JP2022088138A - 調理機器 - Google Patents

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Katsunori Araki
和生 清水
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Abstract

【課題】ユーザーの作業を繁雑にすることなく、食材毎に適した調理が可能な調理機器を提供する。【解決手段】調理機器1は、加熱装置2と、複数の食材のそれぞれの食材情報を取得する食材情報取得部と、食材が配置された領域である食材領域をそれぞれ認識する食材領域認識部52と、食材毎に調理条件をそれぞれ設定する調理条件設定部53と、加熱装置2を制御する加熱制御部55と、を備える。加熱制御部55は、食材領域認識部52からの情報及び調理条件設定部53からの情報の少なくとも一方に応じて、各食材領域が個別の調理温度にそれぞれ加熱されるように加熱装置2を制御する。【選択図】図14

Description

ここに開示された技術は、調理機器に関する技術分野に属する。
従来の調理機器では、食材の調理状態をセンシングする技術が乏しく、多くの調理ケースにおいて、ユーザーの目視や確認作業が必要となっている。庫内に複数の食材を配置して、各食材を同時に調理する場合には、食材の種類や配置によって調理状態が異なるため、庫内を均一な温度状態にしかできないタイプの調理機器では、ユーザーの確認作業が多くなってしまう。そこで、庫内に配置した食材毎に調理条件を設定する技術が検討されている。
例えば、特許文献1に記載の調理機器(加熱調理器)では、食材が載置される載置部を有する調理室と、調理室に配置された複数の加熱装置と、各加熱装置の加熱動作をそれぞれ制御する加熱制御部とを備える。また、特許文献1に記載の調理機器では、載置部に食材を載置した状態をユーザーの情報通信端末で予め撮影させ、撮影した画像を調理室内の状態と対応させたものを情報通信端末に表示させる。そして、特許文献1に記載の調理機器では、ユーザーに情報通信端末の入力部から各食材の加熱条件を入力させて、入力された加熱条件に応じて、複数の加熱手段の加熱動作をそれぞれ制御する。
また、ユーザーの確認作業を緩和するために、加熱庫内の食材の配置を自動で検出して、調理条件を設定する技術が検討されている。
例えば、特許文献2に記載の調理機器(加熱調理器)では、加熱庫内の温度センサの検知結果に基づいて加熱庫内の温度分布パターンを作成する温度分布パターン作成手段と、予め調理物の位置が特定された温度分布パターンのデーターが格納された温度分布パターンテーブルと、温度分布パターン作成手段が作成した温度分布パターンと温度分布パターンテーブル内の温度分布パターンデーターとを比較し、対応する温度分布パターンデーターより少なくとも調理物の位置を取得し、該取得した調理物の位置と、各温度センサの温度上昇率とに基いて、調理パターンを決定する調理パターン決定手段と、を備えている。
特開2016-85024号公報 特開2015-73728号公報
ところで、比較的大型の調理機器では、例えば、ステーキやローストチキン等のメインの食材と、ジャガイモ、にんじん、トマト等の付け合わせの食材とを同時に調理して、調理の効率化を図りたいという要望がある。
これに対し、特許文献1に記載の調理機器では、食材毎に調理条件を設定することができる。しかしながら、調理条件は食材の種類、大きさ、量等に応じて変更する必要があるため、調理対象の食材毎に最適な調理条件を設定するのは素人では困難であり、生焼けや焼き過ぎ等の調理不良を生じるおそれがある。また、ユーザーが食材の撮影と調理条件の設定とをしなければならず面倒である。
特許文献2に記載の調理機器では、自動で調理条件が設定される。しかし、食材の位置を特定するだけで、食材の種類等は特定することができないため、この場合も食材毎に最適な調理が行えない。
ここに開示された技術は、複数の食材を同時に調理する場合に、ユーザーの作業を繁雑にすることなく、食材毎に適した調理が可能な調理機器を提供することにある。
前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、加熱庫内に配置された複数の食材を加熱調理する調理機器を対象として、前記複数の食材を加熱する加熱装置と、前記庫内に配置された前記複数の食材のそれぞれの食材情報を取得する食材情報取得部と、前記食材情報取得部が取得した各食材情報に基づいて、前記複数の食材が配置された領域である食材領域をそれぞれ認識する食材領域認識部と、前記食材情報取得部が取得した各食材情報に基づいて、前記複数の食材毎に調理条件をそれぞれ設定する調理条件設定部と、前記加熱装置を制御する加熱制御部と、を備え、前記加熱制御部は、前記食材領域認識部からの情報及び前記調理条件設定部からの情報の少なくとも一方に応じて、前記各食材領域が個別の調理温度にそれぞれ加熱されるように前記加熱装置を制御する、という構成とした。
ここに開示された技術によると、各食材領域の食材が個別の調理温度で調理される。調理条件は食材情報に基づいて設定されているため、各食材に適した調理条件となっている。また、食材の領域も自動で認識されるため、ユーザーの作業が繁雑になることもない。したがって、ここに開示された技術は、ユーザーの作業を繁雑にすることなく、食材毎に適した調理を可能にする。
前記調理機器において、前記食材情報取得部は、前記加熱庫内に配置された前記複数の食材の画像を取得する食材撮影装置を含み、前記食材領域認識部は、前記食材撮影装置により取得された画像と、前記加熱庫に対する前記食材撮影装置の位置関係とに基づいて、実際の前記各食材の領域を認識する、という構成でもよい。
この構成によると、庫内での食材の配置を精度良く認識することができるため、調理をより適切に行うことができる。
前記調理機器において、前記食材情報は、前記各食材の種類を含み、前記調理条件設定部は、前記各食材の種類毎に前記調理条件をそれぞれ設定する、という構成でもよい。
すなわち、肉類、魚類、野菜類などにより調理温度は大きく異なり、また野菜類であっても、根菜類、葉物野菜類等で調理温度が異なる。よって、各食材の種類毎に調理条件をそれぞれ設定することで、調理をより適切に行うことができる。
前記調理機器において、前記食材情報は、前記各食材の種類、大きさ、及び量を含み、前記調理条件設定部は、前記各食材の種類、大きさ、及び量に応じた調理条件を設定可能に構成されている、という構成でもよい。
すなわち、同じ種類の食材であっても、食材の大きさや量によって食材の温度変化が異なることがある。前記の構成では、各食材の種類、大きさ、及び量を考慮した調理条件を設定されるため、調理をより適切に行うことができる。
前記調理機器において、前記食材領域認識部、前記調理条件設定部、及び前記加熱制御部の少なくとも1つは、前記各調理条件が同じ食材の食材領域については、1つの食材領域であると判断する、という構成でもよい。
この構成によると、食材領域が広くなるように再設定されるため、加熱装置の制御が容易になる。これにより、調理をより適切に行うことができるとともに、料理時間の短縮を図ることができる。また。この食材領域の再設定も自動で行うことができるため、ユーザーの作業が増加することはない。尚、ここでいう「調理条件が同じ」とは、調理条件が厳密に一致する場合のみならず、調理の最低温度が1~2℃程度ずれたり、調理の温度プロファイルが僅かに異なっていたりする場合も含む。
前記調理機器において、前記調理条件は、前記食材を加熱する際の温度プロファイルを含み、前記調理条件設定部は、前記食材毎に予め設定された複数の温度プロファイルを記憶しており、前記加熱制御部は、前記各食材領域の該各温度プロファイルに基づいて前記加熱装置を制御する、という構成でもよい。
すなわち、例えば、牛肉については、低温でじっくり加熱した後で一気に高温にすると、肉の繊維の収縮が抑えられて肉が柔らかくなるとともに、表面に適度な焼き色が付いて見た目も美しくなる。一方で、例えば、ジャガイモについては、肉類と比べて短い時間で加熱調理した方が、水分の流出が抑えられてホクホクとした仕上がりになる。したがって、食材毎に温度プロファイルを設定することで、調理をより適切に行うことができる。
調理条件が食材を加熱する際の温度プロファイルを含む調理機器において、前記調理条件設定部又は前記加熱制御部は、全ての前記食材領域の調理が同時に完了するように、前記食材領域毎の各温度プロファイルをそれぞれ再設定する、という構成でもよい。
この構成によると、調理が同時に完了するため、ユーザーが仕上がり状態を逐次確認する必要がなくなる。このため、ユーザーの作業をより簡易にすることができる。尚、ここでいう「同時に完了」とは、厳密に同時に完了する場合だけでなく、完了のタイミングが所定時間内に入っている場合を含む。
前記調理機器において、前記各食材の温度をそれぞれ検出する温度検知装置を更に備え、前記調理条件は、前記食材を加熱する際の温度プロファイルを含み、前記加熱制御部は、前記食材毎に設定された各温度プロファイルに基づいて前記加熱装置を制御するとともに、前記温度検知装置の検知結果に基づく前記食材の内部温度と、当該食材に設定された温度プロファイルとに差分が生じたときには、該差分が減少するように前記加熱装置を制御する、という構成でもよい。
すなわち、庫内における食材の配置によって、調理中の食材の内部温度の変化と調理条件として設定した温度プロファイルとの間に差分が生じることがある。このため、前記の構成のように、差分が減少するように加熱装置を制御することで、調理をより適切に行うことができる。
前記調理機器において、前記加熱装置は、加熱領域を変更可能な加熱領域変更装置を有し、前記加熱制御部は、前記加熱領域変更装置により加熱領域を調整することで、前記各食材領域が個別の調理温度にそれぞれ加熱可能なように前記加熱装置を制御する、という構成でもよい。
この構成よると、食材の加熱状態を容易に調整することができる。したがって、調理をより適切に行うことができる。
加熱装置が加熱領域変更装置を有する調理機器において、前記加熱装置は、複数の熱源を有し、前記加熱制御部は、前記各熱源の出力を個別に制御可能である、という構成でもよい。
この構成によると、食材の加熱状態をより細かく調整することができる。したがって、調理をより適切に行うことができる。
加熱装置が加熱領域変更装置を有する調理機器において、前記加熱装置は、赤外線を放出する前記熱源としての赤外線放出部と、該熱源からの赤外線を反射する反射部とを有し、前記加熱領域変更装置は、前記反射部を回転させて、前記加熱領域を変更する装置である、という構成でもよい。
この構成によると、加熱庫のサイズを出来る限りコンパクトにすることができる。
加熱装置が加熱領域変更装置を有する調理機器において、前記調理条件は前記食材の加熱温度を含み、前記加熱制御部は、加熱温度が低い食材領域は、当該食材領域と加熱領域とが重複する時間が、加熱温度が高い食材領域と比較して短くなるように前記加熱領域変更装置を制御する、という構成でもよい。
この構成によると、加熱装置の出力を調整して加熱状態を変更する場合と比較して、加熱と非加熱との切り換えが容易である。このため、調理をより適切に行うことができる。
以上説明したように、ここに開示された技術は、ユーザーの作業を繁雑にすることなく、食材毎に適した調理を可能にする。
例示的な実施形態に係る調理機器の外観を示す斜視図である。 調理機器の加熱庫内を正面から見た図である。 ヒータの外観を示す斜視図である。 ヒータの横断面を例示する断面図である。 ヒータの加熱庫内の配置を示す概略図である。 ヒータが形成する加熱領域を概略的に示す正面図である。 制御装置とその主な周辺機器との関係を示すブロック図である。 加熱庫内に配置されたカメラにより撮影された食材の画像を示す概略図である。 食材領域認識部により食材領域を認識する過程の一例を示す図である。 各食材に対して設定される温度プロファイルの一例を示すグラフである。 制御装置により食材領域を再設定する過程の一例を示す図である。 設定した温度プロファイルと食材の内部温度の変化とを比較するグラフである。 調理機器の動作を例示するタイミングチャートである。 制御装置の制御例を示すフローチャートである。
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明において、調理機器について、上下方向における上側を「上」、下側を「下」といい、後述の開閉扉12側を「前」、開閉扉12とは反対側を「後」といい、前側から後側を見たときの左側を「左」、右側を「右」という。
〈調理機器の構成〉
図1及び図2は、調理機器1の構成を概略的に示す。調理機器1は、いわゆるオーブンである。調理機器1は、加熱庫S内に配置された複数の食材を自動的に加熱調理する調理機器である。
調理機器1は、加熱庫Sを有する箱状の筐体11と、筐体の前面(開口面)に設けられた開閉扉12とを有する。開閉扉12は、筐体11の下側部分に枢軸を介して取り付けられていて、筐体11に対して揺動可能になっている。加熱庫Sは、開閉扉12によって開閉される。
加熱庫S内には、載置棚13が設けられている。載置棚13は、前後方向に延びるに延びて左右方向に並べられる複数の棒状部材と、該複数の棒状部材を左右方向に連結するように左右方向に延びる別の棒状部材とで構成されている。載置棚13の左右方向の端部は筐体11の側壁部に支持されている。載置棚13には、トレイ14(図2参照)が載置される。トレイ14は、金属(例えば鉄)の板材で構成されている。トレイ14は、食材が載置される。
筐体11の前側かつ上側の部分には、スイッチやモニターなど、ユーザーが操作する操作部15が設けられている。
加熱庫S内には、複数の加熱装置2が配置されている。加熱装置2は、加熱庫S内に配置された複数の食材をそれぞれ加熱する。加熱装置2は、第1のヒータ20と、第2のヒータ30とを有する。
また、調理機器1には、加熱庫S内の食材の食材情報を取得するためのデバイス類(食材撮影装置40、三次元計測装置41)や食材の加熱状態を検知するデバイス類(温度検知装置42)と、これらから取得された情報に基づいて、加熱装置2の動作を制御する制御装置50(図6参照)とが設けられている。
〈加熱装置〉
図2及び図6に示すように、第1のヒータ20は、筐体11の上側壁部(つまり、加熱庫S内の上側部分)に設けられている。第1のヒータ20は、左右に離間して2つ設けられている。各第1のヒータ20は、前後方向に延びるように配置されている。各第1のヒータ20は、赤外線を放出する赤外線ヒータで構成されている。第1のヒータ20は、通電により発熱する電熱線を有していてもよい。
図3及び図4に示すように、第1のヒータ20は、赤外線を放出する熱源としての赤外線放出部21を有する。赤外線放出部21は、カバー22内に配置されている。カバー22は、赤外線放出部21を上側から覆う上側カバー22aと、赤外線放出部21を下側から覆う下側カバー22bとを有する。詳細な図示は省略しているが、下側カバー22bは、長手方向に格子状になっている。カバー22の長手方向の端部には、第1のヒータ20を回転させる回転軸23が取り付けられている。
赤外線放出部21は、本実施形態では3つ設けられている。各赤外線放出部21は、回転軸23の軸心とそれぞれ同軸になるように並べられている。これにより、第1のヒータ20が回転軸23周りに回転したとしても各赤外線放出部21の位置が変わらないようになる。
上側カバー22aの内側面は、赤外線放出部21が放出する赤外線を反射する反射部24になっている。反射部24の横断面形状は、赤外線放出部21を焦点とする放物線状をなす。放物線状の反射部24が設けられていることにより、各赤外線放出部21から放出された赤外線は、高い指向性で下側に向かって放出される(図6参照)。
各回転軸23は筐体11の後側壁部にそれぞれ支持されている。各回転軸23の後側端部には、回転軸を軸周りに回転させるための回転機構25がそれぞれ取り付けられている。回転機構25は、例えば、モータとギヤとで構成されている。回転軸23及び回転機構25は、加熱領域変更装置の一例である。
図6に示すように、第1のヒータ20が回転軸23周りに回転すると、反射部24が回転することで、赤外線の照射領域(すなわち加熱領域HA)が変更される。これにより、食材が加熱領域HAに含まれる加熱状態と、食材が加熱領域HAに含まれない非加熱状態とを切り換えることができる。第1のヒータ20の回転は、制御装置50により制御される。制御装置50は、2つの第1のヒータ20の回転、すなわち各回転機構25の駆動を個別に制御することができる。
第2のヒータ30は、筐体11の後側壁部(つまり、加熱庫S内の後側部分)に設けられている。第2のヒータ30は、いわゆる対流ヒータ(コンベクションヒータ)である。第2のヒータ30は、図2及び図6に示すように、左右方向の中央において上下に並ぶように2つ設けられている。
図2に示すように、第2のヒータ30は、空気を加熱する発熱部31と、加熱された空気を加熱庫S内に送り込む遠心ファン32とを有する。遠心ファン32は、回転することにより回転軸方向に吸い込んだ空気を径方向(すなわち回転軸方向と直交する方向)に吹き出す。遠心ファン32は、送風口の後側に、回転軸方向が筐体11の前後方向に沿う方向となるように配置されている。発熱部31は、通電により発熱する電熱線で構成されている。発熱部31は、遠心ファン32の周囲に円環状に設けられている。第2のヒータ30の遠心ファン32を回転させることにより、加熱庫S内の空気を循環させることができる。
第1及び第2のヒータ20,30は、それぞれ、連続的に駆動する連続駆動状態と、予め設定された駆動周期のうち予め設定された駆動時間だけ駆動する間欠駆動状態とに切り換え可能に構成されている。また、第1及び第2のヒータ20,30は、それぞれ、駆動周期に対する駆動時間割合を変更可能に構成されている。例えば、第1のヒータ20は、連続駆動状態から間欠駆動状態になると出力が低下する。また、間欠駆動状態の第1のヒータ20は、駆動周期に対する駆動時間の割合を小さくすると出力が低下する。各第1のヒータ20は、各赤外線放出部21の駆動状態(すなわち出力)を個別に制御することができるようになっている。第1及び第2のヒータ20,30の駆動状態は、制御装置50により制御される。
加熱庫S内の食材の加熱温度や加熱速度は、第1及び第2のヒータ20,30の出力と第1のヒータ20の加熱領域HAの制御により調整される。例えば、食材を高温状態に急加熱したいときには、第1及び第2のヒータ20,30を連続駆動状態にするとともに、食材が常に加熱領域HAに含まれるようにすればよい。一方で、食材を中温で維持したいときには、維持したい温度に応じて第1及び第2のヒータ20,30の駆動状態を設定するとともに、加熱領域HAを対象の食材から適宜外して、温度が上がり過ぎるのを抑制するようにすればよい。
〈制御装置〉
調理機器1による加熱調理は、制御装置50により制御される。制御装置50は、プロセッサと、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報が格納されたメモリとにより構成されている。
図7示すように、制御装置50は、操作部15、食材撮影装置40、三次元計測装置41、温度検知装置42等と電気的に接続されている。制御装置50は、操作部15、食材撮影装置40、三次元計測装置41、温度検知装置42等との間で、情報を入出力するとともに、これらから取得した情報に基づいて、第1のヒータ20及び第2のヒータ30を制御する。制御装置50には、食材推定部51、食材領域認識部52、調理条件設定部53、内部温度推定部54、加熱制御部55等が設けられている。これらの詳細については後述する。
〈食材撮影装置〉
食材撮影装置40は、トレイ14に載置されて、加熱庫S内に配置された食材を撮影する。食材撮影装置40は、例えば、カメラで構成されている。食材撮影装置40は、加熱庫S内の食材を全て撮影できるように、例えば、筐体11の左上側かつ前後方向の中央の位置に配置されている。食材撮影装置40により撮影された画像は、制御装置50に出力される。食材撮影装置40は、食材情報取得部の一例である。
〈三次元計測装置〉
三次元計測装置41は、加熱庫S内に配置された食材の三次元形状を計測することにより、食材の三次元形状を示す三次元情報を導出する。具体的には、三次元情報は、対象物の三次元形状を示す三次元座標を含む。三次元計測装置41は、例えば、TOF(Time of Flight)カメラやステレオカメラ等の公知の三次元計測装置で構成されている。三次元計測装置41も、食材撮影装置40と同様に、例えば、筐体11の左上側かつ前後方向の中央の位置に配置されている。三次元計測装置41により導出された三次元情報は、制御装置50に出力される。三次元計測装置41は、食材情報取得部の一例である。
〈温度検知装置〉
温度検知装置42は、食材やトレイ14の表面温度を検知する。温度検知装置42は、非接触型の温度検知装置で構成されている。温度検知装置42は、筐体11の内部の上側部分に設置されている。温度検知装置42は、食材を含むトレイ14の上面の略全域をスキャンして、これら(食材やトレイ14)の表面温度を断続的に検知する。温度検知装置42により検知された食材等の表面温度情報は、制御装置50に出力される。
〈食材推定部〉
食材推定部51は、食材撮影装置40や三次元計測装置41により取得された情報に基づいて、加熱庫S内に配置された食材を推定する。具体的には、食材推定部51は、食材の種類、大きさ、量等の食材情報を推定する。食材推定部51は、加熱庫S内に複数の食材が配置されているときには、食材毎に食材情報を推定する。食材推定部51は、食材情報取得部の一例である。
具体的には、制御装置50のメモリには、様々な食材の画像情報が予め記憶されている。食材推定部51は、これらの画像情報と、食材撮影装置40が撮影した画像情報とを照合し、比較する。これにより、これらの類似性を確率的に判定する、そして、食材推定部51は、類似性が最も高く認められた食材を、その食材の種類であると推定する。
また、食材推定部51は、三次元計測装置41により取得された三次元情報に基づいて、その推定の適否を判定する。すなわち、メモリには食材の立体形状に関する情報も、その食材と関連付けて記憶されている。食材推定部51は、これらの立体形状についても、同様に、照合、比較することで、推定の適否を判定する。
また、食材推定部51は、食材撮影装置40が撮影した画像情報及び三次元計測装置41により取得された三次元情報に基づいて、食材の大きさや量を推定する。食材推定部51は、例えば、食材撮影装置40が撮影した画像情報から食材の2次元的な大きさを推定し、三次元計測装置41により取得された三次元情報から食材の厚み等を推定することで、食材の大きさ及び量を推定する。
尚、食材推定部51は、AI(Artificial Intelligence)等の学習機能を有するシステムを有していてもよい。
〈食材領域認識部〉
食材領域認識部52は、食材撮影装置40が撮影した画像情報から、トレイ14に載置された各食材の食材領域を認識する。
食材領域認識部52は、食材撮影装置40により取得された画像と、加熱庫Sに対する食材撮影装置40の位置関係とに基づいて、実際の各食材領域を認識する。具体的には、前述したように、食材撮影装置40が筐体11の左上側かつ前後方向の中央の位置に配置されているときには、図8に示すように、食材撮影装置40により取得される画像は、トレイ14が台形状に変形した形状となる。トレイ14上に配置された各食材(ここでは、牛肉F1、トマトF2、及びジャガイモF3)も、同様に変形した形状となる。
図9に示すように、食材領域認識部52は、トレイ14の領域については一旦台形状に画定する一方で、各食材F1~F3の食材領域FA1~FA3については一旦長方形状に画定させる。次に、食材領域認識部52は、トレイ14を実際のトレイの形状、すなわちトレイ14を面直方向の上側から見たときの形状に補正する。実際のトレイ14の形状は、制御装置50のメモリに予め記憶されている。食材領域認識部52は、トレイ14の画像に対して行った補正と同様の補正を各食材F1~F3及び各食材領域FA1~FA3に対して実行する。この段階では、各食材領域FA1~FA3は台形状になる。そして、食材領域認識部52は、各食材F1~F3の補正後の画像に合わせて各食材領域FA1~FA3をそれぞれ修正する。これにより、各食材領域FA1~FA3が、実際に食材が配置された領域、すなわちトレイ14の面直方向の上側から食材F1~F3を見たときの各食材F1~F3の領域を反映するようになる。
〈調理条件設定部〉
調理条件設定部53は、食材推定部51により推定された食材の種類、大きさ、量等に応じて、食材毎に調理条件をそれぞれ設定する。本実施形態では、調理条件は、対象となる食材を加熱する際の温度プロファイルである。
調理条件設定部53には、食材毎に最適な調理条件が予め記憶されている。例えば、調理条件設定部53には、図10に示すように、牛肉F1を加熱する際の温度プロファイルが予め記憶されている。図10に示すように、牛肉F1に対する温度プロファイルは、低温でじっくり加熱させて内部温度が30℃程度になったときから内部温度が58℃程度になるまで急加熱させる、という温度プロファイルになっている。このような温度プロファイルで牛肉F1を調理すれば、肉の繊維の収縮が抑えられて肉が柔らかくすることができるとともに、表面に適度な焼き色が付いて見た目も美しくすることができる。一方で、図示は省略するが、ジャガイモF3などは、肉類と比較して短い時間で加熱させる温度プロファイルとなっている。これにより、水分の流出が抑えられてホクホクとした仕上がりになる。
調理条件設定部53は、記憶された調理条件から、推定された食材(食材の種類、大きさ、及び量)に最適な調理条件を選択する。そして、調理条件設定部53は、推定された食材毎に最適な調理条件を設定する。尚、調理条件設定部53に記憶された調理条件は、食材の種類、大きさ、及び量毎に細分化されていてもよいし、食材の種類のみよって分けられていてもよい。調理条件設定部53に記憶された調理条件が食材の種類のみよって分けられているときには、調理条件設定部53は、推定された食材の大きさや量に応じて調理条件を補正することで、加熱対象となっている食材に最適な調理条件を設定する。
〈内部温度推定部〉
内部温度推定部54は、食材の食材情報、三次元情報、及び表面温度情報に基づいて、食材の内部温度を推定する。
内部温度推定部54は、食材を加熱調理する前に、三次元情報に基づいて、食材の内部温度を推定する箇所を特定する処理(計測箇所特定処理)と、熱伝導モデル式に食材の熱伝導率を導入する処理(演算式設定処理)と、を実行する。
計測箇所特定処理では、加熱によって温度が最も上昇し難い食材内部の位置を特定する。例えば、食材の三次元情報に基づいて、食材の厚みが大きく、食材の表面からその中心までの距離が最も大きい位置を特定する。このとき、食材の裏側からの距離は、トレイ14の存在を考慮するのが好ましい。
食材の熱伝導率は、制御装置50のメモリに食材情報の一部として記憶されている。熱伝導モデル式も前記メモリに記憶されている。
演算式設定処理では、熱伝導モデル式に、対象となる食材の熱伝導率を導入する。そうすることにより、対象となる食材に応じた適切な熱伝導モデル式が設定される。尚、熱伝導モデル式は、対象物の表面温度に基づいて、その対象物の表面から所定距離離れた位置での内部温度を求める演算式である。熱伝導モデル式は1つであってもよいし、種々の条件に対応した複数の熱伝導モデル式から選択できるようになっていてもよい。
加熱調理中は、温度検知装置42により、食材の表面温度が計測され、その表面温度情報が制御装置50に入力される。内部温度推定部54は、設定された熱伝導モデル式に、特定した温度推定箇所の表面温度情報を適用する。これにより、内部温度推定部54は、加熱装置2により経時的に変化する、食材の最も昇温し難い部分の内部温度を演算する。
〈加熱制御部〉
加熱制御部55は、食材領域認識部52が認識した各食材領域及び調理条件設定部53が設定した各調理条件に応じて、加熱装置2をそれぞれ制御する。
加熱制御部55は、各食材領域に対して、該各食材領域にそれぞれ含まれる食材に応じて、各調理条件を当てはめる。例えば、図11に示す例では、トレイ14の右側の領域に牛肉F1の食材領域FA1が設定され、左後側の領域にトマトF2の食材領域FA2が設定され、左前側の領域にジャガイモF3の食材領域FA3がそれぞれ設定されている。加熱制御部55は、食材領域FA1に対しては牛肉F1の調理条件を当てはめ、食材領域FA2に対してはトマトF2の調理条件を当てはめ、食材領域FA3に対してはジャガイモF3の調理条件を当てはめる。
加熱制御部55は、調理条件が同じ食材の食材領域については、1つの食材領域であると判断して、食材領域を設定し直す。例えば、図11に示す例では、ジャガイモF3の食材領域FA3が3つあって、各領域に対しては同じジャガイモF3の調理条件がそれぞれ設定されている。このため、加熱制御部55は、食材領域認識部52が認識した食材領域FA3は3つに分かれていたとしても、図11の右図に示すように、3つのジャガイモF3の各食材領域FA3が含まれる食材領域FA3’を再設定する。
加熱制御部55は、全ての食材領域の調理が同時に完了するように、食材領域毎の各調理条件(温度プロファイル)をそれぞれ再設定する。例えば、図8に示すように、牛肉F1とトマトF2とジャガイモF3とを同時に調理する場合、牛肉F1のような肉類と、トマトF2やジャガイモF3のような野菜類とでは調理完了までにかかる時間が異なる。そこで、加熱制御部55は、例えば、トマトF2及びジャガイモF3の加熱開始のタイミングをずらす等して、調理完了のタイミングが同時になるようにトマトF2及びジャガイモF3の温度プロファイルを設定し直する。
加熱制御部55は、食材領域FA1,FA2,FA3’毎に当てはめられた調理条件に基づいて、各食材領域FA1,FA2,FA3’が個別の調理温度にそれぞれ加熱されるように加熱装置2を制御する。加熱制御部55は、前述のように調理条件(温度プロファイル)を再設定したときには、再設定した調理条件に基づいて各食材領域FA1,FA2,FA3’の調理が同時に完了するように加熱装置2を制御する。加熱制御部55は、第1及び第2のヒータ20,30の駆動状態を制御することで、食材の加熱状態を調整する。例えば、加熱制御部55は、加熱温度が低い食材領域については、当該食材領域と加熱領域HAとが重複する時間が、加熱温度が高い食材領域と比較して短くなるように第1のヒータ20の回転機構25を作動させたり、加熱温度が高い食材領域と比較して赤外線放出部21の出力が低くなるように第1のヒータ20の駆動状態を調整したりする。
加熱制御部55は、加熱調理中は、温度検知装置42の検知結果に基づく食材の内部温度に応じて加熱装置2を制御する。すなわち、加熱制御部55は、加熱調理中に、内部温度推定部54により推定された食材の内部温度と、当該食材に設定した温度プロファイルとの間に差分が生じたときには、該差分が減少するように加熱装置2を制御する。図12には、牛肉F1の調理条件としての温度プロファイルと実際の牛肉F1の推定内部温度とを比較して示す。図12では、牛肉F1は低温調理中(ここでは内部温度が30℃未満)の部分を抜粋して示している。図12に示すように、牛肉F1を加熱調理しているときに、牛肉F1の推定内部温度が、設定した温度プロファイルに対して、差分が生じたとみなせる程度に高くなったとする。このときには、加熱制御部55は、牛肉F1を加熱している第1のヒータ20の出力を低くしたり、当該第1のヒータ20を回転させて牛肉F1を加熱領域HAから除いたりして、牛肉F1の推定内部温度が設定した温度プロファイルが示す温度になるようにする。逆に、牛肉F1の推定内部温度が設定した温度プロファイルよりも低くなったときには、第1のヒータ20の出力を高くしたり、牛肉F1を加熱領域HAに含まれる時間を長くしたりする。尚、「差分」は、設定した温度プロファイルに対して推定内部温度が高い場合と、推定内部温度が低い場合との両方を含む。「差分」とみなすことができる温度差としては、例えば1℃以上に設定することができるが、食材の種類に応じて個別にされていてもよい。
〈調理機器の加熱調理の一例〉
次に、図13を参照して、本実施形態に係る調理機器1の加熱調理の一例を説明する。尚、図13に示す例では、調理対象となる食材は、図8で示した牛肉F1、トマトF2、及び3つのジャガイモF3である。これらの配置も、図8で示した配置であって、トレイ14の右側の領域に牛肉F1、左後側の領域にトマトF2、左前側の領域にジャガイモF3という配置になっている。
時刻tになると、まず第2のヒータ30が駆動状態となる。具体的には、第2のヒータ30の発熱部31と遠心ファン32とを20秒ONした後に40秒OFFする動作を行う。
時刻tになると、第2のヒータ30に加えて、左側の第1のヒータ20が間欠駆動状態で駆動される。第2のヒータ30の発熱部31と遠心ファン32とを20秒ONした後に40秒OFFする動作を行う。第1のヒータ20は、ジャガイモF3の食材領域FA3’を加熱する赤外線放出部21の出力と比較して、トマトF2の食材領域FA2を加熱する赤外線放出部21の出力の方が低くなるように、左側の第1のヒータ20を制御する。これにより、トマトF2及びジャガイモF3の内部温度が上昇する。このとき、加熱制御部55は、トマトF2及びジャガイモF3の内部温度が急激に上昇するのを抑制するために、回転機構25により左側の第1のヒータ20の反射部24を適宜回転させて、加熱領域HAをトマトF2及びジャガイモF3の食材領域FA2,FA3’から外すようにする。
時刻tになると、右側の第1のヒータ20も駆動状態となる。このとき、右側の第1のヒータ20は連続駆動状態で駆動される。また、第2のヒータ30も連続駆動状態に変更される。これにより、牛肉F1の内部温度が急上昇する。また、第2のヒータ30が連続駆動状態になったことで、トマトF2及びジャガイモF3の内部温度も上昇する。
時刻tになると、第2のヒータ30を連続駆動状態にしたまま右側の第1のヒータ20をOFFにする。一方で、左側の第1のヒータ20は間欠駆動状態のまま駆動される。これにより、牛肉F1については第2のヒータ30のみで加熱されるため、内部温度の上昇が僅かに緩やかになる一方で、トマトF2及びジャガイモF3については第1のヒータ20及び第2のヒータ30で加熱されるためそのまま内部温度が上昇する。
以上のように、加熱調理が進むことで、牛肉F1は肉繊維の収縮が抑えられて、柔らかくジューシーな仕上がりとなる。一方で、トマトF2やジャガイモF3は、内部に適度な水分とうまみ成分を有する状態に仕上がる。
〈制御装置の動作〉
次に、制御装置50の一連の処理動作について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS1において、制御装置50は、ユーザーからの調理指示があったか否かを判定する。制御装置50は、ユーザーが操作部15のスタートボタンを押したか否か等に基づいて判定する。制御装置50は、調理指示があったYESのときにはステップS2及びステップS3に進む一方で、調理指示がないNOのときには処理を終了する。
前記ステップS2では、制御装置50は、食材撮影装置40により加熱庫S内の食材を撮影する。
また、前記ステップS3では、前記ステップS2と併行して、制御装置50は、三次元計測装置41により加熱庫S内の食材の三次元情報を取得する。
次のステップS4では、制御装置50は、食材の画像情報から、加熱庫S内の各食材の食材領域を認識する。
また、前記ステップS4と併行して、ステップS5において、制御装置50は、食材の画像及び食材の三次元情報に基づいて食材の種類、大きさ、量等の食材情報を推定する。
また、前記ステップS4と併行して、ステップS6において、制御装置50は、推定された食材情報に基づいて、各食材の調理条件をそれぞれ設定する。調理条件はここでは温度プロファイルである。
次のステップS7において、制御装置50は、各調理条件を各食材領域に当てはめる。これにより、食材領域毎に調理条件が設定される。
続くステップS8において、制御装置50は、前記ステップS7で当てはめた調理条件が同じ食材領域が1つの食材領域になるように、食材領域を再設定する。
次いで、ステップS9において、制御装置50は、加熱庫S内の各食材の調理が同時に完了するように、当てはめた調理条件を修正して、再度、各食材領域に当てはめる。
そして、ステップS10において、制御装置50は、設定した各調理条件に従って、各食材領域の各食材を加熱調理する。
加熱調理を開始した後のステップS11において、制御装置50は、調理条件(温度プロファイル)と、当該調理条件が設定された食材の内部温度との間に差分が生じているか否かを判定する。この内部温度は、温度検知装置42により検知された食材の表面温度から推定される内部温度である。制御装置50は、調理条件と食材の内部温度との間に差分が生じているYESのときには、ステップS12に進む一方で、調理条件と食材の内部温度との間に差分が生じていないNOのときには、ステップS13に進む。
前記ステップS12では、制御装置50は、差分が減少するように加熱装置2を制御する。このステップS12において、制御装置50は、第1及び第2のヒータ20,30の出力を調整したり、第1のヒータ20を回転制御したりして、各食材の加熱状態を調整する。
次のステップS13では、制御装置50は、調理が完了したか否かを判定する。制御装置50は、設定した各調理条件がそれぞれ達成されて、各食材領域の食材の推定内部温度が所定の温度に達成したときに、調理が完了したと判定する。制御装置50は、調理が完了したYESのときには、ステップS14に進む一方で、調理が未だに完了していないNOのときには、前記ステップS11に戻る。
前記ステップS14では、制御装置50は加熱装置2をオフにする。ステップS14の後は調理を終了する。制御装置50は、調理が終了したときには、例えば、ブザーを鳴らす等して、ユーザーに調理が完了したことを報知する。
したがって、本実施形態では、調理機器1は、複数の食材を加熱する加熱装置2と、加熱庫S内に配置された複数の食材のそれぞれの食材情報を取得する食材情報取得部(食材撮影装置40、三次元計測装置41、食材推定部51)と、食材情報取得部が取得した各食材情報に基づいて、複数の食材が配置された領域である食材領域をそれぞれ認識する食材領域認識部52と、食材情報取得部が取得した各食材情報に基づいて、複数の食材毎に調理条件をそれぞれ設定する調理条件設定部53と、加熱装置2を制御する加熱制御部55と、を備える。加熱制御部55は、食材領域認識部52が認識した各食材領域及び調理条件設定部53が設定した各調理条件に応じて、各食材領域が個別の調理温度にそれぞれ加熱されるように加熱装置2を制御する。このように、各食材領域の食材が個別の調理温度で調理される。調理条件は食材情報に基づいて設定されているため、各食材に適した調理条件となっている。また、これらの調理が自動で行われるため、ユーザーの作業が繁雑になることもない。したがって、この調理機器1は、ユーザーの作業を繁雑にすることなく、食材毎に適した調理を可能にする。
また、本実施形態において、加熱庫S内に配置された複数の食材の画像を取得する食材撮影装置40を含み、食材領域認識部52は、食材撮影装置40により取得された画像と、加熱庫Sに対する食材撮影装置40の位置関係とに基づいて、実際の各食材の領域を認識する。これにより、加熱庫S内での食材の配置を精度良く認識することができるため、調理をより適切に行うことができる。
また、本実施形態において、食材推定部51により取得される食材情報は、各食材の種類を含み、調理条件設定部53は、各食材の種類毎に調理条件をそれぞれ設定する。これにより、食材の種類毎に最適な調理条件が設定されるため、調理をより適切に行うことができる。
特に本実施形態では、食材情報は、各食材の種類、大きさ、及び量を含み、調理条件設定部53は、各食材の種類、大きさ、及び量に応じた調理条件を設定可能に構成されている。これにより、各食材の種類、大きさ、及び量を考慮した調理条件が設定されるため、調理をより適切に行うことができる。
また、本実施形態において、加熱制御部55は、調理条件設定部53が設定した各調理条件が同じ食材の食材領域については、食材領域認識部52が認識した食材領域が分かれていたとしても、1つの食材領域であると判断して加熱装置2を制御する。これにより、食材領域が広くなるように再設定されるため、加熱装置2の制御が容易になる。この結果、調理をより適切に行うことができるとともに、料理時間の短縮を図ることができる。また。
また、本実施形態において、調理条件設定部53が設定する調理条件は、食材を加熱する際の温度プロファイルであり、調理条件設定部53は、食材毎に予め設定された複数の温度プロファイルを記憶しており、加熱制御部55は、各食材領域の該各温度プロファイルに基づいて加熱装置2を制御する。このように、食材毎に温度プロファイルを設定することで、調理をより適切に行うことができる。
また、本実施形態では、加熱制御部55は、全ての食材領域の調理が同時に完了するように、食材領域毎の各温度プロファイルをそれぞれ再設定して、再設定した各温度プロファイルに基づいて加熱装置2を制御する。この構成によると、調理が同時に完了するため、ユーザーが仕上がり状態を逐次確認する必要がなくなる。このため、ユーザーの作業をより簡易にすることができる。
また、本実施形態では、加熱制御部55は、温度検知装置42の検知結果に基づく食材の内部温度と、当該食材に設定された温度プロファイルとに差分が生じたときには、該差分が減少するように加熱装置2を制御する。すなわち、加熱庫S内における食材の配置等によって、調理中の食材の内部温度の変化と調理条件として設定した温度プロファイルとの間に差分が生じることがある。このため、本実施形態のように差分が減少するように加熱装置2を制御することで、調理をより適切に行うことができる。
また、本実施形態では、加熱装置2の第1のヒータ20は、遠赤外線を放出する熱源としての赤外線放出部21と、該赤外線放出部21からの遠赤外線を反射する反射部24とを有し、回転軸23周りに反射部24を回転させて、加熱領域HAを変更する。これにより、食材の加熱状態を容易に調整することができるため、調理をより適切に行うことができる。
特に本実施形態では、加熱装置2の第1のヒータ20は、複数の赤外線放出部21を有し、加熱制御部55は、各赤外線放出部21の出力を個別に制御可能である。これにより、食材の加熱状態をより細かく調整することができるため、調理をより適切に行うことができる。
また、本実施形態において、加熱制御部55は、加熱温度が低い食材領域は、当該食材領域と加熱領域とが重複する時間が、加熱温度が高い食材領域と比較して短くなるように反射部24の向きを制御する、という構成でもよい。
この構成によると、食材の加熱と非加熱との切り換えを容易に行うことができるため、調理をより適切に行うことができる。
(その他の実施形態)
ここに開示された技術は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、前述の実施形態では、調理条件として、食材の温度プロファイルを例示した。これに限らず、調理条件は、食材の目標加熱温度であってもよい。この目標加熱温度は、食材毎に適切な温度(内部まで十分に加熱されて、生焼け等が生じない温度)に設定されている。
また、前述の実施形態では、食材領域認識部52は食材を個別に認識していた。これに限らず、食材領域認識部52は、食材の間の距離が所定距離未満の2つ以上の食材については、1つの食材領域にあると認識するように構成されていてもよい。メインの食材と付け合わせの食材とを同時に調理するときには、通常、各食材から流れ出た脂や水分が他の食材に混ざらないように、異なる食材同士の間にはある程度の隙間を設ける。逆に、同じ食材については、通常、調理状態に偏りが生じにくいように一箇所に集める。このため、食材の間の距離が所定距離未満の2つ以上の食材については、1つの食材領域にあるとみなしたとしても、大きな問題とはならない。また、食材領域認識部52は、食材推定部51から食材情報を取得して、食材の間の距離が所定距離未満でかつ食材の種類が同じ食材領域については、1つの食材領域にあると認識するように構成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、加熱制御部55が、調理条件が同じ食材の食材領域については、1つの食材領域であると判断して、食材領域を設定し直していた。これに限らず、加熱制御部55の代わりに、食材領域認識部52が、調理条件が同じ食材の食材領域について1つの食材領域になるように食材領域を設定し直してもよい。このとき、食材領域認識部53は、まず、食材推定部51により推定された食材情報に基づいて、各食材領域に対して、該各食材領域にそれぞれ含まれる食材に応じて、調理条件設定部53が設定した各調理条件を当てはめる。そして、食材領域認識部52は、調理条件が同じ食材の食材領域について1つの食材領域になるように食材領域を再設定する。この場合、食材領域認識部52からの情報には、食材領域と各食材領域の調理条件とが含まれるようになるため、加熱制御部55は、食材領域認識部52から入力される情報のみに基づいて加熱装置2を制御することができる。
また、加熱制御部55の代わりに、調理条件設定部53が、調理条件が同じ食材の食材領域について1つの食材領域になるように食材領域を設定し直してもよい。このとき、調理条件設定部53は、まず、食材推定部51により推定された食材情報と食材領域認識部52により認識された各食材領域とに基づいて、各食材領域に対して、該各食材領域にそれぞれ含まれる食材に応じて、各調理条件を当てはめる。そして、調理条件設定部53は、調理条件が同じ食材の食材領域について1つの食材領域になるように食材領域を再設定する。この場合、調理条件設定部53からの情報には、食材領域と各食材領域の調理条件とが含まれるようになるため、加熱制御部55は、調理条件設定部53から入力される情報のみに基づいて加熱装置2を制御することができる。
また、前述の実施形態では、加熱制御部55が、全ての食材領域の調理が同時に完了するように、食材領域毎の温度プロファイルをそれぞれ再設定していた。これに限らず、加熱制御部55の代わりに、調理条件設定部53が、全ての食材領域の調理が同時に完了するように、食材領域毎の温度プロファイルをそれぞれ再設定してもよい。この場合、前述のように、食材領域認識部52により認識された各食材領域に関する情報を調理条件設定部53が取得できるようにする必要がある。
また、前述の実施形態では、第1のヒータ20は、左右方向に2列設けられていたが、3列以上設けられていてもよい。また、第1のヒータ20は、左右方向に延びかつ前後方向に並んで配置してもよい。また、第1のヒータ20の赤外線放出部21の数を少なくしてその全長を短くした上で、前後方向に延びる配置と左右方向に延びる配置とを組み合わせるようにしてもよい。
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
ここに開示された技術は、加熱庫内に配置された複数の食材を加熱調理する調理機器として有用である。
1 調理機器
2 加熱装置
20 第1のヒータ
21 赤外線放出部
23 回転軸(加熱領域変更装置)
24 反射部(加熱領域変更装置)
25 回転機構(加熱領域変更装置)
30 第2のヒータ
40 食材撮影装置(食材情報取得部)
41 三次元計測装置(食材情報取得部)
42 温度検知装置
51 食材推定部(食材情報取得部)
52 食材領域認識部
53 調理条件設定部
54 内部温度推定部
55 加熱制御部
F1 牛肉(食材)
F2 トマト(食材)
F3 ジャガイモ(食材)
FA1 食材領域
FA2 食材領域
FA3 食材領域
FA3’ 食材領域
HA 加熱領域

Claims (12)

  1. 加熱庫内に配置された複数の食材を加熱調理する調理機器であって、
    前記複数の食材を加熱する加熱装置と、
    前記庫内に配置された前記複数の食材のそれぞれの食材情報を取得する食材情報取得部と、
    前記食材情報取得部が取得した各食材情報に基づいて、前記複数の食材が配置された領域である食材領域をそれぞれ認識する食材領域認識部と、
    前記食材情報取得部が取得した各食材情報に基づいて、前記複数の食材毎に調理条件をそれぞれ設定する調理条件設定部と、
    前記加熱装置を制御する加熱制御部と、を備え、
    前記加熱制御部は、前記食材領域認識部からの情報及び前記調理条件設定部からの情報の少なくとも一方に応じて、前記各食材領域が個別の調理温度にそれぞれ加熱されるように前記加熱装置を制御することを特徴とする調理機器。
  2. 請求項1に記載の調理機器において、
    前記食材情報取得部は、前記加熱庫内に配置された前記複数の食材の画像を取得する食材撮影装置を含み、
    前記食材領域認識部は、前記食材撮影装置により取得された画像と、前記加熱庫に対する前記食材撮影装置の位置関係とに基づいて、実際の前記各食材の領域を認識することを特徴とする調理機器。
  3. 請求項1又は2に記載の調理機器において、
    前記食材情報は、前記各食材の種類を含み、
    前記調理条件設定部は、前記各食材の種類毎に前記調理条件をそれぞれ設定することを特徴とする調理機器。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の調理機器において、
    前記食材情報は、前記各食材の種類、大きさ、及び量を含み、
    前記調理条件設定部は、前記各食材の種類、大きさ、及び量に応じた調理条件を設定可能に構成されていることを特徴とする調理機器。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載の調理機器において、
    前記食材領域認識部、前記調理条件設定部、及び前記加熱制御部の少なくとも1つは、前記各調理条件が同じ食材の食材領域については、1つの食材領域であると判断することを特徴とする調理機器。
  6. 請求項1~5のいずれか1つに記載の調理機器において、
    前記調理条件は、前記食材を加熱する際の温度プロファイルを含み、
    前記調理条件設定部は、前記食材毎に予め設定された複数の温度プロファイルを記憶しており、
    前記加熱制御部は、前記各食材領域の該各温度プロファイルに基づいて前記加熱装置を制御することを特徴とする調理機器。
  7. 請求項6に記載の調理機器において、
    前記調理条件設定部又は前記加熱制御部は、全ての前記食材領域の調理が同時に完了するように、前記食材領域毎の各温度プロファイルをそれぞれ再設定することを特徴とする調理機器。
  8. 請求項1~7のいずれか1つに記載の調理機器において、
    前記各食材の温度をそれぞれ検出する温度検知装置を更に備え、
    前記調理条件は、前記食材を加熱する際の温度プロファイルを含み、
    前記加熱制御部は、前記食材毎に設定された各温度プロファイルに基づいて前記加熱装置を制御するとともに、前記温度検知装置の検知結果に基づく前記食材の内部温度と、当該食材に設定された温度プロファイルとに差分が生じたときには、該差分が減少するように前記加熱装置を制御することを特徴とする調理機器。
  9. 請求項1~8のいずれか1つに記載の調理機器において、
    前記加熱装置は、加熱領域を変更可能な加熱領域変更装置を有し、
    前記加熱制御部は、前記加熱領域変更装置により加熱領域を調整することで、前記各食材領域が個別の調理温度にそれぞれ加熱可能なように前記加熱装置を制御することを特徴とする調理機器。
  10. 請求項9に記載の調理機器において、
    前記加熱装置は、複数の熱源を有し、
    前記加熱制御部は、前記各熱源の出力を個別に制御可能であることを特徴とする調理機器。
  11. 請求項10に記載の調理機器において、
    前記加熱装置は、赤外線を放出する前記熱源としての赤外線放出部と、該熱源からの赤外線を反射する反射部とを有し、
    前記加熱領域変更装置は、前記反射部を回転させて、前記加熱領域を変更する装置であることを特徴とする調理機器。
  12. 請求項9~11のいずれか1つに記載の調理機器において、
    前記調理条件は前記食材の加熱温度を含み、
    前記加熱制御部は、加熱温度が低い食材領域は、当該食材領域と加熱領域とが重複する時間が、加熱温度が高い食材領域と比較して短くなるように前記加熱領域変更装置を制御することを特徴とする調理機器。
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