JP2022087020A - インク、インク製造方法、及びインクジェットシステム - Google Patents

インク、インク製造方法、及びインクジェットシステム Download PDF

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JP2022087020A JP2021171213A JP2021171213A JP2022087020A JP 2022087020 A JP2022087020 A JP 2022087020A JP 2021171213 A JP2021171213 A JP 2021171213A JP 2021171213 A JP2021171213 A JP 2021171213A JP 2022087020 A JP2022087020 A JP 2022087020A
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友樹 松下
Yuki Matsushita
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Abstract

【課題】シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有するノズル基板及びSUSと、長期間接触していても、前記ノズル基板上の撥インク層及び前記SUSを劣化させることなく、前記ノズル基板及び前記SUSの撥インク性能を低下させない染料インクの提供。【解決手段】水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(2)を満たすインク原料に対して、以下の式(1)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法である。y≦-403x+3400・・・式(1)y>-403x+3400・・・式(2)【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インク製造方法、及び前記インクとインクジェットヘッドとを組み合わせたインクジェットシステムに関する。
従来、布帛に染料で図柄を堅牢・精細に描く方法として、スクリーン捺染、ローラ捺染、ロータリースクリーン捺染、グラビア印刷又はこれらのプリント技法を用いた転写捺染法が知られている。近年では、捺染する図柄等の画像をスキャナーで読み取り、コンピュータで処理した画像の信号を用いて、布帛等繊維材に直接プリント(捺染)する方式(電子写真方式やインクジェット方式)や、一旦転写紙に画像等をプリントし、その画像等を布帛等繊維材に転写する方式が実用化されている。
上記のような布帛等繊維材にプリントする際に使用されるインクには、多様な色材や溶剤が用いられている。
特許文献1及び2には、トリアジン骨格を有する反応染料やベンゾトリアゾール等を含有し、保存安定性や吐出安定性に優れたインク組成物が提案されている。
特許文献3には、色材やベンゾトリアゾール等を含み、電導度やpHが所定の範囲であるインクが提案されている。
特許文献4には、分子内にアルカリ金属又はアンモニウムを1個以上持つ染料を含有する金属非腐食性記録液が提案されており、前記金属非腐食性記録液がインクジェット記録に用いられるインクであることが記載されている。
特許文献5には、ノズル基板と、前記ノズル基板上にシリコーン樹脂を含有する撥インク層とを有するインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置が提案されており、前記ノズル基板は、インクが吐出されるノズル孔を有し、前記撥インク層はノズル基板のインク吐出側の面に形成されることが記載されている。
本発明は、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有するノズル基板及びSUSと、長期間接触していても、前記ノズル基板上の撥インク層及び前記SUSを劣化させることなく、前記ノズル基板及び前記SUSの撥インク性能を低下させない染料インクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のインク製造方法は、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(2)を満たすインク原料に対して、以下の式(1)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とする。
y≦-403x+3400・・・式(1)
y>-403x+3400・・・式(2)
本発明によると、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有するノズル基板及びSUSと、長期間接触していても、前記ノズル基板上の撥インク層及び前記SUSを劣化させることなく、前記ノズル基板及び前記SUSの撥インク性能を低下させない染料インクを提供することができる。
式(1)~式(4)の導出方法を説明するためのグラフである。 式(1)~式(4)の導出方法を説明するためのグラフである。 式(1)~式(4)を説明するためのグラフである。 本発明の一実施形態に係る全体概略図である。 本発明の一実施形態におけるメインタンクの一例を示す概略図である。
(インク、及びインク製造方法)
<インク>
本発明のインクに係る一態様は、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含み、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(1)を満たす。
y≦-403x+3400・・・(1)
本発明のインクに係る一態様は、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含み、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(3)を満たす。
y≦-402.99x+3429.1・・・(3)
また、本発明のインクは、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
<インク製造方法>
本発明のインク製造方法は、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインク原料に対して有機酸を添加する工程を有し、更に必要に応じて、その他の工程を有する。
前記インク原料に対して有機酸を添加する工程は、第一の態様、第二の態様、及び第三の態様を有し、いずれも本発明の課題を解決する。
前記第一の態様は、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(2)を満たすインク原料に対して、以下の式(1)を満たすように有機酸を添加する工程を有するインク製造方法であり、必要に応じて、その他の工程を有していてもよい。
y≦-403x+3400・・・式(1)
y>-403x+3400・・・式(2)
前記第二の態様は、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(4)を満たすインク原料に対して、以下の式(3)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法であり、必要に応じて、その他の工程を有していてもよい。
y≦-402.99x+3429.1・・・式(3)
y>-402.99x+3429.1・・・式(4)
前記第三の態様は、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインク原料100質量部に対して、有機酸を5質量部以上20質量部以下添加する工程を有するインク製造方法であり、必要に応じて、その他の工程を有していてもよい。
また、本発明のインク製造方法におけるインク原料及びインクは、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。
<式(1)~式(4)の導出方法>
本発明における式(1)~式(4)に対応する一次関数式は、以下のように導き出されたものである。
<<インク原料の調製>>
以下の材料を表1の組成になるように容器に入れ、2時間攪拌後、孔径0.45μmのメンブレンフィルターろ過を行うことで、インク原料1~2を得た。
・グリセリン(富士フイルム和光純薬社製)
・2-ピロリドン(三菱ケミカル社製)
・ジプロピレングリコール(住友化学社製)
・プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
・リアクティブ・オレンジ13
・リアクティブ・レッド24
・水(イオン交換水)
Figure 2022087020000001
得られたインク原料1~2のpH、電導度を測定した後、撥インク層に対する接液性を評価した。測定結果を表2に示す。
前記pHは、マルチ水質計(東亜ティーディーケー社製)を用いて、25℃に恒温し測定した。
前記電導度は、マルチ水質計(東亜ティーディーケー社製)を用いて測定した。
<<シリコーン樹脂を含む撥インク層に対する接液性の評価>>
各インク原料浸漬前の、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板において、撥インク層に対する水の接触角を測定した。なお、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板を備えたインクジェットヘッドとして、MH5320ヘッド(株式会社リコー製)を使用した。その後、前記インクジェットヘッドにインク原料1~2を充填し、ノズル面ごと前記インク原料に浸漬させ、50℃で4週間保管後、前記ノズル基板の撥インク層に対する水の接触角を測定した。接触角の測定値を表2に示す。
なお、接液性の評価としては、インク原料浸漬前の接触角を100%とし、下記の評価基準に基づいて行い、B以上を実用可能レベルとした。
[撥インク層接液性の評価基準]
AAA:浸漬後の接触角が97.5%以上
AA:浸漬後の接触角が95%以上97.5%未満
A:浸漬後の接触角が87%以上%95未満
B:浸漬後の接触角が60%以上87%未満
C:浸漬後の接触角が60%未満
Figure 2022087020000002
前記インク原料1~2におけるpHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)として、図1に示すようにプロットし、それら2点のプロットを通る直線を作成することで、一次関数式「y=-402.99x+3429.1」が導き出された。導き出された一次関数式の右辺を四捨五入することで、「y=-403x+3400」を導出した。
前記一次関数式におけるpH及び電導度というインク物性と、シリコーン樹脂を含む撥インク層の劣化と、の関係性について調べた。
前記一次関数式におけるpH及び電導度は、本発明におけるシリコーン樹脂を含む撥インク層に関係すると考えられる。より具体的には、撥インク層に含まれるシリコーン樹脂は、pH及び電導度が高いと溶解し劣化してしまう可能性がある。
そこで、有機酸を用いて、電導度及びpHを変化させることで、本発明の課題を解決できるか検証した。
インク原料に有機酸を添加することで、前記一次関数式から得られる以下(1)式及び(2)式を満たす場合が以下の4パターン挙げられ、どのパターンが本発明の課題を解決できるのかを検証した。
y≦-403x+3400・・・(1)
y>-403x+3400・・・(2)
(パターン1):(2)式を満たすインク原料に対して、(1)式を満たすように有機酸を添加して得られたインク
(パターン2):(2)式を満たすインク原料に対して、有機酸を添加しても、(2)式を満たすインク
(パターン3):(1)式を満たすインク原料に対して、有機酸を添加しても、(1)式を満たすインク
(パターン4):(1)式を満たすインク原料に対して、(2)式を満たすように有機酸を添加して得られたインク
また、インク原料に有機酸を添加することで、前記一次関数式から得られる以下(3)式及び(4)式を満たす場合が以下の4パターン挙げられ、どのパターンが本発明の課題を解決できるのかを検証した。
y≦-402.99x+3429.1・・・式(3)
y>-402.99x+3429.1・・・式(4)
(パターン5):(4)式を満たすインク原料に対して、(3)式を満たすように有機酸を添加して得られたインク
(パターン6):(4)式を満たすインク原料に対して、有機酸を添加しても、(4)式を満たすインク
(パターン7):(3)式を満たすインク原料に対して、有機酸を添加しても、(3)式を満たすインク
(パターン8):(3)式を満たすインク原料に対して、(4)式を満たすように有機酸を添加して得られたインク
より具体的な検証方法としては、特許2519744号の実施例1及び5、並びに特開2007-056190号公報の実施例1のインク100質量部に対して、酢酸を10質量部添加して検証した。
各インクのpH、電導度、接触角は、上述したインク原料1~2と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
Figure 2022087020000003
(パターン1)~(パターン4)、及び(パターン5)~(パターン8)で得られた各インクについて、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板に対する接液性評価を行った。
<<シリコーン樹脂を含む撥インク層に対する接液性の評価>>
上記(パターン1)~(パターン4)、及び(パターン5)~(パターン8)で得られたインクについて、インク浸漬前の、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板の撥インク層に対する水の接触角を測定した。前記シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板を備えたインクジェットヘッドとして、MH5320ヘッド(株式会社リコー製)を使用した。その後、前記インクジェットヘッドに前記インクを充填し、ノズル面ごと前記インクに浸漬させ、50℃で4週間保管後、前記ノズル基板の撥インク層に対する水の接触角を測定した。インク浸漬前の接触角を100%とし、接液性の評価を行った。
(パターン1)~(パターン4)で得られたインクのpH及び電導度の関係を図2に示す。
検証を行った4パターンのうち、前記(パターン1)で得られたインクのみが、撥インク層を有するノズル基板との接液性が良好であり、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有するノズル基板と長期間接触していても、前記ノズル基板上の撥インク層を劣化させることなく、前記ノズル基板の撥インク性能を低下させることがなかった。
前記(パターン2)及び前記(パターン3)で得られたインクは、いずれにおいても、撥インク層を有するノズル基板との接液性は不良であった。
なお、前記(パターン4)を満たすインクは、得ることができなかった。
また、前記(パターン5)で得られたインクのみが、撥インク層を有するノズル基板との接液性が良好であり、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有するノズル基板と長期間接触していても、前記ノズル基板上の撥インク層を劣化させることなく、前記ノズル基板の撥インク性能を低下させることがなかった。
前記(パターン6)及び前記(パターン7)で得られたインクは、いずれにおいても、撥インク層を有するノズル基板との接液性は不良であった。
なお、前記(パターン8)を満たすインクは、得ることができなかった。
これらの結果は、撥インク層に含まれるシリコーン樹脂が、アルカリによって溶解してしまうため、インクのpHを下げて酸性側に寄せることで、撥インク層の劣化を防ぐことが可能となると考えられる。
上記で求められた4つの一次関数式の妥当性を確認するために、下記に記載するインクを用いて、インク原料1~2と同様の方法を用いて、pH、電導度、撥インク層に対する接液性を測定した。結果を表4に示す。インクは特許2519744号に記載されている実施例1~5、並びに特開2007-056190号公報に記載されている実施例1~2、及び比較例3のインクを用いた。上記8つのインクのpH及び電導度の関係を図3に示す。
Figure 2022087020000004
上記で求められた一次関数式「y=-402.99x+3429.1」及び「y=-403x+3400」に対し、「y≦-402.99x+3429.1」及び「y≦-403x+3400」の範囲に含まれるインクはランクB以上であり、「y>-402.99x+3429.1」及び「y>-403x+3400」の範囲に含まれるインクは、ランクCとなり、撥インク層の接液性を切り分けることができた。
本発明者らは、第一の態様において、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(2)を満たすインク原料に対して、以下の式(1)を満たすように有機酸を添加する工程を有するインク製造方法でインクが製造されることにより、本発明の課題を解決できることを見出した。
y≦-403x+3400・・・式(1)
y>-403x+3400・・・式(2)
本発明者らは、前記第二の態様において、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(4)を満たすインク原料に対して、以下の式(3)を満たすように有機酸を添加する工程を有するインク製造方法でインクが製造されることにより、本発明の課題を解決できることを見出した。
y≦-402.99x+3429.1・・・式(3)
y>-402.99x+3429.1・・・式(4)
なお、本発明における(1)式~(4)式に対応する一次関数式の導出に用いられたインク原料は、標準品として使われる標準インクに、有機溶剤等を添加したものである。
前記標準インクは、既存のインクであるため、本発明の課題を解決することはできないが、有機溶剤等を添加し、pHを調整することで、本発明の課題を解決することができる。
前記特許文献1~5における従来のインクは、インクジェットヘッド内で長期間保存されると、シリコーン樹脂を含有する撥インク層と徐々に反応が生じ、前記撥インク層が劣化するという問題があった。さらに、従来の前記インクのpHや電導度が高い場合、前記撥インク層との反応が加速され、より劣化しやすくなることが知られている。前記撥インク層の劣化により、ノズル基板上の撥インク性能が低下すると、ノズル孔先端へのインクの付着を十分に防ぐことができず、吐出安定性の低下やインクの目詰まり、インク吐出時の飛翔方向等に異常が生じることがあった。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上述したインク、及びインク製造方法を用いることで、ノズル基板上の撥インク層に含まれるシリコーン樹脂への溶解性を低減させ、前記撥インク層の劣化を防ぐことができることを知見した。
また、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上述したインク、及びインク製造方法を用いて得られるインクは、SUSがインクに長時間触れていても、金属腐食を起こさず、溶出しないため、前記SUSの劣化を防ぐことができることを知見した。
したがって、本発明においては、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(2)を満たすインク原料に対して、以下の式(1)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法であること、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(4)を満たすインク原料に対して、以下の式(3)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法であること、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインク原料100質量部に対して、有機酸を5質量部以上20質量部以下添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法であること、水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含み、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とするインクであること、及び水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含み、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(3)を満たすことを特徴とするインクであることによって、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有するノズル基板及びSUSと、長期間接触していても、前記ノズル基板上の撥インク層及び前記SUSを劣化させることなく、前記ノズル基板及び前記SUSの撥インク性能を低下させない染料インクを得ることができる。
y≦-403x+3400・・・式(1)
y>-403x+3400・・・式(2)
y≦-402.99x+3429.1・・・式(3)
y>-402.99x+3429.1・・・式(4)
<トリアジン骨格を有する染料>
本発明のインク、及びインク製造方法における前記トリアジン骨格を有する染料としては、反応性染料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.リアクティブ・ブラック1、C.I.リアクティブ・ブラック3、C.I.リアクティブ・ブラック8、C.I.リアクティブ・ブラック10、C.I.リアクティブ・ブラック12、C.I.リアクティブ・ブラック13、C.I.リアクティブ・ブラック39、C.I.リアクティブ・ブルー2、C.I.リアクティブ・ブルー3、C.I.リアクティブ・ブルー5、C.I.リアクティブ・ブルー7、C.I.リアクティブ・ブルー13、C.I.リアクティブ・ブルー14、C.I.リアクティブ・ブルー15、C.I.リアクティブ・ブルー25、C.I.リアクティブ・ブルー26、C.I.リアクティブ・ブルー39、C.I.リアクティブ・ブルー40、C.I.リアクティブ・ブルー49、C.I.リアクティブ・レッド3、C.I.リアクティブ・レッド4、C.I.リアクティブ・レッド7、C.I.リアクティブ・レッド15、C.I.リアクティブ・レッド16、C.I.リアクティブ・レッド24、C.I.リアクティブ・レッド29、C.I.リアクティブ・レッド31、C.I.リアクティブ・レッド32、C.I.リアクティブ・レッド33、C.I.リアクティブ・レッド43、C.I.リアクティブ・レッド45、C.I.リアクティブ・レッド46、C.I.リアクティブ・レッド58、C.I.リアクティブ・レッド59、C.I.リアクティブ・レッド256、C.I.リアクティブ・レッド245、C.I.リアクティブ・イエロー3、C.I.リアクティブ・イエロー6、C.I.リアクティブ・イエロー12、C.I.リアクティブ・イエロー18、C.I.リアクティブ・イエロー95、C.I.リアクティブ・イエロー99、C.I.リアクティブ・オレンジ2、C.I.リアクティブ・オレンジ5、C.I.リアクティブ・オレンジ9、C.I.リアクティブ・オレンジ12、C.I.リアクティブ・オレンジ13、C.I.リアクティブ・オレンジ39、C.I.リアクティブ・グリーン5、C.I.リアクティブ・グリーン8、C.I.リアクティブ・バイオレット1、C.I.リアクティブ・バイオレット2などが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記トリアジン骨格を有する染料と併用可能な染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性染料、直接性染料、塩基性染料、前記反応性染料(第一の反応性染料)以外の第二の反応性染料などが挙げられる。前記酸性染料には、一部の食用染料が含まれてもよい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記酸性染料としては、例えば、C.I.アシッド・イエロー17、C.I.アシッド・イエロー23、C.I.アシッド・イエロー42、C.I.アシッド・イエロー44、C.I.アシッド・イエロー79、C.I.アシッド・イエロー142、C.I.アシッド・レッド1、C.I.アシッド・レッド8、C.I.アシッド・レッド13、C.I.アシッド・レッド14、C.I.アシッド・レッド18、C.I.アシッド・レッド26、C.I.アシッド・レッド27、C.I.アシッド・レッド35、C.I.アシッド・レッド37、C.I.アシッド・レッド42、C.I.アシッド・レッド52、C.I.アシッド・レッド82、C.I.アシッド・レッド87、C.I.アシッド・レッド89、C.I.アシッド・レッド92、C.I.アシッド・レッド97、C.I.アシッド・レッド106、C.I.アシッド・レッド111、C.I.アシッド・レッド114、C.I.アシッド・レッド115、C.I.アシッド・レッド134、C.I.アシッド・レッド186、C.I.アシッド・レッド249、C.I.アシッド・レッド254、C.I.アシッド・レッド289、C.I.アシッド・ブルー9、C.I.アシッド・ブルー29、C.I.アシッド・ブルー45、C.I.アシッド・ブルー92、C.I.アシッド・ブルー249、C.I.アシッド・ブラック1、C.I.アシッド・ブラック2、C.I.アシッド・ブラック7、C.I.アシッド・ブラック24、C.I.アシッド・ブラック26、C.I.アシッド・ブラック94などが挙げられる。
前記食用染料としては、例えば、C.I.フード・イエロー3、C.I.フード・レッド14、C.I.フード・ブラック1、C.I.フード・ブラック2などが挙げられる。
前記直接性染料としては、例えば、C.I.ダイレクト・イエロー1、C.I.ダイレクト・イエロー12、C.I.ダイレクト・イエロー24、C.I.ダイレクト・イエロー26、C.I.ダイレクト・イエロー33、C.I.ダイレクト・イエロー44、C.I.ダイレクト・イエロー50、C.I.ダイレクト・イエロー86、C.I.ダイレクト・イエロー120、C.I.ダイレクト・イエロー132、C.I.ダイレクト・イエロー142、C.I.ダイレクト・イエロー144、C.I.ダイレクト・レッド1、C.I.ダイレクト・レッド4、C.I.ダイレクト・レッド9、C.I.ダイレクト・レッド13、C.I.ダイレクト・レッド17、C.I.ダイレクト・レッド20、C.I.ダイレクト・レッド28、C.I.ダイレクト・レッド31、C.I.ダイレクト・レッド39、C.I.ダイレクト・レッド80、C.I.ダイレクト・レッド81、C.I.ダイレクト・レッド83、C.I.ダイレクト・レッド89、C.I.ダイレクト・レッド225、C.I.ダイレクト・レッド227、C.I.ダイレクト・オレンジ26、C.I.ダイレクト・オレンジ29、C.I.ダイレクト・オレンジ62、C.I.ダイレクト・オレンジ102、C.I.ダイレクト・ブルー1、C.I.ダイレクト・ブルー2、C.I.ダイレクト・ブルー6、C.I.ダイレクト・ブルー15、C.I.ダイレクト・ブルー22、C.I.ダイレクト・ブルー25、C.I.ダイレクト・ブルー71、C.I.ダイレクト・ブルー76、C.I.ダイレクト・ブルー79、C.I.ダイレクト・ブルー86、C.I.ダイレクト・ブルー87、C.I.ダイレクト・ブルー90、C.I.ダイレクト・ブルー98、C.I.ダイレクト・ブルー163、C.I.ダイレクト・ブルー165、C.I.ダイレクト・ブルー199、C.I.ダイレクト・ブルー202、C.I.ダイレクト・ブラック19、C.I.ダイレクト・ブラック22、C.I.ダイレクト・ブラック32、C.I.ダイレクト・ブラック38、C.I.ダイレクト・ブラック51、C.I.ダイレクト・ブラック56、C.I.ダイレクト・ブラック71、C.I.ダイレクト・ブラック74、C.I.ダイレクト・ブラック75、C.I.ダイレクト・ブラック77、C.I.ダイレクト・ブラック154、C.I.ダイレクト・ブラック168、C.I.ダイレクト・ブラック171などが挙げられる。
前記塩基性染料としては、例えば、C.I.ベーシック・イエロー1、C.I.ベーシック・イエロー2、C.I.ベーシック・イエロー11、C.I.ベーシック・イエロー13、C.I.ベーシック・イエロー14、C.I.ベーシック・イエロー15、C.I.ベーシック・イエロー19、C.I.ベーシック・イエロー21、C.I.ベーシック・イエロー23、C.I.ベーシック・イエロー24、C.I.ベーシック・イエロー25、C.I.ベーシック・イエロー28、C.I.ベーシック・イエロー29、C.I.ベーシック・イエロー32、C.I.ベーシック・イエロー36、C.I.ベーシック・イエロー40、C.I.ベーシック・イエロー41、C.I.ベーシック・イエロー45、C.I.ベーシック・イエロー49、C.I.ベーシック・イエロー51、C.I.ベーシック・イエロー53、C.I.ベーシック・イエロー63、C.I.ベーシック・イエロー64、C.I.ベーシック・イエロー65、C.I.ベーシック・イエロー67、C.I.ベーシック・イエロー70、C.I.ベーシック・イエロー73、C.I.ベーシック・イエロー77、C.I.ベーシック・イエロー87、C.I.ベーシック・イエロー91、C.I.ベーシック・レッド2、C.I.ベーシック・レッド12、C.I.ベーシック・レッド13、C.I.ベーシック・レッド14、C.I.ベーシック・レッド15、C.I.ベーシック・レッド18、C.I.ベーシック・レッド22、C.I.ベーシック・レッド23、C.I.ベーシック・レッド24、C.I.ベーシック・レッド27、C.I.ベーシック・レッド29、C.I.ベーシック・レッド35、C.I.ベーシック・レッド36、C.I.ベーシック・レッド38、C.I.ベーシック・レッド39、C.I.ベーシック・レッド46、C.I.ベーシック・レッド49、C.I.ベーシック・レッド51、C.I.ベーシック・レッド52、C.I.ベーシック・レッド54、C.I.ベーシック・レッド59、C.I.ベーシック・レッド68、C.I.ベーシック・レッド69、C.I.ベーシック・レッド70、C.I.ベーシック・レッド73、C.I.ベーシック・レッド78、C.I.ベーシック・レッド82、C.I.ベーシック・レッド102、C.I.ベーシック・レッド104、C.I.ベーシック・レッド109、C.I.ベーシック・レッド112、C.I.ベーシック・ブルー1、C.I.ベーシック・ブルー3、C.I.ベーシック・ブルー5、C.I.ベーシック・ブルー7、C.I.ベーシック・ブルー9、C.I.ベーシック・ブルー21、C.I.ベーシック・ブルー22、C.I.ベーシック・ブルー26、C.I.ベーシック・ブルー35、C.I.ベーシック・ブルー41、C.I.ベーシック・ブルー45、C.I.ベーシック・ブルー47、C.I.ベーシック・ブルー54、C.I.ベーシック・ブルー62、C.I.ベーシック・ブルー65、C.I.ベーシック・ブルー66、C.I.ベーシック・ブルー67、C.I.ベーシック・ブルー69、C.I.ベーシック・ブルー75、C.I.ベーシック・ブルー77、C.I.ベーシック・ブルー78、C.I.ベーシック・ブルー89、C.I.ベーシック・ブルー92、C.I.ベーシック・ブルー93、C.I.ベーシック・ブルー105、C.I.ベーシック・ブルー117、C.I.ベーシック・ブルー120、C.I.ベーシック・ブルー122、C.I.ベーシック・ブルー124、C.I.ベーシック・ブルー129、C.I.ベーシック・ブルー137、C.I.ベーシック・ブルー141、C.I.ベーシック・ブルー147、C.I.ベーシック・ブルー155、C.I.ベーシック・ブラック2、C.I.ベーシック・ブラック8などが挙げられる。
前記第二の反応性染料としては、例えば、C.I.リアクティブ・ブラック4、C.I.リアクティブ・ブラック7、C.I.リアクティブ・ブラック11、C.I.リアクティブ・ブラック17、C.I.リアクティブ・イエロー1、C.I.リアクティブ・イエロー5、C.I.リアクティブ・イエロー11、C.I.リアクティブ・イエロー13、C.I.リアクティブ・イエロー14、C.I.リアクティブ・イエロー20、C.I.リアクティブ・イエロー21、C.I.リアクティブ・イエロー22、C.I.リアクティブ・イエロー25、C.I.リアクティブ・イエロー40、C.I.リアクティブ・イエロー47、C.I.リアクティブ・イエロー51、C.I.リアクティブ・イエロー55、C.I.リアクティブ・イエロー65、C.I.リアクティブ・イエロー67、C.I.リアクティブ・レッド1、C.I.リアクティブ・レッド14、C.I.リアクティブ・レッド17、C.I.リアクティブ・レッド25、C.I.リアクティブ・レッド26、C.I.リアクティブ・レッド37、C.I.リアクティブ・レッド44、C.I.リアクティブ・レッド55、C.I.リアクティブ・レッド60、C.I.リアクティブ・レッド66、C.I.リアクティブ・レッド74、C.I.リアクティブ・レッド79、C.I.リアクティブ・レッド96、C.I.リアクティブ・レッド97、C.I.リアクティブ・ブルー23、C.I.リアクティブ・ブルー32、C.I.リアクティブ・ブルー35、C.I.リアクティブ・ブルー38、C.I.リアクティブ・ブルー41、C.I.リアクティブ・ブルー63、C.I.リアクティブ・ブルー80、C.I.リアクティブ・ブルー95などが挙げられる。
本発明のインクおけるトリアジン骨格を有する染料の含有量としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができるが、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、前記インク100質量部に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
本発明のインク製造方法おけるトリアジン骨格を有する染料の含有量としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができるが、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、前記インク100質量部に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
<有機酸>
本発明のインク、及びインク製造方法における有機酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸、ギ酸、マロン酸、クエン酸、イソクエン酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、安息香酸、安息香酸誘導体、サリチル酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸誘導体、ピルピン酸、オキサロ酢酸などが挙げられる。これらの中でも、酢酸、ギ酸、マロン酸が好ましい。
前記有機酸のpKaとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、撥インク層に対する接液性が良好となる観点から、4.5以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。
前記有機酸のpKaの測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、滴定法などが挙げられる。
本発明のインクおける有機酸の含有量としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができるが、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板、及びSUS(Stainless use steel)に対する接液性が良好となる観点から、前記インク100質量部に対して、5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
前記有機酸の含有量が、前記インク100質量部に対して、5質量部以上20質量部以下であることで、酸性に寄りすぎると好ましくないとされるSUSに対する接液性が良好となるため、好ましい。
本発明のインク製造方法における有機酸の添加量としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができるが、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板、及びSUSに対する接液性が良好となる観点から、前記インク100質量部に対して、5質量部以上20質量部以下あることが好ましく、5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
前記有機酸の添加量が、前記インク100質量部に対して、5質量部以上20質量部以下であることで、酸性に寄りすぎると好ましくないとされるSUSに対する接液性が良好となるため、好ましい。
<水>
本発明のインク、及びインク製造方法における水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
本発明のインクにおける水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、前記インク100質量部に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
本発明のインク製造方法における水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、前記インク100質量部に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<その他の成分>
本発明のインク、及びインク製造方法におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶剤、樹脂、アルカリ土類金属イオン、添加剤などが挙げられる。
-有機溶剤-
前記有機溶剤としては、水溶性有機溶剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
前記有機溶剤としての炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いたときに好適に使用され、紙に対するインクの浸透性を向上させることができる。
前記炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
前記グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記有機溶剤の沸点としては、特に制限はないが、湿潤効果や良好な乾燥性の点で、250℃以下であることが好ましい。
本発明のインクにおける有機溶剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、前記インク100質量部に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
本発明のインク製造方法における有機溶剤の含有量は、特に制限はないが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、前記インク100質量部に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
-樹脂-
本発明のインク、及びインク製造方法における樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂粒子は、水を分散媒として分散した樹脂エマルジョンの状態で、色材や有機溶剤等の材料と混合してインクを得ることが可能である。
前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はないが、良好な定着性、及び高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明のインクにおける樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、定着性、及びインクの保存安定性の点から、前記インク100質量部に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
本発明のインク製造方法における樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、定着性、及びインクの保存安定性の点から、前記インク100質量部に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
-アルカリ土類金属イオン-
本発明のインク、及びインク製造方法におけるアルカリ土類金属イオンは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどが挙げられる。
本発明のインクにおけるアルカリ土類金属イオンの含有量としては、後述する撥インク層内のシリコーン樹脂を溶解させる可能性があるため、50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることがより好ましい。
本発明のインク製造方法におけるインク中のアルカリ土類金属イオンの含有量としては、後述する撥インク層内のシリコーン樹脂を溶解させる可能性があるため、50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることがより好ましい。
-添加剤-
本発明のインク、及びインク製造方法における添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
--界面活性剤--
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などが挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pHでも分解しないものが好ましい。例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
前記側鎖変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、以下の一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのSi部側鎖に変性基を導入することを示す。
前記両末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、以下の一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンの両末端に変性基を導入することを示す。
前記片末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、以下の一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのどちらか一方の末端に変性基を導入することを示す。
前記側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンは、例えば、以下の一般式(S-1)式で表わされるポリジメチルシロキサンのSi部側鎖及び両末端に変性基を導入することを示す。
例えば、前記側鎖変性ポリジメチルシロキサンは、以下の一般式(S-1)式で表わされるジメチルポリシロキサンのSi部側鎖Xに、以下の一般式(S-2)式で表わされるポリアルキレンオキシド構造を導入することで、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤とすることができる。
Figure 2022087020000005
一般式(S-1)
(但し、一般式(S-1)式中、m及びnは、それぞれ独立に整数を表わし、Xは側鎖を表す。)
Figure 2022087020000006
一般式(S-2)
(但し、一般式(S-2)式中a、及びbは、それぞれ独立に整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
前記変性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基、ポリアルキレンオキシド構造などが挙げられる。
前記シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-642、KF-643(いずれも、信越化学工業株式会社)、DOWSIL FZ-2105、DOWSIL FZ-2154、DOWSIL FZ-2161、DOWSIL FZ-2162、DOWSIL FZ-2164(いずれも、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、起泡性が少ない点で、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が好ましい。
前記フッ素系界面活性剤は、以下の一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされる化合物であることがより好ましい。
Figure 2022087020000007
一般式(F-1)
(但し、一般式(F-1)式中、m及びnは、それぞれ独立に整数を表す。)
上記一般式(F-1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0~10の整数が好ましく、nは0~40の整数が好ましい。
2n+1-CHCH(OH)CH-O-(CHCHO)-Y
一般式(F-2)
(但し、上記一般式(F-2)式中、YはH、又はCmF2m+1でmは1~6の整数、又はCHCH(OH)CH-CmF2m+1でmは4~6の整数、又はCpH2p+1でpは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。)
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物の具体例としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物の具体例としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物の具体例としては、例えば、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フッ素置換した炭素数が2~16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4~16である化合物がより好ましい。
前記フッ素系界面活性剤は、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS-111、サーフロンS-112、サーフロンS-113、サーフロンS-121、サーフロンS-131、サーフロンS-132、サーフロンS-141、サーフロンS-145(いずれも、AGCセイミケミカル株式会社)、フルラードFC-93、フルラードFC-95、フルラードFC-98、フルラードFC-129、フルラードFC-135、フルラードFC-170C、フルラードFC-430、フルラードFC-431(いずれも、スリーエムジャパン株式会社製)、メガファックF-470、メガファックF-1405、メガファックF-474(いずれも、DIC株式会社製)、ゾニール(Zonyl)TBS、ゾニール(Zonyl)FSP、ゾニール(Zonyl)FSA、ゾニール(Zonyl)FSN-100、ゾニール(Zonyl)FSN、ゾニール(Zonyl)FSO-100、ゾニール(Zonyl)FSO、ゾニール(Zonyl)FS-300、ゾニール(Zonyl)UR、キャプストーンFS-30、キャプストーンFS-31、キャプストーンFS-3100、キャプストーンFS-34、キャプストーンFS-35(いずれも、Chemours社製)、FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A,ポリフォックスPF-156A、ポリフォックスPF-151N、ポリフォックスPF-154、ポリフォックスPF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、ゾニールFS-300、ゾニールFS-3100、キャプストーンFS-34、(いずれも、Chemours社製)、FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-151N(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)が好ましい。
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
本発明のインクにおける界面活性剤の合計含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、前記インク100質量部に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
本発明のインク製造方法における界面活性剤の合計含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、前記インク100質量部に対して、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記界面活性剤は、消泡剤として使用することができる。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
--防腐防黴剤--
本発明のインク、及びインク製造方法における防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
--防錆剤--
本発明のインク、及びインク製造方法における防錆剤としては、防錆作用を示すものであれば、特に制限はなく、例えば、複素環式芳香族化合物などが挙げられる。
前記複素環式芳香族化合物は金属イオンと結合して不溶性の被膜を形成することで、ノズル内金属部位の防錆作用を示す。
前記複素環式芳香族化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、ベンゾトリアゾール化合物などが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
本発明のインクにおけるベンゾトリアゾール化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、前記インク100質量部に対して、0.001~1.0質量%が好ましく、0.005~0.5質量%がより好ましい。
本発明のインク製造方法におけるベンゾトリアゾール化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、前記インク100質量部に対して、0.001~1.0質量%が好ましく、0.005~0.5質量%がより好ましい。
--pH調整剤--
本発明のインク、及びインク製造方法におけるpH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<インクの物性>
本発明のインク、及びインク製造方法におけるインクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
本発明のインク、及びインク製造方法におけるインクの25℃での粘度としては、特に制限はないが、印字濃度や文字品位が向上し、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。
前記粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用して測定することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34′×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
本発明のインク、及びインク製造方法におけるインクの25℃での表面張力としては、特に制限はないが、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
本発明のインクの25℃でのpHは、4以上8.5以下である。また、本発明のインクの25℃でのpHとしては、接液する金属部分の腐食防止の観点から、6以上8以下であることが好ましい。
本発明のインク製造方法におけるインクの25℃でのpHとしては、特に制限はないが、接液する金属部材の腐食防止の観点から、4~8が好ましく、5~7がより好ましい。
(インクジェットシステム)
本発明のインクジェットシステムは、本発明のインクを、ノズル基板を備えたインクジェットヘッドで吐出する吐出手段を有し、必要に応じてその他の手段を有していてもよい。
<吐出手段>
前記吐出手段はインクジェットヘッドを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記インクジェットヘッドはSUSからなるノズル基板部を有し、更に必要に応じて、その他の部材を有していてもよい。
前記ノズル基板は、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有し、更に必要に応じて、その他の部材を有していてもよい。
―撥インク層―
前記撥インク層は、前記ノズル基板におけるインク吐出側の面上に形成されており、その形状、構造、厚みなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記撥インク層の材料としては、インクをはじく材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーン系撥水材料、フッ素系撥水材料などが挙げられる。これらの中でも、シリコーン系撥水材料が好ましい。
前記シリコーン系撥水材料としては、例えば、室温硬化型の液状シリコーン樹脂又はエラストマー、紫外線硬化型の液状シリコーン樹脂又はエラストマーなどが挙げられる。
前記フッ素系撥水材料としては、例えば、加熱硬化型の液状シリコーン樹脂又はエラストマーなどが挙げられる。
これらの材料を前記ノズル基板表面に塗布し、室温で大気中に放置して、それぞれ重合硬化、紫外線硬化、又は加熱硬化させることにより、撥インク層を形成することができる。
前記シリコーン樹脂は、SiとOとからなるシロキサン結合を基本骨格とする樹脂で、オイル、レジン、エラストマー等の種々の形態で市販されており、本発明で重要な撥インク性能以外に耐熱性、離型性、消泡性、粘着性等の種々の特性を有する。
前記シリコーン樹脂の粘度は、1,000mPa・s以下であることが好ましい。
フッ素系界面活性剤を含有するインクに対しても十分な撥インク性を保持するためには、前記撥インク層は、シリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂を含む構造体で構成されることが好ましい。
前記シリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂を含む構造体とは、シリコーン樹脂単独、フッ素樹脂単独、又は他の樹脂、あるいは金属等の構成成分との混合により構成されたものであり、例えば、シリコーン樹脂微粒子がフッ素樹脂中に分散されたもの、シリコーン樹脂とポリプロピレンの混練物、シリコーン樹脂やフッ素樹脂とNiの共析めっきなどが挙げられる。シリコーン樹脂の溶出を抑えるには、シリコーン樹脂と他の構成成分との混合体であることがより効果的である。
前記撥インク層を前記ノズル基板の表面上に形成する方法としては、前述した塗布後に硬化させる方法、Ni共析めっきの他に、フッ素樹脂の電着塗装法や真空蒸着法、シリコーンオイルをプラズマ重合させる方法などが挙げられる。
前記電着塗装法以外の方法で前記撥インク層を形成する際には、ノズル孔及びノズル基板裏面をフォトレジスト、水溶性樹脂等でマスキングし、撥インク層を形成した後、レジストを剥離除去すれば、前記ノズル基板表面のみに前記撥インク層を形成することができる。しかし、アルカリ性の強い剥離液を使用すると、前記撥インク層へダメージを与えるので注意が必要である。
前記撥インク層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、0.1μm以上5.0μm以下が好ましく、0.1μm以上1.0μm以下がより好ましい。
前記撥インク層の平均厚みが、0.1μm以上であれば、ワイピングに対する耐久性が悪化したり、長期間使用時に撥インク性能が低下したりすることがないため、好適である。
前記撥インク層の平均厚みが5.0μm以下であれば、必要以上の厚みとなり、製造コストが高くなるといった問題を解消することができるため、好適である。
前記撥インク層の表面粗さ(Ra)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、0.2μm以下であることが好ましい。前記表面粗さを0.2μm以下にすることで、ワイピング時の拭き残しを低減することができるため、好適である。
―SUS―
前記SUSとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SUS304、SUS316、SUS303、SUS321などが挙げられる。
本発明における記録とは、記録媒体上に、本発明のインクジェットシステムを用いて画像等を形成する方法である。
<記録媒体>
本発明における記録媒体とは、本発明のインクジェットシステムを用いて記録される対象物のことである。
前記記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
前記記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
前記記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、前記記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
<記録物>
本発明における記録物は、本発明のインクジェットシステムを備えた記録装置及び記録方法により記録することで得ることができる。
前記記録物は、前記記録媒体上に、本発明のインクジェットシステムを用いて形成された画像等を有してなる。
<記録装置、記録方法>
本発明における記録装置及び記録方法とは、前記記録媒体に対して前記インクや各種処理液等を吐出することが可能な本発明のインクジェットシステムを備えた装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。
本発明のインク、及びインク製造方法におけるインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
前記記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、前記記録媒体の給送、搬送、及び排紙に係わる手段の他に、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前記記録装置は、加熱手段、及び乾燥手段を有していてもよい。
前記記録方法は、加熱工程、及び乾燥工程を有していてもよい。
前記加熱手段及び前記乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。
前記加熱手段及び前記乾燥手段としては、特に制限はなく、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いて行うことができる。
前記加熱手段及び前記乾燥手段は、印字前、印字中、及び印字後などに行うことができる。
前記記録装置及び前記記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
前記記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、前記記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えば、ロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
前記記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前記前処理装置、及び前記後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前記前処理装置、及び前記後処理装置の他の態様として、例えば、インクジェット記録方式以外の、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
前記立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段、乾燥手段などを備えるものを使用することができる。
前記立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。
前記成形加工品は、シート状、フィルム状に形成された前記記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
以下、記録装置の一例について図4から図5を参照して説明する。図4は記録装置の斜視説明図である。図5はメインタンクの斜視説明図である。
記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチック製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
本発明のインク、及びインク製造方法におけるインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
本明細書における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
本明細書における、撥水膜、撥インク膜、撥水層、撥インク層は、いずれも同義語とする。
以下に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<インクの調製>
表5~6の組成になるように容器に入れ、2時間攪拌後、孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過を行うことで、実施例1~6及び比較例1~4のインクを得た。
・Bk5(C.I.リアクティブ・ブラック5)
・Bk39(C.I.リアクティブ・ブラック39)
・Y95(C.I.リアクティブ・イエロー95)
・酢酸(富士フイルム和光純薬社製)
・ギ酸(富士フイルム和光純薬社製)
・マロン酸(東京化成工業社製)
・グリセリン(富士フイルム和光純薬社製)
・2-ピロリドン(三菱ケミカル社製)
・カプロラクタム(宇部興産社製)
・ジプロピレングリコール(住友化学社製)
・プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
・ベンゾトリアゾール(城北化学工業社製)
・水(イオン交換水)
得られた実施例1~6及び比較例1~4のインクのpH、電導度、及びCaイオン量を測定した後、撥インク層を有するノズル基板、及びSUSに対する接液性を評価した。結果を表5~6に示した。
前記pHは、マルチ水質計(東亜ティーディーケー社製)を用いて、25℃に恒温し測定した。
前記電導度は、マルチ水質計(東亜ティーディーケー社製)を用いて測定した。
前記アルカリ金属イオン量は、ICPE-9000(島津製作所社製)を用いて、サンプル液量0.4mL、水7.6mLで希釈し、定量分析にて測定した。
<シリコーン樹脂を含む撥インク層に対する接液性の評価>
インク浸漬前の、シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板において、撥インク層に対する水の接触角を測定した。なお、前記シリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板を備えたインクジェットヘッドとして、MH5320ヘッド(株式会社リコー製)を使用した。その後、前記インクジェットヘッドに実施例1~6及び比較例1~4のインクを充填し、ノズル面ごと前記インクに浸漬させ、50℃で4週間保管後、前記ノズル基板の撥インク層に対する水の接触角を測定した。インク浸漬前の接触角を100%とし、下記の評価基準に基づき、接液性の評価を行った。なお、B以上を実用可能レベルとする。
[シリコーン樹脂を含む撥インク層に対する接液性の評価基準]
AAA:浸漬後の接触角が97.5%以上
AA:浸漬後の接触角が95%以上97.5%未満
A:浸漬後の接触角が87%以上95%未満
B:浸漬後の接触角が60%以上87%未満
C:浸漬後の接触角が60%未満
<SUSに対する接液性の評価>
実施例1~6及び比較例1~4で調製されたインクについて、インク浸漬前のSUSの重量を測定した。その後、前記インクにSUSを浸漬させ、50℃で4週間保管後、インク浸漬後のSUSの重量を測定した。インク浸漬前のSUS重量を100%とし、下記のように接液性の評価を行った。B以上を実用可能レベルとする。なお、SUSとしては、SUS303並行ピン(ファスニングJ社製)を用いた。
[SUSに対する接液性の評価基準]
AA:浸漬後の重量が97.5%以上
A:浸漬後の重量が95%以上97.5%未満
B:浸漬後の重量が90%以上95%未満
C:浸漬後の重量が90%未満
Figure 2022087020000008
Figure 2022087020000009
<インク原料の調製>
有機酸以外の材料を表7~9の組成になるように容器に入れ、2時間攪拌後、孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過を行うことで、有機酸が含まれていない実施例7~15及び比較例5~7のインク原料を得た。
・酢酸(富士フイルム和光純薬社製)
・ギ酸(富士フイルム和光純薬社製)
・マロン酸(東京化成工業社製)
・Red24(C.I.リアクティブ・レッド24)
・Red245(C.I.リアクティブ・レッド245)
・Or13(C.I.リアクティブ・オレンジ13)
・Bl49(C.I.リアクティブ・ブルー49)
・Bk39(C.I.リアクティブ・ブラック39)
・グリセリン(富士フイルム和光純薬社製)
・2-ピロリドン(三菱ケミカル社製)
・カプロラクタム(宇部興産社製)
・ジプロピレングリコール(住友化学社製)
・プロピレングリコール(富士フイルム和光純薬社製)
・ベンゾトリアゾール(城北化学工業社製)
・水(イオン交換水)
得られた実施例7~15及び比較例5~7のインク原料のpH、電導度、及びCaイオン量を測定した後、実施例1~6及び比較例1~4のインクと同様にシリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板、及びSUSに対する接液性を評価した。
実施例7~15及び比較例5~7で調製されたインク原料に、表7~9の組成になるように有機酸を添加し、攪拌して得た各インクのpH、電導度、及びCaイオン量を測定した後、実施例1~6及び比較例1~4のインクと同様にシリコーン樹脂を含む撥インク層を有するノズル基板、及びSUSに対する接液性を評価した。
Figure 2022087020000010
Figure 2022087020000011
Figure 2022087020000012
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1>水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、
pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(2)を満たすインク原料に対して、以下の式(1)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法である。
y≦-403x+3400・・・式(1)
y>-403x+3400・・・式(2)
<2>水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、
pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(4)を満たすインク原料に対して、以下の式(3)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法である。
y≦-402.99x+3429.1・・・式(3)
y>-402.99x+3429.1・・・式(4)
<3>水と、
トリアジン骨格を有する染料と、
を含むインク原料100質量部に対して、有機酸を5質量部以上20質量部以下添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法である。
<4>前記有機酸が酢酸、ギ酸、及びマロン酸から選択される少なくとも1種である、前記<1>から前記<3>のいずれかに記載のインク製造方法である。
<5>前記有機酸のpKaが4.5以下である、前記<1>から前記<4>のいずれかに記載のインク製造方法である。
<6>前記インク製造方法において、インク原料中に含まれるカルシウムイオンが50ppm以下である、前記<1>から前記<5>のいずれかに記載のインク製造方法である。
<7>前記インク製造方法において、インク原料中に複素環式芳香族化合物が含まれる、前記<1>から前記<6>のいずれかに記載のインク製造方法である。
<8>前記複素環式芳香族化合物がベンゾトリアゾール化合物である、前記<7>に記載のインク製造方法である。
<9>水と、
トリアジン骨格を有する染料と、
を含み、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とするインクである。
y≦-403x+3400・・・(1)
<10>水と、
トリアジン骨格を有する染料と、
を含み、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(3)を満たすことを特徴とするインクである。
y≦-402.99x+3429.1・・・(3)
<11>前記pHが6以上8以下である、前記<9>から前記<10>のいずれかに記載のインクである。
<12>前記インク中に含まれるカルシウムイオン濃度が50ppm以下である、前記<9>から前記<11>のいずれかに記載のインクである。
<13>複素環式芳香族化合物を含む、前記<9>から前記<12>のいずれかに記載のインクである。
<14>前記複素環式芳香族化合物がベンゾトリアゾール化合物である、前記<13>に記載のインクである。
<15>有機酸を5~20質量部含む、前記<9>から前記<14>のいずれかに記載のインクである。
<16>前記有機酸のpKaが4.5以下である、前記<15>に記載のインクである。
<17>前記<9>から前記<16>のいずれかに記載のインクを、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有するノズル基板を備えたインクジェットヘッドで吐出することを特徴とするインクジェットシステムである。
前記<1>から前記<8>のインク製造方法、前記<9>から前記<16>のインク、前記<17>のインクジェットシステムによれば、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2017-71683号公報 特開2005-47990号公報 特開2004-269596号公報 特許第3205147号 特許第6617776号

Claims (17)

  1. 水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、
    pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(2)を満たすインク原料に対して、以下の式(1)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法。
    y≦-403x+3400・・・式(1)
    y>-403x+3400・・・式(2)
  2. 水と、トリアジン骨格を有する染料と、を含むインクの製造方法であって、
    pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(4)を満たすインク原料に対して、以下の式(3)を満たすように有機酸を添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法。
    y≦-402.99x+3429.1・・・式(3)
    y>-402.99x+3429.1・・・式(4)
  3. 水と、
    トリアジン骨格を有する染料と、
    を含むインク原料100質量部に対して、有機酸を5質量部以上20質量部以下添加する工程を有することを特徴とするインク製造方法。
  4. 前記有機酸が酢酸、ギ酸、及びマロン酸から選択される少なくとも1種である、請求項1から3のいずれかに記載のインク製造方法。
  5. 前記有機酸のpKaが4.5以下である、請求項1から4のいずれかに記載のインク製造方法。
  6. 前記インク製造方法において、インク原料中に含まれるカルシウムイオンが50ppm以下である、請求項1から5のいずれかに記載のインク製造方法。
  7. 前記インク製造方法において、インク原料中に複素環式芳香族化合物が含まれる、請求項1から6のいずれかに記載のインク製造方法。
  8. 前記複素環式芳香族化合物がベンゾトリアゾール化合物である、請求項7に記載のインク製造方法。
  9. 水と、
    トリアジン骨格を有する染料と、
    を含み、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とするインク。
    y≦-403x+3400・・・(1)
  10. 水と、
    トリアジン骨格を有する染料と、
    を含み、pHをx(4≦x≦8.5)、電導度をy(mS/m)としたとき、以下の式(3)を満たすことを特徴とするインク。
    y≦-402.99x+3429.1・・・(3)
  11. 前記pHが6以上8以下である、請求項9から10のいずれかに記載のインク。
  12. 前記インク中に含まれるカルシウムイオン濃度が50ppm以下である、請求項9から11のいずれかに記載のインク。
  13. 複素環式芳香族化合物を含む、請求項9から12のいずれかに記載のインク。
  14. 前記複素環式芳香族化合物がベンゾトリアゾール化合物である、請求項13に記載のインク。
  15. 有機酸を5~20質量部含む、請求項9から14のいずれかに記載のインク。
  16. 前記有機酸のpKaが4.5以下である、請求項15に記載のインク。
  17. 請求項9から16のいずれかに記載のインクを、シリコーン樹脂を含有する撥インク層を有するノズル基板を備えたインクジェットヘッドで吐出することを特徴とするインクジェットシステム。
JP2021171213A 2020-11-30 2021-10-19 インク、インク製造方法、及びインクジェットシステム Pending JP2022087020A (ja)

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