JP2022085697A - 免震装置およびこれを備えた免震構造物 - Google Patents

免震装置およびこれを備えた免震構造物 Download PDF

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Abstract

Figure 2022085697000001
【課題】免震構造に対して原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を付加することができる免震装置およびこれを備えた免震構造物を提供する。
【解決手段】上部構造物12と下部構造物14との間の免震層16に設けられる免震装置10であって、上部構造物12に一端側が連結されるとともに水平方向に延びるケーブル22と、ケーブル22の中間部に係合してケーブル22に張力を付与可能であるとともにケーブル22を介して上部構造物12を牽引可能なジャッキ24と、ジャッキ24を下部構造物14に固定するための反力架台26と、ケーブル22の他端側に設けられた緩衝部28とを備えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、免震装置およびこれを備えた免震構造物に関するものである。
従来、免震構造の建築物では、免震層の剛性を小さくして、固有周期の長大化を図っているが、極希な地震時に比べて発生頻度の高い小地震や強風などの外乱によって、居住者にとり、有意な振動が発生する場合がある。そのため、鋼材ダンパーや鉛プラグ入り積層ゴムのような免震部材の初期剛性により、そのような比較的小さな外乱に対しては振動を抑制し、大地震に対しては、それらの部材が塑性化することにより、全体系の長周期化と減衰性を確保する手法が採られている。しかし、そうした場合でも、大地震の後には、それらの部材に塑性化による残留変形が生じ、上部構造が原点に戻らないという問題があった。
また、近年、設計用入力地震動を上回る地震動の発生の可能性が指摘されており、そのような地震動が生じた場合、免震層が擁壁などに衝突して、衝撃的な反力が発生することにより、擁壁の破壊や上部構造に過大な応答が生じることが懸念されている。また、免震構造が超高層建築物に用いられる場合には、極希な風荷重が相応に大きなものとなり、その平均成分に対しても、免震層の変形を弾性範囲に留めたいというニーズがあるが、その対応は必ずしも容易でなかった。
一方、大変形を許容する従来の免震構造として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1の免震構造は、構造物をすべり支承、転がり支承、もしくは積層ゴム系支承で支え、構造物の底面の免震層もしくは外周部に、水平2方向にケーブルを張り、そのケーブルの端部を地盤側に固定し、その中間部を軸方向にスライド可能かつ軸直交方向に反力を伝達可能に構造物に対して連結したものである。
特開2006-16888号公報
しかし、上記の従来の特許文献1に記載の免震構造は、大地震後に免震層に生じる残留変位を解消する原点復帰機能や、設計用入力地震動を上回る入力があった場合に免震層の過大な変形を抑制するフェールセーフ機能、強風その他、免震効果を期待しない際に免震層の剛性を高めるロック機能を有していない。このため、免震構造に対して原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を付加することができる免震装置が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、免震構造に対して原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を付加することができる免震装置およびこれを備えた免震構造物を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る免震装置は、上部構造物と下部構造物との間の免震層に設けられる免震装置であって、上部構造物に一端側が連結されるとともに水平方向に延びるケーブルと、ケーブルの中間部に係合してケーブルに張力を付与可能であるとともにケーブルを介して上部構造物を牽引可能なジャッキと、ジャッキを下部構造物に固定するための反力架台と、ケーブルの他端側に設けられた緩衝部とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の免震装置は、上述した発明において、一つの水平方向に対して、上記の免震装置を2台一組として線対称の位置に配置したことを特徴とする。
また、本発明に係る他の免震装置は、上述した発明において、ジャッキは、反力架台に設置されたセンターホールジャッキであり、ケーブルは、反力架台およびセンターホールジャッキの貫通孔に挿通配置され、ケーブルの他端側に設けられた緩衝部とセンターホールジャッキとの間には、免震層の過大な変形を抑制するための隙間が設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の免震装置は、上述した発明において、反力架台の貫通孔の開口角部に、貫通孔の奥側から開口側へ向けて次第に拡径するラッパ形状のテーパー部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る免震構造物は、上述した免震装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る免震装置によれば、上部構造物と下部構造物との間の免震層に設けられる免震装置であって、上部構造物に一端側が連結されるとともに水平方向に延びるケーブルと、ケーブルの中間部に係合してケーブルに張力を付与可能であるとともにケーブルを介して上部構造物を牽引可能なジャッキと、ジャッキを下部構造物に固定するための反力架台と、ケーブルの他端側に設けられた緩衝部とを備えるので、水平方向片側について、大地震後に免震層に生じる残留変位を解消する原点復帰機能、設計用入力地震動を上回る入力があった場合に免震層の過大な変形を抑制するフェールセーフ機能、強風その他、免震効果を期待しない際に免震層の剛性を高めるロック機能を付加することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の免震装置によれば、一つの水平方向に対して、上記の免震装置を2台一組として線対称の位置に配置したので、水平方向両側について、原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を付加することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の免震装置によれば、ジャッキは、反力架台に設置されたセンターホールジャッキであり、ケーブルは、反力架台およびセンターホールジャッキの貫通孔に挿通配置され、ケーブルの他端側に設けられた緩衝部とセンターホールジャッキとの間には、免震層の過大な変形を抑制するための隙間が設けられているので、地震後にセンターホールジャッキでケーブルを介して上部構造物を原位置まで牽引することによって、免震層に生じた残留変位を解消することができる。また、地震時の上部構造物の運動で緩衝部がセンターホールジャッキに衝突することによって、免震層の過大な変形を抑制することができる。また、センターホールジャッキでケーブルに張力を付与することによって、免震層の剛性を高めることができる。
また、本発明に係る他の免震装置によれば、反力架台の貫通孔の開口角部に、貫通孔の奥側から開口側へ向けて次第に拡径するラッパ形状のテーパー部が形成されているので、地震時に上部構造物が水平方向に直交する方向に運動すると、上部構造物に続くケーブルは反力架台の開口角部のテーパー部に沿って変位する。このため、ケーブルが反力架台の開口角部で急激に折れ曲がって損傷する事態を防ぐことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る免震構造物によれば、上述した免震装置を備えるので、原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を有する免震構造物を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る免震装置およびこれを備えた免震構造物の実施の形態を示す図であり、(1)は側断面図、(2)は(1)のA-A線に沿った断面図である。 図2は、本発明に係る免震装置およびこれを備えた免震構造物の実施の形態を示す側断面図である。 図3は、上部構造物が左に動いた場合の説明図である。 図4は、上部構造物が右に動いた場合の説明図である。 図5は、上部構造物が左右と奥行き方向に動いた場合の説明図である。 図6は、ジャッキにて牽引した場合の説明図である。 図7は、本発明に係る免震装置およびこれを備えた免震構造物の実施例を示す平面図である。
以下に、本発明に係る免震装置およびこれを備えた免震構造物の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本実施の形態に係る免震装置10は、上部構造物12と下部構造物14との間の免震層16に対して設けられる。免震層16には、図示しない鋼材ダンパーや鉛プラグ入り積層ゴムのような免震部材が複数配置されている。本実施の形態に係る免震構造物100は、上部構造物12と下部構造物14と免震装置10を備えた構造物である。
免震装置10は、上部構造物12の下側に突出する凸部18の角に設けた連結部20に一端側が連結されるとともに水平方向に延びるワイヤーケーブル22(ケーブル)と、センターホールジャッキ24(ジャッキ)と、反力架台26と、ワイヤーケーブル22の他端側に設けられた緩衝部28とを備える。
ワイヤーケーブル22は、反力架台26およびセンターホールジャッキ24の貫通孔34、30に挿通配置される。ワイヤーケーブル22の他端側は、センターホールジャッキ24の外側右方に位置している。ワイヤーケーブル22の他端側の緩衝部28とセンターホールジャッキ24との間には、免震層16の過大な変形を抑制するための隙間40(クリアランス)が設けられている。
センターホールジャッキ24は、遠隔操作によりワイヤーケーブル22の中間部に係合してワイヤーケーブル22に張力を付与可能であるとともに、ワイヤーケーブル22を介して上部構造物12を牽引可能なジャッキである。本実施の形態では、2台のセンターホールジャッキ24を水平方向に直列に配置したものを用いている。センターホールジャッキ24には、ワイヤーケーブル22を挿通配置するための水平方向の貫通孔30が設けられている。貫通孔30はワイヤーケーブル22の直径に対して充分な余裕を確保した大きさである。センターホールジャッキ24は、反力架台26の右側に固定したジャッキ受け32に設置される。ジャッキ受け32は溝形鋼で構成することができる。この構成によれば、地震後にセンターホールジャッキ24でワイヤーケーブル22を介して上部構造物12を原位置まで牽引することによって、免震層16に生じた残留変位を解消することができる。また、センターホールジャッキ24でワイヤーケーブル22に張力を付与することによって、免震層16の剛性を高めることができる。
反力架台26は、センターホールジャッキ24の反力を確保するためのものであり、下部構造物14の上面に固定される。反力架台26は、直方体状のコンクリートブロックで構成することができる。反力架台26の内部には、ワイヤーケーブル22を挿通配置するための水平方向の貫通孔34が設けられている。貫通孔34はワイヤーケーブル22の直径に対して充分な余裕を確保した大きさである。貫通孔34の左側の開口角部36には、貫通孔34の奥側から開口側へ向けて緩やかに拡径するラッパ形状のテーパー部38が形成されている。このテーパー部38は、上部構造物12が水平方向に直交する方向に運動しても支障の無いように設けられる。より具体的には、図5に示すように、地震時に上部構造物12が水平方向に直交する方向に運動すると、上部構造物12に続くワイヤーケーブル22は反力架台26の開口角部36のテーパー部38に沿って変位する。これにより、ワイヤーケーブル22が反力架台26の開口角部36で急激に折れ曲がって損傷する事態を防ぐことができる。
緩衝部28は、ワイヤーケーブル22の他端側に設けられるものであり、衝撃緩衝材42と留め金44とからなる。衝撃緩衝材42は、例えばゴムなどの緩衝材料により構成することができる。地震時の上部構造物12の運動で緩衝部28がセンターホールジャッキ24に衝突することによって、免震層16の過大な変形を抑制することができる。
この免震装置10は、ワイヤーケーブル22に対し水平方向の片側だけに張力を付与可能である。したがって、免震構造に対する配置にあっては、図2のように、互いに反対方向に張力を付与可能な免震装置10を2台1組として用いることが望ましい。なお、図2の例では、2台の免震装置10を鉛直線に関して線対称の位置に配置した場合を示している。また、ワイヤーケーブル22に対する張力付与方向を左側の免震装置10では左側方向とし、右側の免震装置10では右側方向とする場合を図示しているが、張力付与方向は互いに逆に設定してもよい。
上記構成の動作および作用について説明する。
常時においては、免震装置10は、免震層16に備わる図示しない免震部材に対し、何らその動きを阻害しない。この場合、図3、図4、図5に示すように、ワイヤーケーブル22は上部構造物12の挙動に追随する。
一方、免震装置10を作動させる場合は、図6に示すように、センターホールジャッキ24を所要のストロークないしは荷重まで伸張させる。原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能の各機能は、以下の動作により実現される。
まず、大地震後に免震層16に生じる残留変位を解消する原点復帰機能については、センターホールジャッキ24でワイヤーケーブル22を介して荷重Qy(免震層16の降伏荷重)にて上部構造物12を原位置まで牽引する。これにより、原点復帰機能を発揮することができる。
設計用入力地震動を上回る入力があった場合に免震層16の過大な変形を抑制するフェールセーフ機能については、図3の状態がさらに進み、センターホールジャッキ24とワイヤーケーブル22間の隙間40が無くなると、ワイヤーケーブル22の他端側が緩衝部28を介してセンターホールジャッキ24の後端に荷重Qf(所要の衝撃反力)にて衝突することで、上部構造物12の動きが抑止される。これにより、フェールセーフ機能を発揮することができる。
強風その他、免震効果を期待しない際に免震層16の剛性を高めるロック機能については、図6に示すように、センターホールジャッキ24でワイヤーケーブル22に引張力Qw(所要の固定用荷重)を与え、上部構造物12を固定する。これにより、ロック機能を発揮することができる。
Qy、Qf、Qwおよびワイヤーケーブルの許容荷重も、設計想定により様々な値があり得るが、一例を示すと次のとおりである。通常、Qyは免震層16の降伏荷重であり、自重の数%と小さく、ワイヤーケーブル22は弾性範囲で計画することができる。Qfは上部構造物12の運動に急停止を生じせしめる反力である。極希な事象と考えられ、ワイヤーケーブル22は塑性化を許容できるが、継続使用する場合には、ワイヤーケーブル22を交換すればよい。Qwは上部構造物12の風荷重条件によっては非常に大きいことがあり、風荷重が長時間継続する点を考慮すると弾性範囲で計画するのが好ましい。
なお、一つの水平方向に対して、少なくとも線対称の位置に2台の免震装置10を必要とするので、水平2方向には4台の免震装置10が必要である。所要の荷重に対して、ワイヤーケーブル22、連結部20、センターホールジャッキ24の載荷能力その他の制約から、必要な台数を選定することが好ましい。
本実施の形態によれば、免震構造に対して、大地震後に免震層16に生じる残留変位を解消する原点復帰機能、設計用入力地震動を上回る入力があった場合に免震層16の過大な変形を抑制するフェールセーフ機能、強風その他、免震効果を期待しない際に免震層16の剛性を高めるロック機能を付加することができる。なお、台風などの強風は事前に予測できる。また、本実施の形態に係る免震構造物100によれば、原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を有する免震構造物を提供することができる。
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。
図7に示すように、本実施例で対象とする免震構造は、平面規模を40m×40mとし、高層ビルの中間層免震部分とする。上部構造物12は16階建てとし、設計用入力地震動による変位を450mmと想定している。免震層16には、鉛プラグ入り積層ゴムからなる免震部材46が格子点状に25箇所配置され、本実施例の免震装置10が2台1組として水平2方向に3組ずつ合計12台配置される。免震層16の降伏荷重は7000kN(上部構造の4%程度)とし、極希な地震により生じる残留変位を30mmとする。設計用入力地震動を上回る地震動に対して、免震層16の変位を600mmに抑えるものとし、その際の衝撃力を12000kNとする。また、到来が事前に予測できる極希な強風に対して、水平力14000kNで上部構造物12を固定するものとする。
以上から、免震装置10におけるワイヤーケーブル22の隙間40(クリアランス)を600mmに設定し、ワイヤーケーブル22その他の許容荷重としては降伏荷重以下で14000kNに設定する。
ワイヤーケーブル22としてマルチケーブルφ120を用い、その降伏荷重を5500kNとすると、免震装置10は片側14000kN/5500=2.5から、3箇所必要となる。センターホールジャッキ24は6000kN-ストローク600mmが必要であるが、図6に示したように、汎用的なストローク300mmのジャッキを2台直列させても実現できる。
なお、降伏荷重が大きいワイヤーケーブルは径が大きいが、ワイヤーケーブルの素線数が大きいほど可とう度も大きいことが知られている。可とう度は、ワイヤーケーブルの曲げ剛性と同一径の丸棒の曲げ剛性の比であり、数十~数百の値となる。よって、上部構造物12の地震時の挙動を阻害しない柔軟かつ強度の高いワイヤーケーブル22の選択が可能である。
本実施例によれば、免震構造に対して、大地震後に免震層16に生じる残留変位を解消する原点復帰機能、設計用入力地震動を上回る入力があった場合に免震層16の過大な変形を抑制するフェールセーフ機能、強風その他、免震効果を期待しない際に免震層16の剛性を高めるロック機能を付加することができる。
以上説明したように、本発明に係る免震装置によれば、上部構造物と下部構造物との間の免震層に設けられる免震装置であって、上部構造物に一端側が連結されるとともに水平方向に延びるケーブルと、ケーブルの中間部に係合してケーブルに張力を付与可能であるとともにケーブルを介して上部構造物を牽引可能なジャッキと、ジャッキを下部構造物に固定するための反力架台と、ケーブルの他端側に設けられた緩衝部とを備えるので、水平方向片側について、大地震後に免震層に生じる残留変位を解消する原点復帰機能、設計用入力地震動を上回る入力があった場合に免震層の過大な変形を抑制するフェールセーフ機能、強風その他、免震効果を期待しない際に免震層の剛性を高めるロック機能を付加することができる。
また、本発明に係る他の免震装置によれば、一つの水平方向に対して、上記の免震装置を2台一組として線対称の位置に配置したので、水平方向両側について、原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を付加することができる。
また、本発明に係る他の免震装置によれば、ジャッキは、反力架台に設置されたセンターホールジャッキであり、ケーブルは、反力架台およびセンターホールジャッキの貫通孔に挿通配置され、ケーブルの他端側に設けられた緩衝部とセンターホールジャッキとの間には、免震層の過大な変形を抑制するための隙間が設けられているので、地震後にセンターホールジャッキでケーブルを介して上部構造物を原位置まで牽引することによって、免震層に生じた残留変位を解消することができる。また、地震時の上部構造物の運動で緩衝部がセンターホールジャッキに衝突することによって、免震層の過大な変形を抑制することができる。また、センターホールジャッキでケーブルに張力を付与することによって、免震層の剛性を高めることができる。
また、本発明に係る他の免震装置によれば、反力架台の貫通孔の開口角部に、貫通孔の奥側から開口側へ向けて次第に拡径するラッパ形状のテーパー部が形成されているので、地震時に上部構造物が水平方向に直交する方向に運動すると、上部構造物に続くケーブルは反力架台の開口角部のテーパー部に沿って変位する。このため、ケーブルが反力架台の開口角部で急激に折れ曲がって損傷する事態を防ぐことができる。
また、本発明に係る免震構造物によれば、上述した免震装置を備えるので、原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を有する免震構造物を提供することができる。
以上のように、本発明に係る免震装置およびこれを備えた免震構造物は、免震層を備えた免震構造に有用であり、特に、免震構造に対して原点復帰機能、フェールセーフ機能、ロック機能を付加するのに適している。
10 免震装置
12 上部構造物
14 下部構造物
16 免震層
18 凸部
20 連結部
22 ワイヤーケーブル(ケーブル)
24 センターホールジャッキ(ジャッキ)
26 反力架台
28 緩衝部
30,34 貫通孔
32 ジャッキ受け
36 開口角部
38 テーパー部
40 隙間
42 衝撃緩衝材
44 留め金
46 免震部材
100 免震構造物

Claims (5)

  1. 上部構造物と下部構造物との間の免震層に設けられる免震装置であって、
    上部構造物に一端側が連結されるとともに水平方向に延びるケーブルと、ケーブルの中間部に係合してケーブルに張力を付与可能であるとともにケーブルを介して上部構造物を牽引可能なジャッキと、ジャッキを下部構造物に固定するための反力架台と、ケーブルの他端側に設けられた緩衝部とを備えることを特徴とする免震装置。
  2. 一つの水平方向に対して、請求項1に記載の免震装置を2台一組として線対称の位置に配置したことを特徴とする免震装置。
  3. ジャッキは、反力架台に設置されたセンターホールジャッキであり、ケーブルは、反力架台およびセンターホールジャッキの貫通孔に挿通配置され、ケーブルの他端側に設けられた緩衝部とセンターホールジャッキとの間には、免震層の過大な変形を抑制するための隙間が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の免震装置。
  4. 反力架台の貫通孔の開口角部に、貫通孔の奥側から開口側へ向けて次第に拡径するラッパ形状のテーパー部が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の免震装置。
  5. 請求項1~4のいずれか一つに記載の免震装置を備えることを特徴とする免震構造物。
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