JP2022082170A - プローバの消費電力低減方法及びプローバ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェーハに構成された電子デバイス(半導体チップ)の電気的特性を検査するプローバにおいて、消費電力の低減を図ると共に、耐荷重を増加可能とする。【解決手段】半導体チップの電極パッドが構成されたウェーハWをウェーハチャック20上に保持し、サーボモータで所定位置まで上昇させて電極パッドにプローブ針35を接触させて電気的特性を検査するプローバの消費電力低減方法であって、ウェーハチャック20をサーボモータで上昇して停止させた後、所定量だけ下降させて所定位置で保持し、半導体チップの電気的特性検査を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、ウェーハに構成された電子デバイス(半導体チップ)の電気的特性を検査するプローバに係り、特に、ウェーハをウェーハチャック上に保持した状態で、半導体チップの電極パッドにプローブ針を接触(コンタクト)中において、消費電力を低減したプローバの消費電力低減方法及びプローバに関する。
半導体製造工程では、薄い板状のウェーハに各種の処理を施して、電子デバイスを有する複数のチップを製造する。各チップは、例えば、特許文献1等に開示されたプローバによって電気的特性が検査され、その後、ダイシング装置によってチップ毎に切り離される。
プローバは、ウェーハチャック(テーブル)、プローブ、テスタ等を備えて構成される。プローバによる検査方法は、ウェーハチャックの保持面に、検査前のウェーハを載置して吸着保持する。この後は、各チップの電極パッドにプローブ針を接触(プロービング)させ、チップの電極から出力される信号をテスタによって測定し、正常に動作するか否かを電気的に検査している。
プローブ針と半導体ウェーハとを接触させて電気特性を測定する検査は、その接触(コンタクト)を最適な状態にするために、常に、予め決められた位置まで半導体ウェーハを上昇させて適正なコンタクトが行われるように制御している。そして、最適な上昇量は、ウェーハチャックを駆動するサーボモータのモータ電流やトルクを制御することで行われている。
モータ電流の大きさは、複数のプローブ針が複数の電極パッドに所定範囲の接触圧で接触するだけでなく、接触荷重以外に対象の軸の駆動に影響する力成分(ステージを駆動する際の摩擦力やステージ自身の重量など)も考慮する必要がある。そこで、従来は、ウェーハとプローブ針が接触してから数10~数100μmの範囲でウェーハWをさらに上昇させるオーバードライブを行い、そこで停止している。
特開2018-117095号公報
上記従来技術において、コンタクト(デバイステスト時間)中の高さを保持するサーボモータのトルクは、ウェーハチャックの移動時よりも大きいトルクが必要とされる。そのため、プローバは、保持する時間の消費電力が大きい。また、プローバ性能である耐荷重は、コンタクト中のトルク(サーボモータへの負荷)で決定されるが、近年は、電子デバイスの細密化及び小型化によりウェーハの電極パッド数が増加しており、耐荷重を増加することも要求されている。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、消費電力の低減を図ると共に、耐荷重を増加可能としたプローバの消費電力低減方法及びプローバ提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、半導体チップの電極パッドが構成されたウェーハをウェーハチャック上に保持し、サーボモータで所定位置まで上昇させて前記電極パッドにプローブ針を接触させて電気的特性を検査するプローバの消費電力低減方法であって、前記ウェーハチャックを前記サーボモータで上昇して停止させた後、所定量だけ下降させて前記所定位置で保持し、前記検査を行う。
上記のプローバの消費電力低減方法において、前記所定量は、1μm~最大移動可能量としたことが望ましい。
上記のプローバの消費電力低減方法において、前記所定量は、1μm程度としたことが望ましい。
上記のプローバの消費電力低減方法において、前記所定位置は、前記プローブ針と前記電極パッドの間で確実な電気的接触を実現する接触圧が得られる位置とすることが望ましい。
上記目的を達成するため、本発明は、半導体チップの電極パッドが構成されたウェーハをウェーハチャック上に保持し、サーボモータで所定位置まで上昇させて前記電極パッドにプローブ針を接触させて電気的特性を検査するプローバにおいて、ボールネジとガイドで構成された前記ウェーハチャックの上下機構と、前記上下機構を駆動する前記サーボモータと、前記ウェーハチャックを上昇して停止させた後、所定量だけ下降させて前記所定位置で保持する制御装置と、を備えたものである。
上記のプローバにおいて、前記所定量は、1μm~最大移動可能量としたことが望ましい。
上記のプローバにおいて、前記所定量は、1μm程度としたことが望ましい。
本発明によれば、ウェーハを保持したウェーハチャックをサーボモータで上昇して停止させた後、所定量だけ下降させて所定位置で保持し、ウェーハ上に構成された電極パッドにプローブ針を接触させて電気的特性を検査するので、検査中にウェーハチャックを保持するための消費電力の低減を図ることができる。
本発明の一実施形態によるプローバ10の側面図 本発明の一実施形態によるウェーハチャック20の動作図 ウェーハチャック20の保持トルクを測定する説明図 一実施例による図3の測定結果を示す表 一実施例によるウェーハチャック20を上昇後、下降したときのモータトルク及び速度の時間変化を示すグラフ 従来及び一実施例によるモータ負荷率、瞬時発生トルク、エンコーダ情報、消費電力の測定結果を示す比較表 保持トルクを70%としたときの耐荷重を従来及び一実施例で比較した結果を示す表
図1は、ウェーハWに形成された複数の半導体チップの電気的特性を検査するウェーハテストシステムに用いられるプローバ10の側面図である。プローバ10は、ベース12と、Yステージ13と、Y移動部14と、Xステージ15と、X移動部16と、Zθステージ17と、ウェーハチャック20と、カードホルダ25と、プローブカード26と、ウェーハ位置合わせカメラ(図示せず)と、上下ステージ30と、針位置合わせカメラ31と、温度センサ(図示せず)と、クリーニング板32等を備える。
ウェーハチャック20の上面には、真空吸着等の各種保持方法によりウェーハWが保持される。カードホルダ25にはプローブカード26の外周を保持する保持穴25aが形成され、保持穴25aにプローブカード26が保持される。プローブカード26は、検査する半導体チップの電極パッド(図示せず)の配置等に応じて配置されたプローブ針35を有している。
針位置合わせカメラ31は、プローブカード26のプローブ針35を撮像する。針位置合わせカメラ31にて撮像されたプローブ針35の撮像画像に基づき、プローブ針35の位置を検出することができる。クリーニング板32は、コンタクト時のプローブ針35とウェーハWとの接触抵抗を改善するため、プローブ針35の針先をクリーニング時に研磨する。
プローバ10は、ウェーハWをウェーハチャック20上に保持した状態で、プローブ針35を有するプローブカード26とウェーハチャック20とを相対移動、つまりサーボモータでウェーハチャック20をZ軸方向へ上昇させる。それにより、ウェーハW上の電極パッドは、プローブ針35と電気的に接触(コンタクト)する。
テスタは、プローブ針35に接続された端子を介して、半導体チップに各種の試験信号を供給すると共に、半導体チップから出力される信号を受信及び解析して半導体チップが正常に動作するか否かのデバイステストを実行する。
電極パッドをプローブ針35に接触させる動作は、プローブ針35の位置及びウェーハWの位置を検出した後、半導体チップの電極パッドの配列方向がプローブ針35の配列方向に一致するように、Zθステージ17を回転して行われる。そして、制御装置は、Zθステージ17の検査する電極パッドがプローブ針35の下に位置するように移動した後、サーボモータ(図示せず)でウェーハチャック20を上昇させて、電極パッドをプローブ針35に接触させる。
プローブ針35に電極パッドを接触させるときは、電極パッドの表面がプローブ針35の先端部に接触する高さ位置(接触開始位置)から、さらに高い位置(移動終了位置)まで電極パッドを上昇させる。接触開始位置は針位置合わせカメラ31で検出される。従来は、移動終了位置がプローブ針35と電極パッドの間で確実な電気的接触を実現する接触圧が得られるようなプローブ針35の撓み量が得られる先端部の変位量を、接触開始位置に加えた高さ位置とされる。
実際には、プローブ針35の本数は、例えば数百本であり、すべてのプローブ針35と電極パッドの間で確実な電気的接触が実現されるように移動終了位置が所定の値で設定される。この接触開始位置から移動終了位置までの移動量はオーバードライブ量である。
プローバ10などの半導体製造装置では高スループットが求められており、ウェーハテストシステムではプローブと電極パッドとの1回の接触で複数個のチップを同時に検査することにより検査のスループットを向上することが行われている。
プローブ針35には、各チップの電極パッドに対応してプローブ針35が設けられる。近年、同時に検査されるチップの個数は、増大する傾向にあり、例えば、同時に50以上のチップを検査する場合、各チップが50個の電極パッドを有する場合には、プローブカード26には、50×50=2500本のプローブが設けられることになる。
電極パッドにプローブ針35を接触させるとき、ウェーハチャック20は、電極パッドとプローブ針35との接触開始位置から所定位置までオーバードライブ量だけ上昇して停止している。プローブ針35は、オーバードライブ量分の上昇により撓んで、所定の接触圧で電極パッドに接触する。例えば、1本のプローブ針35の所望の接触圧が5gとすると、プローブが2500本ある場合には、プローブカード26は、全体で12.5kgの上方への圧力を中央の部分に受けることになる。
プローブカード26は、配線パターンを有する多層のエポキシ樹脂などで作られており、中央の部分で大きな圧力を受けると撓んで上方へ変形する。プローブカード26の変形は、オーバードライブ量を実質的に減少させることになり、接触圧を低下させる。そのため、オーバードライブ量は、プローブカード26の変形による接触圧の低下分を見込んで設定しなければならなかった。
図2は、一実施形態によるウェーハチャック20の動作図である。従来、ウェーハチャック20は、所定位置までサーボモータで上昇駆動され、上昇して停止する。従来に対して、本実施形態は、ウェーハチャック20をサーボモータでZ軸方向に上昇して停止した後、所定量だけ下降させて所定位置に移動させ、保持する制御を行う。
ここで、所定量とは、後述する実験結果より最低1μm以上が望ましく、最大でもプローブ針35と電極パッドとの間で確実な電気的接触が実現している範囲であることが必要である。以下、プローブ針35と電極パッドとの間で確実な電気的接触が実現している最大の所定量を最大移動可能量と称する。
最大移動可能量は、プローブカード26ごとに評価を行い、すべてのプローブ針35と電極パッドとの間で確実な電気的接触が保たれる最大の下降量を求めることによって得ることができる。
所定量の例としては、1~数μmとすることができる。
所定位置は、プローブ針35と電極パッドの間で確実な電気的接触を実現する接触圧が得られる位置とする。ウェーハチャック20の上昇下降は、ボールネジとガイド(図示せず)で構成される上下機構をサーボモータで駆動することで次のように行われる。
(1)ウェーハチャック20は、プローブ針35とウェーハWが接触する前の所定のZ軸高さにある。(2)制御装置は、サーボモータを駆動してウェーハチャック20をZ軸方向に上昇させ、プローブ針35とウェーハWとを接触させてウェーハチャック20を所定位置まで上昇する。(3)その後、制御装置は、ウェーハチャック20をZ軸方向に1μm~最大移動可能量、望ましくは1~数μm、より望ましくは1μm程度だけ下降させてその位置を保持するように制御する。
デバイステストは、制御装置がウェーハチャック20の位置を保持している間に実施される。これにより、サーボモータは、デバイステスト時間中の保持トルクを低減することが可能となり、プローバ10としての消費電力低減を図ることができる。また、デバイステスト中のトルクを下げることができることは、サーボモータへの負荷も小さくなる。したがって、本実施形態は、サーボモータの負荷率で制限される耐荷重を上げることが可能となる。
ウェーハチャック20を上昇して停止したままにせず、上昇して停止した後、1μm~最大移動可能量、望ましくは1~数μm、より望ましくは1μm程度の所定量だけ下降することによる効果は、次のように考えられる。ウェーハチャック20の上昇時は、「ボールネジとガイドの摩擦による負荷」+「上下する部材の重力負荷」に対するトルクが必要となる。下降時は、「ボールネジとガイドの摩擦による負荷」-「上下する部材の重力負荷」となる。
そのため、サーボモータに必要なトルクは、上昇よりも下降の方が低くなる。また、サーボモータ(通常、ACサーボモータ)を用いる。そして、ACサーボモータは、位置決め完了後に位置保持制御(サーボロック)を行うため、トルクが低い動作で位置決めを行うと停止時の保持トルクが低くなる。なお、上下機構に限らず、モータの回転方向(CW/CCW)でトルクに差がある場合は、当制御が有効である。
以下、実験した結果による実施例を説明する。図3は、ウェーハチャック20を所定位置まで上昇させたときの保持トルクを測定するときの説明図である。ウェーハチャック20は、その上に荷重変換器であるロードセル41を乗せ、矢印のように上昇させ、固定ガイド40で所定位置に制限する。そして、実験は、従来のようにウェーハチャック20を上昇して停止した場合と、上昇して停止したままにせず、上昇後、下降した場合とで18000μmの位置でロードセル41の出力が520kgfとなるようにした。
図4は、図3の実験結果を表にしたものである。図5は、ウェーハチャック20を上昇後、下降したときのモータトルク及び速度の時間変化を示すグラフである。従来のようにウェーハチャック20を上昇して18000μmの位置で停止した場合は、保持トルクが70%である。実施形態のように一度18001μmまで上昇させて18000μm位置まで下降させた場合は、保持トルクが61%、つまり、9%だけ保持トルクを下げることができた。
図6は、モータ負荷率、瞬時発生トルク、エンコーダ情報、消費電力の測定結果を従来のウェーハチャック20を上昇して停止させたとき、及び本実施形態で比較した表である。この結果、従来の様に上昇して停止させたときのモータ負荷率、瞬時発生トルクは67%、消費電力は26Wであった。
本実施形態による上昇後、下降したときのモータ負荷率、瞬時発生トルクは63%、消費電力は24Wとなった。この結果、ウェーハチャック20を上昇後、下降した方は、長時間のウェーハテスト中において大きな省電力化が図れることが分かる。なお、エンコーダ情報は、参考情報として停止位置に対応する値を示し、その差は1μmに対応する。
図7は、保持トルクを70%としたときの耐荷重を比較した結果である。保持トルクは、70%で与え、ロードセル41で耐荷重を測定したものである。従来制御は、単に上昇して停止させているので耐荷重は520kgfであった。それに対して、実施形態のように上昇後、下降するように制御した場合は、保持トルクを70%でありながら耐荷重を605kgfとして増加できることが分かった。
10…プローバ
12…ベース
13…Yステージ
14…Y移動部
15…Xステージ
16…X移動部
17…Zθステージ
20…ウェーハチャック
25…カードホルダ
25a…保持穴
26…プローブカード
30…上下ステージ
31…針位置合わせカメラ
32…クリーニング板
35…プローブ針
40…固定ガイド
41…ロードセル
W…ウェーハ

Claims (7)

  1. 半導体チップの電極パッドが構成されたウェーハをウェーハチャック上に保持し、サーボモータで所定位置まで上昇させて前記電極パッドにプローブ針を接触させて電気的特性を検査するプローバの消費電力低減方法であって、
    前記ウェーハチャックを前記サーボモータで上昇して停止させた後、所定量だけ下降させて前記所定位置で保持し、前記検査を行うことを特徴とするプローバの消費電力低減方法。
  2. 前記所定量は、1μm~最大移動可能量としたことを特徴とする請求項1に記載のプローバの消費電力低減方法。
  3. 前記所定量は、1μm程度としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のプローバの消費電力低減方法。
  4. 前記所定位置は、前記プローブ針と前記電極パッドの間で確実な電気的接触を実現する接触圧が得られる位置とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプローバの消費電力低減方法。
  5. 半導体チップの電極パッドが構成されたウェーハをウェーハチャック上に保持し、サーボモータで所定位置まで上昇させて前記電極パッドにプローブ針を接触させて電気的特性を検査するプローバにおいて、
    ボールネジとガイドで構成された前記ウェーハチャックの上下機構と、
    前記上下機構を駆動する前記サーボモータと、
    前記ウェーハチャックを上昇して停止させた後、所定量だけ下降させて前記所定位置で保持する制御装置と、
    を備えたことを特徴とするプローバ。
  6. 前記所定量は、1μm~最大移動可能量としたことを特徴とする請求項5に記載のプローバ。
  7. 前記所定量は、1μm程度としたことを特徴とする請求項5又は6に記載のプローバ。
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