用の待機時間は、遊技結果の種類に関わらず同一である。
なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、オープニング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS811では、MPU62は、オープニングコマンドを設定する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。このオープニングコマンドは、開閉実行モードへの移行の契機となった遊技結果の情報を含んでいる。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS811にて設定したオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードへの移行を認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
図54は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、ステップS1101~S1110Bを実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図54に示すように、ステップS1107~S1109の処理に代えてステップS1110Bの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1101では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1101にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1102において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1103において、タイマカウンタTに「85」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は0.17secとなる。
これに対して、MPU62は、ステップS1101にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1104において、入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1105において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1105にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、前述したステップS1103において、タイマカウンタTに「85」をセットする。
これに対して、MPU62は、ステップS1105にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合には、ステップS1106において、タイマカウンタTに「15000」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は30secとなる。
ステップS1103またはステップS1106の処理を実行した後、MPU62は、ステップS1110Bにおいて、大入賞口の開放実行処理を実行する。この大入賞口の開放実行処理では、MPU62は、第2のブリッジ駆動部524Bの駆動制御を実行することによって、第2の入賞口52Bを開放状態に設定する。その後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
したがって、大入賞口開閉処理(第2の入賞口52Bの開閉処理)では、MPU62は、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bから突出させて遊技球をカバー521Bの開口に導く開放状態に設定した後、上限である8個の遊技球を大入賞口50に入賞させたこと、または所定の開閉時間(本実施形態では30sec)を経過したことを契機として第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態に設定する。
ここで、前述したように、カバー521Bの上方に落下した遊技球や、第2のブリッジ522Bの上面に落下した遊技球は、第2のブリッジ522Bの上面に到達した後、ある程度の通過時間をかけて第2のブリッジ522Bの上面の傾斜を伝って右方に移動してカバー521Bの開口に導かれる(図49(A)参照)。
具体的には、カバー521Bの上方に落下した遊技球は、第2のブリッジ522Bの上面の傾斜を伝って右方に移動してカバー521Bの開口に導かれることになる。第2のブリッジ522Bの上面に落下した遊技球は、カバー521Bの上面の傾斜を伝って左方に移動した後、第2のブリッジ522Bの上面の傾斜を伝って右方に移動してカバー521Bの開口に導かれることになり、第2のブリッジ522Bの上面にて減速し、その進行方向を転換することになる。しかしながら、前述したように、MPU62は、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bから突出させて遊技球をカバー521Bの開口に導く開放状態に設定した後、上限である8個の遊技球を大入賞口50に入賞させたこと、または所定の開閉時間(本実施形態では30sec)を経過したことを契機として第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態に設定するので、第2のブリッジ522Bは、第2の入賞口52Bの開閉時間を経過する前に上限である8個の遊技球を大入賞口50に入賞させることができ、遊技球をカバー521Bの開口に確実に導くことができる。
このように、本実施形態では、主制御装置60は、上作動口36および第1の入賞口51Bへの遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な開閉実行モードに遊技状態を移行する遊技状態移行手段として機能している。
また、可変入賞装置5Bは、開閉実行モードに移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行している。
さらに、本実施形態では、各ブリッジ512B,522Bおよび各ブリッジ駆動部514B,524Bは、第1の入賞口51Bに遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、第2の入賞口52Bに遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bのいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替え、第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52の間に設けられた入球状態切替手段として機能している。
具体的には、第1のブリッジ駆動部514Bは、第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに対して突出させることによって、第1のブリッジ512Bを介して第1の入賞口51Bに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えている。第2のブリッジ駆動部524Bは、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに対して突出させることによって、第2のブリッジ522Bを介して第2の入賞口52Bに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えている。各ブリッジ駆動部514B,524Bは、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えている。
換言すれば、各ブリッジ駆動部514B,524Bは、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bの有効・無効を切り替えることによって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替え、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bを共に有効に設定し得る。
そして、本実施形態では、主制御装置60は、第1の入賞口51Bを開放状態に設定する場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替え、第1の入賞口51Bを閉鎖状態に設定する場合、および開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えている。
また、本実施形態では、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、演出決定処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における演出決定処理の内容について説明する。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図55は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、ステップS2101~S2116を実行する。なお、本実施形態では、MPU92は、図55に示すように、ステップS2109にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、前記第1実施形態におけるステップS2110~S2112の処理を実行することなく、ステップS2113の処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)パチンコ機10は、入球状態切替手段を備えているので、第1の入賞口51Bを開放状態に設定する場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する第1の入賞口51Bに遊技球を入球させることができる。また、パチンコ機10は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する第2の入賞口52Bに遊技球を入球させることができる。また、パチンコ機10は、特定制御状態に移行していない場合、および第1の入賞口51Bを閉鎖状態に設定する場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bに遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、パチンコ機10は、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、遊技球を異なる入賞口に導くことができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)第1のブリッジ512Bは、第1の入賞口51B側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、第1のブリッジ駆動部514Bは、第1のブリッジ512Bを遊技盤31Bに対して突出させることによって、第1のブリッジ512Bを介して第1の入賞口51Bに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジ522Bは、第2の入賞口52B側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、第2のブリッジ駆動部524Bは、第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに対して突出させることによって、第2のブリッジ522Bを介して第2の入賞口52Bに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口51Bおよび第2の入賞口52Bは、水平方向に開口するようにして設けられているので、各ブリッジ駆動部514B,524Bは、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、パチンコ機10は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。また、パチンコ機10は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)第1の入賞口51Bは、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口52Bは、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口51Bまたは第2の入賞口52Bに入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
(4)第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bは、交差するようにして設けられているので、交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
(5)第1のブリッジ512Bの水平方向の長さは、第2のブリッジ522Bの水平方向の長さよりも短いので、第1の入賞口51Bの開放時間を第2の入賞口52Bの開放時間よりも短く設定した場合であっても第1の入賞口51Bに遊技球を入球させやすくすることができる。
(6)第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bは、第1のブリッジ512Bのスリットと、第2のブリッジ522Bのスリットとを第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bの突没方向に沿って噛み合わせることによって、交差するようにして設けられているので、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bの構成を簡素にすることができる。
(7)第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bの遊技盤31Bからの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第1のブリッジ512Bおよび第2のブリッジ522Bは、遊技盤31Bに対して素早く没入させることができる。したがって、各ブリッジ駆動部514B,524Bは、第1のブリッジ512Bまたは第2のブリッジ522Bを遊技盤31Bに対して没入させた直後に、第1のブリッジ512Bまたは第2のブリッジ522Bにて第1の入賞口51Bまたは第2の入賞口52Bに導いていた遊技球を第1の入賞口51Bまたは第2の入賞口52Bに入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
(8)カバー511B,521Bの上面部は、カバー511B,521Bの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバー511B,521Bの上面部をカバー511B,521Bの下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口51Bまたは第2の入賞口52Bに誤って入賞しにくくなる。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図56は、本発明の第4実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、可変入賞装置5を備え、可変入賞装置5は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を備えていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Cは、図56に示すように、可変入賞装置5Cを備え、可変入賞装置5Cは、回動ブリッジ541を備えている点で前記第1実施形態と異なる。
図57は、可変入賞装置の正面図である。なお、図57では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
可変入賞装置5Cは、図57に示すように、下作動口37の下方に設けられている。この可変入賞装置5Cは、遊技領域の左側に設けられた第1の入賞口51と、遊技領域の右側に設けられた第2の入賞口52とを備えている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を調節し、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を調節することによって、可変入賞装置5Cに遊技球を導くことができる。
以下の説明では、第1の入賞口51および第2の入賞口52は、単に大入賞口50とも称する。
ここで、遊技盤31Cは、可変入賞装置5Cの前面側を覆うようにして設けられたパネル53を備えている。このパネル53は、可変入賞装置5Cを前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成されている。
したがって、遊技者は、パネル53を介して可変入賞装置5Cを前方から視認することができる。
図58は、可変入賞装置の三面図である。具体的には、図58(A)は、上面側から見た可変入賞装置5Cの断面図であり、図58(B)は、可変入賞装置5Cの正面図であり、図58(C)は、右側面側から見た可変入賞装置5Cの断面図である。
可変入賞装置5Cは、図58に示すように、カバー511およびカバー521の間に設けられた矩形板状の回動ブリッジ541と、Y軸方向に沿って延在するとともに、回動ブリッジ541のX軸方向の中央位置に一端を固定された回動軸542と、回動軸542の中央部に連結するとともに、回動軸542を回動させる回動駆動部543と、回動軸542の他端に連結するとともに、回動軸542を進退させる進退駆動部544とを備えている。
回動ブリッジ541は、遊技盤31Cに形成された断面矩形状の穴317を介して突没自在に設けられている。
回動軸542は、円柱軸状の本体部542aと、本体部542aと同心状となるように本体部542aの中央位置に設けられたギヤ542bと、本体部542aの-Y軸方向側の端部に設けられた円盤状の拡径部542cとを備えている。
回動駆動部543は、回動駆動部543の軸体の先端に取り付けられたギヤ543aを備えている。回動駆動部543は、この軸体をY軸回りに回動させることによって、ギヤ543aおよびギヤ542bを介して回動ブリッジ541をY軸回りに回動させる。
ここで、回動駆動部543は、回動ブリッジ541を回動させていない水平状態と、回動ブリッジ541を反時計回りに回動させることによって、カバー511の下端部からカバー521の上端部にかけて傾斜させる左回動状態と、回動ブリッジ541を時計回りに回動させることによって、カバー521の下端部からカバー511の上端部にかけて傾斜させる右回動状態とを有している(図57矢印参照)。
なお、図58では、回動駆動部543は、回動ブリッジ541を時計回りに回動させることによって、カバー521の下端部からカバー511の上端部にかけて傾斜させる右回動状態に設定している。
進退駆動部544は、進退駆動部544の軸体の先端に設けられるとともに、回動軸542の拡径部542cをZ軸回りに回動自在に支持する回動支持部544aを備えている。進退駆動部544は、この軸体をY軸方向に沿って進退させることによって、回動支持部544aおよび拡径部542cを介して回動ブリッジ541をY軸方向に沿って進退させる。
ここで、進退駆動部544は、水平状態に設定された回動ブリッジ541を遊技盤31Cに形成された穴317を介して突出させることによって、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球を回動ブリッジ541に載置可能とする突出状態と、水平状態に設定された回動ブリッジ541を遊技盤31Cに形成された穴317を介して没入させることによって、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球を回動ブリッジ541に載置不能とする没入状態とを有している。
なお、図58では、進退駆動部544は、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに形成された穴317を介して突出させることによって、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球を回動ブリッジ541に載置可能とする突出状態に設定している。
ここで、回動ブリッジ541の遊技盤31Cからの突出幅D1は、遊技盤31Cおよびパネル53の間隔D2よりも狭くなるように設定されている。換言すれば、回動ブリッジ541の遊技盤31Cからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されている。
なお、本実施形態では、回動ブリッジ541の遊技盤31Cからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているが、遊技球の直径と同じ幅に設定されていてもよく、遊技球の直径よりも広くなるように設定されていてもよい。
図59は、回動ブリッジを突出状態とした場合の可変入賞装置を示す拡大正面図である。具体的には、図59(A)は、水平状態に設定された回動ブリッジ541を突出状態とした可変入賞装置5Cを示す図であり、図59(B)は、回動ブリッジ541を突出状態とした後、左回動状態に設定した可変入賞装置5Cを示す図であり、図59(C)は、回動ブリッジ541を突出状態とした後、右回動状態に設定した可変入賞装置5Cを示す図である。
回動駆動部543および進退駆動部544は、図59(A)に示すように、回動ブリッジ541を突出状態とした後、図59(B)に示すように、左回動状態に設定すれば、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー511の開口に導くことができる。
回動駆動部543および進退駆動部544は、図59(A)に示すように、回動ブリッジ541を突出状態とした後、図59(C)に示すように、右回動状態に設定すれば、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー521の開口に導くことができる。
なお、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を水平状態とした後、没入状態に設定すれば、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球をアウト口39に導くことができる。
このように、可変入賞装置5Cは、回動ブリッジ541を突出状態とした後、左回動状態または右回動状態に設定して遊技球をカバー511の開口またはカバー521の開口に導く開放状態と、回動ブリッジ541を水平状態とした後、没入状態に設定して遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態とを有している。
そして、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を駆動することによって、大入賞口50を開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
換言すれば、回動ブリッジ541は、第1の入賞口51および第2の入賞口52のいずれかに遊技球を導く少なくとも1つの部材からなる切替誘導体として機能している。
なお、前述したように、回動ブリッジ541の遊技盤31Cからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、例えば、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、回動ブリッジ541は、遊技盤31Cに素早く没入させることができる。
これによれば、回動駆動部543および進退駆動部544は、大入賞口50を閉鎖状態に設定した直後に、大入賞口50を閉鎖状態に設定する直前に回動ブリッジ541にてカバー511の開口またはカバー521の開口に導いていた遊技球を第1の入賞口51または第2の入賞口52に入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
このように、本実施形態では、回動ブリッジ541は、第1の入賞口51および第2の入賞口52の間に設けられるとともに、遊技盤31Cに対して突没自在に設けられている。また、回動ブリッジ541は、遊技盤31Cに対して突出した後、第1の入賞口51側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口51に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、遊技盤31Cに対して突出した後、第2の入賞口52側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口52に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)と、遊技盤31Cに対して突出した後、第1の入賞口51および第2の入賞口52に遊技球を導くことなく保留する水平状態とを備えている。
また、本実施形態では、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに対して突没させるとともに、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに対して突出させた後、回動ブリッジ541を回動させるブリッジ駆動部として機能している。
換言すれば、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を一体的に駆動する切替誘導体駆動部として機能している。
<パチンコ機10の電気的構成>
図60は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10は、図60に示すように、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備え、これらの装置は、内枠の背面側に搭載されている。また、パチンコ機10は、前述した払出装置71に遊技球の払い出しをさせる払出制御を実行する払出制御装置70と、前述した遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する電源・発射制御装置80とを備え、これらの装置は、裏パックユニットに搭載されている。
主制御装置60は、遊技の主たる制御(主制御)を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65とを備えている。なお、主制御装置60は、主制御基板61などを収容する基板ボックスを備えている。この基板ボックスは、その開放に際して痕跡を残す痕跡手段を備えていてもよく、その開放に際して痕跡を残す痕跡構造を備えていてもよい。具体的には、痕跡手段としては、複数のケース体を結合することによって基板ボックスを構成し、各ケース体の分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)を設ける構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成などを採用することができる。また、痕跡構造としては、これらのケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成などを採用することができる。
主制御基板61は、主制御基板61に実装されたMPU62と、このMPU62を構成しているROM63およびRAM64とを備えている。ここで、MPU62は、ROM63およびRAM64の他、CPU、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、および乱数発生器としてのカウンタ回路などを複合的にチップ化した素子である。
なお、本実施形態では、ROM63およびRAM64は、MPU62に対して1チップ化されているが、個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置60以外の他の制御装置のMPUについても同様である。
ROM63は、各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要としない不揮発性記憶手段である。このROM63は、当否テーブル記憶エリア63aや、振分テーブル記憶エリア63bや、リーチ用テーブル記憶エリア63cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
RAM64は、ROM63に記憶された制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を必要とする揮発性記憶手段である。このRAM64は、各種カウンタエリア64aや、保留球格納エリア64bや、電役保留エリア64cなどの各種エリアを有している。これらのエリアについては後に詳細に説明する。
MPU62は、入力ポートおよび出力ポートを備えている。MPU62の入力ポートは、主制御装置60に設けられた停電監視基板65と、複数の検知センサ40a~40fとに接続されている。MPU62の出力ポートは、停電監視基板65と、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とに接続されている。また、MPU62の出力ポートは、可変入賞装置5Cの回動ブリッジ541を回動動作させる回動駆動部543と、可変入賞装置5Cの回動ブリッジ541を進退動作させる進退駆動部544と、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、回動駆動部543および進退駆動部544の駆動制御を実行して回動ブリッジ541を回動および突没させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
停電監視基板65は、主制御基板61と、動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置80とを中継し、電源・発射制御装置80から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。したがって、MPU62は、停電監視基板65を介して電力を受給する。
検知センサ40a~40fは、上作動口36、下作動口37、および可変入賞装置5Cの各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41に1対1で対応して設けられている。MPU62は、検知センサ40a~40fの検知結果に基づいて、各種入賞口や、アウト口39や、各スルーゲート41への入賞判定(入球判定)を行っている。なお、MPU62は、上作動口36または下作動口37への入賞判定に基づいて、内部抽選を実行する。
払出制御装置70は、主制御装置60から送信されるコマンド(制御命令)に基づいて、払出装置71に賞球や貸し球(遊技に際して遊技者に貸し出す遊技球)の払い出しをさせる払出制御を実行する。
電源・発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、電源・発射制御装置80は、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。なお、電源・発射制御装置80は、バックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部を備えている。この電断時用電源部は、パチンコ機10への電力供給が遮断された電断時においても主制御装置60のRAM64に記憶保持用の電力を供給する。
また、電源・発射制御装置80は、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる発射制御を実行する。ここで、遊技球発射機構81は、遊技盤31の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿25aに貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドとを備えている。電源・発射制御装置80は、所定の発射条件が整っている場合に、このソレノイドに対して駆動信号(発射許可信号)を供給し、遊技球を発射させる。
また、本実施形態では、主制御装置60は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、遊技状態移行処理、大入賞口開閉処理、および大入賞口開放処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における遊技状態移行処理、大入賞口開閉処理、および大入賞口開放処理の内容について説明する。
<遊技状態移行処理>
図61は、遊技状態移行処理のフローチャートを示す図である。
遊技状態移行処理では、MPU62は、ステップS801~S815を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図61に示すように、ステップS809の処理を実行しない点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS801では、MPU62は、開閉実行モード中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中でないと判定した場合には、ステップS802以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS801にて開閉実行モード中であると判定した場合には、前記第1実施形態と同様にステップS812以降の処理を実行する。
まず、ステップS801において、MPU62にて開閉実行モード中でないと判定された場合の処理(ステップS802以降の処理)について説明する。
ステップS802では、MPU62は、メイン表示部45の変動表示が終了したか否かを判定する。MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了していないと判定した場合には、遊技状態移行処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS802にてメイン表示部45の変動表示が終了したと判定した場合には、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、MPU62は、当否結果が「大当たり当選」または「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、RAM64に開閉実行モード中フラグをセットした後、ステップS804以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS803にて当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものでないと判定した場合(当否結果が「通常外れ結果」であると判定した場合)には、遊技状態移行処理を終了する。
ステップS804では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS805において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた開閉カウンタSOCに「2」をセットする。この開閉カウンタSOCは、開閉実行モードへの移行に際して可変入賞装置5Cの大入賞口50を開閉する総回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
これに対して、MPU62は、ステップS804にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS806において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、ステップS807において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたラウンドカウンタRCに「2」をセットする。また、MPU62は、ステップS806にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合、すなわち振分結果が「低確結果」または「最有利結果」であると判定した場合には、ステップS808において、ラウンドカウンタRCに「15」をセットする。このラウンドカウンタRCは、開閉実行モードへの移行に際してラウンド遊技の回数をMPU62にて特定するためのカウンタである。
ステップS805、ステップS807、およびステップS808のいずれかの処理を実行した後、MPU62は、ステップS810において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられたタイマカウンタTにオープニング用の待機時間(待機期間)として「1000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、オープニング用の待機時間は2secとなる。なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
このように、MPU62は、ステップS803において、当否結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであると判定した場合には、遊技結果の種類に関わらずタイマカウンタTにオープニング用の待機時間をセットする。換言すれば、オープニング用の待機時間は、遊技結果の種類に関わらず同一である。
なお、オープニング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、オープニング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS811では、MPU62は、オープニングコマンドを設定する。その後、MPU62は、遊技状態移行処理を終了する。このオープニングコマンドは、開閉実行モードへの移行の契機となった遊技結果の情報を含んでいる。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS811にて設定したオープニングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードへの移行を認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
図62は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、ステップS1001~S1024を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図62に示すように、ステップS1010の処理に代えてステップS1010Cの処理を実行し、ステップS1018の処理に代えてステップS1018Cの処理を実行し、ステップS1007の処理を実行する前に、ステップS1026C、S1027Cの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1001では、MPU62は、大入賞口50が開放中であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1001にて大入賞口50が開放中でないと判定した場合には、ステップS1002以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1001にて大入賞口50が開放中であると判定した場合には、ステップS1006以降の処理を実行する。
まず、ステップS1001において、MPU62にて大入賞口50が開放中でないと判定された場合の処理(ステップS1002以降の処理)について説明する。
ステップS1002では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であり、かつラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1002にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の双方が「0」以下であると判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1002にて開閉カウンタSOCの値およびラウンドカウンタRCの値の少なくともいずれか一方が「0」以下ではないと判定した場合には、ステップS1003において、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1003にてタイマカウンタTの値が「0」以下ではないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1003にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1004において、大入賞口開放処理を実行する。
以下、ステップS1004の大入賞口開放処理について詳細に説明する。
図63は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、ステップS1101~S1114Cを実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図63に示すように、ステップS1106の処理を実行した後、ステップS1113Cを実行し、ステップS1103の処理またはステップS1113Cの処理を実行した後、ステップS1114Cの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1101では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1101にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1102において、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1103において、タイマカウンタTに「85」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は0.17secとなる。
これに対して、MPU62は、ステップS1101にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1104において、入賞カウンタPCに「8」をセットし、ステップS1105において、振分結果が少ラウンド高確結果(「非明示少ラウンド高確結果」または「明示少ラウンド高確結果」)であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1105にて振分結果が少ラウンド高確結果であると判定した場合には、前述したステップS1103において、タイマカウンタTに「85」をセットする。
これに対して、MPU62は、ステップS1105にて振分結果が少ラウンド高確結果でないと判定した場合には、ステップS1106において、タイマカウンタTに「15000」をセットする。前述したように、タイマカウンタTは、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、タイマカウンタTにセットされた時間は30secとなる。
ステップS1113Cでは、MPU62は、ラウンド賞球決定処理を実行する。
図64は、ラウンド賞球決定処理のフローチャートを示す図である。
ラウンド賞球決定処理では、MPU62は、図64に示すように、ステップS1501C~S1504Cを実行する。
ステップS1501Cでは、MPU62は、ラウンド賞球抽選処理を実行する。このラウンド賞球抽選処理では、MPU62は、所定の確率(本実施形態では50%)に基づいて、可変入賞装置5Cの賞球数を多賞球とするか少賞球とするかの抽選を実行する。
ステップS1502Cでは、MPU62は、ステップS1501Cのラウンド賞球抽選処理にて多賞球に当選したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1502Cにて多賞球に当選したと判定した場合には、ステップS1503Cにおいて、多賞球フラグをRAM64にセットする。
この多賞球フラグは、可変入賞装置5Cの賞球数を多賞球とすることを特定するためのフラグである。
これに対して、MPU62は、ステップS1502Cにて多賞球に当選しなかったと判定した場合(少賞球に当選したと判定した場合)には、ステップS1504Cにおいて、RAM64に記憶された多賞球フラグをクリアする。
大入賞口開放処理の説明に戻り、図63を参照してステップS1114C以降の処理について説明する。
ステップS1103またはステップS1113Cの処理を実行した後、MPU62は、ステップS1114Cにおいて、大入賞口の開放実行処理を実行する。この大入賞口の開放実行処理では、MPU62は、進退駆動部544の駆動制御を実行することによって、回動ブリッジ541を突出状態に設定する。その後、MPU62は、大入賞口開放処理を終了する。
なお、ステップS1102またはステップS1104にて入賞カウンタPCにセットされた値は、大入賞口50への遊技球の総入賞個数の上限を規定している。
また、ステップS1103またはステップS1106にてタイマカウンタTにセットされた値は、大入賞口50を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定するまでの上限継続時間を規定している。したがって、MPU62は、前述したように、タイマカウンタTに「85」または「15000」をセットすることによって、長さの異なる2種類の上限継続時間を設定している。具体的には、MPU62は、上限継続時間を30secに設定した長時間態様(長期間態様)と、上限継続時間を長時間態様のそれよりも短い0.17secに設定した短時間態様(短期間態様)とを設定している。
ここで、パチンコ機10は、前述したように、0.6secの周期で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させる。また、MPU62は、前述したように、入賞カウンタPCに「8」をセットすることによって、大入賞口50への遊技球の総入賞個数の上限を8個に設定している。
したがって、長時間態様の上限継続時間は、大入賞口50への遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも十分に長いので、上限である8個の遊技球を大入賞口50に入賞させることは容易である。
これに対して、短時間態様の上限継続時間は、大入賞口50への遊技球の総入賞個数の上限と、遊技球の発射周期との積よりも短い(更に言及すれば遊技球の発射周期よりも短い)ので、遊技球を大入賞口50に入賞させることは困難である。なお、タイミングによっては1個程度の遊技球を大入賞口50に入賞させることは可能である。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図62を参照してステップS1005以降の処理について説明する。
MPU62は、ステップS1004の大入賞口開放処理を実行した後、ステップS1005において、開放コマンドを設定する。また、MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1005にて設定した開放コマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される開放コマンドに基づいて、大入賞口50を開放状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1001において、MPU62にて大入賞口50が開放中であると判定された場合の処理(ステップS1006以降の処理)について説明する。
ステップS1006では、MPU62は、タイマカウンタTの値が「0」以下であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口開放処理のステップS1103またはステップS1106にてタイマカウンタTにセットされた上限継続時間が経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1006にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS1026C以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1006にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1018C以降の処理を実行する。
まず、ステップS1006において、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下でないと判定された場合の処理(ステップS1026C以降の処理)について説明する。
ステップS1026Cでは、MPU62は、タイマカウンタTの値が「13000」以下であるか否かを判定する。すなわち、MPU62は、大入賞口の開放実行処理を実行して回動ブリッジ541を突出状態に設定した後、所定時間(本実施形態では4sec)を経過したか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1026CにてタイマカウンタTの値が「13000」以下でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1026CにてタイマカウンタTの値が「13000」以下であると判定した場合(大入賞口の開放実行処理を実行して回動ブリッジ541を突出状態に設定した後、4secを経過したと判定した場合)には、ステップS1027Cにおいて、ブリッジ回動処理を実行する。
図65は、ブリッジ回動処理のフローチャートを示す図である。
ブリッジ回動処理では、MPU62は、図65に示すように、ステップS1601C~S1605Cを実行する。
ステップS1601Cでは、MPU62は、RAM64に多賞球フラグがセットされているか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1601CにてRAM64に多賞球フラグがセットされていないと判定した場合には、ステップS1602Cにおいて、左回動処理を実行する。この左回動処理では、MPU62は、回動駆動部543の駆動制御を実行することによって、回動ブリッジ541を左回動状態に設定する。換言すれば、MPU62は、大入賞口50を開放状態に設定する。
ステップS1603Cでは、MPU62は、少賞球コマンドを設定する。その後、MPU62は、ブリッジ回動処理を終了する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1603Cにて設定した少賞球コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される少賞球コマンドに基づいて、回動ブリッジ541を左回動状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
これに対して、MPU62は、ステップS1601CにてRAM64に多賞球フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1604Cにおいて、右回動処理を実行する。この右回動処理では、MPU62は、回動駆動部543の駆動制御を実行することによって、回動ブリッジ541を右回動状態に設定する。換言すれば、MPU62は、大入賞口50を開放状態に設定する。
ステップS1605Cでは、MPU62は、多賞球コマンドを設定する。その後、MPU62は、ブリッジ回動処理を終了する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1605Cにて設定した多賞球コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される多賞球コマンドに基づいて、回動ブリッジ541を右回動状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明する。
大入賞口開閉処理の説明に戻り、図62を参照してステップS1007以降の処理について説明する。
ステップS1007では、MPU62は、大入賞口50への入賞が発生したか否かを判定する。なお、大入賞口50への入賞が発生したか否かの判定は、大入賞口50に対応した検知センサ40c,40dの検知結果に基づいて実行される。
MPU62は、ステップS1007にて大入賞口50への入賞が発生していないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1007にて大入賞口50への入賞が発生したと判定した場合には、ステップS1008において、入賞カウンタPCの値に1を減算して更新する。
ステップS1009では、MPU62は、入賞カウンタPCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1009にて入賞カウンタPCの値が「0」以下でないと判定した場合には、大入賞口開閉処理を終了する。
これに対して、MPU62は、ステップS1009にて入賞カウンタPCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1010Cにおいて、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、回動駆動部543の駆動制御を実行することによって、回動ブリッジ541を水平状態に設定した後、進退駆動部544の駆動制御を実行することによって、回動ブリッジ541を没入状態に設定する。換言すれば、MPU62は、大入賞口50を閉鎖状態に設定する。
ステップS1011では、MPU62は、閉鎖コマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1011にて設定した閉鎖コマンドを音声発光制御装置90に送信する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信される閉鎖コマンドに基づいて、大入賞口50を閉鎖状態に設定したことを認識し、所定の処理を実行する。
ステップS1012では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、後述するステップS1023以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1012にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合には、ステップS1013以降の処理を実行する。
ステップS1013では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1014では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、ステップS1015において、タイマカウンタTの値に「500」をセットする。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、ステップS1015にてタイマカウンタTにセットされた値は、大入賞口50を開放状態に設定した後、再び閉鎖状態に設定してから再び大入賞口50を開放状態に設定するまでの開放待機時間を規定している。なお、本実施形態では、開放待機時間は1secである。この開放待機時間は、開閉実行モードの種類や進行状況に関わらず同一である。
これに対して、MPU62は、ステップS1014にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、ステップS1016以降の処理を実行する。
ステップS1016では、MPU62は、タイマカウンタTにエンディング用の待機時間(待機期間)として「2000」をセットする。このタイマカウンタTにセットされた値は、前述したように、タイマ割込み処理の実行の都度、前回値に1を減算して更新される。したがって、エンディング用の待機時間は4secとなる。なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく任意である。
エンディング用の待機時間は、オープニング用の待機時間と同様に、遊技結果の種類に関わらず同一である。すなわち、このエンディング用の待機時間は、開閉実行モードの種類に関わらず同一である。
なお、エンディング用の待機時間は、これに限定されることはなく、例えば、遊技者には同様と認識される程度に遊技結果の種類に応じて微妙に相違させる構成としてもよい。また、例えば、エンディング用の待機時間は、「低確結果」または「最有利結果」の遊技結果である場合と、これら以外の遊技結果である場合とで大きく相違する等のように、遊技結果の種類に応じて大きく相違させる構成としてもよい。
ステップS1017では、MPU62は、エンディングコマンドを設定する。MPU62は、通常処理のステップS301において、ステップS1017にて設定したエンディングコマンドを音声発光制御装置90に送信する。その後、MPU62は、大入賞口開閉処理を終了する。
なお、音声発光制御装置90は、MPU62から送信されるエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了を認識し、所定の処理を実行する。
次に、ステップS1006おいて、MPU62にてタイマカウンタTの値が「0」以下であると判定された場合の処理(ステップS1018C以降の処理)について説明する。
ステップS1018Cでは、MPU62は、前述したステップS1010Cと同様に閉鎖実行処理を実行する。
ステップS1019では、MPU62は、前述したステップS1011と同様に閉鎖コマンドを設定する。
ステップS1020では、MPU62は、当否結果が「特別外れ結果」であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1020にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定した場合、すなわち当否結果が「大当たり当選」であると判定した場合には、ステップS1021以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1020にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定した場合には、ステップS1023以降の処理を実行する。
まず、ステップS1020において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」でないと判定された場合の処理(ステップS1021以降の処理)について説明する。
ステップS1021では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値に1を減算して更新する。
ステップS1022では、MPU62は、ラウンドカウンタRCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1022にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS1015以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1022にてラウンドカウンタRCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したステップS1016以降の処理を実行する。
次に、ステップS1012またはステップS1020において、MPU62にて当否結果が「特別外れ結果」であると判定された場合の処理(ステップS1023以降の処理)について説明する。
ステップS1023では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値に1を減算して更新する。
ステップS1024では、MPU62は、開閉カウンタSOCの値が「0」以下であるか否かを判定する。
MPU62は、ステップS1024にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下でないと判定した場合には、前述したステップS1015以降の処理を実行する。
これに対して、MPU62は、ステップS1024にて開閉カウンタSOCの値が「0」以下であると判定した場合には、前述したステップS1016以降の処理を実行する。
このように、本実施形態では、主制御装置60は、上作動口36および下作動口37への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な開閉実行モードに遊技状態を移行する遊技状態移行手段として機能している。
また、可変入賞装置5Cは、開閉実行モードに移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行している。
さらに、本実施形態では、回動ブリッジ541、回動駆動部543、および進退駆動部544は、第1の入賞口51に遊技球を入球させるとともに、第2の入賞口52に遊技球を入球させない第1の入球可能状態(左回動状態)と、第2の入賞口52に遊技球を入球させるとともに、第1の入賞口51に遊技球を入球させない第2の入球可能状態(右回動状態)と、第1の入賞口51および第2の入賞口52のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態(没入状態)と、遊技球を保留する保留状態(水平状態)とを切り替え、第1の入賞口51および第2の入賞口52の間に設けられた入球状態切替手段として機能している。
具体的には、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに対して突出させた後、回動ブリッジ541を左回動状態に設定することによって、回動ブリッジ541を介して第1の入賞口51に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに対して突出させた後、回動ブリッジ541を右回動状態に設定することによって、回動ブリッジ541を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替え、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに対して没入させることによって、入球不能状態に切り替え、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに対して突出させた後、回動ブリッジ541を水平状態に設定することによって、保留状態に切り替えている。
そして、本実施形態では、主制御装置60は、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて水平状態に切り替えた後、第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替え、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えている。
具体的には、主制御装置60は、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えた後、再び第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えるまでを1回のラウンド遊技とし、開閉実行モードに移行した場合には、ラウンド遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えている。
なお、本実施形態では、主制御装置60は、開閉実行モードに移行した場合には、ラウンド遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えているが、ラウンド遊技を実行するごとに第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えなくてもよい。例えば、主制御装置60は、複数のラウンド遊技を実行するごとに第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えてもよい。
また、主制御装置60は、少賞球(第1の入球可能状態)および多賞球(第2の入球可能状態)のいずれかを選択するラウンド賞球決定処理(入球可能状態選択部)と、ラウンド賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えるブリッジ回動処理(入球可能状態切替部)とを備えている。
ここで、ラウンド賞球決定処理は、所定の確率(本実施形態では50%)に基づいて、少賞球および多賞球のいずれかを選択する抽選を実行している。
なお、本実施形態では、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行しているが、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択すれば、どのような方法を採用してもよい。例えば、入球可能状態選択部は、開閉実行モードに移行する契機となった大当り当選に至るリーチ表示の種類や期待度に応じて第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選確率を設定してもよい。
また、本実施形態では、音声発光制御装置90および表示制御装置100は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、演出決定処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における演出決定処理の内容について説明する。
<音声発光制御装置90にて実行される演出決定処理について>
図66は、演出決定処理のフローチャートを示す図である。
音声発光制御装置90のMPU92は、遊技回用の演出や、開閉実行モード用の演出などを実行するために演出決定処理を実行する。この演出決定処理では、MPU92は、ステップS2101~S2116を実行する。なお、本実施形態では、MPU92は、図66に示すように、ステップS2109にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、前記第1実施形態におけるステップS2110~S2112の処理を実行することなく、ステップS2113の処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。また、本実施形態では、MPU92は、ステップS2116の処理を実行する前に、ステップS2120C~S2125Cの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS2115の処理を実行した後、またはステップS2109にてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には、MPU92は、ステップS2120Cにおいて、MPU62から送信された少賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS2120Cにて少賞球コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2123C以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS2120Cにて少賞球コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS2121Cにおいて、少賞球報知演出の決定処理を実行する。この少賞球報知演出の決定処理では、MPU92は、可変入賞装置5Cの賞球数を少賞球とすることを遊技者に報知する少賞球報知演出の実行を決定する。
また、MPU92は、前述したステップS2003の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS2122Cでは、MPU92は、ステップS2121Cにて決定した少賞球報知演出に係る情報を含む少賞球報知コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに少賞球報知コマンドを記憶する。この少賞球報知コマンドは、前述したステップS2005のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された少賞球報知コマンドに基づいて、少賞球報知演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、少賞球報知演出を実行する。
ステップS2122Cの処理を実行した後、またはステップS2120Cにて少賞球コマンドを受信していないと判定した場合には、MPU92は、ステップS2123Cにおいて、MPU62から送信された多賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。
MPU92は、ステップS2123Cにて多賞球コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2116以降の処理を実行する。
これに対して、MPU92は、ステップS2123Cにて多賞球コマンドを受信していると判定した場合には、ステップS2124Cにおいて、多賞球報知演出の決定処理を実行する。この多賞球報知演出の決定処理では、MPU92は、可変入賞装置5Cの賞球数を多賞球とすることを遊技者に報知する多賞球報知演出の実行を決定する。
また、MPU92は、前述したステップS2003の演出実行処理において、表示ランプ部23の発光制御を実行するとともに、スピーカ部24の音声制御を実行する。
ステップS2125Cでは、MPU92は、ステップS2124Cにて決定した多賞球報知演出に係る情報を含む多賞球報知コマンドを設定する。そして、MPU92は、RAM94のコマンドリスト格納エリア94aに格納されたコマンドリストに多賞球報知コマンドを記憶する。この多賞球報知コマンドは、前述したステップS2005のコマンド送信処理において、表示制御装置100に送信される。
表示制御装置100のMPU102は、MPU92から送信された多賞球報知コマンドに基づいて、多賞球報知演出を図柄表示装置47にて実行するためのデータテーブルをプログラムROM103から読み出す。そして、MPU102は、予め定められた画像更新タイミング(例えば、20msec周期)となる度に、このデータテーブルに基づいてVDP105に対してコマンドを出力する。これによって、図柄表示装置47は、多賞球報知演出を実行する。
<開閉実行モードへの移行時の流れについて>
図67は、開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面および可変入賞装置を示す図である。なお、図67は、表示画面Gの下に可変入賞装置5Cを簡略化して図示している。
具体的には、図67(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図67(B)は、ステップS1004の大入賞口開放処理を実行した場合の表示画面Gを示す図である。図67(C)は、ステップS1602Cの左回動処理を実行した場合の表示画面Gを示す図である。図67(D)は、ステップS1604Cの右回動処理を実行した場合の表示画面Gを示す図である。
開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図67(A)に示すように、各図柄列Z1~Z3の変動表示を停止する。なお、図67の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、振分結果は「最有利結果」であることを示している。
開放コマンドを受信した場合には、MPU102は、図67(B)に示すように、各図柄列Z1~Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、図柄表示装置47の表示画面Gの左上位置にラウンド遊技の実行回数を示す文字(例えば「ROUND1」)を表示し、ラウンド遊技を開始する。また、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央位置にラウンド賞球抽選処理の実行を示唆する「BIGorSMALL?」の文字を表示する。
また、MPU62は、ステップS1114Cにおいて、大入賞口の開放実行処理を実行し、進退駆動部544の駆動制御を実行することによって、回動ブリッジ541を突出状態に設定する。これによって、MPU62は、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球を回動ブリッジ541に載置可能とすることができる。
その後、少賞球報知コマンドを受信した場合には、MPU102は、図67(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央位置に「SMALL」の文字を表示し、ステップS1501Cのラウンド賞球抽選処理にて多賞球に当選しなかった(少賞球に当選した)ことを遊技者に報知する。
また、MPU62は、ステップS1602Cにおいて、左回動処理を実行し、回動駆動部543の駆動制御を実行することによって、回動ブリッジ541を左回動状態に設定する。これによって、MPU62は、回動ブリッジ541に載置されていた遊技球と、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球とをカバー511の開口に導くことができる。
これに対して、多賞球報知コマンドを受信した場合には、MPU102は、図67(D)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央位置に「BIG!!」の文字を表示し、ステップS1501Cのラウンド賞球抽選処理にて多賞球に当選したことを遊技者に報知する。
また、MPU62は、ステップS1604Cにおいて、右回動処理を実行し、回動駆動部543の駆動制御を実行することによって、回動ブリッジ541を右回動状態に設定する。これによって、MPU62は、回動ブリッジ541に載置されていた遊技球と、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球とをカバー521の開口に導くことができる。
ここで、MPU62は、回動ブリッジ541を突出状態に設定し、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球を回動ブリッジ541に載置可能とした後、4secを経過したことを契機として回動ブリッジ541を左回動状態または右回動状態に設定する。
また、前述したように、電源・発射制御装置80は、所定の周期(本実施形態では0.6sec)で遊技球発射機構81のソレノイドを励磁することによって、遊技球発射機構81に遊技球を発射させている。
したがって、MPU62は、回動ブリッジ541を突出状態に設定し、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球を回動ブリッジ541に載置可能とした後、回動ブリッジ541を左回動状態または右回動状態に設定するまでに最大6個程度の遊技球を回動ブリッジ541に載置させることができる。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)可変入賞装置5Cは、入球状態切替手段を備えているので、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する第1の入賞口51に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51よりも多数の賞球の払い出しを実行する第2の入賞口52に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置5Cは、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51および第2の入賞口52に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置5Cは、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)主制御装置60は、開閉実行モードに移行した場合には、ラウンド遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えるので、遊技者は、ラウンド遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留した遊技球の行方に注目することになり、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)主制御装置60は、ラウンド賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、ラウンド賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えるブリッジ回動処理を備えているので、遊技者は、ラウンド賞球決定処理の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)ラウンド賞球決定処理は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、ラウンド賞球決定処理の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)回動ブリッジ541は、左回動状態では、遊技盤31Cに対して突出した後、第1の入賞口51側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口51に遊技球を導くので、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を左回動状態に設定することによって、回動ブリッジ541を介して第1の入賞口51に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。回動ブリッジ541は、右回動状態では、遊技盤31Cに対して突出した後、第2の入賞口52側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口52に遊技球を導くので、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を右回動状態に設定することによって、回動ブリッジ541を介して第2の入賞口52に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口51および第2の入賞口52は、水平方向に開口するようにして設けられているので、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。そして、回動ブリッジ541は、水平状態では、遊技盤31Cに対して突出した後、第1の入賞口51および第2の入賞口52に遊技球を導くことなく保留するので、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を水平状態に設定することによって、遊技球を保留する保留状態に切り替えることができる。したがって、パチンコ機10は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。また、回動駆動部543および進退駆動部544は、入球不能状態に切り替えた場合に遊技球の流路を阻害しないようにすることができる。
(6)第1の入賞口51は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口52は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口51または第2の入賞口52に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
(7)回動ブリッジ541の遊技盤31Cからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、回動ブリッジ541は、遊技盤31Cに対して素早く没入させることができる。したがって、回動駆動部543および進退駆動部544は、回動ブリッジ541を遊技盤31Cに対して没入させた直後に、回動ブリッジ541にて第1の入賞口51または第2の入賞口52に導いていた遊技球を第1の入賞口51または第2の入賞口52に入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
(8)カバー511,521の上面部は、カバー511,521の下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバー511,521の上面部をカバー511,521の下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口51または第2の入賞口52に誤って入賞しにくくなる。
なお、本実施形態では、回動ブリッジ541は、回動ブリッジ541の突出方向側への遊技球の落下を許容していた。
これに対して、回動ブリッジ541は、前記第1実施形態の変形例と同様に、回動ブリッジ541の突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えていてもよい。
これによれば、回動ブリッジ541は、回動ブリッジ541の突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えているので、第1の入賞口51および第2の入賞口52に確実に遊技球を入球させることができる。
また、本実施形態では、入球状態切替手段は、水平状態に設定された回動ブリッジ541を遊技盤31Cに形成された穴317を介して没入させることによって、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球を回動ブリッジ541に載置不能とする没入状態に設定し、第1の入賞口51および第2の入賞口52のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態としていた。
これに対して、入球状態切替手段は、第1の入賞口51および第2の入賞口52のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とすることができれば、水平状態に設定された回動ブリッジ541を遊技盤31Cに形成された穴317を介して没入させる以外の態様を採用してもよい。
図68は、回動ブリッジを入球不能状態とした場合の可変入賞装置を示す拡大正面図である。具体的には、図68(A)は、回動ブリッジ541を入球不能状態に設定した場合に回動ブリッジ541の上面に落下した遊技球の流路を示す図であり、図68(B)は、回動ブリッジ541を入球不能状態に設定した場合にカバー511の上方に落下した遊技球の流路を示す図であり、図68(C)は、回動ブリッジ541を入球不能状態に設定した場合にカバー521の上方に落下した遊技球の流路を示す図である。
回動駆動部543は、図68に示すように、回動ブリッジ541を大きく回動させることによって、入球不能状態に設定することができる。なお、図68では、回動駆動部543は、回動ブリッジ541を大きく左回りに回動させることによって、入球不能状態に設定しているが、回動ブリッジ541を大きく右回りに回動させることによって、入球不能状態に設定してもよい。また、この場合には、入球状態切替手段は、進退駆動部544を備えていなくてもよく、遊技盤31Cは、穴317を備えていなくてもよい。
回動ブリッジ541の上面に落下した遊技球は、図68(A)に示すように、回動ブリッジ541の上面の傾斜を伝って左方に移動した後、アウト口39に導かれる。
また、カバー511の上方に落下した遊技球は、図68(B)に示すように、カバー511の上面の傾斜を伝って右方に移動した後、アウト口39に導かれる。
さらに、カバー521の上方に落下した遊技球は、図68(C)に示すように、カバー521の上面の傾斜を伝って左方に移動した後、アウト口39に導かれる。
なお、カバー511および回動ブリッジ541の間や、カバー521および回動ブリッジ541の間に落下した遊技球は、そのままアウト口39に導かれる。
これによれば、回動駆動部543は、回動ブリッジ541を第1の入賞口51および第2の入賞口52のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、回動駆動部543は、進退駆動部544のような新たな構造を追加することなく回動ブリッジ541を入球不能状態に切り替えることができる。
また、本実施形態では、入球状態切替手段は、回動ブリッジ541、回動駆動部543、および進退駆動部544にて構成されていたが、これ以外の構成を採用してもよい。例えば、入球状態切替手段は、前記第1実施形態における第1のブリッジ512、第2のブリッジ522、第1のブリッジ駆動部514、および第2のブリッジ駆動部524にて構成されていてもよい。
図69は、開閉実行モードに移行した場合の図柄表示装置の表示画面および可変入賞装置の変形例を示す図である。なお、図69は、表示画面Gの下に可変入賞装置5を簡略化して図示している。
具体的には、図69(A)は、開閉実行モードへの移行時の表示画面Gを示す図である。図69(B)は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を保留状態に切り替えた場合の表示画面Gを示す図である。図69(C)は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を第1の入球可能状態に切り替えた場合の表示画面Gを示す図である。図69(D)は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を第2の入球可能状態に切り替えた場合の表示画面Gを示す図である。
開閉実行モードに移行した場合には、MPU102は、図69(A)に示すように、各図柄列Z1~Z3の変動表示を停止する。なお、図69の例では、図柄表示装置47は、停止結果として、同一の奇数の数字(7・7・7)を有する図柄の組み合わせを有効ラインL上に停止表示しているので、振分結果は「最有利結果」であることを示している。
開放コマンドを受信した場合には、MPU102は、図69(B)に示すように、各図柄列Z1~Z3を縮小表示にして図柄表示装置47の表示画面Gの左下位置に配置し、図柄表示装置47の表示画面Gの左上位置にラウンド遊技の実行回数を示す文字(例えば「ROUND1」)を表示し、ラウンド遊技を開始する。また、MPU102は、図柄表示装置47の表示画面Gの中央位置にラウンド賞球抽選処理の実行を示唆する「BIGorSMALL?」の文字を表示する。
また、第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させることによって、保留状態に切り替える。これによって、MPU62は、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球を第1のブリッジ512および第2のブリッジ522に載置可能とすることができる。
その後、少賞球報知コマンドを受信した場合には、MPU102は、図69(C)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央位置に「SMALL」の文字を表示し、ステップS1501Cのラウンド賞球抽選処理にて多賞球に当選しなかった(少賞球に当選した)ことを遊技者に報知する。
また、第2のブリッジ駆動部524は、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、第1の入球可能状態に切り替える。これによって、MPU62は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522に載置されていた遊技球と、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球とをカバー511の開口に導くことができる。
これに対して、多賞球報知コマンドを受信した場合には、MPU102は、図69(D)に示すように、図柄表示装置47の表示画面Gの中央位置に「BIG!!」の文字を表示し、ステップS1501Cのラウンド賞球抽選処理にて多賞球に当選したことを遊技者に報知する。
また、第1のブリッジ駆動部514は、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して没入させることによって、第2の入球可能状態に切り替える。これによって、MPU62は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522に載置されていた遊技球と、カバー511およびカバー521の間の遊技領域を流下する遊技球とをカバー521の開口に導くことができる。
このように、本変形例では、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して突出させるとともに、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、第1のブリッジ512を介して第1の入賞口51に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させるとともに、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して没入させることによって、第2のブリッジ522を介して第2の入賞口52に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替え、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替え、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させることによって、保留状態に切り替えている。換言すれば、入球状態切替手段は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を有効に設定することによって、遊技球を保留する保留状態に切り替えている。
これによれば、第1のブリッジ512は、第1の入賞口51側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、第1のブリッジ駆動部514は、第1のブリッジ512を遊技盤31に対して突出させることによって、第1のブリッジ512を介して第1の入賞口51に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジ522は、第2の入賞口52側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、第2のブリッジ駆動部524は、第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させることによって、第2のブリッジ522を介して第2の入賞口52に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口51および第2の入賞口52は、水平方向に開口するようにして設けられているので、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。そして、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522は、交差するようにして設けられているので、各ブリッジ駆動部514,524は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を遊技盤31に対して突出させることによって、保留状態に切り替えることができる。したがって、パチンコ機10は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
〔第5実施形態〕
以下、本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図70は、本発明の第5実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、可変入賞装置5を備え、可変入賞装置5は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を備えていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Dは、図70に示すように、可変入賞装置5Dを備え、可変入賞装置5Dは、移動ブリッジ55を備えている点で前記第1実施形態と異なる。
図71は、可変入賞装置の正面図である。なお、図71では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
可変入賞装置5Dは、図71に示すように、下作動口37の下方に設けられている。この可変入賞装置5Dは、遊技領域の左側に設けられた第1の入賞口51Dと、遊技領域の右側に設けられた第2の入賞口52Dとを備えている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を調節し、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を調節することによって、可変入賞装置5Dに遊技球を導くことができる。
ここで、遊技盤31Dは、可変入賞装置5Dの前面側を覆うようにして設けられたパネル53を備えている。このパネル53は、可変入賞装置5Dを前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成されている。
したがって、遊技者は、パネル53を介して可変入賞装置5Dを前方から視認することができる。
第1の入賞口51Dは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部311に設けられている。この第1の入賞口51Dは、右方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部311に導く略直方体状のカバー511と、カバー511の内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40cとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー511に導かれて開口部311に入球した遊技球は、排出通路311aを介して遊技領域から排出される。この排出通路311aを通った遊技球は、アウト口39の排出通路39a(図5参照)を通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
第2の入賞口52Dは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部312に設けられている。この第2の入賞口52Dは、左方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部312に導く略直方体状のカバー521と、カバー521の内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40dとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー521に導かれて開口部312に入球した遊技球は、排出通路312aを介して遊技領域から排出される。この排出通路312aを通った遊技球は、排出通路311aを通った遊技球と同様にアウト口39の排出通路39a(図5参照)を通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
このように、本実施形態では、第1の入賞口51Dは、遊技球の入球に際して所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口として機能し、第2の入賞口52Dは、遊技球の入球に際して第1の入賞口51Dよりも多数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口として機能している。
また、本実施形態では、第1の入賞口51Dは、水平方向一方側(+X軸方向側)に開口するようにして設けられている。第2の入賞口52Dは、水平方向他方側(-X軸方向側)に開口するようにして設けられている。
さらに、本実施形態では、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dは、遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段として機能している。
また、可変入賞装置5Dは、カバー511およびカバー521の間に設けられた略三角柱状の移動ブリッジ55を備えている。
図72は、移動ブリッジを左側に移動させた状態の可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図72(A)は、上面側から見た可変入賞装置5Dの断面図であり、図72(B)は、可変入賞装置5Dの正面図である。図73は、移動ブリッジを右側に移動させた状態の可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図73(A)は、上面側から見た可変入賞装置5Dの断面図であり、図73(B)は、可変入賞装置5Dの正面図である。
移動ブリッジ55は、図72および図73に示すように、カバー511およびカバー521の間に設けられた略三角柱状の移動ブリッジ本体551と、移動ブリッジ本体551の背面側に取り付けられたL字状のアーム552と、アーム552を介して移動ブリッジ本体551を駆動するブリッジ駆動部553とを備えている。
移動ブリッジ本体551は、全体として略三角柱状に形成されている。この移動ブリッジ本体551は、その中央位置からカバー511側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面551aと、その中央位置からカバー521側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面551bとを備えている。
アーム552は、遊技盤31Dに形成された長穴318を介して、移動ブリッジ本体551の背面部と、ブリッジ駆動部553の軸体とを接続するように設けられている。
ブリッジ駆動部553は、X軸方向に沿って軸体を進退させることによって、移動ブリッジ本体551をX軸方向に沿って移動させる。
具体的には、ブリッジ駆動部553は、図72の左向矢印に示すように、X軸方向に沿って軸体を進出させることによって、移動ブリッジ本体551を-X軸方向に向かって移動させる(左移動状態)。
移動ブリッジ本体551は、その中央位置からカバー511側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面551aを備えているので、-X軸方向に向かって移動させることによって、カバー511および下作動口37の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー511の開口に導くことができる(図72(B)下向矢印参照)。
また、ブリッジ駆動部553は、図73の右向矢印に示すように、X軸方向に沿って軸体を後退させることによって、移動ブリッジ本体551を+X軸方向に向かって移動させる(右移動状態)。
移動ブリッジ本体551は、その中央位置からカバー521側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面551bを備えているので、+X軸方向に向かって移動させることによって、カバー521および下作動口37の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー521の開口に導くことができる(図73(B)下向矢印参照)。
このように、第1の入賞口51Dは、移動ブリッジ本体551を-X軸方向に向かって移動させて遊技球をカバー511の開口に導く開放状態と、移動ブリッジ本体551を+X軸方向に向かって移動させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態とを有している。
そして、ブリッジ駆動部553は、移動ブリッジ本体551を駆動することによって、第1の入賞口51Dを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
また、第2の入賞口52Dは、移動ブリッジ本体551を+X軸方向に向かって移動させて遊技球をカバー521の開口に導く開放状態と、移動ブリッジ本体551を-X軸方向に向かって移動させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態とを有している。
そして、ブリッジ駆動部553は、移動ブリッジ本体551を駆動することによって、第2の入賞口52Dを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
ここで、ブリッジ駆動部553は、図71に示すように、移動ブリッジ本体551を駆動することによって、移動ブリッジ本体551をカバー511およびカバー521の中央に移動させて第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dを共に閉鎖状態に設定することができる(中央移動状態)。
このように、本実施形態では、移動ブリッジ本体551は、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dの間に設けられたブリッジとして機能している。また、ブリッジ駆動部553は、移動ブリッジ本体551を水平方向に沿って移動させている。
換言すれば、移動ブリッジ本体551は、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dのいずれかに遊技球を導く少なくとも1つの部材からなる切替誘導体として機能している。
また、ブリッジ駆動部553は、移動ブリッジ本体551を一体的に駆動する切替誘導体駆動部として機能している。
そして、本実施形態では、第1の案内面551aは、第1の入賞口51D側に向かうにしたがって下降するように傾斜し、第2の案内面551bは、第2の入賞口52D側に向かうにしたがって下降するように傾斜している。
<パチンコ機10の電気的構成>
図74は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態では、MPU62の出力ポートは、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置5の第1のブリッジ512を突没動作させる第1のブリッジ駆動部514と、可変入賞装置5の第2のブリッジ522を突没動作させる第2のブリッジ駆動部524と、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されていた。
これに対して、本実施形態では、MPU62の出力ポートは、図74に示すように、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置5Dの移動ブリッジ本体551を移動させるブリッジ駆動部553と、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている点で前記第1実施形態と異なる。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、ブリッジ駆動部553の駆動制御を実行して移動ブリッジ本体551を移動させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
また、本実施形態では、主制御装置60は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、大入賞口開閉処理および大入賞口開放処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における大入賞口開閉処理および大入賞口開放処理の内容について説明する。
図75は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、ステップS1001~S1024を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図75に示すように、ステップS1010の処理に代えてステップS1010Dの処理を実行し、ステップS1018の処理に代えてステップS1018Dの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1010DおよびステップS1018Dでは、MPU62は、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部553の駆動制御を実行することによって、移動ブリッジ本体551をカバー511およびカバー521の中央に移動させて第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dを共に閉鎖状態に設定する。
図76は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、ステップS1101~S1109Dを実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図76に示すように、ステップS1108の処理に代えてステップS1108Dの処理を実行し、ステップS1109の処理に代えてステップS1109Dの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1108Dでは、MPU62は、第1の入賞口の開放実行処理を実行する。この第1の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部553の駆動制御を実行することによって、移動ブリッジ本体551を-X軸方向に向かって移動させて左移動状態として第1の入賞口51Dを開放状態に設定する。
また、ステップS1109Dでは、MPU62は、第2の入賞口の開放実行処理を実行する。この第2の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部553の駆動制御を実行することによって、移動ブリッジ本体551を+X軸方向に向かって移動させて右移動状態として第2の入賞口52Dを開放状態に設定する。
このように、本実施形態では、移動ブリッジ本体551およびブリッジ駆動部553は、第1の入賞口51Dに遊技球を入球させるとともに、第2の入賞口52Dに遊技球を入球させない第1の入球可能状態(左移動状態)と、第2の入賞口52Dに遊技球を入球させるとともに、第1の入賞口51Dに遊技球を入球させない第2の入球可能状態(右移動状態)と、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dのいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態(中央移動状態)とを切り替え、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dの間に設けられた入球状態切替手段として機能している。
具体的には、ブリッジ駆動部553は、第1の入賞口51D側に移動ブリッジ本体551を移動させることによって、第1の案内面551aを介して第1の入賞口51Dに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、第2の入賞口52D側に移動ブリッジ本体551を移動させることによって、第2の案内面551bを介して第2の入賞口52Dに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替え、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dの中央に移動ブリッジ本体551を移動させることによって、入球不能状態に切り替えている。
そして、本実施形態では、主制御装置60は、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替え、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えている。
具体的には、主制御装置60は、少賞球(第1の入球可能状態)および多賞球(第2の入球可能状態)のいずれかを選択する賞球決定処理(入球可能状態選択部)と、賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える大入賞口開放処理(入球可能状態切替部)とを備えている。
ここで、賞球決定処理は、所定の確率(本実施形態では50%)に基づいて、少賞球および多賞球のいずれかを選択する抽選を実行している。
なお、本実施形態では、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行しているが、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択すれば、どのような方法を採用してもよい。例えば、入球可能状態選択部は、開閉実行モードに移行する契機となった大当り当選に至るリーチ表示の種類や期待度に応じて第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)可変入賞装置5Dは、入球状態切替手段を備えているので、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する第1の入賞口51Dに遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51Dよりも多数の賞球の払い出しを実行する第2の入賞口52Dに遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置5Dは、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dに遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置5Dは、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)移動ブリッジ本体551は、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dのいずれかに遊技球を導く少なくとも1つの部材からなるので、ブリッジ駆動部553は、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dの双方に遊技球を導くことはない。
(3)第1の入賞口51Dは、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口52Dは、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口51Dまたは第2の入賞口52Dに入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
(4)主制御装置60は、賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える大入賞口開放処理を備えているので、遊技者は、賞球決定処理の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)賞球決定処理は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、賞球決定処理の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)第1の案内面551aは、第1の入賞口51D側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部553は、第1の入賞口51D側に移動ブリッジ本体551を移動させることによって、第1の案内面551aを介して第1の入賞口51Dに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の案内面551bは、第2の入賞口52D側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部553は、第2の入賞口52D側に移動ブリッジ本体551を移動させることによって、第2の案内面551bを介して第2の入賞口52Dに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dは、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部553は、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dの中央に移動ブリッジ本体551を移動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(7)カバー511,521の上面部は、カバー511,521の下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバー511,521の上面部をカバー511,521の下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口51Dまたは第2の入賞口52Dに誤って入賞しにくくなる。
〔第6実施形態〕
以下、本発明の第6実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図77は、本発明の第6実施形態に係る可変入賞装置の正面図である。なお、図77では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
前記第5実施形態では、遊技盤31Dは、可変入賞装置5Dを備え、可変入賞装置5Dは、カバー511およびカバー521の間に設けられた略三角柱状の移動ブリッジ55を備えていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Eは、可変入賞装置5Eを備え、可変入賞装置5Eは、カバー511およびカバー521の間に設けられた略半楕円柱状の移動ブリッジ55Eを備えている点で前記第5実施形態と異なる。
図78は、可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図78(A)は、上面側から見た可変入賞装置5Eの断面図であり、図78(B)は、可変入賞装置5Eの正面図である。
移動ブリッジ55Eは、図77および図78に示すように、カバー511およびカバー521の間に設けられた略半楕円柱状の移動ブリッジ本体551Eと、移動ブリッジ本体551Eの背面側に取り付けられたL字状のアーム552Eと、アーム552Eを介して移動ブリッジ本体551Eを駆動するブリッジ駆動部553と、移動ブリッジ本体551Eの右上位置に設けられた略矩形板状の第1のガイド板554と、移動ブリッジ本体551Eの左上位置に設けられた略矩形板状の第2のガイド板555と、第1のガイド板554および第2のガイド板555の背面側に取り付けられたリンク機構556とを備えている。
移動ブリッジ本体551Eは、全体として略半楕円柱状に形成されている。この移動ブリッジ本体551Eは、その中央位置からカバー511側およびカバー521側のそれぞれに向かうにしたがって下降するように湾曲して傾斜する上面を備えている。
アーム552Eは、遊技盤31Eに形成された長穴318を介して、移動ブリッジ本体551Eの背面部と、ブリッジ駆動部553の軸体とを接続するように設けられている。このアーム552Eは、-Y軸方向側の面に形成されたラックギヤ552E1を有している。
ブリッジ駆動部553は、X軸方向に沿って軸体を進退させることによって、移動ブリッジ本体551EをX軸方向に沿って移動させる。
第1のガイド板554は、遊技盤31Eに形成された断面略矩形状の穴318aを介して突没自在に設けられているとともに、カバー521の上端部から移動ブリッジ本体551Eの上面の中央位置に向かって下降するように傾斜して設けられている。
ここで、遊技盤31Eは、Y軸回りに第1のガイド板554を覆うように設けられるとともに、Y軸方向に沿って第1のガイド板554を案内する案内部31E1を備えている。第1のガイド板554は、この案内部31E1に案内されることによって、遊技盤31Eに形成された断面略矩形状の穴318aを介して突没する。
第2のガイド板555は、遊技盤31Eに形成された断面略矩形状の穴318bを介して突没自在に設けられているとともに、カバー511の上端部から移動ブリッジ本体551Eの上面の中央位置に向かって下降するように傾斜して設けられている。
ここで、遊技盤31Eは、Y軸回りに第2のガイド板555を覆うように設けられるとともに、Y軸方向に沿って第2のガイド板555を案内する案内部31E2を備えている。第2のガイド板555は、この案内部31E2に案内されることによって、遊技盤31Eに形成された断面略矩形状の穴318bを介して突没する。
リンク機構556は、アーム552Eのラックギヤ552E1と篏合するピニオンギヤ556a1~556a3と、ピニオンギヤ556a3の回転軸に固定されるとともに、ピニオンギヤ556a3の回転に伴ってZ軸回りに回転する回転アーム556bと、回転アーム556bの+X軸方向側の端部に回転自在に取り付けられた第1のアーム556cと、回転アーム556bの-X軸方向側の端部に回転自在に取り付けられた第2のアーム556dとを備えている。
第1のアーム556cは、第1のガイド板554の背面部にZ軸回りに回転自在に一端を取り付けられるとともに、回転アーム556bの端部にZ軸回りに回転自在に他端を取り付けられている。
第2のアーム556dは、第2のガイド板555の背面部にZ軸回りに回転自在に一端を取り付けられるとともに、回転アーム556bの端部にZ軸回りに回転自在に他端を取り付けられている。
図79は、移動ブリッジを左側に移動させた状態の可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図79(A)は、上面側から見た可変入賞装置5Eの断面図であり、図79(B)は、可変入賞装置5Eの正面図である。図80は、移動ブリッジを右側に移動させた状態の可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図80(A)は、上面側から見た可変入賞装置5Eの断面図であり、図80(B)は、可変入賞装置5Eの正面図である。
ブリッジ駆動部553は、図79の左向矢印に示すように、-X軸方向に沿って軸体を進出させることによって、移動ブリッジ本体551Eを-X軸方向に向かって移動させる(左移動状態)。
移動ブリッジ本体551Eは、その中央位置からカバー511側およびカバー521側のそれぞれに向かうにしたがって下降するように湾曲して傾斜する上面を備えているので、-X軸方向に向かって移動させることによって、カバー511および下作動口37の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー511の開口に導くことができる(図79(B)矢印A参照)。
また、移動ブリッジ本体551Eを-X軸方向に向かって移動させると、回転アーム556bは、アーム552Eのラックギヤ552E1と、ピニオンギヤ556a1~556a3を介して第1のアーム556cを+Y軸方向に向かって移動させることになるので、第1のガイド板554は、遊技盤31Eに形成された穴318aを介して遊技盤31Eから突出する。これによれば、カバー521および下作動口37の間の遊技領域を流下する遊技球を第1のガイド板554および移動ブリッジ本体551Eを介してカバー511の開口に導くことができる(図79(B)矢印B参照)。
また、ブリッジ駆動部553は、図80の右向矢印に示すように、+X軸方向に沿って軸体を進出させることによって、移動ブリッジ本体551Eを+X軸方向に向かって移動させる(右移動状態)。
移動ブリッジ本体551Eは、その中央位置からカバー511側およびカバー521側のそれぞれに向かうにしたがって下降するように湾曲して傾斜する上面を備えているので、+X軸方向に向かって移動させることによって、カバー521および下作動口37の間の遊技領域を流下する遊技球をカバー521の開口に導くことができる(図80(B)矢印A参照)。
また、移動ブリッジ本体551Eを+X軸方向に向かって移動させると、回転アーム556bは、アーム552Eのラックギヤ552E1と、ピニオンギヤ556a1~556a3を介して第2のアーム556dを+Y軸方向に向かって移動させることになるので、第2のガイド板555は、遊技盤31Eに形成された穴318bを介して遊技盤31Eから突出する。これによれば、カバー511および下作動口37の間の遊技領域を流下する遊技球を第2のガイド板555および移動ブリッジ本体551Eを介してカバー521の開口に導くことができる(図80(B)矢印B参照)。
このように、第1の入賞口51Dは、移動ブリッジ本体551Eを-X軸方向に向かって移動させて遊技球をカバー511の開口に導く開放状態と、移動ブリッジ本体551Eをカバー511およびカバー521の中央に移動させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態(図78参照)とを有している。
そして、ブリッジ駆動部553は、移動ブリッジ本体551Eを駆動することによって、第1の入賞口51Dを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
また、第2の入賞口52Dは、移動ブリッジ本体551Eを+X軸方向に向かって移動させて遊技球をカバー521の開口に導く開放状態と、移動ブリッジ本体551をカバー511およびカバー521の中央に移動させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態(図78参照)とを有している。
そして、ブリッジ駆動部553は、移動ブリッジ本体551Eを駆動することによって、第2の入賞口52Dを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
ここで、ブリッジ駆動部553は、図78に示すように、移動ブリッジ本体551Eを駆動することによって、移動ブリッジ本体551Eをカバー511およびカバー521の中央に移動させて第1のガイド板554および第2のガイド板555を共に遊技盤31Eに没入させることができる。
このように、本実施形態では、移動ブリッジ本体551Eは、その中央位置からカバー511側およびカバー521側のそれぞれに向かうにしたがって下降するように湾曲して傾斜する上面を備えているので、カバー511側の曲面は、第1の入賞口51D側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面として機能し、カバー521側の曲面は、第2の入賞口52D側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面として機能している。
また、本実施形態では、入球状態切替手段は、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導く第1のガイド板554と、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導く第2のガイド板555とを備えている。
そして、本実施形態では、ブリッジ駆動部553は、第1のガイド板554を遊技盤31Eに対して突出させるとともに、第2のガイド板555を遊技盤31Eに対して没入させることによって、第1のガイド板554および第1の案内面を介して第1の入賞口51Dに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、第2のガイド板555を遊技盤31Eに対して突出させるとともに、第1のガイド板554を遊技盤31Eに対して没入させることによって、第2のガイド板555および第2の案内面を介して第2の入賞口52Dに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替え、第1のガイド板554および第2のガイド板555を遊技盤31Eに対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えている。
また、本実施形態では、入球状態切替手段は、第1の入賞口51D側に移動ブリッジ本体551Eを移動させることによって、第1のガイド板554を遊技盤31Eに対して突出させるとともに、第2のガイド板555を遊技盤31Eに対して没入させ、第2の入賞口52D側に移動ブリッジ本体551Eを移動させることによって、第2のガイド板555を遊技盤31Eに対して突出させるとともに、第1のガイド板554を遊技盤31Eに対して没入させるリンク機構556を備えている。
このような本実施形態によれば、前記第5実施形態と同様の作用・効果を奏することができる他、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)第1のガイド板554は、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導くので、ブリッジ駆動部553は、第1のガイド板554を遊技盤31Eに対して突出させることによって、第1のガイド板554および第1の案内面を介して第1の入賞口51Dに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のガイド板555は、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導くので、ブリッジ駆動部553は、第2のガイド板555を遊技盤31Eに対して突出させることによって、第2のガイド板555および第2の案内面を介して第2の入賞口52Dに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口51Dおよび第2の入賞口52Dは、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部553は、第1のガイド板554および第2のガイド板555を遊技盤31Eに対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、入球状態切替手段は、第1の入球可能状態において、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1のガイド板554を介して第1の案内面に導くことができ、第2の入球可能状態において、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2のガイド板555を介して第2の案内面に導くことができる。
(2)入球状態切替手段は、移動ブリッジ本体551Eを移動させることによって、第1のガイド板554および第2のガイド板555を連動して突没させるリンク機構556を備えているので、モータやアクチュエータなどの動力源を不要とすることができる。
〔第7実施形態〕
以下、本発明の第6実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図81は、本発明の第7実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、可変入賞装置5を備え、可変入賞装置5は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を備えていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Fは、図81に示すように、可変入賞装置5Fを備え、可変入賞装置5Fは、昇降ブリッジ56を備えている点で前記第1実施形態と異なる。
図82は、可変入賞装置の正面図である。なお、図82では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
可変入賞装置5Fは、図82に示すように、下作動口37の下方に設けられている。この可変入賞装置5Fは、遊技領域の左側に設けられた第1の入賞口51Fと、第1の入賞口51Fの下方に設けられた第2の入賞口52Fとを備えている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を調節し、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を調節することによって、可変入賞装置5Fに遊技球を導くことができる。
ここで、遊技盤31Fは、可変入賞装置5Fの前面側を覆うようにして設けられたパネル53を備えている。このパネル53は、可変入賞装置5Fを前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成されている。
したがって、遊技者は、パネル53を介して可変入賞装置5Fを前方から視認することができる。
第1の入賞口51Fは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部311Fに設けられている。この第1の入賞口51Fは、右方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部311Fに導く略直方体状のカバー511Fと、カバー511Fの内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40cとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー511Fに導かれて開口部311Fに入球した遊技球は、排出通路311bを介して遊技領域から排出される。この排出通路311bを通った遊技球は、アウト口39の排出通路39a(図5参照)を通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
第2の入賞口52Fは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部312Fに設けられている。この第2の入賞口52Fは、右方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部312Fに導く略直方体状のカバー521Fと、カバー521Fの内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40dとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー521Fに導かれて開口部312Fに入球した遊技球は、排出通路312bを介して遊技領域から排出される。この排出通路312bを通った遊技球は、排出通路311bを通った遊技球と同様にアウト口39の排出通路39a(図5参照)を通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
このように、本実施形態では、第1の入賞口51Fは、遊技球の入球に際して所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口として機能し、第2の入賞口52Fは、遊技球の入球に際して第1の入賞口51Fよりも多数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口として機能している。
また、本実施形態では、第1の入賞口51Fは、水平方向一方側(+X軸方向側)に開口するようにして設けられている。第2の入賞口52Fは、第1の入賞口51Fの鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側(+X軸方向側)に開口するようにして設けられている。
さらに、本実施形態では、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fは、遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段として機能している。
また、可変入賞装置5Fは、カバー511Fおよびカバー521Fの右側に設けられた昇降ブリッジ56を備えている。
図83は、可変入賞装置の詳細構成を示す正面図である。
昇降ブリッジ56は、図83に示すように、カバー511Fの右側に設けられた略矩形板状の昇降プレート561と、昇降プレート561の右側に設けられた矩形板状の固定プレート562と、昇降プレート561を駆動するブリッジ駆動部563とを備えている。
昇降プレート561は、カバー511F側に向かうにしたがって下降するように傾斜して設けられている。この昇降プレート561は、Y軸回りに回動自在となるように+X軸方向側の端部を軸支する軸部561aを有している。したがって、図83の状態では、昇降プレート561の上面に落下した遊技球は、昇降プレート561の上面を伝ってカバー511Fの左側から落下していくことになる。
固定プレート562は、カバー511F側に向かうにしたがって下降するように傾斜して設けられている。また、固定プレート562の左側の端部は、昇降プレート561の右側の端部に連絡するようにして設けられている。したがって、固定プレート562の上面に落下した遊技球は、昇降プレート561の上面およびカバー511Fの上面を伝ってカバー511Fの左側から落下していくことになる。
ブリッジ駆動部563は、昇降プレート561の軸部561aに接続された軸体を備え、この軸体をY軸回りに回動させることによって、軸部561aを介して昇降プレート561をY軸回りに回動させる。
図84は、昇降ブリッジを回動させた状態の可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図84(A)は、昇降ブリッジ56を第1の入賞口51Fまで下降させた状態の可変入賞装置5Fの正面図であり、図84(B)は、昇降ブリッジ56を第2の入賞口52Fまで下降させた状態の可変入賞装置5Fの正面図である。
ブリッジ駆動部563は、図84(A)に示すように、Y軸回りに軸体を回動させることによって、軸部561aを介して昇降プレート561をY軸回りに回動させて第1の入賞口51Fまで下降させる(第1の昇降状態)。
昇降プレート561は、カバー511Fの下端部に向かって下降するように傾斜するので、昇降プレート561の上面に落下した遊技球および固定プレート562の上面に落下した遊技球をカバー511Fの開口に導くことができる(図84(A)下向矢印参照)。
また、ブリッジ駆動部563は、図84(B)に示すように、Y軸回りに軸体を回動させることによって、軸部561aを介して昇降プレート561をY軸回りに回動させて第2の入賞口52Fまで下降させる(第2の昇降状態)。
昇降プレート561は、カバー521Fの下端部に向かって下降するように傾斜するので、昇降プレート561の上面に落下した遊技球および固定プレート562の上面に落下した遊技球をカバー521Fの開口に導くことができる(図84(B)下向矢印参照)。
このように、第1の入賞口51Fは、昇降プレート561を第1の入賞口51Fまで下降させて遊技球をカバー511Fの開口に導く開放状態と、昇降プレート561を上昇させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態(図83参照)とを有している。
そして、ブリッジ駆動部563は、昇降プレート561を駆動することによって、第1の入賞口51Fを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
また、第2の入賞口52Fは、昇降プレート561を第2の入賞口52Fまで下降させて遊技球をカバー521Fの開口に導く開放状態と、昇降プレート561を上昇させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態(図83参照)とを有している。
そして、ブリッジ駆動部563は、昇降プレート561を駆動することによって、第2の入賞口52Fを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
ここで、ブリッジ駆動部563は、図83に示すように、昇降プレート561を駆動することによって、昇降プレート561を上昇させて第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fを共に閉鎖状態に設定することができる(第3の昇降状態)。
このように、本実施形態では、昇降ブリッジ56は、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fの水平方向一方側に設けられたブリッジとして機能している。また、ブリッジ駆動部563は、昇降ブリッジ56を昇降させている。
換言すれば、昇降ブリッジ56は、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fのいずれかに遊技球を導く少なくとも1つの部材からなる切替誘導体として機能している。
また、ブリッジ駆動部563は、昇降ブリッジ56を一体的に駆動する切替誘導体駆動部として機能している。
そして、本実施形態では、昇降ブリッジ56は、第1の入賞口51F側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口51Fに遊技球を導く第1の昇降状態と、第2の入賞口52F側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口52Fに遊技球を導く第2の昇降状態と、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fに遊技球を導かない第3の昇降状態とを備えている。
<パチンコ機10の電気的構成>
図85は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態では、MPU62の出力ポートは、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置5の第1のブリッジ512を突没動作させる第1のブリッジ駆動部514と、可変入賞装置5の第2のブリッジ522を突没動作させる第2のブリッジ駆動部524と、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されていた。
これに対して、本実施形態では、MPU62の出力ポートは、図85に示すように、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置5Fの昇降プレート561を回動させるブリッジ駆動部563と、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている点で前記第1実施形態と異なる。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、ブリッジ駆動部563の駆動制御を実行して昇降プレート561を回動させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
また、本実施形態では、主制御装置60は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、大入賞口開閉処理および大入賞口開放処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における大入賞口開閉処理および大入賞口開放処理の内容について説明する。
図86は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、ステップS1001~S1024を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図86に示すように、ステップS1010の処理に代えてステップS1010Fの処理を実行し、ステップS1018の処理に代えてステップS1018Fの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1010FおよびステップS1018Fでは、MPU62は、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部563の駆動制御を実行することによって、昇降プレート561を上昇させて第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fを共に閉鎖状態に設定する。
図87は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、ステップS1101~S1109Fを実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図87に示すように、ステップS1108の処理に代えてステップS1108Fの処理を実行し、ステップS1109の処理に代えてステップS1109Fの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1108Fでは、MPU62は、第1の入賞口の開放実行処理を実行する。この第1の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部563の駆動制御を実行することによって、昇降プレート561を第1の入賞口51Fまで下降させて第1の下降状態として第1の入賞口51Fを開放状態に設定する。
また、ステップS1109Fでは、MPU62は、第2の入賞口の開放実行処理を実行する。この第2の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部563の駆動制御を実行することによって、昇降プレート561を第2の入賞口52Fまで下降させて第2の下降状態として第2の入賞口52Fを開放状態に設定する。
このように、本実施形態では、昇降プレート561およびブリッジ駆動部563は、第1の入賞口51Fに遊技球を入球させる第1の入球可能状態(第1の昇降状態)と、第2の入賞口52Fに遊技球を入球させる第2の入球可能状態(第2の昇降状態)と、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fのいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態(第3の昇降状態)とを切り替える入球状態切替手段として機能している。
具体的には、ブリッジ駆動部563は、昇降ブリッジ56を第1の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジ56を介して第1の入賞口51Fに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、昇降ブリッジ56を第2の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジ56を介して第2の入賞口52Fに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替え、昇降ブリッジ56を第3の昇降状態に設定することによって、入球不能状態に切り替えている。
そして、本実施形態では、主制御装置60は、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替え、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えている。
具体的には、主制御装置60は、少賞球(第1の入球可能状態)および多賞球(第2の入球可能状態)のいずれかを選択する賞球決定処理(入球可能状態選択部)と、賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える大入賞口開放処理(入球可能状態切替部)とを備えている。
ここで、賞球決定処理は、所定の確率(本実施形態では50%)に基づいて、少賞球および多賞球のいずれかを選択する抽選を実行している。
なお、本実施形態では、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行しているが、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択すれば、どのような方法を採用してもよい。例えば、入球可能状態選択部は、開閉実行モードに移行する契機となった大当り当選に至るリーチ表示の種類や期待度に応じて第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)可変入賞装置5Fは、入球状態切替手段を備えているので、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する第1の入賞口51Fに遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51Fよりも多数の賞球の払い出しを実行する第2の入賞口52Fに遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置5Fは、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fに遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置5Fは、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)昇降ブリッジ56は、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fのいずれかに遊技球を導く少なくとも1つの部材からなるので、ブリッジ駆動部563は、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fの双方に遊技球を導くことはない。
(3)主制御装置60は、賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える大入賞口開放処理を備えているので、遊技者は、賞球決定処理の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)賞球決定処理は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、賞球決定処理の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)パチンコ機10は、第1の入賞口51Fに遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、第2の入賞口52Fに遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fのいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備えているので、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fは、水平方向一方側に開口するようにして設けられている。第2の入賞口52Fは、第1の入賞口51Fの鉛直方向下方側に設けられている。したがって、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fに入球すべく流下する遊技球の方向は同一方向となるので、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えた場合に、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fのどちらに遊技球が入球するかを遊技者に分かりにくくすることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(7)昇降ブリッジ56は、第1の昇降状態では、第1の入賞口51F側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口51Fに遊技球を導くので、ブリッジ駆動部563は、昇降ブリッジ56を第1の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジ56を介して第1の入賞口51Fに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。昇降ブリッジ56は、第2の昇降状態では、第2の入賞口52F側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口52Fに遊技球を導くので、ブリッジ駆動部563は、昇降ブリッジ56を第2の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジ56を介して第2の入賞口52Fに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、昇降ブリッジ56は、第3の昇降状態では、第1の入賞口51Fおよび第2の入賞口52Fに遊技球を導かないので、ブリッジ駆動部563は、昇降ブリッジ56を第3の昇降状態に設定することによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、パチンコ機10は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
〔第8実施形態〕
以下、本発明の第8実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図88は、本発明の第8実施形態に係る遊技盤の正面図である。
前記第1実施形態では、遊技盤31は、可変入賞装置5を備え、可変入賞装置5は、第1のブリッジ512および第2のブリッジ522を備えていた。
これに対して、本実施形態では、遊技盤31Gは、図88に示すように、可変入賞装置5Gを備え、可変入賞装置5Gは、上下ブリッジ57を備えている点で前記第1実施形態と異なる。
図89は、可変入賞装置の正面図である。なお、図89では、鉛直上方向を+Z軸方向とし、このZ軸と直交する2軸をX,Y軸として説明する。以下の図面においても同様である。
可変入賞装置5Gは、図89に示すように、下作動口37の下方に設けられている。この可変入賞装置5Gは、遊技領域の左側に設けられた第1の入賞口51Gと、第1の入賞口51Gの下方に設けられた第2の入賞口52Gとを備えている。
なお、遊技者は、発射ハンドル27の回転操作量を調節し、遊技領域の上部における遊技球の到達位置を調節することによって、可変入賞装置5Gに遊技球を導くことができる。
ここで、遊技盤31Gは、可変入賞装置5Gの前面側を覆うようにして設けられたパネル53を備えている。このパネル53は、可変入賞装置5Gを前面側から視認可能とすべく透明(または半透明)に形成されている。
したがって、遊技者は、パネル53を介して可変入賞装置5Gを前方から視認することができる。
第1の入賞口51Gは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部311Gに設けられている。この第1の入賞口51Gは、右方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部311Gに導く略直方体状のカバー511Gと、カバー511Gの内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40cとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー511Gに導かれて開口部311Gに入球した遊技球は、排出通路311cを介して遊技領域から排出される。この排出通路311cを通った遊技球は、アウト口39の排出通路39a(図90参照)を通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
第2の入賞口52Gは、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通するように遊技領域に形成された開口部312Gに設けられている。この第2の入賞口52Gは、右方に開口するようにして設けられるとともに、この開口を介して入球した遊技球を開口部312Gに導く略直方体状のカバー521Gと、カバー521Gの内部に設けられるとともに、遊技球の入球を検知する前述の検知センサ40dとを備えている。パチンコ機10は、その検知結果に基づいて、所定数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する。
なお、カバー521Gに導かれて開口部312Gに入球した遊技球は、排出通路312cを介して遊技領域から排出される。この排出通路312cを通った遊技球は、排出通路311cを通った遊技球と同様にアウト口39の排出通路39a(図90参照)を通って遊技領域から排出される遊技球と合流することになる。
このように、本実施形態では、第1の入賞口51Gは、遊技球の入球に際して所定数(本実施形態では10個)の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口として機能し、第2の入賞口52Gは、遊技球の入球に際して第1の入賞口51Gよりも多数(本実施形態では15個)の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口として機能している。
また、本実施形態では、第1の入賞口51Gは、水平方向一方側(+X軸方向側)に開口するようにして設けられている。第2の入賞口52Gは、第1の入賞口51Gの鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側(+X軸方向側)に開口するようにして設けられている。
さらに、本実施形態では、第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gは、遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段として機能している。
なお、前記第1実施形態では、カバー521の上面部は、カバー521の下面部よりもカバー511側(開口方向側)に突出した形状となっていた。
これに対して、本実施形態では、カバー521Gの上面部は、カバー521Gの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっていない点で前記第1実施形態と異なる。
また、可変入賞装置5Gは、カバー511Gおよびカバー521Gの右側に設けられた上下ブリッジ57を備えている。
図90は、可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図90(A)は、可変入賞装置5Gの正面図であり、図90(B)は、右側面側から見た可変入賞装置5Gの断面図である。
上下ブリッジ57は、図89および図90に示すように、カバー511Gの右側に設けられた略矩形板状の上方ブリッジ571と、上方ブリッジ571と平行になるようにしてカバー521Gの右側に設けられた略矩形板状の下方ブリッジ572と、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を駆動するブリッジ駆動部573(図90(B)参照)と、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の背面側に取り付けられたリンク機構574(図90(B)参照)とを備えている。
上方ブリッジ571は、遊技盤31Gに形成された断面矩形状の穴319aを介して突没自在に設けられているとともに、カバー511Gの下端部に向かって下降するように傾斜して設けられている。
ここで、遊技盤31Gは、Y軸回りに上方ブリッジ571を覆うように設けられるとともに、Y軸方向に沿って上方ブリッジ571を案内する案内部31G1(図90(B)参照)を備えている。上方ブリッジ571は、この案内部31G1に案内されることによって、遊技盤31Gに形成された断面矩形状の穴319aを介して突没する。
下方ブリッジ572は、遊技盤31Gに形成された断面矩形状の穴319bを介して突没自在に設けられているとともに、カバー521Gの下端部に向かって下降するように傾斜して設けられている。
ここで、遊技盤31Gは、Y軸回りに下方ブリッジ572を覆うように設けられるとともに、Y軸方向に沿って下方ブリッジ572を案内する案内部31G2(図90(B)参照)を備えている。下方ブリッジ572は、この案内部31G2に案内されることによって、遊技盤31Gに形成された断面矩形状の穴319bを介して突没する。
ブリッジ駆動部573は、X軸回りに軸体を回動させることによって、リンク機構574を介して上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を駆動する。
リンク機構574は、ブリッジ駆動部573の軸体に固定されるとともに、この軸体の回動に伴ってX軸回りに回動する回転アーム574aと、回転アーム574aの+Z軸方向側の端部に回転自在に取り付けられた第1のアーム574bと、回転アーム574aの-Z軸方向側の端部に回転自在に取り付けられた第2のアーム574cとを備えている。
第1のアーム574bは、上方ブリッジ571の背面部にX軸回りに回転自在に一端を取り付けられるとともに、回転アーム574aの端部にX軸回りに回転自在に他端を取り付けられている。
第2のアーム574cは、下方ブリッジ572の背面部にX軸回りに回転自在に一端を取り付けられるとともに、回転アーム574aの端部にX軸回りに回転自在に他端を取り付けられている。
図91は、上方ブリッジを突出させた状態の可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図91(A)は、可変入賞装置5Gの正面図であり、図91(B)は、右側面側から見た可変入賞装置5Gの断面図である。図92は、下方ブリッジを突出させた状態の可変入賞装置の詳細構成を示す図である。具体的には、図92(A)は、可変入賞装置5Gの正面図であり、図92(B)は、右側面側から見た可変入賞装置5Gの断面図である。
ブリッジ駆動部573は、X軸を中心として図中反時計回りに軸体を回動させることによって、遊技盤31Gに形成された穴319aを介して上方ブリッジ571を遊技盤31Gから突出させる(上方突出状態)。具体的には、X軸を中心として図中反時計回りにブリッジ駆動部573の軸体を回動させると、回転アーム574aは、第1のアーム574bを+Y軸方向に向かって移動させることになるので、上方ブリッジ571は、遊技盤31Gに形成された穴319aを介して遊技盤31Gから突出する。これによれば、下作動口37の左右両側の遊技領域を流下する遊技球をカバー511Gの開口に導くことができる(図91(A)矢印参照)。
ここで、上方ブリッジ571の遊技盤31Gからの突出幅D1は、遊技盤31Gおよびパネル53の間隔D2よりも狭くなるように設定されている。換言すれば、上方ブリッジ571の遊技盤31Gからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されている。
なお、本実施形態では、上方ブリッジ571の遊技盤31Gからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているが、遊技球の直径と同じ幅に設定されていてもよく、遊技球の直径よりも広くなるように設定されていてもよい。
また、ブリッジ駆動部573は、X軸を中心として図中時計回りに軸体を回動させることによって、遊技盤31Gに形成された穴319bを介して下方ブリッジ572を遊技盤31Gから突出させる(下方突出状態)。具体的には、X軸を中心として図中時計回りにブリッジ駆動部573の軸体を回動させると、回転アーム574aは、第2のアーム574cを+Y軸方向に向かって移動させることになるので、下方ブリッジ572は、遊技盤31Gに形成された穴319bを介して遊技盤31Gから突出する。これによれば、下作動口37の左右両側の遊技領域を流下する遊技球をカバー521Gの開口に導くことができる(図92(A)矢印参照)。
ここで、下方ブリッジ572の遊技盤31Gからの突出幅D1は、遊技盤31Gおよびパネル53の間隔D2よりも狭くなるように設定されている。換言すれば、下方ブリッジ572の遊技盤31Gからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されている。
なお、本実施形態では、下方ブリッジ572の遊技盤31Gからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているが、遊技球の直径と同じ幅に設定されていてもよく、遊技球の直径よりも広くなるように設定されていてもよい。
このように、第1の入賞口51Gは、上方ブリッジ571を遊技盤31Gに形成された穴319aを介して遊技盤31Gから突出させて遊技球をカバー511Gの開口に導く開放状態と、上方ブリッジ571を遊技盤31Gに形成された穴319aを介して遊技盤31Gに没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態(図90参照)とを有している。
そして、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を駆動することによって、第1の入賞口51Gを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
また、第2の入賞口52Gは、下方ブリッジ572を遊技盤31Gに形成された穴319bを介して遊技盤31Gから突出させて遊技球をカバー521Gの開口に導く開放状態と、下方ブリッジ572を遊技盤31Gに形成された穴319bを介して遊技盤31Gに没入させて遊技球をアウト口39に導く閉鎖状態(図90参照)とを有している。
そして、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を駆動することによって、第2の入賞口52Gを開放状態および閉鎖状態のいずれかに設定する。
ここで、ブリッジ駆動部573は、図90に示すように、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を駆動することによって、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を共に遊技盤31Gに没入させて第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gを共に閉鎖状態に設定することができる(没入状態)。
なお、前述したように、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の遊技盤31Gからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、例えば、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572は、遊技盤31Gに素早く没入させることができる。
これによれば、ブリッジ駆動部573は、第1の入賞口51Gを閉鎖状態に設定した直後に、第1の入賞口51Gを閉鎖状態に設定する直前に上方ブリッジ571にてカバー511Gの開口に導いていた遊技球を第1の入賞口51Gに入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
また、ブリッジ駆動部573は、第2の入賞口52Gを閉鎖状態に設定した直後に、第2の入賞口52Gを閉鎖状態に設定する直前に下方ブリッジ572にてカバー521Gの開口に導いていた遊技球を第2の入賞口52Gに入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
このように、本実施形態では、上方ブリッジ571は、遊技盤31Gに対して突没自在に設けられるとともに、第1の入賞口51G側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジとして機能し、下方ブリッジ572は、遊技盤31Gに対して突没自在に設けられるとともに、第2の入賞口52G側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジとして機能している。また、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して突没させている。
換言すれば、上方ブリッジ571は、第1の入賞口51Gに遊技球を導く第1の誘導体として機能している。
そして、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571を遊技盤31Gに対して突出させることによって、上方ブリッジ571を有効(開放状態)に設定し、上方ブリッジ571を遊技盤31Gに対して没入させることによって、上方ブリッジ571を無効(閉鎖状態)に設定している。
また、下方ブリッジ572は、第2の入賞口52Gに遊技球を導く第2の誘導体として機能している。
そして、ブリッジ駆動部573は、下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して突出させることによって、下方ブリッジ572を有効(開放状態)に設定し、下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して没入させることによって、下方ブリッジ572を無効(閉鎖状態)に設定している。
そして、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の有効・無効を切り替えることによって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替え、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を共に有効に設定し得ない。
<パチンコ機10の電気的構成>
図93は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
前記第1実施形態では、MPU62の出力ポートは、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置5の第1のブリッジ512を突没動作させる第1のブリッジ駆動部514と、可変入賞装置5の第2のブリッジ522を突没動作させる第2のブリッジ駆動部524と、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されていた。
これに対して、本実施形態では、MPU62の出力ポートは、図93に示すように、下作動口37の電動役物37aを開閉動作させる電動役物駆動部37bと、可変入賞装置5Gの上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を突没動作させるブリッジ駆動部573と、メイン表示部45と、役物用表示部46とに接続されている点で前記第1実施形態と異なる。
なお、主制御基板61は、ドライバ回路を有している。MPU62は、このドライバ回路を通じて各種駆動部などの駆動制御を実行する。具体的には、電役開放状態では、MPU62は、電動役物駆動部37bの駆動制御を実行して電動役物37aを開閉させる。また、開閉実行モードでは、MPU62は、ブリッジ駆動部573の駆動制御を実行して上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を突没させる。また、各遊技回では、MPU62は、メイン表示部45の表示制御を実行して各作動口36,37への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。さらに、MPU62は、役物用表示部46の表示制御を実行して各スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示する。
また、本実施形態では、主制御装置60は、前記第1実施形態とは異なる処理を実行する。具体的には、本実施形態では、大入賞口開閉処理および大入賞口開放処理は、前記第1実施形態とは異なっている。以下、本実施形態における大入賞口開閉処理および大入賞口開放処理の内容について説明する。
図94は、大入賞口開閉処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開閉処理では、MPU62は、ステップS1001~S1024を実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図94に示すように、ステップS1010の処理に代えてステップS1010Gの処理を実行し、ステップS1018の処理に代えてステップS1018Gの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1010GおよびステップS1018Gでは、MPU62は、閉鎖実行処理を実行する。この閉鎖実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部573の駆動制御を実行することによって、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を共に遊技盤31Gに没入させて第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gを共に閉鎖状態に設定する。
図95は、大入賞口開放処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放処理では、MPU62は、ステップS1101~S1109Gを実行する。なお、本実施形態では、MPU62は、図95に示すように、ステップS1108の処理に代えてステップS1108Gの処理を実行し、ステップS1109の処理に代えてステップS1109Gの処理を実行する点で前記第1実施形態と異なる。
ステップS1108Gでは、MPU62は、第1の入賞口の開放実行処理を実行する。この第1の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部573の駆動制御を実行することによって、上方ブリッジ571を遊技盤31Gから突出させて上方突出状態として第1の入賞口51Gを開放状態に設定する。
また、ステップS1109Fでは、MPU62は、第2の入賞口の開放実行処理を実行する。この第2の入賞口の開放実行処理では、MPU62は、ブリッジ駆動部573の駆動制御を実行することによって、下方ブリッジ572を遊技盤31Gから突出させて下方突出状態として第2の入賞口52Gを開放状態に設定する。
このように、本実施形態では、上方ブリッジ571、下方ブリッジ572、およびブリッジ駆動部573は、第1の入賞口51Gに遊技球を入球させる第1の入球可能状態(上方突出状態)と、第2の入賞口52Gに遊技球を入球させる第2の入球可能状態(下方突出状態)と、第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gのいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態(没入状態)とを切り替える入球状態切替手段として機能している。
具体的には、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571を遊技盤31Gに対して突出させるとともに、下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して没入させることによって、上方ブリッジ571を介して第1の入賞口51Gに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して突出させるとともに、上方ブリッジ571を遊技盤31Gに対して没入させることによって、下方ブリッジ572を介して第2の入賞口52Gに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替え、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えている。
そして、本実施形態では、主制御装置60は、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替え、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えている。
具体的には、主制御装置60は、少賞球(第1の入球可能状態)および多賞球(第2の入球可能状態)のいずれかを選択する賞球決定処理(入球可能状態選択部)と、賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える大入賞口開放処理(入球可能状態切替部)とを備えている。
ここで、賞球決定処理は、所定の確率(本実施形態では50%)に基づいて、少賞球および多賞球のいずれかを選択する抽選を実行している。
なお、本実施形態では、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行しているが、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択すれば、どのような方法を採用してもよい。例えば、入球可能状態選択部は、開閉実行モードに移行する契機となった大当り当選に至るリーチ表示の種類や期待度に応じて第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択してもよい。
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)可変入賞装置5Gは、入球状態切替手段を備えているので、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する第1の入賞口51Gに遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51Gよりも多数の賞球の払い出しを実行する第2の入賞口52Gに遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置5Gは、開閉実行モードに移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gに遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置5Gは、開閉実行モードに移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(2)主制御装置60は、賞球決定処理にて少賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、賞球決定処理にて多賞球を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える大入賞口開放処理を備えているので、遊技者は、賞球決定処理の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(3)賞球決定処理は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、賞球決定処理の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(4)パチンコ機10は、第1の入賞口51Gに遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、第2の入賞口52Gに遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gのいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備えているので、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(5)第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gは、水平方向一方側に開口するようにして設けられている。第2の入賞口52Gは、第1の入賞口51Gの鉛直方向下方側に設けられている。したがって、第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gに入球すべく流下する遊技球の方向は同一方向となるので、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えた場合に、第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gのどちらに遊技球が入球するかを遊技者に分かりにくくすることができる。したがって、パチンコ機10は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
(6)上方ブリッジ571は、第1の入賞口51G側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571を遊技盤31Gに対して突出させることによって、上方ブリッジ571を介して第1の入賞口51Gに遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。下方ブリッジ572は、第2の入賞口52G側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部573は、下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して突出させることによって、下方ブリッジ572を介して第2の入賞口52Gに遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gは、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、パチンコ機10は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
(7)上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の遊技盤31Gからの突出幅D1は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572は、遊技盤31Gに対して素早く没入させることができる。したがって、ブリッジ駆動部573は、上方ブリッジ571または下方ブリッジ572を遊技盤31Gに対して没入させた直後に、上方ブリッジ571または下方ブリッジ572にて第1の入賞口51Gまたは第2の入賞口52Gに導いていた遊技球を第1の入賞口51Gまたは第2の入賞口52Gに入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
(8)カバー511Gの上面部は、カバー511Gの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバー511Gの上面部をカバー511Gの下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口51Gまたは第2の入賞口52Gに誤って入賞しにくくなる。
なお、本実施形態では、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572は、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の突出方向側への遊技球の落下を許容していた。
これに対して、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の少なくともいずれか一方は、前記第1実施形態の変形例と同様に、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えていてもよい。
これによれば、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の少なくともいずれか一方は、上方ブリッジ571および下方ブリッジ572の突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えているので、第1の入賞口51Gおよび第2の入賞口52Gの少なくともいずれか一方に確実に遊技球を入球させることができる。
〔各実施形態の変形例〕
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
(1)前記各実施形態では、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、1回の大入賞口50の開閉を実行していた。これに対して、パチンコ機10は、1回のラウンド遊技につき、複数回の大入賞口50の開閉を実行してもよい。
(2)前記各実施形態では、パチンコ機10は、大入賞口50を開放状態に設定した後、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、または大入賞口50への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達することによって、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、上限個数は、上限継続時間に応じて変動するようにしてもよく、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定するための条件は任意である。
(3)前記各実施形態では、パチンコ機10は、大入賞口50を開放状態に設定した後、大入賞口50への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数である8個に達することによって、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、上限個数を8個以外の任意の個数に設定してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、振分結果に応じて上限個数を相違させて設定してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、1回の開閉実行モード中におけるラウンドごとに上限個数を相違させて設定してもよい。
(4)前記各実施形態では、パチンコ機10は、大入賞口50を開放状態に設定した後、大入賞口50への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達することによって、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、遊技球が入球したことを契機として大入賞口50を閉鎖状態に設定する終了契機口を備え、予め定められた時間が経過することによって、この終了契機口への入球を可能とするように構成されていてもよい。
(5)前記各実施形態では、パチンコ機10は、大入賞口50を開放状態に設定した後、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過することによって、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、大入賞口50を開放状態に設定した後、大入賞口50への入賞が発生したときから予め定められた時間が経過することによって、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定してもよい。
(6)前記各実施形態では、パチンコ機10は、大入賞口50を開放状態に設定した後、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定していた。これに対して、例えば、パチンコ機10は、大入賞口50を開放状態に設定した後、大入賞口50を再び閉鎖状態に設定することなく、次回のラウンド遊技に移行するようにしてもよい。
(7)前記各実施形態では、短時間態様の上限継続時間は、遊技球の発射周期よりも短く設定されていた。これに対して、例えば、短時間態様の上限継続時間は、遊技球の発射周期以上の時間であって、遊技球の発射周期のn倍(n=1,2,3のいずれか)以下の時間に設定されていてもよい。
(8)前記各実施形態では、パチンコ機10は、2種類の開閉実行モードを有していた。具体的には、パチンコ機10は、短時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を2回実行する開閉実行モードと、長時間態様の上限継続時間でラウンド遊技を15回実行する開閉実行モードとを有していた。これに対して、パチンコ機10は、上限継続時間の態様や、ラウンド遊技の実行回数について、これらとは相違する開閉実行モードを有していてもよい。また、パチンコ機10は、上限継続時間の態様を相違させることによって、複数種類の開閉実行モードを設定する構成に代えて、半開や全開といったように大入賞口50の開放の度合いを相違させることによって、複数種類の開閉実行モードを設定する構成としてもよい。さらに、上限継続時間の態様は、遊技者からは同一の態様に見えるものの正確な上限継続時間は相違するように設定してもよい。
(9)前記各実施形態では、遊技結果と、開閉実行モード用の演出とは、1対1で対応するように予め設定されていた。これに対して、例えば、開閉実行モード用の演出は、遊技結果に対応させることなく、複数種類の演出からランダムに選択して設定するようにしてもよく、複数種類の演出から抽選などによって選択して設定し、その選択率を遊技結果に応じて相違させるようにしてもよい。
(10)前記各実施形態では、MPU92は、遊技結果が「特別外れ結果」、「非明示少ラウンド高確結果」、および「明示少ラウンド高確結果」のいずれかである場合には、有効ラインL上に最終的に停止表示させる停止結果として特別な図柄の組み合わせに係る情報を決定し、この特別な図柄の組み合わせは、遊技結果の種類に関わらず同一であった。これに対して、MPU92は、停止結果に係る情報をランダムに決定し、いずれの遊技結果であるかを遊技者に把握しにくいようにしてもよい。
(11)前記各実施形態では、MPU62は、大当たり発生の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用し、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり種別カウンタC2を使用していた。これに対して、MPU62は、大当たり発生に際し、その大当たりの種別の抽選に大当たり乱数カウンタC1を使用してもよい。この場合には、大当たり種別カウンタC2は、RAM64の各種カウンタエリア64aに設けられていなくてもよい。
(12)前記各実施形態では、パチンコ機10は、「特別外れ結果」と、「通常外れ結果」との2種類の外れ結果を有し、MPU62は、大当たり発生に当選する乱数の値を記憶した当否テーブルと、保留球格納エリア64bに格納された大当たり乱数カウンタC1の値とを比較することによって、大当たり発生の抽選を実行していた。換言すれば、MPU62は、大当たり乱数カウンタC1の値を使用することによって、「特別外れ結果」に係る抽選を実行していた。これに対して、MPU62は、「特別外れ結果」に係る抽選を実行するためにRAM64の各種カウンタエリア64aに設けられた大当たり乱数カウンタC1とは異なる新たなカウンタを使用することによって、「特別外れ結果」に係る抽選を実行してもよい。
(13)前記各実施形態では、大当たり発生の抽選に際して低確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、「特別外れ結果」となる乱数の値は2個であり、大当たり発生の抽選に際して高確率モード用の当否テーブルを参照することになる遊技状態下では、「特別外れ結果」となる乱数の値は1個であった。換言すれば、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードでは、高確率モードよりも高くなるように設定されていた。これに対して、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードでは、高確率モードよりも低くなるように設定されていてもよく、低確率モードおよび高確率モードで同一となるように設定されていてもよい。また、「特別外れ結果」となる確率は、低確率モードおよび高確率モードの少なくともいずれかで0となるように設定されていてもよい。
(14)前記各実施形態では、パチンコ機10は、当否抽選モードおよびサポートモードを設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出していたが、これら以外の遊技状態を設定することによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高頻度サポートモードに移行させるか否かによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、開閉実行モードの終了後に高確率モードを継続させる遊技回の回数を相違させることによって、遊技者にとって有利な遊技状態と、不利な遊技状態とを作り出してもよい。
(15)前記各実施形態では、パチンコ機10は、上作動口36に係る保留情報を第1結果表示部用保留エリアRaに格納し、下作動口37および第1の入賞口51Bに係る保留情報を第2結果表示部用保留エリアRbに格納することによって、上作動口36に係る保留情報と、下作動口37および第1の入賞口51Bに係る保留情報とを別々に格納していた。これに対して、パチンコ機10は、上作動口36に係る保留情報と、下作動口37および第1の入賞口51Bに係る保留情報とを一緒に格納してもよい。
(16)前記各実施形態では、MPU62は、上作動口36に係る保留情報があるか否かに関わらず下作動口37および第1の入賞口51Bに係る保留情報を優先的に遊技回の消化用に設定していた。これに対して、MPU62は、上作動口36に係る保留情報と、下作動口37および第1の入賞口51Bに係る保留情報とを、それぞれの保留情報の入賞順に遊技回の消化用に設定してもよい。
(17)前記各実施形態では、主制御装置60は、音声発光制御装置90にコマンドを送信し、音声発光制御装置90は、そのコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信することによって、表示制御装置100の制御を実行していた。これに対して、主制御装置60は、表示制御装置100にコマンドを送信し、表示制御装置100は、そのコマンドを解析した結果のコマンドを音声発光制御装置90に送信することによって、音声発光制御装置90の制御を実行してもよい。なお、主制御装置60から音声発光制御装置90に送信されるコマンドや、音声発光制御装置90から表示制御装置100に送信されるコマンドは、前記各実施形態に記載したコマンドに限らず任意である。
(18)前記各実施形態では、パチンコ機10は、主制御装置60と、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを別々の制御装置として備えていた。これに対して、例えば、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを同一の制御装置として備えていてもよく、音声発光制御装置90および表示制御装置100の少なくともいずれかの制御装置を主制御装置60と同一の制御装置として備えていてもよい。
(19)前記各実施形態では、図柄表示装置47は、上作動口36、下作動口37、または第1の入賞口51Bへの入賞に基づいて、各図柄列Z1~Z3の図柄を所定の向きに周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行していた。これに対して、遊技回用の演出は、前記各実施形態に記載した演出に限らず任意である。例えば、パチンコ機10は、遊技盤31~31Gに設けられた可動式の装飾部材と、図柄表示装置47とを組み合わせて動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。また、例えば、パチンコ機10は、遊技盤31~31Gに設けられた発光手段と、図柄表示装置47とを組み合わせて動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。さらに、例えば、パチンコ機10は、これらの装飾部材および発光手段と、図柄表示装置47とを組み合わせて動作させることによって、遊技回用の演出を実行してもよい。
(20)前記各実施形態では、パチンコ機10は、上作動口36、下作動口37、または第1の入賞口51Bへの入賞に基づいて、内部抽選(当否抽選および振分抽選)を実行し、その後、メイン表示部45および図柄表示装置47は、変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、上作動口36、下作動口37、または第1の入賞口51Bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を表示していた。これに対して、例えば、メイン表示部45および図柄表示装置47は、内部抽選を実行する前に変動表示を開始し、その変動表示の停止結果として、変動表示を開始した後に行われた内部抽選の結果を表示してもよい。この場合には、変動表示を開始した後、その変動表示を停止する前に、内部抽選を実行するとともに、停止結果等の設定を実行すればよい。
(21)前記各実施形態では、パチンコ機10は、メイン表示部45を備え、メイン表示部45は、絵柄の変動表示を実行するとともに、その変動表示の停止結果として、内部抽選の結果を表示していた。これに対して、例えば、メイン表示部45は、その変動表示の停止結果として、内部抽選の結果に関わらず同一の停止結果を表示してもよく、ランダムに停止結果を表示することによって、内部抽選の結果を識別できないようにしてもよい。また、例えば、パチンコ機10は、メイン表示部45を備えていなくてもよい。
(22)前記各実施形態では、図柄表示装置47は、上作動口36、下作動口37、または第1の入賞口51Bへの入賞に基づいて、各図柄列Z1~Z3の図柄を所定の向きに周期的にスクロールさせるようにして図柄の変動表示を開始することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行していた。これに対して、図柄表示装置47は、内部抽選の結果を明示する図柄(絵柄)を表示することによって、表示画面Gにおいて遊技回用の演出を実行してもよい。
例えば、図柄表示装置47は、各図柄列Z1~Z3の図柄を表示する領域よりも狭い領域および各図柄列Z1~Z3の図柄を表示する領域の周縁の領域の少なくともいずれかに所定の領域を設定し、各図柄列Z1~Z3の図柄の変動表示を停止する際に、この所定の領域に内部抽選の結果を明示する図柄を表示してもよい。この所定の領域に表示する図柄は、各図柄列Z1~Z3の図柄の変動表示中には、変動表示を実行していてもよく、非表示となっていてもよい。
ここで、所定の領域に表示する図柄は、遊技者にとって識別しにくい文字や、色や、模様を採用してもよく、これらの組み合わせを採用してもよい。また、遊技者にとって識別しにくい文字や、色や、模様ではなくても、相互に類似する図柄や、その組み合わせを採用することによって、遊技者にとって識別しにくいようにしてもよい。これによれば、遊技場の管理者などは、例えば、遊技回の終了に際してメイン表示部45を目視することなく、図柄表示装置47を目視することによって、大当たり発生の抽選に当選した場合と同様の挙動をパチンコ機10に行わせようとする不正行為が行われているか否かの確認を簡易的に行うことができる。
(23)前記各実施形態では、パチンコ機10は、単独で動作するように構成されていたが、携帯電話機などの外部機器と連動させることによって、情報を送受信するように構成されていてもよい。例えば、遊技者が遊技機に設けられたボタン等を操作することによって、光学コードを出力することができるように遊技機を構成するとともに、この光学コードの情報を携帯電話等に設けられたカメラにて撮像して読み取り、ウェブサイトにアクセスすることによって、遊技機の情報をウェブサーバーに送信できるように遊技機を構成してもよい。また、遊技者がウェブサイトにアクセスすることによって発行されたパスワードを遊技機に設けられたボタン等を操作して遊技機に入力することによって、ウェブサーバーの情報を受信できるように遊技機を構成してもよい。
(24)前記各実施形態では、本発明の遊技機としてパチンコ機10を例示して説明していた。これに対して、本発明の遊技機は、パチンコ機10とは異なる他のタイプのパチンコ機であってもよく、例えば、本発明の遊技機は、特定の領域に遊技球が入球すると、電動役物を所定の回数だけ開放させるパチンコ機や、特定の領域に遊技球が入球すると、大当たりの権利を発生させるパチンコ機などであってもよい。また、本発明の遊技機は、アレンジボール機や、雀球等の他のタイプの遊技機であってもよい。
〔各実施形態から抽出される発明群〕
以下、前記各実施形態から抽出される発明群の特徴を説明する。なお、本発明群の特徴のうち、前記各実施形態において対応する構成を括弧書きで示すが、本発明群の特徴は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明群の特徴の目的を達成できる範囲での変形、改良等や、各特徴の組み合わせは本発明群の特徴に含まれるものである。
<特徴A群>
特徴A1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口(第1の入賞口51,51D,51F,51G)と、
遊技球の入球に際して前記少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口(第2の入賞口52,52D,52F,52G)と、
前記少賞球入賞口に遊技球を入球させるとともに、前記多賞球入賞口に遊技球を入球させない第1の入球可能状態と、前記多賞球入賞口に遊技球を入球させるとともに、前記少賞球入賞口に遊技球を入球させない第2の入球可能状態と、前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A1によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A2.
本発明群の特徴A1に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する入球可能状態選択部(賞球決定処理)と、
前記入球可能状態選択部にて前記第1の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態に切り替え、前記入球可能状態選択部にて前記第2の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部(大入賞口開放処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A2によれば、遊技状態移行手段は、入球可能状態選択部にて第1の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、入球可能状態選択部にて第2の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部を備えているので、遊技者は、入球可能状態選択部の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A3.
本発明群の特徴A2に記載された遊技機において、
前記入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A3によれば、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、入球可能状態選択部の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴A4.
本発明群の特徴A1から特徴A3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記少賞球入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記多賞球入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(第1のブリッジ512)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(第2のブリッジ522)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のブリッジを介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のブリッジを介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A4によれば、第1のブリッジは、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、少賞球入賞口および多賞球入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、少賞球入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、多賞球入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、少賞球入賞口または多賞球入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴A5.
本発明群の特徴A4に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジは、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A5によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、交差するようにして設けられているので、交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴A6.
本発明群の特徴A1から特徴A3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記少賞球入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記多賞球入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口の間に設けられたブリッジ(移動ブリッジ本体551)と、
前記ブリッジを水平方向に沿って移動させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部553)とを備え、
前記ブリッジは、
前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面(第1の案内面551a)と、
前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面(第2の案内面551b)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記少賞球入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第1の案内面を介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記多賞球入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第2の案内面を介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口の中央に前記ブリッジを移動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A6によれば、第1の案内面は、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、少賞球入賞口側にブリッジを移動させることによって、第1の案内面を介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の案内面は、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、多賞球入賞口側にブリッジを移動させることによって、第2の案内面を介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、少賞球入賞口および多賞球入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、少賞球入賞口および多賞球入賞口の中央にブリッジを移動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、少賞球入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、多賞球入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、少賞球入賞口または多賞球入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴A7.
本発明群の特徴A6に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導く第1のガイド板(第1のガイド板554)と、
前記第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導く第2のガイド板(第2のガイド板555)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のガイド板および前記第1の案内面を介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のガイド板および前記第2の案内面を介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のガイド板および前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A7によれば、第1のガイド板は、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導くので、ブリッジ駆動部は、第1のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第1のガイド板および第1の案内面を介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のガイド板は、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導くので、ブリッジ駆動部は、第2のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第2のガイド板および第2の案内面を介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、少賞球入賞口および多賞球入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のガイド板および第2のガイド板を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、入球状態切替手段は、第1の入球可能状態において、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1のガイド板を介して第1の案内面に導くことができ、第2の入球可能状態において、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2のガイド板を介して第2の案内面に導くことができる。
特徴A8.
本発明群の特徴A1から特徴A3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記少賞球入賞口と、
前記少賞球入賞口の鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記多賞球入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(上方ブリッジ571)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(下方ブリッジ572)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部573)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のブリッジを介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のブリッジを介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A8によれば、第1のブリッジは、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、少賞球入賞口および多賞球入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
特徴A9.
本発明群の特徴A1から特徴A3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記少賞球入賞口と、
前記少賞球入賞口の鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記多賞球入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口の水平方向一方側に設けられた昇降ブリッジ(昇降ブリッジ56)と、
前記昇降ブリッジを昇降させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部563)とを備え、
前記昇降ブリッジは、
前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記少賞球入賞口に遊技球を導く第1の昇降状態と、
前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記多賞球入賞口に遊技球を導く第2の昇降状態と、
前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口に遊技球を導かない第3の昇降状態とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記昇降ブリッジを前記第1の昇降状態に設定することによって、前記昇降ブリッジを介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記昇降ブリッジを前記第2の昇降状態に設定することによって、前記昇降ブリッジを介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記昇降ブリッジを前記第3の昇降状態に設定することによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A9によれば、昇降ブリッジは、第1の昇降状態では、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して少賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第1の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジを介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。昇降ブリッジは、第2の昇降状態では、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して多賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第2の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジを介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、昇降ブリッジは、第3の昇降状態では、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を導かないので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第3の昇降状態に設定することによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
特徴A10.
本発明群の特徴A1から特徴A3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記少賞球入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記多賞球入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口の間に設けられたブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを回動させるブリッジ駆動部(回動駆動部543)とを備え、
前記ブリッジは、
前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記少賞球入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記多賞球入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A10によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して少賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して多賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、少賞球入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、多賞球入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、少賞球入賞口または多賞球入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴A11.
本発明群の特徴A10に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられた前記ブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを前記遊技盤に対して突没させるとともに、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを回動させる前記ブリッジ駆動部(回動駆動部543および進退駆動部544)とを備え、
前記ブリッジは、
前記遊技盤に対して突出した後、前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記少賞球入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記遊技盤に対して突出した後、前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記多賞球入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A11によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して少賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して多賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、少賞球入賞口および多賞球入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、入球不能状態に切り替えた場合に遊技球の流路を阻害しないようにすることができる。
特徴A12.
本発明群の特徴A10に記載された遊技機において、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴A12によれば、ブリッジ駆動部は、ブリッジを少賞球入賞口および多賞球入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、新たな構造を追加することなくブリッジを入球不能状態に切り替えることができる。
このような本発明の特徴A群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、可変入賞装置は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行するので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴B群>
特徴B1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に通常制御状態から遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5A)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記通常制御状態は、
第1の遊技状態(低確率モード)と、
前記第1の遊技状態と異なる第2の遊技状態(高確率モード)とを備え、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する通常入賞口(第1の入賞口51)と、
遊技球の入球に際して前記通常制御状態を前記第2の遊技状態に設定する特定入賞口(第2の入賞口52A)と、
前記通常入賞口に遊技球を入球させるとともに、前記特定入賞口に遊技球を入球させない第1の入球可能状態と、前記特定入賞口に遊技球を入球させるとともに、前記通常入賞口に遊技球を入球させない第2の入球可能状態と、前記通常入賞口および前記特定入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B1によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する通常入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、通常制御状態を第2の遊技状態に設定する特定入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、通常入賞口および特定入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、通常制御状態を第2の遊技状態に設定することができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B2.
本発明群の特徴B1に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替えるか否かを決定する入球状態決定部(大入賞口開放処理)と、
前記特定制御状態にて前記特定入賞口に遊技球が入球しなかった場合に前記通常制御状態を前記第1の遊技状態に設定し、前記特定入賞口に遊技球が入球した場合に前記通常制御状態を前記第2の遊技状態に設定する遊技状態設定部(開閉実行モード終了時の移行処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B2によれば、遊技状態移行手段は、始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えるか否かを決定する入球状態決定部を備えているので、遊技者は、入球状態決定部の決定結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴B3.
本発明群の特徴B1または特徴B2に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、前記特定入賞口への遊技球の入球を契機として前記第2の入球可能状態を前記第1の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B3によれば、入球状態切替手段は、特定入賞口への遊技球の入球を契機として第2の入球可能状態を第1の入球可能状態に切り替えるので、遊技者は、特定入賞口に遊技球を入球させた後、通常入賞口に遊技球を入球させることができる。そして、通常入賞口は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行することができる。したがって、遊技機は、遊技者に快適に遊技をさせることができる。
特徴B4.
本発明群の特徴B1から特徴B3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記通常入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記特定入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(第1のブリッジ512)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(第2のブリッジ522)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のブリッジを介して前記通常入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のブリッジを介して前記特定入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B4によれば、第1のブリッジは、通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して通常入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して特定入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、通常入賞口および特定入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、通常入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、特定入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、通常入賞口または特定入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴B5.
本発明群の特徴B4に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジは、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B5によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、交差するようにして設けられているので、交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴B6.
本発明群の特徴B1から特徴B3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記通常入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記特定入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記通常入賞口および前記特定入賞口の間に設けられたブリッジ(移動ブリッジ本体551)と、
前記ブリッジを水平方向に沿って移動させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部553)とを備え、
前記ブリッジは、
前記通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面(第1の案内面551a)と、
前記特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面(第2の案内面551b)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記通常入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第1の案内面を介して前記通常入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記特定入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第2の案内面を介して前記特定入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記通常入賞口および前記特定入賞口の中央に前記ブリッジを移動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B6によれば、第1の案内面は、通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、通常入賞口側にブリッジを移動させることによって、第1の案内面を介して通常入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の案内面は、特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、特定入賞口側にブリッジを移動させることによって、第2の案内面を介して特定入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、通常入賞口および特定入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、通常入賞口および特定入賞口の中央にブリッジを移動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、通常入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、特定入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、通常入賞口または特定入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴B7.
本発明群の特徴B6に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導く第1のガイド板(第1のガイド板554)と、
前記第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導く第2のガイド板(第2のガイド板555)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のガイド板および前記第1の案内面を介して前記通常入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のガイド板および前記第2の案内面を介して前記特定入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のガイド板および前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B7によれば、第1のガイド板は、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導くので、ブリッジ駆動部は、第1のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第1のガイド板および第1の案内面を介して通常入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のガイド板は、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導くので、ブリッジ駆動部は、第2のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第2のガイド板および第2の案内面を介して特定入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、通常入賞口および特定入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のガイド板および第2のガイド板を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、入球状態切替手段は、第1の入球可能状態において、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1のガイド板を介して第1の案内面に導くことができ、第2の入球可能状態において、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2のガイド板を介して第2の案内面に導くことができる。
特徴B8.
本発明群の特徴B1から特徴B3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記通常入賞口と、
前記通常入賞口の鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記特定入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(上方ブリッジ571)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(下方ブリッジ572)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部573)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のブリッジを介して前記通常入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のブリッジを介して前記特定入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B8によれば、第1のブリッジは、通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して通常入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して特定入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、通常入賞口および特定入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
特徴B9.
本発明群の特徴B1から特徴B3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記通常入賞口と、
前記通常入賞口の鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記特定入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記通常入賞口および前記特定入賞口の水平方向一方側に設けられた昇降ブリッジ(昇降ブリッジ56)と、
前記昇降ブリッジを昇降させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部563)とを備え、
前記昇降ブリッジは、
前記通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記通常入賞口に遊技球を導く第1の昇降状態と、
前記特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記特定入賞口に遊技球を導く第2の昇降状態と、
前記通常入賞口および前記特定入賞口に遊技球を導かない第3の昇降状態とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記昇降ブリッジを前記第1の昇降状態に設定することによって、前記昇降ブリッジを介して前記通常入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記昇降ブリッジを前記第2の昇降状態に設定することによって、前記昇降ブリッジを介して前記特定入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記昇降ブリッジを前記第3の昇降状態に設定することによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B9によれば、昇降ブリッジは、第1の昇降状態では、通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して通常入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第1の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジを介して通常入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。昇降ブリッジは、第2の昇降状態では、特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して特定入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第2の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジを介して特定入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、昇降ブリッジは、第3の昇降状態では、通常入賞口および特定入賞口に遊技球を導かないので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第3の昇降状態に設定することによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
特徴B10.
本発明群の特徴B1から特徴B3のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記通常入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記特定入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記通常入賞口および前記特定入賞口の間に設けられたブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを回動させるブリッジ駆動部(回動駆動部543)とを備え、
前記ブリッジは、
前記通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記通常入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記特定入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記通常入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記特定入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B10によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して通常入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して通常入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して特定入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して特定入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、通常入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、特定入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、通常入賞口または特定入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴B11.
本発明群の特徴B10に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられた前記ブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを前記遊技盤に対して突没させるとともに、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを回動させる前記ブリッジ駆動部(回動駆動部543および進退駆動部544)とを備え、
前記ブリッジは、
前記遊技盤に対して突出した後、前記通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記通常入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記遊技盤に対して突出した後、前記特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記特定入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記通常入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記特定入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B11によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、通常入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して通常入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して通常入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、特定入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して特定入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して特定入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、通常入賞口および特定入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、入球不能状態に切り替えた場合に遊技球の流路を阻害しないようにすることができる。
特徴B12.
本発明群の特徴B10に記載された遊技機において、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記通常入賞口および前記特定入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴B12によれば、ブリッジ駆動部は、ブリッジを通常入賞口および特定入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、新たな構造を追加することなくブリッジを入球不能状態に切り替えることができる。
このような本発明の特徴B群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、可変入賞装置は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する単調な機能を有しているので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴C群>
特徴C1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および第1の入賞口51B)と、前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5B)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する大入賞口(第2の入賞口52B)を備え、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)と、
前記第1始動入球部と異なる第2始動入球部(第1の入賞口51B)とを備え、
前記遊技機は、
前記第2始動入球部に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、前記大入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、前記第2始動入球部および前記大入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記第2始動入球部を開放状態に設定する場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第2始動入球部を閉鎖状態に設定する場合、および前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C1によれば、遊技機は、入球状態切替手段を備えているので、第2始動入球部を開放状態に設定する場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する第2始動入球部に遊技球を入球させることができる。また、遊技機は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する大入賞口に遊技球を入球させることができる。また、遊技機は、第2始動入球部を閉鎖状態に設定する場合、および特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第2始動入球部および大入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、遊技球を異なる入賞口に導くことができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴C2.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記遊技機は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記第2始動入球部と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記大入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(第1のブリッジ512B)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(第2のブリッジ522B)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(第1のブリッジ駆動部514Bおよび第2のブリッジ駆動部524B)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第1のブリッジを介して前記第2始動入球部に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第2のブリッジを介して前記大入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C2によれば、第1のブリッジは、第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して第2始動入球部に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して大入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第2始動入球部および大入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、第2始動入球部は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、大入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第2始動入球部または大入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴C3.
本発明群の特徴C2に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジは、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C3によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、交差するようにして設けられているので交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴C4.
本発明群の特徴C3に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジの水平方向の長さは、前記第2のブリッジの水平方向の長さよりも短いことを特徴とする遊技機。
ここで、一般的には、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する第2始動入球部の開放時間は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する大入賞口の開放時間よりも短くなっている。
本発明群の特徴C4によれば、第1のブリッジの水平方向の長さは、第2のブリッジの水平方向の長さよりも短いので、第2始動入球部の開放時間を大入賞口の開放時間よりも短く設定した場合であっても第2始動入球部に遊技球を入球させやすくすることができる。
特徴C5.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記遊技機は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記第2始動入球部と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記大入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記第2始動入球部および前記大入賞口の間に設けられたブリッジ(移動ブリッジ本体551)と、
前記ブリッジを水平方向に沿って移動させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部553)とを備え、
前記ブリッジは、
前記第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面(第1の案内面551a)と、
前記大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面(第2の案内面551b)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第2始動入球部側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第1の案内面を介して前記第2始動入球部に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記大入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第2の案内面を介して前記大入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第2始動入球部および前記大入賞口の中央に前記ブリッジを移動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C5によれば、第1の案内面は、第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2始動入球部側にブリッジを移動させることによって、第1の案内面を介して第2始動入球部に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の案内面は、大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、大入賞口側にブリッジを移動させることによって、第2の案内面を介して大入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第2始動入球部および大入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第2始動入球部および大入賞口の中央にブリッジを移動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、第2始動入球部は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、大入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第2始動入球部または大入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴C6.
本発明群の特徴C5に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導く第1のガイド板(第1のガイド板554)と、
前記第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導く第2のガイド板(第2のガイド板555)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のガイド板および前記第1の案内面を介して前記第2始動入球部に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のガイド板および前記第2の案内面を介して前記大入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のガイド板および前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C6によれば、第1のガイド板は、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導くので、ブリッジ駆動部は、第1のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第1のガイド板および第1の案内面を介して第2始動入球部に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のガイド板は、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導くので、ブリッジ駆動部は、第2のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第2のガイド板および第2の案内面を介して大入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第2始動入球部および大入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のガイド板および第2のガイド板を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、入球状態切替手段は、第1の入球可能状態において、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1のガイド板を介して第1の案内面に導くことができ、第2の入球可能状態において、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2のガイド板を介して第2の案内面に導くことができる。
特徴C7.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記遊技機は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記第2始動入球部と、
前記第2始動入球部の鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記大入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(上方ブリッジ571)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(下方ブリッジ572)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部573)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第1のブリッジを介して前記第2始動入球部に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第2のブリッジを介して前記大入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C7によれば、第1のブリッジは、第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して第2始動入球部に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して大入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第2始動入球部および大入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
特徴C8.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記遊技機は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記第2始動入球部と、
前記第2始動入球部の鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記大入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記第2始動入球部および前記大入賞口の水平方向一方側に設けられた昇降ブリッジ(昇降ブリッジ56)と、
前記昇降ブリッジを昇降させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部563)とを備え、
前記昇降ブリッジは、
前記第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2始動入球部に遊技球を導く第1の昇降状態と、
前記大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記大入賞口に遊技球を導く第2の昇降状態と、
前記第2始動入球部および前記大入賞口に遊技球を導かない第3の昇降状態とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記昇降ブリッジを前記第1の昇降状態に設定することによって、前記昇降ブリッジを介して前記第2始動入球部に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記昇降ブリッジを前記第2の昇降状態に設定することによって、前記昇降ブリッジを介して前記大入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記昇降ブリッジを前記第3の昇降状態に設定することによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C8によれば、昇降ブリッジは、第1の昇降状態では、第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2始動入球部に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第1の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジを介して第2始動入球部に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。昇降ブリッジは、第2の昇降状態では、大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して大入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第2の昇降状態に設定することによって、昇降ブリッジを介して大入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、昇降ブリッジは、第3の昇降状態では、第2始動入球部および大入賞口に遊技球を導かないので、ブリッジ駆動部は、昇降ブリッジを第3の昇降状態に設定することによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
特徴C9.
本発明群の特徴C1に記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記第2始動入球部と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記大入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記第2始動入球部および前記大入賞口の間に設けられたブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを回動させるブリッジ駆動部(回動駆動部543)とを備え、
前記ブリッジは、
前記第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2始動入球部に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記大入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記第2始動入球部に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記大入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C9によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2始動入球部に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して第2始動入球部に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して大入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して大入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、第2始動入球部は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、大入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第2始動入球部または大入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴C10.
本発明群の特徴C9に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられた前記ブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを前記遊技盤に対して突没させるとともに、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを回動させる前記ブリッジ駆動部(回動駆動部543および進退駆動部544)とを備え、
前記ブリッジは、
前記遊技盤に対して突出した後、前記第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2始動入球部に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記遊技盤に対して突出した後、前記大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記大入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記第2始動入球部に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記大入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C10によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、第2始動入球部側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2始動入球部に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して第2始動入球部に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、大入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して大入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して大入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第2始動入球部および大入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、入球不能状態に切り替えた場合に遊技球の流路を阻害しないようにすることができる。
特徴C11.
本発明群の特徴C9に記載された遊技機において、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記第2始動入球部および前記大入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴C11によれば、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2始動入球部および大入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、新たな構造を追加することなくブリッジを入球不能状態に切り替えることができる。
このような本発明の特徴C群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、可変入賞装置は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する単調な機能を有しているので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまう場合があるという問題がある。
<特徴D群>
特徴D1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5C)とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口(第1の入賞口51)と、
遊技球の入球に際して前記少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口(第2の入賞口52)と、
前記少賞球入賞口に遊技球を入球させるとともに、前記多賞球入賞口に遊技球を入球させない第1の入球可能状態と、前記多賞球入賞口に遊技球を入球させるとともに、前記少賞球入賞口に遊技球を入球させない第2の入球可能状態と、前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態と、遊技球を保留する保留状態とを切り替える入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記保留状態に切り替えた後、前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D1によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第2の入球可能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者は、入球状態切替手段にて保留した遊技球の行方に注目することになり、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D2.
本発明群の特徴D1に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えた後、再び前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えるまでを1回の前記特定制御状態の遊技(ラウンド遊技)とし、前記特定制御状態に移行した場合には、前記特定制御状態の遊技を実行するごとに前記入球状態切替手段にて前記保留状態に切り替えた後、前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D2によれば、遊技状態移行手段は、特定制御状態に移行した場合には、特定制御状態の遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えるので、遊技者は、特定制御状態の遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留した遊技球の行方に注目することになり、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D3.
本発明群の特徴D2に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する入球可能状態選択部(ラウンド賞球決定処理)と、
前記入球可能状態選択部にて前記第1の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態に切り替え、前記入球可能状態選択部にて前記第2の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部(ブリッジ回動処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D3によれば、遊技状態移行手段は、入球可能状態選択部にて第1の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、入球可能状態選択部にて第2の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部を備えているので、遊技者は、入球可能状態選択部の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D4.
本発明群の特徴D3に記載された遊技機において、
前記入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D4によれば、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、入球可能状態選択部の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴D5.
本発明群の特徴D1から特徴D4のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記少賞球入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記多賞球入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(第1のブリッジ512)と、
前記第1のブリッジと交差するようにして前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(第2のブリッジ522)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のブリッジを介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のブリッジを介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させることによって、前記保留状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D5によれば、第1のブリッジは、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、少賞球入賞口および多賞球入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。そして、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、交差するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、保留状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、少賞球入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、多賞球入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、少賞球入賞口または多賞球入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴D6.
本発明群の特徴D1から特徴D4のいずれかに記載された遊技機において、
前記可変入賞装置は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた前記少賞球入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた前記多賞球入賞口とを備え、
前記入球状態切替手段は、
前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口の間に設けられたブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを回動させるブリッジ駆動部(回動駆動部543)とを備え、
前記ブリッジは、
前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記少賞球入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記多賞球入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)と、
前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口に遊技球を導くことなく保留する水平状態とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記水平状態に設定することによって、前記保留状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D6によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して少賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して多賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。そして、ブリッジは、水平状態では、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を導くことなく保留するので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを水平状態に設定することによって、遊技球を保留する保留状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
また、少賞球入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、多賞球入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、少賞球入賞口または多賞球入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴D7.
本発明群の特徴D6に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられた前記ブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを前記遊技盤に対して突没させるとともに、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを回動させる前記ブリッジ駆動部(回動駆動部543および進退駆動部544)とを備え、
前記ブリッジは、
前記遊技盤に対して突出した後、前記少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記少賞球入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記遊技盤に対して突出した後、前記多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記多賞球入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)と、
前記遊技盤に対して突出した後、前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口に遊技球を導くことなく保留する水平状態とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記少賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記多賞球入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記水平状態に設定することによって、前記保留状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D7によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、少賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して少賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して少賞球入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、多賞球入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して多賞球入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して多賞球入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、少賞球入賞口および多賞球入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。そして、ブリッジは、水平状態では、遊技盤に対して突出した後、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を導くことなく保留するので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを水平状態に設定することによって、遊技球を保留する保留状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、入球不能状態に切り替えた場合に遊技球の流路を阻害しないようにすることができる。
特徴D8.
本発明群の特徴D6に記載された遊技機において、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記少賞球入賞口および前記多賞球入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴D8によれば、ブリッジ駆動部は、ブリッジを少賞球入賞口および多賞球入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、新たな構造を追加することなくブリッジを入球不能状態に切り替えることができる。
このような本発明の特徴D群によれば、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、可変入賞装置は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行するので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴E群>
特徴E1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた第1の入賞口(第1の入賞口51,51B)と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた第2の入賞口(第2の入賞口52,52B)とを備え、
前記遊技機は、
前記第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備え、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(第1のブリッジ512,512B)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(第2のブリッジ522,522B)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(第1のブリッジ駆動部514,514Bおよび第2のブリッジ駆動部524,524B)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第1のブリッジを介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第2のブリッジを介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E1によれば、第1のブリッジは、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、第1の入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口または第2の入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴E2.
本発明群の特徴E1に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジは、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E2によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、交差するようにして設けられているので交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴E3.
本発明群の特徴E2に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジは、突没方向に沿って形成されたスリットを有し、前記第1のブリッジのスリット(スリット5124)と、前記第2のブリッジのスリット(スリット5224)とを第1のブリッジおよび第2のブリッジの突没方向に沿って噛み合わせることによって、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E3によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、第1のブリッジのスリットと、第2のブリッジのスリットとを第1のブリッジおよび第2のブリッジの突没方向に沿って噛み合わせることによって、交差するようにして設けられているので、第1のブリッジおよび第2のブリッジの構成を簡素にすることができる。
特徴E4.
本発明群の特徴E2に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジは、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジのいずれか一方を水平方向一方側に位置する一方側ブリッジ片(一方側ブリッジ片5221K)と、水平方向他方側に位置する他方側ブリッジ片(他方側ブリッジ片5222K)とに分割することによって、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E4によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、第1のブリッジおよび第2のブリッジのいずれか一方を分割することによって、交差するようにして設けられているので、第1のブリッジおよび第2のブリッジの構成を簡素にすることができる。
特徴E5.
本発明群の特徴E1から特徴E4のいずれかに記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジの前記遊技盤からの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E5によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジの遊技盤からの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、遊技盤に対して素早く没入させることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジまたは第2のブリッジを遊技盤に対して没入させた直後に、第1のブリッジまたは第2のブリッジにて第1の入賞口または第2の入賞口に導いていた遊技球を第1の入賞口または第2の入賞口に入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
特徴E6.
本発明群の特徴E1から特徴E4のいずれかに記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジの少なくともいずれか一方は、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジの突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部(落下防止部5125,5225)を備えることを特徴とする。
本発明群の特徴E6によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジの少なくともいずれか一方は、第1のブリッジおよび第2のブリッジの突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えているので、第1の入賞口および第2の入賞口の少なくともいずれか一方に確実に遊技球を入球させることができる。
特徴E7.
本発明群の特徴E1から特徴E6のいずれかに記載された遊技機において、
水平方向一方側に開口するようにして設けられたカバー(カバー511,511B)を有する前記第1の入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられたカバー(カバー521,521B)を有する前記第2の入賞口とを備え、
前記カバーの上面部は、前記カバーの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴E7によれば、カバーの上面部は、カバーの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバーの上面部をカバーの下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口または第2の入賞口に誤って入賞しにくくなる。
このような本発明の特徴E群によれば、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、始動入球手段や、可変入賞装置への遊技球の入球は、鉛直上方側から鉛直下方側に向かって一定の経路を辿ることになり、遊技球の動きは単調になってしまうので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴F群>
特徴F1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた第1の入賞口(第1の入賞口51D)と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた第2の入賞口(第2の入賞口52D)とを備え、
前記遊技機は、
前記第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備え、
前記入球状態切替手段は、
前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の間に設けられたブリッジ(移動ブリッジ本体551,551E)と、
前記ブリッジを水平方向に沿って移動させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部553)とを備え、
前記ブリッジは、
前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面(第1の案内面551a)と、
前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面(第2の案内面551b)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1の入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第1の案内面を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2の入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第2の案内面を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の中央に前記ブリッジを移動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F1によれば、第1の案内面は、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1の入賞口側にブリッジを移動させることによって、第1の案内面を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の案内面は、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2の入賞口側にブリッジを移動させることによって、第2の案内面を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1の入賞口および第2の入賞口の中央にブリッジを移動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、第1の入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口または第2の入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴F2.
本発明群の特徴F1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第2の案内面に向かって落下する遊技球を前記第1の案内面に導く第1のガイド板(第1のガイド板554)と、
前記第1の案内面に向かって落下する遊技球を前記第2の案内面に導く第2のガイド板(第2のガイド板555)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のガイド板および前記第1の案内面を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のガイド板および前記第2の案内面を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のガイド板および前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F2によれば、第1のガイド板は、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導くので、ブリッジ駆動部は、第1のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第1のガイド板および第1の案内面を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のガイド板は、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導くので、ブリッジ駆動部は、第2のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第2のガイド板および第2の案内面を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のガイド板および第2のガイド板を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、入球状態切替手段は、第1の入球可能状態において、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1のガイド板を介して第1の案内面に導くことができ、第2の入球可能状態において、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2のガイド板を介して第2の案内面に導くことができる。
特徴F3.
本発明群の特徴F2に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、前記第1の入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させ、前記第2の入賞口側に前記ブリッジを移動させることによって、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して没入させるリンク機構(リンク機構556)を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F3によれば、入球状態切替手段は、ブリッジを移動させることによって、第1のガイド板および第2のガイド板を連動して突没させるリンク機構を備えているので、モータやアクチュエータなどの動力源を不要とすることができる。
特徴F4.
本発明群の特徴F1から特徴F3のいずれかに記載された遊技機において、
水平方向一方側に開口するようにして設けられたカバー(カバー511)を有する前記第1の入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられたカバー(カバー521)を有する前記第2の入賞口とを備え、
前記カバーの上面部は、前記カバーの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴F4によれば、カバーの上面部は、カバーの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバーの上面部をカバーの下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口または第2の入賞口に誤って入賞しにくくなる。
このような本発明の特徴F群によれば、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、始動入球手段や、可変入賞装置への遊技球の入球は、鉛直上方側から鉛直下方側に向かって一定の経路を辿ることになり、遊技球の動きは単調になってしまうので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴G群>
特徴G1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた第1の入賞口(第1の入賞口51F,51G)と、
前記第1の入賞口の鉛直方向下方側に設けられるとともに、水平方向一方側に開口するようにして設けられた第2の入賞口(第2の入賞口52F,52G)とを備え、
前記遊技機は、
前記第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴G1によれば、遊技機は、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、第1の入賞口および第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備えているので、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられている。第2の入賞口は、第1の入賞口の鉛直方向下方側に設けられている。したがって、第1の入賞口および第2の入賞口に入球すべく流下する遊技球の方向は同一方向となるので、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えた場合に、第1の入賞口および第2の入賞口のどちらに遊技球が入球するかを遊技者に分かりにくくすることができる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴G2.
本発明群の特徴G1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1のブリッジ(上方ブリッジ571)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2のブリッジ(下方ブリッジ572)と、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突没させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部573)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のブリッジを介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のブリッジを介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴G2によれば、第1のブリッジは、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第1のブリッジを介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のブリッジは、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、ブリッジ駆動部は、第2のブリッジを遊技盤に対して突出させることによって、第2のブリッジを介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジおよび第2のブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
特徴G3.
本発明群の特徴G2に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジの前記遊技盤からの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴G3によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジの遊技盤からの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、第1のブリッジおよび第2のブリッジは、遊技盤に対して素早く没入させることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、第1のブリッジまたは第2のブリッジを遊技盤に対して没入させた直後に、第1のブリッジまたは第2のブリッジにて第1の入賞口または第2の入賞口に導いていた遊技球を第1の入賞口または第2の入賞口に入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
特徴G4.
本発明群の特徴G2または特徴G3に記載された遊技機において、
前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジの少なくともいずれか一方は、前記第1のブリッジおよび前記第2のブリッジの突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えることを特徴とする。
本発明群の特徴G4によれば、第1のブリッジおよび第2のブリッジの少なくともいずれか一方は、第1のブリッジおよび第2のブリッジの突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えているので、第1の入賞口および第2の入賞口の少なくともいずれか一方に確実に遊技球を入球させることができる。
特徴G5.
本発明群の特徴G1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の水平方向一方側に設けられたブリッジ(昇降ブリッジ56)と、
前記ブリッジを昇降させるブリッジ駆動部(ブリッジ駆動部563)とを備え、
前記ブリッジは、
前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の昇降状態と、
前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の昇降状態と、
前記第1の入賞口および前記第2の入賞口に遊技球を導かない第3の昇降状態とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記第1の昇降状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記第2の昇降状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記第3の昇降状態に設定することによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴G5によれば、ブリッジは、第1の昇降状態では、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の昇降状態に設定することによって、ブリッジを介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の昇降状態では、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の昇降状態に設定することによって、ブリッジを介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、ブリッジは、第3の昇降状態では、第1の入賞口および第2の入賞口に遊技球を導かないので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第3の昇降状態に設定することによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の構成を簡素にすることができる。
このような本発明の特徴G群によれば、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、始動入球手段や、可変入賞装置への遊技球の入球は、鉛直上方側から鉛直下方側に向かって一定の経路を辿ることになり、遊技球の動きは単調になってしまうので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴H群>
特徴H1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた第1の入賞口(第1の入賞口51)と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた第2の入賞口(第2の入賞口52)とを備え、
前記遊技機は、
前記第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備え、
前記入球状態切替手段は、
前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の間に設けられたブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを回動させるブリッジ駆動部(回動駆動部543)とを備え、
前記ブリッジは、
前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴H1によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、第1の入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口または第2の入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴H2.
本発明群の特徴H1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられた前記ブリッジ(回動ブリッジ541)と、
前記ブリッジを前記遊技盤に対して突没させるとともに、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを回動させる前記ブリッジ駆動部(回動駆動部543および進退駆動部544)とを備え、
前記ブリッジは、
前記遊技盤に対して突出した後、前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記遊技盤に対して突出した後、前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第1の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して突出させた後、前記ブリッジを前記第2の回動状態に設定することによって、前記ブリッジを介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記ブリッジを前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴H2によれば、ブリッジは、第1の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。ブリッジは、第2の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口に遊技球を導くので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第2の回動状態に設定することによって、ブリッジを介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、入球不能状態に切り替えた場合に遊技球の流路を阻害しないようにすることができる。
特徴H3.
本発明群の特徴H1に記載された遊技機において、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴H3によれば、ブリッジ駆動部は、ブリッジを第1の入賞口および第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、新たな構造を追加することなくブリッジを入球不能状態に切り替えることができる。
特徴H4.
本発明群の特徴H1から特徴H3のいずれかに記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、前記第1の入球可能状態と、前記第2の入球可能状態と、前記入球不能状態と、遊技球を保留する保留状態とを切り替え、
前記ブリッジは、
前記第1の入賞口および前記第2の入賞口に遊技球を導くことなく保留する水平状態を備え、
前記ブリッジ駆動部は、前記ブリッジを前記水平状態に設定することによって、前記保留状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴H4によれば、ブリッジは、水平状態では、第1の入賞口および第2の入賞口に遊技球を導くことなく保留するので、ブリッジ駆動部は、ブリッジを水平状態に設定することによって、遊技球を保留する保留状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段の機能を多様化することができる。
特徴H5.
本発明群の特徴H1から特徴H4のいずれかに記載された遊技機において、
前記ブリッジの前記遊技盤からの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴H5によれば、ブリッジの遊技盤からの突出幅は、遊技球の直径よりも狭くなるように設定されているので、遊技球の直径と同じ幅に設定されている場合と比較して、ブリッジは、遊技盤に対して素早く没入させることができる。したがって、ブリッジ駆動部は、ブリッジを遊技盤に対して没入させた直後に、ブリッジにて第1の入賞口または第2の入賞口に導いていた遊技球を第1の入賞口または第2の入賞口に入賞させてしまうオーバー入賞を抑制することができる。
特徴H6.
本発明群の特徴H1から特徴H5のいずれかに記載された遊技機において、
前記ブリッジは、前記ブリッジの突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えることを特徴とする。
本発明群の特徴H6によれば、ブリッジは、ブリッジの突出方向側への遊技球の落下を防止する落下防止部を備えているので、第1の入賞口または第2の入賞口に確実に遊技球を入球させることができる。
特徴H7.
本発明群の特徴H1から特徴H6のいずれかに記載された遊技機において、
水平方向一方側に開口するようにして設けられたカバー(カバー511)を有する前記第1の入賞口と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられたカバー(カバー521)を有する前記第2の入賞口とを備え、
前記カバーの上面部は、前記カバーの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっていることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴H7によれば、カバーの上面部は、カバーの下面部よりも開口方向側に突出した形状となっているので、カバーの上面部をカバーの下面部よりも開口方向側に突出しない形状とした場合と比較して、遊技球は、第1の入賞口または第2の入賞口に誤って入賞しにくくなる。
このような本発明の特徴H群によれば、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、始動入球手段や、可変入賞装置への遊技球の入球は、鉛直上方側から鉛直下方側に向かって一定の経路を辿ることになり、遊技球の動きは単調になってしまうので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴I群>
特徴I1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた第1の入賞口(第1の入賞口51,51B,51D)と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた第2の入賞口(第2の入賞口52,52A,52B,52D)とを備え、
前記遊技機は、
前記第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替え、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の間に設けられた入球状態切替手段を備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I1によれば、遊技機は、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、第1の入賞口および第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備えるので、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、第1の入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口または第2の入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴I2.
本発明群の特徴I1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の誘導体(第1のブリッジ512,512B)と、
前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の誘導体(第2のブリッジ522,522B)と、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を独立して駆動する誘導体駆動部(第1のブリッジ駆動部514,514Bおよび第2のブリッジ駆動部524,524B)とを備え、
前記誘導体駆動部は、前記第1の誘導体を駆動することによって、前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2の誘導体を駆動することによって、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I2によれば、誘導体駆動部は、第1の誘導体を駆動することによって、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、第2の誘導体を駆動することによって、第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴I3.
本発明群の特徴I2に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する前記第1の誘導体(第1のブリッジ512,512B)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する前記第2の誘導体(第2のブリッジ522,522B)と、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して突没させる前記誘導体駆動部(第1のブリッジ駆動部514,514Bおよび第2のブリッジ駆動部524,524B)とを備え、
前記誘導体駆動部は、前記第1の誘導体を前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第1の誘導体を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第2の誘導体を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I3によれば、第1の誘導体は、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、誘導体駆動部は、第1の誘導体を遊技盤に対して突出させることによって、第1の誘導体を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の誘導体は、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、誘導体駆動部は、第2の誘導体を遊技盤に対して突出させることによって、第2の誘導体を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、誘導体駆動部は、第1の誘導体および第2の誘導体を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴I4.
本発明群の特徴I3に記載された遊技機において、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体は、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I4によれば、第1の誘導体および第2の誘導体は、交差するようにして設けられているので交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴I5.
本発明群の特徴I1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれかに遊技球を導く切替誘導体(移動ブリッジ本体551および回動ブリッジ541)と、
前記切替誘導体を駆動する切替誘導体駆動部(ブリッジ駆動部553、回動駆動部543、および進退駆動部544)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記切替誘導体を駆動することによって、前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態、または前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I5によれば、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を駆動することによって、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態、または第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴I6.
本発明群の特徴I5に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記切替誘導体(移動ブリッジ本体551)を水平方向に沿って移動させる前記切替誘導体駆動部(ブリッジ駆動部553)を備え、
前記切替誘導体は、
前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面(第1の案内面551a)と、
前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面(第2の案内面551b)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記第1の入賞口側に前記切替誘導体を移動させることによって、前記第1の案内面を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2の入賞口側に前記切替誘導体を移動させることによって、前記第2の案内面を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の中央に前記切替誘導体を移動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I6によれば、第1の案内面は、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、切替誘導体駆動部は、第1の入賞口側に切替誘導体を移動させることによって、第1の案内面を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の案内面は、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、切替誘導体駆動部は、第2の入賞口側に切替誘導体を移動させることによって、第2の案内面を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、切替誘導体駆動部は、第1の入賞口および第2の入賞口の中央に切替誘導体を移動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴I7.
本発明群の特徴I6に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第2の案内面に向かって落下する遊技球を前記第1の案内面に導く第1のガイド板(第1のガイド板554)と、
前記第1の案内面に向かって落下する遊技球を前記第2の案内面に導く第2のガイド板(第2のガイド板555)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のガイド板および前記第1の案内面を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のガイド板および前記第2の案内面を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のガイド板および前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I7によれば、第1のガイド板は、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導くので、切替誘導体駆動部は、第1のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第1のガイド板および第1の案内面を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のガイド板は、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導くので、切替誘導体駆動部は、第2のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第2のガイド板および第2の案内面を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、切替誘導体駆動部は、第1のガイド板および第2のガイド板を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、入球状態切替手段は、第1の入球可能状態において、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1のガイド板を介して第1の案内面に導くことができ、第2の入球可能状態において、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2のガイド板を介して第2の案内面に導くことができる。
特徴I8.
本発明群の特徴I5に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記切替誘導体(回動ブリッジ541)を回動させる切替誘導体駆動部(回動駆動部543)を備え、
前記切替誘導体は、
前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記切替誘導体を前記第1の回動状態に設定することによって、前記切替誘導体を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記切替誘導体を前記第2の回動状態に設定することによって、前記切替誘導体を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I8によれば、切替誘導体は、第1の回動状態では、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口に遊技球を導くので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第1の回動状態に設定することによって、切替誘導体を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。切替誘導体は、第2の回動状態では、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口に遊技球を導くので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第2の回動状態に設定することによって、切替誘導体を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴I9.
本発明群の特徴I8に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられた前記切替誘導体(回動ブリッジ541)と、
前記切替誘導体を前記遊技盤に対して突没させるとともに、前記切替誘導体を前記遊技盤に対して突出させた後、前記切替誘導体を回動させる前記切替誘導体駆動部(回動駆動部543および進退駆動部544)とを備え、
前記切替誘導体は、
前記遊技盤に対して突出した後、前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記遊技盤に対して突出した後、前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記切替誘導体を前記遊技盤に対して突出させた後、前記切替誘導体を前記第1の回動状態に設定することによって、前記切替誘導体を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記切替誘導体を前記遊技盤に対して突出させた後、前記切替誘導体を前記第2の回動状態に設定することによって、前記切替誘導体を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記切替誘導体を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I9によれば、切替誘導体は、第1の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口に遊技球を導くので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第1の回動状態に設定することによって、切替誘導体を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。切替誘導体は、第2の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口に遊技球を導くので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第2の回動状態に設定することによって、切替誘導体を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、切替誘導体駆動部は、入球不能状態に切り替えた場合に遊技球の流路を阻害しないようにすることができる。
特徴I10.
本発明群の特徴I8に記載された遊技機において、
前記切替誘導体駆動部は、前記切替誘導体を前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴I10によれば、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第1の入賞口および第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、切替誘導体駆動部は、新たな構造を追加することなく切替誘導体を入球不能状態に切り替えることができる。
このような本発明の特徴I群によれば、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、始動入球手段や、可変入賞装置への遊技球の入球は、鉛直上方側から鉛直下方側に向かって一定の経路を辿ることになり、遊技球の動きは単調になってしまうので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴J群>
特徴J1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた第1の入賞口(第1の入賞口51)と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた第2の入賞口(第2の入賞口52,52A)とを備え、
前記遊技機は、
前記第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替え、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の間に設けられた入球状態切替手段を備え、
前記入球状態切替手段は、
前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の誘導体(第1のブリッジ512)と、
前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の誘導体(第2のブリッジ522)と、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を独立して駆動することによって、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体の有効または無効を設定する誘導体駆動部(第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524)とを備え、
前記誘導体駆動部は、前記第1の誘導体を有効に設定し、前記第2の誘導体を無効に設定することによって、前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2の誘導体を有効に設定し、前記第1の誘導体を無効に設定することによって、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を無効に設定することによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J1によれば、遊技機は、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、第1の入賞口および第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備えるので、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、誘導体駆動部は、第1の誘導体を有効に設定し、第2の誘導体を無効に設定することによって、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、第2の誘導体を有効に設定し、第1の誘導体を無効に設定することによって、第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替え、第1の誘導体および第2の誘導体を無効に設定することによって、入球不能状態に切り替えることができる。換言すれば、誘導体駆動部は、第1の誘導体および第2の誘導体の有効・無効を切り替えることによって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替え、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、第1の誘導体および第2の誘導体を共に有効に設定し得ない。
さらに、第1の入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口または第2の入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴J2.
本発明群の特徴J1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する前記第1の誘導体(第1のブリッジ512)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する前記第2の誘導体(第2のブリッジ522)と、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して突没させる前記誘導体駆動部(第1のブリッジ駆動部514および第2のブリッジ駆動部524)とを備え、
前記誘導体駆動部は、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を有効に設定し、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を無効に設定することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J2によれば、第1の誘導体は、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、誘導体駆動部は、第1の誘導体を遊技盤に対して突出させることによって、第1の誘導体を有効に設定し、第1の誘導体を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の誘導体は、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、誘導体駆動部は、第2の誘導体を遊技盤に対して突出させることによって、第2の誘導体を有効に設定し、第2の誘導体を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、誘導体駆動部は、第1の誘導体および第2の誘導体を遊技盤に対して没入させることによって、第1の誘導体および第2の誘導体を無効に設定し、入球不能状態に切り替えることができる。
特徴J3.
本発明群の特徴J2に記載された遊技機において、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体は、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J3によれば、第1の誘導体および第2の誘導体は、交差するようにして設けられているので交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴J4.
本発明群の特徴J1から特徴J3のいずれかに記載された遊技機において、
前記遊技機は、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、
前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5)とを備え、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する前記第1の入賞口としての少賞球入賞口(第1の入賞口51)と、
遊技球の入球に際して前記少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する前記第2の入賞口としての多賞球入賞口(第2の入賞口52)と、
前記入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J4によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴J5.
本発明群の特徴J4に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する入球可能状態選択部(賞球決定処理)と、
前記入球可能状態選択部にて前記第1の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態に切り替え、前記入球可能状態選択部にて前記第2の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部(大入賞口開放処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J5によれば、遊技状態移行手段は、入球可能状態選択部にて第1の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、入球可能状態選択部にて第2の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部を備えているので、遊技者は、入球可能状態選択部の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴J6.
本発明群の特徴J5に記載された遊技機において、
前記入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J6によれば、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、入球可能状態選択部の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴J7.
本発明群の特徴J1から特徴J3のいずれかに記載された遊技機において、
前記遊技機は、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に通常制御状態から遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、
前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5A)とを備え、
前記通常制御状態は、
第1の遊技状態(低確率モード)と、
前記第1の遊技状態と異なる第2の遊技状態(高確率モード)とを備え、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する前記第1の入賞口としての通常入賞口(第1の入賞口51)と、
遊技球の入球に際して前記通常制御状態を前記第2の遊技状態に設定する前記第2の入賞口としての特定入賞口(第2の入賞口52A)と、
前記入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J7によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する通常入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、通常制御状態を第2の遊技状態に設定する特定入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、通常入賞口および特定入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、通常制御状態を第2の遊技状態に設定することができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴J8.
本発明群の特徴J7に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替えるか否かを決定する入球状態決定部(大入賞口開放処理)と、
前記特定制御状態にて前記特定入賞口に遊技球が入球しなかった場合に前記通常制御状態を前記第1の遊技状態に設定し、前記特定入賞口に遊技球が入球した場合に前記通常制御状態を前記第2の遊技状態に設定する遊技状態設定部(開閉実行モード終了時の移行処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J8によれば、遊技状態移行手段は、始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えるか否かを決定する入球状態決定部を備えているので、遊技者は、入球状態決定部の決定結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴J9.
本発明群の特徴J7または特徴J8に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、前記特定入賞口への遊技球の入球を契機として前記第2の入球可能状態を前記第1の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴J9によれば、入球状態切替手段は、特定入賞口への遊技球の入球を契機として第2の入球可能状態を第1の入球可能状態に切り替えるので、遊技者は、特定入賞口に遊技球を入球させた後、通常入賞口に遊技球を入球させることができる。そして、通常入賞口は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行することができる。したがって、遊技機は、遊技者に快適に遊技をさせることができる。
このような本発明の特徴J群によれば、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、始動入球手段や、可変入賞装置への遊技球の入球は、鉛直上方側から鉛直下方側に向かって一定の経路を辿ることになり、遊技球の動きは単調になってしまうので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴K群>
特徴K1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた第1の入賞口(第1の入賞口51,51B)と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた第2の入賞口(第2の入賞口52,52B)とを備え、
前記遊技機は、
前記第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替え、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の間に設けられた入球状態切替手段を備え、
前記入球状態切替手段は、
前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の誘導体(第1のブリッジ512,512B)と、
前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の誘導体(第2のブリッジ522,522B)と、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を独立して駆動することによって、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体の有効または無効を設定する誘導体駆動部(第1のブリッジ駆動部514,514Bおよび第2のブリッジ駆動部524,524B)とを備え、
前記誘導体駆動部は、前記第1の誘導体を有効に設定することによって、前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2の誘導体を有効に設定することによって、前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を無効に設定することによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴K1によれば、遊技機は、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態と、第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態と、第1の入賞口および第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替える入球状態切替手段を備えるので、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、誘導体駆動部は、第1の誘導体を有効に設定することによって、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替え、第2の誘導体を有効に設定することによって、第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替え、第1の誘導体および第2の誘導体を無効に設定することによって、入球不能状態に切り替えることができる。換言すれば、誘導体駆動部は、第1の誘導体および第2の誘導体の有効・無効を切り替えることによって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替え、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、第1の誘導体および第2の誘導体を共に有効に設定し得る。
さらに、第1の入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口または第2の入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴K2.
本発明群の特徴K1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する前記第1の誘導体(第1のブリッジ512B)と、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられるとともに、前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する前記第2の誘導体(第2のブリッジ522B)と、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して突没させる前記誘導体駆動部(第1のブリッジ駆動部514Bおよび第2のブリッジ駆動部524B)とを備え、
前記誘導体駆動部は、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して突出させることによって、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を有効に設定し、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を無効に設定することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴K2によれば、第1の誘導体は、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、誘導体駆動部は、第1の誘導体を遊技盤に対して突出させることによって、第1の誘導体を有効に設定し、第1の誘導体を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の誘導体は、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、誘導体駆動部は、第2の誘導体を遊技盤に対して突出させることによって、第2の誘導体を有効に設定し、第2の誘導体を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、誘導体駆動部は、第1の誘導体および第2の誘導体を遊技盤に対して没入させることによって、第1の誘導体および第2の誘導体を無効に設定し、入球不能状態に切り替えることができる。
特徴K3.
本発明群の特徴K2に記載された遊技機において、
前記第1の誘導体および前記第2の誘導体は、交差するようにして設けられることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴K3によれば、第1の誘導体および第2の誘導体は、交差するようにして設けられているので交差しないようにして設けられている場合(例えば、鉛直方向にオフセットして設けられている場合)と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴K4.
本発明群の特徴K1から特徴K3のいずれかに記載された遊技機において、
前記遊技機は、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および第1の入賞口51B)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、
前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5B)とを備え、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する前記第2の入賞口としての大入賞口(第2の入賞口52B)を備え、
前記始動入球手段は、
第1始動入球部(上作動口36)と、
前記第1始動入球部と異なる前記第1の入賞口としての第2始動入球部(第1の入賞口51B)とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記第2始動入球部を開放状態に設定する場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第2始動入球部を閉鎖状態に設定する場合、および前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴K4によれば、遊技機は、入球状態切替手段を備えているので、第2始動入球部を開放状態に設定する場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する第2始動入球部に遊技球を入球させることができる。また、遊技機は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する大入賞口に遊技球を入球させることができる。また、遊技機は、第2始動入球部を閉鎖状態に設定する場合、および特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、第2始動入球部および大入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、遊技機は、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、遊技球を異なる入賞口に導くことができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴K5.
本発明群の特徴K3に記載された遊技機において、
前記遊技機は、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、
前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5C)とを備え、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する前記第1の入賞口としての少賞球入賞口(第1の入賞口51)と、
遊技球の入球に際して前記少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する前記第2の入賞口としての多賞球入賞口(第2の入賞口52)と、
前記第1の入球可能状態と、前記第2の入球可能状態と、前記入球不能状態と、前記第1の誘導体および前記第2の誘導体を有効に設定することによって、遊技球を保留する保留状態とを切り替える前記入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記保留状態に切り替えた後、前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴K5によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第2の入球可能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者は、入球状態切替手段にて保留した遊技球の行方に注目することになり、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴K6.
本発明群の特徴K5に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えた後、再び前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えるまでを1回の前記特定制御状態の遊技(ラウンド遊技)とし、前記特定制御状態に移行した場合には、前記特定制御状態の遊技を実行するごとに前記入球状態切替手段にて前記保留状態に切り替えた後、前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴K6によれば、遊技状態移行手段は、特定制御状態に移行した場合には、特定制御状態の遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えるので、遊技者は、特定制御状態の遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留した遊技球の行方に注目することになり、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴K7.
本発明群の特徴K6に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する入球可能状態選択部(ラウンド賞球決定処理)と、
前記入球可能状態選択部にて前記第1の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態に切り替え、前記入球可能状態選択部にて前記第2の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴K7によれば、遊技状態移行手段は、入球可能状態選択部にて第1の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、入球可能状態選択部にて第2の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部を備えているので、遊技者は、入球可能状態選択部の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴K8.
本発明群の特徴K7に記載された遊技機において、
前記入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴K8によれば、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、入球可能状態選択部の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
このような本発明の特徴K群によれば、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、始動入球手段や、可変入賞装置への遊技球の入球は、鉛直上方側から鉛直下方側に向かって一定の経路を辿ることになり、遊技球の動きは単調になってしまうので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。
<特徴L群>
特徴L1.
遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段(発射ハンドル27)と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球させる入球手段とを備える遊技機(パチンコ機10)であって、
前記入球手段は、
水平方向一方側に開口するようにして設けられた第1の入賞口(第1の入賞口51,51D)と、
水平方向他方側に開口するようにして設けられた第2の入賞口(第2の入賞口52,52D)とを備え、
前記遊技機は、
前記第1の入賞口に遊技球を入球させるとともに、前記第2の入賞口に遊技球を入球させない第1の入球可能状態と、前記第2の入賞口に遊技球を入球させるとともに、前記第1の入賞口に遊技球を入球させない第2の入球可能状態と、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させない入球不能状態とを切り替え、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の間に設けられた入球状態切替手段を備え、
前記入球状態切替手段は、
前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれかに遊技球を導く少なくとも1つの部材からなる切替誘導体(移動ブリッジ本体551および回動ブリッジ541)と、
前記切替誘導体を一体的に駆動する切替誘導体駆動部(ブリッジ駆動部553、回動駆動部543、および進退駆動部544)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記切替誘導体を駆動することによって、前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態、または前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L1によれば、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を駆動することによって、第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態、または第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
また、切替誘導体は、第1の入賞口および第2の入賞口のいずれかに遊技球を導く少なくとも1つの部材からなるので、切替誘導体駆動部は、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態では、第1の入賞口および第2の入賞口の双方に遊技球を導くことはない。
さらに、第1の入賞口は、水平方向一方側に開口するようにして設けられ、第2の入賞口は、水平方向他方側に開口するようにして設けられているので、入球状態切替手段は、遊技球を水平左右方向に振り分けることによって、第1の入賞口または第2の入賞口に入球させることになる。したがって、第1の入球可能状態、第2の入球可能状態、および入球不能状態を切り替えるために、例えば、開閉扉などの機構を採用する場合と比較して、入球状態切替手段は、遊技領域のスペースを有効に利用して設置することができる。
特徴L2.
本発明群の特徴L1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記切替誘導体(移動ブリッジ本体551)を水平方向に沿って移動させる前記切替誘導体駆動部(ブリッジ駆動部553)を備え、
前記切替誘導体は、
前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第1の案内面(第1の案内面551a)と、
前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜する第2の案内面(第2の案内面551b)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記第1の入賞口側に前記切替誘導体を移動させることによって、前記第1の案内面を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2の入賞口側に前記切替誘導体を移動させることによって、前記第2の案内面を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1の入賞口および前記第2の入賞口の中央に前記切替誘導体を移動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L2によれば、第1の案内面は、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、切替誘導体駆動部は、第1の入賞口側に切替誘導体を移動させることによって、第1の案内面を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2の案内面は、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜するので、切替誘導体駆動部は、第2の入賞口側に切替誘導体を移動させることによって、第2の案内面を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、切替誘導体駆動部は、第1の入賞口および第2の入賞口の中央に切替誘導体を移動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L3.
本発明群の特徴L2に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記第2の案内面に向かって落下する遊技球を前記第1の案内面に導く前記切替誘導体としての第1のガイド板(第1のガイド板554)と、
前記第1の案内面に向かって落下する遊技球を前記第2の案内面に導く前記切替誘導体としての第2のガイド板(第2のガイド板555)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第1のガイド板および前記第1の案内面を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して突出させるとともに、前記第1のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記第2のガイド板および前記第2の案内面を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記第1のガイド板および前記第2のガイド板を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L3によれば、第1のガイド板は、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1の案内面に導くので、切替誘導体駆動部は、第1のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第1のガイド板および第1の案内面を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。第2のガイド板は、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2の案内面に導くので、切替誘導体駆動部は、第2のガイド板を遊技盤に対して突出させることによって、第2のガイド板および第2の案内面を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、切替誘導体駆動部は、第1のガイド板および第2のガイド板を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、入球状態切替手段は、第1の入球可能状態において、第2の案内面に向かって落下する遊技球を第1のガイド板を介して第1の案内面に導くことができ、第2の入球可能状態において、第1の案内面に向かって落下する遊技球を第2のガイド板を介して第2の案内面に導くことができる。
特徴L4.
本発明群の特徴L1に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記切替誘導体(回動ブリッジ541)を回動させる切替誘導体駆動部(回動駆動部543)を備え、
前記切替誘導体は、
前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記切替誘導体を前記第1の回動状態に設定することによって、前記切替誘導体を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記切替誘導体を前記第2の回動状態に設定することによって、前記切替誘導体を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L4によれば、切替誘導体は、第1の回動状態では、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口に遊技球を導くので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第1の回動状態に設定することによって、切替誘導体を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。切替誘導体は、第2の回動状態では、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口に遊技球を導くので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第2の回動状態に設定することによって、切替誘導体を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。したがって、遊技機は、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L5.
本発明群の特徴L4に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、
前記遊技盤に対して突没自在に設けられた前記切替誘導体(回動ブリッジ541)と、
前記切替誘導体を前記遊技盤に対して突没させるとともに、前記切替誘導体を前記遊技盤に対して突出させた後、前記切替誘導体を回動させる前記切替誘導体駆動部(回動駆動部543および進退駆動部544)とを備え、
前記切替誘導体は、
前記遊技盤に対して突出した後、前記第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第1の入賞口に遊技球を導く第1の回動状態(左回動状態)と、
前記遊技盤に対して突出した後、前記第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して前記第2の入賞口に遊技球を導く第2の回動状態(右回動状態)とを備え、
前記切替誘導体駆動部は、前記切替誘導体を前記遊技盤に対して突出させた後、前記切替誘導体を前記第1の回動状態に設定することによって、前記切替誘導体を介して前記第1の入賞口に遊技球を入球させる前記第1の入球可能状態に切り替え、前記切替誘導体を前記遊技盤に対して突出させた後、前記切替誘導体を前記第2の回動状態に設定することによって、前記切替誘導体を介して前記第2の入賞口に遊技球を入球させる前記第2の入球可能状態に切り替え、前記切替誘導体を前記遊技盤に対して没入させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L5によれば、切替誘導体は、第1の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、第1の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第1の入賞口に遊技球を導くので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第1の回動状態に設定することによって、切替誘導体を介して第1の入賞口に遊技球を入球させる第1の入球可能状態に切り替えることができる。切替誘導体は、第2の回動状態では、遊技盤に対して突出した後、第2の入賞口側に向かうにしたがって下降するように傾斜して第2の入賞口に遊技球を導くので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第2の回動状態に設定することによって、切替誘導体を介して第2の入賞口に遊技球を入球させる第2の入球可能状態に切り替えることができる。また、第1の入賞口および第2の入賞口は、水平方向に開口するようにして設けられているので、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を遊技盤に対して没入させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、切替誘導体駆動部は、入球不能状態に切り替えた場合に遊技球の流路を阻害しないようにすることができる。
特徴L6.
本発明群の特徴L4に記載された遊技機において、
前記切替誘導体駆動部は、前記切替誘導体を前記第1の入賞口および前記第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L6によれば、切替誘導体駆動部は、切替誘導体を第1の入賞口および第2の入賞口のいずれにも遊技球を入球させないように回動させることによって、入球不能状態に切り替えることができる。したがって、切替誘導体駆動部は、新たな構造を追加することなく切替誘導体を入球不能状態に切り替えることができる。
特徴L7.
本発明群の特徴L1から特徴L6のいずれかに記載された遊技機において、
前記遊技機は、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、
前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5)とを備え、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する前記第1の入賞口としての少賞球入賞口(第1の入賞口51)と、
遊技球の入球に際して前記少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する前記第2の入賞口としての多賞球入賞口(第2の入賞口52)と、
前記入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L7によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L8.
本発明群の特徴L7に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する入球可能状態選択部(賞球決定処理)と、
前記入球可能状態選択部にて前記第1の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態に切り替え、前記入球可能状態選択部にて前記第2の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部(大入賞口開放処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L8によれば、遊技状態移行手段は、入球可能状態選択部にて第1の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、入球可能状態選択部にて第2の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部を備えているので、遊技者は、入球可能状態選択部の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L9.
本発明群の特徴L8に記載された遊技機において、
前記入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L9によれば、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、入球可能状態選択部の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L10.
本発明群の特徴L1から特徴L6のいずれかに記載された遊技機において、
前記遊技機は、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に通常制御状態から遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、
前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5A)とを備え、
前記通常制御状態は、
第1の遊技状態(低確率モード)と、
前記第1の遊技状態と異なる第2の遊技状態(高確率モード)とを備え、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する前記第1の入賞口としての通常入賞口(第1の入賞口51)と、
遊技球の入球に際して前記通常制御状態を前記第2の遊技状態に設定する前記第2の入賞口としての特定入賞口(第2の入賞口52A)と、
前記入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L10によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する通常入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えることによって、通常制御状態を第2の遊技状態に設定する特定入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、通常入賞口および特定入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて入球可能状態を切り替えることによって、通常制御状態を第2の遊技状態に設定することができるので、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L11.
本発明群の特徴L10に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替えるか否かを決定する入球状態決定部(大入賞口開放処理)と、
前記特定制御状態にて前記特定入賞口に遊技球が入球しなかった場合に前記通常制御状態を前記第1の遊技状態に設定し、前記特定入賞口に遊技球が入球した場合に前記通常制御状態を前記第2の遊技状態に設定する遊技状態設定部(開閉実行モード終了時の移行処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L11によれば、遊技状態移行手段は、始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替えるか否かを決定する入球状態決定部を備えているので、遊技者は、入球状態決定部の決定結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L12.
本発明群の特徴L10または特徴L11に記載された遊技機において、
前記入球状態切替手段は、前記特定入賞口への遊技球の入球を契機として前記第2の入球可能状態を前記第1の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L12によれば、入球状態切替手段は、特定入賞口への遊技球の入球を契機として第2の入球可能状態を第1の入球可能状態に切り替えるので、遊技者は、特定入賞口に遊技球を入球させた後、通常入賞口に遊技球を入球させることができる。そして、通常入賞口は、遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行することができる。したがって、遊技機は、遊技者に快適に遊技をさせることができる。
特徴L13.
本発明群の特徴L4から特徴L6のいずれかに記載された遊技機において、
前記遊技機は、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球させるとともに、遊技球の入球に際して内部抽選を実行する始動入球手段(上作動口36および下作動口37)と、
前記始動入球手段への遊技球の入球を契機として実行された内部抽選の結果に基づいて、遊技者にとって有利な特定制御状態(開閉実行モード)に遊技状態を移行する遊技状態移行手段(主制御装置60)と、
前記特定制御状態に移行した場合に遊技球が入球可能な状態に移行する可変入賞装置(可変入賞装置5C)とを備え、
前記可変入賞装置は、
遊技球の入球に際して所定数の賞球の払い出しを実行する前記第1の入賞口としての少賞球入賞口(第1の入賞口51)と、
遊技球の入球に際して前記少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する前記第2の入賞口としての多賞球入賞口(第2の入賞口52)と、
前記第1の入球可能状態と、前記第2の入球可能状態と、前記入球不能状態と、前記切替誘導体を水平状態に設定することによって、遊技球を保留する保留状態とを切り替える前記入球状態切替手段とを備え、
前記遊技状態移行手段は、前記特定制御状態に移行した場合には、前記入球状態切替手段にて前記保留状態に切り替えた後、前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替え、前記特定制御状態に移行していない場合には、前記入球状態切替手段にて前記入球不能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L13によれば、可変入賞装置は、入球状態切替手段を備えているので、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態に切り替えることによって、所定数の賞球の払い出しを実行する少賞球入賞口に遊技球を入球させることができ、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第2の入球可能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口よりも多数の賞球の払い出しを実行する多賞球入賞口に遊技球を入球させることができる。また、可変入賞装置は、特定制御状態に移行していない場合には、入球状態切替手段にて入球不能状態に切り替えることによって、少賞球入賞口および多賞球入賞口に遊技球を入球させないようにすることができる。したがって、可変入賞装置は、特定制御状態に移行した場合には、入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、入球可能状態を切り替えることによって、賞球数を異ならせることができるので、遊技者は、入球状態切替手段にて保留した遊技球の行方に注目することになり、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L14.
本発明群の特徴L13に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えた後、再び前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えるまでを1回の前記特定制御状態の遊技(ラウンド遊技)とし、前記特定制御状態に移行した場合には、前記特定制御状態の遊技を実行するごとに前記入球状態切替手段にて前記保留状態に切り替えた後、前記第1の入球可能状態または前記第2の入球可能状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L14によれば、遊技状態移行手段は、特定制御状態に移行した場合には、特定制御状態の遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留状態に切り替えた後、第1の入球可能状態または第2の入球可能状態に切り替えるので、遊技者は、特定制御状態の遊技を実行するごとに入球状態切替手段にて保留した遊技球の行方に注目することになり、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L15.
本発明群の特徴L14に記載された遊技機において、
前記遊技状態移行手段は、
前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する入球可能状態選択部(ラウンド賞球決定処理)と、
前記入球可能状態選択部にて前記第1の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第1の入球可能状態に切り替え、前記入球可能状態選択部にて前記第2の入球可能状態を選択した場合には、前記入球状態切替手段にて前記第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部(ブリッジ回動処理)とを備えることを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L15によれば、遊技状態移行手段は、入球可能状態選択部にて第1の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第1の入球可能状態に切り替え、入球可能状態選択部にて第2の入球可能状態を選択した場合には、入球状態切替手段にて第2の入球可能状態に切り替える入球可能状態切替部を備えているので、遊技者は、入球可能状態選択部の選択結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
特徴L16.
本発明群の特徴L15に記載された遊技機において、
前記入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、前記第1の入球可能状態および前記第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行することを特徴とする遊技機。
本発明群の特徴L16によれば、入球可能状態選択部は、所定の確率に基づいて、第1の入球可能状態および第2の入球可能状態のいずれかを選択する抽選を実行するので、遊技者は、入球可能状態選択部の抽選結果に注目することになり、第2の入球可能状態となるように期待することになる。したがって、遊技機は、遊技者の遊技への注目度を向上させることができる。
このような本発明の特徴L群によれば、遊技領域を流下する遊技球の動きを多様化することができ、遊技者の遊技への注目度を向上させることができるので、次のような課題を解決することができる。
従来、複数の絵柄を変動表示する表示装置を備えた遊技機が知られている。この遊技機は、遊技盤の正面に形成された遊技領域に向かって遊技球を発射する発射手段を備え、作動口(始動入球手段)に遊技球が入球することによって、大当たり抽選などの内部抽選を実行するとともに、絵柄の変動表示を開始する。遊技機は、例えば、大当たり抽選に当選した場合には、特定の絵柄の組み合わせ等を表示装置に最終的に停止表示させるとともに、遊技者にとって有利な特定制御状態に遊技状態を移行する。この特定制御状態では、遊技機は、例えば、遊技球が入球可能な状態に可変入賞装置を移行させることによって、大量の遊技球を払い出している。
しかしながら、始動入球手段や、可変入賞装置への遊技球の入球は、鉛直上方側から鉛直下方側に向かって一定の経路を辿ることになり、遊技球の動きは単調になってしまうので、遊技者の遊技への注目度は低下してしまうという問題がある。