JP2022085183A - 切削ブレードの先端位置検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】切削ブレードの先端の位置の検出に用いられる被加工物の使用量を削減することが可能な切削ブレードの先端位置検出方法を提供する。【解決手段】被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルによって保持された被加工物を切削する切削ブレードが回転可能な状態で装着される切削ユニットと、を備える切削装置を用いて、切削ブレードの先端位置を検出する切削ブレードの先端位置検出方法であって、切削ブレードを被加工物に切り込ませることによって形成された第1切削痕を備える被加工物に、更に切削ブレードを切り込ませることにより、被加工物のうち第1切削痕と重なる領域に、第1切削痕よりも長い第2切削痕を形成する切削痕形成ステップと、被加工物に形成された第2切削痕の長さに基づいて、切削ブレードの先端位置を算出する先端位置算出ステップと、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、被加工物を切削する切削ブレードの先端の位置を検出する切削ブレードの先端位置検出方法に関する。
デバイスチップの製造工程では、格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウェーハが用いられる。このウェーハをストリートに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。デバイスチップは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
ウェーハの分割には、例えば切削装置が用いられる。切削装置は、ウェーハを保持するチャックテーブルと、ウェーハを切削する切削ユニットとを備えており、切削ユニットには環状の切削ブレードが回転可能な状態で装着される。チャックテーブルによってウェーハを保持し、切削ブレードを回転させてウェーハに切り込ませることにより、ウェーハが切削され、分割される。
また、近年では、電子機器の小型化に伴い、デバイスチップの薄型化が求められている。そこで、ウェーハの分割前には、ウェーハを薄化する処理が実施されることがある。例えば、ウェーハに研削加工を施して薄化した後に分割することにより、薄型化されたデバイスチップが得られる。
ところで、ウェーハには、ウェーハの外周部を研削してウェーハの外周縁(側面)の形状を円弧状にする、所謂面取り加工が施されている。そして、面取り加工が施されたウェーハを研削して薄化すると、ウェーハの外周部が鋭く尖った形状(シャープエッジ形状)となる。ウェーハの外周部がシャープエッジ形状になると、ウェーハの外周部で欠けや割れが生じやすくなり、ウェーハが損傷するおそれがある。
そこで、面取り加工が施されたウェーハを研削して薄化する際には、事前にウェーハの外周部を切削ブレードによって環状に切削する、エッジトリミングと称される加工が行われる(特許文献1参照)。エッジトリミングを実施すると、その後にウェーハを研削して薄化した際に、ウェーハの外周部がシャープエッジ形状とならない。これにより、ウェーハの損傷が防止される。
ウェーハに対して上記のエッジトリミング等の加工を施す際には、切削ブレードの切り込み深さ(ウェーハの上面から切削ブレードの下端までの距離)の高精度な調節が要求されることがある。しかしながら、切削ブレードの切り込み深さは、ウェーハの厚さのばらつき、切削装置の構成要素の位置や動作の誤差等が原因で、僅かに変動することがある。そのため、切削装置に所望の切り込み深さの値を入力しただけでは、切削ブレードのウェーハへの切り込みが意図した切り込み深さで行われず、切り込み深さに誤差が生じることがある。
そこで、厳密な切り込み深さが要求される切削加工を行う際には、切削ブレードをテスト用の被加工物(切削痕形成用ワーク)に切り込ませて切削痕形成用ワークに切削痕(溝)を形成し、切削痕の長さに基づいて切削ブレードの先端(下端)の位置を算出する検査が実施されることがある(特許文献2参照)。この検査を実施すると、切削ブレードの実際の切り込み深さを検出することが可能となる。そして、検出された切り込み深さに基づいて切削ブレードの高さ位置を補正することにより、切り込み深さの誤差が低減される。
特開2000-173961号公報 特開2002-59365号公報
上記のように、切削ブレードでウェーハ等の被加工物を加工する際には、切削ブレードの先端の位置を検出する検査が実施される。この検査には、切削ブレードをテスト用の被加工物(切削痕形成用ワーク)に切り込ませ、切削痕形成用ワークに切削痕(溝)を形成する工程が含まれる。そして、切削痕形成用ワークの節約のため、1枚の切削痕形成用ワークを用いて複数回の検査が実施される。そのため、切削痕形成用ワークには複数本の切削痕が形成される。
ここで、上記の検査では、切削痕形成用ワークに形成された切削痕の輪郭が検出され、切削痕の長さに基づいて切削ブレードの先端の位置が算出される。そのため、1枚の切削痕形成用ワークを用いて複数回の検査を実施する場合には、既に切削痕形成用ワークに形成されている切削痕と重ならないように、新たな切削痕が形成される。従って、1枚の切削痕形成用ワークに形成可能な切削痕の本数には限界があり、使用済みの切削痕形成用ワークを交換する作業が頻繁に実施される。
特に、前述のエッジトリミングでは、比較的厚い切削ブレードが用いられる。そのため、エッジトリミング用の切削ブレードの先端の位置を検出する場合には、切削痕形成用ワークに形成される切削痕の幅も大きくなり、1枚の切削痕形成用ワークに形成可能な切削痕の本数は更に制限される。その結果、切削痕形成用ワークの使用量が増加し、コストが増大する。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、切削ブレードの先端の位置の検出に用いられる被加工物の使用量を削減することが可能な切削ブレードの先端位置検出方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルによって保持された該被加工物を切削する切削ブレードが回転可能な状態で装着される切削ユニットと、を備える切削装置を用いて、該切削ブレードの先端位置を検出する切削ブレードの先端位置検出方法であって、該切削ブレードを該被加工物に切り込ませることによって形成された第1切削痕を備える該被加工物に、更に該切削ブレードを切り込ませることにより、該被加工物のうち該第1切削痕と重なる領域に、該第1切削痕よりも長い第2切削痕を形成する切削痕形成ステップと、該被加工物に形成された該第2切削痕の長さに基づいて、該切削ブレードの先端位置を算出する先端位置算出ステップと、を備える切削ブレードの先端位置検出方法が提供される。
本発明の一態様に係る切削ブレードの先端位置検出方法では、被加工物に切削ブレードを切り込ませ、既に被加工物に形成されている切削痕と重なるように新たな切削痕を形成する。これにより、被加工物に多くの切削痕を形成することが可能となり、1枚の被加工物によって実施可能な切削ブレードの先端位置の検出回数を増大させることができる。その結果、被加工物の使用量が削減され、コストが低減される。
また、本発明の一態様に係る切削ブレードの先端位置検出方法では、2本目以降の切削痕を、既に被加工物に形成されている他の切削痕よりも長くなるように形成する。これにより、新たに形成された切削痕の端部が被加工物に確実に残存し、新たに形成された切削痕の長さの検出が既に被加工物に形成されている他の切削痕によって阻害されることを防止できる。
切削装置を示す斜視図である。 チャックテーブル及び切削ユニットを示す正面図である。 切削ブレードによって切削された被加工物を示す平面図である。 図4(A)は1本目の切削痕が形成された被加工物を示す平面図であり、図4(B)は2本目の切削痕が形成された被加工物を示す平面図であり、図4(C)は3本目の切削痕が形成された被加工物を示す平面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る切削ブレードの先端位置検出方法に用いることが可能な切削装置の構成例について説明する。図1は、切削装置2を示す斜視図である。なお、図1において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向)とY軸方向(割り出し送り方向、第2水平方向)とは互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(鉛直方向、上下方向、高さ方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
切削装置2は、切削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の上面側には、移動機構(移動ユニット)6が設けられている。移動機構6は、X軸方向に沿って配置された一対のX軸ガイドレール8を備えている。また、一対のX軸ガイドレール8には、平板状のX軸移動テーブル10が、X軸ガイドレール8に沿ってスライド可能な状態で装着されている。
X軸移動テーブル10の下面(裏面)側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、一対のX軸ガイドレール8に沿って配置されたX軸ボールねじ12が螺合されている。また、X軸ボールねじ12の端部には、X軸パルスモータ14が連結されている。X軸パルスモータ14でX軸ボールねじ12を回転させると、X軸移動テーブル10がX軸ガイドレール8に沿ってX軸方向に移動する。なお、移動機構6には、X軸移動テーブル10のX軸方向における位置を検出するX軸位置検出器(不図示)が設けられている。
X軸移動テーブル10の上面(表面)側には、円柱状のテーブルベース16が設けられている。そして、テーブルベース16の上部には、チャックテーブル(保持テーブル)18が設けられている。チャックテーブル18は、切削装置2による加工の対象物である被加工物11を保持する。
チャックテーブル18の上面は、被加工物11を保持する平坦な保持面18aを構成している。保持面18aは、水平方向(XY平面方向)と概ね平行に形成されており、チャックテーブル18の内部に形成された流路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
移動機構6によってX軸移動テーブル10をX軸方向に移動させることにより、チャックテーブル18がX軸方向に沿って移動する(加工送り)。また、チャックテーブル18にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、この回転駆動源はチャックテーブル18をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させる。
テーブルベース16には、板状の支持台20がテーブルベース16を囲むように固定されている。そして、支持台20の上面側には、チャックテーブル(保持テーブル)22がチャックテーブル18と隣接するように設けられている。チャックテーブル22は、後述の切削ブレード54A,54Bの先端の位置を検出する際に使用されるテスト用の被加工物(切削痕形成用ワーク)21を保持するサブチャックテーブル(サブ保持テーブル)である。
チャックテーブル22の上面は、被加工物21を保持する保持面22aを構成している。保持面22aは、水平方向(XY平面方向)と概ね平行に形成されており、チャックテーブル22の内部に形成された流路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
X軸移動テーブル10の周囲には、切削加工に用いられる純水等の液体(切削液)の廃液などを一時的に貯留するウォーターケース24が設けられている。ウォーターケース24の内側に貯留された廃液は、ドレーン(不図示)等を介して切削装置2の外部に排出される。
また、基台4の上面側には、門型の支持構造26が移動機構6を跨ぐように配置されている。支持構造26の前面側の両端部には、一対の移動機構(移動ユニット)28が設けられている。具体的には、支持構造26の前面側には一対のY軸ガイドレール30がY軸方向に沿って固定されている。そして、一対のY軸ガイドレール30には、一対の移動機構28がそれぞれ備える平板状のY軸移動プレート32が、Y軸ガイドレール30に沿ってスライド可能な状態で装着されている。また、一対のY軸ガイドレール30の間には、一対のY軸ボールねじ34がY軸ガイドレール30に沿って設けられている。
Y軸移動プレート32の後面(裏面)側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはY軸ボールねじ34が螺合されている。また、一対のY軸ボールねじ34の端部にはそれぞれ、Y軸パルスモータ36が連結されている。Y軸パルスモータ36でY軸ボールねじ34を回転させると、Y軸移動プレート32がY軸ガイドレール30に沿ってY軸方向に移動する。なお、移動機構28には、Y軸移動プレート32のY軸方向における位置を検出するY軸位置検出器(不図示)が設けられていている。
Y軸移動プレート32の前面(表面)側には、一対のZ軸ガイドレール38がZ軸に沿って固定されている。そして、一対のZ軸ガイドレール38には、平板状のZ軸移動プレート40が、Z軸ガイドレール38に沿ってスライド可能な状態で装着されている。また、一対のZ軸ガイドレール38の間には、Z軸ボールねじ42がZ軸ガイドレール38に沿って設けられている。
Z軸移動プレート40の後面(裏面)側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはZ軸ボールねじ42が螺合されている。また、Z軸ボールねじ42の端部には、Z軸パルスモータ44が連結されている。Z軸パルスモータ44でZ軸ボールねじ42を回転させると、Z軸移動プレート40がZ軸ガイドレール38に沿ってZ軸方向に移動する。なお、移動機構28には、Z軸移動プレート40のZ軸方向における位置を検出するZ軸位置検出器(不図示)が設けられていている。
一方の移動機構28が備えるZ軸移動プレート40の下部には、被加工物11を切削する切削ユニット46Aが固定されている。また、他方の移動機構28が備えるZ軸移動プレート40の下部には、被加工物11を切削する切削ユニット46Bが固定されている。
切削ユニット46A,46Bに隣接する位置にはそれぞれ、撮像ユニット48が設けられている。撮像ユニット48は、チャックテーブル18によって保持された被加工物11や、チャックテーブル22によって保持された被加工物21を撮像する。例えば撮像ユニット48として、可視光を受光して電気信号に変換する撮像素子を備える可視光カメラや、赤外線を受光して電気信号に変換する撮像素子を備える赤外線カメラ等が用いられる。
Y軸移動プレート32をY軸方向に沿って移動させることにより、切削ユニット46A,46Bと撮像ユニット48とがY軸方向に沿って移動する。また、Z軸移動プレート40をZ軸方向に沿って移動させることにより、切削ユニット46A,46Bと撮像ユニット48とが昇降し、チャックテーブル18の保持面18a及びチャックテーブル22の保持面22aと概ね垂直な方向に沿って移動する。
図2は、チャックテーブル18,22及び切削ユニット46A,46Bを示す正面図である。なお、図2では説明の便宜上、チャックテーブル18とチャックテーブル22とを離れた位置に図示している。
切削ユニット46A,46Bはそれぞれ、中空の円柱状に形成されたハウジング50を備えている。ハウジング50は、移動機構28(図1参照)のZ軸移動プレート40によって支持されている。また、ハウジング50には、Y軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル52が収容されている。スピンドル52の先端部(一端側)はハウジング50の外部に露出しており、スピンドル52の基端部(他端側)にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
切削ユニット46Aが備えるスピンドル52の先端部には、被加工物11を切削する環状の切削ブレード54Aが装着される。また、切削ユニット46Bが備えるスピンドル52の先端部には、被加工物11を切削する環状の切削ブレード54Bが装着される。スピンドル52に連結された回転駆動源を駆動させると、回転駆動源によって生成された動力がスピンドル52を介して切削ブレード54A,54Bに伝達され、切削ブレード54A,54BがY軸方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。
切削ブレード54A,54Bとしては、例えばハブタイプの切削ブレード(ハブブレード)が用いられる。ハブブレードは、金属等でなる環状の基台と、基台の外周縁に沿って形成された環状の切刃とが一体となって構成される。ハブブレードの切刃は、ダイヤモンド等でなる砥粒がニッケルめっき等の結合材によって固定された電鋳砥石によって構成される。なお、砥粒の材質、砥粒の粒径、結合材の材質等に制限はなく、加工対象となる被加工物11の材質や加工条件等に応じて適宜選択される。
また、切削ブレード54A,54Bとして、ワッシャータイプの切削ブレード(ワッシャーブレード)を用いることもできる。ワッシャーブレードは、砥粒が金属、セラミックス、樹脂等でなる結合材によって固定された環状の切刃によって構成される。
切削装置2は、2組の切削ユニット46A,46Bを備え、一対の切削ブレード54A,54Bが互いに対面するように配置される、所謂フェイシングデュアルスピンドルタイプの切削装置である。ただし、切削装置2が備える切削ユニットの数は1組であってもよい。
切削ユニット46A,46Bはそれぞれ、切削ブレード54A,54Bに純水等の液体(切削液)を供給するノズル56(図1参照)を備えている。切削ブレード54A,54Bで被加工物11,21を切削する際には、ノズル56から切削液が供給される。これにより、被加工物11,21と切削ブレード54A,54Bとが冷却されるとともに、切削加工によって生じた屑(切削屑)が洗い流される。
切削装置2の前面側には、切削装置2に関する各種の情報を表示する表示部(表示ユニット、表示装置)58が設けられている。例えば、表示部58はディスプレイを備え、被加工物11の加工に関する各種の情報(加工条件、加工状況等)を表示する。
なお、表示部58はタッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルは、切削装置2に情報を入力するための入力ユニット(入力部、入力装置)としても機能する。そして、タッチパネルには、切削装置2に関する情報とともに、操作キー(キーボード、テンキー等)が表示される。オペレーターは、タッチパネルのタッチ操作によって切削装置2に加工条件等の情報を入力できる。
また、切削装置2は、切削装置2を制御する制御部(制御ユニット、制御装置)60を備える。制御部60は、切削装置2を構成する各構成要素(移動機構6、チャックテーブル18、チャックテーブル22、移動機構28、切削ユニット46A,46B、撮像ユニット48、表示部58等)に接続されている。制御部60は、切削装置2の構成要素に制御信号を出力することにより、切削装置2の稼働を制御する。
例えば、制御部60はコンピュータによって構成され、切削装置2の稼働に必要な演算を行う演算部を含む。演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、制御部60は、切削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部(記憶ユニット、記憶装置)62を含む。例えば記憶部62は、主記憶装置、補助記憶装置等として機能する各種のメモリを含んで構成される。
切削装置2によって、被加工物11の切削加工が行われる。例えば被加工物11は、円盤状に形成されたシリコンウェーハであり、表面11a及び裏面11bを備える。被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列されたストリート(分割予定ライン)によって、複数の領域に区画されている。また、被加工物11の表面11a側のストリートによって区画された領域にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等のデバイス13が形成されている。
ただし、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなる任意の形状の基板であってもよい。また、デバイス13の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイス13が形成されていなくてもよい。
被加工物11に対しては、様々な加工が施される。例えば、切削ブレード54A,54Bを被加工物11に切り込ませ、被加工物11をストリートに沿って分割することにより、デバイス13をそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。この場合、被加工物11の分割前に被加工物11の裏面11b側を研削して被加工物11を薄化しておくと、薄型化されたデバイスチップが得られる。
また、被加工物11を分割する手法として、DBG(Dicing Before Grinding)と称されるプロセスが用いられることもある。DBGプロセスでは、まず、切削ブレード54A,54Bを被加工物11の表面11a側に切り込ませ、被加工物11の表面11a側に所定の深さの溝をストリートに沿って形成する(ハーフカット)。その後、被加工物11の裏面11b側を研削し、被加工物11の裏面11bに溝を露出させることにより、被加工物11が複数のデバイスチップに分割される。
さらに、被加工物11にはエッジトリミングが施されることもある。この場合には、切削ブレード54A,54Bによって被加工物11の外周部が環状に切削される。なお、エッジトリミングを実施する際には、例えば切刃の厚さが1mm以上3mm以下の比較的厚い切削ブレード54A,54Bが用いられる。
上記のように切削ブレード54A,54Bによって被加工物11を切削する際には、被加工物11に所望の加工が施されるように、切削ブレード54A,54Bの切り込み深さ(被加工物11の上面から切削ブレード54A,54Bの下端までの距離)が設定される。しかしながら、切削ブレード54A,54Bの切り込み深さは、被加工物11の厚さのばらつき、切削装置2の構成要素の位置や動作の誤差等が原因で、僅かに変動することがある。そのため、切削装置2に所望の切り込み深さの値を入力しただけでは、切削ブレード54A,54Bの被加工物11への切り込みが意図した切り込み深さで行われず、切り込み深さに誤差が生じることがある。
そこで、切削ブレード54A,54Bで被加工物11を切削する前に、切削ブレード54A,54Bをチャックテーブル22によって保持されたテスト用の被加工物21に切り込ませて、切削ブレード54A,54Bの先端(下端)の位置を確認する検査が実施される。そして、この検査の結果に基づいて、切削ブレード54A,54Bの高さ位置が調節される。
被加工物21は、例えば被加工物11と同じ材質でなる直方体状の部材である。ただし、切削ブレード54A,54Bによって被加工物21を切削可能であれば、被加工物21の材質に制限はない。また、被加工物21の形状も適宜変更できる。
切削ブレード54Aの先端の位置を検出する場合には、まず、被加工物21がチャックテーブル22によって保持される(図2参照)。具体的には、チャックテーブル22の保持面22a上に被加工物21が配置された状態で、保持面22aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させる。これにより、被加工物21がチャックテーブル22によって吸引保持される。
また、切削ブレード54Aが被加工物21の直上に配置されるように、チャックテーブル22及び切削ユニット46Aの位置が移動機構6及び移動機構28(図1参照)によって調節される。そして、切削ブレード54Aを回転させながら切削ユニット46Aを所定の高さ位置まで下降させる。これにより、切削ブレード54Aが被加工物21の表面21a側に切り込む。その後、切削ユニット46Aを上昇させ、切削ブレード54Aを被加工物21から離隔させる。
図3は、切削ブレード54Aによって切削された被加工物21を示す平面図である。切削ブレード54Aが被加工物21の表面21a側に切り込むと、被加工物21の表面21a側には所定の深さの切削痕(溝)23が形成される。図3には、被加工物21に平面視で矩形状(帯状)の切削痕23が形成された例を示している。なお、切削痕23の幅(Y軸方向における長さ)は、切削ブレード54Aの先端部(切刃)の厚さに対応している。
ここで、切削ユニット46Aを所定の高さ位置まで下降させて切削ブレード54Aを被加工物21に切り込ませた際の切削ブレード54Aの先端(下端)の位置は、切削痕23の長さから算出することができる。具体的には、切削ブレード54Aの先端の位置は、切削痕23の深さに相当する。そして、切削ブレード54Aの半径がr、切削痕23の長さがLである場合、切削ブレード54Aの先端位置(切削ブレード54Aの切り込み深さ、切削痕23の深さ)Dは、式(1)で表される。
Figure 2022085183000002
そのため、被加工物21に切削痕23を形成し、切削痕23の長さLを測定することにより、切削ユニット46Aを所定の高さ位置まで下降させた際の切削ブレード54Aの先端位置Dを算出することが可能となる。そして、算出された切削ブレード54Aの先端位置Dに基づいて、本来の加工対象である被加工物11を切削する際の切削ブレード54Aの高さ位置を補正することにより、切り込み深さの精度を向上させることができる。
なお、上記では切削ユニット46Aに装着された切削ブレード54Aの先端位置の算出方法について説明したが、切削ユニット46Bに装着された切削ブレード54Bの先端位置も同様の方法で算出できる。
次に、切削ブレード54A,54Bの先端位置を検出する際の切削装置2の動作の具体例を説明する。以下では一例として、切削ブレード54Aの先端位置が検出される場合について詳述する。
本実施形態に係る切削ブレードの先端位置検出方法では、被加工物21に形成された切削痕23に基づいて切削ブレード54Aの先端位置が検出された後、さらに同一の被加工物21に他の切削痕23が形成され、切削ブレード54Aの先端位置が検出される。すなわち、切削ブレード54Aの先端位置の検出が同一の被加工物21を用いて複数回実施される。
切削ブレード54Aの先端位置を検出する際は、まず、被加工物21に切削ブレード54Aを切り込ませることにより、被加工物21に切削痕23を形成する(切削痕形成ステップ)。具体的には、前述の手順に従って切削ブレード54Aを被加工物21の直上に配置した状態で、切削ブレード54Aを回転させながら切削ユニット46Aを所定の高さ位置まで下降させる。これにより、切削ブレード54Aが被加工物21の表面21a側に切り込み、被加工物21の表面21a側に1本目の切削痕23が形成される。
図4(A)は、1本目の切削痕23(切削痕23A)が形成された被加工物21を示す平面図である。切削ブレード54Aを被加工物21に切り込ませると、被加工物21の表面11a側に矩形状の切削痕(溝)23Aが形成される。なお、切削ブレード54Aの厚さ方向(Y軸方向)と垂直な方向(X軸方向)における切削痕23Aの長さを、長さLとする。
次に、切削痕23Aの長さLに基づいて、切削ブレード54Aの先端位置を算出する(先端位置算出ステップ)。先端位置算出ステップでは、まず、チャックテーブル22によって保持された被加工物21の表面21a側を、撮像ユニット48(図1参照)によって撮像する。このとき、チャックテーブル22と撮像ユニット48との位置関係が移動機構6及び移動機構28によって調節され、被加工物21と撮像ユニット48との位置合わせが行われる。そして、撮像ユニット48で被加工物21の表面21a側を撮像すると、切削痕23Aの像を含む画像(撮像画像)が取得される。
次に、撮像ユニット48によって取得された撮像画像に基づいて、切削ブレード54Aの先端位置が算出される。具体的には、まず、被加工物21に形成された切削痕23Aの長さLが測定される。例えば、撮像ユニット48によって取得された撮像画像は、制御部60(図1参照)に入力される。そして、制御部60は、撮像画像に画像処理を施すことにより、切削痕23Aの長さLを測定する。
なお、切削痕23Aの長さLの測定方法に制限はない。例えば制御部60は、撮像画像にエッジ検出処理を施して切削痕23Aの輪郭を特定し、その後、切削痕23AのX軸方向における両端の座標の差分を算出する。これにより、切削痕23Aの長さLの値が得られる。
次に、切削痕23Aの長さLに基づいて、切削ブレード54Aの先端位置が算出される。例えば、制御部60の記憶部62(図1参照)には、前述の式(1)と、切削ブレード54Aの半径rとが予め記憶されている。そして、切削痕23Aの長さLが測定されると、制御部60は、記憶部62から式(1)及び切削ブレード54Aの半径rを読み出し、式(1)に半径rと算出された切削痕23Aの長さLとを適用する処理を実行する。その結果、切削ブレード54Aの先端位置が算出される。
このようにして、切削ユニット46Aを所定の高さ位置まで下降させた際の切削ブレード54Aの先端位置が検出される。そして、制御部60は、先端位置算出ステップにおいて取得された切削痕23Aの長さLと切削ブレード54Aの先端位置とを、記憶部62に記憶する。
なお、制御部60は、算出された切削ブレード54Aの先端位置を表示部58(図1参照)に表示させてもよい。これにより、オペレーターが切削ブレード54Aの先端位置を認識できる。また、制御部60は、算出された切削ブレード54Aの先端位置が正常値であるか異常値であるかを判定し、切削ブレード54Aの先端位置が異常値である場合には記憶部62にエラーメッセージを表示させてもよい。
その後、切削ブレード54Aによって、本来の加工対象である被加工物11が切削される。具体的には、チャックテーブル18によって保持された被加工物11に、切削ブレード54Aが所定の切り込み深さで切り込む。このとき、先端位置算出ステップにおいて算出された切削ブレード54Aの先端位置に基づいて、切削ユニット46Aの高さ位置が補正される。これにより、切削ブレード54Aの切り込み深さの誤差が低減される。
なお、切削ブレード54Aの先端位置の検出は、切削ブレード54Aによる被加工物11の加工量が所定の量に達するごとに、定期的に実施される。そして、切削ブレード54Aの先端位置を検出は、同一の被加工物21を用いて複数回実施される。そのため、2回目以降の切削ブレード54Aの先端位置の検出時には、既に切削痕23が形成されている被加工物21に再度切削ブレード54Aが切り込み、新たな切削痕23が形成される(切削痕形成ステップ)。そして、新たに形成された切削痕23を用いて切削ブレード54Aの先端位置が算出される(先端位置算出ステップ)。
2回目の切削痕形成ステップでは、チャックテーブル22と切削ユニット46Aとの位置関係が、1回目の切削痕形成ステップの実施時(切削痕23Aの形成時)と同様に設定される。具体的には、制御部60は、移動機構6,28(図1参照)を制御し、X軸移動テーブル10及びY軸移動プレート32を切削痕23Aの形成時と同じ位置に配置する。これにより、切削ブレード54Aは、被加工物21のうち切削痕23Aが形成された領域の直上に位置付けられる。
そして、切削ブレード54Aを回転させながら切削ユニット46Aを所定の高さ位置まで下降させる。その結果、被加工物21の表面21a側に新たな切削痕23が、既に被加工物21に形成されている切削痕23Aに重なるように形成される。
図4(B)は、2本目の切削痕23(切削痕23B)が形成された被加工物21を示す平面図である。切削痕23Bは、被加工物21のうち切削痕23Aと重なる領域に形成される。なお、図4(B)には、切削痕23Bの形成によって除去された切削痕23AのX軸方向における両端を、仮想的に破線で示している。また、切削ブレード54Aの厚さ方向(Y軸方向)と垂直な方向(X軸方向)における切削痕23Bの長さを、長さLとする。
切削痕23Bの形成時には、切削ユニット46Aの下降距離が、1回目の切削痕形成ステップの実施時(切削痕23Aの形成時)よりも大きい値に設定される。そのため、切削ブレード54Aは、被加工物21のうち切削痕23Aと重なる領域に、切削痕23Aの形成時よりも深く切り込む。その結果、切削痕23Aが除去されるとともに、切削痕23Aよりも長い切削痕23Bが形成される。このとき、切削痕23BのX軸方向における両端は、切削痕23Aの外側に形成される。
次に、被加工物21に形成された切削痕23Bの長さLに基づいて、切削ブレード54Aの先端位置を算出する(2回目の先端位置算出ステップ)。切削ブレード54Aの先端位置の具体的な算出方法は、前述の通りである。
図4(B)に示すように、切削痕23BのX軸方向における両端は、切削痕23Aの外側に形成される。そのため、撮像ユニット48(図1参照)で被加工物21の表面21a側を撮像すると、切削痕23Bの両端が明確に表された撮像画像が取得される。そして、制御部60は、撮像画像に含まれる切削痕23Bの長さLに基づいて、切削ブレード54Aの先端位置を算出する。また、制御部60は、切削痕23Aの長さLと、長さLに基づいて算出された切削ブレード54Aの先端位置とを、記憶部62に記憶する。
その後、切削ブレード54Aによって、本来の加工対象である被加工物11が切削される。このとき、2回目の先端位置算出ステップにおいて算出された切削ブレード54Aの先端位置に基づいて、切削ユニット46Aの高さ位置が補正される。そして、切削ブレード54Aによる被加工物11の加工量が所定の量に達すると、3回目の切削ブレード54Aの先端位置の検出が実施される。
3回目の切削痕形成ステップでは、チャックテーブル22と切削ユニット46Aとの位置関係が、1回目及び2回目の切削痕形成ステップの実施時(切削痕23A,23Bの形成時)と同様に設定される。これにより、切削ブレード54Aは、被加工物21のうち切削痕23Bが形成された領域の直上に位置付けられる。
そして、切削ブレード54Aを回転させながら切削ユニット46Aを所定の高さ位置まで下降させる。その結果、被加工物21の表面21a側に新たな切削痕23が、既に被加工物21に形成されている切削痕23Bに重なるように形成される。
図4(C)は、3本目の切削痕23(切削痕23C)が形成された被加工物21を示す平面図である。切削痕23Cは、被加工物21のうち切削痕23Bと重なる領域に形成される。なお、図4(C)には、切削痕23Cの形成によって除去された切削痕23BのX軸方向における両端を、仮想的に破線で示している。また、切削ブレード54Aの厚さ方向(Y軸方向)と垂直な方向(X軸方向)における切削痕23Cの長さを、長さLとする。
切削痕23Cの形成時には、切削ユニット46Aの下降距離が、2回目の切削痕形成ステップの実施時(切削痕23Bの形成時)よりも大きい値に設定される。そのため、切削ブレード54Aは、被加工物21のうち切削痕23Bと重なる領域に、切削痕23Bの形成時よりも深く切り込む。その結果、切削痕23Bが除去されるとともに、切削痕23Bよりも長い切削痕23Cが形成される。そして、切削痕23CのX軸方向における両端は、切削痕23Bの外側に形成される。
次に、被加工物21に形成された切削痕23Bの長さLに基づいて、切削ブレード54Aの先端位置を算出する(3回目の先端位置算出ステップ)。切削ブレード54Aの先端位置の具体的な算出方法は、前述の通りである。そして、制御部60は、切削痕23Aの長さLと、長さLに基づいて算出された切削ブレード54Aの先端位置とを、記憶部62に記憶する。
上記のように、切削ブレード54Aは、被加工物21の同一の領域に、切り込み深さが徐々に深くなるように複数回切り込む。これにより、切削ブレード54Aが毎回被加工物21の異なる領域に切り込む場合と比較して、被加工物21の切削される領域が削減される。なお、切削ブレード54Aを被加工物21に複数回切り込ませる際の切削ユニット46Aの下降距離の増加量は、被加工物11に形成される複数の切削痕23(切削痕23A,23B,23C)の長さが徐々に長くなるように、切削ブレード54Aの摩耗等を考慮しつつ設定される。
4回目以降の切削ブレード54Aの先端位置の検出も、同様の手順で実施される。そして、被加工物21の同一の領域に形成された切削痕23の本数が所定の数に達すると、被加工物21の切削痕23が形成される領域が変更される。そして、被加工物21の他の領域において、前述の手順に従って切削痕23が複数本形成される。
切削痕形成ステップ及び先端位置算出ステップは、例えば記憶部62に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。具体的には、記憶部62には、切削痕形成ステップ及び先端位置算出ステップにおいて行われる一連の処理を記述するプログラムが予め記憶されている。そして、切削ブレード54Aの先端位置の検出が実施される際には、制御部60が記憶部62からプログラムを読み出して実行し、切削装置2の各構成要素に制御信号を出力するとともに所定の演算を行う。これにより、切削装置2の稼働が制御され、切削痕形成ステップ及び先端位置算出ステップが自動で実施される。
なお、上記では切削ブレード54Aを被加工物21に切り込ませて切削ブレード54Aの先端位置を検出する場合について説明したが、切削ブレード54Bの先端位置の検出も、同様の手順で実施できる。
以上の通り、本実施形態に係る切削ブレードの先端位置検出方法では、被加工物21に切削ブレード54A,54Bを切り込ませ、既に被加工物21に形成されている切削痕23と重なるように新たな切削痕23を形成する。これにより、被加工物21に多くの切削痕23を形成することが可能となり、1枚の被加工物21によって実施可能な切削ブレード54A,54Bの先端位置の検出回数を増大させることができる。その結果、被加工物21の使用量が削減され、コストが低減される。
また、本実施形態に係る切削ブレードの先端位置検出方法では、2本目以降の切削痕23を、既に被加工物21に形成されている他の切削痕23よりも長くなるように形成する。これにより、新たに形成された切削痕23の端部が被加工物21に確実に残存し、新たに形成された切削痕23の長さの検出が既に被加工物21に形成されている切削痕23によって阻害されることを防止できる。
なお、先端位置算出ステップでは、新たに形成された切削痕23の長さと過去に形成された切削痕23の長さとに基づいて、新たな切削痕23が適切に形成されているか否かを判定してもよい。具体的には、制御部60の記憶部62には、過去に形成された切削痕23の長さが記憶されている。そして、制御部60は、新たに形成された切削痕23の長さと過去に形成された切削痕23の長さとを比較し、両者が同一(又は両者の差が一定以下)であると、新たな切削痕23が適切に形成されていないと判定する。この場合、切削ユニット46A,46Bの下降距離、又は、切削ブレード54A,54Bによって切削される被加工物21の領域が変更された上で、改めて切削痕形成ステップ及び先端位置算出ステップが実施される。
また、切削ブレード54Aの先端位置の検出と切削ブレード54Bの先端位置の検出とは、同一の被加工物21を用いて交互に実施されてもよい。具体的には、切削ブレード54A,54Bの一方によって形成された切削痕23(第1切削痕)と重なる領域に、切削ブレード54A,54Bの他方を切り込ませることにより、新たな切削痕23(第2切削痕)が形成される。この場合、切削ユニット46A,46Bの下降距離は、第2切削痕の長さが第1切削痕の長さよりも長くなるように設定される。
さらに、切削ブレード54Aによる切削痕23の形成と切削ブレード54Bによる切削痕23の形成とは、同じタイミングで実施されてもよい。具体的には、切削ブレード54Aを被加工物11の第1領域に切り込ませると同時に、切削ブレード54Bを被加工物11の第2領域に切り込ませることにより、被加工物21に一対の切削痕23が同時に形成される。その後、被加工物21の第1領域で切削ブレード54Aを用いた2回目以降の切削痕形成ステップが実施されるとともに、被加工物21の第2領域で切削ブレード54Bを用いた2回目以降の切削痕形成ステップが実施される。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面
11b 裏面
13 デバイス
21 被加工物(切削痕形成用ワーク)
21a 表面
23,23A,23B,23C 切削痕(溝)
2 切削装置
4 基台
6 移動機構(移動ユニット)
8 X軸ガイドレール
10 X軸移動テーブル
12 X軸ボールねじ
14 X軸パルスモータ
16 テーブルベース
18 チャックテーブル(保持テーブル)
18a 保持面
20 支持台
22 チャックテーブル(保持テーブル)
22a 保持面
24 ウォーターケース
26 支持構造
28 移動機構(移動ユニット)
30 Y軸ガイドレール
32 Y軸移動プレート
34 Y軸ボールねじ
36 Y軸パルスモータ
38 Z軸ガイドレール
40 Z軸移動プレート
42 Z軸ボールねじ
44 Z軸パルスモータ
46A,46B 切削ユニット
48 撮像ユニット
50 ハウジング
52 スピンドル
54A,54B 切削ブレード
56 ノズル
58 表示部(表示ユニット、表示装置)
60 制御部(制御ユニット、制御装置)
62 記憶部(記憶ユニット、記憶装置)

Claims (1)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルによって保持された該被加工物を切削する切削ブレードが回転可能な状態で装着される切削ユニットと、を備える切削装置を用いて、該切削ブレードの先端位置を検出する切削ブレードの先端位置検出方法であって、
    該切削ブレードを該被加工物に切り込ませることによって形成された第1切削痕を備える該被加工物に、更に該切削ブレードを切り込ませることにより、該被加工物のうち該第1切削痕と重なる領域に、該第1切削痕よりも長い第2切削痕を形成する切削痕形成ステップと、
    該被加工物に形成された該第2切削痕の長さに基づいて、該切削ブレードの先端位置を算出する先端位置算出ステップと、を備えることを特徴とする切削ブレードの先端位置検出方法。
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