JP2022088699A - マスク - Google Patents

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Hao Li
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Tokio Taguchi
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Abstract

【課題】フィルタ機能が低下しにくいマスクを提供する。【解決手段】マスクは、不織布により構成された第1表面を有する第1フィルタと、不織布により構成されており、第1表面と対向する第2表面を有する第2フィルタと、を備える。第1表面と第2表面との間に空気層が介在している。【選択図】図2

Description

本発明は、マスクに関する。
例えば、特許文献1には、マスク用不織布基材を製造する方法が記載されている。特許文献1に記載の方法によれば、ナノファイバー不織布層を有するマスク用不織布基材を製造することができる。
特開2014-114521号公報
マスクには、粉塵等の高い捕集能力、すなわち、高いフィルタ機能が長期間にわたって維持されることが要求される。
本開示の主な目的は、フィルタ機能が低下しにくいマスクを提供することにある。
本発明の一形態に係るマスクは、不織布により構成された第1表面を有する第1フィルタと、不織布により構成されており、第1表面と対向する第2表面を有する第2フィルタと、を備える。第1表面と第2表面との間に空気層が介在している。
第1実施形態に係るマスクの模式的斜視図である。 第1実施形態におけるマスク本体の一部分の模式的断面図である。 第2実施形態におけるマスク本体の一部分の模式的断面図である。 第3実施形態におけるマスク本体の一部分の模式的断面図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、以下の実施形態は単なる一例である。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。
(第1実施形態)
図1は、マスク1の模式的斜視図である。
図1に示すように、マスク1は、マスク本体2と、左右一対のフック部3a、3bとを有する。一対のフック部3a、3bは、それぞれ、マスク本体2に接続されている。一対のフック部3a、3bが人間の耳等にかけられることにより、マスク1が装着可能となっている。フック部3a、3bは、マスク本体2と一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。
マスク本体2は、厚み方向に貫通する複数の気孔を有する多孔質体により構成されており、通気可能である。マスク本体2は、塵等を収集するフィルタ部材を構成している。マスク1が装着された状態において、外気がマスク本体2を通過することにより、外気に含まれる塵等が収集され、塵等の濃度が低減された空気がマスク本体2の内側に供給される。
図2は、マスク本体2の一部分の模式的断面図である。
図2に示すように、マスク本体2は、第1フィルタ30と第2フィルタ40とを備えている。第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、厚み方向に沿って積層されている。第1フィルタ30は、人がマスク1を装着した際に、人とは反対側に位置するフィルタである。第2フィルタ40は、人がマスク1を装着した際に、人側に位置するフィルタである。
第1フィルタ30及び第2フィルタ40のそれぞれは、厚み方向に貫通する複数の気孔を有する可撓性多孔質シートにより構成されている。第1フィルタ30及び第2フィルタ40のそれぞれは、塵等を収集するフィルタ部材(フィルタシート)を構成している。
第1フィルタ30は、不織布により構成された第1表面30aを有する。第2フィルタ40は、不織布により構成された第2表面40aを有する。第1表面30aと第2表面40aとは、相互に対向している。すなわち、第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、第1表面30aと第2表面40aとが向かい合うように設けられている。
第1表面30aと第2表面40aとの間には空気層50が介在している。詳細には、第1表面30aと第2表面40aとは、少なくとも一部において接合されていない。具体的には、本実施形態では、図1に示すように、第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、マスク本体2の周縁領域2aの少なくとも一部において接合されている。第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、周縁領域2a以外では接合されていない。第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、周縁領域2aの内側に位置する内側領域においては接合されていない。このため、内側領域において、第1表面30aと第2表面40aとの間には空気層50(図2を参照。)が介在している。
なお、第1フィルタ30と第2フィルタ40との接合方法は、特に限定されない。第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、例えば、接着剤を用いて接合されていてもよい。すなわち、第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、周縁領域2aにおいて接着剤の硬化物により接合されていてもよい。また、第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、例えば、熱圧着等されていてもよい。
以上説明したように、マスク1では、第1表面30aと第2表面40aとの間に空気層50が介在している。このため、第1表面30aと第2表面40aとが擦れ合い可能である。すなわち、第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、第1表面30aと第2表面40aとが擦れ合い可能に構成されている。具体的には、第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、第1表面30aと第2表面40aとが所定の間隔をおいて位置しており、かつ、第1フィルタ30と第2フィルタ40とが周縁部において接合されていることにより、第1表面30aと第2表面40aとが擦れ合い可能となっている。
第1表面30aと第2表面40aとが擦れ合うことにより、第1表面30aと第2表面40aとの少なくとも一方が帯電し得る。このため、表面30a、40aが帯電しており、塵等を静電吸着し得る状態を維持しやすい。従って、マスク1のフィルタ機能が低下しにくい。マスク1の高いフィルタ機能が長期間にわたって維持される。
なお、空気層50は、周縁領域2a以外の領域の全体に位置している必要は必ずしもない。第1フィルタ30と第2フィルタ40とは、それぞれ可撓性を有する。このため、通常、周縁領域2a以外の領域においても、第1表面30aと第2表面40aとが接触している部分が存在している。この場合であっても、第1表面30aと第2表面40aとが擦れ合い得る。
(マスク本体2の具体的構成)
次に、本実施形態に係るマスク本体2の構成についてより具体的に説明する。
(第1フィルタ30)
第1フィルタ30は、第1表面30aを構成している不織布を有するものである限りにおいて特に限定されない。第1フィルタ30は、例えば、第1表面30aを構成している不織布と、他のフィルタシートとの積層体であってもよい。具体的には、本実施形態では、第1フィルタ30は、一枚の不織布により構成されている。第1フィルタ30の材質は特に限定されない。第1フィルタ30は、例えば、フッ素樹脂や、ポリオレフィン、ポリエステル等を含む樹脂組成物により構成することができる。第1フィルタ30は、例えば、コポリマーにより構成されていてもよいし、複数の樹脂を含む樹脂組成物により構成されていてもよい。
好ましく用いられるフッ素樹脂の具体例としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
好ましく用いられるポリオレフィンの具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルメタクリレート共重合樹脂(EMMA)等が挙げられる。なかでも、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)がより好ましく用いられる。
好ましく用いられるポリエステルの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましく用いられる。
第1表面30aを構成している繊維は、ナノ繊維を含むことが好ましい。すなわち、第1フィルタ30の第1表面30a側の表層31は、ナノ繊維を含んでいることが好ましい。第1表面30aを構成している繊維がナノ繊維を含む場合、第1表面30aと第2表面40aとが擦れ合ったときの摩擦力が大きくなる。このため、第1表面30aと第2表面40aとの少なくとも一方が帯電しやすくなるし、第1表面30aと第2表面40aとの少なくとも一方の電位の絶対値が大きくなりやすい。従って、マスク1のフィルタ機能の低下がより効果的に抑制される。また、第1表面30aを構成している繊維がナノ繊維を含む場合、粒子径がより細かい塵等を捕集することが可能となる。従って、マスク1のフィルタ機能を向上し得る。
ここで、「ナノ繊維」とは、平均繊維径が200nm以下である繊維を意味する。ナノ繊維の平均繊維径は、100nm以上200nm以下であることが好ましい。
ナノ繊維の材質は特に限定されない。ナノ繊維は、例えば、上述した第1フィルタ30に好ましく用いられる樹脂と同様の樹脂により構成されていてもよい。ナノ繊維は、第1フィルタ30を構成している、ナノ繊維以外の繊維と同じ材料により形成されていてもよいし、異なる材料により形成されていてもよい。例えば、ナノ繊維を、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンにより形成し、第1フィルタ30を構成している、ナノ繊維以外の繊維をポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等により形成してもよい。
ところで、粒子径が細かい塵等の捕集性能を向上する観点からは、例えば、第1フィルタ全体をナノ繊維からなる不織布により構成してもよい。しかしながら、その場合、第1フィルタの機械的強度が弱くなる場合がある。第1フィルタの機械的強度を高めようとすると第1フィルタ、ひいてはマスクが厚くなり、マスクの通気抵抗が高くなりすぎる場合がある。このため、第1フィルタ30の厚み方向における一部のみがナノ繊維を含んでいることが好ましい。さらには、第1フィルタ30の第1表面30a側部分のみが実質的にナノ繊維を含んでいることが好ましい。
詳細には、本実施形態では、第1フィルタ30は、第1表面30aを構成している第1部分としての表層31と、表層31の上に積層された第2部分32とを有する。第2部分32における平均繊維径は、表層31における平均繊維径よりも大きい。表層31のみが実質的にナノ繊維を含んでおり、第2部分32は、実質的にナノ繊維を含まない。表層31は、実質的にナノ繊維により構成されていることが好ましい。この場合は、機械的強度を高めることができるだけでなく、通気抵抗が高くなりすぎることを抑制しつつ、粒子径が細かい塵等の高い捕集性能を実現することができる。
例えば、機械的強度が低いナノ繊維からなる不織布は、圧力が大きい場合、つまり流量が多い時や塵等サイズが大きい粒子が衝突したときに変形して空隙が生じやすいため、漏れの原因となる場合がある。このため、第1フィルタ30全体をナノ繊維からなる不織布により構成すると、フィルタ性能が低くなる場合がある。
それに対して、表層31をナノ繊維層とし、第2部分32をナノ繊維よりも繊維径が大きく、機械的強度が高い繊維を含み、機械的強度が高い不織布により構成することにより、表層31を構成しているナノ繊維層の変形を抑制することができる。よって、マスク1のフィルタ機能をより向上することができる。
ナノ繊維の作製方法は、特に限定されない。ナノ繊維は、例えば、エレクトロスピニング溶融法等の溶融法、延伸法等により作製することができる。
なお、第2部分32における平均繊維径は、表層31における平均繊維径の50倍以上であることが好ましく、75倍以上であることがより好ましい。但し、第2部分32における平均繊維径が大きすぎると、表層31における平均繊維径と第2部分32における平均繊維径との差が大きくなりすぎ、第1フィルタ30のフィルタ機能が低くなりすぎる場合がある。従って、第2部分32における平均繊維径は、表層31における平均繊維径の175倍以下であることが好ましく、150倍以下であることがより好ましい。具体的には、第2部分32における平均繊維径は、例えば、15μm以上30μm以下であることが好ましい。
第1フィルタ30における目付量、厚み等は、第1フィルタ30に要求されるフィルタ機能等に応じて適宜設定することができる。第1フィルタ30の目付量は、例えば、15g/m以上30g/m以下であってもよい。第1フィルタ30の厚みは、例えば、0.1mm以上0.3mm以下であってもよい。
(第2フィルタ40)
第2フィルタ40は、第2表面40aを構成する不織布を有するものである限りにおいて特に限定されない。例えば、第2フィルタ40は、一枚の不織布により構成されていてもよいし、互いに積層または接合された複数の不織布の複合体により構成されていてもよい。
本実施形態では、具体的には、第2フィルタ40は、複数の不織布41、42の積層体により構成されている。不織布41は、不織布42よりも第1フィルタ30側に位置している。不織布41の表面が、第2表面40aを構成している。
不織布41と不織布42を接合する場合、その接合方法は、特に限定されない。不織布41と不織布42とは、例えば、熱圧着等により接合されていてもよいし、接着剤等を用いて接合されていてもよい。
不織布42は、マスク1が装着状態にあるときに、最も人側に位置する。
不織布42を構成する樹脂としても、第1フィルタ30を構成する不織布の好ましい材料として例示した樹脂と実質的に同様の樹脂が例示される。
不織布42における平均繊維径や目付量、厚み等は、要求されるフィルタ機能等に応じて適宜設定することができる。不織布42における好ましい平均繊維径や目付量、厚み等は、第1フィルタ30を構成している不織布の好ましい平均繊維径や目付量、厚み等と実質的に同様である。不織布42は、例えば、第1フィルタ30を構成している不織布における平均繊維径と実質的に同様の平均繊維径を有する繊維を有していてもよいし、第1フィルタ30を構成している不織布と同様の目付量、厚みを有していてもよい。
不織布41は、不織布42の第1フィルタ30側の表面上に配されている。不織布41は第2表面40aを構成しており、第1フィルタ30の第1表面30aと対向している。
不織布41における平均繊維径は、不織布42における平均繊維径と実質的に同じであってもよいが、不織布42における平均繊維径よりも小さいことが好ましい。この場合、表層31を微粒子がすり抜けたとしても、すり抜けた微粒子が不織布41によって捕集される可能性が高まるためである。不織布41における平均繊維径は、表層31における平均繊維径よりも大きいことが好ましく、表層31における平均繊維径の5倍以上10倍以下であることが好ましい。
第1表面30aを構成している不織布と、第2表面40aを構成している不織布41との少なくとも一方は、帯電処理された不織布である帯電不織布により構成されていることが好ましい。この場合、第1表面30a及び第2表面40aの少なくとも一方が帯電している帯電処理面となるため、帯電不織布により塵等が静電吸着される。従って、マスク1のフィルタ機能をより向上し得る。
マスク1のフィルタ機能をさらに向上する観点からは、マスク1の出荷時(未使用時)において、第1表面30a及び第2表面40aの少なくとも一方の電位の絶対値が150KV以上となるような帯電不織布を用いることが好ましい。
なお、帯電不織布は、例えば、エレクトレット化されたエレクトレット帯電不織布であってもよいし、コロナ帯電処理された不織布等であってもよい。
例えば、第1表面30aを構成している不織布と、第2表面40aを構成している不織布41とのうちの一方を帯電不織布により構成し、他方を帯電処理されていない不織布により構成してもよい。その場合は、第2表面40aを構成している不織布41が帯電不織布であることが好ましい。
例えば、第1表面30aを構成している不織布を帯電不織布とした場合は、第1フィルタ30がナノ繊維を含む表層31を有し、且つ静電吸着可能なものとなる。この場合、静電吸着により微粒子を捕集する層が最外側になる。このため、水分や帯電微粒子が付着することで起こる電荷中和による劣化が早くなる場合がある。また、不織布41を帯電させる場合と比較して、帯電処理が難しくなる場合がある。
一方、第2表面40aを構成している不織布41を帯電不織布とした場合は、第1フィルタ30が帯電不織布42の保護層となり、第1フィルタが物理的に、第2フィルタが静電気的に塵や微粒子を捕集し得る。このため、第1表面30aにナノ繊維を含ませる一方、第2表面40aにナノ繊維を実質的に含ませないことが好ましい。第2表面40aにナノ繊維を含ませると実質的にナノ繊維が増加したことになり、通気抵抗が増加する場合がある。
不織布41が帯電不織布である場合は、特に、不織布41の第1フィルタ30とは反対側に不織布42が配されていることが好ましい。不織布42を設けることにより、人の汗などの水分等が不織布41と接触し、不織布41の電位が低下することを抑制することができる。従って、不織布41による静電吸着能が低下しにくい。その結果、マスク1のフィルタ機能の低下をより効果的に抑制することができる。
なお、不織布42は、帯電不織布であってもよいし、帯電不織布でなくてもよい。但し、帯電不織布と人との接触を抑制する観点からは、不織布42は、帯電不織布ではない非帯電不織布であることが好ましい。
例えば、第1表面30aを構成している不織布と、第2表面40aを構成している不織布41との両方を帯電不織布により構成してもよい。その場合、第1表面30aの電位と、第2表面40aの電位とが同極性となるように両不織布が帯電していることが好ましい。具体的には、第1表面30aと第2表面40aとのうちの両方がマイナスの電位またはプラスの電位となるように両不織布が帯電していることが好ましい。この場合、第1表面30aと第2表面40aとの間に反発力が生じ、空気層50が維持されやすくなる。よって、第1表面30aと第2表面40aとの間で摩擦が生じやすくなる。従って、摩擦に起因する表面30a、40aの再帯電がより生じやすくなる。
不織布41、42を構成する好ましい材料としても、第1表面30aを構成する不織布として好ましい材料と同様の材料を例示することができる。不織布41を帯電不織布とする場合は、不織布41を構成する好ましい材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエステル等の帯電しやすい高分子が挙げられる。
第1フィルタ30及び第2フィルタ40を構成する不織布の少なくとも1枚を帯電不織布とする場合は、マスク1が未使用時において以下の特性を有していることが好ましい。
・0.1μmポリスチレンラテックス標準粒子を用いてASTM F 2299に準拠して測定された未使用のマスク1の捕集効率が99%
・0.1μmポリスチレンラテックス標準粒子を用いてASTM F 2299に準拠して測定された、除電処理を行ったマスク1の捕集効率が40%以上
帯電不織布は、捕集効率が30%、好ましくは40%、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは55%以上高まるように帯電処理された不織布であることが好ましい。
ASTM F 2299に準拠した捕集効率の測定に際しては、0.1μmポリスチレンラテックス標準粒子を、ネプライザを用いてサンプルに噴霧し、フィルタ前粒子数と、フィルタ後粒子数とをパーティクルカウンターでカウントする。その結果と下記式(1)より捕集効率を算出することができる。
(捕集効率)=1-((フィルタ前粒子数)/(フィルタ後粒子数)) ・・・ (1)
帯電不織布の除電処理方法は、特に限定されない。例えば、帯電不織布をエタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール等に浸漬することにより除電を行ってもよい。
なお、不織布41、42のそれぞれにおける目付量、厚み等は、要求されるフィルタ機能等に応じて適宜設定することができる。不織布41、42のそれぞれの目付量は、例えば、10g/m以上30g/m以下であってもよい。不織布41、42のそれぞれの厚みは、例えば、0.1mm以上0.3mm以下、0.1mm以上0.3mm以下であってもよい。
マスク1を構成している各不織布の種類は特に限定されない。各不織布は、例えば、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等であってもよい。なかでも、帯電不織布は、メルトブロー不織布であることが好ましい。帯電不織布以外の不織布は、スパンボンド不織布またはスパンレース不織布であることが好ましい。
第1フィルタ30と第2フィルタ40とのうちの少なくとも一方は、抗菌性物質を有していてもよい。抗菌性物質は、通常、フィルタ30、40を構成している不織布に担持されている。
抗菌性物質は、装着時において人から離れた第1フィルタ30に担持されていることが好ましい。この場合、抗菌性物質が第1フィルタ30から脱落したとしても第2フィルタ40により捕捉される可能性もある。このため、抗菌性物質が人体に到達することを抑制することができる。
抗菌性物質が人体に到達することをより効果的に抑制する観点からは、ナノ繊維を含む表層31と第2部分32との間に抗菌性物質が配されていることが好ましい。この場合、抗菌性物質が脱落したとしても、目の細かい表層31によっても捕捉される可能性があるためである。
なお、抗菌性物質の種類は特に限定されない。好ましく用いられる抗菌性物質の具体例としては、例えば、酸化チタンや酸化タングステンなどの金属酸化物、銀イオンや銅イオンなどの金属イオン、カテキン等の有機系抗菌性物質等が挙げられる。
第1表面30a及び第2表面40aのうちの少なくとも一方は、ラビング処理された表面であることが好ましい。この場合、ラビング処理された表面は、その表面から突出する繊維を有する。よって、第1表面30aと第2表面40aとが擦れ合った際に生じる摩擦量が大きくなる。従って、摩擦に起因する再帯電が生じやすくなるためである。
以下、本発明を実施した好ましい形態の他の例について説明する。以下の説明において、第1実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態におけるマスク本体2の模式的断面図である。
図3に示すように、第2実施形態においては、マスク本体2は、第1フィルタ30及び第2フィルタ40に加え、第3フィルタ60をさらに有することと、第2フィルタ40の構成とにおいて第1実施形態に係るマスク本体2と異なる。従って、第1フィルタ30の説明については、第1実施形態における説明を第2実施形態にも援用する。
本実施形態では、第2フィルタ40は、帯電不織布である不織布41により構成されており、不織布42を有さない。このため、不織布41の表面40a、40bの両方が帯電した表面(帯電表面)である。
第1実施形態に係るマスク1は、第1フィルタ30及び第2フィルタ40の2つのフィルタにより構成されたマスク本体2を有している。しかし、本発明において、マスクが備えるフィルタは2枚である必要は必ずしもない。マスクは、例えば、3枚以上のフィルタを備えていてもよい。
例えば、本実施形態に係るマスクは、3枚のフィルタを備えている。具体的には、本実施形態においては、マスク本体2は、第1フィルタ30及び第2フィルタ40に加えて、第3フィルタ60をさらに有する。
第3フィルタ60は、第2フィルタ40に対して第1フィルタ30とは反対側に配されている。具体的には、第1フィルタ30が第2フィルタ40の第2表面40aと対向しているのに対して、第3フィルタ60は、第2フィルタ40の第3表面40bと対向している。第3フィルタ60の第3表面40bと対向している表面である第4表面60aと、第3表面40bとの間には空気層70が介在している。
このため、第3表面40bと第4表面60aとの間でも摩擦が生じ得る。その結果、第3表面40bと第4表面60aとのうちの少なくとも一方の電位が摩擦により高まり得る。よって、マスクのフィルタ機能の低下がより効果的に抑制されている。
第3表面40bと第4表面60aとが摩擦し合うことによる再帯電を促進する観点からは、第2フィルタ40の第3表面40bが、帯電不織布により構成された帯電された表面(帯電表面)であることが好ましい。
同様の観点からは、第4表面60aにおける平均繊維径が第3表面40bにおける平均繊維径よりも小さいことが好ましく、第3表面40bにおける平均繊維径の0.1倍以上0.2倍以下であることが好ましい。第3フィルタ60の第4表面60aを構成している第1部分である表層61は、ナノ繊維を含んでいることが好ましく、実質的にナノ繊維により構成されたナノ繊維層であることが好ましい。第3フィルタ60における平均繊維径や目付量、厚み等は、それぞれ、第1フィルタ30と実質的に同様であることが好ましい。
同様の観点から、第3表面40b及び第4表面60aのうちの少なくとも一方がラビング処理されていることが好ましい。
具体的には、本実施形態の第3フィルタ60は、第1実施形態において説明した第1フィルタ30と実質的に同様の構成を有している。このため、第1実施形態における第1フィルタ30に関する説明を、本実施形態の第3フィルタ60に援用するものとする。
このように第1実施形態においては2枚のフィルタを備えるマスク1、第2実施形態においては3枚のフィルタを備えるマスクについて説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。マスクは、4枚以上のフィルタを備えていてもよい。
マスクが3枚以上のフィルタを備えている場合において、厚み方向において隣り合う1対のフィルタの間に空気層が介在している限りにおいて、厚み方向において隣り合う他のフィルタ間の間に空気層が介在している必要は必ずしもない。
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態におけるマスク本体2の一部分の模式的断面図である。
第1実施形態及び第2実施形態では、マスク本体2に折り返し部が設けられていない例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。
例えば、図4に示すように、マスク本体2は、少なくともひとつの折り返し部2bを有していてもよい。マスク本体2は、所謂プリーツ加工されている。
本実施形態に係るマスク本体2は、第1実施形態または第2実施形態におけるマスク本体2と実質的に同様の構成を有する。このため、第1実施形態または第2実施形態におけるマスク本体2に関する説明を第3実施形態におけるマスク本体2にも援用するものとする。
(実施例1)
以下の条件で、第1実施形態に係るマスク1と実質的に同様のマスクを作製した。
第1フィルタ30:帯電処理されていない不織布
表層31を構成するナノ繊維の材質:ポリテトラフルオロエチレン
表層31を構成するナノ繊維の平均繊維径:150nm~200nm
表層31の目付量:0.4g/m~0.5g/m
第2部分32の材質:ポリプロピレン
第2部分32における平均繊維径:20μm
第2部分32の目付量:30g/m
第2フィルタ40:
不織布41:ポリプロピレンからなるエレクトレット化された帯電不織布
不織布41における平均繊維径:1μm~5μm
不織布41の目付量:15g/m~30g/m
不織布42:ポリプロピレンからなる帯電処理されていない不織布
不織布42における平均繊維径:15μm~30μm
不織布42の目付量:15g/m~30g/m
(比較例1)
実施例1と同様の第1フィルタを用い、第2フィルタを後述のものとし、第1フィルタと第2フィルタとを貼付して比較例1に係るマスクを作製した。
(比較例1)
第2フィルタを構成する不織布:不織布42のみによって構成した。
材質:ポリエチレンテレフタラート
平均繊維径:20μm
目付量:30g/m
第1フィルタと第2フィルタとの貼付方法:ホットメルト
(比較例2)
実施例1と同様の第2フィルタを用い、第1フィルタを以下のものとし、比較例1に係るマスクを作製した。
第1フィルタを構成する不織布:表層31ナノ繊維を含まない不織布
材質:ポリプロピレン
平均繊維径:20μm
目付量:30g/m
(評価1)
実施例1及び比較例1で作製したマスクを以下の要領で評価した。
まず、実施例1で作製したマスクを、エタノールに浸漬することにより帯電不織布の除電を行った。その後、30分間にわたって減圧しながら乾燥させた後に、摩擦摩耗試験機(新東科学株式会社製、製品名「トライボギア」)を用いて第1フィルタ面を摩擦することにより第1表面と第2表面とを摩擦させた。そのマスクと、比較例1、比較例2で作製したマスクの圧力損失と、捕集効率を評価した。
圧力損失は、MIL-M-36954C,Section 4.1.2の規定に従って測定した。
捕集効率は、ASTM F 2299に準拠して測定した。具体的には、0.1μmポリスチレンラテックス標準粒子を、ネプライザを用いてサンプルに噴霧し、サンプル通過前の単位体積当たりの粒子数と、通過後の単位体積当たりの粒子数とをパーティクルカウンターでカウントする。その結果と上記式(1)より捕集効率を算出した。
その結果を下記の表1に示す。
Figure 2022088699000002
実施例1と比較例1の結果から、第1フィルタと第2フィルタとの間に空気層を介在させることにより圧力損失を低下させることができることが分かる。また、実施例1と比較例2の結果から、第1フィルタの表層と第2フィルタの表層との摩擦により再帯電が生じ、捕集効率が向上することが分かる。これらの結果から、空気層を設けることにより、再帯電が生じ得、低い圧力損失で、高い捕集効率を長期にわたって維持し得ることが分かる。
(実験例1)
表面が約-200Vにエレクトレット化された不織布S(材質:プロピレン、平均繊維径:3μm)を用意した。
次に、不織布Sをエタノールに浸漬することにより、不織布Sを除電した。その結果、不織布Sの表面の電位は、ほぼ0Vとなった。
次に、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)からなる平均繊維径が200nmであるナノ繊維により表面が構成された不織布を用いて、除電後の不織布Sの表面を摩擦した。
摩擦は、不織布Sに対して2Nで不織布を押しつけた状態で、速度60mm/秒、ストローク40mmで15往復させることにより行った。
摩擦後の不織布Sの表面の電位を測定した結果、約800Vであった。
(実験例2)
実験例1で用いたものと同様の不織布Sを用意し、実験例1と同様にして除電を行った。
その後、プロピレンからなり、平均繊維径が30μmである繊維により表面が構成された不織布を用いて、実験例1と同様の条件で除電後の不織布Sの表面を摩擦した。
摩擦後の不織布Sの表面の電位を測定した結果、約170Vであった。
実験例1及び実験例2の結果から、表面がナノ繊維を含む不織布との摩擦により高い電位に帯電させることができることが分かる。
1 マスク
30 第1フィルタ
30a 第1表面
31 表層
32 第2部分
40 第2フィルタ
40a 第2表面
40b 第3表面
41 不織布
42 不織布
50、70 空気層
60 第3フィルタ
60a 第4表面

Claims (11)

  1. 不織布により構成された第1表面を有する第1フィルタと、
    不織布により構成されており、前記第1表面と対向する第2表面を有する第2フィルタと、
    を備え、
    前記第1表面と前記第2表面との間に空気層が介在している、マスク。
  2. 前記第1表面と前記第2表面とが擦れ合い可能に構成されている、請求項1に記載のマスク。
  3. 前記第1表面を構成している不織布と、前記第2表面を構成している不織布とのうちの少なくとも一方が帯電不織布である、請求項1または2に記載のマスク。
  4. 前記第2表面を構成している不織布が帯電不織布であり、
    前記第1表面における平均繊維径が、前記第2表面における平均繊維径よりも小さい、請求項3に記載のマスク。
  5. 前記第1表面を構成している繊維は、平均繊維径が150nm以上200nm以下である繊維を含む、請求項4に記載のマスク。
  6. 前記第2フィルタは、前記帯電不織布の前記第1フィルタとは反対側に配された不織布をさらに有する、請求項4または5に記載のマスク。
  7. 前記第1フィルタは、
    前記第1表面を構成している第1部分と、
    前記第1部分に積層された第2部分と、
    を有し、
    前記第2部分の平均繊維径が、前記第1部分の平均繊維径よりも大きい、請求項1~6のいずれか一項に記載のマスク。
  8. 前記第1フィルタは、前記第1部分と前記第2部分との間に配された抗菌性物質をさらに有する、請求項7に記載のマスク。
  9. 前記第2フィルタが、帯電不織布により構成されており、
    前記帯電不織布の前記第2表面とは反対側の第3表面と対向しており、不織布により構成された第4表面を有する第3フィルタをさらに備え、
    前記第3表面と前記第4表面との間に空気層が介在している、請求項1~8のいずれか一項に記載のマスク。
  10. 0.1μmポリスチレンラテックス標準粒子を用いて、ASTM F 2299に準拠して測定された捕集効率が99%以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載のマスク。
  11. 除電処理を行った後に、0.1μmポリスチレンラテックス標準粒子を用いて、ASTM F 2299に準拠して測定された捕集効率が40%以上である、請求項10に記載のマスク。
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