JP2022083109A - レーザー加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦の影響を受けることなく対物レンズを昇降させる。【解決手段】被加工物にレーザービームを照射するレーザービーム照射ユニットを備えるレーザー加工装置であって、該レーザービーム照射ユニットは、レーザービームを該被加工物に集光する対物レンズを備える集光器を含み、該集光器は、該対物レンズを支持し該レーザービームが通り抜ける内筒体と、隙間を介して該内筒体を囲繞する外筒体と、該外筒体に形成された複数のオリフィスと、該オリフィスに連通し高圧エアーの供給を受けるポートと、該ポートから供給された高圧エアーが該オリフィスから噴出して該隙間に供給されることで該内筒体を該高圧エアーで支持するエアー支持機構と、該内筒体と該外筒体の一方に配設された永久磁石と、該内筒体と該外筒体の他方に配設されコイルと、を含むボイスコイルモータと、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物をレーザー加工するレーザー加工装置に関する。
携帯電話やパソコン等の電子機器に使用されるデバイスチップの製造工程では、まず、半導体等の材料からなるウエーハの表面に互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)を設定する。そして、分割予定ラインで区画される各領域にIC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integration)等のデバイスを形成する。その後、ウエーハを分割予定ラインに沿って分割すると、個々のデバイスチップが形成される。
ウエーハの分割は、例えば、レーザービームをウエーハに照射して該ウエーハをレーザー加工できるレーザー加工装置で実施される。レーザー加工装置は、ウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルで保持された被加工物にレーザービームを照射して該被加工物をレーザー加工するレーザービーム照射ユニットと、を備える。
レーザービーム照射ユニットは、被加工物に対して吸収性を有する波長(被加工物に吸収される波長)のレーザービームを該被加工物の上面に集光し、該被加工物をアブレーション加工する(特許文献1参照)。または、レーザービーム照射ユニットは、被加工物に対して透過性を有する波長(被加工物を透過できる波長)のレーザービームを該被加工物の内部に集光し、改質層を形成する(特許文献2参照)。その後、改質層から被加工物の厚さ方向にクラックを伸長させると、該被加工物を分割できる。
ところで、ウエーハ等の被加工物の厚さは完全に一様とはいえず、局所的にばらつきがある。そのため、レーザー加工装置では、この厚さのばらつきに起因して一様なレーザー加工を実施できない場合がある。そこで、被加工箇所において該被加工物の上面または下面の高さを高さ測定器で測定し、高さの測定結果を利用してレーザービームの集光高さを随時調整する(特許文献3参照)。
特開2004-188475号公報 特開2002-192370号公報 特開2012-2604号公報
被加工物の被加工箇所の高さに応じてレーザービームの集光高さを調整する場合、例えば、レーザービーム照射ユニットが備える集光器を構成する対物レンズをZ軸方向(高さ方向)に沿って微小に繰り返し移動させることになる。従来、対物レンズを移動させるにあたって該対物レンズや移動機構等で摩擦が生じたため、該対物レンズをZ軸方向に沿って円滑に移動できない場合や、摩擦による消耗が生じる場合があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、対物レンズを昇降させる際に摩擦の影響を受けないレーザー加工装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物にレーザービームを照射するレーザービーム照射ユニットと、該チャックテーブルと、該レーザービーム照射ユニットと、を相対的にX軸方向に移動させるX軸送りユニットと、該チャックテーブルと、該レーザービーム照射ユニットと、を相対的に該X軸方向に直交するY軸方向に移動させるY軸送りユニットと、を備えるレーザー加工装置であって、該レーザービーム照射ユニットは、レーザーを発振するレーザー発振器と、該レーザー発振器から出射したレーザービームを該チャックテーブルに保持された被加工物に該X軸方向および該Y軸方向と直交するZ軸方向から照射して集光する対物レンズを備える集光器と、を含み、該集光器は、該対物レンズを支持し該レーザー発振器から出射したレーザービームが通り抜ける該Z軸方向に沿った内筒体と、隙間を介して該内筒体を囲繞する外筒体と、該外筒体に形成された複数のオリフィスと、該オリフィスに連通し高圧エアーの供給を受けるポートと、該ポートから供給された高圧エアーが該オリフィスから噴出して該隙間に供給されることで該内筒体を該高圧エアーで支持するエアー支持機構と、該内筒体と該外筒体の一方に配設された永久磁石と、該内筒体と該外筒体の他方に配設されコイルと、を含むボイスコイルモータと、を含むことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
好ましくは、該内筒体の上部開口には、粉塵の進入を防止するカバーガラスが配設される。
また、好ましくは、該内筒体と、該外筒体と、の間には、該Z軸方向に沿った軸の周りへの該内筒体の回転を規制する回転規制ユニットが配設される。
また、好ましくは、該回転規制ユニットは、該内筒体に固定された第1規制用永久磁石と、該外筒体に固定された第2規制用永久磁石と、を含み、該第1規制用永久磁石と、該第2規制用永久磁石と、の間に働く磁力により非接触で該内筒体の回転を規制する。
また、好ましくは、該内筒体と該外筒体との一方には、該外筒体に対する該内筒体の該Z軸方向の位置の計測に使用できるスケールが配設される。
また、好ましくは、該レーザー発振器は、被加工物に対して透過性を有する波長の該レーザービームを発振する。
本発明の一態様に係るレーザー加工装置では、レーザービーム照射ユニットは、発振器と、対物レンズを備える集光器と、を含む。集光器は、対物レンズを支持する内筒体と、隙間を介して該内筒体を囲繞する外筒体と、該内筒体を高圧エアーで支持するエアー支持機構と、を含む。さらに、集光器は、内筒体と外筒体の一方に配設された永久磁石と、内筒体と外筒体の他方に配設されたコイルと、を含むボイスコイルモータと、を含む。
該レーザー加工装置では、内筒体を外筒体に対してZ軸方向(高さ方向)に移動させることで内筒体に含まれる対物レンズを移動できる。ここで、該内筒体と、該外筒体と、が物理的に接触していないため、両者の間に摩擦が生じない。そのため、該レーザー加工装置では、被加工物の厚みのばらつきに対応するように対物レンズをZ軸方向に沿って移動させる際に、摩擦の影響を受けない。
したがって、本発明の一態様によると、対物レンズを昇降させる際に摩擦の影響を受けないレーザー加工装置が提供される。
被加工物を模式的に示す斜視図である。 レーザー加工装置を模式的に示す斜視図である。 レーザービーム照射ユニットの光学系を模式的に示す側面図である。 集光器の一例を模式的に示す断面図である。 集光器の他の一例を模式的に示す断面図である。 レーザー加工されたウエーハを拡大して模式的に示す断面図である。
添付図面を参照して、本発明の一態様に係るレーザー加工装置について説明する。まず、本実施形態に係るレーザー加工装置で加工される被加工物について説明する。被加工物は、例えば、Si(シリコン)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(ガリウムナイトライド)、GaAs(ヒ化ガリウム)、若しくは、その他の半導体等の材料の円板状のウエーハである。
または、被加工物は、サファイア、ガラス、石英等の材料からなる略円板状の基板等である。該ガラスは、例えば、アルカリガラス、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等である。以下、被加工物が円板状のウエーハである場合を例に説明するが、該被加工物はこれに限定されない。図1は、被加工物1を含むフレームユニット11を模式的に示す斜視図である。
被加工物1の表面1aは格子状に配列された複数の分割予定ライン3で区画される。また、被加工物1の表面1aの分割予定ライン3で区画された各領域にはICやLSI等のデバイス5が形成される。本実施形態に係るレーザー加工装置では、分割予定ライン3に沿って被加工物1をレーザー加工して内部に改質層を形成する。そして、該改質層を起点として該被加工物1を分割すると、個々のデバイスチップを形成できる。
ウエーハ等の被加工物1は、ダイシングテープ9を介してフレーム7に支持された状態でレーザー加工装置に搬入される。すなわち、被加工物1がレーザー加工装置に搬入される前に、被加工物1と、フレーム7と、ダイシングテープ9と、が一体化されてフレームユニット11が形成される。フレームユニット11は、開口7aを備える環状のフレーム7と、開口7aを塞ぐように該フレーム7に配設されたダイシングテープ9と、開口7aの内側でダイシングテープ9に貼着された被加工物1と、を備える。
被加工物1が分割されて形成された個々のデバイスチップは、ダイシングテープ9に支持される。その後、ダイシングテープ9を拡張することでデバイスチップ間の間隔を広げると、デバイスチップのピックアップが容易となる。
フレーム7は、例えば、金属等の材料で形成され、被加工物1の径よりも大きい径の開口7aを備える。フレームユニット11を形成する際は、被加工物1は、フレーム7の開口7a内に位置付けられ、開口7aに収容される。
ダイシングテープ9は、フレーム7の開口7aよりも大きい径を有する。ダイシングテープ9は、基材層と、該基材層の上に形成された粘着層と、を備える。ダイシングテープ9は、粘着層で発現する粘着力によりフレーム7及び被加工物1の裏面1bに貼着される。被加工物1の裏面1b側にダイシングテープ9が貼着されると、被加工物1の表面1a側が上方に露出する。なお、ダイシングテープ9は、被加工物1の表面1aに貼着されてもよく、この場合、被加工物1の裏面1bが上方に露出した状態となる。
次に、フレームユニット11に含まれるウエーハ等の被加工物1をレーザー加工する本実施形態に係るレーザー加工装置について説明する。図2は、本実施形態に係るレーザー加工装置2を模式的に示す斜視図である。
レーザー加工装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の上面には、被加工物1を保持するチャックテーブル28が設けられている。チャックテーブル28の上方には、チャックテーブル28に保持された被加工物1にレーザービームを照射するレーザービーム照射ユニット32が設けられている。
また、基台4の上面には、チャックテーブル28と、レーザービーム照射ユニット32と、を相対的にX軸方向に移動させるX軸送りユニット6と、該X軸方向に直交するY軸方向に移動させるY軸送りユニット16と、が設けられている。
X軸送りユニット6は、X軸方向に沿った一対のX軸ガイドレール8を基台4の上面に備える。一対のX軸ガイドレール8には、X軸移動テーブル10がスライド可能に取り付けられる。X軸移動テーブル10の裏面側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはX軸ガイドレール8に対して概ね平行なX軸ボールネジ12が螺合されている。
X軸ボールネジ12の一端部には、X軸パルスモータ14が連結されている。X軸パルスモータ14によってX軸ボールネジ12を回転させることにより、X軸移動テーブル10がX軸ガイドレール8に沿ってX軸方向に移動する。
Y軸送りユニット16は、Y軸方向に沿った一対のY軸ガイドレール18をX軸移動テーブル10の上面に備える。一対のY軸ガイドレール18には、Y軸移動テーブル20がスライド可能に取り付けられる。Y軸移動テーブル20の裏面側にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはY軸ガイドレール18に対して概ね平行なY軸ボールネジ22が螺合されている。
Y軸ボールネジ22の一端部には、Y軸パルスモータ24が連結されている。Y軸パルスモータ24によってY軸ボールネジ22を回転させることにより、Y軸移動テーブル20がY軸ガイドレール18に沿ってY軸方向に移動する。Y軸移動テーブル20の上面には、X軸送りユニット6及びY軸送りユニット16を覆うカバー26と、被加工物1を保持するチャックテーブル28と、が設けられている。
チャックテーブル28は、上面に露出する多孔質部材と、該多孔質部材に一端が接続された吸引路と、該吸引路の他端に接続された吸引源と、を備える。該吸引源を作動させると、チャックテーブル28に載せられた被加工物1が吸引保持される。すなわち、チャックテーブル28の該上面が保持面28aとなる。また、チャックテーブル28の周囲には、被加工物1を含むフレームユニット11のフレーム7を把持する複数のクランプ28bが設けられる。
チャックテーブル28の上方には、チャックテーブル28で吸引保持された被加工物1をレーザー加工するレーザービーム照射ユニット32が設けられる。レーザービーム照射ユニット32は、被加工物1に対して透過性を有する波長のレーザービーム(被加工物1を透過する波長のレーザービーム)をチャックテーブル28で保持された被加工物1の内部に集光して被加工物1をレーザー加工する。
分割予定ライン3と重なる位置で被加工物1の内部の所定の深さ位置に集光点を位置づけて、レーザービームを集光点に集光させつつチャックテーブル28と、レーザービーム照射ユニット32と、を保持面28aに平行な方向に相対的に移動させる。すると、レーザービームが分割予定ライン3に沿って被加工物1に照射され、分割予定ライン3に沿った改質層が被加工物1の内部に形成される。
さらに、改質層が形成される際に、該改質層から被加工物1の表面1a及び裏面1bに向かって伸張するクラックが形成されてもよい。また、改質層が内部に形成された被加工物1に外力を付与することでクラックを改質層から伸張させてもよい。被加工物1に改質層と、該改質層から伸張したクラックと、が形成されると、被加工物1が分割予定ライン3に沿って分割される。
レーザービーム照射ユニット32は、基台4の後方上面から上方に伸張した柱部と、該柱部の上端からチャックテーブル28の上方に伸びた腕部と、を備える支持部30により支持される。そして、支持部30の該腕部の先端のレーザービーム照射ユニット32に隣接する位置には、チャックテーブル28に保持された被加工物1の上面(表面1a)を撮像する撮像ユニット34が設けられる。
撮像ユニット34は、CCDセンサまたはCMOSセンサ等のイメージセンサを備え、撮像ユニット34に到達した光を撮像して撮像画像を形成できる。撮像ユニット34は、例えば、分割予定ライン3の位置を特定する際に使用される。すなわち、撮像ユニット34で被加工物1の上面を撮像して得られた撮像画像に基づいて被加工物1の分割予定ライン3の位置が特定される。また、撮像ユニット34は、レーザービーム照射ユニット32による加工の結果を確認する際にも使用できる。
さらに、レーザー加工装置2は、該レーザー加工装置2の各構成要素を制御する制御ユニット36を備える。制御ユニット36は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の主記憶装置と、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、を含むコンピュータによって構成される。補助記憶装置に記憶されるソフトウェアに従い処理装置等を動作させることによって、制御ユニット36は、ソフトウェアと処理装置(ハードウェア資源)とが協働した具体的手段として機能する。
制御ユニット36は、被加工物1を分割予定ライン3に沿って加工する際にX軸送りユニット6及びY軸送りユニット16を制御して、レーザービーム照射ユニット32に対してチャックテーブル28を保持面28aに平行な方向に移動させる。そして、制御ユニット36は、レーザービームの集光点を移動させるとともにレーザービームを被加工物1に照射させ、分割予定ライン3に沿って被加工物1をレーザー加工する。
なお、レーザー加工装置2では、X軸送りユニット6及びY軸送りユニット16の一方又は両方は、チャックテーブル28に代えてレーザービーム照射ユニット32及び撮像ユニット34を移動させてもよい。
ところで、半導体等で形成されたウエーハ等の被加工物1の厚さは全体で完全に一様とはいえず、局所的にばらつきがある。すなわち、被加工物1の上面は完全な平坦面ではなく、該上面の高さ位置は一様とはならない。そのため、レーザービーム照射ユニット32が発するレーザービームの集光点の高さ位置を固定してレーザービームを被加工物1に照射する場合、該集光点の被加工物1の上面からの深さは一定とはならない。
集光点の被加工物1の上面からの深さが予定と異なる場合、レーザービームが予定された条件で該集光点に集光されない。このままでは、被加工物1の厚さのばらつきのために一様なレーザー加工を実施できない。そこで、各被加工箇所において被加工物1の上面(表面1a)の高さを高さ測定器で測定し、高さの測定結果を利用してレーザービームの集光高さを調整することが考えられる。
ここで、被加工物1の被加工箇所の高さに応じてレーザービームの集光点の高さ位置を調整する場合、例えば、レーザービーム照射ユニット32が備える集光器を構成する対物レンズをZ軸方向(高さ方向)に沿って移動させることになる。そして、被加工箇所を移動させながら繰り返してレーザービームを被加工物1に照射する場合、各被加工箇所における被加工物1の表面1aの高さ位置に対応するように対物レンズを微小に繰り返し移動させることとなる。
従来、対物レンズを移動させるにあたって該集光器や移動機構等で摩擦が生じたため、該対物レンズをZ軸方向に沿って円滑に移動できず、消耗の問題が生じる場合もあった。そこで、本実施形態に係るレーザー加工装置2では、摩擦の影響を受けない態様にて被加工物1の厚みのばらつきに対応するように対物レンズを移動可能とした。以下、摩擦の影響を受けない態様で対物レンズがZ軸方向に沿って移動可能なレーザービーム照射ユニット32の構成について詳述する。
図3は、レーザービーム照射ユニット32の光学系を模式的に示す側面図である。ただし、レーザービーム照射ユニット32の光学系はこれに限定されない。該レーザー加工装置2のレーザービーム照射ユニット32は、レーザーを発振するレーザー発振器38を備える。レーザー発振器38は、例えば、Nd:YAGやNd:YVO等の媒質を備え、被加工物1に対して透過性を有する(被加工物1を透過する)波長のレーザービーム38aを出射できる。
レーザービーム照射ユニット32は、レーザー発振器38から出射したレーザービーム38aの光量を調整するアッテネータ40と、アッテネータ40で光量が調整されたレーザービーム38aを平行光に変換するコリメーションレンズ42と、を備える。さらに、レーザービーム照射ユニット32は、平行光に変換されたレーザービーム38aを集光器46に向けて反射するミラー44を備える。
集光器46は、レーザー発振器38から出射したレーザービーム38aをチャックテーブル28に保持された被加工物1にZ軸方向から照射して集光する対物レンズを備える。集光器46は、ミラー44で反射されたレーザービーム38aを集光点48に集光できる。集光点48は、後述の通りZ軸方向に沿って移動可能である。次に、集光器46の構成について説明する。
図4は、一例に係る集光器46aを模式的に示す断面図である。集光器46aは、対物レンズ62を支持しレーザー発振器38から出射したレーザービーム38aが通り抜けるZ軸方向に沿った内筒体50と、隙間90を介して内筒体50を囲繞する外筒体70と、を含む。集光器46aの外筒体70は、例えば、レーザー加工装置2の支持部30(図1参照)に固定されており、内筒体50は、外筒体70に対して昇降する。
内筒体50について説明する。内筒体50は、外筒体70の外径に対応する外径であり該外筒体70を上方から覆う円環状の蓋部52と、蓋部52の下面中央から下方に伸びた筒部54と、から構成される。筒部54は、蓋部52の中央の上部開口58と連通しZ軸に沿った貫通孔56を備える。集光器46aに到達したレーザービーム38aは、貫通孔56を通過してZ軸方向に沿って下方に進む。
蓋部52の上部開口58には、粉塵等の光路への進入を防止するカバーガラス60が固定される。図4に示す通り、上部開口58には、カバーガラス60を支持できる支持面58aが形成されているとよい。そして、カバーガラス60は、筒部54の貫通孔56の径以上の径の円板状に形成されるとよく、上部開口58を塞ぐ形状とされるとよい。
内筒体50の下端には、対物レンズ62が固定されている。内筒体50の筒部54の下端には貫通孔56に連通する収容凹部64が形成されており、対物レンズ62は収容凹部64に収容される。収容凹部64の径は、対物レンズ62の径よりも大きい。そして、収容凹部64に下方から対物レンズ62を挿し入れ、収容凹部64と対物レンズ62の間の隙間にアライメントリング66を挿入し、アライメントリング66を下方からリテーナ68で支持すると、対物レンズ62を内筒体50に固定できる。
次に、外筒体70について説明する。外筒体70の内周壁72は、Z軸方向に沿った貫通孔を形成する。外筒体70は、この貫通孔に収容され固定された円筒状のオリフィス体76を含む。オリフィス体76は、例えば、外筒体70の外側から内側に向けて貫通する貫通孔(不図示)に挿し通された固定ネジ(不図示)により外筒体70に固定される。
オリフィス体76は、外筒体70の内周壁72との間に円筒空間80が形成されるように、外径が内周壁72の径よりも小さくなるように形成される。そして、この円筒空間80の上端及び下端にはそれぞれOリング82が配され、円筒空間80の上下がOリング82で密閉される。
また、オリフィス体76の内径は、内筒体50の筒部54を収容できるように、筒部54の外径よりも大きくなるように形成される。内筒体50の筒部54は、外筒体70に固定された筒状のオリフィス体76に収容される。このとき、外筒体70のオリフィス体76と、内筒体50の筒部54と、の間には隙間90が形成される。
外筒体70は、オリフィス体76に形成された複数のオリフィス78を含む。オリフィス78は、円筒空間80と、隙間90と、を接続する細孔であり、後述するとおり高圧エアーの供給路となる。また、オリフィス78の隙間90側の端部は、高圧エアーの噴出口となる。そして、内筒体50の筒部54に外周方向から一様に高圧エアーが噴射されるように、オリフィス体76には複数のオリフィス78が均等に配置されるとよい。
外筒体70には、一端が円筒空間80に達し、他端が外部に達したエアー供給路84が形成される。エアー供給路84の該他端には外部から高圧エアーの供給を受けるポート86が設けられる。ポート86には、エアー供給管88を介して高圧エアー供給源(不図示)が接続される。該高圧エアー供給源は、エアー供給管88を介してポート86に乾燥空気や窒素ガス等の高圧エアーを供給する。
すなわち、ポート86は、エアー供給路84と、円筒空間80と、を介してオリフィス体76のオリフィス78に連通しており、高圧エアー供給源から供給された高圧エアーは、噴出口から内筒体50の筒部54に噴射される。オリフィス体76に均等に配置されたオリフィス78から高圧エアーが一様に筒部54に噴射されると、筒部54が外周部から非接触で外筒体70に支持され、X軸方向及びY軸方向における筒部54の位置が固定される。
このように、集光器46aは、ポート86から供給された高圧エアーがオリフィス78から噴出して隙間90に供給されることで内筒体50を高圧エアーで支持するエアー支持機構74を備える。エアー支持機構74で内筒体50が支持される際、内筒体50に当てられた高圧エアーは、隙間90の上下に抜ける。内筒体50の蓋部52には、高圧エアーの排気経路となる通気孔(不図示)が形成されてもよい。
エアー支持機構74で内筒体50が支持されると、内筒体50と外筒体70とは互いに離間し、物理的に接触しない。そのため、本実施形態に係るレーザー加工装置2では、対物レンズ62を昇降させるために内筒体50をZ軸方向に沿って昇降させる際、内筒体50と外筒体70との間で摩擦が生じない。
次に、内筒体50を昇降させることで対物レンズ62を昇降させ、レーザービーム38aの集光点48の高さ位置を変更させる昇降機構について説明する。本実施形態に係るレーザー加工装置2では、物理的に外筒体70から離間した内筒体50の昇降を実現できる昇降機構として、ボイスコイルモータが集光器46aに組み込まれる。
該ボイスコイルモータは、内筒体50と外筒体70の一方に配設された永久磁石と、内筒体50と外筒体70の他方に配設されたコイルと、を含む。図4に示す一例では、集光器46aは、外筒体70の下部に配置された第1のボイスコイルモータ92と、外筒体70の上部に配置された第2のボイスコイルモータ102と、を備える。
そして、図4に示す一例に係る集光器46aでは、2つのボイスコイルモータ92,102において、それぞれ、内筒体50の筒部54に永久磁石96,106が配設され、外筒体70にコイル94,104が配設されている。ただし。ボイスコイルモータの数、配置、及び構成は、これに限定されない。
図4に示された集光器46aでは、内筒体50の筒部54の外周面55の下端付近に第1のボイスコイルモータ92を構成する単数または複数の永久磁石96が埋め込まれている。それぞれの永久磁石96は、Z軸方向からみたときに回転対称形に均等に配置されている。すべての永久磁石96は、S極とN極の一方が筒部54の径方向外向きに向けられており、S極とN極の他方が筒部54の径方向内向き向けられている。
また、外筒体70の下部の該永久磁石96に対面する位置には、第1のボイスコイルモータ92を構成するコイル94が設けられている。コイル94は、各永久磁石96の外側で内筒体50の筒部54を囲むように複数回巻かれた導電線からなる。
該導電線の一端には、直流電源(不図示)の一方の電極が配線を介して接続され、該導電線の他端には、該直流電源の他方の電極が他の配線を介して接続される。コイル94と、該直流電源と、で形成される回路には、レーザー加工装置2の制御ユニットで制御されるスイッチ(不図示)が設けられる。
コイル94の外側には、形成される磁界を導くヨーク98が設けられ、ヨーク98の外側には、磁界の外部への漏出を抑制する非磁性体100が設けられる。制御ユニット36は、スイッチを制御してコイル94に任意の電流値の電流を流す。すると、コイル94によりこの電流値に対応した特定の強さの磁界が生じる。そして、コイル94と、永久磁石96と、の間の磁気的な相互作用により内筒体50にはZ軸方向に沿った力が働き、該内筒体50が上昇または下降する。
図4に示された集光器46aでは、内筒体50の筒部54の外周面55の上端付近に第2のボイスコイルモータ102を構成する単数または複数の永久磁石106が埋め込まれている。それぞれの永久磁石106は、Z軸方向からみたときに回転対称形に均等に配置されている。すべての永久磁石106は、S極とN極の一方が筒部54の径方向外向きに向けられており、S極とN極の他方が筒部54の径方向内向き向けられている。
また、外筒体70の上部の該永久磁石106に対面する位置には、第2のボイスコイルモータ102を構成するコイル104が設けられている。コイル104は、各永久磁石106の外側で内筒体50の筒部54を囲むように複数回巻かれた導電線からなる。第1のボイスコイルモータ92のコイル94と同様に、コイル104には直流電源が接続されている。また、コイル104の外側には、形成される磁界を導くヨーク108が設けられ、ヨーク108の外側には、磁界の外部への漏出を抑制する非磁性体110が設けられる。
制御ユニット36は、コイル104に任意の電流値の電流を流す。すると、コイル104によりこの電流値に対応した特定の強さの磁界が生じる。そして、コイル104と、永久磁石106と、の間の磁気的な相互作用により内筒体50にはZ軸方向に沿った力が働き、該内筒体50が上昇または下降する。
ここで、各ボイスコイルモータ92,102では、永久磁石96,106の向きやコイル94,104の巻回方向、コイル94,104の両端に接続する直流電源の電極の種別により、電流をコイル94,104に流した際の内筒体50に働く力の向きが変わる。
例えば、2つのボイスコイルモータ92,102の両方において、コイル94,104に直流電源を接続した際に内筒体50が上昇するように力が働くように構成されてもよい。この場合、2つのボイスコイルモータ92,102を連動させて作動させることにより、内筒体50を所定の高さ位置に安定的に上昇できる。そして、この場合、コイル94,104に流れる電流の電流値を低下させると、内筒体50に働く力が弱まり重力に従って内筒体50が下降する。
または、例えば、2つのボイスコイルモータ92,102の一方は、内筒体50が上昇するような力を内筒体50に印加できるように構成するとともに、他方は、内筒体50が下降するような力が働くように構成されてもよい。この場合、内筒体50を上昇させる際には、該一方のボイスコイルモータ92,102を作動させて内筒体50に上向きの力を印加する。また、内筒体50を下降させる際には、該他方のボイスコイルモータ92,102を作動させて内筒体50に下向きの力を印加する。
この場合、該他方のボイスコイルモータ92,102により、重力の作用による内筒体50の下降よりも速く内筒体50を下降できる。また、該他方のボイスコイルモータ92,102により、初期高さよりも内筒体50を下降できる。
このように、ボイスコイルモータ92,102を利用すると、内筒体50を外筒体70等に接触させることなく該内筒体50を昇降できる。そのため、対物レンズ62を昇降させて集光点48の高さ位置を調整する際に、摩擦による問題が生じない。
次に、各ボイスコイルモータ92,102を作動させていないときに内筒体50を特定の初期高さに浮上させ、内筒体50及び外筒体70の衝突を防止する浮上機構138について説明する。浮上機構138は、内筒体50の蓋部52の下面に設けられた複数の上部磁石140と、外筒体70の上面の該上部磁石140に対面する位置に設けられた複数の下部磁石142と、を有する。
上部磁石140と、下部磁石142と、は互いにN極同士またはS極同士を向けている。または、ともにN極とS極の一方を筒部54の径方向内向きに向けており、N極とS極の他方を筒部54の径方向外向きに向けている。そのため、上部磁石140と、下部磁石142と、の間には反発力が生じる。
この反発力は、上部磁石140及び下部磁石142の距離が近づくほど大きくなる。そして、各ボイスコイルモータ92,102を作動させていないとき、この反発力と、内筒体50に働く重力と、が釣り合う位置で内筒体50が停止する。
したがって、上部磁石140及び下部磁石142の種別や大きさ、形成する磁界の強さは、内筒体50の重さや内筒体50の基準となる高さに応じて選択するとよい。そして、内筒体50のこの停止位置は内筒体50の初期高さとなり、このときの対物レンズ62及び集光点48の高さ位置が基準とされる。
次に、内筒体50、対物レンズ62及び集光点48の高さを検出する高さ測定ユニット126について説明する。高さ測定ユニット126は、内筒体50と外筒体70の一方に設けられるスケール132と、内筒体50と外筒体70の他方に設けられこのスケール132を読む光学センサ134と、を備える。図4に示す集光器46aでは、スケール132が内筒体50に固定されており、光学センサ134が外筒体70に固定される。ただし、高さ測定ユニット126は、これに限定されない。
図4に示す例では、内筒体50の蓋部52の外周部下面には、固定ネジ130で固定された支持体128が配される。すなわち、蓋部52の外周部には固定ネジ130が挿し入れられる貫通孔が形成されており、支持体128の上部には固定ネジ130が螺合されるネジ穴が形成されている。
支持体128は、スケール132を支持する。例えば、スケール132は棒状のガラス体で構成されており、該ガラス体の一面にはCrの蒸着膜等で形成されたZ軸方向に沿って等間隔に並ぶ複数の目盛り線が設けられる。また、外筒体70の上面の外周部の支持体128に対面する位置には、棒状の支持部136に支持された光学センサ134が設けられている。
支持部136は、スケール132に隣接した位置で立設している。光学センサ134は、スケール132を構成する該ガラス体の該目盛り線が形成された面に向けられている。そして、ボイスコイルモータ92,102で内筒体50が昇降すると、スケール132が光学センサ134に対して昇降する。このときのスケール132の昇降量は、対物レンズ62の昇降量と一致する。
高さ測定ユニット126が内筒体50、対物レンズ62及び集光点48の高さを測定する手法について説明する。光学センサ134は、スケール132に向けてプローブ光を発する機能と、該プローブ光がスケール132の目盛り線で反射された反射光を検出する機能と、を備える。
そして、内筒体50を昇降させてスケール132を昇降させる際、光学センサ134からスケール132に向けて繰り返しプローブ光を照射していると、プローブ光といずれかの目盛り線の高さが一致するときに目盛り線で該プローブ光が反射される。この反射光は、光学センサ134で検出できる。これに対して、プローブ光の高さがいずれの目盛り線の高さとも一致しないとき、プローブ光はガラス体を透過して進行する。このとき、光学センサ134は、反射光を検出しない。
そこで、高さ測定ユニット126は、光学センサ134による反射光の検出状態と非検出状態との切り替わりによりスケール132の昇降を検出する。そして、切り替わりの回数がスケール132の昇降量に比例するため、特定の時間において、それまでに検出された切り替わりの回数から内筒体50等の高さを算出できる。
光学センサ134はレーザー加工装置2の制御ユニット36に接続されており、制御ユニットは光学センサ134を利用して集光点48の高さ位置を検出できる。そして、検出された集光点48の高さ位置を参照しながら各ボイスコイルモータ92,102を制御し、集光点48を特定の高さ位置に位置付ける。
次に、外筒体70に非接触で浮上している内筒体50のZ軸方向に沿った軸の周りへの回転を規制する回転規制ユニット112について説明する。内筒体50が回転すると、高さ測定ユニット126を利用した集光点48の高さ位置の測定が適切に実施されない場合や、光学系に僅かな変化が生じてレーザービーム38aを被加工物1に適切に集光できない場合がある。そこで、回転規制ユニット112により内筒体50の回転が規制される。回転規制ユニット112は、内筒体50と外筒体70との間に配設される。
内筒体50の蓋部52の外周部の下面には、固定ネジ116で固定された支持体114が配される。すなわち、蓋部52の外周部には固定ネジ116が挿し入れられる貫通孔が形成されており、支持体114の上部には固定ネジ116が螺合されるネジ穴が形成されている。そして、Z軸方向に沿った支持体114の下端には、第1規制用永久磁石118が固定ネジ120で固定されている。
また、外筒体70の上面の支持体114に対応する位置には、該支持体114が進入する進入空間124が形成されている。そして、この進入空間124に面した外筒体70の内壁には、規制が企図される内筒体50の回転方向の前後から第1規制用永久磁石118を挟む一対の第2規制用永久磁石122が固定される。図4では、第1規制用永久磁石118の奥側に位置する一方の第2規制用永久磁石122が見えている。
第1規制用永久磁石118及び第2規制用永久磁石122は、ともに、N極とS極の一方が集光器46aの径方向外向きに向き、N極とS極の他方が集光器46aの径方向内向きに向く。そのため、一対の第2規制用永久磁石122で挟まれた第1規制用永久磁石118は、それぞれの第2規制用永久磁石122から反発力を受ける。
そして、内筒体50が僅かに回転して第1規制用永久磁石118が一方の第2規制用永久磁石122に近づくとき、該一方の第2規制用永久磁石122から第1規制用永久磁石118が受ける反発力が強まる。これに対して、他方の第2規制用永久磁石122から第1規制用永久磁石118が受ける反発力は弱まる。
そのため、第1規制用永久磁石118が固定された内筒体50には回転移動を戻すように力がかかり、最終的に2つの第2規制用永久磁石122から第1規制用永久磁石118が受ける反発力が一致する位置で第1規制用永久磁石118が止まる。このように、回転規制ユニット112は、第1規制用永久磁石118と、第2規制用永久磁石122と、の間に働く磁力により非接触で内筒体50の回転を規制する。
ところで、レーザービーム照射ユニット32は、被加工物1をレーザー加工するレーザービーム38aに加え、被加工物1の上面の各所の高さ位置を測定する際に用いられるプローブ光144を被加工物1に照射できてもよい。そして、レーザービーム照射ユニット32は、図4に示す通り、ミラー44に代えてビームスプリッター44aを備えてもよく、レーザービーム38aは、ビームスプリッター44aにより反射されて集光器46aに進行してもよい。
この場合、被加工物1の上面の高さ位置を測定するためのプローブ光144は、ビームスプリッター44aを透過して集光器46aに進行する。そして、レーザー加工装置2が備える高さ測定ユニットは、集光器46aを利用してプローブ光144を被加工物1に集光させる。
ここで、集光器46aが高さ測定ユニットに利用される場合、例えば、対物レンズ62は、集光点48の位置(集光距離)が光の波長により異なる色収差レンズを含むとよい。そして、高さ測定ユニットは、白色光のように複数の波長に強度を有する光をプローブ光144として集光器46aに進行させる。
このとき、被加工物1の上面ではプローブ光144が反射され、反射光が再び該色収差レンズを透過する。そして、プローブ光144に含まれる光のうち、該色収差レンズの集光点48が被加工物1の上面と一致する波長の光の反射光のみが光学系を逆行する。そこで、プローブ光144の反射光の波長を特定し、該波長における該色収差レンズの集光点48の高さ位置を被加工物1の上面の高さ位置として検出できる。
なお、ビームスプリッター44aにおいて、加工用のレーザービーム38aが反射されて集光器46aに進行し、プローブ光144が透過して集光器46aに進行する場合について説明したが、両者は入れ替えられてもよい。すなわち、プローブ光144がビームスプリッター44aで反射されて集光器46aに進行し、レーザービーム38aがビームスプリッター44aを透過して集光器46aに進行してもよい。
図2に示す通り、制御ユニット36は、レーザービーム照射ユニット32を制御して被加工物1にプローブ光144を照射し、その反射光を検出して被加工物1の上面の高さ位置を特定する高さ測定部36aを備えてもよい。さらに、制御ユニット36は、レーザービーム照射ユニット32を制御して被加工物1に加工用のレーザービーム38aを集光させ、被加工物1をレーザー加工させるレーザービーム照射ユニット制御部36bを備えてもよい。
レーザービーム照射ユニット制御部36bは、高さ測定部36aにより特定された被加工物1の上面の高さ位置を参照してレーザービーム照射ユニット32を制御し、集光器46aの対物レンズ62の高さ位置を調整する。そして、集光点48を被加工物1の所定の深さ位置に位置づけて被加工物1を所定の条件でレーザー加工する。
すなわち、レーザー加工装置2は、プローブ光144を被加工物1に集光して被加工物1の上面の高さ位置を検出して対物レンズ62の集光点48の高さを継続的に調整しながら、加工用のレーザービーム38aを被加工物1に集光する。そのため、被加工物1の上面の凹凸形状に対応して分割予定ライン3に沿って一様に所定の条件で被加工物1をレーザー加工できる。
図6は、レーザー加工された被加工物1を模式的に示す断面図である。図6においては、説明の便宜のため、被加工物1の表面1aの凹凸形状が裏面1bよりも大きく強調して描かれている。そして、図6に示す通り、本実施形態に係るレーザー加工装置2によると、被加工物1の厚みの局所的なばらつき(被加工物1の凹凸形状)に対応して被加工物1の表面1aから所定の深さ位置にレーザービーム38aが集光できる。そのため、一様な条件で改質層1cが形成される。
なお、図4に示す一例に係る集光器46aでは、ボイスコイルモータ92,102の永久磁石96,106が内筒体50に配設され、コイル94,104が外筒体70に配設されるが、本実施形態に係るレーザー加工装置2はこれに限定されない。すなわち、内筒体50にコイルが配され、外筒体70に永久磁石が配されてもよい。次に、図5を用いて他の一例に係る集光器46bについて説明する。
図5に示す集光器46bは、2つのボイスコイルモータ92a,102a及び浮上機構138以外の構成は図4に示す集光器46aと同様であるため、説明を省略する。図5に示す該他の一例では、集光器46bは、外筒体70の下部に配置された第1のボイスコイルモータ92aと、外筒体70の上部に配置された第2のボイスコイルモータ102aと、を備える。
図5に示された集光器46bでは、内筒体50の筒部54の外周面55の下端付近に第1のボイスコイルモータ92aを構成するコイル94aが埋め込まれている。また、内筒体50の筒部54の外周面55の上端付近に第2のボイスコイルモータ102aを構成するコイル104aが埋め込まれている。コイル94a,104aは、内筒体50の筒部54に複数回巻かれた導電線からなる。コイル94a,104aには、制御ユニット36で制御される直流電源が接続されている。
外筒体70の下部のコイル94aに対面する位置には、第1のボイスコイルモータ92aを構成する単数または複数の永久磁石96aが設けられている。また、外筒体70の上部のコイル104aに対面する位置には、第2のボイスコイルモータ102aを構成する単数または複数の永久磁石106aが配されている。
それぞれの永久磁石96a,106aは、Z軸方向からみたときに回転対称形に均等に配置されている。すべての永久磁石96a,106aは、S極とN極の一方が筒部54の径方向外向きに向けられており、S極とN極の他方が筒部54の径方向内向き向けられている。
図4で説明した集光器46aと同様に、図5に示す集光器46bにおいても、2つのボイスコイルモータ92a,102aにより対物レンズ62を支持する内筒体50が非接触で昇降される。これにより、摩擦の影響を受けることなく集光点48を昇降できる。
なお、図5に示す集光器46bでは、浮上機構138を構成する下部磁石142(図4参照)を省略でき、第2のボイスコイルモータ102aを構成する永久磁石106aが該浮上機構138の下部磁石の機能を兼ねることが可能である。この場合、上部磁石140の向きは、永久磁石106aの向きにより決定される。
例えば、永久磁石106aのN極が筒部54の径方向内向きに向けられており、S極が筒部54の径方向外向きに向けられている場合、上部磁石140もN極が筒部54の径方向内向きに向けられ、S極が筒部54の径方向外向きに向けられる。または、永久磁石106aのS極が筒部54の径方向内向きに向けられており、N極が筒部54の径方向外向きに向けられている場合、上部磁石140もS極が筒部54の径方向内向きに向けられ、N極が筒部54の径方向外向きに向けられる。
この場合、浮上機構138の下部磁石として機能する永久磁石106aと、上部磁石140と、の間に反発力が生じ、この反発力により内筒体50が外筒体70に対して浮上する。このように、図5に示す集光器46bにおいても、内筒体50は浮上機構138により外筒体70に対して浮き上がり、オリフィス78を通じて外筒体70から高圧エアーが噴射される。そのため、内筒体50は、外筒体70に接触することはない。
以上に説明する通り、本実施形態に係るレーザー加工装置2では、対物レンズ62を支持する内筒体50が外筒体70に接触することなく昇降可能である。そのため、該レーザー加工装置2では、被加工物1の厚みのばらつきに対応するように対物レンズをZ軸方向に沿って移動させる際に、摩擦の影響を受けない。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、レーザー加工装置2は、被加工物1に対して透過性を有する波長(被加工物1を透過する波長)のレーザービーム38aを被加工物1に集光して改質層1c(図6参照)を形成する場合について説明した。しかしながら、本発明の一態様はこれに限定されない。
レーザー加工装置2は、被加工物1に対して吸収性を有する波長(被加工物1が吸収できる波長)のレーザービームを被加工物1の表面1aに集光し、被加工物1をアブレーション加工してもよい。この場合においても、被加工物1を分割予定ライン3に沿って一様に加工するために、被加工物1の表面1aの凹凸形状に対応して集光点48の高さ位置を調整する必要がある。
本発明の一態様に係るレーザー加工装置2では、被加工物1の表面1aの高さ位置を検出しながら、被加工物1の表面1aに集光点48が合うように対物レンズ62を支持する内筒体50を昇降できる。そのため、分割予定ライン3に沿って被加工物1を一様に加工できる。このとき、摩擦の影響を受けることなく対物レンズ62を昇降できる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 被加工物
1a 表面
1b 裏面
1c 改質層
3 分割予定ライン
5 デバイス
7 フレーム
7a 開口
9 ダイシングテープ
11 フレームユニット
2 レーザー加工装置
4 基台
6 X軸送りユニット
8,18 ガイドレール
10,20 移動テーブル
12,22 ボールネジ
14,24 パルスモータ
16 Y軸送りユニット
26 カバー
28 チャックテーブル
28a 保持面
28b クランプ
30 支持部
32 レーザービーム照射ユニット
34 撮像ユニット
36 制御ユニット
36a 高さ測定部
36b レーザービーム照射ユニット制御部
38 レーザー発振器
38a レーザービーム
40 アッテネータ
42 コリメーションレンズ
44 ミラー
44a ビームスプリッター
46,46a,46b 集光器
48 集光点
50 内筒体
52 蓋部
54 筒部
55 外周面
56 貫通孔
58 上部開口
58a 支持面
60 カバーガラス
62 対物レンズ
64 収容凹部
66 アライメントリング
68 リテーナ
70 外筒体
72 内周壁
74 エアー支持機構
76 オリフィス体
78 オリフィス
80 円筒空間
82 Oリング
84 エアー供給路
86 ポート
88 エアー供給管
90 隙間
92,92a,102,102a ボイスコイルモータ
94,94a,104,104a コイル
96,96a,106,106a 永久磁石
98,108 ヨーク
100,110 非磁性体
112 回転規制ユニット
114 支持体
116 固定ネジ
118,122 規制用永久磁石
120 固定ネジ
124 進入空間
126 高さ測定ユニット
128 支持体
130 固定ネジ
132 スケール
134 光学センサ
136 支持部
138 浮上機構
140 上部磁石
142 下部磁石
144 プローブ光

Claims (6)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、
    該チャックテーブルに保持された被加工物にレーザービームを照射するレーザービーム照射ユニットと、
    該チャックテーブルと、該レーザービーム照射ユニットと、を相対的にX軸方向に移動させるX軸送りユニットと、
    該チャックテーブルと、該レーザービーム照射ユニットと、を相対的に該X軸方向に直交するY軸方向に移動させるY軸送りユニットと、
    を備えるレーザー加工装置であって、
    該レーザービーム照射ユニットは、
    レーザーを発振するレーザー発振器と、
    該レーザー発振器から出射したレーザービームを該チャックテーブルに保持された被加工物に該X軸方向および該Y軸方向と直交するZ軸方向から照射して集光する対物レンズを備える集光器と、を含み、
    該集光器は、
    該対物レンズを支持し該レーザー発振器から出射したレーザービームが通り抜ける該Z軸方向に沿った内筒体と、
    隙間を介して該内筒体を囲繞する外筒体と、
    該外筒体に形成された複数のオリフィスと、
    該オリフィスに連通し高圧エアーの供給を受けるポートと、
    該ポートから供給された高圧エアーが該オリフィスから噴出して該隙間に供給されることで該内筒体を該高圧エアーで支持するエアー支持機構と、
    該内筒体と該外筒体の一方に配設された永久磁石と、該内筒体と該外筒体の他方に配設されコイルと、を含むボイスコイルモータと、を含むことを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 該内筒体の上部開口には、粉塵の進入を防止するカバーガラスが配設されることを特徴とする請求項1記載のレーザー加工装置。
  3. 該内筒体と、該外筒体と、の間には、該Z軸方向に沿った軸の周りへの該内筒体の回転を規制する回転規制ユニットが配設されることを特徴とする請求項1記載のレーザー加工装置。
  4. 該回転規制ユニットは、
    該内筒体に固定された第1規制用永久磁石と、該外筒体に固定された第2規制用永久磁石と、を含み、
    該第1規制用永久磁石と、該第2規制用永久磁石と、の間に働く磁力により非接触で該内筒体の回転を規制することを特徴とする請求項3記載のレーザー加工装置。
  5. 該内筒体と該外筒体との一方には、該外筒体に対する該内筒体の該Z軸方向の位置の計測に使用できるスケールが配設されることを特徴とする請求項1記載のレーザー加工装置。
  6. 該レーザー発振器は、被加工物に対して透過性を有する波長の該レーザービームを発振することを特徴とする請求項1記載のレーザー加工装置。
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