JP2022085711A - 2液硬化型ポリウレタン組成物 - Google Patents

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孝二 高松
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Abstract

【課題】優れた可使時間を有する2液硬化型ポリウレタン組成物を提供する。【解決手段】硬化剤と主剤と反応遅延剤とを含む2液硬化型ポリウレタン組成物において、硬化剤は、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体および金属触媒を含むポリイソシアネート成分を含有し、主剤は、ポリオール成分を含有し、反応遅延剤は、リン酸エステルを含有し、金属触媒の金属1モルに対して、リン酸エステルの割合が、4モル以上50モル以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、2液硬化型ポリウレタン組成物に関する。
2液硬化型ポリウレタン組成物は、ポリイソシアネート(硬化剤)とポリオール(主剤)とを含んでいる。2液硬化型ポリウレタン組成物のウレタン化反応によって、ポリウレタン樹脂が形成される。ポリウレタン樹脂は、例えば、塗料および接着剤として使用される。
ポリイソシアネート(硬化剤)は、例えば、金属触媒を使用したイソシアネートモノマーの変性反応によって、製造される。例えば、硬化剤は、以下の方法で製造される。まず、1,3-キシリレンジイソシアネートおよびイソブチルアルコールをウレタン化反応させる。次いで、反応液にオクチル酸ビスマスを添加し、アロファネート化反応させる。これにより、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体からなる硬化剤が得られる(例えば、特許文献1(調製例32)参照。)。
国際公開WO2015/133496号公報
一方、上記のアロファネート誘導体は、金属触媒を含むため、反応性が比較的高い。そのため、硬化剤と主剤との混合後、可使時間(ポットライフ)を十分に得られないという不具合がある。
本発明は、優れた可使時間を有する2液硬化型ポリウレタン組成物である。
本発明[1]は、硬化剤と主剤と反応遅延剤とを含む2液硬化型ポリウレタン組成物であって、前記硬化剤は、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体および金属触媒を含むポリイソシアネート成分を含有し、前記主剤は、ポリオール成分を含有し、前記反応遅延剤は、リン酸エステルを含有し、前記金属触媒の金属1モルに対して、前記リン酸エステルの割合が、4モル以上50モル以下である、2液硬化型ポリウレタン組成物を、含んでいる。
本発明[2]は、前記金属触媒がビスマス含有触媒である、上記[1]に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物を、含んでいる。
本発明[3]は、前記硬化剤において、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体との総量に対する、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合が、5質量%以下である、上記[1]または[2]に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物を、含んでいる。
本発明[4]は、前記リン酸エステルの分子量が100以上300以下である、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物を、含んでいる。
本発明[5]は、前記リン酸エステルの分子量が100以上160以下である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物を、含んでいる。
本発明[6]は、前記金属触媒の金属1モルに対して、前記リン酸エステルの割合が、10モル以上30モル以下である、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物を、含んでいる。
本発明の2液硬化型ポリウレタン組成物では、硬化剤が、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と金属触媒とを含有する。また、反応遅延剤が、リン酸エステルを含む。そして、リン酸エステルの割合が、金属触媒の金属に対して、所定量に調整されている。そのため、本発明の2液硬化型ポリウレタン組成物は、優れた可使時間を有する。
図1は、反応遅延剤(リン酸エステル)の添加量と、ポットライフとの関係を示す相関図である。 図2は、触媒中の金属原子に対する反応遅延剤(リン酸エステル)のモル比と、ポットライフとの関係を示す相関図である。
2液硬化型ポリウレタン組成物は、樹脂組成物(樹脂キット)である。2液硬化型ポリウレタン組成物は、硬化剤と主剤とを含む。主剤および硬化剤は、それぞれ独立したパッケージとして調製されている。2液硬化型ポリウレタン組成物の使用時には、主剤および硬化剤が配合され、ポリウレタン樹脂が形成される。
より具体的には、2液硬化型ポリウレタン組成物は、硬化剤と、主剤と、反応遅延剤とを含有している。
硬化剤は、ポリイソシアネート成分を含有している。ポリイソシアネート成分は、遊離のイソシアネート基を含有する成分である。ポリイソシアネート成分は、アロファネート組成物を含有している。
アロファネート組成物は、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、金属触媒とを含有している。より具体的には、アロファネート組成物は、主成分として、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を含有する。また、アロファネート組成物は、副成分として、金属触媒を含有する。なお、主成分の割合は、アロファネート組成物に対して、例えば、90質量%以上である。また、副成分の割合は、アロファネート組成物に対して、例えば、10質量%以下である。
キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体は、分子中に1つ以上のアロファネート基を含有する。キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体は、例えば、キシリレンジイソシアネートのアルコール変性体である。アロファネート組成物は、例えば、以下の方法で調製される。
この方法では、まず、キシリレンジイソシアネートと、アルコールとをウレタン化反応させ、キシリレンジイソシアネートのウレタン化物を得る。
キシリレンジイソシアネート(XDI)としては、例えば、1,2-キシリレンジイソシアネート(o-キシリレンジイソシアネート(o-XDI))、1,3-キシリレンジイソシアネート(m-キシリレンジイソシアネート(m-XDI))、および、1,4-キシリレンジイソシアネート(p-キシリレンジイソシアネート(p-XDI))が、挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。キシリレンジイソシアネートとして、好ましくは、1,3-キシリレンジイソシアネートおよび1,4-キシリレンジイソシアネートが挙げられ、より好ましくは、1,3-キシリレンジイソシアネートが挙げられる。
アルコールとしては、例えば、脂肪族アルコールおよび芳香族アルコールが挙げられ、好ましくは、脂肪族アルコールが挙げられる。脂肪族アルコールとしては、例えば、1価の脂肪族アルコール、および、2価の脂肪族アルコールが挙げられる。
1価の脂肪族アルコールとしては、例えば、直鎖状の1価脂肪族アルコール、および、分岐状の1価脂肪族アルコールが挙げられる。直鎖状の1価脂肪族アルコールとしては、例えば、炭素数1~20の直鎖状1価脂肪族アルコールが挙げられる。炭素数1~20の直鎖状1価脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-ノナノール、n-デカノール、n-ウンデカノール、n-ドデカノール(ラウリルアルコール)、n-トリデカノール、n-テトラデカノール、n-ペンタデカノール、n-ヘキサデカノール、n-ヘプタデカノール、n-オクタデカノール(ステアリルアルコール)、n-ノナデカノール、および、エイコサノールが挙げられる。分岐状の1価脂肪族アルコールとしては、例えば、炭素数3~20の分岐状1価脂肪族アルコールが挙げられる。炭素数3~20の分岐状1価脂肪族アルコールとしては、例えば、イソプロパノール、イソブタノール(イソブチルアルコール)、sec-ブタノール、tert-ブタノール、イソペンタノール、イソヘキサノール、イソヘプタノール、イソオクタノール、2-エチルヘキサノール、イソノナノール、イソデカノール、5-エチル-2-ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2-ヘキシルデカノール、3,9-ジエチル-6-トリデカノール、2-イソヘプチルイソウンデカノール、および、2-オクチルドデカノールが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
2価の脂肪族アルコールとしては、直鎖状の2価脂肪族アルコール、分岐状の2価脂肪族アルコール、および、脂環式の2価脂肪族アルコールが挙げられる。直鎖状の2価脂肪族アルコールとしては、例えば、メタンジオール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ジヒドロキシ-2-ブテン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが挙げられる。分岐状の2価脂肪族アルコールとしては、例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチルー1,3-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、および、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,8-ジオールが挙げられる。脂環式の2価脂肪族アルコールとしては、例えば、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、および、水素化ビスフェノールAが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
また、アルコールは、水酸基以外の官能基を有することもできる。官能基としては、例えば、エステル基、エーテル基、シクロヘキサン環および芳香環が挙げられる。このようなアルコールとしては、例えば、エーテル基含有アルコールおよびエステル基含有アルコールが挙げられる。エーテル基含有アルコールとしては、例えば、脂肪族アルコールとアルキレンオキサイドとの付加重合物が挙げられる。エステル基含有アルコールとしては、例えば、脂肪族アルコールとラクトン類との付加重合物が挙げられる。
これらアルコールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
アルコールとしては、好ましくは、脂肪族アルコールが挙げられる。脂肪族アルコールとして、好ましくは、炭素数1~20の脂肪族アルコールが挙げられ、より好ましくは、炭素数2~20の脂肪族アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、炭素数2~8の脂肪族アルコールが挙げられ、とりわけ好ましくは、炭素数2~6の脂肪族アルコールが挙げられる。
また、脂肪族アルコールとして、好ましくは、1価の脂肪族アルコールが挙げられ、より好ましくは、分岐状の1価脂肪族アルコールが挙げられ、さらに好ましくは、炭素数3~6の分岐状の1価脂肪族アルコールが挙げられ、とりわけ好ましくは、イソブチルアルコールが挙げられる。
アルコールとキシリレンジイソシアネートとの配合割合は、イソシアネート基過剰となるように、調整される。アルコールのヒドロキシ基に対する、キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は、例えば、2以上、好ましくは、3以上、より好ましくは、5以上、さらに好ましくは、7以上である。また、アルコールのヒドロキシ基に対する、キシリレンジイソシアネートのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)は、例えば、1000以下、好ましくは、100以下、より好ましくは、50以下である。
質量基準において、アルコールの配合割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、1.0質量部以上、好ましくは、2.0質量部以上、より好ましくは、3.0質量部以上、より好ましくは、3.5質量部以上である。アルコールの配合割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、50質量部以下、好ましくは、30質量部以下、より好ましくは、20質量部以下である。
また、ウレタン化反応では、必要に応じて、その他のウレタン原料が、適宜の割合で添加される。その他のウレタン原料としては、例えば、チオール類、オキシム類、ラクタム類、フェノール類、および、βジケトン類が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。好ましくは、その他のウレタン原料は、添加されない。
また、ウレタン化反応では、必要に応じて、ウレタン化触媒が、適宜の割合で添加される。ウレタン化触媒としては、例えば、アミン類、有機金属化合物およびカリウム塩が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。好ましくは、ウレタン化触媒は、添加されない。つまり、ウレタン化反応として、好ましくは、無触媒反応が挙げられる。
ウレタン化反応における環境条件は、例えば、大気圧下であり、かつ、不活性ガス雰囲気下である。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスおよびアルゴンガスが挙げられる。
ウレタン化反応における反応温度は、例えば、25℃以上、好ましくは、40℃以上、より好ましくは、60℃以上である。また、反応温度は、例えば、100℃以下、好ましくは、90℃以下、より好ましくは、80℃以下である。
ウレタン化反応における反応時間は、例えば、0.05時間以上、好ましくは、0.2時間以上、より好ましくは、1時間以上、さらに好ましくは、3時間以上である。また、反応時間は、例えば、10時間以下、好ましくは、6時間以下、より好ましくは、4時間以下である。
次いで、この方法では、ウレタン化反応で得られた反応液に、金属触媒を配合する。そして、キシリレンジイソシアネートとアルコールとの反応生成物を、アロファネート化反応させる。
金属触媒は、アロファネート化触媒である。なお、金属触媒に代えてアミン触媒が使用される場合、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体が、十分に得られない。そのため、触媒として、金属触媒が使用され、好ましくは、金属触媒が単独で使用される。
金属触媒において、金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ、鉛、ビスマスおよびポロニウムが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
金属として、好ましくは、ビスマス、亜鉛が挙げられ、より好ましくは、ビスマスが挙げられる。換言すれば、金属触媒として、好ましくは、ビスマス含有触媒および亜鉛含有触媒が挙げられ、より好ましくは、ビスマス含有触媒が挙げられる。これらを使用することにより、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の副生(後述)を抑制できる。
ビスマス含有触媒としては、例えば、カルボン酸ビスマスが挙げられる。カルボン酸としては、例えば、飽和脂肪族カルボン酸、飽和単環カルボン酸、飽和複環カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、芳香脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸が挙げられる。飽和脂肪族カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オクチル酸および2-エチルヘキサン酸が挙げられる。飽和単環カルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンカルボン酸およびシクロペンタンカルボン酸が挙げられる。飽和複環カルボン酸としては、例えば、ビシクロ(4.4.0)デカン-2-カルボン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸およびトール油脂肪酸が挙げられる。芳香脂肪族カルボン酸としては、例えば、ジフェニル酢酸が挙げられる。芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸およびトルイル酸が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。カルボン酸として、好ましくは、飽和脂肪族カルボン酸が挙げられる。
ビスマス含有触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。ビスマス含有触媒として、好ましくは、カルボン酸ビスマスが挙げられる。カルボン酸ビスマスを使用すれば、アロファネート化時間を短縮できる。
ビスマス含有触媒において、ビスマスの含有割合(Bi濃度)は、ビスマス含有触媒の種類に応じて、調整される。例えば、Bi濃度は、ビスマス含有触媒の固形分の総量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、13質量%以上、より好ましくは、15質量%以上である。Bi濃度は、ビスマス含有触媒の固形分の総量に対して、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、35質量%以下である。
Bi濃度は、ビスマス含有触媒の固形分の総量に対するビスマス金属の質量割合である。Bi濃度は、蛍光X線分析により測定できる。
亜鉛含有触媒としては、例えば、カルボン酸亜鉛が挙げられる。カルボン酸としては、上記カルボン酸が挙げられる。
亜鉛含有触媒は、単独使用または2種類以上併用することができる。亜鉛含有触媒として、好ましくは、カルボン酸亜鉛が挙げられる。
亜鉛含有触媒において、亜鉛含有割合(Zn濃度)は、亜鉛含有触媒の種類に応じて、調整される。例えば、Zn濃度は、亜鉛含有触媒の固形分の総量に対して、例えば、10質量%以上、好ましくは、13質量%以上、より好ましくは、15質量%以上である。Zn濃度は、亜鉛含有触媒の固形分の総量に対して、例えば、50質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、35質量%以下である。
Zn濃度は、亜鉛含有触媒の固形分の総量に対する亜鉛金属の質量割合である。Zn濃度は、蛍光X線分析により測定できる。
金属触媒は、固形分100%であってもよく、希釈液であってもよい。希釈液は、例えば、金属触媒を公知の有機溶媒で希釈することによって、調製される。
金属触媒(固形分)の添加割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.001質量部以上、好ましくは、0.005質量部以上、より好ましくは、0.01質量部以上である。金属触媒(固形分)の添加割合は、キシリレンジイソシアネート100質量部に対して、例えば、0.3質量部以下、好ましくは、0.2質量部以下、より好ましくは、0.1質量部以下である。
アロファネート化反応における環境条件は、例えば、大気圧下であり、かつ、不活性ガス雰囲気下である。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスおよびアルゴンガスが挙げられる。
アロファネート化反応における反応温度は、例えば、0℃以上、好ましくは、20℃以上、より好ましくは、40℃以上、さらに好ましくは、60℃以上、とりわけ好ましくは、70℃以上である。また、反応温度は、例えば、160℃以下、好ましくは、140℃以下、より好ましくは、120℃以下、さらに好ましくは、100℃以下である。
アロファネート化反応における反応時間は、例えば、30分以上、好ましくは、1時間以上、より好ましくは、5時間以上、さらに好ましくは、8時間以上である。また、反応時間は、例えば、48時間以下、より好ましくは、24時間以下、さらに好ましくは、12時間以下である。
そして、上記のアロファネート化反応では、好ましくは、任意のタイミングで触媒失活剤を添加し、反応を停止させる。触媒失活剤を添加するタイミングは、例えば、反応液中のウレタン基とアロファネート基との比率が所定値に達したタイミングである。ウレタン基/アロファネート基は、例えば、赤外分光法(IR法)により、IR比として測定される。例えば、反応を停止させるタイミングにおいて、ウレタン基/アロファネート基のIR比は、例えば、0.3以下、好ましくは、0.2以下、より好ましくは、0.1以下である。
触媒失活剤としては、例えば、リン酸、カルボン酸、スルホン酸、スルホンアミドおよびベンゾイルクロリドが挙げられる。カルボン酸としては、例えば、モノクロロ酢酸が挙げられる。スルホン酸としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸およびオルトトルエンスルホン酸が挙げられる。スルホンアミドとしては、例えば、オルトトルエンスルホンアミドおよびパラトルエンスルホンアミドが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。なお、触媒失活剤の配合割合は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
そして、上記のウレタン化反応およびアロファネート化反応によって、主生成物として、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体が得られる。
また、ウレタン化反応およびアロファネート化反応では、必要により、公知の有機溶媒を、適宜の割合で配合することができる。また、ウレタン化反応およびアロファネート化反応では、必要に応じて、公知の添加剤を添加できる。添加剤として、好ましくは、酸化防止剤が挙げられる。なお、添加剤の添加割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。また、添加剤を添加するタイミングは、特に制限されない。例えば、添加剤を、ウレタン化反応前のキシリレンジイソシアネートに添加してもよい。また、添加剤を、ウレタン化反応および/またはアロファネート化反応中の反応液に添加してもよい。さらには、添加剤を、ウレタン化反応およびアロファネート化反応後の反応液に添加してもよい。
これにより、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、金属触媒とを含有するアロファネート組成物が得られる。
また、上記の方法では、アロファネート化反応後の反応液から、未反応のキシリレンジイソシアネートを、公知の方法で除去できる。また、アロファネート化反応後の反応液から、触媒、溶媒および/または触媒失活剤を、公知の方法で除去できる。これにより、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を精製できる。なお、精製によっても、アロファネート組成物中に金属触媒が不可避的に残存する。
アロファネート組成物中の金属触媒の含有割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、金属触媒における金属原子が、アロファネート組成物の総量に対して、例えば、10ppm以上、好ましくは、20ppm以上、より好ましくは、50ppm以上であり、例えば、200ppm以下、好ましくは、150ppm以下、より好ましくは、100ppm以下である。なお、金属原子の含有割合は、後述する実施例に準拠して、蛍光X線分析(XRF分析)により、求めることができる(以下同様)。
また、上記の方法において、金属触媒の種類および反応条件に応じて、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体とともに、その他のキシリレンジイソシアネート誘導体が副生成物として得られる場合がある。
その他のキシリレンジイソシアネート誘導体は、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を除く誘導体である。その他のキシリレンジイソシアネート誘導体としては、例えば、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体、および、キシリレンジイソシアネートのウレトジオン2分子体(ダイマー)が挙げられ、好ましくは、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体が挙げられる。
キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体との総量(総質量)に対して、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合は、例えば、10質量%以下、好ましくは、8質量%以下、より好ましくは、5質量%以下、さらに好ましくは、3質量%以下、さらに好ましくは、1質量%以下であり、とりわけ好ましくは、0質量%である。
また、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体との総量(総質量)に対して、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合は、例えば、90質量%以上、好ましくは、92質量%以上、より好ましくは、95質量%以上、さらに好ましくは、97質量%以上、さらに好ましくは、99質量%以上、とりわけ好ましくは、100質量%である。
キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体との割合が、上記範囲であれば、とりわけ優れた可使時間(ポットライフ)が得られる。
なお、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体は、アロファネート2分子体を示す。また、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体は、イソシアヌレート3分子体を示す。また、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体との割合は、アロファネート組成物中のアロファネート2分子体と、アロファネート組成物中のイソシアヌレート3分子体との比率である。
なお、アロファネート2分子体とイソシアヌレート3分子体との比率は、後述する実施例に準拠して、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより測定できる。
また、アロファネート組成物のイソシアネート基濃度(固形分100質量%)は、例えば、10質量%以上、好ましくは、15質量%以上、より好ましくは、16質量%以上である。また、アロファネート組成物のイソシアネート基濃度(固形分100質量%)は、例えば、45質量%以下、好ましくは、40質量%以下、より好ましくは、35質量%以下である。
また、アロファネート組成物のイソシアネートモノマー濃度(未反応のキシリレンジイソシアネートの濃度)は、例えば、5質量%以下、好ましくは、2質量%以下、さらに好ましくは、1質量%以下である。
アロファネート組成物の総量に対して、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体の割合は、例えば、90質量%以上、好ましくは、95質量%以上、より好ましくは、98質量%以上であり、例えば、99.9質量%以下である。
ポリイソシアネート成分は、アロファネート組成物を含有し、好ましくは、アロファネート組成物からなる。つまり、ポリイソシアネート成分は、例えば、上記アロファネート組成物を除くポリイソシアネート(例えば、公知のポリイソシアネート単量体、公知のポリイソシアネート誘導体など)を含むこともできるが、好ましくは、アロファネート組成物からなる。
硬化剤は、必要に応じて、公知の有機溶剤を含むことができる。硬化剤の固形分濃度は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
主剤は、ポリオール成分を含有している。ポリオール成分は、遊離の水酸基を含有する成分である。
ポリオール成分としては、例えば、高分子量ポリオールおよび低分子量ポリオールが挙げられる。
高分子量ポリオールは、分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的高分子量の有機化合物である。高分子量ポリオールの数平均分子量は、例えば、300以上、好ましくは、400以上、さらに好ましくは、500以上である。また、高分子量ポリオールの数平均分子量は、例えば、5000以下、好ましくは、3000以下である。
高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、酸変性ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオールおよびビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。これら高分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、酸変性ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびアクリルポリオールが挙げられる。
とりわけ、塗料(後述)における高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールが挙げられる。また、接着剤(後述)における高分子量ポリオールとして、好ましくは、ポリエステルポリオールが挙げられる。
低分子量ポリオールは、分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的低分子量の有機化合物である。低分子量ポリオールの分子量は、例えば、300未満、好ましくは、400未満である。また、低分子量ポリオールの分子量は、例えば、40以上である。
低分子量ポリオールとしては、例えば、2価アルコール、3価アルコール、および、4価以上のアルコールが挙げられる。2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが挙げられる。3価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが挙げられる。4価以上のアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトールおよびジグリセリンが挙げられる。これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用できる。
これらポリオール成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
ポリオール成分として、好ましくは、高分子量ポリオールが挙げられる。ポリオールは、より好ましくは、低分子量ポリオールを含有せず、高分子量ポリオールからなる。
主剤は、必要に応じて、公知の有機溶剤を含むことができる。主剤の固形分濃度は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、主剤中の水酸基に対する硬化剤中のイソシアネート基の当量比が後述の範囲となるように、2液硬化型ポリウレタン組成物における主剤の割合が、適宜調整される。
反応遅延剤は、リン酸エステルを含有する。好ましくは、反応遅延剤は、リン酸エステルからなる。リン酸エステルとしては、例えば、正リン酸エステルが挙げられる。
正リン酸エステルとしては、例えば、炭素数1~20のアルキル基を有するアルキルアシッドホスフェート、および、炭素数1~20のアルコキシ基を有するアルコキシアシッドホスフェートが挙げられる。炭素数1~20のアルキル基を有するアルキルアシッドホスフェートとしては、例えば、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ペンチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ヘキシルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、および、オレイルアシッドホスフェートが挙げられる。炭素数1~20のアルコキシ基を有するアルコキシアシッドホスフェートとしては、例えば、メトキシアシッドホスフェート、エトキシアシッドホスフェート、ペントキシアシッドホスフェート、ブトキシアシッドホスフェート、ヘキソキシアシッドホスフェート、および、オクトキシアシッドホスフェートが挙げられる。これらは単独使用または2種類以上併用できる。
リン酸エステルの分子量は、例えば、100以上、好ましくは、105以上、より好ましくは、110以上である。また、リン酸エステルの分子量は、例えば、500以下、好ましくは、450以下、より好ましくは、400以下、さらに好ましくは、300以下、さらに好ましくは、200以下、とりわけ好ましくは、160以下である。
リン酸エステルの分子量が上記範囲であれば、とりわけ優れた可使時間(ポットライフ)が得られる。
リン酸エステルとして、好ましくは、正リン酸エステルが挙げられ、より好ましくは、炭素数1~20のアルキル基を有するアルキルアシッドホスフェートが挙げられ、さらに好ましくは、炭素数1~10のアルキル基を有するアルキルアシッドホスフェートが挙げられ、さらに好ましくは、炭素数1~3のアルキル基を有するアルキルアシッドホスフェートが挙げられ、とりわけ好ましくは、メチルアシッドホスフェートが挙げられる。
反応遅延剤は、さらに、その他の反応遅延剤を含むことができる。その他の反応遅延剤は、リン酸エステルを除く反応遅延剤である。その他の反応遅延剤としては、例えば、没食子酸、没食子酸アルキルエステル、タンニン酸、ピロガロール、5-アルキル-ピロガロール、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-フラノン、2-ヒドロキシエチル-4-ヒドロキシ-フラノン、2-ヒドロキシエチル-1,4-ナフトキノン、マルトール、エチルマルトール、コウジ酸、α-トロポロン、5-アルキル-トロポロン、5-ヒドロキシアルキル-トロポロン、β-ツヤプリシン、フラボノ-ル、モリン、および、フィセチンが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
その他の反応遅延剤の割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜選択される。
反応遅延剤において、リン酸エステルの割合は、反応遅延剤の総量に対して、例えば、50質量%以上、好ましくは、55質量%以上、より好ましくは、80質量%以上、さらに好ましくは、90質量%以上、とりわけ好ましくは、100質量%である。すなわち、反応遅延剤は、好ましくは、リン酸エステルからなる。
2液硬化型ポリウレタン組成物において、反応遅延剤の添加のタイミングは、特に制限されない。例えば、反応遅延剤が、主剤および/または硬化剤と予め混合されていてもよい。また、反応遅延剤が、主剤および硬化剤とは別途用意され、主剤および硬化剤の混合時(後述)に添加されてもよい。さらに、反応遅延剤が、主剤および硬化剤とは別途用意され、主剤および硬化剤の混合物に添加されてもよい。
反応遅延剤は、可使時間を長くする観点から、好ましくは、硬化剤とは混合されず、主剤と予め混合される。または、反応遅延剤は、好ましくは、主剤および硬化剤とは別途用意され、主剤および硬化剤の混合時(後述)に添加される。より好ましくは、反応遅延剤は、主剤と予め混合される。
反応遅延剤の割合は、例えば、硬化剤、主剤および反応遅延剤の混合物において、金属触媒の金属に対する割合として、調整される。
より具体的には、硬化剤に含まれる金属触媒の金属1モルに対して、リン酸エステルの割合が、4モル以上、好ましくは、5モル以上、より好ましくは、8モル以上、さらに好ましくは、10モル以上、さらに好ましくは、15モル以上、とりわけ好ましくは、20モル以上である。また、硬化剤に含まれる金属触媒の金属1モルに対して、リン酸エステルの割合が、50モル以下、好ましくは、45モル以下、より好ましくは、40モル以下、さらに好ましくは、35モル以下、とりわけ好ましくは、30モル以下である。
また、2液硬化型ポリウレタン組成物は、必要に応じて、さらに、その他の添加剤を含むことができる。その他の添加剤は、反応遅延剤を除く添加剤である。その他の添加剤としては、例えば、可塑剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、酸化防止剤、離型剤、顔料、染料、滑剤、フィラー、および、加水分解防止剤が挙げられる。その他の添加剤の添加割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。また、その他の添加剤の添加のタイミングは、適宜設定される。
そして、2液硬化型ポリウレタン組成物は、塗料および接着剤などとして好適に用いられる。塗料としては、2液硬化型塗料が挙げられる。接着剤としては、2液硬化型接着剤が挙げられる。
より具体的には、まず、主剤および反応遅延剤を含む第1液(A液)と、硬化剤を含む第2液(B液)とを、用意する。そして、使用直前に、第1液と第2液とを混合して、2液硬化型ポリウレタン混合物(塗料、接着剤)を調製できる。
また、例えば、主剤を含む第1液(A液)と、硬化剤を含む第2液(B液)と、反応遅延剤を含む第3液(C液)とをそれぞれ用意してもよい。この場合、使用直前に、第1液と第2液と第3液とを混合して、2液硬化型ポリウレタン混合物(塗料、接着剤)を調製できる。
また、例えば、主剤を含む第1液(A液)と、硬化剤を含む第2液(B液)と、反応遅延剤を含む第3液(C液)とをそれぞれ用意し、使用直前に、第1液と第2液とを混合し、その後、得られた混合液に、さらに、第3液を添加および混合して、2液硬化型ポリウレタン混合物(塗料、接着剤)を調製することもできる。
好ましくは、主剤および反応遅延剤を含む第1液(A液)と、硬化剤を含む第2液(B液)とをそれぞれ用意し、使用直前に、第1液と第2液とを混合して、2液硬化型ポリウレタン混合物(塗料、接着剤)を調製する。
つまり、2液硬化型ポリウレタン組成物は、好ましくは、主剤および反応遅延剤を含む第1液(A液)と、硬化剤を含み反応遅延剤を含まない第2液(B液)との2液型ポリウレタン組成物である。
第1液と第2液との配合割合は、例えば、主剤(ポリオール成分)中の水酸基に対する、硬化剤(ポリイソシアネート成分)中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)として、例えば、0.5以上、好ましくは、0.8以上、より好ましくは、0.9以上であり、例えば、2以下、好ましくは、1.5以下、より好ましくは、1.2以下となる割合である。
また、必要に応じて、公知の有機溶剤を添加して、2液硬化型ポリウレタン混合物の粘度を調整する。有機溶剤の添加量は、特に制限されず、適宜調整される。なお、有機溶剤は、第1液に添加されてもよく、第2液に添加されてもよく、第3液に添加されてもよく、また、これらの混合時に添加されてもよく、さらには、2液硬化型ポリウレタン混合物に添加されてもよい。
そして、2液硬化型ポリウレタン混合物は、任意の方法で、被着体に塗布される。塗布方法としては、例えば、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコート法、フローコート法、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ダイレクトコート法が挙げられる。被着物としては、特に制限されず、例えば、各種建材および各種積層フィルムが挙げられる。
そして、2液硬化型ポリウレタン樹脂(混合物)が乾燥および硬化することにより、ポリウレタン樹脂が得られる。ポリウレタン樹脂としては、例えば、硬化塗膜および接着層が挙げられる。
このような2液硬化型ポリウレタン組成物では、硬化剤が、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と金属触媒とを含有する。また、反応遅延剤が、リン酸エステルを含む。そして、リン酸エステルの割合が、金属触媒の金属に対して、所定量に調整されている。そのため、2液硬化型ポリウレタン組成物は、優れた可使時間を有する。
そのため、上記の2液硬化型ポリウレタン組成物は、各種産業分野において、例えば、塗料および接着剤として、好適に用いられる。
次に、本発明を、合成例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
合成例1(硬化剤A:Bi60ppm)
攪拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、1,3-キシリレンジイソシアネート(三井化学社製、m-XDI)104.1質量部と、イソブチルアルコール11.7質量部(当量比NCO/OH=7)と、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト(酸化防止剤)0.06質量部と、ペンタエリスリトールテトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(酸化防止剤)0.06質量部とを仕込み、75℃で3.5時間、ウレタン化反応させた。これにより、ウレタン化物を得た。
次いで、ウレタン化物を含む反応液に、金属触媒としてのオクチル酸ビスマス(商品名XK-628、楠本化成社製、ビスマス含有割合31質量%)を、0.01質量部添加し、90℃で11時間、アロファネート化反応させ、ウレタン結合のアロファネート結合への変換がほぼ完了したことを確認した。なお、このときのIR比率(ウレタン基/アロファネート基)が、0.1以下であった。その後、反応液に、オルトトルエンスルホンアミド(反応停止剤)0.06質量部を添加してアロファネート化反応を停止させた。
なお、IR比(ウレタン基/アロファネート基)を、以下の条件で測定した。すなわち、日本分光社製FT/IR-4100を用いてサンプルを測定した。次いで、3430cm-1付近のウレタン基ピークと3270cm-1付近のアロファネート基ピークのそれぞれの高さを算出した。そして、ピーク比を、IR比(ウレタン基/アロファネート基)とした。
その後、反応液から、薄膜蒸留装置(真空度:0.05kPa、温度150℃)により、未反応のイソブチルアルコールおよび1,3-キシリレンジイソシアネートを除去し、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、金属触媒とを含むアロファネート組成物を得た。アロファネート組成物のビスマス濃度は、60ppmであった。なお、ビスマス濃度は、スペクトリス社製 卓上XRF装置Epsilon4を用いて測定した。検量線は、JIS M 8230(1994)記載の標準ビスマス溶液を用いて作成した(以下同じ)。
また、アロファネート組成物中のイソシアヌレート誘導体の量は0%であった。なお、イソシアヌレート誘導体の量は、以下の方法で測定した。
すなわち、サンプルをゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定し、得られたクロマトグラム(チャート)における各ピークの面積の、全ピークの面積に対する面積率を求めた。
そして、ポリスチレン換算分子量400~500の範囲にピークトップを有するピークの面積率(Mn400-500面積率)を、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体の含有割合とした。
さらに、ポリスチレン換算分子量400~600の範囲にピークトップを有するピークの面積率(Mn500-600面積率)を、イソシアヌレート誘導体の含有割合とした。
加えて、ポリスチレン換算分子量150~250の範囲にピークトップを有するピークの面積率(Mn150-350面積率)を、キシリレンジイソシアネートの単量体の含有割合とした(以下同じ)。得られたアロファネート組成物を、硬化剤Aと称する。
合成例2(硬化剤B:Bi35ppm)
金属触媒として、0.01質量部のオクチル酸ビスマス(商品名ネオスタンU-600、日東化成製、ビスマス含有割合18質量%)を使用した。その他は合成例1と同じ方法で、アロファネート組成物を得た。アロファネート組成物のビスマス濃度は、35ppmであった。また、アロファネート組成物中のイソシアヌレート誘導体の量は0%であった。得られたアロファネート組成物を、硬化剤Bと称する。
合成例3(硬化剤C:Zn130ppm)
金属触媒として、0.034質量部の2-エチルヘキサン酸亜鉛を使用した。その他は合成例1と同じ方法で、アロファネート組成物を得た。アロファネート組成物の亜鉛濃度は、110ppmであった。なお、亜鉛濃度は、スペクトリス社製 卓上XRF装置Epsilon4を用いて測定した。検量線は、JIS M 8228(1997)記載の標準亜鉛溶液を用いて作成した(以下同じ)。また、アロファネート組成物中のイソシアヌレート誘導体の量は7%であった。得られたアロファネート組成物を、硬化剤Cと称する。
合成例4(アミン触媒反応)
攪拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、1,3-キシリレンジイソシアネート(三井化学社製、m-XDI)104.1質量部と、イソブチルアルコール11.7質量部と、(2-エチルヘキシル)ホスファイト0.06質量部と、ペンタエリスリトールテトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.06質量部とを仕込み、75℃で3.5時間、ウレタン化反応させた。これにより、ウレタン化反応液を得た。
次いで、ウレタン化物を含む反応液に、テトラブチルアンモニウムのハイドロオキサイド(TBAOH)の37%メタノール溶液0.12質量部を添加した。その結果、イソシアヌレート化反応が優先的に進行し、アロファネート反応液が得られなかった。
合成例5(硬化剤D)
攪拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、ヘキサメチレンジイソシアネート(東ソー製、HDI)102.9質量部と、イソブチルアルコール13.0質量部と、(2-エチルヘキシル)ホスファイト0.06質量部と、ペンタエリスリトールテトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.06質量部とを仕込み、75℃で3.5時間、ウレタン化反応させた。
次に、反応液にオクチル酸ビスマスXK-628(触媒)を0.01質量部添加し、90℃で11時間、アロファネート化反応させ、ウレタン結合のアロファネート結合への変換がほぼ完了したことを確認し(ウレタン基/アロファネート基のIR比率が0.1以下)、オルトトルエンスルホンアミド0.06質量部を添加してアロファネート化反応を停止させた。
得られた反応液から、薄膜蒸留装置(真空度:0.05kPa、温度130℃)により、未反応のイソブチルアルコールおよびヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート誘導体を得た。このアロファネート誘導体(HDIアロファネート)を、硬化剤Dと称する。
硬化剤Dのビスマス濃度を測定した所、60ppmであった。硬化剤D中のイソシアヌレート誘導体の量は0%であった。
合成例6(硬化剤E)
攪拌機、温度計、冷却器および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、ビス(4-イソシアナトフェニル)メタン(三井化学SKCポリウレタン製、コスモネート PH)106.8質量部と、イソブチルアルコール9.0質量部と、(2-エチルヘキシル)ホスファイト0.06質量部と、ペンタエリスリトールテトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.06質量部とを仕込み、75℃で3.5時間、ウレタン化反応させた。
次に、反応液にオクチル酸ビスマスXK-628(触媒)を0.01質量部添加し、90℃で11時間、アロファネート化反応させ、ウレタン結合のアロファネート結合への変換がほぼ完了したことを確認し(ウレタン基/アロファネート基のIR比率が0.1以下)、オルトトルエンスルホンアミド0.06質量部を添加してアロファネート化反応を停止させた。
得られた反応液から、薄膜蒸留装置(真空度:0.05kPa、温度150℃)により、未反応のイソブチルアルコールおよびビス(4-イソシアナトフェニル)メタンを除去しビス(4-イソシアナトフェニル)メタンのアロファネート誘導体を得た。このアロファネート誘導体(MDIアロファネート)を、硬化剤Eと称する。
硬化剤Eのビスマス濃度を測定した所、60ppmであった。硬化剤E中のイソシアヌレート誘導体の量は0%であった。
実施例1~15および比較例1~12
・2液硬化型ポリウレタン組成物
表1~表5に記載の処方で、アクリルポリオール(商品名:オレスターQ182、水酸基価42mgKOH/g)と、反応遅延剤と、溶剤(酢酸ブチル/PMA/酢酸エチル=1/1/1(質量比))とを、10分間混合した。これにより、主剤(ポリオール成分)および反応遅延剤を含む第1液(A液)を得た。一方、表1~表5に記載の処方で、硬化剤を含む第2液(B液)を得た。以上のようにして、2液硬化型ポリウレタン組成物(樹脂キット)を得た。
・ポリウレタン樹脂
ベースコート層が形成された基材を準備し、そのベースコート層の上に、上記の2液硬化型ポリウレタン組成物(樹脂キット)を用いて、クリアコート層を形成した。
より具体的には、ポリイソシアネート(商品名:タケネートD-170N、イソシアネート基含有率20%)と、アクリルポリオール(商品名:オレスターQB1528T、水酸基価120mgKOH/g)とを、ポリオール中の水酸基に対するポリイソシアネート中のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となる割合で配合した。さらに、得られた混合物に、粘度が30~50mPa・sとなるように酢酸ブチルを添加し撹拌した。
次いで、この混合液をJIS G 3313(2017)およびJIS K 5600-1-4(1999)に準拠した標準試験板(種類:電気亜鉛めっき鋼板、ぶりき板およびガラス板)(以下、試験板と略する。)に膜厚が約15μmになるようにスプレー塗装し、80℃で5分間乾燥した。これにより、ベースコート層が形成された基材を作成した。
その後、クリアコート層として、ポリウレタン樹脂を形成した。より具体的には、表1~表5に記載の配合処方で、アクリルポリオール(商品名:オレスターQ182、水酸基価42mgKOH/g)と、反応遅延剤と、溶剤(酢酸ブチル/PMA/酢酸エチル=1/1/1(質量比))とを、10分間混合した。次いで、得られた混合液に、硬化剤を添加し、10分間混合した。これにより、クリアコート液を得た。そして、得られたクリアコート液を、上記のベースコート層の上に、膜厚が約35μmになるようにスプレー塗装し、80℃で30分間乾燥した。その後、乾燥塗膜を、23℃、相対湿度55%の室内にて、7日間静置した。これにより、クリアコート層として、ポリウレタン樹脂を得た。
評価
(1)ポットライフ
クリアコート液の可使時間(ポットライフ)を、以下の方法で評価した。すなわち、A液とB液を混合した時点から25℃条件下で塗工液の流動性が全くなくなるまでの時間をポットライフとした。なお、硬化剤Cを使用する場合(比較例9および実施例15)においては、温度条件を50℃に変更した。
反応遅延剤(リン酸エステル)の添加量と、ポットライフとの関係を、図1に示す。また、触媒中の金属原子に対する反応遅延剤(リン酸エステル)のモル比と、ポットライフとの関係を、図2に示す。
図1および図2から、触媒中の金属原子に対する反応遅延剤(リン酸エステル)のモル比と、ポットライフとの相関が比較的強いことが見いだされた。また、反応遅延剤(リン酸エステル)の配合量と、ポットライフとの相関は、比較的弱いことが見いだされた。つまり、ポットライフが、触媒中の金属原子に対する反応遅延剤(リン酸エステル)のモル比に依存することが確認された。
(2)耐薬品性
ガーゼにエタノールを含浸させ、クリアコート層(ポリウレタン樹脂)の表面を、2000g荷重をかけて往復させた。クリアコート層(ポリウレタン樹脂)が剥離または破けるまでの往復回数を耐薬品性として評価した。
Figure 2022085711000001
Figure 2022085711000002
Figure 2022085711000003
Figure 2022085711000004
Figure 2022085711000005

Claims (6)

  1. 硬化剤と主剤と反応遅延剤とを含む2液硬化型ポリウレタン組成物であって、
    前記硬化剤は、キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体および金属触媒を含むポリイソシアネート成分を含有し、
    前記主剤は、ポリオール成分を含有し、
    前記反応遅延剤は、リン酸エステルを含有し、
    前記金属触媒の金属1モルに対して、前記リン酸エステルの割合が、4モル以上50モル以下である、2液硬化型ポリウレタン組成物。
  2. 前記金属触媒がビスマス含有触媒である、請求項1に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物。
  3. 前記硬化剤において、
    キシリレンジイソシアネートのアロファネート誘導体と、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体との総量に対する、キシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート誘導体の含有割合が、5質量%以下である、請求項1または2に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物。
  4. 前記リン酸エステルの分子量が100以上300以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物。
  5. 前記リン酸エステルの分子量が100以上160以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物。
  6. 前記金属触媒の金属1モルに対して、前記リン酸エステルの割合が、10モル以上30モル以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の2液硬化型ポリウレタン組成物。

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